JP2023087640A - ウレタン変性ポリエーテル樹脂、水性印刷インク、水性インクジェットインク及び水性分散体 - Google Patents

ウレタン変性ポリエーテル樹脂、水性印刷インク、水性インクジェットインク及び水性分散体 Download PDF

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JP2023087640A JP2022149348A JP2022149348A JP2023087640A JP 2023087640 A JP2023087640 A JP 2023087640A JP 2022149348 A JP2022149348 A JP 2022149348A JP 2022149348 A JP2022149348 A JP 2022149348A JP 2023087640 A JP2023087640 A JP 2023087640A
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Abstract

【課題】水性媒体中で低粘度かつ優れた耐ブロッキング性、滲み防止及び色材等の分散安定性が得られるウレタン変性ポリエーテル樹脂を提供することを目的とする。【解決手段】水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させてなるウレタン変性ポリエーテル樹脂であって、前記水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)は価数が2~6価のポリエーテルポリオール成分であり、前記ポリイソシアネート成分(B)はイソシアヌレート基、ビウレット基及び/又はアロファネート基を有するポリイソシアネート成分であり、前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂を40重量%濃度の水分散体又は水溶液とした際のせん断速度1.0(単位は1/sec)で測定した粘度が100~10000mPa・sであり、数平均分子量が3000~100000であるウレタン変性ポリエーテル樹脂。【選択図】なし

Description

本発明はウレタン変性ポリエーテル樹脂、水性印刷インク、水性インクジェットインク及び水性分散体に関する。
環境対応や作業者の安全面への観点から、有機溶剤を使わずに水等の水性媒体を使用する水性印刷インク、水性インクジェットインク等が検討されている。(特許文献1、2)
水性媒体を使用する製品において、接着性、色材や充填剤の分散安定性、塗膜保護などの機能を付与する目的で水溶性樹脂が広く用いられている。(非特許文献1、2)
特許第4469479号 特開2009-220436号公報
堀内照夫.水溶性高分子の物理化学的性質.表面技術.2009,60(12),p.746-753. 町田誠之.水溶性高分子の機能.高分子.1978,27(4),p.235-240.
水性媒体を使用する製品に水溶性のポリマーが用いられているが、密着性、色材の安定分散、樹脂物性確保の目的で高分子量化したポリマーを用いると、水性媒体中で水和したポリマーによる糸まり状のからみ合いやポリマー間の水素結合による弱い架橋が生じることでポリマー溶液の粘度が高くなり、いわゆる曳糸性やワイゼンベルグ効果が生じ、ハンドリング性及び生産性が低下する。一方、ポリマーの分子量が小さいと水性媒体へ溶解しやすくなり、ハンドリング性も向上するが、樹脂物性や色材への吸着力低下により分散安定が低下し、また、基材や充填剤等への密着性が低下するため実用に適さないという問題がある。
本発明の目的は、水性媒体中で低粘度かつ優れた耐ブロッキング性、滲み防止及び色材等の分散安定性が得られるウレタン変性ポリエーテル樹脂を提供することにある。
本発明者らは、前記目的を達成すべく鋭意検討を行った結果、本発明に到達した。即ち本発明は、水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させてなるウレタン変性ポリエーテル樹脂であって、前記水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)は価数が2~6価のポリエーテルポリオール成分であり、前記ポリイソシアネート成分(B)はイソシアヌレート基、ビウレット基及び/又はアロファネート基を有するポリイソシアネート成分であり、前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂を40重量%濃度の水分散体又は水溶液とした際のせん断速度1.0(単位は1/sec)で測定した粘度が100~10000mPa・sであり、数平均分子量が3000~100000であるウレタン変性ポリエーテル樹脂である。
本発明によれば、水性媒体中で低粘度かつ優れた耐ブロッキング性、滲み防止及び色材等の分散安定性が得られるウレタン変性ポリエーテル樹脂を提供することができる。
本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂は、水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させてなるウレタン変性ポリエーテル樹脂である。
水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)は価数が2~6価のポリエーテルポリオール成分である。
本発明における水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)の水溶性とは、25℃の水100gに対し、ポリエーテルポリオール成分が1g以上溶解することである。
25℃の水100gに対し、ポリエーテルポリオール成分(A)が10~150g溶解することが好ましく、25℃の水100gに対し、ポリエーテルポリオール成分(A)が50~100g溶解することがより好ましい。
本発明におけるポリエーテルポリオールの価数とはポリエーテルポリオール1分子中のヒドロキシル基の数のことである。
なお、本発明における水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)の価数は、水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)を得るために用いるヒドロキシル基を2つ以上有する化合物の価数から求められるが、下記計算式(1)により計算することもできる。
水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)の価数=[水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)の数平均分子量]×[水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)の水酸基価]/56100 (1)
水酸基価の測定方法は、上記定義の値を測定できる方法であれば公知の方法でよく、特に限定されないが、例えばJIS K0070(1995年版)に規定の方法が挙げられる。数平均分子量は後述するポリエチレングリコールを標準としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるものである。
本発明において、水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)としては、アルキレンオキサイドの重合体を用いることができ、例えばエチレンオキサイド(以下、EOと略記)単独重合体;EO/プロピレンオキサイド(以下、POと略記)共重合体が挙げられる。
樹脂物性の観点から、水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)としては、EO単独重合体又はEO/PO共重合体が好ましく、ハンドリング性の観点からEO/PO共重合体がより好ましい。
EO単独重合体は、EOを単独で重合させた重合体であってもよく、(ポリ)エチレングリコールにEOを付加して得られた重合体でもよい。また、市販のポリエチレングリコールを用いてもよい。
なお、本明細書において(ポリ)エチレングリコールはエチレングリコール又はポリエチレングリコールを意味する。
EO/PO共重合体は、EOとPOのブロック重合体又はランダム重合体であってもよく、(ポリ)プロピレングリコールにEOを付加、又は、EOとPOとを共付加して得られた重合体であってもよい。また、(ポリ)エチレングリコールにPOを付加、又は、EOとPOとを共付加して得られた重合体であってもよい。
なお、本明細書において(ポリ)プロピレングリコールはプロピレングリコール又はポリプロピレングリコールを意味する。
