JP2023083195A - 光学素子、光学素子の製造方法 - Google Patents

光学素子、光学素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】部分的に金属層が設けられた光学素子、光学素子の製造方法を提供する。【解決手段】光学素子1は、単位光学形状121が複数並べて配置された光透過性を有する第1光学形状層12を備え、シート状に形成された光学素子であって、単位光学形状121は、シート面に直交する方向に延在する直交面121bと、直交面121bに交差する斜面121aと、を有しており、単位光学形状121には、特定の波長領域の光照射によって特性が変化するフォトクロミック層30が単位光学形状121に沿って積層されており、斜面121aに積層されたフォトクロミック層30の少なくとも一部には、金属層40が設けられている。【選択図】図2

Description

本開示は、光学素子、光学素子の製造方法に関するものである。
パターン状に蒸着層を形成する方法として、マスク露光等により、マスキング層を形成したのち、全面を蒸着し、マスキング層を剥離する等の方法が取られてきた。例えば、特許文献1には、電離放射線の露光により、蒸着されるか、蒸着されないかが変化する層を形成したのち、蒸着することにより、パターン状に蒸着層を形成する方法が示されている。
特開2007-18854号公報
しかし、凹凸を有する形状の場合には、マスク露光等により、部分的に露光することは困難であった。
また、パターン状に無電解メッキ層を形成する方法においても、同様に凹凸を有する形状の場合には、パターンを形成することが難しい。
本開示の課題は、部分的に金属層が設けられた光学素子、光学素子の製造方法を提供することである。
本開示は、以下のような解決手段により、前記課題を解決する。なお、理解を容易にするために、本開示の実施形態に対応する符号を付して説明するが、これに限定されるものではない。
第1の発明は、単位光学形状(121)が複数並べて配置された光透過性を有する第1光学形状層(12)を備え、シート状に形成された光学素子(1、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H)であって、前記単位光学形状(121)は、シート面に直交する方向に延在する直交面(121b)と、前記直交面(121b)に交差する斜面(121a)と、を有しており、前記単位光学形状(121)には、特定の波長領域の光照射によって特性が変化するフォトクロミック層(30)が前記単位光学形状(121)に沿って積層されており、前記斜面(121a)に積層された前記フォトクロミック層(30)の少なくとも一部には、金属層(40、40B、40C、40D)が設けられている光学素子(1、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H)である。
第2の発明は、第1の発明に記載の光学素子(1、1D、1E、1H)において、前記金属層(40)は、遮光層であること、を特徴とする光学素子(1、1D、1E、1H)である。
第3の発明は、第1の発明に記載の光学素子(1B、1C、1F、1G)において、前記金属層(40B、40C、40D)は、反射層であること、を特徴とする光学素子(1B、1C、1F、1G)である。
第4の発明は、第3の発明に記載の光学素子(1B、1F)において、前記斜面(121a)は、粗面であり、前記斜面(121a)上の前記フォトクロミック層(30)及び前記金属層(40B)は、前記斜面(121a)の粗面に沿った粗面であること、を特徴とする光学素子(1B、1F)である。
第5の発明は、第3の発明に記載の光学素子(1C、1G)において、前記斜面(121a)は、平滑面であり、前記斜面(121a)上の前記フォトクロミック層(30)及び前記金属層(40C)は、前記斜面(121a)の平滑面に沿った平滑面であり、光を拡散する拡散層(11C)を有すること、を特徴とする光学素子(1C、1G)である。
第6の発明は、第1の発明から第5の発明までのいずれかに記載の光学素子(1D、1H)において、前記フォトクロミック層(30)と前記金属層(40D)との間に、無電解メッキ触媒層(50)が設けられていること、を特徴とする光学素子(1D、1H)である。
第7の発明は、シート面に直交する方向に延在する直交面(121b)と、前記直交面(121b)に交差する斜面(121a)と、を有する単位光学形状(121)が複数並べて配置された第1光学形状層(12)を形成する第1光学形状層形成工程と、前記第1光学形状層(12)の前記単位光学形状(121)を有する面に、特定の波長領域の光照射によって特性が変化するフォトクロミック層(30)を形成するフォトクロミック層形成工程と、前記第1光学形状層(12)の前記単位光学形状(121)とは反対側の面から光を前記直交面(121b)に到達しない又は到達しにくい角度で前記単位光学形状(121)の内部へ照射し、前記斜面(121a)に到達させて、前記斜面(121a)上の前記フォトクロミック層(30)の特性を変化させる光照射工程と、前記斜面(121a)に金属層(40、40B、40C、40D)を形成する金属層形成工程と、を備える光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法である。
第8の発明は、請求項7に記載の光学素子(1、1B、1C)の製造方法において、前記フォトクロミック層(30)は、特定の波長領域の光照射により金属蒸着不可能な状態から金属蒸着可能な状態に変化する材料により形成されており、前記光照射工程によって前記直交面(121b)は金属蒸着不可能な状態を維持し、かつ、前記斜面(121a)を金属蒸着不可能な状態に変化させ、前記金属層形成工程では、前記金属層(40、40B、40C)となる金属を前記斜面(121a)に蒸着処理を行い前記斜面(121a)に前記金属層(40、40B、40C)を形成すること、を特徴とする光学素子(1、1B、1C)の製造方法である。
第9の発明は、第7の発明に記載の光学素子(1D)の製造方法において、前記フォトクロミック層(30)は、特定の波長領域の光照射により特性が疎水性から親水性に変化する材料により形成されており、前記光照射工程によって前記直交面(121b)は疎水性を維持し、かつ、前記斜面(121a)を親水性に変化させ、前記光照射工程と前記金属層形成工程との間において、前記フォトクロミック層(30)に無電解メッキの触媒材料を塗布し、親水性に変化した前記フォトクロミック層(30)の上に無電解メッキ触媒層(50)を形成する無電解メッキ触媒層形成工程を備え、前記金属層形成工程では、前記無電解メッキ触媒層(50)の上に無電解メッキ処理を行い無電解メッキ層を前記金属層(40D)として形成すること、を特徴とする光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法である。
第10の発明は、第7の発明から第9の発明までのいずれかに記載の光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法において、前記光照射工程の前に、前記特定の波長領域の光照射とは異なる波長領域の光を前記フォトクロミック層(30)の全体に照射する初期照射工程を備えること、を特徴とする光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法である。
第11の発明は、第7の発明から第10の発明までのいずれかに記載の光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法において、前記光照射工程の前に、前記単位光学形状(121)が設けられている側に、前記単位光学形状(121)による凹凸の谷部を充填するように前記フォトクロミック層(30)よりも屈折率の低い液体(41)を充填する液体充填工程を備えること、を特徴とする光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法である。
第12の発明は、第11の発明に記載の光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法において、前記液体充填工程の前に、前記単位光学形状(121)が設けられている側に、前記単位光学形状(121)による凹凸形状の逆形状又は逆形状に近い形状を有する補助部材(43)を前記単位光学形状(121)の凹凸形状から隙間を空けて配置し、前記液体充填工程では、前記隙間に前記液体(41)を充填すること、を特徴とする光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法である。
第13の発明は、第11の発明又は第12の発明に記載の光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法において、前記液体(44)は、未硬化の樹脂であり、前記光照射工程の後に前記液体(44)を硬化させて除去すること、を特徴とする光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法である。
第14の発明は、第7の発明から第10の発明までのいずれかに記載の光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法において、前記光照射工程の前に、前記単位光学形状(121)が設けられている側に、前記単位光学形状(121)による凹凸形状の谷部を充填するように硬化後に前記フォトクロミック層よりも屈折率が低くなる未硬化の樹脂である液体(45)を充填する液体充填工程と、前記液体充填工程の後に前記液体(45)を硬化させる硬化工程と、を備え、前記光照射工程の後に前記液体(45)が硬化した樹脂を除去すること、を特徴とする光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法である。
第15の発明は、第7の発明から第10の発明までのいずれかに記載の光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法において、前記光照射工程の前に、前記単位光学形状(121)が設けられている側に、前記単位光学形状(121)による凹凸形状の逆形状を有し、前記フォトクロミック層よりも屈折率の低い密着部材(46)を前記単位光学形状(121)の凹凸形状に光学密着させる光学密着工程を備えること、を特徴とする光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法である。
