JP2023090237A - 仕入不正発見業務支援装置、仕入不正発見業務支援方法および仕入不正発見業務支援プログラム - Google Patents

仕入不正発見業務支援装置、仕入不正発見業務支援方法および仕入不正発見業務支援プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】確認対象期間中の仕入金額と比較対象期間中の仕入金額との差額の算出、及び、当該算出した差額のうち数値が異常に大きいものの検知を自動で行う事で、仕入不正の発見業務を支援できる仕入不正発見業務支援装置等の提供を課題とする。【解決手段】本実施形態では、(1)仕入日と支払先と仕入金額とを含む仕入計上データを参照して、ある会計年月に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記支払先毎に集計した金額から、前記ある会計年月の前年同月に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記支払先毎に集計した金額を差し引くことで、前記会計年月及び前記支払先の組合せ毎の仕入差額金額を算出し、(2)所定の統計手法に従い、前記算出した仕入差額金額のうち上限値を上回るものを異常値として検知し、(3)前記異常値として検知した仕入差額金額並びに当該検知した仕入差額金額に対応する前記会計年月及び前記支払先を表示する。【選択図】図16

Description

本発明は、仕入不正発見業務支援装置、仕入不正発見業務支援方法および仕入不正発見業務支援プログラムに関する。
特許文献1の0025段落には、「文書による請求書の廃止は責任の所在が不明となり、従来の処理手法は、仕入先と発注会社の担当者が通謀した不正に対して極めて脆弱であった。この発明の売上監査モデルは、電磁媒体による請求書の代替によって、不正が行われた場合には仕入先の不当利得の返還等の民事責任のみならず、横領、詐欺等の刑事責任の追及も容易となり、不正に対する極めて強力な防止策となるものである。」と開示されている。
特開2006-164255号公報
上記特許文献1に記載のように、自社担当者と取引先担当者が共謀することにより行われる仕入実績に関する不正(仕入不正)を発見することは企業にとって重要である。
仕入不正の一つの形態として、自社担当者が取引先担当者と共謀して架空の仕入を計上して、取引先に対して金額を支払い、後日、架空の仕入について支払った当該金額を取引先担当者から自社担当者にキックバックして貰うという方法がある。
この方法の場合、架空仕入を行った月の仕入金額が、例えば前年度の同月の仕入金額に比べて急激に増加しているという特徴がある。したがって、架空仕入を発見するためには、確認対象月の仕入金額と、前年度の同月に該当する比較対象月の仕入金額と、を比較すればよい。
しかしながら、月毎の仕入金額の集計および前年同月の仕入金額との比較は、従来においては、担当者が手作業で行っていたため、仕入不正の発見業務には多大な時間および労力がかかるという問題があった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであって、確認対象期間中の仕入金額と比較対象期間中の仕入金額との差額の算出、および、当該算出した差額のうち数値が異常に大きいものの検知を自動で行うことにより、仕入不正の発見業務を支援することができる仕入不正発見業務支援装置、仕入不正発見業務支援方法および仕入不正発見業務支援プログラムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る仕入不正発見業務支援装置においては、確認対象期間中の仕入金額と比較対象期間中の仕入金額との差額である仕入差額金額を算出することにより、仕入の実績に関する不正を発見する業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える仕入不正発見業務支援装置であって、前記記憶部には、仕入日と、取引先識別データと、仕入金額と、を含む仕入計上データが格納されており、前記制御部は、前記確認対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額から、前記比較対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額を差し引くことにより、前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せ毎の前記仕入差額金額を算出する仕入差額金額算出手段と、所定の統計手法に従い、前記仕入差額金額算出手段で算出した仕入差額金額のうち上限値を上回っているものを異常値として検知する異常値検知手段と、前記異常値検知手段で異常値として検知した仕入差額金額ならびに当該検知した仕入差額金額に対応する前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せを表示する異常表示手段と、を備えること、を特徴とする。
また、本発明に係る仕入不正発見業務支援装置においては、前記異常表示手段は、前記所定の統計手法および前記上限値も併せて表示すること、を特徴とする。
また、本発明に係る仕入不正発見業務支援装置においては、前記所定の統計手法が、四分位範囲を用いる方法であり、前記上限値が、第三四分位数に、前記四分位範囲を1.5倍した値を足すことより算出された値であること、を特徴とする。
また、本発明に係る仕入不正発見業務支援装置においては、前記記憶部には、前記仕入計上データ中の前記仕入金額を期間および前記取引先識別データ毎に集計した金額と、前記期間と、前記取引先識別データと、を含む仕入差額金額算出結果データが更に格納されており、前記制御部は、前記仕入差額金額算出結果データに基づいて、前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを、前記取引先識別データの数の分だけ生成して表示する取引先別グラフ表示手段を更に備え、当該折れ線グラフは、前記仕入差額金額算出結果データ中の前記集計した金額を縦軸とし、前記仕入差額金額算出結果データ中の前記期間を横軸とすること、を特徴とする。
また、本発明に係る仕入不正発見業務支援装置においては、前記記憶部には、前記仕入計上データ中の前記仕入金額を期間および前記取引先識別データ毎に集計した金額と、前記期間と、前記取引先識別データと、を含む仕入差額金額算出結果データが更に格納されており、前記制御部は、前記仕入差額金額算出結果データに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての確認対象年度における前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフ、および、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての比較対象年度における前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを生成して併せて表示する両年度比較用グラフ表示手段を更に備え、前記確認対象年度は、前記異常値検知手段で異常値として検知した仕入差額金額に対応する前記確認対象期間が属する年度であり、前記比較対象年度は、前記確認対象年度より1つ前の年度であり、当該折れ線グラフは、前記仕入差額金額算出結果データ中の前記集計した金額を縦軸とし、年の表示がない月を横軸とすること、を特徴とする。
また、本発明に係る仕入不正発見業務支援装置においては、前記仕入計上データは、事業所識別データ、部門識別データおよび担当者識別データのうちの少なくとも一つの集計単位を更に含み、前記記憶部には、前記仕入計上データ中の前記仕入金額を期間、前記取引先識別データおよび前記集計単位の組合せ毎に集計した金額と、前記期間と、前記取引先識別データと、前記集計単位と、を含む仕入金額集計データが更に格納されており、前記制御部は、前記仕入金額集計データに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを、前記集計単位の数の分だけ生成して表示する集計単位別グラフ表示手段を更に備え、当該折れ線グラフは、前記仕入金額集計データ中の前記集計した金額を縦軸とし、前記仕入金額集計データ中の前記期間を横軸とすること、を特徴とする。
また、本発明に係る仕入不正発見業務支援装置においては、前記仕入計上データは、事業所識別データ、部門識別データおよび担当者識別データのうちの少なくとも一つの集計単位と、発注計上データの登録による発注を経由した仕入については発注番号と、を更に含み、前記記憶部には、前記仕入計上データ中の前記仕入金額を期間、前記取引先識別データ、前記集計単位および前記発注番号の有無の組合せ毎に集計した金額と、前記期間と、前記取引先識別データと、前記集計単位と、前記発注番号がない前記仕入金額を集計した場合の区分である即仕入区分と、前記発注番号がある前記仕入金額を集計した場合の区分である発注経由区分を含む仕入方法別集計データが更に格納されており、前記制御部は、前記仕入方法別集計データに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記期間および前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての前記集計した金額を示す棒グラフを、前記集計単位の数の分だけ生成して表示する仕入計上方法別グラフ表示手段を更に備え、当該棒グラフにおいては、前記即仕入区分に対応する前記集計した金額および前記発注経由区分に対応する前記集計した金額が識別可能となっていること、を特徴とする。
また、本発明に係る仕入不正発見業務支援装置においては、前記記憶部には、売上日と、売上金額と、を含む売上計上データと、前記仕入計上データ中の前記仕入金額を期間および前記取引先識別データの組合せ毎に集計した金額と、前記仕入計上データ中の前記期間と、前記仕入計上データ中の前記取引先識別データと、を含む仕入集計レコード、および、前記売上計上データ中の前記売上金額を期間毎に集計した金額と、前記売上計上データ中の前記期間と、を含む売上集計レコードを含む売上・仕入別集計データと、が更に格納されており、前記制御部は、前記仕入集計レコードに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを生成し、前記売上集計レコードに基づいて、前記期間毎の前記集計した金額を示す折れ線グラフを生成し、両グラフを併せて表示する売上・仕入比較用グラフ表示手段を更に備え、当該折れ線グラフは、前記レコード中の前記集計した金額を縦軸とし、前記レコード中の前記期間を横軸とすること、を特徴とする。
また、本発明に係る仕入不正発見業務支援装置においては、前記記憶部には、受注日と、受注金額と、を含む受注計上データと、前記仕入計上データ中の前記仕入金額を期間および前記取引先識別データの組合せ毎に集計した金額と、前記仕入計上データ中の前記期間と、前記仕入計上データ中の前記取引先識別データと、を含む仕入集計レコード、および、前記受注計上データ中の前記受注金額を期間毎に集計した金額と、前記受注計上データ中の前記期間と、を含む受注集計レコードを含む受注・仕入別集計データと、が更に格納されており、前記制御部は、前記仕入集計レコードに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを生成し、前記受注集計レコードに基づいて、前記期間毎の前記集計した金額を示す折れ線グラフを生成し、両グラフを併せて表示する受注・仕入比較用グラフ表示手段を更に備え、当該折れ線グラフは、前記レコード中の前記集計した金額を縦軸とし、前記レコード中の前記期間を横軸とすること、を特徴とする。
また、本発明に係る仕入不正発見業務支援装置においては、前記確認対象期間が、ある年のある月であり、前記比較対象期間が、前記ある年の前年の前記ある月であること、を特徴とする。
また、本発明に係る仕入不正発見業務支援方法においては、確認対象期間中の仕入金額と比較対象期間中の仕入金額との差額である仕入差額金額を算出することにより、仕入の実績に関する不正を発見する業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される仕入不正発見業務支援方法であって、前記記憶部には、仕入日と、取引先識別データと、仕入金額と、を含む仕入計上データが格納されており、前記制御部で実行される、前記確認対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額から、前記比較対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額を差し引くことにより、前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せ毎の前記仕入差額金額を算出する仕入差額金額算出ステップと、所定の統計手法に従い、前記仕入差額金額算出ステップで算出した仕入差額金額のうち上限値を上回っているものを異常値として検知する異常値検知ステップと、前記異常値検知ステップで異常値として検知した仕入差額金額ならびに当該検知した仕入差額金額に対応する前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せを表示する異常表示ステップと、を含むこと、を特徴とする。
また、本発明に係る仕入不正発見業務支援プログラムにおいては、確認対象期間中の仕入金額と比較対象期間中の仕入金額との差額である仕入差額金額を算出することにより、仕入の実績に関する不正を発見する業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される仕入不正発見業務支援プログラムであって、前記記憶部には、仕入日と、取引先識別データと、仕入金額と、を含む仕入計上データが格納されており、前記制御部に実行させるための、前記確認対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額から、前記比較対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額を差し引くことにより、前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せ毎の前記仕入差額金額を算出する仕入差額金額算出ステップと、所定の統計手法に従い、前記仕入差額金額算出ステップで算出した仕入差額金額のうち上限値を上回っているものを異常値として検知する異常値検知ステップと、前記異常値検知ステップで異常値として検知した仕入差額金額ならびに当該検知した仕入差額金額に対応する前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せを表示する異常表示ステップと、を含むこと、を特徴とする。
本発明によれば、確認対象期間中の仕入金額と比較対象期間中の仕入金額との差額の算出、および、当該算出した差額のうち数値が異常に大きいものの検知を自動で行うことにより、仕入不正の発見業務を支援することができるという効果を奏する。