また、EO単独重合体及びEO/PO共重合体以外の水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)としては、(ポリ)エチレングリコール又は(ポリ)プロピレングリコールに、EOとEO又はPO以外のアルキレンオキサイド[1,2-ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、α-オレフィンオキサイド、アルキレンオキサイド置換体(エピクロロヒドリン、スチレンオキサイド等)等]とを共付加して得られる化合物;及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
また、EO単独重合体及びEO/PO共重合体以外の水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)としては、(ポリ)エチレングリコール又は(ポリ)プロピレングリコール以外の、ヒドロキシル基を2つ以上有する化合物にEO単独、又は、EOと他のアルキレンオキサイド[PO、1,2-ブチレンオキサイド、テトラヒドロフラン、α-オレフィンオキサイド、アルキレンオキサイド置換体(エピクロロヒドリン、スチレンオキサイド等)等]とを共付加して得られる化合物;及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(ポリ)エチレングリコール又は(ポリ)プロピレングリコール以外の、ヒドロキシル基を2つ以上有する化合物としては、例えば、多価アルコール類(ヘキシレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリブタジエングリコール、ポリカプロラクトンポリオール、ジメチロールプロピオン酸(塩)、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、ショ糖など)多価フェノール類(ヒドロキノン、カテコールなど);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールSなど);並びに、水が挙げられる。これらのうちウレタン変性ポリエーテル樹脂の水分散体又は水溶液の粘度及び樹脂物性の観点から好ましくは多価アルコールであり、より好ましくは2~6価のアルコールであり、さらに好ましくは2価のアルコールである。
EOとともに他のアルキレンオキサイドを用いる場合の付加様式は、ランダム付加でもブロック付加でもよいが、ウレタン変性ポリエーテル樹脂の水分散体又は水溶液の粘度の観点からブロック付加が望ましい。
水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)がエチレンオキサイド単位を有するポリエーテルポリオール成分である場合、ウレタン変性ポリエーテル樹脂の水分散体又は水溶液の粘度の観点からエチレンオキサイド単位の含有量はポリエーテルポリオール成分の重量を基準として好ましくは40~100重量%であり、より好ましくは60~100重量%であり、さらに好ましくは70~100重量%以上であり、特に好ましくは70~90重量%である。
水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)がEO単独重合体又はEO/PO共重合体である場合、エチレンオキサイド単位とプロピレンオキサイド単位の合計重量のうちのエチレンオキサイド単位の割合は好ましくは50~100重量%であり、より好ましくは60~100重量%であり、さらに好ましくは70~100重量%である。
水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)中のエチレンオキサイド単位の含有量は原料の仕込み組成から算出してもよい。
水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)を構成するポリオキシアルキレン鎖の末端部分は、有機ポリイソシアネートとの反応性の点からヒドロキシエチル基となっているものが好ましい。
水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)の数平均分子量(Mn)は、ウレタン変性ポリエーテル樹脂の機械物性及びウレタン変性ポリエーテル樹脂の水分散体又は水溶液の粘度の観点から、好ましくは300以上、より好ましくは300~50000、さらに好ましくは1000~10000である。なお、本発明における分子量はポリエチレングリコールを標準としてゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定されるものである。但し、低分子ポリオールのMnは化学式からの計算値である。
本発明における水溶性ポリエーテルポリオール成分の数平均分子量(Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより、例えば以下の条件で測定することができる。
装置 :「Waters Alliance 2695」[Waters社製]
カラム :「Guardcolumn Super H-L」(1本)、「TSKgel SuperH2000、TSKgel SuperH3000、TSKgel SuperH4000(いずれも東ソー株式会社製)を各1本連結したもの」
試料溶液 :0.25重量%のテトラヒドロフラン溶液
溶液注入量:10μl
流量 :0.6ml/分
測定温度 :40℃
検出装置 :屈折率検出器
基準物質 :標準ポリエチレングリコール
水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)の製造方法としては特に制限はないが、例えば以下の方法が挙げられる。
ヒドロキシル基を2つ以上有する化合物を加圧反応容器に仕込み、触媒となる水酸化カリウム存在下にアルキレンオキサイドを加え、常圧又は加圧下で反応を行う。反応温度は50~150℃が好ましく、反応時間は2~20時間が好ましい。アルキレンオキサイドの付加反応終了後は、必要により触媒を中和し、吸着剤で処理して触媒を除去・精製することができる。
ポリイソシアネート成分(B)はイソシアヌレート基、ビウレット基及び/又はアロファネート基を有するポリイソシアネート成分である。ポリイソシアネート成分(B)としては、従来ポリウレタン製造に使用されているものが使用できる。具体的には2~3個又はそれ以上のイソシアネート基を有する炭素数8~26の芳香族ポリイソシアネート(b1)、炭素数4~22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)、炭素数8~18の脂環式ポリイソシアネート(b3)及び炭素数10~18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)のイソシアヌレート基、ビウレット基及び/又はアロファネート基含有変性物等が挙げられる。
炭素数8~26の芳香族ポリイソシアネート(b1)としては、例えば1,3-又は1,4-フェニレンジイソシアネート、2,4-又は2,6-トリレンジイソシアネート(以下、トリレンジイソシアネートをTDIと略記)、粗製TDI、4,4’-又は2,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、ジフェニルメタンジイソシアネートをMDIと略記)、粗製MDI、ポリアリールポリイソシアネート、4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトビフェニル、3,3’-ジメチル-4,4’-ジイソシアナトジフェニルメタン、1,5-ナフチレンジイソシアネート、4,4’,4”-トリフェニルメタントリイソシアネート及びm-又はp-イソシアナトフェニルスルホニルイソシアネートが挙げられる。
炭素数4~22の脂肪族ポリイソシアネート(b2)としては、例えばエチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略記)、ドデカメチレンジイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、2,6-ジイソシアナトメチルカプロエート、ビス(2-イソシアナトエチル)フマレート、ビス(2-イソシアナトエチル)カーボネート及び2-イソシアナトエチル-2,6-ジイソシアナトヘキサノエートが挙げられる。
炭素数8~18の脂環式ポリイソシアネート(b3)としては、例えばイソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと略記)、4,4-ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート(以下、水添MDIと略記)、シクロヘキシレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、ビス(2-イソシアナトエチル)-4-シクロヘキセン-1,2-ジカルボキシレート及び2,5-又は2,6-ノルボルナンジイソシアネートが挙げられる。
炭素数10~18の芳香脂肪族ポリイソシアネート(b4)としては、例えばm-又はp-キシリレンジイソシアネート及びα,α,α’,α’-テトラメチルキシリレンジイソシアネート(以下、キシリレンジイソシアネートをXDIと略記)が挙げられる。
