JP2023092410A - ヨウ素系殺菌材料の再活性化方法 - Google Patents

ヨウ素系殺菌材料の再活性化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 ヨウ素系殺菌材料は塩素系殺菌材料などと比べヨウ素を繊維材料等に固定化できると同時に徐放する特長があるため、生活雑貨に加えじゅうたんやカーテンなどインテリア製品に利用できる。したがって、物品の表面ばかりでなく空間を殺菌雰囲気にできる。しかしながら、長期間使用すると殺菌効果が低下する。これまで、殺菌効果を回復できる手段がなかった。家庭で容易に殺菌効果を回復できる方法を提供することが課題である。【解決手段】 殺菌効果が低下したヨウ素系殺菌材料を塩素系洗剤又は漂白剤の希釈液に所定時間接触させヨウ素を酸化して再担持する。また、うがい薬で広く利用されている液体ヨウ素剤に接触させ、ヨウ素を再担持する。これにより、ヨウ素系殺菌材料を再活性化する。【選択図】図2

Description

発明の詳細な説明
本発明は細菌やウィルスなどを殺菌できるヨウ素を含有するヨウ素系殺菌材料の再活性化方法に関する。
新型コロナ等による感染症対策として、ワクチンや治療薬の開発など医薬分野での努力が続けられている。同時に、極力ウィルス感染しないような環境対策も重要であり、マスクの高機能化、空調機の換気効率の向上や空気清浄装置等の性能向上が進められている。
また、殺菌雰囲気を創出する手段として、殺菌剤を含む素材を利用した技術の開発が行われている。殺菌剤にはさまざまなものが使用されている。塩素系、ヨウ素系の殺菌剤や4級アンモニウム塩を含む薬剤など多くの種類が利用されている。細菌やウィルスなどを抑制又は死滅させる機能に対して、さまざまな文言が使われている。細菌やウィルスの数を減らす「除菌」、細菌やウィルスの増殖を抑える「抗菌」、細菌・ウィルスを殺す「殺菌」などの文言が使用されているが、本発明においては使い分けが難しいため、これらの機能全てに対して殺菌という文言を使用する。
塩素系殺菌剤は殺菌効果が高く、即効性があるが、比較的高濃度では注意して取り扱う必要があるため、トイレやキッチンなどの洗浄に用途が限られる。新型コロナウィルス感染症の対策として、厚労省などで次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする塩素系殺菌剤を0.05%程度に希釈して物品の洗浄に用いる方法を推奨している。しかし、塩素系殺菌剤を希釈すると、即効性はあるが効果が持続しない。また、アルコールも蒸発しやすく長時間の殺菌効果を期待できない。塩化ベンザルコニウムなどに代表される4級アンモニウム塩を含む家庭用洗剤も液体の時点で効果があるものの、布などに浸し物品表面をふき取るなどの使用方法に限られる。
ヨウ素は塩素系殺菌剤ほどではないが強い酸化力を有し、ウィルスのエンベロープを破壊できるばかりでなく、塩素系殺菌剤にはない膜タンパクとの反応やRNA鎖の水素結合を切断するなどの特長があるため、新型コロナ感染症に対しウィルス不活化効果が高く有用である。
ポビドンヨードは非常に有効な殺菌剤であり、古くからうがい薬や手術部位の皮膚の消毒などに使用されてきた。しかしながら、ヨウ素は殺菌効果を有する形態(I)では、独特の褐色を呈しているため、手洗いや汚染された表面を洗浄するには抵抗があり、日常生活ではうがい薬以外には使用が避けられてきた。
しかしながら、ヨウ素は独特の物性を有しており、先に挙げた殺菌剤とは異なる使用方法が期待される。即ち、ヨウ素は他のハロゲン元素とは異なり、ヨウ化物イオンのアニオン交換基に対する選択性が非常に大きく、吸着しやすい特徴を有している。また、ハロゲン結合が他のハロゲン元素と比べ大きく、ポリヨウ素の形態をとることができる。このような性質を利用して前述の殺菌剤とは異なる使用方法が可能である。
これらの物性から得られる特に重要な利点は、ヨウ素を固定化でき、長期にわたって殺菌作用を発揮できる点である。また、ヨウ素特有の黄褐色がヨウ素量に依存しており、殺菌効果の低下を目視で推定できる点である。このような特性により、殺菌雰囲気を創出するための特殊な利用方法を提供することができる。
例えば、マスク、足ふきマットなどの衛生雑貨や絨毯、カーテン、タペストリーなどインテリア製品などの繊維製品に利用できる。さらに空気清浄装置のフィルター材料や水処理用フィルターなど空気や水の浄化にも利用可能である。既存の材料にヨウ素を固定化することによって、殺菌性能を付与した高機能製品にすることができる。
