JP2023088687A - ガス検知器 - Google Patents
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Abstract
【課題】上流側のガス検知部および長尺部によって下流側のガス検知部を保護する機能を設ける場合でも、筐体が大型になることおよび筐体構造が複雑になることを抑制することが可能なガス検知器を提供する。【解決手段】このガス検知器100は、被検知ガス1を導入するガス導入部10と、ガス導入部10が接続されるガス入口21と排気口22とを有する筐体20と、制御部30と、を備える。ガス導入部10は、被検知ガス1を検知する第1ガス検知部11と、第1ガス検知部11よりも他端側に配置され、第1ガス検知部11からガス入口21に送られる被検知ガス1の到達遅延を生じさせる長尺部12とを含む。筐体20は、ガス入口21と排気口22とを接続するガス流路24と、ガス流路24に配置され被検知ガス1を検知する第2ガス検知部25とを収容している。制御部30は、第1ガス検知部11の検知結果に応じて第2ガス検知部25を保護する制御を行う。【選択図】図1
Description
この発明は、ガス検知器に関する。
従来、高濃度ガスからガス検知部を保護する機能を備えたガス検知器が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
上記特許文献1には、前置ガス検知素子および主ガス検知素子の間に、保護機構を設けたガス検知装置が開示されている。主ガス検知素子は、電力供給を受けた検知状態において高濃度ガスに曝されると、素子が劣化する(検知精度が低下する)。そこで、保護機構は、長尺部、大径のバッファー部などのガスの到達を遅延させる構造を有し、前置ガス検知素子が高濃度ガスを検知してから、その高濃度ガスが主ガス検知素子に到達するまでの時間を確保するために設けられている。ガス検知装置は、上流側の前置ガス検知素子により高濃度ガスを検知した場合、下流側の主ガス検知素子により高濃度ガスを検出しないように構成されている。
上記特許文献1には明示されていないが、通常、前置ガス検知素子、主ガス検知素子および保護機構を含む流体回路の全体が、ガス検知装置の筐体内に収容される。また、ガス検知装置には、筐体から離れた位置に存在する検知対象ガスを含む大気を採取するための長尺のチューブが、筐体に接続されることがある。保護機構は長尺部や大径のバッファー部を備えて大きな体積を有するので、保護機構を収容するために筐体が大型になり、さらに長尺のチューブが設けられるため、ガス検知装置全体としても大型になって、持ち運びが不便になるという課題がある。また、前置ガス検知素子、主ガス検知素子および保護機構を収容するので筐体構造が複雑になる、という課題がある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、上流側のガス検知部および長尺部によって下流側のガス検知部を保護する機能を設ける場合でも、筐体が大型になることおよび筐体構造が複雑になることを抑制することが可能なガス検知器を提供することである。
この発明の一の局面によるガス検知器は、被検知ガスを導入する一端および被検知ガスを導出する他端を有するガス導入部と、ガス導入部の他端が接続されるガス入口と排気口とを有する筐体と、被検知ガスの検知動作を制御する制御手段と、を備え、ガス導入部は、ガス導入部に導入された被検知ガスを検知する第1ガス検知部と、第1ガス検知部よりも他端側に配置され、第1ガス検知部からガス入口に送られる被検知ガスの到達遅延を生じさせる長尺部とを含み、筐体は、ガス入口と排気口とを接続するガス流路と、ガス流路に配置され被検知ガスを検知する第2ガス検知部と、を収容し、制御手段は、第1ガス検知部の検知結果に応じて第2ガス検知部を保護する制御を行うように構成されている。ここで、「長尺部」とは、流路の経路長を大きくした部分のことである。
この発明の一の局面によるガス検知器では、上記のように、第1ガス検知部の検知結果に応じて第2ガス検知部を保護する制御を行う構成において、第1ガス検知部および長尺部が筐体の外部のガス導入部に設けられるので、筐体内に第1ガス検知部および長尺部を収容する必要がなくなる。そのため、高濃度の被検知ガスが第1ガス検知部で検知されてから第2ガス検知部に到達するまでの時間を確保するために十分な長さの長尺部を設ける場合でも、筐体が大型になることを回避できる。また、第1ガス検知部および長尺部を筐体に収容する必要がないので、筐体構造を簡素化できる。その結果、上流側の第1ガス検知部および長尺部により下流側の第2ガス検知部を保護する機能を設ける場合でも、筐体が大型になることおよび筐体構造が複雑になることを抑制できる。さらに、筐体から離れた位置に存在する検知対象ガスを含む大気を採取するための長尺部が、第2ガス検知部を保護する機能を兼ねることになるので、ガス検知器が大型になることおよび筐体構造が複雑になることを抑制できる。
上記一の局面によるガス検知器において、好ましくは、制御手段は、筐体内に収容されており、長尺部は、被検知ガスを流通させる流路と、第1ガス検知部と制御手段とを電気的に接続する電線とを含む。このように構成すれば、第1ガス検知部が設けられたガス導入部と制御手段が収容された筐体との間で、流路と電線とを別々に接続する必要がなく、流路と電線とを長尺部にまとめることができるので、装置構成を簡素化できる。
上記一の局面によるガス検知器において、好ましくは、第1ガス検知部は、光学式ガス検知素子または気体熱伝導式ガス検知素子を有する。このように構成すれば、高濃度ガスに対する耐性が高い(すなわち、高濃度ガスに曝されても劣化しにくい)ガス検知素子を第1ガス検知部に設けることができる。光学式ガス検知素子は、ガス検知にガス固有の吸光波長特性などの光学的性質を利用するガス検知素子であり、気体熱伝導式ガス検知素子は、ガス検知にガスの熱伝導という物理的性質を利用するガス検知素子である。そのため、これらのガス検知素子は、ガス検知に化学反応や触媒反応が伴わないため、高濃度ガスに対して劣化しにくく高濃度ガスに対する耐性が高い。
上記一の局面によるガス検知器において、好ましくは、ガス導入部は、ガス導入部の先端に設けられるとともに第1ガス検知部を有するプローブを含み、長尺部は、筐体のガス入口とプローブとを接続する可撓性チューブを含む。このように構成すれば、筐体から離れた位置に存在する検知対象ガスを含む大気を採取するためのプローブと可撓性チューブとを含む延長アタッチメントに、ガス導入部としての機能を設けることができる。すなわち、プローブに第1ガス検知部を設けることで、プローブを単なるガス導入管としてではなく、第1ガス検知部を収容する収容体として構成できる。そして、プローブの移動範囲を延長するための可撓性チューブを、第2ガス検知部へのガスの到達遅延を発生させるための長尺部として構成できる。これにより、プローブと可撓性チューブとを含む延長アタッチメントとは別に第1ガス検知部の収容体および長尺部を設ける場合と比べて、ガス検知器全体の大型化を効果的に抑制できる。
