JP2023075662A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】隆起部が設けられたバットレス領域のタイヤ内面に生じる凹凸形状を軽減できる空気入りタイヤを提供する。【解決手段】一対のビード部の間に跨ってトロイド状に延在するカーカスと、カーカスに沿ってタイヤ内面に配設されたインナーライナーと、カーカスのタイヤ径方向外側に積層されたベルト層と、一対のサイドウォールの少なくとも一方のバットレス領域に設けられ、タイヤ周方向に沿って並べられた複数の隆起部と、タイヤ最外径位置からタイヤ径方向内側にタイヤ断面高さの34%となる位置から、ベルト層のエッジ部を通ってタイヤ径方向に延びる直線が前記インナーライナーと交わる位置までの範囲を含む領域に配置され、カーカスとインナーライナーとの間に介在するゴムシートとを備える。【選択図】図2

Description

本開示は、サイドウォールのバットレス領域に隆起部が設けられた空気入りタイヤに関する。
泥濘地や岩場、雪道などの悪路での走行性能の向上を目的として、サイドウォールのプロファイルラインから隆起した隆起部をバットレス領域に設けた空気入りタイヤが知られている。かかるタイヤでは、バットレス領域の外表面に、タイヤ周方向に沿って並べられた複数の隆起部による凹凸形状が形成される。これにより、悪路を走行する場面で剪断抵抗によるトラクション効果が得られ、悪路走破性が向上する。
図5は、バットレス領域の外表面を示す模式図である。外表面90には、タイヤ周方向(図5の左右方向)に並べられた複数の隆起部91による凹凸形状が形成されている。凹凸形状の緩やかさ/急激さの指標として、隆起部91の頂面中央と隆起部91の非配設箇所の中央とを結ぶジグザグ線ZLを描いている。(B)の例では、(A)の例に比べて隆起部91の配設ピッチが小さく、それによってジグザグ線ZLの勾配が大きくなっている。このように隆起部91の隆起高さが同じでも、配設ピッチに応じて急激な凹凸形状となりうる。
本発明者が調べたところ、バットレス領域に隆起部が設けられたタイヤを加硫成形した際、そのバットレス領域の外表面の凹凸形状の影響によってタイヤ内面にも凹凸形状を生じることがあり、外表面の凹凸形状が急激になるほど、それが顕著に生じることが判明した。タイヤ内面に生じる凹凸形状は、外表面の凹凸形状に比べて緩やかであるものの、少し急激になるとインナーライナーがカーカスコードによって損傷し、耐空気透過性が低下する恐れがあるため、これを軽減することが望まれる。
特許文献1には、バットレス領域に隆起部が設けられた空気入りタイヤが開示されている。このタイヤでは、転動時のバットレス領域の変形を抑えることを目的として、カーカスとインナーライナーとの間に介在する補強ゴム層をバットレス領域に配置している。しかし、この補強ゴム層は、所定の方向に配向された短繊維を含有するものであるため、タイヤ内面に凹凸形状が生じた場合は、その短繊維によってインナーライナーが損傷する恐れがあり、却って状態を悪化させてしまうと考えられる。
特開2013-177065号公報
本開示は上記実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、隆起部が設けられたバットレス領域のタイヤ内面に生じる凹凸形状を軽減できる空気入りタイヤを提供することにある。
本開示の空気入りタイヤは、
一対のビード部と、
一対の前記ビード部の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォールと、
一対の前記サイドウォールの各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッドと、
一対の前記ビード部の間に跨ってトロイド状に延在するカーカスと、
前記カーカスに沿ってタイヤ内面に配設されたインナーライナーと、
前記カーカスのタイヤ径方向外側に積層されたベルト層と、
一対の前記サイドウォールの少なくとも一方のバットレス領域に設けられ、タイヤ周方向に沿って並べられた複数の隆起部と、
タイヤ最外径位置からタイヤ径方向内側にタイヤ断面高さの34%となる位置から、前記ベルト層のエッジ部を通ってタイヤ径方向に延びる直線が前記インナーライナーと交わる位置までの範囲を含む領域に配置され、前記カーカスと前記インナーライナーとの間に介在するゴムシートとを備える。
