JP2023088168A - 連続体の挙動解析装置、連続体の挙動解析方法、及びプログラム - Google Patents

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Abstract

Figure 2023088168000001
【課題】塑性変形が可能な連続体を含む複数の異なる連続体の挙動を解析する。
【解決手段】多数要素に分割された変形可能な第1の連続体モデルと、第1の連続体モデルに接触可能で、かつ塑性変形が可能な弾塑性体又は塑性体を示す複数の粒子の集合により形成した第2の連続体モデルと、接触条件とを設定する設定部(11)と、第1の連続体モデルの一部と第2の連続体モデルとの転動およびせん断計算を実行する転動・せん断計算実行部(12)と、第2の連続体モデルの複数の粒子と第1の連続体モデルの要素との相互作用力を導出し、第2の連続体モデルの複数の粒子と第1の連続体モデルの要素との相互作用力に基づいて、第1の連続体モデル及び第2の連続体モデルを連成する連成部(13)と、を備えた連続体の挙動解析装置(10)。
【選択図】図1

Description

本開示は、連続体の挙動解析装置、連続体の挙動解析方法、及びプログラムに関する。
従来より、流体及び個体等の連続体に関する運動について、種々の数値解析によるシミュレーションが行われている。この連続体の一例としてゴムなどの弾性体のブロックを含むタイヤの挙動解析では、タイヤが接触する路面周辺の解析が重要であり、タイヤと路面との間に液体等の介在物が介在した状態で、有限要素法等の数値解析手法によりタイヤの挙動を解析する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。また、タイヤと路面との間に液体等の介在物が介在した状態で、粒子法により介在物の挙動を解析する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
一方、タイヤ表面と路面との間に介在する介在物には、水等の液体である流体のみならず、水が固体化した雪があり、雪は、液体とは異なる挙動を示す。このような液体と異なる挙動を示す雪について、粒子法による数値解析手法により雪の挙動を解析する技術も知られている(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
Alexy Stomakhin, Craig Schroeder, Lawrence Chai, Joseph Teran, Andrew Selle, "A material point method for snow simulation", ACM Transactions on Graphics, Vol.32, No.4, 2013 J. A. Nairn, "Material point method calculations with explicit cracks", CMES, Vol.4, No.6, 2003
特開2011-201390号公報 特開2011-252748号公報
ところで、複数の連続体同士が接する状況下では、連続体同士の相互作用により少なくとも一方が変形する。連続体の挙動を解析する場合、例えば、雪上路面をタイヤが走行する状態の解析では、雪上路面を構成する雪とタイヤとの各々を連続体として、タイヤと塑性変形する雪との相互作用を考慮することが要求される。このため、雪等を含む連続体に関して、例えば摩擦等を考慮して連続体の挙動を解析するには、タイヤと雪との接触部位における詳細な解析が要求される。時々刻々と変化する連続体の相変化を考慮することが必要である。しかし、例えば、連続体をメッシュ分割して数値解析することは、分割した要素数に応じて計算負荷が増加することを招く。従って、塑性変形が可能な連続体を含む複数の異なる連続体の挙動を解析するのには改善の余地がある。
本開示は、上記事実を考慮して、塑性変形が可能な連続体を含む複数の異なる連続体の挙動を解析することができる連続体の挙動解析装置、連続体の挙動解析方法、及びプログラムを得ることが目的である。
本開示の第1態様は、所定要素サイズの多数要素に分割された所定形状の変形可能な第1の連続体モデルと、前記第1の連続体モデルの少なくとも一部に接触可能で、かつ塑性変形が可能な弾塑性体又は塑性体を少なくとも含む流体を示す所定サイズの複数の粒子の集合により形成した第2の連続体モデルと、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの接触に関係する接触条件と、を設定する設定部と、前記第1の連続体モデルの一部と前記第2の連続体モデルとを接触させて前記第1の連続体モデル及び前記第2の連続体モデルを所定方向に相対的に予め定めた移動量だけ移動させて前記設定部で設定された前記接触条件に基づいて、転動およびせん断計算を実行する転動・せん断計算実行部と、前記転動・せん断計算の計算結果に基づいて、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間に生じる前記第2の連続体モデルの複数の粒子と前記第1の連続体モデルの要素との相互作用力を導出し、導出した前記相互作用力に基づいて、前記第1の連続体モデル及び前記第2の連続体モデルを連成する連成部と、を備えた連続体の挙動解析装置である。
第1態様によれば、塑性変形が可能な連続体を含む複数の異なる連続体の挙動を解析することが可能となる。
本開示の第2態様は、第1態様に記載の連続体の挙動解析装置において、前記第1の連続体モデルは、格子法を用いて解析可能なモデルを適用し、前記第2の連続体モデルは、物質点法による粒子法を用いて解析可能なモデルを適用する。
第2態様によれば、格子法と粒子法との異なる解析法を用いた連続体の解析が可能となる。
本開示の第3態様は、第2態様に記載の連続体の挙動解析装置において、前記第1の連続体モデルは、弾性体を示すブロックモデルを適用し、前記第2の連続体モデルは、少なくとも雪を含む流体を示す流体モデルを適用する。
第3態様によれば、塑性変形が可能な弾塑性体又は塑性体として表現される雪上路面を詳細に解析することが可能となる。
本開示の第4態様は、第3態様に記載の連続体の挙動解析装置において、前記ブロックモデルは、タイヤの一部を示すタイヤモデルを適用し、前記流体モデルは、雪路面を示す雪上路面モデルを適用する。
第4態様によれば、雪上路面と雪上路面を転動するタイヤとに関する挙動解析が可能となる。
本開示の第5態様は、第1態様から第4態様の何れか1態様に記載の連続体の挙動解析装置において、前記第1の連続体モデルの一部には、塑性変形が可能な弾塑性体又は塑性体を少なくとも含む流体を示す所定サイズの複数の粒子の集合により形成した第3の連続体モデルが付着され、前記連成部は、前記第1の連続体モデルの一部と前記第2の連続体モデルとが接触されたとき、前記第2の連続体モデルと前記第3の連続体モデルとが不連続面を介在した異なる連続体として扱う。
