JP2023078530A - 管理装置およびリフロー装置ならびに管理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基板が炉に位置していたときの温度または酸素濃度を特定することができる管理装置およびリフロー装置ならびに管理方法を提供する。【解決手段】基板を搬送しながら加熱するリフロー装置の炉に基板が位置していたときの炉内の温度または酸素濃度を特定する管理方法は、炉内の温度または酸素濃度の計測結果を含む雰囲気履歴情報と、リフロー装置における基板の搬送履歴情報とを取得し(ST1)、雰囲気履歴情報と搬送履歴情報とに基づいて、基板が炉に位置していたときの温度または酸素濃度を特定する(ST2~ST3)。【選択図】図10
Description
本発明は、リフロー装置を含む実装基板製造ラインの管理装置およびリフロー装置ならびに管理方法に関する。
実装基板製造ラインでは、印刷装置により基板にはんだを印刷し、部品実装装置によりはんだが印刷された基板に部品を搭載し、リフロー装置により基板を搬送しながら加熱して基板に部品をはんだ付けすることにより、実装基板が製造される(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載のリフロー装置は、複数の炉毎に温度調整可能な加熱装置と、酸素濃度などの雰囲気を調整する雰囲気調整部を備えており、各炉は温度や酸素濃度の計測結果に基づいて予め設定されたリフロー条件に合致するように温度や酸素濃度が制御されている。
しかしながら特許文献1を含む従来技術では、リフロー装置の炉内の温度や酸素濃度は所定のリフロー条件に合致するように制御されているものの、炉内に順次投入される基板の影響で現実の温度と酸素濃度は変動しており、また、リフロー装置内の基板の位置を検出することができないため、基板が炉に位置していたときの温度や酸素濃度に基づいて実装基板の品質を管理したり、リフロー装置の温度や酸素濃度をより精密に制御したりするためには更なる改善の余地があった。
そこで本発明は、基板が炉に位置していたときの温度または酸素濃度を特定することができる管理装置およびリフロー装置ならびに管理方法を提供することを目的とする。
本発明の管理装置は、基板を搬送しながら加熱するリフロー装置を少なくとも含む実装基板製造ラインの管理装置であって、前記リフロー装置の炉内の少なくとも温度または酸素濃度の計測結果を含む雰囲気履歴情報と、前記リフロー装置における前記基板の搬送履歴情報とを取得する取得部と、前記雰囲気履歴情報と前記搬送履歴情報に基づいて、前記基板が前記炉に位置していたときの前記温度または前記酸素濃度を特定する特定部と、を備える。
本発明のリフロー装置は、部品が搭載された基板を搬送しながら加熱してはんだを固化させるリフロー装置であって、前記基板を加熱するための炉と、前記炉内の少なくとも温度または酸素濃度を計測する計測部と、計測された前記温度または前記酸素濃度と、前記リフロー装置における前記基板の搬送情報に基づいて、前記基板が前記炉に位置していたときの前記温度または前記酸素濃度を特定する特定部と、を備える。
本発明の他のリフロー装置は、部品が搭載された基板を搬送しながら加熱してはんだを固化させるリフロー装置であって、前記基板を加熱するための炉と、前記炉内の少なくとも温度または酸素濃度を計測する計測部と、前記基板を搬送する基板搬送部と、前記炉より前の所定位置を通過する前記基板を検出する基板検出部と、を備え、前記計測部は、前記基板検出部が前記基板を検出した後、所定時間後に前記温度または前記酸素濃度を計測する。
本発明の管理方法は、基板を搬送しながら加熱するリフロー装置の炉に前記基板が位置していたときの前記炉内の温度または酸素濃度を特定する管理方法であって、前記炉内の少なくとも温度または酸素濃度の計測結果を含む雰囲気履歴情報と、前記リフロー装置における基板の搬送履歴情報とを取得し、前記雰囲気履歴情報と前記搬送履歴情報とに基づいて、前記基板が前記炉に位置していたときの前記温度または前記酸素濃度を特定する。
本発明によれば、基板が炉に位置していたときの温度または酸素濃度を特定することができる。
以下に図面を用いて、本発明の一実施の形態を詳細に説明する。以下で述べる構成、形状等は説明のための例示であって、実装基板製造システム、管理装置、リフロー装置の仕様に応じ、適宜変更が可能である。以下では、全ての図面において対応する要素には同一符号を付し、重複する説明を省略する。図2では、基板搬送方向のX軸(図2における左右方向)、水平面と直交する高さ方向としてZ軸(図2における上下方向)が示される。Z軸は、リフロー装置が水平面上に設置された場合の上下方向または直交方向である。
まず図1を参照して、実装基板製造システム1の構成を説明する。実装基板製造システム1は、実装基板製造ラインPL1を通信ネットワーク2によって接続し、管理装置3によって管理する構成となっている。実装基板製造システム1は、基板に部品を実装した実装基板を連続して製造する機能を有している。実装基板製造ラインPL1は、基板搬送方向の上流(紙面左側)から下流(紙面右側)に向けて、基板供給装置M1、印刷装置M2、部品実装装置M3~M6、リフロー装置M7、基板回収装置M8などの生産作業を実行する生産設備を直列に連結して構成されている。
基板供給装置M1、印刷装置M2、部品実装装置M3~M6、リフロー装置M7、基板回収装置M8は、通信ネットワーク2を介して管理装置3に接続されている。管理装置3は、各装置で使用される制御プログラムなどを含む生産データなどを記憶し、各装置による製造作業を統括して制御する。なお、実装基板製造ラインPL1は通信ネットワーク2を介して接続される生産設備群であって、物理的に生産設備同士が連結されていなくてもよい。
図1において、基板供給装置M1は、複数の基板を収納するラック等の収納部を備え、収納部から取り出した基板を下流の装置に供給する基板供給作業を実行する。また、基板供給装置M1は、基板に付されたバーコードや2次元コードなどの基板ラベルを読み取って基板を特定する基板の識別情報(基板ID)を読み取る内蔵リーダ(図示省略)を備えている。基板供給装置M1は、基板の基板ラベルから基板の識別情報を読み取って、管理装置3に送信する。印刷装置M2は、印刷作業部に装着されたスクリーンマスクを介して上流から搬入された基板にはんだを印刷するはんだ印刷作業を実行する。
