JP2023091403A - スクロール圧縮機および空気調和装置 - Google Patents

スクロール圧縮機および空気調和装置 Download PDF

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智美 木下
Tomomi Kinoshita
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Yoshinobu Yosuke
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Abstract

【課題】スクロール圧縮機を安定して稼働させることができるようにする。【解決手段】スクロール圧縮機を対象とする。スクロール圧縮機は、固定スクロール(21)および可動スクロール(26)を有する圧縮機構(20)と、上記可動スクロール(26)を上記固定スクロール(21)に対して偏心回転させる駆動軸(40)と、上記可動スクロール(26)を上記固定スクロール(21)に押し付けるフローティング部材(50)と備え、可動スクロール外直径をD1とし、軸受外直径をD2とし、可動スクロール旋回半径をRとし、スクロール歯高さをH として、7.22≦(D1×H)/(D2×R)≦10.06が成り立つことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本開示は、スクロール圧縮機および空気調和装置に関するものである。
特許文献1には、スクロール圧縮機が開示されている。特許文献1に記載のスクロール圧縮機は、筒状のケーシングと、ケーシングに収容され、固定スクロールおよび可動スクロールを有する圧縮機構と、ケーシングに収容されたフローティング部材とを備える。特許文献1に記載のスクロール圧縮機は、フローティング部材の背面に高圧および中間圧を導入して圧力室を形成することにより、フローティング部材を浮上させて可動スクロールに押し付ける。その結果、フローティング部材を介して可動スクロールが固定スクロールに押し付けられる。
特開2020-193575号公報
可動スクロールに対して下側へ押し下げるように作用する第1モーメントが、フローティング部材に対して上側へ押し上げるように作用する第2モーメントに対して小さくなり過ぎると、可動スクロールおよび固定スクロールのスクロール内部にミスト油を供給することが困難となり、可動スクロールおよび固定スクロールの接触部が焼き付く可能性がある。第1モーメントが第2モーメントに対して大きくなり過ぎると、可動スクロールが転覆することで、スクロール圧縮機の性能が低下する可能性がある。上記のような不具合が発生することで、スクロール圧縮機が安定して稼働することが困難となる可能性がある。
本開示の目的は、スクロール圧縮機を安定して稼働させることができるようにすることにある。
本開示の第1の態様は、スクロール圧縮機を対象とする。スクロール圧縮機は、固定スクロール(21)および可動スクロール(26)を有する圧縮機構(20)と、上記可動スクロール(26)を上記固定スクロール(21)に対して偏心回転させる駆動軸(40)と、上記可動スクロール(26)を上記固定スクロール(21)に押し付けるフローティング部材(50)と備え、可動スクロール外直径をD1とし、軸受外直径をD2とし、可動スクロール旋回半径をRとし、スクロール歯高さをH として、7.22≦(D1×H)/(D2×R)≦10.06が成り立つことを特徴とする。
第1の態様では、スクロール圧縮機を安定して稼働させることができる。
本開示の第2の態様は、空気調和装置を対象とする。空気調和装置は、上記スクロール圧縮機(1)を備えることを特徴とする。
第2の態様では、空気調和装置に備えられるスクロール圧縮機(1)を安定して稼働させることができる。
図1は、本本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機の断面図である。 図2は、可動スクロールの上面図である。 図3は、図1に示すスクロール圧縮機の断面図の一部拡大図である。 図4は、第1モーメントI1が第2モーメントI2に対して小さくなり過ぎたときの固定スクロールと可動スクロールとの状態を示す断面図である。 図5は、第1モーメントI1が第2モーメントI2に対して大きくなり過ぎたときの固定スクロールと可動スクロールとの状態を示す断面図である。 図6は、試験結果を示す図である。
本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付し、詳細な説明及びそれに付随する効果等の説明は繰り返さない。
<全体構成>
