JP2023079683A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2023079683A
JP2023079683A JP2021193269A JP2021193269A JP2023079683A JP 2023079683 A JP2023079683 A JP 2023079683A JP 2021193269 A JP2021193269 A JP 2021193269A JP 2021193269 A JP2021193269 A JP 2021193269A JP 2023079683 A JP2023079683 A JP 2023079683A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
value
density
double
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021193269A
Other languages
English (en)
Inventor
章平 福本
Shohei Fukumoto
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sharp Corp filed Critical Sharp Corp
Priority to JP2021193269A priority Critical patent/JP2023079683A/ja
Publication of JP2023079683A publication Critical patent/JP2023079683A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Dry Development In Electrophotography (AREA)
  • Control Or Security For Electrophotography (AREA)

Abstract

【課題】温度センサを備えなくても、トナー濃度の変化を正常に判定し、現像装置内に含まれるトナーの濃度を精度良く制御することを課題とする。【解決手段】現像装置に収容されているトナーのトナー濃度値を取得するトナー濃度値取得部と、取得されたトナー濃度値と比較してトナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するか否かを判定する基準となる濃度判定基準値と、両面印刷をするときに得られる両面印刷履歴情報とを記憶した記憶部と、両面印刷履歴情報に記憶された両面印刷枚数に基づいて、濃度判定基準値を補正する濃度判定基準値補正部とを備える。濃度判定基準値を補正した後、取得されたトナー濃度値と補正された濃度判定基準値との比較によってトナーの濃度を制御することを特徴とする。【選択図】図14

Description

この発明は、画像形成装置に関し、特に、画像形成に利用するトナーの濃度を検出し、トナー濃度を制御する機能を備えた画像形成装置に関する。
従来から、画像形成装置が利用されているが、書類等の印刷をする印刷機能に加えて、書類の読取(スキャン)機能や、ネットワーク接続機能なども有する複合機が利用されている。
画像形成装置では、現像装置に、たとえば、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を一定量供給し、トナーを感光体ドラムの表面に付着させて、帯電した感光体ドラムの表面に形成された静電潜像を現像することで、静電潜像に対応したトナー像が形成される。
現像装置内のトナー濃度を適切に維持し、適切な濃度のトナー像を形成するために、現像装置内のトナーの濃度を常に検知するトナー濃度センサが、現像装置の現像槽内に設けられる。
トナー濃度センサとしては、たとえば、2成分現像剤の透磁率を測定するセンサ(透磁率センサ)が利用され、測定された透磁率の変化で、トナー濃度の変化を検知する。
しかし、トナー濃度センサから出力される信号値は、現像装置や感光体ドラムの温度変化や、2成分現像剤の流動性の変化等によって、変動する場合があった。
特に、印刷用紙の両面に画像形成装置を印刷する両面印刷において、大量に連続して両面印刷を行う場合は、このトナー濃度センサの出力値の変化の影響を受けて、徐々に印刷濃度が低下するという問題があった。
そこで、印刷画像の濃度を適切に維持するために、次のような対策が提案されている。
たとえば、特許文献1には、搬送される記録媒体に接触する温度センサを備え、温度センサによって搬送される記録媒体の温度を検出し、予め記憶された感光体表面温度と温度センサによって検出した記録媒体の温度との相関関係から、感光体表面温度を推定し、推定した感光体表面温度に基づいて、現像バイアス電圧や、帯電チャージへの印加電圧等を調整して、適正な画像濃度を維持するようにした画像形成装置が記載されている。
また、特許文献2には、現像剤収容部の底部に設けられた透磁率センサと、透磁率センサの近傍の温度を検知する抵抗温度センサを備え、透磁率センサの出力電圧を、抵抗温度センサから出力された信号に基づいて、所定の計算式により補正して、現像剤の残量を算出する画像形成装置が記載されている。
特開2003-107810号公報 特開2001-5277号公報
上記した従来技術では、いずれも温度センサを備えて、温度センサによって検出された温度を利用して、現像バイアス電圧の調整や、トナー濃度センサの出力等の補正を行っている。
しかし、現像装置に、トナー濃度センサに加えて、温度センサを備える必要があるため、現像装置の構成が複雑になり、温度センサを追加することにより製品コストが高くなるという問題があった。
また、特に、両面印刷が連続して行われる場合においては、現像装置や感光体の温度変化の他に、現像剤の流動性や画像形成装置の稼働時間や湿度変化の使用環境などによる現像剤のストレス度合いが、トナー濃度センサの出力値に大きく影響し、現像装置の温度が同じ温度であっても、トナー濃度センサの出力値が変化して、トナー濃度センサの出力値の補正が適切にできない場合があった。
たとえば、両面印刷が連続して行われることで搬送中の印刷用紙の表面の温度が上昇するが、印刷用紙の表面温度が上昇すると、現像装置や感光体の温度が上昇し、これに伴って、現像剤の温度も上昇する。
現像剤の温度が上昇するとその熱ストレスによって、現像剤の流動性が低下し、トナー濃度センサの検知範囲内に占めるキャリア密度が小さくなり、トナー濃度センサの出力値である透磁率が下がる。
一般的に、トナー濃度センサの出力値が、所定の基準値(濃度判定基準値)よりも小さくなると、トナー濃度が高いと判断されて、現像装置へのトナーの補給が停止される。
また、トナー濃度センサの出力値が、所定の基準値(濃度判定基準値)よりも大きくなると、トナー濃度が低いと判断されて、現像装置へのトナーの補給が開始される。
上記のように、温度が上昇することで、トナー濃度センサの出力値である透磁率が下がり、所定の基準値よりも小さくなってしまった場合には、トナー濃度が高いと誤検知され、トナーの補給が停止されるべき状態でないのに、現像装置へのトナーの補給が停止されてしまう。
トナーの補給が停止されると現像装置内のトナー濃度が低下し、両面印刷される用紙についての印刷濃度が低下して印刷画像が適切な濃さで印刷されない場合があった。
そこで、この発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであり、両面印刷を行う場合に、両面印刷枚数などの両面印刷の印刷条件や、トナー濃度センサの出力値を考慮して、濃度判定基準値を補正することによって、温度センサを備えなくても、トナー濃度の変化を正常に判定し、現像装置内に含まれるトナーの濃度を精度良く制御し、印刷画像の濃度を適切に制御することのできる画像形成装置を提供することを課題とする。
この発明は、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容した現像装置に設けられ、前記現像装置に収容されているトナーの濃度に対応した信号を出力するトナー濃度センサと、前記トナー濃度センサから出力される信号を利用して、前記現像装置に収容されているトナーのトナー濃度値を取得するトナー濃度値取得部と、前記取得されたトナー濃度値と比較してトナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するか否かを判定する基準となる濃度判定基準値と、両面印刷を行うときに得られる両面印刷履歴情報を記憶した記憶部と、前記両面印刷履歴情報に記憶された両面印刷枚数に基づいて前記濃度判定基準値を補正する濃度判定基準値補正部とを備えることを特徴とする画像形成装置を提供するものである。
また、両面印刷を行う場合に、両面印刷を行う印刷用紙の枚数である両面印刷枚数を計数する両面印刷数測定部をさらに備え、前記両面印刷履歴情報が、前記両面印刷枚数であり、前記補正条件として、前記両面印刷枚数の範囲が設定されていることを特徴とする。
また、前記取得されたトナー濃度値と前記補正された濃度判定基準値との比較によって、前記トナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するか否かを判定する濃度判定部と、前記トナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するトナー補給部とをさらに備え、前記濃度判定部が、トナーを現像装置に補給する必要があると判定した場合に、前記トナー補給部が、前記トナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給することを特徴とする。
また、前記トナー濃度センサから出力される信号の振幅値であるセンサ出力振幅値を取得するセンサ出力振幅値取得部をさらに備え、前記取得されたセンサ出力振幅値を利用して、前記濃度判定基準値補正部によって補正された前記濃度判定基準値をさらに補正することを特徴とする。
また、前記センサ出力振幅値取得部によって取得されたセンサ出力振幅値と、所定の標準現像剤を利用して取得したセンサ出力振幅値である振幅比較値との比から、振幅比情報を算出する振幅比算出部をさらに備え、前記濃度判定基準値補正部によって補正された前記濃度判定基準値を、前記算出された振幅比情報の大きさに対応させて補正することを特徴とする。
また、画像形成装置の電源が切断された後、所定時間以上が経過して前記電源が投入された場合には、前記濃度判定基準値を、補正されていない所定の初期値に戻すことを特徴とする。
また、印刷する原稿から読み取った画像データを印刷用紙に印刷するときの平均印字率を算出する平均印字率取得部と、両面印刷が要求された場合に得られた前記両面印刷履歴情報と、前記算出された平均印字率とが、所定のリカバリー判定条件を満たすか否かを判定するリカバリー判定部と、前記リカバリー判定部によって、前記リカバリー判定条件を満たすと判定された場合に、現像装置に滞留している2成分現像剤に含まれるトナーを新しいトナーに入れ替えるリカバリー処理を実行するリカバリー実行部とをさらに備え、前記リカバリー判定部は、前記両面印刷履歴情報によって、所定枚数を超える両面印刷が連続して行われていると判断され、かつ、前記平均印字率が、所定の印字率よりも少ない場合に、リカバリー判定条件を満たすと判定することを特徴とする。
また、前記トナー濃度センサから出力される信号の振幅値であるセンサ出力振幅値を取得するセンサ出力振幅値取得部と、前記センサ出力振幅値取得部によって取得されたセンサ出力振幅値と、所定の標準現像剤を利用して取得したセンサ出力振幅値である振幅比較値との比から、振幅比情報を算出する振幅比算出部とをさらに備え、前記リカバリー判定部は、さらに、前記算出された振幅比情報が、所定の振幅比比較情報以上である場合に、リカバリー判定条件を満たすと判定することを特徴とする。
また、前記リカバリー処理では、所定枚数の印刷用紙に、各色情報を印刷するベタ吐き動作をすることを特徴とする。
また、印刷する原稿から読み取った画像データを印刷用紙に印刷するときの平均印字率を算出する平均印字率取得部と、トナーカートリッジに収容されたトナーの残量に相当するトナー残量情報を取得するトナー残量情報取得部と、両面印刷が要求された場合に得られた前記両面印刷履歴情報と、前記算出された平均印字率と、前記取得されたトナー残量情報とが、所定のトナー残量判定条件を満たすか否かを判定するトナー残量判定部と、トナー残量警告部とをさらに備え、前記トナー残量判定部が、前記両面印刷履歴情報によって、所定枚数を超える両面印刷が連続して行われていると判断され、かつ、前記平均印字率が、所定の印字率比較情報よりも少なく、かつ、前記トナー残量情報が、所定のトナー残量比較情報よりも少ない場合に、トナー残量判定条件を満たすと判定し、その後、前記トナーカートリッジから現像装置にトナーを補給しても、前記トナー濃度値が増加しない場合には、前記トナー残量警告部が、前記トナーカートリッジの交換を要求する警告を通知することを特徴とする。
また、この発明は、画像形成装置のトナー濃度制御方法であって、画像形成装置に装着されたトナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するか否かを判定する基準となる濃度判定基準値と、両面印刷を行うときに得られる両面印刷履歴情報を記憶し、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容した現像装置に設けられたトナー濃度センサから出力される信号を利用して、前記現像装置に収容されているトナーのトナー濃度値を取得するトナー濃度値取得ステップと、前記両面印刷履歴情報に記憶された両面印刷枚数に基づいて、前記濃度判定基準値を補正する濃度判定基準値補正ステップと、前記取得されたトナー濃度値と前記補正された濃度判定基準値との比較によって、前記現像装置に収容されているトナーの濃度を制御する濃度制御ステップとを備え、画像形成装置に備えられた制御部が、前記ステップを順次実行することを特徴とする画像形成装置のトナー濃度制御方法を提供するものである。
