JP2023086032A - 空気調和機及び空気調和システム - Google Patents

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Abstract

【課題】AI機能の多様化と、使用者の快適性とを両立できる空気調和機を提供する。【解決手段】空気調和機は、室内機と室外機とを備える空気調和機である。空気調和機は、前記空気調和機の運転状態量を検出する検出部と、使用者が前記空気調和機を操作するための操作部と、前記検出部の検出結果に基づいて、その後の運転方法を推論する推論部と、を備える。前記推論部は、前記使用者による操作の傾向を学習した学習結果に基づき、前記使用者の快適性に関わる運転方法を推論する第1の学習モデルを有する。前記操作部は、前記推論部を起動させる起動ボタンを有し、前記起動ボタンが操作されると、前記第1の学習モデルが起動する。【選択図】図3

Description

本発明は、空気調和機及び空気調和システムに関する。
空気調和機では、例えば、人の設定温度の操作傾向を学習して適切な設定温度を予測する学習モデルを搭載した空気調和機がある。また、学習モデルを用いた予測機能(以下、AI機能ともいう)を備える空気調和機において、例えば、空気調和機を操作するリモコンに学習モデルを起動してAI機能を発揮させるボタン(以下、AI起動ボタン)を備えることで、学習モデルを簡単に動作させるようにして利便性を高めたものも知られている。
特開2018-200127号公報 特開2015-117933号公報
近年、学習モデルとして、例えば、空調運転中における使用者の快適性の実現に関わる学習モデルだけでなく、空調運転の制御(例えば空調運転のON/OFFに関わる制御)における使用者の利便性の実現に関わる学習モデルなどが存在する。使用者の快適性に関わる学習モデルとしては、例えば、空調空間内の使用者の過去の操作傾向を反映した使用者の体感温度を予測して設定温度を自動的に変更する体感温度予測モデル等がある。これに対して、使用者の利便性に関わる学習モデルとしては、例えば、空調空間内の使用者の不在を予測した場合に節電のために自動で空調運転を停止する在不在予測モデル等がある。
空気調和機が複数の学習モデルを有する場合には、例えば、使用者がAI起動ボタンを操作することで複数のAI機能を一括で発揮させてしまうと、使用者の快適性に関わる学習モデルと使用者の空調運転の利便性に関わる学習モデルとが動作することになる。
しかしながら、使用者の快適性に関わる学習モデルと使用者の利便性に関わる学習モデルとが動作した場合には、使用者の快適性に影響を及ぼすことも想定できる。例えば、在不在予測モデルが空調空間内の使用者の不在傾向を予測して空調運転を停止した場合、使用者がその傾向に反して短時間で室内空間に戻ったときに、室内空間の室温が使用者にとって快適な温度に戻るまでに時間を要し、使用者の快適性が損なわれる可能性がある。このように、空気調和機に多様なAI機能を持たせることとAI機能を簡単に実行できるようにすることとが、使用者の快適性を損なうことにつながる事態が起こり得る。
本発明ではこのような問題に鑑み、AI機能の多様化と、使用者の快適性とを両立できる空気調和機を提供することを目的とする。
一つの態様の空気調和機は、室内機と室外機とを備える空気調和機である。空気調和機は、前記空気調和機の運転状態量を検出する検出部と、使用者が前記空気調和機を操作するための操作部と、前記検出部の検出結果に基づいて、その後の運転方法を推論する推論部と、を備える。前記推論部は、前記使用者による操作の傾向を学習した学習結果に基づき、前記使用者の快適性に関わる運転方法を推論する第1の学習モデルを有する。前記操作部は、前記推論部を起動させる起動ボタンを有し、前記起動ボタンが操作されると、前記第1の学習モデルが起動する。
本発明の空気調和機では、一つの側面として、AI機能の多用化と、使用者の快適性とを両立できる。
図1は、本実施例の空気調和システムの一例を示す説明図である。 図2は、空気調和機の構成の一例を示すブロック図である。 図3は、通信アダプタの構成の一例を示すブロック図はある。 図4は、サーバ装置の構成の一例を示すブロック図である。 図5は、リモコンの構成の一例を示すブロック図である。 図6は、リモコンのタッチパネルの表示内容の一例を示す説明図である。 図7は、タッチパネルの表示内容の遷移の一例を示す説明図である。 図8は、通信アダプタ側制御処理に関わる通信アダプタの処理動作の一例を示すフローチャートである。
