JP2023087419A - 受信装置及び受信方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】適応処理の精度を維持しつつ適応処理の処理時間を短縮する。【解決手段】実施形態の受信装置は、第1イコライザ回路と、第1サンプラ回路と、制御回路と、を含む。第1イコライザ回路は、外部から入力された第1信号をブーストして第2信号として出力する。第1サンプラ回路は、第2信号をサンプリングして、サンプリング結果を第1デジタル信号として出力する。制御回路は、第1イコライザ回路による第1信号のブースト量を第1信号の損失に適応させる適応処理を実行する。制御回路は、適応処理において、第1デジタル信号のうちセットしたパターンフィルタのデータパターンと一致する部分の符号間干渉に基づいて第1イコライザ回路のブースト量を調整し、第1イコライザ回路のブースト量に応じて、セットするパターンフィルタを動的に変化させる。【選択図】図10
Description
実施形態は、受信装置及び受信方法に関する。
受信装置は、伝送路を介して送信装置に接続される。送信装置は、伝送路を介して受信装置に信号を送信する。受信装置は、伝送路を通過したことに伴い損失が発生した信号を受信する。受信装置は、受信した信号の損失を補償するイコライザ回路を備える。受信装置は、送信装置により送信された信号を受信する際に、イコライザ回路による信号の補償設定を、受信した信号の損失に適応させる適応処理を実行する。
信号の補償精度を維持しつつ適応処理の処理時間を短縮する受信装置及び受信方法を提供する。
実施形態の受信装置は、第1イコライザ回路と、第1サンプラ回路と、制御回路と、を含む。第1イコライザ回路は、外部から入力された第1信号をブーストして第2信号として出力する。第1サンプラ回路は、第2信号をサンプリングして、サンプリング結果を第1デジタル信号として出力する。制御回路は、第1イコライザ回路による第1信号のブースト量を第1信号の損失に適応させる適応処理を実行する。制御回路は、適応処理において、第1デジタル信号のうちセットしたパターンフィルタのデータパターンと一致する部分の符号間干渉に基づいて第1イコライザ回路のブースト量を調整し、第1イコライザ回路のブースト量に応じて、セットするパターンフィルタを動的に変化させる。
以下に、実施形態について図面を参照して説明する。各実施形態は、発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示している。図面は、模式的又は概念的なものである。以下の説明では、略同一の機能及び構成を有する構成要素に、同一の参照符号が付加されている。参照符号に付加された“ハイフン+数字”や“アルファベット”は、同じ参照符号により参照され、且つ類似した要素同士を区別するために使用される。信号名の先頭に“/”が付された信号は、反転信号であることを示している。
[1]第1実施形態
以下に、第1実施形態に係る受信装置3について説明する。
以下に、第1実施形態に係る受信装置3について説明する。
[1-1]構成
[1-1-1]伝送システムTSの構成
図1は、第1実施形態に係る受信装置3を含む伝送システムTSの構成の一例を示すブロック図である。伝送システムTSは、高速シリアル通信により、データを一方の装置から他方の装置へ伝送する。図1に示すように、伝送システムTSは、送信装置1、伝送路2、及び受信装置3を備えている。伝送システムTSにおいて、送信装置1は、伝送路2を介して受信装置3に接続される。
[1-1-1]伝送システムTSの構成
図1は、第1実施形態に係る受信装置3を含む伝送システムTSの構成の一例を示すブロック図である。伝送システムTSは、高速シリアル通信により、データを一方の装置から他方の装置へ伝送する。図1に示すように、伝送システムTSは、送信装置1、伝送路2、及び受信装置3を備えている。伝送システムTSにおいて、送信装置1は、伝送路2を介して受信装置3に接続される。
送信装置1は、情報(データ)を符号化して送信することが可能な半導体集積回路を含む。送信装置1は、符号化した情報を送信信号TR及び/TRとして、伝送路2に入力する。送信信号TR及び/TRは、差動信号であり、例えば、パルス信号である。送信信号TR及び/TRに含まれた各パルスは、変調されたデータに対応する。データの変調方式としては、例えば、パルス振幅変調(Pulse-Amplitude Modulation)が使用される。パルス振幅変調は、一定間隔のパルスの電圧(振幅)によりデータを伝送する変調方式である。データの変調方式としてパルス振幅変調が使用された場合、送信信号TR及び/TRのパルス毎の電圧レベルが、1ビットデータ又は複数ビットデータに対応する。以下の説明では、1ビットデータが1パルスに変調される場合について説明する。
伝送路2は、送信信号TR及び/TRを送信装置1から受信装置3へ伝送するための構造的又は空間的な伝送媒体である。伝送路2は、例えば、送信装置1と受信装置3との間を接続する配線を含む。伝送路2は、伝送媒体の構造や材質に応じた伝送特性を有する。伝送路2に入力された送信信号TR及び/TRは、伝送路2を通過することによって、伝送路2の伝送特性(例えば、周波数特性)に応じた損失を受ける。伝送路2を通過した送信信号TR及び/TRは、受信装置3に対する受信信号RCV及び/RCVとして出力される。送信信号TR及び/TR及び受信信号RCV及び/RCは、アナログ信号として処理される。
受信装置3は、受信した信号から情報を復号することが可能な半導体集積回路を含む。受信装置3は、伝送路2から出力された受信信号RCV及び/RCVを受信する。受信信号RCV及び/RCVは、差動信号であり、伝送路2の伝送特性に応じた損失を受けた送信信号TR及び/TRに対応する。受信装置3は、受信信号RCV及び/RCVの損失を補償して、送信信号TR及び/TRに含まれた情報を復号する。受信装置3は、受信信号RCV及び/RCVを受信する際に、受信信号RCV及び/RCVの補償に関する設定を、受信信号RCV及び/RCVの損失に適応させる適応処理を実行する。
図2は、伝送路2に入力される信号と伝送路2から出力される信号の一例を示す波形図である。図2に示された波形図の縦軸は、信号の電圧(振幅)を示している。図2に示された波形図の横軸は、時間を示している。図2の(A)は、伝送路2に入力される信号、すなわち送信信号TR及び/TRの一例を示している。図2の(B)は、伝送路2から出力される信号、すなわち受信信号RCV及び/RCVの一例を示している。
送信装置1が、連続した“0”データの間に1つの“1”データを挿入した情報を送信した場合、送信信号TR及び/TRの波形は、例えば、図2の(A)に示された波形になる。本例では、“1”データに対応する部分の電圧が、“0”データに対応する部分の電圧よりも高い。そして、“1”データに対応する部分が、エッジが先鋭なパルス信号となっている。また、例えば、“1”データに対応する部分のパルスの半値幅が、“1UI(Unit Interval)”に対応している。1UIは、データを取り込むためのクロック信号の1周期に対応する時間である。
図2の(A)に示された送信信号TR及び/TRが伝送路2を通過すると、伝送路2から出力された受信信号RCV及び/RCVの波形は、例えば、図2の(B)に示された波形になる。図2の(B)に付加された四角のプロットは、所定の周波数のクロック信号に基づいてサンプリングされたサンプル点に対応している。本例では、波形の“1”データに対応する部分に、メインカーソルh[0]が設定されている。カーソルに付加された数値の定義は、メインカーソルh[0]が設定された時刻に対して時間的に古い方が正であり、時間的に新しい方が負である。以下では、h[-1]、h[-2]、…のことを“プリカーソル”と呼び、h[1]、h[2]、…のことを“ポストカーソル”と呼ぶ。
伝送路2の伝送特性は、高周波成分を除去するローパスフィルタのような特性を有する。このため、送信信号TR及び/TRは、伝送路2を通過することによって、高周波成分が失われた受信信号RCV及び/RCVに変換される。言い換えると、受信信号RCV及び/RCVは、送信信号TR及び/TRと比較して、伝送路2による損失に応じてエッジが鈍った波形となる。その結果、伝送路2を通過した送信信号TR及び/TRでは、符号間干渉(ISI:Inter-Symbol Interference)が発生し得る。ISIは、本来個別のデータを有し時間的に隣接する区分(パルス)の間で、波形が影響しあう現象である。連続する“0”データの数と連続する“1”データの数とがランダムに変わる信号では、伝送路2の影響を受けて、ISIによる信号劣化が生じ得る。
[1-1-2]受信装置3の構成
図3は、第1実施形態に係る受信装置3の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、受信装置3は、例えば、イコライザ回路10、データ判定回路20、直列入力並列出力回路(SIPO:Serial-In Parallel-Out)30、CDR(Clock Data Recovery)回路40、デジタル信号処理部50、上位層60、及びパッドP1及びP2を備えている。
図3は、第1実施形態に係る受信装置3の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すように、受信装置3は、例えば、イコライザ回路10、データ判定回路20、直列入力並列出力回路(SIPO:Serial-In Parallel-Out)30、CDR(Clock Data Recovery)回路40、デジタル信号処理部50、上位層60、及びパッドP1及びP2を備えている。
