JP2023085383A - 金属発色材料及び金属発色材料製造方法 - Google Patents

金属発色材料及び金属発色材料製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】表面に簡易に模様などを発色可能とする金属発色材料及び金属発色材料製造方法を提供する。【解決手段】金属発色材料2は、金属材料と、金属材料の表面に描画したい画像を複数の領域に分割した分割領域40と、分割領域40を更に微細な領域に分割した副領域41,42,43と、副領域毎に照射条件を変えたレーザ光の照射により形成した酸化膜層と、を備えたことを特徴とする。【選択図】図11

Description

新規性喪失の例外適用申請有り
本発明は、レーザを用いて加工した発色可能な構造を有する金属発色材料及びその製造方法に関する。
従来、被加工材料の表面にカラーマーキングを行う方法として、被加工材料の表面に金属コロイドを混入した液体を塗布し、塗布した液体あるいは塗布後乾燥した液体にレーザ光線を照射し、金属コロイドを凝集させ、カラーマーキングを行うレーザカラーマーキング方法がある(例えば、特許文献1参照)。
特開2003-094181号公報
ところが、上記従来のレーザカラーマーキング方法では、被加工材料の表面に金属コロイドを塗布する必要があり、加工工程が複雑であるという問題があった。また、レーザの照射強度によっては、金属コロイドの塗布層にクラックが生じるなど、金属コロイドの塗装膜の厚さに対するレーザ照射条件の設定が難しいなどの問題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、表面に簡易に模様などを発色可能とする金属発色材料及び金属発色材料製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の適用例として実現することが可能である。なお、本欄における括弧内の参照符号や補足説明等は、本発明の理解を助けるために、後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
[適用例1]
本発明に係る金属発色材料(2)は、
金属材料(5)と、
前記金属材料(5)の表面に描画したい画像を複数の領域に分割した分割領域(40)と、
前記分割領域(40)を更に微細な領域に分割した副領域(41,42,43,44,45)と、
前記副領域(41,42,43,44,45)毎に照射条件を変えたレーザ光の照射により形成した酸化膜層(7)と、
を備えたことを要旨とする。
このような金属発色材料(2)では、金属材料(5)の表面に描画したい画像の各画素に異なる特性の酸化膜(6)が形成されるため、画素毎に入射光と金属材料(5)表面からの反射光とで薄膜干渉が発生し、その薄膜干渉によって画素毎に異なる色を発色させることができる。
また、このような金属発色材料(2)では、金属材料(5)の表面に描画したい画像が複数の領域(40)に分割され、分割された複数の領域(40)のそれぞれが、更に微細な副領域(41,42,43,44,45)に分割される。
そして、分割された副領域(41,42,43,44,45)毎に異なる特性の酸化膜(6)が形成されるため、副領域(41,42,43,44,45)毎に、薄膜干渉により異なる色が出る。
さらに、各副領域(41,42,43,44,45)に酸化膜を形成すると、各副領域(41,42,43,44,45)の断面が凹凸状になる。したがって、各副領域(41,42,43,44,45)の間で光の回折が発生する場合がある。この場合には、酸化膜(6)における薄膜干渉と副領域(41,42,43,44,45)相互間の光の回折とが複合して発生し、より多階調の発色が可能となる。
[適用例2]
適用例2に記載の金属発色材料(2)は、適用例1に記載の金属発色材料(2)において、
前記酸化膜層(7)は、
前記各副領域(41,42,43,44,45)の間に、入射光による回析を発生させるための所定の間隔(50)を設けたことを要旨とする。
