JP2023088038A - 還元剤供給装置 - Google Patents

Abstract

【課題】コンパクト化可能で、メンテナンス性に優れた還元剤供給装置を提供する。【解決手段】還元剤供給装置１０は、ＮＯｘ浄化触媒装置２に供給する還元剤の流量を調整するノズルユニット１１と、ノズルユニット１１に還元剤を供給するポンプユニット１２とを備えている。ノズルユニット１１とポンプユニット１２とは、上面視において互いにオフセットした位置に配置されている。【選択図】図３

Description

本発明は、船舶などに搭載されるＮＯｘ浄化触媒装置に還元剤を供給する還元剤供給装置に関する。

船舶などに搭載されるＮＯｘ浄化触媒装置には、還元剤（例えば尿素水）の供給が必要となる。特許文献１には、枠体内に配置された流量計およびエア供給ユニットと、枠体の外に配置されたポンプユニットとで構成された還元剤供給装置（尿素水供給装置）が開示されている。

特開２０１９－０１５１９９号公報

特許文献１に示すような従来技術では、ＮＯｘ浄化触媒装置の１台ごとに還元剤供給装置を設ける必要があり、かつ、それぞれの還元剤供給装置において各ユニットを接続する煩雑な作業が必要であった。従来は、各ユニットを配管接続することが造船所にて行われていたが、場合によってはエアが溜まりやすい配管となるケースもある。

また、ＮＯｘ浄化触媒装置をより小型の船舶にも搭載できるようにするには、還元剤供給装置もコンパクトに配置することが望まれる。但し、還元剤供給装置をコンパクトに配置しても、コンパクト化によるメンテナンス性の悪化は避ける必要がある。

本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、コンパクト化可能で、メンテナンス性に優れた還元剤供給装置を提供することを目的とする。

上記の課題を解決するために、本発明の第１の態様である還元剤供給装置は、排気浄化装置に還元剤を供給する還元剤供給装置であって、前記排気浄化装置に供給する還元剤の流量を調整する還元剤流量調整部と、前記還元剤流量調整部に還元剤を供給する還元剤圧送部とを備え、前記還元剤流量調整部と前記還元剤圧送部とは、上面視において互いにオフセットした位置に配置されていることを特徴としている。

上記の構成によれば、上面視において還元剤流量調整部と還元剤圧送部とが互いにオフセットしていることで、還元剤供給装置の上方からメンテナンス作業を行おうとする場合、還元剤流量調整部と還元剤圧送部との関係において、還元剤流量調整部および還元剤圧送部の一方が、他方へのアクセスの邪魔とならず、還元剤供給装置のメンテナンス性が向上する。

また、上記還元剤供給装置では、前記還元剤圧送部は、前記還元剤流量調整部よりも低い位置に配置されている構成とすることができる。

上記の構成によれば、重量物である還元剤圧送部を低い位置に配置することで、メンテナンス時の還元剤圧送部の組み付けが容易となる。また、還元剤流量調整部と還元剤圧送部とが互いにオフセットしていることで、メンテナンスの際に還元剤流量調整部から還元剤がこぼれても、こぼれた還元剤が電気機器である還元剤圧送部に付着することを抑制できる。

また、上記還元剤供給装置は、前記還元剤流量調整部に供給する気体を浄化する気体浄化部をさらに有し、前記気体浄化部は、前記還元剤流量調整部の下方に配置されている構成とすることができる。

上記の構成によれば、電気機器ではない気体浄化部を還元剤流量調整部の下方に配置することで、還元剤流量調整部のメンテナンス時に還元剤が気体浄化部に掛かっても特に問題はなく、このような配置により還元剤供給装置内のスペースの有効利用が行える。

また、上記還元剤供給装置は、前記還元剤圧送部に還元剤タンクを接続する還元剤入口部と、前記還元剤流量調整部に前記排気浄化装置を接続する還元剤出口部と、前記気体浄化部にエアタンクまたはコンプレッサを接続する気体入口部とを有し、前記還元剤入口部、前記還元剤出口部および前記気体入口部は、当該還元剤供給装置の同一側面に設けられている構成とすることができる。

