JP2023077737A - 呈味改善剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】果実風味飲食品、特に糖類や糖質が低減された果実風味飲食品に添加することで、果実特有の呈味を効率よく発揮することができる呈味改善剤、及び該呈味改善剤を含む果実風味飲食品を提供すること。【解決手段】(A)アミノ酸及び/又はその可食塩と(B)有機酸とを含有し、前記(A)及び前記(B)の合計の含有量が30~97重量%であり、前記(A)と前記(B)との重量割合((A):(B))が1:5~20であり、水分値が3~70重量%であり、波長440nmの吸光度が25℃において0.7以上であることを特徴とする呈味改善剤。【選択図】なし
Description
本発明は、果実風味飲食品の呈味の改善が可能である呈味改善剤に関する。また、本発明は、前記呈味改善剤を含む果実風味飲食品に関する。
近年、食生活が豊かになるにつれて、食の多様化、高級化が進み、それらの影響を受けた様々な加工食品が上市されており、中でも、果実の搾汁やエキス、果実香料等が配合された果実風味飲食品については、低廉な商品から高級感のある商品まで幅広くバラエティーに富んだ商品が開発されている。
果実風味飲食品は、所定の果実に近い風味が感じられるものになっているが、そのうちの甘味はショ糖や異性化糖等の甘味料を用いて調整されるのが一般的である。しかしながら、これらの甘味料を用いて、所定の果実独特の呈味にまで近づけるのは容易ではない。
また、昨今ではヘルシー志向の高まりにより、糖類や糖質を低減させた飲食品も増加してきている。
一般に、飲食品の糖類や糖質を大きく低減させようとした場合、甘味料として添加するショ糖や異性化糖の添加量を抑制する方法がある。
例えば、果実飲料に関しては、果汁を膜処理することにより果汁から単糖や二糖を除去し、低カロリー化する技術(特許文献1)や、果汁をフラクトシルトランスフェラーゼ粗酵素剤で処理し低カロリー化する技術(特許文献2)が提案されている。
しかしながら、果実風味飲食品において上記のように糖類や糖質を抑えると、甘味が抑えられるため、果実独特の呈味から離れてしまい、嗜好性が下がりやすい傾向がある。
一般に、飲食品の糖類や糖質を大きく低減させようとした場合、甘味料として添加するショ糖や異性化糖の添加量を抑制する方法がある。
例えば、果実飲料に関しては、果汁を膜処理することにより果汁から単糖や二糖を除去し、低カロリー化する技術(特許文献1)や、果汁をフラクトシルトランスフェラーゼ粗酵素剤で処理し低カロリー化する技術(特許文献2)が提案されている。
しかしながら、果実風味飲食品において上記のように糖類や糖質を抑えると、甘味が抑えられるため、果実独特の呈味から離れてしまい、嗜好性が下がりやすい傾向がある。
また、ショ糖や異性化糖に加えて、糖アルコール等の低カロリー甘味料やスクラロース等の高甘味度甘味料を用いることにより、糖類や糖質量を大幅に低減やゼロに調整する方法もある。
しかしながら、果実風味飲食品において、前記低カロリー甘味料や高甘味度甘味料だけで甘味を表現すると、果実独特の呈味から離れてしまい、嗜好性が下がりやすい傾向がある。
しかしながら、果実風味飲食品において、前記低カロリー甘味料や高甘味度甘味料だけで甘味を表現すると、果実独特の呈味から離れてしまい、嗜好性が下がりやすい傾向がある。
したがって、本発明の目的は、果実風味飲食品、特に糖類や糖質が低減された果実風味飲食品に添加することで、果実特有の呈味を効率よく発揮することができる呈味改善剤、及び該呈味改善剤を含む果実風味飲食品を提供することにある。
即ち、本発明は、
〔1〕(A)アミノ酸及び/又はその可食塩と(B)有機酸とを含有し、
前記(A)及び前記(B)の合計の含有量が30~97重量%であり、
前記(A)と前記(B)との重量割合((A):(B))が1:5~20であり、
水分値が3~70重量%であり、
波長440nmの吸光度が25℃において0.7以上であることを特徴とする呈味改善剤、
〔2〕前記(A)が、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン及びスレオニンからなる群より選ばれる1種以上である、前記〔1〕に記載の呈味改善剤、
〔3〕前記(B)が、クエン酸及び酒石酸からなる群より選ばれる1種以上である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の呈味改善剤、
〔4〕前記呈味改善剤が、前記(A)及び前記(B)を含む混合物の加熱濃縮物である、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の呈味改善剤、
〔5〕糖類の含有量が60重量%以下である、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の呈味改善剤、
