JP2023085733A - レーザ加工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】レチクルを容易に設置可能なレーザ加工装置を提供する。【解決手段】レーザ加工装置1は、対象物20を支持するステージ2と、レーザ光Lを出力する光源31と、対象物20にレーザ光Lを集光するレーザ光集光レンズ33と、第1パターンPAを有する第1レチクルR2と、第1レチクルR2に照明光Liを照射する照明光源R1と、第1レチクルR2を通過した照明光Liで第1レチクルR2の投影像を対象物20に結像することにより、第1パターンPAを対象物20に投影する第1投影光学系と、対象物20に投影された第1パターンPAの像を撮像して第1パターン画像Im1を取得するカメラ35と、を備える。第1パターンPAは、照明光Liの光軸の周りの第1レチクルR2の回転角度に対する依存性を有さない形状を有している。【選択図】図6

Description

本開示は、レーザ加工装置に関する。
特許文献1には、レーザダイシング装置が記載されている。このレーザダイシング装置は、ウェハを移動させるステージと、ウェハにレーザ光を照射するレーザヘッドと、各部の制御を行う制御部と、を備えている。レーザヘッドは、ウェハの内部に改質領域を形成するための加工用レーザ光を出射するレーザ光源と、加工用レーザ光の光路上に順に配置されたダイクロイックミラー及び集光レンズと、AF装置と、を有している。
特許第5743123号
ところで、対象物にレーザ光を照射してレーザ加工を行う場合、レーザ光の集光位置を対象物のレーザ光の入射面である一表面に合わせるハイトセットを行う場合がある。ハイトセットの一工程では、レチクルに照明光を照射することにより、レチクルのパターンを対象物の表面に投影し、そのパターンのピントの合う位置を対象物の一表面として検出することが考えられる。
ここで、一般に、レチクルのパターンとしては、照明光の光軸に交差する2方向に延びる十字形状を含むものが使用されている。この場合、照明光の光軸の周りのレチクルの設置角度にばらつきがあると、対象物の表面に投影されるパターンの姿勢もばらつくこととなる。このパターンの姿勢のばらつきは、パターンの像を含むパターン画像を撮像して表示することによってユーザにも視認される。また、このパターン画像は、対象物の表面等の検出の際の画像処理にも利用される。この結果、レチクルのパターンの姿勢のばらつきが直接的にレーザ加工に影響を及ぼさない場合であっても、ユーザに違和感を与えたり、画像処理によるレチクルのパターン検出に係る時間が長くなったりするおそれがある。このため、このようなパターンの姿勢のばらつきが生じないように、レチクルの設置に精密且つ複雑な調整が必要であった。
本開示は、レチクルを容易に設置可能なレーザ加工装置を提供することを目的とする。
本開示に係るレーザ加工装置は、対象物にレーザ光を照射することにより対象物に改質領域を形成するためのレーザ加工装置であって、対象物を支持する支持部と、レーザ光を出力するレーザ光源と、支持部に支持された対象物にレーザ光を集光する第1集光レンズと、対象物に投影される第1パターンを有する第1レチクルと、第1レチクルに照明光を照射する照明光源と、第1レチクルを通過した照明光で第1レチクルの投影像を対象物に結像することにより、第1パターンを対象物に投影する第1投影光学系と、対象物に投影された第1パターンの像を撮像して第1パターン画像を取得する第1カメラと、第1パターン画像を表示する表示部と、を備え、第1パターンは、照明光の光軸の周りの第1レチクルの回転角度に対する依存性を有さない形状を有している。
このレーザ加工装置は、レーザ加工を行うためのレーザ光源とは別に、第1レチクルに照明光を照射する照明光源を備えている。したがって、ハイトセットに際して、第1レチクルに照明光を照射するとともに、投影光学系により、第1レチクルを通過した照明光で第1レチクルの投影像を対象物に結像することにより、対象物に第1パターンを投影することができる。よって、対象物に投影された第1パターンを撮像すれば、当該撮像により得られる第1パターン画像を用いて、対象物のレーザ光入射面を検出することが可能である。ここで、第1パターンは、照明光の光軸の周りの第1レチクルの回転角度に対する依存性を有していない。このため、第1レチクルの当該光軸周りの回転角度によらずに、対象物に投影される第1パターンの姿勢(第1パターン画像内の姿勢)が変化しない。このため、照明光の光軸の周りの第1レチクルの設置角度にばらつきがあっても、ユーザに違和感を与えたり、画像処理による第1レチクルのパターン検出に係る時間が長くなったりすることがない。よって、第1レチクルの設置に際して、照明光の光軸周りの回転角度の調整が不要となる。この結果、このレーザ加工装置では、第1レチクルの設置が容易化される。
本開示に係るレーザ加工装置では、第1投影光学系は、照明光による第1パターンの像を対象物に結像するための第1集光レンズを含み、第1カメラは、対象物から第1集光レンズを介して入射した照明光を検出することにより第1パターン画像を取得してもよい。この場合、第1レチクルの第1パターンを投影するための投影光学系において、レーザ光を対象物に集光するための第1集光レンズが供用されて部品点数が削減される。
本開示に係るレーザ加工装置では、第1レチクルは、照明光の光軸方向からみて、照明光を透過する透過部と、照明光の透過率が透過部よりも低くされることによって、対象物に陰影を形成する第1パターンと、を含み、第1パターンは、光軸をパターン中心とした少なくとも1つの円を含み、第1レチクルにおいては、光軸方向からみてパターン中心を含む円形のエリアが透過部とされると共に、パターン中心が第1カメラの画角中央となるようにされていてもよい。上記のように、投影光学系において第1集光レンズを共用すると、照明光と共にレーザ光の反射光が第1集光レンズを介して第1カメラに入射する。このため、第1カメラにより取得される第1パターン画像にレーザ光のスポットが生じる。このため、第1パターンのパターン中心を、陰影が形成されないように透過部とし、且つ、第1カメラの画角中央とすることにより、当該パターン中心とレーザ光のスポットの位置との比較により、レーザ光の光軸ずれを確認することが可能となる。
本開示に係るレーザ加工装置は、少なくとも、第1集光レンズ、第1レチクル、照明光源、第1投影光学系、及び第1カメラを含むレーザ加工ヘッドを、対象物のレーザ光入射面に交差するZ方向に沿って移動させる第1Z軸移動部と、第1パターン画像の画像処理に基づいて、第1パターンの像がレーザ光入射面に合うように第1Z軸移動部を制御する第1制御部と、を備えてもよい。この場合、第1パターン画像の画像処理に基づいて、レーザ加工ヘッドのZ方向の位置調整が可能となる。特に、上述したように、このレーザ加工装置では、第1レチクルの光軸周りの回転角度によらずに、対象物に投影される第1パターンの姿勢(第1パターン画像内の姿勢)が変化しない。よって、第1パターンの姿勢のばらつきに起因した画像処理の長時間化が避けられる。
本開示に係るレーザ加工装置は、対象物の観察を行うための観察装置を備え、観察装置は、対象物に透過性を有する透過光を出力する透過光源と、透過光を対象物に集光するための第2集光レンズと、透過光源と第2集光レンズとの間の透過光の光路上に配置され、対象物に投影される第2パターンを有する第2レチクルと、第2集光レンズを含み、第2レチクルを通過した透過光で第2レチクルの投影像を対象物に結像することにより、第2パターンを対象物に投影する第2投影光学系と、対象物から第2集光レンズを介して入射する透過光を検出することにより、透過光による対象物の観察画像と、第2パターンの像を含む第2パターン画像とを取得する第2カメラと、を有し、第2パターンは、透過光の光軸の周りの第2レチクルの回転角度に対する依存性を有さない形状を有していてもよい。この場合、レーザ加工装置に対して、対象物の観察を行うための観察装置が備えられ、その観察装置についても、対象物の観察を行うための透過光の光路上に第2レチクルが設けられている。そして、対象物に投影される第2レチクルの第2パターンは、透過光の光軸の周りの第2レチクルの回転角度に対する依存性を有さない。このため、第2レチクルの当該光軸周りの回転角度によらずに、対象物に投影される第2パターンの姿勢(第2パターン画像内の姿勢)が変化しない。このため、透過光の光軸の周りの第2レチクルの設置角度にばらつきがあっても、ユーザに違和感を与えたり、画像処理による第2レチクルのパターン検出に係る時間が長くなったりすることがない。よって、第2レチクルの設置に際して、透過光の光軸周りの回転角度の調整が不要となる。このように、このレーザ加工装置では、観察装置の第2レチクルも容易に設置可能である。
本開示に係るレーザ加工装置では、観察装置は、少なくとも、透過光源、第2集光レンズ、第2レチクル、第2投影光学系、及び、第2カメラを含む観察ユニットを、対象物の透過光入射面に交差するZ方向に沿って移動させる第2Z軸移動部と、第2パターン画像の画像処理に基づいて、第2パターンの像が透過光入射面、及び/又は、対象物の透過光入射面と反対側の面に合うように第2Z軸移動部を制御する第2制御部と、を有してもよい。この場合、第2パターン画像の画像処理に基づいて、観察ユニットのZ方向の位置調整が可能となる。特に、上述したように、このレーザ加工装置では、第2レチクルの光軸周りの回転角度によらずに、対象物に投影される第2パターンの姿勢(第2パターン画像内の姿勢)が変化しない。よって、第2パターンの姿勢のばらつきに起因した画像処理の長時間化が避けられる。
本開示によれば、レチクルを容易に設置可能なレーザ加工装置を提供できる。