第5態様によれば、第2の連続体モデルと、第2の連続体モデルに接触する第3の連続体モデルとを、異なる連続体として扱うことで、塑性変形が可能な弾塑性体又は塑性体を少なくとも含む流体に不連続面を考慮して連続体の挙動解析が可能となる。
本開示の第6態様は、第1態様から第4態様の何れか1態様に記載の連続体の挙動解析装置において、前記接触条件は、前記第1の連続体モデルが前記第2の連続体モデルに貫入することを示す条件と、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間における摩擦に関係する条件とを含み、前記連成部は、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの貫入量に基づいて、反発力と摩擦力とを含む相互作用力を導出する。
第6態様によれば、第1の連続体モデルと第2の連続体モデルとの間における相対的に緩衝する部位を考慮してより詳細に連続体の挙動解析が可能となる。
本開示の第7態様は、第1態様から第6態様の何れか1態様に記載の連続体の挙動解析装置において、前記連成部は、前記第2の連続体モデルの粒子が前記第1の連続体モデルの表面に接触又は所定距離接近し、かつ接触又は接近後に離間した場合、前記第2の連続体モデルの粒子を前記第1の連続体モデルの表面に凝着させる凝着力を与える。
第7態様によれば、第1の連続体モデルと第2の連続体モデルとが相対的に移動する場合に、第2の連続体モデルの少なくとも一部が第1の連続体モデルの表面に凝着することに関する挙動解析が可能となる。
本開示の第8態様は、第1態様から第7態様の何れか1態様に記載の連続体の挙動解析装置において、前記連成部は、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間の相互作用力に基づいて、摩擦性能の指標値を求める。
第8態様によれば、連続体同士が接触した場合に生じる摩擦性能を解析することが可能となる。
本開示の第9態様は、コンピュータが、所定要素サイズの多数要素に分割された所定形状の変形可能な第1の連続体モデルと、前記第1の連続体モデルの少なくとも一部に接触可能で、かつ塑性変形が可能な弾塑性体又は塑性体を少なくとも含む流体を示す所定サイズの複数の粒子の集合により形成した第2の連続体モデルと、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間における接触に関係する接触条件と、を設定し、前記第1の連続体モデルの一部と前記第2の連続体モデルとを接触させて前記第1の連続体モデル及び前記第2の連続体モデルを所定方向に相対的に予め定めた移動量だけ移動させて前記設定部で設定された前記接触条件に基づいて、転動・せん断計算を実行し、前記転動・せん断計算の計算結果に基づいて、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間に生じる前記第2の連続体モデルの複数の粒子と前記第1の連続体モデルの要素との相互作用力を導出し、導出した前記相互作用力に基づいて、前記第1の連続体モデル及び前記第2の連続体モデルを連成する連続体の挙動解析方法である。
本開示の第10態様は、連続体の挙動を解析するためのプログラムであって、所定要素サイズの多数要素に分割された所定形状の変形可能な第1の連続体モデルと、前記第1の連続体モデルの少なくとも一部に接触可能で、かつ塑性変形が可能な弾塑性体又は塑性体を少なくとも含む流体を示す所定サイズの複数の粒子の集合により形成した第2の連続体モデルと、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間における接触に関係する接触条件と、を設定し、前記第1の連続体モデルの一部と前記第2の連続体モデルとを接触させて前記第1の連続体モデル及び前記第2の連続体モデルを所定方向に相対的に予め定めた移動量だけ移動させて設定された前記接触条件に基づいて、転動・せん断計算を実行し、前記転動・せん断計算の計算結果に基づいて、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間に生じる前記第2の連続体モデルの複数の粒子と前記第1の連続体モデルの要素との相互作用力を導出し、導出した前記相互作用力に基づいて、前記第1の連続体モデル及び前記第2の連続体モデルを連成することを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラムである。
なお、本開示のプログラムを記憶する記憶媒体は、特に限定されず、ハードディスクであってもよいし、ROMであってもよい。また、CD-ROMやDVDディスク、光磁気ディスク及びICカードの何れの媒体であってもよい。さらにまた、該プログラムを、ネットワークに接続されたサーバ等からダウンロードするようにしてもよい。
本開示によれば、相変化可能な連続体を含む複数の異なる連続体が接触する場合における連続体の挙動解析を容易にすることができる。
実施形態に係る挙動解析装置の一例を示す図である。 ブロックモデル及び雪体モデルの一例を示す図である。 連続体を粒子と格子点とにより表現した一例を図である。 雪体のせん断解析に関する図である。 不連続を考慮しない雪体モデルの解析過程を示す図である。 不連続を考慮した雪体モデルの解析過程を示す図である。 ブロックモデルと雪体モデルとの間の摩擦に関する概念を示す図である。 流体粒子を示す仮想粒子の構成の一例を示す図である。 摩擦に関係する解析結果の一例を示す図である。 ブロックモデルの一例を示す図である。 ブロックモデルへの流体粒子の凝着に関する概念を示す図である。 凝着力に関係する特性の一例を示す図である。 ブロックモデルと雪体との挙動の解析に関する図である。 挙動解析装置として機能するコンピュータ構成の一例を示す図である。 挙動解析処理の流れの一例を示すフローチャートである。 雪上路面をタイヤが移動することを模式的に示す図である。
以下、図面を参照して本開示の技術を実現する実施形態を詳細に説明する。なお、作用、機能が同じ働きを担う構成要素及び処理には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明を適宜省略する場合がある。
図1に、本開示の実施形態に係る連続体の挙動を解析する挙動解析装置10の構成の一例を示す。
なお、本実施形態では、複数の連続体の少なくとも一部を接触させ、その接触時に生じる連続体の変形に起因する相互作用力によって変化する複数の連続体の挙動を解析する解析処理に本開示の技術を適用する。
