JP2023076907A - 産業車両の油圧システム - Google Patents

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Abstract

【課題】荷役ポンプの容量をポジティブ制御で制御するとともにステアリングポンプの容量を適切に制御することができる産業車両の油圧システムを提供する。【解決手段】油圧システム1は、ステアリングアクチュエータ11へ作動油を供給する可変容量型のステアリングポンプ21と、少なくとも1つの荷役アクチュエータ12へ作動油を供給する可変容量型の荷役ポンプ31と、ステアリング供給ライン22から分岐して荷役供給ライン32につながる合流ライン71を含む。さらに、油圧システム1は、荷役要求指令圧が入力され、荷役要求指令圧が大きくなるほど荷役ポンプ31の容量を増加する荷役レギュレータ5と、ステアリング負荷圧と荷役負荷圧のうちの高い方がロードセンシング圧として入力され、前記ロードセンシング圧とステアリングポンプ21の吐出圧との差圧が一定となるようにステアリングポンプ21の容量を制御するステアリングレギュレータ4を含む。【選択図】図1

Description

本開示は、産業車両の油圧システムに関する。
ホイールローダやフォークリフトなどの産業車両には、進行方向を変更するためのステアリング回路と、バケットやフォークを動かすための荷役回路を含む油圧システムが搭載される。
例えば、特許文献1には、ステアリング回路に可変容量型のステアリングポンプが用いられ、荷役回路に可変容量型の荷役ポンプが用いられた、フォークリフトの油圧システムが開示されている。ステアリング回路では、ステアリングポンプからステアリング供給ラインおよびステアリング弁を介してステアリングアクチュエータへ作動油が供給され、荷役回路では、荷役ポンプから荷役供給ラインおよび2つの荷役制御弁を介して2つの荷役アクチュエータへ作動油が供給される。
さらに、特許文献1に開示された油圧システムでは、ステアリング供給ラインから合流ラインが分岐しており、この合流ラインが荷役供給ラインにつながっている。合流ラインには切換弁が設けられている。切換弁は、荷役操作が行われないときに合流ラインを遮断し、荷役操作が行われるときに合流ラインを開放する。つまり、切換弁によって合流ラインが解放されるときは、荷役ポンプから吐出された作動油にステアリングポンプから吐出された作動油が合流されて荷役アクチュエータへ供給される。なお、荷役操作がステアリング操作と同時に行われるときは、ステアリングポンプから吐出された作動油がステアリングアクチュエータと荷役アクチュエータの双方へ供給される。
ステアリングポンプの容量はステアリングレギュレータにより変更され、荷役ポンプの容量は荷役レギュレータにより変更される。上述したように荷役ポンプから吐出された作動油にステアリングポンプから吐出された作動油を合流するという観点から、ステアリングポンプの容量と荷役ポンプの容量とは同じ方式で制御される。特許文献1では、その制御方式としてロードセンシング制御が採用されている。
より詳しくは、荷役レギュレータには2つの荷役アクチュエータの負荷圧のうちの高い方である最高負荷圧がロードセンシング圧として入力される。荷役レギュレータは、ロードセンシング圧と荷役ポンプの吐出圧との差圧が一定となるように荷役ポンプの容量を制御する。
一方、ステアリングレギュレータにはステアリングアクチュエータの負荷圧と荷役アクチュエータの最高負荷圧のうちの高い方がロードセンシング圧として入力される。ステアリングレギュレータは、ロードセンシング圧とステアリングポンプの吐出圧との差圧が一定となるようにステアリングポンプの容量を制御する。このため、ステアリング操作と荷役操作が同時に行われるときは、要求が高い方に応じてステアリングポンプの容量が変化する。
特開2017-226492号公報
ところで、荷役ポンプの容量の制御方式としては、ロードセンシング制御に代えて、荷役操作の操作量が大きくなるほど容量を増加させるポジティブ制御を採用したいという要望がある。しかし、この場合には、ステアリングポンプの容量をどのように制御するかが問題となる。
そこで、本開示は、荷役ポンプの容量をポジティブ制御で制御するとともにステアリングポンプの容量を適切に制御することができる産業車両の油圧システムを提供することを目的とする。
本開示は、ステアリング供給ラインおよびステアリング弁を介してステアリングアクチュエータへ作動油を供給する可変容量型のステアリングポンプと、荷役供給ラインおよび少なくとも1つの荷役制御弁を介して少なくとも1つの荷役アクチュエータへ作動油を供給する可変容量型の荷役ポンプと、前記ステアリング供給ラインから分岐して前記荷役供給ラインにつながる合流ラインと、前記合流ラインに設けられた、荷役操作が行われないときに前記合流ラインを遮断し、荷役操作が行われるときに前記合流ラインを開放する優先弁と、前記荷役操作の操作量と正の相関を示す荷役要求指令圧が入力され、前記荷役要求指令圧が大きくなるほど前記荷役ポンプの容量を増加する荷役レギュレータと、前記ステアリング弁における前記ステアリングアクチュエータへの作動油の供給量を決定する絞り部の下流側の圧力であるステアリング負荷圧と、前記荷役供給ラインにおける前記少なくとも1つの荷役制御弁の上流側の圧力である荷役負荷圧のうちの高い方がロードセンシング圧として入力され、前記ロードセンシング圧と前記ステアリングポンプの吐出圧との差圧が一定となるように前記ステアリングポンプの容量を制御するステアリングレギュレータと、を備える、産業車両の油圧システムを提供する。