以下、図面に基づいて、本願の開示する空気調和機及び空気調和システムの実施例を詳細に説明する。尚、本実施例により、開示技術が限定されるものではない。また、以下に示す各実施例は、矛盾を起こさない範囲で適宜変形しても良い。
<空気調和システムの構成>
図1は、実施例1の空気調和システム1の一例を示す説明図である。図1に示す空気調和システム1は、空気調和機2と、通信アダプタ3と、ルータ4と、サーバ装置5と、中継装置6と、端末装置7と、通信網8とを有する。
<空気調和機の構成>
図2は、空気調和機2の構成の一例を示すブロック図である。図2に示す空気調和機2は、室内機21と、室外機22と、リモコン23とを有する。室内機21は、例えば、室内に配置され、空調空間である室内の空気を加熱又は冷却する空気調和機2の一部である。室内機21は、例えば、居間や寝室等の空調空間毎に備えられているものとする。室内機21は、本体21Aと、センサ21Bと、受光部21Cと、制御部21Dと、メモリ21Eとを有する。本体21Aは、図示せぬ室内ファン、風向板や室内熱交換器などが備えられ、室内熱交換器で室外機22から供給される冷媒と熱交換を行った室内空気が室内ファンによって吹き出されることで、部屋の暖房、冷房、除湿等が行われる。センサ21Bは、例えば、室内温度、外気温度、熱交温度、コンプ回転数、使用者によるエアコンの操作内容、空調空間内の人の在不在を示す検知結果等の運転状態量を検出する検出部である。センサ21Bには、例えば、空調空間内の人の在不在を検知する人検知センサ等を含む。受光部21Cは、リモコン23からのコマンド信号を受光し、受光したコマンド信号を制御部21Dに送信する。メモリ21Eは、各種情報を記憶する領域である。制御部21Dは、室内機21全体を制御する。制御部21Dは、コマンド信号に基づき、各種コマンドを実行する。室外機22は、例えば、室外ファンや圧縮機等が備えられている。リモコン23は、使用者の操作に応じて室内機21を遠隔操作する操作部である。
本実施例の通信アダプタ3は、空気調和機2の室内機21とルータ4との間を無線通信で接続する通信機能と、室内機21をAI(Artificial Intelligence)制御する制御機能とを有する。通信アダプタ3は、室内機21毎に配置するものである。ルータ4は、例えば、WLAN(Wireless Local Area Network)等を使用して通信アダプタ3と通信網8とを無線通信で接続すると共に、端末装置7と通信網8とを無線通信で接続する装置(アクセスポイントとも呼ばれる)である。端末装置7は、空気調和システム1を使用する複数の使用者の内、例えば、管理者となる使用者のスマートフォン等の通信端末である。通信網8は、例えば、インターネット等の通信網である。サーバ装置5は、後述する学習モデルを生成する機能や運転履歴データ等を記憶するデータベース等を有する。尚、サーバ装置5は、例えば、データセンタに配置されている。中継装置6は、通信網8と通信で接続すると共に、サーバ装置5と通信で接続する機能を有する。中継装置6は、通信網8経由で学習モデルの生成又は更新に使用する運転履歴データ等を通信アダプタ3からサーバ装置5に送信する。また、中継装置6は、サーバ装置5で生成又は更新した学習モデルを通信網8経由で通信アダプタ3に送信する。尚、中継装置6は、例えば、データセンタ等に配置されている。
中継装置6は、第1の中継部6Aと、第2の中継部6Bと、第3の中継部6Cとを有する。第1の中継部6Aは、通信網8経由で通信アダプタ3からサーバ装置5に学習モデルに関わる各種データ(以降、運転履歴データと記載する)を送信し、サーバ装置5が生成又は更新した学習モデルを通信網8経由で通信アダプタ3に送信する。第2の中継部6Bは、使用者が外出先から端末装置7を使用して設定した室内機21の運転条件(冷房/暖房といった運転モードや設定温度など)を取得し、これを室内機21に送信する。第3の中継部6Cは、例えば、インターネット等の通信網8から天気予報やカレンダ情報等の外部データを取得し、取得した外部データをサーバ装置5に送信する。また、第3の中継部6Cは、外部データを通信網8経由で通信アダプタ3に送信する。
<通信アダプタの構成>