図1を参照して、本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機(1)について説明する。図1は、本発明の実施形態に係るスクロール圧縮機(1)の断面図である。
スクロール圧縮機(1)は、低圧ドーム型のスクロール圧縮機である。スクロール圧縮機(1)は、例えば、冷凍装置に適用される。冷凍装置は、空気の温度や湿度を調節する空気調和装置、庫内を冷却する冷却装置、又は温水を生成する給湯装置を含む。スクロール圧縮機(1)は、蒸気圧縮式冷凍サイクルの冷媒回路(図示せず)に設けられ、作動流体である冷媒を圧縮する。冷媒回路では、スクロール圧縮機(1)で圧縮した冷媒が、凝縮器で凝縮し、減圧機構で減圧され、蒸発器で蒸発し、スクロール圧縮機(1)に吸入される。
図1に示すように、スクロール圧縮機(1)は、ケーシング(10)と、圧縮機構(20)と、電動機(30)と、駆動軸(40)と、フローティング部材(50)と、フレーム(60)とを備える。
ケーシング(10)は、両端が閉塞された縦長の円筒状に形成される。ケーシング(10)内には、圧縮機構(20)と、電動機(30)と、駆動軸(40)と、フローティング部材(50)と、フレーム(60)とが収容される。圧縮機構(20)と電動機(30)とは、駆動軸(40)によって連結される。駆動軸(40)は、スクロール圧縮機(1)の軸方向(Y)に沿って延びる。スクロール圧縮機(1)の軸方向(Y)は、駆動軸(40)の延びる方向を示す。本実施形態では、軸方向(Y)は、上下方向を示す。
ケーシング(10)内の上部には、仕切部材(11)が設けられる。仕切部材(11)は、ケーシング(10)の内部空間を2つの空間に仕切る。仕切部材(11)よりも上側の空間が第1ケーシング空間(S1)を構成する。仕切部材(11)よりも下側の空間が第2ケーシング空間(S2)を構成する。
ケーシング(10)には、吸入管(図示せず)と、吐出管(12)とが設けられる。吸入管は、ケーシング(10)の胴部を径方向(X)に貫通して第2ケーシング空間(S2)と連通する。吸入管は、第2ケーシング空間(S2)に低圧の流体(例えば、ガス冷媒)を導入する。吐出管(12)は、ケーシング(10)の上部を径方向(X)に貫通して第1ケーシング空間(S1)と連通する。吐出管(12)は、第1ケーシング空間(S1)内の高圧の流体をケーシング(10)外に導出する。径方向(X)は、軸方向(Y)に対して垂直な方向を示す。
圧縮機構(20)は、流体を吸入して圧縮する。圧縮機構(20)は、固定スクロール(21)と、可動スクロール(26)とを有する。固定スクロール(21)は、フレーム(60)に固定される。可動スクロール(26)は、フローティング部材(50)と固定スクロール(21)との間に配置される。可動スクロール(26)は、固定スクロール(21)に噛み合わされて固定スクロール(21)に対して偏心回転運動を行うように構成される。
固定スクロール(21)は、スクロール圧縮機(1)の軸方向(Y)の一方側(この例では、上側)に配置される。固定スクロール(21)は、固定側鏡板(22)と、固定側ラップ(23)と、外周壁部(24)とを有する。
固定側鏡板(22)は、概ね円形の板状に形成される。固定側ラップ(23)は、インボリュート曲線を描く渦巻き壁状に形成され、固定側鏡板(22)の前面(この例では、下面)から突出している。外周壁部(24)は、固定側ラップ(23)の外周側を囲むように形成され、固定側鏡板(22)の前面から突出している。固定側ラップ(23)の先端面(この例では、下端面)と、外周壁部(24)の先端面とは略面一になっている。
固定スクロール(21)の外周壁部(24)には、吸入ポート(図示せず)が形成される。吸入ポートは、第2ケーシング空間(S2)と連通する。固定スクロール(21)の固定側鏡板(22)の中央部には、固定側鏡板(22)を厚さ方向に貫通する吐出口(25)が形成される。
可動スクロール(26)は、可動側鏡板(27)と、可動側ラップ(28)と、ボス部(29)とを有する。
可動側鏡板(27)は、概ね円形の板状に形成される。可動側ラップ(28)は、インボリュート曲線を描く渦巻き壁状に形成され、可動側鏡板(27)の前面(この例では、上面)から突出している。ボス部(29)は、円筒状に形成され、可動側鏡板(27)の背面(この例では、下面)の中央部に配置される。可動スクロール(26)の可動側ラップ(28)は、固定スクロール(21)の固定側ラップ(23)と噛み合わされている。
このような構成により、固定スクロール(21)と可動スクロール(26)との間には、圧縮室(S20)が形成される。圧縮室(S20)は、流体を圧縮するための空間である。圧縮室(S20)は、吸入管、第2ケーシング空間(S2)、および吸入ポートを通じて吸入された流体を圧縮し、圧縮された流体を吐出口(25)を通じて吐出するように構成される。