(b1)~(b4)のポリイソシアネートのイソシアヌレート基、ビウレット基及び/又はアロファネート基含有変性物としては、例えば、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDI及びビウレット変性XDI等が挙げられる。(b1)~(b4)のポリイソシアネートのイソシアヌレート基、ビウレット基及び/又はアロファネート基含有変性物はウレタン基、カルボジイミド基、ウレア基、ウレトジオン基、ウレトイミン基及びオキサゾリドン基のうちの1種又は2種以上を有していてもよい。
本発明におけるポリイソシアネート成分(B)はウレタン変性ポリエーテル樹脂の水分散体又は水溶液の粘度及び樹脂物性の観点から好ましくはイソシアヌレート基及び/又はビウレット基を有するポリイソシアネート成分であり、より好ましくは、ビウレット変性HDI、イソシアヌレート変性HDI、イソシアヌレート変性IPDI又はビウレット変性XDIである。ポリイソシアネート成分(B)は、1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
本発明におけるポリイソシアネート成分(B)のイソシアネート基の平均官能基数は、ウレタン変性ポリエーテル樹脂の水分散体又は水溶液の粘度の観点から、好ましくは2.05~6、より好ましくは2.1~4、さらに好ましくは2.5~4である。前記ポリイソシアネート成分(B)のイソシアネート基の平均官能基数は、各ポリイソシアネートの含有率及び各ポリイソシアネートのイソシアネート基の官能基数に基づいて算出することができ、各ポリイソシアネート成分のイソシアネート基の官能基数はポリイソシアネート成分の分子量とイソシアネート基含量により求められる。
本発明におけるウレタン変性ポリエーテル樹脂を水分散体又は水溶液とした際の粘度は、ハンドリングの観点及び樹脂物性の観点から水60重量部に対してウレタン変性ポリエーテル樹脂40重量部の濃度で水分散体又は水溶液とした際の、25℃で後述する方法で測定された粘度である。
<40重量%ウレタン変性ポリエーテル樹脂の水分散体又は水溶液の粘度>
本発明において、40重量%ウレタン変性ポリエーテル樹脂の水分散体又は水溶液の粘度は下記測定装置及び条件を用いて測定した。
装置 :MCR92(Anton Paar社製)
治具 :50mmコーンプレート
せん断速度:1.0(単位は1/sec)
測定温度:25℃
ウレタン変性ポリエーテル樹脂を40重量%濃度の水分散体又は水溶液とした際のせん断速度1.0(単位は1/sec)で測定した粘度は100~10000mPa・sであり、好ましくは100~5000mPa・sであり、より好ましくは500~3000mPa・sである。
ウレタン変性ポリエーテル樹脂の水分散体又は水溶液の粘度は、(i)水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)の価数、(ii)水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)の付加様式、(iii)水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)のエチレンオキサイド単位の含有量、(iv)水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)の分子量、(v)ポリイソシアネート成分(B)のイソシアネート基の官能基数、(vi)ウレタン変性ポリエーテル樹脂の分子量などにより調整でき、樹脂物性の観点から(ii)、(iii)又は(v)で調整すると低粘度化が容易となり好ましい。
本発明におけるウレタン変性ポリエーテル樹脂の分子量はウレタン変性ポリエーテル樹脂の水分散体又は水溶液の粘度の観点から数平均分子量で3000~100000であり、好ましくは10000~50000である。分子量は前述したポリエーテルポリオール成分(A)と同様にGPCにより測定される。
本発明におけるウレタン変性ポリエーテル樹脂中のウレタン基含有量は、ウレタン変性ポリエーテル樹脂の水分散体又は水溶液の粘度、インク粘度及び再分散性の観点から好ましくは0.01~1.0mol/kg、より好ましくは0.03~0.7mol/kg、さらに好ましくは0.04~0.7mol/kg、特に好ましくは0.05~0.5mol/kgである。本発明におけるウレタン基含有量は、原料の仕込み組成から算出することができる。また、必要により以下の分析方法により測定することもできる。
<ウレタン基含有量の測定方法>
ウレタン変性ポリエーテル樹脂のウレタン基含有量は、窒素分析計[ANTEK7000(アンテック社製)]によって定量される窒素原子含有量とH-NMRによって定量されるウレタン基とウレア基の比率と、から算出する。H-NMR測定については、「NMRによるポリウレタン樹脂の構造研究:武田研究所報34(2)、224-323(1975)」に記載の方法で行う。即ちH-NMRを測定して、脂肪族イソシアネートを使用した場合、化学シフト6ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト7ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を測定し、当該重量比と上記の窒素原子含有量からウレタン基濃度及びウレア基濃度を算出する。芳香族イソシアネートを使用した場合、化学シフト8ppm付近のウレア基由来の水素の積分量と化学シフト9ppm付近のウレタン基由来の水素の積分量の比率からウレア基とウレタン基の重量比を算出し、当該重量比と上記の窒素原子含有量からウレタン基含有量を算出する。
本発明におけるウレタン変性ポリエーテル樹脂の融点は好ましくは耐ブロッキング性及び再溶解性の観点から20~70℃であり、さらに好ましくは30~60℃、特に好ましくは35~55℃である。
本発明における融点は、示差走査熱量計(DSC)を用いて、JIS K7121に規定のDSC法で測定したときの、融解ピーク温度を意味する。
ウレタン変性ポリエーテル樹脂の水酸基価は、ウレタン変性ポリエーテル樹脂の水分散体又は水溶液の粘度及び耐ブロッキング性の観点から10~100mgKOH/gが好ましい。さらに好ましくは10~70mgKOH/gであり、特に好ましくは10~50mgKOH/gである。なお、ウレタン変性ポリエーテル樹脂の水酸基価は、JIS K0070(1995年版)に規定の方法で測定される。
ウレタン変性ポリエーテル樹脂の酸価は、無機塩を含む水性媒体と混合した際の安定性の観点から0~49mgKOH/gが好ましく、より好ましくは0~20mgKOH/gであり、さらに好ましくは0~10mgKOH/gであり、特に好ましくは0mgKOH/gである。なお、ウレタン変性ポリエーテル樹脂の酸価はJIS K0070:1992記載の方法(電位差滴定法)により測定することができる。
ウレタン変性ポリエーテル樹脂の酸価は、例えば、カルボキシル基及び/又はカルボキシレートアニオン基を有するポリオール(ジメチロールプロピオン酸等の酸基含有ポリオール)に由来する骨格の含有量を調節することにより変化させることができる。
上記水溶性ポリエーテルポリオール成分とポリイソシアネート成分とを反応させてウレタン変性ポリエーテル樹脂を得る際に、分子量の制御を目的として鎖伸長剤及び反応停止剤を使用してもよい。
鎖伸長剤としては、特に制限されないが、例えば、水、炭素数2~36の脂肪族ポリアミン[エチレンジアミン及びヘキサメチレンジアミン等のアルキレンジアミン;ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、ジヘキシレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチエレンヘキサミン及びヘキサエチレンヘプタミン等のポリ(n=2~6)アルキレン(炭素数2~6)ポリ(n=3~7)アミン等]、炭素数6~20の脂環式ポリアミン(1,3-又は1,4-ジアミノシクロヘキサン、4,4’-又は2,4’-ジシクロヘキシルメタンジアミン及びイソホロンジアミン等)、炭素数6~20の芳香族ポリアミン(1,3-又は1,4-フェニレンジアミン、2,4-又は2,6-トリレンジアミン、4,4’-又は2,4’-メチレンビスアニリン等)、炭素数3~20の複素環式ポリアミン(2,4-ジアミノ-1,3,5-トリアジン、ピペラジン及びN-アミノエチルピペラジン等)、ヒドラジン又はその誘導体(二塩基酸ジヒドラジド例えばアジピン酸ジヒドラジド等)及び炭素数2~20のアミノアルコール(例えばエタノールアミン、ジエタノールアミン、2-アミノ-2-メチルプロパノール及びトリエタノールアミン)等が挙げられる。鎖伸長剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