イコライザ回路10は、AFE(Analog Front End)である。イコライザ回路10は、伝送路2の周波数特性を補償することが可能な周波数特性を備える増幅回路を含む。イコライザ回路10には、受信信号RCV及び/RCVがそれぞれパッドP1及びP2を介して入力される。イコライザ回路10は、受信信号RCV及び/RCVに基づいて、等化信号EQSを生成する。等化信号EQSは、伝送路2の周波数特性が補償された受信信号RCV及び/RCVである。そして、イコライザ回路10は、生成した等化信号EQSを、データ判定回路20に出力する。イコライザ回路10の詳細な構成については後述する。なお、図示が省略されているが、等化信号EQSは、差動入力に対する等化信号であるため、実際には差動信号である。
データ判定回路20は、イコライザ回路10から出力された等化信号EQSを、デジタル信号に変換する回路である。データ判定回路20は、例えば、データサンプラ21(“DATA”)と、エッジサンプラ22(“EDGE”)とを含む。データサンプラ21は、クロック信号CK1に基づくタイミングで、等化信号EQSをデジタル信号DS1に変換する。デジタル信号DS1は、連続する複数のデジタル値を含む。クロック信号CK1の周波数は、データのサンプリング周波数に対応する。エッジサンプラ22は、クロック信号CK2に基づくタイミングで、等化信号EQSをデジタル信号DS2に変換する。デジタル信号DS2は、連続する複数のデジタル値を含む。クロック信号CK2の周波数は、例えば、クロック信号CK1に対して同じ周波数、且つ位相が半周期ずれたクロック信号である。クロック信号CK2は、等化信号EQSに含まれた各パルスのエッジ(境界)部分のデジタル値の判定に使用される。デジタル信号DS(DS1及びDS2)のそれぞれは、SIPO30とCDR回路40とに出力される。
SIPO30は、シリアルに入力されたデジタル値をパラレルに出力する回路である。SIPO30は、データ判定回路20から出力された連続したデジタル値をバッファする。そして、SIPO30は、バッファしたデジタル値を、所定の並列数でイコライザ制御回路51に出力する。SIPO30は、例えば、クロック信号CK3に基づいて動作し、データサンプラ21から出力されたデジタル信号DS1と、エッジサンプラ22から出力されたデジタル信号DS2とのそれぞれを取り扱う。クロック信号CK3は、例えば、クロック信号CK1と同じである。
CDR回路40は、受信信号RCV及び/RCVに含まれたクロック信号の位相を検出し、受信装置3によるデータの受信に使用されるクロック信号の位相を調整することが可能な回路である。CDR回路40には、データ判定回路20から出力されたデジタル信号DS1及びDS2が入力される。CDR回路40は、デジタル信号DS1及びDS2に基づいて、クロック信号の位相の補正量を算出する。そして、CDR回路40は、算出された位相の補正量に基づいて、データのサンプリングに使用されるクロック信号CK1を再生する。それから、CDR回路40は、再生したクロック信号CK1を、データサンプラ21などに出力する。また、CDR回路40は、クロック信号CK1に基づいてクロック信号CK2及びCK3を生成し、それぞれエッジサンプラ22とSIPO30とに出力する。CDR回路40がクロック信号の位相を調整する処理の繰り返しは、“CDRループ”と呼ばれる。受信装置3が受信した受信信号RCV及び/RCVの位相とクロック信号CK1の位相とが同期したことが検知されると、CDR回路40がロックされる。すなわち、クロック信号CK1に適用される位相の補正量がある範囲に固定される。なお、CDR回路40は、デジタル信号DS1及びDS2に基づいてクロック信号CK2及びCK3を生成してもよい。また、CDR回路40は、イコライザ回路10の構成に依っては、フィードバック制御するための制御信号を生成し、イコライザ回路10に入力してもよい。
デジタル信号処理部50は、データ判定回路20により復号されたデジタル信号を取り扱う回路である。デジタル信号処理部50は、SIPO30から受け取ったデータ(デジタル信号DS1)を、上位層60に転送する。また、デジタル信号処理部50は、イコライザ制御回路51を含む。イコライザ制御回路51は、受信装置3の適応処理に関する制御を司る回路である。イコライザ制御回路51は、デジタル信号DS1及びDS2に基づいて、イコライザ回路10をフィードバック制御するための制御信号を生成する。イコライザ回路10が生成する制御信号の詳細については後述する。
上位層60は、受信装置3が送信装置1から受け取ったデータを取り扱う処理部である。上位層60は、例えば、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサ、ROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)などを含む。本例では、上位層60が受信装置3に含まれているが、これに限定されない。上位層60は、受信装置3に外部接続されてもよい。
[1-1-3]イコライザ回路10の構成
図4は、第1実施形態に係る受信装置3が備えるイコライザ回路10の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、イコライザ回路10は、例えば、連続時間線形イコライザ(CTLE:Continuous Time Linear Equalizer)回路11、及び判定帰還型イコライザ(DFE:Decision Feedback Equalizer)回路12を備えている。
図4は、第1実施形態に係る受信装置3が備えるイコライザ回路10の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すように、イコライザ回路10は、例えば、連続時間線形イコライザ(CTLE:Continuous Time Linear Equalizer)回路11、及び判定帰還型イコライザ(DFE:Decision Feedback Equalizer)回路12を備えている。
CTLE回路11は、線形等化器としての機能構成を有するアナログフィルタである。CTLE回路11は、受信信号RCV及び/RCVを受けると、当該受信信号RCV及び/RCVの高周波数帯域の利得を増幅する(ブーストする)線形等化処理を行う。具体的には、CTLE回路11は、EQブーストコードに応じて受信信号RCV及び/RCVの高周波数帯域をブーストして、等化信号EQ1及び/EQ1を生成する。そして、CTLE回路11は、生成した等化信号EQ1及び/EQ1を、DFE回路12に送信する。EQブーストコードは、イコライザ制御回路51によって生成される制御信号であり、例えば、所定の範囲内の数値により示される。CTLE回路11は、EQブーストコードに基づいて、CTLE回路11に含まれた可変抵抗器の抵抗値や可変容量の容量値などを調整し得る。
DFE回路12は、非線形等化器としての機能構成を有するデジタルフィルタである。DFE回路12は、入力信号に対してタップ係数に基づいて判定信号をフィードバックする非線形等化処理を行う。具体的には、DFE回路12は、1周期分の等化信号EQ1及び/EQ1に含まれるn個のデジタル値毎に、演算対象のデジタル値、及び演算対象のデジタル値の前後数シンボル分のデジタル値に基づく演算処理を実行する。ここで、“n”は、任意の自然数である。そして、DFE回路12は、演算処理の結果として、等化信号EQSを生成する。タップ係数は、イコライザ制御回路51によって生成される制御信号である。タップ係数は、入力信号において、基準時刻からk区間だけ過去に相当する部分が有するデジタル値に対して割り当てられる。なお、“k”は、1以上n以下の整数である。
なお、第1実施形態に係る受信装置3において、イコライザ制御回路51は、CTLE回路11に入力される受信信号RCV及び/RCVに基づき、等化信号EQ1及び/EQ1を最適に等化するブースト量を決定する機能構成を有する。また、イコライザ制御回路51は、DFE回路12に入力される等化信号EQ1及び/EQ1に基づき、等化信号EQSを最適に等化するタップ係数を決定する機能構成を有する。
なお、イコライザ回路10は、その他の回路構成であってもよい。例えば、イコライザ回路10は、可変ゲインアンプ(VGA:Variable Gain Amplifier)や、AD(Analog to Digital)コンバータや、フィードフォワードイコライザ(FFE:Feed Forward Equalizer)を含んでいてもよい。例えば、CTLE回路11の出力がVGAによって増幅され、VGAによって増幅された信号がADコンバータに出力されてもよい。
(CTLE回路11の構成)
図5は、第1実施形態に係る受信装置3が備えるイコライザ回路10に含まれたCTLE回路11の回路構成の一例を示す回路図である。図5に示すように、CTLE回路11は、例えば、抵抗器R1及びR2、トランジスタT1及びT2、可変容量素子VC、可変抵抗器VR、定電流源CS1及びCS2、並びにノードND1~ND4を備えている。
