JP2023080995A - 複合型セリア系複合微粒子分散液およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリカ膜、Siウェハや難加工材であっても高速で研磨することができ、さらに半導体基板、配線基板などの半導体デバイスの表面の研磨にも好ましく用いることができる複合型セリア系複合微粒子分散液の提供。【解決手段】複合型セリア系複合微粒子が溶媒に分散してなる複合型セリア系複合微粒子分散液であって、前記複合型セリア系複合微粒子は、異形無機酸化物微粒子にセリア系複合微粒子が担持しているものであり、前記異形無機酸化物微粒子は特定形状であり、前記セリア系複合微粒子は、非晶質シリカを主成分とする母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有する、複合型セリア系複合微粒子分散液。【選択図】図1

Description

本発明は、半導体デバイス製造等に使用される研磨剤として好適なセリア系複合微粒子分散液に関し、特に基板上に形成された被研磨膜を、化学機械的研磨(ケミカルメカニカルポリッシング:CMP)で平坦化するためのセリア系複合微粒子分散液、その製造方法及びセリア系複合微粒子分散液を含む研磨用砥粒分散液に関する。
半導体基板、配線基板などの半導体デバイスなどは、高密度化・微細化することで高性能化を実現している。この半導体の製造工程においては、いわゆるケミカルメカニカルポリッシング(CMP)が適用されており、シャロートレンチ素子分離、層間絶縁膜の平坦化、コンタクトプラグやCuダマシン配線の形成などに必須の技術となっている。
一般にCMP用研磨剤は、砥粒とケミカル成分とからなり、ケミカル成分は対象被膜を酸化や腐食などさせることにより研磨を促進させる役割を担う。一方で砥粒は機械的作用により研磨する役割を持ち、コロイダルシリカやヒュームドシリカ、セリア粒子が砥粒として使われる。特にセリア粒子は酸化ケイ素膜に対して特異的に高い研磨速度を示すことから、シャロートレンチ素子分離工程での研磨に適用されている。
シャロートレンチ素子分離工程では、酸化ケイ素膜の研磨だけではなく、窒化ケイ素膜の研磨も行われる。素子分離を容易にするためには、酸化ケイ素膜の研磨速度が高く、窒化ケイ素膜の研磨速度が低い事が望ましく、この研磨速度比(選択比)も重要である。
従来、このような部材の研磨方法として、比較的粗い1次研磨処理を行った後、精密な2次研磨処理を行うことにより、平滑な表面あるいはスクラッチなどの傷が少ない極めて高精度の表面を得る方法が行われている。
このような仕上げ研磨としての2次研磨に用いる研磨剤に関して、従来、例えば次のような方法等が提案されている。
例えば、特許文献1には、硝酸第一セリウムの水溶液と塩基とを、pHが5~10となる量比で攪拌混合し、続いて70~100℃に急速加熱し、その温度で熟成することを特徴とする酸化セリウム単結晶からなる酸化セリウム超微粒子(平均粒子径10~80nm)の製造方法が記載されており、更にこの製造方法によれば、粒子径の均一性が高く、かつ粒子形状の均一性も高い酸化セリウム超微粒子を提供できると記載されている。
また、特許文献2には、非晶質のシリカ粒子Aの表面に、ジルコニウム、チタニウム、鉄、マンガン、亜鉛、セリウム、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、フッ素、ランタニウム、ストロンチウムより選ばれた1種以上の元素を含む結晶質の酸化物層Bを有することを特徴とするシリカ系複合粒子が記載されている。
また、好ましい態様として、非晶質のシリカ粒子Aの表面に、アルミニウム等の元素を含む非晶質の酸化物層であって、非晶質のシリカ層とは異なる非晶質の酸化物層Cを有し、さらに、その上にジルコニウム、チタニウム、鉄、マンガン、亜鉛、セリウム、イットリウム、カルシウム、マグネシウム、フッ素、ランタニウム、ストロンチウムより選ばれた1種以上の元素を含む結晶質の酸化物層Bを有することを特徴とするシリカ系複合粒子が記載されている。そして、このようなシリカ系複合粒子は、非晶質のシリカ粒子Aの表面に、結晶質の酸化物層Bを有するために、研磨速度を向上させることができ、かつ、シリカ粒子に前処理をすることにより、焼成時に粒子同士の焼結が抑制され研磨スラリー中での分散性を向上させることができ、さらに、酸化セリウムを含まない、あるいは酸化セリウムの使用量を大幅に低減することができるので、安価であって研磨性能の高い研磨材を提供することができると記載されている。また、シリカ系粒子Aと酸化物層Bの間にさらに非晶質の酸化物層Cを有するものは、粒子の焼結抑制効果と研磨速度を向上させる効果に特に優れると記載されている。
さらに、特許文献3には、非晶質シリカを主成分とする母粒子の表面上に結晶性セリアを主成分とする子粒子を有し、さらにその子粒子の表面にシリカ被膜を有している、下記[1]から[3]の特徴を備える平均粒子径50~350nmのシリカ系複合微粒子を含む、シリカ系複合微粒子分散液が記載されている。[1]前記シリカ系複合微粒子は、シリカとセリアとの質量比が100:11~316であること。[2]前記シリカ系複合微粒子は、X線回折に供すると、セリアの結晶相のみが検出されること。[3]前記シリカ系複合微粒子は、X線回折に供して測定される、前記結晶性セリアの(111)面の結晶子径が10~25nmであること。そして、このようなシリカ系複合微粒子によれば、シリカ膜、Siウェハや難加工材であっても高速で研磨することができ、同時に高面精度(低スクラッチ、被研磨基板の表面粗さ(Ra)が低いこと等)を達成でき、さらに不純物を含まないため、半導体基板、配線基板などの半導体デバイスの表面の研磨に好ましく用いることができるシリカ系複合微粒子分散液を提供することができると記載されている。
特許第2,746,861号公報 特開2013-119131号公報 国際公開第2016/159167号公報
しかしながら、特許文献1に記載の酸化セリウム超微粒子について、本発明者が実際に製造して検討したところ、研磨速度が低く、さらに、研磨基材の表面に欠陥(面精度の悪化、スクラッチ増加、研磨基材表面への研磨材の残留)を生じやすいことが判明した。
これは、焼成工程を含むセリア粒子の製造方法(焼成によりセリア粒子の結晶化度が高まる)に比べて、特許文献1に記載の酸化セリウム超微粒子の製法は、焼成工程を含まず、液相(硝酸第一セリウムを含む水溶液)から酸化セリウム粒子を結晶化させるだけなので、生成する酸化セリウム粒子の結晶化度が相対的に低く、また、焼成処理を経ないため酸化セリウムが母粒子と固着せず、酸化セリウムが研磨基材の表面に残留することが主要因であると、本発明者は推定している。
さらに、特許文献2に記載の酸化物層Cを有する態様のシリカ系複合粒子を用いて研磨すると、アルミニウム等の不純物が半導体デバイスの表面に残留し、半導体デバイスへ悪影響を及ぼすこともあることを、本発明者は見出した。
また、これら文献に記載されているセリア粒子は母粒子上に付着されたものであり、強く固着されていないので母粒子から脱落しやすい。
さらに、特許文献2の記載の真球状のシリカ母粒子上に結晶性セリア粒子を形成した砥粒を用いて研磨すると、セリア粒子の研摩時の機械的作用と同時に起こる化学的な反応によりシリカ膜の研磨速度は高いものの、高い圧力条件下では、セリア結晶が脱落や磨減、崩壊により、基板とセリアの接触面積が低下し、研磨速度が低くなる恐れがある。
また、特許文献3に記載のシリカ系複合微粒子分散液(セリアを主成分とし、実質的にセリア系複合微粒子といえる)は、とりわけ半導体基板、配線基板などの半導体デバイスの表面の研磨用途において、優れた研磨性能(研磨速度、高面精度など)を発揮可能であるが、半導体装置の更なる高密度化・高集積化に伴い、半導体基板に対し、より優れた研磨性能を示す研磨用砥粒ないし研磨用砥粒分散液が求められている。
なお、特許文献3においては、シリカ系複合微粒子分散液を砥粒分散液として用いる場合、シリカ系複合微粒子の形状は粒子連結型が好ましいとされている。二次元方向に成長した粒子連結型のシリカ系複合微粒子を研磨砥粒とした場合、動的な接触面積を確保し易くなり、更に研磨処理時の応力分散により、研磨基板上でのスクラッチ生成を低減できると予想されるが、工程上、粒子連結個数や粒子の長径の長さには限界があった。
本発明は上記のような課題を解決することを目的とする。すなわち、本発明は、例えば、シリカ膜、Siウェハや難加工材であっても高速で研磨することができ、さらに半導体基板、配線基板などの半導体デバイスの表面の研磨にも好ましく用いることができる複合型セリア系複合微粒子分散液、その製造方法及び該複合型セリア系複合微粒子分散液を含む研磨用砥粒分散液を提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するため鋭意検討し、本発明を完成させた。
本発明は以下の(1)~(7)である。
(1)複合型セリア系複合微粒子が溶媒に分散してなる複合型セリア系複合微粒子分散液であって、
前記複合型セリア系複合微粒子は、異形無機酸化物微粒子にセリア系複合微粒子が担持しているものであり、
前記異形無機酸化物微粒子は、平均長径(L)が200~6,000nmであり、平均短径(S)は10~1,800nmであり、前記平均長径(L)に対する平均短径(S)の比(平均短径(S)/平均長径(L))が0.005~0.3であり、
前記セリア系複合微粒子は、非晶質シリカを主成分とする母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有する、複合型セリア系複合微粒子分散液。
(2)前記セリア系複合微粒子の走査型電子顕微鏡写真を用いた画像解析法による平均粒子径が50nm~600nmの範囲にある、上記(1)に記載の複合型セリア系複合微粒子分散液。
(3)前記異形無機酸化物微粒子に担持している前記セリア系複合微粒子の平均担持個数が、前記異形無機酸化物微粒子の長径方向において100nm当たり1~200個である、上記(1)または(2)に記載の複合型セリア系複合微粒子分散液。
(4)前記異形無機酸化物微粒子が、セピオライト、粒子連結型シリカ微粒子及び非球状シリカ微粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つである、上記(1)~(3)のいずれかに記載の複合型セリア系複合微粒子分散液。
(5)上記(1)から(4)の何れか一項に記載の複合型セリア系複合微粒子分散液を含む、研磨用砥粒分散液。
(6)下記工程[1]、[2]、[3]及び[4]を含む、上記(1)~(4)のいずれかに記載の複合型セリア系複合微粒子分散液の製造方法。
工程[1]:平均長径(L)が200~6,000nmであり、平均短径(S)は10~1,800nmであり、前記平均長径(L)に対する平均短径(S)の比(平均短径(S)/平均長径(L))が0.005~0.3である異形無機酸化物微粒子と、
非晶質シリカを主成分とする母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有し、平均粒子径が50~600nmであるセリア系複合微粒子が溶媒に分散してなるセリア系複合微粒子分散液とを混合し、原料分散液を得る工程。
工程[2]:前記原料分散液に緩衝液を添加し、撹拌し、pHが2.0~7.0である前駆体分散液を得る工程。