本開示によれば、荷役ポンプの容量をポジティブ制御で制御するとともにステアリングポンプの容量を適切に制御することができる。
一実施形態に係る産業車両の油圧システムの概略構成図である。 前記油圧システムのステアリング回路の拡大図である。 前記油圧システムの荷役回路の拡大図である。 前記荷役回路の操作系回路図である。
図1に、一実施形態に係る産業車両の油圧システム1を示す。本実施形態では、産業車両がホイスト(アームまたはブームとも呼ばれる)およびバケットを含むホイールローダである。ただし、産業車両はフォークリフトなどであってもよい。
油圧システム1は、進行方向を変更するためのステアリング回路2と、バケットを動かすための荷役回路3を含む。ホイールローダでは、前輪を含む前側車体と後輪を含む後側車体とが水平方向に揺動可能に連結される。また、前側車体にはホイストが鉛直方向に揺動可能に連結され、ホイストの先端にバケットが鉛直方向に揺動可能に連結される。
ステアリング回路2は、図2に示すように、ステアリングポンプ21、ステアリング弁23およびステアリングアクチュエータ11を含む。ステアリングポンプ21は、ステアリング供給ライン22およびステアリング弁23を介してステアリングアクチュエータ11へ作動油を供給する。本実施形態では、ステアリングアクチュエータ11が、上述した前側車体と後側車体との連結部の左右両側に設けられた一対の油圧シリンダで構成される。ただし、ホイールローダの大きさによっては、ステアリングアクチュエータ11が単一の油圧シリンダで構成されることもある。また、産業用車両がフォークリフトである場合はステアリングアクチュエータ11が単一の両ロッドの油圧シリンダで構成される。
具体的に、ステアリングポンプ21はステアリング供給ライン22によりステアリング弁23と接続されており、ステアリング弁23は一対の給排ライン24によりステアリングアクチュエータ11と接続されている。また、ステアリング弁23はタンクライン25によりタンクと接続されている。
ステアリング弁23は、ステアリングアクチュエータ11への作動油の供給量を決定する絞り部23aを有する。また、ステアリング弁23には、ステアリング供給ライン22と給排ライン24の間に介在する中間ライン27の両端も接続されている。中間ライン27には逆止弁28が設けられている。
ステアリング弁23は、産業車両の運転室に設けられたハンドルが操作されると、中立位置から右旋回位置または左旋回位置へシフトする。中立位置では、ステアリング供給ライン22、中間ライン27の両端、一対の給排ライン24およびタンクライン25の全てがブロックされる。右旋回位置または左旋回位置では、ステアリング供給ライン22が中間ライン27を介して一方の給排ライン24と連通し、他方の給排ライン24がタンクライン25と連通する。右旋回位置または左旋回位置では、絞り部23aの開口面積が、ハンドルの操作量が大きくなるほど大きくなる。
より詳しくは、ステアリング弁23は一対のパイロットポートを有し、これらのパイロットポートはパイロットライン26a,26bによりオービットロール(登録商標)26と接続されている。オービットロール26はハンドルに連結されており、ハンドルの操作量に応じたパイロット圧をハンドルの回転方向のパイロットライン26aまたは26bを通じてステアリング弁23のパイロットポートへ出力する。
さらに、ステアリング弁23には負荷圧ライン64およびタンクライン68も接続されている。ステアリング弁23が中立位置に位置するとき、負荷圧ライン64はタンクライン68と連通する。ステアリング弁23が右旋回位置または左旋回位置に位置するとき、負荷圧ライン64には絞り部23aの下流側の圧力であるステアリング負荷圧が導かれる。
ステアリング供給ライン22には、コンペンセータ61が設けられている。コンペンセータ61は中立位置でステアリング供給ライン22を開放するものであり、コンペンセータ61が中立位置からシフトするにつれてコンペンセータ61の開口面積が減少する。コンペンセータ61には、互いに対向するようにステアリング弁23における絞り部23aの上流側の圧力と上述したステアリング負荷圧とが作用する。
ステアリング負荷圧は、上述した負荷圧ライン64を通じてコンペンセータ61へ導かれ、開口面積が増大する方向にシフトするようにコンペンセータ61に作用する。一方、ステアリング弁23における絞り部23aの上流側の圧力は、供給圧ライン62を通じてコンペンセータ61へ導かれ、開口面積が減少する方向にシフトするようにコンペンセータ61に作用する。供給圧ライン62はコンペンセータ61の下流側でステアリング供給ライン22から分岐している。本実施形態では、供給圧ライン62および負荷圧ライン64に絞り63,65がそれぞれ設けられているが、絞り63,65は省略可能である。