反応停止剤としては、特に制限されないが、例えば、炭素数1~20のモノアルコール(メタノール、エタノール、ブタノール、オクタノール、デカノール、ドデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール及びステアリルアルコール等)、炭素数1~20のモノアミン(モノメチルアミン、モノエチルアミン、モノブチルアミン、ジブチルアミン及びモノオクチルアミン等のモノ又はジアルキルアミン並びにモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びジイソプロパノールアミン等のモノ又はジアルカノールアミン等)が挙げられる。反応停止剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
<水性印刷インク>
本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂は水性印刷インク用として用いることが、インク粘度、耐ブロッキング性、再溶解性、安定性の観点から好ましい。
本発明の水性印刷インク(I)はウレタン変性ポリエーテル樹脂を含有してなる。
本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂を含有する水性印刷インク(I)を用いた印刷方法としては、従来のプラスチックフィルムの印刷に使用される特殊グラビア印刷、フレキソ印刷、オフセット印刷及び感熱転写印刷等の印刷方法が挙げられる。
水性印刷インク(I)は、本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂以外に、水性樹脂分散体、顔料等の色材、分散剤、保湿剤、浸透剤、水、及びその他の添加剤を含有することが好ましい。
その他の添加剤としては、架橋剤、溶剤、粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤、凍結防止剤、触媒、レベリング剤等を1種又は2種以上添加することができる。
本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂を含有する水性印刷インク(I)において、ウレタン変性ポリエーテル樹脂は、インク粘度への影響が小さく、インク乾燥塗膜表面に存在することでブロッキングを防止する機能、インク中に分散した水性樹脂分散体を構成する樹脂間に存在することで再溶解性を促進させる機能、分散顔料表面に吸着することで顔料の分散安定化の機能を発揮する。水性印刷インク(I)中のウレタン変性ポリエーテル樹脂の含有量は、接着性、機械的強度及びハンドリング性の観点から、水性印刷インク(I)の重量に基づいて、0.1~40重量%が好ましく、より好ましくは1~30重量%である。
水性樹脂分散体としては、ポリウレタン樹脂を含有してなる水性樹脂分散体が挙げられる。ポリウレタン樹脂を含有してなる水性樹脂分散体としては、一般に塗料用途に用いられるものを使用することができる。市販品としては例えばDIC(株)製のハイドランシリーズ、三井化学(株)製のタケラックWシリーズ、オレスターUDシリーズ、オルネクスジャパン社製のDAOTANシリーズ、三洋化成工業(株)製のユーコートシリーズ、パーマリンシリーズ、第一工業製薬(株)製のスーパーフレックスシリーズ、楠本化成(株)製のNeoRezシリーズ、ADEKA(株)製のアデカボンタイターHUXシリーズ、及び日華化学(株)製エバファノールシリーズ、ネオステッカーシリーズ等が挙げられる。
また、水性樹脂分散体としては、アクリル系樹脂を含有してなる水性樹脂分散体であってもよい。アクリル系樹脂を含有してなる水性樹脂分散体としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル、及び必要によりビニル単量体を共重合した、アクリル樹脂エマルジョンであって、一般に水性印刷インク用途に用いられるものを使用することができる。
市販のアクリル樹脂エマルジョンとしては、例えば三井化学(株)製のアルマテックスEシリーズ、オルネクスジャパン社製のSETAQUAシリーズ、AQUAPOLシリーズ、UCECRYLシリーズ、VIACRYL VSCシリーズ、(株)イーテック製のアクリルエマルジョン(AE872D、AE986B、AE610H、AE981A、AE982、AE337、及びAE373D等)、高圧ガス工業(株)製のペガールシリーズ、日本触媒(株)製のアクリセットシリーズ、及びDIC(株)製のボンコートシリーズ等が挙げられる。
また、水性樹脂分散体としては、ポリエステル樹脂を含有してなる水性樹脂分散体であってもよい。ポリエステル樹脂を含有してなる水性樹脂分散体としては、一般に水性印刷インク用途に用いられるものを使用することができる。市販品としてはオルネクスジャパン社製のRESYDROLシリーズ、東洋紡(株)製のバイロナールシリーズ、東亞合成(株)製のアロンメルトシリーズ、互応化学工業(株)製のプラスコートシリーズ、及びDIC(株)製のウォーターゾールシリーズ、住友精化(株)製のセポルジョンES等が挙げられる。
その他、水性樹脂分散体を構成する樹脂としては、ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂、ニトロセルロース、酢酸ビニル系樹脂、スチレンマレイン酸共重合系樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂及びロジン系樹脂等が挙げられる。上記樹脂並びにポリウレタン樹脂、アクリル系樹脂、及びポリエステル樹脂のうち、2種以上を併用しても良い。
水性樹脂分散体を構成する樹脂としては、好ましくはビニル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用である。
水性樹脂分散体の使用量は、樹脂固形分として、水性印刷インク(I)の重量を基準として好ましくは5~40重量%であり、より好ましくは10~30重量%である。
色材としては、特に制限はなく、好ましくは水性印刷インクに用いられる無機顔料及び有機顔料等が使用できる。例えば、水への溶解度が1以下の無機顔料(例えば白色顔料、黒色顔料、灰色顔料、赤色顔料、茶色顔料、黄色顔料、緑色顔料、青色顔料、紫色顔料及びメタリック顔料)並びに有機顔料(例えば天然有機顔料合成系有機顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、顔料色素型アゾ顔料、銅フタロシアニン顔料、縮合多環顔料、水溶性染料からつくるアゾレーキ、難溶性染料からつくるアゾレーキ、塩基性染料からつくるレーキ、酸性染料からつくるレーキ、キサンタンレーキ、アントラキノンレーキ、バット染料からの顔料及びフタロシアニン顔料)等が挙げられる。色材の含有量は、水性印刷インク(I)の重量に基づいて好ましくは5~40重量%、より好ましくは10~30重量%である。顔料は、顔料が水性媒体に分散した顔料分散体であってもよい。
分散剤としては本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂以外にノニオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤及びその他の乳化分散剤が挙げられる。これら分散剤の使用量は水性印刷インク(I)の重量を基準として好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。
ノニオン性界面活性剤としては、例えばAO付加型ノニオン性界面活性剤及び多価アルコール型ノニオン性界面活性剤が挙げられる。AO付加型としては、炭素数10~20の脂肪族アルコールのEO付加物、フェノールのEO付加物、ノニルフェノールのEO付加物、炭素数8~22のアルキルアミンのEO付加物及びポリ(オキシプロピレン)グリコールのEO付加物等が挙げられ、多価アルコール型としては、多価(3~8価又はそれ以上)アルコール(炭素数2~30)の脂肪酸(炭素数8~24)エステル(例えばグリセリンモノステアレート、グリセリンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート及びソルビタンモノオレエート等)及びアルキル(炭素数4~24)ポリ(重合度1~10)グリコシド等が挙げられる。