本実施形態では、タイヤが接触する路面周辺、例えば、雪上路面を対象にして、雪を数値モデル化し、雪とタイヤの連成解析を行い、タイヤの雪上性能(例えば、摩擦力)を予測する。本開示では、タイヤと雪との相互作用という観点からタイヤの性能予測を行う。これにより、タイヤの雪上性能を考慮したタイヤ開発サイクルの一部を数値解析で置き換えることが可能になり、開発期間の短縮が図られる。
本開示では、複数の連続体のうち第1の連続体は、所定の圧力を付与しても塑性変化しない材料が連続的に形成されたものである。第1の連続体は、少なくとも弾性体を含む。弾性体は、弾性を有する材料が連続的に形成されていればよく、例えば、ゴム材料、ポリウレタン材料、及び高分子材料等の何れであってもよい。本実施形態では、第1の連続体の一例として、ゴム材料を六面体に形成したブロックを用いる場合を説明する。なお、本実施形態では、第1の連続体としてゴム材料を用いる場合を説明するが、第1の連続体をゴム材料に限定するものではなく、例えば、ポリウレタン材料、及び高分子材料等の他の弾性体を用いる場合に本開示の技術が適用可能であることは勿論である。
また、複数の連続体のうち第1の連続体と異なる第2の連続体は、所定のエネルギ(例えば、圧力)を付与すると塑性変形する材料が連続的に形成されたものである。第2の連続体は、例えば、雪を含む雪体等の弾塑性体及び塑性体が挙げられる。本実施形態では、第2の連続体の一例として、雪を含む雪体を適用する場合を説明する。なお、本実施形態では、第2の連続体として雪又は雪を含む材料を雪体である連続体として用いる場合を説明するが、第2の連続体を雪体に限定するものではなく、所定エネルギの付与によって塑性変形する他の材料を含んだ材料を用いる場合に本開示の技術が適用可能であることは勿論である。
本実施形態では、連続体の挙動を解析する解析処理として数値解析手法を用いる。第1の連続体であるゴム材料の挙動解析では、格子法を用いる解析を行う。本実施形態では、格子法の一例として、有限要素法(Finite Element Method、以下、FEMという。)を適用する場合を説明する。なお、FEMに代えて差分法又は境界要素法を用いてもよい。
第2の連続体である雪体の挙動解析では、粒子法を用いて解析を行う。本実施形態では、粒子法の一例として、物質点法(Material Point Method、以下、MPMという。)を適用する場合を説明する。物質点法として適用するMPMは周知の技術のため、詳細な説明は省略するが、格子法を考慮したハイブリッドの粒子法である。なお、第2の連続体を解析するための粒子法は、MPMに限定されるものではなく、他の粒子法を用いてもよい。
また、本実施形態では、第2の連続体である雪体として、積雪時等の自然雪及び予め定められた圧力で押し固められた柔らかい雪による軟圧雪の雪体を一例として適用する。すなわち、塑性変形が可能な弾塑性体又は塑性体の性質を少なくとも含む流体として雪体を適用する。
一方、タイヤが装着された車両が走行する路面の雪は、スノージャム、シャーベット或いはスラッシュなどと呼ばれる水ベタ雪もある。従って、雪路面に対するタイヤ性能を考慮する場合、タイヤの雪体に対する挙動(例えば、雪上性能)のように路面上の流体の挙動を再現することが好ましい。
雪体は、雪(例えば、一部に氷を含んでも良い)と空気の混合体又は、雪、空気及び水の混合体となっているが、路面上の雪体に負荷がかかると氷及び雪の結晶と空洞とで形成される内部構造が変化する。また、変形した雪の内部構造は、除荷しても変形が回復して初期状態に戻らない場合がある。このために、雪体は、数値モデルで表現するときに塑性体として扱うが、水分を含むことで、弾性体としての特性を含む。
ここで、雪体は粘弾性の性質を有するが、ここでは、単純化のため粘性の無い弾塑性体とし、さらに均質材料としてモデル化する。また、雪体のせん断力の特性を表現するため、塑性モデルとして、次の式により示されるMohr Coulomb塑性モデルを用いる。
σy==c+p・tanφ
ここで、σyは降伏応力、pは圧力、c、φは塑性パラメータである。材料の降伏応力が圧力に対して線形に増加するため、雪体が圧縮されることで締固められ、せん断応力が増す現象を表現可能である。
上述したモデルを用いることで、雪体を弾塑性体として扱うことが容易となる。なお、上述したモデルは、Mohr Coulomb塑性モデルに限定されるものではなく、他のモデルを用いてもよく、また、3次以上の多項式で表現したモデルでもよく、関数(例えば、フーリエ級数など)で表現しても良い。
また、本実施形態では、弾塑性体又は塑性体の一例として雪体を適用した場合を説明するが、本開示は、雪体に限定するものではなく、弾塑性体又は塑性体の性質を有する部材、例えば、一定の形状を維持した土砂、及び一部が氷結した土砂などの水分を含む材料に適用可能である。
図1に示すように、挙動解析装置10は、モデル生成部11、転動・せん断解析部12、及び、連成解析部13を備えている。連成解析部13は、不連続解析部14、摩擦力解析部15、凝着力解析部16を含んでいる。
モデル生成部11は、タイヤの一部を構成するブロック及び軟圧雪である雪体をモデル化してブロックモデル及び雪体モデルを生成する機能部である。ブロックモデルは、第1の連続体の一例であり、FEMによる解析を可能とするため、変形を与えることが可能な所定要素サイズの多数要素に分割して形成される。雪体モデルは、第2の連続体の一例であり、MPMによる解析を可能とするため、所定サイズの複数の粒子の集合により形成される。
図2に、生成されたブロックモデル及び雪体モデルの一例を示す。図2に示す例では、2つのサイプを有するブロックを四角柱状(例えば、六面体状)の要素でメッシュ分割されたブロックモデルと、所定サイズの粒子が縦横上下に配列された雪体モデルが示されている。
なお、モデル生成部11は、ブロックモデルと雪体モデルとの接触に関する接触条件を設定する機能を有する。接触条件は、ブロックモデルが雪体モデルに貫入することを示す条件と、ブロックモデルと雪体モデルとの間における摩擦に関係する条件とを含む。貫入とは、ブロックモデルと雪体モデルとの接触後に、ブロックモデル及び雪体モデルの各々が形状を維持しつつ相対的に移動させたときに重複する領域となることを示す。貫入することを示す条件(すなわち貫入条件)の一例には、雪体モデルに対してブロックモデルを貫入させることの有無を示す条件が挙げられる。摩擦に関係する条件(すなわち摩擦条件)は、ブロックモデルと雪体モデルとの接触により生じる摩擦力等の規定を示すものであり、一例としてクーロン摩擦を用いることが挙げられる。モデル生成部11は、本開示の設定部の一例である。
図1に示す転動・せん断解析部12は、ブロックモデルを雪体モデルに接触そして相対移動させる転動・せん断解析を行う機能部である。転動解析は、転動計算を行うことにより、雪体モデルに接触したブロックモデルを相対的に移動させたときの変化、例えば摩擦に関係する物理量を解析するために必要となる処理である。せん断解析は、せん断計算を行うことにより、例えば雪体モデルがせん断することに関係する物理量を解析するために必要となる処理である。転動・せん断解析部12は、本開示の転動・せん断計算実行部の一例である。
