JP2023081669A - ドウ加熱食品の香味を改良する剤、発酵臭、蒸れ臭および/またはイースト臭を抑制する剤ならびにそれらを用いるドウおよびドウ加熱食品の製造方法 - Google Patents

ドウ加熱食品の香味を改良する剤、発酵臭、蒸れ臭および/またはイースト臭を抑制する剤ならびにそれらを用いるドウおよびドウ加熱食品の製造方法 Download PDF

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Shinobu Yasui
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Abstract

【課題】 ドウ加熱食品の香味を改良する技術やドウ加熱食品の蒸れ臭、酸味、発酵臭および/またはイースト臭を抑制できる技術であって汎用性が高い技術を提供する。【解決手段】 下記(ア)~(オ)から選択されるいずれか1以上の糖アルコールを有効成分とする、ドウ加熱食品の香味改良剤;(ア)ソルビトール、(イ)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴、(ウ)糖組成が、単糖が30質量%未満かつ五糖以上が50質量%未満の還元水飴、(エ)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴、(オ)デキストロース当量が10以上100未満の水飴を還元してなる、還元水飴。【選択図】 図1

Description

本発明は、所定の糖アルコールを有効成分とする、ドウ加熱食品の香味を改良する剤、発酵臭、蒸れ臭および/またはイースト臭を抑制する剤ならびにそれらを用いるドウおよびドウ加熱食品の製造方法に関する。
ドウ(dough)とは、穀物や豆などから得られる澱粉を主体とする食材に、水および必要に応じて他の材料(副材料)を配合してなる食品生地のうち、水分含有量が比較的少なく、流動性に乏しい固いものを指す。ドウは、焼く、蒸す、揚げる、茹でるなどの加熱調理を経て、ドウ加熱食品として食用に供される。その具体例としては、パンやドーナツ、パイ、麺、餃子やシュウマイ、春巻きなどの皮、饅頭の皮、団子、クッキーや煎餅などの焼き菓子の生地が挙げられる。
ドウ加熱食品は多くの場合、袋などに包装された状態で流通する。包装状態で数時間~数日を経たドウ加熱食品は、包装を開けた際に、蒸れたような、こもったような臭い(蒸れ臭)を呈することがあり、商品価値を損ねるものとして問題となっている。
また、ドウ加熱食品では、酸味が問題となることがある。酸味は、酸味を有する原料や添加物の配合や、過発酵などの製造過程に由来して発生しうる。酸味は食品の風味を構成するものでもあるが、過剰な酸味や意図しない酸味は、食味に悪影響を与える。
また、ドウ加熱食品の中には、パンやドーナツ、クラッカー、酒まんじゅう、中華まんなど、イーストやコウジといった微生物による発酵工程を経て製造されるものが多数ある。これら食品においては、発酵臭が問題となることがある。発酵臭とは、一般に、アルコールやエステル等の発酵産物の臭いを指す。発酵産物のにおいは当該食品に好ましい風味を付与する場合もあるが、過剰あるいは意図しない発酵臭は、商品価値を損ねるものとなる。係る発酵臭は、過発酵や焼成不足など、製造工程に由来して発生することが多い。
さらに、発酵工程を経るドウ加熱食品のうちでも、パンに代表される、イースト発酵を経るものにおいては、イースト臭が問題となることがある。イースト臭とは、イースト(酵母)の臭いをいい、酵母の配合過多、発酵不足による不活性酵母の残留など、配合と製造工程との双方に由来して発生しうる。イースト臭は、一般的には好まれない臭いであるため、商品価値を損ねてしまう。
例えば、パンの製品群のひとつに、白く柔らかく仕上げた、いわゆる「白パン(白焼きパン)」がある。これは、焼き色がつかないよう比較的低温で焼成されるため、発酵産物がパン中に残留しやすく、発酵臭を呈することがある。また、香ばしさが付与されない分、イースト臭や蒸れ臭、酸味も、強く感じられることがある。中種法で製造されることが多い角食パンも、発酵時間が長いため発酵臭を呈することがある。
そこで、ドウ加熱食品のにおいや味(香味)を改良する技術が求められており、例えば、特許文献1には、特定の酵母を用いてベーカリー製品のイースト臭をマスキングする技術が開示されている。
