以下、図面を参照しながら、情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び記録媒体の実施形態について説明する。
<第1実施形態>
第1実施形態に係る情報処理システムについて、図1から図6を参照して説明する。
(ハードウェア構成)
まず、図1を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る情報処理システムのハードウェア構成を示すブロック図である。
図1に示すように、第1実施形態に係る情報処理システム10は、プロセッサ11と、RAM(Random Access Memory)12と、ROM(Read Only Memory)13と、記憶装置14とを備えている。情報処理システム10は更に、入力装置15と、出力装置16と、を備えていてもよい。また、情報処理システム10は、第1カメラ18と、第2カメラ19と、を備えていてもよい。上述したプロセッサ11と、RAM12と、ROM13と、記憶装置14と、入力装置15と、出力装置16と、第1カメラ18と、第2カメラ19とは、データバス17を介して接続されている。
プロセッサ11は、コンピュータプログラムを読み込む。例えば、プロセッサ11は、RAM12、ROM13及び記憶装置14のうちの少なくとも一つが記憶しているコンピュータプログラムを読み込むように構成されている。或いは、プロセッサ11は、コンピュータで読み取り可能な記録媒体が記憶しているコンピュータプログラムを、図示しない記録媒体読み取り装置を用いて読み込んでもよい。プロセッサ11は、ネットワークインタフェースを介して、情報処理システム10の外部に配置される不図示の装置からコンピュータプログラムを取得してもよい(つまり、読み込んでもよい)。プロセッサ11は、読み込んだコンピュータプログラムを実行することで、RAM12、記憶装置14、入力装置15及び出力装置16を制御する。本実施形態では特に、プロセッサ11が読み込んだコンピュータプログラムを実行すると、プロセッサ11内には、対象の画像を取得して生体認証を実行する機能ブロックが実現される。即ち、プロセッサ11は、情報処理システム10の各制御を実行するコントローラとして機能してよい。
なお、プロセッサ11は、例えばCPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、FPGA(field-programmable gate array)、DSP(Demand-Side Platform)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)として構成されてよい。プロセッサ11は、これらのうち一つで構成されてもよいし、複数を並列で用いるように構成されてもよい。
RAM12は、プロセッサ11が実行するコンピュータプログラムを一時的に記憶する。RAM12は、プロセッサ11がコンピュータプログラムを実行している際にプロセッサ11が一時的に使用するデータを一時的に記憶する。RAM12は、例えば、D-RAM(Dynamic RAM)であってもよい。
ROM13は、プロセッサ11が実行するコンピュータプログラムを記憶する。ROM13は、その他に固定的なデータを記憶していてもよい。ROM13は、例えば、P-ROM(Programmable ROM)であってもよい。
記憶装置14は、情報処理システム10が長期的に保存するデータを記憶する。記憶装置14は、プロセッサ11の一時記憶装置として動作してもよい。記憶装置14は、例えば、ハードディスク装置、光磁気ディスク装置、SSD(Solid State Drive)及びディスクアレイ装置のうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。
入力装置15は、情報処理システム10のユーザからの入力指示を受け取る装置である。入力装置15は、例えば、キーボード、マウス及びタッチパネルのうちの少なくとも一つを含んでいてもよい。入力装置15は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末として構成されていてもよい。
出力装置16は、情報処理システム10に関する情報を外部に対して出力する装置である。例えば、出力装置16は、情報処理システム10に関する情報を表示可能な表示装置(例えば、ディスプレイ)であってもよい。また、出力装置16は、情報処理システム10に関する情報を音声出力可能なスピーカ等であってもよい。出力装置16は、スマートフォンやタブレット等の携帯端末として構成されていてもよい。
第1カメラ18及び第2カメラ19は、対象の画像を撮像可能な箇所に設置されたカメラである。なお、ここでの対象は、人間だけに限られず、犬や蛇等の動物、ロボット等を含むものであってよい。第1カメラ18及び第2カメラ19は、それぞれ対象の異なる部分を撮像するカメラとして構成されてよい。例えば、第1カメラ18が対象の顔を含む画像を撮像する一方で、第2カメラ19は対象の虹彩を含む画像を撮像するように構成されてよい。第1カメラ18及び第2カメラ19は、可視光カメラとして構成されてもよいし、近赤外線カメラとして構成されてよい。また、第1カメラ18及び第2カメラ19は、深度カメラとして構成されてもよいし、サーモカメラとして構成されてもよい。深度カメラは、例えば対象とカメラとの距離に関する深度画像を取得可能である。サーモカメラは、例えば対象の体温に関する体温画像を取得可能である。上述した異なる種類のカメラ(例えば、可視光カメラ、近赤外線カメラ、深度カメラ、サーモカメラ)は、適宜組み合わせて、第1カメラ18及び第2カメラ19とされてよく、その組み合わせについては特に限定されない。例えば、第1カメラ18が顔カメラとして構成され、第2カメラ19がサーモカメラとされてもよいし、第1カメラ18が深度カメラ、第2カメラ19が近赤外線カメラとされてもよい。第1カメラ18及び第2カメラ19は、静止画を撮像するカメラであってもよいし、動画を撮像するカメラであってもよい。第1カメラ18及び第2カメラ19は、対象が有する端末(例えば、スマートフォン)に搭載されたカメラであってもよい。第1カメラ18及び第2カメラ19は、それぞれ複数台設けられていてもよい。また、第1カメラ18及び第2カメラ19とは異なるカメラ(例えば、第3カメラや第4カメラ)が設けられてもよい。第1カメラ18及び第2カメラ19の具体的な構成例については、後に詳しく説明する。
なお、図1では、複数の装置を含んで構成される情報処理システム10の例を挙げたが、これらの全部又は一部の機能を、1つの装置(情報処理装置)で実現してもよい。この情報処理装置は、例えば、上述したプロセッサ11、RAM12、ROM13のみを備えて構成され、その他の構成要素(即ち、記憶装置14、入力装置15、出力装置16、第1カメラ18、及び第2カメラ19)については、例えば情報処理装置に接続される外部の装置が備えるようにしてもよい。また、情報処理装置は、一部の演算機能を外部の装置(例えば、外部サーバやクラウド等)によって実現するものであってもよい。
(認証端末の構成)
次に、第1実施形態に係る情報処理システム10が備える認証端末の構成について、図2を参照して説明する。図2は、第1実施形態に係る情報処理システムが備える認証端末の構成を示す斜視図である。
図2に示すように、第1実施形態に係る情報処理システム10は、上述した第1カメラ18及び第2カメラ19を含む認証端末30を備えて構成されている。認証端末30の筐体は、例えば樹脂や金属等により構成されている。認証端末の前面部分には、ディスプレイ40が設けられている。このディスプレイは、認証端末に関する各種情報や、ユーザに対するメッセージ、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像や映像が表示されてよい。ディスプレイ40の下部にあるカメラ設置部分35(図中の破線で囲われている部分)には、その内部に第1カメラ18及び第2カメラ19が設置されている。なお、第1カメラ18及び第2カメラ19は、筐体の外部から見えるように設けられてもよいし、外部から見えないように設けられてもよい。例えば、第1カメラ18及び第2カメラ19が可視光カメラとして構成される場合、可視光カメラは外部の可視光を取り込むために、外部に露出して設けられてもよい(例えば、可視光カメラ付近に開口部が設けられてもよい。)また、第1カメラ18及び第2カメラ19が近赤外線カメラとして構成される場合、近赤外線カメラは外部に露出しないように設けられてもよい(例えば、可視光カットフィルム等でカバーされてよい)。更に、第1カメラ18が可視光カメラ、第2カメラ19が近赤外線カメラとして構成される場合、第1カメラ18を外部に露出し(例えば第1カメラ18付近に開口部を設ける等)、第2カメラ19は外部に露出しないように設けられてもよい(例えば、可視光カットフィルム等でカバーされてよい)。
(カメラ周辺の構成)
次に、第1実施形態に係る情報処理システム10におけるカメラ周辺の構成(上述した認証端末のカメラ設置部分35の内部構成)について、図3を参照して具体的に説明する。図3は、第1実施形態に係る情報処理システムにおけるカメラ周辺の構成を示す斜視図である。なお、以下では、第1カメラ18が対象の顔を撮像する可視光カメラ、第2カメラ19が対象の虹彩を撮像する近赤外線カメラである場合を例にとり説明する。
図3に示すように、第1カメラ18及び第2カメラ19は、ケース50内に配置されている。ケース50内には、第1カメラ18及び第2カメラ19に加えて、モータ20と、2つの近赤外照明21が配置されている。なお、近赤外照明21は、近赤外線カメラである第2カメラ19が撮像する際に対象に近赤外光を照射するように構成されている。
本実施形態では特に、第1カメラ18及び第2カメラ19は、同一の回転軸(図中の破線参照)で回転可能に構成されている。具体的には、第1カメラ18及び第2カメラ19は、モータ20が駆動することにより、回転軸を中心にして上下方向に一体的に回転することが可能に構成されている(図中の矢印参照)。よって、第1カメラ18及び第2カメラ19が上方向に回転されると、第1カメラ18及び第2カメラ19の撮像範囲は共に上方向に変化することになる。また、第1カメラ18及び第2カメラ19が下方向に回転されると、第1カメラ18及び第2カメラ19の撮像範囲は共に下方向に変化することになる。
また、図3に示す例では、近赤外照明21も第1カメラ18及び第2カメラ19と同一の回転軸で回転可能に構成されている。よって、第1カメラ18及び第2カメラ19が上方向に回転されると、近赤外照明21も一体的に駆動され上方向を向く。また、第1カメラ18及び第2カメラ19が下方向に回転されると、近赤外照明21も一体的に駆動され下方向を向く。
(機能的構成)
次に、図4を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。図4は、第1実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。
図4に示すように、第1実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、すでに説明した第1カメラ18及び第2カメラ19と、回転制御部110と、生体情報取得部120と、認証部130と、実行部140と、を備えて構成されている。回転制御部110、生体情報取得部120、認証部130、及び実行部140の各々は、例えば上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