工程[3]:前記前駆体分散液を40~98℃に昇温し、1時間以上保持した後、放冷し、反応分散液を得る工程。
工程[4]:前記反応分散液を陰イオン交換樹脂と接触させてイオン交換し、上記(1)~(4)のいずれかに記載の複合型セリア系複合微粒子分散液を得る工程。
(7)前記工程[1]において、前記混合液における前記異形無機酸化物微粒子と前記セリア系複合微粒子との混合比(固形分換算)が100:500~100:8,000(質量部)である、上記(6)に記載の複合型セリア系複合微粒子分散液の製造方法。
本発明の複合型セリア系複合微粒子分散液における複合型セリア系複合微粒子は、外形が鎖状、細長い形状、棒状あるいは針状などに分類される異形無機酸化物微粒子に、特定のセリア系複合微粒子(前記特許文献3におけるシリカ系複合微粒子に相当する)が担持してなる特異な構造を有する。より具体的には、平均長径(L)が200nm~6,000nmの範囲であり、平均短径(S)は10~1,800nmの範囲であり、平均長径(L)に対する平均短径(S)の比(平均短径(S)/平均長径(L))が0.005~0.3の範囲の外形を有する異形無機酸化物微粒子に、特定のセリア系複合微粒子が担持してなる特異な構造を有する。該セリア系複合微粒子は、前記のとおり、半導体基板、配線基板などの半導体デバイスの表面の研磨用途において、優れた研磨性能を示すものであるが、前記異形無機酸化物微粒子に担持することにより、セリア系複合微粒子単粒子で研磨用砥粒として用いられる場合に比して、研磨性能が向上する。一般的に、研磨パッドと基板の接触面積は僅か数%と言われており、同様に研磨砥粒のうち研磨に寄与している粒子もわずか数%である。そのためほとんどの粒子は研磨に寄与していないことが知られている。また、本発明の原料である異形無機酸化物微粒子を研磨に用いても高い研磨速度は得られない。しかし異形無機酸化物微粒子に多数のセリア系複合微粒子が担持した本発明の複合粒子は、異形無機酸化物微粒子の部分はサイズが大きいため研磨パッドに保持されやすく、本発明の複合微粒子が研磨パッドに保持されると担持されているセリア系複合微粒子も研磨パッドに保持されることになる。そのため、研磨に寄与するセリア系複合微粒子の割合が向上し、即ち基板との接触面積や接触確率が向上し、研磨速度が向上すると考えられる。また砥粒と基板の接触面積が高くなるため、砥粒に加わる応力が分散するため、研磨傷は発生しにくい傾向にある。
また、本発明の製造方法は、前記複合型セリア系複合微粒子分散液の製造方法を提供するものである。
図1の上は実施例1の複合型セリア系複合微粒子分散液の走査型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)である。下は実施例1の複合型セリア系複合微粒子分散液の透過型電子顕微鏡写真(倍率10万倍)である。 実施例1の複合型セリア系複合微粒子分散液の走査型電子顕微鏡写真(倍率1万倍)である。
本発明について説明する。
本発明は、複合型セリア系複合微粒子が溶媒に分散してなる複合型セリア系複合微粒子分散液であって、前記複合型セリア系複合微粒子は、異形無機酸化物微粒子にセリア系複合微粒子が担持しているものであり、前記異形無機酸化物微粒子は、平均長径(L)が200~6,000nmであり、平均短径(S)は10~1,800nmであり、前記平均長径(L)に対する平均短径(S)の比(平均短径(S)/平均長径(L))が0.005~0.3であり、前記セリア系複合微粒子は、非晶質シリカを主成分とする母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有する、複合型セリア系複合微粒子分散液である。
このような複合型セリア系複合微粒子分散液を、以下では「本発明の分散液」ともいう。
また、本発明の分散液に分散している複合型セリア系複合微粒子を、以下では「本発明の複合粒子」ともいう。
また、本発明は、下記工程[1]、[2]、[3]及び[4]を含む、本発明の分散液の製造方法である。
工程[1]:平均長径(L)が200~6,000nmであり、平均短径(S)は10~1,800nmであり、前記平均長径(L)に対する平均短径(S)の比(平均短径(S)/平均長径(L))が0.005~0.3である異形無機酸化物微粒子と、
非晶質シリカを主成分とする母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有し、平均粒子径が50~600nmであるセリア系複合微粒子が溶媒に分散してなるセリア系複合微粒子分散液とを混合し、原料分散液を得る工程。
工程[2]:前記原料分散液に緩衝液を添加し、撹拌し、pHが2.0~7.0である前駆体分散液を得る工程。
工程[3]:前記前駆体分散液を40~98℃に昇温し、1時間以上保持した後、放冷し、反応分散液を得る工程。
工程[4]:前記反応分散液を陰イオン交換樹脂と接触させてイオン交換し、本発明の分散液を得る工程。
このような製造方法を、以下では「本発明の製造方法」ともいう。
以下において、単に「本発明」と記した場合、本発明の分散液、本発明の複合粒子および本発明の製造方法のいずれをも意味するものとする。
本願明細書において、「複合型セリア系複合微粒子の像」の記載は、特に断りの無い限り、「複合型セリア系複合微粒子の電子顕微鏡写真」を意味する。
電子顕微鏡写真とは、走査型電子顕微鏡写真(画像)または透過型電子顕微鏡写真(画像)を意味する。なお、走査型電子顕微鏡写真(画像)を「SEM」、透過型電子顕微鏡写真(画像)を「TEM」と表示する場合がある。
また、「セリア系複合微粒子は、その電子顕微鏡写真上において」の記載は、特に断りの無い限り、「セリア系複合微粒子の電子顕微鏡写真において」を意味する。
<本発明の複合粒子>
本発明の複合粒子について以下に説明する。本発明の複合粒子は、異形無機酸化物微粒子(以下では「本発明の異形無機酸化物微粒子」ともいう)にセリア系複合微粒子(以下では「本発明のセリア系複合微粒子」ともいう)が担持した構造を有する。
[本発明の異形無機酸化物微粒子]
本発明の異形無機酸化物微粒子は、平均長径(L)が200nm~6,000nmの範囲であり、平均短径(S)は10~1,800nmの範囲であり、平均長径(L)に対する平均短径(S)の比(平均短径(S)/平均長径(L))が0.005~0.3の範囲の外形を有する。この様な本発明の異形無機酸化物微粒子の外形形状の典型的な例としては、鎖状、細長い形状、棒状あるいは針状等を挙げることができる。また、本発明の異形無機酸化物微粒子の構成の典型的な例としては、粒子連結型微粒子、粒子連結によらない核粒子の成長により得られた異形粒子、粒子の破砕により得られた非球状粒子等を挙げることができる。
本発明の異形無機酸化物微粒子の外形形状は、1個又はそれ以上の本発明のセリア系複合微粒子が担持するに好適といえる。
異形無機酸化物微粒子の平均長径(L)が200nm未満の場合、これにセリア系複合微粒子が担持してなる粒子を含む分散液を研磨用途に適用した際に、異形無機酸化物微粒子の長さが足りないため、十分に動的な接触面積を得るに至らず、実用的な研磨速度を得難くなる。また、同じく平均長径(L)が6,000nmを超える場合、長径が濾過に適さない長さのため濾過に供することができず、砥粒以外の異物を除去できなくなるため、研磨用途への適用に適さなくなる。
本発明の異形無機酸化物微粒子の平均長径(L)の好適な範囲としては、400~2,000nmの範囲が推奨され、更には400~1,000nmの範囲が推奨される。
なお、本発明の異形無機酸化物微粒子の平均短径(S)は、10~1,800nmの範囲が好適であり、15~1,000nmの範囲が更に好適である。
本発明の異形無機酸化物微粒子の平均長径(L)に対する平均短径(S)の比(平均短径(S)/平均長径(L))が0.005未満の場合、これにセリア系複合微粒子が担持してなる粒子を含む分散液を研磨用途に適用した際に、異形無機酸化物微粒子の強度が不足するため、研磨中に破損して異物となり易くなるため望ましくない。また、同じく該平均長径(L)に対する平均短径(S)の比が0.3を超える場合、異形無機酸化物微粒子の構造が、細長い形状から乖離しているため、これを含む分散液を研磨用途に適用しても十分に動的な接触面積を得るに至らず、十分な研磨速度を得られない場合がある。
本発明の異形無機酸化物微粒子は、平均長径(L)が200~6,000nmの範囲かつ平均短径(S)が10~1,800nmかつ平均長径(L)に対する平均短径(S)の比が0.005~0.3の範囲のものである。このような異形無機酸化物微粒子の例として、セピオライト、粒子連結型シリカ微粒子および非球状シリカ微粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つを挙げることができる。
なお、本発明の異形無機酸化物微粒子は、分岐構造を有するものであっても構わない。
分岐構造を有する異形無機酸化物微粒子においては、顕微鏡写真上の異形無機酸化物微粒子像外縁の2点間を結ぶ最も長い径を長径とすることで平均長径(L)および平均短径(S)等を求めることができる。
本発明の異形無機酸化物微粒子の平均長径(L)および平均短径(S)の測定方法は後述する。
[本発明のセリア系複合微粒子]
本発明のセリア系複合微粒子は、非晶質シリカを主成分とする母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有する。
このような本発明のセリア系複合微粒子の典型的な性状を以下に述べる。
本発明のセリア系複合微粒子は、その平均粒子径は50~600nmであることが好ましい。ここで平均粒子径は走査型電子顕微鏡写真を用いた画像解析法による方法であり、詳細は後述する。
本発明のセリア系複合微粒子の平均粒子径がこのような範囲内であると、本発明の複合粒子を研磨用途に適用したときに良好な研磨性能を発揮する。一方、平均粒子径が50nm未満であると充分な研磨速度を得難くなる。平均粒子径が600nmを超えると、研磨基板でのスクラッチ発生が顕著になり、好ましくない。
本発明のセリア系複合微粒子の平均粒子径は、好適には170~260nmの範囲であることが推奨される。
本発明のセリア系複合微粒子の形状は格別に制限されるものではなく、球状ないし非球状であって構わない。
<母粒子>
本発明のセリア系複合微粒子における母粒子は、本発明の複合粒子についてSTEM-EDS分析を行い、本発明のセリア系複合微粒子の断面におけるCeとSiとの元素濃度を測定した場合に、Ceモル濃度とSiモル濃度との合計に対するCeモル濃度の比(百分率)(Ce/(Ce+Si)×100)が3%未満となる部分である。
本発明のセリア系複合微粒子における母粒子の平均粒子径は、格別に制限されるものではないが、15nm~330nmであることが好ましく、120~240nmであることがより好ましい。
前記母粒子の平均粒子径が15nm未満の場合、その様な母粒子を用いて得られる複合微粒子の平均粒子径は15nmに達し難く、その様な粒子を研磨剤として用いると、研磨レートが実用的な水準に達さない可能性がある。また、前記母粒子の平均粒子径が330nmを超える場合、その様な母粒子を用いて得られる複合微粒子の平均粒子径は330nmを超える場合が多く、その様な複合微粒子の分散液を研磨剤として用いると、研磨レートが実用的な水準に達さない可能性があり、研磨対象の基板の面精度低下を招く可能性もある。なお、母粒子は、単分散性を示すものがより好ましい。
