JP2023092372A - 車両用電気駆動装置 - Google Patents

Abstract

【課題】左右の車輪を回転駆動する駆動ユニットを別々に備えている車両用電気駆動装置にオイルポンプをコンパクトに配設する。【解決手段】左右の駆動ユニット１４、１６の入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒにそれぞれ一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒを介してオイルポンプ８０が連結され、回転速度が速い方の入力回転軸４０Ｌまたは４０Ｒにより回転駆動されて油圧を出力するため、旋回時等に左右の車輪１２Ｌ、１２Ｒに差回転が生じても常に十分な量の潤滑油を供給できるとともに、左右の駆動ユニット１４、１６に対して共通の単一のオイルポンプ８０を設けるだけで良いため、電気駆動ユニット１０全体の体格をコンパクトに構成でき、電気自動車への搭載性が向上する。【選択図】図２

Description

本発明は車両用電気駆動装置に係り、特に、左車輪を回転駆動する左側駆動ユニットと右車輪を回転駆動する右側駆動ユニットとを備えている車両用電気駆動装置に関するものである。

(a) 左車輪を回転駆動する左側電動機と、前記左側電動機と前記左車輪との間の動力伝達経路に回転軸を備えて配設された左側変速機構と、を有する左側駆動ユニットと、(b) 右車輪を回転駆動する右側電動機と、前記右側電動機と前記右車輪との間の動力伝達経路に回転軸を備えて配設された右側変速機構と、を有する右側駆動ユニットと、を備えている車両用電気駆動装置が提案されている。特許文献１、２に記載の装置はその一例であり、何れも変速機構を潤滑したり電動機を冷却したりするための潤滑油を出力するオイルポンプを備えている。すなわち、左右の車輪は旋回時に差回転が生じるため、左側駆動ユニットおよび右側駆動ユニットにそれぞれオイルポンプが設けられる。また、車両後退時にポンプの引き摺りによる駆動ロスを低減するため、一方向クラッチが設けられている。また、特許文献２には、左右の何れか一方の駆動ユニットのみにオイルポンプを設ける技術が記載されている（図１０、図１１参照）。

特開２０１６－１４８４１１号公報 特開２０１７－１３３５２６号公報

しかしながら、左側駆動ユニットおよび右側駆動ユニットにそれぞれオイルポンプを設けると、ユニット全体の体格が大きくなり、車両への搭載性が損なわれる。また、左右の駆動ユニットの何れか一方のみにオイルポンプを設ける場合、車両旋回時に旋回の内側になると回転速度が遅くなるため、供給油量が不足する可能性があり、これを回避するために大型のオイルポンプを採用すると、直進走行時等に必要以上の潤滑油が出力されて駆動ロスが大きくなる。

本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、左右の車輪を回転駆動する駆動ユニットを別々に備えている車両用電気駆動装置にオイルポンプをコンパクトに配設することにある。

かかる目的を達成するために、第１発明は、(a) 左車輪を回転駆動する左側電動機と、前記左側電動機と前記左車輪との間の動力伝達経路に回転軸を備えて配設された左側変速機構と、を有する左側駆動ユニットと、(b) 右車輪を回転駆動する右側電動機と、前記右側電動機と前記右車輪との間の動力伝達経路に回転軸を備えて配設された右側変速機構と、を有する右側駆動ユニットと、を備えている車両用電気駆動装置において、(c) 前記左側駆動ユニットおよび前記右側駆動ユニットの前記回転軸のうち、直進走行時の回転速度が等しい左右一対の回転軸がポンプ駆動用回転軸として用いられ、(d) 前記一対のポンプ駆動用回転軸にそれぞれ一方向クラッチを介して連結され、回転速度が速い方の前記ポンプ駆動用回転軸により回転駆動されて油圧を出力する単一のオイルポンプを有することを特徴とする。

第２発明は、第１発明の車両用電気駆動装置において、(a) 前記左側変速機構および前記右側変速機構は、前記回転軸が同数で何れも車両幅方向と略平行に配設されているとともに、その回転軸には互いに同数のギヤが設けられており、変速比が互いに同じで、車両幅方向において左右対称に構成されており、(b) 前記左側変速機構と前記右側変速機構とで対応する回転軸は、それぞれ共通の軸線上に設けられているとともに直進走行時の回転速度は同じであり、任意の対応する回転軸が前記一対のポンプ駆動用回転軸として選択される一方、(c) 前記オイルポンプは、左右両側の一対の前記一方向クラッチと共に、車両幅方向において前記左側変速機構と前記右側変速機構との間であって、前記一対のポンプ駆動用回転軸と同一軸線上に配設されていることを特徴とする。