また、この発明は、画像形成装置のトナー濃度制御方法であって、画像形成装置に装着されたトナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するか否かを判定する基準となる濃度判定基準値と、両面印刷を行うときに得られる両面印刷履歴情報を利用して設定された前記濃度判定基準値の補正条件とその補正条件を満たしたときの補正値とを対応付けた基準値補正情報とを予め記憶し、トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容した現像装置に設けられたトナー濃度センサから出力される信号を利用して、前記現像装置に収容されているトナーのトナー濃度値を取得するトナー濃度値取得ステップと、両面印刷が要求された場合に得られた両面印刷履歴情報が、前記基準値補正情報に設定された補正条件を満たした場合、その補正条件に対応付けられた補正値によって前記濃度判定基準値を補正する濃度判定基準値補正ステップと、前記取得されたトナー濃度値と前記補正された濃度判定基準値との比較によって、前記現像装置に収容されているトナーの濃度を制御する濃度制御ステップとを備え、画像形成装置に備えられた制御部が、前記ステップを順次実行することを特徴とする画像形成装置のトナー濃度制御方法を提供するものである。
また、この発明は、前記両面印刷履歴情報が、両面印刷を行う印刷用紙の枚数である両面印刷枚数であり、前記補正条件として、前記両面印刷枚数の範囲が設定されており、濃度判定基準値補正ステップよりも前に、両面印刷が要求された場合に、前記両面印刷枚数を計数する両面印刷数測定ステップをさらに備え、前記濃度制御ステップが、前記取得されたトナー濃度値と前記補正された濃度判定基準値との比較によって、前記トナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するべきか否かを判定する濃度判定ステップと、トナーを現像装置に補給するべきと判定された場合に、前記トナーカートリッジに収容されているトナーを所定量だけ現像装置に補給するトナー補給ステップとからなり、前記濃度判定基準値補正ステップにおいて、両面印刷が要求された場合に、前記両面印刷数測定ステップにおいて計数された前記両面印刷枚数が、前記基準値補正情報の補正条件に設定された両面印刷枚数の範囲に含まれている場合、その補正条件に対応付けられた補正値によって前記濃度判定基準値を補正した後、前記濃度判定ステップにおいて、前記取得されたトナー濃度値が、前記補正された濃度判定基準値よりも大きくなった場合に、前記トナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するべきと判定し、前記トナー補給ステップにおいて、前記トナーカートリッジに収容されているトナーを所定量だけ現像装置に補給することを特徴とする画像形成装置のトナー濃度制御方法を提供するものである。
この発明によれば、濃度判定基準値補正部が、両面印刷が要求された場合に得られた両面印刷履歴情報が、基準値補正情報に設定された補正条件を満たした場合、その満たした補正条件に対応付けられた補正値によって濃度判定基準値を補正した後、取得されたトナー濃度値と補正された濃度判定基準値との比較によって現像装置に収容されているトナーの濃度を制御するので、連続して両面印刷を行う場合において、濃度判定基準値を補正することによって、画像形成装置に温度センサを備えなくても、トナー濃度の変化を正常に判定し、現像装置内に含まれるトナーの濃度を精度良く制御し、印刷画像の濃度を適切に制御することができる。
この発明の画像形成装置の一実施例の構成ブロック図である。 この発明において、画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。 この発明において、画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。 この発明において、画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。 この発明において、画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。 この発明において、画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。 この発明において、画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。 この発明において、画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。 この発明において、画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。 この発明において、画像形成装置の記憶部に記憶される情報の一実施例の説明図である。 両面印刷枚数に対応させて濃度判定基準値を補正した場合と、濃度判定基準値を補正しなかった場合のトナー濃度値の比較の一実施例の説明図である。 この発明において、濃度判定基準値の初期設定処理の一実施例のフローチャートである。 この発明において、トナー補給処理の一実施例のフローチャートである。 この発明において、印刷処理の一実施例のフローチャートである。 この発明において、濃度判定基準値の補正処理の一実施例のフローチャートである。 この発明において、濃度判定基準値の補正処理の一実施例のフローチャートである。 この発明において、リカバリー処理の一実施例のフローチャートである。 この発明において、リカバリー処理の一実施例のフローチャートである。 この発明において、トナー残量確認処理の一実施例のフローチャートである。 この発明において、トナー残量確認処理の一実施例のフローチャートである。 この発明において、トナー残量判定処理の一実施例のフローチャートである。
以下、図面を使用して本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の実施例の記載によって、この発明が限定されるものではない。
<画像形成装置の構成>
図1に、この発明の画像形成装置の一実施例の構成ブロック図を示す。
画像形成装置(以下、MFP:Multifunction Peripheral、複合機とも呼ぶ)1は、画像データを処理する装置であり、たとえば、複写(コピー)機能、印刷機能、原稿読取(スキャン)機能、原稿編集機能、原稿保存機能、原稿送信(ファックス、FAX)機能、通信機能などを備えた電子機器である。
以下の実施例では、この発明の画像形成装置1は、特に、印刷機能を備えるものとして説明するが、これ以外の機能を備えてもよい。
図1において、この発明の画像形成装置(MFP)1は、主として、制御部11、操作部12、表示部13、画像処理部14、トナー濃度センサ15、トナー補給部16、両面印刷数測定部21、トナー濃度値取得部22、センサ出力振幅値取得部23、濃度判定部24、濃度判定基準値補正部25、振幅比算出部26、平均印字率取得部27、リカバリー判定部28、リカバリー実行部29、トナー残量情報取得部30、トナー残量判定部31、トナー残量警告部32、記憶部50を備える。
ここで、画像処理部14は、主に、画像入力部14a、画像形成部14b、画像出力部14cから構成される。
制御部11は、操作部や画像処理部などの各構成要素の動作を制御する部分であり、主として、CPU、ROM、RAM、I/Oコントローラ、タイマー等からなるマイクロコンピュータによって実現される。
CPUは、ROM等に予め格納された制御プログラムに基づいて、各種ハードウェアを有機的に動作させて、この発明の画像形成機能、濃度判定機能などを実行する。
また、制御部11が、所定のステップを順次実行することによって、この発明のトナー濃度制御方法が実現される。
上記構成要素のうち、特に、両面印刷数測定部21、トナー濃度値取得部22、センサ出力振幅値取得部23、濃度判定部24、濃度判定基準値補正部25、振幅比算出部26、平均印字率取得部27、リカバリー判定部28、リカバリー実行部29、トナー残量情報取得部30、トナー残量判定部31、トナー残量警告部32は、それぞれ、制御部11の1つの機能ブロックであり、制御部11のCPUが、ROM等に記憶された所定のプログラムに基づいて、必要なハードウェアを動作させて、ソフトウエア的にそれぞれの処理を実行する。
操作部12は、画像形成装置の利用者が情報を入力する部分であり、画像形成装置を動作させる所定の入力操作をするための入力装置である。たとえば、文字などの情報の入力や、機能の選択入力をする部分であり、キーボード、マウス、タッチパネルなどが用いられる。
ユーザーが操作するキーとしては、動作開始キー、機能選択キー、設定キーなどがある。
ユーザーは、たとえば、タッチパネルへの接触操作や、印刷や読取などの機能の開始キーを入力する操作をすることによって、印刷機能や、原稿読取機能や、機能設定項目の設定機能などを実行させる。
表示部13は、情報を表示する部分であり、各機能の実行に必要な情報や、機能の実行の結果などを、利用者に知らせるために表示する。
表示部13としては、たとえば、LCD、有機ELディスプレイなどが用いられ、操作部12としてタッチパネルが用いられる場合は、表示部13とタッチパネルとが重ね合わせて配置される。
表示部13には、たとえば、画像形成装置の印刷等に利用する設定項目の設定や、印刷機能や原稿読取機能等を実行するのに必要な情報や、選択した機能の操作画面などが、文字、記号、図形、画像、アイコン、アニメーション、動画等を用いて、表示される。
特に、この発明では、トナーカートリッジのトナーが空になっていると判断された場合には、トナーカートリッジの交換を要求することを示す警告画面を、表示部13に表示させる。
画像処理部14は、画像形成装置の主要な機能である画像形成機能を実行する部分であり、主に、画像入力部14a、画像形成部14b、および、画像出力部14cからなる。
主として、画像入力部14aは、所定の画像データを入力する部分であり、画像形成部14bは、入力された画像データを印刷等することのできる情報に変換する部分であり、画像出力部14cは、形成された印刷情報等を印刷用紙等に出力する部分である。
画像入力部14aは、画像や文字図形等が記載された原稿の画像データを入力する部分であり、たとえば、原稿台等に載置された原稿を読み取る部分である。
画像入力部14aとしては、情報が記載された原稿を読み取るスキャナ(読取装置)を用いる。
画像形成装置1は、原稿を読み取るために、原稿が載置される原稿載置台(原稿台)と、原稿を抑える原稿カバーとを備える。
また、画像形成装置1は、複数枚の原稿を載置して、複数の原稿を1枚ずつ自動的に搬送して読み取る自動原稿送り装置(ADF:Automatic Document Feeder)を備えてもよい。
自動原稿送り装置は、大量の原稿を連続して読み取り、連続印刷を行う場合に利用されるが、画像等が記載された原稿を1枚ずつ順次スキャナで読み取り、各原稿の入力画像データが、記憶部50に記憶される。
また、画像情報を入力する方法には種々の方法がある。
たとえば、USBメモリなどの外部の記憶媒体を接続するインタフェースが、画像入力部14aに該当する。
入力したい画像情報などの電子データファイルを、USBメモリなどの外部の記憶媒体に保存しておき、USBメモリ等をUSB端子などの入力インタフェースに接続し、操作部12で所定の入力操作を行うことによって、USBメモリ等に保存された所望の電子データファイルを読み出して、記憶部50に、入力画像データとして記憶してもよい。
画像形成部14bは、たとえば、入力画像データを記録媒体に印刷する場合、一般的に、帯電、露光、現像、転写、クリーニング、除電、及び定着の各工程を連続的に実施して、入力画像データを記録媒体に形成する。
画像形成装置には、静電潜像の現像を行う現像装置が備えられ、現像装置には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤が収容され、トナーカートリッジに収容されているトナーが、現像装置に補給される。
また、現像装置に収容されているトナーの濃度を測定するために、トナー濃度センサが、現像装置に設けられる。
現像工程では、トナーカートリッジからトナーを現像装置に補給し、帯電した感光体ドラムの表面に形成された静電潜像が現像され、静電潜像に対応したトナー像が形成される。
感光体ドラムの表面に形成されたトナー像は転写装置によって記録媒体上に転写され、その後、定着装置によって加熱されることにより記録媒体上に定着させられる。
また、画像形成部14bは、入力画像データを転送や表示できる形態の情報に変換する。
画像出力部14cは、形成された入力画像データを出力する部分であり、たとえば、入力画像データ等の情報を印刷するプリンタに相当し、読み取られた原稿の入力画像データを、所定の印刷用紙(紙媒体)に印刷する。
ただし、入力画像データの出力は、印刷に限るものではなく、スキャンされた原稿の入力画像データの記憶、スキャンされた原稿の入力画像データのFAX送信なども含まれる。
たとえば、読み取られた原稿の入力画像データをUSBメモリなどの外部の記憶媒体へ記憶すること、インターネットなどのネットワークを介して他の画像形成装置やサーバへ入力画像データを送信すること、特定の保存フォルダに分類保存することも、画像出力に相当する。
トナー濃度センサ15は、現像装置に設けられ、現像装置に収容されているトナーの濃度に対応した信号を出力する部分である。
トナー濃度センサ15としては、たとえば、透磁率センサが用いられる。
トナー濃度センサ15は、現像装置のうち、2成分現像剤を収容、攪拌および搬送する現像容器(現像槽)の底面あるいは側面の部分に配置される。
透磁率センサは、現像装置に収容されている2成分現像剤のうち、透磁率センサに接触した2成分現像剤の透磁率を検出し、透磁率に対応した信号を出力する。
この透磁率に対応した信号が、現像装置に収容されているトナーの濃度に対応した信号に相当する。
トナー濃度センサ15が透磁率センサの場合は、透磁率に対応した信号を出力するが、一般的に、収容された現像剤のトナー濃度が高い場合、透磁率センサの出力値は、低い数値を示す。
逆に、収容された現像剤のトナー濃度が低い場合、透磁率センサの出力値は、高い数値を示す。
また、トナー濃度センサ15によって、トナー濃度が継続して測定され、センサの出力値(後述するトナー濃度値TD)が上昇すると、トナー濃度が低くなっていると判断される。
トナー濃度センサ15から出力される信号の出力値は、デジタルに変換されて、トナー濃度値取得部22によって取得され、トナー濃度値TDとして、記憶部50に記憶されるものとする。
トナー補給部16は、トナーカートリッジに収容されているトナーを、現像装置に補給する部分である。
トナーカートリッジのトナー排出口と、現像装置のトナー取入口とが係合されており、トナーカートリッジ内のトナー搬送経路に設けられたスクリューを回転させることにより、所定量のトナーが、トナー排出口から排出され、現像装置に補給される。
後述するように、トナー濃度値TDが、所定の濃度判定基準値TH0よりも大きくなった場合に(TD>TH0)、トナーカートリッジに収容されているトナーが、現像装置に補給されるものとする。