本発明のセリア系複合微粒子における母粒子の平均粒子径は、次のように測定するものとする。
本発明の複合粒子についてSTEM-EDS分析を行い、得られた画像上において母粒子を特定し、その母粒子の最大径を長軸とし、その長さを測定して、その値を長径(DL)とする。また、長軸上にて長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線が母粒子の外縁と交わる2点を求め、同2点間の距離を測定し短径(DS)とする。そして、長径(DL)と短径(DS)との幾何平均値を求め、これをその母粒子の粒子径とする。
このようにして50個の母粒子について粒子径を測定し、これを単純平均して得た値を平均粒子径とする。
母粒子は非晶質シリカを主成分とするものであり、通常はシリカ微粒子ないしシリカ系微粒子からなる。これらは球状で粒子径が揃ったものを調製し易く、また、多様な粒子径のものを調製することができるので好ましく用いることができる。
母粒子が非晶質シリカを主成分とすることは、例えば、次の方法で確認することができる。本発明の分散液を乾燥させた後、乳鉢を用いて粉砕し、例えば、従来公知のX線回折装置(例えば、理学電気株式会社製、RINT1400)によってX線回折パターンを得ると、Cristobaliteのような結晶性シリカのピークは現れない場合に、母粒子が非晶質シリカを主成分とするものとする。
また、本発明の分散液を乾燥させ、樹脂包埋した後にPtによるスパッタコーティングを施し、従来公知の収束イオンビーム(FIB)装置を用い断面試料を作成する。例えば作成した断面試料を従来公知のTEM装置を用い、高速フーリエ変換(FFT)解析を用いてFFTパターンを得ると、Cristobaliteのような結晶性シリカの回折図は現れない。このことから、母粒子に含まれるシリカは非晶質であることを確認できる。また、このような場合に、母粒子が非晶質シリカを主成分とするものとする。
また、別の方法として同様に作成し断面試料について、従来公知のTEM装置を用い、母粒子の原子配列による格子縞の有無を観察する方法が挙げられる。結晶質であれば結晶構造に応じた格子縞が観察され、非晶質であれば格子縞は観察されない。このことから、母粒子に含まれるシリカは非晶質であることを確認できる。また、このような場合に、母粒子が非晶質シリカを主成分とするものとする。
<子粒子>
本発明のセリア系複合微粒子において子粒子は、結晶性セリアを主成分とし、子粒子は前記母粒子上に配されたセリウム含有シリカ層に分散している。
本発明のセリア系複合微粒子において子粒子は、本発明の複合粒子についてSTEM-EDS分析を行い、本発明のセリア系複合微粒子の断面におけるCeとSiの元素濃度を測定した場合に、子粒子はCeモル濃度とSiモル濃度との合計に対するCeモル濃度の比(百分率)(Ce/(Ce+Si)×100)が50%超となる部分である。
子粒子の平均粒子径は、母粒子の粒子径より小さく、例えば、10~25nmが好ましく、14~23nmであることがより好ましい。
子粒子の平均粒子径が25nmを超える場合、それを含むセリア系複合微粒子分散液は、研磨用途に使用しても研磨対象でのスクラッチ発生を招き、好ましくない。子粒子の平均粒子径が10nm未満の場合、同じく研磨用途に使用すると、実用的に充分な研磨速度を得難い傾向がある。
本発明のセリア系複合微粒子における子粒子の平均粒子径は、次のように測定するものとする。
本発明の複合粒子についてSTEM-EDS分析を行い、得られた画像上において子粒子を特定し、その子粒子の最大径を長軸とし、その長さを測定して、その値を長径(DL)とする。また、長軸上にて長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線が子粒子の外縁と交わる2点を求め、同2点間の距離を測定し短径(DS)とする。そして、長径(DL)と短径(DS)との幾何平均値を求め、これをその子粒子の粒子径とする。 このようにして50個の子粒子について粒子径を測定し、これを単純平均して得た値を平均粒子径とする。
子粒子はセリウム含有シリカ層内にて積層されていてもよい。すなわち、セリウム含有シリカ層の内部における、母粒子の中心からの放射状の線上において複数存在していてもよい。
また、子粒子はセリウム含有シリカ層中に埋没していてよいし、セリウム含有シリカ層の外部へ部分的に露出していてもよい。子粒子がセリウム含有シリカ層に埋没した場合は、本発明のセリア系複合微粒子の表面はよりシリカ表面に近くなるため、保存安定性及び研磨安定性が向上し、さらに研磨後の基板上に砥粒残りが少なくなる。よって、子粒子はセリウム含有シリカ層に埋没している方が望ましい。
子粒子の形状は特に限定されない。例えば真球状、楕円形状、矩形状であってもよい。本発明の分散液を研磨用途に使用する場合であって、高研磨速度を得ようとする場合、子粒子は非球形が好ましく、矩形状がより好ましい。
本発明のセリア系複合微粒子において、子粒子は結晶性セリアを主成分とする。
前記子粒子が結晶性セリアを主成分とすることは、例えば、本発明の分散液を乾燥させた後、得られた固形物を乳鉢を用いて粉砕する等して本発明の複合粒子を得て、その後、これを例えば従来公知のX線回折装置(例えば、理学電気株式会社製、RINT1400)を用いてX線分析し、得られたX線回折パターンにおいて、セリアの結晶相のみが検出されることから確認できる。このような場合に、前記子粒子が結晶性セリアを主成分とするものとする。なお、セリアの結晶相としては、特に限定されないが、例えばCerianite等が挙げられる。
子粒子は結晶性セリア(結晶性Ce酸化物)を主成分とし、その他のもの、例えばセリウム以外の元素を含んでもよい。また、研磨の助触媒として含水セリウム化合物を含んでもよい。
ただし、上記のように、本発明の複合粒子をX線回折に供するとセリアの結晶相のみが検出される。すなわち、セリア以外の結晶相を含んでいたとしても、その含有率は少ない、あるいはセリア結晶中に固溶しているため、X線回折による検出範囲外となる。
子粒子の平均結晶子径は、本発明の複合粒子をX線回折に供して得られるチャートに現れる最大ピークの半値全幅を用いて算出される。そして、例えば(111)面の平均結晶子径は10~25nm(半値全幅は0.86~0.34°)であり、14~23nm(半値全幅は0.62~0.37°)であることが好ましい。なお、多くの場合は(111)面のピークの強度が最大になるが、他の結晶面、例えば(100)面のピークの強度が最大であってもよい。その場合も同様に算出でき、その場合の平均結晶子径の大きさは、上記の(111)面の平均結晶子径と同じであってよい。
子粒子の平均結晶子径の測定方法を、(111)面(2θ=28度近傍)の場合を例として以下に示す。
初めに、本発明の複合粒子を、乳鉢を用いて粉砕し、例えば従来公知のX線回折装置(例えば、理学電気(株)製、RINT1400)によってX線回折パターンを得る。そして、得られたX線回折パターンにおける2θ=28度近傍の(111)面のピークの半値全幅を測定し、下記のScherrerの式により、平均結晶子径を求めることができる。
D=Kλ/βcosθ
D:平均結晶子径(オングストローム)
K:Scherrer定数(本発明ではK=0.94とする)
λ:X線波長(1.5419オングストローム、Cuランプ)
β:半値全幅(rad)
θ:反射角
本発明のセリア系複合微粒子では、前記子粒子は結晶性セリアを主成分とするが、その主成分である結晶性セリアにケイ素原子が固溶していることが好ましい。一般に固溶とは、2種類以上の元素(金属の場合も非金属の場合もある)が互いに溶け合い、全体が均一の固相となっているものを意味し、固溶して得られる固溶体は、置換型固溶体と侵入型固溶体とに分類される。置換型固溶体は、原子半径が近い原子において容易に起こり得るが、CeとSiは原子半径が大きく違うため、少なくとも置換型固溶体は生じ難いと見られる。また、Cerianiteの結晶構造において、Ce中心からみたCeの配位数は8であるが、例えばSiがCeと1対1で置換した場合はCeの配位数は7となるはずである。しかし、本発明のセリア系複合微粒子の好適態様の分析結果においてはCe中心からみたCeの平均配位数は8.0で、さらにSiの平均配位数は1.2であることから、本発明のセリア系複合微粒子の好適態様は侵入型であると推定している。そのうえ、本発明のセリア系複合微粒子の好適態様の分析結果からも、Ce-Siの原子間距離は、Ce-Ceの原子間距離よりも小さいことから、本発明のセリア系複合微粒子の好適態様は、侵入型固溶体であると推察される。すなわち、子粒子に含まれるセリウム原子およびケイ素原子について、セリウム-ケイ素原子間距離をR1とし、セリウム-セリウム原子間距離をR2としたときにR1<R2の関係を満たすことが好ましい。
従来、砥粒としてセリア粒子を用いてシリカ膜付基板やガラス基材を研磨すると、他の無機酸化物粒子を用いた場合に比べて、特異的に高い研磨速度を示すことが知られている。セリア粒子がシリカ膜付基板に対して、特に高い研磨速度を示す理由の一つとして、セリア粒子中に含まれる三価のセリウムが被研磨基板上のシリカ被膜に対して、高い化学反応性を持つことが指摘されている。
<セリウム含有シリカ層>
本発明のセリア系複合微粒子は、前記母粒子の表面上にセリウム含有シリカ層を有する。そして、セリウム含有シリカ層の内部に子粒子が分散している。
このような構造をとることにより、製造時の解砕処理や研磨時の圧力による子粒子の脱落が生じ難く、また、たとえ一部の子粒子が欠落したとしても、多くの子粒子は脱落せずにセリウム含有シリカ層中に存在するので、研磨機能を低下させることがない。
本発明のセリア系複合微粒子においてセリウム含有シリカ層は、本発明の複合粒子についてSTEM-EDS分析を行い、本発明のセリア系複合微粒子の断面におけるCeとSiの元素濃度を測定した場合に、子粒子はCeモル濃度とSiモル濃度との合計に対するCeモル濃度の比(百分率)(Ce/(Ce+Si)×100)が3~50%となる部分である。
セリウム含有シリカ層の平均の厚さは格別に制限されるものではないが、例えば、10~40nmであることが好ましく、12~30nmであることがより好ましい。なお、本発明のセリア系複合微粒子は、その外周においてセリウム含有シリカ層が存在しない部分があっても構わない。
セリウム含有シリカ層の平均の厚さは、本発明のセリア系複合微粒子の母粒子の中心から最外殻まで、任意の12箇所に直線を引き、前述のようにSTEM-EDS分析を行って得た元素マップから特定されるCeモル濃度とSiモル濃度との合計に対するCeモル濃度の比(百分率)(Ce/(Ce+Si)×100)が3%となるラインと、本発明のセリア系複合微粒子の最外殻との距離(母粒子の中心を通る線上の距離)を測定し、それらを単純平均して求めるものとする。なお、母粒子の中心は、前述の長軸と短軸との交点を意味するものとする。