転動・せん断解析部12では、モデル生成部11で生成されたブロックモデル及び雪体モデルを用い、設定された接触条件に基づいて、ブロックモデルと雪体モデルとに生じる貫入量、及びブロックモデルと雪体モデルの相対的な移動量を設定する。これらの設定は、FEMによるブロックモデルを雪体モデルに接触そして相対移動させる転動・せん断解析を行う場合の精度を維持するための制限である。
ブロックモデルは、雪体モデルに接触そして移動させることで、任意の分割要素や節点に関しての応力、歪、滑りなどの情報を得ることができる。例えば、ブロックモデルの表面の節点の力、滑りから摩擦エネルギを求めて摩擦性能の分布を把握することができる。
例えば、ブロックモデル及び雪体モデルの少なくとも一方を所定方向(例えば、鉛直方向又は逆方向、若しくは水平方向)に移動させ、ブロックモデルと雪体モデルとを接近させて、接触させる。一例として、ブロックモデルを雪体モデルに水平に接近(平押し)することを想定する。この平押しは、荷重値又はたわみ量で制御する。次に、ブロックモデルを雪体モデルに対して上記所定方向と交差する方向(例えば、水平方向)に上記設定した移動量だけ移動させる。平押し及び水平方向の移動により、ブロックモデルと雪体モデルとの間に摩擦が生じる。ブロックモデルとブロックモデルの軸とは拘束されており、そしてブロックモデルと雪体モデルとの間に摩擦力が生じることにより、ブロックモデルの拘束が解除されてブロックモデルが移動(例えば、貫入及び水平移動)する。なお、摩擦力に関する詳細な説明は後述する。
連成解析部13は、転動・せん断解析部12における解析結果の物理量に基づいて、ブロックモデルと雪体モデルとブロックモデルの要素と雪体モデルの粒子の間に作用する相互作用力を導出することで、ブロックモデルと雪体モデルとの連成を行う機能部である。連成解析部13は、本開示の連成部の一例である。
連成解析部13は、不連続解析部14、摩擦力解析部15、及び凝着力解析部16を備えている。不連続解析部14は、雪体モデルにおける不連続を解析する機能部である。摩擦力解析部15は、ブロックモデル及び雪体モデルにおける摩擦力を解析する機能部である。凝着力解析部16は、ブロックモデルに雪体モデルの少なくとも一部が凝着する凝着力を解析する機能部である。
次に、不連続解析部14について説明する。不連続解析部14は、粒子法により雪体モデルを表現する場合に雪体モデルにおける不連続に関する解析を行う。
雪体を解析する場合、雪体の一部変形等の解析は従来より可能であるものの、大規模な変形及び少なくとも一部が崩壊する等の破壊が発生しやすい軟圧雪の解析は困難であった。また、MPMは連続体を解析するための手法であって、不連続の表現が困難であった。つまり、MPMは、粒子法と格子法のハイブリッド手法であり、連続体を流体粒子と構造粒子とで表現するが、流体粒子と構造粒子(格子点)の間の相互作用を切っても不連続を表現することは困難であった。さらに、MPMでは、3次元の変形及び物体表面の変形に伴って不連続面が変形することを考慮することも要求される。
すなわち、連続体の解析を行うMPMは、背景に構造粒子(格子点)を固定し、流体粒子が応力と歪等の物理量を有しつつ、空間を自在に移動可能とする構造で解析する。ところが、複数の粒流体子を纏めて解析すると、異なる物体、例えば、相違する雪体が一体の雪体として解析され、相違する雪体により生じる不連続を解析することが困難であった。
そこで、本実施形態では、MPMの構造粒子である各格子点における物理量を異なる物体毎に定義して次の(1)式に示す支配方程式を解くことにより、不連続を表現する。支配方程式は、コーシーの法則による構造解析の式の一例である。なお、以降では、MPMの流体粒子を単に粒子といい、構造粒子を格子点という場合がある。また、MPMの構造粒子である格子点と、FEMにおける格子点とは、計算上の格子点であるため、区別せずに格子点と称する場合がある。MPMの格子点と、FEMの格子点を区別して説明する場合は、MPM又はFEMを付与して説明する。
Figure 2023088168000002

式中、ρは密度、aは加速度、σはコーシー応力、bは体積力を示す。
図3に、MPMにおいて異なる連続体を粒子と格子点とにより表現した一例を概念図として示す。図3では、異なる連続体として、物体Body1と物体Body2とを示し、物体Body1に2つの流体粒子21A、21Bが含まれ、物体Body2に4つの流体粒子22A、22B、22C、22Dが含まれる場合を示す。また、図3では、MPMにおける構造粒子(格子点)を格子点31として示す。流体粒子の各々は、空間を移動可能であって、速度、加速度、質量、及び応力を計算又は設定することが可能である。そして、格子点31における物理量(例えば、力と質量)を、物体Body1と物体Body2とで定義し、定義毎に上述した支配方程式を解くことで、不連続を表現して解析する。
すなわち、背景に固定の格子点の各々で、物体毎に、粒子の物理量による支配方程式の演算結果を導出することによって、不連続を考慮した解析が可能となる。従って、MPMで解析する際に、雪体モデルに対してあえて不連続面を定義することなく、雪体モデルにおける不連続を考慮することが可能になる。
また、上述した不連続解析では、連続体同士が貫通しないことを条件とした。具体的には、MPMにおける構造粒子(格子点)において、例えば圧縮力を受ける場合、物理量(力、質量)を重ね合わせ、物体同士の貫通が発生しないことを条件とした。圧縮の判定には次の(2)式を用いる。
Figure 2023088168000003
ただし、式中の変数は、
Figure 2023088168000004

を示し、fは物体Body1の応力、fは物体Body2の応力、xは流体粒子の座標、Nは物体Body1における粒子数、Nは物体Body2における粒子数を示す。
上述した不連続を表現することで、不連続を考慮した雪体の変形解析、例えば、せん断解析が可能となる。
図4に、雪体のせん断解析に関する図を示す。図4では、解析結果として、雪体の深さ(密度)とせん断強度との関係を示す。図4は、軟圧雪を適用した雪体モデルに対して所定の応力付加により生じるせん断強度を解析によって、導出した結果である。図4に示すように、雪体の深さ(密度)が大きくなるに従ってせん断強度が大きくなっている。図4に示す特性は、実際の軟圧雪に対して所定の応力付加により生じるせん断強度を計測した結果に近い特性であることを確認した。
また、上述した不連続を表現することで、あたかも不連続の部位(例えば、面)を境界とした雪体の変形及び少なくとも一部の崩壊等の解析が可能となる。
さらに、上述したように不連続を表現することで、所定の応力付与によって生じる雪体の挙動について、雪体モデルの不連続面で生じる雪体モデルの挙動として解析により再現可能である。