このような構成により、コンペンセータ61の開口面積は、ステアリング弁23における絞り部23aの上流側の圧力とステアリング負荷圧との差圧が大きくなるほど減少する。なお、負荷圧ライン64からはリリーフライン66が分岐しており、このリリーフライン66に設けられたリリーフ弁67によって負荷圧ライン64の圧力が所定値以下に保たれる。
上述したステアリングポンプ21は、原動機により駆動される。原動機は、例えば内燃機関または電動機である。原動機は、後述する荷役ポンプ31および副ポンプ15も駆動する。
ステアリングポンプ21は、可変容量型のポンプである。本実施形態では、ステアリングポンプ21が斜板21aを有する斜板ポンプである。ただし、ステアリングポンプ21は、斜軸ポンプであってもよい。本実施形態では、後述する合流ライン71における優先弁72よりも上流側部分からリリーフライン17が分岐しており、このリリーフライン17に設けられたリリーフ弁17aによってステアリングポンプ21の吐出圧が所定値以下に保たれる。リリーフライン17は、ステアリング供給ライン22から分岐してもよい。
ステアリングポンプ21の容量は、ステアリングレギュレータ4により変更される。ステアリングレギュレータ4には、ロードセンシングライン99を通じてロードセンシング圧が入力される。ステアリングレギュレータ4は、ロードセンシング圧とステアリングポンプ21の吐出圧との差圧が一定となるようにステアリングポンプ21の容量を制御する。本実施形態では、ステアリングレギュレータ4が図2に示すように構成されているが、ステアリングレギュレータ4の構成はこれに限られず、適宜変更可能である。
より詳しくは、ステアリングレギュレータ4は、斜板21aを容量増加方向に付勢するスプリング41と、斜板21aをスプリング41に抗して容量減少方向に押圧するピストン42を含む。ステアリングレギュレータ4には、ピストン42に制御圧を作用させるための受圧室43が形成されている。
さらに、ステアリングレギュレータ4は、制御圧ライン44により受圧室43と接続されたロードセンシング弁45と、制御圧ライン44上に設けられたカットオフ弁48を含む。ただし、カットオフ弁48は省略可能である。
ロードセンシング弁45は、ポンプ圧ライン46によりステアリング供給ライン22と接続されるとともに、タンクライン47によりタンクと接続されている。また、ロードセンシング弁45には、上述したロードセンシング圧とステアリングポンプ21の吐出圧とが互いに対向するように作用する。ロードセンシング弁45はロードセンシング圧とステアリングポンプ21の吐出圧との差圧が一定となるように作動し、このようにして調整された制御圧が制御圧ライン44を通じて受圧室43に導入される。
カットオフ弁48は、ステアリングポンプ21の吐出圧が設定値を超えたときに、受圧室43にステアリングポンプ21の吐出圧を導入し、ステアリングポンプ21の容量を最小とするためのものである。
荷役回路3は、図3に示すように、荷役ポンプ31、2つの荷役制御弁33および2つの荷役アクチュエータ12を含む。荷役ポンプ31は、荷役供給ライン32および2つの荷役制御弁33を介して2つの荷役アクチュエータ12へ作動油を供給する。
2つの荷役アクチュエータ12は、バケットアクチュエータ13とホイストアクチュエータ14である。本実施形態では、バケットアクチュエータ13が単一の油圧シリンダで構成され、ホイストアクチュエータ14が一対の油圧シリンダで構成される。ただし、バケットアクチュエータ12は一対の油圧シリンダで構成されることもある。2つの荷役制御弁33は、バケット制御弁34とホイスト制御弁35である。
具体的に、荷役ポンプ31は、荷役供給ライン32によりバケット制御弁34およびホイスト制御弁35と接続されている。つまり、荷役供給ライン32は、荷役ポンプ31から延びる共通路32aと、共通路32aの下流端からバケット制御弁34まで延びるバケット分岐路32bと、共通路32aの下流端からホイスト制御弁35まで延びるホイスト分岐路32cを含む。バケット分岐路32bおよびホイスト分岐路32cには、逆止弁32d,32eがそれぞれ設けられている。
さらに、ホイスト分岐路32cには、バケット操作とホイスト操作が同時に行われるときにホイストアクチュエータ14への作動油の供給を制限するためのバケット優先弁32fが設けられている。バケット優先弁32fは中立位置でホイスト分岐路32cを開放するものであり、バケット優先弁32fが中立位置からシフトするにつれてバケット優先弁32fの開口面積が減少する。本実施形態では、バケット優先弁32fがパイロット式であり、パイロットポートを有する。バケット優先弁32fのパイロットポートに導入されるパイロット圧が上昇するほどバケット優先弁32fの開口面積が減少する。ただし、バケット優先弁32fは電磁式であってもよい。