本発明のセリア系複合微粒子におけるセリウム含有シリカ層は、焼成過程でセリウム含有シリカ層に分散し成長した子粒子(結晶性セリアを主成分とするセリア微粒子)と母粒子との結合力を助長すると考えられる。よって、例えば、本発明のセリア系複合微粒子を得る過程において、焼成して得られた焼成体解砕分散液について必要な場合は乾式にて予備解砕を行った後、湿式による解砕を行い、さらに必要に応じて遠心分離処理を行うが、セリウム含有シリカ層により、子粒子が母粒子から外れる事を防ぐ効果があるものと考えられる。この場合、局部的な子粒子の脱落は問題なく、また、子粒子の表面の全てがセリウム含有シリカ層の一部で覆われていなくてもよい。子粒子が解砕工程で母粒子から外れない程度の強固さがあればよい。
このような構造により、本発明の分散液を研磨剤として用いた場合、研磨速度が高く、面精度やスクラッチの悪化が少ないと考えられる。
また、本発明のセリア系複合微粒子では、最表面の少なくとも一部にセリウム含有シリカ層が存在しているので、本発明のセリア系複合微粒子の最表面(最外殻)にはシリカの-OH基が存在することになる。このため研磨剤として利用した場合に、本発明のセリア系複合微粒子は研磨基板表面の-OH基による電荷で反発しあい、その結果、研磨基板表面への付着が少なくなると考えられる。
また、一般的にセリアは、シリカや研磨基板、研磨パッドとは電位が異なり、pHがアルカリ性から中性付近に向かうにつれてマイナスのゼータ電位が減少して行き、弱酸性領域では逆のプラスの電位を持つ。そのため研磨時の酸性pHでは電位の大きさの違いや極性の違いなどによって、セリアは研磨基材や研磨パッドに付着し、研磨基材や研磨パッドに残り易い。一方、本発明のセリア系複合微粒子は上記のように最外殻にシリカが存在しているため、その電位がシリカに起因した負電荷となるため、pHがアルカリ性から酸性までマイナスの電位を維持し、その結果、研磨基材や研磨パッドへの砥粒残りが起こりにくい。本発明のセリア系複合微粒子を得る際して解砕処理時にpH8.6~10.8を保ちながら解砕すると、本発明のセリア系複合微粒子の表面のシリカ(セリウム含有シリカ層のシリカ)の一部が溶解する。係る条件で製造した本発明の分散液を、研磨用途に適用する時にpH<7に調整すれば、溶解したシリカが本発明のセリア系複合微粒子(砥粒)に沈着するので、本発明のセリア系複合微粒子の表面は負の電位を持つことになる。電位が低い場合には、珪酸を添加し、適度にセリウム含有シリカ層を補強しても構わない。
本発明の複合粒子は比表面積が9~60m2/gであることが好ましく、10~43m2/gであることがより好ましい。
ここで、比表面積(BET比表面積)の測定方法について説明する。
まず、乾燥させた試料(0.2g)を測定セルに入れ、窒素ガス気流中、250℃で40分間脱ガス処理を行い、その上で試料を窒素30体積%とヘリウム70体積%の混合ガス気流中で液体窒素温度に保ち、窒素を試料に平衡吸着させる。次に、上記混合ガスを流しながら試料の温度を徐々に室温まで上昇させ、その間に脱離した窒素の量を検出し、予め作成した検量線により、試料の比表面積を測定する。
このようなBET比表面積測定法(窒素吸着法)は、例えば従来公知の表面積測定装置を用いて行うことができる。
本発明において比表面積は、特に断りがない限り、このような方法で測定して得た値を意味するものとする。
[本発明の複合粒子]
本発明の複合粒子は、前記のとおり、本発明の異形無機酸化物微粒子に本発明のセリア系複合微粒子が担持しているものであり、本発明の異形無機酸化物微粒子は、平均長径(L)が200~6,000nmであり、平均短径(S)は10~1,800nmであり、前記平均長径(L)に対する平均短径(S)の比(平均短径(S)/平均長径(L))が0.005~0.3であり、本発明のセリア系複合微粒子は非晶質シリカを主成分とする母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有してなる。
本発明の異形無機酸化物微粒子に担持している本発明のセリア系複合微粒子の平均担持個数は、本発明の異形無機酸化物微粒子の長径方向において100nm当たり1~200個であることが好ましい。本発明の分散液を研磨用途に適用した際に、該平均担持個数が前記範囲にあると良好な研磨性能が示される。
該平均担持個数が200個を超える粒子を調製することは実質的に困難である。また仮に調製できたとしても、そのような粒子は巨大な凝集塊であるため、研磨に使用した場合、研磨傷が多発する。前記平均担持個数は、1~100個がより好ましく、1~30個が更に好ましい。
本発明の異形無機酸化物微粒子に本発明のセリア系複合微粒子が担持する化学的な態様については、本発明の複合粒子を研磨砥粒として用いた場合に、充分な研磨性能を発揮できる限り格別に制限されるものではないが、通常は、本発明の異形無機酸化物微粒子への本発明のセリア系複合微粒子の吸着ないしは化学結合である。
本発明の異形無機酸化物微粒子に対する本発明のセリア系複合微粒子の構造的な担持形態は、直接、本発明の異形無機酸化物微粒子に本発明のセリア系複合微粒子が担持されていても良いし、本発明の異形無機酸化物微粒子に担持された本発明のセリア系複合微粒子に、更に別の1以上の本発明のセリア系複合微粒子が担持されていても良い。本発明のセリア系複合微粒子にさらに別の本発明のセリア系複合微粒子が担持されると、結果的に本発明の異形無機酸化物微粒子に担持されている本発明のセリア系複合微粒子の数が増えるため好ましい。
<本発明の分散液>
本発明の分散液について説明する。
本発明の分散液は、上記のような本発明の複合粒子が分散溶媒に分散しているものである。
本発明の分散液は分散溶媒として、水及び/又は有機溶媒を含む。この分散溶媒として、例えば純水、超純水、イオン交換水のような水を用いることが好ましい。さらに、本発明の分散液は、研磨性能を制御するための添加剤として、研磨促進剤、界面活性剤、pH調整剤及びpH緩衝剤からなる群より選ばれる1種以上を添加することで研磨スラリーとして好適に用いられる。
また、本発明の分散液を備える分散溶媒として、例えばメタノール、エタノール、などのアルコール類;アセトン、2-ブタノンなどのアミド類;ジエチルエーテル、イソプロピルエーテルなどのエーテル類;2-メトキシエタノール、2-エトキシエタノールなどのグリコールエーテル類;2-メトキシエチルアセテート、2-エトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素類;塩化メチレン、1,2-ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;N-メチル-2-ピロリドン、N-オクチル-2-ピロリドンなどのピロリドン類などの有機溶媒を用いることができる。これらを水と混合して用いてもよい。
本発明の分散液に含まれる固形分濃度は0.3~50質量%の範囲にあることが好ましい。
<本発明の製造方法>
本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法は以下に説明する工程[1]、工程[2]、工程[3]及び工程[4]を備える。
<工程[1]>
工程[1]では、平均長径(L)が200~6,000nmであり、平均短径(S)は10~1,800nmであり、前記平均長径(L)に対する平均短径(S)の比(平均短径(S)/平均長径(L))が0.005~0.3である異形無機酸化物微粒子と、非晶質シリカを主成分とする母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有し、平均粒子径が50~600nmであるセリア系複合微粒子が溶媒に分散してなるセリア系複合微粒子分散液とを混合し、原料分散液を得る。
前記混合液は、例えば、異形無機酸化物微粒子分散液(固形分濃度0.5~30質量%)と、セリア系複合微粒子分散液(固形分濃度0.5~30質量%)を混合することにより得ることができる。
混合手段は格別に制限されるものではない。
なお、異形無機酸化物微粒子分散液及びセリア系複合微粒子分散液の溶媒としては、水又は水と水溶性有機溶媒を含む混合溶媒が好ましい。
異形無機酸化物微粒子分散液と、セリア系複合微粒子分散液との混合比率は、固形分換算で100:500~100:8000(質量部)の範囲が好ましい。
混合時の温度は、常温から40℃が好ましい。
更に、前記異形無機酸化物微粒子と、前記セリア系複合微粒子が溶媒に分散してなるセリア系複合微粒子分散液とを混合して、原料分散液を調製する。ここで前記異形無機酸化物微粒子と、前記セリア系複合微粒子を含む混合液に超音波処理を施して、原料分散液を調製することが好ましい。超音波処理を行うと、異形無機酸化物微粒子とセリア系複合微粒子を均一に分散・混合させることができるので好ましい。超音波の出力および周波数については、市販の超音波処理機能を有した超音波分散機であれば使用することができる。
なお、前記セリア系複合微粒子分散液は、例えば、次の工程A、工程Bおよび工程Cを含む製法で得ることができる。
<工程A>
工程Aではシリカ微粒子が溶媒に分散してなるシリカ微粒子分散液を用意する。
シリカ微粒子分散液として、アルコキシシランの加水分解により製造したシリカ微粒子が溶媒に分散してなるシリカ微粒子分散液を用いることが好ましい。なお、水硝子を原料として調製したシリカ微粒子分散液を原料とする場合は、シリカ微粒子分散液を酸処理し、更に脱イオン処理して使用することが好ましい。この場合、シリカ微粒子に含まれるNa、Ag、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Mg、Ni、Ti、Zn、Zr、U、Th、Cl、NO3、SO4及びFの含有率が少なくなり、具体的には、100ppm以下となり得るからである。
なお、具体的には、工程Aで使用する原料であるシリカ微粒子分散液中のシリカ微粒子として、次の(a)と(b)の条件を満たすものが好適に使用される。
(a)Na、Ag、Al、Ca、Cr、Cu、Fe、K、Mg、Ni、Ti、Zn及びZrの含有率が、それぞれ100ppm以下。
(b)U、Th、Cl、NO3、SO4及びFの含有率が、それぞれ5ppm以下。
工程Aでは、上記のようなシリカ微粒子が溶媒に分散したシリカ微粒子分散液を撹拌し、温度を5~98℃、pH範囲を7.0~9.0に維持しながら、ここへセリウムの金属塩を連続的又は断続的に添加し、前駆体粒子を含む前駆体粒子分散液を得る。
前記シリカ微粒子分散液における分散媒は水を含むことが好ましく、水系のシリカ微粒子分散液(水ゾル)を使用することが好ましい。
前記シリカ微粒子分散液における固形分濃度は、SiO2換算基準で1~40質量%であることが好ましい。この固形分濃度が低すぎると、製造工程でのシリカ濃度が低くなり生産性が悪くなり得る。
また、陽イオン交換樹脂又は陰イオン交換樹脂、あるいは鉱酸、有機酸等で不純物を抽出し、限外ろ過膜などを用いて、必要に応じて、シリカ微粒子分散液の脱イオン処理を行うことができる。脱イオン処理により不純物イオンなどを除去したシリカ微粒子分散液は表面にケイ素を含む水酸化物を形成させやすいのでより好ましい。なお、脱イオン処理はこれらに限定されるものではない。
工程Aでは、上記のようなシリカ微粒子分散液を撹拌し、温度を5~98℃、pH範囲を7.0~9.0に維持しながら、ここへセリウムの金属塩を連続的又は断続的に添加する。
