JP2023080518A - ローラ保護リングおよびその組み付け方法 - Google Patents

ローラ保護リングおよびその組み付け方法 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素で安価な構成でありながら少人数でローラ外周面への組み付けおよび取り外しを行なえて、ローラの長寿命化を図ることのできるローラ保護リングおよびその組み付け方法を提供する。【解決手段】ローラ保護リング1は、コンベアベルトを載置するローラRに被装されてローラRを保護するものであって、ローラRの略半周分を被う部材本体3A,3Bと、部材本体3A,3Bの一辺部3AA,3BAから延出した舌片部4A,4Bと、部材本体3A,3Bの他辺部3AB,3BBから陥入して形成された凹溝部5A,5Bとから成る半円弧リング部材2A,2Bを、二つ備えて構成され、半円弧リング部材2A,2Bの舌片部4A,4Bと部材本体3A,3Bの他辺部3AB,3BBとがローラRを挟持することにより、略円筒状体Sとしてのローラ保護リング1が組み上げられる。【選択図】図5

Description

本発明は、コンベアベルトを載置して転動するローラの外周面に被装されてローラを保護するローラ保護リングおよびその組み付け方法に関するものである。
一般に、鉄鉱石、コークス、セメント、土砂、粉状食材、飼料などの被搬送物の搬送にはベルトコンベアが汎用されている。図12に汎用のベルトコンベアKを示す。このベルトコンベアKにおいて、無端状のコンベアベルトBは、往路でキャリアローラ群Dのキャリアローラ16A,16B上に載置されてその積載面に被搬送物を載せている。被搬送物を降ろした復路のコンベアベルトBは、転動するリターンローラR上に積載面を下向きにして載置され周回走行する。このベルトコンベアKでは、床上に立設された基台支柱10,10間に架台11が横架され、架台11上に支柱15,15および中間支柱17,17が立設されている。支柱15および中間支柱17間にキャリアローラ16A,16Bが転動自在に軸支されてキャリアローラ群Dを構成している。キャリアローラ群Dの下方に配置されたリターンローラRでは、図12中の円P内に拡大して示すように、基台支柱10,10の上部に固定された上弦フレーム12,12にリターンブラケット13,13がそれぞれ吊下されている。リターンブラケット13,13の末端上には、リターンローラRの支持軸AXの両端が支持固定されている。支持軸AXは、円筒状のリターンローラRの筒両端部に内装された軸受14,14に回動自在に軸支されている(図11参照)。
前記したベルトコンベアKでは、図11に示すように、被搬送物を降ろした復路のコンベアベルトBの積載面B1が下向きになっているので、積載面B1に付着していた被搬送物の粉粒物QがリターンローラRの外周面RAに接し、当該外周面RAに摩耗痕Uを発生させてローラ寿命を短かくしている。このような摩耗により、雨天時にリターンローラRとコンベアベルトBの間に雨水が侵入してベルト蛇行の発生を招くおそれがある。そのために、リターンローラR自体はもとより支持軸AX、軸受14など、全ての部品をスクラップにしなければならなかった。
このように摩耗が進んで寿命を迎えたリターンローラRは、図12に示すように、リターンブラケット13,13から取り外されて新ローラと取り替えられる。このローラ取替作業は、コンベアベルトBを持ち上げてリターンローラRとの間に受板Yを差し入れ、一人の作業員NがリターンローラRの下方に潜り込み、床上の敷台Zに置いたジャッキVで受板YおよびコンベアベルトBをリターンローラRから持ち上げ、その状態で二人の作業員Nが両側から支持軸AX,AXを少し持ち上げて取り出すようにしている。因みに、コンベアベルトBが数百メート以上になっている場合は、かなり多くのリターンローラR,R,R,・・・を取り替える作業を行なわなければならない。例えば、鉱石搬送用のコンベアベルトBは幅1350mmで厚さ18mmのものであると約25kg/mの重量があり、前記のローラ交換作業は過酷なものであった。また、取替用の多数のリターンローラRの保管および在庫管理も大変である。