特表第2014-507956号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術では特定の酵母を用いる必要があり、様々なドウ加熱食品に適用しうる汎用性に欠ける。すなわち、ドウ加熱食品の香味を改良することができる技術であって汎用性が高い技術、ドウ加熱食品の蒸れ臭や酸味、発酵臭、イースト臭を抑制できる技術であって汎用性が高い技術は、十分に供給されている状況とはいえない。本発明は、係る課題を解決するためになされたものであって、ドウ加熱食品の香味を改良する技術やドウ加熱食品の蒸れ臭、酸味、発酵臭および/またはイースト臭を抑制できる技術であって汎用性が高い技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究の結果、(ア)ソルビトール、(イ)単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下の糖組成の還元水飴、(ウ)単糖が30質量%未満かつ五糖以上が50質量%未満の糖組成の還元水飴、(エ)五糖以上が50質量%以上の糖組成の還元水飴、ならびに(オ)デキストロース当量が10以上100未満の水飴を還元してなる還元水飴が、ドウ加熱食品の香味を改良し、蒸れ臭、酸味発酵臭および/またはイースト臭を抑制できることを見出した。そこで、これらの知見に基づいて下記の各発明を完成した。
(1)本発明に係るドウ加熱食品の香味改良剤は、下記(ア)~(オ)から選択されるいずれか1以上の糖アルコールを有効成分とする;
(ア)ソルビトール、
(イ)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴、
(ウ)糖組成が、単糖が30質量%未満かつ五糖以上が50質量%未満の還元水飴、
(エ)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴、
(オ)デキストロース当量が10以上100未満の水飴を還元してなる、還元水飴。
(2)本発明に係るドウ加熱食品の蒸れ臭、酸味および/または発酵臭を抑制する剤は、下記(ア)~(オ)から選択されるいずれか1以上の糖アルコールを有効成分とする;
(ア)ソルビトール、
(イ)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴、
(ウ)糖組成が、単糖が30質量%未満かつ五糖以上が50質量%未満の還元水飴、
(エ)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴、
(オ)デキストロース当量が10以上100未満の水飴を還元してなる、還元水飴。
(3)本発明に係るドウ加熱食品のイースト臭を抑制する剤は、下記(ア)、(イ)、(エ)および(カ)からなる群から選択されるいずれか1以上の糖アルコールを有効成分とする;
(ア)ソルビトール、
(イ)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴、
(エ)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴、
(カ)デキストロース当量が10以上35以下または55超100未満の水飴を還元してなる、還元水飴。
(4)本発明において、糖アルコールは、ドウ中に0.38質量%超、または、穀粉100重量部に対して0.7重量部超の割合でドウに配合して用いられるものであってもよい。
(5)本発明に係るドウの製造方法は、ドウを組成する材料に、本発明に係る剤を混合する工程を有する。
(6)本発明に係るドウ加熱食品の製造方法は、本発明に係る剤を含むドウを加熱する工程を有する。
本発明によれば、ドウ加熱食品の香味を改良することができる。また、本発明によれば、ドウ加熱食品の蒸れ臭や酸味、発酵臭あるいはイースト臭を抑制することができる。本発明によれば、特定の糖アルコールを材料として配合するという、簡便で汎用性の高い手法により、香味が改良された、あるいは、蒸れ臭や酸味、発酵臭もしくはイースト臭が抑制された、美味しいドウ加熱食品を製造することができる。
糖アルコールを配合しない白パン(試料1)および各種の糖アルコールを配合した白パン(試料2~5)について官能試験を行った結果を示す図である。(I)は各評価項目の評価点(各パネルの採点結果の平均値)を示す表、(II)は評価点を棒グラフに表したもの、(III)は各パネルの採点結果を示す表である。 糖アルコールを配合しない白パン(試料1)および高糖化還元水飴を小麦粉100重量部に対して0.7~3.5重量部(パン生地中に0.38~1.92質量%)配合した白パン(試料2~6)について、官能試験を行った結果を示す図である。(I)は各評価項目の評価点(各パネルの採点結果の平均値)を示す表、(II)は評価点を棒グラフに表したもの、(III)は各パネルの採点結果を示す表である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、以下(a)~(e)の剤を提供する。本発明においては、(a)~(e)をまとめて、またはこれらのうちのいずれかを指して「本発明に係る剤」あるいは「本剤」という場合がある。
