JP2023086346A - 血行動態検査装置および血行動態検査方法 - Google Patents

血行動態検査装置および血行動態検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】追加の装備を必要とせずに、起立試験のように血流が大きく変化したときの血行動態を検査可能な血行動態検査装置および血行動態検査方法を提供すること。【解決手段】血行動態検査装置は、被検者の上肢および/または下肢に装着されるカフと、ポンプおよび排気弁を有し、カフに対して給排気を行う給排気機構部と、給排気機構部を制御することにより、カフ圧を制御するカフ圧制御部と、被検者の血行動態にかかわる生体情報を測定する生体情報測定部と、を有する。カフ圧制御部は、少なくとも第1のカフ圧制御期間において、カフ圧を前記被検者の拡張期血圧未満でかつ静脈圧より大きい値に維持するように制御し、生体情報測定部は、少なくとも、第1のカフ圧制御期間よりも前の期間、および、第1のカフ圧制御期間において、血行動態にかかわる生体情報を測定する。【選択図】図2

Description

特許法第30条第2項適用申請有り (1)フクダ電子株式会社の関連会社 販売日 令和3年2月5日 フクダ電子北海道販売(株) 令和3年2月17日 フクダ電子北東北販売(株) 令和3年2月6日 フクダ電子南東北販売(株) (その他20社) (2)フクダ電子の関連会社がアクセス可能なウェブサイト(非公開) 掲載日 令和3年1月15日 (3)フクダ電子の関連会社のためのウェブ勉強会(非公開) 開催日 令和2年12月16日 令和2年12月17日
本発明は、例えば起立試験に用いて好適な血行動態検査装置および血行動態検査方法に関する。
従来、起立性調整障害の判定を行うために起立試験が行われている。起立試験は、まず、ベッドに仰向けに寝かせた被検者の心電図および血圧を測定して記録する。次いで、被検者を起立させ、そのときの心電図および血圧を測定および記録し、さらに再びベッドに寝かせた被検者の心電図および血圧を測定および記録する。また、起立時の被検者に立ちくらみやめまい、気分不良などが生じていないか確認する。
起立試験時に測定した心電図に基づいて、被検者の自律神経機能を評価する装置および方法が特許文献1などで開示されている。
特開2012-125383号公報
本郷利憲(編)、標準生理学(5版)、医学書院、p565、2000
ところで、起立試験を受ける被検者は、すでに立ちくらみやめまい、気分不良などの症状が現れている者である可能性が高く、自力で起立することが困難な被検者もいる。
一方で、電動検査ベッドを用いた起立試験も行われている。電動検査ベッドを用いた起立試験は、自力で起立することが困難な被検者にとって好適である。電動検査ベッドを用いた起立検査では、まず、被検者を電動検査ベッドの上に寝かせ、安全ベルトで電動検査ベッドに被検者を固定する。次いで、電動検査ベッドの床面を被検者の足元を回転中心として例えば患者の頭が60°になる位置まで電動で回転させる。これにより、被検者が起立したのと同様の体勢とさせることができる。
しかしながら、電動検査ベッドを用いた試験は、当然ではあるが電動検査ベッドといった大掛かりな装備が必要であるといったデメリットがある。
本発明は、以上の点を考慮してなされたものであり、追加の装備を必要とせずに、起立試験のように血流が大きく変化したときの血行動態を検査可能な血行動態検査装置および血行動態検査方法を提供する。
本発明の血行動態検査装置の一つの態様は、
被検者の上肢および/または下肢に装着されるカフと、
ポンプおよび排気弁を有し、前記カフに対して給排気を行う給排気機構部と、
前記給排気機構部を制御することにより、カフ圧を制御するカフ圧制御部と、
前記被検者の血行動態にかかわる生体情報を測定する生体情報測定部と、
を備え、
前記カフ圧制御部は、少なくとも第1のカフ圧制御期間において、前記カフ圧を前記被検者の拡張期血圧未満でかつ静脈圧より大きい値に維持するように制御し、
前記生体情報測定部は、少なくとも、前記第1のカフ圧制御期間よりも前の期間、および、前記第1のカフ圧制御期間において、前記血行動態にかかわる生体情報を測定する。