この場合、好ましくは、プローブは、被検知ガスを流通させるポンプおよび電源部をさらに含み、可撓性チューブから分離して筐体とは別個にガス検知を実行可能に構成されている。このように構成すれば、プローブが第1ガス検知部を有することを利用して、プローブを可撓性チューブおよび筐体から分離させてプローブ単体を簡易的なガス検知器として機能させることができる。このため、プローブ単体(第1ガス検知部のみ)でガス検知を行う使用態様と、プローブを可撓性チューブに接続して第1ガス検知部および第2ガス検知部の両方でガス検知を行う使用態様と、を使い分けることが可能になる。
上記一の局面によるガス検知器において、好ましくは、第1ガス検知部と第2ガス検知部とは、被検知ガスに対する感度特性が異なり、第2ガス検知部は、第1ガス検知部よりも高濃度ガス耐性が低いガス検知素子を有する。このように構成すれば、長尺部による到達遅延させたガスが第2ガス検知部へ到達するまでに、第1ガス検知部の検知結果に応じて第2ガス検知部の保護制御を行うことにより、第1ガス検知部よりも高濃度ガス耐性が低いガス検知素子を高濃度ガスによる劣化から保護することができる。
本発明によれば、上記のように、上流側のガス検知部および長尺部によって下流側のガス検知部を保護する機能を設ける場合でも、筐体が大型になることおよび筐体構造が複雑になることを抑制することが可能なガス検知器を提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1~図5を参照して、第1実施形態によるガス検知器100の構成について説明する。
図1~図5を参照して、第1実施形態によるガス検知器100の構成について説明する。
(ガス検知器の全体構成)
ガス検知器100は、被検知ガス1を検知するガス検知器である。ガス検知器100は、検査箇所に存在する空気を採取し、採取空気中に含まれる被検知ガス1の濃度を検出する。被検知ガスとは、ガス検知器100が検知すべきガスである。
ガス検知器100は、被検知ガス1を検知するガス検知器である。ガス検知器100は、検査箇所に存在する空気を採取し、採取空気中に含まれる被検知ガス1の濃度を検出する。被検知ガスとは、ガス検知器100が検知すべきガスである。
図1に示すように、ガス検知器100は、ガス導入部10と、筐体20と、制御部30(図2参照)と、を備える。なお、制御部30は、特許請求の範囲の「制御手段」の一例である。
ガス導入部10は、被検知ガス1を導入する一端および被検知ガス1を導出する他端を有する。ガス導入部10は、一端からガス導入部10の内部に空気を取り込み、取り込んだ空気を流通させて他端から排出することが可能である。ガス導入部10は、筐体20に対して着脱可能に構成されている。ガス導入部10は、筐体20のガス入口21に接続されることにより、筐体20から離隔した検査箇所の空気を採取して筐体20内まで導入するための延長用付属機器として構成されている。ガス導入部10は、少なくとも、第1ガス検知部11と、長尺部12とを含む。
第1ガス検知部11は、ガス導入部10に導入された被検知ガス1を検知するように構成されている。第1ガス検知部11は、ガス導入部10内に取り込まれた採取空気中に含まれる被検知ガス1を検知し、被検知ガス1の濃度に応じた信号を発生するように構成されている。第1実施形態では、第1ガス検知部11はプローブ13に設けられている。
長尺部12は、ガス導入部10における第1ガス検知部11よりも他端側(筐体20側)に配置されている。長尺部12は、第1ガス検知部11と筐体20のガス入口21とを接続するように構成されている。
長尺部12は、第1ガス検知部11からガス入口21に送られる被検知ガス1の到達遅延を生じさせるように構成されている。長尺部は、第1ガス検知部11と第2ガス検知部25との間の経路長を、(本来必要とされる長さよりも)大きくした部分のことである。第1実施形態では、長尺部12は、可撓性チューブ14により構成されている。
筐体20は、ガス検知器100の外装である。図1の構成例では、筐体20は、概略で直方体形状を有する。筐体20は、上面、下面、および前後左右の各側面を含む。各側面とは、前側面、後側面、右側面、左側面の4つの側面である。
筐体20は、ガス導入部10の他端が接続されるガス入口21と排気口22とを有する。ガス入口21は、筐体20の表面から筐体20の外部に突出するコネクタ部23に設けられている。ガス入口21は、筐体20(コネクタ部23)に形成された開口である。コネクタ部23とガス導入部10の他端とが係合することにより、ガス導入部10の内部空間と、ガス入口21とが連通する。
排気口22は、筐体20の表面に開口している。図1の構成例では、排気口22は、筐体20の側面に形成されている。排気口22は、筐体20のどの面に開口していてもよい。
図1に示すガス検知器100は、ハンディ型ではなく、可搬型、簡易定置式のガス検知器である。簡易定置式のガス検知器100は、ストラップベルト(図示せず)などによりユーザが搬送して検査箇所付近に設置し、ガス導入部10を検査箇所まで引き延ばしてガス検査を行うことが可能に構成されている。検査箇所は、たとえば地中埋設管(ガス管)である。なお、ハンディ型とは、ユーザがガス検知器を手で把持した状態(衣服等に取り付けてもよい)で使用可能なサイズの小型ガス検知器である。
筐体20には、内部にガス検知器100の各部を収容するための空間が形成されている。図2に示すように、筐体20は、ガス入口21と排気口22とを接続するガス流路24と、第2ガス検知部25とを収容している。また、本実施形態では、制御部30は、筐体20内に収容されている。
(ガス検知器の詳細構造)
図1および図2に示すように、ガス導入部10は、ガス導入部10の先端に設けられるとともに第1ガス検知部11を有するプローブ13を含む。長尺部12は、筐体20のガス入口21とプローブ13とを接続する可撓性チューブ14により構成されている。また、第1実施形態では、ガス導入部10は、ポンプ15をさらに含む。
図1および図2に示すように、ガス導入部10は、ガス導入部10の先端に設けられるとともに第1ガス検知部11を有するプローブ13を含む。長尺部12は、筐体20のガス入口21とプローブ13とを接続する可撓性チューブ14により構成されている。また、第1実施形態では、ガス導入部10は、ポンプ15をさらに含む。
プローブ13は、先端に設けられた所定長さの管状のパイプ13aと、パイプ13aと接続された筒状の収容部13bと、を有する。パイプ13aは、金属などの硬質部材で構成されている。収容部13bは、第1ガス検知部11と、ポンプ15とを収容している。収容部13bは、一端にパイプ13aが設けられ、他端に可撓性チューブ14の先端と接続されるコネクタを有する。図2に示すように、収容部13bには、パイプ13aとの接続口13eと、可撓性チューブ14との接続口13fとが形成されている。収容部13bの内部には、接続口13eと接続口13fとを連通させる流路部13dが形成されている。流路部13dに、第1ガス検知部11と、ポンプ15とが配置されている。図1に示したように、収容部13bは、円筒形状を有し、円筒の外表面に、ユーザが手で把持するための把持部13cを有する。
