JP2023084607A - クリップ構造 - Google Patents

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Sachi Tanaka
剣一 古田
Kenichi Furuta
有未 小塩
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三郎 安田
Saburo Yasuda
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Abstract

【課題】クリップとクリップ座との組み付け状態で、クリップとクリップ座とが一体成形されていた痕跡として残存する残存部の位置規制を実現することが可能なクリップ構造を提供すること。【解決手段】クリップ構造1は、車両用内装品3に設けられるクリップ座10と、クリップ座10に挿入されて組み付けられるクリップ20と、成形時にクリップ座10とクリップ20とを連接させた状態にあり、クリップ20がクリップ座10に組み付けられる過程で変形することでクリップ座10とクリップ20とを連接させていた痕跡としてクリップ20に残存する残存部30と、を備える。クリップ座10は、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた状態で残存部30を収容する凹部15を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、車両用内装品のクリップ構造に関する。
従来、車体構造物(すなわち被取付対象物)に取り付けられる車両用内装品(すなわち取付対象物)に適用されるクリップ構造が知られている(例えば、特許文献1及び非特許文献1)。特許文献1記載のクリップ構造は、車両用内装品のクリップ座にクリップを組み付けたものである。このクリップ構造では、クリップ座とクリップとがそれぞれ別体で成形された後、クリップがクリップ座に組み付けられ、そのクリップがクリップ座に組み付けられた状態で車体構造物に差し込まれる。
また、非特許文献1記載のクリップ構造は、本体部品に一体化された樹脂部品一体クリップを備えている。樹脂部品一体クリップは、主に成形型内に樹脂を注入する射出成形により本体部品と一体に成形される。そして、樹脂部品一体クリップは、本体部品と一体成形された状態のまま用いられて車体構造物に取り付けられる。この樹脂部品一体クリップによれば、本体部品に対して位置ずれが生じ難いので、車体構造物への取り付けを精度良く実現することができる。
特開2001-330011号公報
加藤正典著 「高強度な樹脂部品一体クリップ開発」 CALSONIC KANSEI TECHNICAL REVIEW vol.10 2013
しかしながら、上記特許文献1記載のクリップ構造では、車両用内装品のクリップ座とクリップとが別体である。このため、クリップ座に対して組み付けられるクリップの数が多くなるほど、部品総数が増大してその組み付け作業に要する工数やコストが多くなってしまう。また、上記非特許文献1記載のクリップ構造では、クリップが成形時の状態のまま本体部品に対して一体化されて使用される。このため、クリップと本体部品とが別体である構成とは異なり、それらのクリップと本体部品との組み付け作業を不要とすることはできるが、クリップを成形時の状態のまま使用しつつそのクリップと車体構造物との強固な係合を確保しようとすると、クリップの形状や配置の自由度が低くなりクリップと本体部品との一体成形上の制約が多くなる。この制約は、特に、クリップの数が多くなるほど顕著になる。
そこで、上記したクリップと車体構造物との強固な係合を確保しつつ上記の制約を解消させる手法として、クリップを本体部品に連接させてその本体部品に対して一体成形し、その一体成形後にクリップを変形させて本体部品のクリップ座に組み付けるクリップ構造が考えられる。このクリップ構造では、クリップとクリップ座とを一体成形するうえで必要な繋ぎの連接部分がクリップの変形後に痕跡として残存する。