図1は、仕入不正発見業務支援装置の構成の一例を示すブロック図である。 図2は、仕入実績に関する不正(架空仕入)のイメージの一例を示す図である。 図3は、正常な仕入実績および異常な仕入実績の一例を示す図である。 図4は、分析用初期画面の一例を示す図である。 図5は、分析用画面の一例を示す図である。 図6は、即仕入を行う場合における仕入データ登録画面および仕入計上データの一例を示す図である。 図7は、発注経由の仕入を行う場合における発注データ登録画面および発注計上データならびに発注経由の仕入を行う場合における仕入データ登録画面および仕入計上データの一例を示す図である。 図8は、自動検知実行スケジュールデータおよび仕入計上データの取得範囲条件データの一例を示す図である。 図9は、自動検知実行スケジュールデータおよびその取得に用いるパラメータの一例を示す図である。 図10は、仕入計上データの取得範囲条件データおよびその取得に用いるパラメータの一例を示す図である。 図11は、仕入計上データからのデータ取得に用いるパラメータの一例を示す図である。 図12は、仕入計上データおよび仕入差額金額算出結果データの一例を示す図である。 図13は、四分位範囲を用いた異常値の検知の一例を示す図である。 図14は、異常判定結果データ、異常判定結果メッセージデータおよび異常判定結果メッセージ詳細データの一例を示す図である。 図15は、異常判定結果メッセージデータの取得に用いるパラメータの一例を示す図である。 図16は、分析用初期画面における概要メッセージ表示の一例を示す図である。 図17は、分析用初期画面における基準日のセットの一例を示す図である。 図18は、分析用画面における詳細メッセージ表示の一例を示す図である。 図19は、グラフの出力領域の一例を示す図である。 図20は、分析用データ取得範囲条件の一例を示す図である。 図21は、抽出条件初期値の一例を示す図である。 図22は、分析用画面における抽出条件のセットの一例を示す図である。 図23は、グラフ1~2の生成の元となるデータ取得に用いるパラメータとして、集計単位「担当者」および集計対象「売上」が指定された場合の一例を示す図である。 図24は、仕入計上データおよび仕入差額金額算出結果データの一例を示す図である。 図25は、グラフ3の生成の元となるデータ取得に用いるパラメータとして、集計単位「担当者」および集計対象「売上」が指定された場合の一例を示す図である。 図26は、仕入計上データおよび仕入金額集計データの一例を示す図である。 図27は、グラフ4の生成の元となるデータ取得に用いるパラメータとして、集計単位「担当者」および集計対象「売上」が指定された場合の一例を示す図である。 図28は、発注計上データ、仕入計上データおよび仕入方法別集計データの一例を示す図である。 図29は、グラフ5の生成の元となるデータ取得に用いるパラメータとして、集計単位「担当者」および集計対象「売上」が指定された場合の一例を示す図である。 図30は、売上計上データ、仕入計上データおよび売上・仕入別集計データの一例を示す図である。 図31は、集計単位が「担当者」および集計対象が「売上」である場合におけるグラフ1の一例を示す図である。 図32は、集計単位が「担当者」および集計対象が「売上」である場合におけるグラフ2の一例を示す図である。 図33は、集計単位が「担当者」および集計対象が「売上」である場合におけるグラフ3の一例を示す図である。 図34は、集計単位が「担当者」および集計対象が「売上」である場合におけるグラフ4の一例を示す図である。 図35は、集計単位が「担当者」および集計対象が「売上」である場合におけるグラフ5の一例を示す図である。 図36は、集計単位が「担当者」および集計対象が「売上」である場合におけるグラフ1~5の一覧の一例を示す図である。 図37は、グラフの着色による強調表示を行う際に設定が必要な着色パラメータの一例を示す図である。 図38は、グラフ1~2の生成の元となるデータ取得に用いるパラメータとして、集計単位「部門」および集計対象「売上」が指定された場合の一例を示す図である。 図39は、グラフ3の生成の元となるデータ取得に用いるパラメータとして、集計単位「部門」および集計対象「売上」が指定された場合の一例を示す図である。 図40は、仕入計上データおよび仕入金額集計データの一例を示す図である。 図41は、グラフ4の生成の元となるデータ取得に用いるパラメータとして、集計単位「部門」および集計対象「売上」が指定された場合の一例を示す図である。 図42は、発注計上データ、仕入計上データおよび仕入方法別集計データの一例を示す図である。 図43は、集計単位が「部門」および集計対象が「売上」である場合におけるグラフ3の一例を示す図である。 図44は、集計単位が「部門」および集計対象が「売上」である場合におけるグラフ4の一例を示す図である。 図45は、集計単位が「部門」および集計対象が「売上」である場合におけるグラフ1~5の一覧の一例を示す図である。 図46は、グラフの着色による強調表示を行う際に設定が必要な着色パラメータの一例を示す図である。 図47は、集計単位が「担当者」である場合のグラフ3の一例および集計単位が「部門」である場合のグラフ3の一例を比較して示す図である。 図48は、集計単位が「担当者」である場合のグラフ4の一例および集計単位が「部門」である場合のグラフ4の一例を比較して示す図である。 図49は、グラフ1~2の生成の元となるデータ取得に用いるパラメータとして、集計単位「部門」および集計対象「受注」が指定された場合の一例を示す図である。 図50は、グラフ5の生成の元となるデータ取得に用いるパラメータとして、集計単位「部門」および集計対象「受注」が指定された場合の一例を示す図である。 図51は、受注計上データ、仕入計上データおよび受注・仕入別集計データの一例を示す図である。 図52は、集計単位が「部門」および集計対象が「受注」である場合におけるグラフ5の一例を示す図である。 図53は、集計単位が「部門」および集計対象が「受注」である場合におけるグラフ1~5の一覧の一例を示す図である。 図54は、集計対象が「売上」である場合のグラフ5の一例を示す図である。 図55は、集計対象が「受注」である場合のグラフ5の一例を示す図である。
以下に、本発明に係る仕入不正発見業務支援装置、仕入不正発見業務支援方法および仕入不正発見業務支援プログラムの実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施形態により本発明が限定されるものではない。
[1.概要]
本項目では、本発明における背景、課題および概要・効果を、項目立てて順に説明する。
[1-1.背景]
近年、会社の不正および従業員や幹部の横領等の不祥事(以下、これらをまとめて単に「不正」という。)が増加傾向にある。また、コロナによる影響も重なり、このような不正は更に増加傾向にある。このため、不正は、人の手で検知できる範囲を超えてきており、人の手以外の手段で早期発見し対処できる仕組みが求められている。
不正には、様々なものがある。一つ目に、売上実績に関する不正がある。この不正は、売上金額の改ざんにより、実績増しをする不正である。二つ目に、仕入実績に関する不正がある。この不正は、取引先との共謀による架空支払により、癒着をする不正である。三つ目に、在庫に関する不正がある。この不正は、期末在庫金額の水増し等により、利益操作をする不正である。本実施形態は、これらのうち二つ目の仕入実績に関する不正(以下、「仕入不正」という。)を扱う。
仕入不正は、図2に示すように、取引先の担当者との共謀による架空仕入により行われることが多い。具体的な流れとしては、まず、図2の(1)に示すように、自社担当者と取引先担当者との間で、架空取引を作り認識を合わせておく。次に、図2の(2)に示すように、自社担当者が、架空の仕入データを計上し、図2の(3)に示すように、自社から取引先に対して支払処理を行う。そして、支払後に、図2の(4)に示すように、取引先担当者から自社担当者に対して、架空取引の支払額のキックバックが行われる。
仕入不正には、例えば、以下の1~3のような特徴が存在する。
1.特定の取引先に集中して仕入金額が発生する。
2.不正な取引を行った取引先について、過去の取引と比べて明らかに不自然な仕入金額の増加を示す。
3.仕入実績が偏っている、取引先および担当者の組合せが存在する。
ここで、仕入取引は、基本的に一定の取引が行われるケースが多い。このため、仕入取引が増加する場合の理由は、例えば以下のようなものに絞られる。一つ目に、売上が好調で需要が増えたことによる仕入増加である。この場合、仕入増加のタイミングは、期首および期末となる。二つ目に、新しい取引の追加に伴う在庫確保による仕入増加である。この場合、仕入増加のタイミングは、期首および期末となる。三つ目に、売れるシーズンの到来に伴う在庫確保による仕入増加である。この場合、仕入増加のタイミングは、期中の各四半期末となる。本段落で説明した仕入増加は、いわば、不正によらない正常な仕入増加である。
これに対して、不正による仕入増加の場合、図3に示すように、仕入金額が前年同月と比べて急激に増えていることが多い。具体的には、図3の取引先Aの例では、仕入不正が行われていないため、当年度と昨年度の同じ月同士を比較すると、仕入金額に大きな差額は発生していない(差額は多くても1000円)。これに対して、図3の取引先Bの例では、仕入不正が行われた当年度の2021/08(仕入金額:30,000円)と前年度の2020/08(仕入金額:10,500円)との間で、仕入金額に19,500円もの差額が発生している。このことから、2021/08に仕入不正が行われた可能性が高いということを読み取れる。
[1-2.課題]
しかしながら、担当者による人の手による仕入不正の発見に関しては、以下の(1)および(2)の問題があった。
(1)まず、複数の組み合わせによる集計作業についての問題があった。すなわち、仕入不正を発見するためには、まず、取引先すべてを対象として、集計単位毎に月別の仕入金額を集計する必要があるが、集計単位としては、以下で説明するように様々なものが考えられるため、集計に時間がかかり、また、集計ミスも発生しやすいという問題があった。前記集計単位としては、例えば、単純に仕入金額が異常に増加した月の確認をする場合に用いる「取引先単位」、取引先と特定の担当者間での取引集中の有無の確認をする場合に用いる「(取引先×担当者)単位」、および、取引先と特定の組織間での取引集中の有無の確認をする場合に用いる「(取引先×組織)単位」等が挙げられる。
(2)また、集計作業後に行う比較作業についての問題もあった。すなわち、当年度のある月と、当該ある月に対応する前年度の月と、の仕入金額の比較を目視で行うと、確認に時間がかかり、また、確認漏れも発生しやすいという問題があった。
[1-3.概要・効果]
そこで、本実施形態においては、上記課題(1)および(2)を解決するために、例えば、以下の(1)の機能を実装した。また、副次的な機能として、以下の(2)~(5)の機能を実装した。
(1)まず、単月毎に集計した仕入金額が、前年同月のものと比べて急激に増加している取引先を自動で検知できるようにした。これにより、前記集計作業および前記比較作業を容易、正確かつ迅速に行えるようになった。
(2)また、異常検知された月を含む年度の月毎の仕入金額および当該年度より1つ前の年度の月毎の仕入金額をグラフ(後述するグラフ2)として可視化できるようにした。これにより、異常検知された月の仕入実績が、前年度の同月の仕入実績と比較して不自然に増加していないか、および、異常検知された月の仕入実績が、過去に実績がない異常な取引に基づくものではないか、等を分析することができる。
(3)そして、異常検知された取引先について、仕入計上を行った事業所、部門または担当者別の仕入金額実績をグラフ(後述するグラフ3)として可視化できるようにした。これにより、例えば、組織単位での仕入不正なのか、担当者という個人単位での仕入不正なのか、を見極めることができる。組織単位での仕入不正の場合、更に、事業所単位の仕入不正なのか、部門単位の仕入不正なのか、を見極めることができる。そして、どの事業所、どの部門、または、どの担当者による仕入不正なのかも見極めることができる。
(4)更に、仕入計上を行った事業所、部門または担当者別に、仕入金額を「即仕入」と「発注経由の仕入」の2種に分けてグラフ(後述するグラフ4)として可視化できるようにした。これにより、チェックが入りにくい「即仕入」を利用した仕入金額の計上が集中していないかを確認することができる。
ここで、発注経由の仕入および即仕入について説明する。発注経由の仕入とは、発注、入荷および仕入のステップを全てデータに登録する場合に利用される仕入である。一般的には、発注経由の仕入を使用する企業の方が多い。発注経由の仕入においては、発注の際に発注書のチェック、そして入荷の際に入荷確認書のチェックという様に、仕入までの間に取引内容のチェックが入るため、仕入不正を行いにくい。これに対して、即仕入とは、発注、入荷および仕入が既に完了しており、仕入の実績のみデータに登録する場合に利用される仕入である。一定の取引に基づいて、機械的に仕入を行う企業が即仕入をよく使用する。即仕入においては、取引内容のチェックが入らないため、仕入不正を行いやすい。
(5)更に、売上実績または受注実績と、仕入実績と、の月別の発生状況をグラフ(後述するグラフ5)として可視化できるようにした。ここで、[1-1.背景]で説明した仕入取引が増加する3つの正常パターンの場合、売上実績または受注実績の増加に伴って仕入実績も増加するが、仕入不正が行われた場合、売上実績または受注実績が増加していないにも関わらず、仕入実績が増加する。本段落で説明したグラフ(後述するグラフ5)によれば、このような不自然な仕入実績の増加が発生していないかを確認することができる。以下、具体的な構成および動作について説明する。
[2.構成]
本実施形態に係る仕入不正発見業務支援装置100の構成の一例について、図1を参照して説明する。図1は、仕入不正発見業務支援装置100の構成の一例を示すブロック図である。
仕入不正発見業務支援装置100は、市販のデスクトップ型パーソナルコンピュータである。なお、仕入不正発見業務支援装置100は、デスクトップ型パーソナルコンピュータのような据置型情報処理装置に限らず、市販されているノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistants)、スマートフォン、タブレット型パーソナルコンピュータなどの携帯型情報処理装置であってもよい。
仕入不正発見業務支援装置100は、制御部102と通信インターフェース部104と記憶部106と入出力インターフェース部108と、を備えている。仕入不正発見業務支援装置100が備えている各部は、任意の通信路を介して通信可能に接続されている。
通信インターフェース部104は、ルータ等の通信装置および専用線等の有線または無線の通信回線を介して、仕入不正発見業務支援装置100をネットワーク300に通信可能に接続する。通信インターフェース部104は、他の装置と通信回線を介してデータを通信する機能を有する。ここで、ネットワーク300は、仕入不正発見業務支援装置100とサーバ200とを相互に通信可能に接続する機能を有し、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)等である。なお、後述する各種マスタ等のデータは、例えばサーバ200に格納されてもよい。
入出力インターフェース部108には、入力装置112および出力装置114が接続されている。出力装置114には、モニタ(家庭用テレビを含む)の他、スピーカやプリンタを用いることができる。入力装置112には、キーボード、マウス、及びマイクの他、マウスと協働してポインティングデバイス機能を実現するモニタを用いることができる。なお、以下では、出力装置114をモニタ114とし、入力装置112をキーボード112またはマウス112として記載する場合がある。
記憶部106には、各種のデータベース、テーブルおよびファイルなどが格納される。記憶部106には、OS(Operating System)と協働してCPU(Central Processing Unit)に命令を与えて各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録される。記憶部106として、例えば、RAM(Random Access Memory)・ROM(Read Only Memory)等のメモリ装置、ハードディスクのような固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および光ディスク等を用いることができる。
記憶部106は、例えば、自動検知実行スケジュールデータ106aと、取得範囲条件データ106bと、仕入計上データ106cと、発注計上データ106dと、売上計上データ106eと、受注計上データ106fと、仕入差額金額算出結果データ106gと、仕入金額集計データ106hと、仕入方法別集計データ106iと、売上・仕入別集計データ106jと、受注・仕入別集計データ106kと、異常判定結果データ106mと、異常判定結果メッセージデータ106nと、異常判定結果メッセージ詳細データ106pと、を備えている。
ここで、本実施形態で用いる用語の定義および記憶部106に含まれる各データの概要を説明する。
本実施形態において、仕入差額金額とは、確認対象期間中の仕入金額と比較対象期間中の仕入金額との差額である。前記確認対象期間は、例えば、ある年のある月であり、前記比較対象期間は、例えば、前記ある年の前年の前記ある月(つまり前年同月)である。