〔6〕前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の呈味改善剤を含有することを特徴とする、果実風味飲食品
に関する。
〔1〕(A)アミノ酸及び/又はその可食塩と(B)有機酸とを含有し、
前記(A)及び前記(B)の合計の含有量が30~97重量%であり、
前記(A)と前記(B)との重量割合((A):(B))が1:5~20であり、
水分値が3~70重量%であり、
波長440nmの吸光度が25℃において0.7以上であることを特徴とする呈味改善剤、
〔2〕前記(A)が、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン及びスレオニンからなる群より選ばれる1種以上である、前記〔1〕に記載の呈味改善剤、
〔3〕前記(B)が、クエン酸及び酒石酸からなる群より選ばれる1種以上である、前記〔1〕又は〔2〕に記載の呈味改善剤、
〔4〕前記呈味改善剤が、前記(A)及び前記(B)を含む混合物の加熱濃縮物である、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の呈味改善剤、
〔5〕糖類の含有量が60重量%以下である、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の呈味改善剤、
〔6〕前記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載の呈味改善剤を含有することを特徴とする、果実風味飲食品
に関する。
本発明の呈味改善剤は、果汁飲料等の飲料類、ジャム等の果実加工品、冷菓、果実風味の菓子類等に添加することで、当該果実風味飲食品が有する、果実の呈味、例えば、果汁感や果実感、完熟感、味の厚み、ボディ感等のいわゆるコク味を増強することができる。
また、本発明の呈味改善剤は、糖類や糖質を低減させた果実風味飲食品に添加した場合でも、呈味の改善を効率よく図ることができる。
また、本発明の呈味改善剤は、糖類や糖質を低減させた果実風味飲食品に添加した場合でも、呈味の改善を効率よく図ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の呈味改善剤は、
(A)アミノ酸及び/又はその可食塩と(B)有機酸とを含有し、
前記(A)及び前記(B)の合計の含有量が30~97重量%であり、
前記(A)と前記(B)との重量割合((A):(B))が1:5~20であり、
水分値が3~70重量%であり、
波長440nmの吸光度が25℃において0.7以上であることを特徴とする。
(A)アミノ酸及び/又はその可食塩と(B)有機酸とを含有し、
前記(A)及び前記(B)の合計の含有量が30~97重量%であり、
前記(A)と前記(B)との重量割合((A):(B))が1:5~20であり、
水分値が3~70重量%であり、
波長440nmの吸光度が25℃において0.7以上であることを特徴とする。
本発明に使用するアミノ酸は、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、スレオニン等が挙げられる。前記アミノ酸は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
中でも、果実特有の呈味を増強し易い観点から、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン及びスレオニンを全て使用することが好ましい。
なお、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン及びスレオニンを使用する場合、各アミノ酸の配合比率については、アスパラギン酸:グルタミン酸:フェニルアラニン:スレオニン=1:0.5~0.7:0.1~0.3:0.1~0.3であることが好ましい。
中でも、果実特有の呈味を増強し易い観点から、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン及びスレオニンを全て使用することが好ましい。
なお、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン及びスレオニンを使用する場合、各アミノ酸の配合比率については、アスパラギン酸:グルタミン酸:フェニルアラニン:スレオニン=1:0.5~0.7:0.1~0.3:0.1~0.3であることが好ましい。
本発明において、前記アミノ酸は、遊離のアミノ酸の形であっても、それらの可食性塩類の形、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、その他の塩類の形でもあってもよい。
