JP2023076891A - 飛行体 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023076891000001
【課題】飛行体におけるロータヘッドの圧力抵抗を低減する。
【解決手段】飛行体は、胴体から上方に突出するロータ軸と、前記胴体の上方において前記ロータ軸に接続されたロータヘッドと、前記胴体の上方に配置され、前記ロータ軸の右方及び左方において前後方向に延びた一対の板ユニットと、を備える。前記一対の板ユニットは、前端と、後端と、左右方向の内方に向いた内側面と、左右方向の外方に向いた外側面と、をそれぞれ含む。前記一対の板ユニットの前記前端は、互いに左右方向に離れている。前記一対の板ユニットの前記後端は、互いに左右方向に離れている。前記一対の板ユニットは、前進飛行中に前記内側面側の圧力よりも前記外側面側の圧力が低くなる形状を有する。
【選択図】図5

Description

本開示は、回転翼を備える飛行体に関する。
ヘリコプタ等の回転翼飛行体が前進飛行するときには空気抵抗が発生する。空気抵抗は、最大速度を制限するとともに燃費を低下させる。特許文献1には、ヘリコプタの胴体から上方に突出したロータ軸に生じる抵抗を低減するためのフェアリングが開示されている。当該フェアリングは、胴体とロータヘッドとの間の空間においてロータ軸を覆い、後方に向けて先細り状の流線形を有する。
米国特許第10,232,929号
ところで、回転翼飛行体が前進飛行するときの抵抗は、種々の要因によって生じ得る。本発明者は、気流がロータヘッドに付着してロータヘッドの後側に回り込むことにより後流域が生成され、その後流域により生じるロータヘッドの圧力抵抗が飛行体の抵抗になることに着目した。
そこで本開示は、飛行体におけるロータヘッドの圧力抵抗を低減することを目的とする。
本開示の一態様に係る飛行体は、胴体と、前記胴体から上方に突出するロータ軸と、前記胴体の上方において前記ロータ軸に接続されたロータヘッドと、前記胴体の上方に配置され、前記ロータ軸の右方及び左方において前後方向に延びた一対の板ユニットと、を備える。前記一対の板ユニットは、前端と、後端と、左右方向の内方に向いた内側面と、左右方向の外方に向いた外側面と、をそれぞれ含む。前記一対の板ユニットの前記前端は、互いに左右方向に離れている。前記一対の板ユニットの前記後端は、互いに左右方向に離れている。前記一対の板ユニットは、前進飛行中に前記内側面側の圧力よりも前記外側面側の圧力が低くなる形状を有する。
本開示の一態様によれば、飛行体の前進飛行中に前方から一対の板ユニットの間に進入した空気は、後方に流れつつも、圧力差に従って板ユニットの内側面側から板ユニットの上端を乗り越えて板ユニットの外側面側に流れる。これにより、板ユニットを通過した空気流れは、前後方向から見て、板ユニットの外側から板ユニットの下方を回って板ユニットの内側に戻ろうとする縦渦を生成する。よって、この渦の空気が、板ユニットの左右方向内方の領域から上方に向かうことで、ロータヘッドの後流域の圧力低下が抑えられ、ロータヘッドの圧力抵抗を低減できる。
図1は、実施形態に係る飛行体の斜視図である。 図2は、図1の飛行体の要部の側面図である。 図3は、図1の飛行体の要部の平面図である。 図4は、図3の板ユニット周囲の空気流れを説明する平面図である。 図5は、図4の板ユニット周囲の空気流れを説明する背面図である。 図6Aは、比較例の流線分布の解析結果を示す側面図である。 図6Bは、比較例の圧力分布の解析結果を示す側面図である。 図6Cは、比較例の圧力分布の解析結果を示す平面図である。 図7Aは、実施例の流線分布の解析結果を示す側面図である。 図7Bは、実施例の圧力分布の解析結果を示す側面図である。 図7Cは、実施例の圧力分布の解析結果を示す平面図である。 図8Aは、図1のロータヘッド及びその近傍の第1変形例の平面図である。 図8Bは、図8Aのロータヘッド及びその近傍の側面図である。 図9Aは、図1のロータヘッド及びその近傍の第2変形例の平面図である。 図9Bは、図9Aのロータヘッド及びその近傍の側面図である。 図10Aは、図1のロータヘッド及びその近傍の第3変形例の平面図である。 図10Bは、図10Aのロータヘッド及びその近傍の側面図である。 図11Aは、図3の板ユニットの第1変形例の平面図である。 図11Bは、図3の板ユニットの第2変形例の平面図である。
