JP2023077935A - 電動モータ - Google Patents

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Abstract

【課題】安価でかつモータ効率をアップさせることが可能な電動モータを提供する。【解決手段】ロータ30の軸方向に並べられ、かつ互いに同極が向き合わされた第1,第2磁石体34,35を備え、第1磁石体34の内部の複数の配向が何れも同じ方向を向くとともに、第2磁石体35の内部の複数の配向が何れも同じ方向を向いており、第1磁石体34の配向を第1矢印AR1で示し、かつ第2磁石体35の配向を第2矢印AR2で示したときに、第1,第2矢印AR1,AR2は、同一の線分LNに沿うよう真っ直ぐに配置した状態に対して、第1,第2矢印AR1,AR2の第1対向部OP1が、ステータ20寄りに配置されるよう傾斜している。永久磁石33から出る磁力線を効率良くステータ20に向け、ステータ20以外の部分に磁力線が漏れることが抑えられる。ブラシレスモータ10を小型化し、モータ効率をアップできる。【選択図】図6

Description

本発明は、固定子および回転子を備えた電動モータに関する。
例えば、特許文献1には、永久磁石の内部における複数の配向の傾きを調整することで、モータ効率をアップさせた電動機(電動モータ)が記載されている。当該電動機は、ハウジングの内側に固定されたステータコア(固定子)と、当該ステータコアの内側で回転する回転子と、を備えている。
ステータコアにはコイルが巻き付けられ、回転子には永久磁石が固定されている。また、永久磁石の軸方向長さの方が、ステータコアの軸方向長さよりも長くなっている。そして、永久磁石を形成する1つの磁極部の内部において、複数の配向をそれぞれ異なる角度で傾斜させており、これにより、複数の配向をステータコアに向くようにしている。
特開2005-253146号公報
しかしながら、特許文献1に記載された電動機の永久磁石では、1つの磁極部の内部において、複数の配向をそれぞれ異なる角度で傾斜させる必要があるため、当該磁極部の着磁作業が難しく、ひいては製造コストがアップするという問題が生じていた。
本発明の目的は、安価でかつモータ効率をアップさせることが可能な電動モータを提供することにある。
本発明の一態様では、固定子および回転子を備えた電動モータであって、前記固定子または前記回転子の何れか一方に設けられるコイルと、前記固定子または前記回転子の何れか他方に設けられる永久磁石と、を有し、前記永久磁石は、軸方向または周方向に並べられ、かつ互いに同極が向き合わされた第1磁石体および第2磁石体を備え、前記第1磁石体の内部の複数の配向が何れも同じ方向を向くとともに、前記第2磁石体の内部の複数の配向が何れも同じ方向を向いており、前記第1磁石体の前記配向を第1矢印で示し、かつ前記第2磁石体の前記配向を第2矢印で示したときに、前記第1矢印および前記第2矢印は、同一の線分に沿うよう真っ直ぐに配置した状態に対して、前記第1矢印と前記第2矢印との対向部が前記固定子寄りまたは前記回転子寄りに配置されるよう傾斜している。
本発明によれば、永久磁石の着磁作業を簡素化して、安価でかつモータ効率をアップさせることが可能な電動モータを実現できる。
実施の形態1(ブラシレスモータ)の分解斜視図である。 図1のA矢視図である。 図2のB-B線に沿う部分断面図である。 ロータ構造(実施の形態1と比較例)を示す斜視図である。 永久磁石の構造(実施の形態1と変形例)を示す斜視図である。 図3の破線円C部の拡大図である。 実施の形態2(ブラシレスモータ)の図3に対応した図である。 図7の破線円D部の拡大図である。 実施の形態3(ブラシレスモータ)の図3に対応した図である。 図9の破線円E部の拡大図である。 実施の形態4(ブラシ付きモータ)の部分断面図である。 実施の形態5(ブラシ付きモータ)の部分断面図である。 実施の形態6(ブラシ付きモータ)の部分断面図である。 実施の形態7(ブラシ付きモータ)の部分断面図である。 実施の形態8(ブラシ付きモータ)の部分断面図である。 実施の形態9(ブラシ付きモータ)の部分断面図である。
以下、本発明の実施の形態1について図面を用いて詳細に説明する。
図1は実施の形態1(ブラシレスモータ)の分解斜視図を、図2は図1のA矢視図を、図3は図2のB-B線に沿う部分断面図を、図4はロータ構造(実施の形態1と比較例)を示す斜視図を、図5は永久磁石の構造(実施の形態1と変形例)を示す斜視図を、図6は図3の破線円C部の拡大図をそれぞれ示している。
図1ないし図3に示されるブラシレスモータ(電動モータ)10は、8極12スロット型のブラシレスモータであり、その外径はφ50mm以下となっており、比較的小型の円筒状に形成されている。ブラシレスモータ10は、モータケース等に固定されるステータ(固定子)20と、ステータ20に対して回転可能なロータ(回転子)30と、を備えている。ここで、ロータ30は、ステータ20に対して、隙間(エアギャップ)Gを介して非接触の状態となっており、スムーズに回転可能となっている。
<ステータ>
ステータ20は、ステータコア21を有している。ステータコア21は、複数のケイ素鋼板等を積層して略円筒状に形成されている。ステータコア21は、円筒状のコア本体21aおよび合計12個のティース21bを備えている。合計12個のティース21bは、ロータ30の中心に向けて径方向内側に突出され、かつコア本体21aの周方向に等間隔(30度間隔)で配置されている。
それぞれのティース21bには、絶縁体(図示せず)を介して所定の巻き方および所定の巻き数でコイル(導電線)22が巻かれている。これらのコイル22は、それぞれU相,V相,W相に対応した三相のコイル22となっている。
そして、三相のコイル22には、ブラシレスモータ10の回転状態を制御するコントローラ(図示せず)が電気的に接続されており、コントローラから三相のコイル22のそれぞれに駆動電流が供給される。具体的には、U相,V相,W相のコイル22に対して、それぞれ順番に高速で駆動電流が供給される。これにより、U相,V相,W相のコイル22が設けられたティース21bが順次電磁石となり、ひいてはステータ20の径方向内側に配置されたロータ30が回転される。
