JP2023077229A - X線診断装置、医用画像処理装置、およびプログラム - Google Patents

X線診断装置、医用画像処理装置、およびプログラム Download PDF

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Abstract

Figure 2023077229000001
【課題】スペクトラルイメージング技術の処理の精度を高めつつ、スペクトラルイメージング技術で取得したX線撮像にもとづいて通常の臨床に適した画像を得ること。
【解決手段】実施形態に係るX線診断装置は、上述した課題を解決するために、画像取得部と、仮想画像生成部とを有する。画像取得部は、第1のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の第1X線画像を取得するとともに、第1のX線エネルギーとは異なる第2のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の第2X線画像を取得する。仮想画像生成部は、第1X線画像と第2X線画像にもとづいて、第1のX線エネルギーおよび第2のX線エネルギーのいずれとも異なる第3のX線エネルギーを用いたX線撮像を模した2次元の仮想的な第3X線画像を生成する。
【選択図】 図2

Description

本明細書および図面に開示の実施形態は、X線診断装置、医用画像処理装置、およびプログラムに関する。
X線診断装置において、X線のエネルギーを変化させて異なる複数のX線エネルギーのそれぞれに対応したX線画像を収集し、物質ごとにX線の吸収特性が異なることを利用して被検体に含まれる物質を弁別するスペクトラルイメージング技術が知られている。
スペクトラルイメージング技術では、物質ごとの厚みデータを得る物質弁別処理のほか、特定の物質の成分を抑制するエネルギーサブトラクション処理などを行うことができる。物質弁別処理では、たとえば2種のX線エネルギーのそれぞれに対応する2つのX線画像から、特定の2つの物質(たとえば骨と軟部組織など)のそれぞれについて、厚みの分布を示す物質弁別画像を生成することができる。
物質弁別処理やエネルギーサブトラクション処理などのスペクトラルイメージング技術では、処理の精度を高めるため、X線エネルギーの差が大きく設定されることが好ましい。たとえば、管電圧を変化させてX線エネルギーを変化させる場合、高管電圧による撮像ではなるべく高い管電圧(たとえば140kVなど)が、低管電圧による撮像ではなるべく低い管電圧(たとえば40kVなど)が、それぞれ選択されるとよい。
一方、通常の臨床では、これらの両極端な管電圧にもとづくX線画像ではなくその中間的な管電圧(たとえば80kVなど)にもとづくX線画像がユーザの観察に適している。
したがって、スペクトラルイメージング技術におけるX線撮像で得られる複数のX線画像は、物質弁別処理などに利用されて被検体の構成元素の違いを画像化することに利用することはできるものの、そのものを通常の臨床に利用することは難しい。スペクトラルイメージング技術の処理の精度を高めつつ通常の臨床に適した画像を得る方法としては、両極端な管電圧によるX線撮像に加えて通常の臨床に適したX線画像を得るための中間的な管電圧によるX線撮像を別途行う方法が考えられるが、この場合、被検体の被ばく線量が多くなってしまう。
特開2021-010727号公報
クリストファー M. ビショップ(Christopher M. Bishop)著、「パターン認識と機械学習(Pattern recognition and machine learning)」、(米国)、第1版、スプリンガー(Springer)、2006年、P.225-290
本明細書および図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、スペクトラルイメージング技術の処理の精度を高めつつ、スペクトラルイメージング技術で取得したX線撮像にもとづいて通常の臨床に適した画像を得ることである。
実施形態に係るX線診断装置は、上述した課題を解決するために、画像取得部と、仮想画像生成部とを有する。画像取得部は、第1のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の第1X線画像を取得するとともに、第1のX線エネルギーとは異なる第2のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の第2X線画像を取得する。仮想画像生成部は、第1X線画像と第2X線画像にもとづいて、第1のX線エネルギーおよび第2のX線エネルギーのいずれとも異なる第3のX線エネルギーを用いたX線撮像を模した2次元の仮想的な第3X線画像を生成する。
一実施形態に係る医用画像処理装置を含むX線診断装置の一構成例を示すブロック図。 図1に示す処理回路のプロセッサにより、スペクトラルイメージング技術の処理の精度を高めつつ、スペクトラルイメージング技術で取得したX線撮像にもとづいて通常の臨床に適した画像を得る際の手順の一例を示すフローチャート。 高エネルギー撮像画像IHと低エネルギー撮像画像ILにもとづいて通常エネルギー仮想画像iIMが生成される際の各画像例を示す説明図。 第1実施形態に係る通常エネルギー仮想画像iIMを生成する際のデータフローの一例を示す図。 第1の物質および第2の物質の第3のX線エネルギーを用いたX線撮像を模した仮想第1物質弁別画像(通常エネルギー仮想骨画像iIMbone)および仮想第2物質弁別画像(通常エネルギー仮想軟部組織画像iIMtissue)が生成される際のデータフローの一例を示す図。 第1実施形態に係る仮想エネルギー画像生成機能の学習時におけるデータフローの一例を示す説明図。 第1実施形態に係る仮想エネルギー画像生成機能の運用時におけるデータフローの一例を示す説明図。 通常エネルギー仮想画像iIMを補正した補正iIMを生成する際のデータフローの一例を示す図。 第2実施形態の変形例に係る仮想エネルギー画像生成機能の学習時におけるデータフローの一例を示す説明図。 第2実施形態の変形例に係る仮想エネルギー画像生成機能の運用時におけるデータフローの一例を示す説明図。 (a)は骨厚さ画像Tboneの一例を示す図、(b)は軟部組織厚さ画像Ttissueの一例を示す図。 (a)は通常エネルギー仮想画像iIMの一例を示す図、(b)は通常エネルギー撮像画像rIMの一例を示す図。 造影血管厚さ画像Tvesselを生成する際のデータフローの一例を示す図。