第16の発明は、第7の発明から第15の発明までのいずれかに記載の光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法において、前記金属層(40、40B、40C、40D)が設けられている側に、前記単位光学形状(121)による凹凸の谷部を充填するように第2光学形状層(22)を形成する第2光学形状層形成工程を備えること、を特徴とする光学素子(1、1B、1C、1D)の製造方法である。
第17の開示は、シート面に直交する方向に延在する直交面(121b)と、前記直交面(121b)に交差する斜面(121a)と、を有する単位光学形状(121)が複数並べて配置された第1光学形状層(12)を形成する第1光学形状層形成工程と、前記第1光学形状層(12)の前記単位光学形状(121)を有する面に、特定の波長領域の光照射によって特性が変化するフォトクロミック層(30)を形成するフォトクロミック層形成工程と、前記直交面(121b)に光が到達しないように部分的に遮光する遮光パターン(201)を有するマスクを介して、前記第1光学形状層(12)の前記単位光学形状(121)とは反対側の面から光を前記単位光学形状(121)の内部へ照射し、前記斜面(121a)に到達させて、前記斜面(121a)上の前記フォトクロミック層(30)の特性を変化させる光照射工程と、前記斜面(121a)に金属層(40、40B、40C、40D)を形成する金属層形成工程と、を備える光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法である。
第18の開示は、第17の開示に記載の光学素子(1E、1F、1G)の製造方法において、前記フォトクロミック層(30)は、特定の波長領域の光照射により金属蒸着不可能な状態から金属蒸着可能な状態に変化する材料により形成されており、前記光照射工程によって前記直交面(121b)は金属蒸着不可能な状態を維持し、かつ、前記斜面(121a)を金属蒸着不可能な状態に変化させ、前記金属層形成工程では、前記金属層(40、40B、40C)となる金属を前記斜面(121a)に蒸着処理を行い前記斜面(121a)に前記金属層(40、40B、40C)を形成すること、を特徴とする光学素子(1E、1F、1G)の製造方法である。
第19の開示は、第17の開示に記載の光学素子(1H)の製造方法において、前記フォトクロミック層(30)は、特定の波長領域の光照射により特性が疎水性から親水性に変化する材料により形成されており、前記光照射工程によって前記直交面(121b)は疎水性を維持し、かつ、前記斜面(121a)を親水性に変化させ、前記光照射工程と前記金属層形成工程との間において、前記フォトクロミック層(30)に無電解メッキの触媒材料を塗布し、親水性に変化した前記フォトクロミック層(30)の上に無電解メッキ触媒層(50)を形成する無電解メッキ触媒層形成工程を備え、前記金属層形成工程では、前記無電解メッキ触媒層(50)の上に無電解メッキ処理を行い無電解メッキ層を前記金属層(40D)として形成すること、を特徴とする光学素子(1H)の製造方法である。
第20の開示は、第17の開示から第19の開示までのいずれかに記載の光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法において、前記光照射工程の前に、前記特定の波長領域の光照射とは異なる波長領域の光を前記フォトクロミック層(30)の全体に照射する初期照射工程を備えること、を特徴とする光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法である。
第21の開示は、第17の開示から第20の開示までのいずれかに記載の光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法において、前記光照射工程の前に、前記単位光学形状(121)が設けられている側に、前記単位光学形状(121)による凹凸形状の谷部を充填するように前記フォトクロミック層(30)との屈折率差が0.01以下である液体(47)を充填する液体充填工程を備えること、を特徴とする光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法である。
第22の開示は、第21の開示に記載の光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法において、前記液体充填工程の前に、前記単位光学形状(121)が設けられている側に、前記単位光学形状(121)による凹凸形状の逆形状又は逆形状に近い形状を有する補助部材(43)を前記フォトクロミック層(30)から隙間を空けて配置し、前記液体充填工程では、前記隙間に前記液体(47)を充填すること、を特徴とする光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法である。
第23の開示は、第21の開示又は第22の開示に記載の光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法において、前記液体(48)は、未硬化の樹脂であり、前記光照射工程の後に前記液体を硬化させて除去すること、を特徴とする光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法である。
第24の開示は、第17の開示から第20の開示までのいずれかに記載の光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法において、前記光照射工程の前に、前記単位光学形状(121)が設けられている側に、前記単位光学形状(121)による凹凸形状の谷部を充填するように硬化後に前記フォトクロミック層(30)と屈折率が同じになる未硬化の樹脂である液体(49)を充填する液体充填工程と、前記液体充填工程の後に前記液体(49)を硬化させる硬化工程と、を備え、前記光照射工程の後に前記液体が硬化した樹脂を除去すること、を特徴とする光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法である。
第25の開示は、第17の開示から第20の開示までのいずれかに記載の光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法において、前記光照射工程の前に、前記単位光学形状(121)が設けられている側に、前記単位光学形状(121)による凹凸形状の逆形状を有し、前記フォトクロミック層(30)と屈折率が同じ密着部材(51)を前記フォトクロミック層(30)に光学密着させる光学密着工程を備えること、を特徴とする光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法である。
第26の開示は、第17の開示から第25の開示までのいずれかに記載の光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法において、前記金属層(40、40B、40C、40D)が設けられている側に、前記単位光学形状(121)による凹凸の谷部を充填するように第2光学形状層(22)を形成する第2光学形状層形成工程を備えること、を特徴とする光学素子(1E、1F、1G、1H)の製造方法である。
本開示によれば、部分的に金属層が設けられた光学素子、光学素子の製造方法を提供することができる。
第1実施形態の光学素子1の正面図である。 図1中の矢印A-Aの位置で光学素子1を切断した断面の一部を示す図である。 第1光学形状層形成工程によって第1光学形状層12を作製した状態を示す図である。 フォトクロミック層形成工程によってフォトクロミック層30を形成した状態を示す図である。 液体充填工程によって低屈折率液体41が充填された状態を示す図である。 光照射工程を説明する図である。 第1実施形態の金属層形成工程によって金属層40が形成された状態を示す図である。 第2実施形態の光学素子1Bの正面図である。 図8中の矢印B-Bの位置で光学素子1Bを切断した断面の一部を示す図である。 図9中の範囲Eを拡大した図である。 第2実施形態の図9と同様な位置で第3実施形態の光学素子1Cを切断した断面の一部を示す図である。 第2実施形態の図9と同様な位置で第4実施形態の光学素子1Dを切断した断面の一部を示す図である。 無電解メッキ触媒層形成工程によって無電解メッキ触媒層50が形成された状態を示す図である。 金属層形成工程によって金属層40Dが形成された状態を示す図である。 第1光学形状層形成工程によって第1光学形状層12を作製し、かつ、マスクシート200を用意した状態を示す図である。 マスクシート200を第1基材層11に密着させた状態を示す図である。 フォトクロミック層形成工程によってフォトクロミック層30を形成した状態を示す図である。 液体充填工程によって同一屈折率液体47が充填された状態を示す図である。 光照射工程を説明する図である。 第5実施形態の金属層形成工程によって金属層40が形成された状態を示す図である。 第5実施形態の光学素子1Eを示す断面図である。 第6実施形態の光学素子1Fを第2実施形態の図9と同様な位置で切断した断面図である。 第6実施形態の図22と同様な位置で第7実施形態の光学素子1Gを切断した断面の一部を示す図である。 第5実施形態の図21と同様な位置で第8実施形態の光学素子1Hを切断した断面の一部を示す図である。 無電解メッキ触媒層形成工程によって無電解メッキ触媒層50が形成された状態を示す図である。 金属層形成工程によって金属層40Dが形成された状態を示す図である。 補助部材43を用いて、充填する低屈折率液体41又は同一屈折率液体47を減らす形態を示す図である。 液体充填工程において未硬化の樹脂である低屈折率液体44又は同一屈折率液体48を用いる形態を示す図である。 硬化後に前記フォトクロミック層よりも屈折率が低くなる未硬化の樹脂である液体、又は、硬化後に前記フォトクロミック層と屈折率が同じになる未硬化の樹脂である液体を充填する形態を示す図である。 光学密着工程を行う形態を示す図である。
以下、本開示を実施するための最良の形態について図面等を参照して説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態の光学素子1の正面図である。