図5及び図6に、所定の応力付与によって生じる雪体モデルの挙動の解析に関する図を示す。図5は、上述した不連続を考慮せずに、一様の雪による雪体モデルを対象として応力付与の解析を行った解析結果を示し、図6は、2つの雪体モデルを重ねて一体化した雪体モデルを対象として不連続を表現しつつ応力付与の解析を行った解析結果を示す。
図5では、状態42Aは解析当初の自然状態を示し、状態42Bは雪体モデルの部分領域42xを路面モデル側に移動(図5の例では、方向Fdに応力付与)した圧縮状態を示す。状態42Cは雪体モデルの部分領域42xを路面モデルと反対側に移動(図5の例では、方向Fuに応力付与)した引っ張り状態を示す。状態42Dは雪体モデルの部分領域42xを路面モデルに沿う方向に移動(図5の例では、方向Fsに応力付与)したせん断状態を示す。
図6では、状態43Aは解析当初の自然状態を示し、状態43Bは方向Fdに応力付与した圧縮状態を示し、状態43Cは方向Fuに応力付与した引っ張り状態を示し、状態43Dは方向Fsに応力付与したせん断状態を示す。なお、図6では、雪体モデルを構成する2つの雪体モデルを異なる連続体として、物体Body1A及び物体Body2Aとして示している。また、上述した不連続について、物体Body1Aと物体Body2Aとの境界における不連続面44として示している。なお、不連続面44は、不連続面を定義するのではなく、上述したように支配方程式を用いて不連続を表現することで導出される仮想的な部位である。
図5に示すように、一様の雪体モデルは部分領域42xからの応力に応じて粒子が連携して移動する。すなわち、圧縮状態では、雪体モデルは部分領域42xからの応力に応じて粒子が移動して自然状態より短い粒子間距離となるように圧縮される。引っ張り状態では自然状態より長い粒子間距離となるように粒子が分散される。せん断状態では、粒子が連携して移動し、雪体モデルが一体化して変形する。
一方、図6に示すように、上述した不連続を考慮した場合、雪体モデルは部分領域42xからの応力に応じて粒子が移動し、かつ不連続面44が変形する解析結果となる。すなわち、圧縮状態では、雪体モデルが圧縮されると共に、部分領域43xからの応力に応じて不連続面が変形される。引っ張り状態では粒子間距離が長くなるように粒子が分散され、その結果、不連続面44で雪体モデルが分断され、物体Body1Aが方向Fuに移動すると共に、物体Body2Aは自然状態に向かって復元する方向に移動するように変形する。せん断状態でも、不連続面44で雪体モデルが分断され、雪体モデルを構成する物体Body1Aが方向Fsに移動すると共に、物体Body2Aは自然状態に向かって復元する方向に移動するように変形する。すなわち、あたかも2つの雪体モデルを重ねて一体化した雪体モデルに不連続面44を設定して応力付与による解析をしたように解析することが可能となる。
図5及び図6に示すように、雪体モデルにおいて不連続を表現することで、不連続面を設定することなく、3次元の変形及び物体表面の変形に伴って不連続面が変形したり、不連続面においてモデルが分断したりする状態を解析可能であることが理解される。
次に、図1に示す摩擦力解析部15について説明する。摩擦力解析部15は、雪体モデルの粒子それぞれに与えられる摩擦に関する解析を行う機能部である。摩擦力解析部15は、ブロックモデルの要素と雪体モデルの粒子それぞれに摩擦力を与える。
ブロックモデルと雪体モデルの間に生じる摩擦を考慮する場合、ブロックモデルと雪体モデルとの接触をどのように定めるかが重要である。本実施形態では、上述したようにブロックモデルが雪体モデルに貫入する状態を模擬することで、計算速度を向上する。すなわち、ブロックモデルが雪体モデルに貫入した貫入量が大きくなるに従って大きくなる反発力を示す物理量(以下、ペナルティという。)を導出する。具体的には、反発力を示すペナルティは、予め実験等により導出されたペナルティ係数に、貫入量に乗じた値を適用する。そして、貫入量からペナルティを算出し、雪体モデルの粒子とブロックモデルの要素にペナルティを与えることで接触を表現する。また、この接触時に生じる摩擦(例えば、クーロン摩擦)に関する物理量も導出する。
図7に、ブロックモデルと雪体モデルとが接触する際に生じる摩擦を考慮する状態を概念図として示す。
図7には、MPMにおける流体粒子23と、構造粒子である格子点32A~32Dが示されている。摩擦力解析部15は、まず、上述した接触条件によりブロックモデルの要素(例えばブロックモデルの表面)と雪体モデルの粒子との接触判定を行い、流体粒子の物理量を導出する。図7に示す例では、流体粒子23について、FEMとして示されるブロックモデル側と流体粒子23との位置関係から流体粒子23の物理量を導出する。具体的には、摩擦力解析部15は、転動・せん断解析部12で導出されたブロックモデルと雪体モデルとの接触又は移動による相対的関係で定まる流体粒子23における貫入量とペナルティ係数、クーロン摩擦を計算する。
次に、摩擦力解析部15は、貫入量とペナルティ係数とから導出される流体粒子のペナルティと、クーロン摩擦から導出される摩擦力を相互作用としてブロックモデルの要素の表面(例えば、ブロックモデルのFEMにおける格子点)に与える処理を行う。具体的には、流体粒子23の物理量を、例えば、ブロックモデルのFEMにおける格子点に与える処理を行う。
次に、摩擦力解析部15は、流体粒子からMPMの格子点にペナルティと摩擦力を与える処理を行う。具体的には、図7に矢印で示したように、流体粒子23の物理量を、流体粒子23の周囲の格子点32A~32Dに与える処理を行う。このように、摩擦力解析部15では、ブロックモデルと雪体モデルとの接触に関する計算をMPMの格子点では行わず、流体粒子だけで行うことによって計算速度を向上することが可能となる。
本実施形態では、MPMにおける粒子の数量による影響、例えば、粒子数が少ない場合に生じる計算精度の低下を考慮して、MPMにおける流体粒子を予め定めた大きさの仮想粒子として扱う。
図8に、MPMにおいて扱う流体粒子を示す仮想粒子の構成の一例を示す。
MPMにおいて、雪体モデルに対して1つの流体粒子23を備えた所定領域を解析単位とする場合(図8に4つの所定領域で示す状態45A)、ブロックモデルと雪体モデルとの接触は流体粒子23(例えば、粒子の中心位置)で判定する(状態45B)。これに対して、本実施形態では、流体粒子23の周囲に予め定めた半径rの仮想表面23Vtを有する仮想粒子として扱う(状態45C)。これにより、接触判定は流体粒子23の仮想表面23Vtで行われ(状態45D)、ブロックモデルと雪体モデルとの接触に関する判定が可能となり、流体粒子23のみによる解析に比べて計算速度を向上できる。以降の説明では、仮想表面23Vtを有する仮想粒子を流体粒子として説明する。