マスクの着用はコロナ感染予防手段として最も重要であり、さらなる高機能化が期待される。使い捨てマスクばかりでなく、再使用できるマスクも市場に投入されている。飛沫の吸入防止の向上や装着時の息苦しさの軽減のために改善が行われているが、素材に殺菌性能を付与する試みは少ない。
発明者らは繊維にヨウ素を導入した殺菌材料を提案し、マスクにも応用した(特許文献1)。この材料は、ポビドンヨードと同じ化学組成を有するグラフト重合体側鎖を繊維に結合しており、結合手段として放射線グラフト重合技術を利用している。ヨウ素は繊維に固定化されるばかりでなく、徐放する特徴を備えている。
しかしながら、特許文献1に記載した技術では、ポリビニルピロリドンとポリヨウ化物イオン(I )との相互作用が大きくないため、環境によってはヨウ素を放出しやすく殺菌効果がすぐに低下するという課題が明らかとなった。したがって、長期間殺菌性能を維持することが困難であった。
この課題を解消するため、同一発明者らによる特許文献2においては、ポリビニルピロリドンのグラフト重合体側鎖にアニオン交換基を加えたヨウ素系殺菌材料を提案している。ヨウ化物イオンはアニオン交換基に対し選択性が大きく吸着力が強い。例えば、アニオン交換基に対するハロゲンイオンの選択性はI >Br >Cl >Fの順であり、ポリヨウ化物イオン(I )の形態ではさらにイオン選択性が強いため、ヨウ素の徐放量を低減する効果を付与することができた。
しかしながら、特許文献2におけるヨウ素系殺菌材料においても、洗濯等を経て繰り返し使用する場合にヨウ素が放出され殺菌能力が低下又は消失する場合が多く確認された。この場合にも、ヨウ素による殺菌能力の低下がヨウ素色(黄褐色)の減退により容易に目視確認できるため、殺菌材料の寿命の判断に役立っている。
非特許文献1には、ヨウ素系殺菌材料による殺菌時のヨウ素の挙動について説明がある。それによると、ヨウ素系殺菌材料に含まれるポリヨウ素が細菌類のヘテロ原子(O,N,S原子など)に引き寄せられ、殺菌材料からヨウ素が外れることが示されている。殺菌力の低下の原因は、殺菌材料からヨウ素が外れることが一因である。さらに、使用環境での還元性物質との接触により、ヨウ素がヨウ化物イオンに還元されるなど複数の原因が考えられる。したがって、ヨウ素系殺菌材料の使用条件にもよるが、殺菌効果は徐々に低下し、ヨウ素色が減退する。
殺菌力の低下したヨウ素系殺菌材料に再度殺菌力を付与できることが、コロナ禍においてますます重要である。殺菌性能はヨウ素系殺菌材料の中にヨウ素(I)又はポリヨウ化物イオンが存在することが重要であるため、この化学種が存在しないと殺菌性能が小さくなる。
ヨウ素系殺菌材料の中でも特に繊維形状の材料は、先に挙げたようにマスク以外の製品、例えば足ふきマットやワイパー、カーテンや壁掛け材(タペストリー)、絨毯、テーブルクロス、空気清浄装置のフィルターなどに対する殺菌能力付与の応用が検討されている。これら用途には、長期間に亘る殺菌力の維持が必要である。
新型コロナ感染予防の手段としてマスク装着が最も有効であるとの評価が固まってきている。新型コロナ感染者数の多少にかかわらずマスク装着が推奨されている。飲食等においてはマスクを脱着し、会話の時には装着するというマスク会飲食が普通に受け入れられている。マスクの装脱着の機会が非常に増えており、マスク自体はいうに及ばずポケットやバッグなどマスク収納部の汚染回避にも大きな関心が寄せられている。
使い捨てでなく再使用可能なマスクを利用する場合においては、装脱着の機会が増加しても長時間殺菌性能を発揮できるヨウ素系殺菌材料を使用したマスクが好ましい。これらヨウ素系殺菌材料を含むマスクを洗濯した後においても、初期の殺菌性能を維持できることが好ましいが、そのような方策はこれまでなかった。
このように、ヨウ素系殺菌材料は新型コロナウィルス感染症拡大に対し、極めて有効であるにもかかわらず、液体のヨウ素系殺菌剤が一部医療分野で使用されるのみで適用分野が狭かった。しかしながら、ヨウ素系殺菌材料は殺菌能力を固定化できる特長を有しており、コロナ禍ではますます重要な特性である。殺菌能力の低下したヨウ素系殺菌材料に対して、家庭で入手可能な薬品により殺菌能力を再活性化できれば、より長期間にわたって物品や物品に接触する空間を殺菌雰囲気に維持することができ、コロナ禍の感染予防に有効である。
WO00/064264 WO2008/153090
SIS Letters, No.19(May, 2018)海宝龍夫
発明が解決しようとする課題
殺菌効果の低下したヨウ素系殺菌材料を手軽に再活性化でき、殺菌能力を長期間持続させることにより、より安全・安心な空間を提供することである。
課題を解決するための手段