以下、図面を参照しながら、X線診断装置、医用画像処理装置、およびプログラムの実施形態について詳細に説明する。
本発明の一実施形態に係るX線診断装置、医用画像処理装置、およびプログラムは、スペクトラルイメージング技術を利用可能であり、異なる複数のX線エネルギーのそれぞれに対応するX線画像を取得する。
図1は、一実施形態に係る医用画像処理装置を含むX線診断装置10の一構成例を示すブロック図である。なお、X線診断装置10は、異なる複数のX線エネルギーのそれぞれに対応するX線画像が収集可能なものであればよく、たとえばX線TV装置やX線アンギオ装置、一般撮影装置、乳房X線撮像装置(マンモグラフィ装置)などを含む。
X線診断装置10は、図1に示すように、撮像装置20と医用画像処理装置の一例としてのコンソール30を有する。
撮像装置20は、通常は検査室に設置され、被検体に関する画像データを生成するよう構成される。医用画像処理装置の一例としてのコンソール30は、たとえば検査室に隣接する操作室に設置され、画像データにもとづくX線画像を生成して表示を行なう。なお、コンソール30は、撮像装置20が設置される検査室に設置されてもよいし、撮像装置20とネットワークを介して接続されて検査室と離れた遠隔地に設置されてもよい。
撮像装置20は、X線管21、X線可動絞り22、FPD23、天板24、ディスプレイ25、およびコントローラ26などを有する。
X線管21は、高電圧を印加されてX線を発生する。X線管21に印加される管電圧はコンソール30の処理回路34により制御される。
X線可動絞り22は、X線管21によって発生されたX線の照射範囲を絞り込むための鉛板等であり、複数の鉛板等の組み合わせによってスリットを形成する。たとえば、X線可動絞り22は2対の可動羽根を有し、各対の可動羽根が開閉することでX線管21から照射されるX線の照射範囲を調整する。
FPD23は、複数のX線検出素子(撮像素子群)を有するフラットパネルディテクタ(平面検出器、FPD:Flat Panel Detector)により構成され、FPD23に照射されたX線を検出し、この検出したX線にもとづいて、X線透視画像やX線撮影画像(以下、X線透視画像およびX線撮影画像をX線画像と総称する)の画像データを所定のフレームレートで出力する。この画像データはコンソール30に与えられる。より具体的には、FPD23は、X線の入射量に応じた信号電荷を蓄積する半導体素子により構成されたX線検出素子を複数有する。複数のX線検出素子はマトリクス状に配列される。FPD23としては、たとえばCMOS-FPDなどを用いることができる。
X線管21とFPD23は、天板24に載置された被検体を挟んで対向配置されればよい。たとえば、X線管21とFPD23は、図1に示すように被検体を挟んで対向配置されるようにCアームなどの支持部材の両端部にそれぞれ支持されてもよい。また、X線管21とFPD23は、それぞれが独立な支持部材に支持されてもよい。
なお、図1にはCアームがX線管21を天板24の下方に位置するよう支持するアンダーチューブタイプの場合を例として示したが、X線管21を天板24の上方に位置するよう支持するオーバーチューブタイプであってもよい。また、図1では1つのCアームから構成されたシングルプレーンのX線診断装置10を例示したが、X線診断装置10は2つのアームを備えたバイプレーンのX線診断装置であってもよい。また、Cアームは、X線管焦点とX線検出器の距離(SID:Source Image receptor Distance)を変更可能なようにX線管21とFPD23を保持してもよい。
天板24は、寝台の上部に設けられ、被検体を載置する。図示しない高電圧電源は、コンソール30の処理回路34に制御される。高電圧電源は、X線管21に印加する高電圧を発生する機能を有する高電圧発生装置と、X線管21が照射するX線に応じた出力電圧の制御を行うX線制御装置とを有する。高電圧発生装置は、変圧器方式であってもよいし、インバータ方式であってもよい。
ディスプレイ25は、1または複数の表示領域により構成され、処理回路34が生成した画像などの各種情報を表示する。ディスプレイ25は、検査室内のユーザが視認可能な位置に配置され、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成される。
コントローラ26は、プロセッサおよび記憶回路を少なくとも有する。コントローラ26は、この記憶回路に記憶されたプログラムに従ってコンソール30により制御されて、撮像装置20の各コンポーネントを統括制御する。たとえば、コントローラ26は、コンソール30により制御されて、複数のX線エネルギーで被検体を撮像してそれぞれのX線エネルギーに対応するX線画像データを生成し、コンソール30に与える。
一方、コンソール30は、ディスプレイ31、入力インターフェース32、記憶回路33、および処理回路34を有する。
ディスプレイ31は、たとえば液晶ディスプレイやOLED(Organic Light Emitting Diode)ディスプレイなどの一般的な表示出力装置により構成され、処理回路34の制御に従って処理回路34が生成した画像などの各種情報を表示する。