上記の構成によれば、還元剤供給装置における還元剤やエアの出入口部を同一側面に設けることにより、これらの出入口部に接続される配管の着脱を容易に行うことができ、還元剤供給装置のメンテナンスの効率アップが可能となる。

また、上記還元剤供給装置は、前記還元剤入口部と前記還元剤圧送部を接続する中継配管が、前記還元剤入口部と前記還元剤圧送部との間に間隔を開けて配置されており、前記中継配管には、還元剤を浄化する還元剤浄化部が設置されている構成とすることができる。

上記の構成によれば、中継配管に還元剤浄化部を設置することにより、還元剤浄化部のメンテナンス（例えば、尿素フィルタの交換）時に還元剤がこぼれたとしても、その還元剤が還元剤圧送部に掛かるといった不具合を防止できる。

また、上記還元剤供給装置は、前記気体浄化部を通過した気体の流れを制御する気体流量調整部をさらに備え、前記気体流量調整部は、前記還元剤圧送部の上方に配置されている構成とすることができる。あるいは、上記還元剤供給装置は、前記気体流量調整部に電気的に接続された端子収容部をさらに備え、前記端子収容部は、前記還元剤圧送部の上方に配置されている構成とすることができる。

上記の構成によれば、気体流量調整部または端子収容部は、メンテナンスの際に分解などを行っても還元剤が滴下することがなく、気体流量調整部または端子収容部を還元剤圧送部の上方に配置することで、還元剤圧送部の上方空間を有効利用しつつ、還元剤供給装置におけるユニット類をコンパクトに集約配置させることが可能となる。

また、上記の課題を解決するために、本発明の第２の態様である還元剤供給装置は、排気浄化装置に還元剤を供給する還元剤供給装置であって、前記排気浄化装置に供給する還元剤の流量を調整する還元剤流量調整部と、前記還元剤流量調整部に還元剤を供給する還元剤圧送部とを備え、前記還元剤流量調整部と前記還元剤圧送部とは、前記還元剤圧送部が前記還元剤流量調整部よりも低い位置に配置され、かつ、上面視において一部が重なる配置とされており、上面視における前記還元剤流量調整部および前記還元剤圧送部の重畳箇所では、前記還元剤流量調整部と前記還元剤圧送部との間に非電気系部品が配置されていることを特徴としている。

上記の構成によれば、メンテナンスの際に還元剤流量調整部から還元剤がこぼれても、こぼれた還元剤は非電気系部品に掛かることになり、こぼれた還元剤が還元剤圧送部には直接付着することを抑制できる。

また、上記還元剤供給装置は、前記還元剤流量調整部および前記還元剤圧送部よりも下方に底部材を有する構成とすることができる。

上記の構成によれば、還元剤流量調整部および還元剤圧送部の下方に底部材を配置することにより、これらのユニットのメンテナンス時などに還元剤がこぼれたとしても、底部材で受け止めることができ、他の場所への還元剤の流出を防止することができる。

また、上記還元剤供給装置では、当該還元剤供給装置が備える各ユニット類は、装置フレームに対して取り付けられている構成とすることができる。

上記の構成によれば、装置フレームに対して各ユニット類を固定配置してパッケージし、パッケージ内で各ユニット類を最善に配置することでコンパクトな配置が可能となる。また、パッケージ化された還元剤供給装置は、集中的なメンテナンスが可能であり、パッケージごと取り外して設置場所以外でのメンテナンスも可能となる。

本発明の還元剤供給装置は、具備する各ユニット類を近接配置してコンパクト化した場合においても、主要構成ユニットである還元剤流量調整部および還元剤圧送部を上面視においてオフセット配置することで、還元剤供給装置のメンテナンス性を向上させることができるといった効果を奏する。