図2は、図1中の矢印A-Aの位置で光学素子1を切断した断面の一部を示す図である。
なお、図1を含め、以下に示す各図は、模式的に示した図であり、各部の大きさ、形状は、理解を容易にするために、適宜誇張したり、省略したりして示している。
また、以下の説明では、具体的な数値、形状、材料等を示して説明を行うが、これらは、適宜変更することができる。
本明細書において、形状や幾何学的条件を特定する用語、例えば、平行や直交等の用語については、厳密に意味するところに加え、同様の光学的機能を奏し、平行や直交と見なせる程度の誤差を有する状態も含むものとする。
本明細書において、板、シート、フィルム等の言葉を使用しているが、これらは、一般的な使い方として、厚さの厚い順に、板、シート、フィルムの順で使用されており、本明細書中でもそれに倣って使用している。しかし、このような使い分けには、技術的な意味は無いので、これらの文言は、適宜置き換えることができるものとする。
本明細書中において、シート面とは、各シートにおいて、そのシート全体として見たときにおける、シートの平面方向となる面を示すものであるとする。なお、板面、フィルム面に関しても同様であるとする。
また、本開示において透明とは、少なくとも利用する波長の光を透過するものをいう。例えば、仮に可視光を透過しないものであっても、赤外線を透過するものであれば、赤外線用途に用いる場合においては、透明として取り扱うものとする。
なお、本明細書及び特許請求の範囲において規定する具体的な数値には、一般的な誤差範囲は含むものとして扱うべきものである。すなわち、±10%程度の差異は、実質的には違いがないものであって、本件の数値範囲をわずかに超えた範囲に数値が設定されているものは、実質的には、本件発明の範囲内のものと解釈すべきである。
また、図中には、説明の便宜のためX、Y、Zの直交座標を設け、以下の説明ではこの座標を用いて各部の向き等の説明を行う。
光学素子1は、特定範囲の方向から入射する光を透過し、他の範囲の方向から入射する光を遮蔽する機能を備えたシート状の素子である。
光学素子1は、図2に示すように、厚み方向(Z方向)において、-Z側から順に、第1基材層11と、第1光学形状層12と、フォトクロミック層30と、金属層40と、第2光学形状層22と、第2基材層21とを備えている。
第1基材層11は、光透過性を有するシート状の部材であり、その一方の面側(+Z側)に、第1光学形状層12が一体に形成されている。この第1基材層11は、第1光学形状層12を形成する基材(ベース)となる層である。なお、第1基材層11は、板状の部材であってもよいし、フィルム状の部材であってもよい。
第1基材層11は、例えば、高い光透過性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)等のポリエステル樹脂、アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル・スチレン樹脂、PC(ポリカーボネート)樹脂、脂環式ポリオレフィン樹脂、TAC(トリアセチルセルロース)樹脂等により形成される。
第1光学形状層12は、第1基材層11の+Z側に形成された光透過性を有する層である。第1光学形状層12の+Z側の面には、単位光学形状121が複数並べて設けられている。
単位光学形状121は、図2に示す断面形状を維持したまま図1に示すように、X方向に直線状に延在している。
単位光学形状121は、図2に示すように、シート面に直交する方向(Z方向)に平行であって、単位光学形状121の配列方向に平行な断面において、略三角形形状(楔状)の断面形状となっている。
単位光学形状121は、+Z側に凸であり、斜面121aと、これに交差し、シート面に直交する方向に延在する直交面121bとを有している。
直交面121bと斜面121aとがなす角θ1は、所望の光学特性に合わせて適宜設定可能であるが、後述する露光工程において斜面121aに適切に光を照射するために、θ1は、10°以上、30°以下であることが望ましい。本実施形態では、θ1=15°とした。
直交面121bは、シート面に直交するので、シート面となす角θ2=90°である。
本実施形態の斜面121a及び直交面121bは、平滑面として構成したが、微細な凹凸形状を有する粗面としてもよい。
第1光学形状層12は、光透過性の高いウレタンアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、エポキシアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリチオール系、ブタジエンアクリレート系等の紫外線硬化型樹脂により形成されている。
なお、本実施形態では、第1光学形状層12を構成する樹脂として、紫外線硬化型樹脂を例に挙げて説明するが、これに限らず、例えば、電子線硬化型樹脂等の他の電離放射線硬化型樹脂により形成してもよい。
第1基材層11の屈折率n11と第1光学形状層12の屈折率n12とは、同じであるか、両者の屈折率差が0.01以下であることが望ましい。本実施形態では、第1基材層11の屈折率n11=1.57、第1光学形状層12の屈折率n12=1.57とした。
フォトクロミック層30は、単位光学形状121に沿って薄膜状に積層されており、特定の波長領域の光照射によって特性が変化する層である。より具体的には、本実施形態のフォトクロミック層30は、1、2-ジアリールエテンを塗布して乾燥させたものである。また、本実施形態のフォトクロミック層30は、1、2-ジアリールエテンに波長が300~400nmの光を照射すると、蒸着する金属が付着可能な状態(金属蒸着可能な状態)となり、波長が500~600nmの光を照射すると、蒸着する金属が付着しない状態(金属蒸着不可能な状態)となる特性を利用する。
フォトクロミック層30の層厚は、0.1μm以上、10μm以下とすることが望ましい。
また、フォトクロミック層30の屈折率n30と第1光学形状層12の屈折率n12とは、同じであるか、両者の屈折率差が0.01以下であることが望ましい。本実施形態では、フォトクロミック層30の屈折率n30=1.57であり、第1光学形状層12の屈折率n12と同じである。
なお、本明細書中では、「フォトクロミック」との文言は、光照射によって何らかの特性が変化することを表すものとし、光照射によって色変化(透過スペクトルの変化)が生じることを要するものではない。また、上述したフォトクロミック層30の例では、可逆性のフォトクロミック特性を有しているが、不可逆性のフォトクロミック特性であってもよい。光照射により特性が変化する技術が記載されているものとして、高分子学会編集、“フォトクロミズム”共立出版、p.28 (2012)がある。
金属層40は、斜面121aに積層されたフォトクロミック層30上の+Z側の先端付近を除く略全面に薄膜状に形成されている。また、金属層40は、直交面121bに積層されたフォトクロミック層30上には、設けられていない。
本実施形態の金属層40は、黒化処理されて黒色になったマグネシウムにより形成されており、光を遮光する遮光層として機能する。なお、金属層40としては、マグネシウムに限らず、銅、亜鉛等を用いてもよい。
第2光学形状層22は、第1光学形状層12の+Z側に設けられた光透過性を有する層である。
第2光学形状層22は、単位光学形状121間の谷部を埋めるように充填され、第1光学形状層12の+Z側の面を平坦化している。この第2光学形状層22の-Z側の面は、第1光学形状層12の単位光学形状121の略逆型の形状が複数配列されて形成されている。
このような第2光学形状層22を設けることにより、金属層40を保護することができる。また、このような第2光学形状層22を設けることにより、光学素子1の+Z側に、第2基材層21等の他の層を積層しやすくなる。
第2光学形状層22の屈折率n22とフォトクロミック層30の屈折率n30とは、同じであるか、両者の屈折率差が0.01以下であることが望ましい。本実施形態では、第2光学形状層22の屈折率n22=1.57であり、フォトクロミック層30の屈折率n30=1.57と同じである。
第2光学形状層22は、前述の第1光学形状層12と同じ樹脂を用いて形成してもよいし、異なる樹脂を用いて形成してもよい。
本実施形態の第2光学形状層22は、第1光学形状層12と同じ紫外線硬化型樹脂により形成されている。
第2基材層21は、第2光学形状層22の+Z側に形成された光透過性を有する層であり、この光学素子1の+Z側を保護する機能を有している。
第2基材層21は、光透過性の高い樹脂製のシート状の部材が用いられる。第2基材層21は、例えば、前述の第1基材層11と同様の材料を用いて形成されたシート状の部材を用いてもよい。なお、第2基材層21は、省略してもよい。
次に、本実施形態の光学素子1の製造方法について説明する。
先ず、第1光学形状層12を作製する(第1光学形状層形成工程)。
図3は、第1光学形状層形成工程によって第1光学形状層12を作製した状態を示す図である。
第1光学形状層12は、第1基材層11の一方の面上に、未硬化の紫外線硬化型樹脂を塗布して別途用意した成形型に第1基材層11とともに押圧した状態で紫外線を照射して硬化させることにより形成される。
第1光学形状層12を作製したら、次に、第1光学形状層12の上に、フォトクロミック層30を形成する(フォトクロミック層形成工程)。
図4は、フォトクロミック層形成工程によってフォトクロミック層30を形成した状態を示す図である。
フォトクロミック層30は、例えば、蒸着法、スピンコート法、スリットコート法等により形成することができる。
なお、フォトクロミック層30は、乾燥直後は、金属蒸着不可能な状態であるが、波長が300~400nmの光が当たっていることが否定できない場合も想定される。そのような場合には、光照射工程の直前に、波長が500~600nmの光をフォトクロミック層30に十分に照射し(初期照射工程)、金属蒸着不可能な状態を確実にしておくとよい。
次に、単位光学形状121が設けられている側に、単位光学形状121による凹凸の谷部を充填するようにフォトクロミック層30よりも屈折率の低い液体を充填する(液体充填工程)。
図5は、液体充填工程によって低屈折率液体41が充填された状態を示す図である。
本実施形態では、低屈折率液体41の上に低屈折率液体41が漏れるのを防ぐために蓋層42を配置する。