ここで、ブラシレスモータ10には、U相,V相,W相に対応した磁気センサ(図示せず)が設けられている。これらの磁気センサは、例えばホール素子等から成り、ロータ30の回転に伴ってそれぞれが所定のタイミングでパルス信号を出力する。そして、コントローラは、磁気センサからのパルス信号に応じて、U相,V相,W相のコイル22への通電状態を高速で切り替える。これにより、ロータ30は、所定の回転数および駆動トルクで精度良く回転される。
<ロータ>
ロータ30は、比較的肉厚の鋼板を深絞り加工等することで、略カップ状に形成されたロータ本体31を備えている。ロータ本体31は、円盤状に形成された底壁部31aと、円筒状に形成された側壁部31bと、を有している。底壁部31aの中心部分には、丸鋼棒からなる回転軸32が固定されている。よって、回転軸32は、ロータ本体31の回転に伴って回転される。
側壁部31bの径方向外側には、円筒状に形成された永久磁石33が設けられている。永久磁石33はフェライト磁石であって、円筒状に形成された第1磁石体34および第2磁石体35を備えている。第1,第2磁石体34,35は、それぞれロータ本体31の軸方向に突き合わせて並んでいる。このように、ロータ30は、一対の円筒状の第1,第2磁石体34,35を、ロータ本体31の軸方向に重ねた2段構造となっている。
ここで、第1,第2磁石体34,35は、それぞれ側壁部31bに対して、接着剤等を介して強固に固定されている。これにより、第1,第2磁石体34,35に対するステータ20の吸引力(電磁力)により、ロータ本体31(回転軸32)が回転される。
このように、ブラシレスモータ10は、ロータ本体31の径方向外側に永久磁石33が固定された、所謂「表面磁石型」のブラシレスモータ(SPMモータ:surface permanent magnetic motor)を採用する。なお、第1磁石体34はロータ本体31の軸方向における底壁部31a側(図1および図3の左側)に配置され、第2磁石体35はロータ本体31の軸方向における底壁部31a側とは反対側(図1および図3の右側)に配置されている。
<第1磁石体および第2磁石体>
第1,第2磁石体34,35は、何れも同じ円筒状に形成されている。具体的には、図3および図4の[実施の形態1]に示されるように、第1,第2磁石体34,35は、ロータ本体31の軸方向(図中左右方向)において、互いに鏡像対称となるよう同極(N極とN極,S極とS極)を向き合わせて重ねられ、それぞれの着磁方向(配向)はロータ30の軸方向となっている。
第1,第2磁石体34,35は、それぞれ合計8個の磁石片MG1ないしMG8を、ロータ本体31の周方向に隙間無く並べて形成されている。これらの磁石片MG1ないしMG8は、ロータ本体31の軸方向と交差する方向の断面が円弧状に形成され、それぞれ略瓦状となっている。具体的には、磁石片MG1ないしMG8は、それぞれ図5の[瓦状分割型(実施の形態1)]に示されるような形状を成している。
ただし、第1,第2磁石体34,35は、磁石片MG1ないしMG8から成る図5の[瓦状分割型(実施の形態1)]に限らず、図5の[円筒一体型(変形例)]のようにもできる。具体的には、図5の[円筒一体型(変形例)]は、磁石となる磁性素材を予め円筒状に形成しておき、その後、その周方向に破線で区画された磁極部mg1ないしmg8の部分を、それぞれ所定の着磁方向に着磁する構造である。つまり、第1,第2磁石体34,35を、それぞれ1つの円筒状の磁石体により形成する構造であって、この場合、第1,第2磁石体34,35を、ロータ本体31にそれぞれ嵌め合わせるだけで済み、組立性向上を図ることが可能となる。
また、図4の[実施の形態1]に示されるように、第1磁石体34を形成する磁石片MG1ないしMG8の着磁方向を第1矢印AR1(太い実線矢印)で示すと、符号末尾の数字が奇数の磁石片MG1,MG3,MG5,MG7の第1矢印AR1は、ロータ30の軸方向一方側(図中右側)を向いている。また、符号末尾が偶数の磁石片MG2,MG4,MG6,MG8の第1矢印AR1は、ロータ30の軸方向他方側(図中左側)を向いている。
なお、図2および図4の[実施の形態1]に示されるドットマーク(円の中心に黒点が付されたマーク)は、着磁方向が図2の奥側から手前側(図4の右側から左側)に向いていることを示している。これに対してクロスマーク(円の内側にバツ印が付されたマーク)は、着磁方向が図2の手前側から奥側(図4の左側から右側)に向いていることを示している。
第1磁石体34に向き合わされる第2磁石体35は、第1磁石体34とは逆向きの着磁方向となっている。具体的には、図4の[実施の形態1]に示されるように、第2磁石体35を形成する磁石片MG1ないしMG8の着磁方向を第2矢印AR2(太い破線矢印)で示すと、符号末尾が奇数の磁石片MG1,MG3,MG5,MG7の第2矢印AR2は、ロータ30の軸方向他方側(図中左側)を向いている。また、符号末尾が偶数の磁石片MG2,MG4,MG6,MG8の第2矢印AR2は、ロータ30の軸方向一方側(図中右側)を向いている。
なお、第1,第2磁石体34,35を形成する磁石片MG1ないしMG8において、それらの内部における複数の配向(詳細図示せず)は、何れも第1,第2矢印AR1,AR2に対して平行となっている。つまり、磁石片MG1ないしMG8の内部の複数の配向は、磁石片単体において何れも同じ方向を向いている。このように、磁石片単体における複数の配向が、互いに傾斜することなく全てが同じ方向を向くため、簡素な着磁装置で容易に着磁可能となっている。
第1磁石体34を形成する磁石片MG1ないしMG8および第2磁石体35を形成する磁石片MG1ないしMG8を、互いに同極を向き合わせることにより、図4の[実施の形態1]の白抜き矢印に示されるように、永久磁石33(第1,第2磁石体34,35)から出入りする磁力線MF1を大きくすることが可能となる。なお、第1,第2矢印AR1,AR2の基端側が「S極」であり、第1,第2矢印AR1,AR2の先端側が「N極」である。
ここで、図4の[比較例]は、実施の形態1のロータ30と同じ体格のロータRTを示している。ロータRTのロータ30と異なる点は、フェライト磁石である永久磁石PMが1つの円筒状の磁石から成る点である。ロータRTの永久磁石PMにおいても、8極の磁石片MG1ないしMG8を有している。その他、ロータRTのロータ30と同じ部分には同一の符号を付している。