しかし、上記痕跡としての残存部が、クリップが本体部品との一体成形後に変形してクリップ座に組み付けられる際や組み付けられた状態で自由に移動できるものとすると、その残存部が予期しない姿勢でクリップ座やクリップに干渉して、クリップとクリップ座との組み付け姿勢などが適正な状態にならないなどの不都合が生じるおそれがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、クリップとクリップ座との組み付け状態で、クリップとクリップ座とを連接させていた痕跡として残存する残存部の位置規制を実現することが可能なクリップ構造を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、車両用内装品に設けられるクリップ座と、前記クリップ座に挿入されて組み付けられるクリップと、成形時に前記クリップ座と前記クリップとを連接させた状態にあり、前記クリップが前記クリップ座に組み付けられる過程で変形することで前記クリップ座と前記クリップとを連接させていた痕跡として前記クリップ及び前記クリップ座の少なくとも何れかに残存する残存部と、を備え、前記クリップ座及び前記クリップの少なくとも何れかは、前記クリップが前記クリップ座に組み付けられた状態で前記残存部を収容する凹部を有する、クリップ構造である。
この構成によれば、成形時にクリップとクリップ座とを連接させておりクリップがクリップ座に組み付けられる過程で変形してその組み付け後にクリップ又はクリップ座に残存する残存部が、クリップ座又はクリップの凹部に収容されるので、クリップとクリップ座との組み付け状態で、そのクリップとクリップ座とを連接させていた痕跡として残存する残存部の位置規制を実現することができる。
一実施形態に係るクリップ構造におけるクリップがクリップ座に組み付けられる前の状態を表した斜視図である。 実施形態のクリップ構造におけるクリップがクリップ座に組み付けられた後の状態を表した斜視図である。 実施形態のクリップ構造におけるクリップがクリップ座に組み付けられる前の状態を表した断面図である。 実施形態のクリップ構造におけるクリップがクリップ座に組み付けられた後の状態を表した断面図である。 実施形態のクリップ構造におけるクリップ座に組み付けられたクリップが車体構造物に差し込まれた状態を表した断面図である。 実施形態のクリップ構造におけるクリップ座及びクリップを製造する過程のうち成形型を用いて成形する状態を表した断面図である。 実施形態のクリップ構造におけるクリップ座及びクリップを製造する過程のうち型開きした状態を表した断面図である。 実施形態のクリップ構造におけるクリップ座及びクリップを製造する過程のうちクリップをクリップ座に組む付けた状態を表した断面図である。
以下、図1~図8を用いて、本発明に係るクリップ構造の具体的な実施形態について説明する。
一実施形態に係るクリップ構造1は、車体構造物2(図5参照)に車両用内装品3(図6~図8参照)を取り付けるために適用される構造である。車体構造物2は、例えば車体フレームなどである。また、車両用内装品3は、例えばインストルメントパネルやサイドパネル,バックパネル,モールなどである。以下、車両用内装品3は、パネル状に形成されているものとする。
クリップ構造1は、車両用内装品3を車体構造物2にワンタッチで取り付けることが可能に構成されている。クリップ構造1は、図1~図5に示す如く、クリップ座10と、クリップ20と、を備えている。
クリップ座10は、クリップ20が組み付けられる取付座部である。クリップ座10は、車両用内装品3に一体成形される。クリップ座10は、車両用内装品3のパネル面から板状に突出するように形成されている。尚、クリップ座10は、車両用内装品3の周縁部に複数箇所設けられていてよい。クリップ座10は、基板部11と、一対の側板部12と、を有している。
基板部11は、クリップ20が組み付けのために接する部位である。基板部11は、車両用内装品3のパネル面から板状に突出している。尚、基板部11は、車両用内装品3のパネル面から先端にかけて徐々に(リニアに又は階段状に)板厚が小さくなるように形成されていてよい。
基板部11は、係合孔13と、凹部15と、を有している。係合孔13は、クリップ20を係合させるための孔である。係合孔13は、基板部11本体の中途部にその基板部11本体を貫通するように設けられている。係合孔13には、後述の如く、その係合孔13の両側方からクリップ20の挟持板部21の係合部21aが嵌るように係合する。尚、係合孔13は、基板部11を貫通する貫通孔ではなく、基板部11の表面に形成された凹溝であってもよい。