本発明の血行動態検査方法の一つの態様は、
被検者に装着されたカフのカフ圧を、第1のカフ圧制御期間において、前記被検者の拡張期血圧未満かつ静脈圧より大きい値に維持するように制御するステップと、
少なくとも、前記第1のカフ圧制御期間よりも前の期間、および、前記第1のカフ圧制御期間において、前記被検者の血行状態にかかわる生体情報を測定するステップと、
を含む。
本発明によれば、追加の装備を必要とせずに、起立試験のように血流が大きく変化したときの血行動態を検査可能な血行動態検査装置および血行動態検査方法を実現できる。
実施の形態に係る血圧脈波検査装置の全体構成を示すブロック図 実施の形態の要部構成を示すブロック図 実施の形態による起立試験が行われている様子を示す図 実施の形態の血圧脈波検査装置の起立試験時の動作の説明に供する図 カフの装着位置を示す図
<1>本発明の原理
本発明の実施の形態を説明する前に、まず、本発明に至った経緯および本発明の原理について説明する。
一般に血圧脈波検査装置では、カフを用いて被検者の上肢および下肢を加圧することで、血圧計測及び脈波計測を行っている。本発明の発明者は、血圧や脈波を測定するために用いられるカフを有効活用することを考えた。
ちなみに、脈波計測時のカフ圧は、静脈圧よりも高くかつ動脈圧よりも低くされる。一方、血圧計測時の最初に印加されるカフ圧は、収縮期血圧以上とされる。
本発明の一つの特徴は、被検者の四肢に装着されたカフを、拡張期血圧よりも低くかつ静脈圧よりも高いカフ圧(以下「特殊カフ圧」と呼ぶことがある)で所定期間維持することである。これにより、動脈は閉塞されずに、静脈が閉塞されるので、心臓への血液の還流が止まる。つまり、この状態ではカフよりも末端の動脈と静脈で血液が貯留することによって、心臓への還流量が減る。
この状態によって、臥位から立位への体位変換時つまり起立試験時の血液の移動を模擬できる。つまり起立試験時の血液の移動を模擬できる。
また、この状態からカフ圧をゼロにすると、カフよりも末端側に貯留されていた血液が一気に心臓の方向へと還流される。この急速な血液の移動により、立位から臥位への体位変換時つまり起立試験とは逆の血液の移動を模擬できる。
つまり、被検者が自力で臥位→立位、立位→臥位の体位変換を行ったり、電動検査ベッドを用いて臥位→立位、立位→臥位の体位変換を行わなくても、ベッドに寝たままの被検者に対して、カフを用いて、臥位→立位、立位→臥位の体位変換するのと同等の血流状態を作り出すことができる。
そして、特殊カフ圧にする前後での被検者の血圧の変化を計測すれば、起立試験における臥位→立位、立位→臥位の体位変換後の血圧の変化と、同等の血圧の変化を検出することができる。
それに加えて、本実施の形態のカフを用いた起立試験を行えば、従来の起立試験と比較して、精度良く血圧や心電図などの血行動態を測定することが可能となる。つまり、従来の起立試験では、立位を維持するために力が入るので、測定される血圧や心電図などの測定される生体情報に筋肉の収斂などに起因するノイズが混入するが、本実施の形態のカフによる血流状態の模擬では、臥位のままでの生体情報の測定となるので、ノイズの混入がない。よって、精度良く血圧や心電図などの血行動態を測定することができる。
さらに、HRV(Heart Rate Variability)計測検査も併せて行うことで、被検者の自律神経機能をより多面的に評価することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
<2>血圧脈波検査装置の全体構成
図1は、本発明の実施の形態に係る血圧脈波検査装置1の全体構成を示すブロック図である。
図1において、血圧脈波検査装置1の本体1aには、演算処理部10、入力部70、表示部80、印字部91、記憶部92、音声出力部93、血圧脈波計測部30、心音計測部40、心電図計測部50および脈波計測部60が設けられている。