回転制御部110は、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転動作を制御可能に構成されている。例えば、回転制御部110は、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転方向及び回転量を決定して、決定したパラメータに応じた制御を実行可能に構成されている。回転制御部110は、対象の位置に応じて第1カメラ18及び第2カメラ19の回転動作を制御する。対象の位置は、例えば、対象の顔が存在する位置であってもよいし、対象の目が存在する位置であってもよい。また、対象の位置は、高さ方向の位置だけでなく、カメラのまでの距離に対応する奥行き方向の位置や、左右方向の位置であってもよい。具体的には、第1カメラ18及び第2カメラ19の各々で対象を撮像できるように(言い換えれば、第1カメラ18及び第2カメラ19の各々の撮像範囲に対象が収まるように)、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転動作を制御する。例えば、第1カメラ18が対象の顔を撮像する顔カメラであり、第2カメラ19が対象の虹彩を撮像する虹彩カメラである場合、回転制御部110は、第1カメラ18の撮像範囲に対象の顔が収まり、第2カメラ19の撮像範囲に対象の虹彩が収まるように、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転動作を制御する。なお、回転制御部110は、システム外部から対象の位置を取得するように構成されてよい。例えば、回転制御部110は、各種センサから対象の位置を取得してもよい。一方で、第1実施形態に係る情報処理システム10は、システム内で対象の位置を検出可能に構成されてもよい。この場合の構成については、以下の変形例で詳しく説明する。
(変形例)
ここで、図5を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理システム10の変形例について説明する。図5は、第1実施形態に係る情報処理システムの変形例の機能的構成を示すブロック図である。なお、図5では、図4で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
図5に示すように、第1実施形態に係る情報処理システム10の変形例は、その機能を実現するための構成要素として、第1カメラ18及び第2カメラ19と、回転制御部110と、対象位置検出部115と、生体情報取得部120と、認証部130と、実行部140と、を備えて構成されている。即ち、変形例に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(図4参照)に加えて、対象検出部115を更に備えて構成されている。対象位置検出部115は、例えば上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
対象位置検出部115は、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像した画像を取得し、それらの画像の少なくとも一方から対象の位置を検出可能に構成されている。対象位置検出部115は、例えば第1カメラ18である顔カメラが撮像した顔画像から、対象の顔の位置や目の位置を検出可能に構成されてよい。なお、第1カメラ18が顔カメラ、第2カメラ19が虹彩カメラとして構成される場合、それぞれのカメラで撮像範囲が異なる(顔カメラの撮像範囲が広い)。このような場合、最初に撮像範囲が広い第1カメラ18(即ち、顔カメラ)で対象位置を検出し、撮像範囲が狭い第2カメラ19(即ち、虹彩カメラ)で虹彩を撮像できるように回転を制御してもよい。
対象位置検出部115で検出された対象の位置は、回転制御部110に出力されるように構成されている。そして、回転制御部110は、対象位置検出部115で検出された対象の位置に基づいて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転制御を行う。なお、対象位置検出部115による位置検出と、回転制御部110による回転動作は、同時に並行して実行されてよい。この場合、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像しながら、対象の位置が検出され、同時に検出された位置に基づく回転動作が行われてよい。
図4に戻り、生体情報取得部120は、第1カメラ18で撮像した画像(以下、適宜「第1画像」と称する)から第1生体情報を取得可能に構成されている。また、生体情報取得部120は、第2カメラ19で撮像した画像(以下、適宜「第2画像」と称する)から第2生体情報を取得可能に構成されている。第1生体情報は、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像される画像に含まれる部位の特徴量(即ち、生体の部位の特徴量を示すパラメータ)であってもよい。例えば、第1カメラ18が対象の顔を撮像する顔カメラであり、第2カメラ19が対象の虹彩を撮像する虹彩カメラである場合、生体情報取得部120は、第1カメラ18が撮像した第1画像(即ち、顔画像)から対象の顔の特徴量を取得し、第2カメラ19が撮像した第2画像(即ち、虹彩画像)から対象の虹彩の特徴量を取得してもよい。生体情報で取得された第1生体情報及び第2生体情報の各々は、認証部130に出力される構成となっている。
認証部130は、生体情報取得部120で取得された第1生体情報及び第2生体情報を用いて対象の認証処理を実行可能に構成されている。例えば、認証部130は、第1生体情報及び第2生体情報と、予め登録された生体情報とを比較することで、対象が登録されたユーザであるか否かを判定可能に構成されている。また、認証部130は、第1生体情報及び第2生体情報を用いて、対象が生体であるか否か(例えば、写真、動画、マスク等を用いたなりすましを行っているか否か)を判定可能に構成されてよい。なりすましは、対象に所定の動作を行うように指示し(例えば、「首を横に振ってください」や、「視線を上に向けてください」等の指示をし)、対象が指示通りに動いているか否かによって判定してよい。或いは、なりすましは、サーモ画像を用いて対象が体温を有しているか否か、深度画像を用いて対象の各部位(例えば、目、鼻、口等)に高さ情報が存在するか否か(即ち、写真のような平面でないか)によって判定してもよい。認証部130は、第1生体情報を用いた認証処理と、第2生体情報を用いた認証処理とを別々に実行し、それらの認証結果を統合して最終的な認証結果としてもよい。例えば、認証部130は、第1生体情報を用いた認証処理及び第2生体情報を用いた認証処理の両方が成功である場合に、最終的な認証結果が成功であるとしてよい。また、認証部130は、第1生体情報を用いた認証処理及び第2生体情報を用いた認証処理の少なくとも一方が失敗である場合に、最終的な認証結果が失敗であるとしてよい。認証部130の認証結果は、実行部140に出力される構成となっている。
実行部140は、認証部130の認証結果に基づいて、施設における所定処理を実行可能に構成されている。なお、ここでの「施設」とは、対象が利用する施設であり、例えばマンション等の住宅施設、小売店等の店舗、企業のオフィス、バスターミナルや空港、各種イベントを開催する施設等であってよい。施設は、屋内だけに限られず、例えば公園や遊園地のような屋外施設であってもよい。また「所定処理」とは、施設において実行し得る様々な処理を含んでおり、例えば施設の設備を制御する処理であってよい。この場合、所定の処理は、複数施設において実行される処理であってよい。所定処理は、複数の処理を含んでいてよい。所定処理の具体例については、後述する実施形態で詳しく説明する。実行部140は、例えば認証部130における認証処理が成功した場合に所定処理を実行し、認証部130における認証処理が失敗した場合に所定処理を実行しないようにしてもよい。或いは、実行部140は、認証部130における認証処理が成功した場合に第1の所定処理を実行し、認証部130における認証処理が失敗した場合に第2の所定処理(即ち、第1の所定処理とは異なる処理)を実行するようにしてもよい。
(動作の流れ)
次に、図6を参照しながら、第1実施形態に係る情報処理システム10による動作の流れについて説明する。図6は、第1実施形態に係る情報処理システムによる動作の流れを示すフローチャートである。
図6に示すように、第1実施形態に係る情報処理システム10が動作する際には、まず回転制御部110が対象の位置を検出する(ステップS101)。そして回転制御部110は、検出した対象の位置に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御する(ステップS102)。なお、第1カメラ18及び第2カメラ19は、回転制御部110による制御が終了したタイミングで撮像を行ってよい。この場合、第1カメラ18及び第2カメラ19は、同時に撮像を行ってもよいし、別々のタイミングで撮像を行ってもよい。また、第1カメラ18及び第2カメラ19は、回転制御部110による制御の途中で撮像を行ってもよい。例えば、第1カメラ18及び第2カメラ19は、回転制御部110による回転制御が継続されている状況で、複数回の撮像を行ってもよい。
続いて、生体情報取得部120は、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像(即ち、第1画像及び第2画像)を取得する(ステップS103)。そして、生体情報取得部120は、第1カメラ18で撮像された第1画像から第1生体情報を取得し、第2カメラ19で撮像された第2画像から第2生体情報を取得する(ステップS104)。
続いて、認証部130は、生体情報取得部120で取得された第1生体情報及び第2生体情報を用いて認証処理を実行する(ステップS105)。そして、実行部140は、認証部130における認証結果に基づいて、施設における所定処理を実行する(ステップS106)。
(技術的効果)
次に、第1実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
図1から図6で説明したように、第1実施形態に係る情報処理システム10では、第1カメラ18及び第2カメラ19が同一の回転軸で回転されて対象の画像が取得される。このように、2つのカメラが同一の回転軸で回転されるようにすれば、それらの撮像範囲をまとめて調整することが可能である。よって、例えば2つのカメラを別々に駆動する場合と比べると、装置構成を簡単化でき、装置を小型化することが可能である。また、2つのカメラが同じ方向に駆動されるため、それぞれのカメラで同一の対象を撮像することが容易となる。言い換えれば、2つのカメラが別々の対象を撮像してしまうような状況を回避することができる。
本実施形態では更に、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像から第1生体情報及び第2情報が取得され、それらの生体情報を用いた認証結果に基づいて、施設における所定処理が実行される。このようにすれば、施設を利用しようとする対象について高精度の認証処理を実行して、適切に所定処理を実行することができる。例えば、対象が登録されたユーザである場合には、所定処理を実行してもよいユーザと判断して、所定処理を実行することができる。また、対象が登録されていないユーザである場合や、なりすましと判断された場合には、所定処理を実行すべきでないユーザと判断して、所定処理を実行しないようにすることができる。
<第2実施形態>
第2実施形態に係る情報処理システム10について、図7を参照して説明する。なお、第2実施形態は、上述した第1実施形態と一部の動作が異なるのみであり、その他の部分については第1実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した第1実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(所定処理の内容)
まず、第2実施形態に係る情報処理システム10において実行される所定処理の内容について説明する。
第2実施形態に係る情報処理システム10では、実行部140が、所定処理として施設への入場を許可する処理を実行する。具体的には、実行部140は、認証部130における認証処理が成功した場合に、対象に施設への入場(或いは、施設の所定エリアへの入場)を許可する。一方、実行部140は、認証部130における認証処理が失敗した場合に、対象に施設への入場(或いは、施設の所定エリアへの入場)を許可しない(言い換えれば、施設への入場を禁止する)。入場を許可する際の具体的な処理の例としては、マンションのエントランスにおけるオートロックを解錠する処理が挙げられる。この場合、実行部140は、認証部130における認証処理が成功した場合に(例えば、対象がマンションの住人や事前に登録されたゲスト等である場合に)、エントランスのオートロックを解錠して、対象のマンション内部への入場を許可する。また、実行部140は、認証部130における認証処理が失敗した場合に(例えば、対象がマンションの住人でない場合や、なりすまし等の不正が行われている場合に)、エントランスのオートロックを解錠せず、対象にマンション内部への入場を許可しない。なお、対象の入場に際して、複数回の認証処理を行うようにしてもよい。例えば、1回目の認証処理はマンション1階のエントランスで実行し、2回目の認証処理は対象が居住するフロアの部屋前で実行するようにしてもよい。このように複数回の認証処理を行う場合には、利用するモーダルの数や種類を変更してもよい。例えば、エントランスで行う1回目の認証処理では、顔認証が成功した場合に入場を許可するが、部屋前で行う2回目の認証処理では、顔認証及び虹彩認証の両方が成功した場合に入場を許可するようにしてもよい。