還元剤供給装置を備える排気浄化システムを示す概略構成図である。 本発明の一実施形態を示すものであり、実施の形態１に係る還元剤供給装置の斜視図である。 実施の形態１に係る還元剤供給装置の正面図である。 実施の形態１に係る還元剤供給装置の上面図である。 実施の形態１に係る還元剤供給装置の右側面図である。 実施の形態１に係る還元剤供給装置の左側面図である。 実施の形態２に係る還元剤供給装置の正面図である。

〔実施の形態１〕
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。図１は、本実施の形態に係る還元剤供給装置１０を備える排気浄化システムを示す概略構成図である。図１に示す排気浄化システムは、例えば船舶などに搭載されるものであり、大略的には、ディーゼルエンジン１、ＮＯｘ浄化触媒装置（排気浄化装置）２、および還元剤供給装置１０を備えて構成されている。

ディーゼルエンジン１は、船舶を推進するための駆動力を発生させる推進用エンジンや、船内で使用される電力を供給する発電機の駆動力を発生させる発電用エンジンである。ＮＯｘ浄化触媒装置２は、ディーゼルエンジン１の排気経路３中に設けられ、ディーゼルエンジン１で発生した排気ガスに含まれるＮＯｘ（窒素酸化物）を触媒還元により浄化する装置である。尚、ディーゼルエンジン１が複数備えられる場合、それぞれのディーゼルエンジン１についてＮＯｘ浄化触媒装置２が設けられる。図１のシステムは、ディーゼルエンジン１およびＮＯｘ浄化触媒装置２を２つずつ備えた構成を例示している。

ＮＯｘ浄化触媒装置２は、ＮＯｘを浄化する過程で、外部から供給される還元剤を必要とする。ここで使用される還元剤は液体であり、通常、尿素水である。還元剤供給装置１０は、ＮＯｘ浄化触媒装置２に対して還元剤を供給する。

還元剤供給装置１０は、主要な構成要素として、ノズルユニット（還元剤流量調整部）１１、ポンプユニット（還元剤圧送部）１２およびエアトリートメントユニット（気体浄化部）１３を備えている。ノズルユニット１１は、流量計を備えており、ＮＯｘ浄化触媒装置２に供給する還元剤の流量を調整するユニットである。ノズルユニット１１は、還元剤供給装置１０から還元剤の供給を受けるＮＯｘ浄化触媒装置２と同数（図１の例では２つ）備えられる。また、ノズルユニット１１は、尿素流量計側部１１１と表示部１１２とで構成され、素流量計側部１１１および表示部１１２はそれぞれのフランジ部で互いに連結される。

ポンプユニット１２は、ノズルユニット１１に還元剤を送り込むユニットである。エアトリートメントユニット１３は、還元剤インジェクタ４に送られるアシストエアを浄化する（アシストエアに対してのフィルタ機能を有する）ユニットである。ポンプユニット１２およびエアトリートメントユニット１３は、還元剤供給装置１０において１つずつ備えられる。

続いて、本実施の形態１に係る還元剤供給装置１０の具体的構成について説明する。図２は、本実施の形態１に係る還元剤供給装置１０の斜視図である。図３は、本実施の形態１に係る還元剤供給装置１０の正面図である。図４は、本実施の形態１に係る還元剤供給装置１０の上面図である。図５は、本実施の形態１に係る還元剤供給装置１０の右側面図である。図６は、本実施の形態１に係る還元剤供給装置１０の左側面図である。尚、ここでの還元剤供給装置１０の正面とは、還元剤供給装置１０の形状を略直方体と見なした場合に、還元剤供給装置１０の視認面積が最も広くなる方向を指すものとする。