図5は、第1実施形態に係る受信装置3が備えるイコライザ回路10に含まれたCTLE回路11の回路構成の一例を示す回路図である。図5に示すように、CTLE回路11は、例えば、抵抗器R1及びR2、トランジスタT1及びT2、可変容量素子VC、可変抵抗器VR、定電流源CS1及びCS2、並びにノードND1~ND4を備えている。
抵抗器R1及びR2のそれぞれは、CTLE回路11の負荷として使用される抵抗である。抵抗器R1は、電源ノードVDDとノードND1との間に接続される。抵抗器R2は、電源ノードVDDとノードND2との間に接続される。電源ノードVDDは、電源ノードであり、電源ノードVDDには、CTLE回路11に対する電源電圧が印加される。なお、CTLE回路11の負荷としては、インダクタが使用されてもよい。
トランジスタT1及びT2のそれぞれは、例えば、N型のMOSトランジスタである。トランジスタT1のドレインは、ノードND1に接続される。トランジスタT1のソースは、ノードND3に接続される。トランジスタT1のゲートには、受信信号RCVが入力される。トランジスタT2のドレインは、ノードND2に接続される。トランジスタT2のソースは、ノードND4に接続される。トランジスタT2のゲートには、受信信号/RCVが入力される。CTLE回路11は、ノードND1及びND2から、等化信号/EQ1及びEQ1をそれぞれ出力する。
可変容量素子VCは、EQブーストコードに基づいて容量値が変更され得る容量素子である。可変容量素子VCの一方電極は、ノードND3に接続される。可変容量素子VCの他方電極は、ノードND4に接続される。可変抵抗器VRは、EQブーストコードに基づいて抵抗値が変更され得る抵抗器である。可変抵抗器VRの一方電極は、ノードND3に接続される。可変抵抗器VRの他方電極は、ノードND4に接続される。
定電流源CS1及びCS2のそれぞれは、出力電流を一定に制御する電源回路である。定電流源CS1は、ノードND3と電源ノードVSSとの間に接続される。定電流源CS2は、ノードND4と電源ノードVSSとの間に接続される。電源ノードVSSは、電源ノードであり、電源ノードVSSには、電源電圧よりも低い接地電圧が印加される。接地電圧は、CTLE回路11の基準電位である。
なお、CTLE回路11の回路構成は、その他の構成であってもよい。CTLE回路11は、イコライザ制御回路51から入力されるEQブーストコードに応じて、その等化特性を適応的に調整可能に構成されていればよい。
図6は、第1実施形態に係る受信装置3が備えるイコライザ回路10に含まれたCTLE回路11の等化特性を説明するためのダイアグラムである。図6の縦軸は、イコライザ回路10における電圧利得[dB]を示している。図6の横軸は、周波数を示している。すなわち、図6は、CTLE回路11の周波数性を示している。本明細書において、低周波数帯域は、例えば、数100MHzよりも低い帯域である。高周波数帯域は、例えば、ナイキスト周波数を含むGHzオーダーの周波数の帯域である。
図6に示すように、CTLE回路11の等化特性は、低周波数領域の利得よりも高周波数帯域の利得が高くなるように設定される。本例において、CTLE回路11は、ナイキスト周波数が16GHzである場合に、ナイキスト周波数の近傍の利得が高くなるような等化特性を有している。CTLE回路11のブースト量は、例えば、CTLE回路11の等化特性における低周波数帯域の利得と高周波数帯域の利得との差として定義される。CTLE回路11のブースト量が大きくなるほど、利得との差は大きくなる。
図7は、第1実施形態に係る受信装置3が備えるイコライザ回路10に含まれたCTLE回路11による補償結果の一例を示す波形図である。図7の縦軸は、メインカーソルh[0]の電圧値に基づいて正規化された振幅(電圧)[V]を示している。図7の横軸は、カーソルを示している。図7に示すように、正規化されたメインカーソルh[0]の電圧値に対するポストカーソルh[1]、h[2]、…のそれぞれの電圧値は、ブースト量が大きくなるに応じて小さくなり得る。しかしながら、CTLE回路11のブースト量が大きくなりすぎると、信号の過補償にもなり得る。
CTLE回路11による受信信号RCV及び/RCVの補償は、ポストカーソルにおける振幅(電圧)をゼロにすることが好ましい。ポストカーソルh[1]以降の電圧は、残留符号間干渉(残留ISI)とも呼ばれる。残留ISIの影響は、メインカーソルh[0]近傍が支配的である。このため、イコライザ制御回路51は、適応処理において、メインカーソルh[0]近傍のISIが最小(限りなくゼロに近く)に収束するように、EQブーストコード(ブースト量)を調整する。
なお、CTLE回路11は、受信信号RCVの高周波数帯域を直接的に増幅する。従って、CTLE回路11は、増幅された高周波数帯域に含まれる雑音成分も同時に増幅し得る。このため、等化信号EQ1及び/EQ1に含まれる雑音の影響を小さくするためには、CTLE回路11に設定されるブースト量が小さい方が好ましい。
(DFE回路12の構成)
図8は、第1実施形態に係る受信装置3が備えるイコライザ回路10に含まれたDFE回路12の回路構成の一例を示す回路図である。図8に示すように、DFE回路12は、例えば、加算器121、判定回路122、フリップフロップ回路123(123-1、123-2及び123-3)、並びにバッファ回路124(124-1、124-2及び124-3)を備えている。
図8は、第1実施形態に係る受信装置3が備えるイコライザ回路10に含まれたDFE回路12の回路構成の一例を示す回路図である。図8に示すように、DFE回路12は、例えば、加算器121、判定回路122、フリップフロップ回路123(123-1、123-2及び123-3)、並びにバッファ回路124(124-1、124-2及び124-3)を備えている。
加算器121は、等化信号EQ1及び/EQ1に、複数のバッファ回路124の各々からのフィードバック信号を加算する。そして、加算器121は、加算により得られた信号を、判定回路122に出力する。
判定回路122は、加算器121から信号を受けると、受けた信号に含まれるデータが“0”であるか“1”であるかを判定し、当該判定結果に応じた判定信号を生成する。判定回路122は、現在から過去にわたる複数の区分においてデータを判定する。すなわち、判定信号は、各区分において判定されたデジタル値に対応する振幅レベルを有するパルス信号である。なお、信号が判定される区分は、判定回路122に別途入力されるクロック信号CK1に基づいて決定される。判定回路122は、生成した判定信号を、フリップフロップ回路123-1の入力(“D”)に出力する。
各フリップフロップ回路123は、クロック信号CK1に基づいて、デジタル値を入出力する。フリップフロップ回路123-1の出力(“Q”)は、フリップフロップ回路123-2の入力に接続される。フリップフロップ回路123-2の出力は、フリップフロップ回路123-3の入力に接続される。これにより、フリップフロップ回路123-1、123-2及び123-3は、判定信号において1区分ずつずれたデジタル値を保持する。具体的には、フリップフロップ回路123-1、123-2及び123-3は、それぞれ基準時刻から1区分、2区分、3区分過去の時刻のデジタル値を保持する。また、フリップフロップ回路123-1、123-2及び123-3は、それぞれバッファ回路124-1、124-2及び124-3に関連付けられている。フリップフロップ回路123-1は、保持したデジタル値を、バッファ回路124-1にも出力する。フリップフロップ回路123-2は、保持したデジタル値を、バッファ回路124-2にも出力する。フリップフロップ回路123-3は、保持したデジタル値を、バッファ回路124-3にも出力する。
バッファ回路124-1、124-2及び124-3には、それぞれタップ係数TC1、TC2及びTC3が入力される。タップ係数TC1~TC3は、イコライザ制御回路51によって生成される制御信号である。バッファ回路124-1は、フリップフロップ回路123-1が保持するデジタル値に対して、タップ係数TC1を乗算した結果を反転させた信号をフィードバック信号として生成して、加算器121に出力する。バッファ回路124-2は、フリップフロップ回路123-2が保持するデジタル値に対して、タップ係数TC2を乗算した結果を反転させた信号をフィードバック信号として生成して、加算器121に出力する。バッファ回路124-3は、フリップフロップ回路123-3が保持するデジタル値に対して、タップ係数TC3を乗算した結果を反転させた信号をフィードバック信号として生成して、加算器121に出力する。
これにより、DFE回路12は、等化信号EQ1及び/EQ1に、バッファ回路124-1、124-2及び124-3のそれぞれのフィードバック信号を合成することができる。DFE回路12は、フィードバック信号が合成された等化信号EQ1及び/EQ1を、等化信号EQSとして出力する。等化信号EQSにおける符号間干渉は、フィードバック信号が合成されることにより低減され得る。図3に示されたデータ判定回路20は、等化信号EQSに対して判定動作を行うことにより、符号間干渉が補償されたデジタル信号DSを生成することができる。
なお、DFE回路12に含まれるタップ(フリップフロップ回路123及びバッファ回路124の組)の数は、3つに限定されず、その他の数であってもよい。DFE回路12は、少なくとも、イコライザ制御回路51から指示される複数のタップ係数に応じてその等化特性を適応的に調整可能に構成されていればよい。
[1-2]受信方法