図1は、本実行形態に係るレーザ加工装置を示す構成図である。 図2は、図1の対象物を示す平面図である。 図3は、図2の対象物の一部分を示す断面図である。 図4は、図1のレーザ加工ヘッドを示す構成図である。 図5は、図1の内部観察ユニットを示す構成図である。 図6は、図4,5に示されたレチクルを示す平面図である。 図7は、図6に示されたレチクルを撮像して得られるパターン画像を示す図である。 図8は、図6に示されたパターンの変形例を示す図である。 図9は、図1のレーザ加工装置の動作例を示すフローチャートである。 図10は、図9に示された加工機側ハイトセットの一例を示すフローチャートである。 図11は、図9に示された加工機側ハイトセットの別の一例を示すフローチャートである。 図12は、図9に示された観察側ハイトセットの一例を示すフローチャートである。 図13は、図9に示された観察側ハイトセットの別の一例を示すフローチャートである。 図14は、従来のレチクルとの比較を示す平面図である。 図15は、内部観察の変形例を説明するための平面図である。
以下、実施形態について、図面を参照して詳細を説明する。なお、各図の説明において、同一又は相当する部分には同一の符号を付し、重複する説明を省略する場合がある。また、各図には、X軸、Y軸、及び、Z軸によって規定される直交座標系を示す場合がある。一例として、X方向及びY方向は、互いに交差(直交)する第1水平方向及び第2水平方向であり、Z方向は、X方向及びY方向に交差(直交)する鉛直方向である。
図1に示されるように、本実施形態に係るレーザ加工装置1は、ステージ(支持部)2と、レーザ加工ヘッド3と、アライメント用カメラ5,6と、内部観察ユニット4と、第1鉛直移動機構7Aと、第2鉛直移動機構7Bと、第1水平移動機構8Aと、第2水平移動機構8Bと、制御部9と、GUI(Graphical User Interface)10と、を備える。レーザ加工装置1は、対象物20にレーザ光Lを照射することにより、対象物20に改質領域12(図4参照)を形成する装置である。また、レーザ加工装置1は、対象物20の観察を行うための観察装置としても機能する。本実施形態では、レーザ加工装置1が、観察装置をさらに備えている。
図2及び図3に示されるように、対象物20は、例えばウェハである。対象物20は、半導体基板21と、機能素子層22と、を備えている。半導体基板21は、表面21a及び裏面21bを有する。半導体基板21は、例えば、シリコン基板である。機能素子層22は、半導体基板21の表面21aに形成されている。機能素子層22は、表面21aに沿って2次元に配列された複数の機能素子22aを含む。機能素子22aは、例えば、フォトダイオード等の受光素子、レーザダイオード等の発光素子、メモリ等の回路素子等である。機能素子22aは、複数の層がスタックされて3次元的に構成される場合もある。なお、対象物20は機能素子層22を有していても有していなくてもよく、ベアウェハであってもよい。半導体基板21には、結晶方位を示すノッチ21cが設けられているが、ノッチ21cの替わりにオリエンテーションフラットが設けられていてもよい。
対象物20は、複数のライン15のそれぞれに沿って機能素子22aごとに切断される。複数のライン15は、対象物20の厚さ方向から見た場合に複数の機能素子22aのそれぞれの間を通っている。より具体的には、ライン15は、対象物20の厚さ方向から見た場合にストリート領域23の中心(幅方向における中心)を通っている。ストリート領域23は、機能素子層22において、隣り合う機能素子22aの間を通るように延在している。本実行形態では、複数の機能素子22aは、表面21aに沿ってマトリックス状に配列されており、複数のライン15は、格子状に設定されている。なお、ライン15は、仮想的なラインであるが、実際に引かれたラインであってもよい。
図1に示されるように、ステージ2上には、対象物20が載置される。ステージ2は、例えば対象物20を吸着することにより、対象物20を支持する。ステージ2は、第1水平移動機構8AによりX方向に沿って移動可能である。ステージ2は、第2水平移動機構8BによりY方向に沿って移動可能である。ステージ2は、Z方向に沿う回転軸を中心に回転可能に構成されている。ステージ2は、モータ等の公知の回転駆動装置(不図示)を有し、その駆動力により回転軸を中心回転駆動される。ステージ2の回転(回転駆動装置の動作)は、制御部9により制御される。
図1及び図4に示されるように、レーザ加工ヘッド3は、ステージ2に支持された対象物20に対して透過性を有するレーザ光Lを照射する。レーザ加工ヘッド3は、対象物20の内部にレーザ光Lを集光する。ステージ2に支持された対象物20の内部にレーザ光Lが集光されると、レーザ光Lの集光位置(集光領域の少なくとも一部)に対応する部分においてレーザ光Lが特に吸収され、対象物20の内部に改質領域12が形成される。
改質領域12は、密度、屈折率、機械的強度、その他の物理的特性が周囲の非改質領域とは異なる領域である。改質領域12としては、例えば、溶融処理領域、クラック領域、絶縁破壊領域、屈折率変化領域等がある。改質領域12は、改質領域12からレーザ光Lの入射側及びその反対側に亀裂が延び易いという特性を有している。このような改質領域12の特性は、対象物20の切断に利用される。
レーザ加工ヘッド3は、レーザ光集光レンズ(第1集光レンズ)33及びカメラ(第1カメラ)35を筐体H3内に有する。レーザ加工ヘッド3の筐体H3内には、外部の光源31からレーザ光Lが入射される。光源(レーザ光源)31は、例えばパルス発振方式によって、レーザ光Lを出力する。レーザ光集光レンズ33は、レーザ光Lをステージ2に支持された対象物20に集光する。また、レーザ光集光レンズ33は、後述する照明光Liによる第1パターンPAを対象物20に結像する。レーザ加工ヘッド3では、光源31から入射されたレーザ光Lは、筐体H3内においてダイクロイックミラー32を介してレーザ光集光レンズ33に入射し、レーザ光集光レンズ33により対象物20に集光される。レーザ光集光レンズ33は、複数の対物レンズを含むレンズユニットであってもよい。筐体H3は、その側面に設けられた取付部39を含み、この取付部39を介して後述の第1鉛直移動機構7Aに接続されて支持されている。
レーザ加工ヘッド3は、AFユニット36を筐体H3内に有する。AFユニット36は、レーザ光集光レンズ33と対象物20の裏面(レーザ光入射面)21bとの距離を微調整するためのユニットである。AFユニット36は、レーザ光Lと同軸にて対象物20に照射されたAF用レーザ光Lmの反射光を検出することで、対象物20の裏面21bの高さ(Z方向の位置)データを取得する。制御部9は、AFユニット36によって取得された高さデータに基づいて、例えば、レーザ光集光レンズ33と対象物20の裏面21bとの距離が一定となるように、レーザ光集光レンズ33のアクチュエータ33aを制御することができる。
レーザ加工ヘッド3は、照明光源R1を筐体H3内に有する。照明光源R1は、可視光である照明光Liを出力する。照明光源R1から出力された照明光Liは、ミラーR4a及びダイクロイックミラーR4bを介して、AF用レーザ光Lmと同軸にてハーフミラー37により反射されてレーザ光集光レンズ33に入射する。これにより、照明光LiはAF用レーザ光Lm及びレーザ光Lと同軸にて対象物20に照射される。対象物20に照射された照明光Liの反射光は、レーザ光集光レンズ33、ハーフミラー37、及びレンズ38を介してカメラ35に入射する。これにより、カメラ35は、照明光Liによる対象物20の像を撮像することができる。
レーザ加工ヘッド3は、照明光Liの光路上に順に配置された第1レチクルR2及びレンズR3を筐体H3内に有している。第1レチクルR2には、照明光Liが照射される。換言すれば、照明光源R1は、第1レチクルR2に照明光Liを照射する。第1レチクルR2は、照明光Liの陰影を形成するパターン(詳細は図6を用いて後述する)を有している。第1レチクルR2、対象物20、レンズR3、及びレーザ光集光レンズ33は、4f光学系を構成しており、第1レチクルR2を通過した照明光Liで第1レチクルR2の投影像を対象物20に結像することにより、第1レチクルR2のパターンを対象物20に投影する(第1投影光学系を構成している)。
これにより、カメラ35では、対象物20に投影されたレチクルのパターンの像を撮像して第1パターン画像を取得することができる。すなわち、カメラ35は、レーザ光集光レンズ33を介して入射した照明光Liを検出することにより、第1パターン画像を取得する。カメラ35により取得された第1パターン画像は、GUI10に表示することができる。すなわち、GUI10は、第1パターン画像を表示する表示部でもある。なお、カメラ35としては、特に限定されず、要求される性能を満たしていれば、公知の種々のカメラを用いることができる。
アライメント用カメラ5,6は、対象物20におけるレーザ光Lの集光位置の位置合わせ(以下、単に「アライメント」ともいう)に用いられる情報を取得する。アライメント用カメラ5,6は、光を対象物20に照射し、対象物20から戻る当該光を検出することで、アライメントに用いられる情報として画像を取得する。アライメント用カメラ5,6は、ステージ2に支持された対象物20を、対象物20を透過する光により撮像する。
例えばアライメント用カメラ5は、レーザ光入射面である裏面21b側から光を対象物20に照射すると共に、表面21a(機能素子層22)から戻る光を検出することにより、機能素子層22を撮像する。また例えば、アライメント用カメラ5は、同様に、裏面21b側から光を対象物20に照射すると共に、半導体基板21における改質領域12の形成位置から戻る光を検出することにより、改質領域12を含む領域の画像を取得する。これらの画像は、アライメントに用いられる。アライメント用カメラ6は、そのレンズがより低倍率である点を除いて、アライメント用カメラ5と同様の構成を備える。アライメント用カメラ6は、アライメント用カメラ5と同様にアライメントに用いられる。