以下、図面を参照して実施形態を説明する。
図1は、実施形態に係る飛行体1の斜視図である。図1に示すように、飛行体1は、主回転翼3を備えた回転翼飛行体であり、飛行体1は、一例として、胴体2、主回転翼3、一対の主翼4、一対のプロペラ5、一対の水平尾翼6、及び、垂直尾翼7を備えたコンパウンドヘリコプタである。なお、飛行体1は、コンパウンドヘリコプタではない通常のヘリコプタでもよく、主回転翼の数は2以上でもよい。
本実施形態の説明では、飛行体1が着陸した状態において、胴体2と主回転翼3のロータヘッド16とを接続する後述のロータ軸8の延在方向を飛行体1の上下方向とし、胴体2に対してロータヘッド16がある方向を上方とする。また、上下方向と直交する面を水平面とし、水平面内の各方向を水平方向とする。加えて、水平面内において、一対の主翼4が延在する方向を飛行体1の左右方向とし、左右方向に直交する方向を前後方向とする。このとき、胴体2の中心に対して一対の水平尾翼6及び垂直尾翼7がある方向が後方であり、その反対が前方である。
胴体2は、前部11、中間部12、頂部13、及び、後部14を有する。胴体2の前部11は、前方に向けて先細りの形状を有する。胴体2の中間部12には、中間部12から左右両側に突出した一対の主翼4が接続されている。主翼4には、プロペラ5が設けられている。胴体2の頂部13は、中間部12から上方に柱状に突出している。胴体2の後部14は、後方に向けて先細りの形状を有する。胴体2の後部14には、後部14から上方に突出した垂直尾翼7と、後部14から左右両側に突出した一対の水平尾翼6とが接続されている。
胴体2の頂部13の上方には、主回転翼3が配置されている。図2に示すように、主回転翼3は、胴体2の内部に配置された原動機によって駆動されるロータ軸8に回転駆動されて揚力を発生する。主回転翼3は、ロータヘッド16と、複数のロータブレード17とを有する。ロータヘッド16は、頂部13から上方に突出したロータ軸8に接続されている。複数のロータブレード17は、ロータヘッド16から略水平方向に放射状に突出している。
ロータヘッド16は、主回転翼3におけるロータブレード17を除いた部分のうち、ロータ軸8の固定座標系において平行変位又は回転変位をしない部分である。言い換えると、ロータヘッド16は、主回転翼3におけるロータブレード17を除いた部分のうち、飛行中にロータ軸8の軸線周りの回転のみを行う部分である。
本実施形態におけるロータヘッド16は、平面視円形状の円盤形状を有する。ロータヘッド16は、例えば、ロータ軸8に接続されたハブと、当該ハブを全体的に覆って円盤形状の外形を有するハブキャップを有する。ロータヘッド16の外形は、当該ハブキャップの外形である。実際のロータヘッドが平面視で非円形である場合には、そのロータヘッドの径方向外端の回転軌跡を流体力学上のロータヘッド16の外形と仮定すればよい。なお、実際のロータヘッドが平面視で円形である場合には、そのロータヘッドの径方向外端の回転軌跡が実際のロータヘッド16の外形と一致する。
図2は、図1の飛行体1の要部の側面図である。図3は、図1の飛行体1の要部の平面図である。図2及び図3に示すように、胴体2の頂部13は、水平に延びて平坦な頂面13aを有する。頂面13aには、ロータ軸8が通過する上開口13bが画定されている。頂面13aの上方には、円盤状のロータヘッド16が配置されている。本実施形態における頂部13は、左右方向よりも前後方向に長い。頂部13は、平面視において左右対称な形状を有する。頂部13は、平面視において前後方向に延びた流線形状を有する。
頂部13の形状はこれに限られないが、後述の通り、特に頂部13の後方に向けて先細った形状は他の形状と比較して本開示の一対の板ユニット30が作り出す流れを阻害しにくい形状であり、一対の板ユニット30に対して好適に適用できる形状である。ロータ軸8は、胴体2の内部から上開口13bを通じて上方に突出している。ロータヘッド16は、胴体2の上方においてロータ軸8に接続されている。頂面13aは、ロータヘッド16の下面16bに対して上下方向に対向している。