第３発明は、第２発明の車両用電気駆動装置において、(a) 前記左側電動機および前記右側電動機は、それぞれ出力軸が車両幅方向と略平行な共通の第１軸線上に位置するように互いに対向する内向き姿勢で軸線方向に離間して配置されている一方、(b) 前記左側変速機構および前記右側変速機構は、車両幅方向において前記左側電動機と前記右側電動機との間に配設されており、それぞれ前記回転軸として入力回転軸、中間回転軸、および出力回転軸の３軸を備えているとともに、前記ギヤとしてドライブギヤ、大径ギヤ、小径ギヤ、およびドリブンギヤを備えており、(c) 前記左側変速機構および前記右側変速機構の前記入力回転軸は、何れも前記第１軸線上に配置されているとともに、その入力回転軸には前記ドライブギヤが設けられており、前記左側変速機構の前記入力回転軸は前記左側電動機に動力伝達可能に連結され、前記右側変速機構の前記入力回転軸は前記右側電動機に動力伝達可能に連結されており、(d) 前記左側変速機構および前記右側変速機構の前記中間回転軸は、何れも前記第１軸線と平行な第２軸線上に配置されているとともに、その中間回転軸には、前記ドライブギヤから回転が伝達される前記大径ギヤと前記小径ギヤとが軸方向に離間して設けられており、(e) 前記左側変速機構および前記右側変速機構の前記出力回転軸は、何れも前記第１軸線と平行な第３軸線上に配置されてドライブシャフトと動力伝達可能に連結されているとともに、その出力回転軸には前記小径ギヤから回転が伝達される前記ドリブンギヤが設けられており、(f) 前記第１軸線上に配設された左右一対の前記入力回転軸、または前記第３軸線上に配設された左右一対の前記出力回転軸が、前記一対のポンプ駆動用回転軸として選択されることを特徴とする。

第４発明は、第１発明～第３発明の何れかの車両用電気駆動装置において、前記一対のポンプ駆動用回転軸は、前記回転軸のうち相対的に長さが短い短小回転軸であることを特徴とする。

第５発明は、第１発明～第４発明の何れかの車両用電気駆動装置において、(a) 前記左側駆動ユニットおよび前記右側駆動ユニットは、共通のケース内に収容されているとともに、前記左側変速機構と前記右側変速機構との間には、前記ケースと一体的に仕切り壁が設けられており、(b) 前記オイルポンプは、ポンプケースの少なくとも一部が前記仕切り壁によって構成されるようにその仕切り壁に組み付けられていることを特徴とする。

第６発明は、第１発明～第５発明の何れかの車両用電気駆動装置において、(a) 前記オイルポンプは、ポンプ軸が回転駆動されることにより油圧を出力するもので、(b) 前記オイルポンプの左右両側には、外輪と内輪との間で一方向に動力伝達する前記一方向クラッチが配設されているとともに、その一方向クラッチにおける前記外輪および前記内輪の一方にそれぞれ前記ポンプ駆動用回転軸が連結されており、(c) 前記ポンプ軸は前記オイルポンプの両側に突き出しているとともに、そのポンプ軸の両端部は、前記一方向クラッチにおける前記外輪および前記内輪の他方に設けられた連結穴内にそれぞれ軸方向から挿入されて動力伝達可能に連結されていることを特徴とする。

このような車両用電気駆動装置においては、左右の駆動ユニットの回転軸のうち直進走行時の回転速度が等しい一対のポンプ駆動用回転軸にそれぞれ一方向クラッチを介してオイルポンプが連結され、回転速度が速い方のポンプ駆動用回転軸により回転駆動されて油圧を出力するため、旋回時等に左右の車輪に差回転が生じても常に十分な量の潤滑油を供給できるとともに、左右の駆動ユニットに対して共通の単一のオイルポンプを設けるだけで良いため、電気駆動装置全体の体格をコンパクトに構成でき、車両への搭載性が向上する。

第２発明では、左側変速機構および右側変速機構が左右対称に構成されており、左右の変速機構で対応する回転軸の直進走行時の回転速度はそれぞれ同じで任意の回転軸がポンプ駆動用回転軸として選択され、オイルポンプは、左右両側の一対の一方向クラッチと共に左右の変速機構の間であって一対のポンプ駆動用回転軸と同一軸線上に配設されるため、左右の車輪の差回転に拘らず潤滑油を適切に供給できるとともに電気駆動装置全体をコンパクトに構成できるという効果が適切に得られる。

第３発明は、左右の変速機構が回転軸として入力回転軸、中間回転軸、および出力回転軸の３軸を備えているとともに、ギヤとしてドライブギヤ、大径ギヤ、小径ギヤ、およびドリブンギヤを備えている場合で、第１軸線上に配設された入力回転軸または第３軸線上に配設された出力回転軸が一対のポンプ駆動用回転軸として選択されるため、電気駆動装置を一層コンパクトに構成できる。

第４発明では、左右の変速機構の回転軸のうち相対的に長さが短い短小回転軸が一対のポンプ駆動用回転軸として用いられるため、例えばその短小回転軸の間にオイルポンプおよび一対の一方向クラッチを配設することにより、その短小回転軸の軸方向すなわち車両幅方向における電気駆動装置の寸法をコンパクトに構成できる。

第５発明では、左右の駆動ユニットが共通のケース内に収容されているとともに、左側変速機構と右側変速機構との間には仕切り壁が設けられており、その仕切り壁によってポンプケースの一部が構成されるようにオイルポンプが組み付けられているため、車両幅方向における電気駆動装置の寸法をコンパクトに構成できる。

第６発明では、オイルポンプの左右両側に一対の一方向クラッチが配設されているとともに、その一方向クラッチにおける外輪および内輪の一方に一対のポンプ駆動用回転軸が連結されている一方、ポンプ軸はオイルポンプの両側に突き出しており、一対の一方向クラッチの外輪および内輪の他方に設けられた連結穴内に軸方向から挿入されて動力伝達可能に連結されているため、ポンプ軸と一対の一方向クラッチとの組み付けを容易に行なうことができる。