入力インターフェース32は、たとえばトラックボール、スイッチ、ボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行なうタッチパッド、光学センサを用いた非接触入力インターフェース、および音声入力インターフェース等などの一般的な入力装置により実現され、ユーザの操作に対応した操作入力信号を処理回路34に出力する。また、入力インターフェース32は、ばく射のオンオフを制御するばく射スイッチを含む。
記憶回路33は、磁気的もしくは光学的記録媒体または半導体メモリなどの、プロセッサにより読み取り可能な記録媒体を含んだ構成を有する。記憶回路33の記憶媒体内のプログラムおよびデータの一部または全部は、電子ネットワークを介した通信によりダウンロードされてもよいし、光ディスクなどの可搬型記憶媒体を介して記憶回路33に与えられてもよい。
処理回路34は、X線診断装置10を統括制御する機能を実現する。また、処理回路34は、記憶回路33に記憶された画像処理プログラムを読み出して実行することにより、スペクトラルイメージング技術の処理の精度を高めつつ、スペクトラルイメージング技術で取得したX線撮像にもとづいて通常の臨床に適した画像を得るための処理を実行するプロセッサである。
処理回路34のプロセッサは、図1に示すように、画像取得機能341、物質弁別機能342、仮想エネルギー画像生成機能343、および表示制御機能344を実現する。これらの各機能はそれぞれプログラムの形態で記憶回路33に記憶されている。なお、処理回路34の機能341-344の一部は、ネットワークを介してコンソール30にデータ送受信可能に接続された外部のプロセッサにより実現されてもよい。
画像取得機能341は、第1のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の第1X線画像を取得するとともに、第1のX線エネルギーとは異なる第2のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の第2X線画像を取得する。画像取得機能341は画像取得部の一例である。
X線エネルギーの変化は、管電圧の切り替えやビームフィルタの変更などにより実現することができる。
第1X線画像と第2X線画像は、撮像装置20を制御してX線撮像を実行させて撮像装置20からリアルタイムに取得されてもよいし、X線診断装置10による検査終了後に、X線診断装置10からまたはX線診断装置10にネットワークを介して接続された画像サーバからポストプロセスで取得されてもよい。画像サーバは、たとえばPACS(Picture Archiving and Communication System:医用画像保管通信システム)に備えられる画像の長期保管用のサーバであり、ネットワークを介して接続されたX線診断装置10で生成されたX線透視画像やDSA画像などのX線画像を記憶している。
以下の説明では、適宜、第1X線画像を高管電圧に対応する高エネルギー撮像画像IHといい、第2X線画像を低管電圧に対応する低エネルギー撮像画像ILという。
物質弁別機能342は、第1X線画像と第2X線画像にもとづいて、物質弁別処理により第1の物質の厚さ分布を示す第1物質弁別画像と、第2の物質の厚さ分布を示す第2物質弁別画像とを生成する。以下の説明では、第1物質弁別画像が、第1X線画像と第2X線画像にもとづく物質弁別処理により骨を弁別した骨厚さ画像Tboneであり、第2物質弁別画像が、第1X線画像と第2X線画像にもとづく物質弁別処理により軟部組織を弁別した軟部組織厚さ画像Ttissueである場合の例を示す。物質弁別機能342は弁別部の一例である。
仮想エネルギー画像生成機能343は、第1X線画像と第2X線画像にもとづいて、第1のX線エネルギーおよび第2のX線エネルギーのいずれとも異なる第3のX線エネルギーを用いたX線撮像を模した2次元の仮想的な第3X線画像を生成する。仮想エネルギー画像生成機能343は仮想画像生成部の一例である。
仮想エネルギー画像生成機能343は、管電圧およびビームフィルタの少なくとも一方を仮想的に調整することにより、第3のX線エネルギーに対応するスペクトルによる投影をシミュレートする。
以下の説明では、第3のX線エネルギー(通常エネルギー)に対応する管電圧が、第1のX線エネルギー(高エネルギー)に対応する高管電圧と第2のX線エネルギー(低エネルギー)に対応する低管電圧との中間の管電圧である場合の例を示す。また、以下の説明では、仮想的な第3X線画像を通常エネルギー仮想画像ImaginaryIM(iIM)という。
表示制御機能344は、仮想的な第3X線画像を、第1物質弁別画像および第2物質弁別画像の少なくとも一方と並列に、または第1物質弁別画像および第2物質弁別画像の少なくとも一方もしくは当該少なくとも一方と重畳させて、ディスプレイ25やディスプレイ31に表示させる。表示制御機能344は表示制御部の一例である。
(第1実施形態)
まず、X線診断装置10、医用画像処理装置、およびプログラムの第1実施形態について図2-4を参照して説明する。
図2は、図1に示す処理回路34のプロセッサにより、スペクトラルイメージング技術の処理の精度を高めつつ、スペクトラルイメージング技術で取得したX線撮像にもとづいて通常の臨床に適した画像を得る際の手順の一例を示すフローチャートである。図2において、Sに数字を付した符号はフローチャートの各ステップを示す。
また、図3は、高エネルギー撮像画像IHと低エネルギー撮像画像ILにもとづいて通常エネルギー仮想画像iIMが生成される際の各画像例を示す説明図である。図4は、第1実施形態に係る通常エネルギー仮想画像iIMを生成する際のデータフローの一例を示す図である。
図2に示す手順は、X線診断装置10によるX線撮像に適用可能であり、たとえばX線アンギオ装置における透視撮像、DA(Digital Angiography)撮像、DSA(Digital Subtraction Angiography)撮像などの所定のフレームレートの連続したX線撮像にも適用可能である。