以下に、第1実施形態に係る受信装置3によるデータの受信方法として、イコライザ制御回路51の適応処理について説明する。
以下に、第1実施形態に係る受信装置3によるデータの受信方法として、イコライザ制御回路51の適応処理について説明する。
[1-2-1]適応処理の概要
適応処理は、送信装置1により送信される通信データに含まれた特定のビットの並びに注目して、残留ISIが最小となるようにフィードバック制御する処理である。適応処理において使用される通信データは、例えばランダムパターンであり、規格によって異なる。イコライザ制御回路51は、適応処理におけるEQパラメータの調整に、パターンフィルタを使用する。EQパラメータは、適応処理においてイコライザ制御回路51により調整されるパラメータである。EQパラメータは、EQブーストコードや、タップ係数を含む。パターンフィルタは、一致したデータパターンを抽出するフィルタである。パターンフィルタは、例えば、適応処理における残留ISIの計算に用いるカーソルの組み合わせに対応する。イコライザ制御回路51は、SIPO30から入力されたデジタル信号DS1のデータパターンのうち、パターンフィルタと一致する部分のISIの計算結果に基づいて、EQパラメータを調整する。CTLE回路11は、イコライザ制御回路51による受信信号RCV及び/RCVの特性(つまり、伝送路2の伝送特性)に基づいた適応処理により、最適な等化特性に設定(調整)され得る。
適応処理は、送信装置1により送信される通信データに含まれた特定のビットの並びに注目して、残留ISIが最小となるようにフィードバック制御する処理である。適応処理において使用される通信データは、例えばランダムパターンであり、規格によって異なる。イコライザ制御回路51は、適応処理におけるEQパラメータの調整に、パターンフィルタを使用する。EQパラメータは、適応処理においてイコライザ制御回路51により調整されるパラメータである。EQパラメータは、EQブーストコードや、タップ係数を含む。パターンフィルタは、一致したデータパターンを抽出するフィルタである。パターンフィルタは、例えば、適応処理における残留ISIの計算に用いるカーソルの組み合わせに対応する。イコライザ制御回路51は、SIPO30から入力されたデジタル信号DS1のデータパターンのうち、パターンフィルタと一致する部分のISIの計算結果に基づいて、EQパラメータを調整する。CTLE回路11は、イコライザ制御回路51による受信信号RCV及び/RCVの特性(つまり、伝送路2の伝送特性)に基づいた適応処理により、最適な等化特性に設定(調整)され得る。
図9は、第1実施形態に係る受信装置3の適応処理で使用されるパターンフィルタの一例を示すテーブルである。パターンフィルタの設定としては、例えば、図9に示すように、パターンフィルタPF1~PF4が考えられる。
パターンフィルタPF1において着目するポストカーソルの組み合わせは、“h[1]+h[2]”である。この場合、イコライザ制御回路51は、デジタル信号DS1のデータパターンから、h[-1]~h[4]が“0100**(“*”はワイルドカード)”となる並びを抽出して、ポストカーソルh[1]及びh[2]に関する残留ISIの検出に使用する。
パターンフィルタPF2において着目するポストカーソルの組み合わせは、“h[2]+h[3]”である。この場合、イコライザ制御回路51は、デジタル信号DS1のデータパターンから、h[-1]~h[4]が“01*00*”となる並びを抽出して、ポストカーソルh[2]及びh[3]に関する残留ISIの検出に使用する。
パターンフィルタPF3において着目するポストカーソルの組み合わせは、“h[1]+h[2]+h[3]”である。この場合、イコライザ制御回路51は、デジタル信号DS1のデータパターンから、h[-1]~h[4]が“01000*”となる並びを抽出して、ポストカーソルh[1]、h[2]及びh[3]に関する残留ISIの検出に使用する。
パターンフィルタPF4において着目するポストカーソルの組み合わせは、“h[2]+h[3]+h[4]”である。この場合、イコライザ制御回路51は、デジタル信号DS1のデータパターンから、h[-1]~h[4]が“01*000”となる並びを抽出して、ポストカーソルh[2]、h[3]及びh[4]に関する残留ISIの検出に使用する。
なお、第1実施形態に係る受信装置3の適応処理で使用されるパターンフィルタの設定は、その他の設定であってもよい。例えば、パターンフィルタとしては、反転パターンが利用されてもよい。具体的には、イコライザ制御回路51は、図9に示された各パターンフィルタにおいて、各カーソルの“0”と“1”が入れ替えられたパターンフィルタを利用してもよい。イコライザ制御回路51は、セットされたパターンフィルタと、セットされたパターンフィルタの反転パターンとの両方を適応処理に利用してもよい。第1実施形態に係る受信装置3では、イコライザ制御回路51が、適応処理において複数種類のパターンフィルタを使用可能であればよい。
[1-2-2]適応処理の流れ
図10は、第1実施形態に係る受信装置3の適応処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下に、図10を参照して、適応処理の流れについて説明する。
図10は、第1実施形態に係る受信装置3の適応処理の流れの一例を示すフローチャートである。以下に、図10を参照して、適応処理の流れについて説明する。
イコライザ制御回路51は、上位層60から適応処理のステートに入ったことを通知する信号を受け取ると、適応処理を開始する(開始)。
まず、イコライザ制御回路51は、EQパラメータを初期値に設定する(S10)。EQパラメータの初期値のうちEQブーストコードの初期値は、ブースト量が小さい方から開始されてもよいし、ブースト量が大きい方から開始されてもよいし、中間の値から開始されてもよい。
次に、イコライザ制御回路51は、現在のEQブーストコードに応じたパターンフィルタをセットする(S11)。言い換えると、S11の処理において、イコライザ制御回路51は、現在のEQブーストコードに関連付けられたパターンフィルタを選択する。
次に、イコライザ制御回路51は、受信したデジタル信号DS1のうち、セットされたパターンフィルタと一致する部分を検索する(S12)。
S12においてセットされたパターンフィルタと一致する部分を検出すると、イコライザ制御回路51は、EQブーストコードの調整方法に従い、EQブーストコードのUP/DOWNを判断する(S13)。S13の処理では、例えば、セットされたパターンフィルタに基づいて残留ISIが検出される。EQブーストコードの調整方法の詳細については、第2実施形態及び第3実施形態で説明する。。
S13の処理に基づきイコライザ制御回路51は、EQパラメータを調整する(S14)。EQパラメータの調整において、イコライザ制御回路51は、例えば、EQブーストコードを加算(UP)又は減算(DOWN)する。S14の処理が完了すると、イコライザ制御回路51は、S15の処理に進む。
S15の処理において、イコライザ制御回路51は、S11~S14の処理を所定時間若しくは所定回数繰り返したか否かを確認する。
S15の処理において、イコライザ制御回路51は、S11~S14の処理が所定時間若しくは所定回数繰り返されていなかったことを確認した場合(S15:NO)、S11の処理に進む。
S15の処理において、イコライザ制御回路51は、S11~S14の処理が所定時間若しくは所定回数繰り返されたことを確認した場合(S15:YES)、S16の処理に進む。
S16の処理において、イコライザ制御回路51は、上位層60に、適応処理の完了を通知する。すなわち、イコライザ制御回路51は、適応処理が完了したことを通知する信号を発行して、発行した信号を上位層60に送信する。S16の処理が完了すると、イコライザ制御回路51は、図10の一連の処理を終了する(終了)。
以上で説明されたように、第1実施形態に係る受信装置3において、イコライザ制御回路51は、適応処理において、デジタル信号DS1のうちセットしたパターンフィルタのデータパターンと一致する部分の符号間干渉に基づいてCTLE回路11のブースト量を調整し、CTLE回路111のブースト量に応じて、セットするパターンフィルタを動的に変化させている。なお、適応処理の完了は、セットされたパターンフィルタにおける残留ISIが収束したか否かに基づいて判定されてもよい。この場合、例えば、S15の処理が残留ISIが収束したか否かの判定に置き換えられ、残留ISIが収束していなかった場合にS11の処理に進み、残留ISIが収束していた場合にS16の処理に進む。
[1-2-3]適応処理の具体例
図11及び図12は、それぞれ低損失環境下及び高損失環境下におけるパターンフィルタPF1~PF4毎の残留ISIとEQブーストコードとの関係性の一例を示すグラフである。“低損失”は、信号の損失が小さいことを示している。“高損失”は、信号の損失が大きいことを示している。例えば、同じ伝送媒体が利用された場合に、低損失の伝送路2の長さは、高損失の伝送路2よりも短い。図11及び図12のそれぞれの縦軸は、残留ISIの量に対応する値を示している。図11及び図12のそれぞれの横軸は、EQブーストコードの値を示している。なお、EQブーストコードは、例えば、連続した数値であり、0~64の範囲で与えられる。CTLE回路11は、EQブーストコードの数値に応じて、ブースト量を変更し得る。例えば、EQブーストコードの数値が大きいほど、ブースト量が大きくなるように設定される。