低屈折率液体41としては、フォトクロミック層30よりも僅かに屈折率が低く、フォトクロミック層30の屈折率n30と低屈折率液体41の屈折率n41との差が1.0以下である液体が望ましい。低屈折率液体41としては、例えば、イマージョンオイル、ウレタンアクリレート樹脂等を用いることができ、本実施形態では、屈折率n41=1.52のイマージョンオイルを用いている。
また、蓋層42としては、例えば、ガラス、アクリル樹脂等を用いることができ、本実施形態では、アクリル樹脂を用いている。
次に、単位光学形状121の斜面121aのみに特定波長の光を照射する(光照射工程)。
図6は、光照射工程を説明する図である。
光照射工程では、第1光学形状層12の単位光学形状121とは反対側の面から光を直交面121bに到達しない又は到達しにくい角度で単位光学形状121の内部へ照射する。そして、照射した光を斜面121aに到達させて、光が到達した斜面121a上のフォトクロミック層30の特性を変化させる。本実施形態の光照射工程では、波長が300~400nmの光を照射して、斜面121a上のフォトクロミック層30を金属蒸着不可能な状態から金属蒸着可能な状態へと変化させる。
また、低屈折率液体41を充填しない状態で光を照射すると、照射した光が斜面121aにおいて全反射して直交面121bに到達するが、低屈折率液体41を充填することにより照射した光が斜面121aにおいて全反射することを防いでいる。
本実施形態では、図6に示すように3°の入射角で進む波長が300~400nmの平行光を照射して、図6中に示すような光路によって4°の出射角で出射する。そして、図6に示すように入射した光は、斜面121a上に設けられたフォトクロミック層30を通過するが、直交面121b上に設けられたフォトクロミック層30には到達しない。よって、斜面121aの上に設けられたフォトクロミック層30のみが金属蒸着不可能な状態から金属蒸着可能な状態へと変化し、直交面121bの上に設けられたフォトクロミック層30は、金属蒸着不可能な状態を維持する。
次に、低屈折率液体41及び蓋層42を除去し、洗浄、及び、乾燥を行った後に、金属蒸着処理を行い金属層40の形成を行う(金属層形成工程)。
図7は、第1実施形態の金属層形成工程によって金属層40が形成された状態を示す図である。
先の光照射工程によって、斜面121aの上に設けられたフォトクロミック層30のみが金属蒸着不可能な状態から金属蒸着可能な状態へと変化し、直交面121bの上に設けられたフォトクロミック層30は、金属蒸着不可能な状態を維持している。したがって、金属蒸着可能な状態へと変化した斜面121aの上に設けられたフォトクロミック層30にのみ金属層40が形成される。
先に説明したように、本実施形態では、金属層40は、マグネシウムを用いており、金属層形成工程では、マグネシウムを蒸着させる。また、蒸着後のマグネシウムは、黒化処理を行い、黒色に変色させる。
次に、単位光学形状121間の谷部を埋めるように第2光学形状層22となる紫外線硬化型樹脂を充填し、第2基材層21をさらに設ける。そして、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させて第2光学形状層を形成する(第2光学形状層形成工程)ことにより、図1及び図2に示した光学素子1が完成する。
以上説明したように、第1実施形態によれば、従来は作製が困難であった斜面121aのみに金属層40を有する光学素子1を、簡単に作製することができる。
また、完成した光学素子1は、内部にシート面に対して傾斜した金属層40が間隔を空けて配列されている。そして、金属層40は黒化処理されていることから光を遮る効果を有する。よって、特定の方向からの光のみを透過して、他の方向からの光の大部分を遮光するブラインドのような効果を得られる。また、この光学素子1は、ブラインドのように破損したり、塵埃等が堆積したりすることを防止することができ、使い勝手がよい。
(第2実施形態)
図8は、第2実施形態の光学素子1Bの正面図である。
図9は、図8中の矢印B-Bの位置で光学素子1Bを切断した断面の一部を示す図である。
第2実施形態の光学素子1Bは、図9に示すように映像源LSによって斜め下方から照射される映像光を反射して観察者O1が観察可能に出射する透過型スクリーンである点で、第1実施形態の光学素子1と異なっている。また、第2実施形態の光学素子1Bは、図9に示す断面形状は、第1実施形態の光学素子1と略同様であるが、正面からみた形態において単位光学形状121及び金属層40Bの配列形態が第1実施形態の光学素子1と異なっている。また、第2実施形態の光学素子1Bは、斜面121a及び金属層40Bの形態が第1実施形態の光学素子1と異なっているが、上記以外の部分については、第1実施形態の光学素子1と略同様である。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第2実施形態の単位光学形状121及び金属層40Bは、図8に示すように、真円の一部形状(円弧状)であり、光学素子1Bの範囲外に位置する点Cを中心として、同心円状に複数配列されている。
本実施形態では、図8に示すように、第1光学形状層12を正面側(+Z側)から見たときに、点Cは、光学素子1Bの左右方向(X方向)の中央であって光学素子1Bの範囲外の下方(-Y側)に位置しており、点Cと点Dとは、Y方向に平行な同一直線上に位置している。なお、点Dは、光学素子1Bの上下左右方向の中心位置(対角線の交点)である。
第2実施形態の第1光学形状層12は、正面から見た形状が第1実施形態と異なる点に加えて、斜面121aの粗さが異なっている。
図10は、図9中の範囲Eを拡大した図である。
第2実施形態では、斜面121aは、微細かつ不規則な凹凸形状が形成されて粗面(マット面)として形成されている。この微細な凹凸形状は、凸形状と凹形状とが2次元方向(斜面121aの面内方向)に不規則に配列されて形成されており、凸形状及び凹形状は、その大きさや形状、高さ等が不規則である。
また、斜面121aに微細な凹凸形状が形成されていることから、フォトクロミック層30及び金属層40Bについても、この微細な凹凸形状に追従して形成される。そして、単位光学形状121側とは反対側の面にも、この微細かつ不規則な凹凸形状が維持された状態でフォトクロミック層30及び金属層40Bは、成膜されている。
第2実施形態の金属層40Bは、第1実施形態とは異なり、映像光を反射する反射層として設けられている。そのため、金属層40Bは、光反射性の高い金属、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等により形成され、その厚さは、数10Å程度である。
金属層40Bの反射率及び透過率は、所望する光学性能に合わせて適宜に設定できるが、映像光を良好に反射させるとともに、映像光以外の光(例えば、太陽光等の外界からの光)を良好に透過させる観点から、例えば、透過率が30~80%程度、反射率が5~60%程度の範囲とすることができる。なお、上記透過率を含めて、以下に示す各層の透過率に関する数値は、空気界面における反射については考慮していない値を示している。
本実施形態で金属を用いて構成した金属層40Bは、アルミニウムを蒸着することにより形成されており、金属層40Bのみでの透過率が約70%、反射率が約5%、吸収率が約25%のハーフミラー状である。
第2実施形態の光学素子1Bの製造方法は、第1光学形状層形成工程において斜面121aに微細な凹凸形状を形成する点で、第1実施形態の光学素子1の製造方法と異なる。微細な凹凸形状は、成形型において予め形状を設けてもよいし、成形後に表面を荒らしてもよい。
また、第2実施形態の光学素子1Bの製造方法は、金属層形成工程において金属層40Bに用いる金属の種類が異なる点で、第1実施形態の光学素子1の製造方法と異なる。第2実施形態の金属層形成工程では、当然であるが、アルミニウムを斜面121aに蒸着する。
第2実施形態の光学素子1Bの製造方法は、上記の相違点の他は、第1実施形態の光学素子1と略同様な製造工程によって作製することができる。
第2実施形態によれば、透過型スクリーンとして用いることができる光学素子1Bを簡単に製造することができる。製造された光学素子1Bは、金属層40Bがハーフミラー状であることから、観察側(-Z側)、映像源側(+Z側)のどちらから見ても、光学素子1Bを透過してその奥側(例えば、-Z側から見たときは+Z側の景色等)を観察することができる。
また、映像光を映像源側(+Z側)から映像源LSによって投影すると、映像光は金属層40Bの凹凸形状によって適度に拡散反射されて観察者O1に届き、観察者O1は、映像を観察可能である。
(第3実施形態)
図11は、第2実施形態の図9と同様な位置で第3実施形態の光学素子1Cを切断した断面の一部を示す図である。
第3実施形態の光学素子1Cは、第1基材層11Cの形態と、斜面121a及び金属層40Cの形態が第2実施形態の光学素子1Bと異なっているが、その他の部分については、第2実施形態の光学素子1Bと略同様である。よって、前述した第2実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第3実施形態の第1基材層11Cは、第1実施形態と同様な樹脂素材に、光拡散剤を含んでおり、拡散層として構成されている。
また、第3実施形態では、斜面121aは平滑面(鏡面)として構成される。よって、フォトクロミック層30及び金属層40Cも斜面121aに倣って平滑面として構成される。
第3実施形態によれば、斜面に凹凸形状を設ける必要がないので、さらに製造を容易にすることができる。
また、映像光を映像源側(+Z側)から映像源LSによって投影すると、映像光は金属層40Cで鏡面反射された後、第1基材層11Cによって適度に拡散反射されて観察者O1に届き、観察者O1は、映像を観察可能である。
(第4実施形態)
図12は、第1実施形態の図2と同様な位置で第4実施形態の光学素子1Dを切断した断面の一部を示す図である。
第4実施形態の光学素子1Dは、無電解メッキ触媒層50を備える点で、第1実施形態の光学素子1と異なっている。また、第4実施形態のフォトクロミック層30は、第1実施形態と同様に、1、2-ジアリールエテンを塗布して乾燥させたものであるが、利用する特性が第1実施形態と異なっている。よって、前述した第1実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第4実施形態の光学素子1Dは、フォトクロミック層30と金属層40Dとの間に、無電解メッキ触媒層50を備えている。無電解メッキ触媒層50は、斜面121aに積層されたフォトクロミック層30上の+Z側の先端付近を除く略全面に薄膜状に形成されておれている。また、無電解メッキ触媒層50は、直交面121bに積層されたフォトクロミック層30上には、設けられていない。