まず、ステップS1において、画像取得機能341は、入力インターフェース32のばく射スイッチが押されたか否かを判定する。ばく射スイッチが押されていないときは(ステップS1のNO)、一連の手順は終了となる。一方、ばく射スイッチが押されると(ステップS1のYES)、画像取得機能341は、第1のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の高エネルギー撮像画像IHを取得するとともに(ステップS2)、第2のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の低エネルギー撮像画像ILを取得する(ステップS3)。ステップS2とステップS3の順序は逆でもよい。
なお、第1のX線エネルギーを用いたX線撮像と第2のX線エネルギーを用いたX線撮像は、たとえば管電圧を切り替えることによって行われる。この場合、高管電圧に対応する撮像と低管電圧に対応する撮像とがそれぞれ異なるX線パルスで行われてもよいし、X線管21が1つのX線パルスを照射している間に管電圧を切り替えることによって行われてもよい。後者の場合、非破壊読み出し可能なFPD23を用い、FPD23から管電圧の切替に応じて非破壊読み出しを行ってもよい。
次に、ステップS4において、物質弁別機能342は、高エネルギー撮像画像IHと低エネルギー撮像画像ILにもとづいて、物質弁別処理により骨厚さ画像Tboneと軟部組織厚さ画像Ttissueを生成する(図3、図4参照)。
図2-4に示す手順では、物質弁別機能342は、物質弁別処理において、高エネルギー撮像画像IHと低エネルギー撮像画像ILの各画素について、次の式(1)と式(2)の連立方程式を満たすような骨など(骨と造影血管など)の厚みdboneと軟部組織の厚みdsoftとを算出する。
Figure 2023077229000002
Figure 2023077229000003
ただし、
Figure 2023077229000004
Figure 2023077229000005
である。
式(1)~(4)において、N(high)(E)は第1のX線エネルギーのスペクトル、N(low)(E)は第2のX線エネルギーのスペクトル、μbone(E)は骨などのX線の吸収係数、μsoft(E)は軟部組織の吸収係数をそれぞれ表す。N(high)(E)、N(low)(E)、μbone(E)、μsoft(E)は、既知の値として記憶回路33にあらかじめ記憶される。
そして、物質弁別機能342は、各画素について求めた骨などの厚みdboneに応じた輝度値を各画素に割り当てて骨厚さ画像Tboneを生成するとともに、各画素について求めた軟部組織の厚みdsoftに応じた輝度値を各画素が有するように軟部組織厚さ画像Ttissueを生成する。
次に、ステップS5において、仮想エネルギー画像生成機能343は、高エネルギー撮像画像IHと低エネルギー撮像画像ILにもとづいて2次元の仮想的なX線画像である通常エネルギー仮想画像iIMを生成する。図2-4に示す手順では、仮想エネルギー画像生成機能343は、骨厚さ画像Tboneと軟部組織厚さ画像Ttissueの各画素について、仮想的なX線エネルギーのスペクトルを用いた仮想的な投影処理を行うことにより、仮想的な通常エネルギー仮想画像iIMを生成する。
具体的には、仮想エネルギー画像生成機能343は、ステップS4で求められた骨などの厚みdboneと軟部組織の厚みdsoftとを次の式(5)に代入し、仮想的な第3のX線エネルギー(たとえば通常の臨床に適した通常エネルギー)のスペクトルN(middle)(E)を用いて各画素について投影をシミュレートすることで、仮想的な通常エネルギー仮想画像iIMを生成する(図3、図4参照)。
Figure 2023077229000006
仮想的な第3のX線エネルギーのスペクトルN(middle)(E)は、管電圧を仮想的に設定することでシミュレートしてもよいし、ビームフィルタを仮想的に切り替えてシミュレートしてもよいし、管電圧とビームフィルタの両方を調整してシミュレートしてもよい。また、仮想エネルギー画像生成機能343は、式(5)を用いて、さらに仮想的な第4のX線エネルギーのスペクトルN(middle2)(E)にもとづいて仮想的な第2の通常エネルギー仮想画像を生成してもよい(たとえば、仮想的な第3のX線エネルギーが管電圧80kVに対応するとき、仮想的な第4のX線エネルギーはそれより少し小さい管電圧70kVに対応するなど)。
次に、ステップS6において、表示制御機能344は、通常エネルギー仮想画像iIMを、骨厚さ画像Tboneおよび軟部組織厚さ画像Ttissueの少なくとも一方と並列に、骨厚さ画像Tboneおよび軟部組織厚さ画像Ttissueの少なくとも一方と重畳させて、ディスプレイ25やディスプレイ31に表示させ、ステップS1に戻る。
ここで、上記重畳表示するに際し、通常エネルギー仮想画像iIMを主たる画像として、これに骨厚さ画像Tboneや軟部組織厚さ画像Ttissueを従たる画像として重畳してもよいし、その逆でもよい。また、重畳表示にあたって、骨厚さ画像Tboneや軟部組織厚さ画像Ttissueそのものに替えて、これらに基づく画像(例えば、骨厚さ画像Tboneにおいて輪郭を抽出して得た画像)を用いてもよい。さらに、重畳表示された各画像を区別して把握できるよう、重畳表示対象の画像のうちの少なくとも1つを有彩色により表示してもよい。なお、物質弁別結果である骨厚さ画像Tboneおよび軟部組織厚さ画像Ttissueの少なくとも一方の表示に加えて、またはこれに替えて、物質弁別結果にもとづいて画像処理(たとえば特定の空間周波数成分の強調)を行った通常エネルギー仮想画像iIMを表示してもよい。
以上の手順により、スペクトラルイメージング技術の処理の精度を高めつつ、スペクトラルイメージング技術で取得したX線撮像にもとづいて通常の臨床に適した画像を得ることができる。