ロータRTを形成する磁石片MG1ないしMG8の軸方向長さは、ロータ30の磁石片MG1ないしMG8の2倍となっている。また、ロータRTの磁石片MG1ないしMG8では、その着磁方向(配向)が何れもロータRTの半径方向となっている。具体的には、ロータRTの磁石片MG1ないしMG8の着磁方向をそれぞれ第3矢印AR3(太い実線矢印)で示すと、符号末尾が奇数の磁石片MG1,MG3,MG5,MG7の第3矢印AR3は、ロータRTの径方向外側を向いている。また、符号末尾が偶数の磁石片MG2,MG4,MG6,MG8の第3矢印AR3は、ロータRTの径方向内側を向いている。
このように、第3矢印AR3の長さは、第1,第2矢印AR1,AR2の長さよりも短くなっている。これにより、同じ体格のロータ30(実施の形態1)およびロータRT(比較例)を比較すると、永久磁石33から出入りする磁力線MF1の方が、永久磁石PMから出入りする磁力線MF2よりも大きくなる(MF1>MF2)。これは、互いに同じ体格のロータ30の方がロータRTに比して、同じ素材の磁石で大きな磁力を発生でき、ブラシレスモータ10の効率アップ(トルクアップ)を図ることができることを意味する。
ここで、永久磁石33を形成する第1,第2磁石体34,35は、より具体的には、図6に示されるよう着磁されている。以下、第1,第2磁石体34,35(磁石片MG1ないしMG8)の着磁構造について、図6を用いて詳細に説明する。
<着磁構造>
図3および図6に示されるように、ロータ30の軸方向に沿う磁石片MG1ないしMG8の断面形状は、それぞれ長方形となっている。磁石片MG1ないしMG8の断面において、長辺部LSの長さ寸法L1は、短辺部SSの長さ寸法L2の3倍弱(約2.8倍)の長さ寸法となっている(L1≒2.8×L2)。そして、これらの磁石片MG1ないしMG8の断面の対角線DGの長さ寸法L3は、長辺部LSおよび短辺部SSよりも長くなっている(L3>L1>L2)。
図6に示されるように、第1,第2磁石体34,35では、磁石片MG1ないしMG8の着磁方向(配向)は、対角線DGに沿う方向となっている。すなわち、本実施の形態では、磁石片MG1ないしMG8の断面において最も長い矢印を形成できる対角線DGに沿って複数の配向が形成される。着磁方向(配向)を示す第1,第2矢印AR1,AR2は、長辺部LSの延在方向(図中左右方向)および短辺部SSの延在方向(図中上下方向)の双方に対して傾斜している。
ここで、ロータ30の軸方向に重ねられた磁石片のセット(例えば、第1磁石体34の磁石片MG1と第2磁石体35の磁石片MG1)が、8極のうちの1極に対応している。すなわち、例えば、永久磁石33を形成する第1磁石体34の磁石片MG1および第2磁石体35の磁石片MG1の2つが、図4の[比較例]の永久磁石PMを形成する1つの磁石片MG1に対応している。
また、図3,図4および図6に示されるように、第1磁石体34を形成する磁石片MG1,MG3,MG5,MG7における第1矢印AR1の先端側と、第2磁石体35を形成する磁石片MG1,MG3,MG5,MG7における第2矢印AR2の先端側とは、互いに向き合わされて第1対向部(対向部)OP1を形成している(図中太破線の楕円参照)。そして、永久磁石33の第1対向部OP1は、図3の上側および図6に示されるように、ステータ20寄りの部分に配置されている。
このように、第1矢印AR1の先端側および第2矢印AR2の先端側の第1対向部OP1を、ステータ20寄りに配置したので、磁力線MF1は、第1,第2矢印AR1,AR2の傾斜に倣って、永久磁石33からステータ20(ティース21b)に向けて出易くなっている。
その一方で、第1磁石体34を形成する磁石片MG2,MG4,MG6,MG8における第1矢印AR1の基端側と、第2磁石体35を形成する磁石片MG2,MG4,MG6,MG8における第2矢印AR2の基端側とは、互いに向き合わされて第2対向部(対向部)OP2を形成している(図中太破線の楕円参照)。そして、第2対向部OP2においても、図3の下側に示されるように、ステータ20寄りの部分に配置されている。すなわち、第1対向部OP1(矢印の先端側)および第2対向部OP2(矢印の基端側)は、何れもステータ20寄りの部分に配置されている。
このように、第1矢印AR1の基端側および第2矢印AR2の基端側の第2対向部OP2においてもステータ20寄りに配置されるので、ステータ20(ティース21b)に向けて出て行った磁力線MF1は、第1,第2矢印AR1,AR2の基端側(第2対向部OP2の部分)に対して、戻り易くなっている。
より具体的に説明すると、まず、ロータ30の軸方向に沿う単一の線分LN(図6参照)を設定する。そして、第1,第2矢印AR1,AR2の双方を、線分LNに沿うよう真っ直ぐに配置した状態、つまり第1,第2矢印AR1,AR2の双方を、線分LN上に真っ直ぐになるよう重ねた状態を考える。そして、この状態に対して、第1,第2矢印AR1,AR2は、図3および図6に示されるように、第1,第2矢印AR1,AR2の第1,第2対向部OP1,OP2の何れもが、ステータ20寄りに配置されるよう傾斜している。なお、線分LNは、本発明における線分に相当し、長辺部LS上に配置される仮想線である。
これにより、永久磁石33から出る磁力線MF1を、効率良くステータ20に向ける(ステータ20に通過させる)ことができ、ひいてはステータ20以外の部分に磁力線MF1が漏れ出てしまうことが抑制される。したがって、ブラシレスモータ10の効率アップ(トルクアップ)を図ることが可能となる。言い換えると、必要とされるトルクが図4の[比較例]と同等で良い場合には、ブラシレスモータ10を小型化することが可能となる。
ここで、図6に示されるように、磁石片MG1ないしMG8の第1,第2矢印AR1,AR2の長辺部LS(線分LN)に対する傾斜角度α度は、永久磁石33から磁力線MF1を出入りし易くしつつ、磁力線MF1を図4の[比較例]の磁力線MF2よりも大きくする、つまり第1,第2矢印AR1,AR2を第3矢印AR3よりも長くするためにも、「0度<α度<90度」の範囲に設定するのが望ましい。
