JP2023081416A - 画像信号処理方法 - Google Patents

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祐樹 宮原
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Abstract

【課題】色ノイズの原因となりうる高周波成分を取り除くことでノイズを低減する画像信号処理方法を提供する【解決手段】画像信号処理方法は、補正対象となる1色の画像信号を決定する画像信号を決定し、前記補正対象以外の2色の画像信号の線形和を計算し、前記補正対象の画像信号から線形和を減算し、減算計算結果から低周波成分を抽出し、前記減算計算結果から前記低周波抽出部を通過した画像信号を減算する第2減算と、前記3色の画像信号から色差を計算し、前記色差から関数に基づいて第1係数を決定し、前記第2減算の計算結果に前記色差関数部にて決定した前記第1係数を乗算し、前記乗算結果と任意のパラメータとを比較し、結果と前記パラメータとのいずれかを選択し、選択結果を前記補正対象の画像信号から減算し、減算結果を前記補正対象の画像信号に対する補正後の画像信号とする。【選択図】図2

Description

本発明は、色ノイズ低減する画像信号処理方法に関するものである。
近年、画像データにおいて色に関するノイズである色ノイズを低減するための画像信号処理方法が提言されている。
色ノイズとは、画像データに本来存在しないはずの色情報が、何らかの理由で含まれることで発生するノイズである。
よって、この色ノイズを含んだ画像データをデジカメの背面液晶画面やモニター画面上や紙媒体などに出力すると、本来存在しない色情報が画像信号として表示されるため、撮影者に違和感を与える。
特許文献1は、ホワイトバランス補正がなされた画像データにおいては、画素毎に色差データを算出し、色差データが第1の色差範囲にあり、輝度が指定された輝度範囲にある画素の画像データには、その画素の色差データが小さくなるように色ノイズ低減処理が行われるということが開示されている。
特許第5460202号公報
しかしながら、特許文献1にて開示されている画像処理装置は、上述したように色差データが小さくなるように色ノイズ低減処理を行うことで色差がなくなるという課題を有する。
つまり、色ノイズ低減処理を行った画像の色差がなくなるということは無彩色化してしまうという課題を有する。
さらには、画像信号の各色は高周波ノイズ成分を含んでおり、高周波ノイズは単色の孤立した色ノイズを発生させるという課題を有する。
そのため、孤立した色ノイズを抑えるために、ローパスフィルタなどを適用すると色ノイズは周囲に広がりを持つ色ノイズと成り得るという課題を有する。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、色ノイズの原因となる高周波成分を取り除くことでノイズを低減する画像信号処理方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段である第1の発明は、3色の画像信号を処理する画像信号処理方法において、補正対象となる1色の画像信号を決定する画像信号決定部と、前記補正対象以外の2色の画像信号の線形和を計算する線形和計算部と、前記補正対象の画像信号から前記線形和計算部の計算した線形和を減算する第1減算部と、前記第1減算部の計算結果から低周波成分を抽出する低周波抽出部と、前記第1減算部の計算結果から前記低周波抽出部を通過した画像信号を減算する第2減算部と、前記3色の画像信号から色差を計算し、前記色差から関数に基づいて第1係数を決定する色差関数部と、前記第2減算部の計算結果に前記色差関数部にて決定した前記第1係数を乗算する乗算部と、前記乗算部の計算結果と任意のパラメータとを比較し、前記計算結果と前記パラメータとのいずれかを選択する閾値比較選択部と、前記閾値比較部の選択結果を前記補正対象の画像信号から減算するノイズ除去部とを有し、前記ノイズ除去部の計算結果を前記補正対象の画像信号に対する補正後の画像信号とすることを特徴とする。
また、上述の課題を解決するための手段である第2の発明は、第1の発明に記載の画像信号処理方法であって、前記色差関数部は、前記3色の画像信号から2色の画像信号を用いて複数の色差を計算し、前記複数の色差から関数に基づいて各係数を決定し、前記各係数の線形和、最大値、最小値または中央値のいずれかの方法で第1係数を決定することを特徴とする。