凹部15は、後に詳述するクリップ20に残存する残存部30の全部又は一部(特に、先端部)を収容する部位である。凹部15は、基板部11本体の中途部に、クリップ20における残存部30の形成位置に対応した箇所に形成されている。クリップ構造1は、クリップ20がクリップ座10に組み付けられる前は、クリップ20側からクリップ座10にかけて、係合部21a、残存部30、係合孔13、及び凹部15の順に配列されている。凹部15は、クリップ20における残存部30の数と同じ数だけ設けられている。例えば、クリップ20に残存部30が二箇所残存する場合は、凹部15は、基板部11に二箇所設けられる。この凹部15の形成箇所は、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた状態での残存部30の残存位置に対応している。
凹部15は、基板部11を貫通する貫通孔又は基板部11の表面に形成された凹溝である。凹部15の開口は、残存部30の幅(すなわち、残存部30における挿入方向に直交する方向の長さ)に対応した横幅を有すると共に、残存部30の厚さよりも大きな挿入方向の長さを有している。凹部15は、基板部11においてクリップ20がクリップ座10への組み付け時にそのクリップ座10に挿入される挿入方向に沿って延在している。凹部15には、残存部30の先端部が嵌るように係合する。尚、凹部15は、上記の係合孔13に連通するものとし、基板部11は、凹部15と係合孔13とを含む一つの貫通孔や凹溝を有するものとしてもよい。
側板部12は、基板部11へのクリップ20の組み付けを補助すると共にその組み付け後のクリップ20の移動を規制するための部位である。一対の側板部12は、基板部11をその基板部11の側面側で挟み込むように配置されている。
クリップ20は、クリップ座10に係合して組み付けられる取付部品である。クリップ20は、クリップ座10の基板部11を挟み込み可能にかつ車体構造物2の取付孔2a(図5参照)に差し込み可能に形成されている。クリップ20は、クリップ座10と一体成形される。クリップ20は、一対の挟持板部21と、一対の差込板部22と、を有している。
一対の挟持板部21は、クリップ座10の基板部11を挟み込んでクリップ20をクリップ座10に組み付けるための板部である。一対の挟持板部21は、その間にクリップ座10の基板部11が挿入されることが可能になるように二股状に形成されている。また、一対の差込板部22は、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた状態で車体構造物2の取付孔2aに差し込まれて車両用内装品3を車体構造物2に取り付けるための板部である。一対の差込板部22は、車体構造物2の取付孔2aに差し込み可能になるように二股状に形成されている。
一対の差込板部22は、互いに一端側(すなわち、頭頂部)で一体化されて接続されている。一対の差込板部22は、頭頂部を支点にして他端側の自由端における離間距離が可変されるように弾性変形可能に構成されている。クリップ20は、一対の差込板部22が車体構造物2の取付孔2aに挿入されることにより車体構造物2に取り付けられる。
一対の差込板部22はそれぞれ、頭頂部からクリップ20の挿入方向に対して傾斜して延びるように形成されている。一対の差込板部22はそれぞれ、互いに最も離れた位置に設けられる爪部22aを有している。爪部22aは、差込板部22の外面の他端側において外側に突出している。一対の差込板部22の爪部22aの外面同士が離れる離間距離は、常態で、取付孔2aの径に比して大きくなるように設定されている。一対の差込板部22は、両側の爪部22aの離間距離が取付孔2aの径以下に小さくされた状態で取付孔2aに差し込まれ、その後、上記離間距離が元に戻されることで車体構造物2の取付孔2aの奥側で引っ掛かる。これにより、クリップ20が取付孔2aから抜けるのが防止されて車両用内装品3が車体構造物2から外れるのが防止される。
一対の挟持板部21のうちの一方は、一対の差込板部22のうちの一方の内面に接続されている。また、一対の挟持板部21のうちの他方は、一対の差込板部22のうちの他方の内面に接続されている。一対の挟持板部21は、差込板部22との接続部を支点にして他端側の自由端における離間距離が可変されるように弾性変形可能に構成されている。クリップ20は、一対の挟持板部21の間にクリップ座10の基板部11が挿入されるようにクリップ座10に組み付けられる。
一対の挟持板部21はそれぞれ、基板部11の係合孔13にその係合孔13の外側から係合する係合部21aを有している。係合部21aは、挟持板部21の内面の他端側で内側に突出するように設けられている。一対の挟持板部21の係合部21aの内面同士が離れる離間距離は、常態で、基板部11における係合孔13の両端間の距離(すなわち、係合孔13の孔深さ)に比して小さくなるように設定されている。一対の挟持板部21は、図4に示す如く各係合部21aが係合孔13に係合した状態で基板部11を挟み込む付勢力を発生する。