そこで、下記の特許文献1に記載されているようなローラ保護リングが開示されている。このローラ保護リングはリターンローラの外周面に取り付けられる鋼材製で半円筒状の取付け部材と、この取付け部材の外周面に接着されたポリウレタン製で半円筒状の弾性部材とから成る半円弧部材の、二つで構成されている。このローラ保護リングでは、二つの取付け部材がリターンローラの外周面に位置決めされてあてがわれた状態で、外側の二つの弾性部材が締付け部材により両円弧端面を対面させて円筒状の状態にされ、その状態で二つの取付け部材がリターンローラの外周面に溶接付けされて固定される。その後、締付け部材が取り外されてローラ保護リング付きのリターンローラとして使用されるようになっている。このような構成により、復路のコンベアベルトをローラ保護リングの弾性部材で受けて、リターンローラには直に載せないようにし、リターンローラの摩耗その他の弊害を抑止するとしている。
特開2000-351438号公報
しかしながら、前記した特許文献1に開示のローラ保護リングでは、二つの半円弧部材をリターンローラの外周面にあてがった状態にして締付け部材を用いたり、締め付け後に取付け部材をリターンローラに溶接付けしたり、溶接後に締付け部材を取り外したりといった多数の作業工程を実行しなければならない。そして、コンベアベルトを載せる半円弧部材の弾性部材は合成樹脂製なので摩耗しやすい。しかしながら、溶接付けされた取付け部材は取り外せないので、弾性部材が一定以上摩耗したとき、ローラ保護リング付きのリターンローラでありながら、既述した従来のベルトコンベアKと同様にリターンローラ全体を短期で取り替えざるを得ず、ローラ交換のための諸々の弊害も同様に蒙ることとなる。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、簡素で安価な構成でありながら少人数でローラ外周面への組み付けおよび取り外しを行なえて、ローラの長寿命化を図ることのできるローラ保護リングおよびその組み付け方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るローラ保護リングは、走行するコンベアベルトを載置して転動する円筒状または円柱状のローラの外周面に被装されてローラを保護するローラ保護リングであって、ローラの外周面の略半周分を被う部材本体と、部材本体の周方向の一辺部から周方向に延出して形成された舌片部と、部材本体の周方向の他辺部から舌片部の延出方向とは反対の方向に陥入して形成された凹溝部とから成る半円弧リング部材を二つ備えて構成され、半円弧リング部材の一方がローラの外周面に被装されて当該一方の半円弧リング部材の舌片部と部材本体の他辺部とがローラを挟持し、他方の半円弧リング部材の凹溝部が一方の半円弧リング部材の舌辺部に嵌合するように他方の半円弧リング部材がローラの外周面に被装されて、当該他方の半円弧リング部材の舌片部と部材本体の他辺部とがローラを挟持することにより、二つの半円弧リング部材が略円筒体状に組み上げられることを特徴とする構成にしてある。
また、前記構成において、ローラが円筒材で構成されており、半円弧リング部材もローラと同じ円筒材を原材料として製作されていることを特徴とするものである。
そして、前記した各構成において、半円弧リング部材がスウェーデン鋼で構成されていることを特徴とするものである。
更に、前記した各構成において、ローラの外周面と半円弧リング部材との間に接着剤が介装されていることを特徴とするものである。
また、前記各構成において、ローラが、周回する無端状のコンベアベルトを載置して転動するリターンローラであることを特徴とするものである。
そして、本発明に係るローラ保護リングの組み付け方法は、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のローラ保護リングをローラの外周面に組み付ける組み付け方法であって、半円弧リング部材における内周面の曲率半径がローラの外周面の曲率半径よりも小さく設定されていて、半円弧リング部材の一方をローラの軸心に向けて押し込んで半円弧リング部材を弾性変形させる第1変形工程と、第1変形工程により弾性変形した半円弧リング部材を更に押し込んで、当該半円弧リング部材の部材本体をローラの外周面の略半周分に密接させるとともに一方の半円弧リング部材の舌片部と部材本体の他辺部とが戻り弾性力によりローラをローラ半径方向に挟持する第1ローラ挟持工程と、他方の半円弧リング部材の凹溝部を一方の半円弧リング部材の舌片部に嵌合させるように他方の半円弧リング部材を位置合わせするとともに他方の半円弧リング部材をローラの軸心に向けて押し込んで他方の半円弧リング部材を弾性変形させる第2変形工程と、第2変形工程により弾性変形した他方の半円弧リング部材を更に押し込んで、当該他方の半円弧リング部材の部材本体をローラの外周面の略残り半周分に密接させるとともに他方の半円弧リング部材の舌片部と部材本体の他辺部とが戻り弾性力によりローラをローラ半径方向に挟持して他方の半円弧リング部材の舌片部を一方の半円弧リング部材の凹溝部に嵌合させる第2ローラ挟持工程と、を備えて成ることを特徴とするものである。