電動機(30)は、ケーシング(10)内に収容され、圧縮機構(20)の下方に配置される。電動機(30)は、固定子(31)と、回転子(32)とを有する。固定子(31)は、実質的に円筒状に形成されてケーシング(10)に固定される。回転子(32)は、固定子(31)の内周に回転可能に挿通される。回転子(32)の内周には、駆動軸(40)が挿通されて固定される。
駆動軸(40)は、可動スクロール(26)を駆動する。駆動軸(40)は、可動スクロール(26)に連結され、可動スクロール(26)を回転可能に支持する。駆動軸(40)は、主軸部(41)と、偏心軸部(42)とを有する。主軸部(41)は、スクロール圧縮機(1)の軸方向(Y)に延びる。偏心軸部(42)は、主軸部(41)の上端に設けられる。偏心軸部(42)の外径は、主軸部(41)の外径よりも小さい。偏心軸部(42)の軸心は、主軸部(41)の軸心に対して所定距離だけ偏心している。
フローティング部材(50)は、可動スクロール(26)を固定スクロール(21)に押し付ける。フローティング部材(50)は、実質的に円筒状に形成される。フローティング部材(50)は、スクロール支持部(51)と、軸受部(53)と、連結部(55)とを有する。
スクロール支持部(51)は、可動スクロール(26)の背面に接触する実質的に円筒状の部分である。スクロール支持部(51)は、可動スクロール(26)を支持する。
軸受部(53)は、駆動軸(40)を回転可能に支持する。軸受部(53)は、スクロール支持部(51)よりも小さい内径を有する実質的に円筒状の部分である。軸受部(53)は、駆動軸(40)の主軸部(41)を回転可能に支持する。軸受部(53)の外壁の上端寄りには、シール部材が収容される第2環状溝(54)が形成される。
連結部(55)は、実質的にリング状に形成された部分である。連結部(55)は、スクロール支持部(51)の下端部と、軸受部(53)の上端部とを互いに連結する。連結部(55)に対して径方向(X)外側には、シール部材が収容される第1環状溝(52)が形成される。径方向(X)外側は、径方向(X)のうち駆動軸(40)から離間する方向を示す。
可動スクロール(26)とフローティング部材(50)との間には、オルダム継手(80)が配置される。オルダム継手(80)は、可動スクロール(26)の自転防止機構として機能する。オルダム継手(80)は、可動スクロール(26)、及び、フローティング部材(50)の両方と摺動自在に係合し、可動スクロール(26)の自転を規制することで、可動スクロール(26)を固定スクロール(21)に対して偏心回転させる。
フレーム(60)は、フローティング部材(50)を支持する。フレーム(60)は、実質的に円筒状に形成される。フレーム(60)は、第2ケーシング空間(S2)において、例えば圧入によってケーシング(10)に固定される。フレーム(60)は、固定部(61)と、突出部(62)とを有する。
固定部(61)は、実質的に円筒状に形成された部分である。固定部(61)の外周面は、ケーシング(10)に固定される。固定部(61)の上面には、固定スクロール(21)が固定される。
突出部(62)は、実質的に円筒状またはリング状に形成された部分である。突出部(62)は、固定部(61)の内周部から径方向(X)内側に突出している。突出部(62)の上面の内周寄りには、シール部材が収容される第3環状溝(63)が形成される。径方向(X)内側は、径方向(X)のうち駆動軸(40)に近接する方向を示す。
突出部(62)の径方向(X)内側には、貫通孔(64)が形成される。貫通孔(64)には、駆動軸(40)および軸受部(53)が挿通される。
フローティング部材(50)とフレーム(60)との間には、第1空間(71)及び第2空間(72)が形成される。
第1空間(71)は、フローティング部材(50)の連結部(55)及び軸受部(53)と、フレーム(60)の突出部(62)との間に形成される。第1空間(71)は、軸受部(53)の外周部側で、かつ、フローティング部材(50)とフレーム(60)との間に位置する。第1空間(71)は、第2環状溝(54)に収容されるシール部材と、第3環状溝(63)に収容される環状のシール部材とによって仕切られる。第1空間(71)は、ケーシング(10)の周方向において全周に延びている。第1空間(71)には、圧縮機構(20)により圧縮された流体の圧力である高圧が導入される。
第1空間(71)の径方向(X)外側には第2空間(72)が形成される。第1空間(71)と第2空間(72)との間には、第3環状溝(63)が設けられる。第1空間(71)と第2空間(72)とは、第3環状溝(63)に設置されたシール部材によって仕切られる。第1空間(71)と第2空間(72)とのうち第1空間(71)が第3環状溝(63)の内側に設けられる。