部品実装装置M3~M6は、はんだが印刷された基板に部品供給装置が供給する部品を実装ヘッドで搭載する部品実装作業を実行する。なお、実装基板製造システム1は、部品実装装置M3~M6が4台の構成に限定されることなく、部品実装装置M3~M6が1~3台であっても5台以上であってもよい。リフロー装置M7は、装置内に搬入された基板を加熱部によって加熱して基板上のはんだを融解させた後に硬化させ、基板の電極部と部品の電極とを接合する基板加熱作業を実行する。基板回収装置M8は、複数の基板を収納するラック等の収納部を備え、上流の装置が搬出する基板を受け取って収納部に回収する基板回収作業を実行する。
次に図2を参照して、リフロー装置M7の構成と機能について説明する。リフロー装置M7は、6つの炉F1~F6を備えている。リフロー装置M7の基台4上には、リフロー装置M7において基板Bを上流から下流に移動させる基板搬送部5がX軸に沿って配置されている。各炉F1~F6には、炉F1~F6内を加熱する加熱部H1~H6と、炉F1~F6内の温度を計測する温度センサS1~S6がそれぞれ配置されている。以下、上流から順に第1炉F1、第2炉F2、第3炉F3、第4炉F4、第5炉F5、第6炉F6と称する。また、各炉F1~F6内であって、基板Bが移動しながら加熱される領域を、ゾーンZ1~Z6と称する。各ゾーンZ1~Z6内で基板Bが搬送される距離(ゾーンZ1~Z6の長さ)は、それぞれ搬送距離L1~L6である。
部品実装装置M6から搬出された基板Bは、搬入口6からリフロー装置M7に投入される。搬入口6から投入された基板Bは、基板搬送部5により一定の搬送速度VでゾーンZ1~Z6を順に搬送されながら加熱され、搬出口7から基板回収装置M8に向けて搬出される。第5炉F5には、第5炉F5内に窒素などの不活性ガスを導入するガス導入部8と、第5炉F5内の酸素濃度を計測する酸素濃度センサ9が配置されている。すなわち、ガス導入部8は、酸素濃度が計測される第5炉F5内に不活性ガスを導入する。なお、ガス導入部8と酸素濃度センサ9は、第5炉F5以外の炉(例えば、第4炉F4)にも配置してよい。
図2において、搬入口6の上方には、搬入口6から投入される基板Bを検出する遮光センサなどの搬入センサ10が配置されている。なお、搬入センサ10の配置位置は、搬入口6の下方であっても、搬入口6の側方であってもよい。また、各炉F1~F6内にも、基板Bが炉F1~F6内の所定位置を通過したことを検出するセンサを配置してもよい。
次に、図3を参照して、実装基板製造システム1の制御系の構成を説明する。ここでは、実装基板製造システム1が有する機能のうち、リフロー装置M7の炉F1~F6内の温度と酸素濃度を特定し、温度と酸素濃度が所定の状態に維持されるように管理する機能を中心に説明する。管理装置3、基板供給装置M1、印刷装置M2、部品実装装置M3~M6、リフロー装置M7、基板回収装置M8は、通信ネットワーク2を介して相互に接続されている。
リフロー装置M7は、リフロー制御装置20、基板搬送部5、加熱部H1~H6、ガス導入部8、酸素濃度センサ9、搬入センサ10、温度センサS1~S6、タッチパネル27を備えている。リフロー制御装置20は、リフロー記憶部21、基板検出処理部22、温度計測処理部23、酸素計測処理部24、リフロー制御部25、リフロー通信部26を備えている。リフロー通信部26は、通信ネットワーク2を介して管理装置3と、リフロー装置M7に向けて基板Bを搬出する部品実装装置M6との間でデータの送受信を行う。タッチパネル27は、その表示部に各種情報を表示し、また表示部に表示される操作ボタンなどを使って作業者がデータ入力やリフロー装置M7の操作を行う。
図3において、リフロー記憶部21は記憶装置であり、リフロー条件21a、温度履歴21b、酸素濃度履歴21c、基板搬入履歴21dなどが記憶されている。リフロー条件21aには、各炉F1~F6の炉内の温度の設定値(設定炉内温度)、ガス導入部8と酸素濃度センサ9を備える第5炉F5の炉内の酸素濃度の設定値(設定酸素濃度)、リフロー装置M7の基板搬送部5が基板Bを搬送する搬送速度Vの設定値(設定搬送速度)、搬入口6からリフロー装置M7に基板Bを投入する間隔の最小値(設定投入間隔)などが記憶されている。
基板検出処理部22は、搬入センサ10の検出結果からリフロー装置M7の搬入口6を通過する基板Bを検出する。基板検出処理部22は、管理装置3から送信されたリフロー装置M7に投入される基板Bの識別情報と、基板Bが搬入口6で検出された時刻(第2時刻)を紐づけて、基板搬入履歴21dとしてリフロー記憶部21に記憶させる。このように、搬入センサ10と基板検出処理部22は、炉F1~F6より前のリフロー装置M7の所定位置(基板検出位置DP)を通過する基板Bを検出する基板検出部30を構成する。
図3において、温度計測処理部23は、各炉F1~F6に設置された温度センサS1~S6による温度の計測結果から、各炉F1~F6の炉内温度を計測する。温度計測処理部23は、所定の時刻(例えば、1分間隔)に炉内温度を計測し、計測時刻と紐づけて温度履歴21bとしてリフロー記憶部21に記憶させる。このように、温度センサS1~S6と温度計測処理部23は、炉F1~F6内(ゾーンZ1~Z6内)の温度(炉内温度)を計測する温度計測部31を構成する。
酸素計測処理部24は、第5炉F5に設置された酸素濃度センサ9による酸素濃度の計測結果から、第5炉F5の炉内酸素濃度を計測する。酸素計測処理部24は、所定の時刻(例えば、1分間隔)に炉内酸素濃度を計測し、計測時刻と紐づけて酸素濃度履歴21cとしてリフロー記憶部21に記憶させる。このように、酸素濃度センサ9と酸素計測処理部24は、第5炉F5内(ゾーンZ5内)の酸素濃度(炉内酸素濃度)を計測する酸素濃度計測部32を構成する。なお、温度計測部31と酸素濃度計測部32の計測時刻や計測間隔は、必ずしも同一である必要はない。
図3において、リフロー制御部25は、リフロー条件21aに含まれる各種の設定値、温度計測部31が計測した炉内温度、酸素濃度計測部32が計測した炉内酸素濃度、管理装置3から送信される各種の指令に基づいて、基板搬送部5、ガス導入部8、加熱部H1~H6を制御する。