本発明に係るローラ保護リングによれば、ローラの外周面の略半周分を被う部材本体と、部材本体の周方向の一辺部から周方向に延出して形成された舌片部と、部材本体の周方向の他辺部から舌片部の延出方向とは反対の方向に陥入して形成された凹溝部とから成る半円弧リング部材を、二つ備えており、これら二つの半円弧リング部材の舌辺部と凹溝部を篏合させて略円筒体状に組み上げるとともに、二つの半円弧リング部材はそれぞれの舌辺部と部材本体の他辺部とでローラ外周面をその半周分を超えた位置で挟持するから、略円筒体状の形態のままローラ外周面にしっかりと固定され得る。すなわち、二つの半円弧リング部材を仮固定するための締付け部材などを必要としないから、部品点数が少なく簡素な構成であり少ない作業で済む。また、ローラ外周面に溶接付けされないので、半円弧リング部材が摩耗したときは、その摩耗した半円弧リング部材だけを手工具などで取り外しして交換すればよい。そして、個々の半円弧リング部材は小型・軽量であるから、現場での持ち歩きが楽であり、一人でも簡単に組み付け・取外しができる。
また、ローラが円筒材で構成されており、半円弧リング部材がローラと同じ円筒材を原材料として製作されているものでは、少ない部品種により簡単で安価に製作することができる。
そして、半円弧リング部材がスウェーデン鋼で構成されているものでは、弾性力が汎用の炭素鋼材よりも圧倒的に高いから、半円弧リング部材の舌片部と部材本体の他辺部とが非常に高い弾性力でローラを挟持することができる。その結果、炭素鋼製などの半円弧リング部材と比べて長期に使用でき、ローラの寿命を数倍長くすることができる。
ところで、一辺部側の舌片部と部材本体の他辺部との挟持により半円弧リング部材だけでもローラの外周面を実用的な状態に挟持して固定されるが、ローラの外周面と半円弧リング部材との間に接着剤が介装されているものでは、挟持した二つの半円弧リング部材をよりいっそう強固に固定することができ、半円弧リング部材およびローラのよりいっそうの長寿命化を図ることができる。
また、ローラとして、周回する無端状のコンベアベルトを載置して転動するリターンローラに本発明を適用した場合は、周回復路にあるコンベアベルトの載置面から落下した被搬送物の粉粒物が前記載置面とリターンローラ外周面との間で直に摺擦されることを防いで、リターンローラの摩耗を防止することができる。
そして、本発明に係るローラ保護リングの組み付け方法によれば、第1変形工程、第1ローラ挟持工程、第2変形工程および第2ローラ挟持工程を備えているので、一方の半円弧リング部材が第1変形工程および第1ローラ挟持工程でローラをローラ半径方向に挟持し、他方の半円弧リング部材が第2変形工程および第2ローラ挟持工程でローラをローラ半径方向に挟持し、その第2ローラ挟持工程の際に他方の半円弧リング部材の舌片部が一方の半円弧リング部材の凹溝部に嵌合して二つの半円弧リング部材が略円筒体状に組み上げられる。すなわち、いずれも簡単な作業で構成される各工程により、少人数(例えば一人)でも楽にローラへの組付け作業または取外し作業を行なうことができる。
本発明の一実施形態に係るローラ保護リングを組み付ける前の状態を示す外観図である。 前記ローラ保護リングの一方の半円弧リング部材を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるA-A線矢視図である。 前記ローラ保護リングの他方の半円弧リング部材を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるB-B線矢視図である。 前記ローラ保護リングとローラを一本の円筒材から作り出すための取り合い図であって、(a)は正面図、(b)は(a)におけるE-E線矢視図である。 前記ローラ保護リングを円筒体状に組み付けた状態を示す図であって、(a)は側面図、(b)は(a)におけるC-C線矢視図、(c)は(a)におけるD-D線矢視図である。 前記ローラ保護リングをベルトコンベアのリターンローラに取り付ける態様を示す状態説明図である。 