本実施形態においては、取引先と支払先が同じであると仮定する。このため、以下の説明においては、「取引先」のことを「支払先」と表現することがある。
自動検知実行スケジュールデータ106aおよび取得範囲条件データ106bは、「異常検知実行用データ」に属し、異常検知を行うための事前設定データである。
仕入計上データ106c、発注計上データ106d、売上計上データ106eおよび受注計上データ106fは、「業務データ」に属し、業務の中で蓄積されている想定のデータである。
異常判定結果データ106m、異常判定結果メッセージデータ106nおよび異常判定結果メッセージ詳細データ106pは、「異常判定結果データ」に属し、異常検知実行の判定結果を格納するデータである。
以下、記憶部106に含まれる各データの内容について詳細に説明する。
自動検知実行スケジュールデータ106aは、図8に示すように、例えば、検知IDと、スケジュールIDと、実行条件と、実行時間と、等を含む。
取得範囲条件データ106bは、例えば、仕入計上データ106cからデータを取得する際の範囲を設定するためのデータである。取得範囲条件データ106bは、図8に示すように、例えば、前記検知IDと、前記スケジュールIDと、対象列と、FROM条件と、TO条件と、等を含む。
仕入計上データ106cは、日々の仕入計上を積み上げたデータである。仕入計上データ106cは、図24等に示すように、例えば、仕入番号と、仕入日と、発注番号と、事業所識別データ(事業所)と、部門識別データ(部門)と、担当者識別データ(担当者)と、取引先識別データ(支払先)と、仕入金額と、等を含む。前記事業所識別データ(事業所)、前記部門識別データ(部門)および前記担当者識別データ(担当者)は、前記仕入金額を集計する際の集計単位である。
ここで、仕入計上データ106cの登録の仕方について、即仕入の場合と発注経由の仕入の場合とに分けて説明する。なお、即仕入および発注経由の仕入の定義については、[1.概要]の[1-3.概要・効果]における(4)で説明したとおりである。
即仕入の場合、図6に示すように、仕入データ登録画面から、発注番号が入力されていない状態で仕入計上データ106cの登録がされる。このため、即仕入に対応する生成された仕入計上データ106cは、図6に示すように、発注番号を保持しない。
発注経由の仕入の場合、図7に示すように、まず、発注データ登録画面から、発注計上データ106dが登録される。そして、発注した商品が入荷されて、入荷確認が完了したタイミングで、図7に示すように、仕入データ登録画面から、発注番号(H001)が入力された状態で仕入計上データ106cの登録がされる。このため、発注経由の仕入に対応する生成された仕入計上データ106cは、図7に示すように、発注番号(H001)を保持する。
このように、仕入計上データ106c中のレコードが発注番号を保持しない場合には、当該レコードで特定される仕入は、即仕入となる。これに対して、仕入計上データ106c中のレコードが発注番号を保持する場合には、当該レコードで特定される仕入は、発注経由の仕入となる。つまり、仕入計上データ106c中のレコードにおける発注番号の有無により、即仕入か発注経由の仕入かを区別することが可能である。即仕入か発注経由の仕入かという情報は、後述するグラフ4の生成に関わる。
記憶部106に含まれるデータの説明に戻り、発注計上データ106dは、日々の発注計上を積み上げたデータである。発注計上データ106dは、図28等に示すように、例えば、前記発注番号と、発注日と、前記事業所識別データ(事業所)と、前記部門識別データ(部門)と、前記担当者識別データ(担当者)と、前記取引先識別データ(支払先)と、発注金額と、等を含む。
売上計上データ106eは、日々の売上計上を積み上げたデータである。売上計上データ106eは、図30等に示すように、例えば、売上番号と、売上日と、前記事業所識別データ(事業所)と、前記部門識別データ(部門)と、前記担当者識別データ(担当者)と、売上金額と、等を含む。
受注計上データ106fは、日々の受注計上を積み上げたデータである。受注計上データ106fは、図51等に示すように、例えば、受注番号と、受注日と、前記事業所識別データ(事業所)と、前記部門識別データ(部門)と、前記担当者識別データ(担当者)と、受注金額と、等を含む。
仕入差額金額算出結果データ106gは、仕入計上データ106cを参照して、前記仕入差額金額を算出した結果を含むデータである。仕入差額金額算出結果データ106gは、図24等に示すように、例えば、期間(会計年月)と、前記取引先識別データ(支払先)と、仕入計上データ106c中の前記仕入金額を前記期間(会計年月)および前記取引先識別データ(支払先)毎に集計した金額(仕入金額月計および前年同月仕入金額月計)と、前記仕入差額金額(仕入差額金額月計)と、等を含む。
仕入金額集計データ106hは、仕入計上データ106cを参照して、前記集計単位に応じて前記仕入金額を集計した結果を含むデータである。仕入金額集計データ106hは、図26および図40に示すように、例えば、前記期間(会計年月)と、前記取引先識別データ(支払先)と、前記集計単位(図26では「担当者」、図40では「部門」)と、仕入計上データ106c中の前記仕入金額を前記期間(会計年月)、前記取引先識別データ(支払先)および前記集計単位の組合せ毎に集計した金額(仕入金額)と、等を含む。
仕入方法別集計データ106iは、仕入計上データ106cを参照して、仕入計上方法に応じて前記仕入金額を集計した結果を含むデータである。仕入方法別集計データ106iは、図28および図42に示すように、例えば、前記仕入計上方法(仕入方法)と、前記期間(会計年月)と、前記取引先識別データ(支払先)と、前記集計単位(図28では「担当者」、図42では「部門」)と、仕入計上データ106c中の前記仕入金額を前記期間(会計年月)、前記取引先識別データ(支払先)、前記集計単位および前記発注番号の有無の組合せ毎に集計した金額(仕入金額)と、等を含む。前記仕入計上方法(仕入方法)としては、前記発注番号がない前記仕入金額を集計した場合の区分である即仕入区分(即仕入)、および、前記発注番号がある前記仕入金額を集計した場合の区分である発注経由区分(発注経由の仕入)の2つが挙げられる。
売上・仕入別集計データ106jは、売上計上データ106eを参照して前記売上金額を集計した結果および仕入計上データ106cを参照して前記仕入金額を集計した結果を含むデータである。売上・仕入別集計データ106jは、図30に示すように、売上計上データ106eを参照して集計した結果であることを示すデータ分類である「売上」を含むレコードである売上集計レコードと、仕入計上データ106cを参照して集計した結果であることを示すデータ分類である「仕入」を含むレコードである仕入集計レコードと、からなる。
受注・仕入別集計データ106kは、受注計上データ106fを参照して前記受注金額を集計した結果および仕入計上データ106cを参照して前記仕入金額を集計した結果を含むデータである。受注・仕入別集計データ106kは、図51に示すように、受注計上データ106fを参照して集計した結果であることを示すデータ分類である「受注」を含むレコードである受注集計レコードと、仕入計上データ106cを参照して集計した結果であることを示すデータ分類である「仕入」を含むレコードである仕入集計レコードと、からなる。
以下、前記売上集計レコード、前記受注集計レコードおよび前記仕入集計レコードの内容を説明する。
前記売上集計レコードは、図30に示すように、例えば、前記データ分類「売上」と、前記期間(会計年月)と、売上計上データ106e中の前記売上金額を前記期間(会計年月)毎に集計した金額と、等を含む。
前記受注集計レコードは、図51に示すように、例えば、前記データ分類「受注」と、前記期間(会計年月)と、受注計上データ106f中の前記受注金額を前記期間(会計年月)毎に集計した金額と、等を含む。
前記仕入集計レコードは、図30および図51に示すように、例えば、前記データ分類「仕入」と、前記期間(会計年月)と、前記取引先識別データ(支払先)と、仕入計上データ106c中の前記仕入金額を前記期間(会計年月)および前記取引先識別データ(支払先)の組合せ毎に集計した金額と、等を含む。
記憶部106に含まれるデータの説明に戻り、異常判定結果データ106mは、図14等に示すように、例えば、前記仕入差額金額の異常を検知(以下、本段落では「異常検知」という。)した前記検知IDである異常検知ID(検知ID)と、異常検知したJOBを識別するためのIDである異常検知JOBID(JOBID)と、異常検知した際に出力するメッセージを識別するためのIDであるメッセージIDと、異常検知した期間(会計年月)と、異常検知した前記取引先についての前記取引先識別データ(支払先)と、検知した異常な仕入差額金額と、所定の統計手法を用いて求めた上限値と、等を含む。
異常判定結果メッセージデータ106nは、図14等に示すように、例えば、前記異常検知ID(検知ID)と、前記異常検知JOBID(JOBID)と、前記メッセージIDと、異常の有無を識別するための区分(異常度)と、前記異常検知JOBIDで特定される定義名と、概要と、検知した内容(検知対象)と、等を含む。当該検知した内容とは、検知した異常な仕入差額金額ならびにこれに対応する前記期間(会計年月)および前記取引先識別データ(支払先)の組合せである。
異常判定結果メッセージ詳細データ106pは、図14等に示すように、例えば、前記異常検知ID(検知ID)と、前記異常検知JOBID(JOBID)と、前記メッセージIDと、前記所定の統計手法(検知手法)と、閾値と、判定方法と、前記上限値と、等を含む。
制御部102は、仕入不正発見業務支援装置100を統括的に制御するCPU等である。制御部102は、OS等の制御プログラム・各種の処理手順等を規定したプログラム・所要データなどを格納するための内部メモリを有し、格納されているこれらのプログラムに基づいて種々の情報処理を実行する。
制御部102は、機能概念的に、例えば、(1)前記確認対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額から、前記比較対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額を差し引くことにより、前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せ毎の前記仕入差額金額を算出する仕入差額金額算出手段としての仕入差額金額算出部102aと、(2)所定の統計手法に従い、前記仕入差額金額算出手段で算出した仕入差額金額のうち上限値を上回っているものを異常値として検知する異常値検知手段としての異常値検知部102bと、(3)前記異常値検知手段で異常値として検知した仕入差額金額ならびに当該検知した仕入差額金額に対応する前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せを表示する異常表示手段としての異常表示部102cと、(4)前記仕入差額金額算出結果データに基づいて、前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを、前記取引先識別データの数の分だけ生成して表示する取引先別グラフ表示手段としての取引先別グラフ表示部102dと、(5)前記仕入差額金額算出結果データに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての確認対象年度における前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフ、および、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての比較対象年度における前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを生成して併せて表示する両年度比較用グラフ表示手段としての両年度比較用グラフ表示部102eと、(6)前記仕入金額集計データに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを、前記集計単位の数の分だけ生成して表示する集計単位別グラフ表示手段としての集計単位別グラフ表示部102fと、(7)前記仕入方法別集計データに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記期間および前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての前記集計した金額を示す棒グラフを、前記集計単位の数の分だけ生成して表示する仕入計上方法別グラフ表示手段としての仕入計上方法別グラフ表示部102gと、(8)前記仕入集計レコードに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを生成し、前記売上集計レコードに基づいて、前記期間毎の前記集計した金額を示す折れ線グラフを生成し、両グラフを併せて表示する売上・仕入比較用グラフ表示手段としての売上・仕入比較用グラフ表示部102hと、(9)前記仕入集計レコードに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを生成し、前記受注集計レコードに基づいて、前記期間毎の前記集計した金額を示す折れ線グラフを生成し、両グラフを併せて表示する受注・仕入比較用グラフ表示手段としての受注・仕入比較用グラフ表示部102iと、を備えている。
仕入差額金額算出部102aは、前記仕入日と前記支払先と前記仕入金額とを含む仕入計上データ106c(図12参照)を参照して、前記確認対象期間(例えば、図12の仕入計上データ106cでは「2021/03」)に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記支払先毎に集計し、一方で、前記比較対象期間(例えば、図12の仕入計上データ106cでは「2020/03」)に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記支払先毎に集計する。そして、仕入差額金額算出部102aは、集計した前者の金額(例えば、図12の仕入計上データ106cでは「15,000円」)から、集計した後者の金額(例えば、図12の仕入計上データ106cでは「5,000円」)を差し引くことにより、前記確認対象期間(例えば、「2021/03」)および前記支払先の組合せ毎の前記仕入差額金額(例えば、「10,000円」)を算出する。
異常値検知部102bは、所定の統計手法に従い、仕入差額金額算出部102aで算出した仕入差額金額のうち上限値を上回っているものを異常値として検知する。前記所定の統計手法は、特に限定されないが、例えば、四分位範囲を用いる方法である。四分位範囲を用いる場合、前記上限値は、例えば、第三四分位数に、前記四分位範囲を1.5倍した値を足すことより算出された値である。
異常表示部102cは、異常値検知部102bで異常値として検知した仕入差額金額ならびに当該検知した仕入差額金額に対応する前記確認対象期間および前記支払先の組合せを表示する。この際、異常表示部102cは、前記所定の統計手法および前記上限値も併せて表示してもよい。
取引先別グラフ表示部102dは、仕入差額金額算出結果データ106gに基づいて、後述するグラフ1を生成する。すなわち、取引先別グラフ表示部102dは、前記会計年月と、前記支払先と、前記仕入金額月計と、を含む仕入差額金額算出結果データ106g(図24参照)に基づいて、前記会計年月毎の前記仕入金額月計の推移を示す折れ線グラフを、前記支払先の数の分だけ生成して表示する(図31参照)。
前段落で説明した折れ線グラフの縦軸および横軸は、以下のとおりである。
縦軸:仕入差額金額算出結果データ106g中の前記仕入金額月計
横軸:仕入差額金額算出結果データ106g中の前記会計年月