具体的には、リフロー制御部25は、リフロー装置M7内を搬送される基板Bの搬送速度Vがリフロー条件21aに含まれる設定搬送速度となるように、基板搬送部5を制御する。また、リフロー制御部25は、温度計測部31が計測した炉内温度に基づいて、各炉F1~F6の炉内温度がリフロー条件21aに含まれる設定炉内温度に維持されるように加熱部H1~H6をフィードバック制御する。
また、リフロー制御部25は、酸素濃度計測部32が計測した炉内酸素濃度に基づいて、第5炉F5の炉内酸素濃度がリフロー条件21aに含まれる設定酸素濃度に維持されるようにガス導入部8が導入する不活性ガスの量をフィードバック制御する。また、リフロー制御部25は、管理装置3から送信される第5炉F5内の酸素濃度を下げる旨の指令に基づいて、ガス導入部8から導入される不活性ガスの量を増加させる。
このように、リフロー装置M7は、基板Bを加熱するための炉F1~F6と、炉F1~F6内の少なくとも温度または酸素濃度を計測する計測部(温度計測部31、酸素濃度計測部32)と、基板Bを搬送する基板搬送部5と、炉F1~F6より前の所定位置(基板検出位置DP)を通過する基板Bを検出する基板検出部30を備えており、部品が搭載された基板Bを搬送しながら加熱してはんだを固化させる。
図3において、管理装置3が備える管理処理装置40は、管理記憶部41、取得部42、特定部43、算出部44、解析部45、入力部46、表示部47、管理通信部48を備えている。入力部46は、キーボード、タッチパネル、マウスなどの入力装置であり、操作コマンドやデータ入力時などに用いられる。表示部47は液晶パネルなどの表示装置であり、入力部46による操作のための操作画面などの各種画面などの各種情報を表示する。管理通信部48は通信インターフェースであり、通信ネットワーク2を介して基板供給装置M1、印刷装置M2、部品実装装置M3~M6、リフロー装置M7、基板回収装置M8との間で信号、データの授受を行う。
管理記憶部41は記憶装置であり、生産データ41a、基板情報41b、雰囲気履歴情報41c、搬送履歴情報41d、搬送速度情報41e、搬送距離情報41f、基板別履歴情報41gなどを記憶する。生産データ41aには、実装基板の生産機種名(基板名)、基板Bに実装される部品の種類(部品名)、部品のサイズ、実装位置(XY座標)、実装方向(θ方向)などの情報が含まれている。
図3において、基板情報41bには、基板供給装置M1から送信される印刷装置M2に向けて搬出された基板Bの識別情報、印刷装置M2、部品実装装置M3~M6、リフロー装置M7、基板回収装置M8から送信される基板Bの搬入情報、搬出情報に基づいて、実装基板製造ラインPL1における基板Bの位置が識別情報に紐付けられて記憶されている。管理通信部48は、基板情報41bに基づいて、印刷装置M2、部品実装装置M3~M6、リフロー装置M7、基板回収装置M8に対して、上流の装置から搬入される基板Bの識別情報を送信する。例えば、リフロー装置M7に対しては、上流の部品実装装置M6から搬入される基板Bの識別情報が送信される。
取得部42は、リフロー装置M7から温度履歴21bと酸素濃度履歴21cを取得して、雰囲気履歴情報41cとして管理記憶部41に記憶させる。なお、取得部42は、温度履歴21bと酸素濃度履歴21cの両方ではなく、いずれか一方のみを取得して雰囲気履歴情報41cとして記憶させるようにしてもよい。すなわち、取得部42は、所定時間毎に計測された、リフロー装置M7の炉F1~F6内の少なくとも温度(炉内温度)または酸素濃度(炉内酸素濃度)の計測結果を含む雰囲気履歴情報41cを取得する。
ここで、図4を参照して、雰囲気履歴情報41cの一例について説明する。雰囲気履歴情報41cには、計測時刻50毎に、第1炉F1の炉内温度51、第2炉F2の炉内温度52、第3炉F3の炉内温度53、第4炉F4の炉内温度54、第5炉F5の炉内温度55、第5炉F5の炉内酸素濃度56、第6炉F6の炉内温度57が記録されている。
図3において、取得部42は、リフロー装置M7から基板搬入履歴21dを取得して、搬送履歴情報41dとして管理記憶部41に記憶させる。すなわち、取得部42は、リフロー装置M7の搬入口6(基板検出位置DP)を基板Bが通過した通過時刻(第2時刻)をリフロー装置M7における基板Bの搬送履歴情報41dとして取得する。
ここで、図5を参照して、搬送履歴情報41dの一例について説明する。搬送履歴情報41dには、基板Bの識別情報58毎に、基板Bが搬入口6(基板検出位置DP)を通過した通過時刻59が記録されている。この例では、基板Bが搬入口6を通過した順番で、基板Bの識別情報58が表示されている。このように、搬送履歴情報41dは、基板Bがリフロー装置M7の所定位置(基板検出位置DP)を通過した第2時刻(通過時刻59)を含んでいる。
なお、後述する基板別履歴情報41gの作成のみを目的とする場合は、取得部42は、実装基板の生産終了時点などに、雰囲気履歴情報41cと搬送履歴情報41dを取得する。また、基板別履歴情報41gの作成の他にリフロー装置M7の炉内温度と炉内酸素濃度の制御を目的とする場合は、取得部42は、所定の間隔(例えば、炉内温度や炉内酸素濃度が計測される毎)に、雰囲気履歴情報41cと搬送履歴情報41dを取得する。
図3において、搬送速度情報41eには、リフロー装置M7が基板Bを搬送する搬送速度Vが記憶されている。すなわち、搬送速度情報41eには、リフロー装置M7における基板Bの搬送速度Vに関する情報が含まれている。搬送距離情報41fには、各炉F1~F6内において基板Bが加熱されながら搬送される搬送距離L1~L6(図2参照)と、搬入センサ10が基板Bを検出する基板検出位置DPから第1炉F1までの搬送距離L0が記憶されている。すなわち、搬送距離情報41fには、リフロー装置M7における基板Bの搬送距離L0~L6に関する情報が含まれる。
算出部44は、搬送履歴情報41dに含まれる基板Bがリフロー装置M7の所定位置(基板検出位置DP)を通過した第2時刻と、搬送速度情報41eに含まれる基板Bの搬送速度Vと、搬送距離情報41fに含まれる搬送距離L0~L6に基づいて、基板Bが炉F1~F6内の所定位置を通過した第1時刻を算出する。特定部43は、雰囲気履歴情報41cと搬送履歴情報41dから算出された第1時刻に基づいて、基板Bが複数の炉F1~F6に位置していたときの炉内温度(特定炉内温度)または炉内酸素濃度(特定酸素濃度)を特定する。