取り付けられたローラ保護リングとリターンローラの隙間にコーキング材を注入して埋める態様を示す状態説明図である。 ローラ保護リングとリターンローラとの間にコーキング材を接着剤として介装する作業を示す状態説明図である。 前記ローラ保護リングの四つをベルトコンベアのリターンローラに取り付けた態様を示す状態説明図である。 前記ローラ保護リングをベルトコンベアのキャリアローラ群の一つに取り付けた態様を示す状態説明図である。 従来のベルトコンベアのリターンローラを経時使用した後の状態を示す正面図である。 従来のベルトコンベアのリターンローラを交換する作業の態様を示す正面図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本発明の一実施形態に係るローラ保護リングを組み付ける前の状態を示す外観図、図2は前記ローラ保護リングの一方の半円弧リング部材を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるA-A線矢視図、図3は前記ローラ保護リングの他方の半円弧リング部材を示す図であって、(a)は斜視図、(b)は(a)におけるB-B線矢視図である。但し、図11および図12に示した従来のベルトコンベアと同一の構成要素には、同一の符号を付すとともにその詳細な説明を省略することがある。
この実施形態に係るローラ保護リング1は、走行するコンベアベルトを載置して転動するローラの外周面に被装されてローラを保護するものである。この実施形態で例示されるローラは、周回走行する無端状のコンベアベルトBを復路で載置するリターンローラRであり、例えば円筒状に形成されている。そして、前記のローラ保護リング1は、図1~図3に示すように、二つの半円弧リング部材2A,2Bを組み合わせて構成される。
上記した一方の半円弧リング部材2Aは、リターンローラRの外周面RAの略半周分を被う部材本体3Aと、部材本体3Aの周方向の一辺部3AAから周方向に延出して形成された舌片部4Aと、部材本体3Aの周方向の他辺部3ABから舌片部4Aの延出方向とは反対の方向に陥入して形成された凹溝部5Aと、から構成されている。
上記した他方の半円弧リング部材2Bは、リターンローラRの外周面RAの略残り半周分を被う部材本体3Bと、部材本体3Bの周方向の一辺部3BAから周方向に延出して形成された舌片部4Bと、部材本体3Bの周方向の他辺部3BBから舌片部4Bの延出方向とは反対の方向に陥入して形成された凹溝部5Bと、から構成されている。
因みに、リターンローラRは、図4に示すように、円筒材Mで構成されている。半円弧リング部材2A,2BもリターンローラRと同じ円筒材Mを原材料として製作される。この円筒材Mは例えば外径DO(図5参照)が138.9mmであるSTPG370(呼び径5B×呼び厚さSch80)の炭素鋼鋼管を使用してある。尚、弾性変形前の半円弧リング部材2A,2Bは、それぞれの内周面3AC,3BCの曲率半径r1がリターンローラRの外周面RAの曲率半径r2(=外径DO)よりも小さく設定されている。前記した内周面3AC,3BCの曲率半径r1はリターンローラRの内周面の内径DIに相当する。これらの半円弧リング部材2A,2Bは、切断と研削により円筒材Mから作り出される。図中の符号Wは製作時に副生した捨て代を示している。
上記したように構成された二つの半円弧リング部材2A,2Bは、図5および図6に示すように、引き続き述べる方法によりリターンローラRに組み付けられる。尚、図5、図2、図3中で、数値例として寸法線に添記されている寸法値の単位はいずれもmmである。これら二つの半円弧リング部材2A,2Bから、略円筒状の円筒状体Sであるローラ保護リング1まで組み付ける方法は、それぞれ後で詳述する、第1変形工程、第1ローラ挟持工程、第2変形工程、および第2ローラ挟持工程、から構成されている。
ここでは、作業台車に乗った一人の作業員NがベルトコンベアKのリターンローラRの下方にもぐり込んだ状態(図6参照)から説明する。ベルトコンベアKは、ローラ保護リング1(円筒状体S)を被装させたリターンローラRを用いたこと以外、図12に示したベルトコンベアKとほとんど同じ構造のものであるから詳説は割愛する。このベルトコンベアKも前後両端に配置された駆動ローラ(図外)に無端状のコンベアベルトBを架け渡して周回させるようになっている。