図3は、通信アダプタ3の構成の一例を示すブロック図である。図3に示す通信アダプタ3は、第1の通信部31と、第2の通信部32と、記憶部33と、CPU(Central Processing Unit)34とを有する。第1の通信部31は、室内機21内の制御部21DとCPU34とを通信接続する、例えば、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)等の通信IF(Interface)である。第2の通信部32は、ルータ4とCPU34とを通信接続する、例えば、WLAN等の通信IF等の通信部である。記憶部33は、例えば、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等を有し、データやプログラム等の各種情報を格納する。CPU34は、通信アダプタ3全体を制御する。
図3に示す通信アダプタ3内の記憶部33は、履歴メモリ33Aと、アダプタ側学習記憶部33Bと、予測結果メモリ33Cと、外部メモリ33Dとを有する。履歴メモリ33Aは、室内機21から取得した運転履歴データを一時記憶する。アダプタ側学習記憶部33Bは、サーバ装置5で生成した学習モデルを記憶する。学習モデルは、センサ21Bの検出結果に基づき、その後の運転方法を推論する学習モデルである。例えば学習モデルは、使用者による操作の傾向を学習した学習結果に基づき、使用者の快適性に関わる運転方法を推論する第1の学習モデル33B1と、空気調和機2が設置される空間における使用者の在不在の傾向を学習した学習結果に基づき、使用者の利便性に関わる運転方法を推論する第2の学習モデル33B2とを記憶する。
第1の学習モデル33B1としては、例えば、体感温度予測モデル35と、温度ムラ予測モデル36とを有する。
体感温度予測モデル35は、室内機21から定期的(例えば、5分毎)に得た運転履歴データ等を含む運転状態量を用いて、例えば、空調空間内の5分後に使用者が快適だと感じる体感温度を予測する学習モデルである。体感温度予測モデル35は、例えば、時系列の室内温度、室内湿度、室外温度等に応じて、使用者が快適に感じるように空気調和機2を調整する際に実行するプログラムである。空気調和機2は、体感温度予測モデル35に基づいて制御されることにより、使用者が快適に感じるように、空気調和機2の設定温度が変更される。このため使用者の快適性が維持される。
温度ムラ予測モデル36は、室内機21から定期的(例えば、5分毎)に得た運転履歴データ等を含む運転状態量を用いて、例えば、10分後の空調空間の温度ムラの位置を予測する学習モデルである。空気調和機2が温度ムラ予測モデル36に基づいて制御されることにより、空調空間の温度ムラが解消される。このため温度ムラが生じている箇所で使用者が不快感(暑さや寒さ)を感じることがなくなり、使用者の快適性が維持される。
第2の学習モデル33B2としては、例えば、建物負荷予測モデル37と、在不在予測モデル38とを有する。
建物負荷予測モデル37は、室内機21が設置された部屋の建物負荷を踏まえ、室内温度が設定温度に到達するまでの時間を予測する学習モデルである。尚、建物負荷とは、室内機21が設置された部屋の温度や湿度を一定に保つために必要なエネルギーをいう。つまり、建物負荷予測モデル37は、例えば、使用者が室内機21に対して運転予約を行う運転開始時刻を設定する入タイマの予約時に、例えば、現在室内温度、運転開始時能力、抽出した室外温度予報値を含む運転状態量を用いて、事前運転開始時刻を予測して決定する学習モデルである。空気調和機2が建物負荷予測モデル37に基づいて制御されることにより、使用者は室内温度が設定温度に到達するまでの時間を考慮して入タイマの時刻を設定する必要がなくなり、使用者の利便性が向上する。
在不在予測モデル38は、室内機21から定期的(例えば、5分毎)に得た運転履歴データや人検知センサの検知結果等を含む運転状態量を用いて、例えば、24時間分の空調空間における使用者の在不在を予測する。在不在予測モデル38は、使用者の在不在の予測結果と人検知センサの検知結果に基づいて、例えば節電運転などを実行する学習モデルである。空気調和機2が在不在予測モデル38に基づいて制御されることにより、例えば使用者が空調空間内で不在が予測される時間帯で、節電運転を実行させることが可能となる。これにより、使用者は空気調和機2の運転・停止を度々操作することなく、無駄な空調運転を回避できるため、使用者の利便性が向上する。