ここで、図6を参照しながら、算出部44による第1時刻の算出方法と、特定部43による基板Bが複数の炉F1~F6に位置していたときの炉内温度と第5炉F5に位置していたときの炉内酸素濃度の特定方法について説明する。ここでは、リフロー装置M7の各ゾーンZ1~Z6における基板Bの搬送距離L1~L6は等しい場合を例に説明する。また、基板Bが各炉F1~F6内の所定位置(例えば、第1炉F1と第2炉F2の境界や、第1炉F1の中心など)を通過する時刻を第1時刻とする。
図6では、リフロー装置M7における搬入口6から搬出口7までの位置関係が、紙面の上から下に向けて表示されている。また、紙面の左から右に向けて時刻が表示されている。図6には、リフロー装置M7に搬入された5枚の基板Bのリフロー装置M7内での位置と時刻の関係が示されている。以下、識別情報58が「B01」の基板Bを、単に「基板B01」などと称する。
この例では、ゾーンZ1からゾーンZ3は、設定炉内温度が160(℃)の予備加熱区間である。また、ゾーンZ4とゾーンZ5が本加熱区間であり、ゾーンZ4の設定炉内温度は240(℃)、ゾーンZ5の設定炉内温度は230(℃)であり、ゾーンZ5の設定酸素濃度は1000(ppm)である。また、ゾーンZ6は、設定炉内温度が150(℃)の冷却区間である。なお、各ゾーンZ1~Z6の設定炉内温度と設定酸素濃度は一例であり、基板やはんだなどに応じて適宜変更される。
図6において、算出部44は、搬入センサ10により第2時刻TD01に基板検出位置DPで検出された基板B01が、第2時刻TD01から((搬送距離L0+搬送距離L1)/搬送速度V)後の第1時刻TC11にゾーンZ1を通過すると算出する。同様に、算出部44は、基板B01が第2時刻TD01から((搬送距離L0+搬送距離L1+搬送距離L2)/搬送速度V)後の第1時刻TC21にゾーンZ2を通過すると算出する。以下、同様であり、詳細な説明を省略する。すなわち、算出部44は、各基板B01~B05が基板検出位置DPを通過した第2時刻TD01~TD05から、搬送時間(搬送距離/搬送速度V)後に各ゾーンZ1~Z6を通過するとして第1時刻TC11~TC65を算出する。
特定部43は、第1時刻もしくは少なくとも第1時刻の前後に計測された炉F1~F6内の温度または酸素濃度に基づいて、基板Bが炉F1~F6に位置していたときの温度または酸素濃度を特定する。例えば、基板B01は、計測時刻TM03と計測時刻TM04の間の第1時刻に、第5炉F5を通過している。そこで、特定部43は、計測時刻TM03と計測時刻TM04の第5炉F5の炉内温度(230(℃)と228(℃))に基づいて、基板B01が第5炉F5に位置していたときの炉内温度(特定炉内温度)を特定する。また、特定部43は、計測時刻TM03と計測時刻TM04の第5炉F5の炉内酸素濃度(1000(ppm)と1200(ppm))に基づいて、基板B01が第5炉F5に位置していたときの炉内酸素濃度(特定酸素濃度)を特定する。
ここで、図7(a)、図7(b)を参照して、特定部43が、計測時刻TM01~TM10(横軸)に計測された第5炉F5の炉内酸素濃度(縦軸)に基づいて、基板B01~B05が第5炉F5に位置していたときの特定酸素濃度を特定する方法の例について説明する。すなわち、基板B01~B05が第5炉F5に位置していた第1時刻TC51~TC55における第5炉F5の炉内酸素濃度(特定酸素濃度)の特定方法(近似方法)について説明する。
図7(a)では、計測時刻TM01~TM10における炉内酸素濃度の計測値に基づいて、階段状に第1時刻TC51~TC55における第5炉F5の炉内酸素濃度を特定する。すなわち、特定部43は、基板B01~B05が第5炉F5を通過する第1時刻TC51~TC55の直前(または、同時刻)に計測された炉内酸素濃度を、基板B01~B05が第5炉F5に位置していたときの特定酸素濃度CC51~CC55と特定する。例えば、特定部43は、第1時刻TC51の直前の計測時刻TM03に計測された炉内酸素濃度C53を、基板B01が第5炉F5に位置していたときの特定酸素濃度CC51として特定する。
図7(b)では、計測時刻TM01~TM10における炉内酸素濃度の計測値に基づいて、直線補完によって第1時刻TC51~TC55における第5炉F5の炉内酸素濃度を特定する。すなわち、特定部43は、基板B01~B05が第5炉F5を通過する第1時刻TC51~TC55の前後に計測された炉内酸素濃度を直線補完して、基板B01~B05が第5炉F5に位置していたときの特定酸素濃度CC51~CC55を特定する。例えば、特定部43は、第1時刻TC51の直前の計測時刻TM03に計測された炉内酸素濃度C53と、直後の計測時刻TM04に計測された炉内酸素濃度C54を直線補完して、基板B01が第5炉F5に位置していたときの特定酸素濃度CC51を特定する。
図3において、特定部43は、特定した特定炉内温度HC11~HC65または特定酸素濃度CC51~CC55を、基板B01~B05の識別情報58に紐づけて、基板別履歴情報41gとして管理記憶部41に記憶させる。すなわち、管理記憶部41は、特定された温度(特定炉内温度HC11~HC65)または酸素濃度(特定酸素濃度CC51~CC55)を、基板B01~B05の識別情報58に紐づけて記憶する記憶部である。記憶された基板別履歴情報41gは、実装基板の品質管理のためのトレース情報などとして使用される。
ここで、図8を参照して、基板別履歴情報41gの一例について説明する。基板別履歴情報41gには、基板Bの識別情報58毎に、ゾーンZ1の特定炉内温度60、ゾーンZ2の特定炉内温度61、ゾーンZ3の特定炉内温度62、ゾーンZ4の特定炉内温度63、ゾーンZ5の特定炉内温度64、ゾーンZ6の特定炉内温度65が記憶されている。また、基板別履歴情報41gには、基板Bの識別情報58毎に、ゾーンZ5の特定酸素濃度66が記憶されている。
図3において、解析部45は、雰囲気履歴情報41cに含まれる炉内酸素濃度と搬送履歴情報41dから算出される基板Bの搬送間隔に基づいて、基板Bの搬送間隔に対する炉内酸素濃度の変動傾向を解析する。そして、解析部45は、炉内酸素濃度が増加傾向にあると判断すると、リフロー装置M7に基板Bを投入する間隔を空けること、または第5炉F5内の炉内酸素濃度を下げること、の少なくともいずれかを指令する。