両年度比較用グラフ表示部102eは、仕入差額金額算出結果データ106gに基づいて、後述するグラフ2を生成する。すなわち、両年度比較用グラフ表示部102eは、前記会計年月と、前記支払先と、前記仕入金額月計と、前記前年同月仕入金額月計と、を含む仕入差額金額算出結果データ106g(図24参照)に基づいて、異常値検知部102bで検知した仕入差額金額に対応する前記支払先についての前記会計年月毎の前記仕入金額月計の推移を示す折れ線グラフ(図32では「仕入実績」のグラフ)、および、異常値検知部102bで検知した仕入差額金額に対応する前記支払先についての前記会計年月毎の前記前年同月仕入金額月計の推移を示す折れ線グラフ(図32では「昨年仕入実績」のグラフ)を生成して併せて表示する。
前記仕入金額月計は、仕入計上データ106c中の前記仕入金額を前記会計年月および前記支払先毎に集計した金額のうち、異常値検知部102bで異常値として検知した仕入差額金額(例えば、「10,000円」)に対応する前記確認対象期間(例えば、「2021/03」)が属する年度である確認対象年度(例えば、「2020年度」)における金額である。一方で、前記前年同月仕入金額月計は、仕入計上データ106c中の前記仕入金額を前記会計年月および前記支払先毎に集計した金額のうち、前記確認対象年度より1つ前の年度(例えば、「2019年度」)における金額である。
前々段落で説明した折れ線グラフの縦軸および横軸は、以下のとおりである。
縦軸:仕入差額金額算出結果データ106g中の前記仕入金額月計または前記前年同月仕入金額月計
横軸:年の表示がない月(両年度のグラフを表示するため、「年」は表示しない)
集計単位別グラフ表示部102fは、仕入金額集計データ106hに基づいて、後述するグラフ3を生成する。すなわち、集計単位別グラフ表示部102fは、前記会計年月と、前記支払先と、前記集計単位と、前記集計した金額(仕入金額)と、を含む仕入金額集計データ106h(図26および図40参照)に基づいて、異常値検知部102bで異常値として検知した仕入差額金額(例えば、「10,000円」)に対応する前記支払先(例えば、「支払先A」)についての前記会計年月毎の前記集計した金額(仕入金額)の推移を示す折れ線グラフを、前記集計単位の数の分だけ生成して表示する(図33および図43参照)。図33は、前記集計単位が「担当者」の場合のグラフである。図43は、前記集計単位が「部門」の場合のグラフである。
前段落で説明した折れ線グラフの縦軸および横軸は、以下のとおりである。
縦軸:仕入金額集計データ106h中の前記集計した金額(仕入金額)
横軸:仕入金額集計データ106h中の前記会計年月
仕入計上方法別グラフ表示部102gは、仕入方法別集計データ106iに基づいて、後述するグラフ4を生成する。すなわち、仕入計上方法別グラフ表示部102gは、前記仕入方法(「即仕入」または「発注経由の仕入」)と、前記会計年月と、前記支払先と、前記集計単位と、前記集計した金額(仕入金額)と、を含む仕入方法別集計データ106i(図28および図42参照)に基づいて、異常値検知部102bで異常値として検知した仕入差額金額(例えば、「10,000円」)に対応する前記会計年月(例えば、「2021/03」)および異常値検知部102bで異常値として検知した仕入差額金額(例えば、「10,000円」)に対応する前記支払先(例えば、「支払先A」)についての前記集計した金額(仕入金額)を示す棒グラフを、前記集計単位の数の分だけ生成して表示する(図34および図44参照)。図34は、前記集計単位が「担当者」の場合のグラフである。図44は、前記集計単位が「部門」の場合のグラフである。
当該棒グラフにおいては、図34および図44に示すように、前記即仕入区分に対応する前記集計した金額(棒グラフにおける「即仕入」の部分)および前記発注経由区分に対応する前記集計した金額(棒グラフにおける「発注経由の仕入」の部分)が、異なるハッチングにより識別可能となっている点がポイントである。
売上・仕入比較用グラフ表示部102hは、売上・仕入別集計データ106jに基づいて、後述するグラフ5を生成する。すなわち、売上・仕入比較用グラフ表示部102hは、前記会計年月と前記支払先と前記集計した金額(仕入金額)とを含む前記仕入集計レコード(図30参照)に基づいて、異常値検知部102bで異常値として検知した仕入差額金額(例えば、「10,000円」)に対応する前記支払先(例えば、「支払先A」)についての前記会計年月毎の前記集計した金額(仕入金額)の推移を示す折れ線グラフ(図35では「仕入」のグラフ)を生成する。また、売上・仕入比較用グラフ表示部102hは、前記会計年月と前記集計した金額(売上金額)とを含む前記売上集計レコード(図30参照)に基づいて、前記会計年月毎の前記集計した金額(売上金額)の推移を示す折れ線グラフ(図35では「売上」のグラフ)を生成する。そして、売上・仕入比較用グラフ表示部102hは、生成した両グラフを併せて表示する(図35参照)。
前段落で説明した折れ線グラフの縦軸および横軸は、以下のとおりである。
縦軸:前記仕入集計レコード中の前記集計した金額(仕入金額)または前記売上集計レコード中の前記集計した金額(売上金額)
横軸:前記仕入集計レコードまたは前記売上集計レコード中の前記会計年月
受注・仕入比較用グラフ表示部102iは、受注・仕入別集計データ106kに基づいて、後述するグラフ5を生成する。すなわち、受注・仕入比較用グラフ表示部102iは、前記会計年月と前記支払先と前記集計した金額(仕入金額)とを含む前記仕入集計レコード(図51参照)に基づいて、異常値検知部102bで異常値として検知した仕入差額金額(例えば、「10,000円」)に対応する前記支払先(例えば、「支払先A」)についての前記会計年月毎の前記集計した金額(仕入金額)の推移を示す折れ線グラフ(図52では「仕入」のグラフ)を生成する。また、受注・仕入比較用グラフ表示部102iは、前記会計年月と前記集計した金額(受注金額)とを含む前記受注集計レコード(図51参照)に基づいて、前記会計年月毎の前記集計した金額(受注金額)の推移を示す折れ線グラフ(図52では「受注」のグラフ)を生成する。そして、受注・仕入比較用グラフ表示部102iは、生成した両グラフを併せて表示する(図52参照)。
前段落で説明した折れ線グラフの縦軸および横軸は、以下のとおりである。
縦軸:前記仕入集計レコード中の前記集計した金額(仕入金額)または前記受注集計レコード中の前記集計した金額(受注金額)
横軸:前記仕入集計レコードまたは前記受注集計レコード中の前記会計年月
[3.処理の概要および画面構成]
[3-1.処理の概要]
本実施形態においては、「支払先別の仕入実績」を出力する。また、本実施形態においては、例えば、「支払先に計上した担当者別または組織別の仕入実績」を出力してもよい。異常検知した情報は、異常と一目でわかるように、色や文字サイズを変えて強調表現を行ってもよい。検知の対象となるデータは、例えば、月および支払先の組合せ毎の確認対象月の仕入金額と、月および支払先の組合せ毎の比較対象月(例えば、前年同月)の仕入金額と、の差額である。当該差額が異常に大きくなっている支払先が検知される。
[3-2.画面構成]
本実施形態においては、以下の(1)→(2)の順番で表示される画面が切り替わる。
(1)異常検知結果の表示
まず、図4の画面例にAで示すように、異常を検知した結果が、概要メッセージレベルで表示される。図4にAで示すエリアは、異常検知処理に関するメッセージを表示するエリアである。具体的には、このエリアには、異常として検知されたタイミング、支払先および前年同月の仕入金額との差額が表示される。なお、異常として検知された情報が複数存在する場合は、図4にAで示すように、複数の情報が縦並びで表示される。このエリアには、概要ベースでの異常検知結果が表示されるに過ぎないため、詳細ベースでの異常検知結果を見たい場合には、概要メッセージを選択して画面を切り替える必要がある。
(2)検知された異常な情報に関連する業務データの表示
次に、検知された異常な情報の分析に必要な詳細メッセージおよびグラフが表示される。
図5のAのうち下半分に示すエリアは、異常検知結果に関する詳細メッセージを表示するエリアである。このエリアには、「異常を検知する際に使用した検知方法」および「異常を検知したデータのキーとなる情報」等が表示される。なお、異常として検知された情報が複数存在する場合は、その数分の概要メッセージ表示がなされるが、当該表示された概要メッセージのうち選択されたものについてのみ、詳細メッセージが表示される。更に、詳細メッセージの表示後、続けて以下のB~Fのグラフが表示される。
図5のBのエリアに示すグラフは、支払先毎の仕入金額を出力するグラフである。すなわち、「支払先毎の月単位の仕入金額の発生推移」を確認するためのグラフである。このグラフにより、異常検知された支払先と正常な支払先の仕入金額の発生推移を比較することができる。
図5のCのエリアに示すグラフは、特定の支払先について、異常検知年度の仕入金額および当該異常検知年度の前年度の仕入金額を出力するグラフである。すなわち、「異常検知を実施する年度の仕入金額」と「当該年度の前年度の仕入金額」の発生推移を比較して確認するためのグラフである。このグラフにより、前年同月の仕入金額の発生状況との比較をすることができる。
図5のDのエリアに示すグラフは、特定の支払先に仕入計上をした担当者別の仕入金額を出力するグラフである。すなわち、「担当者毎の月単位の仕入金額の発生推移」を確認するためのグラフである。このグラフにより、特定の担当者に集中して仕入金額が発生していないかを確認することができる。具体的には、支払先との共謀を行った担当者がいた場合、当該担当者の仕入金額だけ異常に高額となっていることを確認することができる。
図5のEのエリアに示すグラフは、特定の支払先に仕入計上をした担当者毎の「仕入計上方法別」の仕入金額を出力するグラフである。すなわち、単月内で担当者別に、「即仕入に該当する仕入金額」および「発注経由の仕入に該当する仕入金額」を確認するためのグラフである。このグラフにより、仕入取引の完了までの間に取引内容の確認が入りにくい「即仕入」で仕入を多く計上している担当者がいないかを確認することができる。
図5のFのエリアに示すグラフは、総売上額および特定の支払先の仕入金額を出力するグラフである。すなわち、「総売上額および特定の支払先の仕入金額の月単位の発生推移」を確認するためのグラフである。このグラフにより、仕入が増加している場合に、当該仕入の増加が、売上の増加に伴う増加なのか(=正常な増加なのか)を確認することができる。
図5のGのエリアは、データ抽出用の抽出条件を設定するエリアである。すなわち、図5のB~Fのエリアに表示されたグラフについて、条件を変えてデータを抽出した結果を表示したい場合に使用されるエリアである。具体的には、組織レベルでグラフを表示したい場合には、「事業所」または「部門」が指定され、これに対して、担当者レベルでグラフを表示したい場合には、「担当者」が指定される。また、売上金額を確認したい場合(=図5のFのエリアに示すグラフで、売上金額のグラフを表示したい場合)には、「売上」が指定され、これに対して、将来発生するであろう売上金額を受注金額として確認したい場合(=図5のFのエリアに示すグラフで、受注金額のグラフを表示したい場合)には、「受注」が指定される。
[4.処理の具体例]
本項目では、本実施形態に係る処理の具体例を説明する。[4-1]においては、業務データ内にある仕入計上データ106cの内容を確認して、確認対象の月における仕入金額と、前年同月における仕入金額と、の差額が異常に高額となっている支払先を自動で検知する処理(異常検知処理)について説明する。[4-2]においては、検知した異常なデータ、および、検知するために参照した、当該異常なデータと関連のあるデータを分析用画面に表示する処理(分析用画面表示処理)について説明する。
[4-1:異常検知処理]
(1)事前設定
事前設定として、異常検知に必要な情報をテーブルに予め保存しておく。本例においては、自動検知実行スケジュールデータ106aおよび取得範囲条件データ106bが、図8に示す内容で設定されるものとする。
(2)自動実行
(2-1)自動検知実行スケジュールデータ106aの取得
まず、(1)で設定されている自動検知実行スケジュールデータ106aが自動取得される。具体的には、パラメータとして、図9に示すように「検知ID:AB001、スケジュールID:SH001」が設定されているとすると、当該検知IDおよび当該スケジュールIDを有するデータとして、図9に示す自動検知実行スケジュールデータ106aが自動取得される。
(2-2)異常検知タイミングであるか否かの判定
次に、(2-1)で自動取得されたタイミングが、異常を検知するタイミングであるか否かが判定される。具体的には、(2-1)で自動取得されたタイミングが、「2021/04/07(4月の5営業日目)」であるとする。なお、業務データベースに存在するカレンダーマスタを参照することで、休日および営業日は判断可能であり、カレンダーマスタは、販売の営業カレンダーベースで常に最新化されていることを想定している。
ここで、(2-1)で自動取得された図9の自動検知実行スケジュールデータ106aを参照すると、実行条件は、「毎月5営業日目」である。このように、自動検知実行スケジュールデータ106aが自動取得されたタイミングと、自動検知実行スケジュールデータ106a中に設定された実行条件で定義されるタイミングと、が一致する場合には、実行判定結果は「実行する」となり、(2-3)以降の処理が実行される。これに対して、一致しない場合には、実行判定結果は「実行しない」となり、処理は終了する。
(2-3)異常を検知するデータの範囲条件の取得
次に、(1)で設定された取得範囲条件データ106bが自動取得される。具体的には、(2-1)で設定されたパラメータ「検知ID:AB001、スケジュールID:SH001」を有するデータとして、図10に示す取得範囲条件データ106bが自動取得される。
(2-4)仕入差額金額が異常に高い支払先の検知
最後に、業務データ内の仕入計上データ106cを参照して、仕入差額金額が異常に高い支払先が検知される。なお、本例においては、仕入計上データ106cは、図12に示す内容で設定されて保存されているものとする。
(2-4-1)仕入差額金額の算出
まず、仕入差額金額算出部102aは、図12の仕入計上データ106cを参照して、仕入差額金額を算出する。仕入差額金額の算出式は、例えば、「確認対象月の仕入金額-前年同月の仕入金額」である。
具体的には、図12の仕入計上データ106cにおいて、2021/03を確認対象月として見た場合、2021/03に属する仕入日は、2021/03/15ある。一方で、当該確認対象月の前年同月である2020/03に属する仕入日は、2020/03/15である。2021/03/15の仕入金額は、15,000円であるため、確認対象月2021/03の仕入金額は、15,000円である。一方で、2020/03/15の仕入金額は、5,000円であるため、前年同月2020/03の仕入金額は、5,000円である。
ここで、(2-3)で自動取得された図10に示す「仕入計上データの取得範囲条件データ106b」に基づいて、図11に示すように、「抽出条件列:会計年月、FROM条件:2020/04、TO条件:2021/03」というパラメータが自動設定される。この場合、仕入差額金額算出部102aは、前記算出式を用いて、確認対象月2020/04~2021/03について、支払先毎に仕入差額金額を算出する。例えば、確認対象月2021/03を例にとると、仕入差額金額算出部102aは、確認対象月2021/03の仕入金額15,000円から、前年同月2020/03の仕入金額5,000円を差し引くことにより、確認対象月2021/03および支払先Aについての仕入差額金額を10,000円と算出する。
このように、確認対象月および支払先の組合せ毎に仕入差額金額を算出することにより生成された仕入差額金額算出結果データ106gの例を、図12に示す。
(2-4-2)異常値の検知
次に、統計手法の一つである「四分位範囲」を用いて、仕入差額金額算出結果データ106gから上限値が求められ、当該上限値に基づいて異常値が検知される。図13は、図12の仕入差額金額算出結果データ106g中の支払先Aに着目した場合における上限値(5,000円)の取得の仕方を示す図である。図13に示すように、支払先Aについての仕入差額金額を箱ひげ図にプロットしていくと、2021/03の仕入差額金額10,000円は、上限値5,000円を上回る。このため、異常値検知部102bは、2021/03の仕入差額金額10,000円を異常値として検知する。