次に、上述した摩擦力解析部15における摩擦に関係する解析結果を検証する。
図9に、摩擦力解析部15における摩擦に関係する解析結果の一例を示す。図9では、解析結果として、ブロックモデルと雪体モデルとの相対的な移動時間と摩擦力との関係を示す。また、図10に、解析に用いた3種類のブロックモデルを示す。図10に示すように、解析に用いた第1のブロックモデルは、雪体モデルとの接触部位が平坦なプレーンブロック110である。第2のブロックモデルは、2つのブロックが離間して配置された分割ブロック112である。第3のブロックモデルは、分割ブロック112で雪体モデルとの接触部位に複数のサイプ(図10では各々3つ)を有するサイプブロック114である。図9では、プレーンブロック110の摩擦力特性を曲線110Gで示し、分割ブロック112の摩擦力特性を曲線112Gで示し、サイプブロック114の摩擦力特性を曲線114Gで示している。
図9に示すように、第1のブロックモデルから第3のブロックモデルになるに従って摩擦力が大きくなっている。すなわち、ブロックモデルと雪体モデルとの接触部位の形状が摩擦力に寄与する、例えば荒くなるに従って摩擦力が大きくなる特性となることを確認できる。なお、図9に示す特性が、実際の軟圧雪に対して同様の試験を行って摩擦力を計測した結果に近い特性であることを確認した。
次に、図1に示す凝着力解析部16について説明する。凝着力解析部16は、雪体モデルの粒子のブロックモデルへの凝着に関する解析を行う機能部である。凝着力解析部16は、雪体モデルの粒子がブロックモデルに接近したときに、ブロックモデルが雪体モデルの粒子に凝着する凝着力を与える機能部である。
雪体、特に軟圧雪は、タイヤなど物体の接触によって雪体の一部が物体側に凝着する場合がある。このため、ブロックモデルと雪体モデルとの接触による解析を行う、雪体モデルの一部がブロックモデルに凝着することを考慮することが好ましい。本実施形態では、凝着力解析部16においてブロックモデルの要素(すなわち、FEM要素)の表面と流体粒子(すなわち、MPMの粒子)の凝着を考慮して、連続体の挙動を解析することが可能である。
本実施形態では、凝着力は、流体粒子が、ブロックモデルに接近することによって生じる力とする。凝着力は、例えば、次に示す(3)式により導出することが可能である。
Figure 2023088168000005

式中、fadhensionは凝着力、kは凝着力に関する係数(以下、凝着係数という。)、Δtは時間増分、Vwallはブロックモデルの表面の速度、Vparticleは雪体モデルの粒子の速度を示す。
すなわち、凝着力解析部16は、上記(3)式を用いて、ブロックモデルと雪体モデルの流体粒子との相対速度の時間増分から算出される距離に、予め定められた凝着係数を乗ずることで凝着力を導出できる。
図11に、ブロックモデルの要素と流体粒子との凝着に関する概念の一例を示す。図12に、凝着力に関係する凝着係数kの特性の一例を示す。
図11に示すように、雪体モデルの流体粒子24がブロックモデルから距離Dを隔てて配置される場合、流体粒子24に凝着力fが生じる。図12に示すように、凝着係数kは、ブロックモデルの要素と流体粒子との離間する距離が長くなるに従って、低下する。なお、図12では、所定距離D1までの距離で凝着係数の値が一定(k1)となる特性を示すが、図12に示す特性に限定されないことは勿論である。一方、流体粒子24は雪体モデルを構成し、雪体モデルに拘束力Ffで拘束される。よって、流体粒子24に凝着力fが拘束力Ffを超えた場合に流体粒子はブロックモデルに凝着する。
なお、本実施形態では、凝着力は、常時計算するのではなく、流体粒子がブロックモデルの要素の表面に一定距離以上の接近後に離間する場合のみに凝着力が作用するように計算することを凝着力の導出条件とする。これにより常時、凝着力を研鑽することに比べて、凝着力を導出する際の演算負荷を低減することが可能となる。
図13に、凝着力解析部16において凝着力を考慮して解析することで、ブロックモデルと雪体モデルとの挙動の解析に関する図を示す。図13では、分割ブロック112(図10)をブロックモデルとして、軟圧雪を示す雪体モデルに対してブロックモデルを接触及び移動させた場合の解析結果を示す。また、図13には、雪体モデルとブロックモデルとの状態として、4種類の状態46A~46Dを示す。第1の状態46Aは、ブロックモデルと雪体モデルとが接触した状態を示す。第1の状態46Aでは、ブロックモデルの一部(状態46Aのブロックモデルに実線で示す部位47)について凝着を考慮することも示している。第2の状態46Bは雪体モデルに対してブロックモデルを、所定方向に押圧した状態(状態46Aから方向Fdへの平押し後の状態)を示す。また、状態46Cはブロックモデルを異なる方向に移動させた状態(状態46Bから水平の方向Fsへの水平移動後の状態)を示す。状態46Dはブロックモデルを雪体モデルから離間した状態(状態46Cから方向Fuに持ち上げた後の状態)を示す。図13に示すように、軟圧雪を適用した雪体モデルについて、雪体モデルにおける解析過程で徐々に粒子が移動すると共に、ブロックモデルの一部に雪体モデルの一部の粒子が凝着する状態を解析可能であることが理解される。
上述した挙動解析装置10は、汎用的なコンピュータによる構成の制御部を含むコンピュータシステムで実現可能である。
図14に、挙動解析装置10として機能させることが可能なコンピュータ40の概略構成を示す。
図14に示す挙動解析装置10として機能するコンピュータ40は、コンピュータ本体40Aを備えている。コンピュータ本体40Aは、CPU40B、RAM40C、ROM40D、ハードディスク装置(HDD)等の補助記憶装置40E、及び入出力インターフェース(I/O)40Fを備えている。これらのCPU40B、RAM40C、ROM40D、補助記憶装置40E、及びI/O40Fは、相互にデータ及びコマンドを授受可能にバス40Gを介して接続された構成である。また、I/O40Fには、キーボード等の入力部40H、ディスプレイ等の表示部40J、及び外部装置と通信するための通信部40Kが接続されている。
補助記憶装置40Eには、コンピュータ本体40Aを本開示の挙動解析装置として機能させるための解析プログラム40EPが記憶される。CPU40Bは、解析プログラム40EPを補助記憶装置40Eから読み出してRAM40Cに展開して処理を実行する。これにより、解析プログラム40EPを実行したコンピュータ本体40Aは、本開示の挙動解析装置として動作する。
なお、補助記憶装置40Eには、挙動解析処理に用いられる各種の値を設定値40EDとして記憶される。解析プログラム40EPは、CD-ROM等の記録媒体により提供するようにしても良い。
次に、コンピュータにより実現された挙動解析装置における挙動解析処理について説明する。