(a)ドウ加熱食品の香味を改良する剤
(b)ドウ加熱食品の蒸れ臭を抑制する剤
(c)ドウ加熱食品の酸味を抑制する剤
(d)ドウ加熱食品の発酵臭を抑制する剤
(e)ドウ加熱食品のイースト臭を抑制する剤
「ドウ」は、上述のとおり、澱粉を主体とする食材に、水または水と副材料とを配合してなる食品生地のうち、水分含有量が比較的少なく、流動性に乏しい固いものを指す。本発明においては、ドウを単に「生地」や「食品生地」という場合もある。
「ドウ加熱食品」は、ドウを加熱して製造される食品をいう。ドウの加熱手法としては、例えば、焼く(焼成)、蒸す(蒸製)、揚げる(油調)、茹でるなどを例示することができるが、これらに限られず、ドウを食用可能とし、あるいは食味をよくするための任意の加熱手法を用いることができる。
ドウ加熱食品は、上述のとおり、発酵工程を経て製造されるものと、発酵工程を経ないものとに分けることができる。発酵は、ドウを膨らませたり、好ましい味や香り、食感を付与したり、あるいは日持ちを良くするために行われる工程であり、前者の食品としては、パンやドーナツ、パイ、酒まんじゅう、かりんとうなどを例示することができる。後者の食品としては、麺、餃子やシュウマイ、春巻きなどの皮、饅頭の皮、団子、クッキーや煎餅などの焼き菓子、クレープ、パンケーキ、ホットケーキ、スポンジケーキ、トルティーヤ、蒸しパンなどを例示することができる。
なお、ドウの発酵に用いられる微生物としては、酵母(イースト、Saccharomyces cerevisiae )のほか、コウジ(アスペルギルス属)、乳酸菌(Lactobucillus brevis、L. plantarum、L. sanfranciscensisなど)などを例示することができる。また、非特定の複数種の微生物を含む発酵種(例えばサワー種、ルヴァン、酒種、パネトーネ種、果実種、ホップス種、ヨーグルト種など)も、従来からドウの発酵に用いられている。
「香味」とは、食品のにおいや味をいう。「香味を改良する」とは、当該食品のにおいおよび/または味をよくすること、あるいは、好ましくない臭い(例えば、蒸れ臭、酸味、発酵臭、イースト臭など)や好ましくない味(例えば、酸味など)を低減することをいう。
「蒸れ臭」とは、食品の蒸れたような、こもったような、重い臭いや、原材料の穀物粉が湿った時にも感じられる不快な臭いをいう。蒸れ臭は、通気性の低い資材を用いた袋や容器などでドウ加熱食品を包装した場合、あるいは包装して一定程度の時間が経過した場合に生じやすく、特に、気温の高い時期には強く感じられることがある。また、パンでは、ストレート製法と比較して中種製法で製造した際に発生しやすいと言われている。
「酸味」とは、食品の酸っぱい味をいう。ドウ加熱食品において、酸味は、酸味を有する原料や添加物の配合、あるいは、過発酵などの製造工程に由来して発生しうる。酸味を呈する原料としては、例えば、ライ麦や各種発酵種(サワー種、ルヴァン、酒種、パネトーネ種、果実種、ホップス種、ヨーグルト種)、酢、レモン等の柑橘類の果汁などを例示することができる。また、酸味を呈する添加物としては、例えば、保存料、日持ち向上剤、pH調整剤、酸味料など(物質名:プロピオン酸Na、プロピオン酸Ca、L-酒石酸、酢酸ナトリウム、グルコン酸ナトリウム、アジピン酸など)を例示することができる。
「発酵臭」とは、発酵によって生じる物質(発酵産物)の臭いをいう。発酵産物のにおいは、一般に、数多くの物質によって構成されている。例えば、パンであれば、発酵産物のにおいの構成物質として、アルコール、アセトアルデヒド、イソアルコール、フルフラール、酸類、ケトン、ジアセチル、エステル、イソアルデヒド、n-プロピルアルコール、i-ブチルアルコール、iso,d-アミルアルコール、γ-ブチルラクトン、β-フェネチルエタノール、2,5-フランジアルデヒドなどが挙げられる(製パン技術資料No.726、発行所 社団法人日本パン技術研究所、発行編集人 井上好文、第1~24頁、平成22年7月発行)。発酵産物のにおいは当該食品に好ましい風味を付与する場合もあるが、過剰あるいは意図しない発酵臭は、消費者に不快感を与えるため、商品価値を損ねる。
