JP2023080431A - 電解質膜-電極接合体用の触媒層およびそれを用いた燃料電池 - Google Patents

電解質膜-電極接合体用の触媒層およびそれを用いた燃料電池 Download PDF

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Abstract

【課題】水素イオン伝導性を損なわずに、アイオノマ被毒による触媒活性の低下を抑制することで、高効率な触媒層を提供する。【解決手段】本開示における触媒層は、メソ孔の内部に触媒を担持した導電性のメソポーラス材料と、触媒を担持していない導電性の触媒非担持粒子と、メソポーラス材料および触媒非担持粒子を被覆するアイオノマと、を備え、電解質膜-電極接合体に用いられる。触媒非担持粒子の疎水性は、メソポーラス材料の疎水性よりも高く、アイオノマは、親水性の官能基と疎水性の主鎖を備えている。そして、アイオノマに被覆される触媒非担持粒子の表面積と触媒非担持粒子の全表面積との比は、アイオノマに被覆されるメソポーラス材料の表面積とメソポーラス材料の全表面積との比よりも多いことを特徴とする。【選択図】図2

Description

本開示は、電解質膜-電極接合体用の触媒層およびそれを用いた燃料電池に関する。
特許文献1は、電解質膜-電極接合体に用いられる触媒層であって、メソ孔内に触媒が担持されたメソポーラス材料がアイオノマによって被覆された触媒層を開示する。
特開2020-64852号公報
本開示は、水素イオン伝導性を損なわずに、アイオノマ被毒による触媒活性の低下を抑制することで、高効率な触媒反応を可能とする触媒層を提供する。
本開示における、触媒層は、メソ孔の内部に触媒を担持した導電性のメソポーラス材料と、触媒を担持していない導電性の触媒非担持粒子と、メソポーラス材料および触媒非担持粒子を被覆するアイオノマと、を備え、電解質膜-電極接合体に用いられる。
触媒非担持粒子の疎水性は、メソポーラス材料の疎水性よりも高く、アイオノマは、親水性の官能基と疎水性の主鎖を備えている。
そして、アイオノマに被覆される触媒非担持粒子の表面積と触媒非担持粒子の全表面積との比は、アイオノマに被覆されるメソポーラス材料の表面積とメソポーラス材料の全表面積との比よりも多いことを特徴とする。
また、本開示における触媒層の製造方法は、電解質膜-電極接合体に用いられる触媒層の製造方法であって、第1の工程と、第2の工程と、第3の工程と、を有している。
第1の工程は、親水性の官能基と疎水性の主鎖を備えたアイオノマと、触媒を担持していない導電性の触媒非担持粒子と、親水溶媒と、を混合分散させて、第1のインクを作製する工程である。
第2の工程は、触媒非担持粒子よりも疎水性が低くメソ孔の内部に触媒を担持した導電性のメソポーラス材料を、第1のインクに添加混合させて第2のインクを作製する工程である。
第3の工程は、第2のインクを塗布乾燥させる工程である。
本開示の触媒層は、水素イオン伝導性を損なわずに、アイオノマ被毒による触媒活性の低下を抑制することができるので、高効率な触媒反応を可能とする触媒層を備えた電解質膜-電極接合体を提供することができる。
実施の形態1における燃料電池セルの概略図 実施の形態1におけるカソードの触媒層の概略断面図 実施の形態1におけるカソードの触媒層の製造方法のフローチャート
(本開示の基礎となった知見等)
発明者らが本開示に相到するに至った当時、燃料電池の触媒における三相界面の形成という技術は、水素イオン供給の観点から触媒とアイオノマとを接触させることが性能向上につながると考えられてきたが、近年、アイオノマと触媒との接触により触媒がアイオノマに被毒され、むしろ性能を低下させることが分かってきた。
そのため、当該業界では、アイオノマによる触媒の被毒を抑制するということを課題として、メソポーラス材料等の大容量のメソ孔を有するカーボン担体の中に触媒を内包させることでアイオノマと触媒とを接触させないという製品設計をするのが一般的であった。
しかし、メソポーラス材料の外部にも触媒が存在してしまうことと、一部のアイオノマは、メソ孔内に浸入する場合があるためメソ孔内に触媒を内包したメソポーラス材料を用いてもアイオノマによる触媒の被毒を抑制する手段としては十分でないという課題があった。
そうした状況下において、発明者らは、触媒非担持粒子にアイオノマを吸着させてメソポーラス材料へのアイオノマの吸着量を減らすという着想を得た。
