JP2023081820A - 電子デバイス用基板及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリコン単結晶上に窒化物半導体が形成された電子デバイス用基板であって、スリップ、割れ等の発生が抑制された破壊強度が高い電子デバイス用基板及びその製造方法を提供する。【解決手段】 シリコン単結晶の結合基板上に窒化物半導体膜が形成された電子デバイス用基板であって、前記結合基板は、結晶面方位が{111}である第一のシリコン単結晶基板と、結晶面方位が{100}である第二のシリコン単結晶基板が、酸化膜を介して結合された基板であり、前記第一基板は<110>方向に、前記第二基板は<011>方向または<001>方向にノッチが形成されたものであり、前記第一基板の<110>方向と前記第二基板の<011>方向が-15°~15°の角度範囲で結合されているものであり、前記結合基板の前記第一基板の表面上に、前記窒化物半導体膜が形成されたものである電子デバイス用基板。【選択図】図1

Description

本発明は、電子デバイス用基板及びその製造方法に関し、特に、シリコン基板上に窒化物半導体が形成された電子デバイス用基板及びその製造方法に関する。
GaNやAlNをはじめとする窒化物半導体は、2次元電子ガスを用いた高電子移動度トランジスタ(HEMT)や高耐圧電子デバイスの作製に用いることができる。
これらの窒化物半導体を基板上に成長させた窒化物半導体ウェーハを製作することは難しく、従来、成長用基板としてサファイア基板やSiC基板が用いられている。しかし、基板の大直径化(大口径化)のためや基板のコストを抑えるために、シリコン単結晶基板上への気相成長による窒化物半導体のエピタキシャル成長も行われてきている。シリコン単結晶基板上への気相成長による窒化物半導体のエピタキシャル成長膜の作製は、サファイア基板やSiC基板に比べて大直径の基板が使用できるのでデバイスの生産性が高く、加工しやすい点で有利である。ただし、シリコン単結晶基板上への窒化物半導体の気相成長では、格子定数差や熱膨張係数差による応力により、反りの増大やスリップ、割れ等が発生しやすく、成長条件や緩和層による応力低減が行われている。
特に、パワーデバイス用のエピタキシャル基板を高耐圧にするには、GaNのエピタキシャル層の厚さを厚くしたGaN on Si(シリコン単結晶上のGaN)を作製する必要がある。エピタキシャル層の厚さを厚くするには、成長用基板であるシリコン単結晶基板を厚くしてエピタキシャル成長すれば良い。そして、シリコン単結晶基板を厚くする方法として、2枚のシリコン単結晶基板を貼り合わせることが行われている。特許文献1では、貼り合せた基板の厚さを2mm以上とすることが開示されている。また、特許文献2では、貼り合わせる2枚の基板の組み合わせとして、ボンドウェーハが、面方位{111}、抵抗率1kΩcm以上であり、ベースウェーハが、面方位{100}、抵抗率0.1Ωcm以下であるものが開示されている。
特開2021-014376号公報 特開2021-027186号公報
上記のように、特許文献1、特許文献2に開示されたような、貼り合わせ基板を成長用基板として用いることが知られている。しかしながら、これらの貼り合せ基板を用いても、反りの増大やスリップ、割れ等の発生を完全に抑制することはできていない。また、スリップ、割れ等は、主にエピタキシャル成長させる{111}シリコン単結晶基板のノッチ部で発生することが多かった。一般的に{111}シリコン単結晶基板には<110>方向にノッチが形成されており、{100}シリコン単結晶基板には<011>方向または<001>方向に形成されている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、シリコン単結晶上に窒化物半導体が形成された電子デバイス用基板であって、スリップ、割れ等の発生が抑制された破壊強度が高い電子デバイス用基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、シリコン単結晶の結合基板上に窒化物半導体膜が形成された電子デバイス用基板であって、前記結合基板は、結晶面方位が{111}である第一のシリコン単結晶基板と、結晶面方位が{100}である第二のシリコン単結晶基板が、酸化膜を介して結合された基板であり、前記第一のシリコン単結晶基板は、<110>方向にノッチが形成されたものであり、前記第二のシリコン単結晶基板は<011>方向または<001>方向にノッチが形成されたものであり、前記第一のシリコン単結晶基板の<110>方向と前記第二のシリコン単結晶基板の<011>方向が-15°~15°の角度範囲で結合されているものであり、前記結合基板の前記第一のシリコン単結晶基板の表面上に、前記窒化物半導体膜が形成されたものであることを特徴とする電子デバイス用基板を提供する。