基板Bを投入する間隔を空ける指令を受信したリフロー装置M7のリフロー制御部25は、上流の部品実装装置M6に送信する基板搬出許可指令の送信間隔が空くように制御を変更する。また、第5炉F5内の炉内酸素濃度を下げる指令を受信したリフロー装置M7のリフロー制御部25は、第5炉F5のガス導入部8が導入する不活性ガスの量が増えるように制御を変更する。
ここで、図9を参照して、解析部45による第5炉F5を通過する基板Bの搬送間隔に対する炉内酸素濃度の変動傾向の解析方法について説明する。ここでは、所定の時間間隔で第5炉F5の炉内酸素濃度が計測されている。図9には、基板B11~B25が第5炉F5に存在する時刻を矩形で表している。すなわち、矩形の左端は基板B11~B25の前端が第5炉F5に進入した時刻を示しており、矩形の右端は基板B11~B25の後端が第5炉F5から退出した時刻を示している。基板B13~B22は、30秒間隔で上流の部品実装装置M6からリフロー装置M7に投入されている。基板B23~B25は、45秒間隔でリフロー装置M7に投入されている。
解析部45は、雰囲気履歴情報41cに含まれる第5炉F5の炉内酸素濃度56が設定酸素濃度(1000(ppm))よりも多いか、少ないかを解析する。また、解析部45は、第5炉F5の炉内酸素濃度56が上限値(2000(ppm))を超えたか、否かを解析する。また、解析部45は、第5炉F5の炉内酸素濃度56が連続して増加しているか、連続して減少しているかを解析する。
図9において、解析部45は、第5炉F5の炉内酸素濃度56が設定酸素濃度よりも多く、かつ、3回連続して増加した場合は(楕円aで示す計測値)、酸素濃度が増加傾向にあると判断する。すなわち、この時間帯は、基板Bが第5炉F5に進入する際に流入してしまう酸素の量が、ガス導入部8より導入される不活性ガスの量を上回っている。そこで、解析部45は、リフロー装置M7に基板Bを投入する間隔を空けること、または第5炉F5内の炉内酸素濃度を下げることを指令する。この例では、基板B23をリフロー装置M7に投入するタイミングから投入間隔が30秒から45秒に変更されている。また、酸素濃度が増加傾向にあると判断されると直ぐに、第5炉F5のガス導入部8が導入する不活性ガスの量が増やされている。
その後、第5炉F5の炉内酸素濃度56は、導入される不活性ガスの増量の効果により減少傾向となる(楕円bで示す計測値)。解析部45は、不活性ガスの増量後に第5炉F5の炉内酸素濃度56が減少し、設定酸素濃度を下回ると(円cで示す計測値)、第5炉F5のガス導入部8が導入する不活性ガスの量を元の状態に戻すように指令する。その際、基板Bの投入間隔は45秒のままに維持される。これにより、第5炉F5の炉内酸素濃度56が過剰に減少することを防止することができる。その後も、解析部45は、炉内酸素濃度の変動傾向に基づいて、リフロー装置M7に基板を投入する間隔や、ガス導入部8が導入する不活性ガスの量の変更を指令する。
図3において、解析部45は、雰囲気履歴情報41cに含まれる炉内温度と搬送履歴情報41dから算出される基板Bの搬送間隔に基づいて、基板Bの搬送間隔に対する炉内温度の変動傾向を解析する。そして、解析部45は、炉F1~F6の炉内温度が低下傾向にあると判断すると、リフロー装置M7に基板Bを投入する間隔を空けることを指令する。これにより、炉F1~F6の炉内温度の低下を抑制することができる。すなわち、炉F1~F6に進入する基板Bに起因して炉内温度が低減少する傾向がある場合は、炉内温度のさらなる減少を抑制するために、単位時間当たりに炉F1~F6に進入する基板Bの枚数を減少させる。なお、解析部45による炉内温度の変動傾向の解析は、炉内酸素濃度の変動傾向の解析と同様であり、詳細な説明は省略する。
このように、本実施の形態の管理装置3は、リフロー装置M7の炉F1~F6内の少なくとも炉内温度51~55,57または炉内酸素濃度56の計測結果を含む雰囲気履歴情報41cと、リフロー装置M7における基板Bの搬送履歴情報41dとを取得する取得部42と、雰囲気履歴情報41cと搬送履歴情報41dとに基づいて、基板Bが炉F1~F6に位置していたときの特定炉内温度60~65または特定酸素濃度66を特定する特定部43と、を備えており、基板Bを搬送しながら加熱するリフロー装置M7を少なくとも含む実装基板製造ラインPL1を管理する。これによって、基板Bが炉F1~F6に位置していたときの温度または酸素濃度を特定することができる。
次に、図10のフローに沿って、リフロー装置M7の炉F1~F6に基板Bが位置していたときの炉F1~F6内の温度または酸素濃度を特定する管理方法について説明する。ここでは、実装基板製造ラインPL1において実装基板を製造中にリフロー装置M7の炉F1~F6内の温度または酸素濃度を特定し、実装基板製造ラインPL1の製造作業にフィードバックする管理方法について説明する。
まず、管理装置3の取得部42は、リフロー装置M7から温度履歴21bと酸素濃度履歴21cを取得して、炉F1~F6内の炉内温度51~55,57または炉内酸素濃度56の計測結果を含む雰囲気履歴情報41cとして記憶させる。また、取得部42は、リフロー装置M7から基板搬入履歴21dを取得して、リフロー装置M7における基板Bの搬送履歴情報41dとして記憶させる(ST1:取得工程)。取得工程(ST1)は、リフロー装置M7で炉内温度や炉内酸素濃度が計測されたタイミングなどに実行される。
図10において、次いで管理装置3の算出部44は、搬送履歴情報41dに含まれる基板B01~B05がリフロー装置M7の所定位置(基板検出位置DP)を通過した第2時刻TD01~TD05と、リフロー装置M7における基板B01~B05の搬送速度Vと、リフロー装置M7における基板B01~B05の搬送距離L0~L6に基づいて、基板B01~B05が炉F1~F6内の所定位置を通過した第1時刻TC11~TC61を算出する(ST2:算出工程)(図6参照)。
次いで管理装置3の特定部43は、算出された第1時刻TC51~TC55もしくは第1時刻TC51~TC55の前後に計測された炉F1~F6内の炉内温度51~55,57または炉内酸素濃度56に基づいて、基板B01~B05が炉F1~F6に位置していたときの特定炉内温度60~65または特定酸素濃度66を特定する(ST3:特定工程)(図7、図8参照)。すなわち、特定工程(ST3)において、雰囲気履歴情報41cと搬送履歴情報41dとに基づいて、基板B01~B05が炉F1~F6に位置していたときの特定炉内温度60~65または特定酸素濃度66が特定される。