そして、発明者らは、触媒インク中の極性を変化させることで、アイオノマの親水基が外側へ配向するということをヒントにして、その着想を実現するには、触媒層形成のための触媒インク中で、アイオノマとメソポーラス材料の吸着力よりも、触媒非担持粒子とアイオノマとの吸着力を高めるために、溶媒と粒子の極性を制御するという課題があることを発見し、その課題を解決するために、本開示の主題を構成するに至った。
そこで、本開示は、アイオノマが触媒非担持粒子を優先的に被覆するようにして、メソポーラス材料を被覆するアイオノマを減らすことができて、水素イオン伝導性を損なわずに、アイオノマ被毒による触媒活性の低下を抑制することができる、高効率な触媒反応を可能とする触媒層を提供する。
以下、図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明、または、実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が必要以上に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することを意図していない。
(実施の形態1)
以下、図1~図3を用いて、実施の形態1を説明する。
[1-1.構成]
(燃料電池)
図1は、燃料電池の基本単位である燃料電池セルの構成例を示している。図1に示す燃料電池セル10は、アノードに供給された水素とカソードに供給された酸素とを反応させ
て発電する固体高分子電解質型燃料電池である。
図1に示すように、燃料電池セル10は、アノードセパレータ6aとカソードセパレータ6cとの間に電解質膜-電極接合体5を有する。
アノードセパレータ6aは、電解質膜-電極接合体5のアノード2aに接する面に、燃料電池セル10に供給される水素を電解質膜-電極接合体5のアノード2aに流す流路を有する。
カソードセパレータ6cは、電解質膜-電極接合体5のカソード2cに接する面に、燃料電池セル10に供給される酸素を電解質膜-電極接合体5のカソード2cに流す流路を有する。
燃料電池セル10がスタック構造である場合は、隣接するアノードセパレータ6aとカソードセパレータ6cは、隣り合うセル間を電気的に接続する。
(電解質膜-電極接合体)
電解質膜-電極接合体5は、図1に示すように、電解質膜1と、アノード触媒層3aおよびアノードガス拡散層4aを含むアノード(燃料極)2aおよび、カソード触媒層3cおよびカソードガス拡散層4cを含むカソード(空気極)2cとを備え、電解質膜1の両側を、アノード2aとカソード2cとによって挟む構成となっている。
(電解質膜)
電解質膜1は、アノード2aとカソード2cとの間のイオン(水素イオン)伝導を行うものであり、水素イオン伝導性とガスバリア性とを併せ持つ必要がある。本実施の形態では、電解質膜1として、パーフルオロスルホン酸樹脂膜を用いた。このパーフルオロスルホン酸樹脂膜は、水素イオン伝導性が高く、燃料電池の発電環境下でも安定に存在するため好ましい。
(ガス拡散層)
アノードガス拡散層4aおよびカソードガス拡散層4cは、集電作用とガス透過性と撥水性とを併せ持つ層である。アノードガス拡散層4aおよびカソードガス拡散層4cは、基材およびコーティング層の2層を含む構成であっても良い。
基材は、導電性、ならびに気体および液体の透過性に優れた材料であれば良く、本実施の形態では、基材として、カーボンペーパーを用いた。
コーティング層は、基材とアノード触媒層3a、カソード触媒層3cとの間に介在し、これらの接触抵抗を下げ、液体の透過性(排水性)を向上するための層である。
本実施の形態では、コーティング層として、カーボンブラックなどの導電性材料およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの撥水性樹脂を主成分として形成されたものを用いた。
(触媒層)
アノード触媒層3aおよびカソード触媒層3cは、アノード2aおよびカソード2cの電気化学反応の速度を促進させる層である。
アノード触媒層3aは、触媒担持材料、触媒、およびアイオノマ(水素イオン伝導性樹脂)を含んでおり、触媒は少なくとも触媒担持材料に担持された構成となっている。
また、図2に示すように、カソード触媒層3cは、触媒担持材料としてのメソポーラス材料12、触媒14、触媒非担持粒子11およびアイオノマ13を含んでおり、触媒14は、少なくともメソポーラス材料12の内部に担持されている。
カソード触媒層3cにおいて、アイオノマ13に覆われるメソポーラス材料12の表面積とメソポーラス材料12の表面積との比は、アイオノマ13に覆われる触媒非担持粒子11の表面積と触媒非担持粒子11の表面積との比よりも小さい。
(触媒)