アライメント用カメラ5,6は、レーザ加工ヘッド3に設けられ、レーザ加工ヘッド3と一体で移動する。図示する例では、アライメント用カメラ5,6は、レーザ加工ヘッド3の取付部39に固定されている。アライメント用カメラ5,6は、制御部9に接続されている。アライメント用カメラ5,6は、撮像した画像を制御部9に出力する。アライメント用カメラ5,6としては、特に限定されず、要求される性能を満たしていれば、公知の種々のカメラを用いることができる。
図1及び図5に示されるように、内部観察ユニット4は、対象物20に透過性を有する透過光により対象物20の内部を観察するためのものである。内部観察ユニット4は、対象物20に透過光を照射し、対象物20から戻る当該透過光、反射光、及び散乱光を検出することで、対象物20の内部を観察する。例えば内部観察ユニット4は、対象物20に形成された改質領域12及び改質領域12から延びた亀裂14の先端を撮像する。
図5に示されるように、内部観察ユニット4は、透過光源41と、ハーフミラー42と、透過光集光レンズ(第2集光レンズ)43と、カメラ(第2カメラ)44と、を筐体H4内に有する。透過光源41は、対象物20(半導体基板21)に透過性を有する透過光I1を出力する。透過光源41は、例えば、ハロゲンランプ及びフィルタやLED等によって構成されており、近赤外領域の透過光I1を出力する。透過光源41から出力された透過光I1は、ハーフミラー42によって反射されて透過光集光レンズ43を通過し、半導体基板21の裏面21b側から対象物20に照射される。透過光集光レンズ43は、透過光I1を半導体基板21に集光させるレンズである。透過光集光レンズ43は、半導体基板21で反射された透過光I1を通過させる。
カメラ44は、透過光集光レンズ43及びハーフミラー42を透過した透過光I1を検出する。カメラ44は、例えば、InGaAsカメラによって構成されており、近赤外領域の透過光I1に感度を有する。筐体H4は、その側面に設けられた取付部49を含み、この取付部49を介して後述の第2鉛直移動機構7Bに接続されて支持されている。内部観察ユニット4は、制御部9に接続されている。内部観察ユニット4は、撮像した画像(内部画像)を制御部9に出力する。当該画像は、GUI10に表示することができる。内部観察ユニット4としては、特に限定されず、要求される性能を満たしていれば、公知の種々のカメラを用いることができる。
内部観察ユニット4は、透過光源41と透過光集光レンズ43との間の透過光l1の光路上に順に配置された第2レチクルQ2及びレンズQ3を筐体H4内に有している。第2レチクルQ2には、透過光l1が照射される。換言すれば、透過光源41は、第2レチクルQ2に透過光l1を照射する。第2レチクルQ2は、透過光l1の陰影を形成するパターン(詳細は図6を用いて後述する)を有している。第2レチクルQ2、対象物20、レンズQ3、及び透過光集光レンズ43は、4f光学系を構成しており、第2レチクルQ2を通過した透過光l1で第2レチクルQ2の投影像を対象物20に結像することにより、第2レチクルQ2のパターンを対象物20に投影する(第2投影光学系を構成している)。
より具体的には、レンズQ3は、第2レチクルQ2の像を転送し、透過光集光レンズ43を介して、対象物20に結像させる。カメラ44は、対象物20から透過光集光レンズ43を介して入射する透過光l1を検出することにより、上記の透過光l1による対象物20の観察画像と、第2レチクルQ2のパターンの像を含む第2パターン画像とを取得することができる。
図1に示されるように、第1鉛直移動機構7Aは、Z方向に沿ってレーザ加工ヘッド3をアライメント用カメラ5,6と共に移動させる機構である。すなわち、第1鉛直移動機構7Aは、少なくとも、レーザ光集光レンズ33、第1レチクルR2、照明光源R1、第1投影光学系(レンズR3及びレーザ光集光レンズ33)、及び、カメラ35を含むレーザ加工ヘッド3を、対象物20のレーザ光入射面に交差するZ方向に沿って移動させる第1Z軸移動部である。
第1鉛直移動機構7Aは、柱状のベース75に設けられた第1鉛直軸71を有する。第1鉛直軸71は、ベース75におけるX方向の一方側に設けられている。ベース75は、例えば設置面等に固定されている。第1鉛直軸71は、Z方向に沿って延在する。第1鉛直軸71には、レーザ加工ヘッド3の取付部39がZ方向に沿って移動可能に取り付けられている。このような第1鉛直移動機構7Aは、不図示の駆動源の駆動力により、レーザ加工ヘッド3を第1鉛直軸71に沿ってZ方向に移動させる。第1鉛直移動機構7Aとしては、特に限定されず、レーザ加工ヘッド3をZ方向に移動できれば種々の機構を用いることができる。
第2鉛直移動機構7Bは、Z方向に沿って内部観察ユニット4を移動させる機構である。すなわち、第2鉛直移動機構7Bは、少なくとも、透過光源41、透過光集光レンズ43、第2レチクルQ2、第2投影光学系(レンズQ3及び透過光集光レンズ43)、及び、カメラ44を含む内部観察ユニット(観察ユニット)4を、対象物20の透過光入射面に交差するZ方向に沿って移動させる第2Z軸移動部である。
第2鉛直移動機構7Bは、ベース75に設けられた第2鉛直軸72を有する。第2鉛直軸72は、ベース75におけるX方向の他方側に設けられている。つまり、第1鉛直軸71と第2鉛直軸72とは、ベース75にともに設けられており、且つ、ベース75を介して対向するように配置されている。第2鉛直軸72は、Z方向に沿って延在する。第2鉛直軸72には、内部観察ユニット4の取付部49がZ方向に沿って移動可能に取り付けられている。このような第2鉛直移動機構7Bは、不図示の駆動源の駆動力により、内部観察ユニット4を第2鉛直軸72に沿ってZ方向に移動させる。第2鉛直移動機構7Bとしては、特に限定されず、内部観察ユニット4をZ方向に移動できれば種々の機構を用いることができる。
第1水平移動機構8Aは、X方向に沿ってステージ2を移動させる機構である。第1水平移動機構8Aは、例えば設置面等に固定された第1水平軸81を有する。第1水平軸81は、X方向に沿って延在する。第1水平軸81には、第2水平移動機構8Bを介してステージ2がX方向に沿って移動可能に取り付けられている。このような第1水平移動機構8Aは、不図示の駆動源の駆動力により、ステージ2及び第2水平移動機構8Bを第1水平軸81に沿ってX方向に移動させる。第1水平移動機構8Aとしては、特に限定されず、ステージ2をX方向に移動できれば種々の機構を用いることができる。
第2水平移動機構8Bは、Y方向に沿ってステージ2を移動させる機構である。第2水平移動機構8Bは、例えば第1水平移動機構8A上に設けられた第2水平軸82を有する。第2水平軸82は、Y方向に沿って延在する。第2水平軸82には、ステージ2がY方向に沿って移動可能に取り付けられている。第2水平軸82は、ステージ2と共に第1水平軸81に沿って移動可能である。このような第2水平移動機構8Bは、不図示の駆動源の駆動力により、ステージ2を第2水平軸82に沿ってY方向に移動させる。第2水平移動機構8Bとしては、特に限定されず、ステージ2をY方向に移動できれば種々の機構を用いることができる。
制御部9は、プロセッサ、メモリ、ストレージ及び通信デバイス等を含むコンピュータ装置として構成されている。制御部9では、プロセッサが、メモリ等に読み込まれたソフトウェア(プログラム)を実行し、メモリ及びストレージにおけるデータの読み出し及び書き込み、並びに、通信デバイスによる通信を制御する。制御部9は、レーザ加工装置1の各種の動作を制御する。制御部9は、ステージ2の回転駆動装置、レーザ加工ヘッド3、アライメント用カメラ5,6、内部観察ユニット4、第1鉛直移動機構7A、第2鉛直移動機構7B、第1水平移動機構8A、第2水平移動機構8B、及びGUI10の動作を制御する。すなわち、制御部9は、第1Z軸移動部である第1鉛直移動機構7Aを制御する第1制御部であり、第2Z軸移動部である第2鉛直移動機構7Bを制御する第2制御部でもある。
制御部9は、アライメント用カメラ5,6で取得した情報に基づいてアライメントを実行させると共に、アライメントのときのステージ2の位置情報に関するアライメント情報を取得する処理を実行する。ステージ2の位置情報は、例えばX方向、Y方向及びθ方向(ステージ2の回転軸周りの回転方向)におけるステージ2の位置に関する情報である。
制御部9は、内部観察ユニット4により対象物20の内部を観察する場合に、アライメント情報とXYθ補正情報(位置補正情報)とに基づいてステージ2を移動させ、透過光I1の集光位置を対象物20におけるアライメント位置(アライメント時のレーザ光Lの集光位置)に合わせる処理を実行する。XYθ補正情報は、レーザ加工ヘッド3に対する内部観察ユニット4の位置関係に関する情報である。例えばXYθ補正情報は、レーザ加工ヘッド3のレーザ光集光レンズ33の光軸が対象物20の中心に位置するときのステージ2のX方向、Y方向及びθ方向の位置に対する、内部観察ユニット4の透過光集光レンズ43の光軸が対象物20の当該中心に位置するときのステージ2のX方向、Y方向及びθ方向の位置の差異に対応する。
GUI10は、各種の情報を表示する。GUI10は、レーザ加工ヘッド3における第1パターン画像、内部観察ユニット4における第2パターン画像、内部観察ユニット4の観察撮像、及び、アライメント用カメラ5,6の撮像結果等を表示することができる。GUI10は、例えばタッチパネルディスプレイを含む。GUI10には、ユーザのタッチ等の操作により、ユーザからの入力を受け付け、加工条件等に関する各種の設定が入力される。
レーザ加工装置1では、一例として、半導体基板21の裏面21b側から対象物20にレーザ光Lを照射すると共に、ステージ2をライン15に沿って移動させ、対象物20に対してレーザ光Lの集光位置(集光点)をライン15に沿って相対的に移動させることにより、複数の改質スポットがライン15に沿って並ぶように形成される。1つの改質スポットは、1パルスのレーザ光Lの照射によって形成される。1列の改質領域12は、1列に並んだ複数の改質スポットの集合である。隣り合う改質スポットは、対象物20に対する集光位置の相対的な移動速度及びレーザ光Lの繰り返し周波数によって、互いに繋がる場合も、互いに離れる場合もある。