(動作の流れ)
次に、図7を参照しながら、第2実施形態に係る情報処理システム10による動作の流れについて説明する。図7は、第2実施形態に係る情報処理システムによる動作の流れを示すフローチャートである。なお、図7では、図6で説明した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
図7に示すように、第2実施形態に係る情報処理システム10が動作する際には、まず回転制御部110が対象の位置を検出する(ステップS101)。そして回転制御部110は、検出した対象の位置に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御する(ステップS102)。
続いて、生体情報取得部120は、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像(即ち、第1画像及び第2画像)を取得する(ステップS103)。そして、生体情報取得部120は、第1カメラ18で撮像された第1画像から第1生体情報を取得し、第2カメラ19で撮像された第2画像から第2生体情報を取得する(ステップS104)。
続いて、認証部130は、生体情報取得部120で取得された第1生体情報及び第2生体情報を用いて認証処理を実行する(ステップS105)。そして、実行部140は、認証部130における第1生体情報を用いた認証処理と、第2生体情報を用いた認証処理との両方が成功したか否かを判定する(ステップS201)。なお、認証処理が両方成功していない場合(ステップS201:NO)、以降の処理は省略され一連の動作が終了する。即ち、第1生体情報を用いた認証処理、又は第2生体情報を用いた認証処理のいずれかが失敗した場合、所定処理は実行されない(即ち、対象の施設への入場は許可されない)。
一方、認証処理が両方成功している場合(ステップS201:YES)、実行部140は、入場を許可した対象に同行者がいるか否かを判定する(ステップS202)。同行者がいるか否かは、例えば、対象の周辺(例えば、所定距離内)に他の対象がいるか否かによって判定されてよい。この場合、他の対象の存在は、第1カメラ18や第2カメラ19で撮像される画像から検出されてよい。例えば、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像に複数の人物が写り込んでいる場合(例えば、画像から複数の顔が検出された場合)には、実行部140は、対象に同行者がいると判定してよい。或いは、他の対象の存在は、認証処理が成功した対象による申告によって判断されてもよい。例えば、対象が端末を操作して同行者がいることを入力した場合(例えば、タッチパネルに表示されている「同行者あり」のボタンを押した場合)、実行部140は、対象部に同行者がいると判定してよい。また、同行者の有無は、非接触で申告可能とされてもよい。例えば、同行者の有無は、ユーザのジェスチャーによって申告されてよい。この場合、同行者が2人存在する場合には指を2本立て、同行者が4人いる場合には指を4本立てる等、同行者の有無に加えて、同行者の人数を申告可能とされてもよい。また、不審者が近くにおり、こっそりと(不審者に気づかれずに)SOSを出したい場合には、対象に特定のジェスチャーを行わせるようにしてもよい。例えば、手で右目を覆う等のジェスチャーを行うと、マンションのコンシェルジュや警備員等に、不審者の存在を知らせるアラートが届くようにしてもよい。なお、同行者がいない場合(ステップS202:NO)、以降の処理は省略され一連の動作が終了する。
一方、同行者がいる場合(ステップS202:YES)、第2実施形態に係る情報処理システム10は、同行者についても同様の処理を実行する。具体的には、回転制御部110が対象(同行者)の位置を検出する(ステップS101)。そして回転制御部110は、検出した対象(同行者)の位置に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御する(ステップS102)。
続いて、生体情報取得部120は、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された同行者の画像(即ち、第1画像及び第2画像)を取得する(ステップS103)。そして、生体情報取得部120は、第1カメラ18で撮像された第1画像から同行者の第1生体情報を取得し、第2カメラ19で撮像された第2画像から同行者の第2生体情報を取得する(ステップS104)。
続いて、認証部130は、生体情報取得部120で取得された同行者の第1生体情報及び第2生体情報を用いて認証処理を実行する(ステップS105)。ここで特に、実行部140は、認証部130における第1生体情報を用いた認証処理と、第2生体情報を用いた認証処理との少なくとも一方が成功したか否かを判定する(ステップS203)。即ち、初めの対象については、第1生体情報を用いた認証処理及び第2生体情報を用いた認証処理の両方が成功したか否かを判定したのに対し、同行者については、第1生体情報を用いた認証処理及び第2生体情報を用いた認証処理のいずれか一方でも成功しているか否かを判定する。
そして実行部140は、認証処理の少なくとも一方が成功している場合に(ステップS203:YES)、対象及び同行者の施設への入場を許可する(ステップS204)。よって、対象が同行者を連れている場合、対象の認証が成功しただけでは入場は許可されず、同行者の認証が成功することで入場が許可される。ただし、同行者については、第1生体情報を用いた認証処理又は第2生体情報を用いた認証処理のいずれかが失敗していた場合でも、もう一方の認証処理が成功していれば入場が許可される。例えば、対象の顔認証お及び虹彩認証の両方が成功している場合、同行者については顔認証のみが成功していれば入場を許可するようにしてもよい。なお、認証処理の両方が失敗している場合には(ステップS204:NO)、実行部140は、対象及び同行者の施設への入場を許可しない。複数の同行者が存在する場合は、各同行者に対して順番に認証処理を実行してもよいし、まとめて認証処理を実行してもよい。例えば、第1カメラ18や第2カメラ19に近い順番に複数回撮像を行って認証処理を実行してもよいし、第1カメラ18及び第2カメラ19の撮像範囲に含まれているすべての同行者をすべて検出して(撮像は1回のみ行い)、まとめて認証処理を実行してもよい。
なお、上述した例では、対象の同行者について処理を行う例を挙げたが、同行者は、対象に同行していない他のユーザであってもよい。即ち、対象とは異なる他のユーザに対して、上述した処理が実行されてもよい。
(技術的効果)
次に、第2実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
図7で説明したように、第2実施形態に係る情報処理システム10では、対象及び同行者の各々に対して認証処理が行われ、施設への入場可否が判定される。第2実施形態では特に、対象に同行する同行者については、対象よりも緩い条件で施設への入場が許可されるため、例えば同行者に関する登録情報が不足している場合でも、適切に入場を許可することができる。例えば、マンションの住人である対象が、ゲスト(即ち、対象と何らかの関係があるユーザ:例えば、対象の友人や知人のほか、ハウスキーパー、お手伝いさん、家庭教師等のビジネス上の関係があるユーザも含む)である同行者を連れている場合、ゲストの第1生体情報(例えば、顔情報)を登録していれば、第2生体情報(例えば、虹彩情報)を登録していなくても、同行者の入場が許可されることになる。即ち、虹彩画像は、顔画像と比べると登録が困難である(例えば、虹彩画像は、撮像可能なカメラが限られる)が、登録が比較的簡単な顔画像のみで同行者の入場を許可できる。なお、同行者については入場許可の条件が緩くなるが、対象については第1生体情報及び第2生体情報の両方を用いた認証処理が行われるため、セキュリティの低下は抑制される。一方で、同行者であっても、第1生体情報及び第2生体情報の少なくとも一方で認証処理を成功することが求められるため、意図しない第三者の入場が許可されてしまうこと(所謂、共連れ)を防止することができる。
<第3実施形態>
第3実施形態に係る情報処理システム10について、図8を参照して説明する。なお、第3実施形態は、上述した第1及び第2実施形態と一部の構成及び動作が異なるものであり、その他の部分については第1及び第2実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(機能的構成)
次に、図8を参照しながら、第3実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。図8は、第3実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、図8では、図4で示した構成要素と同様の要素に同一の参照符号を付している。
図8に示すように、第3実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、第1カメラ18及び第2カメラ19と、回転制御部110と、生体情報取得部120と、認証部130と、実行部140と、操作受付部150と、を備えて構成されている。即ち、第2実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(図4参照)に加えて、操作受付部150を更に備えて構成されている。操作受付部150は、例えば、上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
操作受付部150は、施設内のユーザ(例えば、インターホンで呼び出しを受けた部屋内のユーザ)からの操作を受付可能に構成されている。操作受付部150は、ユーザの操作に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御可能に構成されている。操作受付部150による回転制御は、回転制御部110による回転制御とは別に実行される制御である。操作受付部150は、例えば回転制御部110による回転制御が終了した後に、ユーザの操作に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御してよい。或いは、操作受付部150は、回転制御部110による回転制御が開始される前に、ユーザの操作に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御してよい。操作受付部150は、例えば部屋内に設置されたインターホンとして構成されてもよい。或いは、操作受付部150は、ユーザの端末(例えば、スマートフォン等)にインストールされたアプリから操作を受け付けるものであってもよい。
操作受付部150によって第1カメラ18及び第2カメラ19の回転が制御される場合、回転制御後のシステムの動作についても、操作受付部150が受け付けた操作に応じて実行されてよい。例えば、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像した画像を用いる認証処理が、操作受付部150で受け付けられた操作に応じて開始されてよい。より具体的には、ユーザが第1カメラ18及び第2カメラ19を回転させる操作を行うと、端末に「認証を行いますか?」等のメッセージが表示される。そして、ユーザが認証を行う旨のボタン(例えば、「はい」や「YES」のボタン)をタッチすると、そのタイミングで認証処理が開始される。このようにすれば、認証処理によって対象を確認することができるため、映像を目視で確認する場合よりも確実に対象の確認が行える。