触媒としては、水素又は酸素の触媒作用を有するのであれば特に限定されないが、本実施の形態では、触媒として、触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性等を向上させる観点から、白金、白金を含む混合物又は合金を用いた。
本実施の形態では、白金の含有量を30~90原子%とし、その他の金属の含有量を10~70原子%とした。触媒の平均粒子径は、特に限定されないが、触媒利用率及びカーボン担体での担持性の向上の観点からは、好ましくは1~30nmである。メソ孔の内部に入る(メソ孔の入口の径より小さい)粒子径が好ましい。
(触媒担持材料)
本実施の形態では、アノード触媒層3aに用いる触媒担持材料およびカソード触媒層3cに用いるメソポーラス材料12として、カーボンブラックを使用した。触媒担持材料としては、内部に細孔を有する導電性の材料であることが好ましく、多孔性カーボンは、それに適合する。
多孔性カーボンとしては、例えば、ケッチェンブラック(登録商標)、アセチレンブラック、バルカン(登録商標)等のカーボンブラック、複数層のグラフェンシートが積層されてメソ孔が形成された構造を有するカーボン等が挙げられる。
本実施の形態のカソード触媒層3cに用いるメソポーラス材料12としてのカーボンブラックは、平均粒径が500nmとなるように構成されており、触媒金属粒子を担持する前において、メソ孔のモード半径が10nmであり、メソ孔の細孔容積が2.0cm/gである。
(触媒非担持粒子)
本実施の形態では、触媒非担持粒子11として、ケッチェンブラックを使用したが、疎水性でかつ導電性の粒子であれば、特に限定されない。触媒非担持粒子11の疎水性は、触媒を担持したメソポーラス材料12の疎水性よりも高いものを用いる。
例えば、カーボンブラックに触媒を担持させると、親水性である触媒金属が撥水性のカーボンブラックに担持されることにより、その疎水性は低下し、触媒を担持しないカーボンブラックは触媒を担持したカーボンブラックよりも疎水性は大きくなる。
触媒非担持粒子11の粒子径は、特に限定されないが、触媒非担持粒子11のモード径が、メソポーラス材料12のモード径の0.22倍以下であるとよい。
あるサイズの球を六方最密充填で充填したときの粒子間隙に収まる球の径は、元の球の径の0.2247倍である。
したがって、触媒非担持粒子11のモード径をメソポーラス材料12のモード径の0.
22倍以下にすることにより、メソポーラス材料12同士が近接し、触媒非担持粒子11がメソポーラス材料12同士の間にできた間隙を埋めるように、メソポーラス材料12の周囲に配置されることになり、粒子同士の導電接点が増える。
また、通常、平均粒径が10~100nmのカーボン粒子を含む電極触媒層は、毛細管力により高い排水性が得られる。したがって、触媒非担持粒子11のモード径は、10nm以上で、メソポーラス材料12のモード径の0.22倍以下であることが好ましい。
(アイオノマ)
本実施の形態では、アイオノマ13として、パーフルオロスルホン酸ポリマーを使用した。アノード触媒層3aとカソード触媒層3cに使用できるアイオノマ13としては、親水性の官能基と疎水性の主鎖を備える高分子がよく、例えば、酸性の官能基を有するフッ素系ポリマー、酸性の官能基を有する炭化水素系ポリマー等のイオン交換性ポリマーが挙げられる。
アイオノマ13は、繰り返し構造を有するポリマーを主鎖として、酸性の官能基を有する。
酸性の官能基としては、酸性を示す官能基であれば特に限定されず、例えばスルホン酸基、リン酸基、カルボン酸基等が挙げられ、なかでも水素イオン(H)伝導性の観点から、スルホン酸基が好ましい。
アイオノマ13による水素イオン伝導のメカニズムとしては、酸性の官能基によって親水性のコアが形成され、コア内に水分子が局在したクラスターのネットワークが形成されて、この親水性のネットワークを水素イオンが移動するモデルが提唱されている。
酸性の官能基を有するフッ素系ポリマーとしては、パーフルオロスルホン酸ポリマー等が挙げられる。
パーフルオロスルホン酸ポリマーは、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ユニットと、パーフルオロスルホン酸ユニットとを有し、スルホン酸は親水性、ポリテトラフルオロエチレンからなる主鎖は疎水性である。
パーフルオロスルホン酸ポリマーとしては、市販品も使用することができる。使用できる市販品としては、例えば、デュポン社のナフィオン(登録商標)、ソルベイ社のアクイヴィオン(登録商標)、旭硝子(株)のフレミオン(登録商標)、旭化成(株)のアシプレックス(登録商標)等が挙げられる。