発明者らは、特許文献2に記載したように、不織布のような有機高分子素材に4級アンモニウム基を含むグラフト重合体側鎖を導入し、該重合体側鎖に三ヨウ化物イオンを担持させたヨウ素系殺菌材料を開発してきた。この開発の過程で、殺菌能力の低下したヨウ素系殺菌材料を家庭用の洗剤、漂白剤や液体ヨウ素剤を利用して再活性化できることを見出し本発明に至った。
本発明は、次の特徴を有するヨウ素型系菌材料の再活性化方法を提供する。
(1) 有機高分子基材にヨウ素を含むヨウ素系殺菌材料において、殺菌効果の低下した該殺菌材料を塩素系洗剤、塩素系漂白剤及び液体ヨウ素剤から選択される薬剤に接触させることを特徴とするヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
(2) 前記、有機高分子基材がイオン交換基を有し、該イオン交換基を利用してヨウ化物イオン及び/又はポリヨウ化物イオンが担持されたものである(1)項記載のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
(3) 前記、有機高分子基材のイオン交換基がアニオン交換基であり、4級アンモニウム基を含む(1)項又は(2)項記載のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
(4) 前記、有機高分子基材は、有機高分子繊維に放射線を照射した後、4級アンモニウム基を有するモノマーか又は4級アンモニウム基に転換可能なモノマーを接触させることによってグラフト重合体側鎖を形成させることによって得られる(1)項~(3)項のいずれか記載のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
(5) 前記、塩素系洗浄剤又は漂白剤は次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする(1)項~(4)項のいずれか記載のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
(6) 前記、(5)項記載の次亜塩素酸ナトリウムの濃度を0.01%から0.05%に希釈して使用する(5)項に記載のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
(7) 前記、(1)項記載の液体ヨウ素剤は三ヨウ化物イオンを含むヨウ素溶液である(1)項~(4)項のいずれか記載のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
ヨウ素(I)は水中に溶解せず、ヨウ化カリウム水溶液(KI水溶液)に溶解する。この際、ヨウ素(I)はヨウ化物イオン(I)と反応し、三ヨウ化物イオン(I )となる。I はIにIがハロゲン結合により複数付加したポリヨウ化物イオンの代表種であり、[I・(I)n]と記載される一般式において、n=1の場合である。ヨウ素の殺菌力は主としてポリヨウ化物イオン中のヨウ素(I)の働きによる。
ポリヨウ化物イオンを吸着させたヨウ素系殺菌材料に微生物等の細菌類が接触すると、微生物が有するヘテロ原子(窒素原子、酸素原子など)の影響でヨウ素(I)が遊離することによって、微生物に対する殺菌効果を発揮する、と言われている(非特許文献1)。ここで、代表的なポリヨウ化物イオンである三ヨウ化物イオン(I )を例にとり、以降説明すると(1)式に示すように、このI部分が遊離し、これが殺菌剤として働くのである。
Figure 2023092410000002
ヨウ素の殺菌能力の低下は、主として吸着していたポリヨウ化物イオンからのヨウ素(I)の放出、還元剤との接触によるIのヨウ化物イオン(I)への還元、ヨウ素系殺菌材料の使用方法や環境などにより大きく影響を受ける。ヨウ素の殺菌能力の低下は、ヨウ素の黄褐色が徐々に減退することによって目視で判断することができる。
しかしながら、アニオン交換基を介して吸着させたポリヨウ化物イオンが吸着した部位には、ヨウ素放出後やヨウ素が還元された後もヨウ化物イオン(I)がイオン交換吸着により残存している。ヨウ化物イオン型(I型)のヨウ素系殺菌材料は、ヨウ化カリウム(KI)水溶液が無色透明であることと同様に着色しない。ヨウ化物イオン型の殺菌材料においても多少は殺菌効果が残存しているが、三ヨウ化物イオン型の場合ほどではない。
ここで、殺菌能力の低下したヨウ素系殺菌材料に対し、ヨウ素よりも酸化還元電位の大きい酸化剤を接触させれば、吸着されているヨウ化物イオン(I)をヨウ素(I)に酸化することができる。次亜塩素酸ナトリウムは式(2)~(4)に示すように、容易にヨウ化物イオンをヨウ素に酸化できる。
Figure 2023092410000003