図２～図６に示す還元剤供給装置１０は、ノズルユニット１１、ポンプユニット１２およびエアトリートメントユニット１３以外に、端子ボックス（端子収容部）１４、気泡除去装置１５、調量弁１６、気体流量調整部１７などのユニット類を備えている。端子ボックス１４は、還元剤供給装置１０における端子類（例えば、後述する気体流量調整部１７に含まれる電磁弁の制御端子）を収容するユニットである。気泡除去装置１５は、ポンプユニット１２からノズルユニット１１に向かって送り出される還元剤の気泡を除去する装置である。調量弁１６は、ノズルユニット１１で使用されない余剰還元剤（ポンプユニット１２から還元剤タンクへ戻される還元剤）を制御するユニットである。気体流量調整部１７は、エアトリートメントユニット１３を通過したエアの流れを制御するものであり、アシストモード（圧縮空気をアシストエアとしてノズルユニット１１へ送り込むモード）およびパージモード（配管内の圧縮空気を排気するモード）を切り替えるための電磁弁や、流量計で構成されたユニットである。

還元剤供給装置１０が備える各ユニット類は、枠状または箱状の装置フレーム２０に対して取り付けられ、その位置関係が固定されているとともに、配管（還元剤配管やエア配管）を介して適宜接続されている。このように、装置フレーム２０に各ユニット類を固定配置する構成は、還元剤供給装置１０の中から１つのユニットのみを取り外してメンテナンスすることも容易となるため好適である。但し、還元剤供給装置１０における各ユニットは、配管を介した接続により、相互に固定配置することもできる。このため、還元剤供給装置１０において、装置フレーム２０は必須ではない。

また、還元剤供給装置１０は、ＮＯｘ浄化触媒装置２に対して還元剤とアシストエアとを送り込むものであるが、還元剤を貯留する還元剤タンクやアシストエアとなる圧縮空気を貯留するエアタンクは、還元剤供給装置１０に内蔵されるものではなく、還元剤供給装置１０に外付けされるものであってもよい。図２～図６の還元剤供給装置１０は、還元剤タンクやエアタンクを外付けするタイプを例示しており、還元剤タンクやエアタンクの図示を省略している。但し、外付けされる還元剤タンクやエアタンクを、装置フレーム２０外（例えば、装置フレーム２０の背面側）に取り外し可能に装着することは可能である。また、アシストエアとなる圧縮空気は、エアタンクからではなく、コンプレッサによってＮＯｘ浄化触媒装置２に対して送り込まれるものであってもよい。

還元剤供給装置１０は、装置フレーム２０に対して各ユニット類を固定配置することでパッケージ化されており、パッケージ内で各ユニット類を最善に配置することでコンパクトな配置も可能となっている。このため、還元剤供給装置１０は、小型の船舶にも搭載しやすく、また、パッケージごと船舶に搭載できるため、造船所にて各ユニットを配管接続するような作業も不要となる。さらに、還元剤供給装置１０は、パッケージ化により集中的なメンテナンスが可能であり、また、パッケージごと取り外して設置場所以外でのメンテナンスも可能である。

さらに、還元剤供給装置１０では、各ユニットをコンパクトに配置する場合のメンテナンス性の悪化を回避するための工夫がなされている。すなわち、還元剤供給装置１０における各ユニットをコンパクトに配置しようとすると、それぞれのユニットを近接配置する必要があり、メンテナンスのためにあるユニットにアクセスしようとしても他のユニットが邪魔となってアクセスしづらいといったことが起こりうる。あるいは、メンテナンス中のユニットから還元剤（尿素水）が漏れた場合、漏れた還元剤が他のユニット（特に電気機器）に掛かって不具合が生じるといった問題もある。本実施の形態に係る還元剤供給装置１０は、これらの問題を解消するための構成を有している。

第１に、ノズルユニット１１の少なくとも尿素流量計側部１１１とポンプユニット１２とは、還元剤供給装置１０の上面視において互いにオフセットした位置に配置される。さらに、ノズルユニット１１の少なくとも尿素流量計側部１１１とポンプユニット１２とは、還元剤供給装置１０の正面視においても互いにオフセットした位置に配置されることが好ましい。本例の還元剤供給装置１０では、上面視および正面視の両方において、ノズルユニット１１の少なくとも尿素流量計側部１１１およびポンプユニット１２がオフセット配置されている。