図10において、特定部43は、特定された特定炉内温度60~65または特定酸素濃度66を基板B01~B05の識別情報58に紐づけて、基板別履歴情報41gとして記憶させる(ST4:第1記憶工程)。これによって、基板B01~B05が炉F1~F6に位置していたときの温度または酸素濃度を、基板B01~B05毎に特定することができる。
次いで管理装置3の解析部45は、雰囲気履歴情報41cに含まれる炉内酸素濃度56と搬送履歴情報41dに基づいて、基板B11~B25の搬送間隔に対する炉内酸素濃度56の変動傾向を解析する(ST5:酸素濃度解析工程)(図9参照)。解析の結果、炉内酸素濃度56が増加傾向にある場合(ST5においてYes)(図9の楕円a)、解析部45は、リフロー装置M7に基板B23~B25を投入する間隔を空けること、または第5炉F5内の酸素濃度を下げること、の少なくともいずれかを指令する(ST6:第1指令工程)。この指令に基づいて、投入間隔が30秒から45秒に変更され、第5炉F5のガス導入部8が導入する不活性ガスの量が増やされる。
図10において、次いで解析部45は、雰囲気履歴情報41cに含まれる炉内温度51~55,57と搬送履歴情報41dに基づいて、基板B11~B25の搬送間隔に対する炉内温度51~55,57の変動傾向を解析する(ST7:温度解析工程)。解析の結果、炉内温度51~55,57が低下傾向にある場合(ST7においてYes)、解析部45は、リフロー装置M7に基板B19~B25を投入する間隔を空けることを指令する(ST8:第2指令工程)。
このように、雰囲気履歴情報41cに含まれる炉内酸素濃度56または炉内温度51~55,57と搬送履歴情報41dに基づき解析された基板B11~B25の搬送間隔に対する炉内酸素濃度56または炉内温度51~55,57の変動傾向に基づいて(ST5、ST7)、リフロー装置M7に基板B19~B25を投入する間隔、または第5炉F5のガス導入部8が導入する不活性ガスの量が変更される(ST6、ST8)。これによって、リフロー装置M7の炉内酸素濃度56や炉内温度51~55,57の変動が精密に制御され、製造される実装基板の品質の変動が抑制される。
図10において、実装基板製造ラインPL1での実装基板の生産が終了していない場合(ST9においてNo)、取得工程(ST1)に戻って、雰囲気履歴情報41cと搬送履歴情報41dの取得(ST1)、基板別履歴情報41gの作成と記憶(ST2~ST4)、リフロー装置M7に基板B19~B25を投入する間隔や第5炉F5に導入する不活性ガスの量などのフィードバック(ST5~ST8)が繰り返し実行される。
次に、図11を参照して、本発明の実施の形態の他の実施例のリフロー装置(以下、単に「リフロー装置M7A」と称する。)の構成を、リフロー装置M7Aを備える実装基板製造システム1Aのブロック図を用いて説明する。リフロー装置M7Aは、図3に示す管理装置3が備える基板別履歴情報41gを作成する機能などを備えるところが図3に示すリフロー装置M7とは異なる。以下、リフロー装置M7と同じ部分には同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
リフロー装置M7Aが備えるリフロー制御装置20Aは、リフロー記憶部21A、基板検出処理部22、温度計測処理部23、酸素計測処理部24、リフロー制御部25、リフロー通信部26の他、特定部33、算出部34、解析部35を備えている。また、リフロー記憶部21Aには、リフロー条件21a、温度履歴21b、酸素濃度履歴21c、基板搬入履歴21dの他、基板情報21e、搬送距離情報21f、基板別履歴情報21gなどが記憶されている。基板情報21eと搬送距離情報21fは、管理装置3の管理記憶部41が記憶する基板情報41bと搬送距離情報41fと同じであり、詳細な説明は省略する。
図11において、算出部34は、基板搬入履歴21dに含まれる第2時刻と、リフロー条件21aに含まれる搬送速度Vと、搬送距離情報21fに含まれる搬送距離L0~L6に基づいて、第1時刻を算出する他は、管理装置3の算出部44と同じであり、詳細な説明は省略する。特定部33は、温度履歴21bに含まれる炉F1~F6内の炉内温度と、酸素濃度履歴21cに含まれる第5炉F5の炉内酸素濃度と、基板搬入履歴21dに基づいて、特定炉内温度と特定酸素濃度を特定する他は、管理装置3の特定部43と同じであり、詳細な説明は省略する。
解析部35は、温度履歴21bに含まれる炉F1~F6内の炉内温度と、酸素濃度履歴21cに含まれる第5炉F5の炉内酸素濃度と、基板搬入履歴21dに基づいて、基板の搬送間隔に対する炉内温度と炉内酸素濃度の変動傾向を解析する他は、管理装置3の解析部45と同じであり、詳細な説明は省略する。
上記説明したように、本実施の形態の他の実施例のリフロー装置M7Aは、基板を加熱するための炉F1~F6と、炉F1~F6内の少なくとも炉内温度または炉内酸素濃度を計測する計測部(温度計測部31、酸素濃度計測部32)と、計測された炉内温度または炉内酸素濃度と、リフロー装置M7Aにおける基板の搬送情報(基板搬入履歴21d)に基づいて、基板が炉F1~F6に位置していたときの特定炉内温度または特定酸素濃度を特定する特定部33と、を備えている。これによって、リフロー装置M7Aが単独で、基板が炉F1~F6に位置していたときの温度または酸素濃度を特定することができる。
次に、図12を参照して、本発明の実施の形態の他の実施例のリフロー装置(以下、単に「リフロー装置M7B」と称する。)の構成を、リフロー装置M7Bを備える実装基板製造システム1Bのブロック図を用いて説明する。リフロー装置M7Bは、炉F1~F6内に基板が搬送された時に炉内温度と炉内酸素濃度を計測するところがリフロー装置M7、リフロー装置M7Aとは異なる。以下、リフロー装置M7、リフロー装置M7Aと同じ部分には同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
リフロー装置M7Bが備えるリフロー制御装置20Bは、リフロー記憶部21B、基板検出処理部22、温度計測処理部23B、酸素計測処理部24B、リフロー制御部25、リフロー通信部26、解析部35Bを備えている。また、リフロー記憶部21Aには、リフロー条件21a、基板情報21e、基板別履歴情報21gの他、計測条件21hなどが記憶されている。