このような電子デバイス用基板であれば、第一のシリコン単結晶基板と第二のシリコン単結晶基板の劈開面の位置関係により、スリップ、割れ等の発生が抑制された破壊強度が高い電子デバイス用基板とすることができる。
この場合、前記結合基板の直径を300mm以上のものとすることができる。
このように、本発明の破壊強度の高い基板は、直径300mm以上といった大直径の電子デバイス用基板に特に有効である。
また、本発明は、シリコン単結晶の結合基板上に窒化物半導体膜を形成する電子デバイス用基板の製造方法であって、<110>方向にノッチが形成された、結晶面方位が{111}である第一のシリコン単結晶基板、及び、<011>方向または<001>方向にノッチが形成された、結晶面方位が{100}である第二のシリコン単結晶基板を準備する工程と、前記第一のシリコン単結晶基板及び前記第二のシリコン単結晶基板の少なくとも一方を熱酸化して表面に酸化膜を形成する工程と、前記第一のシリコン単結晶基板の<110>方向と前記第二のシリコン単結晶基板の<011>方向が-15°~15°の角度範囲となるように、前記酸化膜を介して重ね合わせて、熱処理を行うことで、前記第一のシリコン単結晶基板と前記第二のシリコン単結晶基板を結合し、前記結合基板を作製する工程と、前記結合基板の前記第一のシリコン単結晶基板の表面上に、前記窒化物半導体膜をエピタキシャル成長させる工程と、を有することを特徴とする電子デバイス用基板の製造方法を提供する。
このような電子デバイス用基板の製造方法であれば、貼り合わせる第一のシリコン単結晶基板と第二のシリコン単結晶基板の劈開面の位置関係により、スリップ、割れ等の発生が抑制された破壊強度が高い電子デバイス用基板を製造することができる。
この場合、前記準備する第一のシリコン単結晶基板及び前記第二のシリコン単結晶基板の直径を、300mm以上とすることができる。
本発明の製造方法によって製造された電子デバイス用基板のような破壊強度の高い基板は直径300mm以上といった大直径の電子デバイス用基板を製造するのに特に有効である。
本発明のような電子デバイス用基板及びその製造方法であれば、第一のシリコン単結晶基板と第二のシリコン単結晶基板の劈開面の位置関係により、割れ等の発生が抑制された破壊強度が高い電子デバイス用基板を提供することができる。
本発明の電子デバイス用基板における第一のシリコン単結晶基板及び第二のシリコン単結晶基板の劈開面の一例を示す概略図である。 比較例における第一のシリコン単結晶基板及び第二のシリコン単結晶基板の劈開面の一例を示す概略図である。 本発明の電子デバイス用基板の一例を示す概略断面図である。 本発明の電子デバイス用基板の製造方法の一例の概略を示すフロー図である。 実施例及び比較例において、2枚のシリコン単結晶基板を重ね合わせて熱処理する様子の写真である。 破断荷重及び曲げ強さ試験の様子を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上述したようにパワーデバイス用のエピタキシャル基板を高耐圧にするには、シリコン単結晶基板上に窒化物半導体膜を厚く形成した電子デバイス用基板(例えば、GaNのエピタキシャル層の厚さを厚くしたGaN on Si)を作製する必要がある。エピタキシャル層の厚さを厚くするには、シリコン単結晶基板を厚くしてエピタキシャル成長すれば良い。そして、シリコン基板を厚くする方法として、2枚のシリコン単結晶基板を貼り合せることが行われているが、貼り合わせ基板を用いてもスリップ、割れ等の発生を完全に抑制することはできていなかった。
本発明者らが、スリップ、割れ等の発生が抑制された破壊強度が高い電子デバイス用基板について検討を重ねたところ、シリコン単結晶の結合基板上に窒化物半導体膜が形成された電子デバイス用基板において、2枚のシリコン単結晶基板を結合したものを下地基板(種結晶)として用い、さらに、2枚のシリコン単結晶基板の主面の結晶面方位だけでなく、各基板の劈開面をずらすことにより、スリップ、割れ等の発生が抑制された破壊強度が高い電子デバイス用基板とすることができることが判り、本発明を完成させた。