濃度判定基準値TH0は、取得されたトナー濃度値TDと比較して、トナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するか否かを判定する基準となる情報である。
トナー濃度値TDと所定の濃度判定基準値TH0とを比較することによって、トナーの補給の可否を決める場合、上記したように、トナー濃度センサ15の出力値(トナー濃度値TD)は、現像装置の温度等によって変化することがあるので、トナーの補給の可否の判断を誤る場合や、現像装置にトナーを補給するタイミングがずれる場合がある。
そこで、この発明では、両面印刷を行う場合に、トナー濃度値TDと比較する数値である濃度判定基準値TH0を、所定の条件に基づいて補正することを特徴とする。
濃度判定基準値TH0を補正することにより、両面印刷の印刷枚数や印字率等を考慮して、現像装置等の温度変化があっても、正常に、トナー濃度を判定し、現像装置内のトナー濃度を所定範囲内に維持するよう制御する。
両面印刷数測定部21は、両面印刷を行う場合に、両面印刷を行う印刷用紙の枚数(両面印刷枚数)を計数する部分である。
一般的に、両面印刷を行う場合、画像形成装置のユーザーは、操作部12を利用して、「両面印刷」を行うことを意味する設定入力をする。
この「両面印刷」を行うことを意味する設定入力がされた場合、印刷用紙が1枚ずつ搬送されて両面印刷が行われるが、たとえば、実際に両面印刷が行われる1枚の印刷用紙が搬送される前に、印刷用紙の枚数をカウントする情報(両面印刷枚数)に、1を加算する。
両面印刷数測定部21によって数えられた両面印刷を行う印刷用紙の枚数は、両面印刷枚数RNとして、記憶部50に記憶されるものとする。
両面印刷枚数RNは、上記した両面印刷履歴情報に相当し、濃度判定基準値TH0を補正するときに利用する。
両面印刷履歴情報は、両面印刷をするときに得られる情報であり、両面印刷履歴情報には、両面印刷枚数RNの他に、両面印刷の割合などが含まれる。
複数枚の印刷用紙に連続して印刷をする場合において、たとえば、両面印刷と片面印刷とが混在するような場合、印刷総数NAのうち、両面印刷を行った印刷用紙の枚数RNの割合(RN/NA)が、両面印刷の割合である。
印刷処理をした用紙の印刷総数NAが100枚で、そのうち、80枚が両面印刷で、20枚が片面印刷である場合、両面印刷の割合は、80%である。
後述するように、濃度判定基準値を補正するための両面枚数条件や、リカバリー処理をするためのリカバリー条件などでは、両面印刷枚数RNを利用したものを示しているが、両面印刷枚数RNの代わりに、両面印刷の割合を利用してもよい。
すなわち、両面印刷の割合を利用して、濃度判定基準値を補正してもよく、リカバリー処理の有無を判断してもよい。
両面印刷枚数RN及び印刷総数NAは過去の所定の時間内での処理枚数としても良い。
トナー濃度値取得部22は、トナー濃度センサ15から取得される信号を利用して、現像装置に収容されているトナーのトナー濃度値を取得する部分である。
トナー濃度センサ15の出力値は、2成分現像剤に含まれるトナーの濃度に対応した数値を示しているので、この出力値をデジタル変換した数値を、トナー濃度値TDとして取得し、記憶部50に記憶する。
センサ出力振幅値取得部23は、トナー濃度センサ15から出力される信号から、その信号の大きさを示す振幅値(以下、センサ出力振幅値と呼ぶ)を取得する部分である。
現像装置に収容されている現像剤は、常に攪拌され、流動しているので、トナー濃度センサに接触するトナーの量が変化し、トナー濃度センサの出力値も変化する。
センサ出力振幅値とは、トナー濃度センサの出力値の最大値と最小値の差に相当する数値データであり、たとえば、トナー濃度センサの出力波形周期の最大値と最小値の差分を計算することで、センサ出力振幅値を求めることができる。
例えば振幅値は出力波形周期の1周期での最大値と最小値の差分を所定周期分で平均しても良いし、所定数の周期での最大値と最小値の差分としても良い。
センサ出力振幅値は、後述するように、濃度判定基準値補正部25によって補正された濃度判定基準値TH0を、さらに補正するための情報として利用される。
取得したセンサ出力振幅値は、センサ出力振幅値情報(AM)53として、記憶部50に記憶されるものとする。
一般的に、両面印刷が連続して行われると、現像装置等の温度が上昇するが、この温度の上昇に伴って、現像装置内にある現像剤の流動性が低下し、画像のガサツキ(印刷のかすれ)が発生する。
現像剤の流動性が低下した場合、2成分現像剤のうち、キャリア同士の反発が大きくなり、2成分現像剤が膨らんだ状態となる。
2成分現像剤が膨らんだ状態では、トナー濃度センサ近傍のキャリアの疎密変動が大きくなるので、トナー濃度センサの出力される信号の出力波形の振幅が大きくなる。
したがって、センサ出力振幅値の変化を検出すること(出力波形の振幅が大きくなること)によって、現像剤の流動性が低下していることが判断できるので、センサ出力振幅値は、濃度判定基準値TH0を補正するための情報として利用される。
また、センサ出力振幅値は、濃度判定基準値TH0を補正するための情報として利用することで、トナー濃度の制御の精度を、より向上させることができる。
濃度判定部24は、現像装置に収容されている現像剤のトナー濃度から、トナーを補給するかしないかを判定する部分である。
上記したように、トナー濃度値取得部22によって取得されたトナー濃度値TDと、所定の濃度判定基準値TH0との比較によって、トナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するか否かを判定する。
原則として、取得されたトナー濃度値TDが、濃度判定基準値TH0よりも大きくなった場合に(TD>TH0)、トナーを現像装置に補給するものと判定し、トナー補給部16が、トナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給する。
一方、トナー濃度値TDが、濃度判定基準値TH0以下となっている場合(TD≦TH0)、トナーを現像装置に補給しないものと判定し、トナーを現像装置に補給している状態で、トナー濃度値TDが、濃度判定基準値TH0以下となった場合には、そのトナーの補給を中止するものとする。
また、濃度判定基準値TH0が補正された場合は、その補正された濃度判定基準値TH0と、取得されたトナー濃度値TDとが比較される。
濃度判定基準値補正部25は、所定の条件を利用して、濃度判定基準値の補正値を決定し、濃度判定基準値TH0を補正する部分である。
特に、この発明では、両面印刷が要求された場合に、両面印刷をすることで得られた両面印刷履歴情報と、記憶部50に予め記憶された基準値補正情報とを利用して、濃度判定基準値TH0を補正する。
濃度判定基準値TH0の補正に、現像装置や感光体ドラム等の温度情報は、利用しないので、現像装置等の温度を検出ための温度センサは備えなくてもよい。したがって、温度センサを備えないことで、製品コストを抑えることができる。
基準値補正情報は、両面印刷を行うときに得られる両面印刷履歴情報を利用して設定された濃度判定基準値の補正条件とその補正条件を満たしたときの補正値とを対応付けた情報であり、後述する図3に示すような情報(HS1)である。
濃度判定基準値補正部25は、両面印刷が要求された場合に得られた両面印刷履歴情報が、基準値補正情報に設定された補正条件を満たした場合、その満たした補正条件に対応付けられた補正値によって濃度判定基準値TH0を補正する。
その後、取得されたトナー濃度値TDと、補正された濃度判定基準値TH0との比較によって、現像装置に収容されているトナーの濃度が制御される。
たとえば、両面印刷履歴情報が、両面印刷枚数RNであり、基準値補正情報HS1の補正条件として、両面印刷枚数の範囲(両面枚数条件)が設定されている場合、両面印刷が要求された場合に、両面印刷数測定部21によって計数された両面印刷枚数RNが、基準値補正情報HS1の補正条件に設定された両面印刷枚数の範囲に含まれている場合、その補正条件に対応付けられた補正値によって濃度判定基準値TH0を補正する。
後述するように、両面印刷数測定部21によって測定した両面印刷枚数RNと、図3に示す両面枚数条件と基準補正値KHとを対応付けて予め記憶した基準値補正情報HS1とを利用して、両面印刷枚数RNが満たす両面枚数条件に対応付けられた基準補正値KHに基づいて、濃度判定基準値TH0を補正する。
このように、連続して両面印刷を行う印刷用紙の枚数(両面印刷枚数RN)によって、トナーを補給するかしないかを判定する比較値である濃度判定基準値TH0を変化させることで、トナーの濃度の誤判定を抑制する。
この場合、たとえば、図3の基準値補正情報HS1に示すように、両面印刷枚数RNが多いほど、濃度判定基準値TH0が小さくなるように、濃度判定基準値TH0を補正する。
濃度判定基準値TH0を小さくなるように変更することで、トナーを補給するかしないかを判定する比較値を低く設定し、トナー濃度が高いと判定する基準(トナーを補給することにする基準)を下げて、トナー濃度が高いという誤判定がされにくくする。
濃度判定基準値TH0を補正するいくつかの実施例の詳細については、後述する。
振幅比算出部26は、センサ出力振幅値取得部23によって取得されたセンサ出力振幅値に対応した振幅比(以下、振幅比情報と呼ぶ)を算出する部分である。
振幅比は、取得された現在のセンサ出力振幅値53と、所定の標準現像剤を利用して取得したセンサ出力振幅値である振幅比較値63との比とから算出される。
標準現像剤とは、たとえば、マシン出荷時に封入された初期状態の現像剤を意味する。
後述するように、算出する振幅比である振幅比情報54をAMR、現在のセンサ出力振幅値であるセンサ出力振幅値情報53をAM、標準現像剤を利用して取得したセンサ出力振幅値情報である振幅比較値63をAM0とした場合、振幅比情報54(AMR)は、AM/AM0によって算出される(AMR=AM/AM0)。
振幅比情報54(AMR)は、濃度判定基準値TH0を補正するための情報であるが、たとえば、後述する図5に示すような振幅比補正情報64を利用して、濃度判定基準値補正部25によって補正された濃度判定基準値TH0を、算出された振幅比情報AMRの大きさに対応させて補正する。
センサ出力振幅値情報53は、それ自体で、濃度判定基準値TH0を補正するための情報として利用されるが、センサ出力振幅値情報53よりも、振幅比情報54を利用することが好ましい場合もある。
たとえば、現像剤の流動性が低下して、トナー濃度センサ近傍のキャリアの疎密変動が大きくなる場合には、センサ出力振幅値をそのまま利用するよりも、センサ出力振幅値に対応した振幅比を利用することが好ましい。
これは、標準現像剤で取得した基準振幅値と現在の出力振幅値との比較で得られる振幅比を利用したほうが、トナー濃度センサの個体差や現像槽のセンサ取付位置の個体差に基づくセンサ出力の個体差による影響を取り除いて、現像剤の疎密変動の変化を精度よく検出できるからである。
キャリアの疎密変動が大きくなるほど、振幅比は100%以上になるので、後述する図5に示すような振幅比条件を利用して、濃度判定基準値TH0を補正する。
センサ出力振幅値に対応した振幅比を、濃度判定基準値TH0を補正するための情報として利用することでも、トナー濃度の制御の精度を、より向上させることができる。
平均印字率取得部27は、印刷する原稿から読み取った画像データを印刷用紙に印刷するときの平均印字率を算出する部分である。
印刷原稿から読み取った画像データには、文字や画像等の情報が存在する部分と、何も記載されていない空白部分とがあるが、情報が存在する部分の印刷にトナーが使用されるので、トナーの使用量を判断する情報として、この読み取った画像データのうち、文字等の情報が存在する部分の割合(平均印字率)を算出する。
たとえば、原稿が原稿台に載置され印刷することが要求された場合、原稿が読み取られ、画像データが生成されるが、画像データは、情報のある部分と情報のない部分に分けられる。情報のある部分は、読み取られた原稿の画素数に対応するので、画像データ全体の画像数IMG0に対して、情報のある部分の画素数IMGの割合を計算し(IMG/IMG0)、これを平均印字率PRとして取得する。
一般的に、ほとんどの情報が文字からなる原稿では、平均印字率PRは、1%から10%程度である。
平均印字率PRは、後述するように、リカバリー処理等で使用される。
リカバリー判定部28は、リカバリー処理をするべきか否かを判定する部分である。
たとえば、両面印刷が要求された場合に得られた両面印刷履歴情報と、算出された平均印字率とが、所定のリカバリー判定条件を満たすか否かを判定する。
また、リカバリー判定部28は、両面印刷履歴情報によって、所定枚数を超える両面印刷が連続して行われていると判断され、かつ、平均印字率が、所定の印字率よりも少ない場合に、リカバリー判定条件を満たすと判定する。
この場合、両面印刷履歴情報としては、両面印刷枚数RNが利用される。
リカバリー処理とは、現像装置に滞留しているトナーを入れ替える処理であり、所定枚数の印刷用紙に印刷を行うことで、強制的にトナーを消費させ、新しいトナーをトナーカートリッジから補給させる処理である。
リカバリー処理で行う印刷を、リカバリー印刷と呼ぶ。
リカバリー処理では、たとえば、所定枚数の印刷用紙全体に、各色情報を印刷するベタ吐き動作を実行するものとする。
特に、連続的に両面印刷を行う場合に、1枚の印刷用紙に印刷される情報の平均印字率が少ない低印字状態の場合、現像装置に存在するトナーの消費量が少ないので、現像装置に存在するトナーの流動性が低下しやすい。
トナーの流動性の低下は、現像装置に存在するトナーの入替が少ないため、現像装置や現像剤等の温度上昇を促進することになり、印刷される画像にガサツキ(印刷のかすれ)が発生しやすくなる。
また、現像装置等の温度が上昇することで、トナー濃度センサの出力値である透磁率が下がり、出力値が所定の基準値よりも小さくなってしまった場合には、トナー濃度が高いと誤判定される場合がある。
そこで、画像のガサツキの防止と、トナー濃度の誤判定の抑制をするために、リカバリー処理を行い、現像装置に存在するトナーを強制的に消費させ、消費したトナーとほぼ同量の新しいトナーを補給させる。
リカバリー処理をするべきか否かの判定は、たとえば、上記した両面印刷枚数RNと、平均印字率PRとが、予め設定された判定条件を満たすか否かで判定してもよい。
あるいは、後述するように、両面印刷枚数RNと平均印字率PRの判定条件に加えて、振幅比算出部26によって算出された振幅比情報AMRが、所定の振幅比比較情報AMR0以上である場合に、リカバリー判定条件を満たすと判定してもよい。
判定条件の具体例については後述する。
リカバリー実行部29は、上記したリカバリー処理を実行する部分である。