まず、第1変形工程では、一方の半円弧リング部材2AがリターンローラRの軸心Cに向けてハンマーHで叩かれて押し込まれる(図5(a)中の矢印T方向)。これにより、半円弧リング部材2Aの全体が弾性変形により拡径される。すなわち、半円弧リング部材2Aの内周面3ACの曲率半径r1がリターンローラRの外周面RAの曲率半径r2まで拡がる。
そして、上記した第1ローラ挟持工程では、第1変形工程により弾性変形した半円弧リング部材2Aが更に押し込まれて半円弧リング部材2Aの舌辺部4Aの先端および部材本体3Aの他辺部3ABがリターンローラRの外周面RAの半周分を超え、部材本体3AがリターンローラRの外周面RAの略半周分に密接して被装される。同時に、半円弧リング部材2Aの舌片部4Aと部材本体3Aの他辺部3ABとがリターンローラRの外周面RAの半周分を超えた位置で半円弧リング部材2A自身の戻り弾性力によりリターンローラRをローラ半径方向(図5(a)中の矢印LA,LA方向)に挟持し、半円弧リング部材2Aが強固に固定される。この状態で、リターンローラRを手で回し、リターンローラRの外周面RAとコンベアベルトBの積載面B1との間に半円弧リング部材2Aを移動させる。
続く第2変形工程では、前記した位置にある半円弧リング部材2Aの舌片部4Aに半円弧リング部材2Bの凹溝部5Bを嵌合させるように、半円弧リング部材2Bが位置合わせされる。その後、半円弧リング部材2BがリターンローラRの軸心Cに向けてハンマーHで叩かれて押し込まれる。これにより、半円弧リング部材2Bの全体が弾性変形によって半円弧リング部材2Aのときと同様に内周面3BCの曲率半径r1を拡げられる。
そして、第2ローラ挟持工程では、第2変形工程により弾性変形した半円弧リング部材2Bが更に押し込まれて半円弧リング部材2Bの舌辺部4Bの先端および部材本体3Bの他辺部3BBがリターンローラRの外周面RAの半周分を超え、部材本体3BがリターンローラRの外周面RAの略残り半周分に密接して被装される。同時に、半円弧リング部材3Bの舌片部4Bと部材本体3Bの他辺部3BBとがリターンローラRの外周面RAの半周分を超えた位置で半円弧リング部材2B自身の戻り弾性力によりリターンローラRをローラ半径方向(図5(a)中の矢印LB,LB方向)に挟持し、半円弧リング部材2Bが強固に固定される。このとき、半円弧リング部材2Bの舌片部4Bは半円弧リング部材2Aの凹溝部5Aに嵌合し、半円弧リング部材2Aおよび半円弧リング部材2Bとから成る円筒状体Sが形成される。すなわち、上記のような各工程を経て、二つの半円弧リング部材2A,2Bが円筒状体Sであるローラ保護リング1としてリターンローラRの外周面RAに組み付けられる。ローラ保護リング1は、この例では1本のリターンローラRにつき2セットが被装される。すなわち、いずれも簡単な作業で構成される各工程により、一人でも楽にリターンローラRへのローラ保護リング1の組み付け作業を行なうことができる。
上記したようにリターンローラRに被装されたローラ保護リング1,1に対して、作業員Nは、図7に示すように、コーキングガンGでコーキング材Jの充填処理を行なう。図5(a),(b),(c)に示したように、半円弧リング部材2A,2Bにおける充填箇所は、一辺部3AA,3BBと他辺部3AB,3AAとの隙間、舌辺部4A,4Bと凹溝部5A,5Bとの隙間、および内周面3AC,3BCとリターンローラRの外周面RAとの隙間である。このようにコーキング材Jを充填しておくことにより、コンベアベルトBからの粉粒物Qが、組み付けられたローラ保護リング1内に侵入しないから、ローラ保護リング1の内部腐食が抑止され、リターンローラRからの半円弧リング部材2A,2Bの早期脱離が防止され得る。
また、図8に示すように、リターンローラRの外周面RAにおける半円弧リング部材2A,2Bの被装予定位置に、変性シリコーン樹脂などのコーキング材J(接着剤の一例)を予め塗布しておくと、リターンローラRの外周面RAと半円弧リング部材2A,2Bとの間に、コーキング材Jが接着剤として介装される。尚、コーキング材の替わりに、例えば鋼材接着用のエポキシ樹脂接着剤(接着剤の別例)を用いると、よりいっそう強固に固定される。その結果、半円弧リング部材2A,2BおよびリターンローラRのよりいっそうの長寿命化を図ることができる。半円弧リング部材2A,2BをリターンローラRから取り外す際には、半円弧リング部材2A,2BおよびリターンローラRをヒータなどで昇温させておいて、これらの間に溶剤を流し込み接着剤を溶かしておくと簡単に取り外すことができる。