図12において、計測条件21hには、搬入センサ10がリフロー装置M7Bに投入される基板B08~B09を検出する基板検出位置DPから各炉F1~F6に設置された温度センサS1~S6または酸素濃度センサ9までの搬送距離L1B~L6Bが記憶されている(図13参照)。または、計測条件21hには、搬送距離L1B~L6Bとリフロー条件21aに含まれる基板B08~B09の搬送速度Vから算出される、基板検出位置DPを通過した基板B08~B09が温度センサS1~S6または酸素濃度センサ9に到達するまでの搬送時間(搬送距離L1B~L6B/搬送速度V)が記憶されている。
温度計測部31Bは、基板検出部30が基板検出位置DPを通過する基板B08~B09を検出した後、所定時間後(搬送時間後)に炉内温度を計測する。また、酸素濃度計測部32Bは、基板検出部30が基板検出位置DPを通過する基板B08~B09を検出した後、所定時間後(搬送時間後)に炉内酸素濃度を計測する。また、所定時間(搬送時間)は、基板搬送部5が基板B08~B09を搬送する搬送速度Vと、基板検出部30が基板B08~B09を検出する基板検出位置DPから計測部(温度計測部31、酸素濃度検出部32)のセンサ(温度センサS1~S6、酸素濃度センサ9)が計測する位置までの搬送距離L1B~L6Bに基づいて算出される。
基板検出部30が基板B08~B09を検出した第2時刻、温度計測部31Bが計測した炉内温度と計測時刻、酸素濃度計測部32Bが計測した炉内酸素濃度と計測時刻は、計測された基板B08~B09の識別情報58と紐付され、基板別履歴情報21gとしてリフロー記憶部21Bに記憶される。すなわち、リフロー記憶部21Bは、基板B08~B09が検出された第2時刻と、計測された炉内温度または炉内酸素濃度がそれぞれ計測された計測時刻に、計測された基板B08~B09の識別情報58を紐づけて記憶する記憶部である。
ここで、図13を参照しながら、温度計測部31Bと酸素濃度計測部32Bによる炉内温度と炉内酸素濃度の計測方法について説明する。基板B08は、第2時刻TD08に基板検出位置DPで基板検出部30(搬入センサ10)によって検出されている。その後、基板B10がゾーンZ1の温度センサS1の位置に到達する計測時刻TM18に、温度計測部31B(温度センサS1)により炉内温度HC18が計測される。
同様に、基板B10がゾーンZ2~Z6の温度センサS2~S6の位置に到達する計測時刻TM28~TM68に、温度計測部31B(温度センサS2~S6)により炉内温度HC28~HC68が計測される。また、基板B10がゾーンZ5の酸素濃度センサ9の位置に到達する計測時刻TM58に、酸素濃度計測部32B(酸素濃度センサ9)により炉内酸素濃度CC58が計測される。
図12において、解析部35Bは、リフロー記憶部21B(記憶部)に記憶された基板別履歴情報21gに含まれる基板B08~B09の第2時刻TD08~TD09、炉内温度HC18~HC69、計測時刻TM18~TM69に基づいて、基板B08~B09の搬送間隔に対する炉内温度HC18~HC69の傾向を解析する。そして、解析部35Bは、炉内温度HC18~HC69が低下傾向にあると判断すると、リフロー装置M7Bに基板B08~B09を投入する間隔を空けることを指令する。
また、解析部35Bは、リフロー記憶部21B(記憶部)に記憶された基板別履歴情報21gに含まれる基板B08~B09の第2時刻TD08~TD09、炉内酸素濃度CC58~CC69、計測時刻TM18~TM69に基づいて、基板B08~B09の搬送間隔に対する炉内酸素濃度CC58~CC69の変動傾向を解析する。そして、解析部35Bは、炉内酸素濃度CC58~CC69が増加傾向にあると判断すると、リフロー装置M7Bに基板B08~B09を投入する間隔を空けること、またはガス導入部8が導入する不活性ガスの量を増やすこと、の少なくともいずれかを指令する。
次に、図14のフローに沿って、リフロー装置M7Bの炉F1~F6に基板B08~B09が位置していたときの炉F1~F6内の炉内温度または炉内酸素濃度を計測する管理方法について説明する。以下、図10に示す管理方法と同じ工程には同じ符号を付して、詳細な説明は省略する。
まず、基板検出部30によりリフロー装置M7Bに投入される基板B08~B09が検出されると(ST11においてYes)、その基板B08~B09が各炉F1~F6の温度センサS1~S6または酸素濃度センサ9に到達する計測時刻TM18~TM69が算出される(ST12:計測時刻算出工程)。次いで温度計測部31Bと酸素濃度計測部32Bは、計測時刻TM18~TM69に炉内温度HC18~HC69と炉内酸素濃度CC58~CC69を計測する(ST13:第3計測工程)。
図14において、次いで基板検出部30が基板B08~B09を検出した第2時刻、計測された炉内温度HC18~HC69、炉内酸素濃度CC58~CC69、計測時刻TM18~TM69は、基板B08~B09の識別情報58と紐付けされて、基板別履歴情報21gとして記憶される(ST14:第2記憶工程)。その後、基板別履歴情報21gに基づいて、酸素濃度解析工程(ST5)、第1指令工程(ST6)、温度解析工程(ST7)、第2指令工程(ST8)が実行され、リフロー装置M7Bに基板B08~B09を投入する間隔、または第5炉F5のガス導入部8が導入する不活性ガスの量が変更される。
上記説明したように、本実施の形態の他の実施例のリフロー装置M7Bは、基板B08~B09を加熱するための炉F1~F6と、炉F1~F6内の少なくとも炉内温度HC18~HC69または炉内酸素濃度CC58~CC69を計測する計測部(温度計測部31B、酸素濃度計測部32B)と、基板B08~B09を搬送する基板搬送部5と、炉F1~F6より前の所定位置(基板検出位置DP)を通過する基板B08~B09を検出する基板検出部30と、を備えている。
そして、計測部は、基板検出部30が基板B08~B09を検出した後、所定時間後(計測時刻TM18~TM69)に炉内温度HC18~HC69または炉内酸素濃度CC58~CC69を計測する。これによって、基板B08~B09が炉F1~F6に位置していたときの温度または酸素濃度をリアルタイムに特定(計測)することができる。