本発明によれば、色ノイズの原因となる高周波成分を取り除くことでノイズを低減する画像信号処理方法を提供することができる。
本発明の実施例に係る固体撮像装置の構成を示すブロック図 本発明の実施例に係るノイズリダクションを行う際のフローチャート
以下、添付の図面に従って、本発明を実施するための最良の形態について説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
本実施例において、100はレンズ鏡筒、101は固体撮像素子、1011はマイクロレンズ、1012は光電変換部、1013は配線部、102はCPU、1021は画像信号決定部、1022は線形和計算部、1023は第1減算部、1024は低周波抽出部、1025は第2減算部、1026は色差関数部、1027は乗算部、1028は閾値比較選択部とする。
図1は、本実施例の撮像装置の構成を示す構成図である。
撮像装置10は、レンズ鏡筒100と不図示のカメラ本体から構成される。
レンズ鏡筒100は、カメラ本体に脱着可能であり、レンズ鏡筒100のマウント部とカメラ本体のマウント部とがバヨネット機構などにより接続される。尚、レンズ鏡筒100は、カメラ本体に固定式の物でも構わない。
固体撮像素子101は、マイクロレンズ1011と光電変換部1012と配線部1013などを含む。
マイクロレンズ1011は、レンズ鏡筒100に入射した光束を各光電変換部1012が受光に適するように集光するレンズである。
光電変換部1012は、マイクロレンズ1011を通過した光束を画像信号に変換する。
光電変換部1012にて変換された画像信号について説明する。光束を画像信号へ変換する光電変換部1012は、各画素に配置される。固体撮像素子101がベイヤー型の場合、各画素に配置された光電変換部1012からマイクロレンズ1011と光電変換部1012配置されたカラーフィルタと同色の画像信号へ変換される。カラーフィルタは赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色が用いられることが一般的であり、この時、変換される画像信号は3種類となる。
一方、固体撮像素子101が積層型の場合、1画素から光電変換部の積層数分の画像信号が変換される。本願実施例では、1画素から赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の3色の画像信号を得る為、光電変換部1012は3層積層されている。
配線部1013は、光電変換部1012にて変換された画像信号を各光電変換部1012からCPU102へ転送する。
CPU102は、光電変換部1012が変換し配線部1013を通じて転送されてきた画像信号に各々の処理を行う。
画像信号決定部1021は、光電変換部1012が変換し、配線部1031を通じて転送された画像信号から補正対象とする画像信号を決定する。
線形和計算部1022は、画像信号決定部1021が決定した補正対象となる画像信号以外の画像信号において、画像信号から線形和を計算する。具体的な計算方法は後述する。
第1減算部1023は、画像信号決定部1021にて決定した補正対象画像信号から線形和計算部1022にて計算した補正対象以外の画像信号の線形和を減算する。
低周波抽出部1024は、第1減算部1023にて計算した結果から低周波成分を抽出する。
第2減算部1025は、第1減算部1023の計算結果から、低周波抽出手段1024にて抽出された画像信号を減算する。
色差関数1026は、固体撮像素子101の光電変換部1012が変換した画像信号において、互いの色差を計算し、計算した色差を関数に基づいて係数を戻す。
乗算部1027は、第2減算手段1025にて計算した結果に、色差関数にて戻された係数を乗算する。
閾値比較選択部1028は、乗算部1027にて計算した結果と任意のパラメータとを比較し、適切な値を選択する。
ノイズ除去部1029は、閾値比較選択部1028にて選択した適切な値を、画像信号決定部1021にて決定した補正対象の画像信号から減算する。計算結果を補正画像信号とする。
次に、本発明における画像信号処理方法について、図2のフローチャートを用いて実施例を説明する。
図1に示すようにレンズ鏡筒100を通過した光束は、固体撮像素子101へ届き、マイクロレンズ1011を経て光電変換部1012へ導かれた後、画像信号へ変換される。本願実施例に用いられる固体撮像素子101は、1画素に3層の光電変換部1012が積層される。従って、1画素から3種類の画像信号が変換される。