なお、永久磁石33(第1,第2磁石体34,35)を形成する磁石片MG1ないしMG8を着磁するには、例えば、空芯コイル(導電線を円筒形に巻いて、当該円筒の内部に磁性体が何も入っていない状態のコイル)の中に、着磁方向が第1,第2矢印AR1,AR2となるよう着磁前の磁性素材(磁石片MG1ないしMG8)を配置し、大きな駆動電流を流すことで行われる。
言い換えれば、図5の[瓦状分割型(実施の形態1)]の場合には、簡素な着磁装置を用いて容易に着磁作業を行うことができるというメリットを有する。その一方で、図5の[円筒一体型(変形例)]の場合には、ロータ30の組立性向上を図ることができるというメリットを有する。
以上詳述したように、実施の形態1に係るブラシレスモータ10によれば、ロータ30の軸方向に並べられ、かつ互いに同極が向き合わされた第1,第2磁石体34,35を備え、第1磁石体34の内部の複数の配向が何れも同じ方向を向くとともに、第2磁石体35の内部の複数の配向が何れも同じ方向を向いており、第1磁石体34の配向を第1矢印AR1で示し、かつ第2磁石体35の配向を第2矢印AR2で示したときに、第1,第2矢印AR1,AR2は、同一の線分LNに沿うよう真っ直ぐに配置した状態に対して、第1,第2矢印AR1,AR2の第1,第2対向部OP1,OP2の何れもが、ステータ20寄りに配置されるよう傾斜している。
これにより、永久磁石33から出る磁力線MF1を、効率良くステータ20に向けることが可能となり、ステータ20以外の部分に磁力線MF1が漏れ出てしまうことを抑制できる。よって、ブラシレスモータ10を小型化しつつも、モータ効率をアップ(トルクアップ)を図ることが可能となる。
また、1つの磁石片MG1ないしMG8の内部における複数の配向(着磁方向)を何れも同じ方向にできるので、磁石片単体の内部において複数の配向の傾斜角度を異ならせたものに比して、簡素な着磁装置で容易に着磁作業を行うことが可能となる。よって、製造コストの低減を図ることができる。
さらに、実施の形態1に係るブラシレスモータ10によれば、第1,第2矢印AR1,AR2の線分LNに対する傾斜角度α度が、それぞれ0度よりも大きく90度よりも小さくなっている。
これにより、磁石片MG1ないしMG8の断面において最も長い矢印を形成できる対角線DGに沿うよう複数の配向を形成することができ、ひいては安価な磁性素材であっても、大きな磁力を得ることが可能となる。
また、実施の形態1に係るブラシレスモータ10によれば、第1,第2磁石体34,35が、ロータ30の周方向に並べられた複数の磁石片MG1ないしMG8により円筒状に形成されている。
これにより、磁石片MG1ないしMG8のそれぞれを、空芯コイル等から成る簡素な着磁装置を用いて容易に着磁作業をすることが可能となる。よって、より製造コストの低減を図ることが可能となる。
<実施の形態2(ブラシレスモータ)>
次に、本発明の実施の形態2について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態1と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図7は実施の形態2(ブラシレスモータ)の図3に対応した図を、図8は図7の破線円D部の拡大図をそれぞれ示している。
図7および図8に示されるように、実施の形態2のブラシレスモータ(電動モータ)40は、実施の形態1のブラシレスモータ10(図3および図6参照)に比して、ロータ30に設けられる永久磁石33に、円筒状の軟磁性体41(図中網掛部)を追加した点が異なっている。これに伴い、永久磁石33を形成する第1,第2磁石体34,35のロータ30の軸方向に対する長さ寸法がL4と短くなっている(L4<L1)。
軟磁性体41は、ステータコア21と同様に、複数のケイ素鋼板等を積層して円筒状に形成されている。そして、軟磁性体41は、ロータ30の軸方向において、第1磁石体34と第2磁石体35との間に挟まれるよう設けられている。
ここで、軟磁性体41のロータ30の軸方向に対する長さ寸法をL5とすると、L5<L4,2×L4+L5=2×L1を満たす。なお、L1は、図6に示される通り、実施の形態1の磁石片MG1ないしMG8の長辺部LSの長さ寸法である。また、軟磁性体41は、複数のケイ素鋼板等の他にも、パーマロイやアモルファス等からなる単一のリング状の素材を用いることもできる。
図8に示されるように、磁石片MG1ないしMG8の第1,第2矢印AR1,AR2の長辺部LS(線分LN)に対する傾斜角度β度は、実施の形態1の磁石片MG1ないしMG8の第1,第2矢印AR1,AR2の長辺部LS(線分LN)に対する傾斜角度α度(図6参照)よりも大きくなっている(β度>α度)。
これは、第1,第2磁石体34,35の長さ寸法L4が、実施の形態1の第1,第2磁石体34,35の長さ寸法L1よりも小さいことに起因する(L4<L1)。よって、実施の形態2の磁石片MG1ないしMG8の断面の対角線DGの長さ寸法L6も、実施の形態1の磁石片MG1ないしMG8の断面の対角線DGの長さ寸法L3よりも小さくなる(L6<L3)。
なお、実施の形態2の磁石片MG1ないしMG8の第1,第2矢印AR1,AR2の長辺部LS(線分LN)に対する傾斜角度β度においても、永久磁石33から磁力線(図示せず)を出入りし易くしつつ、磁力線を図4の[比較例]の磁力線MF2よりも大きくする、つまり第1,第2矢印AR1,AR2を第3矢印AR3よりも長くするためにも、「0度<β度<90度」の範囲に設定するのが望ましい。
以上のように形成した実施の形態2においても、上述した実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態2では、ロータ30の軸方向において、第1磁石体34と第2磁石体35との間に軟磁性体41を設けたので、第1磁石体34と第2磁石体35との反発(同極同士の反発力)を抑えつつ、ロータ30を容易に組み立てることが可能となる(組立作業性向上)。
<実施の形態3(ブラシレスモータ)>
次に、本発明の実施の形態3について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態2と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9は実施の形態3(ブラシレスモータ)の図3に対応した図を、図10は図9の破線円E部の拡大図をそれぞれ示している。