(触媒層の製造法)
本開示の実施の形態に係る触媒層は、以下の工程により作成した。図3は、カソードの触媒層の製造法を模式的に表すフローチャートである。
(触媒層の製造法の第1の工程)
第1の工程では、親水溶媒中で触媒非担持粒子11にアイオノマ13を吸着させる。まず始めに、親水溶媒となる溶媒比を決定する。水16、エタノール17および水とエタノールに分散させたアイオノマ溶液15を、水が85%、エタノールが15%、アイオノマが3wt%の組成になるように混合し、触媒非担持粒子11を入れて分散させた。分散方法は、ボールミル、湿式微粒化装置または超音波などを用いることができる。
親水溶媒として水16とエタノール17の溶媒比を選定するために、ある溶媒比の溶媒
に分散させたアイオノマ13の粒度分布を超音波法粒度分布計により測定し、水16の割合を50%から徐々に小さくしたときに、水の割合50%のときのアイオノマ13のモード径よりも小さなモード径となる溶媒比を選定するとよい。
本実施の形態においてアイオノマ13に用いたパーフルオロスルホン酸ポリマーは、親水性で酸性のスルホン酸基(官能基)と疎水性の主鎖を備えている。
親水溶媒中にアイオノマ13を入れると、疎水性の主鎖は水と斥力を生じて凝集し、親水性のスルホン酸基(側鎖)を外側へ向けた形をとる。その結果、アイオノマ13の粒度分布のピーク粒径が小さくなる。この形状の変化による粒度分布のピーク粒径の減少を起こす溶媒比を選定することにより、アイオノマ13の疎水性の主鎖と水との斥力が大きなインク内環境を作り出すことができる。
この親水溶媒の比になるように、水16、エタノール17およびアイオノマ溶液15を添加し、さらに触媒非担持粒子11を入れて分散させる(S01)。すると、疎水性の大きな触媒非担持粒子11は、水との斥力を生じ、相対的にアイオノマ13の疎水性の主鎖と吸着しやすくなる。
そして、触媒非担持粒子11の周りにアイオノマ13の疎水性の主鎖が吸着し、外側へアイオノマ13の親水性のスルホン酸基(側鎖)を向ける形状をとって、親水溶媒中にケッチェンブラックとアイオノマ13の凝集体が分散する。
(触媒層の製造法の第2の工程)
第2の工程では、メソ孔の内部に触媒14を担持したメソポーラス材料12を、第1の工程で作成した混合分散液(第1のインク)に添加し、混合分散させる(S02)。
分散方法は、ボールミル、湿式微粒化装置または超音波を用いることができる。メソ孔の内部に触媒14を担持したメソポーラス材料12は、触媒14を担持したことにより疎水性が触媒非担持粒子11よりも弱い。
したがって、親水溶媒中での溶媒とメソポーラス材料12との斥力は、溶媒と触媒非担持粒子11との斥力と比べて弱く、アイオノマ13の疎水性の主鎖との引力はメソポーラス材料12よりも触媒非担持粒子11の方が強い。既に形成された触媒非担持粒子11とアイオノマ13の疎水性の主鎖との吸着が外れることなく、メソポーラス材料12が分散する。
(触媒層の製造法の第3の工程)
第3の工程では、第2の工程で作成した第2のインクを塗布(S03)乾燥させることにより触媒層を形成する(S04)。このとき、第2のインクは電解質膜1に直接塗布してもよいし、基材に塗布乾燥させて電解質膜1に転写してもよい。その結果、触媒非担持粒子11がアイオノマ13に主に被覆され、メソポーラス材料12の外側がアイオノマ13に被覆される面積が減少したカソード触媒層3cが得られる。
[1-2.動作]
以上のように構成された燃料電池セル10において、以下その動作、作用を説明する。
図1および図2に基づいて、燃料電池セル10の運転方法、作用を説明する。燃料電池セル10の運転方法は、燃料電池セル10の温度を60℃に設定(維持)し、アノードセパレータ6aの流路に露点が60℃の水素を100cc/minの流量で供給し、カソードセパレータ6cに露点が60℃の空気を300cc/minの流量で供給して、アノー
ド2aから電解質膜1を介してカソード2cへ10Aの電流が流れるように、アノード2aとカソード2cとの間に電圧をかけることである。
次に、運転中の電気化学デバイス内での物質の移動と電気化学反応について説明する。アノードセパレータ6aの流路に供給された水素は、アノードガス拡散層4aを通り、アノード触媒層3aの触媒14へ到達する。
アノード触媒層3aでは、(化1)に示す、水素が水素イオン(H)と電子に解離する酸化反応が起こり、水素イオン(H)は、アノード触媒層3a中のアイオノマ13を通り、電解質膜1内を通り、カソード触媒層3c中のアイオノマ13を通り、カソード触媒層3c中の水を通り、カソード触媒層3c中の触媒14へ移動する。