尚、ノズルユニット１１の少なくとも尿素流量計側部１１１およびポンプユニット１２は、その形状が異なるため、どの方向から見ても完全に重なる配置となることはない。そのため、ノズルユニット１１の少なくとも尿素流量計側部１１１およびポンプユニット１２のオフセット配置とは、ある方向からの視認において、ユニット同士が完全に重ならない状態、あるいは、一部の重なりのみが許容される状態を指すものとする。また、一部の重なりのみが許容される状態とは、ノズルユニット１１の少なくとも尿素流量計側部１１１およびポンプユニット１２のそれぞれにおいて、一方のユニットが他方のユニットに対して重なる面積がそのユニットの全面積の３５％以下（より好ましくは３０％以下）の状態を指すものとする。

上面視においてノズルユニット１１とポンプユニット１２とが互いにオフセットしている場合、還元剤供給装置１０の上方からメンテナンス作業を行おうとする場合、ノズルユニット１１とポンプユニット１２との関係において、一方のユニットが他方のユニットへのアクセスの邪魔とならず、還元剤供給装置１０のメンテナンス性が向上する。同様に、正面視においてノズルユニット１１とポンプユニット１２とが互いにオフセットしていれば、正面からのメンテナンス作業においてメンテナンス性が向上する。

また、ポンプユニット１２はノズルユニット１１よりも低い位置に配置されていることが好ましい。重量物であるポンプユニット１２は、低い位置に配置することでメンテナンス時のポンプユニット１２の組み付けが容易となる。そして、ポンプユニット１２がノズルユニット１１よりも低い位置に配置されている場合、上面視においてノズルユニット１１とポンプユニット１２とが互いにオフセットしていれば、メンテナンスのためにノズルユニット１１を分解する際に、ノズルユニット１１から還元剤がこぼれても、こぼれた還元剤が電気機器であるポンプユニット１２に付着することを抑制できる。これにより、還元剤供給装置１０におけるノズルユニット１１のメンテナンス性を向上させることができる。

第２に、エアトリートメントユニット１３は、ノズルユニット１１の下方に配置される。エアトリートメントユニット１３は電気機器ではないため、ノズルユニット１１の下方に配置することで、ノズルユニット１１のメンテナンス時に還元剤が掛かっても特に問題はない。また、ポンプユニット１２をノズルユニット１１よりも低い位置に配置する場合、ノズルユニット１１の下方にはスペースが発生するが、このスペースにエアトリートメントユニット１３を配置することで、還元剤供給装置１０内のスペースの有効利用が行える。

また、ノズルユニット１１は、ＮＯｘ浄化触媒装置２との接続を容易にするため、還元剤供給装置１０における外周部付近に配置されることが好ましい。本例のノズルユニット１１は、還元剤供給装置１０における右側面付近に配置されている（図３参照）。一方、エアトリートメントユニット１３も、外付けのエアタンクとの接続を容易にするため、還元剤供給装置１０における外周部付近に配置されることが好ましい。エアトリートメントユニット１３をノズルユニット１１の下方に配置することで、ノズルユニット１１とエアトリートメントユニット１３とが、還元剤供給装置１０における同一側面付近に配置されることになり、還元剤供給装置１０のメンテナンス作業者がほとんど移動を伴わず両者をメンテナンスできるようになるといった利点もある。

この場合、ノズルユニット１１にＮＯｘ浄化触媒装置２を接続するための還元剤出口部３２、およびエアトリートメントユニット１３にエアタンクを接続するためのエア入口部（気体入口部）３３は、還元剤供給装置１０の同一側面（本例では右側面：図６参照）に設けられることが好ましい。さらには、ポンプユニット１２に外付けの還元剤タンクを接続するための還元剤入口部３１も、還元剤出口部３２およびエア入口部３３と同一側面に設けられることが好ましい。このように、還元剤供給装置１０における還元剤やエアの出入口部を同一側面に設けることにより、これらの出入口部に接続される配管の着脱を容易に行うことができ、還元剤供給装置１０のメンテナンスの効率アップが可能となる。