クリップ構造1において、車両用内装品3のクリップ座10とクリップ20とは、例えば射出成形などにより一体成形されることにより互いに連接した状態に形成される。この一体成形は、図1及び図3に示す如く、クリップ座10とクリップ20とが組み付けられる前の状態、具体的には、基板部11と挟持板部21とが基板部11に対する挟持板部21の挿入方向とは逆方向に離れた状態に形成されるように行われる。
クリップ座10及びクリップ20は、例えばポリプロピレン樹脂(PP)やアクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)などの樹脂により形成されている。クリップ構造1は、クリップ座10及びクリップ20が一体成形された後、クリップ20がクリップ座10に組み付けられることにより、車体構造物2に取り付けられることが可能な状態になる。
クリップ構造1は、また、残存部30を備えている。残存部30は、車両用内装品3の成形時にクリップ座10とクリップ20とを連接させた状態にあり、クリップ座10へのクリップ20の組み付け後にクリップ座10とクリップ20とを連接させていた痕跡として残存する部位のことである。残存部30は、クリップ座10及びクリップ20と同材で構成されている。クリップ座10、クリップ20、及び残存部30は、後述の如く射出成形などにより成形型に樹脂が流し込まれることにより互いに一体に形成される。樹脂は、車両用内装品3側に設けられたゲート4(図6~図8参照)を通じて成形型内に流し込まれ、その後、クリップ座10→残存部30→クリップ20の順に流れる。
残存部30は、クリップ座10及びクリップ20が一体成形された製造段階での中間成形品においてはクリップ座10とクリップ20とを連接させるランナであると共に、クリップ20がクリップ座10に挿入されて組み付けられた状態ではそれらのクリップ座10及びクリップ20のうち少なくともクリップ20に残存する。以下適宜、クリップ20がクリップ座10に組み付けられる前における中間成形品での残存部30をランナ部30Aと称す。
ランナ部30Aは、一端がクリップ座10の基板部11の先端に接続され、かつ、他端がクリップ20の差込板部22の自由端の先端に接続されるように形成される。すなわち、ランナ部30Aは、クリップ座10の基板部11の先端とクリップ20の差込板部22の自由端先端との間に介在するように形成される。ランナ部30Aは、例えば、1mm~5mmの範囲内の寸法を有している。
クリップ座10におけるランナ部30Aとの接続箇所及びクリップ20におけるランナ部30Aとの接続箇所はそれぞれ、クリップ座10とクリップ20との係合箇所(具体的には、挟持板部21の係合部21aがクリップ座10の係合孔13に係合する箇所)とは異なる位置に設けられている。
尚、クリップ20がクリップ座10に組み付けられる過程でクリップ20の一対の挟持板部21の間にクリップ座10の基板部11を適切に挿入させるうえでは、上記の接合箇所と上記の係合箇所との距離が上記の組み付け過程でランナ部30Aの存在によって上記の挿入やクリップ座10とクリップ20との係合が妨げられない程度に十分大きいことが好ましい。例えば、クリップ20の挿入方向における上記の接合箇所と上記の係合箇所との距離は、5mm以上や10mm以上などであって20mm以下であることが望ましく、又は、クリップ20の挿入方向におけるランナ部30Aの長さに対して1.0倍以上や2.0倍以上であって3.0倍以下であることが好ましい。
ランナ部30Aは、クリップ20側とクリップ座10側との位相がずれることで型抜き方向の制約が低減されるようにクリップ座10及びクリップ20に接続して設けられている。例えば、ランナ部30Aは、クリップ20の外縁端(好ましくは、外縁角部)に接続するように設けられている。ランナ部30Aは、複数箇所(例えば四箇所や二箇所)に設けられている。複数箇所のランナ部30Aは、クリップ座10とクリップ20との間で並列に配置されている。例えば、ランナ部30Aは、クリップ20の一対の差込板部22に一箇所ずつ設けられ、それぞれの差込板部22の自由端の両端角部に接続するように設けられている。
ランナ部30Aは、クリップ20がクリップ座10に組み付けられる過程でクリップ20をクリップ座10に対してガイドしてクリップ20の一対の挟持板部21の間にクリップ座10の基板部11が挿入されるのを補助する形状に形成されている。すなわち、ランナ部30Aは、上記の組み付け過程でクリップ座10とクリップ20との位置ズレが生じ難く、その組み付け方向が正しいときにランナ部30Aが所望形状に変形する一方でその組み付け方向が正しくないときはランナ部30Aが所望形状に変形しないように形成されている。