このような金属発色材料(2)では、各副領域(41,42,43,44,45)の間に所定の間隔があるため、その間隔が回折格子となり、光の回折が発生する。したがって、酸化膜層(7)の酸化膜(6)における薄膜干渉と副領域(41,42,43,44,45)間の間隔(50)により発生する光の回折とが複合するため、より多階調の発色が可能となる。
[適用例3]
適用例3に記載の発明は、
金属材料(5)の表面に描画したい画像を複数の領域(40)に分割する分割工程と、
前記分割工程で分割した前記複数の領域(40)を更に微細な副領域(41,42,43,44,45)に分割する副分割工程と、
前記副分割工程で分割した前記副領域(41,42,43,44,45)毎に照射条件を変えて、レーザ光を照射することにより、前記複数の副領域毎(41,42,43,44,45)に異なる特性の酸化膜(6)を形成することによって、前記酸化膜(6)に入射する入射光と、前記入射光が前記酸化膜(6)を透過して前記金属材料(5)の表面で反射する反射光との薄膜干渉により前記複数の副領域(41,42,43,44,45)毎に異なる色を発色させて、前記領域(40)毎の発する色を変化させる酸化膜形成工程と、
により金属発色材料(2)を製造することを要旨とする金属発色材料製造方法である。
このような金属発色材料製造方法では、適用例1に記載の特徴を有する金属発生材料(2)を製造することができる。
[適用例4]
適用例4に記載の金属発色材料製造方法は、適用例3に記載の金属発色材料製造方法において、
前記酸化膜層形成工程は、
前記各副領域(41,42,43,44,45)の間に、入射光による回析を発生させるための所定の間隔(50)を設ける間隔形成工程を有することを要旨とする。
このような金属発色材料製造方法は、適用例2に記載の特徴を有する金属発色材料(2)を製造することができる。
レーザ発色加工装置の概略の構成を示すブロック図である。 制御部で実行される処理の流れを示すフローチャートである。 レーザ光の連続パルスが8個(パターン8)の場合のカラーサンプルを示す図である。 グレースケール画像を用いて、金属材料の表面にグレースケール画像を描画した結果を示す図である。 カラーマーキングデータベースの一例を示す図である。 グレースケール画像を用いて金属材料表面に描画した結果を示す図である。 カラー画像を用いて、金属材料の表面にカラー画像を描画した結果を示す図である。 入力画像を8色の色領域に分割して、金属材料5に描画した結果を示す図である。 入力画像を8色の色領域に分割した場合に用いるカラーマーキングデータベースの例を示す図である。 金属発色材料の概略の構成と発色原理を示す図である。 第2実施形態における金属発色材料2の酸化膜層7の状態を示す図である。 第2実施形態におけるサブセルの配置方法の例を示す図である。 サブセルの面積比を変化させたセルの概略の構造を示す図である。 第2実施形態におけるセルの表面をレーザ顕微鏡で取得した画像を示す図である。 図13の(ア)~(オ)の面積比のサブセルの発色状態を分光測色計にて測定した分光スペクトルを示す図である。 第3実施形態におけるセルの概略の構造を示す図である。 各サブセルの離隔距離を変化させた場合のセルの発色状態の変化を示す図である。 サブセルの走査間隔を変化させた場合のセルの拡大写真を示す図である。
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明の実施の形態は、下記の実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
[第1実施形態]
(レーザ発色加工装置の構成)
図1に基づき、レーザ発色加工装置1の構成について説明する。図1は、レーザ発色加工装置1の概略の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、レーザ発色加工装置1は、カラーマーカ10、画像入力部20及び制御部30を備えている。
カラーマーカ10は、後述する制御部30からの制御データに基づいて、レーザ光を照射する装置であり、照射するレーザ光により、金属材料5の表面に熱を発生させ、発生する熱で、金属材料5の表面に酸化膜を成長させて発色させる。本実施形態では、カラーマーカ10としてオムロン社製 MX-Z2000Gを用いている。