在不在予測結果メモリ33Bは、在不在予測モデル38から取得した24時間分の空調空間における使用者の在不在の予測結果を記憶する。
CPU34は、在不在予測モデル38で得た空調空間内の24時間分の使用者の在不在の予測結果を認識できる。外部メモリ33Dは、前述した祝日情報や天気予報など外部から取得する外部データを記憶する。
CPU34は、収集部34Aと、送信部34Bと、受信部34Cと、推論部34Dとを有する。
収集部34Aは、室内機21から所定周期、例えば10分毎の取得タイミングで、例えば、室内温度、外気温度、熱交温度、コンプ回転数、使用者によるエアコンの操作内容、人検知センサの検知結果等の運転状態量を運転履歴データとして取得する。室内温度は、室内機21の空調空間内の室内の温度、すなわち室内温度を室内温度センサで検出する。外気温度は、室外機22の図示しない吸込口付近には、室外機22の内部に流入する外気の温度、すなわち外気温度を外気温度センサで検出する。熱交温度は、例えば、図示しない熱交換器に流入(又は熱交換器から流出)する冷媒の温度により検出する。例えば室外機22の熱交換器(以下、室外熱交ともいう)が凝縮器として機能する場合に、室外熱交から流出する冷媒の温度を熱交温度として検出する。具体的には、図示しない室外熱交の出口に温度センサ(以下、室外熱交出口センサともいう)を配置して、室外熱交出口センサで熱交温度を検出する。コンプ回転数は、例えば、圧縮機の図示しない回転数センサで検出する。収集部34Aは、取得した運転状態量等の運転履歴データを履歴メモリ33Aに記憶する。
送信部34Bは、履歴メモリ33Aに記憶中の運転履歴データを通信網8経由でサーバ装置5に送信する。尚、サーバ装置5では、通信アダプタ3から順次受信した運転履歴データ内の運転状態量を用いて、学習モデルを生成することになる。受信部34Cは、通信網8経由でサーバ装置5から学習モデルを受信し、受信した学習モデルをアダプタ側学習記憶部33Bに記憶する。
推論部34Dは、例えば体感温度予測モデル35を用いて、空調空間内の使用者が例えば5分後に快適だと感じる体感温度を予測し、予測結果である体感温度の変化を第1の通信部31を介して室内機21内の制御部21Dに送信する。具体的には、推論部34Dは、体感温度が上昇すると予測された場合、室内機21内の制御部21Dに対して「体感温度アップ」通知を第1の通信部31を介して送信する。また、推論部34Dは、体感温度が低下すると予測された場合、室内機21内の制御部21Dに対して「体感温度ダウン」通知を第1の通信部31を介して送信する。また、推論部34Dは、体感温度が変化しないと予測された場合、室内機21内の制御部21Dに対して通知を送信しない。
また推論部34Dは、例えば温度ムラ予測モデル36を用いて、10分後の空調空間の温度ムラの位置を予測し、室内機21内の制御部21Dに対して温度ムラが解消する制御内容を第1の通信部31を介して送信する。
また推論部34Dは、例えば建物負荷予測モデル37を用いて、入タイマ予約での運転開始時刻における事前運転開始時刻を予測し、室内機21内の制御部21Dに対して事前運転開始時刻を第1の通信部31を介して送信する。
また推論部34Dは、例えば在不在予測モデル38を用いて、24時間分の空調空間における使用者の在不在を予測し、その予測結果から空調空間における使用者の在不在傾向を生成する。更に、推論部34Dは、使用者の在不在傾向と、人検知センサの現在の検知結果とを用いて、例えば、空調空間内の人の不在を検知した時点から60分先までの空調空間における使用者の在不在を予測する。推論部34Dは、室内機21内の制御部21Dに対して使用者の在不在の予測結果を第1の通信部31を介して送信する。
<学習モデルを使用した室内機の制御部の動作>
制御部21Dは、受信した体感温度予測モデル35の体感温度アップ通知又は体感温度ダウン通知に基づき、現在の室内温度を設定温度に変更する。制御部21Dは、体感温度アップ通知を受信した場合、例えば、設定温度を0.5度だけ高くなるように、設定温度を変更する。また、制御部21Dは、例えば、体感温度ダウン通知を受信した場合、例えば、設定温度を0.5度だけ低くなるように、設定温度を変更する。つまり、制御部21Dは、空調空間が設定温度になるように室内機21内の本体21Aを構成する各機器を制御する。