血圧脈波計測部30は、上腕用計測制御部31および下肢用計測制御部32を有する。上腕用計測制御部31には、右上腕用カフ21Rおよび左上腕用カフ21Lがそれぞれホース21hを介して接続され、下肢用計測制御部32には、右足首用カフ22Rおよび左足首用カフ22Lがそれぞれホース22hを介して接続されている。
血圧脈波計測部30は、オシロメトリック式の血圧計測機能と空気袋式の脈波計測機能とを有する。
上肢用計測制御部31は、圧力センサ33と、圧力センサ33による検出信号に対して増幅などの所定の信号処理を施す信号処理回路と、カフ21R、カフ21Lに対する給排気を行うポンプおよび排気弁と、この給排気動作を制御するCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、各種インターフェース等を有するコンピュータと、を有する。上肢用計測制御部31は、ホース21hを介してカフ21R、カフ21Lのゴム嚢に空気を導入することでカフ21R、21Lの内圧(以下、カフの内圧を「カフ圧」という)を加圧するとともに、ゴム嚢から空気を排出することでカフ21R、21Lのカフ圧を減圧する。カフ21Rは被検者の右上腕に装着され、カフ21Lは被検者の左上腕に装着される。加圧後のカフ圧の目標値は、脈波計測の場合と血圧計測の場合とで異なり、それぞれ個別に設定可能である。
脈波計測の場合、上肢用計測制御部31は、加圧後のカフ21R、21Lのカフ圧の変動を脈波信号として圧力センサ33で検出し、検出された脈波信号を演算処理部10に出力する。脈波計測は、演算処理部10からの要求に応じて行われる。なお、脈波計測には、2つのカフ21R、21Lのうち片方のみが使用されてもよいし、両方が使用されても良い。
血圧計測の場合、上肢用計測制御部31は、減圧中にカフ21R、21Lのカフ圧の振動を圧力センサ33により検出しながら、振幅の増大が最も顕著なカフ圧を収縮期血圧として検出するとともに、振動の減少が最も顕著なカフ圧を拡張期血圧として検出する。そして、上肢用計測制御部31は、検出された収縮期血圧および拡張期血圧をそれぞれ示す血圧信号を演算処理部10に出力する。血圧計測は、演算処理部10からの要求に応じて行われる。なお、演算処理部10からの要求があった場合、通常は、カフ21Rのみを用いた右側血圧計測とカフ21Lのみを用いた左側血圧計測とが順次行われるが、これらの血圧計測は並行して行われてもよい。
下肢用計測制御部32は、圧力センサ34と、圧力センサ34による検出信号に対して増幅などの所定の信号処理を施す信号処理回路と、カフ22R、カフ22Lに対する給排気を行うポンプおよび排気弁と、この給排気動作を制御するCPU、ROM、RAM、各種インターフェース等を有するコンピュータと、を有する。下肢用計測制御部32は、ホース22hを介してカフ22R、カフ22Lのゴム嚢に空気を導入することでカフ22R、22Lのカフ圧を加圧するとともに、ゴム嚢から空気を排出することでカフ22R、22Lのカフ圧を減圧する。カフ22Rは被検者の右足首に装着され、カフ22Lは被検者の左足首に装着される。加圧後のカフ圧の目標値は、脈波計測の場合と血圧計測の場合とで異なり、それぞれ個別に設定可能である。脈波計測時および血圧計測時の下肢用計測制御部32の動作については、上肢用計測制御部31と同様であるため、ここではその詳細な説明を省略する。
上肢用計測制御部101および下肢用計測制御部32のコンピュータは、ROMに記憶された制御プログラムをCPUで実行することにより、以下に説明する血圧脈波計測のための演算処理などを行う。
なお、血圧脈波計測部30は、本実施の形態では、上肢用計測制御部31と下肢用計測制御部32とを独立に設けてなるものであるが、上肢用計測制御部31と下肢用計測制御部32とが一体化してなるものであってもよい。
心音計測部40には心音マイク23が接続されている。心電図計測部50には、四肢用心電電極部24aおよび胸部用心電電極部24bが接続されている。脈波計測部60には、アモルファス式脈波センサ25a、25bが接続されている。
演算処理部10は、CPU、ROM、RAM、各種インターフェース等を有するコンピュータである。演算制御部10は、ROMに記憶された制御プログラムをCPUで実行する。