Figure 2023080431000002
アノード触媒層3aの触媒14で乖離した電子は、アノード触媒層3a、アノードガス拡散層4a、アノードセパレータ6aを通り、電線および電子負荷装置を通り、カソードセパレータ6c、カソードガス拡散層4c、カソード触媒層3cを通り、カソード触媒層3c中の触媒14へ到達する。
カソードセパレータ6cの流路へ供給された空気中の酸素は、カソードガス拡散層4cを通り、カソード触媒層3cを通り、カソード触媒層3c中の触媒14へ到達する。
カソード触媒層3cでは、(化2)に示す、水素イオン(H)と酸素(O)と電子が結びついて水が生成される還元反応が起こる。
Figure 2023080431000003
図2に示すように、本実施の形態のカソード触媒層3cは、メソポーラス材料12の外表面に対してアイオノマ13で被覆される部分の面積の割合は小さいいため、メソポーラス材料12のメソ孔の内部に担持された触媒14だけでなく、メソポーラス材料12の外表面に露出する部分に担持された触媒14についてもアイオノマ13に直接接触する触媒14の量が減少し、その結果、触媒14の被毒量も減少させることができ、触媒活性を向上させることができる。
また、触媒を担持しない触媒非担持粒子11を被覆したアイオノマ13がカソード触媒層3c中の水素イオン(H)の伝導を行い、触媒非担持粒子11と接するメソポーラス材料12に担持されている触媒14までは、発電時に生成する水、もしくは供給ガスを加湿して供給する水を媒体として水素イオンの伝導が行われるため、メソポーラス材料12のアイオノマ13の被覆量が減少しても、触媒層の水素イオン(H)の伝導性の低下を抑制できる。
[1-3.効果等]
以上のように、本実施の形態のカソード触媒層3cは、メソ孔の内部に触媒14を担持した導電性のメソポーラス材料12と、触媒を担持していない導電性の触媒非担持粒子11と、メソポーラス材料12および触媒非担持粒子11を被覆するアイオノマ13と、を
備え、電解質膜-電極接合体5に用いられる。
触媒非担持粒子11の疎水性は、メソポーラス材料12の疎水性よりも高く、アイオノマ13は、親水性の官能基(側鎖)と疎水性の主鎖を備えている。
そして、アイオノマ13に被覆される触媒非担持粒子11の表面積と触媒非担持粒子11の全表面積との比は、アイオノマ13に被覆されるメソポーラス材料12の表面積とメソポーラス材料12の全表面積との比よりも多いことを特徴とする。
これにより、アイオノマ13と触媒非担持粒子11とメソポーラス材料12と親水溶媒とを混合分散させて触媒インクを作成する工程において、触媒インクの中で、アイオノマの疎水性の主鎖は親水溶媒との斥力を生じるため、インク中でアイオノマの親水性の官能基(側鎖)を外側へ向け、疎水性の主鎖を内部へ凝集させるような形状をとる。
また、疎水性の触媒非担持粒子11も親水溶媒との斥力を生じるため、アイオノマ13の疎水性の主鎖と触媒非担持粒子11が凝集し、外側へアイオノマ13の親水性の官能基(側鎖)を向けたような形状を取る。一方、触媒14を少なくともメソ孔の内部に担持したメソポーラス材料12は、疎水性が触媒非担持粒子11の疎水性よりも低いので、親水溶媒との斥力が触媒非担持粒子11と比べると弱く、アイオノマ13の疎水性の主鎖との凝集力も弱くなるため、アイオノマ13はメソポーラス材料12よりも触媒非担持粒子11に多く吸着する。
この触媒インクを塗布乾燥させてカソード触媒層3cを作成すると、触媒非担持粒子11にアイオノマ13が多く吸着し、その周りに触媒14を担持したメソポーラス材料12が存在し、メソポーラス材料12よりも触媒非担持粒子11の方がアイオノマ13をより多く吸着させた構造のカソード触媒層3cを得ることができる。
このようにして、メソポーラス材料12の外表面を被覆するアイオノマ13の量が少ない(メソポーラス材料12の外表面に対してアイオノマ13で被覆される部分の面積の割合が小さい)ため、メソポーラス材料12のメソ孔の内部に担持された触媒14だけでなく、メソポーラス材料12の外表面に露出する部分に担持された触媒14の被毒量も減少できる。
触媒を担持しない触媒非担持粒子11を被覆したアイオノマ13がカソード触媒層3c中の水素イオンの伝導を行い、触媒非担持粒子11と接するメソポーラス材料12から触媒14までは水を媒体として水素イオンの伝導が行われるため、メソポーラス材料12のアイオノマ13の被覆量が減少することによるカソード触媒層3cの水素イオン伝導性の低下を抑制できる。