セリウムの金属塩は限定されるものではないが、セリウムの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、炭酸塩、金属アルコキシドなどを用いることができる。具体的には、硝酸第一セリウム、炭酸セリウム、硫酸第一セリウム、塩化第一セリウムなどを挙げることができる。なかでも、硝酸第一セリウムや塩化第一セリウムが好ましい。中和と同時に過飽和となった溶液から、結晶性セリウム酸化物が生成し、それらは速やかにシリカ微粒子に凝集沈着機構で付着するので結合性酸化物形成の効率が高く好ましい。しかしこれら金属塩に含まれる硫酸イオン、塩化物イオン、硝酸イオンなどは、腐食性を示す。そのため調合後に後工程で洗浄し5ppm以下に除去する必要がある。一方、炭酸塩は炭酸ガスとして調合中に放出され、またアルコキシドは分解してアルコールとなるため、好ましい。
シリカ微粒子分散液に対するセリウムの金属塩の添加量は、得られる本発明の複合微粒子におけるシリカとセリアとの質量比が、100:11~316の範囲となる量とすることが好ましい。
シリカ微粒子分散液にセリウムの金属塩を添加した後、撹拌する際の温度は5~98℃であることが好ましく、10~95℃であることがより好ましい。この温度が低すぎるとシリカの溶解度が著しく低下するため、セリアの結晶化が制御されなくなり、粗大なセリアの結晶性酸化物が生成して、シリカ微粒子(母粒子)への付着が起こり難くなる事が考えられる。
逆に、この温度が高すぎるとシリカの溶解度が著しく増し、結晶性のセリア酸化物の生成が抑制される事が考えられる。更に、反応器壁面にスケールなどが生じやすくなり好ましくない。
また、撹拌する際の時間は0.5~24時間であることが好ましく、0.5~18時間であることがより好ましい。この時間が短すぎると結晶性の酸化セリウムが十分に形成できないため好ましくない。逆に、この時間が長すぎても結晶性の酸化セリウムの形成はそれ以上反応が進まず不経済となる。なお、前記セリウム金属塩の添加後に、所望により5~98℃で熟成しても構わない。熟成により、セリウム化合物が母粒子に沈着する反応をより促進させることができる。
また、シリカ微粒子分散液にセリウムの金属塩を添加し、撹拌する際のシリカ微粒子分散液のpH範囲は7.0~9.0とするが、7.6~8.6とすることが好ましい。この際、アルカリ等を添加しpH調整を行うことが好ましい。このようなアルカリの例としては、公知のアルカリを使用することができる。具体的には、アンモニア水溶液、水酸化アルカリ、アルカリ土類金属、アミン類の水溶液などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
このような工程Aによって、本発明の複合微粒子の前駆体である粒子(前駆体粒子)を含む分散液(前駆体粒子分散液)が得られる。
工程Aで得られた前駆体粒子分散液を、工程Bに供する前に、純水やイオン交換水などを用いて、さらに希釈あるいは濃縮して、次の工程Bに供してもよい。
なお、前駆体粒子分散液における固形分濃度は1~27質量%であることが好ましい。
また、所望により、前駆体粒子分散液を、陽イオン交換樹脂、陰イオン交換樹脂、限外ろ過膜、イオン交換膜、遠心分離などを用いて脱イオン処理してもよい。
<工程B>
工程Bでは、前駆体粒子分散液を乾燥させた後、400~1,200℃で焼成する。
乾燥する方法は特に限定されない。従来公知の乾燥機を用いて乾燥させることができる。具体的には、箱型乾燥機、バンド乾燥機、スプレードライアー等を使用することができる。
なお、好適には、さらに乾燥前の前駆体粒子分散液のpHを6.0~7.0とすることが推奨される。乾燥前の前駆体粒子分散液のpHを6.0~7.0とした場合、表面活性を抑制できるからである。
乾燥後、焼成する温度は400~1200℃であるが、800~1100℃であることが好ましく、1000~1090℃であることがより好ましい。このような温度範囲において焼成すると、セリアの結晶化が十分に進行し、また、セリア微粒子の表面に存在するシリカ被膜が、適度に厚膜化し、母粒子と子粒子とが強固に結合する。この温度が高すぎると、セリアの結晶が異常成長したり、セリア粒子上のシリカ被膜が厚くなり母粒子との結合が進むが、セリアの子粒子を厚く覆う事も予想され、母粒子を構成する非晶質シリカが結晶化したり、粒子同士の融着が進む可能性もある。
工程Bでは、焼成して得られた焼成体に次の(i)又は(ii)の処理をして焼成体解砕分散液を得る。
(i)乾式で解砕・粉砕処理し、溶媒を加えて溶媒分散処理する。
(ii)溶媒を加えて、pH8.6~10.8の範囲にて、湿式で解砕・粉砕処理する。
乾式の解砕・粉砕装置としては従来公知の装置を使用することができるが、例えば、アトライター、ボールミル、振動ミル、振動ボールミル等を挙げることができる。
湿式の解砕・粉砕装置としても従来公知の装置を使用することができるが、例えば、バスケットミル等のバッチ式ビーズミル、横型・縦型・アニュラー型の連続式のビーズミル、サンドグラインダーミル、ボールミル等、ロータ・ステータ式ホモジナイザー、超音波分散式ホモジナイザー、分散液中の微粒子同士をぶつける衝撃粉砕機等の湿式媒体攪拌式ミル(湿式解砕機)が挙げられる。湿式媒体攪拌ミルに用いるビーズとしては、例えば、ガラス、アルミナ、ジルコニア、スチール、フリント石等を原料としたビーズを挙げることができる。
前記(i)又は前記(ii)の何れの処理においても、溶媒としては、水及び/又は有機溶媒が使用される。例えば、純水、超純水、イオン交換水のような水を用いることが好ましい。また、(i)又は(ii)の処理により得られる焼成体解砕分散液の固形分濃度は、格別に制限されるものではないが、例えば、0.3~50質量%の範囲にあることが好ましい。(i)又は(ii)の処理のうち、実用上は(ii)の湿式による処理がより好適に用いられる。
なお、前記(ii)の湿式による解砕・粉砕を行う場合は、溶媒のpHを8.6~10.8に維持しながら湿式による解砕・粉砕を行うことが好ましい。研磨速度がより向上するからである。これについて本発明者は、本発明のセリア系複合微粒子の表面におけるシリカ被膜が適度に薄くなること、及び/又は本発明のセリア系複合微粒子の表面の一部に子粒子が適度に露出することで、研磨速度がより向上し、且つセリアの子粒子の脱落を制御できると推定している。また、シリカ被膜が薄いか剥げた状態であるため、子粒子が研磨時にある程度脱離しやすくなると推定している。
<工程C>
工程Cでは、工程Bにおいて得られた前記焼成体解砕分散液について、相対遠心加速度300G以上にて遠心分離処理を行い、続いて沈降成分を除去し、シリカ系複合微粒子散液を得る。
具体的には、前記焼成体解砕分散液について、遠心分離処理による分級を行う。遠心分離処理における相対遠心加速度は300G以上とする。遠心分離処理後、沈降成分を除去し、シリカ系複合微粒子分散液を得ることができる。相対遠心加速度の上限は格別に制限されるものではないが、実用上は10,000G以下で使用される。
工程Cでは、上記の条件を満たす遠心分離処理を備えることが必要である。遠心加速度又は処理時間が上記の条件に満たない場合は、シリカ系複合微粒子分散液中に粗大粒子が残存するため、シリカ系複合微粒子分散液を用いた研磨材などの研磨用途に使用した際に、スクラッチが発生する原因となる。
このような製造方法によって、前記セリア系複合微粒子分散液を得ることができる。
<工程[2]>
工程[2]では、前記原料分散液に緩衝液を添加し、撹拌し、pHが2.0~7.0である前駆体分散液を得る。次工程以降での複合化に最適なpH領域を維持する目的で、原料分散液にpH緩衝液を加え、pHを2.0~7.0の範囲に調整する。
pH緩衝液としては、例えば、酢酸アンモニウム水溶液、硝酸アンモニウム水溶液、リン酸2水素アンモニウム、リン酸水素2アンモニウム、4ホウ酸アンモ四水和水などのリン酸塩及びホウ酸塩または有機酸などを使用することができる。
前記pH範囲として、より好適にはpH4~6の範囲が推奨される。
<工程[3]>
工程[3]では、前記前駆体分散液を40~98℃に昇温し、1時間以上保持した後、放冷し、反応分散液を得る。
工程3において、異形無機酸化物微粒子とセリア系複合微粒子との複合化が進行する。反応温度が40℃未満では、反応が進みにくく、異形無機酸化物微粒子の担持されるセリア系複合微粒子が少なくなる、あるいは、長時間の保持が必要となり、経済的に好ましくない。逆に反応温度が98℃より高いと、制御が難しく、過度に反応し、粗大な凝集粒子が発生するため、好ましくない。
<工程[4]>
工程[4]では、前記反応分散液を陰イオン交換樹脂と接触させてイオン交換し、本発明の分散液を得る。
工程[3]にて得られた反応分散液のpHは不安定な領域にあり、さらにイオン強度が高いことから、安定性に乏しい。そのため、陰イオン交換によって、イオン強度を低下させつつ、比較的安定なpH領域、具体的にはpH8~11に調整することで、安定な複合型セリア系複合微粒子分散液を得ることが出来る。
陰イオン交換樹脂としては、OH型陰イオン交換樹脂等の公知の陰イオン交換樹脂を用いることができる。陰イオン交換樹脂は、ビーズ状、繊維状等、その形態は問わない。
また、陰イオン交換の処理方法としては、反応分散液中に陰イオン交換樹脂を投入してバッチ方式で処理する方法や、カラムに陰イオン交換樹脂を充填し、通液する方法等、従来公知の方法を用いることができる。
初めに、実施例及び比較例における各測定方法及び試験方法の詳細について説明する。
各実施例及び比較例について、以下の各測定結果及び試験結果を表1~表3に記す。
[成分の分析]
1.シリカ系微粒子分散液におけるSiO2含有量の測定
シリカ系微粒子分散液に含まれるシリカ含有量(SiO2含有量)の測定方法及びシリカ濃度(SiO2濃度)の算定方法は次のとおりである。
最初にシリカ系微粒子分散液の質量を測定する。ここで、珪酸ナトリウムを原料としたシリカ系微粒子の場合は、シリカ系微粒子分散液に1000℃灼熱減量を行い秤量し、得られたものの全てがSiO2であるとして、SiO2含有量(固形分質量)を求め、シリカ系微粒子分散液の質量に対する割合を算定し、シリカ濃度(質量%)とした。
また、アルコキシシランを原料としたシリカ系微粒子分散液の場合は、シリカ系微粒子分散液を150℃で1時間乾燥させた後に秤量し、得られたものの全てがSiO2であるとして、SiO2含有量(固形分質量)を求め、シリカ系微粒子分散液の質量に対する割合を算定し、シリカ濃度(質量%)とした。
2.セリア系複合微粒子におけるSiO2含有量およびCeO2含有量の測定
セリア系複合微粒子におけるSiO2含有量は、セリア系複合微粒子分散液に1000℃灼熱減量を行い、固形分の質量を求めた後、ICPプラズマ発光分析装置を用いて後述する標準添加法によってCe含有率を測定してCeO2質量%を算出し、CeO2以外の固形分の成分はSiO2であるとして、SiO2の含有量(及びSiO2の含有率)、更にはシリカ100質量部に対するセリアの質量部を求めた。
[標準添加法]
セリア系複合微粒子分散液からなる試料約0.2g(固形分20質量%に調整したもの)を白金皿に採取する。水酸化ナトリウム1g、過酸化ナトリウム2gを加えて、電熱器上で加熱し、更にブンゼンバーナーで溶融した後、室温まで冷却する。300mlビーカーに塩酸50ml,水150mlを加え、ジルコニアルツボとフタを入れてウォーターバス上で加温し、溶融物を溶解した後、室温まで冷却する。この溶液を500mlメスフラスコにおさめ、水を加えて500mlとし、分液10mlを採取し、100mlメスフラスコに入れ、塩酸4mlを加え、水で100mlに希釈する。この溶液をICPプラズマ発光分析装置(例えばSII製、SPS5520)にて測定し、セリウム標準液を用いて作成した検量線を元にCeO2質量%を算出する。