本発明の一実施例である電気駆動ユニットを備えている電気自動車を車両左側から見た概略左側面図である。 図１の電気自動車に搭載された電気駆動ユニットの概略構成を説明する図で、車両幅方向に切断し且つ複数の軸線Ｓ１～Ｓ３が一平面内に位置するように展開して示した骨子図である。 本発明の他の実施例を説明する図で、図２に対応する電気駆動ユニットの骨子図である。 本発明の更に別の実施例を説明する図で、オイルポンプおよび一対の一方向クラッチの断面図である。 本発明の更に別の実施例を説明する図で、オイルポンプおよび一対の一方向クラッチの断面図である。

本発明の車両用電気駆動装置は、左右の後輪を回転駆動するものでも良いし、左右の前輪を回転駆動するものでも良い。本発明は前後輪駆動車両に適用することも可能で、前後輪の両方を、それぞれ本発明の車両用電気駆動装置で駆動しても良いし、前後輪の何れか一方のみを本発明の車両用電気駆動装置で駆動し、他方を本発明とは異なる駆動装置、例えばガソリンエンジン等の内燃機関を用いて駆動するようにしても良い。内燃機関と電動機とを備えたハイブリッド式駆動装置を採用することもできる。本発明の車両用電気駆動装置の駆動源として用いられる電動機は、発電機としても機能するモータジェネレータであっても良い。

左右の駆動ユニットの電動機は、例えば出力軸の軸線が車両幅方向と略平行になる横置きで且つ互いに対向する内向き姿勢で軸線方向に離間して配置され、それ等の電動機の間に左側変速機構および右側変速機構が配設されるが、出力軸の軸線が車両前後方向と略平行になる縦置き姿勢で配置することも可能で、傘歯車やハイポイドギヤ等を介して変速機構に回転が伝達されるようにすれば良く、電動機の姿勢については種々の態様が可能である。

左右の変速機構は、例えば複数の回転軸および複数のギヤを備えて構成され、遊星歯車式や平行軸噛合い式等の変速機を用いることができる。変速機構を構成するギヤは回転軸に設けられるが、それとは別に、回転軸のギヤと噛み合うギヤや遊星歯車機構のキャリア等が回転不能にケース等に固定されても良い。この変速機構は、変速比が一定の減速機や増速機であっても良いし、クラッチやブレーキの係合開放状態に応じて変速比が異なる複数のギヤ段を形成できる有段変速機や前後進切替装置であっても良い。変速機構として、チェーンベルト等の変速機構を採用することもできる。左右の変速機構の回転軸は、それぞれ共通の軸線上に配置されることが望ましいが、左右の変速機構の回転軸が異なる軸線上に配置されても良い。例えば、ドライブシャフトに連結される出力回転軸のみ共通の軸線上に配置し、入力回転軸や中間回転軸等の他の回転軸については、出力回転軸の軸線まわりに互いにずらして配置することも可能である。左右の変速機構は、例えば車両幅方向において左右対称に配置されるが、回転軸およびギヤを車両幅方向へ平行移動させただけの同一の配置構成とすることも可能である。

変速機構が、電動機に連結される入力回転軸と、中間回転軸と、ドライブシャフトに連結される出力回転軸との３軸を有する場合、中間回転軸を複数設けることも可能である。中間回転軸を省略して、入力回転軸および出力回転軸の２軸で構成することもできる。入力回転軸および出力回転軸は、例えば互いに平行な異なる軸線上に設けられるが、入力回転軸および出力回転軸を共通の軸線上に２重構造等で設けることも可能で、その場合は遊星歯車式変速機構が好適に用いられる。変速機構のギヤとしては、歯すじが捩じれたはすば歯車が好適に用いられるが、歯すじがギヤの軸線と平行な平歯車が用いられても良い。

オイルポンプとしては、内接ギヤ式や外接ギヤ式、ベーン式等の種々のオイルポンプを用いることができる。一方向クラッチとしては、ローラ型やスプラグ型等の種々の一方向クラッチを用いることができる。一方向クラッチは、例えば前進走行時に変速機構からオイルポンプに回転が伝達され、後進走行時には空転するように設けられるが、車両の使用態様によっては後進走行時に変速機構からオイルポンプに回転が伝達されるように設けられても良い。オイルポンプおよび一方向クラッチは、例えば変速機構のポンプ駆動用回転軸と同一の軸線上に配設されるが、ポンプ駆動用回転軸と異なる軸線上にオイルポンプや一方向クラッチを配設し、ギヤやチェーンベルト等の伝動機構を介して連結しても良い。オイルポンプのポンプ軸は、例えば一方向クラッチに設けられた連結穴に軸方向から挿入されることにより、スプラインや回止めキー、二面取り等の回止めを介して動力伝達可能に連結されるが、圧入や溶接等の固定手段を用いて固定しても良い。変速機構のポンプ駆動用回転軸と一方向クラッチとの連結も同様に構成することができる。

以下、本発明の実施例を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例において、図は説明のために適宜簡略化或いは変形されており、各部の形状や寸法比、角度等は必ずしも正確に描かれていない。