そのため、水素イオン伝導性を損なわずに、アイオノマ13被毒による触媒活性の低下を抑制することができ、高効率なカソード触媒層3cを得ることができる。
本実施の形態のように、カソード触媒層3cは、触媒非担持粒子11のモード径が、メソポーラス材料12のモード径の0.22倍以下であり、メソポーラス材料12同士が近接し、触媒非担持粒子11がメソポーラス材料12同士の間にできた間隙を埋めるようにメソポーラス材料12の周囲に配置されているとよい。
触媒非担持粒子11のモード径が、メソポーラス材料12のモード径の0.22倍以下であれば、メソポーラス材料12同士が近接し、触媒非担持粒子11がメソポーラス材料12同士の間にできた間隙に入り込むことができる。
そして、メソポーラス材料12同士が近接し、触媒非担持粒子11がメソポーラス材料12同士の間にできた間隙を埋めるようにメソポーラス材料12の周囲に配置されることになれば、粒子同士の導電接点が増加することにより、カソード触媒層3cの導電性を向上させることができ、抵抗過電圧を低下させることができる。
また、本実施の形態の電解質膜-電極接合体5に用いられるカソード触媒層3cの製造方法は、親水性の官能基(側鎖)と疎水性の主鎖を備えたアイオノマ13と、触媒を担持していない導電性の触媒非担持粒子11と、親水溶媒と、を混合分散させて、第1のインクを作製する第1の工程(S01)と、触媒非担持粒子11よりも疎水性が低く、メソ孔の内部に触媒14を担持した導電性のメソポーラス材料12を、第1のインクに添加混合させて第2のインクを作製する第2の工程(S02)と、第2のインクを塗布乾燥させる第3の工程(S03,S04)と、を有する。
これにより、アイオノマ13と触媒非担持粒子11と親水溶媒とを混合分散させて第1のインクを作製する第1の工程(S01)において、アイオノマ13の疎水性の主鎖は親水溶媒との斥力を生じるため、親水溶媒の中でアイオノマは親水性の官能基(側鎖)を外側へ向け、疎水性の主鎖を内部へ凝集させるような形をとる。
さらに、疎水性の触媒非担持粒子11を加えて分散させると、疎水性の触媒非担持粒子11は親水溶媒との斥力を生じるため、アイオノマ13の疎水性の主鎖と触媒非担持粒子11が引き合い凝集し、アイオノマ13の親水性の官能基(側鎖)を外側へ向けたような形をとる。
次に、触媒非担持粒子11よりも疎水性が低く、メソ孔の内部に触媒14を担持した導電性のメソポーラス材料12を、第1の工程で作製した第1のインクに、添加混合させて第2のインクを作製する第2の工程(S02)において、触媒14を担持したメソポーラス材料12の疎水性は触媒非担持粒子11の疎水性よりも低いので、親水溶媒中でのアイオノマ13の疎水性の主鎖と、触媒14を担持したメソポーラス材料12との吸着力は、アイオノマ13の疎水性の主鎖と触媒非担持粒子11との吸着力よりも弱くなり、触媒非担持粒子11とアイオノマ13との吸着が離されることなくインク内に、触媒14を担持したメソポーラス材料12が分散する。
第2の工程で作製された第2のインクを塗布乾燥させる第3の工程(S03,S04)において、このインクを塗布乾燥させてカソード触媒層3cを作成すると、触媒非担持粒子11にアイオノマ13が多く吸着し、その周りに触媒14を担持したメソポーラス材料12が存在する構造のカソード触媒層3cが得られる。
このように3つの工程に分けて作成されたカソード触媒層3cは、触媒非担持粒子11にアイオノマ13がより多く吸着し、触媒を担持したメソポーラス材料12へのアイオノマ13の被覆率が触媒非担持粒子11へのアイオノマ13の被覆率よりも低いため、触媒14とアイオノマ13との接触が少なくなり、触媒活性の低下を抑制することができる。
また、電気化学反応に必要な水素イオン(H)は、触媒非担持粒子11の周りに多く吸着したアイオノマ13によってカソード触媒層3cの中を伝導し、触媒14までは水を通って伝導することにより、水素イオン(H)伝導性を確保することができる。
その結果、アイオノマ13が触媒非担持粒子11の周りにより多く吸着した構造のカソード触媒層3cを、インク作成と塗工という簡易なプロセスによって得ることができ、触媒活性の向上と、水素イオン伝導性の低下抑制を両立した高効率なカソード触媒層3cを
得ることができる。
(他の実施の形態)
以上のように、本出題において開示する技術の例示として、実施の形態1を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加などを行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1で説明した書く構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