頂部13には、頂面13aから上方に突出した一対の板ユニット30が設けられている。一対の板ユニット30は、ロータ軸8の右方及び左方に分かれて配置されている。一対の板ユニット30の一方は、ロータ軸8の右方において前後方向に延び、一対の板ユニット30の他方は、ロータ軸8の左方において前後方向に延びている。板ユニット30の上下方向の高さは、頂面13aとロータヘッド16との間の上下方向距離よりも小さい。即ち、板ユニット30の上端は、ロータヘッド16の下面16bよりも下方に位置している。なお、ロータヘッド16の下面16bは、ロータヘッド16の下側輪郭をなして下方に向いた面を意味する。右の板ユニット30と左の板ユニット30とは、ロータ軸8の軸線を通って前後方向に延びる仮想鉛直面を基準として左右対称に配置されている。
一対の板ユニット30の各々は、前後方向に延びて左右方向に主面が向いた板である。板ユニット30は、前端30aと、後端30bと、左右方向の内方に向いた内側面30cと、左右方向の外方に向いた外側面30dと、を含む。本実施形態における一対の板ユニット30は、頂部13の頂面13aの左右方向外縁に沿って延びている。
本実施形態の板ユニット30では、側面視において略長方形を呈している。詳細には、側面視において板ユニット30の前端は上方から下方にむけて斜めの稜線を持つ先細り形状を有し、板ユニット30の後端30bは頂面13aに垂直な方向に延びている。また本実施形態における板ユニット30の肉厚は、例えば一定である。ただし、板ユニット30はこれに限られず種々の形状を採用し得る。例えば、板ユニット30の板厚は前後方向に沿って変化してよい。すなわち、平面視における板ユニット30の内側面30cの配置と外側面30dの配置とは、各々を独立して定めることができる。
一対の板ユニット30の前端30aは、互いに左右方向に離れている。一対の板ユニット30の後端30bは、互いに左右方向に離れている。一対の板ユニット30の前端30a同士の左右方向距離L1は、一対の板ユニット30の後端30b同士の左右方向距離L2よりも長い。
板ユニット30の前端30aは、頂面13aの前端よりも後方に位置している。板ユニット30の前端30aは、ロータ軸8よりも前方に位置している。板ユニット30の後端30bは、頂面13aの後端よりも前方に位置している。板ユニット30の後端30bは、ロータ軸8よりも後方に位置している。頂部13は、板ユニット30の後端30bよりも後方にある後部13cを有する。頂部13の後部13cは、後方に向けて先細った形状を有する。
板ユニット30の後端30bは、ロータヘッド16の径方向外端の回転軌跡の後端16aよりも前方に配置されている。板ユニット30の前端30aは、本実施形態ではロータヘッド16の前端よりも後方に配置されているが、ロータヘッド16の前端よりも前方に配置されてもよい。板ユニット30の少なくとも一部は、平面視においてロータヘッド16と重なっていてもよい。
図4は、飛行体1の前進飛行中における図3の板ユニット30の周囲の空気流れを説明する平面図である。図5は、飛行体1の前進飛行中における図4の板ユニット30の周囲の空気流れを説明する背面図である。図4及び図5に示すように、板ユニット30の内側面30cは、左右方向の内方かつ後方に向けて斜めに延びている。板ユニット30の外側面30dは、左右方向の内方かつ後方に向けて斜めに延びている。
本実施形態では、板ユニット30の肉厚が一定であるため、板ユニット30の全体が左右方向の内方かつ後方に向けて斜めに延びている。飛行体1の前進飛行に際し、板ユニット30は周囲の流れ場に対してゼロでない迎角を有する。なお本実施形態における板ユニット30は左右方向外方に向けて突出したアーチ形状を有するが、図4に示す説明のための図のように直線形状としている。すなわち、以降で説明する効果は、板ユニット30が図4のような直線形状であっても得ることができる。