アニオン性界面活性剤としては、例えば炭素数8~24の炭化水素基を有するエーテルカルボン酸又はその塩[ラウリルエーテル酢酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1~100)ラウリルエーテル酢酸ナトリウム等];炭素数8~24の炭化水素基を有する硫酸エステル又はエーテル硫酸エステル及びそれらの塩[ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1~100)ラウリル硫酸ナトリウム、(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1~100)ラウリル硫酸トリエタノールアミン及び(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1~100)ヤシ油脂肪酸モノエタノールアミド硫酸ナトリウム等];炭素数8~24の炭化水素基を有するスルホン酸塩[ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等];炭素数8~24の炭化水素基を1個又は2個有するスルホコハク酸塩;炭素数8~24の炭化水素基を有するリン酸エステル又はエーテルリン酸エステル及びそれらの塩[ラウリルリン酸ナトリウム及び(ポリ)オキシエチレン(付加モル数1~100)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム等];炭素数8~24の炭化水素基を有する脂肪酸塩[ラウリン酸ナトリウム及びラウリン酸トリエタノールアミン等];炭素数8~24の炭化水素基を有するアシル化アミノ酸塩[ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシントリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸ナトリウム及びラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム等]が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、例えば、第4級アンモニウム塩型[塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム及びエチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム等]並びにアミン塩型[ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド乳酸塩、ジラウリルアミン塩酸塩及びオレイルアミン乳酸塩等]が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えば、ベタイン型両性界面活性剤[ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2-アルキル-N-カルボキシメチル-N-ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ラウリルヒドロキシスルホベタイン及びラウロイルアミドエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルベタインヒドロキシプロピルリン酸ナトリウム等]並びにアミノ酸型両性界面活性剤[β-ラウリルアミノプロピオン酸ナトリウム等]が挙げられる。
その他の乳化分散剤としては、例えばポリビニルアルコール、デンプン及びその誘導体、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体並びにポリアクリル酸ソーダ等のカルボキシル基含有(共)重合体及び米国特許第5906704号明細書に記載のウレタン基又はエステル基を有する乳化分散剤[例えばポリカプロラクトンポリオールとポリエーテルジオールをポリイソシアネートで連結させたもの]等が挙げられる。
保湿剤としては、特に限定されないが、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタメチレングリコール、トリメチレングリコール、2-ブテン-1、4-ジオール、2-エチル-1、3-ヘキサンジオール、2-メチル-2、4-ペンタンジオール、トリプロピレングリコール、Mnが2000以下のポリエチレングリコール、1、3-プロピレングリコール、イソプロピレングリコール、イソブチレングリコール、グリセリン、メソエリスリトール、ペンタエリスリトール、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、及びN-エチル-2-ピロリドンが挙げられる。保湿剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
浸透剤としては、特に限定されないが、例えば、グリコールエーテル(エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ-t-ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、1-メチル-1-メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル及びジプロピレングリコールモノブチルエーテル等)及び炭素数4~8の脂肪族ジオール(1,2-ペンタンジオール及び1,2-ヘキサンジオール等の1,2-アルキルジオール並びに1,3-プロパンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,7-ヘプタンジオール及び1,8-オクタンジオール等の直鎖アルコール)等の有機溶剤;アセチレングリコール系界面活性剤;アセチレンアルコール系界面活性剤;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等のエーテル系界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイン酸、ポリオキシエチレンオレイン酸エステル、ポリオキシエチレンジステアリン酸エステル、ソルビタンラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンセスキオレート、ポリオキシエチレンモノオレエート及びポリオキシエチレンステアレート等のエステル系界面活性剤;ジメチルポリシロキサン等のシリコーン系界面活性剤;フッ素アルキルエステル及びパーフルオロアルキルカルボン酸塩等のフッ素系界面活性剤等の界面活性剤が挙げられる。浸透剤は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。
水としては、特に限定されないが、例えば、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、及び蒸留水等の純水、並びに超純水のような、イオン性不純物を極力除去したものが挙げられる。また、紫外線照射又は過酸化水素の添加等によって滅菌した水を用いると、水性印刷インクを長期保存する場合に細菌類や真菌類の発生を防止することができる。
水の使用量は、水性印刷インク(I)の重量に基づいて好ましくは10~80重量%、より好ましくは30~70重量%以下である。
架橋剤としては水溶性又は水分散性のアミノ樹脂、水溶性又は水分散性のポリエポキシド、水溶性又は水分散性のブロックドポリイソシアネート化合物及びポリエチレン尿素等が挙げられる。
架橋剤の添加量は水性印刷インク(I)の固形分重量を基準として、好ましくは30重量%以下、より好ましくは0.1~20重量%である。
溶剤としては、ケトン系溶剤(例えばアセトン及びメチルエチルケトン)、エステル系溶剤[例えば酢酸エチル及び二塩基酸エステル(DBE)]、エーテル系溶剤(例えばテトラヒドロフラン)、アミド系溶剤(例えばN,N-ジメチルホルムアミド及びN-メチルピロリドン)、アルコール系溶剤(例えばエタノール及びイソプロピルアルコール)及び芳香族炭化水素系溶剤(例えばトルエン)等の有機溶剤が使用できる。水性印刷インクの乾燥速度及び有害性の観点からアルコール系溶剤(例えばエタノール及びイソプロピルアルコール等)が好ましい。溶剤の使用量は水性印刷インク(I)の重量を基準として好ましくは50重量%以下、より好ましくは20重量%以下である。
粘度調整剤としては本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂以外の粘度調整剤、例えば無機系粘度調整剤(ケイ酸ソーダやベントナイト等)、セルロース系粘度調整剤(Mnが20000以上のメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース及びヒドロキシメチルセルロース等)、タンパク質系粘度調整剤(カゼイン、カゼインソーダ及びカゼインアンモニウム等)、アクリル系粘度調整剤(Mnが20000以上のポリアクリル酸ナトリウム及びポリアクリル酸アンモニウム等)及びビニル系粘度調整剤(Mnが20000以上のポリビニルアルコール等)が挙げられる。
消泡剤としては、長鎖アルコール(オクチルアルコール等)、ソルビタン誘導体(ソルビタンモノオレエート等)、シリコーンオイル(ポリメチルシロキサン及びポリエーテル変性シリコーン等)等が挙げられる。
防腐剤としては、有機窒素硫黄化合物系防腐剤及び有機硫黄ハロゲン化物系防腐剤等が挙げられる。
劣化防止剤及び安定化剤(紫外線吸収剤及び酸化防止剤等)としてはヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、ヒドラジン系、リン系、ベンゾフェノン系又はベンゾトリアゾール系劣化防止剤及び安定化剤等が挙げられる。
凍結防止剤としては、エチレングリコール及びプロピレングリコール等が挙げられる。
粘度調整剤、消泡剤、防腐剤、劣化防止剤、安定化剤及び凍結防止剤の含有量は、用いられる用途における前記の各組成物の重量を基準としてそれぞれ好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下である。