図9および図10に示されるように、実施の形態3のブラシレスモータ(電動モータ)50は、実施の形態2のブラシレスモータ40(図7および図8参照)に比して、軟磁性体41に換えて第3磁石体51を設けた点が異なっている。第3磁石体51は、図4の[比較例]の永久磁石PMと同様に、8極の磁石片MG1ないしMG8から形成されている。
また、第3磁石体51の磁石片MG1ないしMG8の着磁方向(配向)においても、図4の[比較例]の永久磁石PMと同様に、ロータ30の半径方向となっている。具体的には、第3磁石体51の磁石片MG1ないしMG8の着磁方向をそれぞれ第3矢印AR3(太い実線矢印)で示すと、図4の[比較例]と同様に、符号末尾が奇数の磁石片MG1,MG3,MG5,MG7の第3矢印AR3は、ロータ30の径方向外側を向いている。また、符号末尾が偶数の磁石片MG2,MG4,MG6,MG8の第3矢印AR3(図9の下側参照)は、ロータ30の径方向内側を向いている。
ここで、図9および図10においては、第3磁石体51の磁石片MG1ないしMG8について詳細には図示していないが、第3磁石体51の磁石片MG1ないしMG8の並び順については、第1,第2磁石体34,35と同様である(図4の[実施の形態1]および図5の[瓦状分割型(実施の形態1)]参照)。
以上のように形成した実施の形態3においても、上述した実施の形態2と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態3では、ロータ30の軸方向において、第1磁石体34と第2磁石体35との間に第3磁石体51を設け、かつ第3矢印AR3の方向を、第1,第2矢印AR1,AR2の方向に合わせている(図9および図10参照)。これにより、より大きな磁力を発生させ、これをステータ20に対して容易に出入りさせることができる。よって、ブラシレスモータ50の効率(トルク)をさらにアップさせることが可能となる。
<実施の形態4(ブラシ付きモータ)>
次に、本発明の実施の形態4について図面を用いて詳細に説明する。図11は実施の形態4(ブラシ付きモータ)の部分断面図を示している。
<ステータ>
実施の形態4の電動モータは、図11に示されるように、ブラシ付きモータ60である。ブラシ付きモータ60は、ステータ(固定子)61を備えている。ステータ61は、鋼板を深絞り加工等することで、略カップ状に形成されたモータケース62と、モータケース62の径方向内側に固定された永久磁石63とから形成される。また、モータケース62の開口部分(図中右側)は、樹脂製のキャップ部材64によって閉塞されている。
<ロータ>
さらに、ブラシ付きモータ60は、ステータ61に対して回転されるロータ(回転子)65を備えている。ロータ65は、複数のケイ素鋼板等を積層して略円筒状に形成されたロータコア66を有している。ロータコア66は、合計3つのティース66a(図示では1つのみ示す)を備え、これらのティース66aは、ロータ65の周方向に等間隔(120度間隔)で配置されている。それぞれのティース66aには、所定の巻き方および所定の巻き数でコイル(導電線)67が巻かれている。また、ロータ65の回転中心には、丸鋼棒からなる回転軸68が固定されている。よって、回転軸68は、ロータ65の回転に伴って回転される。
さらに、回転軸68の軸方向一側(図中右側)には、整流子69が固定されている。整流子69は、複数の整流子片69aから成り、これらの整流子片69aには、コイル67がそれぞれ電気的に接続されている。また、整流子69の外周部分には、一対のカーボンブラシ70が摺接するようになっている。これらのカーボンブラシ70は、キャップ部材64に設けられたブラシホルダ(図示せず)に移動自在に保持され、電源(図示せず)からの駆動電流を整流子69に供給する。これにより、ティース66aの極性が次々と変化して、ロータ65が回転する。
<第1磁石体および第2磁石体>
ステータ61を形成する永久磁石63は、第1磁石体71および第2磁石体72を備えている。第1,第2磁石体71,72は、それぞれ一対の磁石片MG1およびMG2を備えている。第1磁石体71は、ステータ61の軸方向他側(図中左側)に配置され、第2磁石体72は、ステータ61の軸方向一側に配置されている。第1,第2磁石体71,72を形成する磁石片MG1およびMG2は、モータケース62の軸方向と交差する方向の断面が円弧状(略瓦状)に形成され、かつモータケース62の周方向に180度間隔で並べられている。
第1,第2磁石体71,72(磁石片MG1およびMG2)は、ステータ61の軸方向(図中左右方向)において、互いに鏡像対称となるよう同極(N極とN極,S極とS極)を向き合わせて重ねられ、それぞれの着磁方向(配向)はステータ61の軸方向となっている。
具体的には、第1磁石体71を形成する磁石片MG1の着磁方向(第1矢印AR1)は、ステータ61の軸方向一側を向いている。また、第1磁石体71を形成する磁石片MG2の着磁方向(第1矢印AR1)は、ステータ61の軸方向他側を向いている。
第1磁石体71に向き合わされる第2磁石体72は、第1磁石体71とは逆向きの着磁方向となっている。具体的には、第2磁石体72を形成する磁石片MG1の着磁方向(第2矢印AR2)は、ステータ61の軸方向他側を向いている。また、第2磁石体72を形成する磁石片MG2の着磁方向(第2矢印AR2)は、ステータ61の軸方向一側を向いている。
<着磁構造>
ステータ61の軸方向に沿う第1,第2磁石体71,72の磁石片MG1およびMG2の断面形状は、実施の形態1と同様に、それぞれ長方形となっている。また、ステータ61の軸方向に沿う第1,第2磁石体71,72の磁石片MG1およびMG2の長さ寸法は、互いに同じ長さ寸法L7となっている。つまり、第1,第2磁石体71,72の磁力は、いずれも同じ磁力となっている。そして、図11に示される第1,第2矢印AR1,AR2においても、実施の形態1と同様に、第1,第2磁石体71,72の磁石片MG1およびMG2における断面の対角線上に配置されている。