図2に示すように、ポンプ15は、パイプ13aの先端からプローブ13内に被検知ガス1を吸引して、下流側へ送り出すように構成されている。ポンプ15の種類および構造は特に限定されない。ポンプ15から送り出された被検知ガス1が、長尺部12(可撓性チューブ14)、ガス入口21、第2ガス検知部25を通過して、排気口22へ送り出される。
第1ガス検知部11は、ガス導入部10に導入された被検知ガス1を検知するように構成されている。第1実施形態の第1ガス検知部11は、光学式ガス検知素子または気体熱伝導式ガス検知素子を有する。光学式ガス検知素子は、たとえばNDIR(Non Dispersive InfraRed)検知素子である。NDIR検知素子は、赤外線光源および受光部を備え、ガス分子の赤外線吸収特性に応じた吸光度の相違に基づいて被検知ガス1を検知するガス検知素子である。気体熱伝導式ガス検知素子は、不活性材料で被覆された発熱体(抵抗体)を備え、ガスの熱伝導度に応じた発熱体の温度変化の相違に基づいて被検知ガス1を検知するガス検知素子である。
可撓性チューブ14は、柔軟な樹脂材料により構成された中空で長尺の管状部材である。可撓性チューブ14(図1参照)は、一端にプローブ13(収容部13bの接続口13f)と接続されるコネクタを有し、他端に筐体20のコネクタ部23(ガス入口21)と接続されるコネクタを有する。可撓性チューブ14は、コネクタの係合および係合解除により、プローブ13および筐体20のコネクタ部23の各々と、着脱自在に接続される。ガス検知器100を使用しないときに、プローブ13と可撓性チューブ14とを筐体20から分離させることで、プローブ13、可撓性チューブ14および筐体20をコンパクトに収納できる。
次に、筐体20内の構成を説明する。
ガス流路24は、ガス入口21と排気口22とを接続している。ガス流路24は、ガスを流通させるための管状の内部空間を有し、管部材(ガスチューブ、パイプなど)の組み合わせにより構成されている。ガス流路24は、一端(上流端)がガス入口21と接続し、他端(下流端)が排気口22と接続している。
第2ガス検知部25は、ガス流路24に配置されている。第2ガス検知部25は、ガス流路24に導入された被検知ガス1を検知するように構成されている。第2ガス検知部25は、ガス流通経路における第1ガス検知部11および長尺部12よりも下流側の位置に配置されている。ガス流通経路は、ガス導入部10の一端(パイプ13aの先端)からガス流路24の他端の排気口22までの、ガス検知器100における被検知ガス1が流通する経路全体である。
第1ガス検知部11と第2ガス検知部25とは、被検知ガス1に対する感度特性が異なる。第2ガス検知部25は、第1ガス検知部11よりも被検知ガス1に対する感度が高い。第2ガス検知部25が検知可能な被検知ガス1の測定濃度範囲の下限は、第1ガス検知部11が検知可能な被検知ガス1の測定濃度範囲の下限よりも低い。
一例として、第1実施形態では、被検知ガス1は、燃料ガスである。第1ガス検知部11では、測定濃度範囲として、0%VOL~100%VOLでのVOL濃度値が検知される。第2ガス検知部25では、測定濃度範囲として、0%LEL~100%LELのLEL濃度値が検知される。LELは、爆発下限界(Lower Explosive Limit)の略語であり、100%LELがそのガス種における爆発下限界濃度値である。VOL濃度値は、単位体積当たりの被検知ガス1の割合(体積比)を百分率で示した値である。ガス種によるが、100%LELは、数%VOL程度である。
第2ガス検知部25は、ガス検知素子により構成されている。ガス検知素子は、被検知ガス1との接触により、被検知ガス1の濃度に応じた信号を出力する。ガス検知素子の種類は、特に限定されないが、第2ガス検知部25は、第1ガス検知部11よりも高濃度ガス耐性が低いガス検知素子を有する。
第2ガス検知部25に用いられるガス検知素子は、たとえば、接触燃焼式ガス検知素子、熱線型半導体式ガス検知素子、吸着効果トランジスタ(AET)式ガス検知素子、などがある。
一例として、第1実施形態では第2ガス検知部25が接触燃焼式ガス検知素子により構成されている。接触燃焼式ガス検知素子は、ヒータ電極を構成する貴金属線コイルに、燃焼触媒を担持させた金属酸化物からなる感応層が設けられた構造を有する。接触燃焼式ガス検知素子は、通電発熱により動作温度まで加熱された感応層が被検知ガス1に接触すると、触媒作用により被検知ガス1の接触燃焼を生じ、接触燃焼に伴う温度変化に起因して素子の電気抵抗値が変化する。この電気抵抗値の変化が、図示しない検出回路を介して、ガス濃度に応じた出力信号として制御部30により取得される。
(制御系)
ガス検知器100は、図3に示すように、上記した制御部30に加えて、記憶部31、電源部32、報知部33、表示部34、操作部35を備えている。制御部30、記憶部31、電源部32、報知部33、表示部34および操作部35は、筐体20内に収容されている。
ガス検知器100は、図3に示すように、上記した制御部30に加えて、記憶部31、電源部32、報知部33、表示部34、操作部35を備えている。制御部30、記憶部31、電源部32、報知部33、表示部34および操作部35は、筐体20内に収容されている。
制御部30は、CPUなどのプロセッサを含んでいる。記憶部31は、半導体記憶素子などにより構成されている。制御部30(プロセッサ)は、記憶部31に記憶された動作プログラムを実行することにより、ガス検知器100の全体を制御する制御部として機能する。制御部30は、ポンプ15の動作を制御する。制御部30は、第1ガス検知部11および第2ガス検知部25による検知動作の制御をそれぞれ行う。制御部30は、ガス検知タイミングで、第1ガス検知部11および第2ガス検知部25の各々に通電することにより、ガス検知部を活性化する制御を行う。そして、制御部30は、活性化状態におけるガス検知部の出力をガス検知結果として取得する。また、制御部30は、ガス検知タイミング以外では、第1ガス検知部11および第2ガス検知部25の各々に通電しないことにより、ガス検知部を不活性化する制御を行う。
記憶部31は、プログラムの他、ガス検知器100の設定情報、ガス検知結果の履歴情報などを記憶する。電源部32は、ガス検知器100の各部(制御部30、記憶部31、報知部33、表示部34、操作部35、ポンプ15、第1ガス検知部11および第2ガス検知部25)への電力供給を行う。第1実施形態のガス検知器100は、バッテリ式であり、電源部32は、電池および電力供給用の回路により構成されている。電源部32は、さらに、ガス検知器100の外部の商用電源などに接続可能であってもよい。
報知部33は、制御部30の制御の下、所定濃度以上の被検知ガス1が検知された場合などに報知信号を出力するように構成されている。報知部33は、たとえば音声信号を出力するスピーカ、光信号を出力するランプなどの1つ以上を含む。表示部34は、たとえば液晶モニタなどの表示装置を含む。操作部35は、機械式ボタンまたはタッチパネルなどの1つ以上の入力装置を含む。
制御部30は、操作部35を介して検知動作の開始指示などの入力操作を受け付ける。制御部30は、検知結果を表示部34に表示させる。検知結果は、被検知ガス1の濃度情報を含む。制御部30は、たとえば検知したガス濃度値が、LEL範囲(0%LEL~100%LEL)内で表示可能であれば、濃度情報をLEL濃度値で表示させ、LEL範囲を越えた高濃度値の場合、濃度情報をVOL濃度値で表示させる。検知結果は、被検知ガス1のガス種を示す情報をさらに含んでもよい。また、制御部30は、ガス検知器100の状態(バッテリ残量やエラーの有無)などの各種情報を表示部34に表示させる。