上述したバケット制御弁34は一対の給排ライン36によりバケットアクチュエータ13と接続されており、ホイスト制御弁35は一対の給排ライン37によりホイストアクチュエータ14と接続されている。また、バケット制御弁34およびホイスト制御弁35はタンクライン38によりタンクと接続されている。
バケット制御弁34は、中立位置から第1作動位置または第2作動位置へシフトする。中立位置では、荷役供給ライン32、一対の給排ライン36およびタンクライン38の全てがブロックされる。第1作動位置または第2作動位置では、荷役供給ライン32が一方の給排ライン36と連通し、他方の給排ライン36がタンクライン38と連通する。
本実施形態では、バケット制御弁34がパイロット式であり、一対のパイロットポートを有する。一方のパイロットポートへパイロット圧が導入されるとバケット制御弁34が中立位置から第1作動位置へシフトし、そのパイロット圧が上昇するほどバケット制御弁34の開口面積が増大する。逆に、他方のパイロットポートへパイロット圧が導入されるとバケット制御弁34が中立位置から第2作動位置へシフトし、そのパイロット圧が上昇するほどバケット制御弁34の開口面積が増大する。ただし、バケット制御弁34は電磁式であってもよい。
ホイスト制御弁35は、中立位置から第1作動位置または第2作動位置へシフトする。さらに、ホイスト制御弁35は、第2作動位置と第3作動位置との間でもシフトする。中立位置では、荷役供給ライン32、一対の給排ライン37およびタンクライン38の全てがブロックされる。第1作動位置または第2作動位置では、荷役供給ライン32が一方の給排ライン37と連通し、他方の給排ライン37がタンクライン38と連通する。第3作動位置では、給排ライン37同士がホイスト制御弁35内で連通する。
本実施形態では、ホイスト制御弁35がパイロット式であり、一対のパイロットポートを有する。一方のパイロットポートへパイロット圧が導入されるとホイスト制御弁35が中立位置から第1作動位置へシフトし、そのパイロット圧が上昇するほどホイスト制御弁35の開口面積が増大する。逆に、他方のパイロットポートへパイロット圧が導入されるとホイスト制御弁35が中立位置から第2作動位置へシフトし、そのパイロット圧が上昇するほどホイスト制御弁35の開口面積が増大する。他方のパイロットポートへ導入されるパイロット圧がさらに上昇すると、ホイスト制御弁35は第2作動位置から第3作動位置へシフトする。ただし、ホイスト制御弁35は電磁式であってもよい。
さらに、本実施形態では、荷役供給ライン32の共通路32aからセンターバイパスライン39が分岐しており、このセンターバイパスライン39がバケット制御弁34およびホイスト制御弁35を通過してタンクまで延びている。バケット制御弁34およびホイスト制御弁35は、中立位置から第1作動位置または第2作動位置へシフトするにつれてセンターバイパスライン39上の開口面積を小さくする。
図4に示すように、バケット制御弁34のパイロットポートは一対のパイロットラインにより一対のバケット用電磁比例弁94,95と接続されており、ホイスト制御弁35のパイロットポートは一対のパイロットラインにより一対のホイスト用電磁比例弁96,97と接続されている。バケット用電磁比例弁94,95およびホイスト用電磁比例弁96,97は一次圧ライン16により副ポンプ15(図1および図3参照)と接続されている。なお、図示は省略するが、一次圧ライン16からはリリーフラインが分岐しており、このリリーフラインに設けられたリリーフ弁によって副ポンプ15の吐出圧が所定値に保たれる。一次圧ライン16が副ポンプ15の代わりにステアリング供給ライン22に接続されるとともに一次圧ライン16に減圧弁が設けられ、ステアリングポンプ21の吐出圧が減圧されて一次圧として用いられてもよい。
本実施形態では、バケット用電磁比例弁94,95およびホイスト用電磁比例弁96,97のそれぞれが、指令電流と二次圧が正の相関を示す正比例型である。ただし、バケット用電磁比例弁94,95およびホイスト用電磁比例弁96,97のそれぞれは、指令電流と二次圧が負の相関を示す逆比例型であってもよい。
図3に戻って、産業車両の運転室には、上述したハンドルの他に、バケット操作装置92およびホイスト操作装置93が設けられている。バケット操作装置92はバケット操作を受ける操作レバーを含み、ホイスト操作装置93はホイスト操作を受ける操作レバーを含む。
本実施形態では、バケット操作装置92およびホイスト操作装置93のそれぞれが、操作レバーの傾倒方向および傾倒角(すなわち、バケット操作またはホイスト操作の操作量)に応じた電気信号を出力する電気ジョイスティックである。バケット操作装置92およびホイスト操作装置93から出力される電気信号は制御装置91に入力される。