固定スクロール(21)およびフレーム(60)の内部には、第1導入路(66)が形成される。第1導入路(66)の流入端は、吐出口(25)に開口している。第1導入路(66)の流出端は、第3環状溝(63)に開口している。
第2空間(72)は、フローティング部材(50)のスクロール支持部(51)及び連結部(55)と、フレーム(60)の突出部(62)との間に形成される。第2空間(72)は、フローティング部材(50)とフレーム(60)との間に位置する。第2空間(72)は、第1環状溝(52)に収容されるシール部材と、第3環状溝(63)に収容されるシール部材とによって仕切られる。第2空間(72)は、ケーシング(10)の周方向において全周に延びている。第2空間(72)には、圧力が圧縮機構(20)へ吸入される流体の圧力より高く、かつ、圧縮機構(20)から吐出される流体の圧力(高圧)よりも低い中間圧が導入される。
固定スクロール(21)およびフレーム(60)の内部には、第2導入路(67)が形成される。第2導入路(67)の流入端は、圧縮室(S20)に開口している。第2導入路(67)の流出端は、第2空間(72)に開口している。
<運転動作>
スクロール圧縮機(1)の運転動作について説明する。
図1に示すように、電動機(30)に電力が供給されると、電動機(30)の回転子(32)が回転して、駆動軸(40)が回転駆動される。駆動軸(40)が回転駆動することで、駆動軸(40)に連結された可動スクロール(26)が固定スクロール(21)に対して偏心回転運動を行う。これにより、吸入管および第2ケーシング空間(S2)を介して圧縮室(S20)へ低圧の流体が吸入され、圧縮室(S20)内で圧縮される。圧縮された流体は、吐出口(25)及び第1ケーシング空間(S1)を介して吐出管(12)から吐出される。
第1導入路(66)には、吐出口(25)から圧縮後の流体が流入する。この流体は、第1導入路(66)を経由して第3環状溝(63)から第1空間(71)に導かれる。第1空間(71)では高い圧力(高圧)が生じ、当該高圧により、フローティング部材(50)を介して、可動スクロール(26)が固定スクロール(21)側に押し付けられる。
第2導入路(67)には、圧縮室(S20)から圧縮途中の流体が流入する。この流体は、第2導入路(67)を経由して第2空間(72)に導かれる。第2空間(72)ではやや高い圧力(中間圧)が生じ、当該中間圧によりフローティング部材(50)を介して、可動スクロール(26)が固定スクロール(21)側に押し付けられる。
<特徴部分>
図2~図5を参照して、スクロール圧縮機(1)についてさらに説明する。
図2~図4において、可動スクロール外直径D1は、可動側ラップ(28)の所定方向の寸法である。所定方向は、可動側ラップ(28)の外側端部(28a)と可動側ラップ(28)の中心(28b)とを通りつつ径方向(X)に対して平行な方向である。軸受外直径D2は、スクロール支持部(51)の外周の直径に沿った円の寸法である。可動スクロール旋回半径Rは、主軸部(41)の軸心(P)と、可動スクロール(26)の軸心(Q)との距離である。背圧Fbは、フローティング部材(50)の背面に供給される高圧Fb1と中間圧Fb2との和である(Fb=Fb1+Fb2)。ガス力Fzは、可動スクロール(26)が圧縮反力により軸方向(X)の他方側へ押し下げられる力である。
第1モーメント(転覆モーメント)I1は、可動スクロール(26)に対して軸方向(X)の他方側へ押し下げるように作用するモーメントである。第1モーメントI1は、下記数1に示す値となる。
[数1]
I1=Fz×(D1/2+R)
第2モーメントI2は、フローティング部材(50)に対して軸方向(X)の一方側へ押し上げるように作用するモーメントである。第2モーメントI2は、下記数2に示す値となる。
[数2]
I2=Fb×D2/2
図2~図4に示すように、軸受外直径D2が可動スクロール外直径D1に対して大きすぎると、可動スクロール(26)の第1モーメントI1が第2モーメントI2に対して小さくなる。第1モーメントI1が第2モーメントI2に対して小さくなり過ぎると、スクロールラップ(23,28)と歯底(22a, 27a)の隙間が無くなり、荷重を受けるスクロールラップ(23,28)と歯底(22a, 27a)に対して、スクロール(21,26)内部にミスト油を供給することが困難となり、スクロールラップ(23,28)および歯底(22a, 27a)の接触部(G)が焼き付く可能性がある。
スクロール(21,26)は、固定スクロール(21)と可動スクロール(26)を示す。スクロールラップ(23,28)は、固定側ラップ(23)と可動側ラップ(28)を示す。歯底(22a)は、固定側鏡板(22)のうち可動スクロール(26)と対向する面を示す。 歯底(27a)は、可動側鏡板(27)のうち固定側ラップ(23)と対向する面を示す。