「イースト臭」とは、酵母の臭いをいう。酵母は、一般に、鼻につく不快な臭いを呈する。イースト臭は、イースト臭の強い酵母種を使用した場合、発酵時間が短い場合、発酵温度が高すぎる場合、酵母の配合過多の場合など、配合と製造工程との双方に由来して発生することが知られている。
蒸れ臭、発酵臭、イースト臭または酸味を抑制するとは、当該臭いあるいは酸味を弱くする(少なくする)ことをいう。
本剤の効果は、例えば、本剤を配合したドウ加熱食品Aと、本剤を配合しないドウ加熱食品Bとについて、「蒸れ臭」、「酸味」、「発酵臭」および/または「イースト臭」を評価項目とした官能試験を行い、その結果を比較することにより確認できる。それにより、食品Aの方が食品Bよりも「蒸れ臭」、「酸味」、「発酵臭」および/または「イースト臭」が弱い、との比較結果が得られれば、本剤により「香味が改良された」あるいは「蒸れ臭が抑制された」、「酸味が抑制された」、「発酵臭が抑制された」、「イースト臭が抑制された」と判断することができる。
(a)~(d)の剤は、いずれも下記(ア)~(オ)から選択されるいずれか1以上の糖アルコールを有効成分とする。(e)の剤は、下記(ア)、(イ)、(エ)および(カ)からなる群から選択されるいずれか1以上の糖アルコールを有効成分とする。
(ア)ソルビトール。
(イ)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴(高糖化還元水飴)。
(ウ)糖組成が、単糖が30質量%未満かつ五糖以上が50質量%未満の還元水飴(中糖化還元水飴)。
(エ)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴(低糖化還元水飴)。
(オ)デキストロース当量が10以上100未満の水飴を還元してなる、還元水飴(高~低糖化還元水飴)。
(カ)デキストロース当量が10以上35以下の水飴を還元してなる、還元水飴(低糖化還元水飴)、または、デキストロース当量が55超100未満の水飴を還元してなる、還元水飴(高糖化還元水飴)。
(ア)のソルビトールは、ナナカマドの実やリンゴ、プルーンなどにも元来含まれている、六炭糖の単糖アルコールであり、グルコースの還元体である。
還元水飴は、水飴を還元して得られる糖アルコールである。ここで、水飴は、デンプンを酸や酵素などで糖化して得られる物質であり、単糖(ブドウ糖)および多糖(オリゴ糖やデキストリンなど)の混合物である。よって、還元水飴もまた、単糖の糖アルコールおよび多糖(二糖、三糖、四糖または五糖以上)の糖アルコールのうち、2種以上の糖アルコールを含む混合物である。還元水飴は、糖化の程度により高糖化還元水飴、中糖化還元水飴および低糖化還元水飴に分けられる場合がある。
高糖化還元水飴の糖組成として、具体的には、(ア)単糖を30~50質量%、二糖を20~55質量%および三糖以上を40質量%以下含有する糖組成、あるいは、(キ)単糖を37~50質量%、二糖を26~55質量%、三糖を1~21質量%、四糖を0~10質量%および五糖以上を0~8質量%含有する糖組成を例示することができる。
中糖化還元水飴の糖組成として、具体的には、(イ)単糖を30質量%未満および五糖以上を50質量%未満含有する糖組成、あるいは、(ク)単糖を2~10質量%、二糖を15~55質量%、三糖を15~65質量%、四糖を1~15質量%および五糖以上を1~38質量%含有する糖組成を例示することができる。
低糖化還元水飴の糖組成として、具体的には、(ウ)五糖以上を50質量%以上含有する糖組成、あるいは、(ケ)単糖を1~10質量%、二糖を6~21質量%、三糖を7~23質量%、四糖を5~13質量%および五糖以上を50~82質量%含有する糖組成を例示することができる。
なお、本発明において、糖組成とは、糖の総質量に占める各糖の質量割合を百分率で示すものをいう。すなわち、糖の総質量を100とした場合の、各糖の質量百分率である。
糖組成は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を用いて確認することができる。すなわち、還元水飴を試料としてHPLCに供してクロマトグラムを得る。当該クロマトグラムにおいて、全ピークの面積の総和が「糖の総質量」に、各ピークの面積が「各糖の質量」に相当する。よって、試料における各糖の質量百分率は、検出された全ピークの面積の総和に対する各ピークの面積の割合として算出することができる。HPLCの条件は、定法に従って適宜設定することができるが、下記条件を例示することができる。
《HPLCの条件》