本発明に使用する有機酸は、特に制限はなく、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、リンゴ酸、乳酸、アジピン酸、コハク酸、酢酸、フマル酸、フィチン酸及びこれらの誘導体やその塩を挙げることができる。これらを単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
本発明においては、呈味改善効果の観点から、クエン酸又は酒石酸が好ましい。
本発明においては、呈味改善効果の観点から、クエン酸又は酒石酸が好ましい。
本発明において、前記有機酸は、可食性塩類の形、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、その他の塩類の形であってもよい。
本発明の呈味改善剤において、(A)アミノ酸及び/又はその可食塩及び(B)有機酸の合計の含有量が30~97重量%である。
前記含有量は、50~97重量%が好ましく、60~97重量%がより好ましい。
前記含有量は、50~97重量%が好ましく、60~97重量%がより好ましい。
本発明の呈味改善剤は、前記(A)と前記(B)との重量割合((A):(B))が1:5~20の範囲に調整されたものである。
前記重量割合が前記範囲を外れた場合、アミノ酸や有機酸の結晶が呈味改善剤中に残存することになり、果実風味果飲食品に添加した場合、使用しているアミノ酸及び有機酸の味が感じやすくなり、呈味改善効果が低減する傾向がある。
前記重量割合は、1:5~16の範囲が好ましく、1:8~14の範囲がより好ましい。
前記重量割合が前記範囲を外れた場合、アミノ酸や有機酸の結晶が呈味改善剤中に残存することになり、果実風味果飲食品に添加した場合、使用しているアミノ酸及び有機酸の味が感じやすくなり、呈味改善効果が低減する傾向がある。
前記重量割合は、1:5~16の範囲が好ましく、1:8~14の範囲がより好ましい。
本発明の呈味改善剤では、前記(A)及び(B)の合計の含有量と(A)と(B)との重量割合が前記範囲に調整されていることで、果実風味飲食品に添加した場合に、所望の果実の呈味が増強される。
また、本発明の呈味改善剤は、糖類や糖質を極めて低減された商品の果実感を増強するという観点から、糖類の含有量が60重量%以下であることが好ましい。
前記糖類としては、砂糖やブドウ糖等の単糖類・二糖類が含まれる。また、前記糖類を含む材料であってもよい。また、前記糖類には、例えば、還元糖、糖アルコール、果汁等も含まれる。
前記糖類の含有量は、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。
前記糖類としては、砂糖やブドウ糖等の単糖類・二糖類が含まれる。また、前記糖類を含む材料であってもよい。また、前記糖類には、例えば、還元糖、糖アルコール、果汁等も含まれる。
前記糖類の含有量は、40重量%以下がより好ましく、30重量%以下がさらに好ましい。
また、本発明の呈味改善剤には、果実フレーバー等の天然又は調合香料を添加することもできる
本発明の呈味改善剤中の水の含有量は、3~70重量%である。
本発明の呈味改善剤は、前記(A)及び前記(B)を含む混合物を加熱濃縮することで、水の含有量を調整することができる。前記水の含有量は、例えば、50重量%以下、さらには30重量%以下に調整してもよい。
本発明の呈味改善剤は、前記(A)及び前記(B)を含む混合物を加熱濃縮することで、水の含有量を調整することができる。前記水の含有量は、例えば、50重量%以下、さらには30重量%以下に調整してもよい。
本発明の呈味改善剤は、波長440nmの吸光度が25℃において0.7以上であることを特徴とする。
前記の吸光度があるのは、後述するように、アミノ酸及び/又はその可食塩と有機酸とを含む溶液を加熱濃縮することで、両者が変色反応をして有色の液体になるためである。
これに対して、アミノ酸及び有機酸の水溶液の状態での吸光度(波長440nm)は水分値30%の時で0.002、水分値70%の時で0となり、ほぼ透明の液体であり、加熱濃縮物とは異なる。
前記の吸光度があるのは、後述するように、アミノ酸及び/又はその可食塩と有機酸とを含む溶液を加熱濃縮することで、両者が変色反応をして有色の液体になるためである。
これに対して、アミノ酸及び有機酸の水溶液の状態での吸光度(波長440nm)は水分値30%の時で0.002、水分値70%の時で0となり、ほぼ透明の液体であり、加熱濃縮物とは異なる。
前記波長440nmの吸光度は、市販の吸光度計を用いて測定することができる。
また、吸光度を測定する本発明の呈味改善剤中の水分値は、3~70重量%に調整したものを使用する。
また、吸光度を測定する本発明の呈味改善剤中の水分値は、3~70重量%に調整したものを使用する。
また、本発明の呈味改善剤は、その粘度が100~1000mPa・sである。
前記粘度が前記範囲に調整されていることで、呈味改善剤を果実風味飲食品に添加した場合に、混合し易くなり、風味改善効果が良好になる。