図15に、コンピュータ40において、実行される解析プログラム40EPによる挙動解析処理の流れの一例を示す。図15に示す挙動解析処理は、コンピュータ40に電源投入されると、CPU40Bにより実行される。
まず、CPU40Bは、ステップS101で、ゴム材料の弾性体のブロックをモデル化し、ブロックモデルを生成し、弾塑性体又は塑性体の雪体をモデル化し、雪体モデルを生成する。すなわち、第1の連続体であるブロックモデルは、FEMによる解析を可能とするため、変形を与えることが可能な所定要素サイズの多数要素に分割して形成される。また、第2の連続体である雪体モデルは、MPMによる解析を可能とするため、所定サイズの複数の粒子(流体粒子及び構造粒子である格子点)の集合により形成される。また、ステップS101では、上述した接触条件を設定する処理も実行する。
なお、ステップS101の処理、すなわち、ブロックモデル、及び雪体モデルの生成処理は、並列処理してもよく、順次処理してもよい。また、ブロックモデル、及び雪体モデルの少なくとも一方のモデルを予め生成しておき、生成済みのデータを取得することによって、モデルの生成処理に代えてもよい。
ステップS102では、ブロックモデルを雪体モデルに接触そして相対移動させる転動・せん断解析を行う。転動・せん断解析は、雪体モデルに接触したブロックモデルを相対的に移動させたときの変化、特に摩擦に関係する物理量を解析する。
次に、CPU40Bは、転動・せん断解析結果の物理量に基づいて、ブロックモデルと雪体モデルとの連成解析を行う。すなわち、ブロックモデルの要素と雪体モデルの粒子の間に作用する相互作用力を導出することで、連成する。具体的には、次に示すステップS103、ステップS104、及びステップS105の少なくとも1つの処理を実行することで、上述した機能を考慮して、ブロックモデルと雪体モデルとの連成解析を行う。
ステップS103では、不連続解析を行う。ステップS103の不連続解析は、上述した雪体モデルにおける不連続に関する解析である。ステップS104では、摩擦力解析を行う。ステップS104の摩擦力解析は、上述した雪体モデルの粒子それぞれに与えられる摩擦に関する解析である。ステップS105では、凝着力解析を行う。ステップS105の凝着力解析は、上述した雪体モデルの粒子のブロックモデルへの凝着に関する解析である。
次に、ステップS106では、ステップS103からステップS105の少なくとも1つの処理を実行した結果におけるブロックモデルと雪体モデルとの構造に関する連成解析を行う。すなわち、FEMの要素表面と、粒子法における粒子の間に、MPM法において導出した相互作用力により連成する。例えば、ブロックモデルと、雪体モデルとの構造に関する連成は、ブロックモデルの表面と雪体モデルの粒子との、例えば圧力勾配を考慮した相互作用力によって連成する。
なお、上記にように連成されたブロックモデルと雪体モデルとを出力するようにしてもよい。この場合、各モデルを示すデータを表示部40Jへ出力したり、外部装置へ出力したりすることを含む。また、ブロックモデルと雪体モデルとを出力する出力処理は、上記各ステップ又は特定のステップに含めるようにしてもよい。
図15に示すステップS101の処理プロセスは、図1に示すモデル生成部11の機能の一例であり、ステップS102の処理プロセスは、転動・せん断解析部12の機能の一例である。また、ステップS103からステップS106の処理プロセスは、連成解析部13の機能の一例である。ステップS103の処理プロセスは、不連続解析部14の機能の一例であり、ステップS104の処理プロセスは、摩擦力解析部15の機能の一例であり、ステップS105の処理プロセスは、凝着力解析部16の機能の一例である。また、ステップS106の処理プロセスは、連成解析部13が有する基本処理機能の一例である。
本開示の挙動解析装置10は、第1の連続体モデル及び第2の連続体モデルの間で導出された相互作用力、例えば摩擦力等の物理量を、予め定めた摩擦性能の指標値に対応させて出力するようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態の挙動解析装置によれば、例えば、雪体上のパターン及びブロック摩擦における雪体の挙動メカニズムの解明、雪体の一部崩壊などの検討が可能になり、また摩擦現象の解明も可能になる。
[変形例]
上記実施形態では、第1の連続体の一例として、ゴム材料を六面体に形成したブロックを用いる場合を説明したが、ブロック単体に限定されるものではない。タイヤをモデル化したタイヤモデルへの応用も可能である。
図16に、雪上路面をタイヤが移動する場合を模式的に示す。図16に示すように、雪上路面をタイヤが移動する場合、雪上路面と接触する部分は、タイヤの一部である。従って、ブロックに代えてタイヤをモデル化し、タイヤモデルの一部を切り出して、切り出したタイヤのブロックモデルを回転移動させることで、上記実施形態と同様に解析することで、雪上路面を転動・せん断するタイヤモデルの挙動を解析することが可能になる。
なお、上記実施形態では、表示部40Jとしてディスプレイ等の表示装置への適用例を説明したが、表示部40Jは、音声出力装置としてもよいし、表示装置と音声出力装置とを混在させてもよい。
以上、本開示の技術を実施形態を用いて説明したが、本開示の技術の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更又は改良を加えることができ、当該変更又は改良を加えた形態も開示の技術の技術的範囲に含まれる。
また、上記実施の形態では、補助記憶装置に記憶したプログラムを実行することにより行われる処理を説明したが、少なくとも一部のプログラムの処理をハードウエアで実現してもよい。また、上述した実施形態で説明したプログラムの処理の流れも、一例であり、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよい。
さらに、上述した実施形態における処理をコンピュータにより実行させるために、上述した処理をコンピュータで処理可能なコードで記述したプログラムを光ディスク等の記憶媒体等に記憶して流通するようにしてもよい。
上述した実施形態では、汎用的なプロセッサの一例としてCPUを用いて説明したが、上記実施形態において、プロセッサとは広義的なプロセッサを指し、汎用的なプロセッサ(例えばCPU: Central Processing Unit、等)や、専用のプロセッサ(例えばGPU:Graphics Processing Unit、ASIC: Application Specific Integrated Circuit、FPGA: Field Programmable Gate Array、プログラマブル論理デバイス、等)を含むものである。
また、上述した実施形態におけるプロセッサの動作は、1つのプロセッサによって成すのみでなく、複数のプロセッサが連携して成すものであってもよく、物理的に離れた位置に存在する複数のプロセッサが協働して成すものであってもよい。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。