演算処理部10は、血圧脈波計測部30、心音計測部40、心電図計測部50および脈波計測部60(以下これらを「各生体情報計測部」という)を制御する。
また、演算処理部10は、各生体情報計測部から供給された生体情報を受信する。そして、受信した生体情報を、画面に表示する必要があるときには表示用データに編集または変換した上で表示部80に、レポート用の用紙に印字する必要があるときには印字用データに編集または変換した上で印字部91に、出力する。また、演算処理部10は適宜、受信した生体情報を記憶部92に記憶したり、記憶された生体情報を読み出したりする。
また、演算処理部10は、各生体情報計測部から受信した生体情報の波形分析等を行う。波形分析では、波形における特徴部(区分点)の検出等を行う。特徴部としては、例えば、心II音の開始部、上腕での脈波の立上り部、足首での脈波の立上り部、脈波のノッチ、上腕での脈波の切痕部、等が挙げられる。
演算処理部10は、この分析結果と、受信した生体情報により示された数値(例えば血圧)とに基づいて、動脈硬化度の算出を行う。
また、演算処理部10は、起立試験モードを有し、当該起立試験モードにおいて、血圧脈波計測部30のカフ圧を起立試験を実現可能な圧力に制御する。また、演算処理部10は、HRV計測機能を有し、心電図に基づいてHRV計測を行うことができるようになっている。
また、演算処理部10は、ユーザの操作による入力や指示の内容を入力部70から受信し、受信内容に従って、各生体情報計測部や表示部80、印字部91、記憶部92および音声出力部93の機能に関連する設定を行ったり、それぞれの動作の開始や停止を制御したりする。
表示部80は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)等の表示画面を有する表示装置であり、演算処理部10から表示用データとして入力された生体情報、分析結果および動脈硬化度等を画面に表示する。
印字部91は、給紙機構や印字用ヘッド等を主要構成として有し、演算処理部10から印字用データとして入力された生体情報、分析結果および動脈硬化度を用紙に印字する。
記憶部92は、ハードディスクドライブや書き込み可能な光ディスクドライブ、不揮発性メモリ等により構成され、演算処理部10からの情報の記憶が可能である。また、記憶部92には、各生体情報計測部によって計測された生体情報、つまり心電図、脈波および心音が記録される。
音声出力部93は、スピーカ等を主要構成として有し、演算処理部10から入力されたガイダンス用データまたは報知音出力指示信号に従って、ガイダンス音声または報知音等を出力する。
入力部70は、キーボードやマウス、ボタン、タッチパネル等から構成され、ユーザの操作による入力や指示を受け付けて、演算処理部10に送る。
脈波計測部60は、被検者に適切に装着されたアモルファス式脈波センサ25a、25bにより検出された被検者の脈波信号を演算処理部10に供給する。これにより、脈波の計測および解析が行われる。なお、アモルファス式脈波センサ25a、25bの一方は例えば被検者の頸動脈部に装着され、他方は例えば被検者の大腿動脈部または膝部に装着される。
心電図計測部50は、被検者に装着された四肢用心電電極部24aおよび胸部用心電電極部24bにより検出された心電図信号を演算処理部10に供給する。これにより、心電図の計測および解析が行われる。四肢用心電電極部24aは、典型的には、右手首、左手首、右足首および左足首にそれぞれ装着される4つの心電電極からなる。両足首用の心電電極に関しては、両足首への装着が右足首用カフ22Rおよび左足首用カフ22Lにより妨げられないように形成されていることが好ましい。また、胸部用心電電極部25bは、典型的には、胸部の6箇所にそれぞれ装着される6つの心電電極からなる。
心音計測部40は、被検者に装着された心音マイク23により検出された心音信号を演算処理部10に供給する。これにより、心音の計測および解析が行われる。
<3>本実施の形態の要部構成