一例としては、図4に示されるように、ライン15に沿って半導体基板21の内部に2列の改質領域12a,12bを形成することができる。2列の改質領域12a,12bは、対象物20の厚さ方向(Z方向)において隣り合っている。2列の改質領域12a,12bは、半導体基板21に対して2つの集光位置Cがライン15に沿って相対的に移動させられることにより形成される。
レーザ加工装置1では、上述したように、レーザ加工ヘッド3の筐体H3が第1鉛直移動機構7AでZ方向に移動可能に支持されており、これにより、レーザ加工ヘッド3及びレーザ加工ヘッド3に設けられたアライメント用カメラ5,6は、Z方向に移動可能で、且つ、X方向及びY方向には移動不能に構成される。レーザ加工装置1では、上述したように、内部観察ユニット4の筐体H4が第2鉛直移動機構7BでZ方向に移動可能に支持されており、これにより、内部観察ユニット4は、Z方向に移動可能で、且つ、X方向及びY方向には移動不能に構成される。
図6は、図4,5に示されたレチクルを示す図である。図6に示されるように、第1レチクルR2は、板状のベース部Bと、ベース部Bに形成された第1パターンPAと、を有している。ベース部Bは、少なくとも照明光Liに透過性を有する。第1パターンPAは、照明光Liの少なくとも一部を遮蔽する。すなわち、第1レチクルR2は、照明光Liの光軸方向からみて(図示の状態で)、照明光Liを透過する透過部Ptと、照明光Liの透過率が透過部Ptよりも低くされることによって、対象物20に陰影を形成する第1パターンPAと、を含む。
これにより、第1レチクルR2に照明光Liを照射することによって、第1パターンPAにおいて照明光Liが遮蔽されると共に透過部Ptにおいて照明光Liが透過され、第1パターンPAの形状の影が対象物20に形成される。第1パターンPAの実際のサイズと対象物20における第1パターンPAの影のサイズとの関係は、第1レチクルR2、対象物20、レンズR3、及びレーザ光集光レンズ33によって構成される4f光学系(第1投影光学系)の倍率によって任意に設定され得る。
第1パターンPAは、照明光Liの光軸の周りの第1レチクルR2の回転角度に対する依存性を有さない形状を有している。つまり、第1パターンPAは、照明光Liの光軸の周りに第1レチクルR2を回転させても変化しない形状を有している。ここでは、第1パターンPAは、互いに同心であり、且つ、照明光Liの光軸をパターン中心Pcとする2つの円P1,P2を含む。円P1と円P2との間には、透過部Ptが介在されている。また、第1レチクルR2では、パターン中心Pcを含む円形のエリア(円P2の内側のエリア)が、透過部Ptとされている。
さらに、図7に示されるように、第1レチクルR2では、第1パターンPAのパターン中心Pcがカメラ35の画角中央Dcとなるようにされている。なお、図7では、カメラ35により撮像された第1パターン画像Im1をGUI10に表示した状態が示されている。GUI10に表示された画像上では、カメラ35の電子ラインD1,D2が表示されている(表示させなくてもよい)。カメラ35では、第1パターン画像Im1において画角中央Dcに位置する透過部Ptに相当するエリアに、レーザ光Lのスポットの像が現れる。よって、第1パターン画像Im1において、第1パターンPA(円P2)の像とレーザ光Lのスポットの像との位置関係を把握することが可能となる。
内部観察ユニット4に用いられる第2レチクルQ2についても、レーザ加工ヘッド3に用いられる第1レチクルR2と同様の構成を有している。すなわち、図6に示されるように、第2レチクルQ2は、板状のベース部Bと、ベース部Bに形成された第2パターンPBと、を有している。ベース部Bは、少なくとも透過光l1に透過性を有する。第2パターンPBは、透過光l1の少なくとも一部を遮蔽する。すなわち、第2レチクルQ2は、透過光l1の光軸方向からみて(図示の状態で)、透過光l1を透過する透過部Ptと、透過光l1の透過率が透過部Ptよりも低くされることによって、対象物20に陰影を形成する第2パターンPBと、を含む。
これにより、第2レチクルQ2に透過光l1を照射することによって、第2パターンPBにおいて透過光l1が遮蔽されると共に、透過部Ptにおいて透過光l1が透過され、第2パターンPBの形状の影が対象物20に形成される。第2パターンPBの実際のサイズと対象物20における第2パターンPBの影のサイズとの関係は、第2レチクルQ2、対象物20、レンズQ3、及び透過光集光レンズ43によって構成される4f光学系(第2投影光学系)の倍率によって任意に設定され得る。
第2パターンPBは、透過光l1の光軸の周りの第2レチクルQ2の回転角度に対する依存性を有さない形状を有している。つまり、第2パターンPBは、透過光l1の光軸の周りに第2レチクルQ2を回転させても変化しない形状を有している。ここでは、第2パターンPBは、互いに同心であり、且つ、透過光l1の光軸をパターン中心Pcとする2つの円P1,P2を含む。円P1と円P2との間には、透過部Ptが介在されている。また、第2レチクルQ2では、パターン中心Pcを含む円形のエリア(円P2の内側のエリア)が、透過部Ptとされている。
さらに、図7に示されるように、第2レチクルQ2では、第2パターンPBのパターン中心Pcがカメラ44の画角中央Dcとなるようにされている。なお、図7では、カメラ44により撮像された第2パターン画像Im2をGUI10に表示した状態が示されている。GUI10に表示された画像上では、カメラ44の電子ラインD1,D2が表示されている(表示させなくてもよい)。
なお、第1パターンPA及び第2パターンPBは、互いに同心の2つの円P1,P2からなるものに限定されない。例えば、図8の(a)に示されるように、第1パターンPA及び第2パターンPBは、単一の円P1から構成されていてもよいし、図8の(b)に示されるように、互いに同心の3つの円P1,P2,P3から構成されていてもよい。すなわち、第1パターンPA及び第2パターンPBにおける円の数は任意である。さらに、図8の(c)に示されるように、円P1が互いに離間した複数の領域から構成されていてもよい。このように、第1パターンPA及び第2パターンPBは、連続的な形状に限定されず、断続的な形状であってもよい。なお、上記の例は、第1パターンPAと第2パターンPBとが同一である例であったが、第1パターンPAと第2パターンPBとが同一である必要はなく、互いに異なっていてもよい。
続いて、レーザ加工装置1の動作の一例について、図9のフローチャートを参照して説明する。レーザ加工装置1では、まず、少なくともレーザ加工ヘッド3側の装置の起動後に、当該装置のウォームアップ及びキャリブレーションを行った後に、例えば不図示のロボットハンド等の搬送装置を用いて、ステージ2上に対象物20が載置し、対象物20のステージ2上に吸着させる(工程S1)。
続いて、レーザ加工装置1では、制御部9がアライメントを行う(ステップS2)。ステップS2では、制御部9が、アライメント用カメラ5又はアライメント用カメラ6で取得された画像(例えば、対象物20が有する機能素子層22の像)を取得した際のXY位置情報に基づいて第1水平移動機構8A及び第2水平移動機構8Bの動作を制御し、レーザ光Lの集光位置がアライメント位置に合うようにX方向及びY方向に沿ってステージ2を移動させる。例えばアライメント位置は、Z方向から見てライン15上の加工開始位置(所定位置)である。また、ステップS2では、制御部9は、アライメント時のステージ2の位置情報を、アライメント情報として取得する。
続いて、制御部9が、レーザ加工ヘッド3側においてハイトセットを行う(ステップS3)。ステップS3では、制御部9が、カメラ35によって取得された照明光Liによる対象物20のレーザ光入射面(裏面21b)の像に基づいて第1鉛直移動機構7Aの動作を制御し、レーザ光Lの集光位置が裏面21b上に位置するように、Z方向に沿ってレーザ加工ヘッド3(すなわち、レーザ光集光レンズ33)を移動させる。制御部9は、このときの裏面21bのZ方向の位置を示す加工機側ハイトセット情報を取得する。続いて、制御部9により第1鉛直移動機構7Aの動作を制御し、ハイトセット時の位置を基準としてレーザ光Lの集光位置が裏面21bから所定深さに位置するように、Z方向に沿ってレーザ加工ヘッド3を移動させる。このハイトセットに関するステップS3については、後に詳述する。
続いて、制御部9が、レーザ加工ヘッド3からのレーザ光LのON/OFF、並びに、第1水平移動機構8A、第2水平移動機構8B及びステージ2の回転駆動装置の動作を適宜制御し、レーザ光Lの集光位置が複数のライン15に沿って相対的に移動するようにステージ2を移動させる。これにより、複数のライン15に沿って対象物20の内部に改質領域12を形成する(ステップS4)。この後に、制御部9は、全てのライン15に対して上記加工を行ったか否かの判定を行い、全てのライン15に対して上記加工を行っている場合、内部観察に移行する。
すなわち、レーザ加工装置1では、続いて、対象物20の内部観察を行う。そのために、レーザ加工装置1では、内部観察ユニット4側の装置の起動後に、当該装置のウォームアップを行った後に、制御部9が、ステージ2の回転駆動装置、第1水平移動機構8A及び第2水平移動機構8Bの動作を制御し、内部観察ユニット4による内部観察の開始位置に対象物20が位置するように、ステージ2を移動させる(ステップS5)。ステップS5では、上記ステップS2で取得したアライメント情報、及び、予め設定されたXYθ補正情報に基づいて、対象物20のアライメント位置(ここでは、ライン15上の加工開始位置)に透過光集光レンズ43の光軸が合うように、X方向、Y方向及びθ方向における対象物20の位置を制御する。