本開示の空気入りタイヤの一例を概略的に示すタイヤ子午断面図 図1の空気入りタイヤの要部を拡大して示す断面図 バットレス領域を示すタイヤ平面図 図2の要部を拡大して示す断面図 バットレス領域の外表面を示す模式図
本開示の空気入りタイヤの実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1,2に示す空気入りタイヤTは、泥濘地や岩場を含む悪路での走行を目的とした空気入りラジアルタイヤである。空気入りタイヤTは、一対のビード部1と、一対のビード部1の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール2と、一対のサイドウォール2の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド3と、一対のビード部1の間に跨ってトロイド状に延在するカーカス4と、そのカーカス4に沿ってタイヤ内面に配設されたインナーライナー14とを備える。インナーライナー14は、空気の透過を阻止する性能(耐空気透過性)に優れたゴム組成物で形成されている。
ここで、タイヤ径方向は、タイヤTの直径に沿った方向であり、図面の上下方向に相当する。図1,2において上側がタイヤ径方向外側となり、下側がタイヤ径方向内側となる。タイヤ幅方向は、タイヤTの回転軸と平行な方向であり、図面の左右方向に相当する。タイヤ赤道面TCに近付く側(図2では左側)がタイヤ幅方向内側となり、タイヤ赤道面TCから離れる側(図2では右側)がタイヤ幅方向外側となる。タイヤ周方向は、タイヤTの回転軸周りの方向である。
ビード部1には、環状のビードコア1aとビードフィラー1bが埋設されている。ビードコア1aは、鋼線などの収束体をゴムで被覆して形成されている。ビードフィラー1bは、ビードコア1aのタイヤ径方向外側に配置されている。ビードフィラー1bは、ビードコア1aからタイヤ径方向外側に延びた断面三角形状のゴムにより形成されている。ビードフィラー1bのタイヤ幅方向外側には、ビード部1の外表面を形成するリムストリップゴム11が設けられている。リムストリップゴム11のタイヤ径方向外側には、サイドウォール2の外表面を形成するサイドウォールゴム12が設けられている。
カーカス4は、一対のビードコア1aの間に架け渡されるように配置され、ビードコア1aとビードフィラー1bを挟み込むようにしてタイヤ幅方向の内側から外側に巻き上げられている(即ち、ターンアップされている)。換言すると、カーカス4は、トレッド3からサイドウォール2を経てビード部1に至る本体部に、ビードコア1a及びビードフィラー1bのタイヤ幅方向外側に配置された巻き上げ部を一連に設けてある。
カーカス4は、互いに積層された2枚のカーカスプライ41,42を有する。より具体的に言えば、カーカス4は、トレッド3において相対的にタイヤ径方向内側に積層されたカーカスプライ41と、トレッド3において相対的にタイヤ径方向外側に積層されたカーカスプライ42とを有する。カーカス4は、このような複数枚のカーカスプライを積層してなる多層構造に限らず、1枚のカーカスプライからなる単層構造であってもよい。カーカスプライの枚数は、3枚以上でもよい。
カーカスプライ41は、図示しないカーカスコードをトッピングゴムで被覆して形成されている。カーカスコードの材料には、スチールなどの金属や、ポリエステル、レーヨン、ナイロン、アラミドなどの有機繊維が好ましく用いられる。カーカスコードは、タイヤ周方向に対して略直交する方向(例えば、タイヤ周方向に対して75~90度の角度となる方向)に配列されている。カーカスプライ42は、カーカスプライ41と同様の構造を有している。
本明細書では、カーカス4が有する複数のカーカスプライ41,42の巻き上げ端41e,42eのうち、最もタイヤ径方向外側に位置する巻き上げ端41eをカーカス4の巻き上げ端4eと呼ぶ。カーカス4の巻き上げ端4e(即ち、巻き上げ端41e)は、タイヤ最大幅位置2Mよりもタイヤ径方向外側に配置されているが、これに限られない。また、巻き上げ端41eよりもタイヤ径方向外側に巻き上げ端42eを配置してもよく、その場合には、巻き上げ端42eがカーカス4の巻き上げ端4eに相当する。タイヤ最大幅位置2Mは、タイヤ子午断面におけるサイドウォール2のプロファイルライン2pがタイヤ幅方向においてタイヤ赤道面TCから最も離れる位置である。