飛行体1の前進飛行中における板ユニット30の周囲の流れ場では、板ユニット30の内側面30cによどみ点Pが発生し、板ユニット30の内側面30c側の圧力が板ユニット30の外側面30d側の圧力よりも高くなる。また、飛行体1の前進飛行中における板ユニット30の周囲の流れ場では、板ユニット30の外側面30dに沿う空気の流れが前後方向に対して斜めに曲げられて流速が上がり、板ユニット30の外側面30d側の圧力が低くなる。このように、板ユニット30は、前進飛行中に内側面30c側の圧力よりも外側面30d側の圧力が低くなる形状を有する。
飛行体1の前進飛行中に前方から一対の板ユニット30の間に進入した空気は、板ユニット30の内側面30c側と外側面30d側との圧力差に従って板ユニット30の内側面30c側から板ユニット30の上端を乗り越えて板ユニット30の外側面30d側に流れる。これにより、板ユニット30を通過した空気流れは、前後方向から見て、板ユニット30の外側から板ユニット30の下方を回って板ユニット30の内側に戻ろうとする縦渦Vを生成する。この縦渦Vの空気は、板ユニット30の左右方向内方の領域から上方に向う流れを誘発し、この流れが、ロータヘッド16の後流域Wを通過する。これにより気流がロータヘッド16に付着してロータヘッド16の後側に回り込むことが抑制され、ロータヘッド16の後流域Wの圧力低下が抑えられる。
一対の板ユニット30の後端30b同士の左右方向の距離L2は、板ユニット30の上下方向の最大高さHの2倍以上6倍以下の値である。板ユニット30により生成されて後流域Wを通過し得る縦渦Vの半径をRとし、板ユニット30の前後方向長さをLとすると、板ユニット30の縦横比(=H/L)が1より小さい場合には、概ねR=Hとみなせる。板ユニット30の縦横比(=H/L)が1以上の場合、経験的にR=Lとみなし、L2の範囲はR=Lを用いてLの2倍以上6倍以下と定義できる。
なお、縦渦Vの半径Rは、渦度が存在する領域の外縁の曲率半径と定義し得る。例えば、ランキン渦モデルにおいては回転方向速度が最大となるラインの曲率半径と定義し得る。距離L2が半径Rの2倍以上であれば、左右の板ユニット30の後方で発生するそれぞれの縦渦V同士の干渉、すなわち渦旋回方向の衝突による損失を抑えることができる。また、距離L2は半径Rの6倍以下であれば、左右の縦渦Vが上方に向かう流れを好適に誘起でき、縦渦Vの流れがロータヘッド16の後流域Wに好適に到達できる。
また、図3に示すように、頂部13の後部13cは、後方に向けて先細った形状を有するため、板ユニット30の後方の縦渦Vが頂部13に当たりにくくなり、縦渦Vの上方に向かう流れを促進できる。なお、板ユニット30の後端30bの前後方向位置は、頂部13の後端の前後方向位置と同じ又はそれよりも前方にあってもよい。
以下、板ユニット30を搭載した飛行体の周囲の流れ場を解析したシミュレーションの結果を実施例として、板ユニット30を搭載しない従来の飛行体の周囲の流れ場を解析したシミュレーションの結果を比較例として、それぞれ説明する。
なお、本解析では、主回転翼としてロータブレード17を省略して円盤状のロータヘッド16のみを有するモデルが用いられている。実際の主回転翼では、局所的及び瞬間的に流れ場は、ロータブレードによって乱されるものの、ロータヘッド16の周囲を含めた大域的な流れ場は、ロータブレードによって影響を受けない。ロータヘッド16の近傍の流れ場は、ロータブレードが通過した直後にロータブレードが無い場合と同様の流れ場に収束する。このため、ロータブレードがある場合においても、ロータヘッド16の周囲の流れ場は、時間平均的に見ればロータブレードが無い場合と同様となる。
図6Aは、比較例の流線分布の解析結果を示す側面図である。図6Bは、比較例の圧力分布の解析結果を示す側面図である。図6Cは、比較例の圧力分布の解析結果を示す平面図である。図6Aに示すように、従来の飛行体に関する比較例では、ロータヘッド16の後方に典型的な後流の発生が見られる。図6B及び図6Cに示すように、比較例では、ロータヘッド16の後流域において、大きな圧力低下が発生している。そのため、ロータヘッド16の前進に対する圧力抵抗が大きくなっている。