リカバリー判定部28によって、リカバリー判定条件を満たすと判定された場合に、現像装置に滞留している2成分現像剤に含まれるトナーを新しいトナーに入れ替えるリカバリー処理を実行する。
たとえば、リカバリー印刷(ベタ吐き動作)を実行する。
リカバリー処理を実行することで、現像装置に存在するトナーが、新しいトナーに入れ替わるので、印刷画像のガサツキが抑制され、トナー濃度の誤判定も抑制される。
トナー残量情報取得部30は、トナーカートリッジから、トナーカートリッジに収容されたトナーの残量に相当する情報(トナー残量情報)を取得する部分である。
トナーカートリッジには、トナーを外部に排出させる機構を駆動するモータが備えられ、このモータの回転数(カートリッジ回転数)を計測することで、トナー残量に相当する情報が取得できる。
トナーカートリッジが新品の状態から現在までのカートリッジ回転数の累積数と、トナーカートリッジに現在存在するトナーの残量とはほぼ対応するので、カートリッジ回転数の累積数をカウントすることで、トナーカートリッジに現在存在するトナーの残量をほぼ特定することができる。
そこで、トナー残量に相当する情報として、トナーカートリッジからカートリッジ回転数を取得し、取得したカートリッジ回転数の累積数を利用して、トナーカートリッジのトナー残量を計算する。
計算されたトナー残量は、トナー残量情報TR56として、記憶部50に記憶される。
あるいは、トナーカートリッジには、記憶素子が備えられ、カートリッジ回転数やトナー残量に相当する情報が記憶されるものがあるので、トナーカートリッジの記憶素子から、カートリッジ回転数やトナー残量に相当する情報を読み出してもよい。
トナー残量情報TR56は、後述するトナー残量確認処理で利用される。
トナー残量判定部31は、トナーカートリッジ内のトナーがほとんど空であるか否かをチェックするトナー残量判定処理をするかしないかを判定する部分である。
たとえば、両面印刷が要求された場合に得られた両面印刷履歴情報と、算出された平均印字率と、取得されたトナー残量情報とが、所定のトナー残量判定条件を満たすか否かを判定する。
また、トナー残量判定部31は、両面印刷履歴情報によって、所定枚数を超える両面印刷が連続して行われていると判断され、かつ、平均印字率PRが、所定の印字率比較情報よりも少なく、かつ、トナー残量情報TR56が、所定のトナー残量比較情報よりも少ない場合に、トナー残量判定条件を満たすと判定する。
その後、トナーカートリッジから現像装置にトナーを補給しても、トナー濃度値が増加しない場合には、たとえば、後述するトナー残量警告部32が、トナーカートリッジの交換を要求する警告を通知する。
上記したトナー残量判定処理では、主に、トナーカートリッジからトナーを補給する処理をした場合に、現像装置内のトナー濃度が回復するか否かを判定し、トナー濃度が所定値以上に増加しない場合に、印刷処理を中止する。
一般的に、現像装置内のトナーの量が減少していることは、トナー濃度センサの出力値をチェックすることで判断できる。
現像装置内のトナーの量が減少すると、現像装置内のトナー濃度が低下するので、トナー濃度センサの出力値(トナー濃度値TD)が上昇する。
このトナー濃度値TDが所定値以上に上昇した場合に、トナーカートリッジ内のトナーが空であるか否かをチェックすればよい。
しかし、両面印刷が連続して行われ、しかも、各印刷用紙の平均印字率がかなり低い場合には、上記したように、現像剤の流動性が低下し、実際にはトナー濃度が低下しているにもかかわらす、トナー濃度センサの出力値(トナー濃度値TD)が上昇せずに誤判定され、トナーカートリッジ内のトナーがほとんど空であるか否かをチェックするトナー残量判定処理が行われない場合がある。
そこで、特に、両面印刷が連続して行われる場合に起こりうる誤判定を回避するために、トナー残量判定部31による判定を行う。
トナー残量判定部31の判定では、後述するように、上記した両面印刷枚数RNと、平均印字率PRと、トナー残量情報TRとが、予め設定された判定条件を満たすか否かで、判定を行なってもよい。
あるいは、これらの平均印字率PRの判定条件に加えて、振幅比情報AMRが、予め設定された判定条件を満たす場合に、トナー残量判定処理をすると判定してもよい。
判定条件の具体例については後述する。
トナー残量警告部32は、トナー残量判定処理によって、トナーカートリッジがほとんど空であると判定された場合に、トナーカートリッジのトナー残量が少なくなっていることや、トナーカートリッジの交換を要求することなどの警告を通知する部分である。
たとえば、トナーカートリッジがほとんど空であるので、トナーカートリッジを交換することを要求するメッセージを表示部13に表示する。
あるいは、トナーカートリッジの交換要求を音声で通知したり、画像形成装置の管理担当者の携帯端末などに、トナーカートリッジの交換要求を意味するデータを送信したりしてもよい。
記憶部50は、この発明の画像処理装置の各機能を実行するために必要な情報やプログラムを記憶する部分であり、一般的には、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの半導体記憶素子、HDDやSSDなどの記憶装置、その他の記憶媒体が用いられる。
たとえば、変更されることのないプログラムや設定データなどの記憶には、ROMなどの書き換えることのできないメモリが利用される。
また、画像処理装置の各機能を実行するときに書き換えられる情報や、一時的に記憶される情報などの記憶には、読み出しおよび書き換えが可能なメモリであるRAMやHDDなどの記憶装置が利用できる。
記憶部50には、たとえば、トナー濃度値51、両面印刷枚数52、センサ出力振幅値情報53、振幅比情報54、平均印字率55、トナー残量情報56、濃度判定基準値61、基準値補正情報62、振幅比較値63、振幅比補正情報64、リカバリー判定情報65、トナー残量判定情報66などが記憶される。
トナー濃度値51は、トナー濃度センサ15から出力される信号の出力値から得られる情報(TD)であり、上記したトナー濃度値取得部22によって取得される。
両面印刷枚数52は、原則として、連続して両面印刷が行われる場合に、両面印刷を行う印刷用紙の枚数(RN)であり、両面印刷数測定部21によって計数される。
ただし、連続して両面印刷が行われない場合でも、両面印刷と片面印刷とが混在して行われる場合には、両面印刷が行われるときに1を加算し、片面印刷が行われるときに1を減算して、両面印刷枚数を計数する。
センサ出力振幅値情報53は、トナー濃度センサの出力値から、その振幅の大きさを測定した数値情報(以下、センサ振幅値、AMとも呼ぶ)であり、センサ出力振幅値取得部23によって、取得される。
振幅比情報54は、取得された現在のセンサ出力振幅値と、標準現像剤を利用して取得したセンサ出力振幅値情報とから算出される情報である。
図4に示すように、振幅比情報54をAMR、現在のセンサ出力振幅値であるセンサ出力振幅値情報(センサ振幅値)53をAM、標準現像剤を利用して取得したセンサ出力振幅値情報である振幅比較値63をAM0とした場合、振幅比情報54(AMR)は、AM/AM0によって算出される(AMR=AM/AM0)。
平均印字率55は、印刷原稿から読み取った画像データのうち、文字等の情報が存在する部分の割合(PR:%)であり、平均印字率取得部27によって算出される。
平均印字率55(PR)が高いと、1枚の原稿において、文字等の情報が記載されている部分が多く、その原稿を印刷する場合に、より多くのトナーを必要とする。
一方、平均印字率55(PR)が低い場合、1枚の原稿において、文字等の情報が記載されている部分が比較的少なく、その原稿を印刷する場合は、トナーの消費量は少なく、トナーの補給も少なく、トナーの流動性が低い。
たとえば、平均印字率55(PR)が、3%程度以下という非常に低い状態で、連続して両面印刷が行われる場合には、トナーの入替を行うために、リカバリー処理を行うことが好ましい。
トナー残量情報56は、トナーカートリッジのトナー残量に相当する情報(TR)であり、トナー残量情報取得部30によって取得される。
トナーカートリッジに記憶媒体が備えられてあり、そこにトナー残量に相当する情報が記憶される場合には、トナー残量情報56(TR)は、トナーカートリッジの記憶媒体から読み出されて取得される。
濃度判定基準値61は、トナー濃度値取得部22によって取得されたトナー濃度値TDと比較する情報(TH0)である。
図2に、濃度判定基準値61の実施例の説明図を示す。
図2では、濃度判定基準値61(TH0)の実施例として、128(CNT)を示している。たとえば、標準現像剤で取得した値を濃度判定基準値として登録し、上記取得時の出力電圧値をAD変換した値を用いる。
トナー濃度値TDが比較的高い値であれば、トナー濃度が低いことを示しているので、たとえば、トナー濃度値TDが、濃度判定基準値TH0よりも大きくなった場合には(TD>TH0)、現像装置内のトナーの濃度が低下していることを意味し、トナーが、トナーカートリッジから現像装置に補給される。
濃度判定基準値61(TH0)の初期値は、固定値として予め記憶部50に記憶してもよい。
ただし、新しい現像剤が現像装置に装着された場合に、トナー濃度センサ15の出力値を測定し、この出力値から取得されたトナー濃度値TDを、濃度判定基準値61(TH0)の初期値として、記憶してもよい。
図12に、濃度判定基準値の初期設定処理の一実施例のフローチャートを示す。
図12のステップS1において、新しい標準現像剤を装着したときに、トナー濃度センサ15の出力値を測定し、トナー濃度値取得部22が、この出力値からトナー濃度値TDを取得する。
ステップS2において、取得されたトナー濃度値TDを、濃度判定基準値61(TH0)の初期値として、記憶する。
このときに、判定基準値を取得して記録する動作を実施しないと印字動作を出来なくすることで、判定基準値の登録が完了しているかチェックする。
濃度判定基準値61(TH0)の初期値は、原則として固定値であり、濃度判定基準値TH0と、その後に取得されるトナー濃度値TDとを比較することにより、トナーをトナーカートリッジから現像装置に補給するか否かが判断される。
この発明では、濃度判定基準値61(TH0)は、両面印刷が連続して行われる場合に、後述するような所定の条件に基づいて補正される。
ただし、濃度判定基準値TH0が補正されても、濃度判定基準値TH0を初期値に戻すことができるように、濃度判定基準値TH0の初期値は、初期設定処理以外の処理で変更されることがないように、記憶部50に記憶しておくものとする。
図13に、トナー補給処理の一実施例のフローチャートを示す。
図13のステップS11において、トナー濃度センサ15の出力値を測定し、トナー濃度値取得部22が、この出力値からトナー濃度値TDを取得する。
ステップS12において、濃度判定基準値TH0を、記憶部50から読み出す。
ここでは、濃度判定基準値TH0が初期値のまま補正されていない場合は、濃度判定基準値TH0の初期値が読み出される。
一方、後述する濃度判定基準値の補正処理で、濃度判定基準値TH0が補正されている場合は、補正後の濃度判定基準値TH0が読み出される。
ステップS13において、取得したトナー濃度値TDと、濃度判定基準値TH0とを比較する。
ステップS14において、取得したトナー濃度が、所定の基準値よりも低い場合、すなわち、トナー濃度値TDが、濃度判定基準値TH0よりも大きい場合(TD>TH0)、ステップS15に進み、そうでない場合は、ステップS11に戻る。
ステップS15において、トナーを、トナーカートリッジから現像装置に補給する。
以後、ステップS11に戻り、上記した処理が繰り返される。
図13に示したトナー補給処理は、後述する印刷処理とは独立したタスクとして実行されるものとする。
基準値補正情報62は、濃度判定基準値TH0を補正するための条件を設定した情報である。
図3に、画像形成装置の記憶部に記憶される情報(基準値補正情報62)の一実施例の説明図を示す。
ここでは、両面印刷枚数RNを利用して濃度判定基準値TH0を補正する場合の情報を示している。
図3の基準値補正情報62は、両面印刷枚数RNに関する条件(両面枚数条件)と、基準補正値KHとからなり、両面枚数条件に対応付けて、基準補正値KHが予め設定記憶されている。
たとえば、両面印刷枚数RNが、0以上で、所定値N1よりも少ない場合に、基準補正値KHとして、H00が設定されることを意味する。
また、両面印刷枚数RNが、所定値N1以上で、所定値N2よりも少ない場合に、基準補正値KHとして、H01が設定されることを意味する。
図3の基準値補正情報62には、両面枚数条件と、基準補正値KHの具体例も示している。ただし、図3に示した具体例の数値は、一実施例であり、これらの数値に限定されるものではない。
たとえば、両面印刷枚数RNが、0以上で、300枚よりも少ない場合に、基準補正値KHとして、0が設定されることを意味する。
基準補正値KHが0の場合、濃度判定基準値TH0は補正しないことを意味するものとする。
また、両面印刷枚数RNが、300枚以上で、500枚よりも少ない場合に、基準補正値KHとして、濃度判定基準値TH0を10%減少させることが設定されている。
この基準補正値KHが採用される場合、濃度判定基準値TH0の初期値から10%減少させた数値が、濃度判定基準値TH0に設定されることを意味する。
また、同様に、両面印刷枚数RNが、500枚以上で、750枚よりも少ない場合に、基準補正値KHとして、濃度判定基準値TH0を20%減少させることが設定されている。
この基準補正値KHが採用される場合、濃度判定基準値TH0の初期値から20%減少させた数値が、濃度判定基準値TH0に設定されることを意味する。
さらに、両面印刷枚数RNが、750枚以上で、950枚よりも少ない場合は、基準補正値KHとして、濃度判定基準値TH0を30%減少させることが設定されているので、濃度判定基準値TH0の初期値から30%減少させた数値が、濃度判定基準値TH0に設定されることを意味する。
このように、両面印刷枚数RNが増加するに従って、濃度判定基準値TH0の初期値から所定量だけ減少させた数値を、濃度判定基準値TH0に設定し、濃度判定基準値TH0を補正する。
この補正により、トナーを補給するトナー濃度の基準値を下げることによって、実際にはトナー濃度が補給の基準を超えるほどトナーが減少しているのに、トナー濃度が補給の基準に達していないと判断されることを防止し、両面印刷が連続して行われる場合に、起こりうるトナー濃度の誤判定を抑制することができる。
振幅比較値63は、上記したように、標準現像剤を利用して取得したセンサ出力振幅値情報AM0である。振幅比較値63(AM0)は、記憶部50に予め設定記憶される固定値であり、たとえば、標準現像剤のトナー濃度センサの出力波形周期を計測し、上記波形の最大値と最小値の差分を計算することで求められる。