図11及び図12は、それぞれ低損失環境下及び高損失環境下におけるパターンフィルタPF1~PF4毎の残留ISIとEQブーストコードとの関係性の一例を示すグラフである。“低損失”は、信号の損失が小さいことを示している。“高損失”は、信号の損失が大きいことを示している。例えば、同じ伝送媒体が利用された場合に、低損失の伝送路2の長さは、高損失の伝送路2よりも短い。図11及び図12のそれぞれの縦軸は、残留ISIの量に対応する値を示している。図11及び図12のそれぞれの横軸は、EQブーストコードの値を示している。なお、EQブーストコードは、例えば、連続した数値であり、0~64の範囲で与えられる。CTLE回路11は、EQブーストコードの数値に応じて、ブースト量を変更し得る。例えば、EQブーストコードの数値が大きいほど、ブースト量が大きくなるように設定される。
伝送路2が低損失である場合、図11に示すように、パターンフィルタPF1~PF4の何れにおいても、残留ISIがゼロ(収束点)に収束し得る。また、ポストカーソルh[1]を含まないパターンフィルタPF2及びPF4の残留ISIは、ポストカーソルh[1]を含むパターンフィルタPF1及びPF3よりも大きいブースト量で収束している。伝送路2が低損失である場合、残留ISIは比較的小さい値となる。このため、メインカーソル近傍のポストカーソルh[1]を含むパターンフィルタが使用された方が、より適正なイコライズ状態に収束しやすくなる。従って、伝送路2が低損失である場合、パターンフィルタにポストカーソルh[1]が含まれていることが好ましい。
伝送路2が高損失である場合、図12に示すように、パターンフィルタPF2及びPF4の残留ISIは、収束点に収束している。一方で、パターンフィルタPF1及びPF3の残留ISIは、収束点に収束していない。パターンフィルタPF2及びPF4の組と、パターンフィルタPF1及びPF3の組との相違点は、ポストカーソルh[1]を含んでいるか否かである。伝送路2が高損失である場合、ポストカーソルh[1]の残留ISIは非常に大きい電圧レベルとなる。ポストカーソルh[1]が残留ISIの検出に用いられた場合、このように非常に大きな残留ISIをCTLE回路11で補正しようとすると、ナイキスト周波数でのブースト量を大きくする必要がある。その結果、ポストカーソルh[2]以降がアンダーシュートし、過補償が発生してしまう。従って、伝送路2が高損失である場合、パターンフィルタにポストカーソルh[1]が含まれていないことが好ましい。
図13は、第1実施形態に係る受信装置3におけるパターンフィルタの切り替え方法の一例を示す模式図である。図13は、EQブーストコードの数値とパターンフィルタPFとの関連付けの一例を示している。この例は、適応処理において2種類のパターンフィルタPF3(h[1]+h[2]+h[3])及びPF4(h[2]+h[3]+h[4])を使用する場合を例示している。図13に示すように、本例において、イコライザ制御回路51は、例えば、ブースト量が相対的に小さい範囲であるEQブーストコードが“0”~“31”の範囲に含まれる数値である場合に、パターンフィルタPF3を選択する。一方で、イコライザ制御回路51は、ブースト量が相対的に大きい範囲であるEQブーストコードが“32”~“64”の範囲に含まれる数値である場合に、パターンフィルタPF4を選択する。このように、第1実施形態に係る受信装置3において、イコライザ制御回路51は、EQブーストコードの数値に応じて、パターンフィルタを切り替えることができる。
なお、EQブーストコードとパターンフィルタとの関連付けは、予め適宜設定される。パターンフィルタは、互いに異なるEQブーストコードの範囲に関連付けられて3種類以上用意されてもよい。適応処理において使用されるパターンフィルタに設定されるカーソルの数は、同じ数に統一されてもよいし、異なっていてもよい。また、各パターンフィルタで使用されるカーソルの数は、多くなる程、適応処理で使用されるデータパターンにおいてパターンフィルタと一致する箇所が減り、EQパラメータの更新頻度が減る。このため、パターンフィルタとして使用されるカーソルの数は、適応処理による信号の補償品質が維持できる範囲で少なく設定されることが好ましい。
[1-3]第1実施形態の効果
以上で説明された第1実施形態に係る受信装置3に依れば、信号の補償精度を維持しつつ適応処理の処理時間を短縮することができる。以下に、第1実施形態の効果の詳細について説明する。
以上で説明された第1実施形態に係る受信装置3に依れば、信号の補償精度を維持しつつ適応処理の処理時間を短縮することができる。以下に、第1実施形態の効果の詳細について説明する。
送信装置及び受信装置間の信号の伝送は、様々な規格のシリアル通信の高速化に伴い、帯域内の信号の損失が増加している。信号の損失を補正するために、受信装置には、イコライザ回路が搭載されている。通信品質は、イコライザ回路の設定が信号の損失に応じて適切に調整すること(適応処理)によって向上し得る。伝送路の仕様に応じて信号の損失量が異なるため、受信装置は、様々な信号の損失に対応できることが好ましい。また、イコライザ回路は、適応処理中のデータパターンから、イコライザ回路の適応制御に適したビットパターンを抽出するために、パターンフィルタを用いることがある。
しかしながら、最適なパターンフィルタの設定は、信号の品質(チャネル条件)によって異なっている。例えば、予め決められたパターンフィルタで適応処理を実行する場合、高損失な伝送路の適応を優先させたパターンフィルタを使用することが考えられる。高損失な伝送路に最適化されたパターンフィルタが低損失な伝送路を対象とした適応処理に利用された場合、信号を受信することは可能であるが、最適な補償量が設定されなくなるおそれがある。他の方法としては、複数のパターンフィルタを用いて、複数回の適応処理を行い、アイモニタによって受信信号のアイパターンの開口状態を調べて、信号の補償量を決定することも考えられる。この場合、信号の品質毎に最適な補償量が適用され得るが、アイモニタ機能の実装のために受信装置のコストが増加する。また、通信の開始前に実行される適応処理の処理時間が長くなるため、通信が開始できるまでの時間が長くなることがある。
また、受信装置は、信号を受信する際に、2段階のイコライズ処理を実行することが考えられる。2段階のイコライズ処理は、プリイコライズ処理と、ファインイコライズ処理とを含む。プリイコライズ処理は、大まかなCTLE回路の適応処理であり、伝送路の特性を推定するために実行される。ファインイコライズ処理は、CTLE回路及びDFE回路の適応処理であり、プリイコライズ処理によって決定されたCTLE回路のブースト量に基づいて実行される。プリイコライズ処理を実行することは、ファインイコライズ処理における適応精度を向上させることができる一方で、適応処理全体に要する時間が長くなる。
そこで、第1実施形態に係る受信装置3は、予めCTLE回路11のブースト量に対応付けられたパターンフィルタを定義する。つまり、受信装置3の適応処理では、EQブーストコードに応じてパターンフィルタが動的に変更される。これにより、第1実施形態に係る受信装置3は、例えば、プリイコライズ処理相当の処理によって、CTLE回路11のブースト量の調整量を収束させることができる。
具体的には、イコライザ制御回路51は、適応処理の進行に伴いEQブーストコードが小さく調整された場合、すなわち伝送路2が低損失である場合に、例えば、ポストカーソルh[1]を使用するパターンフィルタを選択して、残留ISIの検出を行う。一方で、イコライザ制御回路51は、適応処理の進行に伴いEQブーストコードが大きく調整された場合、すなわち伝送路2が高損失である場合に、例えば、ポストカーソルh[1]を使用しないパターンフィルタを選択して、残留ISIの検出を行う。
その結果、第1実施形態に係る受信装置3は、適応処理の進行に応じて信号の損失の特性に応じたパターンフィルタを適切に選択することができる。これにより、第1実施形態に係る受信装置3は、残留ISIを極力抑制することができ、且つ、CTLE回路11に最適なEQブーストコードを設定することができる。また、受信装置3は、プリイコライズ処理相当の処理によりCTLE回路11のブースト量を決定することができるため、適応処理の時間を短縮することもできる。従って、第1実施形態に係る受信装置3は、信号の補償精度を維持しつつ適応処理の処理時間を短縮することができる。
なお、第1実施形態に係る受信装置3では、上位層60が、適応処理の完了が通知されたことに応じて、次のステートの処理に移行することができる。例えば、上位層60は、適応処理が完了したことを検知すると、適応処理が完了したことを送信装置1に通知する。これにより、送信装置1は、適応処理に割り当てられた時間が経過するまで待機することなく、適応処理の次の処理を開始することができる。また、上位層60は、適応処理が異常に終了した場合に、より低いデータレートでの通信を送信装置1に要求してもよい。このように、第1実施形態に係る受信装置3において、上位層60は、適応処理の結果に応じて、送信装置1側に向けた応答を送信することによって、次にどのステートの処理を実行するのかを決定することができる。
[2]第2実施形態
第2実施形態に係る受信装置3Aは、第1実施形態と同様の構成を有する。第2実施形態に係る受信装置3Aは、第1実施形態で説明された適応処理において、イコライザ回路10を通過した信号のエッジ情報を用いてEQブーストコードを調整する。以下に、第2実施形態に係る受信装置3Aについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