第1,第2磁石体71,72の磁石片MG1における第1,第2矢印AR1,AR2の先端側の第1対向部OP1は、ロータ65寄りの部分に配置されている。よって、第1,第2磁石体71,72から出る磁力線(図中二点鎖線の矢印参照)は、第1,第2矢印AR1,AR2の傾斜に倣って、ロータ65(ティース66a)に向かい易くなっている。
その一方で、磁石片MG2における第1,第2矢印AR1,AR2の基端側の第2対向部OP2においても、ロータ65寄りの部分に配置されている。よって、ロータ65(ティース66a)に向けて出て行った磁力線(図中二点鎖線の矢印参照)は、第1,第2矢印AR1,AR2の基端側(第2対向部OP2の部分)に対して、戻り易くなっている。
なお、第1,第2磁石体71,72を形成する磁石片MG1およびMG2において、それらの内部における複数の配向(詳細図示せず)は、何れも第1,第2矢印AR1,AR2に対して平行となっており、すなわち複数の配向は互いに傾斜することなく同じ方向を向いている。よって、簡素な着磁装置で容易に着磁可能となっている。
また、ステータ61の軸方向(線分LN)に対する第1,第2矢印AR1,AR2の傾斜角度においても、実施の形態1と同様に、0度よりも大きく90度よりも小さい範囲とするのが望ましい。
以上のように形成した実施の形態4においても、上述した実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。これに加えて、実施の形態4では、図11に示されるように、永久磁石63の磁力線(図中二点鎖線の矢印参照)が、磁性体から成るモータケース62の外部に漏れ出ることが抑えられる。したがって、ブラシ付きモータ60の周辺に配置された電子部品等に対して、磁力線による悪影響を与えずに済む。
<実施の形態5(ブラシ付きモータ)>
次に、本発明の実施の形態5について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態4と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図12は実施の形態5(ブラシ付きモータ)の部分断面図を示している。
図12に示されるように、実施の形態5のブラシ付きモータ(電動モータ)80は、実施の形態4のブラシ付きモータ60(図11参照)に比して、ステータ61に設けられる永久磁石63に、略円弧状に形成された一対の軟磁性体81(図中網掛部参照)を追加した点が異なっている。これに伴い、永久磁石63を形成する第1,第2磁石体71,72のステータ61の軸方向に対する長さ寸法L8が短くなっている(L8<L7)。
なお、ステータ61の軸方向において、第1磁石体71の磁石片MG1と第2磁石体72の磁石片MG1(図12の下側)との間に、一方の軟磁性体81が設けられ、第1磁石体71の磁石片MG2と第2磁石体72の磁石片MG2(図12の上側)との間に、他方の軟磁性体81が設けられている。具体的には、それぞれの軟磁性体81は、実施の形態2(図7および図8参照)と同様に、複数のケイ素鋼板等を重ねて形成されている。そして、一対の軟磁性体81は、ステータ61の軸方向において、第1磁石体71と第2磁石体72との間に挟まれるよう配置されている。
ここで、軟磁性体81のステータ61の軸方向に対する長さ寸法をL9とすると、L9<L8,2×L8+L9=2×L7を満たす。なお、L7は、図11に示される通り、実施の形態4の磁石片MG1およびMG2の長さ寸法である。なお、軟磁性体81においても、実施の形態2と同様に、パーマロイやアモルファス等からなる単一の円弧状の素材を用いることもできる。
さらには、実施の形態5の磁石片MG1およびMG2の第1矢印AR1および第2矢印AR2の傾斜角度においても、ステータ61の軸方向(線分LN)に対して0度よりも大きく90度よりも小さい範囲に設定するのが望ましい。
以上のように形成した実施の形態5においても、上述した実施の形態2と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、軟磁性体81により第1磁石体71と第2磁石体72との反発(同極同士の反発力)を抑えつつ、ステータ61を容易に組み立てることが可能となる(組立作業性向上)。
<実施の形態6(ブラシ付きモータ)>
次に、本発明の実施の形態6について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態5と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図13は実施の形態6(ブラシ付きモータ)の部分断面図を示している。
図13に示されるように、実施の形態6のブラシ付きモータ(電動モータ)90は、実施の形態5のブラシ付きモータ80(図12参照)に比して、一対の軟磁性体81に換えて、第3磁石体91を設けた点が異なっている。第3磁石体91は、第1,第2磁石体71,72と同様に、2極の磁石片MG1およびMG2を有している。また、第3磁石体91の磁石片MG1およびMG2は、一対の軟磁性体81(図12参照)と同じ形状を成し、円弧状(略瓦状)となっている。
さらに、第3磁石体91の磁石片MG1およびMG2の着磁方向(配向)は、実施の形態3の第3磁石体51(図9および図10参照)と同様に、ステータ61の半径方向となっている。具体的には、第3磁石体91を形成する磁石片MG1の着磁方向(第3矢印AR3)は、ステータ61の径方向内側を向いている。また、第3磁石体91を形成する磁石片MG2の着磁方向(第3矢印AR3)は、ステータ61の径方向外側を向いている。
以上のように形成した実施の形態6においても、上述した実施の形態3と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、ロータ65の軸方向において、第1,第2磁石体71,72との間に第3磁石体91を設け、かつ図13に示されるように第3矢印AR3の方向を、第1,第2矢印AR1,AR2の方向に合わせたので、より大きな磁力を発生させ、これをロータ65に対して容易に出入りさせることができる。よって、上述した実施の形態5に比して、よりモータ効率をアップ(トルクアップ)をさせることが可能となる。
<実施の形態7(ブラシ付きモータ)>