無電解メッキ触媒層50としては、例えば、塩化パラジウム触媒、パラジウム/スズコロイド触媒、銀ナノ粒子触媒等を用いることができる。
金属層40Dは、斜面121aに積層された無電解メッキ触媒層50上に薄膜状に形成されている。また、金属層40Dは、直交面121bに積層されたフォトクロミック層30上には、設けられていない。
第4実施形態の金属層40Dは、例えば、銅、ニッケル等を用いて形成することができるが、その形成方法が第1実施形態の金属層40と異なる。
次に、第4実施形態の光学素子1Dの製造方法について説明する。
第4実施形態の光学素子1Dの製造工程は、低屈折率液体41を充填するまでの、第1光学形状層形成工程、フォトクロミック層形成工程、液体充填工程は、第2実施形態と同様である(図3、図4、図5参照)。
次に、単位光学形状121の斜面121aのみに特定波長の光を照射する(光照射工程)。
この光照射工程も、第1実施形態と略同様に行われるが、照射する光の波長が第1実施形態と異なっている。
第4実施形態のフォトクロミック層30は、他の実施形態と同様に、1、2-ジアリールエテンを塗布して乾燥させたものであるが、乾燥直後は、親水性である。本実施形態のフォトクロミック層30は、紫外光(波長:100~400nm)を照射すると疎水性になり、可視光(波長:400~750nm)を照射すると親水性になる性質を有している。
そこで、光照射工程を行う前に、フォトクロミック層30の全体に紫外光(波長:100~400nm)を照射して、フォトクロミック層30の全体を疎水性としておく(初期照射工程)。
次に、第1光学形状層12の単位光学形状121とは反対側の面から光を直交面121bに到達しない又は到達しにくい角度で単位光学形状121の内部へ照射する(図6参照)。そして、照射した光を斜面121aに到達させて、斜面121a上のフォトクロミック層30の特性を変化させる。本実施形態の光照射工程では、波長が400~750nmの可視光を照射して、斜面121a上のフォトクロミック層30を疎水性から親水性に変化させる。
次に、低屈折率液体41及び蓋層42を除去し、洗浄、及び、乾燥を行った後に、無電解メッキ触媒層50の形成を行う(無電解メッキ触媒層形成工程)。
図13は、無電解メッキ触媒層形成工程によって無電解メッキ触媒層50が形成された状態を示す図である。
先の光照射工程によって、斜面121aの上に設けられたフォトクロミック層30のみが疎水性の状態から親水性の状態へと変化し、直交面121bの上に設けられたフォトクロミック層30は、疎水性の状態を維持している。したがって、疎水性の状態の直交面121bでは、無電解メッキの触媒材料を塗布しても、はじかれて無電解メッキの触媒材料が付着しない。よって、図13に示すように斜面121aの上に設けられたフォトクロミック層30上にのみ無電解メッキ触媒層50が形成される。
無電解メッキ触媒層形成工程では、例えば、フォトクロミック層30を無電解メッキの触媒材料に浸漬してもよいし、スリットコート、スピンコート等により無電解メッキの触媒材料をフォトクロミック層30上に塗布してもよい。
次に、無電解メッキ触媒層50上に金属層40Dを形成する(金属層形成工程)。具体的には、ニッケルの無電解メッキ処理が行われる。なお、ニッケルの他に、銅も金属層40Dとして用いることができる。
図14は、金属層形成工程によって金属層40Dが形成された状態を示す図である。
金属層形成工程では、無電解メッキ触媒層50が形成された第1光学形状層12が無電解銅メッキ液に浸漬させられる。図14に示すように、無電解メッキ触媒層50が形成されている表面にのみニッケルの無電解メッキ層が金属層40Dとして形成される。
次に、単位光学形状121間の谷部を埋めるように第2光学形状層22となる紫外線硬化型樹脂を充填し、第2基材層21をさらに設ける。そして、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させて第2光学形状層を形成する(第2光学形状層形成工程)ことにより、図12に示した光学素子1Dが完成する。
以上説明したように、第4実施形態によれば、無電解メッキを利用して、従来は作製が困難であった斜面121aのみに金属層40Dを有する光学素子1Dを、簡単に作製することができる。製造された光学素子1Dは、例えば、第1実施形態と同様にブラインドとして用いることができる。
(第5実施形態)
第5実施形態の光学素子1Eは、製造方法が異なる他は、第1実施形態の光学素子1と同様な形態をしている。したがって、ここでは、第5実施形態の光学素子1Eの製造方法について説明する。
先ず、第1光学形状層12を作製する(第1光学形状層形成工程)とともに、マスクシート200を用意する。
図15は、第1光学形状層形成工程によって第1光学形状層12を作製し、かつ、マスクシート200を用意した状態を示す図である。
第5実施形態の第1光学形状層12は、第1実施形態の第1光学形状層12と同様である。
マスクシート200は、第1基材層11の法線方向から見たときに第1光学形状層12の直交面121bと重なる位置を遮光する遮光パターン201を備えている。マスクシート200は、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の透明なシートに遮光パターンを印刷やフォトリソグラフィー等によって形成することにより作製できる。
第1光学形状層12を作製し、マスクシート200を用意したら、マスクシート200を第1基材層11の第1光学形状層12とは反対側に密着させる(マスクシート密着工程)。
図16は、マスクシート200を第1基材層11に密着させた状態を示す図である。
この工程では、第1基材層11の法線方向から見たときに第1光学形状層12の直交面121bと重なる位置に遮光パターン201が配置されるようにして、マスクシート200を第1基材層11に密着させる。
本実施形態では、マスクシート200は後の工程で除去するので、マスクシート200を第1基材層11へ密着させるためには、弱粘着性の粘着剤を用いるとよい。
なお、本実施形態では、第1光学形状層12の作製後にマスクシート200を密着させることとしたが、第1光学形状層12の作製前にマスクシート200を密着させてもよい。
次に、第1光学形状層12の上に、フォトクロミック層30を形成する(フォトクロミック層形成工程)。
図17は、フォトクロミック層形成工程によってフォトクロミック層30を形成した状態を示す図である。
第5実施形態のフォトクロミック層30についても、第1実施形態のフォトクロミック層30と同様である。
次に、単位光学形状121が設けられている側に、単位光学形状121による凹凸の谷部を充填するようにフォトクロミック層30と屈折率が同じ液体(同一屈折率液体47)を充填する(液体充填工程)。ここで、屈折率が同じとは、両者の屈折率差が0.01以下であることをいうものとする。
図18は、液体充填工程によって同一屈折率液体47が充填された状態を示す図である。
本実施形態では、同一屈折率液体47の上に同一屈折率液体47が漏れるのを防ぐために蓋層42を配置する。
同一屈折率液体47の屈折率n47とフォトクロミック層30の屈折率n30とは、同じであるか、両者の屈折率差が0.01以下であることが望ましい。本実施形態では、同一屈折率液体47の屈折率n47=1.57であり、フォトクロミック層30の屈折率n30=1.57と同じである。
同一屈折率液体47としては、例えば、シリコーン樹脂、エポキシアクリレート樹脂等を用いることができ、本実施形態では、屈折率n47=1.57のエポキシアクリレート樹脂を用いている。
また、蓋層42は、第1実施形態と同様である。
次に、単位光学形状121の斜面121aのみに特定波長の光を照射する(光照射工程)。
図19は、光照射工程を説明する図である。
光照射工程では、直交面121bに光が到達しないように部分的に遮光する遮光パターン201を有するマスクシート200を介して、第1光学形状層12の単位光学形状121とは反対側の面から光を単位光学形状121の内部へ照射する。そして、斜面121aに到達させて、斜面121a上のフォトクロミック層30を金属蒸着不可能な状態から金属蒸着可能な状態へと変化させる。本実施形態の光照射工程では、波長が300~400nmの光を照射して、斜面121a上のフォトクロミック層30を金属蒸着不可能な状態から金属蒸着可能な状態へと変化させる。
また、同一屈折率液体47を充填しない状態で光を照射すると、照射した光が斜面121aにおいて全反射して直交面121bに到達するが、同一屈折率液体47を充填することにより照射した光が斜面121aにおいて全反射することを防いでいる。
本実施形態では、図19に示すように第1基材層11の法線方向から入射(入射角0°)する波長が300~400nmの平行光を照射する。そして、図19に示すように入射した光は、斜面121a上に設けられたフォトクロミック層30を通過するが、直交面121b上に設けられたフォトクロミック層30には到達しない。よって、斜面121aの上に設けられたフォトクロミック層30のみが金属蒸着不可能な状態から金属蒸着可能な状態へと変化し、直交面121bの上に設けられたフォトクロミック層30は、金属蒸着不可能な状態を維持する。
次に、同一屈折率液体47及び蓋層42を除去し、洗浄、及び、乾燥を行った後に、金属蒸着処理を行い金属層40の形成を行う(金属層形成工程)。
図20は、第5実施形態の金属層形成工程によって金属層40が形成された状態を示す図である。
先の光照射工程によって、斜面121aの上に設けられたフォトクロミック層30のみが金属蒸着不可能な状態から金属蒸着可能な状態へと変化し、直交面121bの上に設けられたフォトクロミック層30は、金属蒸着不可能な状態を維持している。したがって、金属蒸着可能な状態へと変化した斜面121aの上に設けられたフォトクロミック層30にのみ金属層40が形成される。
また、第5実施形態では、直交面121bに近い位置の斜面121aの上に設けられたフォトクロミック層30にも光照射工程において光が照射されないので、その部分には金属層40が形成されていない点で、第1実施形態と異なる。
先に説明したように、本実施形態では、金属層40は、マグネシウムを用いており、金属層形成工程では、マグネシウムを蒸着させる。また、蒸着後のマグネシウムは、黒化処理を行い、黒色に変色させる。