第2実施形態に係る受信装置3Aは、第1実施形態と同様の構成を有する。第2実施形態に係る受信装置3Aは、第1実施形態で説明された適応処理において、イコライザ回路10を通過した信号のエッジ情報を用いてEQブーストコードを調整する。以下に、第2実施形態に係る受信装置3Aについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
[2-1]受信方法
図14は、第2実施形態に係る受信装置3Aにおけるサンプル点の一例を示す波形図である。図14に示された波形図の縦軸は、信号の電圧(振幅)を示している。図14に示された波形図の横軸は、時間を示している。図14に付加された四角のプロットは、クロック信号CK1に対応するサンプル点(データサンプル点)に対応している。図14に付加されたドットのプロットは、クロック信号CK2に対応するサンプル点(エッジサンプル点)に対応している。クロック信号CK2はクロック信号CK1に対して半周期ずれた信号であるため、エッジサンプル点は、図14に示すように隣り合うデータサンプル点の間のそれぞれに配置される。具体的には、メインカーソルh[0]とプリカーソルh[-1]との間に、エッジサンプル点e[-1]が配置される。メインカーソルh[0]とプリカーソルh[1]との間に、エッジサンプル点e[1]が配置される。
図14は、第2実施形態に係る受信装置3Aにおけるサンプル点の一例を示す波形図である。図14に示された波形図の縦軸は、信号の電圧(振幅)を示している。図14に示された波形図の横軸は、時間を示している。図14に付加された四角のプロットは、クロック信号CK1に対応するサンプル点(データサンプル点)に対応している。図14に付加されたドットのプロットは、クロック信号CK2に対応するサンプル点(エッジサンプル点)に対応している。クロック信号CK2はクロック信号CK1に対して半周期ずれた信号であるため、エッジサンプル点は、図14に示すように隣り合うデータサンプル点の間のそれぞれに配置される。具体的には、メインカーソルh[0]とプリカーソルh[-1]との間に、エッジサンプル点e[-1]が配置される。メインカーソルh[0]とプリカーソルh[1]との間に、エッジサンプル点e[1]が配置される。
そして、第2実施形態に係る受信装置3Aにおいて、イコライザ制御回路51Aは、適応処理において、デジタル信号DS2のサンプル点のうち、デジタル信号DS1に関してセットしたパターンフィルタと一致した部分のメインカーソルを挟んでいる2つのサンプル点のサンプリング結果に基づいて、CTLE回路11のブースト量を調整する。
図15は、第2実施形態に係る受信装置3Aの適応処理におけるEQブーストコードの調整方法の一例を示す真理値表である。図15に示すように、第2実施形態に係る受信装置3Aにおいて、イコライザ制御回路51Aは、EQブーストコードを、所定のデータパターンと、エッジ情報とに基づいて調整する。
具体的には、エッジサンプル点e[-1]及びe[1]のそれぞれが“0”データであることは、CTLE回路11の出力信号の振幅が小さいことを示している。このため、イコライザ制御回路51Aは、例えば、適応処理中に受信したデータパターンにおいて、h[-1]~h[4]におけるデータのデジタル値が“010000”であり、且つエッジサンプル点e[-1]及びe[1]のそれぞれが“0”データ(“L”レベルの電圧)であるパターンを検出すると、EQブーストコードをインクリメント(例えば+1)する。
一方で、エッジサンプル点e[-1]及びe[1]のそれぞれが“1”データであることは、CTLE回路11の出力信号の振幅が大きいことを示している。このため、イコライザ制御回路51Aは、例えば、適応処理中に受信したデータパターンにおいて、h[-1]~h[4]におけるデータのデジタル値が“010000”であり、且つエッジサンプル点e[-1]及びe[1]のそれぞれが“1”データ(“H”レベルの電圧)であるパターンを検出すると、EQブーストコードをデクリメント(例えば-1)する。
また、データパターンがデータサンプル点とエッジサンプル点とのそれぞれにおいてその他の状態である場合に、イコライザ制御回路51Aは、EQブーストコードを変更無しとする。このように、イコライザ制御回路51Aは、データサンプル点の情報と、エッジサンプル点の情報とのそれぞれに基づいてCTLE回路11によるブースト量が不足しているか、過剰であるか、又は適正であるかを判断し、EQパラメータ(EQブーストコード)にフィードバックする。
[2-2]第2実施形態の効果
以上で説明されたように、第2実施形態に係る受信装置3Aでは、イコライザ回路10を通過した信号のエッジ情報を用いてEQブーストコードを調整することができる。そして、第2実施形態に係る受信装置3Aは、第1実施形態と同様に適応処理を実行することによって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上で説明されたように、第2実施形態に係る受信装置3Aでは、イコライザ回路10を通過した信号のエッジ情報を用いてEQブーストコードを調整することができる。そして、第2実施形態に係る受信装置3Aは、第1実施形態と同様に適応処理を実行することによって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[3]第3実施形態
第3実施形態に係る受信装置3Bは、第1実施形態で説明された適応処理において、イコライザ回路10の出力信号の振幅情報を用いてEQブーストコードを調整する。以下に、第3実施形態に係る受信装置3Bについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
第3実施形態に係る受信装置3Bは、第1実施形態で説明された適応処理において、イコライザ回路10の出力信号の振幅情報を用いてEQブーストコードを調整する。以下に、第3実施形態に係る受信装置3Bについて、第1実施形態と異なる点を説明する。
[3-1]構成
図16は、第3実施形態に係る受信装置3Bの構成の一例を示すブロック図である。図16に示すように、受信装置3Bは、第1実施形態に係る受信装置3に対して、VREF生成回路70とエラーサンプラ23(“ERR”)とが追加された構成を有する。
図16は、第3実施形態に係る受信装置3Bの構成の一例を示すブロック図である。図16に示すように、受信装置3Bは、第1実施形態に係る受信装置3に対して、VREF生成回路70とエラーサンプラ23(“ERR”)とが追加された構成を有する。
VREF生成回路70は、基準電圧VREFを生成する電圧発生器である。基準電圧VREFは、等化信号EQSの振幅を調整するための基準として使用される電圧である。VREF生成回路70は、生成した基準電圧VREFを、エラーサンプラ23に入力する。また、VREF生成回路70は、デジタル信号処理部50Bに含まれたイコライザ制御回路51Bの制御に基づいて、基準電圧VREFのレベルを調整し得る。本例において、基準電圧VREFの制御には、VREFコードが使用される。VREFコードは、例えば、連続した数値である。VREFコードの数値と、基準電圧VREFのレベルが関連付けられる。例えば、VREFコードの数値が大きいほど、基準電圧VREFのレベルが高くなるように設定される。
エラーサンプラ23は、データ判定回路20Bに含まれる。エラーサンプラ23は、例えば、データサンプラ21と同様に、クロック信号CK1に基づいて動作する。エラーサンプラ23は、イコライザ回路10から出力された等化信号EQSの振幅が基準電圧VREFを超えているか否かを判定する。そして、エラーサンプラ23は、判定結果をデジタル信号DS3として、SIPO30Bに送信する。デジタル信号DS3は、時間的に連続する複数のデジタル値を含む。SIPO30は、デジタル信号DS3のデジタル値をバッファして、バッファしたデジタル値を、所定の並列数でイコライザ制御回路51に出力する。
第3実施形態に係る受信装置3Bのその他の構成は、イコライザ制御回路51を除いて、第1実施形態に係る受信装置3と同様である。
[3-2]受信方法
第3実施形態に係る受信装置3Bにおいて、イコライザ制御回路51Bは、デジタル信号DS1及びDS3に基づいて、CTLE回路11のブースト量と前記電圧生成回路の前記基準電圧のレベルとを調整する。
第3実施形態に係る受信装置3Bにおいて、イコライザ制御回路51Bは、デジタル信号DS1及びDS3に基づいて、CTLE回路11のブースト量と前記電圧生成回路の前記基準電圧のレベルとを調整する。
図17は、第3実施形態に係る受信装置3Bの適応処理におけるEQブーストコードの調整方法の一例を示す真理値表である。図17に示すように、第3実施形態に係る受信装置3Bにおいて、イコライザ制御回路51Bは、EQブーストコードを、所定のデータパターンと、振幅情報とに基づいて調整する。
具体的には、例えば、h[0]~h[3]におけるデータのデジタル値が“1111”データであり、且つh[0]におけるエラーサンプラ23の判定結果が“1”データであることは、現在の基準電圧VREFのレベルが低いことを示している。この場合、イコライザ制御回路51Bは、VREFコードをインクリメント(例えば+1)する。