なお、前段落の例では、説明を簡便にするために、支払先Aについての異常の検知についてのみ説明したが、実際の処理としては、異常値検知部102bは、仕入差額金額算出結果データ106gに含まれるすべての支払先について異常値の検知を行う。また、本実施形態においては、支払い対象となる金額が減る場合(前年同月よりも確認対象月において、仕入金額が少ない場合)はチェックの対象とする必要がないため、異常値の検知の際に下限値は求めない。
ここで、代表的な3つの統計手法について説明する。一つ目に、標準偏差は、ある地点での値の分布をとり、信頼区間を設けて正常・異常を判断する手法である。標準偏差は、時間軸の概念を含まない分析のため、「過去からの傾向」という横断データ分析に向かない手法となる。二つ目に、本例で用いた四分位範囲は、データの分析範囲を定め、縦軸に集約し、四分位の範囲を定めて正常と判断できる範囲倍率を指定する手法である。四分位範囲は、時系列データも地点データも縦軸要素として扱うため、横断データ分析に対応が可能である。三つ目に、移動平均+外れ値は、平均値をとる範囲を定め、時系列毎に算出する手法である。移動平均+外れ値は、平均値の値より異常と判断する閾値を事前に設定する必要があるが、時系列の推移において、異常な増減検知に対応が可能である。本実施形態においては、四分位範囲および移動平均+外れ値が候補として上がるが、移動平均+外れ値については、ユーザ側で異常と判断する平均値の閾値を設定する必要がある。このため、本実施形態においては、自動で閾値を算出して異常を判断可能な四分位範囲を採用することが好ましい。
(2-4-3)異常値の保存
最後に、異常値検知部102bは、異常判定結果(会計年月:2021/03、支払先:支払先A、仕入差額金額:10,000円)等の情報をテーブルに保存し、同時に、分析用画面に表示するためのメッセージも保存する。当該異常判定結果を保存することで生成された異常判定結果データ106m、異常判定結果メッセージデータ106nおよび異常判定結果メッセージ詳細データ106pを、図14に示す。
[4-2:分析用画面表示処理]
(1)概要メッセージの表示
続いて、業務データ内の仕入計上データ106cより、異常として自動検知された情報が分析用初期画面に出力される。以下、分析用初期画面の取得や表示について、(1-1)~(1-3)で詳細に説明する。
(1-1)異常を検知した結果メッセージの取得
まず、パラメータとして、図15に示すように、「JOBID:仕入アラート」が設定される。なお、検知された情報を一覧に表示するため、検知IDは、図15に示すように未設定の状態であるものとする。この場合、異常表示部102cは、「JOBID:仕入アラート」を有するデータとして、[4-1]の(2-4-3)で生成された図14の異常判定結果データ106m、異常判定結果メッセージデータ106nおよび異常判定結果メッセージ詳細データ106pを取得する。取得したこれらのデータを、図16にも改めて示す。
(1-2)異常を検知した結果メッセージの画面への表示
次に、異常表示部102cは、(1-1)で取得した図16の異常判定結果メッセージデータ106n中の異常度「×」、定義名「仕入ラート」、概要「支払先Aが検出されました」および検知対象「2021/03 支払先A 10,000円」を、図16に示す分析用初期画面に表示する。当該表示された異常度、定義名、概要および検知対象をまとめて、概要メッセージという。
これにより、オペレータは、仕入差額金額が異常に大きい支払先があったこと、および、その支払先がどこであるか(本例では支払先A)であることを把握することができる。また、この際、オペレータは、異常があった会計年月(本例では2021/03)および異常値として検出された仕入差額金額の数値(本例では10,000円)も併せて把握することができる。
(1-3)基準日のセット
異常の表示後に、図17に示すように、分析用初期画面中の抽出条件のエリアにおける基準日として、分析用初期画面を起動した日付(2021/04/10とする)がセットされる。
(2)詳細メッセージおよびグラフの表示
次に、詳細メッセージおよび5つのグラフが、分析用画面に出力される。以下、詳細メッセージの表示および5つのグラフの取得や表示について、以下の(2-1)~(2-7)で説明する。
(2-1)詳細メッセージの表示およびグラフの出力領域の確保
1.まず、(1-2)で表示された概要メッセージが選択されると、分析用画面が起動される。異常表示部102cは、(1-1)で取得した異常判定結果メッセージ詳細データ106p中の検知手法「四分位範囲」、閾値「正常範囲1.5倍」および上限値「5,000円」を、図18に示す分析用画面に表示する。当該表示された検知手法、閾値および上限値をまとめて、詳細メッセージという。
このように、(1-2)で説明した概要メッセージおよび本項目(2-1)で説明した詳細メッセージを表示することで、オペレータは、異常検知された対象(支払先)、検知の手法(計算手法)、異常と判断した基準値(仕入差額金額)等を把握できる。これにより、オペレータは、仕入差額金額の異常がある支払先を分かっている状態から分析を行うことが可能となる。仕入差額金額の異常がある支払先の仕入金額および異常と判断した根拠となる過去実績は、以下で説明する5つのグラフにより分析可能である。
2.次に、グラフの出力領域が確保される。本実施形態においては、5つのグラフの出力が行われるため、図19の分析用画面に5つの空白で示すように、グラフ5つ分の出力領域が確保される。
(2-2)抽出条件の設定
次に、グラフを出力するためには、分析用データから出力対象となるデータを抽出する必要があるが、抽出に先立って、抽出条件が本項目(2-2)で説明する方法で設定される。
1.まず、(1-2)で表示された概要メッセージと紐付く図16の異常判定結果データ106mが保持する会計年月(2021/03)に基づいて、分析用データの取得範囲が取得される。
(i)具体的には、異常検知した会計年月(2021/03)の前後1年の範囲になる会計年月が、前記取得範囲として取得される。すなわち、1年前の会計年月は2020/03となり、1年後の会計年月は2022/03となる。
なお、前後1年の範囲になる会計年月が取得されるという設定は、異常検知用に事前に提供するデータである「仕入計上データの取得範囲条件データ106b」における1年範囲で検知するという条件に合わせたものである。範囲を広げて分析したい場合は、分析用画面の抽出条件のエリアにおける期間開始日および期間終了日を変更することで対応可能である。
(ii)前記取得された取得範囲(2020/03~2022/03)に基づいて、分析用データが存在する範囲に絞って、分析用データ取得範囲条件が設定される。本例では、分析用データとして、2020/04~2021/03の範囲でのみ分析用データが存在するものとする。この場合、分析用データ取得範囲条件は、図20に示すように、
・抽出条件列:会計年月
・FROM条件:2020/04(前記1年前の会計年月である2020/03より後の月から採用)
・TO条件:2021/03(前記1年後の会計年月である2022/03より前の月から採用)
となる。
2.次に、「1.」で設定された分析用データ取得範囲条件を初期値としてセットした状態のものが、抽出条件初期値(基準日、期間開始および期間終了)となる。抽出条件初期値を図21に示す。そして、当該抽出条件初期値は、図22に示すように、分析用画面の抽出条件のエリアにセットされる。なお、当該エリアにセットされた期間開始日および期間終了日は、オペレータが手動で変更することが可能である。
そして、グラフ表示状態に切り替わるタイミングで、グラフ出力用のデータを抽出するための抽出項目が表示される。図22に示すように、集計単位については「担当者」が、集計対象については「売上」が、固定の初期値として設定されて表示される。本例(2)においては、固定の初期値のまま変更されないものとする。
次に、(2-2)でセットされた抽出条件に基づいて、分析用データが取得される。以下、各グラフを以下のように定義する。支払先毎の月毎の仕入金額の推移を示す折れ線グラフを「グラフ1」という。特定の支払先について、前年の仕入金額を示す折れ線グラフおよび当年の仕入金額を示す折れ線グラフを「グラフ2」という。特定の支払先について、組織または担当者毎の月毎の仕入金額の推移を示す折れ線グラフを「グラフ3」という。特定の月および特定の支払先について、組織または担当者毎の仕入計上方法別の仕入金額を示す棒グラフを「グラフ4」という。総売上または総受注を示す折れ線グラフならびに特定の支払先の仕入金額を示す折れ線グラフを「グラフ5」という。
グラフ1~2の生成の元となるデータの取得については以下の(2-3)で説明し、グラフ3の生成の元となるデータの取得については以下の(2-4)で説明し、グラフ4の生成の元となるデータの取得については以下の(2-5)で説明し、グラフ5の生成の元となるデータの取得については以下の(2-6)で説明する。
(2-3)グラフ1~2の生成の元となるデータの取得
(2-2)でセットされた抽出条件(図23の画面例に改めて示す)に基づいて、グラフ1~2を取得するためのパラメータが、図23に示すように設定される。図23に示すパラメータにおいて、期間開始「2020/04」、期間終了「2021/03」、および集計モード「担当者」は、(2-2)でセットされた抽出条件に基づいて設定されたものである。
そして、当該設定された図23に示すパラメータに基づいて、グラフ1~2を生成する元となるデータである仕入差額金額算出結果データ106gが、以下のようにして生成される。
すなわち、仕入差額金額算出部102aは、図24の仕入計上データ106cを参照して、仕入差額金額を算出する。仕入差額金額の算出式は、例えば、「確認対象月の仕入金額-前年同月の仕入金額」である。
具体的には、図24の仕入計上データ106cにおいて、2021/03を確認対象月として見た場合、2021/03に属する仕入日は、2021/03/15ある。一方で、当該確認対象月の前年同月である2020/03に属する仕入日は、2020/03/15である。2021/03/15の仕入金額は、2,200円、2,500円および10,300円であるため、確認対象月2021/03の仕入金額は、これらの合計である15,000円となる。一方で、2020/03/15の仕入金額は、1,800円、1,600円および1,600円であるため、前年同月2020/03の仕入金額は、これらの合計である5,000円となる。
ここで、図23のパラメータに示すように、本例では、期間開始「2020/04」および期間終了「2021/03」が設定されているため、仕入差額金額算出部102aは、前記算出式を用いて、確認対象月2020/04~2021/03について、支払先毎に仕入差額金額を算出する。例えば、確認対象月2021/03を例にとると、仕入差額金額算出部102aは、確認対象月2021/03の仕入金額15,000円から、前年同月2020/03の仕入金額5,000円を差し引くことにより、確認対象月2021/03および支払先Aについての仕入差額金額を10,000円と算出する。
このように、確認対象月および支払先の組合せ毎に仕入差額金額(仕入差額金額月計)を算出することにより生成された仕入差額金額算出結果データ106gの例を、図24に示す。
仕入差額金額算出部102aは、仕入差額金額算出結果データ106gを生成する際に、当年(2020年度)についての仕入金額を月および支払先の組合せ毎に集計した金額(仕入金額月計)、ならびに、前年(2019年度)についての仕入金額を月および支払先の組合せ毎に集計した金額(前年同月仕入金額月計)を、仕入差額金額算出結果データ106gに含ませる。
なお、本例では、図24の仕入差額金額算出結果データ106gに示すように、月および支払先の組合せ毎に仕入金額月計、前年同月仕入金額月計および仕入差額金額月計を算出する例について説明したが、月、支払先および担当者の組合せ毎にこれらの金額を算出してもよい。
(2-4)グラフ3の生成の元となるデータの取得
(2-2)でセットされた抽出条件(図25の画面例に改めて示す)に基づいて、グラフ3を取得するためのパラメータが、図25に示すように設定される。図25に示すパラメータにおいて、期間開始「2020/04」、期間終了「2021/03」、および集計モード「担当者」は、(2-2)でセットされた抽出条件に基づいて設定されたものである。
そして、当該設定された図25に示すパラメータに基づいて、グラフ3を生成する元となるデータである仕入金額集計データ106hが、以下のようにして生成される。
すなわち、図26の仕入計上データ106cを参照して、2020/04~2021/03の範囲で、会計年月、支払先および担当者の組合せ毎に仕入金額が集計される。当該会計年月、当該支払先、当該担当者および当該集計した仕入金額が格納されることで、図26の仕入金額集計データ106hが生成される。
(2-5)グラフ4の生成の元となるデータの取得
(2-2)でセットされた抽出条件(図27の画面例に改めて示す)に基づいて、グラフ4を取得するためのパラメータが、図27に示すように設定される。図27に示すパラメータにおいて、期間開始「2020/04」、期間終了「2021/03」、および集計モード「担当者」は、(2-2)でセットされた抽出条件に基づいて設定されたものであり、指定会計年月「2021/03」は、異常判定結果データ106mに基づいて設定されたものである。
そして、当該設定された図27に示すパラメータに基づいて、グラフ4を生成する元となるデータである仕入方法別集計データ106iが、以下のようにして生成される。
すなわち、図28の仕入計上データ106cを参照して、2020/04~2021/03の範囲で、仕入方法、会計年月、支払先および担当者の組合せ毎に仕入金額が集計される。ここで、図28の仕入計上データ106cにおいて発注番号が入力されていないレコードについては、前記仕入方法は「即仕入」として集計され、これに対して、図28の仕入計上データ106cにおいて発注番号が入力されているレコードについては、前記仕入方法は「発注経由の仕入」として集計される。なお、仕入計上データ106cにおいて発注番号が入力されている仕入のレコードについては、当該発注番号に対応する発注のレコードが、図28の発注計上データ106d中に存在する。当該仕入方法、当該会計年月、当該支払先、当該担当者および当該集計した仕入金額が格納されることで、図28の仕入方法別集計データ106iが生成される。
(2-6)グラフ5の生成の元となるデータの取得
(2-2)でセットされた抽出条件(図29の画面例に改めて示す)に基づいて、グラフ5を取得するためのパラメータが、図29に示すように設定される。図29に示すパラメータにおいて、期間開始「2020/04」、期間終了「2021/03」、および集計モード「売上」は、(2-2)でセットされた抽出条件に基づいて設定されたものであり、指定支払先「支払先A」は、異常判定結果データ106mに基づいて設定されたものである。
そして、当該設定された図29に示すパラメータに基づいて、グラフ5を生成する元となるデータである売上・仕入別集計データ106jが、以下のようにして生成される。
すなわち、図30の仕入計上データ106cを参照して、2020/04~2021/03の範囲で、会計年月および支払先の組合せ毎に仕入金額が集計される。なお、この集計は、図29に示すパラメータにおいて指定された支払先(本例では、「支払先A」)についてのみ行われる。データ分類「仕入」、当該会計年月、当該支払先および当該集計した仕入金額が、図30の売上・仕入別集計データ106jに格納される。
また、図29に示すパラメータにおいて指定された集計モードが「売上」であるため、図30の売上計上データ106eを参照して、2020/04~2021/03の範囲で、会計年月毎に売上金額が集計される。データ分類「売上」、当該会計年月および当該集計した売上金額が、図30の売上・仕入別集計データ106jに格納される。
このようにして、図30の売上・仕入別集計データ106jが生成される。
(2-7)グラフの出力(表示)
次に、(2-3)~(2-6)で生成されたデータに基づいて、5つのグラフが出力される。
1.グラフ1にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ1を、図31に示す。取引先別グラフ表示部102dは、図24の仕入差額金額算出結果データ106g中の仕入金額月計を縦軸とし、図24の仕入差額金額算出結果データ106g中の会計年月を横軸とする折れ線グラフを、支払先の数の分だけ生成して表示する。