[X線回折法、平均結晶子径の測定]
セリア系複合微粒子分散液を従来公知の乾燥機を用いて乾燥し、得られた粉体を乳鉢にて10分粉砕し、X線回折装置(理学電気(株)製、RINT1400)によってX線回折パターンを得て、結晶型を特定した。
また、前述の方法によって、得られたX線回折パターンにおける2θ=28度近傍の(111)面(2θ=28度近傍)のピークの半価全幅を測定し、Scherrerの式により、平均結晶子径を求めた。
[平均粒子径の測定]
1.セリア系複合微粒子の平均粒子径
セリア系複合微粒子の平均粒子径は、画像解析法で測定された平均粒子径の個数平均値を意味する。具体的には、走査型電子顕微鏡により、セリア系複合微粒子を倍率30万倍(ないしは50万倍)で写真撮影して得られる写真投影図において、粒子の最大径を長軸とし、その長さを測定して、その値を長径(DL)とする。また、長軸上にて長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線が粒子の外縁と交わる2点を求め、同2点間の距離を測定し短径(DS)とする。そして、長径(DL)と短径(DS)との幾何平均値を求め、これをセリア系複合微粒子の粒子径とする。このようにして50個以上のセリア系複合粒子について粒子径を測定し、それらの個数平均値を算出する。こうして得られた値を、セリア系複合微粒子の平均粒子径(nm)とする。
2.異形無機酸化物微粒子に担持したセリア系複合微粒子の平均粒子径
走査型電子顕微鏡により、異形無機酸化物微粒子を倍率10万倍で写真撮影して得られる写真投影図において、粒子の最大径を長軸とし、その長さを測定して、その値を長径(L)とする。また、長軸上にて長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線が粒子の外縁と交わる2点を求め、同2点間の距離を測定し短径(S)とする。また、長径(L)と短径(S)との幾何平均値を求め、これを異形無機酸化物微粒子の粒子径とする。このようにして50個以上のセリア系複合粒子について粒子径を測定し、それらの個数平均値を算出する。こうして得られた値を、異形無機酸化物微粒子に担持したセリア系複合微粒子の平均粒子径(nm)とする。
[セリア系複合微粒子における母粒子および子粒子の平均粒子径]
実施例及び比較例で得られたセリア系複合微粒子の母粒子および子粒子の平均粒子径は、前述の通りのSTEM-EDS分析による画像解析法によって求めた値とする。
[平均長径(L)及び平均短径(S)/平均長径(L)]
1.異形無機酸化物微粒子の平均長径(L)及び平均短径(S)/平均長径(L)
走査型電子顕微鏡により、多数の異形無機酸化物微粒子を倍率10万倍で写真撮影して得られる写真投影図において、1つの異形無機酸化物微粒子を選び、その粒子の最大径を長軸とし、その長さを測定して、その値を長径(L)とした。また、長軸上にて長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線が粒子の外縁と交わる2点を求め、同2点間の距離を測定し短径(S)とした。さらに、その1つの異形無機酸化物微粒子の短径/長径比を求めた。
この操作を無作為に選定した、50個の異形無機酸化物微粒子について行い、平均値を求めて、平均長径(L)及び平均短径(S)/平均長径(L)を算出した。
2.セリア系複合微粒子が担持した異形無機酸化物微粒子の平均長径(L)及び平均短径(S)/平均長径(L)
走査型電子顕微鏡により、複合型セリア系複合微粒子を倍率10万倍で写真撮影して得られる写真投影図において、セリア系複合微粒子が担持した異形無機酸化物微粒子の最大径を長軸とし、その長さを測定して、その値を複合型セリア系複合微粒子の長径(L)とする。また、長軸上にて長軸を2等分する点を定め、それに直交する直線が粒子の外縁と交わる2点を求め、同2点間の距離を測定し、これを複合型セリア系複合微粒子の短径(S)とする。また、長径(L)と短径(S)との幾何平均値を求め、これを複合型セリア系複合微粒子の短径/長径比とする。
この操作を無作為に選定した、50個の複合型セリア系複合微粒子について、それぞれ長径(L)及び短径(S)を測定し、短径(S)/長径(L)の算定を行い、それぞれ平均を求めて、平均長径(L)及び平均短径(S)/平均長径(L)とした。
[異形無機酸化物微粒子に担持したセリア系複合微粒子の異形無機酸化物微粒子の長径方向100nm当たりの平均担持個数]
走査型電子顕微鏡により、複合型セリア系複合微粒子を倍率10万倍で写真撮影して得られる写真投影図において、無作為に選んだ50個の複合型セリア系複合微粒子について、それぞれ長径方向の100nmの範囲に担持したセリア系複合微粒子の個数を測定し、それらの平均値を算定し、異形無機酸化物微粒子の長径100nm当たり担持しているセリア系複合微粒子の平均担持個数とした。
後述する実施例にて得られた複合型セリア系複合微粒子分散液および比較例にて得られた分散液に含まれる粒子について、次に説明する2種類の研磨性能試験を行った。
<研磨性能試験1:研磨速度の測定>
実施例および比較例の各々において得られた複合型セリア系複合微粒子分散液に溶媒として超純水を加え、研磨用砥粒分散液を調整した。ここで研磨用砥粒分散液の固形分濃度は0.6質量%とし、また、硝酸を添加してpHは5.0とした。
次に、被研磨基板として、熱酸化法により作製したSiO2絶縁膜(厚み1μm)基板を準備した。
次に、この被研磨基板を研磨装置(ナノファクター株式会社製、NF300)にセットし、研磨パッド(ニッタハース社製、IC-1000/SUBA400同心円タイプ)を使用し、基板荷重0.5MPa、テーブル回転速度90rpmで研磨用砥粒分散液を50ml/分の速度で1分間供給して研磨を行った。
そして、研磨前後の被研磨基材の重量変化を求めて研磨速度を計算した。
なお、比較例1においては、得られた分散液について同様の固形分濃度およびpHに調整した後、同様の測定を行った。
<研磨性能試験2:スクラッチの個数の測定>
実施例および比較例の各々において得られた複合型セリア系複合微粒子分散液に溶媒として超純水を加え、研磨用砥粒分散液を調整した。ここで研磨用砥粒分散液の固形分濃度は9質量%とし、また、硝酸を添加してpHは2.0とした。
次に、アルミハードディスク用基板を研磨装置(ナノファクター株式会社製、NF300)にセットし、研磨パッド(ニッタハース社製、ポリテックスφ12)を使用し、基板負荷0.05MPa、テーブル回転速度30rpmで研磨用砥粒分散液を20ml/分の速度で5分間供給して研磨を行い、超微細欠陥・可視化マクロ装置(VISION PSYTEC社製、製品名:Maicro-Max)を使用し、Zoom15にて全面観察し、65.97cm2に相当する研磨処理された基板表面に存在するスクラッチ(線状痕)の個数を数えて合計し、次の基準に従って評価した。
線状痕の個数 評価
50個未満 「非常に少ない」
50個から80個未満 「少ない」
80個以上 「多い」
少なくとも80個以上で総数をカウントできないほど多い 「※」
なお、比較例1においては、得られた分散液について同様の固形分濃度およびpHに調整した後、同様の測定を行った。
<合成例1>
<異形無機酸化物微粒子分散液の精製>
[1]セピオライト(商品名「PANGL FF」、GRUPO TOLSA製、粉体状、平均長径(L)=491nm、平均短径(S)=26nm、平均短径(S)/平均長径(L)=0.05)を用意した。
ここで平均長径(L)および平均短径(S)は前述の方法を用いて測定した。
次に、上記のセピオライト44gを超純水700gに投入し、10分間撹拌し、セピオライトの水懸濁液(異形無機酸化物微粒子分散液)744gを得た。
[2]前記[1]で得られたセピオライトの水懸濁液(744g)に陽イオン交換樹脂(三菱ケミカル社製、品番:SK1BH)90gを投入し、90分間攪拌することによりイオン交換を行った後、SUS316製金網(325mesh)により陽イオン交換樹脂を分離し、セピオライトの水懸濁液(pH3.1/25℃)613gを得た。ここで得られたセピオライトの水懸濁液を、以下では陽イオン交換品ともいう。
[3]前記[2]で得られた陽イオン交換品(613g)に陰イオン交換樹脂69gを投入し、50分間攪拌することによりイオン交換を行った後、SUS316製金網(325mesh)により陰イオン交換樹脂を分離し、セピオライトの水懸濁液(pH5.8/25℃)568gを得た。ここで得られたセピオライトの水懸濁液を、以下では陰イオン交換品ともいう。
[4]前記[3]で得られた陰イオン交換品(568g)に、再度、陽イオン交換樹脂83gを投入し、55分間攪拌することによりイオン交換を行った後、SUS316製金網(325mesh)により陽イオン交換樹脂を分離し、セピオライトの水懸濁液(pH3.7/25℃)525gを得た。ここで得られたセピオライトの水懸濁液を、以下では再陽イオン交換品ともいう。
[5]前記[4]で得られた再陽イオン交換品(525g)に超純水525gを加え、希釈されたセピオライトの水懸濁液を得た。ここで得られた希釈されたセピオライトの水懸濁液を、以下では希釈品ともいう。
この希釈品(25℃)におけるpHが10になるようにアンモニア水溶液(濃度3質量%)を加え、続いて超音波処理を6時間に渡って行い、超音波処理されたセピオライトの水懸濁液(1055g)を得た。ここで得られた超音波処理されたセピオライトの水懸濁液を、以下では「超音波処理品」ともいう。なお、超音波処理品の固形分濃度を灼熱減少法によって測定したところ1.2質量%であった。
なお、ここで用いた灼熱減量法は、試料2gを、ルツボ(容量5ml)に計量し、ホットプレートを用いて120℃で1時間、200℃で30分間、300℃で30分間の順で乾燥させ、続いて、試料をマッフル炉(1000℃)に入れて、1時間乾燥させた後、デシケーターを用いて、試料を30分間放冷し、放冷後の重量を計量する。そして、放冷後の重量と、試料重量(2g)から超音波処理品の固形分濃度を算定した。
<合成例2>
<シリカ系微粒子分散液(シリカ系微粒子の平均粒子径63nm)の調製>
エタノール12,090gと正珪酸エチル6,363.9gとを混合し、混合液a1とした。次に、超純水6,120gと29%アンモニア水444.9gとを混合し、混合液b1とした。
次に、超純水192.9gとエタノール444.9gとを混合して敷き水とした。
そして、敷き水を撹拌しながら75℃に調整し、ここへ、混合液a1及び混合液b1を、各々10時間で添加が終了するように、同時添加を行った。添加が終了したら、液温を75℃のまま3時間保持して熟成させた後、固形分濃度を調整し、SiO2濃度19質量%、平均粒子径63nmのシリカ系微粒子が溶媒に分散してなるシリカゾルを9,646.3g得た。
ここでシリカ系微粒子の平均粒子径は、その走査型電子顕微鏡を用いて5万倍にて得られる画像または写真を用意し、SEM像を画像解析ソフト(例えば、Visualization Sciences Group製Avizo ver.6.0)にて得られた投影面積から相当する面積等価粒子径を40個のシリカ系微粒子について求め、それらの値を単純平均して求めた。
<合成例3>