画像入力部20は、いわゆるスキャナであり、金属材料5表面に描画する画像などを、紙などに描画されている文字、絵、図形、図面あるいは写真などからデジタルデータとして読み取る装置である。
制御部30は、画像入力部20により入力したレーザ光の照射条件に基づき、カラーマーカ10を制御する装置であり、図示しないCPU、ROM、RAM、I/O、外部記憶装置、キーボード、表示装置などを備えている。
ここで、図2に基づき、制御部30で実行される制御処理について説明する。図2は、制御部30で実行される処理の流れを示すフローチャートである。
図2に示すように、制御処理では、まずS100において、制御部30の図示しないCPUが、カラーマーキングデータベースの生成と格納を行う。金属材料5表面に所定の色を発色させるためのレーザ光の照射条件(カラーマーキングデータベース)を格納する。
この内容について詳細に説明する。画像データの各画素に対してRGBそれぞれ8bit、つまり、各画素に対しRGBそれぞれ256階調を有するものとし、その値をRGB値と呼ぶ。また、レーザの照射条件は、パターン(連続発振するパルスの個数)、周波数(パルスの周期)、パワー(パルスの高さ)とする。
そして、各画素のRGB値とレーザの照射条件とを対応させたリストを、カラーマーキングデータベースと呼ぶ。
本実施形態では、カラーマーキングデータベースを作成するために、カラーマーカ10において、パターンを1~12、周波数を25~800[Hz]で25[Hz]刻み、パワーを最大出力の20~50[%]で1[%]刻みで変化させてカラーサンプルを作成した。
図3に、パターン8(連続発振するパルス数が8個)の場合のカラーサンプルを示す。図3において、左下の矩形をパワー20[%]、周波数25[kHz]とし、上方向は、パワーを1[%]ずつ上げ、右方向は周波数を25[kHz]ずつ上げて描画した。
作成したカラーサンプルと、それを測色計により測定した分光スペクトルから、発色した色とレーザの照射条件との対応付けを行った。そして、入力画像のRGB値と、描画するレーザ光の照射条件とを対応付けたリストをカラーマーキングデータベースとして作成し、外部記憶装置に格納する。なお、本実施形態では、カラーマーキングデータベースの数をN個(色番号0,1,2,・・・,n-1,n,・・・N:N=256の場合、色番号n=0~255)とする。
なお、レーザ照射条件では発色ができない色に関しては、色空間の近くの発色した複数の色の割合を計算し、各画素の色を生成する。色数を増加させることによる描画画像の鮮やかさの向上と描画時間はトレードオフの関係にあるため、必要に応じた色数のカラーマーキングデータベースの作成を行う。
また、発色したい画像に応じて、必要な色数は異なる。そのため、入力された画像を画像処理することで、色分布を求め、その色分布を基に必要な色数を算出し、画像の色、発色の色、レーザの照射条件、セルの構造の関係を対応づけるカラーマーキングデータベースを自動生成する手法を加えることを行う。その実現により、入力画像やレーザの照射条件等に手を加えることなく、所有するカラーマーカ10が可能な最も鮮明なマーキングデータベースを自動作成することができる。
続くS105において、描画画像の入力を行う。つまり、金属材料5の表面に描画したい画像を画像入力部20で読み取らせて、デジタルデータとして入力する。
続くS110において、領域分割を行う。つまり、画像入力部20により読み込んだ画像(以下、「入力画像」と呼ぶ)を、カラーマーキングデータベースで指定したN個の領域に分割する。
分割方法としては、入力画像の各画素に対して、そのRGB値と、N色あるカラーマーキングデータベースのRGB値との距離が最も近い色番号nを求める。RGB値の距離は、ユークリッド距離を用いる。このようにして得られた色番号nを画素値とする領域分割画像を生成する。