前記粘度が前記範囲に調整されていることで、呈味改善剤を果実風味飲食品に添加した場合に、混合し易くなり、風味改善効果が良好になる。
ここで、前記粘度に関しては、回転数100rpmの条件で、B型粘度計(商品名「VISCOMETER TVB-10」東機産業社製)を用いて、25℃における粘度を測定することで得ることができる。
以上のような構成を有する本発明の呈味改善剤は、前記(A)、前記(B)及び水、並びに必要に応じて糖類を混合し、加熱濃縮することで調製することができる。
前記加熱濃縮時における加熱温度は、変色反応を安定に進め、かつ適切な程度に調整する観点から液温として、100℃~180℃であることが好ましく、110℃~150℃であることがより好ましい。
前記加熱濃縮して得られた液状物は、そのまま呈味改善剤として用いてもよいし、再度水を加えて水分値を調整してもよい。
また、本発明の呈味改善剤は、冷蔵・凍結等適切な保存方法を経た後に利用してもよい。
さらに、本発明の呈味改善剤は、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥等の適当な方法により水分量を低減させたり、完全に乾燥させたり、さらにはパウダー状に加工してもよい。
なお、乾燥状態又はパウダー状態にした呈味改善剤の吸光度は、例えば、所定の水分含有量となるように、水に溶解させたもので測定することができる。
さらに、本発明の呈味改善剤は、凍結乾燥、噴霧乾燥、ドラム乾燥等の適当な方法により水分量を低減させたり、完全に乾燥させたり、さらにはパウダー状に加工してもよい。
なお、乾燥状態又はパウダー状態にした呈味改善剤の吸光度は、例えば、所定の水分含有量となるように、水に溶解させたもので測定することができる。
得られた呈味改善剤は、果実風味飲食品に0.00001重量%(0.1ppm)~2重量%(20000ppm)程度添加することにより、果汁感や果実感、完熟感、味の厚み、ボディ感等のいわゆるコク味を増強し、バランスの改善をはかることができる。
本発明において、果汁感や果実感とは、果実独特の呈味を形成する感覚であって、添加することにより、実際に使用した果汁や果実の量より多く果汁や果実を使用したと感じさせる飲み応えのある感覚である。
また、味の厚みとは、飲食品を口に含んだとき、又は、飲み込んだ時に口中全体から喉の奥にかけてしばらく味が持続し、味わいが深いと感じさせるような感覚である。
また、ボディ感とは、味の骨格がしっかりしていて、かつ、まろやかでふくらみがあり、呈味全体に強さをもたらすような感覚である(以下、味の厚みとボディ感を併せてコク味ということがある)。
また、バランスとは果実の呈味バランスを意味し、酸味、甘味、その他前述の味の厚み・ボディ感、果汁感、果実感等が良好に調和した感覚を意味する。
また、味の厚みとは、飲食品を口に含んだとき、又は、飲み込んだ時に口中全体から喉の奥にかけてしばらく味が持続し、味わいが深いと感じさせるような感覚である。
また、ボディ感とは、味の骨格がしっかりしていて、かつ、まろやかでふくらみがあり、呈味全体に強さをもたらすような感覚である(以下、味の厚みとボディ感を併せてコク味ということがある)。
また、バランスとは果実の呈味バランスを意味し、酸味、甘味、その他前述の味の厚み・ボディ感、果汁感、果実感等が良好に調和した感覚を意味する。
本発明の呈味改善剤が添加される果実風味飲食品としては、例えば、ペットボトル、缶又は紙容器に充填された天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果汁入り炭酸飲料、果汁入りアルコール飲料等の飲料類;ジャム、フルーツプレパレーション等の果実加工品;果実入りヨーグルト;果実風味のアイスクリーム、ソフトクリーム又はシャーベット等の冷菓類;果実風味を付与したビスケット、クッキー、せんべい、饅頭、クリーム内包菓子、パン等の菓子類を例示することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例によりさらに具体的に説明する。
(実施例1)
以下の配合比率で調整したアミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、スレオニン)6gに、クエン酸を94g、溶解水を30g加え、120℃の条件で水分値が3%になるまで加熱濃縮を行うことで変色反応させた後、固形分が60重量%になるまで水を添加し、呈味改善剤(本発明品1)を調製した。
配合比率(重量比率)アスパラギン酸:グルタミン酸:フェニルアラニン:スレオニン=1:0.6:0.2:0.2
以下の配合比率で調整したアミノ酸(アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、スレオニン)6gに、クエン酸を94g、溶解水を30g加え、120℃の条件で水分値が3%になるまで加熱濃縮を行うことで変色反応させた後、固形分が60重量%になるまで水を添加し、呈味改善剤(本発明品1)を調製した。