また、画像取得機能341および仮想エネルギー画像生成機能343は、ユーザの(たとえばばく射スイッチを介しての)ばく射指示の継続を条件として、高エネルギー撮像画像IHの取得、低エネルギー撮像画像ILの取得、および通常エネルギー仮想画像iIMの生成、の組合せを順次繰り返してもよい。
X線診断装置10によれば、スペクトラルイメージング技術におけるX線撮像で得られた複数のX線画像にもとづいて、第3のX線画像(たとえば通常エネルギー仮想画像iIM)を得ることができる。このため、スペクトラルイメージング技術における両極端なX線エネルギーを用いたX線撮像を行うだけで、通常の臨床に適した画像を生成するためのX線撮像を特別に行って被検体の被ばく線量を増大させてしまうことなく、骨厚さ画像Tboneおよび軟部組織厚さ画像Ttissueなどの物質弁別画像を生成することができるばかりでなく、通常の臨床に適した画像を仮想的に生成し表示することができる。
(第1実施形態の第1変形例)
図5は、第1の物質および第2の物質の第3のX線エネルギーを用いたX線撮像を模した仮想第1物質弁別画像(通常エネルギー仮想骨画像iIMbone)および仮想第2物質弁別画像(通常エネルギー仮想軟部組織画像iIMtissue)が生成される際のデータフローの一例を示す図である。
骨厚さ画像Tboneや軟部組織厚さ画像Ttissueは、物質の厚さ分布を示す画像である。このため、骨厚さ画像Tboneや軟部組織厚さ画像Ttissueは通常のX線画像とはコントラストが異なり、ユーザにとって違和感があり直感的な観察が困難な場合がある。
そこで、仮想エネルギー画像生成機能343は、式(5)に骨などの厚みdboneと軟部組織の厚みdsoftの一方のみを代入し、通常の臨床に用いる仮想的なX線エネルギーのスペクトルN(middle)(E)を用いて各画素について投影をシミュレートすることで、通常エネルギー仮想骨画像iIMboneおよび通常エネルギー仮想軟部組織画像iIMtissueを生成してもよい(図5参照)。
この場合、表示制御機能344は、骨厚さ画像Tboneおよび軟部組織厚さ画像Ttissueに替えて通常エネルギー仮想骨画像iIMboneおよび通常エネルギー仮想軟部組織画像iIMtissueを用いるとよい。
骨厚さ画像Tboneおよび軟部組織厚さ画像Ttissueに替えて通常エネルギー仮想骨画像iIMboneおよび通常エネルギー仮想軟部組織画像iIMtissueを表示することにより、ユーザは見慣れたコントラストを有する画像を観察することができるため、より高精度に診断を行うことができる。
また、意図する物質の(たとえば骨の)弁別画像をより視認性良くしたい、または意図しない物質の(たとえば軟部組織の)弁別画像の視認性を低下させたい場合がある。この場合、式(5)による演算を行う際、前者のケースにおいては、骨などの厚みdboneに1より大きな数値を一律乗じ、後者のケースにおいては、dsoftに1より小さい数値を一律乗じることで、意図した視認性の弁別画像を生成してもよい。同様の効果は、たとえば式(2)の演算において、物質ごとに異なるスペクトルN(middle)(E)を用いることでも得ることができる。
(第1実施形態の第2変形例)
仮想エネルギー画像生成機能343は、機械学習により構築された学習済みモデルを用いて高エネルギー撮像画像IHと低エネルギー撮像画像ILから通常エネルギー仮想画像iIMを生成してもよい。この場合、機械学習としてCNN(畳み込みニューラルネットワーク)や畳み込み深層信念ネットワーク(CDBN:Convolutional Deep Belief Network)などの、多層のニューラルネットワークを用いた深層学習を用いてもよい。以下、仮想エネルギー画像生成機能343が深層学習により構築された学習済みモデルを用いる場合の例について説明する。なお、この場合、図2のステップS4は省略されてもよい。図2のステップS4が省略される場合は、図2のステップS6では通常エネルギー仮想画像iIMのみが表示される。
図6は、第1実施形態に係る仮想エネルギー画像生成機能343の学習時におけるデータフローの一例を示す説明図である。仮想エネルギー画像生成機能343は、多数のトレーニングデータセットを用いて深層学習を行うことにより、パラメータデータ52を逐次的に更新する。
多数のトレーニングデータセットのそれぞれのトレーニングデータセットは、学習用データ41と教師データ42の組からなる。学習用データ41は、高エネルギー撮像画像IHと低エネルギー撮像画像ILの組411、412、413、・・・である。教師データ42は、第3のX線エネルギーを用いて実際にX線撮像を行って取得した実際の第3X線画像(通常エネルギー撮像画像)rIM421、422、423、・・・である。実際の第3X線画像(通常エネルギー撮像画像)rIM421、422、423、・・・のそれぞれは、高エネルギー撮像画像IHと低エネルギー撮像画像ILの組411、412、413、・・・のそれぞれとX線エネルギーを除き同一の撮像条件で取得される。
仮想エネルギー画像生成機能343は、トレーニングデータセットが与えられるごとに、学習用データ41をニューラルネットワーク51で処理した結果が教師データ42に近づくようにパラメータデータ52を更新していく、いわゆる学習を行う。一般に、パラメータデータ52の変化割合が閾値以内に収束すると、学習は終了と判断される。以下、学習後のパラメータデータ52を特に学習済みパラメータデータ52tという。ニューラルネットワーク51と学習済みパラメータデータ52tは学習済みモデル50を構成する。
図7は、第1実施形態に係る仮想エネルギー画像生成機能343の運用時におけるデータフローの一例を示す説明図である。運用時には、仮想エネルギー画像生成機能343は、高エネルギー撮像画像IHと低エネルギー撮像画像ILの組61を入力され、学習済みモデル50を用いて、通常エネルギー仮想画像iIM62を生成する。