次に、単位光学形状121間の谷部を埋めるように第2光学形状層22となる紫外線硬化型樹脂を充填し、第2基材層21をさらに設ける。そして、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させて第2光学形状層を形成する(第2光学形状層形成工程)。さらに、マスクシート200を第1基材層11から剥がして除去することにより、図21に示した光学素子1が完成する。
図21は、第5実施形態の光学素子1Eを示す断面図である。
なお、本実施形態では、マスクシート200を除去する例を例示したが、マスクシート200を残してもよい。また、マスクシート200を用いずに、第1基材層11上に直接、遮光パターンを形成してもよい。この場合において、遮光パターンは除去してもよいし、残してもよい。以下に示す各実施形態においても同様である。
以上説明したように、第5実施形態によれば、従来は作製が困難であった斜面121aのみに金属層40を有する光学素子1Eを、第1実施形態とは異なる方法によって、簡単に作製することができる。
また、完成した光学素子1は、内部にシート面に対して傾斜した金属層40が間隔を空けて配列されている。そして、金属層40は黒化処理されていることから光を遮る効果を有する。よって、特定の方向からの光のみを透過して、他の方向からの光の大部分を遮光するブラインドのような効果を得られる。また、この光学素子1Eは、ブラインドのように破損したり、塵埃等が堆積したりすることを防止することができ、使い勝手がよい。
(第6実施形態)
図22は、第6実施形態の光学素子1Fを第2実施形態の図9と同様な位置で切断した断面図である。
第6実施形態の光学素子1Fは、製造方法が異なる他は、第2実施形態の光学素子1Bと同様な構成をしている。よって、前述した第2実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第6実施形態の光学素子1Fは、第5実施形態の光学素子1Eと同様な製造方法によって作製される。すなわち、マスクシート200を利用して光照射工程を行うことにより、斜面121a上にのみ金属層40Bを形成可能とする。なお、マスクシート200の遮光パターンは、同心円状のパターンとなる点が、第5実施形態の場合と異なる。
第6実施形態の金属層40Bは、第5実施形態とは異なり、映像光を反射する反射層として設けられている。そのため、金属層40Bは、光反射性の高い金属、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル等により形成され、その厚さは、数10Å程度である。
金属層40Bの反射率及び透過率は、所望する光学性能に合わせて適宜に設定できるが、映像光を良好に反射させるとともに、映像光以外の光(例えば、太陽光等の外界からの光)を良好に透過させる観点から、例えば、透過率が30~80%程度、反射率が5~60%程度の範囲とすることができる。なお、上記透過率を含めて、以下に示す各層の透過率に関する数値は、空気界面における反射については考慮していない値を示している。
本実施形態で金属を用いて構成した金属層40Bは、アルミニウムを蒸着することにより形成されており、金属層40Bのみでの透過率が約70%、反射率が約5%、吸収率が約25%のハーフミラー状である。
第6実施形態の光学素子1Fの製造方法は、第1光学形状層形成工程において斜面121aに微細な凹凸形状を形成する点で、第5実施形態の光学素子1Eの製造方法と異なる。図22中の範囲Eの拡大図は、第2実施形態の図10と同様な構成となっている。微細な凹凸形状は、成形型において予め形状を設けてもよいし、成形後に表面を荒らしてもよい。
また、第6実施形態の光学素子1Fの製造方法は、金属層形成工程において金属層40Bに用いる金属の種類が異なる点で、第5実施形態の光学素子1Eの製造方法と異なる。第6実施形態の金属層形成工程では、当然であるが、アルミニウムを斜面121aに蒸着する。
第2実施形態の光学素子1Bの製造方法は、上記の相違点の他は、第5実施形態の光学素子1Eと略同様な製造工程によって作製することができる。
第6実施形態によれば、透過型スクリーンとして用いることができる光学素子1Fを第2実施形態とは異なる方法によって簡単に製造することができる。製造された光学素子1Bは、金属層40Bがハーフミラー状であることから、観察側(-Z側)、映像源側(+Z側)のどちらから見ても、光学素子1Bを透過してその奥側(例えば、-Z側から見たときは+Z側の景色等)を観察することができる。
また、映像光を映像源側(+Z側)から映像源LSによって投影すると、映像光は金属層40Bの凹凸形状によって適度に拡散反射されて観察者O1に届き、観察者O1は、映像を観察可能である。
(第7実施形態)
図23は、第6実施形態の図22と同様な位置で第7実施形態の光学素子1Gを切断した断面の一部を示す図である。
第7実施形態の光学素子1Gは、第1基材層11Cの形態と、斜面121a及び金属層40Cの形態が第6実施形態の光学素子1Fと異なっているが、その他の部分については、第6実施形態の光学素子1Fと略同様であり、第6実施形態の光学素子1Fと同様な方法で製造される。すなわち、マスクシート200を利用して光照射工程を行うことにより、斜面121a上にのみ金属層40Cを形成可能とする。
また、第7実施形態の光学素子1Gは、製造方法が異なる他は、第3実施形態の光学素子1Cと略同様である。
よって、前述した第3実施形態及び第5実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第7実施形態の第1基材層11Cは、第3実施形態の第1基材層11Cと同様に、光拡散剤を含んでおり、拡散層として構成されている。
また、第7実施形態では、第3実施形態の光学素子1Cと同様に、斜面121aは平滑面(鏡面)として構成される。よって、フォトクロミック層30及び金属層40Cも斜面121aに倣って平滑面として構成される。
第7実施形態によれば、斜面に凹凸形状を設ける必要がないので、さらに製造を容易にすることができる。
また、映像光を映像源側(+Z側)から映像源LSによって投影すると、映像光は金属層40Cで鏡面反射された後、第1基材層11Cによって適度に拡散反射されて観察者O1に届き、観察者O1は、映像を観察可能である。
(第8実施形態)
図24は、第5実施形態の図21と同様な位置で第8実施形態の光学素子1Hを切断した断面の一部を示す図である。
第8実施形態の光学素子1Hは、無電解メッキ触媒層50を備える点で、第5実施形態の光学素子1Eと異なっている。また、第8実施形態のフォトクロミック層30は、第5実施形態と同様に、1、2-ジアリールエテンを塗布して乾燥させたものであるが、利用する特性が第5実施形態と異なっている。その他の部分については、第8実施形態の光学素子1Hは、第5実施形態の光学素子1Eと同様である。
また、第8実施形態の光学素子1Hは、製造方法が異なる他は、第4実施形態の光学素子1Dと同様な構成をしている。すなわち、マスクシート200を利用して光照射工程を行うことにより、斜面121a上にのみ金属層40Dを形成可能とする。
よって、前述した第4実施形態及び第5実施形態と同様の機能を果たす部分には、同一の符号を付して、重複する説明を適宜省略する。
第8実施形態の光学素子1Hは、フォトクロミック層30と金属層40Dとの間に、無電解メッキ触媒層50を備えている。無電解メッキ触媒層50は、斜面121aに積層されたフォトクロミック層30上の+Z側の先端付近を除く略全面に薄膜状に形成されておれている。また、無電解メッキ触媒層50は、直交面121bに積層されたフォトクロミック層30上には、設けられていない。
無電解メッキ触媒層50としては、例えば、塩化パラジウム触媒、パラジウム/スズコロイド触媒、銀ナノ粒子触媒等を用いることができる。
金属層40Dは、斜面121aに積層された無電解メッキ触媒層50上に薄膜状に形成されている。また、金属層40Dは、直交面121bに積層されたフォトクロミック層30上には、設けられていない。
第4実施形態の金属層40Dは、例えば、銅、ニッケル等を用いて形成することができるが、その形成方法が第5実施形態の金属層40と異なる。
次に、第8実施形態の光学素子1Hの製造方法について説明する。
第8実施形態の光学素子1Hの製造工程は、同一屈折率液体47を充填するまでの、第1光学形状層形成工程、フォトクロミック層形成工程、液体充填工程は、第5実施形態と同様である(図15、図16、図17参照)。
次に、単位光学形状121の斜面121aのみに特定波長の光を照射する(光照射工程)。
この光照射工程も、第5実施形態と略同様に行われるが、照射する光の波長が第5実施形態と異なっている。
第8実施形態のフォトクロミック層30は、他の実施形態と同様に、1、2-ジアリールエテンを塗布して乾燥させたものであるが、乾燥直後は、親水性である。本実施形態のフォトクロミック層30は、紫外光(波長:100~400nm)を照射すると疎水性になり、可視光(波長:400~750nm)を照射すると親水性になる性質を有している。
そこで、光照射工程を行う前に、フォトクロミック層30の全体に紫外光(波長:100~400nm)を照射して、フォトクロミック層30の全体を疎水性としておく(初期照射工程)。
次に、直交面121bに光が到達しないように部分的に遮光する遮光パターン201を有するマスクシート200を介して、第1光学形状層12の単位光学形状121とは反対側の面から光を単位光学形状121の内部へ照射する。(図19参照)。そして、照射した光を斜面121aに到達させて、斜面121a上のフォトクロミック層30の特性を変化させる。本実施形態の光照射工程では、波長が400~750nmの可視光を照射して、斜面121a上のフォトクロミック層30を疎水性から親水性に変化させる。
次に、同一屈折率液体47及び蓋層42を除去し、洗浄、及び、乾燥を行った後に、無電解メッキ触媒層50の形成を行う(無電解メッキ触媒層形成工程)。
図25は、無電解メッキ触媒層形成工程によって無電解メッキ触媒層50が形成された状態を示す図である。
先の光照射工程によって、斜面121aの上に設けられたフォトクロミック層30のみが疎水性の状態から親水性の状態へと変化し、直交面121bの上に設けられたフォトクロミック層30は、疎水性の状態を維持している。したがって、疎水性の状態の直交面121bでは、無電解メッキの触媒材料を塗布しても、はじかれて無電解メッキの触媒材料が付着しない。よって、図13に示すように斜面121aの上に設けられたフォトクロミック層30上にのみ無電解メッキ触媒層50が形成される。