また、空気入りタイヤTは、カーカス4のタイヤ径方向外側に積層されたベルト層5を備える。ベルト層5は、互いに積層された複数枚のベルトプライを有する。ベルトプライは、図示しないベルトコードをトッピングゴムで被覆して形成されている。ベルトコードの材料には、スチールが好ましく用いられる。ベルトコードは、タイヤ周方向に対して所定の角度(例えば20~30度)で傾斜する方向に配列されている。本実施形態では、ベルト層5が2枚のベルトプライ51,52を有し、それらの間でベルトコードが互いに逆向きに交差するように積層されている。
ベルト層5のタイヤ径方向外側にはベルト補強層6が配設されている。ベルト補強層6は、1枚以上の補強プライを有する。補強プライは、図示しない補強コードをトッピングゴムで被覆して形成されている。補強コードの材料には、上述した有機繊維が好ましく用いられる。補強コードは、タイヤ周方向に沿って配列されている。ベルト補強層6のタイヤ径方向外側には、トレッド3の外表面を形成するトレッドゴム13が設けられている。図示を省略しているが、トレッドゴム13には、トレッドパターンを構成する周方向溝やラグ溝など様々な溝が設けられている。
本実施形態の空気入りタイヤTは、いわゆるサイドサポート形式のランフラットタイヤではなく、そのサイドウォール2には、断面三日月形状をなすサイド補強ゴム層が設けられていない。但し、これに限定されるものではなく、サイドウォール2にサイド補強ゴム層を設けたサイドサポート形式のランフラットタイヤであっても構わない。
また、空気入りタイヤTは、一対のサイドウォール2の少なくとも一方のバットレス領域2Bに設けられ、図3に示すようにタイヤ周方向に沿って並べられた複数の隆起部7を備える。バットレス領域2Bは、サイドウォール2におけるタイヤ径方向外側の領域、より詳しくはタイヤ最大幅位置2Mよりもタイヤ径方向外側の領域であって、平坦な舗装路での通常走行時には接地しない部分である。雪道や泥濘地などの軟弱路では、車両の重みによりタイヤが沈んでバットレス領域2Bが擬似的に接地しうるため、隆起部7の剪断抵抗によるトラクション効果が得られる。
隆起部7は、サイドウォール2のプロファイルライン2pから隆起している。プロファイルライン2pは、リムプロテクタなどの突起物を除いたサイドウォール2の輪郭である。図1,2では、プロファイルライン2pの一部を破線で示している。プロファイルライン2pは、曲率半径が異なる複数の円弧を滑らかに接続してなる一連の円弧で形成されている。プロファイルライン2pは、単一の円弧で形成されていたり、曲率半径が連続的に変化していたり、一部に直線を含んでいたりしてもよい。バットレス領域2Bの外表面には、タイヤ周方向に沿って並べられた複数の隆起部7による凹凸形状が形成されている。
隆起部7は、タイヤ径方向に沿って延在している。タイヤ最外径位置Pmから隆起部7のタイヤ径方向外側端71までのタイヤ径方向距離D1は、例えばタイヤ断面高さTH(図1参照)の10±5%である。タイヤ最外径位置Pmから隆起部7のタイヤ径方向内側端72までのタイヤ径方向距離D2は、例えばタイヤ断面高さTHの20~50%である。プロファイルライン2pを基準とした隆起部7の隆起高さの最大値は、例えば4mmである。
図3は、バットレス領域2Bを示すタイヤ平面図である。図3において上側がタイヤ幅方向内側となり、下側がタイヤ幅方向外側となる。また、図3の左右方向がタイヤ周方向に相当する。トレッド3のタイヤ幅方向外側部(ショルダー部)には、タイヤ周方向と交差する方向に延びた複数本のラグ溝31と、そのラグ溝31によって区画されたショルダーブロック32とが設けられている。この例では、相対的にタイヤ幅方向外側の位置にエッジを有するショルダーブロック32aと、相対的にタイヤ幅方向内側の位置にエッジを有するショルダーブロック32bとをタイヤ周方向に交互に配置した、いわゆるスタッガードショルダーを採用している。
