以下、本開示に係る加熱調理器及び加熱調理システムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施の形態によって本開示が限定されるものではない。また、図1を含め、以下の図面では各構成部材の大きさの関係が実際のものとは異なる場合がある。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語を適宜用いるが、これは説明のためのものであって、これらの用語は本開示を限定するものではない。方向を表す用語としては、例えば、「上」、「下」、「右」、「左」、「前」又は「後」等が挙げられる。なお、加熱調理器は、複数種類の加熱手段を有する複合加熱調理器を含む。
実施の形態1.
本実施の形態1において、「第1の加熱手段」HM1とは、後述するトッププレート3上にある被加熱物を加熱するための加熱源である。第1の加熱手段HM1として代表的には誘導加熱コイルがある。誘導加熱コイル(IHコイル)の代表的なものとして、0.1mm~0.3mm程度の細い銅線又はアルミ線を30本程度束にして、この束を複数本撚りながら渦巻状に巻いて構成したものがある。また、誘導加熱コイルとして、0.05mm程度のものを1000本~1500本程度巻いて構成したものもある。また、誘導加熱コイルとして、平板状の導電材料で、環状に形成した環状導電体で構成する提案もある。これらのいずれの形態も、誘導加熱源9の主要部となる「IHコイル」に相当する。
本実施の形態1において、「第2の加熱手段」HM2とは、後述する加熱室6の内部に収容した被加熱物を加熱するための加熱源をいう。第2の加熱手段HM2は、高温の蒸気、例えば過加熱蒸気等を供給する蒸気発生器、即ち、ボイラーでも良い。本実施の形態1では、マイクロ波加熱源にはマグネトロンが使用されているが、マイクロ波発振器等、マイクロ波発振原理又は方式に制限はない。また、加熱調理器1は、加熱源を複数個備えても良い。
本実施の形態1において「第3の加熱手段」HM3とは、第2の加熱手段HM2との差異を示すために「第3」と称しているが、優劣関係を意味していない。また、本実施の形態1では、輻射式電熱源、例えばシーズヒーター、マイカヒーター、カーボンヒーター、セラミックヒーター、赤外線ヒーター又はラジアントヒータ等を用いた加熱源を使用しているが、他の形態又は方式で発熱する加熱源を使用してもよい。第3の加熱手段HM3は、1つの加熱室6において加熱調理ができるものをいう。
電気ヒーター等から構成した加熱源及びガス燃焼器(バーナー)のように、異なる加熱原理を有する複数の加熱源を併用する形態でも良い。また、加熱室6を加熱する加熱源として、誘導加熱源9を使用しても良い。また、加熱源は、高温の蒸気、例えば過加熱蒸気等を供給する蒸気発生器、即ちボイラーでも良い。更に、第3の加熱手段HM3は、加熱室6の壁面を、外側から加熱する加熱源でもよいし、加熱室6の内部空間に設置し、当該内部空間の雰囲気を高温にする加熱源でも良い。また、誘導加熱方式で高温になる発熱部材を加熱室6に配置し、この発熱部材で加熱室6の壁面を外側から加熱したり、又は加熱室6内部の空気を加熱したりする形態であっても良い。
図1は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理システム1aを示す模式図である。加熱調理システム1aは、加熱調理器1と、加熱調理器1との間で無線通信を行う機能を有するスマートフォン等の外部機器200と、デバイス制御部100とを備えている。デバイス制御部100は、クラウドサーバ300からの通信や情報の管理やユーザから入力された音声をクラウドサーバ300へ通知するためのデータ変換などを行っている。また、外部機器200にはユーザの音声を入力するための音声入力部211(図示せず)と音声を出力するための音声出力部212(図示せず)を備えている。なお、外部機器200は、例えば情報処理端末器であり、スマートフォン以外に、通信機能付きタブレット端末器又はスマートスピーカ等でも良い。
外部機器200とレシピ情報提供サーバ301とは、インターネット回線等のネットワーク202で接続される。ここで、レシピ情報提供サーバ301には、レシピ提供サイトが含まれる。なお、レシピ提供サイトには、レシピデータベース302が含まれる。また、レシピ情報提供サーバ301と加熱調理器1とは、インターネット回線等のネットワーク203で接続される。なお、外部機器200と、クラウドサーバ300との間には、無線ルータ(図示せず)を介在させても良い。同様に、加熱調理器1とクラウドサーバ300との間には、無線ルーター(図示せず)を介在させても良い。レシピ情報提供サーバ301には加熱調理器1の加熱設定データも含まれており、後述する、外部機器200から加熱調理器1へ設定可能な加熱条件などが記録されている。設定可能な加熱条件は図13の加熱メニューと設定条件一覧のようなデータなどである。
加熱調理システム1aは、外部機器200においてユーザが作成したレシピに対応した調理条件データCD3を、レシピ情報提供サーバ301に送信して、レシピデータベース302に一旦格納させ、加熱調理器1向けに提供することができる。即ち、加熱調理器1が設置された家屋から遠く離れた外出先等の場所に外部機器200が存在している場合、外部機器200の調理条件データCD3を、レシピ情報提供サーバ301に保存しておくことができるため、利便性が高い。
加熱調理器1は、レシピ情報提供サーバ301との間のネットワーク203を通じて、レシピ情報提供サーバ301に蓄積されている特定のレシピに対応した調理条件データCD4をダウンロードする。
ユーザは、初期設定として加熱調理器1の機種名等といった識別情報を登録する操作を行う。この登録によって、ユーザは、各加熱手段HM1~HM3の加熱能力等といった加熱調理器1の仕様に対応した調理条件データを、レシピ情報提供サーバ301から取得することができる。クラウドサーバ300には、ネットワーク203を用いた通信の制御や加熱調理器1や外部機器200がレシピ情報提供サーバ301にアクセスする際の管理などを行うクラウド制御部303がある。
図2は、本開示の実施の形態1に係るキッチン家具600を示す斜視図であり、図3は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器1を示す側面図である。図2及び図3に示すように、加熱調理器1は、加熱部HMとして、第1の加熱手段HM1と、第2の加熱手段HM2と、第3の加熱手段HM3とを有している。第1の加熱手段HM1は、加熱調理器1の上面を覆うトッププレート3の下方に配置されたものである。第2の加熱手段HM2は、加熱調理器1の内部に形成された加熱室6内部にマイクロ波を供給するものである。第3の加熱手段HM3は、加熱室6の内部又は外部にあって、加熱室6の内部空間の温度を上げて加熱するものである。
加熱調理器1は、上部に調理台を備えたキッチン家具600、即ち厨房家具に組み込まれて使用されるビルトイン型である組込み型のIHクッキングヒータである。加熱調理器1は、本体2と、本体2の上に設置されたトッププレート3とを有する。トッププレート3は、キッチン家具600の天面を構成するキッチン天板の上に露出している。トッププレート3は、例えば、耐熱性のガラス板と、ガラス板の周囲に取り付けられた金属の枠体とによって構成される。トッププレート3の上面には、左加熱口4Lと、右加熱口4Rと、中央加熱口4Cとの3つの加熱口4が設けられている。
左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cとは、鍋又はフライパン等の金属製調理容器が載置される領域を示すものである。金属製調理容器は、第1の加熱手段HM1に関する「被加熱物」ともいう。左加熱口4Lと右加熱口4Rと中央加熱口4Cとには、それぞれに被加熱物を載置するための目安となる案内マーク(図示せず)が、トッププレート3の上面に印刷で描かれている。
トッププレート3の奥側である後方側には、排気口カバー5が設けられている。排気口カバー5は、小さな貫通孔を無数に形成したパンチングメタル又は格子状の金属部材で構成されていて、全体に亘って通気性があり、通気抵抗が少ない。加熱調理器1の内部から放出される排気は、排気口カバー5を通過して加熱調理器1の外へ出る。加熱調理器1の本体2の前面には、本体2の内部に配置される加熱室6の前面を開閉するドア7である加熱扉が設けられている。ドア7には、開閉するための取っ手8が設けられている。