水性印刷インク(I)の製造方法は特に制限はなく、公知の方法等、例えば三本ロール、ボールミル及びサンドグラインダーミル等の汎用のインク製造装置を用いて水性印刷インク(I)を製造できる。
水性印刷インク(I)の配合処方の一例を示せば下記の通りである。
ウレタン変性ポリエーテル樹脂:0.1~40重量%(好ましくは1~30重量%)
水性樹脂分散体:5~40重量%(好ましくは10~30重量%)
色材(顔料):5~40重量%(好ましくは10~30重量%)
分散剤(顔料分散剤):0~10重量%(好ましくは0~5重量%)
溶剤:0~50重量%(好ましくは0~20重量%)
水:10~80%(好ましくは30~70重量%)
水性印刷インク(I)で使用する印刷基材としては、ポリカーボネート、硬質塩化ビニル、軟質塩化ビニル、ポリスチレン、発砲スチロール、PMMA、ポリプロピレン、ポリエチレン、PET等の樹脂基材、上質紙、アート紙、コート紙、キャストコート紙等の紙基材、段ボール用、綿布帛、ガラス、ステンレス等の金属基材等が挙げられる。水性印刷インク(I)の基材としては密着性の観点から樹脂基材又は紙基材が好ましい。
<水性インクジェットインク>
本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂は水性インクジェットインク用として用いることができる。本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂を水性インクジェットインク用として用いると、にじみの抑制、耐ブロッキング性、インク中で分散が不十分となった場合の再分散性、及び色材の分散安定性の観点から好ましい。
本発明の水性インクジェットインク(L)はウレタン変性ポリエーテル樹脂を含有してなる。
ウレタン変性ポリエーテル樹脂を含有する水性インクジェットインク(L)は色材、樹脂、保湿剤、浸透剤、水、及びその他の添加剤を含有することが好ましい。
色材としては、染料及び顔料が挙げられる。
染料としては特に限定されないが、使用するメディアに応じて、反応染料、バット染料、ナフトール染料、硫化染料、直接染料、酸性染料、金属錯塩型染料、分散染料及びカチオン染料等を選択することができる。
顔料としては前記水性印刷インク(I)で例示した顔料が挙げられる。
これら色材の内で好ましいのは顔料である。色材は1種を単独で用いても2種以上を併用してもよい。色材の含有量は、水性インクジェットインク(L)の重量に基づいて好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
樹脂としては、前記水性印刷インク(I)で例示した水性樹脂分散体が挙げられる。
保湿剤、浸透剤及び水としては、前記水性印刷インク(I)で例示した保湿剤、浸透剤及び水が挙げられる。
その他添加剤としては、キレート剤、防腐剤及びpH調整剤等が挙げられる。
キレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸塩(EDTA)、エチレンジアミンのニトリロトリ酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、ピロリン酸塩、又はメタリン酸塩等が挙げられる。
防腐剤としては、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、2-ピリジンチオール-1-オキサイドナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、デヒドロ酢酸ナトリウム及び1,2―ジベンジンチアゾリン-3-オン等が挙げられる。
pH調製剤としては、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、アンモニア、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム及び炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
水性インクジェットインク(L)で使用する印刷基材としては、前記水性印刷インク(I)で例示した印刷基材が挙げられる。
<水性分散体>
本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂を水性分散剤として用いて顔料、染料、又は、金属及び金属酸化物などの無機粒子を水性分散体とした場合に良好な分散安定性が得られる。
本発明の水性分散体はウレタン変性ポリエーテル樹脂を水性分散剤として含有してなる。
本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂を水性分散剤として用いた水性分散体は、本発明の効果を阻害しない範囲内で、水及び有機溶剤を含有していても良い。前記の有機溶剤としては、キシレン、酢酸エチル、トルエン、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトン、ブチルセロソルブ、ジメチルホルムアミド、n-プロパノール、エタノール、ジメチルスルホキシド、n-ブタノール及びメタノール等が挙げられる。
本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂を水性分散剤として用いた水性分散体は、顔料、染料、又は、金属及び金属酸化物などの無機粒子及び水性媒体を含有する。水性分散体は、ペースト状であっても良い。
水性媒体としては、前記水性印刷インク(I)で例示した水が挙げられる。
本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂を水性分散剤として用いた水性分散体は、顔料を含有する、顔料水性分散体(P)であってよい。顔料水性分散体(P)は、ペースト状であっても良い。
前記顔料としては、前記水性印刷インク(I)で例示した顔料が挙げられる。
前記染料としては前記水性インクジェットインク(L)で例示した染料が挙げられる。
前記金属及び金属酸化物などの無機粒子としては、金、銀、銅、白金、ニッケル、パラジウム、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、及びオスミウムからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属微粒子及び金属酸化物粒子が挙げられる。
顔料水性分散体(P)における、本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂の重量割合は、分散安定性の観点から、顔料水性分散体(P)の固形分重量を基準として1~50重量%であることが好ましい。
顔料水性分散体(P)が含有する水性媒体の重量割合は、顔料水性分散体(P)としてのハンドリングの観点から、顔料水性分散体(P)の重量を基準として50~90重量%であることが好ましい。
水性分散体の製造方法のうち、顔料等を水性媒体に分散させる方法としては、本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂、顔料等及び水と必要に応じて有機溶剤とを混合攪拌すること等があげられる。なお、投入は、それぞれ別に投入することで実施しても、事前に本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂と顔料等を混合してから水性媒体に投入することで実施してもよい。
混合攪拌の方法に特に制限はないが、混合撹拌に用いる装置としては、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ジェットミル、ペイントシェーカー及び超音波分散機等が挙げられる。
さらに、分散工程前後に加熱処理を行っても良い。
本明細書には以下の事項が開示されている。
本開示(1)は、水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させてなるウレタン変性ポリエーテル樹脂であって、
前記水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)は価数が2~6価のポリエーテルポリオール成分であり、
前記ポリイソシアネート成分(B)はイソシアヌレート基、ビウレット基及び/又はアロファネート基を有するポリイソシアネート成分であり、
前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂を40重量%濃度の水分散体又は水溶液とした際のせん断速度1.0(単位は1/sec)で測定した粘度が100~10000mPa・sであり、
数平均分子量が3000~100000であるウレタン変性ポリエーテル樹脂である。
本開示(2)は、前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂のウレタン基含有量が0.01~1.0mol/kgである本開示(1)に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂である。