図１は、本発明の一実施例である車両用電気駆動装置として電気駆動ユニット１０が搭載された電気自動車８を左側から見た概略左側面図であり、図２は、電気駆動ユニット１０の概略構成を説明する図で、車両幅方向に切断し且つ複数の回転軸が配設された複数の第１軸線Ｓ１～第３軸線Ｓ３が一平面内に位置するように展開して示した骨子図である。電気駆動ユニット１０は、電気自動車８の後部側に搭載されて左右の後輪１２Ｌ、１２Ｒを回転駆動するもので、左後輪１２Ｌを回転駆動する左側駆動ユニット１４と、右後輪１２Ｒを回転駆動する右側駆動ユニット１６とを備えている。左側駆動ユニット１４および右側駆動ユニット１６は、車両幅方向の中心線Ｏを挟んで左右対称に構成されているとともに、車両幅方向に隣接して設けられて共通のケース１８内に収容されている。電気自動車８は、例えば車両搭載バッテリーのみを電力源として走行するが、燃料電池等の電力発生装置を搭載していても良い。第１軸線Ｓ１～第３軸線Ｓ３は互いに平行で、電気駆動ユニット１０は、これ等の第１軸線Ｓ１～第３軸線Ｓ３が車両幅方向と略平行になる姿勢で電気自動車８に搭載される。この電気自動車８は後輪駆動型車両であるが、左右の前輪２０Ｌ、２０Ｒを回転駆動するように電気駆動ユニット１０を配置して前輪駆動型車両とすることもできる。

左側駆動ユニット１４は、左側電動機として左側ＭＧ２２を備えているとともに、その左側ＭＧ２２と左後輪１２Ｌとの間の動力伝達経路に設けられたギヤ式の左側変速機構２４を備えている。また、右側駆動ユニット１６は、右側電動機として右側ＭＧ２６を備えているとともに、その右側ＭＧ２６と右後輪１２Ｒとの間の動力伝達経路にギヤ式の右側変速機構２８を備えている。左側ＭＧ２２および右側ＭＧ２６は、何れも電動機および発電機として機能するモータジェネレータで、それぞれ出力軸であるＭＧ軸３０、３２が共通の第１軸線Ｓ１上に位置する横置きで且つ互いに対向する内向き姿勢であるとともに、車両幅方向の両側に離間して対称的に配置されており、左側変速機構２４および右側変速機構２８は、車両幅方向において左側ＭＧ２２と右側ＭＧ２６との間に互いに隣接して配設されている。左側ＭＧ２２および右側ＭＧ２６は、ロータおよびステータの積厚や径寸法が互いに等しい同じ規格の同一のモータジェネレータであり、左側変速機構２４および右側変速機構２８は、互いに同じ一定の変速比で減速する減速機である。

左側変速機構２４および右側変速機構２８は、それぞれ複数の回転軸として入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒ、中間回転軸４２Ｌ、４２Ｒ、および出力回転軸４４Ｌ、４４Ｒの３軸を備えている。入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒは、何れも前記第１軸線Ｓ１上に配置されているとともに、その入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒにはドライブギヤ４６Ｌ、４６Ｒおよびスプライン４８Ｌ、４８Ｒが設けられており、入力回転軸４０Ｌはスプライン４８Ｌを介して左側ＭＧ２２のＭＧ軸３０に動力伝達可能に連結され、入力回転軸４０Ｒはスプライン４８Ｒを介して右側ＭＧ２６のＭＧ軸３２に動力伝達可能に連結されている。中間回転軸４２Ｌ、４２Ｒは、何れも第１軸線Ｓ１と平行な共通の第２軸線Ｓ２上に配置されているとともに、その中間回転軸４２Ｌ、４２Ｒには、前記ドライブギヤ４６Ｌ、４６Ｒと噛み合わされて回転が伝達される大径ギヤ５０Ｌ、５０Ｒと小径ギヤ５２Ｌ、５２Ｒとが軸方向に離間して設けられている。本実施例では、小径ギヤ５２Ｌ、５２Ｒが中心線Ｏに近い内側で、大径ギヤ５０Ｌ、５０Ｒが中心線Ｏから離れた外側になる対称的な位置関係で配置されている。出力回転軸４４Ｌ、４４Ｒは、何れも第１軸線Ｓ１と平行な共通の第３軸線Ｓ３上に配置されており、スプライン等を介してドライブシャフト５６Ｌ、５６Ｒと動力伝達可能に連結されているとともに、出力回転軸４４Ｌ、４４Ｒには前記小径ギヤ５２Ｌ、５２Ｒと噛み合わされて回転が伝達されるドリブンギヤ５４Ｌ、５４Ｒが設けられている。したがって、左側ＭＧ２２、右側ＭＧ２６から出力された回転は、それぞれ左側変速機構２４、右側変速機構２８により同じ変速比で減速されて左右のドライブシャフト５６Ｌ、５６Ｒに伝達され、左右の後輪１２Ｌ、１２Ｒが差動回転可能に回転駆動される。出力回転軸４４Ｌ、４４Ｒとドライブシャフト５６Ｌ、５６Ｒとの間、ドライブシャフト５６Ｌ、５６Ｒと後輪１２Ｌ、１２Ｒとの間には、必要に応じて等速ジョイント等が設けられる。なお、以下の説明で特に左右を区別しない場合は、数字の後のＬ、Ｒを省略する。