ランナ部30Aは、例えば、クリップ座10とクリップ20との間で上記の挿入を生じさせ易い方向に延びておりその挿入を生じさせ易い部位に設けられている。また、ランナ部30Aは、クリップ座10及びクリップ20に比べて薄肉になるように形成されている。例えば、ランナ部30Aは、その断面形状が内面で平面になりかつ外面で半円形になるように形成されている。
ランナ部30Aは、一対の挟持板部21の間にクリップ座10の基板部11が挿入されるようにクリップ20がクリップ座10に組み付けられる過程で変形する。尚、ランナ部30Aの上記変形は、形状変化が生じればよく、クリップ20とクリップ座10とを連接させたまま折れ曲がり点を挟んで二つに折れ曲がることや、組み付けに伴う押圧力で破断して二つの片に分離することなどを含む。また、ランナ部30Aの上記変形は、変形後の残存部30が、クリップ20の一対の挟持板部21の間にクリップ座10の基板部11が挿入されるのを妨げず、かつ、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた車両用内装品3が車体構造物2に取り付けられる際にその取り付けを妨げないように行われる。
尚、上記の変形が生じ易くなるように、ランナ部30Aは、クリップ20の挿入方向の所定部位の内面に切れ込みなどが形成された易変形部を有することとしてもよい。
また、ランナ部30Aの破断は、クリップ座10側及びクリップ20側の双方に残存部30が残存するように上記中間成形品のランナ部30Aの中間で生じることとしてもよい。この場合、ランナ部30Aの破断は、クリップ座10側に残存部30が比較的多量に残存するようにランナ部30Aのクリップ20寄りで生じることとしてもよいが、クリップ20側に残存部30が比較的多量に残存するようにランナ部30Aのクリップ座10寄りで生じることやそのクリップ座10との境界で生じることとするのが、残存部30がクリップ座10とクリップ20との係合の妨げになるのを回避するうえで好適である。また、この破断が生じ易くなるように、ランナ部30Aは、クリップ20の挿入方向の所定部位に切れ込みなどが形成された易破断部を有することとしてもよい。
クリップ20に残存した残存部30の全部又は一部は、クリップ20がクリップ座10に組み付けられる過程でクリップ座10の凹部15に進入して収容される。このクリップ20側の残存部30は、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた状態ですなわち残存部30が凹部15に収容された状態で、クリップ20におけるクリップ座10への挿入方向の端部からその挿入方向とは逆方向に延びている。すなわち、このクリップ20側の残存部30は、凹部15への収容状態でクリップ20におけるクリップ座10への挿入方向とは逆方向に延びる折返部31を有している。折返部31は、残存部30の終端を含む先端部に設けられている。
尚、折返部31は、クリップ20とクリップ座10との組み付け前は、クリップ20側からクリップ20におけるクリップ座10への挿入方向に延びてクリップ座10に連接されていてよい。この場合、クリップ20側の残存部30は、クリップ20がクリップ座10に挿入されて組み付けられる過程で、クリップ座10から破断して、折返部31の終端でクリップ座10の基板部11の表面に引っ掛かることにより、折返部31がその挿入方向とは逆方向に延びるように変形する。
上記のクリップ構造1は、製造装置50(図6~図8参照)により製造される。製造装置50は、自動的に、車両用内装品3に対してクリップ構造1のクリップ座10、クリップ20、及び残存部30を一体成形しすなわちクリップ座10とクリップ20とを残存部30で連接させた状態で成形し、その後、クリップ20をクリップ座10に組み付ける。製造装置50は、成形型51と、押込装置52と、を備えている。成形型51及び押込装置52は、成形すべきクリップ座10とクリップ20との組ごとに設けられている。
成形型51は、所望形状のクリップ座10、クリップ20、及び残存部30を一体成形するための型である。成形型51は、その実現のために必要な形状や配置,数になるように構成されている。成形型51は、例えば、固定型、固定型に対して挟持板部21に対する基板部11の挿入方向と同一方向にスライドする可動型、その挿入方向と直交する方向にスライドする可動型などを含む。可動型は、移動装置(図示せず)によりスライド移動可能に構成されている。尚、クリップ20の一対の差込板部22の頭頂部外面側は、固定型により成形されても可動型により成形されてもよい。