続いて、制御部9が、ステップS3で取得した加工機側ハイトセット情報に基づいて、内部観察ユニット4側においてハイトセットを行う(ステップS6)。ステップS6では、制御部9が、カメラ44によって取得された透過光l1による対象物20の透過光入射面(裏面21b)の像と加工機側ハイトセット情報とに基づいて、第2鉛直移動機構7Bの動作を制御し、透過光l1の集光位置が裏面21b上に位置するように、Z方向に沿って内部観察ユニット4を移動させる。制御部9は、このときの裏面21bのZ方向の位置を示す第1観察側ハイトセット情報を取得する。
また、ステップS6では、制御部9が、カメラ44によって取得された透過光l1による対象物20の透過光入射面(裏面21b)の反対面(表面21a)の像に基づいて、第2鉛直移動機構7Bの動作を制御し、透過光l1の集光位置が表面21a上に位置するように、Z方向に沿って内部観察ユニット4を移動させる。制御部9は、このときの表面21aのZ方向の位置を示す第2観察側ハイトセット情報を取得する。これらのハイトセットに関するステップS6については、後に詳述する。
続いて、制御部9が、内部観察ユニット4により対象物20の内部観察を行い、複数の内部画像を取得する(ステップS7)。ステップS7では、例えば各ライン15の少なくとも一箇所において、制御部9の制御のもと、内部観察ユニット4により次の内部観察処理を実行する。すなわち、第2鉛直移動機構7BによりZ方向に沿って内部観察ユニット4を移動させ、対象物20の内部の複数の位置に透過光I1の集光位置を合わせて対象物20を撮像し、複数の内部画像を取得する。複数の内部画像のそれぞれに対して内部観察ユニット4の移動量に関する情報を関連付け、これを撮像データとして取得する。このような撮像データの取得を、同じライン15上又は別のライン15上の他の箇所に透過光集光レンズ43の光軸を合わせて繰り返す。
続いて、制御部9が、取得した撮像データに基づいて加工状態を判定する(ステップS8)。ステップS8では、一例として、画像認識によって複数の撮像データにおける内部画像のうち亀裂14の像が相対的に鮮明な何れかを自動的に判定する(AI判定を行う)。制御部9は、判定した当該内部画像を撮像したときの移動量に基づいて亀裂位置を算出する。亀裂位置は、例えば、予め設定された所定の補正係数を移動量に乗じることにより算出できる。また、制御部9は、取得された亀裂位置等に基づいて、改質領域12の位置等を推定する。続いて、制御部9は、上記ステップS8で判定した判定結果を任意の記憶装置に保存する。制御部9により、上記ステップS8で判定した判定結果をGUI10に表示させる(ステップS9)。以上により、処理を終了する。
引き続いて、上記のステップS3での加工機側ハイトセットについて説明する。レーザ加工装置1では、ステップS3において、制御部9が、カメラ35が撮像した第1パターン画像Im1の画像処理に基づいて、第1パターンPAの像が対象物20のレーザ光入射面(裏面21b)に合うように第1鉛直移動機構7Aを制御する。以下では、まず、制御部9が、画像処理としてテンプレートマッチングを行う例について説明する。
図10に示されるように、この例では、まず、制御部9が、レーザ光集光レンズ33のアクチュエータ33aを中心固定に設定する(ステップS31)。ここで、アクチュエータ33aは、レーザ光集光レンズ33に設けられており、Z方向に沿ってレーザ光集光レンズ33を駆動するためのものである。アクチュエータ33aは、基準電圧が付与されたときの伸び量を中心として、付与される駆動電圧の大きさに応じて伸縮することにより、Z方向に沿ってレーザ光集光レンズ33を駆動する。ステップS31では、制御部9は、アクチュエータ33aに付与する駆動電圧を調整することにより、アクチュエータ33aの伸び量を中心値に固定する。
続いて、制御部9が、第1鉛直移動機構7Aの動作を制御し、ウェハ厚さ(例えば半導体基板21の厚さ)や、対象物20を保持する保持テープ等の入力内容に応じて、設定されたZ軸位置になるように、Z方向に沿ってレーザ加工ヘッド3(すなわち、レーザ光集光レンズ33)を移動させる(ステップS32)。
続いて、制御部9が、AFユニット36を用いて大まかに高さ合わせを行う(ステップS33)。より具体的には、ステップS33では、制御部9が、AFユニット36がAF用レーザ光Lmの反射光を検出することで取得した対象物20の裏面21bの高さデータ(Z方向の位置データ)に基づいて、レーザ光Lの集光位置が裏面21bに位置するように、第1鉛直移動機構7Aの動作を制御してレーザ加工ヘッド3をZ方向に移動させる。
続いて、制御部9が、ステップS33の結果、レーザ光Lの集光位置を裏面21bに略一致させることができたか否かの判定を行う(ステップS34)。ステップS34の判定の結果、レーザ光Lの集光位置が裏面21bに略一致させることができなかった場合(ステップS34:NO)、ステップS32に移行して、レーザ加工ヘッド3をZ方向に移動させて位置を調整する。
ステップS34の判定の結果、レーザ光Lの集光位置を裏面21bに略一致させることができた場合(ステップS34:YES)、制御部9は、テンプレートマッチングを行う(ステップS35)。ステップS35では、制御部9が、照明光源R1から照明光Liを出力させて、対象物20に第1レチクルR2の第1パターンPAを投影すると共に、カメラ35により当該第1パターンPAの像を含む第1パターン画像Im1を撮像する。続いて、制御部9が、第1パターンPAの像をテンプレート画像として、テンプレート画像をずらしながら第1パターン画像Im1内を全面スキャンする。そして、第1パターン画像Im1におけるテンプレート画像との類似度が最も高い画角を、この第1パターン画像Im1の検出位置(画素値T(i,j))とする。
ここで、レチクルのパターンが、例えば四角形や十字型のように、レチクルが照明光Liの光軸周りに回転したときに姿勢変化が生じる形状である場合、照明光Liの光軸周りのレチクルの設置角度にずれが生じると、テンプレート画像も変化する(傾いた姿勢となる)。このため、一度のパターン画像内のスキャンでは、パターン画像内にテンプレート画像が検出されない場合がある(例えば類似度が閾値を超えない場合がある)。このような場合には、テンプレート画像の姿勢を少しずつ回転させながら、テンプレート画像が検出されるまでパターン画像内のスキャンを繰り返し実施する必要がある。
これに対して、本実施形態に係る第1パターンPAは、第1レチクルR2が照明光Liの光軸周りに回転しても姿勢変化が生じない。すなわち、照明光Liの光軸周りの第1レチクルR2の設置角度にずれが生じても、テンプレート画像が不変である。したがって、第1パターン画像Im1のスキャンによるテンプレート画像の検出に係る時間は、照明光Liの光軸周りの第1レチクルR2の設置角度のずれの有無及びずれ量によらずに一定である。したがって、本実施形態では、テンプレート画像の姿勢を少しずつ回転させながらスキャンを繰り返し実施する工程は介在しない。
続いて、ステップS35では、Z方向の位置を変えながらこの処理を複数回行うことにより、Z方向のそれぞれの第1パターン画像Im1の検出位置でのテンプレート画像との類似度を比較する。そして、制御部9は、類似度が最も高い第1パターン画像Im1が得られたZ方向の位置が裏面21bにレーザ光Lの集光位置が合う位置(第1パターンPAのピントが合う位置)であるとして、当該位置にレーザ加工ヘッド3を移動させる。制御部9は、このときのZ方向の位置を、加工機側ハイトセット情報として取得する。以上により、加工機側ハイトセットが完了する。このとき、制御部9は、第1パターン画像Im1をGUIに表示させることにより、ハイトセットが正常に完了している旨をユーザに報知することが可能である。
その後、制御部9は、第1鉛直移動機構7Aの動作を制御することにより、対象物20の実際に加工を行うZ方向の位置(加工深さ)にレーザ光Lの集光位置が合うように、レーザ加工ヘッド3をZ方向に沿って移動させる(ステップS36)。さらに、制御部9は、所望の加工深さにレーザ光Lの集光位置を合わせたときのAFユニット36での裏面21bの検出値を取得して(ステップS37)、処理を終了する。
引き続いて、上記のステップS3での加工機側ハイトセットの別の一例として、制御部9が、画像処理としてエッジ検出を利用する例について説明する。図11に示されるように、この例では、まず、制御部9が、検出枠の指定を受ける(ステップS41)。図14に示されるように、対象物20の裏面21bには、機能素子22aが形成された領域とストリート領域23とが含まれる。機能素子22aが形成された領域とストリート領域23とでは、高さが異なる(段差がある)ため、ストリート領域23に第1パターンPAのピントを合わせると、機能素子22aが形成された領域では第1パターンPAがぼける。したがって、検出枠Gdは、ストリート領域23に設定されることが望ましい。ここでは、制御部9は、GUI10によりユーザからの入力を受け付けることにより、検出枠Gdの指定を受けることができる。或いは、制御部9は、ユーザの入力を受けることなく、適当な検出枠Gdを自動的に設定してもよい。
続いて、制御部9が、ステップS31と同様に、レーザ光集光レンズ33のアクチュエータ33aを中心固定に設定する(ステップS42)。続いて、制御部9が、ステップS32と同様に、第1鉛直移動機構7Aの動作を制御し、ウェハ厚さ(例えば半導体基板21の厚さ)や、対象物20を保持する保持テープ等の入力内容に応じて、設定されたZ軸位置になるように、Z方向に沿ってレーザ加工ヘッド3(すなわち、レーザ光集光レンズ33)を移動させる(ステップS43)。