ここで、第3実施形態に係る情報処理システム10が、マンションのエントランスに適用される例を挙げて説明する。マンションのエントランスでは、第1カメラ18及び第2カメラ19による対象(即ち、マンション内に入場しようとするユーザ)の撮像が行われる。例えば、第1カメラ18では対象の顔が撮像され、第2カメラ19では対象の虹彩が撮像される。この場合、回転制御部110は、第1カメラ18及び第2カメラ19の各々が、対象の顔を向くような制御を実行する。なお、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像は、マンションの住人によって確認可能とされているとする。
上記のように回転制御を実行した場合、第1カメラ18及び第2カメラ19が対象の顔の方向を向くがゆえに、その他の部分が撮像範囲に収まらなくなるおそれがある。例えば、対象の手元が映らなくなり、対象が何を持っているのか分からなくなる。或いは、対象身長の低いユーザ(例えば、子ども等)が見えなくなってしまう。このような場合に、マンションの住人は、第1カメラ18及び第2カメラ19の撮像角度を操作する。例えば、マンションの住人は、第1カメラ18及び第2カメラ19を下方向に動かして、対象が手になにか持っていないか、対象が子どもを連れていないか等を確認できる。また、システムの故障等によって、第1カメラ18又は第2カメラ19が正常に回転できない場合、手動で回転制御を行うことで、第1カメラ18及び第2カメラ19を適切な方向(例えば、顔の方向)に向けることが可能となる。この場合、マンションの部屋の住人の他、管理人(コンシェルジュ等)も手動で第1カメラ18及び第2カメラ19を回転制御可能とされてよい。例えば、マンションの住人は、第1カメラ18及び第2カメラ19が正常に回転しない場合、制御端末(即ち、操作受付部150を備える端末)のディスプレイに表示される連絡ボタンをタッチする。すると、コンシェルジュに繋がり、システムの不具合を知らせたり、コンシェルジュに手動で回転制御を行ってもらったりすることができる。
(技術的効果)
次に、第3実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
図8で説明したように、第3実施形態に係る情報処理システム10では、施設内のユーザが第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御可能とされる。このようにすれば、施設内のユーザが、通常の回転制御(即ち、回転制御部110による回転制御)では見えない部分を確認することが可能となる。よって、ユーザの利便性や防犯機能の向上を実現できる。また、第1カメラ18及び第2カメラ19が回転可能となっていることで、回転しないカメラと比較すると、より広い部分を確認可能である。
<第4実施形態>
第4実施形態に係る情報処理システム10について、図9を参照して説明する。なお、第4実施形態は、上述した第1から第3実施形態と一部の動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第3実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(所定処理の内容)
まず、第4実施形態に係る情報処理システム10において実行される所定処理の内容について説明する。
第4実施形態に係る情報処理システム10では、実行部140が、所定処理としてエレベータを指定したフロアに呼び出す処理を実行する。具体的には、実行部140は、認証処理が成功した対象の位置に対応するフロアにエレベータを呼び出す処理を実行する。例えば、対象が1階のエントランスで認証成功した場合、実行部140は、エレベータを1階(即ち、対象がいるフロア)に呼び出す処理を実行してよい。ただし、対象がいるフロアにエレベータが呼び出せない(例えば、2階からしかエレベータに乗れない)場合は、対象の最寄りのフロアにエレベータを呼び出す処理を実行するようにしてもよい。或いは、対象が認証後すぐにエレベータに乗らないことが分かっている場合(例えば、2階に上がって用事を済ませてエレベータに乗ることが予測される場合)、対象がエレベータに乗ると予測されるフロアにエレベータを呼び出す処理を実行するようにしてもよい。なお、エレベータを呼び出す処理は、すでに説明した施設内への入場を許可する処理(第2実施形態参照)と併せて実行されてもよい。即ち、実行部140は、所定処理として、入場を許可する処理とエレベータを呼び出す処理とを実行してもよい。この場合、入場が許可されたユーザが所定人数以上であることを検出すると、複数台のエレベータを呼び出すようにしてもよい。ここでの所定人数は、エレベータの定員に応じた人数であってよい。例えば、エレベータの定員が5人の場合、6人以上のユーザを検出すると、2台のエレベータを呼び出すようにしてよい。
(動作の流れ)
次に、図9を参照しながら、第4実施形態に係る情報処理システム10による動作の流れについて説明する。図9は、第4実施形態に係る情報処理システムによる動作の流れを示すフローチャートである。なお、図9では、図7で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
図9に示すように、第4実施形態に係る情報処理システム10が動作する際には、まず回転制御部110が対象の位置を検出する(ステップS101)。そして回転制御部110は、検出した対象の位置に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御する(ステップS102)。
続いて、生体情報取得部120は、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像(即ち、第1画像及び第2画像)を取得する(ステップS103)。そして、生体情報取得部120は、第1カメラ18で撮像された第1画像から第1生体情報を取得し、第2カメラ19で撮像された第2画像から第2生体情報を取得する(ステップS104)。
続いて、認証部130は、生体情報取得部120で取得された第1生体情報及び第2生体情報を用いて認証処理を実行する(ステップS105)。そして、実行部140は、認証部130における第1生体情報を用いた認証処理と、第2生体情報を用いた認証処理との両方が成功したか否かを判定する(ステップS201)。
認証処理が両方成功している場合(ステップS201:YES)、実行部140は、対象の位置に対応するフロアへエレベータを呼び出す処理を実行する(ステップS401)。一方、認証処理が両方成功していない場合(ステップS201:NO)、以降の処理は省略され一連の動作が終了する。即ち、第1生体情報を用いた認証処理、又は第2生体情報を用いた認証処理のいずれかが失敗した場合、対象の位置に対応するフロアへエレベータを呼び出す処理は実行されない。
(技術的効果)
次に、第4実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
図9で説明したように、第4実施形態に係る情報処理システム10では、対象の認証処理が成功した場合に、対象の位置に対応するフロアにエレベータを呼び出す処理が実行される。このようにすれば、対象がエレベータを待つ時間が短縮され、施設内をスムーズに移動できるようになる。
<第5実施形態>
第5実施形態に係る情報処理システム10について、図10を参照して説明する。なお、第5実施形態は、上述した第1から第4実施形態と一部の動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第4実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(所定処理の内容)
まず、第5実施形態に係る情報処理システム10において実行される所定処理の内容について説明する。
第5実施形態に係る情報処理システム10では、実行部140が、所定処理として対象が使用する車両を所定位置に呼び出す処理を実行する。なお、ここでの「車両」は、自動車の他、バイク、自転車、船、飛行機、ヘリコプター等、対象が使用する各種移動体を含む広い概念である。例えば、対象が自宅の玄関を出るタイミングで認証成功した場合、実行部140は、対象が所有する車両(例えば、予め対象と紐付けらている車両)を機械式の駐車場から出庫して、車寄せに移動させるための指示を出力してよい。なお、出庫のタイミングは、玄関を出る直前に限られるわけではない。例えば、玄関を出て扉前に設置された認証端末で認証が成功すると、ドアの施錠及び車両の出庫を行うようにしてもよい。また、スマートフォンのアプリで出庫を指示する場合、例えば30分後に出庫する等、出庫時間の予約を行うことが可能とされてもよい。更に、対象が車両を使用しない可能性がある場合(例えば、徒歩や他の交通手段を利用する可能性がある場合)、実行部140は、対象に車両を使用するか確認する処理を実行してもよい。例えば、実行部140は、対象が保有する端末(例えば、スマートフォン)に、対象が車を使用するか否かを確認する表示を行ってもよい。例えば、認証処理が成功すると、端末のディスプレイに「車を出庫しますか?」等のメッセージを出力してもよい。この場合、実行部140は、対象が車を使用すると入力した場合に、車両を所定位置に呼び出す処理を実行してよい。言い換えれば、実行部140は、対象が車を使用しないと入力した場合(或いは、なにも入力されなかった場合)に、車両を所定位置に呼び出す処理を実行しないようにしてもよい。また、対象が使用する可能性がある車両が複数存在する場合(例えば、対象が複数の車両を所有している場合)、実行部140は、対象に使用する車両を選択させる処理を実行してもよい。また、実行部140は、実際に車両を出庫するのではなく、すぐに出庫するための出庫準備を行うようにしてもよい。例えば、車両が地下10階部分に存在する場合には、地下2階部分等、地上に近い部分に車両を移動させるような処理を実行してもよい。なお、認証処理が成功しても、対象が車両を利用せずにどこかに行ってしまった場合(例えば、所定時間経過しても車両が利用されなかった場合)、車両を出庫前の位置に戻すようにしてもよい。
(動作の流れ)
次に、図10を参照しながら、第5実施形態に係る情報処理システム10による動作の流れについて説明する。図10は、第5実施形態に係る情報処理システムによる動作の流れを示すフローチャートである。なお、図10では、図7で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
図10に示すように、第5実施形態に係る情報処理システム10が動作する際には、まず回転制御部110が対象の位置を検出する(ステップS101)。そして回転制御部110は、検出した対象の位置に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御する(ステップS102)。
続いて、生体情報取得部120は、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像(即ち、第1画像及び第2画像)を取得する(ステップS103)。そして、生体情報取得部120は、第1カメラ18で撮像された第1画像から第1生体情報を取得し、第2カメラ19で撮像された第2画像から第2生体情報を取得する(ステップS104)。
続いて、認証部130は、生体情報取得部120で取得された第1生体情報及び第2生体情報を用いて認証処理を実行する(ステップS105)。そして、実行部140は、認証部130における第1生体情報を用いた認証処理と、第2生体情報を用いた認証処理との両方が成功したか否かを判定する(ステップS201)。
認証処理が両方成功している場合(ステップS201:YES)、実行部140は、対象が使用する車両を所定位置に呼び出す処理を実行する(ステップS401)。一方、認証処理が両方成功していない場合(ステップS201:NO)、以降の処理は省略され一連の動作が終了する。即ち、第1生体情報を用いた認証処理、又は第2生体情報を用いた認証処理のいずれかが失敗した場合、対象が使用する車両を所定位置に呼び出す処理は実行されない。
(技術的効果)
次に、第5実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