図2、図3および図5に示すように、軸受外直径D2が可動スクロール外直径D1に対して小さ過ぎると、第1モーメントI1が第2モーメントI2に対して大きくなる。第1モーメントI1が第2モーメントI2に対して大きくなり過ぎると、可動スクロール(26)が転覆することで、スクロール圧縮機(1)の性能が低下する。
本実施形態では、下記の試験結果より、スクロール圧縮機(1)において、(D1×H)/(D2×R)の値が、7.22以上、10.06以下の大きさに設定される。以下では、本願発明者により行われた試験結果について説明する。
<試験結果>
図6は、本願発明者により行われた試験結果を示す。試験では、ライン(L1)~ライン(L3)毎にスクロール歯高さHが異なる複数種類のスクロール圧縮機(1)が用いられ、(D1×H)/(D2×R)の値とスクロール圧縮機(1)の不具合との相関が検証される。スクロール歯高さHは、固定側ラップ(23)または可動側ラップ(28)の軸方向(Y)の寸法である。試験では、スクロール歯高さHは、可動スクロール外直径D1の0.24倍以上、0.36倍以下の大きさに設定される。試験では、可動スクロール旋回半径Rは、スクロール歯高さHの0.12倍以上、0.18倍以下の大きさに設定される。
ライン(L1)では、(D1×H)/(D2×R)の値が6.57以上、10.28以下となる範囲でスクロール圧縮機(1)が稼働された。ライン(L1)に示すように、(D1×H)/(D2×R)の値が6.57のときミスト油が不足することでスクロールラップ(23,28)および歯底(22a, 27a)に焼き付きが生じることが確認された。ライン(L1)に示すように、(D1×H)/(D2×R)の値が10.28のときスクロール圧縮機(1)の性能低下(チッピング)が確認された。
ライン(L2)では、(D1×H)/(D2×R)の値が7.06以上、9.87以下となる範囲でスクロール圧縮機(1)が稼働された。ライン(L2)に示すように、(D1×H)/(D2×R)の値が7.06のときミスト油が不足することでスクロールラップ(23,28)および歯底(22a, 27a)に焼き付きが生じることが確認されたが、スクロール圧縮機(1)に性能低下(チッピング)が生じることは確認されなかった。
ライン(L3)では、(D1×H)/(D2×R)の値が7.77以上、8.26以下となる範囲でスクロール圧縮機(1)が稼働された。ライン(L3)に示すように、スクロールラップ(23,28)および歯底(22a, 27a)に焼き付きが生じることと、スクロール圧縮機(1)に性能低下(チッピング)が生じることは確認されなかった。
上記の試験結果より、スクロール圧縮機(1)において、(D1×H)/(D2×R)の値が下記数3で示す範囲内の値に設定されることが好ましいことが確認された。
[数3]
7.22≦(D1×H)/(D2×R)≦10.06
<効果>
本実施形態のスクロール圧縮機(1)では、(D1×H)/(D2×R)の値が、7.22以上、10.06以下の大きさに設定される。これにより、第1モーメントI1が第2モーメントI2に対して小さくなり過ぎることで固定スクロール(21)および可動スクロール(26)の接触部(スクロールラップ(23,28)および歯底(22a, 27a)の接触部(G))が焼き付くことを抑制でき、さらに、第1モーメントI1が第2モーメントI2に対して大きくなり過ぎることでスクロール圧縮機(1)に性能低下(チッピング)が生じることを抑制できる。その結果、スクロール圧縮機(1)を安定して稼働させることができる。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、スクロール圧縮機および空気調和装置について有用である。
1 スクロール圧縮機
20 圧縮機構
21 固定スクロール
26 可動スクロール
50 フローティング部材

Claims (2)

  1. 固定スクロール(21)および可動スクロール(26)を有する圧縮機構(20)と、
    上記可動スクロール(26)を上記固定スクロール(21)に対して偏心回転させる駆動軸(40)と、
    上記可動スクロール(26)を上記固定スクロール(21)に押し付けるフローティング部材(50)と
    備え、
    可動スクロール外直径をD1とし、軸受外直径をD2とし、可動スクロール旋回半径をRとし、スクロール歯高さをH として、
    7.22≦(D1×H)/(D2×R)≦10.06
    が成り立つことを特徴とするスクロール圧縮機。
  2. 請求項1に記載のスクロール圧縮機(1)を備えることを特徴とする空気調和装置。
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