(制御部と第1ガス検知部との接続構造)
第1実施形態では、筐体20の制御部30と、ガス導入部10の第1ガス検知部11およびポンプ15とが、長尺部12を介して電気的に接続されている。
第1実施形態では、筐体20の制御部30と、ガス導入部10の第1ガス検知部11およびポンプ15とが、長尺部12を介して電気的に接続されている。
具体的には、図4に示すように、可撓性チューブ14は、被検知ガス1を流通させる流路41と、第1ガス検知部11と制御部30(図3参照)とを電気的に接続する電線42とを含む。可撓性チューブ14は、可撓性チューブ14の外表面を構成する管状の周壁部43を有し、周壁部43に囲まれた内部空間により流路41が構成されている。周壁部43と電線42の被覆部分とが一体化されている。これにより、流路41と電線42とが可撓性チューブ14に一体的に設けられている。なお、図1では可撓性チューブ14の形状を簡略化して、円形断面のチューブとして図示している。
これにより、流路41は、図2に示したように、筐体20のガス入口21とプローブ13の内部空間とを流体的に連通させるように接続している。電線42は、図3に示したように、コネクタ部23に設けられた端子部26を介して筐体20の制御部30と電気的に接続されるとともに、プローブ13(収容部13b)に設けられた端子部13gを介して第1ガス検知部11およびポンプ15と電気的に接続される。電線42は、1つまたは複数の導体線から構成される。電線42は、電気信号の伝送用電線、電力の伝送用電線などの複数の電線を含み得る。
制御部30は、電線42を介して、第1ガス検知部11およびポンプ15へ、電源部32の電力を供給し、第1ガス検知部11およびポンプ15をそれぞれ駆動するように構成されている。制御部30は、電線42を介して、第1ガス検知部11およびポンプ15の動作を制御するように構成されている。制御部30は、電線42を介して、第1ガス検知部11の出力を取得するように構成されている。制御部30は、第1ガス検知部11の出力に基づいて、プローブ13内に導入された被検知ガス1の濃度を取得するように構成されている。
(第2ガス検知部の保護制御)
制御部30は、第1ガス検知部11の検知結果に応じて第2ガス検知部25を保護する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部30は、第2ガス検知部25を活性化および不活性化のいずれかの状態に切り替えることにより第2ガス検知部25を保護するように構成されている。
制御部30は、第1ガス検知部11の検知結果に応じて第2ガス検知部25を保護する制御を行うように構成されている。具体的には、制御部30は、第2ガス検知部25を活性化および不活性化のいずれかの状態に切り替えることにより第2ガス検知部25を保護するように構成されている。
ガス検知部を活性化するとは、ガス検知部への通電によりガス検知部(ガス検知素子)の温度を所定の動作温度まで加熱することを意味する。ガス検知部を不活性化するとは、ガス検知部に通電せずにガス検知部(ガス検知素子)の温度を動作温度よりも低い温度にすることを意味する。
すなわち、図2において、制御部30は、ポンプ15により被検知ガス1を排気口22へ向けて流通させている状態で、所定の検知タイミングで第1ガス検知部11および第2ガス検知部25を活性化する。これにより、制御部30は、被検知ガス1が先に到達する第1ガス検知部11の出力を取得する。制御部30は、取得した第1ガス検知部11の出力を、第2ガス検知部25の保護制御を行うか否かを判定するための閾値と比較する。第1ガス検知部11の出力が、予め設定された閾値を越えた場合、制御部30は、第2ガス検知部25への通電を停止し、第2ガス検知部25を不活性化状態に切り替える。
この結果、第1ガス検知部11および長尺部12を通過した被検知ガス1が第2ガス検知部25に到達するタイミングでは、第2ガス検知部25が不活性化状態となる。第2ガス検知部25が不活性化状態のまま被検知ガス1に曝されるので、第2ガス検知部25が高濃度ガスによって劣化することから保護される。不活性化状態において、第2ガス検知部25は被検知ガス1を検知しない。
保護制御における経時的な流れを、図5を参照して説明する。被検知ガス1の導入開始(ポンプ15の動作開始)後、タイミングt1において、被検知ガス1が第1ガス検知部11に到達する。その後、タイミングt2において、制御部30により第1ガス検知部11の検知結果が取得される。そして、被検知ガス1が長尺部12を通過した後、タイミングt3において、被検知ガス1が第2ガス検知部25に到達する。制御部30は、タイミングt2の検知結果に基づいて高濃度ガスが検知されると、タイミングt3までに、第2ガス検知部25を不活性化状態に切り替える。
このように、長尺部12は、タイミングt3よりも前の時点で第2ガス検知部25を不活性化状態に切り替えることが可能なように、タイミングt1からタイミングt3までの時間長さを大きくする(タイミングt3を遅らせる)。第1実施形態では、長尺部12は、第1ガス検知部11を通過した被検知ガス1が第2ガス検知部25に到達するのに要する時間(t1からt3までの時間長さ)が、第2ガス検知部25の保護制御を実行するのに要する時間よりも大きくなるように、所定長さを有する。
言い換えると、長尺部12は、ポンプ15の制御による被検知ガス1の流速(設定値)と、被検知ガス1が第1ガス検知部11に到達してから第2ガス検知部25を不活性化状態に切り替える制御を行うまでに要する時間(設計値)と、から求められる被検知ガス1の移動距離よりも、第1ガス検知部11から長尺部12までの経路長と、長尺部12の長さと、ガス入口21から第2ガス検知部25までの経路長との合計距離が、大きくなるような長さに設定されている。また、長尺部12の長さは、長尺部12の内径(流路41の内径)と、ポンプ15の吸引流量との関係(バランス)を考慮して決定される。
たとえば、長尺部12の長さは、ガス入口21から第2ガス検知部25までのガス流路24の経路長よりも大きい。たとえば、長尺部12の長さは、筐体20内のガス流路24の経路長(ガス入口21から排気口22までの経路長)よりも大きい。
第1実施形態では、筐体20内のガス流路24には、長尺部が設けられておらず、ガス導入部10の長尺部12によって、第2ガス検知部25へのガスの到達時間(タイミングt1からタイミングt3までの時間長さ)を調整している。
(ガス検知器の動作)
次に、図6を参照して、第1実施形態のガス検知器100の動作制御について説明する。以下の制御は、制御部30によって実行される。なお、以下の説明において、ガス検知器100の各部の構成については、図1~図3を参照する。
次に、図6を参照して、第1実施形態のガス検知器100の動作制御について説明する。以下の制御は、制御部30によって実行される。なお、以下の説明において、ガス検知器100の各部の構成については、図1~図3を参照する。