振幅比較値AM0は、上記したように、振幅比情報54(AMR)を算出するときに利用される。
振幅比補正情報64は、濃度判定基準値TH0を補正するための条件を設定した情報であり、振幅比情報AMRを利用して濃度判定基準値TH0を補正する場合の情報である。
図5に、画像形成装置の記憶部に記憶される情報(振幅比補正情報64)の一実施例の説明図を示す。
図5の振幅比補正情報64は、振幅比情報AMRに関する条件(振幅比条件)と、基準補正値KH2とからなり、振幅比条件に対応付けて、基準補正値KH2が予め設定記憶されている。
たとえば、振幅比情報AMRが、0以上で、所定値N1以下の場合に、基準補正値KH2として、H10が設定されることを意味する。
また、振幅比情報AMRが、所定値N1よりも大きく、所定値N2以下の場合に、基準補正値KH2として、H11が設定されることを意味する。
上記した図3に示す基準値補正情報62の両面枚数条件を利用して、両面印刷枚数RNに対応する基準補正値KHに基づいて濃度判定基準値TH0が補正されることを示したが、ここでは、両面印刷枚数RNに対応する基準補正値KHに基づいて補正された濃度判定基準値TH0(参照補正値と呼ぶ)を、さらに、図5の振幅比補正情報64の基準補正値KH2に基づいて補正するものとする。
すなわち、両面印刷枚数RNに対応する基準補正値KHに基づいて補正された濃度判定基準値TH0(参照補正値)を、センサ振幅値から求めた振幅比情報AMRを利用して、さらに補正する。
図5の振幅比補正情報64には、振幅比条件と基準補正値KHの具体例も示している。ただし、図5に示した具体例の数値は、一実施例であり、これらの数値に限定されるものではない。
振幅比条件と基準補正値KHの具体例の数値は固定値でもよいが、画像形成装置の管理担当者が、必要に応じて、変更できるようにしてもよい。
図5の振幅比補正情報64において、たとえば、振幅比情報AMRが、0以上で、100%以下の場合に、基準補正値KHとして、0が設定されることを意味する。
基準補正値KHが0の場合、濃度判定基準値TH0は補正しないことを意味し、参照補正値も補正しないことを意味するものとする。
また、振幅比情報AMRが、100%よりも大きく、120%以下の場合に、基準補正値KHとして、100%の補正値を採用することが設定されている。
100%の補正値とは、参照補正値の100%の数値を、濃度判定基準値TH0に設定することを意味する。
この場合、参照補正値の数値が、そのまま濃度判定基準値TH0として採用され、参照補正値の補正は行われない。
また、振幅比情報AMRが、120%よりも大きく、150%以下の場合に、基準補正値KHとして、85%から95%の間の補正値を採用することが設定されている。
85%から95%の間の補正値とは、参照補正値の85%から95%の間の数値を、濃度判定基準値TH0に設定することを意味する。
85%から95%の間という範囲を設けるのは、現像剤の種類によって流動性低下の割合が異なるためである。
振幅比情報AMRの実際の数値に対応させて、85%から95%の間の数値が、参照補正値の補正値として選択される。
この場合、参照補正値の数値が、振幅比情報AMRによって補正され、濃度判定基準値TH0がさらに補正される。
同様に、振幅比情報AMRが、150%よりも大きい場合、基準補正値KHとして、75%から84%の間の補正値を採用することが設定されている。
75%から84%の間の補正値とは、参照補正値の75%から84%の間の数値を、濃度判定基準値TH0に設定することを意味し、振幅比情報AMRの実際の数値に対応させて、75%から84%の間の数値が、参照補正値の補正値として選択される。
この場合も、参照補正値の数値が、振幅比情報AMRによって補正され、濃度判定基準値TH0がさらに補正される。
なお、図5の振幅比補正情報64において、濃度判定基準値TH0を補正しない場合の振幅比条件のN1の数値として、100%としているが、これに限るものではない。
トナー濃度センサの出力値は、設置されているマシン環境や現像剤ライフ等によって流動性が若干変動するために、ばらつくことがあるので、出力値のバラツキを考慮して、N1の数値として、たとえば、95%を採用してもよい。
N1の数値として、95%を採用するのは、上記センサ出力のばらつきを考慮してであるが、100%以外の数値を設定するのが好ましく、90%から100%程度の値を、N1に設定してもよい。
このように、振幅比情報AMRを利用して、さらに、両面印刷枚数RNに対応する基準補正値KHに基づいて補正された濃度判定基準値TH0(参照補正値)を、図5の振幅比補正情報64の基準補正値KH2に基づいて補正することにより、流動性低下度合いを検出できるので、濃度判定基準値TH0の補正の精度を向上させることができ、両面印刷が連続して行われる場合に起こりうるトナー濃度の誤判定を、より抑制することができる。
リカバリー判定情報65は、リカバリー処理を行うための条件を示した情報である。
リカバリー判定情報65には、たとえは、両面枚数比較情報RN0と、印字率比較情報PR0と、振幅比比較情報AMR0が含まれる。
図6と、図7と、図8に、画像形成装置の記憶部に記憶される情報(リカバリー判定情報65)の一実施例の説明図を示す。
なお、図6から図8に示したリカバリー判定情報65の数値は、一実施例であり、これらの数値に限定されるものではない。
リカバリー判定情報65の数値は固定値でもよいが、画像形成装置の管理担当者が、必要に応じて、変更できるようにしてもよい。
図6に示す振幅比比較情報AMR0は、振幅比情報AMRと比較する情報である。
図6では、振幅比比較情報AMR0の具体例として、150%を示している。
この場合、振幅比情報AMRが、振幅比比較情報AMR0である150%よりも大きい場合に、リカバリー処理をしたほうがよいことを意味する。
後述する図17と図18に示すリカバリー処理のフローチャートでは、振幅比情報AMRを利用しないものと利用するものを示す。
振幅比情報AMRを利用してリカバリー処理の有無を判断する場合は、実際に現像剤の流動性低下を検出しリカバリー動作の必要可否を正確に判断できるので、リカバリー処理を抑制することができ、リカバリー印刷(ベタ吐き)で使用されるトナーが無駄に消費されないようにすることができる。
図6に示す両面枚数比較情報RN0は、両面印刷枚数RNと比較する情報であり、両面印刷枚数RNに対するリカバリー判定条件が予め設定記憶される。
図7に、リカバリー判定情報65のうち、両面枚数比較情報RN0の一実施例の説明図を示す。
図7の両面枚数比較情報RN0には、画像形成装置の機種性能(MFP機種性能)に対応した両面枚数比較値RNHと、リカバリー判定条件を示している。
測定された両面印刷枚数RNが、リカバリー判定条件を満たす場合に、リカバリー処理が必要であると判断される。
ただし、実際にリカバリー処理を実行するか否かの判定は、リカバリー判定条件に加えて、後述する印字率比較情報PR0の印字率比較条件と、振幅比比較情報AMR0も考慮して行うものとする。
図7の画像形成装置の機種性能(MFP機種性能)には、画像形成装置の単位時間当たりの印刷枚数を示している。
たとえば、「30枚以下の機種」は、1分あたりの印刷枚数が、30枚以下であることを意味する。
また、「30≦機種枚数≦44」は、1分あたりの印刷枚数が、30枚以上で44枚以下の機種であることを意味する。
図7の両面枚数比較情報RN0において、「30枚以下の機種」では、両面枚数比較値RNHとして、250枚が設定されており、リカバリー判定条件として、RN>250が設定されている。
これは、画像形成装置の機種性能が「30枚以下の機種」の場合、両面印刷枚数RNが250を超える両面印刷が行われた場合に、リカバリー処理をすべきであることを意味する。
また、図7の両面枚数比較情報RN0において、画像形成装置の機種性能が「30≦機種枚数≦44」の場合、リカバリー判定条件として、RN>500が設定されているので、両面印刷枚数RNが500を超える両面印刷が行われた場合に、リカバリー処理をすべきであることを意味する。
同様に、画像形成装置の機種性能が「45≦機種枚数≦59」の場合、リカバリー判定条件として、RN>1000が設定されているので、両面印刷枚数RNが1000を超える両面印刷が行われた場合に、リカバリー処理をすべきであることを意味する。
図6に示す印字率比較情報PR0は、平均印字率PRと比較する情報であり、平均印字率PRに対する印字率比較条件が予め設定記憶される。
図8に、リカバリー判定情報65のうち、印字率比較情報PR0の一実施例の説明図を示す。
図8の印字率比較情報PR0には、印字率比較条件と、リカバリー印刷枚数を示している。
変数Tは、リカバリー処理を行う場合の印刷用紙の枚数(基準枚数)であり、予め記憶部50に記憶される。
また、図8には、基準枚数Tに3が設定されている場合のリカバリー印刷枚数の具体例の数値も示している。
算出された平均印字率PRが印字率比較条件を満たす場合に、対応するリカバリー印刷枚数に設定された枚数の印刷用紙に、いわゆるベタ吐きに相当する印刷が行われる。
たとえば、読み取られた原稿の平均印字率PRが1%未満である場合、リカバリー印刷枚数は、T+2である。
これは、読み取られた原稿の平均印字率PRが1%未満である場合に、リカバリー処理を行うときは、T+2枚の印刷用紙に、リカバリー印刷(ベタ吐き)が行われることを意味する。
基準枚数Tが3の場合は、5枚の印刷用紙に、リカバリー印刷(ベタ吐き)が行われる
また、読み取られた原稿の平均印字率PRが1%以上2%未満である場合、リカバリー印刷枚数は、T+1であり、リカバリー処理を行うときは、T+1枚の印刷用紙に、リカバリー印刷(ベタ吐き)が行われることを意味する。基準枚数Tが3の場合は、4枚の印刷用紙に、リカバリー印刷(ベタ吐き)が行われる。
同様に、読み取られた原稿の平均印字率PRが2%以上3%未満である場合、リカバリー印刷枚数は、Tであり、リカバリー処理を行うときは、T枚の印刷用紙に、リカバリー印刷(ベタ吐き)が行われることを意味する。基準枚数Tが3の場合は、3枚の印刷用紙に、リカバリー印刷(ベタ吐き)が行われる。
さらに、読み取られた原稿の平均印字率PRが3%以上である場合、リカバリー印刷枚数は、ゼロであり、この場合は、リカバリー処理を行わないことを意味する。
図8の印字率比較情報PR0の印字率比較条件では、平均印字率PRが少ないほど、リカバリー処理を行う印刷枚数を多くし、平均印字率PRが3%以上で比較的多い場合は、リカバリー処理を行わないようにしている。
このように、平均印字率PRが少ないほどリカバリー処理を行う印刷枚数を多くしているのは、平均印字率PRがより少ない両面印刷が連続して行われる場合に、現像装置内の現像剤の流動性が低下することに起因するトナー濃度の誤判定が行われる可能性が高くなるためである。
リカバリー処理を行う印刷枚数を多くすることにより、現像装置内のトナーの入替を行い、現像装置内の現像剤の流動性を向上させることで、その後の両面印刷を行うときに、トナー濃度の誤判定が行われることを抑制することができる。
トナー残量判定情報66は、トナー残量判定部31が、トナーカートリッジ内のトナーがほとんど空であるか否かをチェックするトナー残量判定処理をするかしないかを判定するために利用する情報である。
トナー残量判定情報66には、たとえは、両面枚数比較情報RN1と、印字率比較情報PR1と、振幅比比較情報AMR1と、トナー残量比較情報TR1が含まれる。
図9と図10に、画像形成装置の記憶部に記憶される情報(トナー残量判定情報66)の一実施例の説明図を示す。
図9には、印字率比較情報PR1と、振幅比比較情報AMR1と、トナー残量比較情報TR1の具体例の数値も示している。
なお、図9と図10に示したトナー残量判定情報66の数値は、一実施例であり、これらの数値に限定されるものではない。
トナー残量判定情報66の数値は固定値でもよいが、画像形成装置の管理担当者が、必要に応じて、変更できるようにしてもよい。
図9に示す両面枚数比較情報RN1は、両面印刷枚数RNと比較する情報であり、両面印刷枚数RNに対するトナー残量判定条件が予め設定記憶される。
図10に、トナー残量判定情報66のうち、両面枚数比較情報RN1の一実施例の説明図を示す。
図10の両面枚数比較情報RN1には、画像形成装置の機種性能(MFP機種性能)に対応した両面枚数比較値RNHと、トナー残量判定条件を示している。
測定された両面印刷枚数RNが、トナー残量判定条件を満たす場合に、トナー残量判定処理が必要であると判断される。
ただし、実際にトナー残量判定処理を実行するか否かの判定は、トナー残量判定条件に加えて、印字率比較情報PR1と、振幅比比較情報AMR1と、トナー残量比較情報TR1も考慮して行うものとする。
図10の画像形成装置の機種性能(MFP機種性能)には、図7に示した情報と同様に、画像形成装置の単位時間当たりの印刷枚数を示している。
また、図10の両面枚数比較値RNHも、図7に示した数値と同様であり、図10のトナー残量判定条件は、図7のリカバリー判定条件と同じ数値条件を示している。
ただし、図10の両面枚数比較値RNHとトナー残量判定条件としては、図7と異なる情報を設定してもよい。
図9に示す印字率比較情報PR1は、平均印字率PRと比較する情報である。
図9では、印字率比較情報PR1の具体例として、2.5%を示している。
この場合、平均印字率PRが、印字率比較情報PR1である2.5%よりも小さい場合に、トナー残量判定処理をしたほうがよいと判断される。
図9に示すトナー残量比較情報TR1は、トナー残量情報TRと比較する情報である。
図9では、トナー残量比較情報TR1の具体例として、1.0%を示している。
この場合、トナー残量情報TRが、トナー残量比較情報TR1である1.0%よりも小さい場合に、トナー残量判定処理をしたほうがよいと判断される。
図9に示す振幅比比較情報AMR1は、振幅比情報AMRと比較する情報である。
図9では、振幅比比較情報AMR1の具体例として、120%を示している。
この場合、振幅比情報AMRが、振幅比比較情報AMR1である120%以上の場合に、トナー残量判定処理をしたほうがよいと判断される。
後述する図19と図20に示すトナー残量確認処理のフローチャートでは、振幅比情報AMRを利用しないものと利用するものを示す。
振幅比情報AMRを利用してトナー残量判定処理の有無を判断する場合は、実際に現像剤の流動性低下を検出し、トナー濃度センサ出力の誤検知を確認できるので、トナー残量判定処理の実行の必要可否を精度よく判断することができる。