ステップ#1では、固体撮像素子101の光電変換部1012にて変換された3種類の画像信号の中から、画像信号決定部1021が補正対象となる画像信号を決定する。
ステップ#2では、ステップ#1にて画像信号決定部1021が決定した補正対象となる画像信号以外の2種類の画像信号を用いて、線形和計算部1022は線形和を計算する。
ステップ#3では、第1減算部1023はステップ#1にて画像信号決定部1021が決定した補正対象となる画像信号から、ステップ#2にて線形和計算部1022が計算した線形和を減算する。この減算結果を第1減算結果とする。
ステップ#4では、低周波抽出部1024がステップ#3の第1減算部1023の計算した結果をリサイズすることで低周波成分を抽出する。尚、低周波成分を抽出することが出来れば、リサイズ以外にも、ローパスフィルタでも問題ない。
ステップ#5では、第2減算部1025がステップ#4にて抽出した低周波成分をステップ#3の計算結果である第1減算結果から減算する。その結果、高周波成分を抽出することが可能となる。
ステップ#6では、色差関数部1026が光電変換部1012にて変換した3種類の画像信号を用いて、互いの色差を計算する。さらに、計算した色差から関数に基づいて係数を戻す。
ステップ#7では、乗算部1027がステップ#5にて計算した結果にステップ#6にて決定した係数を乗算する。
ステップ#8では、閾値比較選択部1028がステップ#7にて計算した結果とパラメータとを比較する。
ステップ#9では、ノイズ除去部1029がステップ#1にて決定した補正対象の画像信号からステップ#8にて選択した比較結果を減算する。
ステップ#9にて計算した結果は、ステップ#1にて補正対象の画像信号からノイズ除去を行った補正後の画像信号となる。
以下に、上記各ステップで行った計算を具体的に説明する。
本実施例では、光電変換部1012の変換した画像信号のうち、緑色(G)を補正対象の画像信号として、具体的に補正方法を説明する。
補正対象の画像信号を緑色(G)としているので、ステップ#1で画像信号決定部1021は、緑色(G)を補正対象の画像信号となる。
次に、ステップ#2では、補正対象の画像信号である緑色(G)以外の画像信号である赤色(R)と青色(B)を用いて、線形和計算部1022が線形和を計算する。
実施例の線形和計算部1022が行う具体的な計算方法を示す。
赤色(R)と青色(B)の画像信号をそれぞれRとBとし、係数をαとすると線形和は以下のように表せる。
線形和:α*R+(1-α)B (0<α<1)
次に、ステップ#3で第1減算部1023の計算を説明する。光電変換部1012の変換した緑色(G)の画像信号をGとし、計算後の緑色(G)をG1とすると、以下の式となる。
G1=G-(α*R+(1-α)B) (0<α<1)
ステップ#4では、ステップ#3にて計算したG1から低周波成分を抽出する。具体的には、計算後の緑色(G)であるG1に対して縮小処理を適用し、その後元のサイズに拡大所謂リサイズすることで低周波化した画像信号G2を作成する。また、ローパスフィルタを適用することで画像信号G2を作成してもよい。
ステップ#5では、ステップ#4にて計算したG1からステップ#4にて抽出した低周波化した画像信号G2を減算する。G1から低周波化した画像信号G2を減算することで、高周波成分のみを抽出することが可能となる。高周波成分のみを抽出した画像信号を画像信号G3とする。その結果、マゼンタノイズが低減される。
ステップ#6では、(R-G)、(G-B)、(B-R)の色差を求める。次に、色差(R-G)であれば、ガウス関数にてexp(-a*(R-G)^2)として係数f1が求まる。他の(G-B)、(B-R)の色差に対しても同様にガウス関数から係数f2とf3が求まる。各色差から求めた係数f1~f3を用いて係数fが決定する。
係数f1~f3から係数fを決定するには様々な方法がある。例えばf1~f3の線形和でもよいし、最大値、最小値または中央値としてもよい。また、それらの方法を画像に含まれるノイズの状態に応じて使い分けてもよい。
また、ステップ#6では、3種類すべての色差を用いることで画像信号を精度よく補正することが可能となる。一方、YCbCrのCbCrに該当する(R-G)、(G-B)の色差からガウス関数を用いて係数f1とf2を求め。これらを用いて前述したように係数fを決定することも可能である。その場合、計算量を減らすことが可能である。
ステップ#7では、ステップ#5にて抽出した画像信号G3にステップ#6にて計算した係数fを乗算する。乗算結果をG4とする。