すなわち、本実施例の左右の変速機構２４、２８は、それぞれ３本の回転軸４０、４２、４４と、それ等の回転軸４０、４２、４４に設けられた４つのギヤ４６、５０、５２、５４とを備えて、中心線Ｏを挟んで対称的に構成されている。４つのギヤ４６、５０、５２、５４は、中心線Ｏを挟んで対称的に配置されており、対応するギヤ、すなわちドライブギヤ４６Ｌおよび４６Ｒ、大径ギヤ５０Ｌおよび５０Ｒ、小径ギヤ５２Ｌおよび５２Ｒ、ドリブンギヤ５４Ｌおよび５４Ｒは、それぞれ歯数やピッチ等が等しい同じ規格の歯車であるが、何れも歯すじが捩じれたはすば歯車で、捩れ方向は反対である。また、互いに対応する３本の回転軸４０、４２、４４、すなわち入力回転軸４０Ｌおよび４０Ｒ、中間回転軸４２Ｌおよび４２Ｒ、出力回転軸４４Ｌおよび４４Ｒは、それぞれ電気自動車８の直進走行時には基本的に同じ回転速度になる。

前記ケース１８は、車両幅方向において複数に分割されており、５つのケース部材６０、６２、６４、６６、６８を備えている。これ等のケース部材６０、６２、６４、６６、６８は、外周縁部が互いに突き合わされてそれぞれ複数のボルト７０により一体的に結合されている。ボルト７０は車両幅方向と略同じ方向、すなわち前記軸線Ｓ１～Ｓ３と平行な姿勢で配設され、ケース部材６０、６２、６４、６６に設けられためねじやナット部材に螺合されて、それ等を一体的に結合している。また、中間に位置する３つのケース部材６２、６４、６６には、軸線Ｓ１～Ｓ３と略垂直になる姿勢でケース１８の内側に向かって延び出すように仕切り壁６２ｗ、６４ｗ、６６ｗがそれぞれ一体に設けられており、４つの収容空間７２、７４、７６、７８が形成されている。収容空間７２には左側ＭＧ２２が収容され、収容空間７４には左側変速機構２４が収容され、収容空間７６には右側変速機構２８が収容され、収容空間７８には右側ＭＧ２６が収容されている。また、ＭＧ２２、２６の冷却やギヤ４６、５０、５２、５４およびベアリング等の潤滑のため、各収容空間７２、７４、７６、７８には図示しない潤滑回路を介して潤滑油が供給されるようになっている。収容空間７２、７４、７６、７８は、切欠や連通穴等を介して互いに連通させられており、潤滑油が流通できるようになっている。

電気駆動ユニット１０は、上記潤滑回路の油圧源として単一のオイルポンプ８０を備えている。オイルポンプ８０は、インナロータおよびアウタロータを有する内接ギヤ式ポンプで、インナロータが回転駆動されることにより油圧を出力するものであり、インナロータと一体的に回転させられるポンプ軸８０ｓが前記第１軸線Ｓ１上に位置する水平姿勢で、前記左右の入力回転軸４０Ｌと４０Ｒとの間に配設され、それ等の入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒによってポンプ軸８０ｓが回転駆動されるようになっている。すなわち、左右の変速機構２４、２８を構成している３本の回転軸４０、４２、４４のうち、単一のドライブギヤ４６が設けられた入力回転軸４０は軸方向長さが比較的短い短小回転軸であるとともに、そのドライブギヤ４６が噛み合う中間回転軸４２の大径ギヤ５０は中心線Ｏから離れた外側に配置されているため、車両幅方向の寸法の拡大を抑制しつつ、左右の入力回転軸４０Ｌと４０Ｒとの間にオイルポンプ８０等の配置スペースを確保することができる。本実施例では、上記入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒがポンプ駆動用回転軸に相当する。

オイルポンプ８０のポンプ軸８０ｓは左右に突き出しているとともに、オイルポンプ８０の左右両側にはそれぞれ左側一方向クラッチ８２Ｌ、右側一方向クラッチ８２Ｒが配設されており、それ等の一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒを介して入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒからポンプ軸８０ｓに回転が伝達される。一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒは、一方向に動力伝達する外輪８４Ｌ、８４Ｒおよび内輪８６Ｌ、８６Ｒを備えているローラ型などで、左右対称に配設されており、本実施例では各外輪８４Ｌ、８４Ｒに入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒが一体的に固設されて回転駆動される一方、各内輪８６Ｌ、８６Ｒにポンプ軸８０ｓが動力伝達可能に連結されている。一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒは、何れも前進走行時に入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒの回転をポンプ軸８０ｓに伝達するように構成されており、それ等の入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒによってポンプ軸８０ｓが回転駆動されることによりオイルポンプ８０から油圧が出力される。すなわち、入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒのうち回転速度が速い方から一方向クラッチ８２Ｌまたは８２Ｒを介してポンプ軸８０ｓに回転が伝達され、回転速度が遅い方向の入力回転軸４０Ｒまたは４０Ｌの一方向クラッチ８２Ｒまたは８２Ｌは空転させられる。したがって、車両旋回時等に差回転が生じた場合には、回転速度が速い方の入力回転軸４０Ｌまたは４０Ｒにより一方向クラッチ８２Ｌまたは８２Ｒを介してポンプ軸８０ｓが回転駆動されるとともに、回転速度が遅い方向の入力回転軸４０Ｒまたは４０Ｌの一方向クラッチ８２Ｒまたは８２Ｌが空転させられることによって差回転が吸収される。

