JP2023092093A - 細線構造およびそれを用いたタッチセンサ - Google Patents

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Abstract

【課題】細線の線幅を小さくする。【解決手段】細線構造18において、センサ基板5には有底状の凹溝部10が設けられている。凹溝部10には、導電性の金属材料により構成される一対の細線19,19が設けられている。一対の細線19,19は、凹溝部10の隅角部13を含む位置にそれぞれ形成され、かつ、底部12の幅方向において互いに間隔をあけて配置されている。【選択図】図4

Description

本開示は、細線構造およびそれを用いたタッチセンサに関するものである。
従来から、例えば特許文献1に示されるようなタッチセンサが知られている。具体的に、特許文献1のタッチセンサはセンサ基板を有しており、センサ基板の一方の面には有底状の凹溝部が複数設けられている。各凹溝部には、一つの細線(導体)が設けられている。
特許第6872696号
上記特許文献1において、上記一つの細線は、センサ基板の縦断面視において、凹溝部における底部の幅方向全域に亘って埋設された銅などの導電金属により構成されている。かかる構成によれば、細線の線幅は、凹溝部の幅寸法と略同じ大きさになる。すなわち、一つの細線は、その線幅が凹溝部の幅寸法に拘束されるように構成されている。
ところが、一般的には、製造上の理由(例えば、製造工程上の制約および/または製造装置における仕様の限界)により凹溝部の幅寸法を極小化することに困難が伴う。このため、上記一つの細線の線幅が例えば1μm以下になるような細線化が求められる場合にあっては、上記製造上の理由により更なる細線化の実現が困難となっていた。
本開示は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、タッチセンサ等に適用される細線構造において、細線の線幅を小さくすることにある。
上記の目的を達成するために、本開示の一実施形態は、基板に設けられる細線構造であって、基板の少なくとも一方の面には、有底状の凹溝部が少なくとも1つ設けられている。凹溝部には、導電性の金属材料により構成される一対の細線が設けられている。一対の細線は、凹溝部の隅角部を含む位置にそれぞれ形成され、かつ、底部の幅方向において互いに間隔をあけて配置されている。
本開示によると、細線の線幅を小さくすることができる。
図1は、実施形態に係るタッチセンサの全体を示す分解斜視図である。 図2は、センサ基板の構成を示す分解斜視図である。 図3は、センサ基板の断面構成を概略的に示した縦断面図である。 図4は、図3に示したIV部を拡大して示した部分拡大図である。 図5は、凹溝部における細線の形成工程を概略的に示した図である。 図6は、実施形態の変形例1の断面構成を示した図4相当図である。 図7は、実施形態の変形例2の断面構成を示した図4相当図である。 図8は、その他の実施形態におけるセンサ基板の断面構成を概略的に示した縦断面図である。
以下、本開示の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本開示、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
図1は、本開示の実施形態に係るタッチセンサ1の全体を示している。このタッチセンサ1は、例えば液晶表示ディスプレイのような表示装置(図示しない)に適用される静電容量方式のセンサ型入力装置である。このタッチセンサ1は、例えばカーナビゲーション等の車載装置、パーソナルコンピュータのディスプレイ機器、携帯電話、携帯情報端末、携帯型ゲーム機、コピー機、券売機、現金自動預け払い機、時計などに対する入力装置として用いられる。
以下の説明において、後述するカバー部材2の操作面4が位置する側(タッチセンサ1の視認側)をタッチセンサ1の「上側」とし、その反対側をタッチセンサ1の「下側」として、タッチセンサ1を構成する各要素の位置関係を定めるものとする。
(カバー部材)