本開示(3)は、前記水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)がエチレンオキサイド単位を有するポリエーテルポリオール成分であり、エチレンオキサイド単位の含有量がポリエーテルポリオール成分の重量を基準として40~100重量%である本開示(1)又は(2)に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂である。
本開示(4)は、前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂の融点が20~70℃である本開示(1)~(3)のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂である。
本開示(5)は、前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂が水性印刷インク用である本開示(1)~(4)のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂である。
本開示(6)は、前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂が水性インクジェットインク用である本開示(1)~(4)のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂である。
本開示(7)は、前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂が水性分散剤である本開示(1)~(4)のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂である。
本開示(8)は、本開示(1)~(5)のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂を含有してなる水性印刷インクである。
本開示(9)は、本開示(1)~(4)及び(6)のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂を含有してなる水性インクジェットインクである。
本開示(10)は、本開示(1)~(4)及び(7)のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂を水性分散剤として含有してなる水性分散体である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下、特に定めない限り「部」は重量部を示す。
<実施例1>
撹拌器及び温度調節機能を備えた加圧反応装置に、ポリプロピレングリコール[三洋化成工業社製「サンニックスPP-2000(Mn=2000)」]60.0部及び水酸化カリウム0.2部を仕込み、窒素置換後、減圧下(20mmHg)、120℃で1時間脱水を行った。次いで、温度120~130℃で圧力が0.5MPaを超えないように調整しながらEO40.0部を5時間かけて滴下し、さらに同温で1時間熟成させた後、吸着剤(合成ケイ酸マグネシウム)処理、濾過を行い、水酸化カリウムを除去することで、2価の水溶性ポリエーテルポリオール(A-1)を100部得た。得られた水溶性ポリエーテルポリオール100部、及び、ポリイソシアネート成分としてキサメチレンジイソシアネートのビウレット体[コベストロ製「デスモジュールN100」]11.7部を混合して80℃で12時間攪拌しウレタン化反応を行い、ウレタン変性ポリエーテル樹脂(Q-1)を製造した。
<実施例2~5、比較例1、2>
使用する原料及び使用量を表1に記載のものに変更する以外は、実施例1と同様にして、ウレタン変性ポリエーテル樹脂(Q-2~Q-5)及び(Q’-1、Q’-2)を得た。使用した原料及び使用量を表1に示す。
表1における各原料の組成は以下の通りである。
・PEG-10000:ポリエチレングリコール[三洋化成工業製、Mn=10000]
・サンニックス PP-2000:ポリプロピレングリコール[三洋化成工業製、Mn=2000]
・サンニックス PP-3000:ポリプロピレングリコール[三洋化成工業製、Mn=3000]
・サンニックス PP-4000:ポリプロピレングリコール[三洋化成工業製、Mn=4000]
・コロネート T-100:トリレンジイソシアネート[東ソー製]
・デスモジュール N100:ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体[コベストロ製]
・デスモジュール Z 4470 BA:イソホロンジイソシアネートのヌレート体[コベストロ製]
・デュラネート TPA-100:ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体[旭化成製]
表1中、水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)中のエチレンオキサイド単位の含有量は仕込み組成から算出した。
表1中、水溶性ポリエーテルポリオール成分及びウレタン変性ポリエーテル樹脂の数平均分子量は明細書中に記載の方法により測定した。
表1中、ウレタン変性ポリエーテル樹脂のウレタン基含有量は仕込み組成から算出した。
表1中、ウレタン変性ポリエーテル樹脂の酸価及び融点は明細書中に記載の方法により測定した。
表1中、ウレタン変性ポリエーテル樹脂を40重量%濃度の水分散体又は水溶液とした際のせん断速度1.0(単位は1/sec)で測定した粘度は、明細書中に記載の方法により測定した。
Figure 2023087640000001
<水性印刷インク(I-1)~(I-5)、(I’-1、I’-2)の製造>
ポリエチレン製容器に、実施例1~5、比較例1及び2で得られたウレタン変性ポリエーテル樹脂を1.5重量部、イオン交換水13重量部、溶剤としてイソプロピルアルコール9重量部、樹脂としてポリウレタン水性樹脂分散体[パーマリンUA-150:三洋化成工業(株)製、固形分濃度30重量%]60重量部、顔料[ピグメントブルー15:3]15重量部、分散剤[キャリボンL-400:三洋化成工業(株)製]3重量部及びガラスビーズ[ASGB-100、アズワン製]100重量部を加え、ペイントコンディショナー[レッドデビル社製]で1時間混練した。次にガラスビーズをフィルター除去することで水性印刷インク(I-1)~(I-5)及び(I’-1、I’-2)を得た。
<水性インクジェットインク(L-1)~(L-5)、(L’-1、L’-2)の製造>
実施例1~5、比較例1及び2で得られたウレタン変性ポリエーテル樹脂を5重量部、樹脂としてポリウレタン水性樹脂分散体[パーマリンUA-150:(三洋化成工業製)、固形分濃度30重量%]20重量部、顔料分散体[カーボンブラック水分散体{東海カーボン製「Aqua-Black162」、固形分濃度20重量%}]25重量部、保湿剤としてグリセリン10重量部、トリエチレングリコール1重量部、浸透剤として1,2-ヘキサンジオール1重量部及びイオン交換水20重量部を容器に仕込み、10分間混合して、水性インクジェットインク(L-1)~(L-5)、(L’-1、L’-2)を得た。
<顔料水性分散体の製造(P-1)~(P-5)、(P’-1、P’-2)>
顔料分散機(TSU-6U、アイメックス製)のベッセルに実施例1~5、比較例1及び2で得られたウレタン変性ポリエーテル樹脂10重量部、イオン交換水20重量部を、均一に溶解するまで攪拌させた。次にシアン顔料[BASF製Heliogen Blue D7088]70重量部、ガラスビーズ[ASGB-320、アズワン製]を200重量部加えた後、4℃の冷却水をジャケットに通水しながら4時間分散させた。
得られた分散スラリーを200rpmで撹拌しながらイオン交換水100重量部を撹拌下で加えた。次にガラスビーズをフィルター除去することで顔料水性分散体(P-1)~(P-5)、(P’-1、P’-2)を得た。
水性印刷インク(I-1)~(I-5)及び(I’-1)、(I’-2)について以下の方法で評価した。
<水性印刷インクの粘度>
粘度を20℃にてBL型回転粘度計(東機産業社製)で1号、2号又は3号ローターを用いて測定した。評価結果は表2に記載した。
<水性印刷インクの耐ブロッキング性>
片面にコロナ処理を施したPETフィルム[東洋紡株式会社製「エスペットE-5102」(厚さ12μm)]に印刷インクの乾燥後の厚みが1μmになるようにバーコーターで塗布し、90℃で10分間乾燥させた後、4cm×8cmに切り取り、このサンプルの印刷面と同じ大きさの未印刷フィルムの非コロナ処理面とを合わせて、50℃24時間、7kg/平方cmの加圧をおこない、フィルムを剥離した時の、印刷面の剥がれの程度及び抵抗感を観察した。評価基準は以下に示す。
5点:印刷物からインクの剥がれが全く見られず、剥離時の抵抗感もなかった。
4点:印刷物からインクの剥がれは全く認められなかったが、剥離時の抵抗感があった。