ステップS1において、制御部30は、ポンプ15の駆動を開始する。制御部30は、たとえば操作部35に対する検知動作開始の操作入力を受け付けることにより、駆動開始の処理を実行する。
ステップS2において、制御部30は、各ガス検知部(第1ガス検知部11、第2ガス検知部25)に通電し、各ガス検知部を活性化する制御を行う。
ステップS3において、制御部30は、第1ガス検知部11において高濃度ガスを検知したか否かを判断する。すなわち、制御部30は、第1ガス検知部11の出力が閾値を上回ったか否かを判断する。
ステップS3において第1ガス検知部11の出力が閾値を上回ったと判断した場合、制御部30は、ステップS4において、第2ガス検知部25を不活性化する制御を行う。つまり、制御部30は、第2ガス検知部25への通電を停止する。これにより、第2ガス検知部25が高濃度ガスから保護される。
一方、ステップS3において第1ガス検知部11の出力が閾値を上回っていないと判断した場合、制御部30は、ステップS5において、第2ガス検知部25の活性化(通電)を継続する制御を行う。
ステップS6において、制御部30は、各ガス検知部(第1ガス検知部11、第2ガス検知部25)からの出力に基づき、検知結果のデータ処理を行う。制御部30は、第1ガス検知部11の出力に基づくガス濃度値(VOL濃度値)を算出する。制御部30は、第2ガス検知部25の出力に基づくガス濃度値(LEL濃度値)を算出する。なお、制御部30がステップS4で第2ガス検知部25を保護する制御を行った場合(つまり、高濃度ガスであった場合)、第2ガス検知部25の出力に基づく検知結果は取得されない。
ステップS7において、制御部30は、取得した検知結果を、表示部34に出力(表示)する制御を行う。検知結果が、第2ガス検知部25による測定可能範囲内の低濃度である場合、表示部34にLEL濃度値が表示される。検知結果が、第2ガス検知部25による測定可能範囲を越えた場合、表示部34にVOL濃度値が表示される。また、制御部30は、ガス濃度値が予め設定された報知閾値以上の高濃度である場合、報知部33により報知信号(報知音など)を出力する。以上により、ガス検知器100の検知動作が完了する。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1実施形態では、上記のように、第1ガス検知部11の検知結果に応じて第2ガス検知部25を保護する制御を行う構成において、第1ガス検知部11および長尺部12が筐体20の外部のガス導入部10に設けられるので、筐体20内に第1ガス検知部11および長尺部12を収容する必要がなくなる。そのため、高濃度の被検知ガス1が第1ガス検知部11で検知されてから第2ガス検知部25に到達するまでの時間を確保するために十分な長さの長尺部12を設ける場合でも、筐体20が大型になることを回避できる。また、第1ガス検知部11および長尺部12を筐体20に収容する必要がないので、筐体構造を簡素化できる。その結果、上流側の第1ガス検知部11および長尺部12により下流側の第2ガス検知部25を保護する機能を設ける場合でも、筐体20が大型になることおよび筐体構造が複雑になることを抑制できる。さらに、筐体20から離れた位置に存在する検知対象ガスを含む大気を採取するための長尺部12が、第2ガス検知部25を保護する機能を兼ねることになるので、ガス検知器が大型になることおよび筐体構造が複雑になることを抑制できる。
また、第1実施形態では、上記のように、長尺部12は、被検知ガス1を流通させる流路41と、第1ガス検知部11と制御部30とを電気的に接続する電線42とを含む。これにより、第1ガス検知部11が設けられたガス導入部10と制御部30が収容された筐体20との間で、流路41と電線42とを別々に接続する必要がなく、流路41と電線42とを長尺部12にまとめることができるので、装置構成を簡素化できる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1ガス検知部11は、光学式ガス検知素子または気体熱伝導式ガス検知素子を有する。これらのガス検知素子は、ガス検知に化学反応や触媒反応が伴わないため、高濃度ガスに対する耐性が高い。そのため、高濃度ガスに対する耐性が高い(すなわち、高濃度ガスに曝されても劣化しにくい)ガス検知素子を第1ガス検知部11に設けることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、ガス導入部10は、ガス導入部10の先端に設けられるとともに第1ガス検知部11を有するプローブ13を含み、長尺部12は、筐体20のガス入口21とプローブ13とを接続する可撓性チューブ14を含む。これにより、筐体20から離れた位置に存在する検知対象ガスを含む大気を採取するためのプローブ13と可撓性チューブ14とを含む延長アタッチメントに、ガス導入部10としての機能を設けることができる。すなわち、プローブ13に第1ガス検知部11を設けることで、プローブ13を単なるガス導入管としてではなく、第1ガス検知部11を収容する収容体として構成できる。そして、プローブ13の移動範囲を延長するための可撓性チューブ14を、第2ガス検知部25へのガスの到達遅延を発生させるための長尺部12として構成できる。これにより、プローブ13と可撓性チューブ14とを含む延長アタッチメントとは別に第1ガス検知部11の収容体および長尺部12を設ける場合と比べて、ガス検知器100の全体の大型化を効果的に抑制できる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1ガス検知部11と第2ガス検知部25とは、被検知ガス1に対する感度特性が異なり、第2ガス検知部25は、第1ガス検知部11よりも高濃度ガス耐性が低いガス検知素子を有する。これにより、長尺部12による到達遅延させたガスが第2ガス検知部25へ到達するまでに、第1ガス検知部11の検知結果に応じて第2ガス検知部25の保護制御を行うことにより、第1ガス検知部11よりも高濃度ガス耐性が低いガス検知素子を高濃度ガスによる劣化から保護することができる。
[第2実施形態]
次に、図7~図9を参照して、第2実施形態によるガス検知器200の構成について説明する。第2実施形態では、筐体20の電源部32から第1ガス検知部11に電力供給を行う上記第1実施形態とは異なり、ガス導入部110のプローブ113に電源部131を設けてプローブ113単独でガス検知が可能なように構成した例について説明する。なお、第2実施形態では、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
次に、図7~図9を参照して、第2実施形態によるガス検知器200の構成について説明する。第2実施形態では、筐体20の電源部32から第1ガス検知部11に電力供給を行う上記第1実施形態とは異なり、ガス導入部110のプローブ113に電源部131を設けてプローブ113単独でガス検知が可能なように構成した例について説明する。なお、第2実施形態では、上記第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