図2は、本実施の形態の要部構成を示すブロック図である。本実施の形態の場合、図2の構成のうち、制御部101、カフ圧制御部102、HRV計測部103および判定部104は、演算処理部10に設けられている。上述したように、演算処理部10は、CPU、ROM、RAM、各種インターフェース等を有するコンピュータである。演算制御部10は、制御部101、カフ圧制御部102、HRV計測部103および判定部104の各機能を、ROMに記憶された制御プログラムをCPUで実行することで実現する。
制御部101は、入力部70から入力されるモード信号に応じて、血圧脈波計測部30、心電図計測部50、カフ圧制御部102、HRV計測部103および判定部104を制御する。ちなみに、本実施の形態の血圧脈波検査装置1は、起立試験モードを有し、ユーザが入力部70により起立試験モードを選択することができるようになっている。よって、制御部101は、ユーザによって起立試験モードが選択されると、入力部70から起立試験モードであることを示すモード信号を入力する。
本実施の形態の血圧脈波検査装置1は、この起立試験モードを有することに特徴があるので、以下ではこの起立試験モードを中心に説明する。
なお、図3は、本実施の形態による起立試験が行われている様子を示す図であり、被検者はベッドに仰向けに寝た状態である。被検者の上肢および下肢には、血圧脈波検査装置1のカフ21R、21L、22R、22Lが装着されている。
血圧脈波計測部30には、ポンプおよび排気弁を有し、カフ21R、21L、22R、22Lに対して給排気を行う給排気機構部35が設けられている。
カフ圧制御部102は、給排気機構部35を制御することにより、カフ圧を制御する。カフ圧は、カフ圧制御部102によって、血圧を計測するモードと起立試験モードとで異なる大きさに制御される。
HRV計測部103は、心電図計測部50によって得られた心電図を入力し、被検者のHRVを計測する。例えば、HRV計測部103は、心電図のRR間隔やパワースペクトルに基づいて心拍変動や心拍のゆらぎを計測し、これをHRV計測値として出力する。
血圧脈波計測部30により得られた被検者の血圧の情報、および、HRV計測部103により得られた被検者のHRVの情報は、表示制御部81を介して表示部80に表示される。また、血圧脈波計測部30により得られた被検者の血圧の情報、および、HRV計測部103により得られた被検者のHRVの情報は、判定部104に入力される。
判定部104には、血圧脈波計測部30からの血圧、心電図計測部50からの心電図、および、HRV計測部103からのHRV計測値が入力される。判定部104は、これら血圧、心電図およびHRV計測値を用いて、起立性調整障害や自律神経機能などを評価し、それを判定結果として出力する。
起立試験時における、血圧、心電図およびHRV計測値を用いた起立性調整障害や自律神経機能などの評価の仕方については、例えば特許文献1で開示されているような、従来から提案されている種々の方法を適用可能なので、ここでの説明は省略する。一例をあげると、判定部104は、静脈還流量の低下時は、血圧を維持するために健常の場合は心拍数が上がるが、自律神経異常の場合は上がらないといった知見に基づいて、自律神経異常を判定することができる。判定部104により得られた判定結果は、表示制御部81を介して表示部80に表示される。
図4は、本実施の形態の血圧脈波検査装置1の起立試験時の動作の説明に供する図である。
まず、血圧脈波検査装置1は、期間T1において例えばオシロメトリック法を用いて被検者の血圧を計測する。具体的には、カフ21R、21L、22R、22Lのうち例えばカフ21Rを200mmHg程度まで加圧した後、減圧していく。血圧脈波検査装置1は、この減圧の段階で、心臓の拍動に同調したカフ圧の変動(圧脈波)を検出することにより、血圧値を計測する。つまり、圧脈波が急激に大きくなったときのカフ圧を最高血圧(収縮期血圧)、急激に小さくなったときのカフ圧を最低血圧(拡張期血圧)として計測する。勿論、オシロメトリック法に代えてコロトコフ法により血圧を計測してもよい。
次に、血圧脈波検査装置1は、期間T2において起立試験を模擬するための特殊カフ圧制御を行う。具体的には、期間T2において、カフ圧制御部102が四肢に装着されたすべてのカフ21R、21L、22R、22Lのカフ圧を被検者の拡張期血圧未満かつ静脈圧より大きい値、つまり特殊カフ圧に制御する。