たとえば、振幅比情報AMRが、振幅比比較情報AMR1よりも小さい場合には、トナー残量判定処理を行わないので、後述する図21に示すトナー残量判定処理でのトナー補給処理で消費されるはずのトナーを節約できる。
<画像形成装置の印刷処理の実施例>
ここでは、画像形成装置の印刷処理であって、濃度判定基準値TH0の補正処理を含む印刷処理の実施例を説明する。
印刷処理は、主として、印刷ジョブが入力されて、印刷指示入力がされた場合に、現在設定されている印刷設定項目の設定内容にしたがって、実行されるが、以下の実施例では、印刷設定項目のうち、両面印刷をする設定がされた場合の印刷処理について説明する。
また、画像形成装置の電源が切断されたときに、電源が切断されてからの経過時間(電源切断経過時間)の計測を開始するものとし、電源切断中も、電源切断経過時間の計測を継続するものとする。電源切断経過時間は、記憶部50の不揮発性のメモリに記憶される。
画像形成装置の電源が切断された場合、印刷処理は実行されないので、現像装置や現像剤の温度が上昇することはない。
電源の切断後、所定時間(たとえば、6時間以上)が経過した場合、その後に、画像形成装置の電源が投入され、印刷処理を開始する場合には、現像剤の熱履歴が解消されて流動性が回復しているので、連続した両面印刷をする場合に発生する可能性のあるトナー濃度の誤判定が起こらないと考えられる。
そこで、画像形成装置の電源が投入されたときに、電源切断経過時間を確認する。
電源が切断された後、所定時間以上が経過して、画像形成装置の電源が投入された場合には、濃度判定基準値TH0を、補正されていない所定の初期値に戻す。
すなわち、電源切断経過時間が所定時間以上となっている電源の投入直後は、補正されていない濃度判定基準値TH0を利用して、トナー濃度の判定を行うものとする。
図14に、画像形成装置の印刷処理の一実施例のフローチャートを示す。
図14では、電源切断経過時間と比較する所定時間を、6時間とするが、この時間に限定するものではなく、画像形成装置の管理担当者が設定変更できるようにしてもよい。
図14のステップS21において、画像形成装置を起動させる。
ユーザーが、電源スイッチを操作して、画像形成装置の電源を投入する。
これにより、画像形成装置の機能を実行するのに必要なハードとソフトが起動される。
ステップS22において、記憶部50に記憶されている電源切断経過時間を取得する。
ステップS23において、電源切断経過時間が、6時間以上であるは否かをチェックし、電源切断経過時間が6時間以上の場合、ステップS24に進み、そうでない場合は、ステップS25に進む。
ステップS24において、濃度判定基準値TH0を初期化し、記憶部50に記憶されている濃度判定基準値TH0の初期値に戻す。
ここで、濃度判定や、濃度判定基準値の補正に関係する情報を、初期化してもよい。
たとえば、両面印刷枚数RNを、ゼロに初期化する。
また、画像形成装置が起動したので、電源切断経過時間をゼロに初期化してもよい。
ステップS25において、印刷ジョブ情報が入力されるか否かをチェックする。
たとえば、ユーザーが、印刷しようとする原稿を原稿台に載置して、原稿サイズの指定、印刷枚数の指定、両面または片面の指定、印刷用紙の指定、縮小率の指定など、印刷設定項目の設定内容を設定入力した後、印刷開始の入力操作をする。
ステップS26において、上記のような印刷ジョブ情報が入力された場合に、ステップS27に進む。
印刷ジョブ情報が入力されない場合は、ステップS22に戻るか、あるいは、ステップS25に戻ってもよい。
ステップS27において、印刷設定項目のうち、両面印刷の設定内容をチェックする。
ステップS28において、両面印刷が設定されている場合は、ステップS29に進み、そうでない場合は、ステップS31に進む。
ステップS29において、両面印刷枚数RNに1を加算する(RN=RN+1)。
ステップS30において、濃度判定基準値TH0の補正処理を行う。
この補正処理では、たとえば、後述する図15に示すように、両面印刷枚数RNを利用して、濃度判定基準値TH0を補正する。
濃度判定基準値TH0の補正処理の実施例については、後述する図15と図16を用いて説明する。
ステップS31において、入力された印刷ジョブについて、印刷処理が実行される。 ここでは、1枚の原稿についての印刷が行われるものとする。
両面印刷が設定されている場合は、印刷用紙の両面に印刷が行われ、片面印刷が設定されている場合は、印刷用紙の一方の面のみに印刷が行われる。
ステップS32において、印刷すべき次の原稿(ページ)がある場合は、ステップS27に戻り、ステップS27からステップS31の処理を行って、次の原稿についての印刷を行う。
ステップS32において、印刷すべき次の原稿(ページ)がない場合は、ステップS22に戻る。
ステップS30の濃度判定基準値TH0の補正処理で、濃度判定基準値TH0が、初期値とは異なる値に補正された場合、別タスクとして実行されているトナー補給処理において、トナー濃度の判定基準として、補正後の濃度判定基準値TH0が使用される。
このように、濃度判定基準値TH0を補正することによって、温度センサを備えなくても、トナー濃度の変化を正常に判定し、現像装置に補給されるトナーの濃度を精度良く制御することができる。
<濃度判定基準値の補正処理の実施例1>
この濃度判定基準値の補正処理は、上記した図14のステップS30で実行される処理である。
ここでは、両面印刷枚数RNを取得し、上記した図3に示すような基準値補正情報HS1を利用して、濃度判定基準値TH0を補正する。
図15に、濃度判定基準値の補正処理の実施例1のフローチャートを示す。
図15のステップS41において、記憶部50に記憶されている両面印刷枚数RNを取得する。
ステップS42において、記憶部50に記憶されている基準値補正情報HS1を読み出す。
ステップS43において、基準値補正情報HS1を利用して、取得した両面印刷枚数RNに対応する基準補正値KHを取得する。
すなわち、基準値補正情報HS1において、取得した両面印刷枚数RNが属する両面枚数条件に対応付けられた基準補正値KHを取得する。
たとえば、図3の基準値補正情報HS1を利用する場合、取得した両面印刷枚数RNが580枚であったとすると、基準補正値KHとして、「20%減少」を取得する。
これは、上記したように、濃度判定基準値TH0の初期値から20%減少させた数値を、濃度判定基準値TH0に設定することを意味する。
ステップS44において、取得した基準補正値KHを利用して、濃度判定基準値TH0を補正する。
たとえば、基準補正値KHとして「20%減少」が取得された場合は、濃度判定基準値TH0が、濃度判定基準値TH0の初期値から20%減少させた数値に変更される。
ただし、基準補正値KHとして「0」が取得された場合は、濃度判定基準値TH0は、変更されない。
濃度判定基準値TH0が補正された後、図14のフローに戻り、ステップS31に進む。
図11に、両面印刷枚数に対応させて濃度判定基準値TH0を補正した場合(両面印刷補正有り)と、濃度判定基準値TH0を補正しなかった場合(両面印刷補正無し)について、印刷用紙に印刷された画像の品質を示すトナー濃度(印刷画像のトナー濃度)の比較の一実施例の説明図を示す。
図11には、両面印刷を連続して行ったときの両面印刷枚数RNと、その両面印刷を行った場合の印刷画像のトナー濃度(wt%)を示している。
トナー濃度としては、濃度判定基準値TH0を所定の固定値とし補正をしなかった場合(両面印刷補正無し)の数値と、この発明のように、両面印刷枚数RNに対応させて濃度判定基準値TH0を補正した場合(両面印刷補正有り)の数値とを示している。
たとえば、両面印刷枚数RNが500枚の場合の印刷画像のトナー濃度は、両面印刷を連続して行ったときの500枚目の印刷用紙に印刷された画像のトナー濃度に相当する。
図11において、たとえば、両面印刷枚数RNがゼロの場合、すなわち、両面印刷をしなかった場合、「両面印刷補正無し」におけるトナー濃度と、「両面印刷補正有り」におけるトナー濃度とは、どちらも、5.21(wt%)であり、差異はなかった。
現像剤のトナー濃度は、どちらの場合も良好な数値を示している。
しかし、両面印刷枚数RNが300枚の場合、すなわち、連続して300枚の印刷用紙による両面印刷をした場合、「両面印刷補正無し」における現像剤のトナー濃度は、5.10(wt%)となって、両面印刷をしなかった場合(5.21)に比べて減少した。
すなわち、「両面印刷補正無し」の場合は、連続して300枚の両面印刷をしたことで、正常なトナーの補給がされなかった可能性があり、両面印刷をしなかった場合よりも、印刷画像の画質が薄くなっていることを意味する。
一方、両面印刷枚数RNが300枚の場合、「両面印刷補正有り」における現像剤のトナー濃度は、5.44(wt%)となっており、両面印刷をしなかった場合(5.21)に比べて減少しなかった。
すなわち、「両面印刷補正有り」の場合は、連続して300枚の両面印刷をした場合でも、適切なトナーの補給がされたことで、印刷画像の画質は薄くならず、両面印刷をしなかった場合と同様に、300枚目の印刷用紙においても、良好な画質が維持されていることを意味する。
このことにより、濃度判定基準値TH0の補正をしなかった場合(両面印刷補正無し)は、大量の両面印刷をしたことで、トナー濃度センサの出力値が減少することによって、測定されたトナー濃度値が高くなるため、トナー濃度の誤判定がされて、正常なトナーの補給がされなかったことにより、印刷画像の画質が薄くなっているが、一方、濃度判定基準値TH0の補正をした場合(両面印刷補正有り)は、トナー濃度センサの出力値が減少しても、トナー濃度の誤判定がほとんど起こることがなく、適切なトナーの補給がされたことにより、良好な印刷画像の画質が維持されることがわかる。
また、同様に、両面印刷枚数RNが500、750、および950枚の場合においても、「両面印刷補正無し」における印刷画像のトナー濃度(4.74、4.89、4,82)は、両面印刷をしなかった場合(5.21)に比べて、かなり減少している。
すなわち、連続して大量の両面印刷をした場合、いずれの場合も、両面印刷をしなかった場合よりも、印刷画像の画質がかなり薄くなっていることを意味する。
この程度まで印刷画像のトナー濃度が減少して、印刷画像の画質が薄くなっている場合は、両面印刷を実行したユーザーによって、画質の悪さ(薄さ)が指摘される場合があると考えられる。
一方、「両面印刷補正有り」における印刷画像のトナー濃度は、両面印刷をしなかった場合に比べて減少しないか、あるいは、減少してもその減少分はかなり少ないという傾向がある。この程度のトナー濃度の減少であれば、印刷画像の画質は、ユーザーによって、画質の悪さ(薄さ)が指摘されることがないレベルであると考えられる。
したがって、この発明においては、両面印刷枚数に対応させて濃度判定基準値TH0を補正することによって、トナー濃度の誤判定がほとんど起こらないようにすることができ、トナー濃度を精度良く制御することができる。
また、図示していないが、蛍光分光濃度計を利用して、両面印刷が行われた印刷用紙に所定の光を照射し、印刷用紙へのトナーの付着量に相当する数値(ID)を測定した場合、「両面印刷補正無し」の場合は、連続して大量の両面印刷をすることで、両面印刷をしなかった場合よりも、トナーの付着量が少ないことを示す数値が測定されるので、印刷画像の画質が薄くなることがわかる。
一方、「両面印刷補正有り」の場合は、連続して大量の両面印刷をした場合でも、印刷用紙へのトナーの付着量に相当する数値(ID)として、両面印刷をしなかった場合とほぼ同様の数値が測定されるので、良好な印刷画質が維持され、トナー濃度を精度良く制御できることがわかる。
<濃度判定基準値の補正処理の実施例2>
この濃度判定基準値の補正処理は、上記した図14のステップS30で実行される処理である。
ここでは、両面印刷枚数RNと、センサ振幅取得値情報AMを取得し、上記した図3に示すような基準値補正情報HS1と、図5に示すような振幅比補正情報HS2を利用して、濃度判定基準値TH0を補正する。
図16に、濃度判定基準値の補正処理の実施例2のフローチャートを示す。
図16のステップS51において、記憶部50に記憶されている両面印刷枚数RNを取得する。
ステップS52において、記憶部50に記憶されている基準値補正情報HS1を読み出す。
ステップS53において、基準値補正情報HS1を利用して、取得した両面印刷枚数RNに対応する基準補正値KHを取得する。
すなわち、図15のステップS43と同様に、基準値補正情報HS1において、取得した両面印刷枚数RNが属する両面枚数条件に対応付けられた基準補正値KHを取得する。
ステップS54において、取得した基準補正値KHを利用して、両面枚数に基づく参照補正値を算出する。
両面枚数に基づく参照補正値は、図15のステップS44で得られた補正後の濃度判定基準値TH0に相当する。
すなわち、図15のステップS44と同様に、取得した基準補正値KHを利用して、濃度判定基準値TH0を補正し、この補正後の濃度判定基準値TH0を、両面枚数に基づく参照補正値とする。
たとえば、基準補正値KHとして「30%減少」が取得された場合は、濃度判定基準値TH0の初期値から30%減少させた数値が、両面枚数に基づく参照補正値として算出される。
ただし、基準補正値KHとして「0」が取得された場合は、両面枚数に基づく参照補正値には、濃度判定基準値TH0の初期値が設定される。
ステップS55において、センサ出力振幅値取得部23が、センサ出力振幅値情報AMを取得する。
ステップS56において、センサ出力振幅値情報AMと、振幅比較値AM0を利用して、振幅比情報AMRを算出する(AMR=AM/AM0)。
ステップS57において、参照補正値を補正するために、記憶部50に記憶されている振幅比補正情報HS2を読み出す。
たとえば、図5に示すような振幅比補正情報HS2を読み出せばよい。
このフローチャートでは、振幅比補正情報HS2のN1の数値として、100%を採用している。
ステップS58、S59、S60では、振幅比補正情報HS2の振幅比条件に基づいて、振幅比情報AMRの比較を行っている。
ステップS58において、振幅比情報AMRが100%以下の場合(AMR≦100)、ステップS61に進み、ステップS59において、振幅比情報AMRが100%よりも大きく120%以下の場合(100<AMR≦120)、ステップS62に進み、ステップS60において、振幅比情報AMRが120%よりも大きく150%以下の場合(120<AMR≦150)、ステップS63に進み、振幅比情報AMRが150%よりも大きい場合(150<AMR)、ステップS64に進む。
ステップS61において、振幅比情報AMRが100%以下の場合に対応する基準補正値KH2がゼロであったとすると、濃度判定基準値TH0について振幅比情報に基づいた補正はしない。