図7に示すように、第2実施形態のガス検知器200は、ガス導入部110が、単独でガス検知可能に構成されたプローブ113を含む。
すなわち、プローブ113は、第1ガス検知部11およびポンプ15に加えて、プローブ制御部130、電源部131、操作部132および報知部133をさらに備える。
プローブ制御部130は、CPUなどのプロセッサを含む。プローブ制御部130は、第1ガス検知部11、ポンプ15および報知部133を制御する。プローブ制御部130は、長尺部12(電線42)を介して筐体20の制御部30と通信可能に接続されている。
電源部131は、プローブ113の各部(第1ガス検知部11、ポンプ15、プローブ制御部130、および報知部133)への電力供給を行う。電源部131は、電池および電力供給用の回路により構成されている。第2実施形態では、たとえば筐体20の電源部32に商用電源(外部電源)との接続部を設け、長尺部12(電線42)を介して商用電源から供給される電力によって、電源部131に装着された二次電池を充電可能であってもよい。
操作部132は、入力操作を受け付けるスイッチを含む。プローブ制御部130は、プローブ113が単独で動作する場合に、操作部132への操作入力に応じてガス検知の制御開始と停止とを切り替える。報知部133は、たとえばスピーカを含む。
このような構成により、第2実施形態のガス検知器200は、図8に示すように、長尺部12を介してプローブ113を筐体20に接続して、第1ガス検知部11および第2ガス検知部25の両方によりガス検知を行う第1検知モード(図8(A)参照)で動作が可能である。第1検知モードでのガス検知動作は、上記した第1実施形態のガス検知器100によるガス検知動作と実質的に同じである。
第1検知モードでは、電線42を介した制御部30からの制御信号により、第1ガス検知部11およびポンプ15が制御される。これにより、制御部30の制御によって、第1検知モードによる検知動作が実行される。第1検知モードにおける、第2ガス検知部25の保護制御の内容は、上記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。第1検知モードでは、プローブ制御部130が検知動作の制御を行わないため、図8(A)においてプローブ制御部130を破線で示している。
第2実施形態のガス検知器200は、プローブ113と長尺部12との接続が解除された状態で、第1ガス検知部11のみによりガス検知を行う第2検知モード(図8(B)参照)で動作が可能である。
第2検知モードでは、操作部132(図7参照)への操作入力に応じて、プローブ制御部130により、第1ガス検知部11およびポンプ15が制御される。ポンプ15の吸引力(負圧)によって、プローブ113(パイプ13a)の先端から被検知ガス1がプローブ113内に導入され、流路部13dにおいて第1ガス検知部11およびポンプ15を通過した後、プローブ113の他端(収容部13bの接続口13f)から被検知ガス1が排出される。プローブ制御部130は、ガス検知タイミングで、第1ガス検知部11に通電することにより、被検知ガス1の検知を行う。プローブ制御部130は、第1検知モードでの動作中に所定濃度以上の被検知ガス1が検知された場合に、報知部133による報知制御を行う。第2検知モードでの動作中、筐体20では、ガス検知動作は行われない。そのため、図8(B)において制御部30を破線で示している。
これにより、ユーザは、図9に示すように、プローブ113を長尺部12および筐体20から分離させて、収容部13bの把持部13cを把持して持ち運ぶことで、プローブ113をハンディ型の簡易ガス検知器として使用することができる。ユーザは、たとえばガス漏れ検査の前に、第2検知モードによって、検査箇所の位置や数を決定するための予備的な検知を行うことができる。その際、長尺部12や筐体20にプローブ113の移動範囲を制限されることなくプローブ113のみの簡易的かつ最小限の構成で検知作業を実行できる。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、第1ガス検知部11の検知結果に応じて第2ガス検知部25を保護する制御を行う構成において、第1ガス検知部11および長尺部12が筐体20の外部のガス導入部110に設けられるので、筐体20が大型になることを回避できる。また、第1ガス検知部11および長尺部12を筐体20に収容する必要がないので、筐体構造を簡素化できる。その結果、上流側の第1ガス検知部11および長尺部12により下流側の第2ガス検知部25を保護する機能を設ける場合でも、筐体20が大型になることおよび筐体構造が複雑になることを抑制できる。さらに、筐体20から離れた位置に存在する検知対象ガスを含む大気を採取するための長尺部12が、第2ガス検知部25を保護する機能を兼ねることになるので、ガス検知器が大型になることおよび筐体構造が複雑になることを抑制できる。
第2実施形態では、上記第1実施形態と同様に、第1ガス検知部11の検知結果に応じて第2ガス検知部25を保護する制御を行う構成において、第1ガス検知部11および長尺部12が筐体20の外部のガス導入部110に設けられるので、筐体20が大型になることを回避できる。また、第1ガス検知部11および長尺部12を筐体20に収容する必要がないので、筐体構造を簡素化できる。その結果、上流側の第1ガス検知部11および長尺部12により下流側の第2ガス検知部25を保護する機能を設ける場合でも、筐体20が大型になることおよび筐体構造が複雑になることを抑制できる。さらに、筐体20から離れた位置に存在する検知対象ガスを含む大気を採取するための長尺部12が、第2ガス検知部25を保護する機能を兼ねることになるので、ガス検知器が大型になることおよび筐体構造が複雑になることを抑制できる。
また、第2実施形態では、上記のように、プローブ113は、被検知ガス1を流通させるポンプ15および電源部131をさらに含み、可撓性チューブ14から分離して筐体20とは別個にガス検知を実行可能に構成されている。これにより、プローブ113が第1ガス検知部11を有することを利用して、プローブ113を可撓性チューブ14および筐体20から分離させてプローブ113単体を簡易的なガス検知器として機能させることができる。このため、プローブ113単体(第1ガス検知部11のみ)でガス検知を行う使用態様(第2検知モード)と、プローブ113を可撓性チューブ14に接続して第1ガス検知部11および第2ガス検知部25の両方でガス検知を行う使用態様(第1検知モード)と、を使い分けることが可能になる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記第1および第2実施形態では、長尺部12が、被検知ガス1を流通させる流路41と、第1ガス検知部11と制御部30とを電気的に接続する電線42とを含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、長尺部12には、電線42を設けなくてもよい。