図3に示すように、左加熱口4Lの下方には、左誘導加熱手段としての誘導加熱コイル(以下、「左IHコイル9L」という)が設けられている。同様に、右加熱口4Rの下方には、右誘導加熱手段としての誘導加熱コイル(以下、「右IHコイル9R」という)が、また、中央加熱口4Cの下方には、中央誘導加熱手段としての誘導加熱コイル(以下、「中央IHコイル9C」という)が、設けられている。左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9Cは、例えば銅線又はアルミ線等の細い導線を巻回してなる円形の加熱コイルであり、高周波電流が供給されることで高周波磁界を発生する。これにより、左加熱口4L、右加熱口4R及び中央加熱口4C上に配置された調理容器である被加熱物が誘導加熱される。
左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9Cと、これを駆動するインバーター回路等の高周波電源供給回路である駆動回路(図示せず)とを含めた加熱手段を、誘導加熱源9又は第1の加熱手段HM1と呼ぶ場合がある。以下の説明では、特に矛盾が起こらない限り、第1の加熱手段HM1を使用する。左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9Cの近傍にはトッププレート3又は被加熱物の温度を検知するために、複数個の温度センサーからなる温度センサー群30(図8参照)が搭載されている。1つの温度センサー(図示せず)は、温度センサー群30の中の1つのセンサーを構成している。
本体2の内部であって、左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9Cの下方には、加熱室6が設けられている。加熱室6は、周囲がステンレス等の金属壁で構成されており、加熱室6内に収容される被調理物である食品及び食材等を加熱するための空間である。被調理物は、耐熱性プラスチック容器の中に入れられて加熱室6に置かれたり、磁器製の皿又は耐熱ガラス製の皿に載せられたりする。この場合、皿又は容器を「被加熱容器」と呼ぶ場合がある。なお、容器は左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9Cでは誘導加熱されないので、仮にトッププレート3の加熱口4に置かれても、左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9Cの「被加熱物」とは呼ばない。
加熱室6の前面には、被調理物を出し入れするための開口が形成されている。加熱室6の前面にある開口は、ドア7により開閉自在に覆われている。ドア7は、本体2によってヒンジ(図示せず)及びアーム(図示せず)を介して回動自在に支持されている。これにより、ドア7は、下端部を支点、即ち回動中心として前方に水平位置まで開く構成となっている。なお、ドア7は、スライドレール(図示せず)によって、被加熱容器を下方から支持する支持部材(図示せず)と一体的に前方へ引き出されてもよい。支持部材は、例えば棚等の構造物をいう。
ドア7には、ドア7の開閉を検知するための開閉検知部10が設けられている。開閉検知部10は、例えばマイクロスイッチ又は赤外線センサーである。加熱室6の後方には、加熱室6内に収容される被調理物を加熱するマイクロ波発振器11が設けられている。マイクロ波発振器11は、例えばマグネトロンから構成されており、加熱室6内にマイクロ波を照射することで、加熱室6の中に置かれた被調理物を加熱するレンジ加熱を行う。マイクロ波発振器11と、これを駆動するインバーター回路等の高周波電源供給回路である駆動回路(図示せず)とを含めた加熱手段は、第2の加熱手段HM2と呼ぶ場合がある。
また、加熱室6には、被調理物を上下からヒーター加熱する上側輻射熱加熱手段12a、及び、下側輻射熱加熱手段12bが設けられている。なお、上側輻射熱加熱手段12aは、加熱室6の外側又は内側の天井壁面に配置されており、また、下側輻射熱加熱手段12bは加熱室6の内側又は外側壁面に配置されており、共に、シーズヒーターである。他の種類の輻射熱加熱手段として、例えば、マイカヒーター又はカーボンヒーター等が加熱室6の外側に設置されても良い。図3では、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bとが、いずれも加熱室6の外側壁面に密着するように設置した例を示している。
上側輻射熱加熱手段12aと、下側輻射熱加熱手段12bと、これらを駆動するインバーター回路等の高周波電源供給回路である駆動回路(図示せず)とを含めた加熱手段を、第3の加熱手段HM3と呼ぶ場合がある。なお、上側輻射熱加熱手段12aと下側輻射熱加熱手段12bとを総称して「輻射熱加熱手段」と呼ぶ場合があり、その場合の符号は12を使用する。
また、加熱室6には、加熱室6内の被調理物の温度を非接触で検知するため、非接触式温度センサーである赤外線センサー13が設けられている。赤外線センサー13によって検知される温度範囲は、例えば-20℃~100℃に設定される。これにより、被調理物の加熱度合を、例えば1℃刻みで精度良く、リアルタイムで検出することができる。赤外線センサー13も、温度センサー群30(図8参照)の中の1つのセンサーを構成している。
加熱室6には、加熱室6内部の雰囲気温度又は加熱室6の壁面温度を検知する室内温度センサーである接触式温度センサー、例えば、サーミスタセンサー14も設けられている。サーミスタセンサー14は、温度の変化を電気抵抗の変化で捉えて温度を検知するという特性から、検知することができる温度の上限値は、250℃程度である。サーミスタセンサー14も、温度センサー群30(図8参照)の中の1つのセンサーを構成している。なお、サーミスタセンサー14は、図3に示すように、加熱室6の底面近傍と天井面近傍との2個所に設置されてもよい。
図4は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器1を示す上面図である。図4に示すように、加熱調理器1のトッププレート3の上面の手前側には、左操作部15L、中央操作部15M及び右操作部15Rが設けられている。これらを総称して「操作部」又は「入力操作部」と呼ぶ場合があり、その場合の符号は15を用いる。左操作部15L、中央操作部15M及び右操作部15Rの奥側である後方側には、左火力表示部17L、中央表示部16M及び右火力表示部17Rと、左表示部16L及び右表示部16Rと、中央加熱状況表示部31Mとが設けられている。
左表示部16L、中央表示部16M及び右表示部16Rの3つを総称して「表示部」と呼ぶ場合があり、その場合は、符号は16を用いる。なお、中央表示部16Mは、横方向に長い液晶表示画面を有している。左火力表示部17Lと右火力表示部17Rとは、発光素子(LED等)によって火力レベルを表示するものであり、表示画面は備えていない。左火力表示部17L、右火力表示部17Rおよび中央加熱状況表示部31Mの3つを総称して「火力表示部」と呼ぶ場合があり、その場合は、符号は17を用いる。
また、右操作部15Rに隣接して、主電源スイッチ20の操作用ボタン(キー)20Aが設けられている。主電源スイッチ20は、加熱調理器1の主電源をON又はOFFする。そのON-OFFの際に押下げされるボタン(キー)が操作用ボタン20Aである。加熱調理器1の主電源がOFFの状態で、操作用ボタン20Aが例えば数秒間押されることにより、主電源がONとなる。また、加熱調理器1の主電源がONの状態で、操作用ボタン20Aが例えば数秒間押されることにより、主電源がOFFとなる。
中央表示部16Mは、加熱調理器1全体の情報及び警報を表示するものであり、液晶ディスプレイにより構成される。中央表示部16Mの表示画面には、誘導加熱手段(第1の加熱手段)HM1、マイクロ波加熱手段(第2の加熱手段)HM2又は輻射熱加熱手段(第3の加熱手段)HM3の選択結果が表示される。更に、中央表示部16Mの表示画面には、各加熱手段の動作状態、各加熱手段による加熱調理に対する注意情報、又は警告情報が表示される。中央表示部16Mは、ハードウエア上は1枚の液晶ディスプレイであるが、左側の第1表示エリア22、左右中央の第2表示エリア23および右側の第3表示エリア24の3つの表示エリアを有し、表示エリア毎に異なる表示を行うこともできる(図5参照)。