酸化によって生成したヨウ素(I)は大気中に放散されるのではなく、式(5)に示すように、アニオン交換基に吸着しているヨウ化物イオンに対し再度ハロゲン結合によって固定化される。ヨウ化カリウム水溶液がヨウ素を溶解させるのと同様に、繊維に固定化されているヨウ化物イオン(I)にヨウ素(I)がハロゲン結合により捕捉され、三ヨウ化物イオン(I )として再度固定化されるのである。
Figure 2023092410000004
ヨウ素系殺菌材料の種類により、殺菌能力回復の程度は異なるが、アニオン交換基を有するヨウ素系殺菌材料のように、アニオン交換基が存在しヨウ化物イオンがイオン交換吸着によって、材料中に留まっている場合は、ヨウ化物イオン(I)がヨウ素(I)に酸化されても放出されず、三ヨウ化物イオン(I )が再担持され、殺菌能力が回復する。次亜塩素酸ナトリウムの殺菌力がヨウ素という形態に変換され固定化されたと言えよう。
有機高分子基材中に含まれヨウ化物イオン(I)と相互作用する官能基としてアニオン交換基が代表的なものであるが、ヨウ化物イオンを強く吸着して保持するには4級アンモニウム基を有する強塩基性アニオン交換基が好ましい。3級アミンをはじめとする低級アミンやポリアミドなどの相互作用の小さいヨウ素系殺菌材料は次亜塩素酸ナトリウム等の薬剤との接触に対して、ヨウ化物イオンを十分に保持できず脱離する場合がある。
家庭用の塩素系洗浄剤や塩素系漂白剤はドラッグストアやコンビニエンスストア等で誰にでも入手可能である。この塩素系洗浄剤や塩素系漂白剤の主成分は強力な酸化力を有する次亜塩素酸ナトリウムであり、新型コロナ感染症が流行している今日、厚生省から、次亜塩素酸ナトリウム濃度を0.05%程度に希釈し、ドアノブや手すりなど物品表面の汚染しやすい箇所の消毒に利用するよう推奨されている
(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/syoudoku_00001.html)。
次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.01%以下の場合、ヨウ化物イオン(I)のヨウ素(I)への酸化が十分ではない。また、濃度が0.05%以上の場合、ヨウ化物イオンがヨウ素を通り越しヨウ素酸イオン(IO )にまで酸化され、イオン交換基から遊離してしまう。また、次亜塩素酸ナトリウムとの接触時間が長い場合においても、イオン選択性の小さなヨウ素酸イオン(IO )にまで酸化される。ヨウ素酸イオンはヨウ化物イオンと比べはるかに選択性が小さく、アニオン交換基から脱離する。そのため、着色したヨウ素系殺菌材料の色が薄れヨウ素担持前の有機高分子基材の色(通常は白色)となる。したがって、次亜塩素酸塩の濃度は0.01~0.05%、接触時間は1時間以内が好ましい。
4級アンモニウム基を含まない低級アミンのイオン交換基を有する有機高分子基材や有機高分子との相互作用によりポリヨウ化物イオンを吸着できるポリビニルピロリドン、ポリアミド、セルロースなどのようなヨウ素系殺菌材料には、次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする洗浄剤よりもむしろ液体ヨウ素剤の方が効果的に再活性化を実施できる。液体ヨウ素剤としてよく知られているポビドンヨードはビニルピロリドンの重合体水溶液に三ヨウ化物イオンが配位したものであり、水素結合であるためその結合力は弱い。したがって、殺菌能力の低下したヨウ素系殺菌材料と接触させれば、ポビドンヨードから三ヨウ化物イオンが引抜かれヨウ素系殺菌材料の方に吸着する。ポビドンヨード液の黄褐色が減退し、ヨウ素系殺菌材料が着色することによって目視により再活性化を確認できる。
液体ヨウ素剤で再活性化できる有機高分子基材としては、官能基として3級アミンなどの弱塩基性アニオン交換基、アミド基、ピロリドン基などポリヨウ化物イオンと相互作用する官能基を含有している基材に適用できる。このような有機高分子として代表的なものには、ポリアミド、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンなどがあり、さらにこれら高分子をグラフト重合体側鎖として導入したものも含まれる。もちろん、4級アンモニウム基を含むアニオン交換基を有する有機高分子においても、液体ヨウ素剤でヨウ素を吸着でき再活性化が可能である。
既存の高分子に放射線を利用してグラフト重合体側鎖を導入する手法を放射線グラフト重合法と呼ぶ。既存の高分子の形状として、繊維、繊維の集合体である織布や不織布、繊維を撚った撚糸、フィルム、スポンジなどの空隙材料を比較的自由に選択できるため、さまざまな使用方法を選択することができ応用範囲が広い。既存の繊維又は繊維の集合体である織布や不織布などに放射線グラフト重合法を利用して、イオン交換基やピロリドン基などを導入し、ヨウ素を付与したヨウ素系殺菌繊維は、マスクなどの衛生雑貨やインテリア材料などに幅広く使用が可能であり、ヨウ素系殺菌材料の製法として特に好ましい。