つまり、長尺部12とは別個に、第1ガス検知部11と制御部30とを電気的に接続する電線42を設けてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、第1ガス検知部11が、光学式ガス検知素子または気体熱伝導式ガス検知素子を有する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ガス検知部11が、光学式ガス検知素子および気体熱伝導式ガス検知素子以外のガス検知素子を有していてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ガス導入部10(110)が、第1ガス検知部11を有するプローブ13(113)を含み、長尺部12が可撓性チューブ14を含む例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明のガス導入部10は、プローブ13を備えていなくてもよい。また、長尺部12は、可撓性チューブ14以外により構成されていてもよいし、長尺部12が可撓性チューブ14と可撓性チューブ14以外の部材とにより構成されていてもよい。ガス導入部10は、被検知ガスを導入する一端および被検知ガスを導出する他端を有しており、第1ガス検知部と長尺部とを含んでいれば、どのような構造を有していてもよい。ガス導入部10は、構造上、一端と他端との間でガスを流通させる中空部を含んでいればよく、その中空部をガスが流通する過程で第1ガス検知部により被検知ガスを検知でき、かつ、第1ガス検知部よりも他端側に長尺部が設けられていればよい。
また、上記第2実施形態(図9)では、プローブ113がパイプ13aと円筒状の収容部13bとを備えたガス導入部材として構成された例を示したが、本発明はこれに限られない。プローブ113は、図10に示すように、筐体20(第1ガス検知器)と組み合わせて使用可能なハンディ型のガス検知器(第2ガス検知器)であってもよい。プローブ113は、操作者が把持可能な直方体状の収容部13b内に、第1ガス検知部11、ポンプ15、電源部131等を収容する。収容部13bの先端部にパイプ13aが接続され、収容部13bの側面に長尺部12との接続口13fが形成されている。第1検知モードでは、長尺部12によりプローブ113が筐体20と接続される。第2検知モードでは、プローブ113と長尺部12との接続が解除された状態で、プローブ113が単独でガス検知を行う。接続口13fは、第2検知モードにおける排気口として機能する。なお、図10では、便宜的に、プローブ制御部130および報知部133の図示を省略している。
また、上記第1および第2実施形態では、第1ガス検知部11がプローブ13(113)内に設けられる例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ガス検知部11がプローブ13以外に設けられてもよい。たとえば、ガス導入部10に、プローブ13および可撓性チューブ14に加えて、プローブ13と可撓性チューブ14との間を接続する接続部材を設け、第1ガス検知部11を接続部材に設けてもよい。第1ガス検知部11は、ガス導入部10における長尺部12よりも一端(先端)側に設けられていればよい。また、プローブ13がパイプ13aと収容部13bとから構成されている場合に、第1ガス検知部11がパイプ13aに設けられていてもよい。なお、プローブ13はパイプ13aと収容部13bとから構成されていなくてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ガス導入部10(プローブ13)にポンプ15を設ける例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、筐体20内のガス流路24にポンプ15を設けてもよい。また、ガス導入部10(プローブ13)と筐体20内のガス流路24とに、それぞれポンプ(つまり、第1ポンプと第2ポンプと)を設けてもよい。
また、上記第1および第2実施形態(図6参照)では、第2ガス検知部25を保護する制御について、第2ガス検知部25を活性化しておき(ステップS2)、高濃度ガスが検知された場合に第2ガス検知部25を不活性化する(ステップS4)例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第2ガス検知部25を不活性化しておき、第1ガス検知部11において高濃度ガスが検知された場合には第2ガス検知部25を不活性化されたままにし、低濃度ガスが検知された場合にだけ第2ガス検知部25を活性化してもよい。
また、上記第1および第2実施形態(図6参照)では、第2ガス検知部25を不活性化することにより、第2ガス検知部25を保護する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、たとえば筐体20のガス流路24における第2ガス検知部25の上流側に、ガス導入部10から導入された採取空気を希釈する希釈部を設けてもよい。第1ガス検知部11により採取空気中に高濃度の被検知ガス1が検知された場合、制御部30が、希釈部において、希釈用ガスにより採取空気を希釈する制御を行う。希釈用ガスは、被検知ガス1の濃度が護制御を行うか否かを判定するための閾値よりも低いガスである、希釈用ガスは、採取箇所から離れた筐体20の付近の空気であってもよいし、ガスボンベなどから供給されるガスであってもよい。希釈により、第2ガス検知部25に到達する際の被検知ガス1の濃度が低下するので、第2ガス検知部25が高濃度ガスに曝されることを回避できる。この場合、制御部30および希釈部が、特許請求の範囲の「制御手段」の一例である。
また、ガス流路24に、第2ガス検知部25を通過して排気口22につながる第1経路と、第2ガス検知部25を通過せずに排気口22につながる第2経路と、を並列で設けるとともに、ガス入口の接続先を第1経路と第2経路とに切り替える流路切替弁を設けてもよい。第1ガス検知部11により採取空気中に高濃度の被検知ガス1が検知された場合、制御部30が、ガス入口21を第2経路と接続するように流路切替弁を切り替える制御を行う。これにより、高濃度の被検知ガス1が第2ガス検知部25に到達せずに排出されるので、第2ガス検知部25が高濃度ガスに曝されることを回避できる。この場合、制御部30および流路切替弁が、特許請求の範囲の「制御手段」の一例である。