本発明の管理装置およびリフロー装置ならびに管理方法は、基板が炉に位置していたときの温度または酸素濃度を特定することができるという効果を有し、部品を基板に実装する分野において有用である。
1、1A、1B 実装基板製造システム
3 管理装置
5 基板搬送部
8 ガス導入部
B、B01~B05、B08~B09、B11~B25 基板
DP 基板検出位置(リフロー装置の所定位置)
F1 第1炉
F2 第2炉
F3 第3炉
F4 第4炉
F5 第5炉
F6 第6炉
L0~L6、L1B~L6B 搬送距離
M7、M7A、M7B リフロー装置
PL1 実装基板製造ライン
V 搬送速度
3 管理装置
5 基板搬送部
8 ガス導入部
B、B01~B05、B08~B09、B11~B25 基板
DP 基板検出位置(リフロー装置の所定位置)
F1 第1炉
F2 第2炉
F3 第3炉
F4 第4炉
F5 第5炉
F6 第6炉
L0~L6、L1B~L6B 搬送距離
M7、M7A、M7B リフロー装置
PL1 実装基板製造ライン
V 搬送速度
Claims (16)
- 基板を搬送しながら加熱するリフロー装置を少なくとも含む実装基板製造ラインの管理装置であって、
前記リフロー装置の炉内の少なくとも温度または酸素濃度の計測結果を含む雰囲気履歴情報と、前記リフロー装置における前記基板の搬送履歴情報とを取得する取得部と、
前記雰囲気履歴情報と前記搬送履歴情報に基づいて、前記基板が前記炉に位置していたときの前記温度または前記酸素濃度を特定する特定部と、を備える、管理装置。 - 特定された前記温度または前記酸素濃度を、前記基板の識別情報に紐づけて記憶する記憶部をさらに備える、請求項1に記載の管理装置。
- 前記リフロー装置は、複数の前記炉を有し、
前記特定部は、前記基板が前記複数の前記炉の各々に位置していたときの前記温度または前記酸素濃度を特定する、請求項1または2に記載の管理装置。 - 前記特定部は、前記基板が前記炉内の所定位置を通過した第1時刻に基づいて、前記基板が前記炉に位置していたときの前記温度または前記酸素濃度を特定する、請求項1から3のいずれか1項に記載の管理装置。
- 算出部をさらに備え、
前記搬送履歴情報は、前記基板が前記リフロー装置の所定位置を通過した第2時刻を含み、
前記算出部は、前記第2時刻と、前記リフロー装置における前記基板の搬送速度に関する搬送速度情報と、前記リフロー装置における前記基板の搬送距離に関する搬送距離情報に基づいて、前記第1時刻を算出する、請求項4に記載の管理装置。 - 前記特定部は、前記第1時刻もしくは少なくとも前記第1時刻の前後に計測された前記炉内の前記温度または前記酸素濃度に基づいて、前記基板が前記炉に位置していたときの前記温度または前記酸素濃度を特定する、請求項4または5に記載の管理装置。
- 前記雰囲気履歴情報は、所定時間毎に計測された、少なくとも前記温度または前記酸素濃度を含む、請求項1から6のいずれか1項に記載の管理装置。
- 前記雰囲気履歴情報に含まれる前記酸素濃度と前記搬送履歴情報に基づいて、前記基板の搬送間隔に対する前記酸素濃度の変動傾向を解析する解析部を、さらに備え、
前記解析部は、前記酸素濃度が増加傾向にあると判断すると、前記リフロー装置に基板を投入する間隔を空けること、または前記炉内の前記酸素濃度を下げること、の少なくともいずれかを指令する、請求項1から7のいずれか1項に記載の管理装置。 - 前記雰囲気履歴情報に含まれる前記温度と前記搬送履歴情報に基づいて、前記基板の搬送間隔に対する前記温度の変動傾向を解析する解析部を、さらに備え、
前記解析部は、前記温度が低下傾向にあると判断すると、前記リフロー装置に基板を投入する間隔を空けることを指令する、請求項1から8のいずれか1項に記載の管理装置。 - 部品が搭載された基板を搬送しながら加熱してはんだを固化させるリフロー装置であって、
前記基板を加熱するための炉と、
前記炉内の少なくとも温度または酸素濃度を計測する計測部と、
計測された前記温度または前記酸素濃度と、前記リフロー装置における前記基板の搬送情報に基づいて、前記基板が前記炉に位置していたときの前記温度または前記酸素濃度を特定する特定部と、を備える、リフロー装置。 - 部品が搭載された基板を搬送しながら加熱してはんだを固化させるリフロー装置であって、
前記基板を加熱するための炉と、
前記炉内の少なくとも温度または酸素濃度を計測する計測部と、
前記基板を搬送する基板搬送部と、
前記炉より前の所定位置を通過する前記基板を検出する基板検出部と、を備え、
前記計測部は、前記基板検出部が前記基板を検出した後、所定時間後に前記温度または前記酸素濃度を計測する、リフロー装置。 - 前記所定時間は、前記基板搬送部が前記基板を搬送する搬送速度と、前記基板検出部が前記基板を検出する位置から前記計測部の位置までの搬送距離に基づいて算出される、請求項11に記載のリフロー装置。
- 計測された前記温度または前記酸素濃度と計測された時刻に、計測された前記基板の識別情報を紐づけて記憶する記憶部をさらに備える、請求項11または12に記載のリフロー装置。
- 前記酸素濃度が計測される前記炉内に不活性ガスを導入するガス導入部と、
前記記憶部に記憶された情報に基づいて、前記基板の搬送間隔に対する前記酸素濃度の変動傾向を解析する解析部と、をさらに備え、
前記解析部は、前記酸素濃度が増加傾向にあると判断すると、前記リフロー装置に基板を投入する間隔を空けること、または前記ガス導入部が導入する前記不活性ガスの量を増やすこと、の少なくともいずれかを指令する、請求項13に記載のリフロー装置。 - 前記記憶部に記憶された情報に基づいて、前記基板の搬送間隔に対する前記温度の変動傾向を解析する解析部と、をさらに備え、
前記解析部は、前記温度が低下傾向にあると判断すると、前記リフロー装置に基板を投入する間隔を空けることを指令する、請求項13または14に記載のリフロー装置。 - 基板を搬送しながら加熱するリフロー装置の炉に前記基板が位置していたときの前記炉内の温度または酸素濃度を特定する管理方法であって、
前記炉内の少なくとも温度または酸素濃度の計測結果を含む雰囲気履歴情報と、前記リフロー装置における基板の搬送履歴情報とを取得し、
前記雰囲気履歴情報と前記搬送履歴情報とに基づいて、前記基板が前記炉に位置していたときの前記温度または前記酸素濃度を特定する、管理方法。
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