第３に、図３に示すように、還元剤入口部３１とポンプユニット１２とを接続する中継配管４１は、還元剤入口部３１とポンプユニット１２との間にほぼ水平に配置されるものであり、この中継配管４１の途中には還元剤を浄化する（還元剤に対してのフィルタ機能を有する）還元剤浄化部１８が設置される。中継配管４１上に還元剤浄化部１８が設置されていることにより、還元剤浄化部１８のメンテナンス（例えば、尿素フィルタの交換）時に還元剤がこぼれたとしても、その還元剤がポンプユニット１２に掛かるといった不具合を防止できる。

第４に、還元剤供給装置１０は、ノズルユニット１１およびポンプユニット１２の下方に、盆状（トレイ状）の底部材２１を配置している。底部材２１は、装置フレーム２０の底面全体を覆う底板として取り付けられていることが好ましい。ノズルユニット１１およびポンプユニット１２の下方に底部材２１を配置することにより、これらのユニットのメンテナンス時などに還元剤がこぼれたとしても、底部材２１で受け止めることができ、他の場所への還元剤の流出を防止することができる。

第５に、気体流量調整部１７は、ポンプユニット１２の上方に配置される。気体流量調整部１７は、メンテナンスの際に分解などを行っても、液体である還元剤が滴下することがない。このため、気体流量調整部１７をポンプユニット１２の上方に配置することで、ポンプユニット１２の上方空間を有効利用しつつ、還元剤供給装置１０におけるユニット類をコンパクトに集約配置させることが可能となる。

また、端子ボックス１４についても、ポンプユニット１２の上方に配置されることが好ましい。端子ボックス１４も、メンテナンスの際に還元剤が滴下することがないため、端子ボックス１４をポンプユニット１２の上方に配置することで、ポンプユニット１２の上方空間を有効利用しつつ、還元剤供給装置１０におけるユニット類をコンパクトに集約配置させることが可能となる。

〔実施の形態２〕
上記実施の形態１では、ポンプユニット１２はノズルユニット１１よりも低い位置に配置され、かつ、還元剤供給装置１０の上面視において、ノズルユニット１１とポンプユニット１２とが互いにオフセット配置される構成を例示した。この構成では、メンテナンスの際にノズルユニット１１から還元剤がこぼれても、こぼれた還元剤が電気機器であるポンプユニット１２に付着することを抑制できるといった効果がある。本実施の形態２では、ノズルユニット１１からこぼれた還元剤がポンプユニット１２に付着することを抑制できる他の構成例について説明する。図７は、本実施の形態２に係る還元剤供給装置１０の正面図である。

本実施の形態２に係る還元剤供給装置１０では、ポンプユニット１２はノズルユニット１１よりも低い位置に配置され、かつ、還元剤供給装置１０の上面視において、ノズルユニット１１とポンプユニット１２とは一部が重なる配置とされている。そして、ノズルユニット１１とポンプユニット１２との間では、上面視におけるこれらユニットの重畳箇所に非電気系部品が配置される。図７の例では、非電気系部品として圧力スイッチ５０が配置されている。この圧力スイッチ５０は、ポンプユニットの出口側の圧力を監視し、圧力が設定値を外れた場合、ＮＧ信号を還元剤供給装置１０のコントローラに送信するユニットである。

本実施の形態２に係る還元剤供給装置１０では、メンテナンスの際にノズルユニット１１から還元剤がこぼれても、こぼれた還元剤は非電気系部品に掛かることになり、こぼれた還元剤がポンプユニット１２には直接付着しない。これにより、実施の形態１と同様、ポンプユニット１２に還元剤が掛かる懸念がなく、ノズルユニット１１のメンテナンス性が向上する。

今回開示した実施形態は全ての点で例示であって、限定的な解釈の根拠となるものではない。したがって、本発明の技術的範囲は、上記した実施形態のみによって解釈されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて画定される。また、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれる。