図10で説明したように、第5実施形態に係る情報処理システム10では、対象の認証処理が成功した場合に、対象が使用する車両を所定位置に呼び出す処理が実行される。このようにすれば、車両を呼び出す際の待ち時間が短縮される、或いは対象自身が車両を移動させる手間が省けるため、対象がよりスムーズに車両を利用することができる。
<第6実施形態>
第6実施形態に係る情報処理システム10について、図11を参照して説明する。なお、第6実施形態は、上述した第5実施形態と一部の動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第5実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(所定処理の内容)
まず、第6実施形態に係る情報処理システム10において実行される所定処理の内容について説明する。
第6実施形態に係る情報処理システム10では、実行部140が、所定処理として対象に施設内のルートを案内する処理を実行する。具体的には、実行部140は、対象が施設内を移動する際に、他のユーザとすれ違わないようなルートを案内する処理を実行する。実行部140は、例えば対象の保有する端末(例えば、スマートフォン等)に、施設内マップを表示し、そこに進行すべきルートを重畳表示するようにしてもよい。また、対象が施設内でフロア移動する際には、乗るべきエレベータを表示するようにしてもよい。案内するルートは、施設外のルートであってもよい。例えば、マンションの外で他のユーザとすれ違わないように、「第2裏口を使ってマンションから出てください」等の提案を行うようにしてもよい。また、ルートに加えて、時間情報も合わせて指示するように構成されてよい。例えば、「現在、混雑しているため5分後に出発してください」や「このルートを3分後に通過し、5分後にエレベータに乗ってください」等の指示を出力するようにしてよい。なお、このようなルート案内は、例えば施設内に設置された監視カメラ等を用いて、施設内の他のユーザの位置を監視することで実現されてよい。なお、他のユーザのすべてを回避することが難しい場合には、実行部140は、すれ違う他のユーザができる限り少なくなるようなルートを案内するようにしてもよい。また、ユーザが予め指定した他のユーザ(例えば、家族や施設の管理スタッフ等)については、すれ違うことを許容するようにしてもよい。ルートを案内する処理は、すでに説明したエレベータを呼び出す処理(第4実施形態参照)や車両を呼び出す処理(第5実施形態参照)と併せて実行されてもよい。
(動作の流れ)
次に、図11を参照しながら、第6実施形態に係る情報処理システム10による動作の流れについて説明する。図11は、第6実施形態に係る情報処理システムによる動作の流れを示すフローチャートである。なお、図11では、図7で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
図11に示すように、第6実施形態に係る情報処理システム10が動作する際には、まず回転制御部110が対象の位置を検出する(ステップS101)。そして回転制御部110は、検出した対象の位置に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御する(ステップS102)。
続いて、生体情報取得部120は、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像(即ち、第1画像及び第2画像)を取得する(ステップS103)。そして、生体情報取得部120は、第1カメラ18で撮像された第1画像から第1生体情報を取得し、第2カメラ19で撮像された第2画像から第2生体情報を取得する(ステップS104)。
続いて、認証部130は、生体情報取得部120で取得された第1生体情報及び第2生体情報を用いて認証処理を実行する(ステップS105)。そして、実行部140は、認証部130における第1生体情報を用いた認証処理と、第2生体情報を用いた認証処理との両方が成功したか否かを判定する(ステップS201)。
認証処理が両方成功している場合(ステップS201:YES)、実行部140は、対象に施設内での進行ルートを案内する処理を実行する(ステップS401)。一方、認証処理が両方成功していない場合(ステップS201:NO)、以降の処理は省略され一連の動作が終了する。即ち、第1生体情報を用いた認証処理、又は第2生体情報を用いた認証処理のいずれかが失敗した場合、対象に施設内での進行ルートを案内する処理は実行されない。
(技術的効果)
次に、第6実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
図11で説明したように、第6実施形態に係る情報処理システム10では、対象の認証処理が成功した場合に、対象に施設内での進行ルートを案内する処理が実行される。このようにすれば、対象が施設内で他のユーザとすれ違うことを回避することができる。このような効果は、対象が施設内で人目を避けて行動したい場合(例えば、対象が有名人等である場合)に顕著に発揮されることになる。
<第7実施形態>
第7実施形態に係る情報処理システム10について、図12及び図13を参照して説明する。なお、第7実施形態は、上述した第1から第6実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第6実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(機能的構成)
まず、図12を参照しながら、第7実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。図12は、第7実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、図12では、図4で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
図12に示すように、第7実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、第1カメラ18及び第2カメラ19と、回転制御部110と、生体情報取得部120と、認証部130と、実行部140と、警告部160と、を備えて構成されている。即ち、第7実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(図4参照)に加えて、警告部160を更に備えて構成されている。警告部160は、例えば、上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
警告部160は、対象の認証処理が成功した後、所定時間内に対象が所定箇所に到達しない場合に、警告を出力可能に構成されている。ここでの「所定箇所」は、認証処理が成功した対象が到達すると予測される箇所(例えば、対象の目的地)として設定される箇所である。また、「所定時間」は、対象が所定箇所に到達するまでに要する時間(多少のマージンを含んでもよい)に応じて設定される時間である。例えば、マンションのエントランスで対象の認証処理が成功した場合、警告部160は、所定時間内に対象がマンション内の特定の部屋(例えば、自宅や訪問先等)に到達しない場合に、警告を出力するようにしてよい。警告の内容は、例えば対象に何らかの異常が発生したことを知らせるものであってよい。警告部160は、例えば施設の管理スタッフ等に向けて警告を行ってもよいし、対象自身や対象の訪問先のユーザ等に向けて警告を行ってもよい。警告部160による警告は、例えばディスプレイを用いたアラート表示であってもよい、スピーカを用いたアラート音声の出力であってもよい。なお、所定時間を複数設定しておき、第1の所定時間までに対象が所定箇所に到達しない場合には第1の警告(例えば、弱めの警告)が実行され、第2の所定時間までに対象が所定箇所に到達しない場合には、第2の警告(例えば、強めの警告)が実行されるようにしてもよい。なお、警告の対象には重要度が設定されてよい。例えば、マンションに住み慣れた住人より、ゲストの方が迷う可能性が高く、窃盗等を行う可能性もあるため、ゲストの重要度を高く設定してよい。この場合、重要度の高い対象については、警告を発するまでの所定時間を短く設定してよい。或いは、重要度の高い対象については、アラートを強化(例えば、2回目のアラートでは必ずコンシェルジュに通知する等)してよい。また、マンションの住人であっても、子供や老人、持病を持っているユーザについては、ゲストと同様に重要度を高く設定し、アラートを発するまでの所定時間を短くしたり、アラートを強化したりしてよい。
(動作の流れ)
次に、図13を参照しながら、第7実施形態に係る情報処理システム10による動作の流れについて説明する。図13は、第7実施形態に係る情報処理システムによる動作の流れを示すフローチャートである。なお、図13では、図7で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
図13に示すように、第7実施形態に係る情報処理システム10が動作する際には、まず回転制御部110が対象の位置を検出する(ステップS101)。そして回転制御部110は、検出した対象の位置に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御する(ステップS102)。
続いて、生体情報取得部120は、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像(即ち、第1画像及び第2画像)を取得する(ステップS103)。そして、生体情報取得部120は、第1カメラ18で撮像された第1画像から第1生体情報を取得し、第2カメラ19で撮像された第2画像から第2生体情報を取得する(ステップS104)。
続いて、認証部130は、生体情報取得部120で取得された第1生体情報及び第2生体情報を用いて認証処理を実行する(ステップS105)。そして、実行部140は、認証部130における第1生体情報を用いた認証処理と、第2生体情報を用いた認証処理との両方が成功したか否かを判定する(ステップS201)。
認証処理が両方成功している場合(ステップS201:YES)、実行部140は、対象に施設への入場を許可する処理を実行する(ステップS204)。一方、認証処理が両方成功していない場合(ステップS201:NO)、以降の処理は省略され一連の動作が終了する。即ち、第1生体情報を用いた認証処理、又は第2生体情報を用いた認証処理のいずれかが失敗した場合、対象に施設への入場を許可する処理は実行されない。
対象に施設への入場が許可された場合、警告部160は、認証が成功してから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップS701)。なお、所定時間が経過していないと判定した場合(ステップS701:NO)、警告部160は、認証が成功してからの時間計測を継続する。一方、所定時間が経過したと判定した場合(ステップS701:YES)、警告部160は、対象が所定箇所に到達したか否かを判定する(ステップS702)。
対象が所定箇所に到達していない場合(ステップS702:NO)、警告部160は警告を出力する(ステップS703)。一方、対象が所定箇所にすでに到着している場合(ステップS702:YES)、警告部160は警告を出力しない。
(技術的効果)
次に、第7実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
図12及び図13で説明したように、第7実施形態に係る情報処理システム10では、認証が成功してから所定時間内に対象が所定箇所に到達しない場合に、警告部160により警告が出力される。このようにすれば、認証後の時間経過に基づいて、対象に何らかの異常が発生していることを知らせることができる。例えば、対象が施設内で迷っていたり、体調不良で倒れていたりすることを知らせることができる。
<第8実施形態>
第8実施形態に係る情報処理システム10について、図14を参照して説明する。なお、第8実施形態は、上述した第1から第7実施形態と一部の動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第7実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(所定処理の内容)