上記したように、この実施形態のローラ保護リング1によれば、二つの半円弧リング部材2A,2Bがそれぞれの舌辺部4A,4Bと部材本体3A,3Bの他辺部3AB,3BBとでリターンローラRの外周面RAの半周分を超えた位置を挟持する。同時に、二つの半円弧リング部材2A,2Bの舌辺部4A,4Bと部材本体3A,3Bの他辺部3AB,3BBが篏合して円筒状体Sとして組み上げられる。これにより、ローラ保護リング1は円筒状体Sの形態のままリターンローラRの外周面RAにしっかりと固定され得る。
すなわち、従来技術のように二つの半円弧リング部材を固定するための締付け部材などを必要としないから、部品点数が少なく簡素な構成で済む。また、リターンローラRの外周面RAに溶接付けされないので、半円弧リング部材2A,2Bが摩耗したときはその摩耗した半円弧リング部材2A,2Bだけを取り外しして交換することができる。そして、個々の半円弧リング部材2A,2Bは小型・軽量であるから、現場での持ち歩きが楽であり、一人でも簡単に組み付け・取り外しを行なうことができる。また、半円弧リング部材2A,2BはリターンローラRと同一の円筒材Mを原材料として製作されているので、少ない部品種により簡単で安価に製作することができる。
そして、このローラ保護リング1により、コンベアベルトBに付着している粉粒ダストとリターンローラRとの接触面積が少なくなるので、床上などへの粉粒ダストの落下量が大幅に減少する。また、コンベアベルトBとリターンローラRとの接触がほとんどないので、雨水に起因するコンベアベルトBの蛇行を抑止できる。そして、コンベアベルトBとリターンローラRの中央部との間に隙間ができるので、リターンローラRの摩耗が低減化されて、リターンローラRの長寿命化が図られる。その結果、予備のリターンローラRの在庫量を減らすことができ、在庫管理が楽になるという効果もある。
尚、上記の実施形態では、1本のローラにつき2対のローラ保護リング1,1を被装した例を示したが、本発明はそれに限定されるものでない。例えば、図9に示すように、1本のローラにつき4対のローラ保護リング1,1,1,1を被装したものでもよく、あるいは3対または5対以上のローラ保護リング1,1,1,・・を被装したものでも構わない。
また、上記では、本発明が適用されるローラとして、リターンローラRを例示したが、図10に示すように、キャリアローラ群Dを構成するキャリアローラ16A,16Bのいずれかまたは全てにローラ保護リング1を被装してもよい。
そして、上記では、半円弧リング部材2A,2Bの材料としてSTPG鋼管を使用した例を示したが、これに替えて、スウェーデン鋼で半円弧リング部材を構成することも可能である。このスウェーデン鋼は、一般にスウェーデン国産の鉄鉱石から得られた鋼材を云うが、本発明で用いるスウェーデン鋼としては、高い弾性と耐摩耗性が要求される。すなわち、鋼を脆くするリンと硫黄の含有率がそれぞれ0.02重量%以下、0.01重量%以下と少ないことが望ましく、これによりSS400と比べて3倍以上に高い耐摩耗性および硬度の鋼材が提供される。また、モリブデンの含有率は0.4重量%以上と比較的多いことが望ましく、これにより高い弾性力(挟持力)を備えた鋼材が提供される。このスウェーデン鋼の半円弧リング部材で構成されるローラ保護リングによれば、ローラを挟持する戻り弾性力がSTPG製のものよりも数倍高いので、ローラの外周面にしっかりと固定され得る。その結果、STPG製のローラ保護リングと比べてローラを3倍以上の寿命で使用することができる。
また、上記では、本発明に係る舌辺部および凹溝部として、一辺部側の舌辺部4A,4Bおよび他辺部側の凹溝部5A,5Bを例示した。但し、これらに替えて、図2(a)中および図3(a)中に括弧書きで示すように、一辺部側の符号5Aa,5Aa,5Ba,5Baを凹溝部とし、他辺部側の符号4Aa,4Aa,4Ba,4Baを舌辺部としてもよい。
あるいは、上記では、STPG鋼管で構成された円筒状のローラを例示したが、炭素鋼などの鋼材の替わりに、例えば16mm厚のポリ塩化ビニルで半円弧リング部材を製作しても構わない。このような硬い合成樹脂製の半円弧リング部材であっても、ローラの外周面に被装してローラ保護を図ることができる。
また、上記では、円筒状のローラに対して本発明を適用した例を示したが、それに替えて、円柱状のローラについても本発明は適用可能である。