ここで、ユークリッド距離とは、複数のRGB値の各要素(R,G,B)の距離を意味している。より具体的には、第1RGB値(R1,G1,B1)と第2RGB値(R2,G2,B2)がある場合、そのユークリッド距離は(R2-R1)+(G2-G1)+(B2-B1)の平方根となる。
領域分割画像に対して、色番号n毎に、輪郭抽出を行い、輪郭を形成する連続する画素の座標値を領域データとして所定のデータ形式(本実施形態ではDXF形式)で図示しないRAM又は外部記憶装置に格納する。座標値は画像の左下を原点として、右方向をX軸、上方向をY軸とする。
そして、描画する幅サイズを、拡大・縮小を行った座標値をRAM又は外部記憶装置に格納する。
続く、S115においては、カラーマーカ10に対してレーザ光照射条件の出力を行う。つまり、S110において得られた各色の領域データに対して、カラーマーキングデータベースに従って、レーザの照射条件を設定し、全色を重ねあわせたものをレーザ照射条件としてカラーマーカ10に出力する。
(試験結果)
図4~図6に基づき、レーザ発色加工装置1を用いて実際に金属材料5表面に描画した結果について説明する。
(グレースケール画像)
まず、図4、図5及び図6に基づいて、画像としてグレースケール画像を用いた結果について説明する。図4は、グレースケール画像を用いて、金属材料5の表面にグレースケール画像を描画した結果を示す図である。図5は、カラーマーキングデータベースの一例である。図6は、グレースケール画像を用いて金属材料5表面に描画した結果を示す図である。
図4(a)に示すように、グレースケール256階調のグレースケール画像を入力して、図5に示すカラーマーキングデータベースに従い、各色に分割した領域の画像を図4(b)~図4(e)に示す。グレースケール画像の場合、RGBの各値が同じ値になるため、RGB値が(d,d,d)の濃淡値をdと呼ぶ。
図4(a)の画素の濃淡値が色番号n=0,1,2,3に対応する濃淡値0,80,170,255に近い値、つまり、それぞれ0~42,43~124,125~211,212~255の範囲になる画素を白、その他の画素を黒とした画像を、それぞれ図4(b)~図4(d)に示している。
これらの画像から、イラスト等のベタ塗りと異なり、複数の階調数を有する画像では、領域が散らばっており、複雑な領域データとなることが分かる。
生成された領域データに、図5のカラーパターンに示すレーザの照射条件を設定し、カラーマーカ10によって金属材料5表面に描画した結果を図6(a)に示す。また、レーザの照射条件を変えて、青系、緑系、赤系の色で描画した結果を、ぞれぞれ図6(b)~
図6(d)に示す。
(カラー画像)
次に、図7,8に基づいて、カラー画像に対しても同様の処理を行った結果について説明する。図7は、カラー画像を用いて、金属材料5の表面にカラー画像を描画した結果を示す図である。
図7(a)に示す入力画像に対して、カラーパターンに従い領域分割した結果を図7(b)に、また、図7(c)に金属材料5に描画した結果を示す。
次に、図8及び図9に基づき、入力画像を8色の色領域に分割して、金属材料5に描画した結果について説明する。図8は、入力画像を8色の色領域に分割して、金属材料5に描画した結果を示す図であり、図9は、入力画像を8色の色領域に分割した場合に用いるカラーマーキングデータベースの例を示す図である。
カラーの入力画像を図8(a)に示す。この入力画像を、図8(b)に示すように、8色の色領域に分割する。これに対して、図9に示す、カラーマーキングデータベースに従って、入力画像を金属材料5に描画した結果を図8(c)に示す。
(レーザ発色加工装置の特徴)
以上に説明した、レーザ発色加工装置1では、画像入力部20で入力した画像の各画素のRGB値(第2RGB値)が、照射データ生成部30及び制御処理のS100に格納されているRGB値(第1RGB値)のうち、最も近い値の第1RGB値に置き換えられる。
そして、置き換えられた第1RGB値に対応付けられた照射条件で、カラーマーカ10からレーザ光が金属材料5表面に照射され、画素毎に酸化膜6が形成される。この酸化膜6によって、入射光と金属材料5表面からの反射光とで薄膜干渉が発生し、その薄膜干渉によって発色する。