オペレータは、グラフ1を見ることで、異常検知された支払先の仕入金額の発生状況を確認することができる。また、月別に比較して、異常検知された月と他の月での仕入金額の発生状況の違いを比較することができる。図31のグラフ1からは、支払先Aについての2021/03の仕入金額が異常に多いということがわかる。
2.グラフ2にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ2を、図32に示す。両年度比較用グラフ表示部102eは、当年度(2020年度)および支払先Aについて、図24の仕入差額金額算出結果データ106g中の仕入金額月計を縦軸とし、月を横軸とする折れ線グラフ(図32の「仕入実績」の折れ線グラフ)を生成する。また、両年度比較用グラフ表示部102eは、昨年度(2019年度)および支払先Aについて、図24の仕入差額金額算出結果データ106g中の前年同月仕入金額月計を縦軸とし、月を横軸とする折れ線グラフ(図32の「昨年仕入実績」の折れ線グラフ)を生成する。そして、両年度比較用グラフ表示部102eは、生成した両グラフを、グラフ2として併せて表示する。なお、グラフ2においては、当年度と昨年度の比較を行うため、横軸には「月」のみが表示され、「年」は表示されない。
グラフ2において、上部のヘッダに表示される「2020年度」は、図16の異常判定結果データ106mが保持する会計年月「2021/03」に基づく。すなわち、業務データベースに存在する月度期間マスタが参照されることで、当該会計年月「2021/03」が属する会計年度は、「2020年度」であると判断される。なお、当該月度期間マスタは、常に最新化されているものとする。
グラフ2において、上部のヘッダに表示される「支払先A」は、図16の異常判定結果データ106mが保持する支払先「支払先A」に基づく。
オペレータは、グラフ2を見ることで、異常検知された年度における仕入金額および異常検知された年度から見て前年の仕入金額を比較することができる。つまり、月別に比較して、前年同月の仕入金額との発生状況の違いを確認することができる。図32のグラフ2からは、異常検知された年度(「仕入実績」の折れ線グラフに対応する2020年度)の2021/03における仕入金額が、前年度(「昨年仕入実績」の折れ線グラフに対応する2019年度)の2020/03における仕入金額より大幅に多いということがわかる。
3.グラフ3にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ3を、図33に示す。集計単位別グラフ表示部102fは、図26の仕入金額集計データ106h中の仕入金額(すなわち、(2-4)における「前記集計した仕入金額」)を縦軸とし、図26の仕入金額集計データ106h中の会計年月を横軸とする折れ線グラフを、担当者の数の分だけ生成して表示する。
グラフ3において、上部のヘッダに表示される「支払先A」は、図16の異常判定結果データ106mが保持する支払先「支払先A」に基づく。
オペレータは、グラフ3を見ることで、異常検知された支払先に対する仕入を計上した担当者毎の仕入実績を確認することができる。つまり、異常検知された月において、担当者毎の仕入実績を確認することができる。特定担当者の仕入実績が他担当者の仕入実績と比べて異常に多い場合、当該特定担当者が異常検知された支払先と共謀している可能性を示唆している。図33のグラフ3からは、2021/03において担当者Cの仕入実績が、他担当者A、Bの仕入実績と比べて異常に多いことがわかるため、担当者Cが支払先Aと共謀しているという可能性を読み取ることができる。
4.グラフ4にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ4を、図34に示す。仕入計上方法別グラフ表示部102gは、図28の仕入方法別集計データ106i中の仕入金額(すなわち、(2-5)における「前記集計した仕入金額」)を縦軸とする棒グラフを、担当者の数の分だけ生成して表示する。
グラフ4においては、「即仕入」に対応する前記仕入金額と、「発注経由の仕入」に対応する前記仕入金額と、が識別可能となっていることがポイントである。
グラフ4において、上部のヘッダに表示される「2021/03」は、図16の異常判定結果データ106mが保持する会計年月「2021/03」に基づく。また、上部のヘッダに表示される「支払先A」は、図16の異常判定結果データ106mが保持する支払先「支払先A」に基づく。
オペレータは、グラフ4を見ることで、異常検知された月および支払先について、担当者別の「支払方法毎」の仕入実績を確認することができる。ここで、発注を経由しない即仕入は、発注後の確認処理が行われないため、即仕入を利用した方が、不正が明らかになりにくい。このため、即仕入により仕入金額を多く計上している担当者は、不正を行っている可能性が高いということになる。具体的には、特定担当者と他担当者の間で、仕入計上方法別の仕入実績を比較し、特定担当者においてのみ即仕入が占める割合が高くなっている場合、当該特定担当者が不正を行っている可能性が高いということになる。図34のグラフ4からは、担当者Cのみ、即仕入の割合が異常に高いことがわかるため、担当者Cが即仕入を利用して不正を行っているという可能性を読み取ることができる。
5.グラフ5にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ5を、図35に示す。売上・仕入比較用グラフ表示部102hは、支払先Aについて、図30の売上・仕入別集計データ106j中の金額(すなわち、(2-6)における「前記集計した仕入金額」)を縦軸とし、図30の売上・仕入別集計データ106j中の会計年月を横軸とする折れ線グラフ(図35の「仕入」の折れ線グラフ)を生成する。また、売上・仕入比較用グラフ表示部102hは、図30の売上・仕入別集計データ106j中の金額(すなわち、(2-6)における「前記集計した売上金額」)を縦軸とし、図30の売上・仕入別集計データ106j中の会計年月を横軸とする折れ線グラフ(図35の「売上」の折れ線グラフ)を生成する。そして、売上・仕入比較用グラフ表示部102hは、生成した両グラフを、グラフ5として併せて表示する。
グラフ5において、「仕入」の折れ線グラフは、図16の異常判定結果データ106mが保持する支払先「支払先A」についての金額に基づくグラフである。
オペレータは、グラフ5を見ることで、売上金額および異常検知された支払先の仕入金額を確認することができる。つまり、異常検知された月とそうでない月において、売上金額と仕入金額の推移傾向の違いを確認することができる。ここで、仕入不正があった場合、仕入金額の増加が、売上金額の増加に伴っていないことが多い。図35のグラフ5からは、2021/03の売上金額が他の会計年月と同様であるにも関わらず、2021/03の仕入金額が増加していることがわかるため、2021/03に仕入不正が行われている可能性を読み取ることができる。
6.生成されたグラフ1~5は、図36に示すように、分析用画面に一覧で表示される。
7.異常判定結果メッセージ詳細データ106pに紐付く異常判定結果データ106mが含む支払先の情報に基づいて、異常検知されたデータは強調表示(例えば、色彩を変えることによる表示)されてもよい。例えば、グラフ1の表示を行う際に、図37に示すように、異常検知された支払先(=異常判定結果データ106mが含む支払先)については、凡例の異常フラグがTrueの色(赤色)を適用し、これに対して、異常検知された支払先以外については、凡例の異常フラグがFalseの色(グレー色)を適用するという設定を行ってもよい。本例の場合、グラフ1においては、異常検知された支払先Aについての折れ線グラフが赤色で表示されることとなる。
また、グラフ4の表示を行う際には、「即仕入」に対応する仕入金額については、凡例の異常フラグがTrueの色(赤色)で表示し、これに対して「発注経由の仕入」に対応する仕入金額については、凡例の異常フラグがFalseの色(グレー色)で表示することができる。発注確認のフローを通らない「即仕入」は、不正に利用されやすい仕入形態であるため、強調表示する必要があるためである。
(3)グラフの表示の切り替え
次に、分析用のグラフの表示の切り替えについて、以下の(3-1)および(3-2)で説明する。ここまでの説明においては、集計単位として「担当者」が指定され、かつ、集計対象として「売上」が指定された場合について説明した。これに対して、以下の(3-1)においては、集計単位として「部門」が指定され、かつ、集計対象として「売上」が指定される場合について説明する。以下の(3-2)においては、集計単位として「部門」が指定され、かつ、集計対象として「受注」が指定される場合について説明する。
(3-1)集計単位として「部門」が指定され、かつ、集計対象として「売上」が指定される場合の分析用グラフの表示
本項目(3-1)では、組織単位の一種である部門単位により集計した金額をグラフ3および4により確認する例について主に説明する。なお、本項目(3-1)での処理は、(2)での処理に続けて行われることを想定している。
1.まず、図38の画面例に示すように、分析用画面の抽出条件を設定するエリアにおいて、集計単位として「部門」が選択される。つまり、集計単位が、「担当者」から「部門」に変更される。なお、図38の画面例に示すように、集計対象は、「売上」のまま変更されない。また、図38の画面例に示すように、期間開始も「2020/04」のまま変更されず、期間終了も「2021/03」のまま変更されない。
2.当該セットされた抽出条件に基づいて、グラフ1~2を取得するためのパラメータが、図38に示すように設定される。図38に示すパラメータにおいて、期間開始「2020/04」、期間終了「2021/03」および集計モード「部門」は、前段落で説明した抽出条件に基づいて設定されたものである。
そして、当該設定された図38に示すパラメータに基づいて、グラフ1~2を生成する元となるデータである仕入差額金額算出結果データ106gが生成されるが、生成の方法および生成されるデータの内容については、図24を参照して(2-3)で説明したものと同様であるため、説明を割愛する。
3.次に、「1」でセットされた抽出条件に基づいて、グラフ3を取得するためのパラメータが、図39に示すように設定される。図39に示すパラメータにおいて、期間開始「2020/04」、期間終了「2021/03」および集計モード「部門」は、「1」で説明した抽出条件に基づいて設定されたものである。
そして、当該設定された図39に示すパラメータに基づいて、グラフ3を生成する元となるデータである仕入金額集計データ106hが、以下のようにして生成される。
すなわち、図40の仕入計上データ106cを参照して、2020/04~2021/03の範囲で、会計年月、支払先および部門の組合せ毎に仕入金額が集計される。当該会計年月、当該支払先、当該部門および当該集計した仕入金額が格納されることで、図40の仕入金額集計データ106hが生成される。
(2-4)においては、会計年月、支払先および「担当者」の組合せ毎に仕入金額が集計されたのに対して、本項目「3」においては、会計年月、支払先および「部門」の組合せ毎に仕入金額が集計された点がポイントである。
4.次に、「1」でセットされた抽出条件に基づいて、グラフ4を取得するためのパラメータが、図41に示すように設定される。図41に示すパラメータにおいて、期間開始「2020/04」、期間終了「2021/03」および集計モード「部門」は、「1」で説明した抽出条件に基づいて設定されたものであり、指定会計年月「2021/03」は、異常判定結果データ106mに基づいて設定されたものである。
そして、当該設定された図41に示すパラメータに基づいて、グラフ4を生成する元となるデータである仕入方法別集計データ106iが、以下のようにして生成される。
すなわち、図42の仕入計上データ106cを参照して、2020/04~2021/03の範囲で、仕入方法、会計年月、支払先および部門の組合せ毎に仕入金額が集計される。ここで、図42の仕入計上データ106cにおいて発注番号が入力されていないレコードについては、前記仕入方法は「即仕入」として集計され、これに対して、図42の仕入計上データ106cにおいて発注番号が入力されているレコードについては、前記仕入方法は「発注経由の仕入」として集計される。なお、仕入計上データ106cにおいて発注番号が入力されている仕入のレコードについては、当該発注番号に対応する発注のレコードが、図42の発注計上データ106d中に存在する。当該仕入方法、当該会計年月、当該支払先、当該部門および当該集計した仕入金額が格納されることで、図42の仕入方法別集計データ106iが生成される。
(2-5)においては、仕入方法、会計年月、支払先および「担当者」の組合せ毎に仕入金額が集計されたのに対して、本項目「4」においては、仕入方法、会計年月、支払先および「部門」の組合せ毎に仕入金額が集計された点がポイントである。
5.次に、「1」でセットされた抽出条件に基づいて、グラフ5を取得するためのパラメータが、図29に示すように設定される。図29に示すパラメータにおいて、期間開始「2020/04」、期間終了「2021/03」および集計モード「売上」は、「1」で説明した抽出条件に基づいて設定されたものであり、指定支払先「支払先A」は、異常判定結果データ106mに基づいて設定されたものである。
そして、当該設定された図29に示すパラメータに基づいて、グラフ5を生成する元となるデータである売上・仕入別集計データ106jが生成されるが、生成の方法および生成されるデータの内容については、図30を参照して(2-6)で説明したものと同様であるため、説明を割愛する。
6.次に、「2」~「5」で生成されたデータに基づいて、5つのグラフが出力される。
グラフ1にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ1の内容については、図31を参照して(2-7)の「1」で説明したものと同様であるため、説明を割愛する。
グラフ2にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ2の内容については、図32を参照して(2-7)の「2」で説明したものと同様であるため、説明を割愛する。
グラフ3にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ3を、図43に示す。集計単位別グラフ表示部102fは、図40の仕入金額集計データ106h中の仕入金額(すなわち、「3」における「前記集計した仕入金額」)を縦軸とし、図40の仕入金額集計データ106h中の会計年月を横軸とする折れ線グラフを、部門の数の分だけ生成して表示する。
(2-7)の「3」で説明した図33のグラフ3は、「担当者別」の折れ線グラフであったのに対して、本項目で説明した図43のグラフ3は、「部門別」の折れ線グラフである点がポイントである。
グラフ4にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ4を、図44に示す。仕入計上方法別グラフ表示部102gは、図42の仕入方法別集計データ106i中の仕入金額(すなわち、「4」における「前記集計した仕入金額」)を縦軸とする棒グラフを、部門の数の分だけ生成して表示する。
(2-7)の「4」で説明した図34のグラフ4は、「担当者別」の棒グラフであったのに対して、本項目で説明した図44のグラフ4は、「部門別」の棒グラフである点がポイントである。
グラフ5にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ5の内容については、図35を参照して(2-7)の「5」で説明したものと同様であるため、説明を割愛する。
7.生成されたグラフ1~5は、図45に示すように、分析用画面に一覧で表示される。
8.グラフ1および4の強調表示のための設定の仕方は、(2-7)の「7」と同様であるため、詳細な説明は割愛する。異常検知された支払先をグラフ1において強調表示するための着色パラメータの設定を、図46に示す。