続いて、制御部9が、ステップS33と同様に、AFユニット36を用いて大まかに高さ合わせを行う(ステップS44)。続いて、制御部9が、ステップS44の結果、レーザ光Lの集光位置を裏面21bに略一致させることができたか否かの判定を行う(ステップS45)。ステップS45の判定の結果、レーザ光Lの集光位置が裏面21bに略一致させることができなかった場合(ステップS45:NO)、ステップS43に移行して、レーザ加工ヘッド3をZ方向に移動させて位置を調整する。
ステップS45の判定の結果、レーザ光Lの集光位置を裏面21bに略一致させることができた場合(ステップS45:YES)、制御部9は、エッジ検出を行う(ステップS46)。ステップS46では、制御部9が、照明光源R1から照明光Liを出力させて、対象物20に第1レチクルR2の第1パターンPAを投影すると共に、カメラ35により当該第1パターンPAの像を含む第1パターン画像Im1を取得する。続いて、制御部9が、第1パターン画像Im1の検出枠Gdに相当するエリアおいて、第1パターンPAのエッジを検出する。エッジの検出には、例えば、2次微分を利用したエッジ検出として、ラプラシアンフィルタを用いることができる。そして、制御部9が、検出されたエッジの鋭さをスコア化する。
制御部9は、以上の処理をZ方向の複数の位置で取得された第1パターン画像Im1に対して行うと共に、第1パターン画像Im1間のスコアを比較する。これにより、制御部9は、Z方向の複数の位置から、裏面21bにレーザ光Lの集光位置が合う位置(第1パターンPAのピントが合う位置)を検出し、当該位置にレーザ加工ヘッド3を移動させる。なお、ここでは、ステップS46において第1パターンPAのエッジが検出されることを前提とした説明を行ったが、検出枠Gdの指定によっては、好適にエッジが検出されない場合がある。
そこで、続くステップでは、制御部9が、ステップS46において第1パターンPAのエッジが検出されたか否かの判定を行う(ステップS47)。ステップS47の判定の結果、第1パターンPAのエッジが検出されなかった場合(ステップS47:NO)、制御部9が、異なる検出枠Gdの再指定を受け、或いは自動で異なる検出枠Gdを再指定し(ステップS50)、再度、ステップS46でのエッジ検出を実行する。なお、検出枠Gdの再設定を行う回数が一定数を超過した場合には、制御部9は、GUI10にエラー表示等を行って、エッジ検出が困難である旨をユーザへ報知してもよい。
一方、ステップS47の判定の結果、第1パターンPAのエッジが検出された場合(ステップS47:YES)、制御部9は、ステップS36と同様に、第1鉛直移動機構7Aの動作を制御することにより、対象物20の実際に加工を行うZ方向の位置(加工深さ)にレーザ光Lの集光位置が合うように、レーザ加工ヘッド3をZ方向に沿って移動させる(ステップS48)。さらに、制御部9は、ステップS37と同様に、所望の深さにレーザ光Lの集光位置を合わせたときのAFユニット36での裏面21bの検出値を取得して(ステップS49)、処理を終了する。
以上のように、レーザ加工装置1では、制御部9による画像処理によって、加工機側ハイトセットが行われる。
引き続いて、上記のステップS6での観察側ハイトセットについて説明する。レーザ加工装置1では、ステップS6において、制御部9が、カメラ44が撮像した第2パターン画像Im2の画像処理に基づいて、第2パターンPBの像が対象物20のレーザ光入射面(裏面21b)、及び/又は、レーザ光入射面の反対面(表面21a)に合うように、第2鉛直移動機構7Bを制御する。以下では、まず、制御部9が、画像処理としてテンプレートマッチングを行う例について説明する。
図12に示されるように、この例では、まず、制御部9が、表面Z軸情報を取得する(ステップS61)。表面Z軸情報とは、加工機側ハイトセットのステップS35において取得された加工機側ハイトセット情報であり、対象物20におけるレーザ光入射面である裏面21bにレーザ光Lの集光位置が合うZ方向の位置(第1鉛直移動機構7Aの移動量)を示す情報である。
続いて、制御部9が、表面Z軸情報に基づいて、第2鉛直移動機構7Bの動作を制御し、透過光l1の集光位置が対象物20の透過光入射面である裏面21bに位置するように、Z方向に沿って内部観察ユニット4を移動させる(ステップS62)。
続いて、制御部9が、テンプレートマッチングを行う(ステップS63)。ステップS63では、制御部9が、透過光源41から透過光l1を出力させて、対象物20に第2レチクルQ2の第2パターンPBを投影すると共に、カメラ44により当該第2パターンPBの像を含む第2パターン画像Im2を取得する。続いて、制御部9が、第2パターンPPBの像をテンプレート画像として、テンプレートマッチングを行う。テンプレートマッチングについては、ステップS35と同様である。これにより、制御部9が、類似度が最も高い第2パターン画像Im2が得られたZ方向の位置が、裏面21bに透過光l1の集光位置が合う位置(第2パターンPBのピントが合う位置)であるとして、当該位置に内部観察ユニット4を移動させる。制御部9は、このときの裏面21bのZ方向の位置を示す情報を第1観察側ハイトセット情報として取得する。
続いて、制御部9が、対象物20における半導体基板21(ウェハ)の厚さを取得する(ステップS64)。ここでは、制御部9は、GUI10を介したユーザの入力により半導体基板21の厚さを取得することができる。
続いて、制御部9が、第2鉛直移動機構7Bの動作を制御することにより、ステップS64で取得した半導体基板21の厚さに応じた移動量だけ、内部観察ユニット4をZ方向に移動させる(ステップS65)。これにより、透過光l1の集光位置が、対象物20の透過光入射面である裏面21bの反対面(表面21a)に概ね合うようにされる。
続いて、制御部9が、テンプレートマッチングを行う(ステップS66)。ステップS66では、制御部9が、透過光源41から透過光l1を出力させて、対象物20に第2レチクルQ2の第2パターンPBを投影すると共に、カメラ44により当該第2パターンPBの像を含む第2パターン画像Im2を取得する。続いて、制御部9が、第2パターンPBの像をテンプレート画像として、テンプレートマッチングを行う。テンプレートマッチングについては、ステップS35と同様である。これにより、制御部9が、類似度が最も高い第2パターン画像Im2が得られたZ方向の位置が、表面21aに透過光l1の集光位置が合う位置(第2パターンPBのピントが合う位置)であるとする。制御部9は、このときの表面21aのZ方向の位置を示す情報を第2観察側ハイトセット情報として取得する。
そして、制御部9が、裏面21bのZ方向の位置を示す第1観察側ハイトセット情報と、表面21aのZ方向の位置を示す第2観察側ハイトセット情報と、に基づいて、透過光l1の集光位置がZ方向の所望の観察位置となるように、第2鉛直移動機構7Bの動作を制御して内部観察ユニット4をZ方向に沿って移動させ(ステップS67)、処理を終了する。
上述したように、本実施形態に係る第2パターンPBは、第2レチクルQ2が透過光l1の光軸周りに回転しても姿勢変化が生じない。すなわち、透過光l1の光軸周りの第2レチクルQ2の設置角度にずれが生じても、テンプレート画像が不変である。したがって、第2パターン画像Im2のスキャンによるテンプレート画像の検出に係る時間は、透過光l1の光軸周りの第2レチクルQ2の設置角度のずれの有無及びずれ量によらずに一定である。ここでは、裏面21bと表面21aとのそれぞれに対して合計2回のテンプレートマッチングを行うため、テンプレート画像の検出に係る時間が一定とされる効果がより大きくなる。
引き続いて、上記のステップS6での観察側ハイトセットの別の一例として、制御部9が、画像処理としてエッジ検出を利用する例について説明する。図13に示されるように、この例では、まず、制御部9が、ステップS41と同様に、検出枠の指定を受ける(ステップS71)。
続いて、制御部9が、ステップS61と同様に、表面Z軸情報を取得する(ステップS72)。続いて、制御部9が、ステップS62と同様に、表面Z軸情報に基づいて、第2鉛直移動機構7Bの動作を制御し、透過光l1の集光位置が対象物20の透過光入射面である裏面21bに位置するように、Z方向に沿って内部観察ユニット4を移動させる(ステップS73)。
続いて、制御部9が、エッジ検出を行う(ステップS74)。ステップS74では、制御部9が、透過光源41から透過光l1を出力させて、対象物20に第2レチクルQ2の第2パターンPBを投影すると共に、カメラ44により当該第2パターンPBの像を含む第2パターン画像Im2を取得する。続いて、制御部9が、第2パターン画像Im2の検出枠Gdにおいて、第2パターンPBのエッジを検出する。エッジの検出には、例えば、2次微分を利用したエッジ検出として、ラプラシアンフィルタを用いることができる。そして、制御部9が、検出されたエッジの鋭さをスコア化する。
制御部9は、以上の処理をZ方向の複数の位置で取得された第2パターン画像Im2に対して行うと共に、第2パターン画像Im2間のスコアを比較する。これにより、制御部9は、Z方向の複数の位置から、裏面21bに透過光l1の集光位置が合う位置(第2パターンPBのピントが合う位置)を検出し、当該位置に内部観察ユニット4を移動させる。制御部9は、このときの裏面21bのZ方向の位置を示す情報を第1観察側ハイトセット情報として取得する。なお、ここでは、ステップS74において第2パターンPBのエッジが検出されることを前提とした説明を行ったが、検出枠Gdの指定によっては、好適にエッジが検出されない場合がある。
そこで、続くステップでは、制御部9が、ステップS74において第2パターンPBのエッジが検出されたか否かの判定を行う(ステップS75)。ステップS75の判定の結果、第2パターンPBのエッジが検出されなかった場合(ステップS75:NO)、制御部9が、異なる検出枠Gdの再指定を受け、或いは自動で異なる検出枠Gdを再指定し(ステップSS81)、再度、ステップS74でのエッジ検出を実行する。なお、検出枠Gdの再設定を行う回数が一定数を超過した場合には、制御部9は、GUI10にエラー表示等を行って。エッジ検出が困難である旨をユーザへ報知してもよい。