次に、本発明の実施の形態7について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態4と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図14は実施の形態7(ブラシ付きモータ)の部分断面図を示している。
図14に示されるように、実施の形態7のブラシ付きモータ(電動モータ)100は、実施の形態4のブラシ付きモータ60(図11参照)に比して、ステータ61を形成する永久磁石101の配置構造が異なっている。具体的には、ブラシ付きモータ100の永久磁石101は、第1磁石体102および第2磁石体103を備えている。そして、第1,第2磁石体102,103は、ステータ61の周方向に並べられている。
<第1磁石体および第2磁石体>
第1,第2磁石体102,103は、それぞれ一対の磁石片MG1およびMG2を備えている。第1磁石体102は回転軸68を中心に一方側(図中左側)に配置され、第2磁石体103は回転軸68を中心に他方側(図中右側)に配置されている。
第1,第2磁石体102,103(磁石片MG1およびMG2)は、回転軸68を中心に互いに鏡像対称となるよう同極(N極とN極,S極とS極)を向き合わせて重ねられ、それぞれの着磁方向(配向)は回転軸68を中心に一方側の方向および他方側の方向(図中左右方向)となっている。
つまり、実施の形態7では、実施の形態4に比して、第1,第2磁石体102,103が重ねられる方向、および磁石片MG1およびMG2の着磁方向が異なっている。具体的には、実施の形態7(図14参照)では、第1,第2磁石体102,103は、ステータ61の周方向に重ねられている。これに対し、実施の形態4(図11参照)では、第1,第2磁石体71,72は、ステータ61の軸方向に重ねられている。
また、実施の形態7では、磁石片MG1およびMG2の着磁方向が、回転軸68を中心に一方側の方向および他方側の方向(図14の左右方向)となっている。これに対し、実施の形態4では、磁石片MG1およびMG2の着磁方向は、ステータ61の軸方向となっている。
そして、第1磁石体102を形成する磁石片MG1の着磁方向(第1矢印AR1)は、回転軸68を中心に他方側(図中右側)を向いている。また、第1磁石体102を形成する磁石片MG2の着磁方向(第1矢印AR1)は、回転軸68を中心に一方側(図中左側)を向いている。
第1磁石体102に向き合わされる第2磁石体103は、第1磁石体102とは逆向きの着磁方向となっている。具体的には、第2磁石体103を形成する磁石片MG1の着磁方向(第2矢印AR2)は、回転軸68を中心に一方側(図中左側)を向いている。また、第2磁石体103を形成する磁石片MG2の着磁方向(第2矢印AR2)は、回転軸68を中心に他方側(図中右側)を向いている。
<着磁構造>
ステータ61の周方向に沿う第1,第2磁石体102,103の磁石片MG1およびMG2の断面形状は、円弧状(略瓦状)となっている。また、ステータ61の周方向に沿う第2磁石体102,103の磁石片MG1およびMG2の長さ寸法は、それぞれ同じ長さ寸法L10となっている。つまり、第2磁石体102,103の磁力は、いずれも同じ磁力となっている。
また、第1,第2磁石体102,103の磁石片MG1における第1矢印AR1の先端側および第2矢印AR2の先端側の第1対向部OP1においても、実施の形態4と同様に、ロータ65寄りの部分に配置されている。よって、第1,第2磁石体102,103の第1対向部OP1の部分から出る磁力線(図中二点鎖線の矢印参照)は、第1,第2矢印AR1,AR2の傾斜に倣って、ロータ65に向かい易くなっている。
その一方で、第1,第2磁石体102,103の磁石片MG2における第1矢印AR1の基端側および第2矢印AR2の基端側の第2対向部OP2においても、実施の形態4と同様に、ロータ65寄りの部分に配置されている。よって、ロータ65に向けて出て行った磁力線(図中二点鎖線の矢印参照)は、第1,第2矢印AR1,AR2の基端側(第2対向部OP2の部分)に対して、戻り易くなっている。
なお、第1,第2磁石体102,103を形成する磁石片MG1およびMG2において、これらの内部に形成される複数の配向(詳細図示せず)は、何れも第1矢印AR1および第2矢印AR2に対して平行となっている。すなわち、複数の配向は、互いに傾斜することなく同じ方向を向いている。よって、簡素な着磁装置で容易に着磁可能となっている。
なお、回転軸68を中心に一方側の方向および他方側の方向(図中左右方向)に延びる線分LNに対する第1,第2矢印AR1,AR2の傾斜角度においても、実施の形態1と同様に、0度よりも大きく90度よりも小さい範囲とするのが望ましい。
以上のように形成した実施の形態7においても、上述した実施の形態4と同様の作用効果を奏することができる。
<実施の形態8(ブラシ付きモータ)>
次に、本発明の実施の形態8について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態7と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図15は実施の形態8(ブラシ付きモータ)の部分断面図を示している。
図15に示されるように、実施の形態8のブラシ付きモータ(電動モータ)110は、実施の形態7のブラシ付きモータ100(図14参照)に比して、ステータ61に設けられる永久磁石101に、ステータ61の軸方向に延びる棒状の一対の軟磁性体111(図中網掛部参照)を追加した点が異なっている。これに伴い、永久磁石101を形成する第1,第2磁石体102,103のステータ61の周方向に対する長さ寸法L11が短くなっている(L11<L10)。
なお、ステータ61の周方向において、第1磁石体102の磁石片MG1と第2磁石体103の磁石片MG1(図15の下側)との間に、一方の軟磁性体111が設けられ、第1磁石体102の磁石片MG2と第2磁石体103の磁石片MG2(図15の上側)との間に、他方の軟磁性体111が設けられている。具体的には、それぞれの軟磁性体111は、パーマロイやアモルファス等からなる1つの棒状の素材から成る。そして、一対の軟磁性体111は、ステータ61の周方向において、第1磁石体102と第2磁石体103との間に挟まれるよう配置されている。