10 連続体の挙動解析装置
11 モデル生成部
12 転動・せん断解析部
13 連成解析部
14 不連続解析部
15 摩擦力解析部
16 凝着力解析部
40 コンピュータ
40E 補助記憶装置
40EP 解析プログラム

Claims (10)

  1. 所定要素サイズの多数要素に分割された所定形状の変形可能な第1の連続体モデルと、前記第1の連続体モデルの少なくとも一部に接触可能で、かつ塑性変形が可能な弾塑性体又は塑性体を少なくとも含む流体を示す所定サイズの複数の粒子の集合により形成した第2の連続体モデルと、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの接触に関係する接触条件と、を設定する設定部と、
    前記第1の連続体モデルの一部と前記第2の連続体モデルとを接触させて前記第1の連続体モデル及び前記第2の連続体モデルを所定方向に相対的に予め定めた移動量だけ移動させて前記設定部で設定された前記接触条件に基づいて、転動・せん断計算を実行する転動・せん断計算実行部と、
    前記転動・せん断計算の計算結果に基づいて、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間に生じる前記第2の連続体モデルの複数の粒子と前記第1の連続体モデルの要素との相互作用力を導出し、導出した前記相互作用力に基づいて、前記第1の連続体モデル及び前記第2の連続体モデルを連成する連成部と、
    を備えた連続体の挙動解析装置。
  2. 前記第1の連続体モデルは、格子法を用いて解析可能なモデルを適用し、
    前記第2の連続体モデルは、物質点法による粒子法を用いて解析可能なモデルを適用する
    請求項1に記載の連続体の挙動解析装置。
  3. 前記第1の連続体モデルは、弾性体を示すブロックモデルを適用し、
    前記第2の連続体モデルは、少なくとも雪を含む流体を示す流体モデルを適用する
    請求項2に記載の連続体の挙動解析装置。
  4. 前記ブロックモデルは、タイヤの一部を示すタイヤモデルを適用し、
    前記流体モデルは、雪路面を示す雪上路面モデルを適用する
    請求項3に記載の連続体の挙動解析装置。
  5. 前記第1の連続体モデルの一部には、塑性変形が可能な弾塑性体又は塑性体を少なくとも含む流体を示す所定サイズの複数の粒子の集合により形成した第3の連続体モデルが付着され、
    前記連成部は、
    前記第1の連続体モデルの一部と前記第2の連続体モデルとが接触されたとき、前記第2の連続体モデルと前記第3の連続体モデルとが不連続面を介在した異なる連続体として扱う、
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の連続体の挙動解析装置。
  6. 前記接触条件は、
    前記第1の連続体モデルが前記第2の連続体モデルに貫入することを示す条件と、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間における摩擦に関係する条件とを含み、
    前記連成部は、
    前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの貫入量に基づいて、反発力と摩擦力とを含む相互作用力を導出する、
    請求項1から請求項4の何れか1項に記載の連続体の挙動解析装置。
  7. 前記連成部は、
    前記第2の連続体モデルの粒子が前記第1の連続体モデルの表面に接触又は所定距離接近し、かつ接触又は接近後に離間した場合、前記第2の連続体モデルの粒子を前記第1の連続体モデルの表面に凝着させる凝着力を与える
    請求項1から請求項6の何れか1項に記載の連続体の挙動解析装置。
  8. 前記連成部は、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間の相互作用力に基づいて、摩擦性能の指標値を求める
    請求項1から請求項7の何れか1項に記載の連続体の挙動解析装置。
  9. コンピュータが、
    所定要素サイズの多数要素に分割された所定形状の変形可能な第1の連続体モデルと、前記第1の連続体モデルの少なくとも一部に接触可能で、かつ塑性変形が可能な弾塑性体又は塑性体を少なくとも含む流体を示す所定サイズの複数の粒子の集合により形成した第2の連続体モデルと、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間における接触に関係する接触条件と、を設定し、
    前記第1の連続体モデルの一部と前記第2の連続体モデルとを接触させて前記第1の連続体モデル及び前記第2の連続体モデルを所定方向に相対的に予め定めた移動量だけ移動させて設定された前記接触条件に基づいて、転動・せん断計算を実行し、
    前記転動・せん断計算の計算結果に基づいて、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間に生じる前記第2の連続体モデルの複数の粒子と前記第1の連続体モデルの要素との相互作用力を導出し、導出した前記相互作用力に基づいて、前記第1の連続体モデル及び前記第2の連続体モデルを連成する
    連続体の挙動解析方法。
  10. 連続体の挙動を解析するためのプログラムであって、
    所定要素サイズの多数要素に分割された所定形状の変形可能な第1の連続体モデルと、前記第1の連続体モデルの少なくとも一部に接触可能で、かつ塑性変形が可能な弾塑性体又は塑性体を少なくとも含む流体を示す所定サイズの複数の粒子の集合により形成した第2の連続体モデルと、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間における接触に関係する接触条件と、を設定し、
    前記第1の連続体モデルの一部と前記第2の連続体モデルとを接触させて前記第1の連続体モデル及び前記第2の連続体モデルを所定方向に相対的に予め定めた移動量だけ移動させて設定された前記接触条件に基づいて、転動・せん断計算を実行し、
    前記転動・せん断計算の計算結果に基づいて、前記第1の連続体モデルと前記第2の連続体モデルとの間に生じる前記第2の連続体モデルの複数の粒子と前記第1の連続体モデルの要素との相互作用力を導出し、導出した前記相互作用力に基づいて、前記第1の連続体モデル及び前記第2の連続体モデルを連成する
    ことを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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