一方、ステップS75の判定の結果、第2パターンPBのエッジが検出された場合(ステップS75:YES)、制御部9は、ステップS64と同様に、対象物20における半導体基板21(ウェハ)の厚さを取得する(ステップS76)。
続いて、制御部9が、第2鉛直移動機構7Bの動作を制御することにより、ステップS76で取得した半導体基板21の厚さに応じた移動量だけ、内部観察ユニット4をZ方向に移動させる(ステップS77)。これにより、透過光l1の集光位置が、対象物20の透過光入射面である裏面21bの反対面(表面21a)に概ね合うようにされる。
続いて、制御部9が、エッジ検出を行う(ステップS78)。エッジ検出については、ステップS74と同様である。これにより、制御部9が、類似度が最も高い第2パターン画像Im2が得られたZ方向の位置が、表面21aに透過光l1の集光位置が合う位置(第2パターンPBのピントが合う位置)であるとする。制御部9は、このときの表面21aのZ方向の位置を示す情報を第2観察側ハイトセット情報として取得する。
続くステップでは、制御部9が、ステップS75と同様に、ステップS78において第2パターンPBのエッジが検出されたか否かの判定を行う(ステップS79)。ステップS79の判定の結果、第2パターンPBのエッジが検出されなかった場合(ステップS79:NO)、制御部9が、異なる検出枠Gdの再指定を受け、或いは自動で異なる検出枠Gdを再指定し(ステップSS82)、再度、ステップS78でのエッジ検出を実行する。なお、検出枠Gdの再設定を行う回数が一定数を超過した場合には、制御部9は、GUI10にエラー表示等を行って。エッジ検出が困難である旨をユーザへ報知してもよい。
そして、制御部9が、裏面21bのZ方向の位置を示す第1観察側ハイトセット情報と、表面21aのZ方向の位置を示す第2観察側ハイトセット情報と、に基づいて、透過光l1の集光位置がZ方向の所望の観察位置となるように、第2鉛直移動機構7Bの動作を制御して内部観察ユニット4をZ方向に沿って移動させ(ステップS80)、処理を終了する。
以上説明したように、本実施形態に係るレーザ加工装置1は、レーザ加工を行うための光源31とは別に、第1レチクルR2に照明光Liを照射する照明光源R1を備えている。したがって、ハイトセットに際して、第1レチクルR2に照明光Liを照射するとともに、第1レチクルR2を通過した照明光Liで第1レチクルR2の投影像を対象物20に結像することにより、対象物20に第1パターンPAを投影することができる。よって、対象物20に投影された第1パターンPAを撮像すれば、当該撮像により得られる第1パターン画像Im1を用いて、対象物20のレーザ光入射面を検出することが可能である。
ここで、第1パターンPAは、照明光Liの光軸の周りの第1レチクルR2の回転角度に対する依存性を有していない。このため、第1レチクルR2の当該光軸周りの回転角度によらずに、対象物20に投影される第1パターンPAの姿勢(第1パターン画像Im1内の姿勢)が変化しない。このため、照明光Liの光軸の周りの第1レチクルR2の設置角度にばらつきがあっても、ユーザに違和感を与えたり、画像処理による第1パターンPAの検出に係る時間が長くなったりすることがない。よって、第1レチクルR2の設置に際して、照明光Liの光軸周りの回転角度の調整が不要となる。この結果、レーザ加工装置1では、第1レチクルR2の設置が容易化される。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、第1パターンPAを投影するための投影光学系は、照明光Liによる第1パターンPAの像を対象物20に結像するためのレーザ光集光レンズ33と、を含む。そして、カメラ35は、対象物20からレーザ光集光レンズ33を介して入射した照明光Liを検出することにより、第1パターン画像Im1を取得する。このため、第1パターンPAを投影するための投影光学系において、レーザ光Lを対象物20に集光するためのレーザ光集光レンズ33が供用されて部品点数が削減される。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、第1レチクルR2は、照明光Liの光軸方向からみて、照明光Liを透過する透過部Ptと、照明光Liの透過率が透過部Ptよりも低くされることによって、対象物20に陰影を形成する第1パターンPAと、を含む。第1パターンPAは、照明光Liの光軸をパターン中心Pcとした少なくとも1つの円P1,P2を含む。そして、第1レチクルR2においては、光軸方向からみてパターン中心Pcを含む円形のエリアが透過部Ptとされると共に、パターン中心Pcがカメラ35の画角中央Dcとなるようにされている。
上記のように、投影光学系においてレーザ光集光レンズ33を共用すると、照明光Liと共にレーザ光Lの反射光がレーザ光集光レンズ33を介してカメラ35に入射する。このため、カメラ35により取得される第1パターン画像Im1にレーザ光Lのスポットが生じる。このため、第1パターンPAのパターン中心Pcを、陰影が形成されないように透過部Ptとし、且つ、カメラ35の画角中央Dcとすることにより、当該パターン中心Pcとレーザ光Lのスポットの位置との比較により、レーザ光Lの光軸ずれを確認することが可能となる。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1は、レーザ加工ヘッド3を対象物20のレーザ光入射面(裏面21b)に交差するZ方向に沿って移動させる第1鉛直移動機構7Aと、第1パターン画像Im1の画像処理に基づいて、第1パターンPAの像が裏面21bに合うように第1鉛直移動機構7を制御する制御部9と、を備えている。このため、第1パターン画像Im1の画像処理に基づいて、レーザ加工ヘッド3のZ方向の位置調整が可能となる。特に、上述したように、レーザ加工装置1では、第1レチクルR2の光軸周りの回転角度によらずに、対象物20に投影される第1パターンPAの姿勢(第1パターン画像Im1内の姿勢)が変化しない。よって、第1パターンPAの姿勢のばらつきに起因した画像処理の長時間化が避けられる。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1は、対象物20の観察を行うための観察装置を備えている。観察装置は、対象物20に透過性を有する透過光l1を出力する透過光源41と、透過光l1を対象物20に集光するための透過光集光レンズ43と、透過光源41と透過光集光レンズ43との間の透過光l1の光路上に配置され、対象物20に投影される第2パターンPBを有する第2レチクルQ2と、透過光集光レンズ43を含み、第2レチクルQ2を通過した透過光l1で第2レチクルQ2の投影像を対象物20に結像することにより、第2パターンPBを対象物20に投影するレンズQ3及び透過光集光レンズ43(第2投影光学系)と、対象物20から透過光集光レンズ43を介して入射する透過光l1を検出することにより、透過光l1による対象物20の観察画像と、第2パターンPBの像を含む第2パターン画像Im2とを取得する44カメラと、を有する。透過光集光レンズ43は、透過光l1による第2パターンPBの像を対象物20に結像する。第2パターンPBは、透過光l1の光軸の周りの第2レチクルQ2の回転角度に対する依存性を有さない形状を有している。
このように、レーザ加工装置1に対して、対象物の観察を行うための観察装置が備えられ、その観察装置についても、対象物20の観察を行うための透過光l1の光路上に第2レチクルQ2が設けられている。そして、対象物20に投影される第2レチクルQ2の第2パターンPBは、透過光l1の光軸の周りの第2レチクルQ2の回転角度に対する依存性を有さない。
このため、第2レチクルQ2の当該光軸周りの回転角度によらずに、対象物20に投影される第2パターンPBの姿勢(第2パターン画像Im2内の姿勢)が変化しない。このため、透過光l1の光軸の周りの第2レチクルQ2の設置角度にばらつきがあっても、ユーザに違和感を与えたり、画像処理による第2パターンPBの検出に係る時間が長くなったりすることがない。よって、第2レチクルQ2の設置に際して、透過光l1の光軸周りの回転角度の調整が不要となる。このように、レーザ加工装置1では、観察装置の第2レチクルQ2も容易に設置可能である。
また、本実施形態に係るレーザ加工装置1では、観察装置は、少なくとも、透過光源41、透過光集光レンズ43、第2レチクルQ2、第2投影光学系、及び、カメラ44を含む内部観察ユニット4を、対象物20の透過光入射面(裏面21b)に交差するZ方向に沿って移動させる第2鉛直移動機構7Bと、第2パターン画像Im2の画像処理に基づいて、第2パターンPBの像が裏面21b、及び/又は、対象物20の透過光入射面と反対側の表面21aに合うように、第2鉛直移動機構7Bを制御する制御部9と、を有している。このため、第2パターン画像Im2の画像処理に基づいて、内部観察ユニット4のZ方向の位置調整が可能となる。特に、上述したように、レーザ加工装置1では、第2レチクルQ2の光軸周りの回転角度によらずに、対象物20に投影される第2パターンPBの姿勢(第2パターン画像内の姿勢)が変化しない。よって、第2パターンPBの姿勢のばらつきに起因した画像処理の長時間化が避けられる。
ここで、内部観察の際のハイトセットに対して、制御部9がエッジ処理を行う場合、さらなる効果が奏される。図14に示されるように、内部観察の際には、対象物20のストリート領域23に、改質領域12及び改質領域12から延びる亀裂14が既に形成されている。透過光l1を用いた内部観察では、ストリート領域23に亀裂14(及び改質領域12のだ痕)の像が第2パターン画像Im2内に検出される。