図1に示すように、タッチセンサ1は、光透過性を有するカバー部材2を備えている。カバー部材2は、例えばカバーガラスまたはプラスチック製のカバーレンズからなる。カバー部材2は、例えば平面視長方形の板状に形成されている。
カバー部材2の下面の周縁部には、スクリーン印刷等により黒色等の暗色で略額縁状の加飾部3が形成されている。この加飾部3で囲まれた内部の矩形領域は、透光可能なビューエリアとなっている。すなわち、使用者は、このビューエリアを介して、タッチセンサ1の下側に配置した表示装置からの視覚的情報を得ることができる。ビューエリアに対応するカバー部材2の上面は、タッチ操作に伴い使用者の手指などが接触する操作面4として構成されている。
(センサ基板)
図2に示すように、タッチセンサ1は、2つのセンサ基板5,5(基板)を備えている。2つのセンサ基板5,5は、上側基板6および下側基板7により構成されている。上側基板6および下側基板7の各々は、平面視で略長方形状を有している。上側基板6は、タッチセンサ1の視認側に配置されている。具体的に、上側基板6は、カバー部材2の下側に積層配置されている。下側基板7は、図示しない表示装置が位置する側に配置されている。
図3に示すように、各センサ基板5は、第一層8を有している。第一層8の材料としては、例えばアクリル(PMMA)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリカーボネート(PC)、シクロオレフィンポリマー(COP)、シクロオレフィンコポリマー(COC)、エポキシ等のような光透過性を有する樹脂材、シリコン材、またはガラス材が挙げられる。第一層8の厚みは、例えば20μm~100μmである。
各センサ基板5は、第二層9を有している。第二層9は、後述する複数の凹溝部10を形成するための層である。第二層9は、絶縁性および透過性を有する樹脂材料により構成されている。本実施形態において、第二層9は、第一層8の上側に積層配置されている。第二層9の厚みは、柔軟性を確保するために、例えば3μm~20μmに設定される。
図3および図4に示すように、第二層9の上面(センサ基板5の上面)には、有底状の複数の凹溝部10が設けられている。複数の凹溝部10は、後述するセンサ電極15、第1および第2配線部23,24、およびパッド25の各々を構成するための要素である。各凹溝部10の深さは、例えば1.0μm~2.0μmに設定されている。各凹溝部10の幅は、例えば2.0μm~20.0μmに設定されている。
各凹溝部10は、側部11,11、底部12、および隅角部13,13を有している。側部11,11は、凹溝部10の底部12から開口に向かって徐々に拡がるように傾斜していてもよい。底部12は、略平坦状に形成されている。各隅角部13には、フィレットが形成されていてもよい。
(粘着層)
図2に示すように、カバー部材2と上側基板6との間には、粘着層14が設けられている。上側基板6と下側基板7との間にも、粘着層14が設けられている。各粘着層14は、光透過性を有する。具体的に、各粘着層14は、例えば光学用粘着剤(OCA:Optical Clear Adhesive)からなる。各粘着層14は、上側基板6および下側基板7の各々と略同じ大きさおよび略同じ形状を有している。
(センサ電極)
図1および図2に示すように、タッチセンサ1は、静電容量方式による複数のセンサ電極15を備えている。複数のセンサ電極15は、各センサ基板5に設けられている。
複数のセンサ電極15は、複数の送信電極16および複数の受信電極17により構成されている。複数の送信電極16および複数の受信電極17は、各センサ基板5において上記ビューエリア対応する位置に配置されている。タッチセンサ1では、ビューエリア内に位置する複数の送信電極16および複数の受信電極17を通じて操作面4に接触した使用者の手指(検知対象物)によるタッチ操作の検知が可能となっている。
各送信電極16は、後述するフレキシブル配線板26を介して図示しない駆動回路に接続されている。各送信電極16は、この駆動回路により周囲に電界を放射するように構成されている。一方、各受信電極17は、後述するフレキシブル配線板26を介して図示しない検出回路に接続されている。各受信電極17は、各送信電極16から放射された電界を受信するように構成されている。