制御部21Dは、受信した温度ムラ予測モデル36の制御内容に基づき、空調空間内の温度ムラを解消するように、室内機21内の本体21Aを構成する、例えば、室内機ファンや風向板等の各機器を制御する。
制御部21Dは、受信した建物負荷予測モデル37の事前運転開始時刻に室内機21の空調運転を開始する。その結果、使用者が入タイマ予約で設定した運転開始時刻には、事前の空調運転で室内機21が設置された部屋の温度が設定温度に到達することになる。つまり、建物負荷予測モデル37は、空調負荷に基づき、入タイマの事前運転を制御することになる。
制御部21Dは、空調運転の実行中に人検知センサが人の不在を検知した時点から、例えば、60分間の間の在不在予測モデル38の使用者の在不在の予測結果を参照する。例えば制御部21Dは、参照した予測結果に基づき、予測結果も使用者の不在である場合には、空調空間内において使用者の不在が所定時間継続すると判断し、実行中の空調運転を停止する節電運転に切り替えるべく、室内機21内の本体21Aを構成する各機器を制御する。
<サーバ装置の構成>
図4は、サーバ装置5の構成の一例を示すブロック図である。図4に示すサーバ装置5は、例えば通信部51と、記憶部52と、CPU53とを有する。本実施例の通信部51は、中継装置6とCPU53とを通信接続する通信IFである。記憶部52は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、ROMやRAM等を有し、データやプログラム等の各種情報を記憶する。例えばCPU53は、サーバ装置5全体を制御する。
図4に示すサーバ装置5内の記憶部52は、例えば履歴データメモリ52Aと、モデル記憶部52Bとを有する。例えば履歴データメモリ52Aは、通信アダプタ3から受信した、運転状態量を記憶する。例えばモデル記憶部52Bは、サーバ装置5で生成した第1の学習モデル及び第2の学習モデルを記憶する。尚、第1の学習モデルは、例えば、温度ムラ予測モデル及び体感温度予測モデル等である。第2の学習モデルは、例えば、建物負荷予測モデル及び在不在予測モデル等である。
サーバ装置5内のCPU53は、例えば受信部53Aと、取得部53Bと、生成部53Cと、送信部53Dとを有する。
受信部53Aは、例えば複数の室内機21の通信アダプタ3と接続してルータ4、通信網8及び中継装置6を経由して、通信アダプタ3から運転状態量を受信し、受信した運転状態量を履歴データメモリ52Aに記憶する。取得部53Bは、履歴データメモリ52Aに記憶中の運転状態量を取得する。生成部53Cは、取得部53Bにて取得した運転状態量に基づき、例えば、第1の学習モデルや第2の学習モデルを生成する。
<リモコンの構成>
図5は、リモコン23の構成の一例を示すブロック図である。図5に示すリモコン23は、例えばリモコン側通信部61と、タッチパネル62と、リモコン側制御部63とを有する。リモコン側通信部61は、室内機21に対して赤外線や電波等でコマンド信号を送信する。タッチパネル62は、操作部71と、表示部72とを有する。表示部72は、各種情報を表示する領域である。操作部71は、表示部72に表示中の操作ボタンであって、各種コマンドに対応している。使用者は操作ボタンを押下することで指示内容を入力する。リモコン側制御部63は、リモコン23全体を制御する。
図6は、リモコン23のタッチパネル62の表示内容の一例を示す説明図である。図6に示すタッチパネル62には、運転モード設定時の操作画面72A上の操作部71を表示している状態である。操作画面72A上には、操作部71として、AI自動ボタン71Aと、暖房ボタン71Bと、自動ボタン71Cと、冷房ボタン71Dと、除湿ボタン71Eと、送風ボタン71Fと、停止ボタン71Gと、OKボタン71Hと、キャンセルボタン71Jとを有する。