したがって、顔料や版下あるいは有機溶剤などを用いる従来の印刷(シルク印刷など)に比べ、簡易に金属材料5表面に模様などを発色させることができる。
(金属発色材料)
図10に基づき、金属発色材料2について説明する。図10は、金属発色材料2の概略の構成と発色原理を示す図である。
図10に示すように、金属発色材料2は、金属材料5と金属材料5の表面に形成された酸化膜層7とを備えている。
金属材料5は、描画対象となる材料であり、ステンレスやチタンなどの金属材である。
酸化膜層7は、描画したい画像の画素毎に照射条件を変えて、金属材料5の表面にカラーマーカ10から照射したレーザ光を照射して、金属材料5表面の画素毎に異なる特性の酸化膜6を形成した金属材料5の表面に形成される層である。
金属材料5の表面に形成された酸化膜層7の各画素においては、レーザ光の照射条件(パターン(連続発振するパルスの個数)、周波数(パルスの周期)、パワー(パルスの高さ))に応じて異なった特性(膜厚d:本実施形態では、d=数百[nm])を有する酸化膜6が形成される。
そして、図10に示すように、酸化膜6の表面で反射される光(380~780[nm]の可視光)(光路A)と、酸化膜6を通過して金属材料5の表面で反射する光(光路B)とが干渉して発色する。このような干渉が各画素において発生するため、各画素の集合である描画が層において、発色作用が得られることとなる。
[第2実施形態]
次に、図11に基づき、第2実施形態について説明する。第2実施形態では、レーザ発色加工装置1の構成、カラーマーキングデータベースの作成、領域分割及び制御データの出力については第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
(酸化膜層の形成)
第2実施形態における金属発色材料2では、酸化膜層7は、画素に代えて、描画したい画像を複数の領域40(以下、セル40とも呼ぶ)に分割し、分割した複数のセル40を更にサブセル41,42,43に分割する。そして、サブセル41,42,43ごとに照射条件を変えて、レーザ光を照射することにより、複数のサブセル41,42,43毎に異なる特性の酸化膜6を形成している。
図11に基づき、詳細に説明する。図11は、第2実施形態における金属発色材料2の酸化膜層7の状態を示す図である。
図11(a)に示す入力画像を、色領域に分割する。図11(b)に分割した色領域として赤色領域の図を示す。また、図11(c)に示すように、赤色領域を複数のマトリックス状のセル40に分割する。さらに、図11(d)に示すように、分割した各セル40を矩形状のサブセル41、サブセル42、サブセル43に分け、それぞれに異なる照射条件でレーザ光を照射する。
これにより、各サブセル41,42,43に形成される酸化膜6の膜厚が異なるため、各サブセル41,42,43が異なる色(例えば、R、G、B)を発することになる。
実際には、セル40内に、カラーマーカ10で照射するレーザ光を走査して、サブセル41,42,43、を形成させればよい。
このように、各セル40内でレーサ光を走査することにより、サブセル41,42,43を構成し、それぞれのサブセル41,42,43が異なる色を発することにより、セル40の大きさが十分に小さい場合には、各サブセル41,42,43の色が合成(加法混合又は減色混合)され、多くの色を発することが可能となる。
なお、図11においては、サブセル41,42,43を3つの大きさと面積比率が同じ矩形で形成し、それぞれでR,G,Bを発色させていたが、セル40を構成するサブセルの数、サブセルの配置方法、サブセルの形状、サブセルの大きさ、サブセルの面積比、サブセルに対するレーザの照射条件を自由に設定できる。
このようにすることで、色分解能を向上させることが可能となるとともに、細かい模様を表現できるため、テクスチャ画像に有効なものとなる。
図12にサブセルの配置方法の例を示す。図12(a)には、正方形状のサブセル41,42,43(R,G,B)をストライプ状に配列したストライプ配列を示し、図12(b)には、矩形状のサブセル41,42,43(R,G,B)を三角形の頂点に配置したしたものを複数配置する三角形配置を示す。また、図12(c)には、横方向に矩形状のサブセル41,42,43(R,G,B)を並べ、縦方向には、矩形状のサブセル41,42,43(R,G,B)の横方向に位置をずらしながら配置した、対角配列を示す。