学習済みモデル50はニューラルネットワーク51と学習済みパラメータデータ52tにより構成される。この種の学習の方法および学習済みモデルの構築方法については、非特許文献1に開示された方法など種々の方法が知られている。ニューラルネットワーク51は、プログラムの形態で記憶回路33に記憶される。学習済みパラメータデータ52tは、記憶回路33に記憶されてもよいし、ネットワークを介して処理回路34と接続された記憶媒体に記憶されてもよい。
学習済みモデル50(ニューラルネットワーク51と学習済みパラメータデータ52t)が記憶回路33に記憶される場合、処理回路34のプロセッサにより実現される仮想エネルギー画像生成機能343は、記憶回路33から学習済みモデル50を読み出して実行することで、高エネルギー撮像画像IHと低エネルギー撮像画像ILから通常エネルギー仮想画像iIMを生成することができる。
また、学習済みモデル50は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などの集積回路によって構築されてもよい。
(第2実施形態)
図8は、通常エネルギー仮想画像iIMを補正した補正iIMを生成する際のデータフローの一例を示す図である。
第1実施形態に係る方法で生成された通常エネルギー仮想画像iIMは、第3のX線エネルギーを用いて実際にX線撮像を行って取得した実際の第3X線画像rIMを用いて補正されてもよい。
この場合、被検体の被ばく線量を低減させるよう、第3のX線エネルギーを用いた実際のX線撮像は、通常のX線撮像で用いられる線量よりも低い線量で行うとよい。この場合、得られる第3X線画像は通常の画像よりも粗い画像(粗rIM)となるが、実際のX線撮像で得た粗rIMとの加算処理などにより通常エネルギー仮想画像iIMを補正することで、通常エネルギー仮想画像iIMよりも非常に高画質な仮想画像(補正iIM)を得ることができる。
上記手法を用いれば、第3X線画像rIMの取得のための実際のX線撮像における線量
を、補正iIMと同一のSN比を有するX線画像をX線撮像により取得する場合における線量よりも小さくすることができる。すなわち、上記手法によれば、通常の臨床に適したX線画像を得るためのX線撮像を別途行う方法に比して、線量を低減することができる。
なお、上記においては、通常エネルギー仮想画像iIMを補正処理の対象画像とし、実際の第3X線画像rIMを補正処理用画像として用いるものとして説明をした。しかし、通常エネルギー仮想画像iIMと実際の第3X線画像rIMとは、ノイズ量等を除き類似する画像である以上、補正処理の対象画像と補正処理用画像との間の区別は便宜的なものにすぎず、本質は、通常エネルギー仮想画像iIMに加えて実際の第3X線画像rIMを用いることにより、通常エネルギー仮想画像iIMよりも高画質な画像を得る点にある。そこで、データ処理上、実際の第3X線画像rIMを補正処理の対象画像として扱う場合や、通常エネルギー仮想画像iIMと実際の第3X線画像rIMとの間に主従の関係を持たせずにこれらを扱う場合であっても、取得された高画質な画像は、補正iIMないし「補正仮想第3X線画像」にあたる。
(第2実施形態の変形例)
補正iIMは、機械学習により構築された学習済みモデルを用いて、高エネルギー撮像画像IH、低エネルギー撮像画像IL、および粗rIMから生成されてもよい。
図9は、第2実施形態の変形例に係る仮想エネルギー画像生成機能343の学習時におけるデータフローの一例を示す説明図である。この変形例に係る仮想エネルギー画像生成機能343は、多数のトレーニングデータセットを用いて深層学習を行うことにより、パラメータデータ72を逐次的に更新する。
多数のトレーニングデータセットのそれぞれのトレーニングデータセットは、学習用データ43と教師データ44の組からなる。学習用データ43は、高エネルギー撮像画像IHと低エネルギー撮像画像ILと粗rIMの組431、432、433、・・・である。教師データ44は、第3のX線エネルギーを用いて実際にX線撮像を行って取得した実際の第3X線画像rIM441、442、443、・・・である。実際の第3X線画像rIM441、442、443、・・・は、通常のX線撮像と同じまたはそれ以上の線量で第3のX線エネルギーを用いたX線撮像を行って取得された高画質な精細画像である。
なお、学習用データ43の粗rIMは、実際にX線撮像せずに、実際の第3X線画像rIM441、442、443、・・・のそれぞれにノイズ付加することで生成されてもよい。
仮想エネルギー画像生成機能343は、トレーニングデータセットが与えられるごとに、学習用データ43をニューラルネットワーク71で処理した結果が教師データ44に近づくようにパラメータデータ72を更新し、学習済みパラメータデータ72tを得る。ニューラルネットワーク71と学習済みパラメータデータ72tは学習済みモデル70を構成する。
図10は、第2実施形態の変形例に係る仮想エネルギー画像生成機能343の運用時におけるデータフローの一例を示す説明図である。
第2実施形態の変形例では、運用時には、仮想エネルギー画像生成機能343は、高エネルギー撮像画像IHと低エネルギー撮像画像ILと粗rIMの組63を入力され、学習済みモデル70を用いて、補正された通常エネルギー仮想画像iIM(補正iIM)64を生成すればよい。
(第3実施形態)
第3実施形態に示すX線診断装置10、医用画像処理装置およびプログラムは、造影血管を弁別する点で第1実施形態および第2実施形態に示すX線診断装置10、医用画像処理装置およびプログラムと異なる。
図11(a)は骨厚さ画像Tboneの一例を示す図であり、(b)は軟部組織厚さ画像Ttissueの一例を示す図である。図12(a)は通常エネルギー仮想画像iIMの一例を示す図であり、(b)は通常エネルギー撮像画像rIMの一例を示す図である。また、図13は、造影血管厚さ画像Tvesselを生成する際のデータフローの一例を示す図である。