グラフト重合体側鎖を形成させるモノマーとしては、ヨウ素と相互作用するピロリドン基、アミド基、イオン交換基を有するモノマーが好ましい。この中でも、官能基としてアニオン交換基を有するか又はアニオン交換基に転換可能なものが特に好ましい。アニオン交換基には、4級アンモニウム基を有するモノマーや4級アンモニウム基に転換可能なモノマー、3級アミノ基を有するモノマーや3級アミンに転換可能なモノマーがあるが、4級アンモニウム基を有するモノマーか又は4級アンモニウム基に転換可能なモノマーが好ましい。4級アンモニウム基は他のアニオン交換基と比べ幅広いpH範囲でヨウ化物イオンを吸着保持でき、ヨウ化物イオンに対するイオン選択性も大きく好適である。
なお、本発明は放射線グラフト重合法によらない製造方法によって製造されたイオン交換樹脂、イオン交換繊維、ピロリドン基やアミド基などを有する有機高分子基材にヨウ素を添着させることによって製造されたヨウ素系殺菌材料に対しても殺菌能力の再活性化方法として利用できる。
発明の効果
ヨウ素系殺菌材料は、アルコールや塩素系殺菌剤のように即効性を特徴とする殺菌剤と異なり、長期間にわたり殺菌能力を維持し、酸化力に加え、ウィルス表面の膜タンパクを変性させ、RNA鎖の水素結合を切るなど独特の特性を有している。そして、ハロゲン結合により溶液ばかりでなく固体にも担持できる特性を有する。そして、その利用方法も他の殺菌剤と異なり、例えば、マスクなどの衛生材料や壁、絨毯、カーテンなどのインテリア材料、空気清浄装置のフィルター材料などに使用することにより、長期間にわたり殺菌空間を提供できる。ヨウ素系殺菌材料の殺菌能力はヨウ素を放出することにより徐々に低下するため、簡単な方法で再活性化できれば、より長期に殺菌能力を維持させることができ、物品表面の殺菌ばかりでなく殺菌空間をも提供することができる。
新型コロナが蔓延している折、空間を長期間殺菌雰囲気にできるため、家庭用、病院、医療施設等の現場において感染者を隔離する空間の浄化にも利用できる。また、イベントハウスやレストランなどの公共の施設においてもより安全な空間を提供できる。
放射線グラフト重合法によるヨウ素系殺菌材料の合成経路を示す図である。 ヨウ化物イオンを吸着させた不織布の一部を切り取り次亜塩素酸ナトリウム希釈液(0.04%)に浸漬させ、再活性化させた不織布と再活性化前の不織布の外観を示す図である。再活性化した不織布はやや黒みを帯びているが、実際は黄色が濃くなっている。 ヨウ化物イオンを吸着させた不織布に次亜塩素酸ナトリウム希釈液0%、0.01%、0.05%及び0.1%を接触させ、再活性化させた不織布の外観を示す図である。
技術の特徴をわかり易く説明するため、放射線グラフト重合法により製造した有機高分子基材にヨウ素が添着されたヨウ素系殺菌材料を例にとり説明する。図1にヨウ素系殺菌材料の合成経路に示す。既存の基材に放射線を照射した後、4級アンモニウム基を有するグラフト重合体側鎖を導入し、さらに三ヨウ化物イオンを吸着させることによって、ヨウ素系殺菌材料を製造する例を示しており、本発明に好ましいヨウ素系殺菌材料の製造方法である。
放射線グラフト重合法においては、基材1にガンマ線や電子線のような放射線2を照射し、ラジカル3を生成させた後、重合性のモノマーを接触させることにより、ラジカル6を起点としてグラフト重合体側鎖7を成長させる。この際、モノマーとしてアニオン交換基を有するかアニオン交換基に転換可能なモノマーを利用することにより、アニオン交換基を有するヨウ素添着用の有機高分子基材が製造できる。
基材1の形状としては、汎用性の高い繊維、繊維の集合体である織布又は不織布及びこれらの加工物から選択される高分子基材を好ましく用いることができる。特に、織布や不織布の形態の基材は、軽量で加工しやすい。材質としてはポリエチレンやポリプロピレンなどポリオレフィン系の他、ポリアミド系やポリエステル系などグラフト重合が可能な材質の基材を利用することができる。
放射線源2としては、α線、β線、γ線、電子線、紫外線などを挙げることができるが、特に、電子線や60Coのγ線などを好ましく用いることができる。電子線と比較すると60Coのγ線は透過深度が大きいが単位時間あたりの放射線強度(線量率)が低い。