ただし、バケット操作装置92およびホイスト操作装置93のそれぞれは、操作レバーの傾倒方向および傾倒角に応じたパイロット圧を出力するパイロット操作弁であってもよい。この場合、バケット用電磁比例弁94,95およびホイスト用電磁比例弁96,97が省略され、バケット制御弁34のパイロットポートが一対のパイロットラインによりパイロット操作弁であるバケット操作装置92と接続され、ホイスト制御弁35のパイロットポートが一対のパイロットラインによりパイロット操作弁であるホイスト操作装置93と接続されてもよい。
制御装置91は、バケット操作装置92の操作レバーがバケット操作を受けると、操作レバーの傾倒方向に対応するバケット用電磁比例弁94または95へ指令電流を送給する。また、制御装置91は、バケット操作の操作量が大きくなるほど指令電流を大きくする。なお、一方(バケットを上向きに揺動させる方)のバケット用電磁比例弁94から出力される二次圧は、図4に示すように上述したバケット優先弁32fのパイロットポートにも導かれる。
同様に、ホイスト操作装置93の操作レバーがホイスト操作を受けると、制御装置91は、操作レバーの傾倒方向に対応するホイスト用電磁比例弁96または97へ指令電流を送給する。また、制御装置91は、ホイスト操作の操作量が大きくなるほど指令電流を大きくする。
制御装置91に関し、本明細書で開示する要素の機能は、開示された機能を実行するよう構成またはプログラムされた汎用プロセッサ、専用プロセッサ、集積回路、ASIC(Application Specific Integrated Circuits)、従来の回路、および/または、それらの組み合わせ、を含む回路または処理回路を使用して実行できる。プロセッサは、トランジスタやその他の回路を含むため、処理回路または回路と見なされる。本開示において、回路、ユニット、または手段は、列挙された機能を実行するハードウエアであるか、または、列挙された機能を実行するようにプログラムされたハードウエアである。ハードウエアは、本明細書に開示されているハードウエアであってもよいし、あるいは、列挙された機能を実行するようにプログラムまたは構成されているその他の既知のハードウエアであってもよい。ハードウエアが回路の一種と考えられるプロセッサである場合、回路、手段、またはユニットはハードウエアとソフトウエアの組み合わせであり、ソフトウエアはハードウエアおよび/またはプロセッサの構成に使用される。
上述した荷役ポンプ31は、可変容量型のポンプである。本実施形態では、荷役ポンプ31が斜板31aを有する斜板ポンプである。ただし、荷役ポンプ31は、斜軸ポンプであってもよい。荷役供給ライン32からはリリーフライン18が分岐しており、このリリーフライン18に設けられたリリーフ弁18aによって荷役ポンプ31の吐出圧が所定値以下に保たれる。後述する優先弁72が開かれるとき、リリーフ弁18aはステアリングポンプ21の吐出圧を所定値以下に保つ役割も果たす。
荷役ポンプ31の容量は、荷役レギュレータ5により変更される。本実施形態では、荷役レギュレータ5が流量制御ピストン56を用いた流量制御および馬力制御ピストン57を用いた馬力制御を行う。ただし、荷役レギュレータ5は流量制御のみを行ってもよい。
荷役レギュレータ5には流量制御用として荷役要求指令圧が入力される。荷役要求指令圧については後述にて詳しく説明する。荷役レギュレータ5は、荷役要求指令圧が大きくなるほど荷役ポンプ31の容量を増加する。本実施形態では、荷役レギュレータ5が図3に示すように構成されているが、荷役レギュレータ5の構成はこれに限られず、適宜変更可能である。
より詳しくは、荷役レギュレータ5は、流量制御ピストン56および馬力制御ピストン57に加えて、荷役ポンプ31の斜板31aと連結されたサーボピストン51と、サーボピストン51を駆動するための調整弁52を含む。また、荷役レギュレータ5は、流量制御ピストン56、馬力制御ピストン57およびサーボピストン51を摺動可能に保持するハウジングを含む。ハウジングの一部は、荷役ポンプ31のケーシングと一体となってもよい。
荷役レギュレータ5には、荷役ポンプ31の吐出圧が導入される第1受圧室5aと、制御圧が導入される第2受圧室5bが形成されている。サーボピストン51は、第1受圧室5aに露出する第1端部と、第2受圧室5bに露出する、第1端部よりも大径の第2端部を有している。
調整弁52は、第2受圧室5bに導入される制御圧を調整するためのものである。具体的に、調整弁52は、制御圧を低下させる方向(容量増加方向、図3では左向き)および制御圧を上昇させる方向(容量減少方向、図3では右向き)に移動するスプール53と、スプール53を収容するスリーブ54を含む。
スプール53は、レバー56aを介して流量制御ピストン56と連結されるとともに、レバー57aを介して馬力制御ピストン57と連結されている。スプール53は、流量制御ピストン56の前進に伴って容量増加方向に移動し、流量制御ピストン56の後進に伴って容量減少方向に移動する。また、スプール53は、馬力制御ピストン57の前進に伴って容量減少方向に移動し、流量制御ピストン56の後進に伴って容量増加方向に移動する。なお、流量制御ピストン56と馬力制御ピストン57は、そのうちの容量を小さく制限する方(すなわち、少ない容量を指令する方)が優先してスプール53を移動させるように構成される。