一方で、例えば、h[0]~h[3]におけるデータのデジタル値が“1111”データであり、且つh[0]におけるエラーサンプラ23の判定結果が“0”データであることは、現在の基準電圧VREFのレベルが高いことを示している。この場合、イコライザ制御回路51Bは、VREFコードをデクリメント(例えば-1)する。
そして、例えば、h[0]~h[3]におけるデータのデジタル値が“1000”データであり、且つh[0]におけるエラーサンプラ23の判定結果が“1”データであることは、現在のブースト量が大きいことを示している。この場合、イコライザ制御回路51Bは、EQブーストコードをデクリメント(例えば-1)する。
一方で、例えば、h[0]~h[3]におけるデータのデジタル値が“1000”データであり、且つh[0]におけるエラーサンプラ23の判定結果が“0”データであることは、現在のブースト量が小さいことを示している。この場合、イコライザ制御回路51Bは、EQブーストコードをインクリメント(例えば+1)する。
また、データパターンがデータサンプル点とエラーサンプル点とのそれぞれにおいてその他の状態である場合には、イコライザ制御回路51Bは、EQブーストコード及びVREFコードを変更無しとする。このように、イコライザ制御回路51Bは、データサンプル点の情報と、エラーサンプル点(すなわち振幅)の情報とのそれぞれに基づいてCTLE回路11によるブースト量が不足しているか、過剰であるか、又は適正であるかを判断し、EQパラメータ(EQブーストコード)にフィードバックする。
以上で説明されたように、第3実施形態におけるイコライザ制御回路51Bは、適応処理において、VREFコードを調整するためのパターンフィルタと、EQブーストコードを調整するためのパターンフィルタとの2種類を使用し得る。第3実施形態におけるイコライザ制御回路51Bは、適応処理において、VREF及びEQパターンフィルタのどちらか若しくは両方を、EQブーストコードに応じて動的に変更可能である。
[3-3]第3実施形態の効果
以上で説明されたように、第3実施形態に係る受信装置3では、イコライザ回路10の出力信号の振幅情報を用いてEQブーストコードを調整することができる。そして、第3実施形態に係る受信装置3は、第1実施形態と同様に適応処理を実行することによって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
以上で説明されたように、第3実施形態に係る受信装置3では、イコライザ回路10の出力信号の振幅情報を用いてEQブーストコードを調整することができる。そして、第3実施形態に係る受信装置3は、第1実施形態と同様に適応処理を実行することによって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
[4]第4実施形態
第4実施形態は、第1~第3実施形態で説明された受信装置3、3A及び3Bの利用例に関する。以下に、第4実施形態として、受信装置3、3A及び3Bを利用した情報処理システム4について説明する。
第4実施形態は、第1~第3実施形態で説明された受信装置3、3A及び3Bの利用例に関する。以下に、第4実施形態として、受信装置3、3A及び3Bを利用した情報処理システム4について説明する。
[4-1]構成
図18は、第4実施形態に係る情報処理システム4の構成の一例を示すブロック図である。図18に示すように、情報処理システム4は、例えば、ホストデバイスHD、及びメモリシステムMSを含む。メモリシステムMSは、ホストデバイスHDに接続され得る。
図18は、第4実施形態に係る情報処理システム4の構成の一例を示すブロック図である。図18に示すように、情報処理システム4は、例えば、ホストデバイスHD、及びメモリシステムMSを含む。メモリシステムMSは、ホストデバイスHDに接続され得る。
ホストデバイスHDは、メモリシステムMSの外部の情報処理装置である。ホストデバイスHDは、例えば、パーソナルコンピュータ、又はデータセンタに設置されるサーバである。ホストデバイスHDは、様々な要求をメモリシステムMSに送信する。
メモリシステムMSは、記憶装置である。メモリシステムMSは、例えば、SDTMカードのようなメモリカード、UFS(universal flash storage)デバイス、SSD(solid state drive)である。メモリシステムMSは、ホストデバイスHDからの要求に応じてデータの書込み動作、読出し動作、消去動作などを実行する。メモリシステムMSは、例えば、メモリデバイスMD、及びメモリコントローラMCを含む。
メモリデバイスMDは、例えば、不揮発性メモリである。メモリデバイスMDは、例えば、NANDフラッシュメモリである。メモリデバイスMDは、複数のメモリセルを備え、データを不揮発に記憶する。
メモリコントローラMCは、例えばSoC(system-on-a-chip)のような集積回路である。メモリコントローラMCは、ホストデバイスHDからの要求に基づいて、メモリデバイスMDを制御する。具体的には、メモリコントローラMCは、例えば、ホストデバイスHDからの書き込み要求に基づいて、データをメモリデバイスMDに書き込む。また、メモリコントローラMCは、ホストデバイスHDからの読み出し要求に基づいて、データをメモリデバイスMDから読み出す。そして、メモリコントローラMCは、読み出したデータをホストデバイスHDに送信する。
メモリコントローラMCは、例えば、ホストインタフェース回路(ホストI/F)80、CPU(Central Processing Unit)81、RAM(Random Access Memory)82、バッファメモリ83、及びメモリインタフェ-ス回路(メモリI/F)84を含む。以下に説明されるメモリコントローラMCの機能は、ハードウェア構成、又はハードウェア資源とファームウェアとの組み合せ構成のいずれでも実現可能である。
ホストインタフェース回路80は、半導体集積回路である。ホストインタフェース回路80は、メモリコントローラMCとホストデバイスHDとの間の通信を司る。ホストデバイスHDから要求を受信する際、ホストインタフェース回路80の一部の回路は、受信装置3、3A、及び3Bのいずれかに対応する受信装置3Cとして機能する。受信装置3Cは、ホストバスBUSを介してホストデバイスHDと接続される。ホストバスBUSは、例えば、SDTMインタフェース、SAS(serial attached SCSI(small computer system interface))、SATA(serial ATA(advanced technology attachment))、又はPCIeTM(peripheral component interconnect express)に準拠する。
CPU81は、メモリコントローラMCの全体の動作を制御する。例えば、CPU81は、ホスト装置(送信装置1)から受信した書き込み要求に応答して、コマンド、アドレス等を含む書き込み命令を発行する。発行された書き込み命令は、メモリデバイスMDに転送され、メモリデバイスMDが、書き込み命令に基づいた書き込み動作を実行する。CPU81は、読み出し動作についても、書き込み動作と同様に実行し得る。
RAM82は、例えば、揮発性メモリである。RAM82は、CPU81の作業領域として使用される。RAM82は、複数のメモリデバイスMDを管理するためのファームウェアや、各種の管理テーブル等を保持する。RAM82としては、例えば、SRAM(Static Random Access Memory)や、DRAM(Dynamic Random Access Memory)等の半導体メモリが使用される。RAM82は、メモリコントローラMCに外部接続されてもよい。
バッファメモリ83は、例えば、揮発性メモリである。バッファメモリ83は、例えば、SRAM(static random access memory)である。メモリコントローラMCがメモリデバイスMDから受信したデータや、メモリコントローラMCがホストデバイスHDから受信したデータなどをバッファリングする。バッファメモリ83は、メモリコントローラMCに外部接続されてもよいし、RAM82と統合されてもよい。
メモリインタフェース回路84は、半導体集積回路である。メモリインタフェース回路84は、メモリコントローラMCとメモリデバイスMDとの間の通信を司る。メモリデバイスMDからデータを受信する際、メモリインタフェース回路84の一部の回路は、受信装置3、3A、及び3Bのいずれかに対応する受信装置3Dとして機能する。受信装置3Dは、メモリバスMBを介してメモリデバイスMDと接続される。メモリバスMBは、例えば、SDR(single data rate)インタフェース、トグルDDR(double data rate)インタフェース、又はONFI(Open NAND flash interface)に準拠する。
[4-2]第4実施形態の効果
以上で説明されたように、受信装置3は、メモリシステムMSとホストデバイスHDとの間の通信で使用されるホストインタフェース回路80に使用されてもよいし、メモリコントローラMCとメモリデバイスMDとの間の通信で使用されるメモリインタフェース回路84に使用されてもよい。受信装置3は、ホストデバイスHDやメモリデバイスMDに搭載されてもよい。受信装置3は、同じプリント基板上に設けられた複数の装置又は回路により構成されてもよいし、互いに異なるプリント基板上に設けられた複数の装置又は回路により構成されてもよい。このように、受信装置3は、様々な特性の伝送路2に適用され得る。図18に示すように、ホストバスBUS及びメモリバスMBは、伝送路2の一例である。何れの場合においても、受信装置3は、信号の補償精度を維持しつつ適応処理の処理時間を短縮することができる。