まず、第8実施形態に係る情報処理システム10において実行される所定処理の内容について説明する。
第8実施形態に係る情報処理システム10では、実行部140が、所定処理として対象に所定サービスの依頼を許可する処理を実行する。ここでの「所定サービス」は、例えばタクシーを呼ぶ、出前を注文する等の決済処理(即ち、費用の発生)が伴うものであってよい。所定サービスは、対象が認証された後、施設における端末、或いは対象が保有する端末(スマートフォン)等から依頼可能とされてよい。また、所定のサービスを依頼する場合、サービスの依頼先に認証成功した対象の位置を示す情報(例えば、GPSの位置情報)や、対象に関する情報(例えば、対象の氏名や住所、部屋番号等)を自動的に知らせるようにしてもよい。
所定サービスを依頼した場合の費用は、認証成功した対象に紐づく決済方法で決済される。例えば、認証処理によって特定された対象に紐づく口座から自動的に引き落としが行われてよい。或いは、認証処理によって特定された対象に紐づくクレジット―カードを用いて自動的に決済処理が行われてよい。なお、サービスを依頼する段階で、対象に紐づく決済方法で決済してよいか、対象自身に確認するような処理が行われてもよい。
(動作の流れ)
次に、図14を参照しながら、第8実施形態に係る情報処理システム10による動作の流れについて説明する。図14は、第8実施形態に係る情報処理システムによる動作の流れを示すフローチャートである。なお、図14では、図7で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
図14に示すように、第8実施形態に係る情報処理システム10が動作する際には、まず回転制御部110が対象の位置を検出する(ステップS101)。そして回転制御部110は、検出した対象の位置に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御する(ステップS102)。
続いて、生体情報取得部120は、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像(即ち、第1画像及び第2画像)を取得する(ステップS103)。そして、生体情報取得部120は、第1カメラ18で撮像された第1画像から第1生体情報を取得し、第2カメラ19で撮像された第2画像から第2生体情報を取得する(ステップS104)。
続いて、認証部130は、生体情報取得部120で取得された第1生体情報及び第2生体情報を用いて認証処理を実行する(ステップS105)。そして、実行部140は、認証部130における第1生体情報を用いた認証処理と、第2生体情報を用いた認証処理との両方が成功したか否かを判定する(ステップS201)。
認証処理が両方成功している場合(ステップS201:YES)、実行部140は、対象に所定サービスの依頼を許可する処理を実行する(ステップS801)。一方、認証処理が両方成功していない場合(ステップS201:NO)、以降の処理は省略され一連の動作が終了する。即ち、第1生体情報を用いた認証処理、又は第2生体情報を用いた認証処理のいずれかが失敗した場合、対象に所定サービスの依頼を許可する処理は実行されない。
対象に所定サービスの依頼が許可された場合、実行部140は、対象によって所定サービスが依頼されたか否かを判定する(ステップS802)。そして、所定サービスが依頼された場合(ステップS802:YES)、サービスの費用を対象に紐づく決済方法で決済する(ステップS803)。一方、所定サービスが依頼された場合(ステップS802:NO)、以降の処理は省略され、一連の動作が終了することになる。
(技術的効果)
次に、第8実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
図14で説明したように、第8実施形態に係る情報処理システム10では、対象の認証処理が成功した場合に、対象に所定サービスの依頼を許可する処理が実行され、その費用が対象に紐づく決済方法で決済される。このようにすれば、生体認証によってセキュリティを高めつつ、対象の利便性を向上させることが可能である。また、対象の位置を示す情報や、対象に関する情報をサービス依頼先に通知することで、別途これらの情報をサービス依頼先に連絡する手間を省くことができる。
<第9実施形態>
第9実施形態に係る情報処理システム10について、図15を参照して説明する。なお、第9実施形態は、上述した第1から第8実施形態と一部の動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第8実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(所定処理の内容)
まず、第9実施形態に係る情報処理システム10において実行される所定処理の内容について説明する。
第9実施形態に係る情報処理システム10では、実行部140が、所定処理として認証が成功した対象による決済処理を許可する処理を実行する。ここでの決済処理は、特に限定されるものではないが、例えば店舗や自動販売機で商品を購入する際の決済処理であってよい。
対象が決済処理を行った場合、その費用は対象が決済処理を行うことを許可している許可者に紐づく決済方法で決済される。即ち、決済処理を行った対象本人ではなく、許可者が費用を支払うことになる。なお、許可者が決済処理を行った場合は、許可者が費用を知ら払うようにすればよい。ここでの許可者と対象との具体的な関係としては、例えば親子関係が挙げられる。この場合、子(対象)による認証が成功し、かつ、対象に関する許可者が特定できた場合、決済処理の費用を親(許可者)が支払うことになる。或いは、マンション住人とハウスキーパーとの関係も挙げられる。この場合、ハウスキーパー(対象)による認証が成功し、かつ、対象に関する許可者が特定できた場合、決済処理の費用を、雇用主であるマンション住人(許可者)が支払うことになる。なお、許可者は、決済処理の上限額を設定してもよい。この場合、認証処理が成功した対象は、上限額を超える決済処理が行えなくなる。また、許可者は、決済処理の用途を限定してもよい。例えば、許可者は、対象による特定の店舗での購入費用のみを支払うような設定が可能である。
(動作の流れ)
次に、図15を参照しながら、第9実施形態に係る情報処理システム10による動作の流れについて説明する。図15は、第9実施形態に係る情報処理システムによる動作の流れを示すフローチャートである。なお、図15では、図7で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
図15に示すように、第9実施形態に係る情報処理システム10が動作する際には、まず回転制御部110が対象の位置を検出する(ステップS101)。そして回転制御部110は、検出した対象の位置に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御する(ステップS102)。
続いて、生体情報取得部120は、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像(即ち、第1画像及び第2画像)を取得する(ステップS103)。そして、生体情報取得部120は、第1カメラ18で撮像された第1画像から第1生体情報を取得し、第2カメラ19で撮像された第2画像から第2生体情報を取得する(ステップS104)。
続いて、認証部130は、生体情報取得部120で取得された第1生体情報及び第2生体情報を用いて認証処理を実行する(ステップS105)。そして、実行部140は、認証部130における第1生体情報を用いた認証処理と、第2生体情報を用いた認証処理との両方が成功したか否かを判定する(ステップS201)。
認証処理が両方成功している場合(ステップS201:YES)、実行部140は、対象に決済処理を許可する(ステップS901)。一方、認証処理が両方成功していない場合(ステップS201:NO)、以降の処理は省略され一連の動作が終了する。即ち、第1生体情報を用いた認証処理、又は第2生体情報を用いた認証処理のいずれかが失敗した場合、対象に決済処理は許可されない。
対象に決済処理が許可された場合、実行部140は、対象によって決済処理が行われたか否かを判定する(ステップS902)。そして、対象による決済処理が行われた場合(ステップS902:YES)、その費用を許可者に紐づく決済方法で決済する(ステップS903)。一方、対象による決済処理が行われていない場合(ステップS902:NO)、以降の処理は省略され、一連の動作が終了することになる。
(技術的効果)
次に、第9実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
図15で説明したように、第9実施形態に係る情報処理システム10では、対象の認証処理が成功した場合に、対象に決済処理を許可する処理が実行され、その費用が対象とは異なる許可者に紐づく決済方法で決済される。このようにすれば、生体認証によってセキュリティを高めつつ、決済処理の利便性を向上させることが可能である。
<第10実施形態>
第10実施形態に係る情報処理システム10について、図16を参照して説明する。なお、第10実施形態は、上述した第1から第9実施形態と一部の動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第9実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(所定処理の内容)
まず、第10実施形態に係る情報処理システム10において実行される所定処理の内容について説明する。
第10実施形態に係る情報処理システム10では、実行部140が、所定処理として対象の利用する部屋を特定する処理を実行する。例えば、対象がマンションの住人である場合、実行部140は、対象の自宅である部屋番号を特定してよい。対象が利用する部屋を特定するための情報は、予め登録されていてもよいし、対象によって入力されてもよい。或いは、対象を認証することで、対象が居住する部屋番号を自動的に取得するようにしてもよい。実行部140は更に、所定処理として特定した部屋に対象の荷物を運搬する指示を出力する処理を実行する。例えば、上述した例のように、マンションにおける対象の自宅の部屋番号を特定した場合、実行部140は、対象の荷物をエントランスから自宅の部屋まで運搬する指示を出力してよい。荷物を運搬する指示は、例えば運搬ロボット等に出力されてもよいし、施設のスタッフ等に対して出力されてもよい。実行部140は、荷物を運搬する指示を出力する前に、対象に対して荷物の有無や、荷物の数、荷物の重さ等を確認する処理を行ってもよい。この場合、確認した事項を考慮した上で、荷物を運搬する指示が出力されてよい。例えば、荷物の数が多い場合や非常に重い場合には、「台車が必要」等の注意事項を含んだ指示が出力されてよい。
(動作の流れ)
次に、図16を参照しながら、第10実施形態に係る情報処理システム10による動作の流れについて説明する。図16は、第10実施形態に係る情報処理システムによる動作の流れを示すフローチャートである。なお、図16では、図7で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
図16に示すように、第10実施形態に係る情報処理システム10が動作する際には、まず回転制御部110が対象の位置を検出する(ステップS101)。そして回転制御部110は、検出した対象の位置に応じて、第1カメラ18及び第2カメラ19の回転を制御する(ステップS102)。
続いて、生体情報取得部120は、第1カメラ18及び第2カメラ19で撮像された画像(即ち、第1画像及び第2画像)を取得する(ステップS103)。そして、生体情報取得部120は、第1カメラ18で撮像された第1画像から第1生体情報を取得し、第2カメラ19で撮像された第2画像から第2生体情報を取得する(ステップS104)。
続いて、認証部130は、生体情報取得部120で取得された第1生体情報及び第2生体情報を用いて認証処理を実行する(ステップS105)。そして、実行部140は、認証部130における第1生体情報を用いた認証処理と、第2生体情報を用いた認証処理との両方が成功したか否かを判定する(ステップS201)。