[電子デバイス用基板]
本発明は、シリコン単結晶の結合基板上に窒化物半導体膜が形成された電子デバイス用基板であって、前記結合基板は、結晶面方位が{111}である第一のシリコン単結晶基板と、結晶面方位が{100}である第二のシリコン単結晶基板が、酸化膜を介して結合された基板であり、前記第一のシリコン単結晶基板は、<110>方向にノッチが形成されたものであり、前記第二のシリコン単結晶基板は<011>方向または<001>方向にノッチが形成されたものであり、前記第一のシリコン単結晶基板の<110>方向と前記第二のシリコン単結晶基板の<011>方向が-15°~15°の角度範囲で結合されているものであり、前記結合基板の前記第一のシリコン単結晶基板の表面上に、前記窒化物半導体膜が形成されたものであることを特徴とする電子デバイス用基板である。
以下、図を用いて本発明について更に詳細に説明する。
図3に示したように、本発明の電子デバイス用基板20は、シリコン単結晶の結合基板10上に窒化物半導体膜21が形成されている。本発明の説明において、シリコン単結晶の結合基板10を単に「結合基板」とも称する。このとき、結合基板10は、結晶面方位が{111}である第一のシリコン単結晶基板11と、結晶面方位が{100}である第二のシリコン単結晶基板12が、酸化膜13を介して結合された基板である。さらに、第一のシリコン単結晶基板11は、<110>方向にノッチが形成されたものであり、第二のシリコン単結晶基板12は、<011>方向または<001>方向にノッチが形成されたものである。また、結合基板10は、第一のシリコン単結晶基板11の<110>方向と第二のシリコン単結晶基板12の<011>方向が-15°~15°の角度範囲で結合されている。
なお、本明細書では、通常のミラー指数の表記で数字の上に付ける線を、数字の前の「-」で代用する。すなわち、例えば、[1-10]という表記は、
Figure 2023081820000002
と同義である。
また、ミラー指数の表記については通常の通りである。すなわち、{}は等価な結晶面方位の総称を、()は結晶面方位の各方位を意味する。また、<>は等価な結晶軸方向の総称を示し、[]は結晶軸方向の各方向を意味する。
第一のシリコン単結晶基板11及び第二のシリコン単結晶基板12の結合の様子について、各基板の主表面側から見た図として、図1を参照して説明する。ここでは、第一のシリコン単結晶基板11として、結晶面方位が{111}であり、ノッチが[1-10]の位置にあるもの、第二のシリコン単結晶基板12として、結晶面方位が{100}であり、ノッチが[0-11]の位置にあるものを例として説明する。
図1では、第一のシリコン単結晶基板11の劈開面を点線で、第二のシリコン単結晶基板12の劈開面を破線で、それぞれ概略的に示している。図1に示すように、第一のシリコン単結晶基板11と第二のシリコン単結晶基板12を重ね合わせると、図中縦方向の劈開面がずれていることがわかる。図中横方向の劈開面は重なっているが、結合基板10全体では、図中縦方向の劈開面がずれていることによる効果により、結合基板10の基板強度が向上する。その結果、結合基板10の第一のシリコン単結晶基板11の表面上に形成された窒化物半導体膜21が存在していても、スリップ、割れ等の発生が抑制された破壊強度が高い電子デバイス用基板20とすることができる。
また、本発明の電子デバイス用基板20では、結晶面方位が{111}である第一のシリコン単結晶基板11の表面状に窒化物半導体膜21が形成されたものであるため、良好な窒化物半導体膜21が形成されたものとなる。
図2には、本発明ではない結合基板の例を示した。図2では、第一のシリコン単結晶基板として、結晶面方位が{111}であり、ノッチが[1-10]の位置にあるもの、第二のシリコン単結晶基板として、結晶面方位が{100}であり、ノッチが[001]の位置にあるものを例として説明する。この場合、第二のシリコン単結晶基板のノッチが形成された結晶軸方向が図1の場合と異なるが、その他は図1と同様である。図2からわかるように、第一のシリコン単結晶基板11と第二のシリコン単結晶基板12を重ね合わせると、劈開面が全て近い位置関係となっている。このような図2の場合でも結晶面方位がそれぞれ{111}と{100}という2枚のシリコン単結晶基板を接合するため、結合基板及び電子デバイス用基板の強度は高くなるが、本発明を示した図1の場合よりも強度は劣る。