また、3つの表示エリア22~24は、表示の場面に応じて適宜連携して1つの広い面積の表示エリアになり、1つの目的の表示を行う場合もある。なお、以下では、第1表示エリア22を第1エリア22、第2表示エリア23を第2エリア23、および第3表示エリア24を第3エリア24と略称する場合がある。中央操作部15Mは、主に加熱室6における加熱調理と中央加熱口4Cによる加熱調理に関する操作を入力するものである。図5に示すように、中央操作部15Mは、9個の入力キー151M、152M、153M、154M、155M、156M、157M、158M、159Mを備える。9個の入力キー151M~159Mは、静電容量方式のタッチ式キーである。また、これら入力キー151M~159Mの近傍には、それぞれ個別発光部21Mが設けられている。機能設定に用いられる入力キー159Mは、加熱調理器1全体の各種動作及び表示等を、ユーザの希望通りに設定できるようにするためのものである。
機能設定する入力キー159Mが押下されると、後述する加熱調理器制御部40は「機能モード」に切り替わり、中央表示部16Mの表示画面に以下のような「機能設定メニュー」を表示する。
(1)チャイルドロック設定(各種入力キーの操作無効化設定)。
(2)換気扇連動モード設定。
(3)お掃除ガイド設定(加熱室6及び排気口カバー5の清掃時期自動報知機能設定)。
(4)ピークカット設定(最大消費電力を、5700W、5000W、4800W及び4000Wの4段階から1つ選択)。
(5)音声ガイドの音声設定。
(6)音声ガイドの音量設定。
(7)加熱室6からの被調理物、調理器具等の出し忘れを防止する設定(音声報知部50及び中央表示部16Mでの警報の要否)。
(8)HEMS登録設定(家庭用電力制御装置による電力使用制限機能に関する設定)。
以上のような設定について、中央操作部15Mを操作することによって各種設定を変更することができる。
図5は、本開示の実施の形態1に係る中央操作部15Mを示す模式図である。図5に示すように、入力操作部15の中央操作部15Mには、個別発光部21Mと入力キー群で構成されている。個別発光部21Mは、それぞれの入力キーの入力機能が有効である場合に発光し、入力機能が無効になるまでの期間中、発光を継続する。中央操作部15Mにおいて、入力キー153Mの左に隣接した位置には、機能設定用の入力キー157Mが配置されている。本実施の形態1では、ユーザが指先等で押す操作(軽く接触する程度を含む)によって、加熱調理器1の制御を行う入力形態を「タッチ入力モード」TMと呼ぶ。このため、後述する各種入力キー151M~159M、151R~155R、151L~155Lは、「タッチ入力モード選択部」TMCと呼ぶ場合がある。なお、静電容量変化を利用したタッチ入力キーだけでなく、押しボタン式の機械的スイッチを用いた入力キーも、タッチ入力モード選択部TMCの1種である。
図6は、本開示の実施の形態1に係る左表示部16L、左火力表示部17L及び左操作部15Lを示す模式図である。図6に示すように、左表示部16Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理に関する情報を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイで構成される。左表示部16Lは、左加熱口4L上に載置された被加熱物に対するタイマー調理の設定時間、左加熱口4Lでの加熱動作を開始してからの経過時間、又はタイマー設定時間が終了するまでの残時間等を表示する。
左表示部16Lは、左加熱口4Lにおける予熱調理が選択された場合には、自動的に設定された温度であるデフォルト温度、又は現在の温度等を表示する。自動的に設定された温度であるデフォルト温度とは、左加熱口4Lにおいて被加熱物、例えば、金属製鍋を加熱したときにおける被加熱物の底面の目標の温度をいう。デフォルト温度は、ユーザによって一定の範囲内で任意に変更することができる。左火力表示部17Lは、横一直線上に配置した複数の発光素子であるLEDから構成され、左加熱口4Lの火力を複数段階に表示するものである。左火力表示部17Lは、複数のLEDの点灯状態、例えば点灯、消灯、又は点滅を切り替えたり、点灯色を切り替えたりすることにより、火力を表現する。これにより、ユーザに直感的で分かりやすい火力の報知を行うことができる。
左操作部15Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理に関する操作を入力するものである。図6に示すように、左操作部15Lは、5つの入力キー151L、152L、153L、154L及び155Lを備える。入力キー151L、152L、153L、154L及び155Lは、例えばユーザが指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力することができる静電容量方式のタッチセンサであるタッチ式スイッチである。入力キー151L、152L、153L、154L及び155Lに対応して、個別発光部21Lが設けられる。個別発光部21Lは、複数の発光素子であるLEDで構成され、入力キー151L、152L、153L、154L及び155Lの操作に応じて発光する。なお、隣接している2つの入力キー154Lと155Lとは、火力の増減という同じ種類の機能を発揮するため、1つの個別発光部21Lを共用している。
入力キー151Lは、左加熱口4Lにおけるタイマー調理を選択する際に押下げられるキーである。タイマー調理は、ユーザが調理時間を設定し、設定された時間の間だけ加熱動作を行う調理方法である。入力キー152Lは、左加熱口4Lで実施する制御メニューを選択する際に押下げられるキーである。入力キー152Lが押される毎に、複数の制御メニューの中から1つを選択することができる。ここでいう「制御メニュー」とは、例えば、湯沸し、煮込み及び揚げ物(自動調理)である。制御メニュー毎に、左加熱口4Lの駆動時間、火力又は駆動パターン等が異なる。
左加熱口4Lと右加熱口4Rとを、左操作部15L又は右操作部15Rを操作し、中央操作部15Mを操作しない状態で使用する制御メニューは、全て誘導加熱で行う「単独調理モード」KM1の制御メニューである。「単独調理モード」KM1については後述する。入力キー153Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理を開始又は停止するために押下げられるキーである。即ち、入力キー153Lが押されることにより、左加熱口4Lの下方に配置されている左IHコイル9Lが駆動される。左IHコイル9Lが駆動されている状態で、再度入力キー153Lが押されると、左IHコイル9Lの駆動が停止され、誘導加熱動作が即時停止される。
入力キー154L及び155Lは、左加熱口4Lにおける加熱調理時の火力を指定する際に押下げられるキーである。左側にある入力キー154Lを押すことで、1段階ずつ火力が下げられる。逆に、右側にある入力キー155Lを押すことで、1段階ずつ火力が上げられる。なお、左加熱口4Lにおける誘導加熱調理時の火力は、定格最小火力(火力レベル1:150W)~定格最大火力(火力レベル9:3200W)まで、9段階になっている。
図7は、本開示の実施の形態1に係る右表示部16R、右火力表示部17R及び右操作部15Rを示す模式図である。図7に示すように、右表示部16Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理に関する情報を表示するものであり、例えば液晶ディスプレイで構成される。右表示部16Rに表示される右加熱口4Rにおける加熱調理に関する情報は、左加熱口4Lにおける加熱調理に関する情報と同じである。右火力表示部17Rは、複数の発光素子であるLEDから構成され、右加熱口4Rの火力を複数段階に表示するものである。右火力表示部17Rは、左火力表示部17Lと同様に複数の発光素子であるLEDの点灯状態、例えば点灯、消灯又は点滅を切り替えたり、点灯色を切り替えたりすることにより、火力を表現する。