<シリカ系微粒子分散液(シリカ系微粒子の平均粒子径:113nmの調製>
メタノール2,733.3gと正珪酸エチル1,822.2gとを混合し、混合液a2とした。次に、超純水1,860.7gと29%アンモニア水40.6gとを混合し、混合液b2とした。
次に、超純水59gとメタノール1,208.9gとを混合して敷き水として、合成例2で得た平均粒子径63nmのシリカ系微粒子が溶媒に分散してなるシリカゾル922.1gを加えた。
そして、このシリカゾルを含んだ敷き水を撹拌しながら65℃に調整し、ここへ、混合液a2及び混合液b2を、各々18時間で添加が終了するように、同時添加を行った。添加が終了したら、液温を65℃のまま3時間保持して熟成させた後、限外膜、ロータリーエバポレーターで濃縮し、固形分濃度(SiO2固形分濃度)を19質量%に調整し、平均粒子径113nmのシリカ系微粒子が溶媒に分散してなるシリカ系微粒子分散液を3,600g得た。
なお、ここで得られたシリカ系微粒子の平均粒子径は、前述の平均粒子径63nmのシリカ系微粒子が溶媒に分散してなるシリカゾルの場合と同様の方法で測定して求めた。
得られた3,600gのシリカ系微粒子分散液のうち1,053gについて、陽イオン交換樹脂(三菱化学社製SK-1BH)114gを徐々に添加し、30分間攪拌し樹脂を分離した。この時のpHは5.1であった。
<合成例4>
<セリア系複合微粒子分散液の調製>
前記合成例3によって得られたシリカ系微粒子分散液(SiO2濃度19質量%)に超純水を加えて、SiO2濃度3質量%のシリカ系微粒子分散液6,000g(SiO2 dry 180g)(以下、「A1液」ともいう)を得た。以下、「SiO dry」は、シリカ質量を意味する。
次に、硝酸セリウム(III)6水和物(関東化学社製、4N高純度試薬)にイオン交換水を加え、CeO2換算で3.0質量%の硝酸セリウム水溶液(以下、「B1液」ともいう)を得た。
続いてA1液(シリカ系微粒子分散液(SiO2濃度3質量%))6,000gを10℃に保ち、撹拌しながら、ここへB1液(硝酸セリウム水溶液(CeO2濃度3.0質量%)の7,186.7g(CeO2 dry215.6g)を18時間かけて添加した。以下、「CeO dry」は、セリア質量を意味する。
なお、A1液へのB1液の添加中、B1液が添加されたA1液(以下、「調合液」ともいう)の液温を10℃に維持し、必要に応じてアンモニア水溶液(アンモニア濃度3質量%)を添加して、pH8.6から8.8の範囲を維持するようにした。そして、B1液全量の添加終了後に、調合液の液温10℃で4時間熟成を行った。
また、B1液(硝酸セリウム水溶液)の添加中および熟成中は、調合液にエアーを吹き込みながら調合を行い、酸化還元電位を100~200mVに保った。
その後、限外膜にてイオン交換水を補給しながら洗浄を行った。洗浄を終了して分散液C1を得た。この分散液C1は、固形分濃度が4.7質量%、pHが8.8(25℃にて)、電導度が44μs/cm(25℃にて)であった。
分散液C1を乾燥機にて、120℃で16時間乾燥させた後、マッフル炉を用いて1030℃で2時間焼成を行い、粉体(焼成体)を得た。
この粉体(焼成体)100gにイオン交換水300gを加え、続いて、pH9.2になるようにアンモニア水溶液(アンモニア濃度3質量%)を添加した後、φ0.25mmの石英ビーズ(大研化学工業株式会社製)にて湿式解砕(カンペ(株)製バッチ式卓上サンドミル)を120分行った。なお、解砕中にはアンモニア水溶液(アンモニア濃度30質量%)を添加してpHを9.2に保った。
そして、解砕後に44メッシュの金網を通してビーズを分離し、焼成体解砕粒子分散液(1)を得た。
得られた焼成体解砕粒子分散液(1)は、質量1,115g(固形分濃度3.1質量%)であった。
次に、焼成体解砕粒子分散液(1)を遠心分離装置(日立工機株式会社製、型番「CR21G」)にて、遠心分離処理(1700Gで102秒)し、軽液と重液に分離させ、軽液を回収してセリア系複合微粒子分散液(E1)とした。
得られたセリア系複合微粒子分散液(E1)に含まれるセリア系複合微粒子の平均粒子径はSEMを用いた前述の方法によって測定した。
また、セリア系複合微粒子における母粒子および子粒子の平均粒子径は、前述の通り、STEM-EDSを用いた画像解析法で測定した。
また、前述の方法によって、得られたセリア系複合微粒子分散液(E1)におけるSiO2含有量およびCeO2含有量を求め、シリカ100質量部に対するセリアの質量部を求めた。
また、前述の方法によってセリア系複合微粒子分散液(E1)に含まれるセリア系複合微粒子の平均結晶子径を測定した。
さらに、前述の方法でセリア系複合微粒子分散液(E1)に含まれるセリア系複合微粒子をX線回折に供し、結晶型を確認した。測定結果を第1表に示す。
<合成例5>
<セリア系複合微粒子分散液の調製>
シリカ系微粒子分散液「カタロイドSS-160」(平均粒子径160nm(SEMによる画像解析法)、固形分濃度14質量%、日揮触媒化成(株)製)に超純水を加えて、SiO2濃度3質量%のシリカ系微粒子分散液6,000g(SiO2 dry180g)(以下、「A2液」ともいう)を得た。
次に、硝酸セリウム(III)6水和物(関東化学社製、4N高純度試薬)にイオン交換水を加え、CeO2換算で3.0質量%の硝酸セリウム水溶液(以下、「B2液」ともいう)を得た。
続いてA2液(シリカ系微粒子分散液(SiO2濃度3質量%))6,000gを10℃に保ち、撹拌しながら、ここへB2液(硝酸セリウム水溶液(CeO2濃度3.0質量%)の7,186.7g(CeO2dry215.6g)を18時間かけて添加した。
なお、A2液へのB2液の添加中、B2液が添加されたA2液(以下、「調合液」ともいう)の液温を10℃に維持し、必要に応じてアンモニア水溶液(アンモニア濃度3質量%)を添加して、pH8.6から8.8の範囲を維持するようにした。そして、B2液全量の添加終了後に、調合液の液温10℃で4時間熟成を行った。
なお、B2液(硝酸セリウム水溶液)の添加中および熟成中は、調合液にエアーを吹き込みながら調合を行い、酸化還元電位を100~200mVに保った。
その後、限外膜にてイオン交換水を補給しながら洗浄を行った。洗浄を終了して分散液C2を得た。この分散液C2は、固形分濃度が7.5質量%、pHが9.0(25℃にて)、電導度が30μs/cm(25℃にて)であった。
分散液C2を乾燥機にて、120℃で16時間乾燥させた後、930℃のマッフル炉を用いて2時間焼成を行い、粉体(焼成体)を得た。
この粉体(焼成体)100gにイオン交換水342gを加え、続いて、pH9.2になるようにアンモニア水溶液(アンモニア濃度3質量%)を添加した後、φ0.25mmの石英ビーズ(大研化学工業株式会社製)にて湿式解砕(カンペ(株)製バッチ式卓上サンドミル)を120分行った。なお、解砕中にはアンモニア水溶液(アンモニア濃度30質量%)を添加してpHを9.2に保った。
そして、解砕後に44メッシュの金網を通してビーズを分離し、焼成体解砕粒子分散液(2)を得た。
得られた焼成体解砕粒子分散液(2)は、質量1,155g(固形分濃度3.1質量%)であった。
次に、焼成体解砕粒子分散液(2)を遠心分離装置(日立工機株式会社製、型番「CR21G」)にて、遠心分離処理(1700Gで102秒)し、軽液と重液に分離させ、軽液を回収してセリア系複合微粒子分散液(E2)とした。
得られたセリア系複合微粒子分散液(E2)に含まれるセリア系複合微粒子の平均粒子径はSEMを用いた前述の方法によって測定した。
また、セリア系複合微粒子における母粒子および子粒子の平均粒子径は、前述の通り、STEM-EDSを用いた画像解析法である。
また、前述の方法によって、得られたセリア系複合微粒子分散液(E2)におけるSiO2含有量およびCeO2含有量を求め、シリカ100質量部に対するセリアの質量部を求めた。
また、前述の方法によってセリア系複合微粒子分散液(E2)に含まれるセリア系複合微粒子の平均結晶子径を測定した。
さらに、前述の方法でセリア系複合微粒子分散液(E2)に含まれるセリア系複合微粒子をX線回折に供し、結晶型を確認した。測定結果を第1表に示す。
<実施例1>
<異形無機酸化物微粒子とセリア系複合微粒子との複合化>
[1]セリア系複合微粒子分散液(E1)に超純水を加え、濃度を2.3質量%に調整し、続いて10分間撹拌した。この希釈されたセリア系複合微粒子分散液(固形分濃度2.3質量%)のpHは25℃で8.9であった。この希釈されたセリア系複合微粒子分散液を「希釈されたセリア系複合微粒子分散液(E1)」とする。
[2]希釈されたセリア系複合微粒子分散液(E1)870gに、合成例1で得た超音波処理品(固形分濃度1.2質量%)の87gを投入し、さらに超音波処理を60分実施し、原料分散液(1)(pH9.1/25℃)を得た。
ここで超音波処理品(異形無機酸化物微粒子)とセリア系複合微粒子との混合比(固形分換算)は100:2000である。
[3]原料分散液(1)800gに緩衝液として酢酸アンモニウム水溶液(酢酸濃度7質量%)を11g添加し、10分間撹拌し、前駆体分散液を(1)得た。撹拌後に得られた前駆体分散液(1)の25℃におけるpHは4.6であった。
[4]前駆体分散液(1)696gを85℃に加熱して昇温し、20時間保持した後、放冷した。放冷後に得られた反応分散液(1)のpHは25℃で5.2だった。
[5]反応分散液(1)630gに陰イオン交換樹脂32gを投入し、60分間攪拌した。その後、陰イオン交換樹脂を分離し、複合型セリア系複合微粒子分散液(1)596g(pH10.6/25℃、固形分濃度2.1質量%)を得た。
ここで固形分濃度は、前述の超音波処理品の固形分濃度と同様、灼熱減少法によって測定した。
得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(1)に分散している複合型セリア系複合微粒子を分離し、STEM-EDS分析を行った。また、走査型電子顕微鏡写真(SEM像)および透過型電子顕微鏡写真(TEM像)を得た。
図1の上側が10万倍でのSEM像、下側が10万倍でのTEM像(10万倍)であり、図2は1万倍でのSEM像である。
このSTEM-EDS分析から、得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(1)に分散している複合型セリア系複合微粒子が、異形無機酸化物微粒子にセリア系複合微粒子が担持しているものであることを確認した。
また、セリア系複合微粒子が、非晶質シリカを主成分とする母粒子と、母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有することを確認した。
また、母粒子および子粒子の平均粒子径を前述のSTEM-EDS分析による画像解析法によって測定し、これらは、異形無機酸化物微粒子に担持させる前におけるセリア系複合微粒子の母粒子および子粒子の平均粒子径と同一であることを確認した。
次に、得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(1)に分散している複合型セリア系複合微粒子に担持しているセリア系複合微粒子の平均粒子径を、前述の方法によって測定した。結果を表3に示す。