カラム;MCI GEL CK04S(10mm ID x 200mm)
溶離液;高純水
流速;0.4mL/分
注入量;20μL
カラム温度;65℃
検出;示差屈折率検出器RI-10A(島津製作所)
還元水飴は、水飴を還元して製造することから、還元水飴の糖化の程度は、水飴の糖化の程度に準じる。すなわち、原料水飴の糖化の程度が高いほど還元水飴の糖化の程度が高く、原料水飴の糖化の程度が低いほど還元水飴の糖化の程度は低い。水飴の糖化の程度の指標は、一般に、デキストロース当量(Dextrose Equivalent値;DE)が用いられる。DEは、試料中の還元糖をブドウ糖として測定したときの、当該還元糖の全固形分に対する割合(百分率)である。DEの最大値は100で、固形分の全てがブドウ糖であることを意味し、DEが小さくなるほど少糖類や多糖類が多いことを意味する。
すなわち、高糖化還元水飴の原料水飴のDEとしては、55超、60以上、65以上、70以上、100未満または(カ)55超100未満を例示することができる。
また、中糖化還元水飴の原料水飴のDEとしては、35超、37以上、48以下、50以下、55以下を例示することができる。
また、低糖化還元水飴の原料水飴のDEとしては、10以上、12以上、14以上、30以下、32以下、35以下または(カ)10以上35以下を例示することができる。
また、低糖化~高糖化還元水飴の原料水飴のDEとしては、(オ)10以上100未満を例示することができる。
なお、水飴のDEは、下記の方法により測定することができる。
《DEの測定方法》
試料2.5gを正確に量り、水で溶かして200mLとする。この液10mLを量り、1/25mol/L ヨウ素溶液(注1)10mLと1/25mol/L 水酸化ナトリウム溶液(注2)15mLを加えて20分間暗所に放置する。次に、2mol/L塩酸(注3)を5mL加えて混和した後、1/25mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液(注4)で滴定する。滴定の終点近くで液が微黄色になったら、デンプン指示薬(注5)2滴を加えて滴定を継続し、液の色が消失した時点を滴定の終点とする。水を用いてブランク値を求め、次式1によりDEを求める。
(注1)1/25mol/L ヨウ素溶液:ヨウ化カリウム20.4gとヨウ素10.2gを2Lのメスフラスコに入れ、少量の水で溶解後、標線まで水を加える。
(注2)1/25mol/L 水酸化ナトリウム溶液:水酸化ナトリウム3.2gを2Lのメスフラスコに入れ、少量の水で溶解後、標線まで水を加える。
(注3)2mol/L 塩酸:水750mLに塩酸150mLをかき混ぜながら徐々に加える。
(注4)1/25mol/L チオ硫酸ナトリウム溶液:チオ硫酸ナトリウム20gを2Lのメスフラスコに入れ、少量の水で溶解後、標線まで水を加える。
(注5)デンプン指示薬:可溶性デンプン5gを水500mLに溶解し、これに塩化ナトリウム100gを溶解する。
Figure 2023081669000002
本発明において、糖アルコールは、市販されているものをそのまま用いてもよく、当業者に公知の方法に従って製造して用いてもよい。糖アルコールの公知の製造方法としては、原料糖(ソルビトールの場合はグルコース、還元水飴の場合は水飴)に水素を添加する還元反応を挙げることができる。
水素添加による還元反応は、例えば、40~75質量%の原料糖水溶液を、還元触媒と併せて高圧反応器中に仕込み、反応器中の水素圧を4.9~19.6MPa、反応液温を70~180℃として、混合攪拌しながら、水素の吸収が認められなくなるまで反応を行なえばよい。その後、還元触媒を分離し、イオン交換樹脂処理、必要であれば活性炭処理等で脱色脱塩した後、所定の濃度まで濃縮すれば、高濃度の糖アルコールを作ることができる。
本発明において、糖アルコールは、ドウを組成する材料に混合して用いる。糖アルコールを添加するタイミングとしては、ドウを組成する各種材料を混合する段階を例示することができる。例えば、ドウがパン生地であれば、混捏開始時や混捏途中に添加すればよい。
糖アルコールの添加量は、ドウの種類、ドウ加熱食品の種類、所望の味や食感、副材料の有無・種類・量などに応じて適宜設定することができる。糖アルコールの配合量を具体的に例示すれば、酸味またはイースト臭を抑制するためには、例えば、穀粉100重量部に対して糖アルコール(固形分)が0.5重量部以上、0.55重量部以上、0.6重量部以上、0.65重量部以上もしくは0.7重量部以上、または、ドウの総量(100質量%)に占める質量百分率で、0.2%以上、0.25%以上、0.3%以上、0.35%以上もしくは0.38/%以上を挙げることができる。