各送信電極16および各受信電極17は、平面視において互いに交差(図示例では直交)するように配置されている。そして、各送信電極16と各受信電極17とが重なり合う領域にはノードが形成されている。このノードは、静電容量を生成可能な領域として構成されている。
複数の送信電極16は、下側基板7の上面に設けられている。各送信電極16は、下側基板7の長辺方向に沿って延びている。複数の送信電極16は、下側基板7の短辺方向に並んで配置されている。なお、図1および図2では、図示を簡略化するために、一つの送信電極16の一部分のみを示している。
複数の受信電極17は、上側基板6の上面に設けられている。すなわち、複数の受信電極17は、上側基板6においてタッチセンサ1の視認側(カバー部材2の操作面4が位置する側)に配置されている。複数の受信電極17は、下側基板7を介して複数の送信電極16と絶縁される。各受信電極17は、上側基板6の短辺方向に沿って延びている。複数の受信電極17は、上側基板6の長辺方向に間隔を並んで配置されている。なお、図1および図2では、図示を簡略化するために、一つの受信電極17の一部分のみを示している。
図示しないが、送信電極16および受信電極17の各々は、例えば、後述する複数の細線19を規則的に並べて形成したメッシュパターンを含むように構成されている。このメッシュパターンは、例えば、複数の細線19により構成された複数のセル(例えばひし形状)を規則的に並べて形成した網目構造を有している。なお、送信電極16および受信電極17の各々は、上記メッシュパターンと異なるパターンを含んでいてもよい。
(細線構造)
図3に示すように、タッチセンサ1は、複数の細線構造18を備えている。図4に示すように、複数の細線構造18の各々において、一つの凹溝部10には一対の細線19,19および保護層22が設けられている。各細線19は、凹溝部10の隅角部13を含む位置に配置されている。細線19,19は、凹溝部10における底部12の幅方向において互いに間隔をあけて配置されている。各細線19の線幅は、0.5μm~1.0μmに設定されるのが好ましい。
各細線19は、触媒層20およびめっき層21により構成されている。
触媒層20は、凹溝部10にめっき層21を形成するための下地となる層である。触媒層20は、無電解めっき触媒を含む溶剤により構成されている。無電解めっき触媒には、例えばパラジウム(Pd)が含まれる。
触媒層20,20は、1つの凹溝部10に設けられている。触媒層20,20は、凹溝部10の幅方向において互いに間隔をあけて配置されている。各触媒層20は、凹溝部10の側部11および隅角部13に配置されている。各触媒層20は、乾燥により溶剤成分の揮発が進んだ後の、側部11および隅角部13に残留したパラジウム(Pd)を含む固形成分に相当する。
めっき層21は、細線19の導電性を担保するための要素である。めっき層21は、導電材料からなる。この導電材料としては、例えば、銅(Cu)またはニッケル(Ni)のような導電金属が適している。
めっき層21,21は、1つの凹溝部10に設けられている。めっき層21,21は、例えば無電解めっき処理により触媒層20に対して積層配置される。めっき層21,21は、凹溝部10の幅方向において互いに間隔をあけて配置されている。各めっき層21は、凹溝部10の隅角部13を含む位置に配置されている。めっき層21,21は、凹溝部10に埋設された保護層22により互いに電気的に導通しないように構成されている。
保護層22は、めっき層21,21を外部から保護するための層である。保護層22は、第二層9との密着性が高くかつ絶縁性を有する材料からなる。具体的に、保護層22は、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系などの樹脂材料を主成分とする接着剤により構成される。保護層22は、第二層9の上面と略面一となるのが好ましい。
(配線部)