図7Aは、実施例の流線分布の解析結果を示す側面図である。図7Bは、実施例の圧力分布の解析結果を示す側面図である。図7Cは、実施例の圧力分布の解析結果を示す平面図である。図7Aに示すように、板ユニット30を搭載した飛行体に関する実施例では、板ユニット30を後方に通過した空気流れが斜め上方に向かい、ロータヘッド16の後流域を通過している。図7B及び図7Cに示すように、実施例では、ロータヘッド16の後流域において、大きな圧力低下は発生していない。そのため、ロータヘッド16の前進に対する圧力抵抗が小さくなっている。
以上に説明した構成によれば、板ユニット30は、飛行体1の前進飛行中に内側面30c側の圧力よりも外側面30d側の圧力が低くなる形状を有する。そのため、飛行体1の前進飛行中に前方から一対の板ユニット30の間に進入した空気は、後方に流れつつも、圧力差に従って板ユニット30の内側面30c側から板ユニット30の上端を乗り越えて板ユニット30の外側面30d側に流れる。
これにより、板ユニット30を通過した空気流れは、前後方向から見て、板ユニット30の外側から板ユニット30の下方を回って板ユニット30の内側に戻ろうとする縦渦Vを生成する。よって、この縦渦Vの空気が、板ユニット30の左右方向内方の領域から上方に向かうことで、ロータヘッド16の後流域Wの圧力低下が抑えられ、ロータヘッド16の圧力抵抗を低減できる。
板ユニット30の内側面30cは、左右方向の内方かつ後方に向けて斜めに延びている。そのため、飛行体1の前進飛行中における板ユニット30の周囲の流れ場では、板ユニット30の内側面30cによどみ点Pが発生し、板ユニット30の内側面30c側の圧力が板ユニット30の外側面30d側の圧力よりも高くなる。よって、前述した縦渦Vの生成が促進され、ロータヘッド16の圧力抵抗を低減できる。
板ユニット30の外側面30dは、左右方向の内方かつ後方に向けて斜めに延びている。そのため、飛行体1の前進飛行中における板ユニット30の周囲の流れ場では、板ユニット30の外側面30dに沿う空気の流れが斜めに曲げられて流速が上がり、板ユニット30の外側面30d側の圧力が低くなる。よって、前述した縦渦Vの生成が促進され、ロータヘッド16の圧力抵抗を低減できる。
一対の板ユニット30の後端30bは、ロータヘッド16(の径方向外端の回転軌跡T)の後端16aよりも前方に配置される。そのため、前述した縦渦Vは、後方に向けた流れに乗ってロータヘッド16の後流域Wに適切に向かいやすい。
一対の板ユニット30の後端同士の左右距離L2が板ユニット30の最大高さHの2倍以上であることで、右の板ユニット30に起因した縦渦Vと左の板ユニット30に起因した縦渦Vとの干渉が低減され、縦渦Vの上方に向かう流れを促進できる。板ユニット30の後端30b同士の左右方向距離L2が板ユニット30の最大高さの4倍以下であることで、ロータヘッド16の後流域に向かう縦渦Vの流れを強化できる。
頂部13の後部13cは、後方に向けて先細った形状を有する。そのため、板ユニット30の後方の縦渦Vが胴体2の頂部13に当たりにくくなり、縦渦Vの上方に向かう流れを促進できる。
図8Aは、図1のロータヘッド16及びその近傍の第1変形例の平面図である。図8Bは、図8Aのロータヘッド16A及びその近傍の側面図である。図8A及び図8Bに示すように、第1変形例のロータヘッド16Aは、主回転翼3が可変ピッチ式でハブキャップを備えないものである。第1変形例の主回転翼3Aは、ハブ21、連結体22、フラッピングヒンジ23及びロータブレード17を備える。ハブ21は、ロータ軸8と共に回転するようにロータ軸8の上部に外嵌されている。
連結体22は、ロータブレード17をハブ21に接続している。連結体22の一端部は、ハブ21に対してピッチング動作可能に連結されている。ロータブレード17は、連結体22の他端部に対してフラッピングヒンジ23を介して連結されている。ハブ21の下方には、スワッシュプレート24が配置されている。連結体22は、ピッチリンク25を介してスワッシュプレート24に連結されている。
第1変形例のロータヘッド16Aは、飛行中にロータ軸8の軸線周りの回転のみを行うハブ21である。連結体22、フラッピングヒンジ23、スワッシュプレート24及びピッチリンク25は、飛行中にロータ軸8の軸線周りの回転以外の動作も行うためロータヘッド16Aには含まれない。なお、図8A及び図8Bに示された二点鎖線は、ロータヘッド16Aの回転軌跡Tである。また、第1変形例のロータヘッド16Aにおける下面16Abは、ハブ21の回転軌跡Tにおける下方に向いた主面となる。