また、上記第1および第2実施形態では、第1ガス検知部11と第2ガス検知部25との2つのガス検知部を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、3つ以上のガス検知部を設けてもよい。この場合、設けられる検知部に応じて、1つのガス検知部(第2ガス検知部)を保護する制御を行ってもよく、2つ以上のガス検知部(第2ガス検知部)を保護する制御を行ってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、被検知ガス1の濃度値を検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、被検知ガス1の濃度値を検知することに加えて、さらに被検知ガス1に含まれるガス種を識別してもよい。たとえば、ガス種に対する感度特性の異なる複数のガス検知部の検知結果に基づいて、採取空気中に含まれる被検知ガス1のガス種を識別してもよい。また、たとえばガスクロマトグラフィーの原理を利用して採取空気中に含まれるガスを成分毎に分離し、分離された成分ガスを別個に検知することによって、採取空気中に含まれる被検知ガス1のガス種および濃度値を識別してもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、第1ガス検知部11と第2ガス検知部25とが、同一種の被検知ガス1を検知する例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、第1ガス検知部11と第2ガス検知部25とで検知するガス種が異なっていてもよい。たとえば、第1ガス検知部11は、第2ガス検知部25の劣化を促進する特定のガス種を第1被検知ガスとして検知する保護制御専用のガス検知部であり、第2ガス検知部25が第1被検知ガス以外の他のガス種を第2被検知ガスとして検知してもよい。この場合、ガス検知器としては第2被検知ガスの検知を行うが、採取空気中に第1被検知ガスが混入していることを検知した場合に第2ガス検知部25を保護する制御を制御部30が行ってもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、被検知ガス1が燃料ガスである例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明において、被検知ガスの種類は、特に限定されない。高濃度の被検知ガスに起因して第2ガス検知部25の劣化が促進される場合には、本発明が適用可能である。
また、上記第1実施形態では、制御部30が筐体20内に設けられた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、制御部30がプローブ13(収容部13b)に設けられていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、パイプ13aが金属などの硬質部材で構成された例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、パイプ13aが可撓性チューブや軟質材料から構成されてもよく、それらを組み合わせてもよい。また、パイプ13aは、その長さを変更可能な構造(たとえばジャバラ構造や、内管を引き出し可能な多重管構造など)であってもよい。
また、上記第2実施形態では、筐体20に電源部32を設け、プローブ113に電源部131を設けた例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、筐体20には電源部32を設けず、電源部131のみで筐体20内の各部が駆動されるように構成されていてもよい。
また、上記第1および第2実施形態では、ガス検知器100(200)が可搬型、簡易定置式のガス検知器である例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ガス検知器100(200)がハンディ型のガス検知器であってもよい。
1 被検知ガス
10、110 ガス導入部
11 第1ガス検知部
12 長尺部
13、113 プローブ
14 可撓性チューブ
15 ポンプ
20 筐体
21 ガス入口
22 排気口
24 ガス流路
25 第2ガス検知部
30 制御部(制御手段)
41 流路
42 電線
100、200 ガス検知器
131 電源部
10、110 ガス導入部
11 第1ガス検知部
12 長尺部
13、113 プローブ
14 可撓性チューブ
15 ポンプ
20 筐体
21 ガス入口
22 排気口
24 ガス流路
25 第2ガス検知部
30 制御部(制御手段)
41 流路
42 電線
100、200 ガス検知器
131 電源部
Claims (6)
- 被検知ガスを導入する一端および前記被検知ガスを導出する他端を有するガス導入部と、
前記ガス導入部の前記他端が接続されるガス入口と排気口とを有する筐体と、
前記被検知ガスの検知動作を制御する制御手段と、を備え、
前記ガス導入部は、
前記ガス導入部に導入された前記被検知ガスを検知する第1ガス検知部と、
前記第1ガス検知部よりも前記他端側に配置され、前記第1ガス検知部から前記ガス入口に送られる前記被検知ガスの到達遅延を生じさせる長尺部とを含み、
前記筐体は、
前記ガス入口と前記排気口とを接続するガス流路と、
前記ガス流路に配置され前記被検知ガスを検知する第2ガス検知部と、を収容し、
前記制御手段は、前記第1ガス検知部の検知結果に応じて前記第2ガス検知部を保護する制御を行うように構成されている、ガス検知器。 - 前記制御手段は、前記筐体内に収容されており、
前記長尺部は、前記被検知ガスを流通させる流路と、前記第1ガス検知部と前記制御手段とを電気的に接続する電線とを含む、請求項1に記載のガス検知器。 - 前記第1ガス検知部は、光学式ガス検知素子または気体熱伝導式ガス検知素子を有する、請求項1または2に記載のガス検知器。
- 前記ガス導入部は、前記ガス導入部の先端に設けられるとともに前記第1ガス検知部を有するプローブを含み、
前記長尺部は、前記筐体の前記ガス入口と前記プローブとを接続する可撓性チューブを含む、請求項1~3のいずれか1項に記載のガス検知器。 - 前記プローブは、
前記被検知ガスを流通させるポンプおよび電源部をさらに含み、
前記可撓性チューブから分離して前記筐体とは別個にガス検知を実行可能に構成されている、請求項4に記載のガス検知器。 - 前記第1ガス検知部と前記第2ガス検知部とは、前記被検知ガスに対する感度特性が異なり、前記第2ガス検知部は、前記第1ガス検知部よりも高濃度ガス耐性が低いガス検知素子を有する、請求項1~5のいずれか1項に記載のガス検知器。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021203585A JP2023088687A (ja) | 2021-12-15 | 2021-12-15 | ガス検知器 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2021203585A JP2023088687A (ja) | 2021-12-15 | 2021-12-15 | ガス検知器 |
Publications (1)
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ID=86935185
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2021203585A Pending JP2023088687A (ja) | 2021-12-15 | 2021-12-15 | ガス検知器 |
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Country | Link |
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2021
- 2021-12-15 JP JP2021203585A patent/JP2023088687A/ja active Pending
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