配合比率(重量比率)アスパラギン酸:グルタミン酸:フェニルアラニン:スレオニン=1:0.6:0.2:0.2
また、本発明品1の波長440nmの吸光度(25℃)を、市販の吸光度計を用いて測定したところ、2.1であった。
また、回転数100rpmの条件で、B型粘度計(商品名「VISCOMETER TVB-10」東機産業社製)を用いて、25℃における粘度を測定したところ、105mPa・sであった。
また、回転数100rpmの条件で、B型粘度計(商品名「VISCOMETER TVB-10」東機産業社製)を用いて、25℃における粘度を測定したところ、105mPa・sであった。
(実施例2)
砂糖20gに、水を80g加え、加熱し砂糖を溶解させたものにりんご風味のフレーバーを0.05g添加し、果汁不使用のジュース(果実風味飲料)を調整した。このジュースに実施例1で得られた本発明品1を1g加えたものを実施品1とした。
また、前記ジュースに、本発明品1と同じアミノ酸重量比率のアミノ酸ミックス(アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、スレオニン)0.06gとクエン酸0.94gを加えたものを比較品1とした。
前記実施品1と比較品1のジュースについて、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。
評価基準は、果汁感+果実感、コク味についてそれぞれ、果汁不使用のジュースをコントロールとして、明らかに弱い:-2点、やや弱い:-1点、同程度:0点、やや強い:+1点、明らかに強い+2点として、また、りんご果汁飲料としてのバランスの良さについて、悪い:-2点、やや悪い:-1点、差無し:0点、やや良い:+1点、良い:+2点として官能評価を行った。その平均点を表1に示す。
砂糖20gに、水を80g加え、加熱し砂糖を溶解させたものにりんご風味のフレーバーを0.05g添加し、果汁不使用のジュース(果実風味飲料)を調整した。このジュースに実施例1で得られた本発明品1を1g加えたものを実施品1とした。
また、前記ジュースに、本発明品1と同じアミノ酸重量比率のアミノ酸ミックス(アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、スレオニン)0.06gとクエン酸0.94gを加えたものを比較品1とした。
前記実施品1と比較品1のジュースについて、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。
評価基準は、果汁感+果実感、コク味についてそれぞれ、果汁不使用のジュースをコントロールとして、明らかに弱い:-2点、やや弱い:-1点、同程度:0点、やや強い:+1点、明らかに強い+2点として、また、りんご果汁飲料としてのバランスの良さについて、悪い:-2点、やや悪い:-1点、差無し:0点、やや良い:+1点、良い:+2点として官能評価を行った。その平均点を表1に示す。
表1に示した結果から、実施品1は、果汁不使用のジュース(果実風味飲食品)に添加することでその果汁感、果実感、コク味等の呈味を顕著に向上する効果があり、また、比較品1と比べても、果汁感、果実感、コク味等の呈味が明らかに改善されており、バランスも良好なものであった。
(実施例3)
市販の砂糖不使用のコーラに本発明品1を1重量%添加したものを実施品2とした。
また、市販の砂糖不使用のコーラに、実施例2で使用したのと同じアミノ酸ミックス(アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、スレオニン)0.06gとクエン酸0.94gを加えたものを比較品2とした。
前記の市販の砂糖不使用のコーラ、実施品2、比較品2について、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。
官能評価としては、コク味とバランスについて、実施例2と同様に行った。その平均点を表2に示す。
市販の砂糖不使用のコーラに本発明品1を1重量%添加したものを実施品2とした。
また、市販の砂糖不使用のコーラに、実施例2で使用したのと同じアミノ酸ミックス(アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、スレオニン)0.06gとクエン酸0.94gを加えたものを比較品2とした。
前記の市販の砂糖不使用のコーラ、実施品2、比較品2について、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。
官能評価としては、コク味とバランスについて、実施例2と同様に行った。その平均点を表2に示す。