ステップ#8では、乗算結果G4とパラメータとを比較する。具体的に説明すると、乗算結果G4が-ThMin~+ThMaxの範囲に収まるようにクリップする。クリップした値をG5とすると、G5=Min(+ThMax、Max(-ThMin、G4))となる。
ステップ#9では、ステップ#8で求めたクリップしたG5を用いてG=G-G5とすることでステップ#1で補正対象とした画像信号は、色ノイズ成分を除いた画像信号とすることが可能となる。
また、本願実施例のステップ#6は、各色差にガウス関数を適用することで係数を求めた。しかし、ガウス関数以外にも画像信号差である色差が大きくなるほど減衰する特性がある関数であれば適用することが可能である。一例として、exp(-a*|R-G|^b)やa / (|R-G|^b+1)を用いることが可能である。(但し、|X|はXの絶対値、b>0とする。)
尚、高周波色ノイズのうち、特に高ISOになると目立つのは、緑/マゼンタノイズである。この緑/マゼンタノイズの大きな原因として、緑色(G)の高周波が他の赤色(R)や青色(B)と比較して独立的にふるまっている点が挙げられる。そこで、Gの独立的成分をG1=G-(α*R+(1-α)B) (0<α<1)と仮定し、高周波成分のみを抽出することで緑/マゼンタノイズを低減することが可能となる。さらに、これだけでは元画像にあった色パターンの破壊(色滲み、色ディティール損失)などが避けられないため、ステップ#6にて色差に基づいた強度調整を、ステップ#7にて閾値の設定を行ったうえでノイズリダクションを行った。
また、これまでの実施例では、固体撮像素子101は、積層型を想定していたが、1画素に1種類の画像信号を有するベイヤー型の固体撮像素子を用いてもかまわない。
積層型の固体撮像素子である場合、同一の位置の信号を取得出来る為、高周波情報の損失を防ぎ易く色ノイズ抑制効果を得られ易い。また、色が混色しているセンサの場合、他の色信号にも対象信号の高周波情報が含まれるため、高周波情報の損失を防ぎ易く色ノイズ抑制効果を得られ易い。
また、ベイヤー型の固体撮像素子では、1画素から1種類の画像信号しか得ることができない。そこで、他の2種類の画像信号については、周辺の画素より補間することで得ることができる。本願発明にて、ベイヤー型の固体撮像素子を用いる場合、補間処理にて1画素の画像信号を3種類の状態にしてから、ステップ#1の補正対象となる画像信号を決定することで、以後の処理は積層型の固体撮像素子を用いる場合と同様とすることが可能である。
10 撮像装置
100 レンズ鏡筒
101 固体撮像素子
1011 マイクロレンズ
1012 光電変換部
1013 配線層
102 CPU
1021 画像信号決定部
1022 線形和計算部
1023 第1減算部
1024 低周波抽出部
1025 第2減算部
1026 色差関数部
1027 乗算部
1028 閾値比較選択部
1029 ノイズ除去部

Claims (2)

  1. 3色の画像信号を処理する画像信号処理方法において、
    補正対象となる1色の画像信号を決定する画像信号決定部と、
    前記補正対象以外の2色の画像信号の線形和を計算する線形和計算部と、
    前記補正対象の画像信号から前記線形和計算部の計算した線形和を減算する第1減算部と、
    前記第1減算部の計算結果から低周波成分を抽出する低周波抽出部と、
    前記第1減算部の計算結果から前記低周波抽出部を通過した画像信号を減算する第2減算部と、
    前記3色の画像信号から色差を計算し、前記色差から関数に基づいて第1係数を決定する色差関数部と、
    前記第2減算部の計算結果に前記色差関数部にて決定した前記第1係数を乗算する乗算部と、
    前記乗算部の計算結果と任意のパラメータとを比較し、前記計算結果と前記パラメータとのいずれかを選択する閾値比較選択部と、
    前記閾値比較部の選択結果を前記補正対象の画像信号から減算するノイズ除去部とを有し、
    前記ノイズ除去部の計算結果を前記補正対象の画像信号に対する補正後の画像信号とすることを特徴とすることを画像信号処理方法。
  2. 前記色差関数部は、前記3色の画像信号から2色の画像信号を用いて複数の色差を計算し、前記複数の色差から関数に基づいて各係数を決定し、前記各係数の線形和、最大値、最小値または中央値のいずれかの方法で第1係数を決定することを特徴とする請求項1に記載の画像信号処理方法。
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