したがって、従来のレチクルのように、パターンPDの形状が、互いに交差する2方向に延びる十字状の形状であると、パターンPDのうちの一方向(加工進行方向)に沿う部分が亀裂14に重複してしまう。よって、従来のレチクルでは、パターンPDのうちの別の方向(加工進行方向に交差する方向)に延びる一部分のみが、エッジ検出に利用されることなる。これに対して、本実施形態に係る第2レチクルQ2の第2パターンPBでは、ストリート領域23に位置する円弧状の部分の大部分を、エッジ検出に利用可能である。このため、検出面積が向上され、エッジ検出の精度が向上される。
以上の実施形態は、本開示の一側面について説明したものである。したがって、本開示は、上記一側面に限定されることなく、変形され得る。
例えば、図15に示されるように、内部観察の際には、第2レチクルQ2の第2パターンPBを、ストリート領域23であって、内部観察の対象となる判定箇所Edと異なる位置に配置することができる。これにより、透過光l1による対象物20の観察画像を撮像する際に、判定箇所Edに第2パターンPBが投影されることが抑制され、観察精度の低下が抑制される。
また、上記実施形態では、レーザ加工装置1が、内部観察ユニット4を含む観察装置を備える態様について説明した。すなわち、上記実施形態に係るレーザ加工装置1では、ステージ2、レーザ加工ヘッド3、第1鉛直移動機構7A、第1水平移動機構8A、第2水平移動機構8B、及び、制御部9によって加工機が構成されると共に、ステージ2、内部観察ユニット4、第2鉛直移動機構7B、第1水平移動機構8A、第2水平移動機構8B、及び、制御部9によって観察装置が構成されていた。つまり、上記実施形態では、レーザ加工装置1が、加工機と観察装置とで互いに部分的に要素を共通化して構成とされていた。しかし、加工機と観察装置とが別途に構成されてもよい。
この場合、観察装置が加工機から独立した別の装置とされる。この場合の観察装置は、(a)対象物20を透過する透過光l1によって対象物20を観察するための装置であって、(b)対象物20に透過性を有する透過光l1を出力する透過光源41と、(c)透過光l1を対象物20に集光するための透過光集光レンズ43と、(d)透過光源41と透過光集光レンズ43との間の透過光l1の光路上に配置され、対象物20に投影される第2パターンPBを有する第2レチクルQ2と、(e)透過光集光レンズ43を含み、第2レチクルQ2を通過した透過光l1で第2レチクルQ2の投影像を対象物20に結像することにより、第2パターンPBを対象物20に投影する第2投影光学系と、(f)対象物20から透過光集光レンズ43を介して入射する透過光l1を検出することにより、透過光l1による対象物20の観察画像と、第2パターンPBの像を含む第2パターン画像Im2とを取得するカメラ44と、を備える。このとき、(g)第2パターンPBは、透過光l1の光軸の周りの第2レチクルQ2の回転角度に対する依存性を有さない形状を有している。
また、観察装置は、(h)少なくとも、透過光源41、透過光集光レンズ43、第2レチクルQ2、第2投影光学系、及び、カメラ44を含む内部観察ユニット4を、対象物20の透過光入射面に交差するZ方向に沿って移動させる第2鉛直移動機構7Bと、(i)第2パターン画像Im2の画像処理に基づいて、第2パターンPBの像が透過光入射面、及び/又は、対象物20の透過光入射面と反対側の面に合うように、第2鉛直移動機構7Bを制御する制御部9と、を備える。
また、観察装置では、(j)制御部9は、透過光源41から透過光l1を出力させて、対象物20に第2レチクルQ2の第2パターンPBを投影すると共に、カメラ44により当該第2パターンPBの像を含む第2パターン画像Im2を取得する。また、(k)制御部9は、第2パターン画像Im2の画像処理として、第2パターンPBの像をテンプレート画像として用いたテンプレートマッチングを行う。これにより、(l)制御部9は、第2パターンPBの像が透過光入射面、及び/又は、対象物20の透過光入射面と反対側の面に合うように、第2Z軸移動部を制御する。
或いは、観察装置では、(j)制御部9は、透過光源41から透過光l1を出力させて、対象物20に第2レチクルQ2の第2パターンPBを投影すると共に、カメラ44により当該第2パターンPBの像を含む第2パターン画像Im2を取得する。また、(k)制御部9は、第2パターン画像Im2の画像処理として、第2パターン画像Im2の検出枠Gdにおいて第2パターンPBのエッジ検出を行う。これにより、(l)制御部9は、Z方向の複数の位置での第2パターン画像Im2間において、検出されたエッジの鋭さを示すスコアを比較することにより、透過光入射面及び/又は反対面に透過光l1の集光位置が合う位置(第2パターンPBのピントが合う位置)を検出する。そして、(m)制御部9は、透過光l1の集光位置が、当該検出された位置に合うように、第2鉛直移動機構7Bを制御して内部観察ユニット4を移動させる。なお、観察装置では、(n)検出枠Gd及び第2パターンPBは、ストリート領域23に配置され得る。
1…レーザ加工装置、2…ステージ(支持部)、3…レーザ加工ヘッド、4…内部観察ユニット(観察ユニット)、7A…第1鉛直移動機構(第1Z軸移動部)、7B…第2鉛直移動機構(第2Z軸移動部)、9…制御部、12…改質領域、20…対象物、21a…表面、21b…裏面(レーザ光入射面、透過光入射面)、33…レーザ光集光レンズ(第1集光レンズ)、35…カメラ(第1カメラ)、41…透過光源、43…透過光集光レンズ(第2集光レンズ)、L…レーザ光、Li…照明光、l1…透過光、R1…照明光源、R2…第1レチクル、PA…第1パターン、Q2…第2レチクル、PB…第2パターン、Pt…透過部、P1,P2…円、Pc…パターン中心、Dc…画角中央。

Claims (6)

  1. 対象物にレーザ光を照射することにより前記対象物に改質領域を形成するためのレーザ加工装置であって、
    前記対象物を支持する支持部と、
    前記レーザ光を出力するレーザ光源と、
    前記支持部に支持された前記対象物に前記レーザ光を集光する第1集光レンズと、
    前記対象物に投影される第1パターンを有する第1レチクルと、
    前記第1レチクルに照明光を照射する照明光源と、
    前記第1レチクルを通過した前記照明光で前記第1レチクルの投影像を前記対象物に結像することにより、前記第1パターンを前記対象物に投影する第1投影光学系と、
    前記対象物に投影された前記第1パターンの像を撮像して第1パターン画像を取得する第1カメラと、
    前記第1パターン画像を表示する表示部と、
    を備え、
    前記第1パターンは、前記照明光の光軸の周りの前記第1レチクルの回転角度に対する依存性を有さない形状を有している、
    レーザ加工装置。
  2. 前記第1投影光学系は、前記照明光による前記第1パターンの像を前記対象物に結像するための前記第1集光レンズを含み、
    前記第1カメラは、前記対象物から前記第1集光レンズを介して入射した前記照明光を検出することにより前記第1パターン画像を取得する、
    請求項1に記載のレーザ加工装置。
  3. 前記第1レチクルは、前記照明光の光軸方向からみて、前記照明光を透過する透過部と、前記照明光の透過率が前記透過部よりも低くされることによって、前記対象物に陰影を形成する前記第1パターンと、を含み、
    前記第1パターンは、前記光軸をパターン中心とした少なくとも1つの円を含み、
    前記第1レチクルにおいては、前記光軸方向からみて前記パターン中心を含む円形のエリアが前記透過部とされると共に、前記パターン中心が前記第1カメラの画角中央となるようにされている、
    請求項2に記載のレーザ加工装置。
  4. 少なくとも、前記第1集光レンズ、前記第1レチクル、前記照明光源、前記第1投影光学系、及び前記第1カメラを含むレーザ加工ヘッドを、前記対象物のレーザ光入射面に交差するZ方向に沿って移動させる第1Z軸移動部と、
    前記第1パターン画像の画像処理に基づいて、前記第1パターンの像が前記レーザ光入射面に合うように前記第1Z軸移動部を制御する第1制御部と、
    を備える、
    請求項1~3のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  5. 前記対象物の観察を行うための観察装置を備え、
    前記観察装置は、
    前記対象物に透過性を有する透過光を出力する透過光源と、
    前記透過光を前記対象物に集光するための第2集光レンズと、
    前記透過光源と前記第2集光レンズとの間の前記透過光の光路上に配置され、前記対象物に投影される第2パターンを有する第2レチクルと、
    前記第2集光レンズを含み、前記第2レチクルを通過した前記透過光で前記第2レチクルの投影像を前記対象物に結像することにより、前記第2パターンを前記対象物に投影する第2投影光学系と、
    前記対象物から前記第2集光レンズを介して入射する前記透過光を検出することにより、前記透過光による前記対象物の観察画像と、前記第2パターンの像を含む第2パターン画像とを取得する第2カメラと、
    を有し、
    前記第2パターンは、前記透過光の光軸の周りの前記第2レチクルの回転角度に対する依存性を有さない形状を有している、
    請求項1~4のいずれか一項に記載のレーザ加工装置。
  6. 前記観察装置は、
    少なくとも、前記透過光源、前記第2集光レンズ、前記第2レチクル、前記第2投影光学系、及び、前記第2カメラを含む観察ユニットを、前記対象物の透過光入射面に交差するZ方向に沿って移動させる第2Z軸移動部と、
    前記第2パターン画像の画像処理に基づいて、前記第2パターンの像が前記透過光入射面、及び/又は、前記対象物の前記透過光入射面と反対側の面に合うように前記第2Z軸移動部を制御する第2制御部と、
    を有する請求項5に記載のレーザ加工装置。
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