X線撮像の視野に骨、造影血管、軟部組織が含まれる場合を考える。血管を造影する造影剤のX線の吸収係数は高く、骨に近い。物質弁別機能342は、造影血管82の吸収係数を骨81の吸収係数μbone(E)とみなして式(1)と式(2)を用いて骨などの厚みdbone求めている。したがって、物質弁別機能342が厚みdboneにもとづいて生成する骨厚さ画像Tboneには、骨81の厚さ分布とともに、骨81に換算した厚みを持つ物質として造影血管82の厚さ分布が描出される(図11(a)参照)。
一方、物質弁別機能342が生成する軟部組織厚さ画像Ttissueには、軟部組織83の厚さ分布が描出される。このとき、軟部組織厚さ画像Ttissueにおいて、軟部組織83と造影血管82とが重なって投影される画素は、造影血管82の厚みだけ軟部組織83の厚みが薄くなった輝度値を有することになる(図11(b)参照)。
しかし、骨81と造影血管82の吸収係数は、実際には完全に同一ではない。このため、仮想エネルギー画像生成機能343が骨厚さ画像Tboneと軟部組織厚さ画像Ttissueから仮想的に生成した通常エネルギー仮想画像iIM(図12(a)参照)と、実際に通常のX線エネルギーでX線撮像して生成された通常エネルギー撮像画像rIM(図12(b)参照)とでは、他の構成要素と造影血管82との濃度差が異なる。
このため、第3実施形態に係る物質弁別機能342は、仮想的な通常エネルギー仮想画像iIMと実際の通常エネルギー撮像画像rIMとを互いの差分をとる(図13参照)などして比較することにより、造影血管82を弁別した造影血管弁別画像である造影血管厚さ画像Ttissueを生成することができる。
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、スペクトラルイメージング技術の処理の精度を高めつつ、スペクトラルイメージング技術で取得したX線撮像にもとづいて通常の臨床に適した画像を得ることができる。
なお、上記実施形態において、「プロセッサ」という文言は、たとえば、専用または汎用のCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、または、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(たとえば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサがたとえばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。また、プロセッサがたとえばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存するかわりに、当該プログラムに相当する機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行するハードウェア処理により各種機能を実現する。あるいはまた、プロセッサは、ソフトウェア処理とハードウェア処理とを組み合わせて各種機能を実現することもできる。
また、上記実施形態では処理回路の単一のプロセッサが各機能を実現する場合の例について示したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路を構成し、各プロセッサが各機能を実現してもよい。また、プロセッサが複数設けられる場合、プログラムを記憶する記憶回路は、プロセッサごとに個別に設けられてもよいし、1つの記憶回路が全てのプロセッサの機能に対応するプログラムを一括して記憶してもよい。
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
10 X線診断装置
21 X線管
25 ディスプレイ
30 コンソール(医用画像処理装置)
31 ディスプレイ
41、43 学習用データ
42、44 教師データ
50、70 学習済みモデル
341 画像取得機能
342 物質弁別機能
343 仮想エネルギー画像生成機能
344 表示制御機能
bone 厚み
soft 厚み
iIM 通常エネルギー仮想画像(仮想的な第3X線画像)
rIM 通常エネルギー撮像画像(撮像で得た実際の第3X線画像)

Claims (16)

  1. 第1のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の第1X線画像を取得するとともに、前記第1のX線エネルギーとは異なる第2のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の第2X線画像を取得する画像取得部と、
    前記第1X線画像と前記第2X線画像にもとづいて、前記第1のX線エネルギーおよび前記第2のX線エネルギーのいずれとも異なる第3のX線エネルギーを用いたX線撮像を模した2次元の仮想的な第3X線画像を生成する仮想画像生成部と、
    を備えたX線診断装置。
  2. 前記第1X線画像と前記第2X線画像にもとづいて第1物質弁別画像と第2物質弁別画像を生成する弁別部、
    をさらに備え、
    前記仮想画像生成部は、
    前記第1物質弁別画像と前記第2物質弁別画像の各画素について、前記第3のX線エネルギーに対応するスペクトルを用いた仮想的な投影処理を行うことにより、前記仮想的な第3X線画像を生成する、
    請求項1記載のX線診断装置。
  3. 前記仮想画像生成部は、
    管電圧およびビームフィルタの少なくとも一方を仮想的に調整することにより前記第3のX線エネルギーに対応するスペクトルによる投影をシミュレートする、
    請求項2記載のX線診断装置。
  4. 操作者からのばく射指示操作を受け付ける入力インターフェース、
    をさらに備え、