図1および図2に示すように、タッチセンサ1は、複数の配線部を備えている。複数の配線部は、複数の送信電極16および複数の受信電極17により構成されている。複数の送信電極16および複数の受信電極17は、図示しない外部回路(上述した駆動回路および検出回路)と電気的に接続される。
複数の第1配線部23および複数の第2配線部24は、ビューエリアの外側に配置されている。具体的に、複数の第1配線部23および複数の第2配線部24は、操作面4側から見た平面視において加飾部3と重なる位置に配置されている。すなわち、複数の第1配線部23および複数の第2配線部24は、加飾部3により操作面4の側から視認できないようになっている。
図2に示すように、複数の第1配線部23は、下側基板7の上面に形成されている。各第1配線部23の一端部は、各送信電極16の端部と電気的に接続されている。複数の第1配線部23は、各々の他端部が下側基板7における所定の位置(図2の紙面左側に位置する辺)に集束するように配置されている。
複数の第2配線部24は、上側基板6の上面に形成されている。各第2配線部24の一端部は、各受信電極17の端部と電気的に接続されている。複数の第2配線部24は、各々の他端部が上側基板6における所定の位置(図2の紙面左側に位置する辺)に集束するように配置されている。
図示しないが、第1および第2配線部23,24の各々は、各センサ基板5に位置する各凹溝部10に埋設された少なくとも1本の細線19により構成されている。
(パッド)
図1および図2に示すように、各第1配線部23の他端部には、後述するフレキシブル配線板26と電気的に接続するためのパッド25が設けられている。また、各第2配線部24の他端部にもパッド25が設けられている。
(フレキシブル配線板)
図1に示すように、タッチセンサ1は、フレキシブル配線板26を備えている。フレキシブル配線板26は、柔軟性を有しかつ変形状態でもその電気的特性が変化しないように構成されている。フレキシブル配線板26は、例えばポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等の可撓性を有する絶縁フィルムからなる。フレキシブル配線板26は、例えば異方導電性接着剤(図示せず)によりセンサ基板5,5に固着される。
(細線構造の形成工程)
次に、図5を参照しながら、細線構造18の形成工程について説明する。
図5に示すように、触媒層20,20を一つの凹溝部10に形成する。具体的には、複数の凹溝部10が形成されたセンサ基板5の第2層9において、バーコータまたは印刷を用いてめっきプライマPを各凹溝部10に対してコーティングする。上記めっきプライマPは、例えば無電解めっき触媒(Pd)を含む溶剤により構成されている。
上記コーティングを行った後、例えばスキージSを用いて、めっきプライマPが各凹溝部10に溜まった状態を維持しつつ、第二層9の上面にめっきプライマPが残らないように処理する。なお、この工程では、スキージSの代わりに、ウエス等を用いて第二層9の上面に残留するめっきプライマPを拭き取ってもよい。
上記コーティングにおいて各凹溝部10に溜まった液体状のめっきプライマPは、表面張力により、凹溝部10の幅方向略中央が底部12側に窪んだ状態となる。更に所定時間乾燥させることにより、めっきプライマPにおける溶剤成分が揮発していく。この揮発が進行すると、パラジウム(Pd)を含む固形成分が、凹溝部10の両側に位置する側部11,11および隅角部13,13に集束しかつ凝固する。これにより、触媒層20,20が凹溝部10内に形成される。
次に、めっき層21,21を凹溝部10内に形成する。具体的に、触媒層20,20を形成した後に無電解めっき処理を行う。無電解めっき処理を行うことにより、各触媒層20に含まれるパラジウム(Pd)を触媒としてめっき成長が進行し、めっき金属(例えばCu)が側部11,11および隅角部13,13に対応する位置に析出する。これにより、めっき層21,21が凹溝部10内に形成される。なお、各めっき層21の厚みは、各凹溝部10の幅および深さ、並びにめっきプライマPにおけるパラジウム(Pd)の含有量に応じて変化する。