右操作部15Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理に関する操作を入力するものである。図7に示すように、右操作部15Rは、5つの入力キー151R、152R、153R、154R及び155Rを備える。入力キー151R、152R、153R、154R及び155Rは、例えばユーザが指等で軽く触れた時の静電容量の変化を利用して入力することができる静電容量方式のタッチ式キーである。入力キー151R、152R、153R、154R及び155Rに対応して、個別発光部21Rがそれぞれ設けられる。個別発光部21Rは発光素子であるLEDであり、入力キー151R、152R、153R、154R及び155Rの操作に応じて、入力キーにそれぞれ対応した個別発光部21Rが、発光する。但し、隣接している2つの入力キー154R及び155Rは、火力の増減という同じ種類の機能を発揮するため、1つの個別発光部21Rを共用している。
入力キー151Rは、右加熱口4Rにおけるタイマー調理を選択する際に押下げられるキーである。入力キー152Rは、右加熱口4Rで実施する制御メニューを選択する際に押下げられるキーである。入力キー153Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理を開始又は停止するために押下げられるキーである。入力キー154R及び155Rは、右加熱口4Rにおける加熱調理時の火力を指定する際に押下げられるキーである。左側の入力キー154Rを押すことで、1段階ずつ火力が下げられる。逆に、右側の入力キー155Rを押すことで、1段階ずつ火力が上げられる。なお、右加熱口4Rにおける誘導加熱調理時の火力は、定格最小火力(火力レベル1)150W~定格最大火力(火力レベル9)3200Wまで、9段階になっている。
図8は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理器制御部40を示す機能ブロック図である。図8に示すように、加熱調理器1は、加熱調理器1の全体を統合制御する加熱調理器制御部40を備える。
加熱調理器制御部40は、加熱調理器1を構成する各部の動作を制御する制御回路等の電子部品が実装された電子回路基板である。加熱調理器制御部40は、左操作部15L、右操作部15Rの操作、及びトッププレート3上の被加熱物の温度に基づき、左IHコイル9L、右IHコイル9R及び中央IHコイル9C(図示せず)の駆動を制御する。加熱調理器制御部40は、中央操作部15Mの操作、トッププレート3上の被加熱物の温度、赤外線センサー13の検出結果、及びサーミスタセンサー14の検出結果に基づいて、以下の駆動を制御する。例えば、中央IHコイル9C、マイクロ波発振器11、上側輻射熱加熱手段12a及び下側輻射熱加熱手段12bの駆動である。
また、加熱調理器制御部40は、左操作部15L及び右操作部15Rの操作に基づき、左表示部16L、右表示部16R、左火力表示部17L及び右火力表示部17Rの表示を制御する。更に、加熱調理器制御部40は、開閉検知部10からの開放信号、左操作部15L、右操作部15R及び中央操作部15Mの操作に基づき、中央表示部16M及び中央加熱状況表示部31Mの表示を制御する。加熱調理器制御部40は、加熱調理器1の制御に用いられる各種プログラム及びパラメータ等のデータと、各表示部16L、16R、16M、17L及び17Rに表示される表示画面のデータとを記憶する記憶装置41を有する。各種プログラム及びパラメータ等のデータを総称して「制御データ」と呼ぶ。表示部16L、16R、16M、17L及び17Rに表示される表示画面のデータを総称して「表示条件データ」と呼ぶ。
また、加熱調理器制御部40は、音声報知部50を必要に応じて起動し、ユーザに対して加熱調理器1の動作状況を音声で伝える。前述の如く、左操作部15L、右操作部15R及び中央操作部15Mを、操作部15と呼称する場合がある。操作部15は、後述する外部機器200からの第1の加熱条件及び第2の加熱条件の入力を受け付けるスタンバイ状態に移行するスタンバイボタン(図示せず)を有している。
加熱調理器制御部40は、加熱制御部43の加熱調理制御に用いられる各種プログラム及びパラメータ等の情報を一定のフォーマットに纏めたデータを、記憶装置41の調理条件データ記憶部42に記憶させている。このデータが、前述した調理条件データCDである。「調理条件データ」と「表示条件データ」とは、通信端末器等の外部機器200から、加熱調理器1が個々の調理メニュー毎に取得することができる。調理条件データ記憶部42は、「調理条件データ」と「表示条件データ」とを記憶する。なお、調理条件データ記憶部42は、記憶装置41の中の1つの区画、即ちエリアを構成するものでも良く、ハードウエア上は記憶装置41と別体に構成されても良い。
加熱制御部43は、加熱調理器1の全体の加熱動作を統合制御するものであり、マイクロコンピュータを主体に構成されている。データ取得部53は、通信部51を介して、外部機器200又はクラウドサーバ300から、「調理条件データ」を取得する。また、データ取得部53は、通信部51を介して、外部機器200又はクラウドサーバ300から、「表示条件データ」を取得する場合もある。通信部51は、外部と無線で通信を行うものであり、図1に示したように外部機器200又はクラウドサーバ300と無線通信を行う機能を有している。
電源回路57は、加熱調理器制御部40に対して一定電圧の電力を供給する。主電源スイッチ20は、電源回路57に挿入された主電源のスイッチである。制限部55は、調理条件データの取得を制限するものである。データ取得部53で取得したデータが無効なデータであったり、外部機器200による加熱設定が無効であったりする場合に、制限部55によってデータが破棄される。なお、制限部55は、加熱調理器制御部40を構成するコンピュータ(図示せず)の1つの制御プログラムで実現されても良く、加熱調理器制御部40とハードウエア上とで別に構成されることは、必ずしも必要ではない。
音声報知部50及び表示部16等を総称して「報知部」と呼ぶ場合があり、この場合は符号として、90を用いる。
図9は、本開示の実施の形態1に係る中央操作部15Mを示す模式図である。図9に示すように、入力キー153M及び154Mがメニューボタンの下降上昇の機能を有する。また、入力キー155M及び156Mが火力ボタンの下降上昇の機能を有する。更に、入力キー157M及び158Mが時間ボタンの下降上昇の機能を有する。
図10は、本開示の実施の形態1に係る中央操作部15Mの操作手順を示す模式図である。図10(a)に示すように、電源がONされている状態の場合、中央表示部16Mに「電源が入っています」と表示される。そして、図10(b)に示すように、メニューボタンを押下すると初期メニュー選択としてスタンバイ状態となり、中央表示部16Mに加熱メニュー及び設定範囲が表示される。メニューボタンが押下されて「切り身」が選択されると、図10(c)に示すように、中央表示部16Mに切り身及び切り身に対応する設定範囲が表示される。火力ボタンが押下されて「やや強め」が選択されると、図10(d)に示すように、中央表示部16Mに切り身及びやや強めが表示される。その後、スタートボタンが押下されると、調理が開始される。
図11は、本開示の実施の形態1に係る中央操作部15Mの操作手順を示す模式図である。図11(a)に示すように、初期メニュー選択としてスタンバイ状態となり、中央表示部16Mに加熱メニュー及び設定範囲が表示される。メニューボタンが押下されて「レンジ手動」が選択されると、図11(b)に示すように、中央表示部16Mにレンジ手動及びレンジ手動に対応する設定範囲が表示される。火力ボタンが押下されて「300W」が選択されると、図11(c)に示すように、中央表示部16Mにレンジ手動及び300Wが表示される。時間ボタンが押下されて「5分00秒」が選択されると、図11(d)に示すように、中央表示部16Mにレンジ手動、300W及び5分00秒が表示される。その後、スタートボタンが押下されると、調理が開始される。