オイルポンプ８０は、例えば収容空間７４と７６との間の仕切り壁６４ｗに設けられたポンプ収容穴内に組み込むことが可能で、仕切り壁６４ｗがオイルポンプ８０のポンプケースの一部を成すとともに、その仕切り壁６４ｗに設けられたオイル吸入油路から潤滑油を吸い込み、仕切り壁６４ｗに設けられたオイル供給油路から各部の潤滑部位へ潤滑油を供給するように構成される。必要に応じて、パイプ等の配管を用いて潤滑回路を構成することもできる。また、オイルポンプ８０から左右両側へ突き出して内輪８６Ｌ、８６Ｒに連結されるポンプ軸８０ｓは、内輪８６Ｌ、８６Ｒよりも小径であり、その内輪８６Ｌ、８６Ｒに設けられた連結穴内に軸方向から挿入され、スプライン等の回止めを介して動力伝達可能に連結される。

このような電気駆動ユニット１０においては、左右の駆動ユニット１４、１６の入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒにそれぞれ一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒを介してオイルポンプ８０が連結され、回転速度が速い方の入力回転軸４０Ｌまたは４０Ｒにより回転駆動されて油圧を出力するため、旋回時等に左右の車輪１２Ｌ、１２Ｒに差回転が生じても常に十分な量の潤滑油を供給できるとともに、左右の駆動ユニット１４、１６に対して共通の単一のオイルポンプ８０を設けるだけで良いため、電気駆動ユニット１０全体の体格をコンパクトに構成でき、電気自動車８への搭載性が向上する。

また、左側変速機構２４および右側変速機構２８が左右対称に構成されており、左右の変速機構２４、２８で対応する回転軸４０Ｌおよび４０Ｒ、４２Ｌおよび４２Ｒ、４４Ｌおよび４４Ｒの直進走行時の回転速度はそれぞれ同じで任意の回転軸をポンプ駆動用回転軸として選択可能で、オイルポンプ８０は、左右両側の一対の一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒと共に左右の変速機構２４、２８の間であってポンプ駆動用回転軸である一対の入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒと同一の第１軸線Ｓ１上に配設されているため、左右の車輪１２Ｌ、１２Ｒの差回転に拘らず潤滑油を適切に供給できるとともに電気駆動ユニット１０全体をコンパクトに構成できるという効果が適切に得られる。特に、ポンプ駆動用回転軸として用いられる入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒには単一のドライブギヤ４６Ｌ、４６Ｒが設けられるだけであるため、軸方向長さが短く、電気駆動ユニット１０を一層コンパクトに構成できる。

また、左側変速機構２４および右側変速機構２８の複数の回転軸４０Ｌおよび４０Ｒ、４２Ｌおよび４２Ｒ、４４Ｌおよび４４Ｒのうち相対的に長さが短い短小回転軸である入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒがポンプ駆動用回転軸として用いられるため、その入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒの間にオイルポンプ８０および一対の一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒを配設することにより、車両幅方向における電気駆動ユニット１０の寸法をコンパクトに構成できる。

また、左右の駆動ユニット１４、１６が共通のケース１８内に収容されているとともに、左側変速機構２４と右側変速機構２８との間には仕切り壁６４ｗが設けられており、その仕切り壁６４ｗによってポンプケースの一部が構成されるようにオイルポンプ８０が組み付けられているため、車両幅方向における電気駆動ユニット１０の寸法を一層コンパクトに構成できる。

また、オイルポンプ８０の左右両側に一対の一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒが配設されているとともに、その一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒにおける外輪８４Ｌ、８４Ｒに一対の入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒが連結されている一方、ポンプ軸８０ｓはオイルポンプ８０の両側に突き出しており、一対の一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒの内輪８６Ｌ、８６Ｒに設けられた連結穴内に軸方向から挿入されて動力伝達可能に連結されているため、ポンプ軸８０ｓと一対の一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒとの組み付けを容易に行なうことができる。

次に、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の実施例において前記実施例と実質的に共通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略する。

図３の電気駆動ユニット９０は、左側駆動ユニット９２の左側変速機構１０２および右側駆動ユニット９４の右側変速機構１０４が、前記実施例の左側変速機構２４および右側変速機構２８と相違している。すなわち、本実施例の左右の変速機構１０２、１０４は、前記実施例の変速機構２４、２８に比較してそれぞれ左右が反転しており、中間回転軸４２の大径ギヤ５０が中心線Ｏに近い内側に配置されているとともに、小径ギヤ５２が中心線Ｏから離間した外側に配置されている。それに伴い、小径ギヤ５２と噛み合うドリブンギヤ５４が設けられた左右一対の出力回転軸１０８Ｌ、１０８Ｒを中心線Ｏから離間させて配設することが可能となり、本実施例ではそれ等の出力回転軸１０８Ｌと１０８Ｒとの間にオイルポンプ８０および一対の一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒが配設され、前進走行時にその出力回転軸１０８Ｌ、１０８Ｒにより一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒを介してポンプ軸８０ｓが回転駆動されるようになっている。本実施例では、単一のドリブンギヤ５４が設けられた出力回転軸１０８Ｌ、１０８Ｒが、軸方向長さが比較的短い短小回転軸である。この実施例では、出力回転軸１０８Ｌ、１０８Ｒがポンプ駆動用回転軸に相当する。なお、中心線Ｏに近い内側に配置されている大径ギヤ５０と噛み合うドライブギヤ４６Ｌ、４６Ｒが設けられた左右一対の入力回転軸１０６Ｌ、１０６Ｒは、スプライン４８Ｌ、４８Ｒが左右のＭＧ軸３０、３２に動力伝達可能に連結されるように、前記実施例の入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒよりも軸方向長さが長くされている。