押込装置52は、クリップ座10とクリップ20と残存部30とが一体成形された後に、クリップ20の一対の挟持板部21の間にクリップ座10の基板部11が挿入されるようにクリップ20をクリップ座10に向けて押し込む装置である。押込装置52は、成形型51に内蔵されるように配置されている。
押込装置52は、押込棒52aを有している。押込棒52aは、先端がクリップ20の頭頂部の外面に当接した状態でそのクリップ20をクリップ座10に向けて押し込む棒材である。押込棒52aの先端部は、クリップ20の頭頂部の外面に当接してクリップ20を押し込むことが可能な形状に形成されている。押込棒52aは、成形型51に開けられた孔51aに収容可能かつ摺動可能に設けられている。押込棒52aは、移動装置(図示せず)により成形型51に対してスライド移動可能に構成されている。押込棒52aは、射出成型が完了するまでは成形型51の孔51a内に収容されており、その射出成形が完了した後は移動装置によりクリップ座10に対するクリップ20の挿入方向へスライド移動して孔51aから突き出る。
次に、製造装置50を用いたクリップ構造1の製造手法について説明する。
まず、図6に示す如く、成形型51が準備されて射出成形可能に型締めされる。かかる状態でゲート4から樹脂が流し込まれることにより、車両用内装品3の本体とクリップ座10とクリップ20とランナ部30Aとが一体成形される。この際、車両用内装品3にクリップ座10とクリップ20とが複数組用意されているときは、それら複数組が一括して成形される。また、この際、クリップ座10とクリップ20とがランナ部30Aを介して連接された状態に成形される。
そして、上記の射出成形が完了すると、次に、図7に示す如く、成形型51の型開きが行われる。成形型51の型開きが行われた場合、クリップ座10とクリップ20との組ごとに、クリップ座10及びクリップ20の周囲にクリップ20をクリップ座10に妨げなく組み付けるうえで必要な空間が形成される。
上記の成形型51の型開きが行われた後は、次に、クリップ座10とクリップ20との組ごとに、図8に示す如く、押込装置52の押込棒52aがクリップ座10に対するクリップ20の挿入方向に沿うようにスライド移動して孔51aから突き出る。押込棒52aが成形型51の孔51aから突き出ると、押込棒52aの先端がクリップ20の頭頂部の外面に当接した状態で押込棒52aがクリップ20をクリップ座10に向けて挿入方向へ押圧する。かかる押圧が行われると、クリップ20の一対の挟持板部21の間にクリップ座10の基板部11が挿入されることで、クリップ座10にクリップ20が組み付けられる。このクリップ座10へのクリップ20の組み付けは、すべての組で略同時に行われる。
上記したクリップ座10へのクリップ20の組み付けは、ランナ部30Aの変形を伴いながら行われる。この際、ランナ部30Aは、変形しながら、クリップ20とクリップ座10との相対移動をガイドすることにより、クリップ20の一対の挟持板部21の間にクリップ座10の基板部11が挿入されるのを補助する。このため、クリップ座10へのクリップ20の組み付けを精度よく行うことができる。
上記したクリップ座10へのクリップ20の組み付けが完了した後は、ランナ部30Aが変形した残存部30が、クリップ座10及びクリップ20のうち少なくともクリップ20に、クリップ座10とクリップ20とが一体成形されていた痕跡として残存する。
このように、クリップ構造1においては、クリップ座10とクリップ20とが残存部30を介して連接した状態に一体成形された後、クリップ20がクリップ座10に押し込まれることにより、残存部30が変形しながらクリップ20がクリップ座10に組み付けられる。
上記のクリップ構造1によれば、クリップ座10とクリップ20とが一体成形されるので、クリップ座10とクリップ20とが別体で成形される構造と比較して、部品総数を削減することができ、クリップ20の取り扱いを容易化することができる。このため、クリップ座10へのクリップ20の組み付け作業に要する工数やコストを低減させることができ、その作業の簡素化を図ることができる。