図9Aは、図1のロータヘッド16及びその近傍の第2変形例の平面図である。図9Bは、図9Aのロータヘッド16B及びその近傍の側面図である。図9A及び図9Bに示すように、第2変形例のロータヘッド16Bは、主回転翼3が可変ピッチ式でハブキャップを備えるものである。第2変形例の主回転翼3Bは、ハブ21、連結体22、フラッピングヒンジ23、ロータブレード17及びハブキャップ26を備える。ハブ21、連結体22、フラッピングヒンジ23及びロータブレード17は、第1変形例のものと同じである。
ハブキャップ26は、ハブ21を覆うようにハブ21に固定されている。第2変形例のロータヘッド16Bは、飛行中にロータ軸8の軸線周りの回転のみを行うハブ21及びハブキャップ26の集合体である。なお、図9A及び図9Bに示された二点鎖線は、ロータヘッド16Bの回転軌跡Tである。また、第2変形例のロータヘッド16Bにおける下面16Bbは、ハブ21の回転軌跡Tにおける下方に向いた主面となる。
図10Aは、図1のロータヘッド16及びその近傍の第3変形例の平面図である。図10Bは、図10Aのロータヘッド16C及びその近傍の側面図である。図10A及び図10Bに示すように、第3変形例のロータヘッド16Cは、主回転翼3が固定ピッチ式であるものである。第3変形例の主回転翼3Cは、ハブ21及びロータブレード17を備える。ハブ21は、ロータ軸8と共に回転するようにロータ軸8の上部に外嵌されている。
ロータブレード17は、ハブ21に固定されている。第3変形例のロータヘッド16Cは、飛行中にロータ軸8の軸線周りの回転のみを行うハブ21である。なお、図10A及び図10Bに示された二点鎖線は、ロータヘッド16Cの回転軌跡Tである。また、第3変形例のロータヘッド16Cにおける下面16Cbは、ハブ21の回転軌跡Tにおける下方に向いた主面となる。
図11Aは、図3の板ユニット30の第1変形例の平面図である。図11Aに示すように、第1変形例の板ユニット130は、左右方向外方に向けて突出したアーチ形状を有する。一対の板ユニット130の後半部分は、左右方向の内方かつ後方に向けて斜めに延びている。一対の板ユニット130の前端130a同士の左右方向距離L3は、一対の板ユニット130の後端130b同士の左右方向距離L4と同じである。即ち、板ユニット130の迎角は、ゼロである。
板ユニット130は、平面視においてキャンバーを持つため、前進飛行中における板ユニット130の周囲の流れ場では、流体力学上の循環が生じ、板ユニット130の内側面130cによどみ点Pが発生する。それにより、板ユニット130の内側面130c側の圧力が板ユニット130の外側面130d側の圧力よりも高くなる。
前進飛行中に前方から一対の板ユニット130の間に進入した空気は、板ユニット130の周囲の圧力差に従って板ユニット130の内側面130c側から板ユニット130の上端を乗り越えて板ユニット130の外側面130d側に流れる。これにより、前述した縦渦Vが生成され、ロータヘッド16の圧力抵抗が低減される。
なお、以上で説明した第1変形例の板ユニット130の迎角は、ゼロでなくともよい。例えば、一対の板ユニット130の前端130a同士の左右方向距離L3は、一対の板ユニット130の後端130b同士の左右方向距離L4より大きくてもよい。
図11Bは、図3の板ユニット30の第2変形例の平面図である。図11Bに示すように、第2変形例の板ユニット230は、互いに隣接して並べられた複数の板要素231~233の集合体であり、全体として略板形状を有する。本変形例では、個々の板要素231~233は、左右方向の内方かつ後方に向けて斜めに延び、互いに前後方向にずれて配置されている。板ユニット230は、全体として左右方向の内方かつ後方に向けて斜めに延びている。本変形例では、板ユニット230が3つの板要素231~233に分割されているが、2つ又は4以上の板要素に分割されてもよい。