実施の形態1では、電解質膜-電極接合体5の一例として、本開示の触媒層をカソード触媒層3cに適用した燃料電池セル10を説明したが、本開示の触媒層を、アノード触媒層3aに適用してもよい。
本開示の触媒層をアノード触媒層3aに適用すれば、触媒14に直接接触するアイオノマ13の量が減少するので、アノード2aで起こる水素が水素イオンと電子に乖離する酸化反応(化1)においても、触媒活性の低下を抑制することができる。
さらに、触媒非担持粒子11に吸着したアイオノマ13によって水素イオン伝導性を確保することにより、メソポーラス材料12のアイオノマ13の被覆量が減少することによるアノード触媒層3aの水素イオン伝導性の低下を抑制できる。
そのため、水素イオン伝導性を損なわずに、アイオノマ13被毒による触媒活性の低下を抑制することができ、高効率な電解質膜-電極接合体5を提供することができる。
実施の形態1では、電解質膜1の一例として、パーフルオロスルホン酸樹脂膜を説明したが、電解質膜1は、アノード2aとカソード2cとの間のイオン(水素イオン)伝導を行うものであり、水素イオン伝導性とガスバリア性とを併せ持つものであればよい。
したがって、電解質膜1は、パーフルオロスルホン酸樹脂膜に限定されない。電解質膜1は、例えば、イオン交換性フッ素系樹脂膜、またはイオン交換性炭化水素系樹脂膜が例示される。
しかし、実施の形態1で電解質膜1に用いたパーフルオロスルホン酸樹脂膜は、水素イオン伝導性が高く、燃料電池セル10の発電環境下でも安定に存在するため好ましい。
イオン交換樹脂のイオン交換容量は0.9以上2.0以下ミリ当量/g乾燥樹脂であることが好ましい。イオン交換容量が0.9ミリ当量/g乾燥樹脂以上であると、高い水素イオン伝導性を得やすく、イオン交換容量が2.0ミリ当量/g乾燥樹脂以下であると、含水による樹脂の膨潤が抑制され、電解質膜1の寸法変化が抑えられるため好ましい。
また、電解質膜1の膜厚は、5μm以上50μm以下であることが好ましい。膜厚が5μm以上であると、高いガスバリア性を得られ、50μm以下であると、高い水素イオン伝導性を得られる。
実施の形態1では、アノードガス拡散層4aおよびカソードガス拡散層4cの一例として、カーボンペーパーとコーティング層の2層を含む構成を用いたが、アノードガス拡散層4aおよびカソードガス拡散層4cは、集電作用とガス透過性と撥水性とを併せ持つ層であればよい。
したがって、アノードガス拡散層4aおよびカソードガス拡散層4cは、カーボンペーパーとコーティング層の2層を含む構成に限定されない。基材は、導電性、ならびに気体および液体の透過性に優れた材料であれば良く、カーボンペーパー以外の材料としては、例えば、炭素繊維クロス、炭素繊維フェルト等の多孔質性材料が例示される。
コーティング層は、基材とアノード触媒層3a、カソード触媒層3cとの間に介在し、これらの接触抵抗を下げ、液体の透過性(排水性)を向上するための層である。例えば、カーボンブラックなどの導電性材料およびポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの撥水性樹脂を主成分として形成される。
実施の形態1では、触媒14の一例として、白金、白金を含む混合物又は合金を用いたが、触媒14としては、水素ガス又は酸素ガスの触媒作用を有するのであれば特に限定されない。
白金、白金を含む混合物又は合金以外の触媒14の材料では、例えば、ルテニウム(Ru)、イリジウム(Ir)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、オスミウム(Os)、タングステン(W)、鉛(Pb)、鉄(Fe)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、マンガン(Mn)、バナジウム(V)、モリブデン(Mo)、ガリウム(Ga)及びアルミニウム(Al)等の金属、これら金属の混合物、合金等が挙げられる。
しかし、実施の形態1で触媒14に用いた、白金、白金を含む混合物又は合金は、触媒活性、一酸化炭素等に対する耐被毒性、耐熱性等を向上させる観点から、触媒14の材料として好ましい。
触媒が合金からなる場合、合金の組成は、合金化する金属の種類にもよるが、白金の含有量を30~90原子%とし、その他の金属の含有量を10~70原子%とすることができる。触媒の平均粒子径は、特に限定されないが、触媒利用率及びカーボン担体での担持性の向上の観点からは、好ましくは1~30nmである。メソ孔の内部に入る粒子径が好ましい。