図12は、本開示の実施の形態1に係る設定条件の設定範囲を示す表である。図12に示すように、加熱調理器1のモードとして、加熱メニュー、設定条件及び設定範囲が存在する。加熱メニューには、「あたため」、「レンジ手動」、「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」、「姿焼き」、「切り身」、「グリル」及び「オーブン」が用意されている。「あたため」の設定条件は温度であり、設定範囲は0℃~90℃:5℃刻みである。「レンジ手動」の設定条件は電力及び時間であり、設定範囲は200W:10秒~60分、300W:10秒~60分、500W:10秒~15分である。なお、10秒~5分:10秒刻み、5分~10分:30秒刻み、10分~60分:1分刻み、60分~120分:5分刻みである。
「葉菜下ゆで」、「根菜下ゆで」、「肉解凍」、「姿焼き」、「切り身」の設定条件は火加減であり、設定範囲は弱め、やや弱め、標準、やや強め、強めである。「グリル」の設定条件は時間であり、10秒~30分である。なお、10秒~5分:10秒刻み、5分~10分:30秒刻み、10分~60分:1分刻み、60分~120分:5分刻みである。「オーブン」の設定条件は温度及び時間である。温度の設定範囲は、30℃、40℃、80℃~250℃:10℃刻みであり、時間の設定範囲は、10秒~120分である。なお、10秒~5分:10秒刻み、5分~10分:30秒刻み、10分~60分:1分刻み、60分~120分:5分刻みである。
加熱メニュー、設定条件及び設定範囲は、上記に限らず、そのほかの加熱メニュー、設定条件及び設定範囲とされてもよい。
図13は、本開示の実施の形態1に係る加熱メニューに対応する設定条件と設定条件の初期値の一覧である。図13に示すように、加熱メニューの設定条件には、それぞれ初期値が設定されている。なお、初期値は、対象の加熱メニューにおいて前回使用された値でも良い。設定条件の報知の種類としては、「温度を入力下さい」、「電力を入力下さい」、「火加減を入力下さい」、「火力を入力下さい」及び「時間を入力下さい」が挙げられる。
次に、クラウド制御部303の機能について詳細に説明する。以下の説明では、加熱メニューを第1の加熱条件とし、設定条件を第2の加熱条件及び第3の加熱条件とする。クラウド制御部303はユーザが特定の操作を行った旨の通知を加熱調理器1から受信すると、外部機器200に対して、まず第1の加熱条件の入力案内の通知を行う。クラウド制御部303は、外部機器200から第1の加熱条件の入力情報を受信したのち、第2の加熱条件の入力案内の通知を行う。上記のクラウド制御部303の処理は、加熱調理器制御部40又はデバイス制御部100で行ってもよい。なお、例えば、第1の加熱条件は、加熱の種類を表す加熱モードであり、第2の加熱条件及び第3の加熱条件は、それぞれ火力、電力、温度、時間及び火加減のうちいずれか1つである。なお、第2の加熱条件及び第3の加熱条件は、入力された第1の加熱条件によって異なり、第2の加熱条件の入力案内及び第3の加熱条件の入力案内は、第2の加熱条件の種類及び第3の加熱条件の種類によって異なる。
図14は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理システム1aの動作を示すフローチャートである。次に、加熱調理システム1aの動作について説明する。先ず、加熱調理器1がスタンバイ状態であるかが判断される(ステップS1)。スタンバイ状態ではない場合(ステップS1のNO)、ステップS1に戻る。スタンバイ状態以外は後述する外部機器200からの加熱条件の入力を禁止することでユーザが意図しない操作で加熱が開始することを防止することができる。スタンバイ状態である場合(ステップS1のYES)、外部機器200は、第1の加熱条件の入力案内を報知する(ステップS2)。クラウドサーバ300は、外部機器200から第1の加熱条件を受信したかを判断する(ステップS3)。第1の加熱条件が受信されていない場合(ステップS3のNO)、ステップS3に戻る。一方、第1の加熱条件が受信された場合(ステップS3のYES)、クラウドサーバ300は、不足している加熱条件があるかを判断する(ステップS4)。不足している加熱条件は第1の加熱条件(加熱メニュー)によって異なる。第1の加熱条件(加熱メニュー)ごとに必要な第2の加熱条件又は第3の加熱条件は図13記載の設定条件(1)と設定条件(2)である。不足している加熱条件がない場合(ステップS4のNO)、外部機器200は、設定完了を報知する(ステップS5)。これに対し、不足している加熱条件がある場合(ステップS4のYES)、外部機器200は、設定条件案内を報知する(ステップS6)。報知する内容は不足している加熱条件によって異なる。不足している加熱条件に対応した報知内容は図13記載の通りである。
図15は、本開示の実施の形態1に係る加熱調理システム1aの動作を示すタイミングチャートである。図15に示すように、ユーザがメニューボタンを押下すると、加熱調理器1のグリル部においてスタンバイ表示される(図14のステップS1)。そして、加熱調理器1は、グリル部のスタンバイ状態を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、加熱メニューの案内報知の情報を送信し、外部機器200が受信する(図14のステップS2)。外部機器200は、加熱メニュー(第1の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。加熱メニュー案内音声は、例えば「加熱メニューを入力下さい」である。ユーザが「切り身」と発声すると、外部機器200は、第1の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第1の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第1の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、加熱メニューの表示を変更する(図14のステップS3)。
一方、クラウドサーバ300は、第2の加熱条件が不足しているため、不足通知を送信し、外部機器200が受信する(図14のステップS4)。外部機器200は、設定条件(第2の加熱条件)案内音声をユーザに報知する(図14のステップS6)。設定条件案内音声は、例えば「火加減を入力下さい」である。ユーザが「やや強め」と発声すると、外部機器200は、第2の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第2の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第2の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、設定条件の表示を変更する。クラウドサーバ300は、不足している加熱条件がないため、設定完了通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定完了案内音声を報知する(図14のステップS6)。設定完了案内音声は、例えば「設定がよろしければスタートボタンを押して下さい」である。ユーザがスタートボタンを操作すると、グリル部の加熱が開始される。
なお、本発明の制御部は本実施の形態のクラウドサーバ300内にあるクラウド制御部303に相当するが、加熱条件不足の送信可否、即ち案内音声報知の判断は、クラウドサーバ300ではなく、外部機器200が行ってもよいし加熱調理器1が行ってもよい。つまり、本発明の制御部の働きを加熱調理器制御部40又はデバイス制御部100で行ってもよい。
図16は、本開示の実施の形態1に係る画面推移を示す模式図である。図15における初期メニューが選択されると、図16(a)に示す画面が表示される。図15における加熱メニューが受信されると、図16(b)に示す画面が表示される。図15における火加減設定が受信されると、図16(c)に示す画面が表示される。
本実施の形態1によれば、加熱調理システム1aは、加熱条件の入力を行う外部機器200に対して、第1の加熱条件の入力案内を報知させたのち、第2の加熱条件の入力案内を報知させる。即ち、ユーザは、加熱調理器1の画面を見ずとも、外部機器200から入力に必要な内容を把握することができる。従って、ユーザが加熱調理器1の加熱条件を設定する際、加熱調理器の画面を見て入力に必要な内容を把握する必要がない。
実施の形態2.