ここで、被検者の拡張期血圧は期間T1での血圧計測の結果から分かるのでそれを用いればよい。
一方、静脈圧は、部位によって多少変わり、正常で心臓に近い大静脈で概ね4~8mmHg、足首では概ね30mmHg以下である。本実施の形態の静脈圧とは、カフが装着されている部位の静脈圧である。
本実施の形態において、特殊カフ圧を静脈圧より大きい値とする理由は、カフよりも末端の動脈と静脈で血液が貯留することなので、特殊カフ圧は静脈圧よりもある程度大きい値であることが好ましい。例えば、静脈圧と拡張期血圧との間の中間値を特殊カフ圧とすることが考えられる。また、例えば、拡張期血圧から固定値(例えば10mmHg)を減算した値を特殊カフ圧としてもよい。要は、特殊カフ圧は、カフよりも末端の動脈と静脈に通常時よりも血液を貯留することができる値であればよい。
本実施の形態の特殊カフ圧は、例えば50mmHg程度である。
また、特殊カフ圧制御を行う期間T2つまり特殊カフ圧を維持する期間は、例えば30秒~3分程度である。
次に、血圧脈波検査装置1は、期間T3において、例えばオシロメトリック法で血圧を計測する。ここで、期間T2ではすべてのカフ21R、21L、22R、22Lを特殊カフ圧としたのに対して、期間T3ではカフ21R、21L、22R、22Lのうち例えば血圧計測を行うカフ21R以外のカフ21L、22R、22Lのカフ圧を維持するとよい。このようにすることで、貯留されていた血液の還流量を大きくできるようになる。また、すべてのカフ21R、21L、22R、22Lのカフ圧をある期間ゼロにした後に血圧計測を行うようにしてもよい。
なお、心電図の計測は、検査を行っている全期間で行うことが好ましい。特に、特殊カフ圧制御を行っている期間T2では、被検者の血圧の計測と血液の貯留との両立が困難になるが、全検査期間で心電図を計測すれば、期間T2を含めた全検査期間で被検者の心拍やHRVなどの血行動態にかかわる生体情報を取得できるようになる。なお、HRVは、脈波に基づいて取得してもよい。
また、図3では、下肢用のカフ22R、22Lが被検者の足首に装着されている例を図示したが、図5に示したように、下肢用のカフ22R、22Lは足首に限らず、大腿部や膝に装着してもよい。特に下肢用のカフ22R、22Lを大腿部に装着すれば、特殊カフ圧制御時の末端での血液貯留量を大きくすることができるようになる。
また、特殊カフ圧制御を行うカフは、必ずしも四肢すべてに装着する必要はなく、例えば上肢のみ、あるいは下肢のみに装着されてもよい。
さらに、特殊カフ圧制御を行うカフと血圧計測を行うカフとを分けてもよい。例えば、下肢用のカフ22R、22Lを特殊カフ圧制御を行うカフとし、上肢用のカフ21R、21Lを血圧計測を行うカフとしてもよい。このようにすれば、特殊カフ圧制御を行う期間T2でも血圧測定を行うことができるようになる。
<4>まとめ
以上説明したように、本実施の形態によれば、被検者の上肢および/または下肢に装着されるカフ21R、21L、22R、22Lと、ポンプおよび排気弁を有しカフ21R、21L、22R、22Lに対して給排気を行う給排気機構部35と、給排気機構部35を制御することによりカフ圧を制御するカフ圧制御部102と、被検者の血行動態にかかわる生体情報を測定する生体情報測定部(血圧脈波計測部30、心電図計測部50)と、を有し、カフ圧制御部102は、少なくとも第1のカフ圧制御期間(期間T2)において、カフ圧を被検者の拡張期血圧未満でかつ静脈圧より大きい値に維持するように制御し、生体情報測定部(血圧脈波計測部30、心電図計測部50)は、少なくとも、第1のカフ圧制御期間(期間T2)よりも前の期間(期間T1)、および、第1のカフ圧制御期間(期間T2)において、血行動態にかかわる生体情報を測定する。
これにより、電動検査ベッドなどの追加の装備を必要とせずに、起立試験のように自立神経機能を評価するための生体情報を測定可能な血行動態検査装置および血行動態検査方法を実現できる。
上述の実施の形態は、本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