ただし、両面枚数に基づく参照補正値において、濃度判定基準値TH0の補正がされている場合は、その補正後の濃度判定基準値TH0(参照補正値)が、採用される。
その後処理を終了し、図14のフローに戻り、ステップS31に進む。
ステップS62において、100<AMR≦120に対応する基準補正値KH2に基づいて、濃度判定基準値TH0を補正する。
100<AMR≦120に対応する基準補正値KH2が100%である場合は、両面枚数に基づく参照補正値の100%の数値を利用して、濃度判定基準値TH0を補正する。
すなわち、両面枚数に基づく参照補正値をそのまま、濃度判定基準値TH0として採用する。
濃度判定基準値TH0が補正された後、図14のフローに戻り、ステップS31に進む。
ステップS63において、120<AMR≦150に対応する基準補正値KH2に基づいて、濃度判定基準値TH0を補正する。
120<AMR≦150に対応する基準補正値KH2が85-95%である場合は、両面枚数に基づく参照補正値の85-95の数値を利用して、濃度判定基準値TH0を補正する。
すなわち、両面枚数に基づく参照補正値の85-95%の間の数値を、濃度判定基準値TH0として採用する。
濃度判定基準値TH0が補正された後、図14のフローに戻り、ステップS31に進む。
ステップS64において、150<AMRに対応する基準補正値KH2に基づいて、濃度判定基準値TH0を補正する。
150<AMRに対応する基準補正値KH2が75-84%である場合は、両面枚数に基づく参照補正値の75-84%の数値を利用して、濃度判定基準値TH0を補正する。
すなわち、両面枚数に基づく参照補正値の75-84%の間の数値を、濃度判定基準値TH0として採用する。
濃度判定基準値TH0が補正された後、図14のフローに戻り、ステップS31に進む。
<リカバリー処理の実施例1>
以下に、リカバリー処理について、2つの実施例を示す。
リカバリー処理としては、どちらの処理を利用してもよい。
ただし、現像剤の振幅値で判断するほうが流動性低下を正しく検知できるため、図18に示す実施例2の処理を実行することが好ましい。
実施例1では、両面印刷枚数RNを取得し、平均印字率PRを算出して、上記した図6、図7、図8に示すようなリカバリー判定情報65を利用して、リカバリー処理(トナー入替処理)をするか否かを判定し、リカバリー処理が必要な場合は、所定のリカバリー印刷処理(ベタ吐き印刷)を実行する処理について説明する。
リカバリー処理は、図14の印刷処理とは異なるタスクとして実行され、リカバリー印刷処理(ベタ吐き印刷)を実行する場合は、印刷処理は中断される。
図17に、リカバリー処理の実施例1のフローチャートを示す。
図17のステップS71において、記憶部50に記憶されている両面印刷枚数RNを取得する。
ステップS72において、記憶部50に記憶されているリカバリー判定情報65の両面枚数比較情報RN0を読み出す。
たとえば、図7に示すような両面枚数比較情報RN0を読み出す。
ステップS73において、両面枚数比較情報RN0を利用して、両面印刷枚数RNが、両面枚数比較情報RN0のリカバリー判定条件を満たすか否かをチェックする。
ステップS74において、リカバリー判定条件を満たす場合は、ステップS75に進み、満たさない場合は、処理を終了する。
たとえば、図7の両面枚数比較情報RN0に示す画像形成装置の機種性能が、30枚以下の機種であれば、両面印刷枚数RNが250枚よりも大きいか否かが判断され、RN>250の場合、ステップS75に進む。
一方、RN≦250の場合は、リカバリー判定条件を満たさないので、リカバリー処理を行わず、処理を終了する。
他の画像形成装置の機種性能についても、同様に、リカバリー判定条件を満たすか否かのチェックをする。
ステップS75において、平均印字率PRを算出する。
ステップS76において、記憶部50に記憶されているリカバリー判定情報65の印字率比較情報PR0を読み出す。
たとえば、図8に示すような印字率比較情報PR0を読み出す。
以下のステップS77、S78、S79においては、印字率比較条件を利用して、リカバリー処理をするか否かを判定する。
リカバリー処理をする場合には、リカバリー印刷枚数に相当する枚数のリカバリー印刷処理(ベタ吐き印刷)を実行する。
ステップS77、S78、S79では、印字率比較情報PR0の印字率比較条件に基づいて、平均印字率PRの比較を行っている。
ステップS77において、平均印字率PRが、1.0%よりも小さい場合(PR<1.0)、ステップS80に進み、ステップS78において、平均印字率PRが、1.0%以上で2.0%よりも小さい場合(1.0≦PR<2.0)、ステップS81に進み、ステップS79において、平均印字率PRが、2.0%以上で3.0%よりも小さい場合(2.0≦PR<3.0)、ステップS82に進み、平均印字率PRが3.0%以上の場合(3.0≦PR)、リカバリー処理を行わずに、処理を終了する。
ステップS80において、リカバリー印刷枚数が基準値T+2枚(たとえば、図8では5枚)のリカバリー印刷処理(ベタ吐き印刷)を実行し、ステップS83に進む。
ステップS81において、リカバリー印刷枚数が基準値T+1枚(たとえば、図8では4枚)のリカバリー印刷処理(ベタ吐き印刷)を実行し、ステップS83に進む。
ステップS82において、リカバリー印刷枚数が基準値T枚(たとえば、図8では3枚)のリカバリー印刷処理(ベタ吐き印刷)を実行し、ステップS83に進む。
ステップS83において、リカバリー印刷処理(ベタ吐き印刷)を終了した後、ステップS24と同様に、トナー濃度の判定を補正のない初期状態に戻すために、濃度判定基準値TH0と両面印刷枚数RNを初期化し、処理を終了する。
<リカバリー処理の実施例2>
ここでは、両面印刷枚数RNを取得し、平均印字率PRを算出し、振幅比情報AMRを算出して、上記した図6、図7、図8に示すようなリカバリー判定情報65を利用して、リカバリー処理(トナー入替処理)をするか否かを判定し、リカバリー処理が必要な場合は、所定のリカバリー印刷処理(ベタ吐き印刷)を実行する処理について説明する。
図18のリカバリー処理は、振幅比情報AMRを利用する点が、図17と異なる。
図18に、リカバリー処理の実施例2のフローチャートを示す。
図17と同じ処理をするステップには、図17と同じステップ番号を付与している。
まず、図18のステップS71からステップS74は、図17と同じ処理をする。
すなわち、両面印刷枚数RNを取得し、両面枚数比較情報RN0を読み出し、両面枚数比較情報RN0を利用して、両面印刷枚数RNが、両面枚数比較情報RN0のリカバリー判定条件を満たすか否かをチェックする。
ステップS74において、リカバリー判定条件を満たす場合は、ステップS88に進み、満たさない場合は、リカバリー処理を行わずに、処理を終了する。
ステップS88において、振幅比情報AMRが、リカバリー判定情報65の振幅比比較情報AMR0以上であるか否かをチェックし、AMR≧AMR0の場合は、ステップS75に進み、そうでない場合は、処理を終了する。
たとえば、図6に示すように、リカバリー判定情報65の振幅比比較情報AMR0が150%である場合において、AMR≧150の場合は、ステップS75に進み、そうでない場合は、処理を終了する。
図示していないが、ステップS88のチェックを行う前に、上記したステップS55と同様に、センサ出力振幅値情報AMを取得し、ステップS56と同様に、センサ出力振幅値情報AMと振幅比較値AM0を利用して、振幅比情報AMRを算出する処理を行う(AMR=AM/AM0)。
ステップS75において、平均印字率PRを算出した後、図17と同様に、以降のステップS76からステップS83までの処理を行う。
すなわち、印字率比較条件を利用して、リカバリー処理をするか否かを判定し、リカバリー処理をする場合には、リカバリー印刷枚数に相当する枚数のリカバリー印刷処理(ベタ吐き印刷)を実行する。
<トナー残量確認処理の実施例1>
以下に、トナー残量確認処理について、2つの実施例を示す。
トナー残量確認処理としては、どちらの処理を利用してもよい。
ただし、現像剤の振幅値で判断するほうが流動性低下を正しく検知でき、トナー濃度センサの誤検知を正確に判断できるため、図20に示す実施例2の処理を実行することが好ましい。
実施例1では、両面印刷枚数RNを取得し、トナー残量情報TRを取得し、平均印字率PRを算出し、上記した図9、図10に示すようなトナー残量判定情報66を利用して、トナー残量判定処理をするか否かを判定するトナー残量確認処理について説明する。
また、トナー残量判定処理が必要な場合は、トナー残量判定処理において、トナーの補給を試行し、トナー濃度が増加傾向にならない場合は、印刷を中断し、トナーカートリッジのトナーがほとんど空になったことを示す警告を通知する。
トナー残量確認処理は、図14の印刷処理とは異なるタスクとして実行され、トナー残量判定処理を実行する場合は、一時的に、印刷処理は中断される。
トナー残量確認処理は、画像形成装置が起動されたときなど、定期的に実行してもよく、あるいは、所定の時間が経過するごとに自動的に実行してもよく、ユーザーの所定の入力操作により実行してもよい。
図19に、トナー残量確認処理の実施例1のフローチャートを示す。
また、図21に、トナー残量判定処理の一実施例のフローチャートを示す。
トナー残量判定処理は、トナー残量確認処理のステップS109で行われる処理である。
図19のステップS101において、記憶部50に記憶されている両面印刷枚数RNを取得する。
ステップS102において、記憶部50に記憶されているトナー残量判定情報66の両面枚数比較情報RN1を読み出す。
たとえば、図10に示すような両面枚数比較情報RN1を読み出す。
図10の両面枚数比較情報RN1の設定内容は、図7の両面枚数比較情報RN0の設定内容と同じ内容を示しているが、異なる設定内容であってもよい。
ステップS103において、両面枚数比較情報RN1を利用して、両面印刷枚数RNが、両面枚数比較情報RN1のトナー残量判定条件を満たすか否かをチェックする。
ステップS104において、トナー残量判定条件を満たす場合は、ステップS105に進み、満たさない場合は、ステップS110に進む。
たとえば、図10の両面枚数比較情報RN1に示す画像形成装置の機種性能が、30枚以下の機種であれば、両面印刷枚数RNが250枚よりも大きいか否かが判断され、RN>250の場合、ステップS105に進む。
一方、RN≦250の場合は、トナー残量判定条件を満たさないので、トナー残量判定処理を行わずに、ステップS110に進む。
他の画像形成装置の機種性能についても、同様に、トナー残量判定条件を満たすか否かのチェックをする。
ステップS105において、トナー残量情報取得部30が、トナー残量情報TRを取得し、取得したトナー残量情報TRと、記憶部50に記憶されているトナー残量比較情報TR1とを比較する。
トナー残量に相当する情報が、トナーカートリッジに記憶されている場合は、その記憶情報を読み出して、トナー残量情報TRを取得する。
ステップS106において、トナー残量情報TRが、トナー残量比較情報TR1よりも小さい場合(TR<TR1)、ステップS107に進み、そうでない場合は、ステップS110に進む。
たとえば、トナー残量比較情報TR1が、図9に示すように、1.0%であった場合、
取得したトナー残量情報TRが、1.0%よりも小さいか否かが判断され、TR<1.0の場合、ステップS107に進む。
一方、TR≧1.0の場合は、トナーカートリッジのトナーはそれほど減少していないと考えられるので、トナー残量判定処理を行わずに、ステップS110に進む。
ステップS107において、平均印字率PRを算出する。
ステップS108において、記憶部50に記憶されているトナー残量判定情報66の印字率比較情報PR1を読み出して、平均印字率PRと印字率比較情報PR1を比較する。
たとえば、図9に示すような印字率比較情報PR1(=2.5%)を読み出す。
平均印字率PRが、印字率比較情報PR1よりも小さい場合(PR<PR1)、ステップS109に進み、そうでない場合は、ステップS110に進む。
ステップS109において、後述する図21に示すトナー残量判定処理を実行して、処理を終了する。
ステップS110において、トナー残量判定処理を実行しないので、印刷の実行を中断した印刷ジョブがあれば、その印刷ジョブの印刷処理を再開して、処理を終了する。
図21のトナー残量判定処理では、ステップS121において、トナー補給部16によって、トナーを、トナーカートリッジから現像装置に補給する。
この場合、トナー濃度の増加をチェックするだけなので、補給するトナーの量は少量でよく、たとえば、トナー濃度として0.3wt%程度、補給すればよい。
ステップS122において、トナー濃度センサ15の出力値を測定し、トナー濃度値取得部22が、この出力値からトナー濃度値TDを取得する。
トナー濃度の増加をチェックするために、トナー濃度値TDは履歴として記憶する。
ステップS121とステップS122の処理を、一定時間(たとえば、60秒間)だけ、繰り返し、ステップS123に進む。
ステップS123において、トナー濃度が増加するか否かをチェックする。
ここでは、トナー濃度値TDが、所定値以上に低下するか否かをチェックする。
所定値は、予め設定記憶されるが、トナー濃度の増加判定をするための基準値であり、上記した濃度判定基準値TH0とは異なる数値を設定してもよい。
あるいは、履歴として記憶されたトナー濃度値TDの変化をチェックし、トナー濃度が増加傾向にあるかどうかを確認してもよい。
トナー濃度値TDが低下する場合に、トナー濃度が増加すると判断される。
ステップS124において、トナー濃度が増加しない場合(トナー濃度値TDが低下しない場合)は、ステップS125に進み、トナー濃度が増加した場合(トナー濃度値TDが低下した場合)は、ステップS128に進む。
トナーをトナーカートリッジから現像装置に補給することで、トナー濃度が増加した場合は、トナーカートリッジはまだ空ではないと判断されるので、印刷処理を継続できる。
ただし、トナーをトナーカートリッジから現像装置に補給することで、トナー濃度が増加しない場合は、トナーカートリッジは空となっている可能性が高いので、印刷処理を中止する。
ステップS125において、トナーカートリッジのトナーがほとんど空となっていると判定し、トナーカートリッジの交換を要求する警告メッセージを表示する。
あるいは、トナーカートリッジの交換を要求することを、音声で報知したり、管理担当者の携帯端末等にメール等で通知したりしてもよい。
ステップS126において、現像装置内のトナーが少なくなり、正常な印刷ができなくなる可能性があるので、以降の印刷処理を中止し、処理を終了する。
トナーカートリッジが新しいものに交換されるまで、印刷処理が中止される。