また、糖アルコールの配合量は、蒸れ臭または発酵臭を抑制するためには、例えば、穀粉100重量部に対して糖アルコール(固形分)が0.7重量部超、0.8重量部以上、0.9重量部以上、1.0重量部以上、1.1重量部以上、1.2重量部以上、1.3重量部以上もしくは1.4重量部以上、または、ドウの総量(100質量%)に占める質量百分率で、0.38%超、0.4%以上、0.45%以上、0.5%以上もしくは0.55/%以上、0.6%以上、0.65%以上、0.7%以上、0.75%以上もしくは0.77/%以上を例示することができる。
本発明において、穀粉は、粉粒状の穀物およびそれに準ずる澱粉を主体とする粉粒状の食材をいう。具体的には、例えば、小麦粉、米粉、大麦粉、ライ麦粉、トウモロコシ粉、ジャガイモ粉、テフ粉、ひえ粉、きな粉、大豆粉、ヒヨコ豆粉、エンドウ豆粉、緑豆粉、そば粉、アマランサス粉、片栗粉、くず粉、タピオカ粉、栗粉、どんぐり粉などを例示することができる。
ドウは、水および澱粉を主体とする食材に、糖アルコールおよび必要に応じて副材料を加え混合ないし混捏して作られる。また、ドウ加熱食品は、係るドウを加熱してつくられる。ドウに配合される副材料としては、例えば、微生物やベーキングパウダーなどのガス発生剤、油脂、甘味料や食塩などの調味料、乳製品、卵、グルテン、各種の食品添加物(生地改良剤など)、チョコレートやドライフルーツ、ナッツ類などを例示することができる。
本発明に係るドウの製造方法またはドウ加熱食品の製造方法は、本発明の特徴を損なわない限り他の工程を含むものであってもよい。係る工程としては、例えば、材料の粉砕工程、混合工程、混捏工程、発酵工程、調味工程、成型工程、冷却工程、包装工程などを例示することができる。
以下、本発明について、各実施例に基づいて説明する。なお、本発明の技術的範囲は、これらの実施例によって示される特徴に限定されない。
<試験方法>
(1)糖アルコール
糖アルコールは、表1に示す市販品を用いた。
Figure 2023081669000003
(2)白パンの製造
下記[1]~[10]に示す手順により、中種法で白パンを製造して保管した。
[1]中種混合:中種の材料をミキサー(愛工舎製作所)に入れ、低速で3分、その後中速で3分、混捏することにより中種生地を作製した。
[2]中種発酵:中種生地を27℃、湿度80%で2時間置くことにより発酵させた。
[3]本捏:発酵後の中種生地および本捏の材料(ショートニングを除く)をミキサー(愛工舎製作所)に入れ、低速で3分、中速で3分、続いて高速で2分混捏し、ショートニングを投入した後低速で2分、中速で3分、続いて高速で2分混捏することにより本捏生地を作製した。
[4]一次発酵:本捏生地を27℃、湿度75%で30分置くことにより発酵させた。
[5]分割:一次発酵後の生地を1玉60gに分割し、丸めた。
[6]ベンチタイム:丸めた生地を室温で18分置いて休ませた。
[7]成型:休ませた生地をモルダー(コトブキベーキングマシン)に通し、コッペパン型に成型した。
[8]最終発酵:成型後の生地を35℃、湿度80%で50分置くことにより発酵させた。
[9]焼成:発酵後の生地を下火190℃、上火160℃で13分焼成した。
[10]保管:焼成後のパンを常温で30分放冷した後、ビニール袋に入れて常温で保管した。
<実施例1>糖アルコールの種類の検討
試験方法(2)に記載の方法により試料1~5の白パンを製造した。その配合(単位は重量部)を表2に示す。試料1は、糖アルコールを配合しない比較試料である。試料2~5は、比較試料における砂糖の一部(小麦粉100重量部に対して、固形分で5重量部に相当する量、パン生地中の2.74質量%)を各種糖アルコールに置換して配合した試料である。
Figure 2023081669000004
焼成から2日経過した後に、白パンを喫食して官能評価を行った。官能評価のパネルは、製パン試験への従事経験があり製品評価能に優れた4名(甲~丁:2日後)とした。評価項目は「発酵臭」、「蒸れ臭」、「イースト臭」および「酸味」の4項目とし、試料1(比較試料:糖アルコールの配合無し)を3点として、下記の採点基準により1~5点の間で0.5点刻みで各パネルが採点した。評価項目はいずれもパンにとって好ましくない臭いや味であるため、評点が小さいほど好ましいといえる。その結果を図1に示す。
《採点基準》
発酵臭:点数が大きいほど発酵臭が強く、点数が小さいほど発酵臭が弱い。
蒸れ臭:点数が大きいほど蒸れ臭が強く、点数が小さいほどムレ臭が弱い。