なお、前述した実施形態では、板ユニットの側面視の形状として、前後方向に延びた長方形状を例示したが、これに限られず、台形状、三角形状、半円形状等でもよい。図5に示す背面視において、板ユニットは頂面13aに対して垂直に取り付けられて胴体2から鉛直方向に突出する構成を例示したが、胴体2からの板ユニットの突出方向は、頂面13aの角度等に応じ、背面視にて鉛直方向に対して傾斜してもよい。また、板ユニットは、軽量化のために穴又は窪みを有してもよい。板ユニットは、前進飛行中に内側面側の圧力よりも外側面側の圧力が低くなるように平面視で翼型形状であってもよい。板ユニット30は、頂部13の上方に配置された状態で頂部13の外側面に固定されてもよい。板ユニットは、頂面13aから上方に隙間をあけて配置された状態で頂部13にブラケットを介して支持されてもよい。
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、前記実施形態を説明した。しかし、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略などを行った実施形態にも適用可能である。また、前記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施形態とすることも可能である。例えば、1つの実施形態中の一部の構成又は方法を他の実施形態に適用してもよく、実施形態中の一部の構成は、その実施形態中の他の構成から分離して任意に抽出可能である。また、添付図面および詳細な説明に記載された構成要素の中には、課題解決のために必須な構成要素だけでなく、前記技術を例示するために、課題解決のためには必須でない構成要素も含まれる。
1 飛行体
2 胴体
3 主回転翼
8 ロータ軸
13 頂部
13b 上開口
13c 後部
16 ロータヘッド
16a 後端
17 ロータブレード
30,130,230 板ユニット
30a 前端
30b 後端
30c,130c 内側面
30d,130d 外側面
T 回転軌跡

Claims (8)

  1. 胴体と、
    前記胴体から上方に突出するロータ軸と、
    前記胴体の上方において前記ロータ軸に接続されたロータヘッドと、
    前記胴体の上方に配置され、前記ロータ軸の右方及び左方において前後方向に延びた一対の板ユニットと、を備え、
    前記一対の板ユニットは、前端と、後端と、左右方向の内方に向いた内側面と、左右方向の外方に向いた外側面と、をそれぞれ含み、
    前記一対の板ユニットの前記前端は、互いに左右方向に離れており、
    前記一対の板ユニットの前記後端は、互いに左右方向に離れており、
    前記一対の板ユニットは、前進飛行中に前記内側面側の圧力よりも前記外側面側の圧力が低くなる形状を有する、飛行体。
  2. 前記一対の板ユニットの前記内側面は、左右方向の内方かつ後方に向けて斜めに延びている、請求項1に記載の飛行体。
  3. 前記一対の板ユニットの前記外側面は、左右方向の内方かつ後方に向けて斜めに延びている、請求項1又は2に記載の飛行体。
  4. 前記一対の板ユニットは、左右方向外方に向けて突出したアーチ形状を有する、請求項1に記載の飛行体。
  5. 前記一対の板ユニットの前記後端は、前記ロータヘッドの径方向外端の回転軌跡の後端よりも前方に配置されている、請求項1乃至4のいずれか1項に記載の飛行体。
  6. 前記一対の板ユニットの前記後端同士の左右方向の距離は、前記板ユニットの最大高さの2倍以上の値である、請求項1乃至5のいずれか1項に記載の飛行体。
  7. 前記一対の板ユニットの前記後端同士の左右方向の距離は、前記板ユニットの最大高さの6倍以下の値である、請求項1乃至6のいずれか1項に記載の飛行体。
  8. 前記胴体は、前記ロータ軸が挿通する上開口を画定する頂部を含み、
    前記頂部は、前記板ユニットの前記後端よりも後方にある後部を有する、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の飛行体。
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