グラフト重合に必要な照射線量は一般的に10~300kGy程度である。放射線グラフト重合法には、基材に予め放射線を照射した後、モノマーを接触させて重合体側鎖を導入する前照射グラフト重合法と、高分子基材とモノマーとの共存下に放射線を照射する同時照射グラフト重合法とがあり、いずれの方法も本発明において用いることができる。図1は前照射グラフト重合法の例である。
また、有機高分子基材とモノマーとの接触態様により、モノマーの溶液に有機高分子基材を浸漬させたまま重合させる液相グラフト重合法、モノマーの蒸気に高分子基材を接触させて重合させる気相グラフト重合法、高分子基材をモノマーの溶液に浸漬させた後でモノマー溶液から取り出して気相中で重合させる含浸気相グラフト重合法などがあり、いずれの方法も本発明において用いることができる。本発明において、織布や不織布の形態の基材を用いる場合には、モノマーの溶液を保持しやすい含浸気相グラフト重合法や液相グラフト重合法が好適である。
4級アンモニウム基含有モノマーとしては、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC)4及びジメチルアミノプロピルアクリルアミド4級化物(DMAPAA4級化物)から選択されるモノマーがある。また、スチレン、クロロメチルスチレン(CMS)、メタクリル酸グリシジル(GMA)など4級アンモニウム基に転換可能な構造を有するモノマーから選択して利用できる。この中ではビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC)4が好ましい。
4級アンモニウム基含有モノマーは親水性が大きく、基材の材質によってはモノマー単独ではグラフト重合しづらい場合がある。特に、基材材質がポリオレフィン系のように疎水性の場合に認められる。このような場合には、よりグラフト重合しやすい補助モノマーを加えることができる。図1は補助モノマーとして、N―アルキルアミド基含有のN―ビニルピロリドン(NVP)5を加えている。
N―アルキルアミド基含有モノマーとしては、N―ビニルピロリドン、N―ビニルーN―メチルアセタミド、N―ビニルーN―エチルアセタミド、N―ビニルーN-メチルプロピルアミド、N―ビニルーN―エチルプロピルアミド又はこれらから誘導される化合物から選択できるが、N―ビニルピロリドン(NVP)が好ましい。
ヨウ素添着工程は、グラフト物をヨウ素ヨウ化カリウム溶液に所定時間浸漬することにより行う。三ヨウ化物イオン(I )は4級アンモニウム基9及びピロリドン基8に吸着する。非特許文献にも記載があるように、細菌・ウィルス類が接近すると、ヨウ素が放出される。ヨウ素(I)が放出され独特の黄褐色が消失した時点では、ヨウ化物イオン(I)がイオン交換吸着により有機高分子基材に残存した状態となる。
ここで、有機高分子基材を次亜塩素酸ナトリウムが主成分として含まれる家庭用洗剤又は漂白剤と接触させると、基材中のヨウ化物イオンがヨウ素(I)に酸化され、ハロゲン結合やイオン交換反応により、再度基材に添着され、ヨウ素系殺菌材料の再活性化が可能となる。
家庭用の塩素系洗浄剤又は漂白剤の原液は次亜塩素酸ナトリウム6%の原液濃度でとして、広く市販されている。表1に示すように、厚生労働省・経済産業省・消費者庁特設ページでは、感染症対策として、塩素系洗浄剤の0.05%以上の希釈液による物品表面のふき取りも推奨されていて、希釈液の作成方法や取扱い方法も詳細に記載されている。
Figure 2023092410000005
本発明のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法では、次亜塩素酸ナトリウムの濃度を0.05%以上にする必要はなく、より薄い0.02%でも十分である。厳密に調製する必要はない。濃度が高すぎると危険が増すばかりでなく、ヨウ化物イオン(I)がヨウ素酸イオン(IO )にまで酸化され、基材から脱離する。接触時間は数分から1時間以内で十分であり、予め予備実験等により、最適な接触条件を決定することができる。
ヨウ素系殺菌材料と次亜塩素酸ナトリウムとの接触方法としては、単純にヨウ素系殺菌材料を次亜塩素酸ナトリウム希釈液の中に浸漬する方法を採用することができる。0.02~0.05%の希釈液に30分程度浸漬したのち、水道水で軽く洗浄と乾燥を行い再使用することができる。ヨウ素系殺菌材料の使用方法により様々な接触方法を行うことができる。例えば、浸漬が難しい場合は、希釈液をスプレーしてもよく、カーテンやインテリア材料に対し実施できる。
うがい薬として知られているポビドンヨードなどの液体ヨウ素剤も再活性化に利用できる。次亜塩素酸ナトリウムと比較して、大量に販売されているわけではないが、ドラッグストアなどでポビドンヨードを主成分とするうがい薬を入手することが可能である。この液は1mlあたり7mgの有効ヨウ素を含んでいる。次亜塩素酸ナトリウムと比べ高価なため、大量に使用する場合には不向きであるが、ヨウ素系殺菌材料を含むマスク材料やフィルター材料のように小さな製品には適用できる。