スリーブ54は、フィードバックレバー55によりサーボピストン51と連結されている。スリーブ54には、ポンプポート、タンクポートおよび出力ポート(出力ポートは第2受圧室5bと連通する)が形成されており、スリーブ54とスプール53との相対位置によって、出力ポートがポンプポートおよびタンクポートの双方から遮断されるか、出力ポートがポンプポートおよびタンクポートのどちらかと連通される。そして、スプール53が容量増加方向または容量減少方向に移動されると、サーボピストン51の両側から作用する力(圧力×サーボピストン受圧面積)が釣り合うようにスプール53とスリーブ54との相対位置が定まり、制御圧が調整される。
さらに、荷役レギュレータ5には、流量制御ピストン56に上述した荷役要求指令圧を作用させる作動室5cが形成されている。つまり、流量制御ピストン56は、荷役要求指令圧が高くなると前進し、荷役要求指令圧が低くなると後進する。
また、荷役レギュレータ5には、馬力制御ピストン57に荷役ポンプ31の吐出圧を作用させる作動室5dが形成されている。つまり、馬力制御ピストン57は、荷役ポンプ31の吐出圧が高くなると前進し、吐出圧が低くなると後進する。
本実施形態では、作動室5cが指令圧ライン82により電磁比例弁81と接続されている。電磁比例弁81は上述した一次圧ライン16により副ポンプ15(上述した変形例の場合はステアリング供給ライン22)と接続されている。本実施形態では、電磁比例弁81が、指令電流と二次圧が正の相関を示す正比例型である。ただし、電磁比例弁81は、指令電流と二次圧が負の相関を示す逆比例型であってもよい。
電磁比例弁81は、上述した制御装置91により制御され、荷役要求指令圧として二次圧を作動室5cへ出力する。制御装置91は、荷役操作(バケット操作またはホイスト操作)が行われると、電磁比例弁81へ指令電流を送給する。また、制御装置91は、荷役操作の操作量が大きくなるほど指令電流を大きくする。つまり、荷役要求指令圧は荷役操作の操作量と正の相関を示す。
次に、ステアリングレギュレータ4に入力されるロードセンシング圧について説明する。上述したロードセンシングライン99は、図2に示すように、高圧選択弁98の出力ポートと接続されている。高圧選択弁98の一対の入力ポートのうちの一方は入力ライン88により上述した負荷圧ライン64と接続され、他方は入力ライン89により荷役供給ライン32と接続されている(図3参照)。
高圧選択弁98は、荷役供給ライン32における荷役制御弁33の上流側の圧力である荷役負荷圧とステアリング負荷圧のうちの高い方を選択してステアリングレギュレータ4へ出力する。換言すれば、荷役負荷圧とステアリング要求指令圧のうちの高い方が上述したロードセンシング圧としてステアリングレギュレータ4へ入力される。
図1~図3に示すように、ステアリング供給ライン22からはコンペンセータ61よりも上流側で合流ライン71が分岐しており、この合流ライン71は荷役供給ライン32につながっている。合流ライン71には優先弁72が設けられている。
優先弁72は、荷役操作が行われないときに合流ライン71を遮断し、荷役操作が行われるときに合流ライン71を開放する。本実施形態では、優先弁72がパイロット式であり、第1パイロットポート72aおよび第2パイロットポート72bを有する。ただし、優先弁72は電磁式であってもよい。
より詳しくは、優先弁72は中立位置で合流ライン71を遮断するものであり、優先弁72が中立位置からシフトするにつれて優先弁72の開口面積が増大する。優先弁72は当該優先弁72を中立位置に維持するためのスプリング72c(図2参照)を有する。第1パイロットポート72aは、パイロットライン73によりタンクと接続されている。パイロットライン73には逆止弁74が設けられているとともに、逆止弁74をバイパスするバイパスライン75が接続されている。バイパスライン75には絞り76が設けられている。第2パイロットポート72bは優先弁72を開口面積が増大する方向にシフトさせるためのものである。
つまり、優先弁72が中立位置からシフトするときは、絞り76によって第1パイロットポート72aからの作動油の流出が制限されるために、優先弁72がゆっくりと作動する。逆に、優先弁72が中立位置へ戻るときは、逆止弁74を介して第1パイロットポート72aへ作動油がスムーズに流入するため、優先弁72が迅速に作動する。なお、逆止弁74、バイパスライン75および絞り76は省略可能である。
優先弁72の第2パイロットポート72bは、パイロットライン77により切換弁84と接続されている。切換弁84は、パイロットライン83により指令圧ライン82と接続されているとともに、タンクライン85によりタンクと接続されている。なお、パイロットライン83は、指令圧ライン82ではなく、荷役レギュレータ5の作動室5cにつながってもよい。