9.ここで、「部門別」のグラフを見ることで、どのような効果があるかについて説明する。特定部門においてのみ仕入金額が多く発生している場合、当該特定部門内の複数の担当者が取消の操作を行うことにより、部門単位での不正が行われている可能性がある。チェック担当の者は、グラフ3および4を見ることで、当該可能性に気づくことができる。
以下、グラフ3およびグラフ4のそれぞれについて、担当者別のグラフと部門別のグラフを比較した図を用いて、部門単位での不正の発見について具体的に説明する。なお、以下の説明で用いるグラフ3および4は、ここまでの具体例とは連関性がない別のグラフである。
まず、図47には、担当者別に仕入金額を集計した場合のグラフ3(担当者別グラフ)および部門別に仕入金額を集計した場合のグラフ3(部門別グラフ)を示している。部門Bにて部門単位での不正が行われているとする。図47の担当者別グラフでは、部門Bに属する担当者A~Dのどのグラフも2021/03に似たような仕入金額の増加傾向を示すため、一見、仕入不正が行われていないように見える。これに対して、図47の部門別グラフでは、部門Bのグラフのみ、2021/03に仕入金額が不自然に増加していることがわかる。このため、チェック担当の者は、部門別グラフを見ることで、例えば、部門Bに属する担当者A~Dが、仕入不正が明らかになりにくいように、各々少しずつ不正な仕入金額を計上しているという可能性に気づくことができる。
次に、図48には、担当者別に仕入金額を集計した場合のグラフ4(担当者別グラフ)および部門別に仕入金額を集計した場合のグラフ4(部門別グラフ)を示している。部門Bにて部門単位での不正が行われているとする。図48の担当者別グラフでは、部門Bに属する担当者A~Dのどのグラフも、即仕入が平均的に計上されており、特定担当者における即仕入の割合のみが極端に高いわけではないため、一見、仕入不正が行われていないように見える。これに対して、図48の部門別グラフでは、部門Bのグラフのみ、即仕入の割合が高くなっていることがわかる。このため、チェック担当の者は、部門Bに属する担当者A~Dが、仕入不正が明らかになりにくいように、各々少しずつ不正な仕入金額を即仕入により計上しているという可能性に気づくことができる。
(3-2)集計単位として「部門」が指定され、かつ、集計対象として「受注」が指定される場合の分析用グラフの表示
本項目(3-2)では、受注時点の売上金額発生状況(すなわち、受注金額)をグラフ5により確認する例について主に説明する。なお、本項目(3-2)での処理は、(3-1)での処理に続けて行われることを想定している。
1.まず、図49の画面例に示すように、分析用画面の抽出条件を設定するエリアにおいて、集計対象として「受注」が選択される。つまり、集計対象が、「売上」から「受注」に変更される。なお、図49の画面例に示すように、集計単位は、「部門」のまま変更されない。また、図49の画面例に示すように、期間開始も「2020/04」のまま変更されず、期間終了も「2021/03」のまま変更されない。
2.当該セットされた抽出条件に基づいて、グラフ1~2を取得するためのパラメータが、図49に示すように設定される。図49に示すパラメータにおいて、期間開始「2020/04」、期間終了「2021/03」および集計モード「部門」は、前段落で説明した抽出条件に基づいて設定されたものである。
そして、当該設定された図49に示すパラメータに基づいて、グラフ1~2を生成する元となるデータである仕入差額金額算出結果データ106gが生成されるが、生成の方法および生成されるデータの内容については、図24を参照して(2-3)で説明したものと同様であるため、説明を割愛する。
3.次に、「1」でセットされた抽出条件に基づいて、グラフ3を取得するためのパラメータが、図39に示すように設定される。図39に示すパラメータにおいて、期間開始「2020/04」、期間終了「2021/03」および集計モード「部門」は、「1」で説明した抽出条件に基づいて設定されたものである。
そして、当該設定された図39に示すパラメータに基づいて、グラフ3を生成する元となるデータである仕入金額集計データ106hが生成されるが、生成の方法および生成されるデータの内容については、図40を参照して(3-1)の「3」で説明したものと同様であるため、説明を割愛する。
4.次に、「1」でセットされた抽出条件に基づいて、グラフ4を取得するためのパラメータが、図41に示すように設定される。図41に示すパラメータにおいて、期間開始「2020/04」、期間終了「2021/03」および集計モード「部門」は、「1」で説明した抽出条件に基づいて設定されたものであり、指定会計年月「2021/03」は、異常判定結果データ106mに基づいて設定されたものである。
そして、当該設定された図41に示すパラメータに基づいて、グラフ4を生成する元となるデータである仕入方法別集計データ106iが生成されるが、生成の方法および生成されるデータの内容については、図42を参照して(3-1)の「4」で説明したものと同様であるため、説明を割愛する。
5.次に、「1」でセットされた抽出条件に基づいて、グラフ5を取得するためのパラメータが、図50に示すように設定される。図50に示すパラメータにおいて、期間開始「2020/04」、期間終了「2021/03」および集計モード「受注」は、「1」で説明した抽出条件に基づいて設定されたものであり、指定支払先「支払先A」は、異常判定結果データ106mに基づいて設定されたものである。
そして、当該設定された図50に示すパラメータに基づいて、グラフ5を生成する元となるデータである受注・仕入別集計データ106kが、以下のようにして生成される。
すなわち、図51の仕入計上データ106cを参照して、2020/04~2021/03の範囲で、会計年月および支払先の組合せ毎に仕入金額が集計される。なお、この集計は、図50に示すパラメータにおいて指定された支払先(本例では、「支払先A」)についてのみ行われる。データ分類「仕入」、当該会計年月、当該支払先および当該集計した仕入金額が、図51の受注・仕入別集計データ106kに格納される。
また、図50に示すパラメータにおいて指定された集計モードが「受注」であるため、図51の受注計上データ106fを参照して、2020/04~2021/03の範囲で、会計年月毎に受注金額が集計される。データ分類「受注」、当該会計年月および当該集計した受注金額が、図51の受注・仕入別集計データ106kに格納される。
このようにして、図51の受注・仕入別集計データ106kが生成される。
(2-6)においては、「売上金額」が集計の対象となったのに対して、本項目(3-2)の「5」においては、「受注金額」が集計の対象となった点がポイントである。
6.次に、「2」~「5」で生成されたデータに基づいて、5つのグラフが出力される。
グラフ1にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ1の内容については、図31を参照して(2-7)の「1」で説明したものと同様であるため、説明を割愛する。
グラフ2にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ2の内容については、図32を参照して(2-7)の「2」で説明したものと同様であるため、説明を割愛する。
グラフ3にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ3の内容については、図43を参照して(3-1)の「6」で説明したものと同様であるため、説明を割愛する。
グラフ4にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ4の内容については、図44を参照して(3-1)の「6」で説明したものと同様であるため、説明を割愛する。
グラフ5にデータをバインドする際に用いるデータバインド情報および生成されるグラフ5を、図52に示す。受注・仕入比較用グラフ表示部102iは、支払先Aについて、図51の受注・仕入別集計データ106k中の金額(すなわち、「5」における「前記集計した仕入金額」)を縦軸とし、図51の受注・仕入別集計データ106k中の会計年月を横軸とする折れ線グラフ(図52の「仕入」の折れ線グラフ)を生成する。また、受注・仕入比較用グラフ表示部102iは、図51の受注・仕入別集計データ106k中の金額(すなわち、「5」における「前記集計した受注金額」)を縦軸とし、図51の受注・仕入別集計データ106k中の会計年月を横軸とする折れ線グラフ(図52の「受注」の折れ線グラフ)を生成する。そして、受注・仕入比較用グラフ表示部102iは、生成した両グラフを、グラフ5として併せて表示する。
(2-7)の「5」で説明した図35のグラフ5は、仕入の折れ線グラフと「売上」の折れ線グラフからなっており、仕入金額と「売上金額」を比較できたのに対して、本項目で説明した図52のグラフ5は、仕入の折れ線グラフと「受注」の折れ線グラフからなっており、仕入金額と「受注金額」を比較できる点がポイントである。
7.生成されたグラフ1~5は、図53に示すように、分析用画面に一覧で表示される。
8.グラフ1および4の強調表示のための設定の仕方は、(2-7)の「7」と同様であるため、詳細な説明は割愛する。
9.ここで、グラフ5において「受注」のグラフを見ることで、どのような効果があるかについて説明する。
受注と同じ月に売上が発生する場合は、チェック担当の者は、分析用画面における抽出条件の箇所で「売上」を選択するとよい。例えば、ある取引について、仕入、受注および売上の計上がすべて2021/03であるとすると、図54のグラフに点線枠で囲んで示すように、仕入金額のグラフと売上金額のグラフを、2021/03時点で比較することで、チェック担当の者は仕入不正を発見することができる。
しかしながら、売上が月を跨いで計上されると、単月での売上と仕入の比較では、仕入金額の異常に気づけない場合がある。この場合に、チェック担当の者は、分析用画面における抽出条件の箇所で「受注」を選択することで、売上前の受注の情報を仕入の情報と比較し、仕入金額の異常に気づくことができる。
例えば、ある取引について、仕入および受注の計上は2021/03であるが、売上の計上は翌月の2021/04であるとすると、仕入金額のグラフと売上金額のグラフを同時点で比較しても意味がない。これに対して、図55の(グラフ外ではなく)グラフ内に点線枠で囲んで示すように、仕入金額のグラフと受注金額のグラフなら、同時点の2021/03時点で比較することができるため、チェック担当の者は仕入不正を発見することができる。
なお、仕入金額の比較対象として、売上金額と受注金額のどちらを見るべきかは、分析用画面における抽出条件の箇所からの指定により、チェック担当の者が選択可能である。
[5.本実施形態のまとめ]
このように、本実施形態に係る仕入不正発見業務支援装置100によれば、主に[4-1]で説明したように、確認対象期間(ある会計年月)中の仕入金額と比較対象期間(前年同月)中の仕入金額との差額の算出、および、当該算出した差額のうち数値が異常に大きいものの検知を自動で行うことにより、仕入不正の発見業務を支援することができる。
また、本実施形態に係る仕入不正発見業務支援装置100によれば、主に[4-2]で説明したように、分析用画面に表示される5つのグラフを参照することで、仕入差額金額の異常が発生した原因の分析も併せて行うことができる。
ここで、従来においては、定期的に多数発生する仕入の取引について、担当者が手動で昨年度の仕入実績まで含めて確認することで、仕入に関する異常に気付くことができた。しかしながら、この方法では、仕入不正の発覚までに、専門知識を駆使した様々なデータ収集および計算処理が必要となるため、多くの作業時間が発生し、また、作業ミス発生および確認漏れ発生のリスクも高いという問題があった。
そこで、本実施形態においては、例えば、販売業務におけるトランザクションデータ内で、仕入不正により登録されたデータを自動で検知して通知することができるようにした。具体的には、単月における仕入実績と前年同月における仕入実績とを比較した際の差額を求めることにより、異常を検知することができるようにした。また、前年同月における仕入実績から金額が増えているタイミング、仕入を計上した担当者および計上方法等の分析が可能な画面を出力できるようにした。
言い換えると、本実施形態においては、例えば、仕入データの集計等をはじめ不正と見なされる仕入データの振分をし、不正の状況を可視化できるようにした。また、本実施形態においては、例えば、集計の方法およびアラートの方法を工夫した。そして、本実施形態においては、例えば、組織単位での仕入実績の集計を可能とすることで、担当者単体の仕入実績を見るのみでは見破れない組織単位での仕入不正を見破ることを可能とした。
これにより、本実施形態は、例えば以下の効果を奏する。まず、膨大な仕入の情報の中から、仕入不正を定期的にかつ自動で検知できるようになった。つまり、専門知識のない者でも、仕入不正に気付くことができる。また、様々な条件(担当者毎、仕入計上方法毎および昨年度仕入実績の月毎等の条件)でデータを集計して比較が必要となる内容をシステムにより自動で処理するため、作業ミスのリスクを回避することができる。そして、異常とその根拠を分析および確認する画面を出力できるため、信頼性の高い異常の検知が可能である。
[6.国連が主導する持続可能な開発目標(SDGs)への貢献]
本実施形態により、業務効率化や企業の適切な経営判断を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標8及び9に貢献することが可能となる。
また、本実施形態により、廃棄ロス削減や、ペーパレス・電子化を推進することに寄与することができるので、SDGsの目標12、13及び15に貢献することが可能となる。
また、本実施形態により、統制、ガバナンス強化に寄与することができるので、SDGsの目標16に貢献することが可能となる。
[7.他の実施形態]
本発明は、上述した実施形態以外にも、特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施形態にて実施されてよいものである。
例えば、実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。
また、本明細書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各処理の登録データや検索条件等のパラメータを含む情報、画面例、データベース構成については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
また、仕入不正発見業務支援装置100に関して、図示の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。
例えば、仕入不正発見業務支援装置100が備える処理機能、特に制御部にて行われる各処理機能については、その全部または任意の一部を、CPUおよび当該CPUにて解釈実行されるプログラムにて実現してもよく、また、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現してもよい。尚、プログラムは、本実施形態で説明した処理を情報処理装置に実行させるためのプログラム化された命令を含む一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されており、必要に応じて仕入不正発見業務支援装置100に機械的に読み取られる。すなわち、ROMまたはHDD(Hard Disk Drive)などの記憶部などには、OSと協働してCPUに命令を与え、各種処理を行うためのコンピュータプログラムが記録されている。このコンピュータプログラムは、RAMにロードされることによって実行され、CPUと協働して制御部を構成する。
また、このコンピュータプログラムは、仕入不正発見業務支援装置100に対して任意のネットワークを介して接続されたアプリケーションプログラムサーバに記憶されていてもよく、必要に応じてその全部または一部をダウンロードすることも可能である。