本実施例においても、中心線Ｏから離間して配設された左右の出力回転軸１０８Ｌ、１０８Ｒの間に、オイルポンプ８０が一対の一方向クラッチ８２Ｌ、８２Ｒと共に配設され、回転速度が速い方の出力回転軸１０８Ｌまたは１０８Ｒによりオイルポンプ８０が回転駆動されて油圧を出力するため、旋回時等に左右の車輪１２Ｌ、１２Ｒに差回転が生じても常に十分な量の潤滑油を供給できるとともに、左右の駆動ユニット９２、９４に対して共通の単一のオイルポンプ８０を設けるだけで良いため、電気駆動ユニット９０全体の体格をコンパクトに構成できるなど、前記実施例と同様の作用効果が得られる。但し、変速機構１０２、１０４の変速比に応じて出力回転軸１０８Ｌ、１０８Ｒの回転速度は入力回転軸１０６Ｌ、１０６Ｒの回転速度よりも遅くなるため、その分だけ吐出容量の大きいオイルポンプ８０を採用するようにしても良い。

図４のオイルポンプ１１０は、インナロータおよびアウタロータを回転可能に収容しているポンプケース１１２を備えており、それ自体でポンプとして機能する場合で、仕切り壁６４ｗの一方の壁面、例えば前記右側変速機構２８が配設された収容空間７６側の壁面にオイルポンプ１１０が取り付けられている。オイルポンプ１１０のポンプ軸１１０ｓはオイルポンプ１１０の両側へ突き出しており、右側の端部は前記実施例と同様にスプライン等の回止めを介して右側一方向クラッチ８２Ｒの内輪８６Ｒに動力伝達可能に連結されている一方、左側の端部は、仕切り壁６４ｗに設けられた挿通穴から収容空間７４側へ突き出し、スプライン等の回止めを介して左側一方向クラッチ８２Ｌの内輪８６Ｌに動力伝達可能に連結されている。本実施例でも、仕切り壁６４ｗに設けられたオイル吸入油路から潤滑油を吸い込み、仕切り壁６４ｗに設けられたオイル供給油路から各部の潤滑部位へ潤滑油を供給するように構成できるが、パイプ等の吸入配管や供給配管をオイルポンプ１１０の吸入口や吐出口に接続しても良い。

この実施例では、仕切り壁６４ｗの一方の壁面にオイルポンプ１１０が取り付けられることで、前記実施例に比較して車両幅方向の寸法が大きくなるが、ポンプケース１１２を備えている組立状態のオイルポンプ１１０をそのまま仕切り壁６４ｗに取り付ければ良いため、組み付け作業が容易になる。図３の実施例についても、図４のオイルポンプ１１０を用いて構成することができる。

図５は、図４の実施例に比較して一対の一方向クラッチ１２０Ｌ、１２０Ｒが左右反転して配設されている場合で、それ等の一方向クラッチ１２０Ｌ、１２０Ｒの内輪１２２Ｌ、１２２Ｒに設けられた連結穴に入力回転軸４０Ｌ、４０Ｒが軸方向から挿入され、スプライン等の回止めを介して動力伝達可能に連結されている。また、一方向クラッチ１２０Ｌ、１２０Ｒの外輪１２４Ｌ、１２４Ｒに設けられた連結穴にポンプ軸１１０ｓが軸方向から挿入され、スプライン等の回止めを介して動力伝達可能に連結されている。本実施例においても、実質的に図４の実施例と同様の作用効果が得られる。なお、図２、図３の実施例についても、図５の一方向クラッチ１２０Ｌ、１２０Ｒを採用することができる。また、一方向クラッチ８２Ｌと１２０Ｒとを組み合わせて用いたり、一方向クラッチ８２Ｒと１２０Ｌとを組み合わせて用いたりすることも可能である。

以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これ等はあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。

１０、９０：電気駆動ユニット（車両用電気駆動装置） １２Ｌ：左後輪（左車輪） １２Ｒ：右後輪（右車輪） １４、９２：左側駆動ユニット １６、９４：右側駆動ユニット １８：ケース ２２：左側ＭＧ（左側電動機） ２４、１０２：左側変速機構 ２６：右側ＭＧ（右側電動機） ２８、１０４：右側変速機構 ３０、３２：ＭＧ軸（出力軸） ４０Ｌ、４０Ｒ：入力回転軸（回転軸、短小回転軸、ポンプ駆動用回転軸） ４２Ｌ、４２Ｒ：中間回転軸（回転軸） ４４Ｌ、４４Ｒ：出力回転軸（回転軸） ４６Ｌ、４６Ｒ：ドライブギヤ（ギヤ） ５０Ｌ、５０Ｒ：大径ギヤ（ギヤ） ５２Ｌ、５２Ｒ：小径ギヤ（ギヤ） ５４Ｌ、５４Ｒ：ドリブンギヤ（ギヤ） ５６Ｌ、５６Ｒ：ドライブシャフト ６４ｗ：仕切り壁 ８０、１１０：オイルポンプ ８０ｓ、１１０ｓ：ポンプ軸 ８２Ｌ、８２Ｒ、１２０Ｌ、１２０Ｒ：一方向クラッチ ８４Ｌ、８４Ｒ、１２４Ｌ、１２４Ｒ：外輪 ８６Ｌ、８６Ｒ、１２２Ｌ、１２２Ｒ：内輪 １０６Ｌ、１０６Ｒ：入力回転軸（回転軸） １０８Ｌ、１０８Ｒ：出力回転軸（回転軸、短小回転軸、ポンプ駆動用回転軸） Ｓ１：第１軸線 Ｓ２：第２軸線 Ｓ３：第３軸線