また、クリップ座10とクリップ20とが成形型51を用いて一体成形された後、その成形型51に収容された押込棒52aを用いてクリップ20がクリップ座10に組み付けられる。この構成では、クリップ座10とクリップ20との一体成形直後に、その中間成形品を取り出すことなくクリップ20をクリップ座10に押し込むことで、クリップ20とクリップ座10とを組み付けることができるので、その一体成形後に中間成形品が取り出される構成と比較して、クリップ20がクリップ座10に組み付けられる前にクリップ20がクリップ座10側から外れて紛失するのを防止することができる。これにより、確実にクリップ20がクリップ座10に組み付けられた車両用内装品を製造することができる。
また、クリップ座10とクリップ20との一体成形は、クリップ座10とクリップ20とがランナ部30Aを介して連接されるように行われ、クリップ座10へのクリップ20の組み付けが完了した状態とは異なるように行われる。すなわち、クリップ20は、クリップ座10と一体成形された状態のまま使用されるものではなく、クリップ座10との一体成形後にランナ部30Aの変形に伴って位置変化されてクリップ座10に組み付けられて使用されるものである。このため、クリップ座10とクリップ20とを一体成形するうえでクリップ20の形状や配置の自由度が規制されることは回避され、その一体成形上での制約が緩和される。
従って、クリップ構造1によれば、クリップ20の形状や配置の自由度を阻害することなくクリップ座10へのクリップ20の組み付け作業の簡素化を図ることができる。
また、車両用内装品3におけるクリップ座10とクリップ20との組数が多数であっても、それらの複数組が一括して成形され、その後、各組でのクリップ座10へのクリップ20の組み付けが略同時に行われる。このため、クリップ座10とクリップ20との組が多数用意された車両用内装品3におけるクリップ座10へのクリップ20の組み付け作業性を向上させることができる。
また、クリップ構造1において、クリップ座10とクリップ20とは、クリップ座10側の係合孔13にクリップ20側の係合部21aが嵌って係合した状態に互いに組み付けられる。この構成においては、クリップ20の一対の挟持板部21がクリップ座10の基板部11を挟み込む付勢力が発生するので、クリップ座10とクリップ20との組み付け状態での密着性を確保することができる。また、係合部21aが係合孔13に嵌って係合するので、クリップ20がクリップ座10からクリップ座10への挿入方向とは逆方向に引き抜かれるのを防止することができる。
また、クリップ構造1において、クリップ座10は、クリップ20に残存する残存部30を収容する凹部15を有している。この構成においては、クリップ20がクリップ座10に組み付けられる過程及び組み付けられた状態で、クリップ20の残存部30がクリップ座10の凹部15に収容される。このため、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた後、クリップ20に残存する残存部30をクリップ座10に対して位置規制することができる。特に、残存部30がクリップ座10に対して挿入方向に直交する方向に移動するのを規制することができる。
従って、クリップ構造1によれば、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた後、位置規制されない残存部30が邪魔をして、例えばクリップ20とクリップ座10との組み付け姿勢や車体構造物2への車両用内装品3の取り付けが適正な状態にならないことなどが生じるのを抑えることができる。
また、クリップ構造1において、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた後、クリップ20に残存する残存部30は、凹部15に収容された状態で、クリップ20におけるクリップ座10への挿入方向の端部側からその挿入方向とは逆方向に延びる折返部31を有している。
この構成においては、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた後、クリップ20にクリップ座10からクリップ座10への挿入方向とは逆方向に引き抜く力が加わっても、残存部30の折返部31の先端が、クリップ座10の凹部15周縁に形成される壁面(特に、クリップ座10へのクリップ20の挿入方向に向いた壁面)に接することにより、その引き抜きが規制される。従って、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた後にそのクリップ20がそのクリップ座10から引き抜かれるのを防止することができる。