隆起部7は、各ショルダーブロック32に対応した位置に設けられている。図3に示した範囲では、4つのショルダーブロック32の各々に対応して4個の隆起部7が設けられている。また、ショルダーブロック32aに対応して設けられた隆起部7aと、ショルダーブロック32bに対応して設けられた隆起部7bとが、二個一組となってタイヤ周方向に連結されている。このため、バットレス領域2Bでは、複数本のラグ溝31のうち、ラグ溝31aは隆起部7a,7bによって閉鎖されているのに対し、ラグ溝31bは閉鎖されずにタイヤ径方向内側に開放されている。尚、隆起部7の形状は特に限定されるものではない。
本実施形態では、周上に66個以上の隆起部7が設けられている例を示す。かかる構成によれば、特に雪道を走行する場面で剪断抵抗によるトラクション効果が得られやすい。しかし、そのような多数の隆起部7を設けていることにより、隆起部7の配設ピッチが小さくなり、それに伴ってバットレス領域2Bの外表面の凹凸形状が急激になりうる(図5参照)。その結果、タイヤ内面に凹凸形状を生じる現象が顕著になるため、後述するようなゴムシート8の配設が特に有用となる。但し、本開示のタイヤにおける隆起部7の個数は、これに限られるものではない。
バットレス領域2Bには、隆起部7を横切ってタイヤ周方向に沿って環状に延びた環状リブ17が設けられている。環状リブ17は、隆起部7と同様に、サイドウォール2のプロファイルライン2pから隆起している。環状リブ17の頂面は、トレッド3を成形するモールドとサイドウォール2を成形するモールドとの境界であるモールド割位置に設定されているため、その外表面にパーティングラインが形成される場合がある。タイヤ子午断面において、環状リブ17は、斜面が緩やかに湾曲して括れた成層火山状をなす。但し、これに限られず、矩形状、台形状または三角形状など、他の形状を採用しても構わない。
また、空気入りタイヤTは、位置P1から位置P2までの範囲R1を含む領域に配置され、カーカス4とインナーライナー14との間に介在するゴムシート8を備える。位置P1は、タイヤ最外径位置Pmからタイヤ径方向内側にタイヤ断面高さTHの34%の位置である。一般に、位置P1よりタイヤ径方向外側では、隆起部7の隆起高さが大きく確保される傾向にある。ゴムシート8のタイヤ径方向内側端82は、この位置P1またはそれよりもタイヤ径方向内側に配置される。位置P2は、ベルト層5のエッジ部を通ってタイヤ径方向に延びる直線SLがインナーライナー14と交わる位置である。ゴムシート8のタイヤ径方向外側端81は、この位置P2またはそれよりもタイヤ径方向外側に配置される。かかる領域にゴムシート8を配設することにより、バットレス領域2Bのタイヤ内面に生じる凹凸形状を軽減でき、延いてはインナーライナー14の損傷を防いで耐空気透過性の低下を抑制できる。
本発明者が研究したところ、タイヤ内面の凹凸形状に伴ってカーカスコードがインナーライナー14に押し当たる現象は、特に範囲R1内で顕著であった。そこで、このタイヤTでは、範囲R1を含む領域にゴムシート8を配置している。仮想の直線SLが通るベルト層5のエッジ部は、ベルト層5を構成されるベルトプライ51,52のうち、相対的に幅広なベルトプライ51のタイヤ幅方向外側のエッジ部である。本実施形態では、ベルト層5のエッジ部が、トレッド端TEと略同じタイヤ幅方向位置、またはそれよりもタイヤ幅方向外側に位置している。ゴムシート8は、隆起部7のタイヤ幅方向内側への投影領域と50%以上重なる領域に配置されていることが好ましい。
他のタイヤ構成ゴム部材と同様に、ゴムシート8には、カーボンブラックやシリカなどの補強性充填材を配合したゴム組成物が用いられる。但し、ゴムシート8は、補強繊維非含有ゴム組成物で形成されている。即ち、ゴムシート8は、金属繊維、有機繊維、ガラス繊維、セラミック繊維などの長繊維または短繊維からなる補強繊維を含まないゴム組成物からなる。このような補強繊維を含有するゴムシートを用いた場合は、タイヤ内面の凹凸形状に伴って補強繊維がインナーライナー14に押し当たり、却って状態を悪化させる恐れがあるためである。
本実施形態では、トレッドゴム13がサイドウォールゴム12の外側に重ねられるTOS構造が採用されている。サイドウォールゴム12のタイヤ径方向外側端12eは、ベルト層5とカーカス4との間に配置されている。ゴムシート8のタイヤ径方向外側端81は、サイドウォールゴム12のタイヤ径方向外側端12eよりもタイヤ幅方向内側に配置されている。また、ゴムシート8のタイヤ径方向外側端81は、サイドウォールゴム12のタイヤ径方向外側端12eよりもタイヤ径方向外側に配置されている。サイドウォールゴム12のタイヤ径方向外側端12eは、後述するクッションゴム9とカーカス4とで挟まれている。