次に、得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(1)に分散している複合型セリア系複合微粒子における異形無機酸化物微粒子について、図1のSEM像を用い、前述の方法によって、平均長径(L)および平均短径(S)を求め、さらに平均短径(S)/平均長径(L)の値を求めた。結果を表3に示す。
次に、図1のSEM像を用い、前述の方法によって、異形無機酸化物微粒子に担持しているセリア系複合微粒子の個数の平均値を求めた。結果を表3に示す。
次に、得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(1)を用い、前述の方法によって、研磨速度を測定し、また、スクラッチの個数を測定した。結果を表3に示す。
<実施例2>
<異形無機酸化物微粒子とセリア系複合微粒子の複合化>
[1]実施例1において得られた、希釈されたセリア系複合微粒子分散液(E1)870gを用意した。
[2]この希釈されたセリア系複合微粒子分散液(E1)870gに、合成例1で得た超音波処理品(固形分濃度1.2質量%)の44gを投入し、さらに超音波処理を60分実施し、原料分散液(2)(pH9.0/25℃)を得た。
ここで超音波処理品(異形無機酸化物微粒子)とセリア系複合微粒子との混合比(固形分換算)は100:4000である。
[3]原料分散液(2)800gに緩衝液として酢酸アンモニウム水溶液(酢酸濃度7質量%)を11g添加し、10分間撹拌し、前駆体分散液(2)を得た。撹拌後に得られた前駆体分散液(2)の25℃におけるpHは4.6であった。
[4]前駆体分散液(2)696gを85℃に加熱して昇温し、20時間保持した後、放冷した。放冷後に得られた反応分散液(2)のpHは25℃で5.1だった。
[5]反応分散液(2)636gに陰イオン交換樹脂32gを投入し、60分間攪拌した。その後、樹脂を分離し、複合型セリア系複合微粒子分散液(2)602g(pH10.6/25℃、固形分濃度2.2質量%)を得た。
ここで固形分濃度は、前述の超音波処理品の固形分濃度と同様、灼熱減少法によって測定した。
得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(2)に分散している複合型セリア系複合微粒子を分離し、実施例1の場合と同様にSTEM-EDS分析を行った。
このSTEM-EDS分析から、得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(2)に分散している複合型セリア系複合微粒子が、異形無機酸化物微粒子にセリア系複合微粒子が担持しているものであることを確認した。
また、セリア系複合微粒子が、非晶質シリカを主成分とする母粒子と、母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有することを確認した。
また、母粒子および子粒子の平均粒子径を前述のSTEM-EDS分析による画像解析法によって測定し、これらは、異形無機酸化物微粒子に担持させる前におけるセリア系複合微粒子の母粒子および子粒子の平均粒子径と同一であることを確認した。
次に、得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(2)に分散している複合型セリア系複合微粒子に担持しているセリア系複合微粒子の平均粒子径を、前述の方法によって測定した。結果を表3に示す。
次に、得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(2)に分散している複合型セリア系複合微粒子における異形無機酸化物微粒子について、10万倍で撮影したSEM像を用い、前述の方法によって、平均長径(L)および平均短径(S)を求め、さらに平均短径(S)/平均長径(L)の値を求めた。結果を表3に示す。
次に、得られたSEM像を用い、前述の方法によって、異形無機酸化物微粒子に担持しているセリア系複合微粒子の個数の平均値を求めた。結果を表3に示す。
次に、得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(2)を用い、前述の方法によって、研磨速度を測定し、スクラッチの個数を測定した。結果を表3に示す。
<実施例3>
<異形無機酸化物微粒子とセリア系複合微粒子の複合化>
[1]セリア系複合微粒子分散液(E2)に超純水を加え、濃度を2.3質量%に調整し、続いて10分間撹拌した。この希釈されたセリア系複合微粒子分散液(固形分濃度2.3質量%)のpHは25℃で8.2であった。この希釈されたセリア系複合微粒子分散液を「希釈されたセリア系複合微粒子分散液(E2)」とする。
[2]希釈されたセリア系複合微粒子分散液(E2)870gに、合成例1で得た超音波処理品(固形分濃度1.2質量%)の40gを投入し、さらに超音波処理を60分実施し、原料分散液(3)(pH8.9/25℃)を得た。
ここで超音波処理品(異形無機酸化物微粒子)とセリア系複合微粒子との混合比(固形分換算)は100:4000である。
[3]原料分散液(3)800gに緩衝液として酢酸アンモニウム水溶液(酢酸濃度7質量%)を11g添加し、10分間撹拌し、前駆体分散液(3)を得た。撹拌後に得られた前駆体分散液(3)の25℃におけるpHは4.6であった。
[4]前駆体分散液(3)696gを85℃に加熱して昇温し、20時間保持した後、放冷した。放冷後に得られた反応分散液(3)のpHは25℃で4.9だった。
[5]反応分散液(3)636gに陰イオン交換樹脂32gを投入し、60分間攪拌した。その後、陰イオン交換樹脂を分離し、複合型セリア系複合微粒子分散液(3)602g(pH10.7/25℃、固形分濃度2.1質量%)を得た。
ここで固形分濃度は、前述の超音波処理品の固形分濃度と同様、灼熱減少法によって測定した。
得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(3)に分散している複合型セリア系複合微粒子を分離し、実施例1の場合と同様にSTEM-EDS分析を行った。
このSTEM-EDS分析から、得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(3)に分散している複合型セリア系複合微粒子が、異形無機酸化物微粒子にセリア系複合微粒子が担持しているものであることを確認した。
また、セリア系複合微粒子が、非晶質シリカを主成分とする母粒子と、母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有することを確認した。
また、母粒子および子粒子の平均粒子径を前述のSTEM-EDS分析による画像解析法によって測定し、これらは、異形無機酸化物微粒子に担持させる前におけるセリア系複合微粒子の母粒子および子粒子の平均粒子径と同一であることを確認した。
次に、得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(3)に分散している複合型セリア系複合微粒子に担持しているセリア系複合微粒子の平均粒子径を、前述の方法によって測定した。結果を表3に示す。
次に、得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(3)に分散している複合型セリア系複合微粒子における異形無機酸化物微粒子について、10万倍で撮影したSEM像を用い、前述の方法によって、平均長径(L)および平均短径(S)を求め、さらに平均短径(S)/平均長径(L)の値を求めた。結果を表3に示す。
次に、得られたSEM像を用い、前述の方法によって、異形無機酸化物微粒子に担持しているセリア系複合微粒子の個数の平均値を求めた。結果を表3に示す。
次に、得られた複合型セリア系複合微粒子分散液(3)を用い、前述の方法によって、研磨速度を測定し、スクラッチの個数を測定した。結果を表3に示す。
<比較例1>
実施例1において得られた、希釈されたセリア系複合微粒子分散液(E1)870gを用いて、実施例1~実施例3と同様に研磨試験を行った。
Figure 2023080995000002
Figure 2023080995000003
Figure 2023080995000004

Claims (7)

  1. 複合型セリア系複合微粒子が溶媒に分散してなる複合型セリア系複合微粒子分散液であって、
    前記複合型セリア系複合微粒子は、異形無機酸化物微粒子にセリア系複合微粒子が担持しているものであり、
    前記異形無機酸化物微粒子は、平均長径(L)が200~6,000nmであり、平均短径(S)は10~1,800nmであり、前記平均長径(L)に対する平均短径(S)の比(平均短径(S)/平均長径(L))が0.005~0.3であり、
    前記セリア系複合微粒子は、非晶質シリカを主成分とする母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有する、複合型セリア系複合微粒子分散液。
  2. 前記セリア系複合微粒子の走査型電子顕微鏡写真を用いた画像解析法による平均粒子径が50nm~600nmの範囲にある、請求項1に記載の複合型セリア系複合微粒子分散液。
  3. 前記異形無機酸化物微粒子に担持している前記セリア系複合微粒子の平均担持個数が、前記異形無機酸化物微粒子の長径方向において100nm当たり1~200個である、請求項1または2に記載の複合型セリア系複合微粒子分散液。
  4. 前記異形無機酸化物微粒子が、セピオライト、粒子連結型シリカ微粒子及び非球状シリカ微粒子からなる群から選ばれる少なくとも1つである、請求項1~3のいずれかに記載の複合型セリア系複合微粒子分散液。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の複合型セリア系複合微粒子分散液を含む、研磨用砥粒分散液。
  6. 下記工程[1]、[2]、[3]及び[4]を含む、請求項1~4のいずれかに記載の複合型セリア系複合微粒子分散液の製造方法。
    工程[1]:平均長径(L)が200~6,000nmであり、平均短径(S)は10~1,800nmであり、前記平均長径(L)に対する平均短径(S)の比(平均短径(S)/平均長径(L))が0.005~0.3である異形無機酸化物微粒子と、
    非晶質シリカを主成分とする母粒子と、前記母粒子の表面上のセリウム含有シリカ層と、前記セリウム含有シリカ層の内部に分散している結晶性セリアを主成分とする子粒子とを有し、平均粒子径が50~600nmであるセリア系複合微粒子が溶媒に分散してなるセリア系複合微粒子分散液とを混合し、原料分散液を得る工程。
    工程[2]:前記原料分散液に緩衝液を添加し、撹拌し、pHが2.0~7.0である前駆体分散液を得る工程。
    工程[3]:前記前駆体分散液を40~98℃に昇温し、1時間以上保持した後、放冷し、反応分散液を得る工程。
    工程[4]:前記反応分散液を陰イオン交換樹脂と接触させてイオン交換し、請求項1~4のいずれかに記載の複合型セリア系複合微粒子分散液を得る工程。
  7. 前記工程[1]において、前記混合液における前記異形無機酸化物微粒子と前記セリア系複合微粒子との混合比(固形分換算)が100:500~100:8,000(質量部)である、請求項6に記載の複合型セリア系複合微粒子分散液の製造方法。
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