被検者が自力で起立したり電動検査ベッドを用いた従来の起立試験と、上述の実施の形態による特殊カフ圧による末端への血液の貯留との両方を併用して実施してもよい。このようにすれば、特殊カフ圧によって静脈を閉塞しているときに、起立による重力によってより大きな血液量が足で貯留されるため、より心臓に高負荷な試験を実現できる。
本発明の本質は、血圧計測に用いられるカフを有効利用して、カフよりも末端の動脈と静脈に血液を貯留させて血流を変化させ、そのときの血行動態にかかわる生体情報の変化を測定するものであり、適用範囲は起立試験に限定されない。
つまり、上述の実施の形態で説明したような特殊カフ圧で四肢を圧迫することにより、全体の静脈血の20%程度の血流を阻害できると想定できる(例えば非特許文献1等参照)。そして、この血流の阻害により、心臓や自律神経のみならず、例えば脳や腎臓などにも影響が出る。よって、血流を阻害したときの脳波などを検出することで、血流変化時の脳機能の変化を調べることもできる。
上述の実施の形態では、血圧脈波検査装置1に本発明を適用した場合について述べたが、本発明はこれに限らない。本発明は、例えばカフを有するホルター心電計や、カフを有する生体情報モニターに適用することも可能である。
本発明は、カフを用いて被検者の血行動態を検査する血行動態検査装置および方法に広く適用可能である。
1 血圧脈波検査装置
10 演算処理部
21R、21L、22R、22L カフ
30 血圧脈波計測部
35 給排気機構部
50 心電図計測部
101 制御部
102 カフ圧制御部
103 HRV計測部
104 判定部

Claims (7)

  1. 被検者の上肢および/または下肢に装着されるカフと、
    ポンプおよび排気弁を有し、前記カフに対して給排気を行う給排気機構部と、
    前記給排気機構部を制御することにより、カフ圧を制御するカフ圧制御部と、
    前記被検者の血行動態にかかわる生体情報を測定する生体情報測定部と、
    を備え、
    前記カフ圧制御部は、少なくとも第1のカフ圧制御期間において、前記カフ圧を前記被検者の拡張期血圧未満でかつ静脈圧より大きい値に維持するように制御し、
    前記生体情報測定部は、少なくとも、前記第1のカフ圧制御期間よりも前の期間、および、前記第1のカフ圧制御期間において、前記血行動態にかかわる生体情報を測定する、
    血行動態検査装置。
  2. 前記生体情報測定部は、前記カフを用いて血圧を計測する血圧計測部であり、
    前記カフ圧制御部は、前記第1のカフ圧制御期間の前後の期間において、前記カフ圧を血圧測定が可能な圧力に制御する、
    請求項1に記載の血行動態検査装置。
  3. 前記生体情報測定部には、心電図計測部が含まれており、当該心電図計測部は、少なくとも前記第1のカフ圧制御期間およびその前後の期間を含む期間において、前記被検者の心電図を計測する、
    請求項1または2に記載の血行動態検査装置。
  4. 前記心電図計測部によって計測された心電図に基づいて、HRV(Heart Rate Variability)を計測するHRV計測部を、さらに備える、
    請求項3に記載の血行動態検査装置。
  5. 前記生体情報測定部により得られた測定結果を、起立試験の試験結果として用いる、
    請求項1から4のいずれか一項に記載の血行動態検査装置。
  6. 被検者に装着されたカフのカフ圧を、第1のカフ圧制御期間において、前記被検者の拡張期血圧未満かつ静脈圧より大きい値に維持するように制御するステップと、
    少なくとも、前記第1のカフ圧制御期間よりも前の期間、および、前記第1のカフ圧制御期間において、前記被検者の血行状態にかかわる生体情報を測定するステップと、
    を含む血行動態検査方法。
  7. 前記第1のカフ圧制御期間およびその前後の期間を含む期間において、前記被検者の心電図を計測する、
    請求項6に記載の血行動態検査方法。
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