図17は、本開示の実施の形態2に係る加熱調理システム1aの動作を示すタイミングチャートである。本実施の形態2は、外部機器200が第1の加熱条件及び第2の加熱条件を同時に認識する点で、実施の形態1と相違する。本実施の形態2では、実施の形態1と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1との相違点を中心に説明する。
図17に示すように、ユーザがメニューボタンを押下すると、加熱調理器1のグリル部においてスタンバイ表示される。そして、加熱調理器1は、グリル部のスタンバイ状態を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、加熱メニューの案内報知の情報を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、加熱メニュー(第1の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。加熱メニュー案内音声は、例えば「加熱メニューを入力下さい」である。このとき、ユーザが「切り身」、「やや強め」と発声すると、外部機器200は、第1の加熱条件及び第2の加熱条件の音声を同時に認識する。そして、外部機器200は、第1の加熱条件及び第2の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第1の加熱条件及び第2の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、加熱メニュー及び設定条件の表示を変更する。
クラウドサーバ300は、不足している加熱条件がないため、設定完了通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定完了案内音声を報知する。設定完了案内音声は、例えば「設定がよろしければスタートボタンを押して下さい」である。ユーザがスタートボタンを操作すると、グリル部の加熱が開始される。
図18は、本開示の実施の形態2に係る画面推移を示す模式図である。図17における初期メニューが選択されると、図18(a)に示す画面が表示される。図17における加熱メニュー及び火加減設定が受信されると、図18(b)に示す画面が表示される。
本実施の形態2によれば、外部機器200が第1の加熱条件及び第2の加熱条件を同時に認識する。このように、ユーザは、一度の発声によって調理を開始することができる。従って、利便性が高い加熱調理システム1aを実現することができる。
実施の形態3.
図19は、本開示の実施の形態3に係る加熱調理システム1aの動作を示すタイミングチャートである。本実施の形態3は、外部機器200に対して第1の加熱条件が入力される前に、第2の加熱条件が入力される場合について例示する。本実施の形態3では、実施の形態1及び2と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1及び2との相違点を中心に説明する。
クラウドサーバ300は、外部機器200に対して第1の加熱条件が入力される前に、第2の加熱条件が入力された場合、外部機器200に対して第1の加熱条件の入力案内を報知する要求を送信する。図19に示すように、ユーザがメニューボタンを押下すると、加熱調理器1のグリル部においてスタンバイ表示される。そして、加熱調理器1は、グリル部のスタンバイ状態を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、加熱メニューの案内報知の情報を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、加熱メニュー(第1の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。加熱メニュー案内音声は、例えば「加熱メニューを入力下さい」である。
このとき、ユーザが「切り身」等ではなく、第2の加熱条件である「やや強め」と発声すると、外部機器200は、第2の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第2の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第1の加熱条件が不明である以上、第2の加熱条件が有効か判断することができないため、再度、加熱メニューの案内報知の情報を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、加熱メニュー(第1の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。その後の動作は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態3によれば、加熱調理システム1aは、第1の加熱条件が入力される前に、第2の加熱条件が入力された場合、第1の加熱条件の入力を促す案内を通知する。即ち、ユーザが誤って第2の加熱条件を入力しても、第1の加熱条件の入力が促される。従って、ユーザが誤った入力を行うことを抑制することができる。
実施の形態4.
図20は、本開示の実施の形態4に係る加熱調理システム1aの動作を示すタイミングチャートである。本実施の形態4は、入力された第2の加熱条件が、第1の加熱条件に不適合である場合について例示する。本実施の形態4では、実施の形態1~3と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1~3との相違点を中心に説明する。
クラウドサーバ300は、入力された第2の加熱条件が、第1の加熱条件に不適合の場合、外部機器200に対して第2の加熱条件の入力案内を報知する要求を送信する。図20に示すように、ユーザがメニューボタンを押下すると、加熱調理器1のグリル部においてスタンバイ表示される。そして、加熱調理器1は、グリル部のスタンバイ状態を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、加熱メニューの案内報知の情報を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、加熱メニュー(第1の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。加熱メニュー案内音声は、例えば「加熱メニューを入力下さい」である。このとき、ユーザが「切り身」、「火力4」と発声すると、外部機器200は、第1の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第1の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第1の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、加熱メニューの表示を変更する。
一方、クラウドサーバ300は、第2の加熱条件が第1の加熱条件に対応するものではなく不適合であるため、不足通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定条件(第2の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。設定条件案内音声は、例えば「火加減を入力下さい」である。ユーザが「やや強め」と発声すると、外部機器200は、第2の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第2の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第2の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、設定条件の表示を変更する。クラウドサーバ300は、不足している加熱条件がないため、設定完了通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定完了案内音声を報知する。設定完了案内音声は、例えば「設定がよろしければスタートボタンを押して下さい」である。ユーザがスタートボタンを操作すると、グリル部の加熱が開始される。
本実施の形態4によれば、入力された第2の加熱条件が、第1の加熱条件に不適合の場合、外部機器200に対して第2の加熱条件の入力案内を報知する。即ち、ユーザが、誤った第2の加熱条件を入力しても、再度、第2の加熱条件の入力が促される。従って、ユーザが誤った入力を行うことを抑制することができる。
実施の形態5.