切換弁84は、第1電磁比例弁81の二次圧である荷役要求指令圧を優先弁72の第2パイロットポート72bへ出力するか否かを切り換える。本実施形態では、切換弁84がパイロット式であり、第1パイロットポート84aおよび第2パイロットポート84bを有する。ただし、切換弁84は電磁式であってもよい。
より詳しくは、切換弁84は、パイロットライン77をタンクライン85と連通させる中立位置と、パイロットライン77をパイロットライン83と連通させる作動位置との間でシフトする。切換弁84は当該切換弁84を中立位置に維持するためのスプリング84cを有する。第1パイロットポート84aはスプリング84cと同じ側に位置しており、第2パイロットポート84bはスプリング84cと反対側に位置している。
第1パイロットポート84aは、パイロットライン86により負荷圧ライン64と接続されている。つまり、第1パイロットポート84aには、ステアリング負荷圧が導入される。本実施形態では、パイロットライン86の一部と上述した入力ライン88の一部とが共通の流路となっている。第2パイロットポート84bは、パイロットライン87により荷役供給ライン32と接続されている。つまり、第2パイロットポート84bには、荷役負荷圧が導入される。本実施形態では、パイロットライン87の一部と上述した入力ライン89の一部とが共通の流路となっている。
切換弁84は、荷役負荷圧がステアリング負荷圧に所定値(スプリング84cの付勢力に対応する圧力)を加算した基準圧よりも小さいときは中立位置に位置して荷役要求指令圧を第2パイロットポート84bへ出力しない。一方、荷役要求指令圧が前記基準圧よりも大きいときは、切換弁84は作動位置にシフトして荷役要求指令圧を第2パイロットポート84bへ出力する。
以上説明したように、本実施形態の油圧システム1では、荷役レギュレータ5に荷役操作の操作量と正の相関を示す荷役要求指令圧が入力されるため、荷役ポンプ31の容量をポジティブ制御で制御することができる。一方、ステアリングレギュレータ4にはステアリング負荷圧と荷役負荷圧のうちの高い方がロードセンシング圧として入力される。ステアリング操作が単独で行われるときは、ステアリング負荷圧がステアリングレギュレータ4に入力されるため、ステアリングポンプ21の容量がステアリング負荷圧に応じて変化する。また、荷役操作が単独で行われるときは、荷役負荷圧がステアリングレギュレータ4に入力されるため、ステアリングポンプ21の容量が荷役負荷圧に応じて変化し、荷役ポンプ31とステアリングポンプ21の双方から荷役アクチュエータ12へ作動油が供給される。ステアリング操作と荷役操作が同時に行われるときは、要求が高い方に応じてステアリングポンプ21の容量が変化する。従って、ステアリングポンプ21の容量を適切に制御することができる。
さらに、本実施形態では合流ライン71に設けられた優先弁72がパイロット式であるので、優先弁72を機械的に作動させることができる。しかも、優先弁72の第2パイロットポート82bに出力される荷役要求指令圧は荷役操作の操作量と正の相関を示すものであるので、荷役操作の操作量が小さいほど優先弁72の開口面積が小さくなる。従って、ステアリングポンプ21から吐出される作動油をステアリングアクチュエータ11へ優先して供給することができる。
(変形例)
本開示は上述した実施形態に限定されるものではなく、本開示の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
例えば、産業車両の種類によっては、油圧システム1の荷役回路3における荷役アクチュエータ12の数および荷役制御弁33の数がそれぞれ1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。
また、バケット操作装置92およびホイスト操作装置93のそれぞれがパイロット操作弁である場合、電磁比例弁81が省略されて、バケット操作装置92から出力されるパイロット圧とホイスト操作装置93から出力されるパイロット圧のうちの最も高いパイロット圧が荷役要求指令圧として荷役レギュレータ5の作動室5cへ導かれてもよい。
また、切換弁84は、かならずしもオンオフ弁である必要はなく、荷役操作要求指令圧を減圧可能な減圧弁の機能を有してもよい。
(まとめ)
本開示は、ステアリング供給ラインおよびステアリング弁を介してステアリングアクチュエータへ作動油を供給する可変容量型のステアリングポンプと、荷役供給ラインおよび少なくとも1つの荷役制御弁を介して少なくとも1つの荷役アクチュエータへ作動油を供給する可変容量型の荷役ポンプと、前記ステアリング供給ラインから分岐して前記荷役供給ラインにつながる合流ラインと、前記合流ラインに設けられた、荷役操作が行われないときに前記合流ラインを遮断し、荷役操作が行われるときに前記合流ラインを開放する優先弁と、前記荷役操作の操作量と正の相関を示す荷役要求指令圧が入力され、前記荷役要求指令圧が大きくなるほど前記荷役ポンプの容量を増加する荷役レギュレータと、前記ステアリング弁における前記ステアリングアクチュエータへの作動油の供給量を決定する絞り部の下流側の圧力であるステアリング負荷圧と、前記荷役供給ラインにおける前記少なくとも1つの荷役制御弁の上流側の圧力である荷役負荷圧のうちの高い方がロードセンシング圧として入力され、前記ロードセンシング圧と前記ステアリングポンプの吐出圧との差圧が一定となるように前記ステアリングポンプの容量を制御するステアリングレギュレータと、を備える、産業車両の油圧システムを提供する。