AI自動ボタン71Aは、通信アダプタ23内の推論部34D内の学習モデルの起動に対応している。使用者がAI自動ボタン71Aを押下すると、室内機21に対してAI機能を実行するコマンド信号が送信される。本実施例では、AI自動ボタン71Aは第1の学習モデル33B1の起動に対応している。暖房ボタン71Bは、例えば、室内機21の制御部21Dに対して空調空間の室内温度を上げる空調運転(暖房運転)の開始を要求するボタンである。自動ボタン71Cは、例えば、室内機21の制御部21Dに対して空調空間の室内温度を自動で調整する空調運転(自動運転)の開始を要求するボタンである。冷房ボタン71Dは、例えば、室内機21の制御部21Dに対して空調空間の室内温度を下げる空調運転(冷房運転)の開始を要求するボタンである。除湿ボタン71Eは、例えば、室内機21の制御部21Dに対して空調空間を除湿する空調運転(除湿運転)の開始を要求するボタンである。送風ボタン71Fは、例えば、室内機21の制御部21Dに対して空調空間に向けて送風する空調運転(送風運転)の開始を要求するボタンである。停止ボタン71Gは、例えば、室内機21の制御部21Dに対して実行中の空調運転の停止を要求するボタンである。キャンセルボタン71Jは、例えば、表示中の操作画面72Aをキャンセルするボタンである。OKボタン71Hは、例えば、表示中の操作画面72Aを承認するボタンである。
図7は、タッチパネル62の表示内容の遷移の一例を示す説明図である。リモコン側制御部63は、図6に示す操作画面72A上のAI自動ボタン71Aのボタン操作を検出した場合、図6に示す操作画面72Aから、AI自動モードの起動開始を示す起動開始画面72Bに切り替える。尚、AI自動モードとは、複数の学習モデルの内、使用者の快適性に関わる運転方法を推論する第1の学習モデルの機能を発揮させるモードである。また、起動開始画面72Bは、複数の学習モデルの内、第1の学習モデルの機能を起動させたことを示すメッセージを表示する画面である。リモコン側制御部63は、起動開始画面72Bを表示した後、起動開始画面72Bから、AI自動モードの運転中を示す運転中画面72Cに切り替える。
<学習モードを使用する室内機の動作>
図8は、制御処理に関わる通信アダプタ3の処理動作の一例を示すフローチャートである。通信アダプタ3内のCPU34は、リモコン23のAI自動ボタン71Aのボタン操作に応じてリモコン23から室内機21経由でAI自動コマンドを検出する(ステップS11)。尚、AI自動コマンドは、AI機能を実行するコマンドである。本実施例では、複数の学習モデルの内、第1の学習モデルを通信アダプタ3に起動させるコマンドである。CPU34は、ステップS11にてAI自動コマンドを検出した場合、通信アダプタ3がオフ状態であるか否かを判定する(ステップS12)。CPU34は、通信アダプタ3がオフ状態である場合(ステップS12:Yes)、通信アダプタ3をオンに切り替える(ステップS13)。尚、通信アダプタ3をオン状態にした場合には、通信アダプタ3がルータ4を介してサーバ装置5と接続される。通信アダプタ3がサーバ装置5と接続されると、通信アダプタ3を介して学習に必要な情報である運転状態量がサーバ装置5に送信されることになる。更に、運転状態量が受信されたサーバ装置5上では使用者の好みが学習されて学習済みモデルが生成される。そして、サーバ装置5上で生成された学習済みモデルがサーバ装置5から通信アダプタ3に送信されることになる。
CPU34は、通信アダプタ3がオンに切り替えられた後、学習モデルの内、第1の学習モデル33B1を起動させ(ステップS14)、図8に示す処理動作を終了する。尚、第1の学習モデル33B1を起動させるとは、第1の学習モデルの動作が行える状態にするということである。その結果、通信アダプタ3は、起動された第1の学習モデル33B1を用いて自動運転を実行することになる。
CPU34は、通信アダプタ3がオフ状態でない場合、すなわち、通信アダプタ3がオン状態の場合(ステップS12:No)、第1の学習モデル33B1を起動させるべく、ステップS14の処理に戻る。
<実施例の効果>
本実施例の空気調和機2では、使用者の快適性に関わる第1の学習モデル33B1と、使用者の利便性に関わる第2の学習モデル33B2とを兼ね備えた場合でも、使用者の操作に応じて、使用者の快適性に関わる第1の学習モデル33B1を優先できる。その結果、AI機能の多様化を確保しながら、使用者の快適性を確保できる。
推論部34Dは、通信アダプタ3が停止状態であるオフ状態でリモコン23のAI自動ボタン71Aのボタン操作を検出すると、通信アダプタ3が通電状態であるオン状態に切り替わり、第1の学習モデル33B1が起動する。その結果、使用者の操作に応じて、使用者の快適性に関わる第1の学習モデル33B1を優先できる。
尚、本実施例の第1の学習モデル33B1として、例えば、体感温度予測モデル35及び温度ムラ予測モデル36を例示したが、使用者の快適性に関わる学習モデルであればよく、適宜変更可能である。また、第2の学習モデル33B2として、例えば、建物負荷予測モデル37及び在不在予測モデル38を例示したが、使用者の利便性に関わる学習モデルであればよく、適宜変更可能である。