ステップS127において、印刷の実行を中断した印刷ジョブがあれば、その印刷ジョブの印刷処理を再開して、処理を終了する。
上記のように、トナーカートリッジから得られるトナー残量情報TRだけでなく、両面印刷枚数RNと、平均印字率PRを利用して、トナーカートリッジの中のトナーがほとんど空となってトナーカートリッジの交換が必要であることを判断するので、印刷画像に不具合が発生する前に、より適切なタイミングで、トナーカートリッジの交換要求の警告を通知することができる。
<トナー残量確認処理の実施例2>
ここでは、両面印刷枚数RNを取得し、トナー残量情報TRを取得し、平均印字率PRを算出し、振幅比情報AMRを算出し、上記した図9、図10に示すようなトナー残量判定情報66を利用して、トナー残量判定処理をするか否かを判定するトナー残量確認処理について説明する。
また、トナー残量判定処理が必要な場合は、トナー残量判定処理において、トナーの補給を試行し、トナー濃度が増加傾向にならない場合は、印刷を中断し、トナーカートリッジのトナーがほとんど空になったこと(または、トナーカートリッジの交換要求)を示す警告を通知する。
図20に、トナー残量確認処理の実施例2のフローチャートを示す。
図20のトナー残量確認処理は、振幅比情報AMRを算出し、振幅比情報AMRと振幅比比較情報AMR1と比較する点が、図19のトナー残量確認処理と異なる。
図20のトナー残量確認処理において、図19のトナー残量確認処理のステップと同じ処理をするステップには、同じステップ番号を付与している。
図20において、ステップS101からS108までの処理は、図19のトナー残量確認処理と同じである。
取得した両面印刷枚数RNが、トナー残量判定条件を満たすか否かを判断し、取得したトナー残量情報TRが、トナー残量比較情報TR1よりも小さいか否かを判断し、算出した平均印字率PRが、印字率比較情報PR1よりも小さいか否かを判断し、これらの3つの条件を満たす場合に、ステップS111に進む。
上記の3つの条件のいずれかを満たさない場合は、ステップS110に進む。
ステップS111において、振幅比情報AMRが、トナー残量判定情報66の振幅比比較情報AMR1以上であるか否かをチェックし、AMR≧AMR1の場合は、ステップS109に進み、そうでない場合は、ステップS110に進む。
たとえば、図9に示すように、トナー残量判定情報66の振幅比比較情報AMR1が120%である場合において、AMR≧120の場合は、ステップS109に進み、そうでない場合は、ステップS110に進む。
図示していないが、ステップS111のチェックを行う前に、上記したステップS55と同様に、センサ出力振幅値情報AMを取得し、ステップS56と同様に、センサ出力振幅値情報AMと振幅比較値AM0を利用して、振幅比情報AMRを算出する処理を行う(AMR=AM/AM0)。
その後、図19と同様に、ステップS109においては、上記した図21に示すトナー残量判定処理を実行して、処理を終了する。
ステップS110においては、印刷の実行を中断した印刷ジョブがあれば、その印刷ジョブの印刷処理を再開して、処理を終了する。
上記のように、トナーカートリッジから得られるトナー残量情報TRだけでなく、両面印刷枚数RNと、平均印字率PRと、振幅比情報AMRを利用して、トナーカートリッジの中のトナーがほとんど空となってトナーカートリッジの交換が必要であることを判断するので、印刷画像に不具合が発生する前に、より適切なタイミングで、トナーカートリッジの交換要求の警告を通知することができる。
1 画像形成装置(MFP)、
11 制御部、
12 操作部、
13 表示部、
14 画像処理部、
14a 画像入力部、
14b 画像形成部、
14c 画像出力部、
15 トナー濃度センサ、
16 トナー補給部、
21 両面印刷数測定部、
22 トナー濃度値取得部、
23 センサ出力振幅値取得部、
24 濃度判定部、
25 濃度判定基準値補正部、
26 振幅比算出部、
27 平均印字率取得部、
28 リカバリー判定部、
29 リカバリー実行部、
30 トナー残量情報取得部、
31 トナー残量判定部、
32 トナー残量警告部、
50 記憶部、
51 トナー濃度値、
52 両面印刷枚数、
53 センサ出力振幅値情報、
54 振幅比情報、
55 平均印字率、
56 トナー残量情報、
61 濃度判定基準値、
62 基準値補正情報、
63 振幅比較値、
64 振幅比補正情報、
65 リカバリー判定情報、
66 トナー残量判定情報

Claims (9)

  1. トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容した現像装置に設けられ、前記現像装置に収容されているトナーの濃度に対応した信号を出力するトナー濃度センサと、
    前記トナー濃度センサから出力される信号を利用して、前記現像装置に収容されているトナーのトナー濃度値を取得するトナー濃度値取得部と、
    前記取得されたトナー濃度値と比較してトナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するか否かを判定する基準となる濃度判定基準値と、両面印刷を行うときに得られる両面印刷履歴情報を記憶した記憶部と、
    前記両面印刷履歴情報に記憶された両面印刷枚数に基づいて前記濃度判定基準値を補正する濃度判定基準値補正部とを備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記取得されたトナー濃度値と前記補正された濃度判定基準値との比較によって、前記トナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するか否かを判定する濃度判定部と、
    前記トナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するトナー補給部とをさらに備え、
    前記濃度判定部が、トナーを現像装置に補給する必要があると判定した場合に、前記トナー補給部が、前記トナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記トナー濃度センサから出力される信号の振幅値であるセンサ出力振幅値を取得するセンサ出力振幅値取得部をさらに備え、
    前記取得されたセンサ出力振幅値を利用して、前記濃度判定基準値補正部によって補正された前記濃度判定基準値をさらに補正することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記センサ出力振幅値取得部によって取得されたセンサ出力振幅値と、所定の標準現像剤を利用して取得したセンサ出力振幅値である振幅比較値との比から、振幅比情報を算出する振幅比算出部をさらに備え、
    前記濃度判定基準値補正部によって補正された前記濃度判定基準値を、前記算出された振幅比情報の大きさに対応させて補正することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 画像形成装置の電源が切断された後、所定時間以上が経過して前記電源が投入された場合には、前記濃度判定基準値を、補正されていない所定の初期値に戻すことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 印刷する原稿から読み取った画像データを印刷用紙に印刷するときの平均印字率を算出する平均印字率取得部と、
    両面印刷が要求された場合に得られた前記両面印刷履歴情報と、前記算出された平均印字率とが、所定のリカバリー判定条件を満たすか否かを判定するリカバリー判定部と、
    前記リカバリー判定部によって、前記リカバリー判定条件を満たすと判定された場合に、現像装置に滞留している2成分現像剤に含まれるトナーを新しいトナーに入れ替えるリカバリー処理を実行するリカバリー実行部とをさらに備え、
    前記リカバリー判定部は、前記両面印刷履歴情報によって、所定枚数を超える両面印刷が連続して行われていると判断され、かつ、前記平均印字率が、所定の印字率よりも少ない場合に、リカバリー判定条件を満たすと判定することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記リカバリー処理では、所定枚数の印刷用紙に、各色情報を印刷するベタ吐き動作をすることを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
  8. 印刷する原稿から読み取った画像データを印刷用紙に印刷するときの平均印字率を算出する平均印字率取得部と、
    トナーカートリッジに収容されたトナーの残量に相当するトナー残量情報を取得するトナー残量情報取得部と、
    両面印刷が要求された場合に得られた前記両面印刷履歴情報と、前記算出された平均印字率と、前記取得されたトナー残量情報とが、所定のトナー残量判定条件を満たすか否かを判定するトナー残量判定部と、
    トナー残量警告部とをさらに備え、
    前記トナー残量判定部が、前記両面印刷履歴情報によって、所定枚数を超える両面印刷が連続して行われていると判断され、かつ、前記平均印字率が、所定の印字率比較情報よりも少なく、かつ、前記トナー残量情報が、所定のトナー残量比較情報よりも少ない場合に、トナー残量判定条件を満たすと判定し、
    その後、前記トナーカートリッジから現像装置にトナーを補給しても、前記トナー濃度値が増加しない場合には、前記トナー残量警告部が、前記トナーカートリッジの交換を要求する警告を通知することを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  9. 画像形成装置のトナー濃度制御方法であって、
    画像形成装置に装着されたトナーカートリッジに収容されているトナーを現像装置に補給するか否かを判定する基準となる濃度判定基準値と、両面印刷を行うときに得られる両面印刷履歴情報を記憶し、
    トナーとキャリアからなる2成分現像剤を収容した現像装置に設けられたトナー濃度センサから出力される信号を利用して、前記現像装置に収容されているトナーのトナー濃度値を取得するトナー濃度値取得ステップと、
    前記両面印刷履歴情報に記憶された両面印刷枚数に基づいて、前記濃度判定基準値を補正する濃度判定基準値補正ステップと、
    前記取得されたトナー濃度値と前記補正された濃度判定基準値との比較によって、前記現像装置に収容されているトナーの濃度を制御する濃度制御ステップとを備え、
    画像形成装置に備えられた制御部が、前記ステップを順次実行することを特徴とする画像形成装置のトナー濃度制御方法。
JP2021193269A 2021-11-29 2021-11-29 画像形成装置 Pending JP2023079683A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021193269A JP2023079683A (ja) 2021-11-29 2021-11-29 画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021193269A JP2023079683A (ja) 2021-11-29 2021-11-29 画像形成装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023079683A true JP2023079683A (ja) 2023-06-08

Family

ID=86647025

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021193269A Pending JP2023079683A (ja) 2021-11-29 2021-11-29 画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023079683A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2925989B2 (ja) 画像出力装置に用いるプロセスカートリッジの交換時期警告方法
US8170429B2 (en) Printer operable in toner saving and non-saving modes
JP7467713B2 (ja) 画像形成装置、画像形成装置の制御方法及びプログラム
JP6269595B2 (ja) 画像形成装置
JP2009047739A (ja) トナー補給装置、現像装置、および画像形成装置
JP2006313226A (ja) 画像形成装置及びトナー管理システム並びにトナー管理プログラム
JP2006018268A (ja) 現像剤寿命判別装置及び現像剤寿命判別方法
JP2010160468A (ja) 画像形成装置
JP2010002537A (ja) 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、および画像形成装置の制御プログラム
JP2005208339A (ja) 画像形成装置
JP2023079683A (ja) 画像形成装置
JP2013057841A (ja) 画像形成装置、画像形成装置の制御方法、及び画像形成装置の制御プログラム
JP2020052137A (ja) 画像形成装置及びその制御方法、並びにプログラム
JP5125641B2 (ja) 画像形成装置及び同装置におけるイメージングユニットのライフ判定方法
JPWO2017064985A1 (ja) 画像形成装置
JP2011043825A (ja) 画像形成装置及びその方法、画像形成プログラム
JP6773017B2 (ja) 画像形成装置、消耗品の発注タイミング報知方法
JP2017198886A (ja) 画像形成装置
JP6729501B2 (ja) 画像形成装置
JP2006201576A (ja) 画像形成装置
US11906921B2 (en) Image forming apparatus capable of forming toner image with desired amount of toner, control method for the image forming apparatus, and storage medium
JP2012194296A (ja) 印刷装置、トナー補給制御装置、トナーの補給方法、およびコンピュータプログラム
JP2012047954A (ja) 画像形成装置
JP2017146569A (ja) 画像形成装置
JP4346965B2 (ja) 現像装置,画像形成装置,トナー補給量調節プログラム,カートリッジ情報取得プログラム