本発明者らは、更に図1と図2の間の角度範囲で破断荷重及び曲げ強さを調べるため次のような実験を行った。
<110>方向にノッチが形成された結晶面方位が{111}のシリコン単結晶基板と、<011>方向にノッチが形成された結晶面方位が{100}のシリコン単結晶基板のノッチを一致させた状態即ち{111}のシリコン単結晶基板の<110>方向と{100}のシリコン単結晶基板の<011>方向の角度0°の状態から5°、10°、15°、20°、30°、40°、45°と角度をずらしてそれぞれの破断荷重を調査した。
この結合基板の強度測定では、図6に示すようにインストロン社製 精密万能試験機にて破断荷重及び曲げ強さを調査した。図6(b)は、鉛直方向上側から見た図6(a)を横から見た図である。
図6(a)、(b)に示すように、3本の支点治具J(圧着点の曲率半径Rは15mmである)を3本、結合基板の上下に配置した。結合基板において、{111}のシリコン単結晶基板のノッチ位置が強度的に弱いため、{111}のシリコン単結晶基板のノッチ位置Nが中央の支点治具Jの真下の位置となるように設置した(図6(a)、(b)参照)。曲げ強さの計算式は以下の通りである。
曲げ強さ=3PL/2WT (計算式)
P:破断荷重、
L=支点間距離(150mm)
W:幅300mm
T:厚さ1.55mm
調査したところ表1のような結果となった。
Figure 2023081820000003
このように{111}のシリコン単結晶基板の<110>方向と{100}のシリコン単結晶基板の<011>方向が-15°~15°(0°~15°と15°~0°とは結晶の対称性から同等)の角度範囲で結合された基板は破断荷重及び曲げ強さが大きくなっており基板強度が高いことが分かる。
本発明の電子デバイス用基板20では、上記のように基板強度が高いため、結合基板10(及び、電子デバイス用基板20)の直径を300mm以上の大直径のものとすることもできる。このような大直径の基板は、従来、基板強度が十分ではない場合があり、スリップ、割れ等の発生があったが、本発明ではこれらが抑制された破壊強度が高い電子デバイス用基板とすることができる。結合基板10(及び、電子デバイス用基板20)の直径の上限は特に限定されないが、例えば、450mm以下とすることができる。
結合基板10(及び、電子デバイス用基板20)の直径が300mm以上である場合、第一のシリコン単結晶基板11及び第二のシリコン単結晶基板12の直径も300mm以上である。第一のシリコン単結晶基板11及び第二のシリコン単結晶基板12のそれぞれの厚さは特に限定されないが、規格に応じたものを好適に用いることができる。特に、直径が300mmの場合、厚さは775μmのものとすることができる。このようなシリコン単結晶基板は通常のデバイス用基板として用いられており、安価であり、特に問題なく用いることができる。第一のシリコン単結晶基板11及び第二のシリコン単結晶基板12の厚さとしては、例えば、500μm~1500μmのものを用いることができる。
[電子デバイス用基板の製造方法]
以下、上記のような本発明の電子デバイス用基板20を製造する方法を、図4を参照して説明する。
まず、図4のS11に示したように、第一のシリコン単結晶基板11及び第二のシリコン単結晶基板12を準備する(工程S11)。このとき、第一のシリコン単結晶基板11として、結晶面方位が{111}であり、<110>方向にノッチが形成されたシリコン単結晶基板を準備する。また、第二のシリコン単結晶基板12として、結晶面方位が{100}であり、<011>方向または<001>方向にノッチが形成されたシリコン単結晶基板を準備する。このとき、準備する第一のシリコン単結晶基板及び前記第二のシリコン単結晶基板の直径を、300mm以上とすることができる。
なお、第一のシリコン単結晶基板11及び第二のシリコン単結晶基板12は貼り合わせて一枚のシリコン単結晶基板の結合基板20とするため、第一のシリコン単結晶基板11はボンドウェーハ、第二のシリコン単結晶基板12はベースウェーハと称することもできる。
第一のシリコン単結晶基板11及び第二のシリコン単結晶基板12のそれぞれの厚さは特に限定されないが、規格に応じたものを好適に用いることができる。また、第一のシリコン単結晶基板11及び第二のシリコン単結晶基板12のそれぞれの抵抗率や不純物濃度は適宜設定することができる。