3点:印刷物からインクの剥がれが認められたが、印刷面積全体の1割未満であった。
2点:印刷物からインクの剥がれが印刷面積全体の1割以上5割未満であった。
1点:印刷物からインクの剥がれが印刷面積の5割以上であった。
<水性印刷インクの再溶解性>
グラビア印刷試験機(TS-1型印刷機;東谷鉄工所社製)で、深度35μmのグラビア版を用いて、10m/分のスピードでOPPフィルムに水性印刷インクを100m印刷した後、グラビア版に付着した余分のインクを水でかるく洗い落とした後の、セル中のインク残存量(体積%)を表2に記載した。
水性インクジェットインク(L-1)~(L-5)及び(L’-1)、(L’-2)について以下の方法で評価した。評価結果は表2に記載した。
<水性インクジェットインクの粘度>
水性インクジェットインクの粘度は下記測定装置及び条件を用いて測定した。
装置:MCR92(Anton Paar社製)
治具:50mmコーンプレート
せん断速度:200(単位は1/s)
測定温度:25℃
<水性インクジェットインクのにじみ性>
水性インクジェットインクをインクジェットプリンタPX-105(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、PETフィルム[東洋紡株式会社製「エスペットE-5102」(厚さ12μm)]の表面に5ポイントと8ポイントで文字を印刷した。評価基準は以下に示す。
4点:文字のにじみがなく、はっきりと印刷できた。
3点:文字のにじみが部分的にあるが、文字の判別がつく。
2点:文字のにじみが部分的にあり、一部文字が潰れて読み取れない。
1点:文字のにじみが全体的にあり、文字が潰れて読み取れない。
<水性インクジェットインクの耐ブロッキング性>
水性インクジェットインクをインクジェットプリンタPX-105(セイコーエプソン株式会社製)を用いて、片面にコロナ処理を施したPETフィルム[東洋紡株式会社製「エスペットE-5102」(厚さ12μm)]に全面印刷し、90℃で10分間乾燥させた後、4cm×8cmに切り取り、このサンプルの印刷面と同じ大きさの未印刷フィルムの非コロナ処理面とを合わせて、50℃24時間、7kg/平方cmの加圧をおこない、フィルムを剥離した時の、印刷面の剥がれの程度及び抵抗感を観察した。評価基準は以下に示す。
5点:印刷物からインクの剥がれが全く見られず、剥離時の抵抗感もなかった。
4点:印刷物からインクの剥がれは全く認められなかったが、剥離時の抵抗感があった。
3点:印刷物からインクの剥がれが認められたが、印刷面積全体の1割未満であった。
2点:印刷物からインクの剥がれが印刷面積全体の1割以上5割未満であった。
1点:印刷物からインクの剥がれが印刷面積の5割以上であった。
<水性インクジェットインクの再分散性>
水性インクジェットインク10gを70mLのマヨネーズ瓶に入れ、蓋をせずに湿度50%、50℃環境下で3時間放置した。放置後のインクに純水を10g加え、30分放置後の状態変化を目視で観察し、以下の評価基準に基づいて再分散性を評価した。
5点:ただちにインクが再分散し一様な状態になる
4点:インクが再分散し一様な状態になる
3点:インクは一部再分散するが、瓶の壁面にインクの乾燥被膜が残る
2点:インクの乾燥被膜が壁面にかなり残り、ほとんど再分散しない
1点:インクの乾燥被膜が壁面にほとんど残り、再分散が見られない
顔料水性分散体(P-1)~(P-5)及び(P’-1)、(P’-2)について以下の方法で評価した。評価結果は表2に記載した。
<顔料水性分散体の粘度>
前記水性インクジェットインクの粘度測定方法と同じ装置条件で測定した。
<顔料水性分散体の分散安定性>
顔料水性分散体を70℃で7日保存したときの粘度変化率を測定し、以下に示す評価基準にしたがって分散安定性を評価した。評価結果を表2に示す。なお、粘度変化率は、以下の式にしたがって算出した。
粘度変化率(%)={(7日後の粘度)/(初期の粘度)-1}×100
評価基準
4点:初期状態より保存後の粘度が低く、変化率10%未満
3点:初期状態より保存後の粘度が高く、変化率10%未満
2点:初期状態より保存後の粘度が低く、変化率10%以上
1点:初期状態より保存後の粘度が高く、変化率10%以上
Figure 2023087640000002
表2の結果から、本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂を含有する水性印刷インクは粘度が低く、かつ、耐ブロッキング性及び再溶解性に優れていることが分かる。また、本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂を含有する水性インクジェットインクは粘度が低く、かつ、にじみ性、耐ブロッキング性及び再分散性に優れていることが分かる。また、本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂を含有する顔料水性分散体は粘度が低く、かつ、分散安定性に優れていることが分かる。
本発明のウレタン変性ポリエーテル樹脂は、水性印刷インク、水性インクジェットインク、水性塗料組成物、水性接着剤組成物、水性繊維加工処理剤組成物(顔料捺染用バインダー組成物、不織布用バインダー組成物、補強繊維用集束剤組成物、セラミックバインダー組成物、抗菌剤用バインダー組成物及び人工皮革・合成皮革用原料組成物等)、水性コーティング組成物(防水コーティング組成物、撥水コーティング組成物及び防汚コーティング組成物等)、水性紙処理剤組成物や水性インク組成物等に好適に使用できる。

Claims (10)

  1. 水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)とポリイソシアネート成分(B)とを反応させてなるウレタン変性ポリエーテル樹脂であって、前記水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)は価数が2~6価のポリエーテルポリオール成分であり、前記ポリイソシアネート成分(B)はイソシアヌレート基、ビウレット基及び/又はアロファネート基を有するポリイソシアネート成分であり、前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂を40重量%濃度の水分散体又は水溶液とした際のせん断速度1.0(単位は1/sec)で測定した粘度が100~10000mPa・sであり、数平均分子量が3000~100000であるウレタン変性ポリエーテル樹脂。
  2. 前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂のウレタン基含有量が0.01~1.0mol/kgである請求項1に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂。
  3. 前記水溶性ポリエーテルポリオール成分(A)がエチレンオキサイド単位を有するポリエーテルポリオール成分であり、エチレンオキサイド単位の含有量がポリエーテルポリオール成分の重量を基準として40~100重量%である請求項1に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂。
  4. 前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂の融点が20~70℃である請求項1に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂。
  5. 前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂が水性印刷インク用である請求項1~4のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂。
  6. 前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂が水性インクジェットインク用である請求項1~4のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂。
  7. 前記ウレタン変性ポリエーテル樹脂が水性分散剤である請求項1~4のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂。
  8. 請求項1~4のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂を含有してなる水性印刷インク。
  9. 請求項1~4のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂を含有してなる水性インクジェットインク。
  10. 請求項1~4のいずれか一項に記載のウレタン変性ポリエーテル樹脂を水性分散剤として含有してなる水性分散体。

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