イースト臭:点数が大きいほどイースト臭が強く、点数が小さいほどイースト臭が弱い。
酸味:点数が大きいほど酸味が強く、点数が小さいほど酸味が弱い。
図1に示すように、「発酵臭」は、試料2(ソルビトールを配合)、試料3(高糖化還元水飴を配合)、試料4(中糖化還元水飴を配合)および試料5(低糖化還元水飴を配合)で、試料1(糖アルコール無し)よりも評点が小さかった。特に、試料2および試料3で評点が顕著に小さかった。すなわち、ソルビトール、高糖化還元水飴、中糖化還元水飴または低糖化還元水飴を配合した白パンは、糖アルコールを配合していないものよりも発酵臭が弱く、そのうちでもソルビトールまたは高糖化還元水飴を配合したもので顕著に発酵臭が弱かった。この結果から、ソルビトール、高糖化還元水飴、中糖化還元水飴および低糖化還元水飴は、ドウ加熱食品の発酵臭を抑制できることが明らかになった。
次に、「イースト臭」は、試料2(ソルビトールを配合)、試料3(高糖化還元水飴を配合)および試料5(低糖化還元水飴を配合)で、試料1(糖アルコール無し)よりも評点が小さかった。特に、試料2および試料3で評点が顕著に小さかった。すなわち、ソルビトール、高糖化還元水飴または低糖化還元水飴を配合した白パンは、糖アルコールを配合していないものよりもイースト臭が弱く、そのうちでもソルビトールまたは高糖化還元水飴を配合したもので顕著にイースト臭が弱かった。この結果から、ソルビトール、高糖化還元水飴および低糖化還元水飴は、ドウ加熱食品のイースト臭を抑制できることが明らかになった。
次に、「蒸れ臭」は、試料2(ソルビトールを配合)、試料3(高糖化還元水飴を配合)、試料4(中糖化還元水飴を配合)および試料5(低糖化還元水飴を配合)で、試料1(糖アルコール無し)よりも評点が小さかった。特に、試料3で評点が顕著に小さかった。すなわち、ソルビトール、高糖化還元水飴、中糖化還元水飴または低糖化還元水飴を配合した白パンは、糖アルコールを配合していないものよりも蒸れ臭が弱く、そのうちでも高糖化還元水飴を配合したもので顕著に蒸れ臭が弱かった。この結果から、ソルビトール、高糖化還元水飴、中糖化還元水飴および低糖化還元水飴は、ドウ加熱食品の蒸れ臭を抑制できることが明らかになった。
最後に、「酸味」は、試料2(ソルビトールを配合)、試料3(高糖化還元水飴を配合)、試料4(中糖化還元水飴を配合)および試料5(低糖化還元水飴を配合)で、試料1(糖アルコール無し)よりも評点が小さかった。特に、試料2、試料3および試料4で評点が顕著に小さかった。すなわち、ソルビトール、高糖化還元水飴、中糖化還元水飴または低糖化還元水飴を配合した白パンは、糖アルコールを配合していないものよりも酸味が弱く、そのうちでもソルビトール、高糖化還元水飴または中糖化還元水飴を配合したもので顕著に酸味が弱かった。この結果から、ソルビトール、高糖化還元水飴、中糖化還元水飴および低糖化還元水飴は、ドウ加熱食品の酸味を抑制できることが明らかになった。
<実施例2>配合割合の検討
試験方法(2)に記載の方法により試料1~6の白パンを製造した。中種の配合は表2に示すとおりとし、本捏生地の配合は表3に示すとおりとした(単位は重量部)。試料1は、糖アルコールを配合しない比較試料である。試料2~6は、比較試料における砂糖の一部(小麦粉100重量部に対して、固形分で0.7~3.5重量部に相当する量、パン生地中の0.38~1.92質量%)を高糖化還元水飴に置換して配合した試料である。焼成から2日経過後に、実施例1に記載に方法により試料1~6の白パンを喫食して官能評価を行った。その結果を図2に示す。
Figure 2023081669000005
図2に示すように、「発酵臭」は、試料2(高糖化還元水飴を、小麦粉100重量部に対して0.7重量部、パン生地中に0.38質量%配合)で試料1(糖アルコール無し)と同等の評点であった一方で、試料3~6(高糖化還元水飴を、小麦粉100重量部に対して1.4~3.5重量部、パン生地中に0.77~1.92質量%配合)では試料1(糖アルコール無し)よりも評点が顕著に小さかった。すなわち、高糖化還元水飴を小麦粉100重量部に対して0.7重量部(パン生地中に0.38質量%)配合した白パンの発酵臭は、糖アルコールを配合していないものと同等であった一方で、1.4~3.5重量部(パン生地中に0.77~1.92質量%)配合した白パンでは発酵臭が顕著に弱かった。この結果から、ドウ加熱食品の発酵臭を抑制するためには、糖アルコールを、穀粉100重量部に対して0.7重量部超、あるいはドウ中に0.38質量%超、配合することが好ましいことが明らかになった。