次に、保護層22を凹溝部10内に形成する。具体的に、めっき層21,21を形成した後に、エポキシ系、アクリル系、ウレタン系などの樹脂材料を主成分とする熱硬化性または紫外線硬化性の接着剤を凹溝部10内に充填する。その後、所定の熱または紫外線を照射して、上記接着剤を凝固させる。これにより、保護層22が凹溝部10内に形成される。
なお、保護層22の形成過程において、凹溝部10内に充填した上記接着剤が第二層9の上面と略面一となるのが好ましいが、上記接着剤が凹溝部10から溢れ出た状態になっていてもよい。あるいは、凹溝部10内に充填された上記接着剤の上面が、第二層9の上面よりも低くなるようにしてもよい。
[実施形態の作用効果]
上述のように、細線構造18において、センサ基板5の凹溝部10には、導電性の金属材料により構成される一対の細線19,19が設けられている。細線19,19は、凹溝部10の隅角部13,13を含む位置にそれぞれ形成されかつ底部12の幅方向において互いに間隔をあけて配置されている。すなわち、細線構造18は、二つの細線19,19が一つの凹溝部10に位置するように構成されている。かかる構成によれば、凹溝部10の隅角部13を含む位置に形成される各細線19の線幅を、凹溝部10の幅寸法よりも小さくすることが可能となる。例えば、各細線19の線幅を、凹溝部10における幅寸法の1/2以下の寸法に抑えることが可能となる。すなわち、各細線19の線幅は、凹溝部10の幅寸法に拘束されない。その結果、製造上の理由(例えば、製造工程上の制約および/または製造装置における仕様の限界)により凹溝部10の幅寸法を極小化することが困難であったとしても、各細線19の線幅が例えば1μm以下になるような細線化を実現することが可能となる。このように、本開示の細線構造18では、各細線19の線幅を小さくすることができる。
また、上記細線化の実現が可能となることから、複数の細線構造18を用いたタッチセンサ1では、センサ基板5における複数の細線19の配置密度を高めることが可能となる。これにより、例えば、各センサ電極15を構成する上記メッシュパターンが緻密化される。さらに、センサ基板5を小型化することも可能となる。
また、凹溝部10には、細線19,19を保護するための保護層22が埋設されている。この保護層22により、凹溝部10に設けられた細線19,19を外部から適切に保護することができる。特に、センサ基板5が曲げ等による外力の影響を受けた場合であっても、保護層22により凹溝部10と各細線19との密着状態を保つことが可能となる。これにより、細線19,19が凹溝部10から剥がれることを未然に防止することができる。さらに、保護層22が凹溝部10内に埋設されることにより、センサ基板5の上面(第二層9の上面)に保護層22と異なる保護層(図示せず)を別途設ける必要がない。このため、センサ基板5における厚みの増大を抑えることができる。
[実施形態の変形例]
上記実施形態では、センサ電極15の縦断面視において凹溝部10の底部12が略平坦状に形成された形態を示したが、この形態に限られない。例えば図6および図7に示すように、凹溝部10は、センサ基板5の縦断面視において底部12の略中央が隅角部13,13の位置よりも上側(凹溝部10の開口側)に向かって盛り上がるように形成されていてもよい。
図6に示した変形例1の凹溝部10では、底部12が、図6の紙面左右の各々に位置する隅角部13から底部12の幅方向中央に向かって上方に向かうような傾斜状に形成されている。変形例1では、底部12の幅方向中央が角状に形成されている。
また、図7に示した変形例2の凹溝部10では、底部12における幅方向中央の部分が、図6の紙面左右の各々に位置する隅角部13近傍の位置から上方に向かって突出している。変形例2では、底部12の幅方向中央が緩やかな湾曲状に形成されている。
上記変形例1,2では、各細線19を、凹溝部10の各隅角部13を含む位置に形成しやすくなる。また、細線19,19を、底部12の幅方向において互いに間隔をあけて配置しやすくなる。その結果、細線19,19同士の絶縁性を保つことが容易となる。
[その他の実施形態]
上記実施形態のタッチセンサ1では、略矩形状のビューエリアを適用した形態を示したが、この形態に限られない。ビューエリアは、例えば平面視で略円形状や五角形状などの多角形状を有していてもよい。