以上で説明されたように、受信装置3は、メモリシステムMSとホストデバイスHDとの間の通信で使用されるホストインタフェース回路80に使用されてもよいし、メモリコントローラMCとメモリデバイスMDとの間の通信で使用されるメモリインタフェース回路84に使用されてもよい。受信装置3は、ホストデバイスHDやメモリデバイスMDに搭載されてもよい。受信装置3は、同じプリント基板上に設けられた複数の装置又は回路により構成されてもよいし、互いに異なるプリント基板上に設けられた複数の装置又は回路により構成されてもよい。このように、受信装置3は、様々な特性の伝送路2に適用され得る。図18に示すように、ホストバスBUS及びメモリバスMBは、伝送路2の一例である。何れの場合においても、受信装置3は、信号の補償精度を維持しつつ適応処理の処理時間を短縮することができる。
[5]その他
上記実施形態で説明された受信装置3の構成は、あくまで一例である。例えば、受信装置3において、SIPO30が省略されてもよい。また、上記実施形態では、受信装置3に差動信号が入力される場合について例示したが、これに限定されない。受信装置3には、単相信号が入力されてもよい。受信装置3は、単相信号が入力される場合においても、イコライザ制御回路51が上記実施形態と同様に動作することによって、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。上記実施形態では、パルス毎の電圧レベルが1ビットデータに対応する場合について例示したが、これに限定されない。受信装置3は、1パルスに複数ビットデータが割り当てられる場合においても、第1実施形態のように動的にパターンフィルタを変更することによって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
上記実施形態で説明された受信装置3の構成は、あくまで一例である。例えば、受信装置3において、SIPO30が省略されてもよい。また、上記実施形態では、受信装置3に差動信号が入力される場合について例示したが、これに限定されない。受信装置3には、単相信号が入力されてもよい。受信装置3は、単相信号が入力される場合においても、イコライザ制御回路51が上記実施形態と同様に動作することによって、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。上記実施形態では、パルス毎の電圧レベルが1ビットデータに対応する場合について例示したが、これに限定されない。受信装置3は、1パルスに複数ビットデータが割り当てられる場合においても、第1実施形態のように動的にパターンフィルタを変更することによって、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
イコライザ制御回路51としては、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)やGPU(Graphical Processing Unit)等の汎用プロセッサが使用されてもよい。各実施形態において説明された処理のそれぞれは、専用のハードウェアによって実現されてもよい。例えば、イコライザ制御回路51としては、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、プログラマブル論理デバイス(例えば、SPLD(Simple Programmable Logic Device)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)等)が使用されてもよい。各実施形態で説明された動作は、ソフトウェアにより実行される処理と、ハードウェアによって実行される処理とが混在していてもよいし、どちらか一方のみであってもよい。
本明細書において“H”レベルの電圧は、2値でデータを判定する際に、閾値以上の電圧に対応する。“L”レベルの電圧は、2値でデータを判定する際に、閾値よりも低い電圧に対応する。本明細書において、“接続”とは、電気的に接続されている事を示し、例えば間に別の素子を介することを除外しない。受信装置3によって受信されたデータを処理する装置は、“データ処理装置”と呼ばれてもよい。“適応処理”は、“適応制御”と呼ばれてもよい。データ処理装置は、例えば、第4実施形態で説明されたメモリコントローラMCやメモリデバイスMDである。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
1…送信装置、2…伝送路、3…受信装置、4…情報処理システム、10…イコライザ回路、11…CTLE回路、12…DFE回路、20…データ判定回路、21…データサンプラ、22…エッジサンプラ、23…エラーサンプラ、40…CDR回路、50…デジタル信号処理部、51…イコライザ制御回路、60…上位層、70…VREF生成回路、80…ホストインタフェース回路、81…CPU、82…RAM、83…バッファメモリ、84…メモリインタフェース回路、121…加算器、122…判定回路、123…フリップフロップ回路、124…バッファ回路、CK…クロック信号、CS…定電流源、DS…デジタル信号、EQ1,EQS…等化信号、R1,R2…抵抗器、T1,T2…トランジスタ、TC…タップ係数、P1,P2…パッド
Claims (9)
- 外部から入力された第1信号をブーストして第2信号として出力する第1イコライザ回路と、
前記第2信号をサンプリングして、サンプリング結果を第1デジタル信号として出力する第1サンプラ回路と、
前記第1イコライザ回路による前記第1信号のブースト量を前記第1信号の損失に適応させる適応処理を実行する制御回路と、を備え、
前記制御回路は、前記適応処理において、前記第1デジタル信号のうちセットしたパターンフィルタのデータパターンと一致する部分の符号間干渉に基づいて前記第1イコライザ回路のブースト量を調整し、前記第1イコライザ回路のブースト量に応じて、セットするパターンフィルタを動的に変化させる、受信装置。 - 前記制御回路は、前記適応処理において、前記第1イコライザ回路のブースト量が第1の閾値よりも大きい場合に第1パターンフィルタをセットし、前記第1イコライザ回路のブースト量が前記第1の閾値以下である場合に前記第1パターンフィルタと異なる第2パターンフィルタをセットする、
請求項1に記載の受信装置。 - 前記第1イコライザ回路は、連続時間線形イコライザ回路を含む、
請求項1又は請求項2に記載の受信装置。 - 前記第2信号をタップ係数に基づいて補償する判定帰還型イコライザをさらに備え、
前記制御回路は、前記適応処理において、前記タップ係数を前記第1信号の損失に適応させる、
請求項3に記載の受信装置。 - 前記第2信号をサンプリングして、サンプリング結果を第2デジタル信号として出力する第2サンプラ回路をさらに備え、
前記第1サンプラ回路は、第1クロック信号に基づいて前記第2信号をサンプリングし、前記第2サンプラ回路は、前記第1クロック信号と同じ周波数且つ異なる位相である第2クロック信号に基づいて前記第2信号をサンプリングし、
前記制御回路は、前記第1デジタル信号と、前記第2デジタル信号とに基づいて、前記第1イコライザ回路のブースト量を調整する、
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の受信装置。 - 前記制御回路は、前記適応処理において、前記第2デジタル信号のうち、前記第1デジタル信号の前記セットしたパターンフィルタと一致した部分のメインカーソルを挟んでいる2つのサンプル点のサンプリング結果に基づいて、前記第1イコライザ回路のブースト量を調整する、
請求項5に記載の受信装置。 - 基準電圧を生成する電圧生成回路と、
前記第2信号を前記第1サンプラ回路と同じタイミングで、前記基準電圧を基準としてサンプリングして、サンプリング結果を第3デジタル信号として出力する第3サンプラ回路と、
前記制御回路は、前記適応処理において、前記第1デジタル信号と前記第3デジタル信号とに基づいて、前記電圧生成回路の前記基準電圧のレベルと前記第1イコライザ回路のブースト量とを調整する、
請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の受信装置。 - 前記制御回路は、前記適応処理において、前記第3デジタル信号のうち、第3パターンフィルタと一致した部分のメインカーソルのサンプリング結果に基づいて、前記電圧生成回路の前記基準電圧のレベルと前記ブースト量とを調整する、
請求項7に記載の受信装置。 - 外部から入力された第1信号をブーストして第2信号を生成することと、
前記第2信号をサンプリングして、第1デジタル信号を生成することと、
前記第1デジタル信号のうちセットしたパターンフィルタのデータパターンと一致する部分の符号間干渉に基づいて前記第1信号のブースト量を調整することと、
前記第1信号のブースト量に応じて、セットするパターンフィルタを動的に変化させることと、を備える、
受信方法。
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