１ ディーゼルエンジン
２ ＮＯｘ浄化触媒装置（排気浄化装置）
３ 排気経路
４ 還元剤インジェクタ
１０ 還元剤供給装置
１１ ノズルユニット（還元剤流量調整部）
１１１ 尿素流量計側部
１１２ 表示部
１２ ポンプユニット（還元剤圧送部）
１３ エアトリートメントユニット（気体浄化部）
１４ 端子ボックス（端子収容部）
１５ 気泡除去装置
１６ 調量弁
１７ 気体流量調整部
１８ 還元剤浄化部
２０ 装置フレーム
２１ 底部材
３１ 還元剤入口部
３２ 還元剤出口部
３３ エア入口部（気体入口部）
４１ 中継配管
５０ 圧力スイッチ

Claims (10)

1. 排気浄化装置に還元剤を供給する還元剤供給装置であって、
   前記排気浄化装置に供給する還元剤の流量を調整する還元剤流量調整部と、
   前記還元剤流量調整部に還元剤を供給する還元剤圧送部とを備え、
   前記還元剤流量調整部と前記還元剤圧送部とは、上面視において互いにオフセットした位置に配置されていることを特徴とする還元剤供給装置。
2. 請求項１に記載の還元剤供給装置であって、
   前記還元剤圧送部は、前記還元剤流量調整部よりも低い位置に配置されていることを特徴とする還元剤供給装置。
3. 請求項１または２に記載の還元剤供給装置であって、
   前記還元剤流量調整部に供給する気体を浄化する気体浄化部をさらに有し、
   前記気体浄化部は、前記還元剤流量調整部の下方に配置されていることを特徴とする還元剤供給装置。
4. 請求項３に記載の還元剤供給装置であって、
   前記還元剤圧送部に還元剤タンクを接続する還元剤入口部と、前記還元剤流量調整部に前記排気浄化装置を接続する還元剤出口部と、前記気体浄化部にエアタンクまたはコンプレッサを接続する気体入口部とを有し、
   前記還元剤入口部、前記還元剤出口部および前記気体入口部は、当該還元剤供給装置の同一側面に設けられていることを特徴とする還元剤供給装置。
5. 請求項４に記載の還元剤供給装置であって、
   前記還元剤入口部と前記還元剤圧送部を接続する中継配管が、前記還元剤入口部と前記還元剤圧送部との間に間隔を開けて配置されており、
   前記中継配管には、還元剤を浄化する還元剤浄化部が設置されていることを特徴とする還元剤供給装置。
6. 請求項３から５の何れか１項に記載の還元剤供給装置であって、
   前記気体浄化部を通過した気体の流れを制御する気体流量調整部をさらに備え、
   前記気体流量調整部は、前記還元剤圧送部の上方に配置されていることを特徴とする還元剤供給装置。
7. 請求項６に記載の還元剤供給装置であって、
   前記気体流量調整部に電気的に接続された端子収容部をさらに備え、
   前記端子収容部は、前記還元剤圧送部の上方に配置されていることを特徴とする還元剤供給装置。
8. 排気浄化装置に還元剤を供給する還元剤供給装置であって、
   前記排気浄化装置に供給する還元剤の流量を調整する還元剤流量調整部と、
   前記還元剤流量調整部に還元剤を供給する還元剤圧送部とを備え、
   前記還元剤流量調整部と前記還元剤圧送部とは、前記還元剤圧送部が前記還元剤流量調整部よりも低い位置に配置され、かつ、上面視において一部が重なる配置とされており、
   上面視における前記還元剤流量調整部および前記還元剤圧送部の重畳箇所では、前記還元剤流量調整部と前記還元剤圧送部との間に非電気系部品が配置されていることを特徴とする還元剤供給装置。
9. 請求項１から８の何れか１項に記載の還元剤供給装置であって、
   前記還元剤流量調整部および前記還元剤圧送部よりも下方に底部材を有することを特徴とする還元剤供給装置。
10. 請求項１から９の何れか１項に記載の還元剤供給装置であって、
    当該還元剤供給装置が備える各ユニット類は、装置フレームに対して取り付けられていることを特徴とする還元剤供給装置。

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