無電解メッキ触媒層形成工程では、例えば、フォトクロミック層30を無電解メッキの触媒材料に浸漬してもよいし、スリットコート、スピンコート等により無電解メッキの触媒材料をフォトクロミック層30上に塗布してもよい。
次に、無電解メッキ触媒層50上に金属層40Dを形成する(金属層形成工程)。具体的には、ニッケルの無電解メッキ処理が行われる。なお、ニッケルの他に、銅も金属層40Dとして用いることができる。
図26は、金属層形成工程によって金属層40Dが形成された状態を示す図である。
金属層形成工程では、無電解メッキ触媒層50が形成された第1光学形状層12が無電解銅メッキ液に浸漬させられる。図26に示すように、無電解メッキ触媒層50が形成されている表面にのみニッケルの無電解メッキ層が金属層40Dとして形成される。
次に、単位光学形状121間の谷部を埋めるように第2光学形状層22となる紫外線硬化型樹脂を充填し、第2基材層21をさらに設ける。そして、紫外線を照射して紫外線硬化型樹脂を硬化させて第2光学形状層を形成する(第2光学形状層形成工程)。さらに、マスクシート200を第1基材層11から剥がして除去することにより、図24に示した光学素子1Hが完成する。
以上説明したように、第8実施形態によれば、無電解メッキを利用して、従来は作製が困難であった斜面121aのみに金属層40Dを有する光学素子1Dを、第4実施形態とは異なる方法によって簡単に作製することができる。製造された光学素子1Hは、例えば、第1実施形態や第4実施形態と同様にブラインドとして用いることができる。
(変形形態)
以上説明した実施形態に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本開示の範囲内である。
(1)各実施形態において、液体充填工程では、フォトクロミック層30と蓋層42との間の全ての空間に低屈折率液体41又は同一屈折率液体47を満たす例を挙げて説明した。これに限らず、補助部材43を用いて、充填する低屈折率液体41又は同一屈折率液体47を減らしてもよい。
図27は、補助部材43を用いて、充填する低屈折率液体41又は同一屈折率液体47を減らす形態を示す図である。
図27に示すように、蓋層42には、補助部材43が取り付けられている。この補助部材43は、単位光学形状121による凹凸形状の逆形状又は逆形状に近い形状を有している。補助部材43をフォトクロミック層30との間に僅かな隙間を設けて配置し、液体充填工程では、この隙間に低屈折率液体41又は同一屈折率液体47を満たす。このような構成とすることにより、充填する低屈折率液体41又は同一屈折率液体47を減らすことができる。補助部材43の屈折率は、低屈折率液体41又は同一屈折率液体47と同じであることが望ましい。光照射工程において照射される光が予期せぬ方向へ進んでしまうことを防ぐためである。なお、図27では、蓋層42と補助部材43とを別部材として構成した例を示しているが、これらは1部材で構成してもよい。
(2)各実施形態、及び、上記変形形態(1)において、低屈折率液体41又は同一屈折率液体47を未硬化の樹脂(低屈折率液体44又は同一屈折率液体48)としてもよい。
図28は、液体充填工程において未硬化の樹脂である低屈折率液体44又は同一屈折率液体48を用いる形態を示す図である。
低屈折率液体44又は同一屈折率液体48は、光、又は、熱で硬化する未硬化の樹脂である。
低屈折率液体44は、未硬化の状態における屈折率が、例えば、1.52の材料を用いることができる。
また、同一屈折率液体48は、未硬化の状態における屈折率が、例えば、1.57の材料を用いることができる。
この低屈折率液体44又は同一屈折率液体48を液体充填工程において充填した後、第1実施形態と同様に光照射工程を行う。光照射工程の後に低屈折率液体44又は同一屈折率液体48を光、又は、熱で硬化させて除去する。このようにすることにより、低屈折率液体の除去、洗浄の工程を省略することができる。
なお、硬化した樹脂はフォトクロミック層30から剥離する性質のものを用いる。また、低屈折率液体44又は同一屈折率液体48を光で硬化する場合は、フォトクロミック層30の金属密着性には影響しない波長の光で硬化させる。
(3)各実施形態において、光照射工程の前の液体充填工程において、フォトクロミック層よりも屈折率の低い液体又は屈折率が同じ液体を充填せずに、硬化後に前記フォトクロミック層よりも屈折率が低くなる未硬化の樹脂である液体、又は、硬化後に前記フォトクロミック層と屈折率が同じになる未硬化の樹脂である液体を充填するようにしてもよい。
図29は、硬化後に前記フォトクロミック層よりも屈折率が低くなる未硬化の樹脂である液体、又は、硬化後に前記フォトクロミック層と屈折率が同じになる未硬化の樹脂である液体を充填する形態を示す図である。
図29の例では、光照射工程の前に、単位光学形状121が設けられている側に、単位光学形状121による凹凸形状の谷部を充填するように、光、又は、熱で硬化後にフォトクロミック層30よりも屈折率が低くなる未硬化の樹脂である液体45を充填する液体充填工程を行う。又は、光、又は、熱で硬化後にフォトクロミック層30と屈折率が同じになる未硬化の樹脂である液体49を充填する液体充填工程を行う。この液体充填工程の後に液体45又は液体49を、光、又は、熱で硬化させる硬化工程を行う。液体45を硬化した樹脂の屈折率は、例えば、1.52とすることができる。液体49を硬化した樹脂の屈折率は、例えば、1.57とすることができる。上記硬化工程の後、光照射工程を行い、光照射工程の後に液体45又は液体49が硬化した樹脂を除去する。このようにすることにより、低屈折率液体又は同一屈折率液体の除去、洗浄の工程を省略することができる。
なお、硬化した樹脂はフォトクロミック層30から剥離する性質のものを用いる。また、液体45又は液体49を光で硬化する場合は、フォトクロミック層30の金属密着性には影響しない波長の光で硬化させる。
(4)各実施形態において、液体充填工程に代えて、フォトクロミック層よりも屈折率の低い、又は、フォトクロミック層と屈折率が同じ密着部材を設ける光学密着工程を行ってもよい。
図30は、光学密着工程を行う形態を示す図である。
図30の例では、光照射工程の前に、液体充填工程に代えて、単位光学形状121が設けられている側に、単位光学形状121による凹凸形状の逆形状を有し、フォトクロミック層30よりも屈折率の低い、例えば、屈折率が1.52の密着部材46をフォトクロミック層30に光学密着させる(光学密着工程)。
又は、光照射工程の前に、液体充填工程に代えて、単位光学形状121が設けられている側に、単位光学形状121による凹凸形状の逆形状を有し、フォトクロミック層30と屈折率が同じ、例えば、屈折率が1.57の密着部材51をフォトクロミック層30に光学密着させる(光学密着工程)。
ここで、光学密着とは、物体と物体が夾雑物なく接した状態と同じ光学特性を持つ状態をいい、おおむね、物体間の間隙が光の波長以下である状態である。このようにすることにより、低屈折率液体の除去、洗浄の工程を省略することができる。
なお、光学密着を行う場合には、フォトクロミック層30の表面は鏡面であることが望ましい。
(5)第3実施形態及び第7実施形態において、第1基材層11Cに光拡散剤を含めた例を示して説明した。これに限らず、例えば、拡散層を別途設けたりしてもよいし、第1基材層11Cの-Z側の面に微細な凹凸形状を設けたりしてもよい。また、第2基材層21に光拡散機能を持たせてもよいし、第1光学形状層12、第2光学形状層22等に光拡散機能を持たせてもよい。
(6)第4実施形態及び第8実施形態において、第1実施形態と同様な光学素子1D、1Hを無電解メッキによって金属層を作製する例を挙げて説明した。これに限らず、例えば、他の実施形態においても、第4実施形態及び第8実施形態のように無電解メッキを利用して金属層を作製してもよい。
なお、各実施形態及び変形形態は、適宜組み合わせて用いることもできるが、詳細な説明は省略する。また、本開示は以上説明した各実施形態によって限定されることはない。
1、1B、1C、1D、1E、1F、1G、1H 光学素子
11、11C 第1基材層
12 第1光学形状層
21 第2基材層
22 第2光学形状層
30 フォトクロミック層
40、40B、40C、40D 金属層
41 低屈折率液体
42 蓋層
50 無電解メッキ触媒層
121 単位光学形状
121a 斜面
121b 直交面
200 マスクシート
201 遮光パターン

Claims (26)

  1. 単位光学形状が複数並べて配置された光透過性を有する第1光学形状層を備え、シート状に形成された光学素子であって、
    前記単位光学形状は、
    シート面に直交する方向に延在する直交面と、
    前記直交面に交差する斜面と、
    を有しており、
    前記単位光学形状には、特定の波長領域の光照射によって特性が変化するフォトクロミック層が前記単位光学形状に沿って積層されており、
    前記斜面に積層された前記フォトクロミック層の少なくとも一部には、金属層が設けられている光学素子。
  2. 請求項1に記載の光学素子において、
    前記金属層は、遮光層であること、
    を特徴とする光学素子。
  3. 請求項1に記載の光学素子において、
    前記金属層は、反射層であること、
    を特徴とする光学素子。
  4. 請求項3に記載の光学素子において、
    前記斜面は、粗面であり、前記斜面上の前記フォトクロミック層及び前記金属層は、前記斜面の粗面に沿った粗面であること、
    を特徴とする光学素子。
  5. 請求項3に記載の光学素子において、
    前記斜面は、平滑面であり、前記フォトクロミック層及び前記金属層は、前記斜面の平滑面に沿った平滑面であり、
    光を拡散する拡散層を有すること、
    を特徴とする光学素子。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれかに記載の光学素子において、
    前記フォトクロミック層と前記金属層との間に、無電解メッキ触媒層が設けられていること、
    を特徴とする光学素子。
  7. シート面に直交する方向に延在する直交面と、前記直交面に交差する斜面と、を有する単位光学形状が複数並べて配置された第1光学形状層を形成する第1光学形状層形成工程と、