上記実施形態および各変形例では、第二層9が第一層8の上側に位置する形態を示したが、この形態に限られない。例えば、第二層9が第一層8の下側に位置していてもよい。
上記各実施形態および各変形例では、2つのセンサ基板5,5(上側基板6および下側基板7)を用いた形態を示したが、この形態に限られない。すなわち、1つのセンサ基板5のみを用いた形態であってもよい。かかる形態では、第二層9,9を第一層8の上側および下側の双方に形成した1つのセンサ基板5を用いればよい(図示せず)。例えば、他の実施形態に係るタッチセンサ1としては、複数の送信電極16および複数の第1配線部23を第一層8の下側に位置する第二層9に設ける一方、複数の受信電極17および複数の第2配線部24を第一層8の上側に位置する第二層9に設けるように構成すればよい。
上記実施形態および各変形例では、センサ基板5が第一層8および第二層9を有する形態を示したが、この形態に限られない。例えば、図8に示すように、センサ基板5が第一層8のみを有する形態であってもよい。かかる形態では、凹溝部10および細線構造18が第一層8の上面および下面の少なくとも一方に形成されていればよい。このような形態であっても、上記実施形態と同様の作用効果を奏しうる。
上記実施形態では、各送信電極16が図2に示したセンサ基板5の長手方向に沿って延びる一方、各受信電極17がセンサ基板5の短手方向に沿って延びる形態を示したが、この形態に限られない。すなわち、各送信電極16がセンサ基板5の短手方向に沿って延びる一方、各受信電極17が長手方向に沿って延びていてもよい。
上記実施形態では、カバー部材2およびフレキシブル配線板26がセンサ基板5に取り付けられる状態のタッチセンサ1を示したが、この形態に限られない。すなわち、本開示によるタッチセンサ1の概念には、カバー部材2およびフレキシブル配線板26などをセンサ基板5に取り付ける前の状態が含まれる。さらに、本開示のタッチセンサ1の概念には、センサ基板5が形成される前の状態となる長尺状の母材(例えば、図示しない長尺のフープ状部材)において、上述による複数のセンサ電極15が当該母材に形成された構成も含まれる。
上記実施形態および各変形例では、本開示の細線構造18を適用したタッチセンサ1について例示したが、これに限られない。例えば、本開示の細線構造18を、タッチセンサ以外の技術分野(例えば、液晶表示装置やアンテナ装置などの他の技術分野)に広く適用することが可能である。
以上、本開示についての実施形態を説明したが、本開示は上述の実施形態のみに限定されず、本開示の範囲内で種々の変更が可能である。
本開示は、細線構造およびそれを用いたタッチセンサとして産業上の利用が可能である。
1:タッチセンサ
2:カバー部材
5:センサ基板
6:上側基板
7:下側基板
8:第1層
9:第2層
10:凹溝部
11:側部
12:底部
13:隅角部
15:センサ電極
16:送信電極
17:受信電極
18:細線構造
19:細線
20:触媒層
21:めっき層
22:保護層

Claims (4)

  1. 基板に設けられる細線構造であって、
    前記基板の少なくとも一方の面には、有底状の凹溝部が少なくとも1つ設けられており、
    前記凹溝部には、導電性の金属材料により構成される一対の細線が設けられており、
    前記一対の細線は、前記凹溝部の隅角部を含む位置にそれぞれ形成され、かつ、前記底部の幅方向において互いに間隔をあけて配置されている、細線構造。
  2. 請求項1に記載の細線構造において、
    前記凹溝部は、前記基板の縦断面視において前記底部の略中央が前記隅角部の位置よりも前記凹溝部の開口側に向かって盛り上がるように形成されている、細線構造。
  3. 請求項1または2に記載の細線構造において、
    前記凹溝部には、前記一対の細線を保護するための保護層が埋設されている、細線構造。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の細線構造を備える、タッチセンサ。
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