次に、図4のS12に示したように、第一のシリコン単結晶基板11及び前記第二のシリコン単結晶基板12の少なくとも一方を熱酸化して表面に酸化膜を形成する(工程S12)。ここで形成する酸化膜は、両シリコン単結晶基板の結合後に、図3に示した酸化膜13となるものである。この酸化膜形成の手法は特に限定されないが、例えば、酸化熱処理を行って表面に100nm程度の厚さの酸化膜を形成することができる。酸化膜の厚さは特に限定されないが、例えば、10nm以上1000nm以下とすることができる。2枚のシリコン単結晶基板それぞれに酸化膜を形成してもよいし、いずれか一方のシリコン単結晶基板に酸化膜を形成するようにしてもよい。
次に、図4のS13に示したように、第一のシリコン単結晶基板11と第二のシリコン単結晶基板12を結合する(工程S13)。このとき、第一のシリコン単結晶基板11の<110>方向と第二のシリコン単結晶基板12の<011>方向が-15°~15°の角度範囲となるように、第一のシリコン単結晶基板11と第二のシリコン単結晶基板12を重ね合わせる。その際、工程S12で形成した酸化膜を介して両シリコン単結晶基板を重ね合わせる。この状態で熱処理を行うことで、第一のシリコン単結晶基板11と第二のシリコン単結晶基板12を結合し、結合基板10(図3参照)を作製する。
熱処理(結合熱処理)の条件(雰囲気、温度、時間等)は、第一のシリコン単結晶基板11と第二のシリコン単結晶基板12の結合ができれば特に限定されない。この結合熱処理の温度例えば、窒素雰囲気で400℃以上1200℃以下、1~12時間の結合熱処理とすることができる。
この結合熱処理後、後述の窒化物半導体膜のエピタキシャル成長の前に、結合基板10の表面の洗浄を行うことが好ましい。特に、結合基板10の表面(特に第一のシリコン単結晶基板11の表面)に生じた酸化膜をフッ酸スピン洗浄等により除去することが好ましい。
このようにして、第一のシリコン単結晶基板11と第二のシリコン単結晶基板12を結合し、結合基板10を作製した後、図4のS14に示したように、結合基板10の第一のシリコン単結晶基板11の表面上に、窒化物半導体膜21(図3参照)をエピタキシャル成長させる(工程S14)。窒化物半導体膜21としては、AlN層、GaN層及びAlGaN層等を成膜することができる。この窒化物半導体膜21は通常の方法で成膜することができる。また、適宜中間層(バッファ層)を形成してもよい。このようにして、図3に示した電子デバイス用基板20を製造することができる。
以下、実施例及び比較例を示し、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
(実施例)
図4に示した本発明の電子デバイス用基板の製造方法に沿って、図3に示した電子デバイス用基板20を製造した。
まず、第一のシリコン単結晶基板11として、両面ポリッシュした直径300mm、厚さ775μm、結晶面方位{111}、抵抗率5500Ωcmで[1-10]方向にノッチが形成されたシリコン単結晶基板、及び、第二のシリコン単結晶基板12として、両面ポリッシュした直径300mm、厚さ775μm、結晶面方位{100}、抵抗率10Ωcmで[0-11]方向にノッチが形成されたシリコン単結晶基板を準備した(工程S11)。このような第二のシリコン単結晶基板12は、「0°ノッチ基板」と称されることがある。これらの第一のシリコン単結晶基板11及び第二のシリコン単結晶基板12は、それぞれ、図1に概念図として示したような劈開面を有する。
これら準備した2枚のシリコン単結晶基板に酸化熱処理を行い、それぞれ厚さ100nmの酸化膜を形成した(工程S12)。
次に、2枚のシリコン単結晶基板のノッチ位置を合わせて貼り合せ、窒素雰囲気で500℃の結合熱処理を行い(図5参照)、結合基板10を作製した(工程S13)。その後、結合基板10に対してフッ酸スピン洗浄し表面の酸化膜を除去した。
次に、結合基板10の第一のシリコン単結晶基板11の表面上に、窒化物半導体膜21としてAlN層150nm、AlGaN層160nm、GaN層とAlN層を交互に50組積層した超格子構造、GaN層1000nm、AlGaN層20nm、GaN層3nmを総膜厚1.8μmエピタキシャル成長させた(工程S14)。
その結果、割れ、スリップの発生がなく、GaNを形成することができた。このようにして、電子デバイス用基板20を製造した。