次に、図13に基づき、混色と面積比による色の高分解能化を図った結果について説明する。図13は、サブセル44,45の面積比を変化させたセル40の概略の構造を示す図である。
図13(a)に示すように、6[mm]×6[mm]の正方形のセル40を、2つの長方形のサブセル44,45の短手方向の合計の長さが一定値(本第2実施形態では、200μm)となるように、30個配置する。
サブセル44には、青色を発色させるように酸化膜6形成し、サブセル45には、黄色を発色させるように酸化膜6を形成する。実際には、セル40内でレーザ光を走査することにより、2つのサブセル44,45を形成すればよい。
そして、サブセル44とサブセル45の面積比を変化させた場合のセル40全体の色の変化をカメラ画像として取得した結果を、図13(b)に示す。図13(b)において、サブセル44とサブセル45の面積比を(ア)では、100[%]:0[%]、(イ)では、75[%]:25[%]、(ウ)では、50[%]:50[%]、(エ)では、25[%]:75[%]、(オ)では、0[%]:100[%]とした。
このように、サブセル44とサブセル45の面積比を変化させることにより、セル40の色を変化させることが可能であることが分かる。
また、図14に、参考としてセル40の表面をレーザ顕微鏡で取得した画像を示す。
さらに、図15に、図13の(ア)~(オ)の面積比のサブセル44,45の発色状態を分光測色計にて測定した分光スペクトルを示す。図15に示すように、(ア)~(オ)の間を、サブセル44,45の面積比に応じて段階的に変化していることが分かる。
この結果から、時間をかけて照射条件を探索しなくても、サブセルの照射条件と面積比を変えることにより、所定の色を発することが可能となる。
なお、本第2実施形態では、2つのサブセル44,45を用いたが、3つのサブセルを用い(つまり、セル40内でレーザ光を走査して3つのサブセルを形成し)、2つのサブセルに色相を決定する照射条件を割り当て、残りの1つのサブセルに、後述する走査パラメータを変えるなどして、明度を決定する照射条件を割り当て、発色を制御する方法を利用してもよい。
[第3実施形態]
次に、図16及び図17に基づき、第2実施形態におけるサブセル44,45の間にギャップ50を形成し、各サブセル44,45の間を離隔させたセル40の構造について説明する。図16は、第3実施形態におけるセル40の概略の構造を示す図(図16(a)は平面図、図16(b)は断面図)であり、図17は、各サブセル44,45の離隔距離(換言すれば、レーザ光の走査間隔)を変化させた場合のセル40の発色状態の変化を示す図である。
第3実施形態の場合、使用しているカラーマーカ10は、出力18.23[W]時、加工面(酸化膜層7)のレーザスポット径38.3[μm]であるため、単純換算で、出力30[%]時の加工面のレーザスポット径が12.7[μm]である。したがって、図16(b)に示すように、12.7[μm]よりも離れたレーザ走査間隔で照射すると、酸化膜層7にギャップ50(サブセル44,45の短手方向の離隔部分)が形成される。
図16に示すセル40に対して、カラーマーカ10から照射するレーザ光の出力を30
[%]、パルス周波数を400[kHz]、パルス幅をパターン1、移動速度を100[mm/s]とし、1つのサブセルの幅Lが10[nm]の帯状となるように複数のサブセル44,45を形成した。
また、照射するレーザ光の走査間隔を変化させ、サブセル44,45のギャップ50が、5[μm]~25[μm]となるように、1[μm]間隔で広げた場合の発色状態を図17(a)~図17(u)に示す。図17(a)~図17(u)に示すように、発色状態が変化しているのが分かる。
また、図18に、走査間隔を5[μm]、10[μm]、20[μm]、40[μm]、70[μm]、140[μm]と変化させた場合のセル40の拡大写真を示す。