表2に示した結果から、実施品2は、砂糖不使用のコーラ(果実風味飲食品)に添加することでその果汁感、果実感、コク味等の呈味を顕著に向上する効果があり、また、比較品2と比べても、コク味等の呈味が明らかに改善されており、バランスも良好なものであった。
(実施例4)
表3に示す組成で、エリスリトール、結晶マルチトール(マルチトール含有率99%)、ポリデキストロース、グルコマンナンを混合し、加水して加温溶解し、水分30%まで煮詰め、得られた糖液に膨潤させたゼラチンを混合し、さらに着色料、甘味料、りんご香料、クエン酸を加え混合し、グミキャンディ溶液を調整した。この得られたグミキャンディ溶液(pH3.2)を、単重2.5gになるようにスターチモールドに充填し、水分15%まで乾燥させて、果実風味グミキャンディを得た。
また、上記と同様に、ゼラチンを糖液に添加した後に、着色料、甘味料、りんご香料、本発明品1と同じアミノ酸重量比率のアミノ酸ミックス(アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、スレオニン)、クエン酸を加え混合したグミキャンディ溶液を調製した。
この得られたグミキャンディ溶液(pH3.2)を、単重2.5gになるようにスターチモールドに充填し、水分15%まで乾燥させて、果実風味グミキャンディ(比較品3)を得た。
ゼラチンは、280ブルームの豚皮由来の酸処理ゼラチン(粘度4.5mPa・s)を用いた。なお、表中の組成は、仕上がり製品中の重量%とした。また、ゼラチンの量は、固形含有分を示す。
表3に示す組成で、エリスリトール、結晶マルチトール(マルチトール含有率99%)、ポリデキストロース、グルコマンナンを混合し、加水して加温溶解し、水分30%まで煮詰め、得られた糖液に膨潤させたゼラチンを混合し、さらに着色料、甘味料、りんご香料、クエン酸を加え混合し、グミキャンディ溶液を調整した。この得られたグミキャンディ溶液(pH3.2)を、単重2.5gになるようにスターチモールドに充填し、水分15%まで乾燥させて、果実風味グミキャンディを得た。
また、上記と同様に、ゼラチンを糖液に添加した後に、着色料、甘味料、りんご香料、本発明品1と同じアミノ酸重量比率のアミノ酸ミックス(アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、スレオニン)、クエン酸を加え混合したグミキャンディ溶液を調製した。
この得られたグミキャンディ溶液(pH3.2)を、単重2.5gになるようにスターチモールドに充填し、水分15%まで乾燥させて、果実風味グミキャンディ(比較品3)を得た。
ゼラチンは、280ブルームの豚皮由来の酸処理ゼラチン(粘度4.5mPa・s)を用いた。なお、表中の組成は、仕上がり製品中の重量%とした。また、ゼラチンの量は、固形含有分を示す。
また、前記比較品3で使用したアミノ酸ミックス及びクエン酸のかわりに、本発明品1を添加してグミキャンディ溶液を調製し、これを用いた以外は上記と同様にして果実風味グミキャンディを得た(実施品3)
得られた果実風味グミキャンディ、実施品3、比較品3について、良く訓練された10名のパネラーにて官能評価を行った。官能評価は、実施例2と同様にして行った。得られた結果を表4に示す。
表4に示した結果から、実施品3は、果実風味グミキャンディ(果実風味飲食品)に添加することでその果汁感、果実感、コク味等の呈味を顕著に向上する効果があり、また、比較品3と比べても、果汁感、果実感やコク味等の呈味が明らかに改善されており、バランスも良好なものであった。
Claims (6)
- (A)アミノ酸及び/又はその可食塩と(B)有機酸とを含有し、
前記(A)及び前記(B)の合計の含有量が30~97重量%であり、
前記(A)と前記(B)との重量割合((A):(B))が1:5~20であり、
水分値が3~70重量%であり、
波長440nmの吸光度が25℃において0.7以上であることを特徴とする、呈味改善剤。 - 前記(A)が、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン及びスレオニンからなる群より選ばれる1種以上である、請求項1に記載の呈味改善剤。
- 前記(B)が、クエン酸及び酒石酸からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1又は2に記載の呈味改善剤。
- 前記呈味改善剤が、前記(A)及び前記(B)を含む混合物の加熱濃縮物である、請求項1~3のいずれかに記載の呈味改善剤。
- 糖類の含有量が60重量%以下である、請求項1~4のいずれかに記載の呈味改善剤。
- 請求項1~5のいずれかに記載の呈味改善剤を含有することを特徴とする、果実風味飲食品。
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