    前記画像取得部および前記仮想画像生成部は、
    前記ばく射指示の継続を条件として、前記第1X線画像の取得、前記第2X線画像の取得、および前記仮想的な第3X線画像の生成、の組合せを順次繰り返す、
    請求項2または3に記載のX線診断装置。
  5. 前記仮想的な第3X線画像を、前記第1物質弁別画像および前記第2物質弁別画像の少なくとも一方と並列にディスプレイに表示させ、または前記第1物質弁別画像および前記第2物質弁別画像の少なくとも一方もしくは当該少なくとも一方に基づく画像と重畳させて前記ディスプレイに表示させる表示制御部、
    をさらに備えた請求項2ないし4のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  6. 前記弁別部は、
    前記第1X線画像と前記第2X線画像にもとづいて第1の物質および第2の物質の厚みを求め、前記第1物質弁別画像および前記第2物質弁別画像の各画素がそれぞれ前記第1の物質および前記第2の物質の厚みに応じた輝度値を有するよう前記第1物質弁別画像および前記第2物質弁別画像を生成する、
    請求項5記載のX線診断装置。
  7. 前記仮想画像生成部は、
    前記第1の物質および前記第2の物質の厚みにもとづいて、前記第3のX線エネルギーを用いた前記第1の物質および前記第2の物質のX線撮像を模した仮想第1物質弁別画像および仮想第2物質弁別画像を生成し、
    前記表示制御部は、
    前記仮想的な第3X線画像を、前記仮想第1物質弁別画像および前記仮想第2物質弁別画像の少なくとも一方と並列に前記ディスプレイに表示させ、または前記仮想第1物質弁別画像および前記仮想第2物質弁別画像の少なくとも一方もしくは当該少なくとも一方に基づく画像と重畳させてディスプレイに表示させる、
    請求項6記載のX線診断装置。
  8. 前記仮想画像生成部は、
    前記第1X線画像と前記第2X線画像とにもとづいて前記仮想的な第3X線画像を生成する学習済みモデルに対して前記第1X線画像と前記第2X線画像を入力することにより、前記仮想的な第3X線画像を生成する、
    請求項1記載のX線診断装置。
  9. 前記画像取得部は、
    前記第3のX線エネルギーを用いた実際のX線撮像にもとづく2次元の実際の第3X線画像をさらに取得し、
    前記仮想画像生成部は、
    前記実際の第3X線画像と前記仮想的な第3X線画像とにもとづいて補正仮想第3X線画像を生成する、
    請求項1ないし8のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  10. 前記実際の第3X線画像は、通常のX線撮像よりも低い線量で前記第3のX線エネルギーを用いた実際のX線撮像を行うことで取得される、
    請求項9記載のX線診断装置。
  11. 前記第3のX線エネルギーを用いた実際のX線撮像における線量は、前記補正仮想第3X線画像と同一のSN比を有するX線画像をX線撮像により取得する場合における線量よりも小さい、
    請求項9または10に記載のX線診断装置。
  12. 前記仮想画像生成部は、
    前記第1X線画像と前記第2X線画像と前記実際の第3X線画像とにもとづいて前記補正仮想第3X線画像を生成する学習済みモデルに対して、前記第1X線画像と前記第2X線画像と前記実際の第3X線画像を入力することにより、前記補正仮想第3X線画像を生成する、
    請求項9または10に記載のX線診断装置。
  13. 前記学習済みモデルは、
    前記第1X線画像と、前記第2X線画像と、通常のX線撮像と同じまたはそれ以上の線量で前記第3のX線エネルギーを用いた実際のX線撮像を行うことで取得された精細第3X線画像にノイズを付与することにより生成された粗第3X線画像と、を学習用データとし、前記精細第3X線画像を教師データとするトレーニングデータセットを用いて構築された、
    請求項12記載のX線診断装置。
  14. 前記第1X線画像と前記第2X線画像にもとづいて第1物質弁別画像と第2物質弁別画像を生成する弁別部、
    をさらに備え、
    前記弁別部は、
    前記実際の第3X線画像と前記仮想的な第3X線画像とを比較することにより造影血管が抽出された造影血管弁別画像を生成する、
    請求項9ないし13のいずれか1項に記載のX線診断装置。
  15. 第1のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の第1X線画像を取得するとともに、前記第1のX線エネルギーとは異なる第2のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の第2X線画像を取得する画像取得部と、
    前記第1X線画像と前記第2X線画像にもとづいて、前記第1のX線エネルギーおよび前記第2のX線エネルギーのいずれとも異なる第3のX線エネルギーを用いたX線撮像を模した2次元の仮想的な第3X線画像を生成する仮想画像生成部と、
    を備えた医用画像処理装置。
  16. コンピュータに、
    第1のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の第1X線画像を取得するとともに、前記第1のX線エネルギーとは異なる第2のX線エネルギーを用いたX線撮像にもとづく2次元の第2X線画像を取得するステップと、
    前記第1X線画像と前記第2X線画像にもとづいて、前記第1のX線エネルギーおよび前記第2のX線エネルギーのいずれとも異なる第3のX線エネルギーを用いたX線撮像を模した2次元の仮想的な第3X線画像を生成するステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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