次に、「イースト臭」は、試料2~6(高糖化還元水飴を、小麦粉100重量部に対して0.7~3.5重量部、パン生地中に0.38~1.92質量%配合)のいずれにおいても試料1(糖アルコール無し)よりも評点が顕著に小さかった。すなわち、高糖化還元水飴を小麦粉100重量部に対して0.7~3.5重量部(パン生地中に0.38~1.92質量%)配合した白パンは、いずれもイースト臭が顕著に弱かった。この結果から、糖アルコールはその配合量にかかわらず、ドウ加熱食品のイースト臭を抑制できることが明らかになった。
次に、「蒸れ臭」は、試料2(高糖化還元水飴を、小麦粉100重量部に対して0.7重量部、パン生地中に0.38質量%配合)で試料1(糖アルコール無し)と同等の評点であった一方で、試料3~6(高糖化還元水飴を、小麦粉100重量部に対して1.4~3.5重量部、パン生地中に0.77~1.92質量%配合)では試料1よりも評点が顕著に小さかった。すなわち、高糖化還元水飴を小麦粉100重量部に対して0.7重量部(パン生地中に0.38質量%)配合した白パンの蒸れ臭は、糖アルコールを配合していないものと同等であった一方で、1.4~3.5重量部(パン生地中に0.77~1.92質量%)配合した白パンでは蒸れ臭が顕著に弱かった。この結果から、ドウ加熱食品の蒸れ臭を抑制するためには、糖アルコールを、穀粉100重量部に対して0.7重量部超、あるいはドウ中に0.38質量%超、配合することが好ましいことが明らかになった。
最後に、「酸味」は、試料2~6(高糖化還元水飴を、小麦粉100重量部に対して0.7~3.5重量部、パン生地中に0.38~1.92質量%配合)のいずれにおいても試料1(糖アルコール無し)よりも評点が顕著に小さかった。すなわち、高糖化還元水飴を小麦粉100重量部に対して0.7~3.5重量部(パン生地中に0.38~1.92質量%)配合した白パンは、いずれも酸味が顕著に弱かった。この結果から、糖アルコールはその配合量にかかわらず、ドウ加熱食品の酸味を抑制できることが明らかになった。

Claims (6)

  1. 下記(ア)~(オ)から選択されるいずれか1以上の糖アルコールを有効成分とする、ドウ加熱食品の香味改良剤;
    (ア)ソルビトール、
    (イ)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴、
    (ウ)糖組成が、単糖が30質量%未満かつ五糖以上が50質量%未満の還元水飴、
    (エ)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴、
    (オ)デキストロース当量が10以上100未満の水飴を還元してなる、還元水飴。
  2. 下記(ア)~(オ)から選択されるいずれか1以上の糖アルコールを有効成分とする、ドウ加熱食品の蒸れ臭、酸味および/または発酵臭を抑制する剤;
    (ア)ソルビトール、
    (イ)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴、
    (ウ)糖組成が、単糖が30質量%未満かつ五糖以上が50質量%未満の還元水飴、
    (エ)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴、
    (オ)デキストロース当量が10以上100未満の水飴を還元してなる、還元水飴。
  3. 下記(ア)、(イ)、(エ)および(カ)からなる群から選択されるいずれか1以上の糖アルコールを有効成分とする、ドウ加熱食品のイースト臭を抑制する剤;
    (ア)ソルビトール、
    (イ)糖組成が、単糖が30~50質量%、二糖が20~55質量%および三糖以上が40質量%以下である、還元水飴、
    (エ)糖組成が、五糖以上が50質量%以上の還元水飴、
    (カ)デキストロース当量が10以上35以下または55超100未満の水飴を還元してなる、還元水飴。
  4. 前記糖アルコールの配合量が、ドウ中に0.38質量%超、または、穀粉100重量部に対して0.7重量部超で用いられることを特徴とする、請求項1から請求項3のいずれかに記載の剤。
  5. ドウを組成する材料に、請求項1~4のいずれかに記載の剤を混合する工程を有する、ドウの製造方法。
  6. 請求項1~4のいずれかに記載の剤を含むドウを加熱する工程を有する、ドウ加熱食品の製造方法。
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