通信アダプタ3は、リモコン23のAI自動ボタン71Aのボタン操作を検出した場合に、第1の学習モデル33B1内の体感温度予測モデル35及び温度ムラ予測モデル36を起動する場合を例示したが、例えば、第1の学習モデル33B1の内、一つ若しくは複数の任意のモデルを起動させても良く、適宜変更可能である。
また、通信アダプタ3は、リモコン23の操作画面上のAI自動ボタン71Aのボタン操作を検出した場合に、第1の学習モデル33B1を起動する場合を例示したが、例えば、端末装置7や室内機21にAI自動ボタンを備え、AI自動ボタンのボタン操作に応じて第1の学習モデル33B1を起動させても良く、適宜変更可能である。
第2の学習モデル33B2で推論する使用者の利便性に関わる運転方法としては、在不在予測モデル38を用いて運転を停止する節電運転に切り替える場合を例示したが、例えば、空気調和機2のメンテナンス、加熱除菌運転の開始、フィルタ清掃運転の開始、運転抑制又は運転開始に関わる推論方法でも良く、適宜変更可能である。尚、加熱除菌運転は、室内機21内の室内熱交換器を55度以上に加熱して除菌する運転である。フィルタ清掃運転は、室内機21内のフィルタを清掃する運転である。
1 空気調和システム
2 空気調和機
3 通信アダプタ
5 サーバ装置
21 室内機
21B センサ
21D 制御部
22 室外機
23 リモコン
33B アダプタ側学習記憶部
33B1 第1の学習モデル
33B2 第2の学習モデル
34D 推論部
53C 生成部
71A AI自動ボタン

Claims (5)

  1. 室内機と室外機とを備える空気調和機であって、
    前記空気調和機の運転状態量を検出する検出部と、
    使用者が前記空気調和機を操作するための操作部と、
    前記検出部の検出結果に基づいて、その後の運転方法を推論する推論部と、を備え、
    前記推論部は、
    前記使用者による操作の傾向を学習した学習結果に基づき、前記使用者の快適性に関わる運転方法を推論する第1の学習モデルを有し、
    前記操作部は、
    前記推論部を起動させる起動ボタンを有し、前記起動ボタンが操作されると、前記第1の学習モデルが起動することを特徴とする空気調和機。
  2. 前記推論部は、
    前記空気調和機が設置される空間における前記使用者の在不在の傾向を学習した学習結果に基づき、前記使用者の利便性に関わる運転方法を推論する第2の学習モデルをさらに有することを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
  3. 室内機、室外機及び、前記室内機と通信する通信アダプタを有する空気調和機と、前記通信アダプタと通信するサーバ装置と、を有する空気調和システムであって、
    前記室内機は、
    前記空気調和機の運転状態量を検出する検出部と、
    使用者が前記空気調和機を操作するための操作部と、を有し、
    前記通信アダプタは、
    前記検出部の検出結果に基づいて、その後の運転方法を推論する推論部を有し、
    前記推論部は、
    前記使用者による操作の傾向を学習した学習結果に基づき、前記使用者の快適性に関わる運転方法を推論する第1の学習モデルを有し、
    前記サーバ装置は、
    前記第1の学習モデルを生成する生成部を有し、
    前記操作部は、
    前記推論部を起動させる起動ボタンを有し、
    前記推論部は、
    前記起動ボタンが操作されると、前記第1の学習モデルが起動することを特徴とする空気調和システム。
  4. 前記推論部は、
    前記空気調和機が設置される空間における前記使用者の在不在の傾向を学習した学習結果に基づき、前記使用者の利便性に関わる運転方法を推論する第2の学習モデルをさらに有することを特徴とする請求項3に記載の空気調和システム。
  5. 前記推論部は、
    前記通信アダプタが停止状態で前記起動ボタンが操作されると、前記通信アダプタが通電状態に切り替わり、前記第1の学習モデルが起動することを特徴とする請求項3又は4に記載の空気調和システム。
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