上記の構成によれば、荷役レギュレータに荷役操作の操作量と正の相関を示す荷役要求指令圧が入力されるため、荷役ポンプの容量をポジティブ制御で制御することができる。一方、ステアリングレギュレータにはステアリング負荷圧と荷役負荷圧のうちの高い方がロードセンシング圧として入力される。ステアリング操作が単独で行われるときは、ステアリング負荷圧がステアリングレギュレータに入力されるため、ステアリングポンプの容量がステアリング負荷圧に応じて変化する。また、荷役操作が単独で行われるときは、荷役負荷圧がステアリングレギュレータに入力されるため、ステアリングポンプの容量が荷役負荷圧に応じて変化し、荷役ポンプとステアリングポンプの双方から荷役アクチュエータへ作動油が供給される。ステアリング操作と荷役操作が同時に行われるときは、要求が高い方に応じてステアリングポンプの容量が変化する。従って、ステアリングポンプの容量を適切に制御することができる。
例えば、上記の油圧システムは、前記ステアリング負荷圧と前記荷役負荷圧のうちの高い方を選択して前記ステアリングレギュレータへ出力する高圧選択弁をさらに備えてもよい。
前記優先弁は、中立位置で前記合流ラインを遮断するものであり、当該優先弁を開口面積が増大する方向にシフトさせるパイロットポートを有し、上記の油圧システムは、前記荷役要求指令圧を前記パイロットポートへ出力するか否かを切り換える切換弁であって、前記荷役負荷圧が前記ステアリング負荷圧に所定値を加算した基準圧よりも小さいときは前記荷役要求指令圧を出力せず、前記荷役負荷圧が前記基準圧よりも大きいときは前記荷役要求指令圧を出力する切換弁をさらに備えてもよい。この構成によれば、優先弁を機械的に作動させることができる。しかも優先弁のパイロットポートに出力される荷役要求指令圧は荷役操作の操作量と正の相関を示すものであるので、荷役操作の操作量が小さいほど優先弁の開口面積が小さくなり、ステアリングポンプから吐出される作動油をステアリングアクチュエータへ優先して供給することができる。
1 油圧システム
11 ステアリングアクチュエータ
12 荷役アクチュエータ
2 ステアリング回路
21 ステアリングポンプ
22 ステアリング供給ライン
23 ステアリング弁
23a 絞り部
3 荷役回路
31 荷役ポンプ
32 荷役供給ライン
33 荷役制御弁
4 ステアリングレギュレータ
5 荷役レギュレータ
71 合流ライン
72 優先弁
72a 第1パイロットポート
72b 第2パイロットポート
84 切換弁
98 高圧選択弁

Claims (3)

  1. ステアリング供給ラインおよびステアリング弁を介してステアリングアクチュエータへ作動油を供給する可変容量型のステアリングポンプと、
    荷役供給ラインおよび少なくとも1つの荷役制御弁を介して少なくとも1つの荷役アクチュエータへ作動油を供給する可変容量型の荷役ポンプと、
    前記ステアリング供給ラインから分岐して前記荷役供給ラインにつながる合流ラインと、
    前記合流ラインに設けられた、荷役操作が行われないときに前記合流ラインを遮断し、荷役操作が行われるときに前記合流ラインを開放する優先弁と、
    前記荷役操作の操作量と正の相関を示す荷役要求指令圧が入力され、前記荷役要求指令圧が大きくなるほど前記荷役ポンプの容量を増加する荷役レギュレータと、
    前記ステアリング弁における前記ステアリングアクチュエータへの作動油の供給量を決定する絞り部の下流側の圧力であるステアリング負荷圧と、前記荷役供給ラインにおける前記少なくとも1つの荷役制御弁の上流側の圧力である荷役負荷圧のうちの高い方がロードセンシング圧として入力され、前記ロードセンシング圧と前記ステアリングポンプの吐出圧との差圧が一定となるように前記ステアリングポンプの容量を制御するステアリングレギュレータと、
    を備える、産業車両の油圧システム。
  2. 前記ステアリング負荷圧と前記荷役負荷圧のうちの高い方を選択して前記ステアリングレギュレータへ出力する高圧選択弁をさらに備える、請求項1に記載の産業車両の油圧システム。
  3. 前記優先弁は、中立位置で前記合流ラインを遮断するものであり、当該優先弁を開口面積が増大する方向にシフトさせるパイロットポートを有し、
    前記荷役要求指令圧を前記パイロットポートへ出力するか否かを切り換える切換弁であって、前記荷役負荷圧が前記ステアリング負荷圧に所定値を加算した基準圧よりも小さいときは前記荷役要求指令圧を出力せず、前記荷役負荷圧が前記基準圧よりも大きいときは前記荷役要求指令圧を出力する切換弁をさらに備える、請求項1または2に記載の産業車両の油圧システム。
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