Claims (6)

1. 左車輪を回転駆動する左側電動機と、前記左側電動機と前記左車輪との間の動力伝達経路に回転軸を備えて配設された左側変速機構と、を有する左側駆動ユニットと、
   右車輪を回転駆動する右側電動機と、前記右側電動機と前記右車輪との間の動力伝達経路に回転軸を備えて配設された右側変速機構と、を有する右側駆動ユニットと、
   を備えている車両用電気駆動装置において、
   前記左側駆動ユニットおよび前記右側駆動ユニットの前記回転軸のうち、直進走行時の回転速度が等しい左右一対の回転軸がポンプ駆動用回転軸として用いられ、
   前記一対のポンプ駆動用回転軸にそれぞれ一方向クラッチを介して連結され、回転速度が速い方の前記ポンプ駆動用回転軸により回転駆動されて油圧を出力する単一のオイルポンプを有する
   ことを特徴とする車両用電気駆動装置。
2. 前記左側変速機構および前記右側変速機構は、前記回転軸が同数で何れも車両幅方向と略平行に配設されているとともに、該回転軸には互いに同数のギヤが設けられており、変速比が互いに同じで、車両幅方向において左右対称に構成されており、
   前記左側変速機構と前記右側変速機構とで対応する回転軸は、それぞれ共通の軸線上に設けられているとともに直進走行時の回転速度は同じであり、任意の対応する回転軸が前記一対のポンプ駆動用回転軸として選択される一方、
   前記オイルポンプは、左右両側の一対の前記一方向クラッチと共に、車両幅方向において前記左側変速機構と前記右側変速機構との間であって、前記一対のポンプ駆動用回転軸と同一軸線上に配設されている
   ことを特徴とする請求項１に記載の車両用電気駆動装置。
3. 前記左側電動機および前記右側電動機は、それぞれ出力軸が車両幅方向と略平行な共通の第１軸線上に位置するように互いに対向する内向き姿勢で軸線方向に離間して配置されている一方、
   前記左側変速機構および前記右側変速機構は、車両幅方向において前記左側電動機と前記右側電動機との間に配設されており、それぞれ前記回転軸として入力回転軸、中間回転軸、および出力回転軸の３軸を備えているとともに、前記ギヤとしてドライブギヤ、大径ギヤ、小径ギヤ、およびドリブンギヤを備えており、
   前記左側変速機構および前記右側変速機構の前記入力回転軸は、何れも前記第１軸線上に配置されているとともに、該入力回転軸には前記ドライブギヤが設けられており、前記左側変速機構の前記入力回転軸は前記左側電動機に動力伝達可能に連結され、前記右側変速機構の前記入力回転軸は前記右側電動機に動力伝達可能に連結されており、
   前記左側変速機構および前記右側変速機構の前記中間回転軸は、何れも前記第１軸線と平行な第２軸線上に配置されているとともに、該中間回転軸には、前記ドライブギヤから回転が伝達される前記大径ギヤと前記小径ギヤとが軸方向に離間して設けられており、
   前記左側変速機構および前記右側変速機構の前記出力回転軸は、何れも前記第１軸線と平行な第３軸線上に配置されてドライブシャフトと動力伝達可能に連結されているとともに、該出力回転軸には前記小径ギヤから回転が伝達される前記ドリブンギヤが設けられており、
   前記第１軸線上に配設された左右一対の前記入力回転軸、または前記第３軸線上に配設された左右一対の前記出力回転軸が、前記一対のポンプ駆動用回転軸として選択される
   ことを特徴とする請求項２に記載の車両用電気駆動装置。
4. 前記一対のポンプ駆動用回転軸は、前記回転軸のうち相対的に長さが短い短小回転軸である
   ことを特徴とする請求項１～３の何れか１項に記載の車両用電気駆動装置。
5. 前記左側駆動ユニットおよび前記右側駆動ユニットは、共通のケース内に収容されているとともに、前記左側変速機構と前記右側変速機構との間には、前記ケースと一体的に仕切り壁が設けられており、
   前記オイルポンプは、ポンプケースの少なくとも一部が前記仕切り壁によって構成されるように該仕切り壁に組み付けられている
   ことを特徴とする請求項１～４の何れか１項に記載の車両用電気駆動装置。
6. 前記オイルポンプは、ポンプ軸が回転駆動されることにより油圧を出力するもので、
   前記オイルポンプの左右両側には、外輪と内輪との間で一方向に動力伝達する前記一方向クラッチが配設されているとともに、該一方向クラッチにおける前記外輪および前記内輪の一方にそれぞれ前記ポンプ駆動用回転軸が連結されており、
   前記ポンプ軸は前記オイルポンプの両側に突き出しているとともに、該ポンプ軸の両端部は、前記一方向クラッチにおける前記外輪および前記内輪の他方に設けられた連結穴内にそれぞれ軸方向から挿入されて動力伝達可能に連結されている
   ことを特徴とする請求項１～５の何れか１項に記載の車両用電気駆動装置。

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