また、本実施形態で説明した処理を実行するためのプログラムを、一時的でないコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよく、また、プログラム製品として構成することもできる。ここで、この「記録媒体」とは、メモリーカード、USB(Universal Serial Bus)メモリ、SD(Secure Digital)カード、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(登録商標)(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、および、Blu-ray(登録商標) Disc等の任意の「可搬用の物理媒体」を含むものとする。
また、「プログラム」とは、任意の言語または記述方法にて記述されたデータ処理方法であり、ソースコードまたはバイナリコード等の形式を問わない。なお、「プログラム」は必ずしも単一的に構成されるものに限られず、複数のモジュールやライブラリとして分散構成されるものや、OSに代表される別個のプログラムと協働してその機能を達成するものをも含む。なお、実施形態に示した各装置において記録媒体を読み取るための具体的な構成および読み取り手順ならびに読み取り後のインストール手順等については、周知の構成や手順を用いることができる。
記憶部に格納される各種のデータベース等は、RAM、ROM等のメモリ装置、ハードディスク等の固定ディスク装置、フレキシブルディスク、および、光ディスク等のストレージ手段であり、各種処理やウェブサイト提供に用いる各種のプログラム、テーブル、データベース、および、ウェブページ用ファイル等を格納する。
また、仕入不正発見業務支援装置100は、既知のパーソナルコンピュータまたはワークステーション等の情報処理装置として構成してもよく、また、任意の周辺装置が接続された当該情報処理装置として構成してもよい。また、仕入不正発見業務支援装置100は、当該装置に本実施形態で説明した処理を実現させるソフトウェア(プログラムまたはデータ等を含む)を実装することにより実現してもよい。
更に、装置の分散・統合の具体的形態は図示するものに限られず、その全部または一部を、各種の付加等に応じてまたは機能負荷に応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。すなわち、上述した実施形態を任意に組み合わせて実施してもよく、実施形態を選択的に実施してもよい。
本発明は、例えば、仕入実績の管理が発生するあらゆる業界および業種において有用である。
100 仕入不正発見業務支援装置
102 制御部
102a 仕入差額金額算出部
102b 異常値検知部
102c 異常表示部
102d 取引先別グラフ表示部
102e 両年度比較用グラフ表示部
102f 集計単位別グラフ表示部
102g 仕入計上方法別グラフ表示部
102h 売上・仕入比較用グラフ表示部
102i 受注・仕入比較用グラフ表示部
104 通信インターフェース部
106 記憶部
106a 自動検知実行スケジュールデータ
106b 取得範囲条件データ
106c 仕入計上データ
106d 発注計上データ
106e 売上計上データ
106f 受注計上データ
106g 仕入差額金額算出結果データ
106h 仕入金額集計データ
106i 仕入方法別集計データ
106j 売上・仕入別集計データ
106k 受注・仕入別集計データ
106m 異常判定結果データ
106n 異常判定結果メッセージデータ
106p 異常判定結果メッセージ詳細データ
108 入出力インターフェース部
112 入力装置
114 出力装置
200 サーバ
300 ネットワーク

Claims (12)

  1. 確認対象期間中の仕入金額と比較対象期間中の仕入金額との差額である仕入差額金額を算出することにより、仕入の実績に関する不正を発見する業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える仕入不正発見業務支援装置であって、
    前記記憶部には、
    仕入日と、取引先識別データと、仕入金額と、を含む仕入計上データが格納されており、
    前記制御部は、
    前記確認対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額から、前記比較対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額を差し引くことにより、前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せ毎の前記仕入差額金額を算出する仕入差額金額算出手段と、
    所定の統計手法に従い、前記仕入差額金額算出手段で算出した仕入差額金額のうち上限値を上回っているものを異常値として検知する異常値検知手段と、
    前記異常値検知手段で異常値として検知した仕入差額金額ならびに当該検知した仕入差額金額に対応する前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せを表示する異常表示手段と、
    を備えること、
    を特徴とする仕入不正発見業務支援装置。
  2. 前記異常表示手段は、
    前記所定の統計手法および前記上限値も併せて表示すること、
    を特徴とする請求項1に記載の仕入不正発見業務支援装置。
  3. 前記所定の統計手法が、四分位範囲を用いる方法であり、
    前記上限値が、第三四分位数に、前記四分位範囲を1.5倍した値を足すことより算出された値であること、
    を特徴とする請求項1または2に記載の仕入不正発見業務支援装置。
  4. 前記記憶部には、
    前記仕入計上データ中の前記仕入金額を期間および前記取引先識別データ毎に集計した金額と、前記期間と、前記取引先識別データと、を含む仕入差額金額算出結果データが更に格納されており、
    前記制御部は、
    前記仕入差額金額算出結果データに基づいて、前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを、前記取引先識別データの数の分だけ生成して表示する取引先別グラフ表示手段を更に備え、
    当該折れ線グラフは、
    前記仕入差額金額算出結果データ中の前記集計した金額を縦軸とし、
    前記仕入差額金額算出結果データ中の前記期間を横軸とすること、
    を特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載の仕入不正発見業務支援装置。
  5. 前記記憶部には、
    前記仕入計上データ中の前記仕入金額を期間および前記取引先識別データ毎に集計した金額と、前記期間と、前記取引先識別データと、を含む仕入差額金額算出結果データが更に格納されており、
    前記制御部は、
    前記仕入差額金額算出結果データに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての確認対象年度における前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフ、および、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての比較対象年度における前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを生成して併せて表示する両年度比較用グラフ表示手段を更に備え、
    前記確認対象年度は、前記異常値検知手段で異常値として検知した仕入差額金額に対応する前記確認対象期間が属する年度であり、
    前記比較対象年度は、前記確認対象年度より1つ前の年度であり、
    当該折れ線グラフは、
    前記仕入差額金額算出結果データ中の前記集計した金額を縦軸とし、
    年の表示がない月を横軸とすること、
    を特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載の仕入不正発見業務支援装置。
  6. 前記仕入計上データは、事業所識別データ、部門識別データおよび担当者識別データのうちの少なくとも一つの集計単位を更に含み、
    前記記憶部には、
    前記仕入計上データ中の前記仕入金額を期間、前記取引先識別データおよび前記集計単位の組合せ毎に集計した金額と、前記期間と、前記取引先識別データと、前記集計単位と、を含む仕入金額集計データが更に格納されており、
    前記制御部は、
    前記仕入金額集計データに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを、前記集計単位の数の分だけ生成して表示する集計単位別グラフ表示手段を更に備え、
    当該折れ線グラフは、
    前記仕入金額集計データ中の前記集計した金額を縦軸とし、
    前記仕入金額集計データ中の前記期間を横軸とすること、
    を特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載の仕入不正発見業務支援装置。
  7. 前記仕入計上データは、事業所識別データ、部門識別データおよび担当者識別データのうちの少なくとも一つの集計単位と、発注計上データの登録による発注を経由した仕入については発注番号と、を更に含み、
    前記記憶部には、
    前記仕入計上データ中の前記仕入金額を期間、前記取引先識別データ、前記集計単位および前記発注番号の有無の組合せ毎に集計した金額と、前記期間と、前記取引先識別データと、前記集計単位と、前記発注番号がない前記仕入金額を集計した場合の区分である即仕入区分と、前記発注番号がある前記仕入金額を集計した場合の区分である発注経由区分を含む仕入方法別集計データが更に格納されており、
    前記制御部は、
    前記仕入方法別集計データに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記期間および前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての前記集計した金額を示す棒グラフを、前記集計単位の数の分だけ生成して表示する仕入計上方法別グラフ表示手段を更に備え、
    当該棒グラフにおいては、
    前記即仕入区分に対応する前記集計した金額および前記発注経由区分に対応する前記集計した金額が識別可能となっていること、
    を特徴とする請求項1から6のいずれか一つに記載の仕入不正発見業務支援装置。
  8. 前記記憶部には、
    売上日と、売上金額と、を含む売上計上データと、
    前記仕入計上データ中の前記仕入金額を期間および前記取引先識別データの組合せ毎に集計した金額と、前記仕入計上データ中の前記期間と、前記仕入計上データ中の前記取引先識別データと、を含む仕入集計レコード、および、前記売上計上データ中の前記売上金額を期間毎に集計した金額と、前記売上計上データ中の前記期間と、を含む売上集計レコードを含む売上・仕入別集計データと、
    が更に格納されており、
    前記制御部は、
    前記仕入集計レコードに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを生成し、前記売上集計レコードに基づいて、前記期間毎の前記集計した金額を示す折れ線グラフを生成し、両グラフを併せて表示する売上・仕入比較用グラフ表示手段を更に備え、
    当該折れ線グラフは、
    前記レコード中の前記集計した金額を縦軸とし、
    前記レコード中の前記期間を横軸とすること、
    を特徴とする請求項1から7のいずれか一つに記載の仕入不正発見業務支援装置。
  9. 前記記憶部には、
    受注日と、受注金額と、を含む受注計上データと、
    前記仕入計上データ中の前記仕入金額を期間および前記取引先識別データの組合せ毎に集計した金額と、前記仕入計上データ中の前記期間と、前記仕入計上データ中の前記取引先識別データと、を含む仕入集計レコード、および、前記受注計上データ中の前記受注金額を期間毎に集計した金額と、前記受注計上データ中の前記期間と、を含む受注集計レコードを含む受注・仕入別集計データと、
    が更に格納されており、
    前記制御部は、
    前記仕入集計レコードに基づいて、前記異常値検知手段で検知した仕入差額金額に対応する前記取引先識別データについての前記期間毎の前記集計した金額の推移を示す折れ線グラフを生成し、前記受注集計レコードに基づいて、前記期間毎の前記集計した金額を示す折れ線グラフを生成し、両グラフを併せて表示する受注・仕入比較用グラフ表示手段を更に備え、
    当該折れ線グラフは、
    前記レコード中の前記集計した金額を縦軸とし、
    前記レコード中の前記期間を横軸とすること、
    を特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載の仕入不正発見業務支援装置。
  10. 前記確認対象期間が、ある年のある月であり、
    前記比較対象期間が、前記ある年の前年の前記ある月であること、
    を特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載の仕入不正発見業務支援装置。
  11. 確認対象期間中の仕入金額と比較対象期間中の仕入金額との差額である仕入差額金額を算出することにより、仕入の実績に関する不正を発見する業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される仕入不正発見業務支援方法であって、
    前記記憶部には、
    仕入日と、取引先識別データと、仕入金額と、を含む仕入計上データが格納されており、
    前記制御部で実行される、
    前記確認対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額から、前記比較対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額を差し引くことにより、前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せ毎の前記仕入差額金額を算出する仕入差額金額算出ステップと、
    所定の統計手法に従い、前記仕入差額金額算出ステップで算出した仕入差額金額のうち上限値を上回っているものを異常値として検知する異常値検知ステップと、
    前記異常値検知ステップで異常値として検知した仕入差額金額ならびに当該検知した仕入差額金額に対応する前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せを表示する異常表示ステップと、
    を含むこと、
    を特徴とする仕入不正発見業務支援方法。
  12. 確認対象期間中の仕入金額と比較対象期間中の仕入金額との差額である仕入差額金額を算出することにより、仕入の実績に関する不正を発見する業務を支援することができる、制御部および記憶部を備える情報処理装置で実行される仕入不正発見業務支援プログラムであって、
    前記記憶部には、
    仕入日と、取引先識別データと、仕入金額と、を含む仕入計上データが格納されており、
    前記制御部に実行させるための、
    前記確認対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額から、前記比較対象期間に属する前記仕入日に対応する前記仕入金額を前記取引先識別データ毎に集計した金額を差し引くことにより、前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せ毎の前記仕入差額金額を算出する仕入差額金額算出ステップと、
    所定の統計手法に従い、前記仕入差額金額算出ステップで算出した仕入差額金額のうち上限値を上回っているものを異常値として検知する異常値検知ステップと、
    前記異常値検知ステップで異常値として検知した仕入差額金額ならびに当該検知した仕入差額金額に対応する前記確認対象期間および前記取引先識別データの組合せを表示する異常表示ステップと、
    を含むこと、
    を特徴とする仕入不正発見業務支援プログラム。
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CN116596484A (zh) * 2023-07-17 2023-08-15 山东德丰重工有限公司 一种装配式建筑施工智能管理方法及系统
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