図18に示すように、走査間隔を粗くするにつれて、色相は色相環の時計周りに推移する。ギャップ50の幅が、レーザのビーム径以上の間隔になると、回折による干渉色の影響が顕著になる。上述の酸化膜6の厚みによる薄膜干渉の発色作用と、ギャップ50による回折格子の発色作用が組み合わされることで、金属材料5の金属光沢を維持しつつ、色分解能を高めることができる。
また、発色したい画像に応じて必要な色数は異なる。そのため、入力された画像を画像処理することで、色分布を求め、その色分布を基に必要な色数を算出し、画像の色と、発色の色、レーザ照射条件、セル40の構造の関係を対応付けるカラーマーキングデータベースを自動生成するようにしてもよい。
[その他の実施形態]
(1)上記実施形態では、画像入力部20としてスキャナを用いたが、他の入力装置であってもよい。
(2)上記実施形態では、各画素に対してRGBそれぞれ8bitの256階調を有するものとしたが、制御部30のCPUの性能によっては、それ以外のbit数を有するようにしてもよい。
(3)上記実施形態では、カラーマーカとしてレーザ光をパルス的に発生するオムロン社製 MX-Z2000Gを用いていたが、他のタイプ、例えば、単位時間当たりのパルス数で強度を制御していたが、パルス幅で強度を制御するようなタイプなどでもよい。
(4)上記実施形態では、カラーマーキングデータベースを作成するために、測色計により測定した分光スペクトルを用いたが、目視による色とレーザ照射条件の対応付けを行って、カラーマーキングデータベースを作成してもよい。
(5)上記実施形態では、RGB値の距離として、ユークリッド距離を用いたが、入力画像の各画素の色と、N色あるカラーマーキングデータベースの色との色差によってもよい。色差を求める方法として、色をLa*b*値で表し、LAB ΔEを求める方法によればよい。
(6)上記実施形態では、レーザ光を照射する際にレーザ光を走査していたが、カラーマーカ10と金属材料5とを金属材料5の表面と平行に、相対的に移動させることによって金属材料5に酸化膜6を形成してもよい。相対的に移動させる場合には、必ずしも直線的に移動させる必要はなく、三角波状や円状などより複雑な動きをさせてもよい。
1… レーザ発色加工装置 2… 金属発色材料 5… 金属材料 6… 酸化膜
7… 酸化膜層 10… カラーマーカ(レーザ照射部) 20… 画像入力部 30… 制御部(照射データ生成部) 40… 領域(セル) 41,42,43,44,45… サブセル 50… ギャップ。

Claims (4)

  1. 金属材料と、
    前記金属材料の表面に描画したい画像を複数の領域に分割した分割領域と、
    前記分割領域を更に微細な領域に分割した副領域と、
    前記副領域毎に照射条件を変えたレーザ光の照射により形成した酸化膜層と、
    を備えたことを特徴とする金属発色材料。
  2. 請求項1に記載の金属発色材料において、
    前記酸化膜層は、
    前記各副領域の間に、入射光による回析を発生させるための所定の間隔を設けたことを特徴とする金属発色材料。
  3. 金属材料の表面に描画したい画像を複数の領域に分割する分割工程と、
    前記分割工程で分割した前記複数の領域を更に微細な副領域に分割する副分割工程と、
    前記副分割工程で分割した前記副領域毎に照射条件を変えて、レーザ光を照射することにより、前記複数の副領域毎に異なる特性の酸化膜を形成することによって、前記酸化膜に入射する入射光と、前記入射光が前記酸化膜を透過して前記金属材料の表面で反射する反射光との薄膜干渉により前記複数の副領域毎に異なる色を発色させて、前記領域毎の発する色を変化させる酸化膜形成工程と、
    により金属発色材料を製造することを特徴とする金属発色材料製造方法。
  4. 請求項3に記載の金属発色材料製造方法において、
    前記酸化膜層形成工程は、
    前記各副領域の間に、入射光による回析を発生させるための所定の間隔を設ける間隔形成工程を有することを特徴とする金属発色材料製造方法。
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