図21は、本開示の実施の形態5に係る加熱調理システム1aの動作を示すタイミングチャートである。本実施の形態5は、第1の加熱条件に対応する第3の加熱条件が存在する場合について例示する。本実施の形態5では、実施の形態1~4と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1~4との相違点を中心に説明する。
クラウドサーバ300は、第1の加熱条件の内容に基づいて、外部機器200に対して第2の加熱条件又は第3の加熱条件の入力案内を報知する要求を送信する。図21に示すように、ユーザがメニューボタンを押下すると、加熱調理器1のグリル部においてスタンバイ表示される。そして、加熱調理器1は、グリル部のスタンバイ状態を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、加熱メニューの案内報知の情報を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、加熱メニュー案内音声をユーザに報知する。加熱メニュー案内音声は、例えば「加熱メニューを入力下さい」である。ユーザが「レンジ手動」と発声すると、外部機器200は、第1の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第1の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第1の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、加熱メニューの表示を変更する。
一方、クラウドサーバ300は、第2の加熱条件が不足しているため、不足通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定条件(第2の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。設定条件案内音声は、例えば「電力を入力下さい」である。ユーザが「300W」と発声すると、外部機器200は、第2の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第2の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第2の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、設定条件の表示を変更する。更に、クラウドサーバ300は、第3の加熱条件が不足しているため、不足通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定条件(第3の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。設定条件案内音声は、例えば「時間を入力下さい」である。ユーザが「5分」と発声すると、外部機器200は、第3の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第3の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第3の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、設定条件の表示を変更する。
クラウドサーバ300は、不足している加熱条件がないため、設定完了通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定完了案内音声を報知する。設定完了案内音声は、例えば「設定がよろしければスタートボタンを押して下さい」である。ユーザがスタートボタンを操作すると、グリル部の加熱が開始される。
図22は、本開示の実施の形態5に係る画面推移を示す模式図である。図21における初期メニューが選択されると、図22(a)に示す画面が表示される。図21における加熱メニューが受信されると、図22(b)に示す画面が表示される。図21における電力設定が受信されると、図22(c)に示す画面が表示される。図21における時間設定が受信されると、図22(d)に示す画面が表示される。
本実施の形態5によれば、ユーザは外部機器200を介して加熱部HMの第3の加熱条件を入力し、クラウドサーバ300は、第1の加熱条件の内容に基づいて、外部機器200に対して第2の加熱条件又は第3の加熱条件の入力案内を報知する要求を行う。これにより、外部機器200は、第1の加熱条件の入力案内を報知したのち、第2の加熱条件又は第3の加熱条件の入力案内を報知する。即ち、ユーザは、加熱調理器1の画面を見ずとも、入力に必要な内容を把握することができる。従って、ユーザが加熱条件を設定する際、入力に必要な内容を把握する必要がない。
実施の形態6.
図23は、本開示の実施の形態6に係る加熱調理システム1aの動作を示すタイミングチャートである。本実施の形態6は、第1の加熱条件及び第3の加熱条件が同時に入力され、その後、第2の加熱条件が入力される場合について例示する。本実施の形態6では、実施の形態1~5と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1~5との相違点を中心に説明する。
加熱調理システム1aは、第1の加熱条件が設定されたとき、第2の加熱条件及び第3の加熱条件を初期値に設定する。図23に示すように、ユーザがメニューボタンを押下すると、加熱調理器1のグリル部においてスタンバイ表示される。そして、加熱調理器1は、グリル部のスタンバイ状態を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、加熱メニューの案内報知の情報を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、加熱メニュー(第1の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。加熱メニュー案内音声は、例えば「加熱メニューを入力下さい」である。このとき、ユーザが「レンジ手動」、「5分」と発声すると、外部機器200は、第1の加熱条件及び第3の加熱条件の音声を同時に認識する。そして、外部機器200は、第1の加熱条件及び第3の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第1の加熱条件及び第3の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、加熱メニュー及び設定条件の表示を変更する。
一方、クラウドサーバ300は、第2の加熱条件が不足しているため、不足通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定条件(第2の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。設定条件案内音声は、例えば「電力を入力下さい」である。ユーザが「300W」と発声すると、外部機器200は、第2の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第2の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第2の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、設定条件の表示を変更する。クラウドサーバ300は、不足している加熱条件がないため、設定完了通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定完了案内音声を報知する。設定完了案内音声は、例えば「設定がよろしければスタートボタンを押して下さい」である。ユーザがスタートボタンを操作すると、グリル部の加熱が開始される。
図24は、本開示の実施の形態6に係る画面推移を示す模式図である。図23における初期メニューが選択されると、図24(a)に示す画面が表示される。図23における加熱メニュー及び時間設定が受信されると、図24(b)に示す画面が表示される。図23における電力設定が受信されると、図24(c)に示す画面が表示される。
本実施の形態6によれば、第2の加熱条件よりも先に第3の加熱条件が入力されても、第3の加熱条件が第1の加熱条件に適合するものであれば、第1の加熱条件及び第3の加熱条件を同時に認識する。このため、ユーザの利便性が向上する。
実施の形態7.
図25は、本開示の実施の形態7に係る加熱調理システム1aの動作を示すタイミングチャートである。本実施の形態7は、第1の加熱条件及び第2の加熱条件が同時に入力され、その後、第3の加熱条件が入力される場合について例示する。本実施の形態7では、実施の形態1~6と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1~6との相違点を中心に説明する。
加熱調理システム1aは、第1の加熱条件が設定されたとき、第2の加熱条件及び第3の加熱条件を初期値に設定する。図25に示すように、ユーザがメニューボタンを押下すると、加熱調理器1のグリル部においてスタンバイ表示される。そして、加熱調理器1は、グリル部のスタンバイ状態を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、加熱メニューの案内報知の情報を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、加熱メニュー(第1の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。加熱メニュー案内音声は、例えば「加熱メニューを入力下さい」である。このとき、ユーザが「レンジ手動」、「300W」と発声すると、外部機器200は、第1の加熱条件及び第2の加熱条件の音声を同時に認識する。そして、外部機器200は、第1の加熱条件及び第2の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第1の加熱条件及び第2の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、加熱メニュー及び設定条件の表示を変更する。
一方、クラウドサーバ300は、第3の加熱条件が不足しているため、不足通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定条件(第3の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。設定条件案内音声は、例えば「電力を入力下さい」である。ユーザが「5分」と発声すると、外部機器200は、第3の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第3の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第3の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、設定条件の表示を変更する。クラウドサーバ300は、不足している加熱条件がないため、設定完了通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定完了案内音声を報知する。設定完了案内音声は、例えば「設定がよろしければスタートボタンを押して下さい」である。ユーザがスタートボタンを操作すると、グリル部の加熱が開始される。
図26は、本開示の実施の形態7に係る画面推移を示す模式図である。図25における初期メニューが選択されると、図26(a)に示す画面が表示される。図25における加熱メニュー及び電力設定が受信されると、図26(b)に示す画面が表示される。図25における時間設定が受信されると、図26(c)に示す画面が表示される。
本実施の形態7によれば、第1の加熱条件及び第2の加熱条件が同時に認識されると、第3の加熱条件の入力を促す。このため、ユーザの利便性が向上する。
実施の形態8.