また、クリップ構造1において、残存部30は、クリップ20の外縁端部における複数箇所に設けられており、凹部15は、クリップ座10に、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた状態での残存部30の位置に対応して残存部30の数と同じ数だけ設けられている。このため、上記したクリップ座10へのクリップ20の組み付け後におけるクリップ20の引き抜き防止を強化することができる。また、クリップ20側とクリップ座10側との位相ズレによる型抜き方向の制約の低減を図ることができる。
[変形形態]
尚、上記の実施形態においては、残存部30が、クリップ座10及びクリップ20のうち少なくともクリップ20に残存し、かつ、クリップ座10が、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた状態でクリップ20側の残存部30が収容される凹部15を有するものとしている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、残存部30が、クリップ座10及びクリップ20の少なくとも何れかに残存し、その残存部30に対応して、クリップ20及びクリップ座10の少なくとも何れかが、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた状態でその残存部30が収容される凹部を有するものであってよい。
また、この変形形態において、残存部30がクリップ座10に残存しかつ凹部がクリップ20に設けられる構造では、残存部30は、凹部に収容された状態で、クリップ座10におけるクリップ20の挿入方向とは逆方向の端部側からその挿入方向に延びる折返部を有するものとしてもよい。この構成においても、残存部30の折返部によって、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた後にそのクリップ20がそのクリップ座10から引き抜かれるのを防止することができる。
更に、上記の実施形態においては、特にクリップ座10にクリップ20が組み付けられた際にランナ部30Aが破断してクリップ座10とクリップ20との連接が解除される構造では、クリップ20がクリップ座10に組み付けられた車両用内装品3が車体構造物2に取り付けられた後にその取り付けが解除されると、クリップ20がクリップ座10から離れて紛失するおそれがある。
そこで、この変形形態の構成では、クリップ座10及びクリップ20を含む車両用内装品3の成形時にその車両用内装品3に連接させた予備のクリップ20を同時に成形しておくこととしてもよい。この予備のクリップ20は、必要なときに車両用内装品3から引き離されて、紛失したクリップ20に代えてクリップ座10に組み付けられて使用される。
尚、本発明は、上述した実施形態や変形形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を施すことが可能である。
1:クリップ構造、2:車体構造物、3:車両用内装品、10:クリップ座、15:凹部、20:クリップ、30:残存部、30A:ランナ部、31:折返部、50:製造装置、51:成形型、52:押込装置。

Claims (3)

  1. 車両用内装品に設けられるクリップ座と、
    前記クリップ座に挿入されて組み付けられるクリップと、
    成形時に前記クリップ座と前記クリップとを連接させた状態にあり、前記クリップが前記クリップ座に組み付けられる過程で変形することで前記クリップ座と前記クリップとを連接させていた痕跡として前記クリップ及び前記クリップ座の少なくとも何れかに残存する残存部と、
    を備え、
    前記クリップ座及び前記クリップの少なくとも何れかは、前記クリップが前記クリップ座に組み付けられた状態で前記残存部を収容する凹部を有する、クリップ構造。
  2. 前記残存部は、前記クリップに残存し、
    前記凹部は、前記クリップ座に設けられ、
    前記残存部は、前記凹部に収容された状態で、前記クリップにおける前記クリップ座への挿入方向の端部側から前記挿入方向とは逆方向に延びる折返部を有する、請求項1に記載されたクリップ構造。
  3. 前記残存部は、前記クリップの外縁端部における複数箇所に設けられ、
    前記凹部は、前記クリップが前記クリップ座に組み付けられた状態での前記残存部の位置に対応して前記クリップ座に前記残存部の数と同じ数だけ設けられている、請求項1又は2に記載されたクリップ構造。
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