液体ヨウ素剤の使用方法としては、次亜塩素酸ナトリウムの場合と同様、液体ヨウ素剤の希釈液を作製し、この希釈液にヨウ素系殺菌材料を所定時間浸漬したのち、水道水で洗浄後に乾燥すればよい。
以下、実施例及び比較例を参照しながら本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(1)ヨウ素系殺菌材料の製造
基材として、ポリエチレンを鞘、ポリプロピレンを芯とする芯鞘複合繊維からなる目付25g/m、厚み0.2mmの不織布を幅30cm×5m長さに切取り、窒素雰囲気でガンマ線150kGyを照射した。別に、N-ビニルピロリドン(NVP)/ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC)/水=1/2/3(重量比)に調製したモノマー混合液3Lを大型のガラスアンプルに入れ30分間窒素バブリングし、溶存酸素を追い出した。この液に先の照射済み不織布を入れ、恒温槽に50℃で6時間静置し、グラフト重合を行った。予め、10cm角にカットしたグラフト率測定用サンプルの重量増加率からグラフト率は68%であることが分かった。このサンプルの中性塩分解容量を測定すると、0.18meq/g-グラフト物であった。
(2)ヨウ化物イオンの吸着
このグラフト済み不織布を純水で5回洗浄した。図1では、ヨウ素ヨウ化カリウム溶液を使用して三ヨウ化物イオンを吸着しており、通常は20~40μg/cmのヨウ素が存在している。実施例1では殺菌能力が消失した場合を想定し、ヨウ素ヨウ化カリウム溶液の代わりに0.5Mのヨウ化カリウム水溶液500mlを調製し、グラフト済み不織布を10分間浸漬した。その後、不織布を取出し乾燥した。外観は無色のヨウ化物イオンのみが吸着した不織布が製造できた。
(3)0.04%次亜塩素酸ナトリウム希釈液の調製
Figure 2023092410000006
酸ナトリウム濃度0.04%の希釈液を作製した。
(4)再活性化
(2)で製造したヨウ化物イオン吸着済みの不織布10を10cm角に切断し、(3)の次亜塩素酸ナトリウム希釈液100mlに15分間浸漬した後、水道水で5回バッチ洗浄し引き上げ、風乾した。この不織布11の外観は浸漬直後から黄褐色に変化し始め、図2のようにヨウ素(I)が固定化されていると目視確認された。
(5)ヨウ素添着量の測定
ヨウ素添着後の不織布20cm×50cmを約5cm角にカットし、0.02mol/Lのチオ硫酸ナトリウム400mlに入れ適宜撹拌しながら1昼夜暗所に静置した。次いで、この液100mlを採取し、分析の都度調製した0.01mol/Lのヨウ素溶液で電位差滴定を行った。この結果、この不織布には28μg/cmのヨウ素が添着されていた。また、次亜塩素酸ナトリウム添加前のヨウ化物イオン吸着済みの不織布は当然ヨウ素添着量は0μg/cmであり、再活性化されたことが分かる。
実施例1-(3)の次亜塩素酸ナトリウム水溶液の作製において、カネヨブリーチ原液の採取量を変え、次亜塩素酸ナトリウム濃度が0%、0.01%、0.05%、0.1%となるよう作製した。次に、この液に実施例1―(2)で製造したヨウ化物イオン型不織布10cm角を3枚ずつ浸漬し、15分間静置した。その後、液を捨て水道水で3回洗浄し、乾燥した。乾燥後の不織布外観を図3に示す。次亜塩素酸ナトリウムを含まない場合は、白色を呈していたが、次亜塩素酸ナトリウム濃度が0.01%~0.05%の場合には黒みを帯び(実際は黄褐色)に変化し、ヨウ素が付与されていることが明らかであった。なお、次亜塩素酸ナトリウム濃度が0.1%の場合、不織布の外観が白色に変化した。ヨウ化物イオンが次亜塩素ナトリウム水溶液によって、ヨウ素酸イオン(IO )にまで酸化され、不織布から溶離したためである。この結果より、次亜塩素酸ナトリウム濃度は0.01~0.05%が好ましいことが分かる。
Figure 2023092410000007
素酸ナトリウム濃度0.04%の希釈液を作製した以外は実施例1と同様の実験を行い、図2と同様の結果を得た。再活性化後の不織布にはヨウ素が24μg/cm2のヨウ素が含まれていた。
Figure 2023092410000008
lを100mlの水道水に滴下した後、ステンレス製バットに移した。このバットに実施例1―(2)で製造したヨウ化物イオン型の不織布10cm角2枚を30分間浸漬した。30分経過後の不織布は黄褐色の色が濃くなり、逆にポビドンヨードの希釈液の黄褐色が薄くなり、透明に近くなった。この不織布のヨウ素添着量を測定したところ、31μg/cmであった。この結果より、ポビドンヨードのヨウ素が不織布のグラフト重合体側鎖に導入された4級アンモニウム基及びピロリドン基に引き抜かれ、固定化されたことが分かる。