認証処理が両方成功している場合(ステップS201:YES)、実行部140は、対象が利用する部屋を特定する(ステップS1001)。そして、実行部140は更に、特定した部屋に荷物を運搬する指示を出力する(ステップS1002)。なお、対象が荷物を持っていない場合には、ステップS1001及びステップS1002の処理は省略されてもよい。
(技術的効果)
次に、第10実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
図16で説明したように、第10実施形態に係る情報処理システム10では、対象の認証処理が成功した場合に、対象の利用する部屋を特定し、その部屋まで対象の荷物を運搬する指示が出力される。このようにすれば、対象が自分で荷物を運搬せずに済むため、利便性を向上させることが可能である。また、対象を認証して、対象の部屋番号を自動的に特定するようにすれば、部屋番号を手入力する場合と比べて利便性を高めることができる。
<第11実施形態>
第11実施形態に係る情報処理システム10について、図17及び図18を参照して説明する。なお、第11実施形態は、上述した第1から第10実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第10実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(機能的構成)
まず、図17を参照しながら、第11実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。図17は、第11実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、図17では、図4で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
図17に示すように、第11実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、第1カメラ18及び第2カメラ19と、回転制御部110と、生体情報取得部120と、認証部130と、実行部140と、体調不良者検知部170と、呼出制御部180と、を備えて構成されている。即ち、第11実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(図4参照)に加えて、体調不良者検知部170と、呼出制御部180と、を更に備えて構成されている。体調不良者検知部170、及び呼出制御部180は、例えば、上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
体調不良者検知部170は、施設内における体調不良のユーザ(以下、適宜「体調不良者」と称する)を検知可能に構成されている。体調不良者検知部170は、例えば施設内に設置されている監視カメラ等の映像を用いて、体調不良者を検知可能に構成されてよい。また、体調不良者検知部170は、本実施形態に係る情報処理システム10が備える認証端末(例えば、第1カメラ18及び第2カメラ19)によって撮像された映像を用いて、体調不良者を検知可能に構成されてよい。この場合、体調不良者検知部170は、例えば床に倒れているユーザや座り込んでいるユーザを体調不良者として検知してよい。また、体調不良者検知部170は、体調不良者がいる場所を特定可能に構成されていてよい。体調不良者検知部170が検知した体調不良者に関する情報は、呼出制御部180に出力される構成となっている。
呼出制御部180は、体調不良者検知部170で検知された体調不良者の位置に対応するフロアに、救命道具を備えるエレベータを呼び出すことが可能に構成されている。例えば、体調不良者が2階で倒れている場合、呼出制御部180は、エレベータを2階(即ち、体調不良者がいるフロア)に呼び出す処理を実行してよい。ただし、体調不良者がいるフロアにエレベータが呼び出せない(例えば、すべてのフロアからはエレベータに乗れない)場合は、対象の最寄りのフロアにエレベータを呼び出す処理を実行するようにしてもよい。なお、エレベータに備えられる救命道具は、例えばAED(自動体外式除細動器)、飲み薬、傷薬、絆創膏、包袋等を含んでいてよい。エレベータを呼び出した後は、エレベータを呼び出したフロア、呼び出したフロアの住人、マンションのコンシェルジュ、及び警備員等にアラートを通知してもよい。この場合、エレベータに備えられた救命道具を用いて対応するように指示を出力してもよい。
(動作の流れ)
次に、図18を参照しながら、第11実施形態に係る情報処理システム10による動作の流れについて説明する。図18は、第11実施形態に係る情報処理システムによる動作の流れを示すフローチャートである。なお、図18に示す処理は、例えば図7等で説明した一連の動作(即ち、生体認証を行い、その結果に基づいて所定処理を実行する動作)とは独立して実行されるものであってよい。
図18に示すように、第11実施形態に係る情報処理システム10が動作する際には、まず体調不良者検知部170が、施設内における体調不良者を検知する(ステップS1101)。なお、体調不良者が検知されない場合(ステップS1101:NO)、以降の処理は省略され、一連の動作は終了することになる。
一方、体調不良者が検知された場合(ステップS1101:YES)、体調不良者検知部170は、体調不良者の位置を特定する(ステップS1102)。そして、呼出制御部180が、体調不良者の位置に対応するフロアに、救命道具を備えるエレベータを呼び出す(ステップS1103)。なお、呼出制御部180は、救命道具を備えたエレベータを呼び出したことを、対象自身や対象の救護を行うユーザ等に通知するようにしてもよい。
(技術的効果)
次に、第11実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
図17及び図18で説明したように、第11実施形態に係る情報処理システム10では、施設内で体調不良者が検知された場合に、体調不良者の位置に対応するフロアに救命道具を備えたエレベータが呼び出される。このようにすれば、体調不良者の救護を適切且つ早急に行うことが可能となる。
<第12実施形態>
第12実施形態に係る情報処理システム10について、図19から図21を参照して説明する。なお、第12実施形態は、上述した第1から第11実施形態と一部の構成及び動作が異なるのみであり、その他の部分については第1から第11実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(機能的構成)
まず、図19を参照しながら、第12実施形態に係る情報処理システム10の機能的構成について説明する。図19は、第12実施形態に係る情報処理システムの機能的構成を示すブロック図である。なお、図19では、図4及び図17で示した構成要素と同様の要素に同一の符号を付している。
図19に示すように、第121実施形態に係る情報処理システム10は、その機能を実現するための構成要素として、第1カメラ18及び第2カメラ19と、回転制御部110と、生体情報取得部120と、認証部130と、実行部140と、体調不良者検知部170と、通知部190と、を備えて構成されている。即ち、第12実施形態に係る情報処理システム10は、第1実施形態の構成(図4参照)に加えて、体調不良者検知部170と、通知部190と、を更に備えて構成されている。なお、体調不良者検知部170は、すでに説明した第11実施形態のものと同一であってよい。通知部190は、例えば、上述したプロセッサ11(図1参照)によって実現される処理ブロックであってよい。
通知部190は、体調不良者検知部170で検知された体調不良者が、認証処理が成功した対象である場合に、対象に紐付いたユーザに通知を行う。通知部190は、例えば、対象の家族等に、対象が倒れている場所を示す情報を通知してもよい。通知部190は、施設内の設備(例えば、施設内に設置されたディスプレイやスピーカ等)を用いて通知を行ってよい。或いは、通知部190は、対象に紐付いたユーザが保有する端末(例えば、スマートフォン等)に対して通知を行ってもよい。
(動作の流れ)
次に、図20を参照しながら、第12実施形態に係る情報処理システム10による動作の流れについて説明する。図20は、第12実施形態に係る情報処理システムによる動作の流れを示すフローチャートである。なお、図20では、図18で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
図20に示すように、第12実施形態に係る情報処理システム10が動作する際には、まず体調不良者検知部170が、施設内における体調不良者を検知する(ステップS1101)。なお、体調不良者が検知されない場合(ステップS1101:NO)、以降の処理は省略され、一連の動作は終了することになる。
一方、体調不良者が検知された場合(ステップS1101:YES)、体調不良者検知部170は、体調不良者の位置を特定する(ステップS1102)。そして、通知部190が、体調不良者が認証済みであるか否か(即ち、第1生体情報及び第2生体情報を用いた認証処理が成功した対象であるか否か)を判定する(ステップS1201)。
体調不良者が認証済みである場合(ステップS1201:YES)、通知部190は、体調不良者に紐づくユーザに通知を行う(ステップS1202)。一方で、体調不良者が認証済みでない場合(ステップS1201:NO)、以降の処理は省略され、一連の動作は終了する。
(変形例)
次に、図21を参照しながら、第12実施形態に係る情報処理システム10による動作の流れの変形例について説明する。図21は、第12実施形態に係る情報処理システムによる動作の流れの変形例を示すフローチャートである。なお、図21では、図18及び図20で示した処理と同様の処理に同一の符号を付している。
図21に示すように、第12実施形態に係る情報処理システム10の変形例では、まず体調不良者検知部170が、施設内における体調不良者を検知する(ステップS1101)。なお、体調不良者が検知されない場合(ステップS1101:NO)、以降の処理は省略され、一連の動作は終了することになる。
一方、体調不良者が検知された場合(ステップS1101:YES)、体調不良者検知部170は、体調不良者の位置を特定する(ステップS1102)。ここで特に、変形例に係る情報処理システム10は、上述した第11実施形態で説明した呼出制御部180(図17参照)を備えており、体調不良者の位置に対応するフロアに、救命道具を備えるエレベータを呼び出す(ステップS1103)。
続いて、通知部190が、体調不良者が認証済みであるか否かを判定する(ステップS1201)。そして、体調不良者が認証済みである場合(ステップS1201:YES)、通知部190は、体調不良者に紐づくユーザに通知を行う(ステップS1202)。一方で、体調不良者が認証済みでない場合(ステップS1201:NO)、以降の処理は省略され、一連の動作は終了する。
(技術的効果)
次に、第12実施形態に係る情報処理システム10によって得られる技術的効果について説明する。
図19から図21で説明したように、第12実施形態に係る情報処理システム10では、体調不良者が認証済みの対象である場合(言い換えれば、対象として特定されている場合)、対象に紐づくユーザに通知が行われる。このようにすれば、体調不良者の存在を他のユーザに素早く知らせることが可能となり、体調不良者の救護等を適切に行うことができる。
<第13実施形態>
第13実施形態に係る情報処理システム10について、図22から図25を参照して説明する。なお、第13実施形態は、上述した第1から第12実施形態の具体的な運用例(表示例)を示すものであり、その構成や動作等については第1から第12実施形態と同一であってよい。このため、以下では、すでに説明した各実施形態と異なる部分について詳細に説明し、その他の重複する部分については適宜説明を省略するものとする。
(対象の登録)
まず、図22を参照しながら、対象を登録する際の表示例及び動作について説明する。図22は、対象を登録する際の表示画面の一例を示す平面図である。以下では、第1生体情報が顔に関する情報、第2生体情報が虹彩に関する情報であるとして説明を進める。
認証処理における登録ユーザは適宜追加可能とされてよい。登録ユーザを追加する場合には、第1生体情報(顔情報)を登録するために顔画像を撮像し、第2生体情報(虹彩情報)を登録するために虹彩情報を撮像すればよい。また、虹彩画像の撮像が難しい場合(例えば、虹彩画像を撮像するカメラが手元にない場合)には、一旦顔画像のみを撮像して顔情報を登録し、後日虹彩画像を撮像して虹彩情報を登録するようにしてもよい。