図27は、本開示の実施の形態8に係る加熱調理システム1aの動作を示すタイミングチャートである。本実施の形態8は、入力された第2の加熱条件又は第3の加熱条件が、第1の加熱条件に不適合の場合について例示する。本実施の形態8では、実施の形態1~7と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1~7との相違点を中心に説明する。
クラウドサーバ300は、入力された第2の加熱条件又は第3の加熱条件が、第1の加熱条件に不適合の場合、外部機器200に対して第2の加熱条件又は第3の加熱条件の入力案内を報知する。図27に示すように、ユーザがメニューボタンを押下すると、加熱調理器1のグリル部においてスタンバイ表示される。そして、加熱調理器1は、グリル部のスタンバイ状態を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、加熱メニューの案内報知の情報を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、加熱メニュー(第1の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。加熱メニュー案内音声は、例えば「加熱メニューを入力下さい」である。このとき、ユーザが「レンジ手動」、「1500W」、「5分」と発声すると、外部機器200は、第1の加熱条件及び第3の加熱条件の音声を同時に認識する。そして、外部機器200は、第1の加熱条件及び第3の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第1の加熱条件及び第3の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、加熱メニュー及び設定条件の表示を変更する。
一方、クラウドサーバ300は、「1500W」という設定条件が存在しないことを認識する。即ち、クラウドサーバ300は、第2の加熱条件が不足しているため、不足通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定条件(第2の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。設定条件案内音声は、例えば「電力を入力下さい」である。ユーザが「300W」と発声すると、外部機器200は、第2の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第2の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第2の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、設定条件の表示を変更する。クラウドサーバ300は、不足している加熱条件がないため、設定完了通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定完了案内音声を報知する。設定完了案内音声は、例えば「設定がよろしければスタートボタンを押して下さい」である。ユーザがスタートボタンを操作すると、グリル部の加熱が開始される。
なお、第3の加熱条件が不適合である場合、外部機器200は、設定条件(第3の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。設定条件案内音声は、例えば「時間を入力下さい」である。
図28は、本開示の実施の形態8に係る画面推移を示す模式図である。図27における初期メニューが選択されると、図28(a)に示す画面が表示される。図27における加熱メニュー及び時間設定が受信されると、図28(b)に示す画面が表示される。図27における電力設定が受信されると、図28(c)に示す画面が表示される。
本実施の形態8によれば、外部機器200は、加熱部HMの第3の加熱条件を入力するものである。そして、クラウドサーバ300は、入力された第2の加熱条件又は第3の加熱条件が、第1の加熱条件に不適合の場合、外部機器200に対して第2の加熱条件又は第3の加熱条件の入力案内の報知を要求するものである。本実施の形態8のように、存在しない設定条件が入力されても、再度、入力を促す。このため、ユーザの利便性が向上する。
実施の形態9.
図29は、本開示の実施の形態9に係る加熱調理システム1aの動作を示すタイミングチャートである。本実施の形態9は、実施の形態8と同様に、入力された第2の加熱条件又は第3の加熱条件が、第1の加熱条件に不適合の場合について例示する。本実施の形態9では、実施の形態1~8と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1~8との相違点を中心に説明する。
クラウドサーバ300は、入力された第2の加熱条件又は第3の加熱条件が、第1の加熱条件に不適合の場合、外部機器200に対して第2の加熱条件又は第3の加熱条件の入力案内の報知を要求する。図29に示すように、ユーザがメニューボタンを押下すると、加熱調理器1のグリル部においてスタンバイ表示される。そして、加熱調理器1は、グリル部のスタンバイ状態を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、加熱メニューの案内報知の情報を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、加熱メニュー(第1の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。加熱メニュー案内音声は、例えば「加熱メニューを入力下さい」である。このとき、ユーザが「レンジ手動」、「80℃」、「120分」と発声すると、外部機器200は、第1の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第1の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第1の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、加熱メニューの表示を変更する。
一方、クラウドサーバ300は、「80℃」という設定条件が第1の加熱条件に適合しないことを認識する。即ち、クラウドサーバ300は、第2の加熱条件が不足しているため、不足通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定条件(第2の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。設定条件案内音声は、例えば「電力を入力下さい」である。ユーザが「300W」と発声すると、外部機器200は、第2の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第2の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第2の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、設定条件の表示を変更する。
更に、クラウドサーバ300は、「120分」という設定条件が第1の加熱条件に適合しないことを認識する。即ち、クラウドサーバ300は、第3の加熱条件が不足しているため、不足通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定条件(第3の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。設定条件案内音声は、例えば「時間を入力下さい」である。ユーザが「5分」と発声すると、外部機器200は、第3の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第3の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第3の加熱条件を送信し、加熱調理器1が受信して、設定条件の表示を変更する。
クラウドサーバ300は、不足している加熱条件がないため、設定完了通知を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、設定完了案内音声を報知する。設定完了案内音声は、例えば「設定がよろしければスタートボタンを押して下さい」である。ユーザがスタートボタンを操作すると、グリル部の加熱が開始される。
本実施の形態9によれば、外部機器200は、加熱部HMの第3の加熱条件を入力するものである。そして、クラウドサーバ300は、入力された第2の加熱条件又は第3の加熱条件が、第1の加熱条件に不適合の場合、外部機器200に対して第2の加熱条件又は第3の加熱条件の入力案内の報知を要求するものである。本実施の形態9のように、第1の加熱条件に適合しない加熱条件が入力されても、再度、入力を促す。このため、ユーザの利便性が向上する。
実施の形態10.
図30は、本開示の実施の形態10に係る加熱調理システム1aの動作を示すタイミングチャートである。本実施の形態10は、第1の加熱条件が入力される前に第2の加熱条件及び第3の加熱条件が入力される場合について例示する。本実施の形態10では、実施の形態1~9と共通する部分は同一の符号を付して説明を省略し、実施の形態1~9との相違点を中心に説明する。
クラウドサーバ300は、入力された第2の加熱条件又は第3の加熱条件が入力された場合、外部機器200に対して第1の加熱条件の入力案内の報知を要求する。図30に示すように、ユーザがメニューボタンを押下すると、加熱調理器1のグリル部においてスタンバイ表示される。そして、加熱調理器1は、グリル部のスタンバイ状態を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、加熱メニューの案内報知の情報を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、加熱メニュー(第1の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。加熱メニュー案内音声は、例えば「加熱メニューを入力下さい」である。
このとき、ユーザが「レンジ手動」等ではなく、第2の加熱条件及び第3の加熱条件である「300W」、「5分」と発声すると、外部機器200は、第2の加熱条件及び第3の加熱条件の音声を認識する。そして、外部機器200は、第2の加熱条件及び第3の加熱条件を送信し、クラウドサーバ300が受信する。その後、クラウドサーバ300は、第1の加熱条件が不明である以上、第2の加熱条件及び第3の加熱条件が有効か判断することができないため、再度、加熱メニューの案内報知の情報を送信し、外部機器200が受信する。外部機器200は、加熱メニュー(第1の加熱条件)案内音声をユーザに報知する。その後の動作は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態10によれば、加熱部HMは、第3の加熱条件において加熱するものであり、クラウドサーバ300は、入力された第2の加熱条件又は第3の加熱条件が入力された場合、外部機器200に対して第1の加熱条件の入力案内の報知を要求するものである。即ち、ユーザが誤って第2の加熱条件又は第3の加熱条件を入力しても、第1の加熱条件の入力が促される。従って、ユーザが誤った入力を行うことを抑制することができる。