ここで、軟磁性体111のステータ61の周方向に対する長さ寸法をL12とすると、L12<L11,2×L11+L12=2×L10を満たす。なお、L10は、図14に示される通り、実施の形態7の磁石片MG1およびMG2の長さ寸法である。
以上のように形成した実施の形態8においても、上述した実施の形態5と同様の作用効果を奏することができる。
<実施の形態9(ブラシ付きモータ)>
次に、本発明の実施の形態9について図面を用いて詳細に説明する。なお、上述した実施の形態8と同様の機能を有する部分については同一の記号を付し、その詳細な説明を省略する。
図16は実施の形態9(ブラシ付きモータ)の部分断面図を示している。
図16に示されるように、実施の形態9のブラシ付きモータ(電動モータ)120は、実施の形態8のブラシ付きモータ110(図15参照)に比して、一対の軟磁性体111に換えて、第3磁石体121を設けた点が異なっている。第3磁石体121は、第1,第2磁石体102,103と同様に、2極の磁石片MG1およびMG2を有している。また、第3磁石体121の磁石片MG1およびMG2は、一対の軟磁性体111(図15参照)と同様に棒状を成し、ステータ61の軸方向に延びている。
さらに、第3磁石体121の磁石片MG1およびMG2の着磁方向(配向)は、実施の形態6の第3磁石体91(図13参照)と同様に、ステータ61の半径方向となっている。具体的には、第3磁石体121を形成する磁石片MG1の着磁方向(第3矢印AR3)は、ステータ61の径方向内側を向いている。また、第3磁石体121を形成する磁石片MG2の着磁方向(第3矢印AR3)は、ステータ61の径方向外側を向いている。
以上のように形成した実施の形態9においても、上述した実施の形態6と同様の作用効果を奏することができる。
本発明は上述の各実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。例えば、上述の実施の形態1ないし3(ブラシレスモータ)では、電動モータを8極12スロット型のブラシレスモータとして説明したが、本発明はこれに限らず、ブラシレスモータに必要とされる仕様に応じて、他の極数および他のスロット数のブラシレスモータにも適用することができる。
その他、上述した各実施の形態における各構成要素の材質,形状,寸法,数,設置箇所等は、本発明を達成できるものであれば任意であり、上述した各実施の形態に限定されない。
10…ブラシレスモータ(電動モータ)、20…ステータ(固定子)、21…ステータコア、21a…コア本体、21b…ティース、22…コイル、30…ロータ(回転子)、31…ロータ本体、31a…底壁部、31b…側壁部、32…回転軸、33…永久磁石、34…第1磁石体、35…第2磁石体、40…ブラシレスモータ(電動モータ)、41…軟磁性体、50…ブラシレスモータ(電動モータ)、51…第3磁石体、60…ブラシ付きモータ(電動モータ)、61…ステータ(固定子)、62…モータケース、63…永久磁石、64…キャップ部材、65…ロータ(回転子)、66…ロータコア、66a…ティース、67…コイル、68…回転軸、69…整流子、69a…整流子片、70…カーボンブラシ、71…第1磁石体、72…第2磁石体、80…ブラシ付きモータ(電動モータ)、81…軟磁性体、90…ブラシ付きモータ(電動モータ)、91…第3磁石体、100…ブラシ付きモータ(電動モータ)、101…永久磁石、102…第1磁石体、103…第2磁石体、110…ブラシ付きモータ(電動モータ)、111…軟磁性体、120…ブラシ付きモータ(電動モータ)、121…第3磁石体、AR1…第1矢印、AR2…第2矢印、AR3…第3矢印、DG…対角線、LN…線分、LS…長辺部、MF1…磁力線、MF2…磁力線、MG1ないしMG8…磁石片、OP1…第1対向部(対向部)、OP2…第2対向部(対向部)、PM…永久磁石、RT…ロータ、SS…短辺部、mg1ないしmg8…磁極部、α度…傾斜角度、β度…傾斜角度

Claims (6)

  1. 固定子および回転子を備えた電動モータであって、
    前記固定子または前記回転子の何れか一方に設けられるコイルと、
    前記固定子または前記回転子の何れか他方に設けられる永久磁石と、
    を有し、
    前記永久磁石は、軸方向または周方向に並べられ、かつ互いに同極が向き合わされた第1磁石体および第2磁石体を備え、
    前記第1磁石体の内部の複数の配向が何れも同じ方向を向くとともに、前記第2磁石体の内部の複数の配向が何れも同じ方向を向いており、
    前記第1磁石体の前記配向を第1矢印で示し、かつ前記第2磁石体の前記配向を第2矢印で示したときに、
    前記第1矢印および前記第2矢印は、同一の線分に沿うよう真っ直ぐに配置した状態に対して、前記第1矢印と前記第2矢印との対向部が前記固定子寄りまたは前記回転子寄りに配置されるよう傾斜している、
    電動モータ。
  2. 請求項1に記載の電動モータにおいて、
    前記第1矢印および前記第2矢印の前記線分に対する傾斜角度が、それぞれ0度よりも大きく90度よりも小さい、
    電動モータ。
  3. 請求項1または請求項2に記載の電動モータにおいて、
    前記第1磁石体および前記第2磁石体が、周方向に並べられた複数の磁石片により円筒状に形成されている、
    電動モータ。
  4. 請求項1または請求項2に記載の電動モータにおいて、
    前記第1磁石体および前記第2磁石体が、1つの円筒状の磁石体により形成されている、
    電動モータ。
  5. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の電動モータにおいて、
    前記第1磁石体と前記第2磁石体との間に、軟磁性体が設けられている、
    電動モータ。
  6. 請求項1から請求項4の何れか1項に記載の電動モータにおいて、
    前記第1磁石体と前記第2磁石体との間に、内部の複数の配向が何れも半径方向となった第3磁石体が設けられている、
    電動モータ。
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