尚、本発明は、上記した実施の形態に限定されるものではない。すなわち、本発明の分野における通常の知識を有する者であれば想到し得る、各種変形、修正を含む、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても、本発明に含まれることは言うまでもない。
1 ローラ保護リング
2A,2B 半円弧リング部材
3A,3B 部材本体
3AA,3BA 一辺部
3AB,3BB 他辺部
3AC,3BC 内周面
4A,4B,4Aa,4Ba 舌片部
5A,5B,5Aa,5Ba 凹溝部
16A キャリアローラ(ローラ)
B コンベアベルト
B1 載置面
C 軸心
J コーキング材
K ベルトコンベア
LA,LB 矢印
M 円筒材
R リターンローラ(ローラ)
RA 外周面
r1 曲率半径
r2 曲率半径
S 円筒状体
T 矢印

Claims (6)

  1. 走行するコンベアベルトを載置して転動する円筒状または円柱状のローラの外周面に被装されて前記ローラを保護するローラ保護リングであって、
    前記ローラの外周面の略半周分を被う部材本体と、前記部材本体の周方向の一辺部から周方向に延出して形成された舌片部と、前記部材本体の周方向の他辺部から前記舌片部の延出方向とは反対の方向に陥入して形成された凹溝部とから成る半円弧リング部材を、二つ備えて構成され、
    前記半円弧リング部材の一方が前記ローラの外周面に被装されて当該一方の半円弧リング部材の舌片部と部材本体の他辺部とが前記ローラを挟持し、
    他方の半円弧リング部材の凹溝部が前記一方の半円弧リング部材の舌辺部に嵌合するように前記他方の半円弧リング部材が前記ローラの外周面に被装されて、当該他方の半円弧リング部材の舌片部と部材本体の他辺部とが前記ローラを挟持することにより、前記二つの半円弧リング部材が略円筒体状に組み上げられることを特徴とするローラ保護リング。
  2. 前記ローラが円筒材で構成されており、前記半円弧リング部材が前記ローラと同じ円筒材を原材料として製作されていることを特徴とする請求項1に記載のローラ保護リング。
  3. 前記半円弧リング部材がスウェーデン鋼で構成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のローラ保護リング。
  4. 前記ローラの外周面と前記半円弧リング部材との間に接着剤が介装されていることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のローラ保護リング。
  5. 前記ローラが、周回する無端状のコンベアベルトを載置して転動するリターンローラであることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載のローラ保護リング。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載のローラ保護リングを前記ローラの外周面に組み付ける組み付け方法であって、
    前記半円弧リング部材における内周面の曲率半径が前記ローラの外周面の曲率半径よりも小さく設定されていて、
    前記半円弧リング部材の一方を前記ローラの軸心に向けて押し込んで前記半円弧リング部材を弾性変形させる第1変形工程と、
    前記第1変形工程により弾性変形した半円弧リング部材を更に押し込んで、当該半円弧リング部材の部材本体を前記ローラの外周面の略半周分に密接させるとともに前記一方の半円弧リング部材の舌片部と部材本体の他辺部とが戻り弾性力により前記ローラをローラ半径方向に挟持する第1ローラ挟持工程と、
    前記他方の半円弧リング部材の凹溝部を前記一方の半円弧リング部材の舌片部に嵌合させるように前記他方の半円弧リング部材を位置合わせするとともに前記他方の半円弧リング部材を前記ローラの軸心に向けて押し込んで前記他方の半円弧リング部材を弾性変形させる第2変形工程と、
    前記第2変形工程により弾性変形した前記他方の半円弧リング部材を更に押し込んで、当該他方の半円弧リング部材の部材本体を前記ローラの外周面の略残り半周分に密接させるとともに前記他方の半円弧リング部材の舌片部と部材本体の他辺部とが戻り弾性力により前記ローラをローラ半径方向に挟持して前記他方の半円弧リング部材の舌片部を前記一方の半円弧リング部材の凹溝部に嵌合させる第2ローラ挟持工程と、
    を備えて成ることを特徴とするローラ保護リングの組み付け方法。
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