図22に示すように、登録ユーザとその登録状況は、例えばスマートフォンにおいて確認、編集可能とされてよい。図22に示す画像からは、日男、本子、電太については、顔情報及び虹彩情報の両方が登録されていることが確認できる。一方で、新規に登録しようとしているユーザについては、顔情報のみが登録されており、虹彩情報が登録されていないことが確認できる。なお、これらのユーザの名前は適宜編集可能とされてよい。
(登録情報の更新)
次に、図23を参照しながら、登録情報を更新する際の表示例及び動作について説明する。図23は、対象の登録情報を更新する際の表示画面の一例を示す平面図である。
登録された顔情報及び虹彩情報は、新しいものに更新可能とされてよい。例えば、乳幼児は一定期間で顔がかなり変化するため、顔情報を登録してから所定期間経過後に、登録情報の更新を促すアラートが届くようにしてもよい。また、対象の年齢も併せて記憶しておき、年齢に応じて更新頻度を変更するようにしてもよい。例えば、年齢が高くなるほど、更新頻度が少なくなるようにしてもよい。
図23に示すように、登録情報を更新する場合には、例えばスマートフォンに表示される更新画面で、更新したいユーザに対応する更新ボタンを押し、更新するための画像を撮像すればよい。画像の撮像は、スマートフォン等に内蔵されたカメラで行ってもよいし、専用の登録端末等で行ってもよい。登録端末で更新を行う場合には、ユーザを特定するための情報(例えば、マンションの場合は部屋番号等)を入力させるようにしてもよい
(在宅状況に応じた動作)
次に、図24及び図25を参照しながら、在宅状況に応じた動作例について説明する。図24は、登録された対象の不在時間を示す表示画面の一例を示す平面図である。図25は、登録された対象の在宅状況を示す表示画面の一例を示す平面図である。
図24に示すように、登録ユーザの不在時間を予め入力しておき、不在時間に来客があった場合には、登録ユーザの端末等に通知を行うようにしてもよい。また、なりすましを検知した場合には、なりすましがあった旨を通知するようにしてもよい。
図25に示すように、認証処理の結果に基づき在宅状況を変更するようにしてもよい。例えば、マンションのエントランスで認証処理が成功した場合には、その登録ユーザの在宅状況を「在宅」に変更してよい。また、自宅の玄関を出る際等に認証処理が成功した場合には、その登録ユーザの在宅状況を「不在」に変更してよい。
<その他の所定処理>
上述した各実施形態では、情報処理システム10が実行する所定処理について複数の例を挙げたが、所定処理はこれらの例に限定されるものではなく、その他の処理を含んでいてよい。
例えば、部屋を出る際に認証処理を実行する場合、所定処理は部屋の鍵をかける処理であってよい。また、対象が部屋を出たことを、対象の関係者に通知する処理であってもよい。或いは、コンシェルジュサービスのあるマンションでは、部屋を出た対象がコンシェルジュに立ち寄ることを、コンシェルジュスタッフに対して通知する処理であってもよい。また、部屋前に設置されているバトラーボックスに入っている荷物の発送を、コンシェルジュに依頼する処理であってもよい。また、対象宛に届いている荷物がある場合には、その旨を通知する処理であってもよい。
その他、所定処理は、施設内にある共有施設(例えば、フィットネスルーム、バーラウンジ、パーティールーム、コワーキングスペース等)に関連する処理であってもよい。例えば、所定処理は、共有施設の予約をする処理であってもよい。また、共有施設の利用費や、共有施設内での購入費用を対象に紐づく決済方法で決済可能とする処理であってもよい。また、ゴミの運搬(例えば、所定のゴミ捨て場までの運搬)をロボット等に指示する処理であってもよい。
上述した各実施形態の機能を実現するように該実施形態の構成を動作させるプログラムを記録媒体に記録させ、該記録媒体に記録されたプログラムをコードとして読み出し、コンピュータにおいて実行する処理方法も各実施形態の範疇に含まれる。すなわち、コンピュータ読取可能な記録媒体も各実施形態の範囲に含まれる。また、上述のプログラムが記録された記録媒体はもちろん、そのプログラム自体も各実施形態に含まれる。
記録媒体としては例えばフロッピー(登録商標)ディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM、磁気テープ、不揮発性メモリカード、ROMを用いることができる。また該記録媒体に記録されたプログラム単体で処理を実行しているものに限らず、他のソフトウェア、拡張ボードの機能と共同して、OS上で動作して処理を実行するものも各実施形態の範疇に含まれる。更に、プログラム自体がサーバに記憶され、ユーザ端末にサーバからプログラムの一部または全てをダウンロード可能なようにしてもよい。
なお、上述した各実施形態の構成やフローは、それぞれ組み合わせることが可能である。その際、3つ以上の実施形態を組み合わせてもよい。
<付記>
以上説明した実施形態に関して、更に以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
付記1に記載の情報処理システムは、撮像する対象の位置に応じて、同一の回転軸を有する第1のカメラ及び第2のカメラを回転軸上で回転させる回転制御手段と、前記第1のカメラで撮像した画像から第1生体情報を取得し、前記第2のカメラで撮像した画像から第2生体情報を取得する取得手段と、前記第1生体情報及び前記第2生体情報を用いた認証処理を行う認証手段と、前記認証処理が成功した場合に、前記対象が利用する施設における所定処理を実行する実行手段と、を備える情報処理システムである。
(付記2)
付記2に記載の情報処理システムは、前記所定処理は、前記施設に対する入場を許可する処理を含んでおり、前記実行手段は、第1の対象の前記第1生体情報及び前記第2生体情報の両方を用いた前記認証処理が成功しており、且つ、前記第1の対象とは異なる第2の対象の前記第1生体情報及び前記第2生体情報の少なくとも一方を用いた前記認証処理が成功していることを条件に、前記第1の対象及び前記第2の対象の前記施設への入場を許可する、付記1に記載の情報処理システムである。
(付記3)
付記3に記載の情報処理システムは、前記第1のカメラ及び前記第2のカメラは、前記施設内のユーザの操作に応じて回転軸上で回転可能とされている、付記1又は2に記載の情報処理システムである。
(付記4)
付記4に記載の情報処理システムは、前記所定処理は、前記認証処理が成功した前記対象が位置するフロアにエレベータを呼び出す処理を含んでいる、付記1から3のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
(付記5)
付記5に記載の情報処理システムは、前記所定処理は、前記認証処理が成功した前記対象が利用する車両を、所定の位置に呼び出す処理を含んでいる、付記1から4のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
(付記6)
付記6に記載の情報処理システムは、前記所定処理は、前記認証処理が成功した前記対象に対して、前記施設内で他者とすれ違わずに進行可能なルートを案内する処理を含んでいる、付記1から5のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
(付記7)
付記7に記載の情報処理システムは、前記対象が前記認証処理の成功から所定時間内に所定箇所に到達しない場合に、警告を出力する警告手段を更に備える、付記1から6のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
(付記8)
付記8に記載の情報処理システムは、前記所定処理は、前記認証処理が成功した前記対象による所定サービスの依頼を可能とすると共に、前記認証処理が成功した位置を示す情報及び前記対象に関する情報を前記所定サービスの依頼先に送付するものであり、前記対象が前記所定サービスを依頼した場合の費用は、前記対象に紐づく決済方法で決済される、付記1から7のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
(付記9)
付記9に記載の情報処理システムは、前記所定処理は、前記認証処理が成功した前記対象による決済処理を可能とするものであり、前記対象による決済処理にかかる費用は、前記対象が前記決済処理を行うことを許可している許可者に紐づく決済方法で決済される、付記1から8のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
(付記10)
付記10に記載の情報処理システムは、前記所定処理は、前記認証処理が成功した前記対象が利用する前記施設内の部屋を特定する処理と、前記特定した部屋まで前記対象の荷物を運搬する作業を指示する処理と、を含んでいる、付記1から9のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
(付記11)
付記11に記載の情報処理システムは、前記施設内における体調不良のユーザを検知する検知手段と、前記検知したユーザの位置に対応するフロアに、救命道具を備えるエレベータを呼び出す呼出制御手段と、を更に備える付記1から10のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
(付記12)
付記12に記載の情報処理システムは、前記施設内における体調不良のユーザを検知する検知手段と、前記体調不良のユーザが、前記認証処理が成功した前記対象である場合に、前記対象に紐づいた他のユーザに通知を行う通知手段と、を更に備える付記1から11のいずれか一項に記載の情報処理システムである。
(付記13)
付記13に記載の情報処理装置は、撮像する対象の位置に応じて、同一の回転軸を有する第1のカメラ及び第2のカメラを回転軸上で回転させる回転制御手段と、前記第1のカメラで撮像した画像から第1生体情報を取得し、前記第2のカメラで撮像した画像から第2生体情報を取得する取得手段と、前記第1生体情報及び前記第2生体情報を用いた認証処理を行う認証手段と、前記認証処理が成功した場合に、前記対象が利用する施設における所定処理を実行する実行手段と、を備える情報処理装置である。
(付記14)
付記14に記載の情報処理方法は、少なくとも1つのコンピュータが実行する情報処理方法であって、撮像する対象の位置に応じて、同一の回転軸を有する第1のカメラ及び第2のカメラを回転軸上で回転させ、前記第1のカメラで撮像した画像から第1生体情報を取得し、前記第2のカメラで撮像した画像から第2生体情報を取得し、前記第1生体情報及び前記第2生体情報を用いた認証処理を行い、前記認証処理が成功した場合に、前記対象が利用する施設における所定処理を実行する、情報処理方法である。
(付記15)
付記15に記載の記録媒体は、少なくとも1つのコンピュータに、撮像する対象の位置に応じて、同一の回転軸を有する第1のカメラ及び第2のカメラを回転軸上で回転させ、前記第1のカメラで撮像した画像から第1生体情報を取得し、前記第2のカメラで撮像した画像から第2生体情報を取得し、前記第1生体情報及び前記第2生体情報を用いた認証処理を行い、前記認証処理が成功した場合に、前記対象が利用する施設における所定処理を実行する、情報処理方法を実行させるコンピュータプログラムが記録された記録媒体である。
(付記16)
付記16に記載のコンピュータプログラムは、少なくとも1つのコンピュータに、撮像する対象の位置に応じて、同一の回転軸を有する第1のカメラ及び第2のカメラを回転軸上で回転させ、前記第1のカメラで撮像した画像から第1生体情報を取得し、前記第2のカメラで撮像した画像から第2生体情報を取得し、前記第1生体情報及び前記第2生体情報を用いた認証処理を行い、前記認証処理が成功した場合に、前記対象が利用する施設における所定処理を実行する、情報処理方法を実行させるコンピュータプログラムである。
この開示は、請求の範囲及び明細書全体から読み取ることのできる発明の要旨又は思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う情報処理システム、情報処理装置、情報処理方法、及び記録媒体もまたこの開示の技術思想に含まれる。