実施の形態1では、アノード触媒層3aの触媒担持材料およびカソード触媒層3cのメソポーラス材料12として、カーボンブラックを使用したが、アノード触媒層3aの触媒担持材料およびカソード触媒層3cのメソポーラス材料12は、カーボンブラックに限定されない。
アノード触媒層3aの触媒担持材料およびカソード触媒層3cのメソポーラス材料12としては、内部に細孔を有する導電性の多孔性カーボン(メソポーラスカーボンなど)を用いることができる。
メソポーラスカーボンは、触媒金属粒子を担持する前において、メソ孔のモード半径が1~25nmであり、メソ孔の細孔容積が1.0~3.0cm/gであってもよい。メソ孔の細孔容積が1.0cm/g以上であれば、メソポーラスカーボンの内部に多くの触媒金属を担持でき、3.0cm/g以下であれば、メソポーラスカーボンの構造体としての強度が高まる。
また、平均粒径が200~1000nmとなるようにメソポーラスカーボンが構成されていてもよい。平均粒径が200nm以上であれば、アイオノマ13がメソ孔に侵入する領域が、メソ孔の細孔容積に対して小さくなるので、アイオノマ13による被毒の影響を受ける触媒金属の割合が小さくなる。
このため、メソポーラスカーボンの平均粒径を200nm以上とすることで、触媒活性を向上させることができると考えられる。また、メソポーラスカーボンの平均粒径が1000nm以下であれば、メソポーラスカーボンのメソ孔の内部に担持された触媒14にまで反応ガスが供給されやすくなる。
なお、上述の実施の形態は、本開示における技術を例示するためのものであるから、特許請求の範囲またはその均等の範囲において種々の変更、置き換え、付加、省略などを行うことができる。
本開示は、水素イオン伝導性を損なわずに、アイオノマ被毒による触媒活性の低下を抑制することができるので、高効率な触媒層を備えた電解質膜-電極接合体に適用可能である。具体的には、燃料電池のセル、水素純化器のセル、もしくは水電解のセルを構成する電解質膜-電極接合体に利用される電極触媒において有用である。
1 電解質膜
2a アノード
2c カソード
3a アノード触媒層
3c カソード触媒層
4a アノードガス拡散層
4c カソードガス拡散層
5 電解質膜-電極接合体
6a アノードセパレータ
6c カソードセパレータ
10 燃料電池セル
11 触媒非担持粒子
12 メソポーラス材料
13 アイオノマ
14 触媒
15 アイオノマ溶液
16 水
17 エタノール

Claims (5)

  1. メソ孔の内部に触媒を担持した導電性のメソポーラス材料と、触媒を担持していない導電性の触媒非担持粒子と、前記メソポーラス材料および前記触媒非担持粒子を被覆するアイオノマと、を備え、電解質膜-電極接合体に用いられる触媒層であって、
    前記触媒非担持粒子の疎水性は、前記メソポーラス材料の疎水性よりも高く、
    前記アイオノマは、親水性の官能基と疎水性の主鎖を備え、
    前記アイオノマに被覆される前記触媒非担持粒子の表面積と前記触媒非担持粒子の全表面積との比は、前記アイオノマに被覆される前記メソポーラス材料の表面積と前記メソポーラス材料の全表面積との比よりも多いことを特徴とする触媒層。
  2. 前記触媒非担持粒子のモード径は、前記メソポーラス材料のモード径の0.22倍以下であり、前記メソポーラス材料同士が近接し、前記触媒非担持粒子が前記メソポーラス材料同士の間にできた間隙を埋めるように前記メソポーラス材料の周囲に配置されている、請求項1に記載の触媒層。
  3. 電解質膜と、前記電解質膜の一方の主面に設けられたアノードと、前記電解質膜の他方の主面に設けられたカソードと、を備え、
    前記カソードは、請求項1または2に記載の触媒層を含む、電解質膜-電極接合体。
  4. 請求項3に記載の電解質膜-電極接合体を備える、燃料電池。
  5. 電解質膜-電極接合体に用いられる触媒層の製造方法であって、
    親水性の官能基と疎水性の主鎖を備えたアイオノマと、触媒を担持していない導電性の触媒非担持粒子と、親水溶媒と、を混合分散させて、第1のインクを作製する第1の工程と、
    前記触媒非担持粒子よりも疎水性が低く、メソ孔の内部に触媒を担持した導電性のメソポーラス材料を、前記第1のインクに添加混合させて第2のインクを作製する第2の工程と、
    前記第2のインクを塗布乾燥させる第3の工程と、を有する触媒層の製造方法。
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