    前記第1光学形状層の前記単位光学形状を有する面に、特定の波長領域の光照射によって特性が変化するフォトクロミック層を形成するフォトクロミック層形成工程と、
    前記第1光学形状層の前記単位光学形状とは反対側の面から光を前記直交面に到達しない又は到達しにくい角度で前記単位光学形状の内部へ照射し、前記斜面に到達させて、前記斜面上の前記フォトクロミック層の特性を変化させる光照射工程と、
    前記斜面に金属層を形成する金属層形成工程と、
    を備える光学素子の製造方法。
  8. 請求項7に記載の光学素子の製造方法において、
    前記フォトクロミック層は、特定の波長領域の光照射により金属蒸着不可能な状態から金属蒸着可能な状態に変化する材料により形成されており、
    前記光照射工程によって前記直交面は金属蒸着不可能な状態を維持し、かつ、前記斜面を金属蒸着不可能な状態に変化させ、
    前記金属層形成工程では、前記金属層となる金属を前記斜面に蒸着処理を行い前記斜面に前記金属層を形成すること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  9. 請求項7に記載の光学素子の製造方法において、
    前記フォトクロミック層は、特定の波長領域の光照射により特性が疎水性から親水性に変化する材料により形成されており、
    前記光照射工程によって前記直交面は疎水性を維持し、かつ、前記斜面を親水性に変化させ、
    前記光照射工程と前記金属層形成工程との間において、前記フォトクロミック層に無電解メッキの触媒材料を塗布し、親水性に変化した前記フォトクロミック層の上に無電解メッキ触媒層を形成する無電解メッキ触媒層形成工程を備え、
    前記金属層形成工程では、前記無電解メッキ触媒層の上に無電解メッキ処理を行い無電解メッキ層を前記金属層として形成すること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  10. 請求項7から請求項9までのいずれかに記載の光学素子の製造方法において、
    前記光照射工程の前に、前記特定の波長領域の光照射とは異なる波長領域の光を前記フォトクロミック層の全体に照射する初期照射工程を備えること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  11. 請求項7から請求項10までのいずれかに記載の光学素子の製造方法において、
    前記光照射工程の前に、前記単位光学形状が設けられている側に、前記単位光学形状による凹凸形状の谷部を充填するように前記フォトクロミック層よりも屈折率の低い液体を充填する液体充填工程を備えること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  12. 請求項11に記載の光学素子の製造方法において、
    前記液体充填工程の前に、前記単位光学形状が設けられている側に、前記単位光学形状による凹凸形状の逆形状又は逆形状に近い形状を有する補助部材を前記フォトクロミック層から隙間を空けて配置し、
    前記液体充填工程では、前記隙間に前記液体を充填すること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  13. 請求項11又は請求項12に記載の光学素子の製造方法において、
    前記液体は、未硬化の樹脂であり、前記光照射工程の後に前記液体を硬化させて除去すること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  14. 請求項7から請求項10までのいずれかに記載の光学素子の製造方法において、
    前記光照射工程の前に、前記単位光学形状が設けられている側に、前記単位光学形状による凹凸形状の谷部を充填するように硬化後に前記フォトクロミック層よりも屈折率が低くなる未硬化の樹脂である液体を充填する液体充填工程と、
    前記液体充填工程の後に前記液体を硬化させる硬化工程と、
    を備え、
    前記光照射工程の後に前記液体が硬化した樹脂を除去すること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  15. 請求項7から請求項10までのいずれかに記載の光学素子の製造方法において、
    前記光照射工程の前に、前記単位光学形状が設けられている側に、前記単位光学形状による凹凸形状の逆形状を有し、前記フォトクロミック層よりも屈折率の低い密着部材を前記フォトクロミック層に光学密着させる光学密着工程を備えること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  16. 請求項7から請求項15までのいずれかに記載の光学素子の製造方法において、
    前記金属層が設けられている側に、前記単位光学形状による凹凸の谷部を充填するように第2光学形状層を形成する第2光学形状層形成工程を備えること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  17. シート面に直交する方向に延在する直交面と、前記直交面に交差する斜面と、を有する単位光学形状が複数並べて配置された第1光学形状層を形成する第1光学形状層形成工程と、
    前記第1光学形状層の前記単位光学形状を有する面に、特定の波長領域の光照射によって特性が変化するフォトクロミック層を形成するフォトクロミック層形成工程と、
    前記直交面に光が到達しないように部分的に遮光する遮光パターンを有するマスクを介して、前記第1光学形状層の前記単位光学形状とは反対側の面から光を前記単位光学形状の内部へ照射し、前記斜面に到達させて、前記斜面上の前記フォトクロミック層の特性を変化させる光照射工程と、
    前記斜面に金属層を形成する金属層形成工程と、
    を備える光学素子の製造方法。
  18. 請求項17に記載の光学素子の製造方法において、
    前記フォトクロミック層は、特定の波長領域の光照射により金属蒸着不可能な状態から金属蒸着可能な状態に変化する材料により形成されており、
    前記光照射工程によって前記直交面は金属蒸着不可能な状態を維持し、かつ、前記斜面を金属蒸着不可能な状態に変化させ、
    前記金属層形成工程では、前記金属層となる金属を前記斜面に蒸着処理を行い前記斜面に前記金属層を形成すること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  19. 請求項17に記載の光学素子の製造方法において、
    前記フォトクロミック層は、特定の波長領域の光照射により特性が疎水性から親水性に変化する材料により形成されており、
    前記光照射工程によって前記直交面は疎水性を維持し、かつ、前記斜面を親水性に変化させ、
    前記光照射工程と前記金属層形成工程との間において、前記フォトクロミック層に無電解メッキの触媒材料を塗布し、親水性に変化した前記フォトクロミック層の上に無電解メッキ触媒層を形成する無電解メッキ触媒層形成工程を備え、
    前記金属層形成工程では、前記無電解メッキ触媒層の上に無電解メッキ処理を行い無電解メッキ層を前記金属層として形成すること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  20. 請求項17から請求項19までのいずれかに記載の光学素子の製造方法において、
    前記光照射工程の前に、前記特定の波長領域の光照射とは異なる波長領域の光を前記フォトクロミック層の全体に照射する初期照射工程を備えること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  21. 請求項17から請求項20までのいずれかに記載の光学素子の製造方法において、
    前記光照射工程の前に、前記単位光学形状が設けられている側に、前記単位光学形状による凹凸形状の谷部を充填するように前記フォトクロミック層との屈折率差が0.01以下である液体を充填する液体充填工程を備えること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  22. 請求項21に記載の光学素子の製造方法において、
    前記液体充填工程の前に、前記単位光学形状が設けられている側に、前記単位光学形状による凹凸形状の逆形状又は逆形状に近い形状を有する補助部材を前記フォトクロミック層から隙間を空けて配置し、
    前記液体充填工程では、前記隙間に前記液体を充填すること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  23. 請求項21又は請求項22に記載の光学素子の製造方法において、
    前記液体は、未硬化の樹脂であり、前記光照射工程の後に前記液体を硬化させて除去すること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  24. 請求項17から請求項20までのいずれかに記載の光学素子の製造方法において、
    前記光照射工程の前に、前記単位光学形状が設けられている側に、前記単位光学形状による凹凸形状の谷部を充填するように硬化後に前記フォトクロミック層と屈折率が同じになる未硬化の樹脂である液体を充填する液体充填工程と、
    前記液体充填工程の後に前記液体を硬化させる硬化工程と、
    を備え、
    前記光照射工程の後に前記液体が硬化した樹脂を除去すること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  25. 請求項17から請求項20までのいずれかに記載の光学素子の製造方法において、
    前記光照射工程の前に、前記単位光学形状が設けられている側に、前記単位光学形状による凹凸形状の逆形状を有し、前記フォトクロミック層と屈折率が同じ密着部材を前記フォトクロミック層に光学密着させる光学密着工程を備えること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
  26. 請求項17から請求項25までのいずれかに記載の光学素子の製造方法において、
    前記金属層が設けられている側に、前記単位光学形状による凹凸の谷部を充填するように第2光学形状層を形成する第2光学形状層形成工程を備えること、
    を特徴とする光学素子の製造方法。
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