(再活性化後のヨウ素系殺菌材料のウィルス不活化効果)
実施例1、3及び4で得られた再活性化を行った不織布、再活性化前のヨウ化物イオンのみを吸着させた不織布、さらに実施例1-(1)で基材とした放射線グラフト重合前の不織布、及び図1に示す通常のヨウ素系殺菌材料の合成経路により製造した不織布の一部を切取り、ウィルス不活化試験を行った。試験ウィルスはインフルエンザウィルスA型(H1N1)を用い、切り取った不織布に滴下後、室温に4時間放置した後、洗い出し液についてウィルス感染価を測定することにより試験を行った。結果を表2に示す。
Figure 2023092410000009
ウィルス感染価はTCID50の対数で表され、この値が小さいほど不活化効果、即ち殺菌効果が大きい。再活性化前のヨウ化物イオンのみを吸着させたヨウ素型殺菌材料も基材に比べ多少不活化効果を有しているが、実施例1、3、4の再活性化したヨウ素系殺菌材料のヨウ素添着量は未使用のヨウ素系殺菌材料と比べやや小さいが、不活化効果はいずれも0.5以下と高い殺菌効果が得られた。この殺菌効果は未使用のヨウ素系殺菌材料、即ち図1の合成経路で作製したヨウ素系殺菌材料の殺菌効果と同様であった。
ヨウ素系殺菌材料は、アルコールや塩素系殺菌剤のように即効性を特徴とする殺菌剤と異なり、長期間にわたり殺菌能力を維持し、酸化力に加え、ウィルス表面の膜タンパクを変性させ、RNA鎖の水素結合を切るなど独特の特性を有している。そして、ハロゲン結合により溶液ばかりでなく固体にも担持できる特性を有する。ヨウ素系殺菌材料の殺菌能力はヨウ素を放出することにより徐々に低下するため、簡単な方法で再活性化できれば、より長期に殺菌能力を維持させることができ、物品表面ばかりでなく殺菌空間を提供できる。新型コロナが蔓延している折、空間を長期間殺菌雰囲気にできるため、家庭用、病院、医療施設等の現場において感染者を隔離する空間の浄化にも利用できる。また、イベントハウスやレストランなどの公共の施設においてもより安全な空間を提供できる。
1 基材
2 放射線
3 ラジカル
4 ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド
5 N-ビニルピロリドン
6 共有結合
7 グラフト重合体側鎖
8 水素結合
9 イオン結合
10 ヨウ化物イオンを吸着させた不織布
11 ヨウ化物イオンを吸着した不織布を次亜塩素酸ナトリウム希釈液(0.04%)で再活性化した不織布

Claims (7)

  1. 有機高分子基材にヨウ素を含むヨウ素系殺菌材料において、殺菌効果の低下した該殺菌材料を塩素系洗剤、塩素系漂白剤及び液体ヨウ素剤から選択される薬剤に接触させることを特徴とするヨウ素系殺菌剤の再活性化方法
  2. 前記、有機高分子基材がイオン交換基を有し、該イオン交換基を利用してヨウ化物イオン及び/又はポリヨウ化物イオンが担持されたものである請求項1記載のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
  3. 前記、有機高分子基材のイオン交換基がアニオン交換基であり、4級アンモニウム基を含む請求項1又は2記載のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
  4. 前記、有機高分子基材は、有機高分子繊維に放射線を照射した後、4級アンモニウム基を有するモノマーか又は4級アンモニウム基に転換可能なモノマーを接触させることによってグラフト重合体側鎖を形成させることによって得られる請求項1~3のいずれか記載のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
  5. 前記、塩素系洗剤又は漂白剤は次亜塩素酸ナトリウムを主成分とする請求項1~4のいずれか記載のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
  6. 前記、請求項5に記載の次亜塩素酸ナトリウムの濃度を0.01%から0.05%に希釈して使用する請求項5記載のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
  7. 前記、請求項1記載の液体ヨウ素剤は三ヨウ化物イオンを含むヨウ素溶液である請求項1~4のいずれか記載のヨウ素系殺菌材料の再活性化方法
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