(比較例)
以下のように、第二のシリコン単結晶基板として、ノッチが形成された結晶軸方向が実施例のものと異なるものを用いた他は、実施例と同様にして電子デバイス用基板を製造した。
まず、第一のシリコン単結晶基板として、両面ポリッシュした直径300mm、厚さ775μm、結晶面方位{111}、抵抗率5500Ωcmで[1-10]方向にノッチが形成されたシリコン単結晶基板、及び、第二のシリコン単結晶基板12として、両面ポリッシュした直径300mm、厚さ775μm、結晶面方位{100}、抵抗率21Ωcmで[001]方向にノッチが形成されたシリコン単結晶基板を準備した。このような第二のシリコン単結晶基板は、「45°ノッチ基板」と称されることがある。これらの第一のシリコン単結晶基板及び第二のシリコン単結晶基板は、それぞれ、図2に概念図として示したような劈開面を有する。
これら準備した2枚のシリコン単結晶基板に酸化熱処理を行い、それぞれ厚さ100nmの酸化膜を形成した。
次に、2枚のシリコン単結晶基板のノッチ位置を合わせて貼り合せ、窒素雰囲気で500℃の結合熱処理を行い(図5参照)、結合基板を作製した。なお、この熱処理工程は図5に示したように、実施例における結合熱処理工程と同時に行った。その後、結合基板10に対してフッ酸スピン洗浄し表面の酸化膜を除去した。
次に、結合基板の第一のシリコン単結晶基板の表面上に、窒化物半導体膜としてGaN膜を、実施例と同じ条件でエピタキシャル成長させた。
その結果、GaNを形成することができたが、ノッチ部にスリップが発生した。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
10…シリコン単結晶の結合基板、
11…第一のシリコン単結晶基板、
12…第二のシリコン単結晶基板、
13…酸化膜、
20…電子デバイス用基板、
21…窒化物半導体膜。

Claims (4)

  1. シリコン単結晶の結合基板上に窒化物半導体膜が形成された電子デバイス用基板であって、
    前記結合基板は、結晶面方位が{111}である第一のシリコン単結晶基板と、結晶面方位が{100}である第二のシリコン単結晶基板が、酸化膜を介して結合された基板であり、
    前記第一のシリコン単結晶基板は、<110>方向にノッチが形成されたものであり、
    前記第二のシリコン単結晶基板は<011>方向または<001>方向にノッチが形成されたものであり、
    前記第一のシリコン単結晶基板の<110>方向と前記第二のシリコン単結晶基板の<011>方向が-15°~15°の角度範囲で結合されているものであり、
    前記結合基板の前記第一のシリコン単結晶基板の表面上に、前記窒化物半導体膜が形成されたものであることを特徴とする電子デバイス用基板。
  2. 前記結合基板の直径が300mm以上であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス用基板。
  3. シリコン単結晶の結合基板上に窒化物半導体膜を形成する電子デバイス用基板の製造方法であって、
    <110>方向にノッチが形成された、結晶面方位が{111}である第一のシリコン単結晶基板、及び、<011>方向または<001>方向にノッチが形成された、結晶面方位が{100}である第二のシリコン単結晶基板を準備する工程と、
    前記第一のシリコン単結晶基板及び前記第二のシリコン単結晶基板の少なくとも一方を熱酸化して表面に酸化膜を形成する工程と、
    前記第一のシリコン単結晶基板の<110>方向と前記第二のシリコン単結晶基板の<011>方向が-15°~15°の角度範囲となるように、前記酸化膜を介して重ね合わせて、熱処理を行うことで、前記第一のシリコン単結晶基板と前記第二のシリコン単結晶基板を結合し、前記結合基板を作製する工程と、
    前記結合基板の前記第一のシリコン単結晶基板の表面上に、前記窒化物半導体膜をエピタキシャル成長させる工程と、
    を有することを特徴とする電子デバイス用基板の製造方法。
  4. 前記準備する第一のシリコン単結晶基板及び前記第二のシリコン単結晶基板の直径を、300mm以上とすることを特徴とする請求項3に記載の電子デバイス用基板の製造方法。
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