空気入りタイヤTは、ベルト層5のエッジ部とカーカス4との間に配置されたクッションゴム9を備える。かかる構成によれば、トレッド3のショルダー部の接地圧を高めて接地圧分布の均一化を促し、偏摩耗を抑制できる。ゴムシート8のタイヤ径方向外側端81は、クッションゴム9のタイヤ幅方向内側端9eよりもタイヤ幅方向外側に配置されている、クッションゴム9を超えてゴムシート8をタイヤ幅方向内側に延在させても改善効果の増加は見込めず、却って重量増などの弊害が懸念されるためである。タイヤ幅方向内側端81は、例えばタイヤ赤道面TCからタイヤ幅方向外側にトレッド半幅TW(図1参照)の85±10%の位置に配置される。
ゴムシート8のタイヤ径方向内側端82は、カーカス4の巻き上げ端4e(本実施形態では巻き上げ端41e)よりもタイヤ径方向外側に配置されていることが好ましい。そうでない場合は、カーカス4の巻き上げ部とゴムシート8がタイヤ幅方向に重なる部分で段差が大きくなり、タイヤ内面の凹凸形状を軽減する効果が小さくなるためである。巻き上げ端4eは、例えばタイヤ最外径位置Pmからタイヤ径方向内側にタイヤ断面高さTHの40±20%の位置に配置される。本実施形態において、タイヤ径方向内側端82は、タイヤ最大幅位置2Mよりもタイヤ径方向外側に配置されている。また、タイヤ径方向内側端82は、隆起部7のタイヤ径方向内側端72よりもタイヤ径方向外側に配置されている。
インナーライナー14に対するカーカスコードの減り込みを抑えてタイヤ内面の凹凸形状を軽減する観点から、ゴムシート8のゴム硬度は、カーカス4のトッピングゴムのゴム硬度よりも大きいことが好ましい。同様の観点から、ゴムシート8のゴム硬度は、インナーライナー14のゴム硬度よりも大きいことが好ましい。ゴムシート8のゴム硬度は、サイドウォールゴム12のゴム硬度よりも大きいことが好ましい。ゴムシート8のゴム硬度は、カーカス4のトッピングゴム、インナーライナー14及びサイドウォールゴム12の各々のゴム硬度に対して、3以上大きいことが好ましい。ゴム硬度は、JISK6253-1-2021に準拠したタイプAデュロメータ硬さ試験により23℃の雰囲気下で測定される。
タイヤ内面の凹凸形状を軽減する観点から、ゴムシート8の100%伸長時のモジュラス(M100)は、カーカス4のトッピングゴムのM100よりも大きいことが好ましい。同様の観点から、ゴムシート8のM100は、インナーライナー14のM100よりも大きいことが好ましい。ゴムシート8のM100は、サイドウォールゴム12のM100よりも大きいことが好ましい。ゴムシート8のM100は、カーカス4のトッピングゴム、インナーライナー14及びサイドウォールゴム12の各々のM100に対して、0.5MPa以上大きいことが好ましい。M100は、JISK6251に準拠した温度23℃での引張試験(3号ダンベルを使用)により100%伸長時の引張応力として求められる。
タイヤ内面の凹凸形状を軽減する観点から、ゴムシート8の300%伸長時のモジュラス(M300)は、インナーライナー14のM300よりも大きいことが好ましい。同様の観点から、ゴムシート8のM300は、サイドウォールゴム12のM300よりも大きいことが好ましい。ゴムシート8のM300は、インナーライナー14及びサイドウォールゴム12の各々のM300に対して、3.0MPa以上大きいことが好ましい。M300は、JISK6251に準拠した温度23℃での引張試験(3号ダンベルを使用)により300%伸長時の引張応力として求められる。
図4は、ゴムシート8、インナーライナー14及びカーカスプライ41のそれぞれの厚みを示す。ゴムシート8の厚みT8は、インナーライナー14の厚みT14よりも小さいことが好ましい。厚みの小さいゴムシート8を用いることで、ゴムシート8に起因した凹凸がタイヤ内面に生じることを抑制できる。同様の理由から、厚みT8は、カーカスプライの厚みよりも小さいことが好ましい。カーカスプライの厚みは、積層された複数枚のカーカスプライのうち1枚の厚みであり、例えばカーカスプライ41の厚みT41である。
ゴムシート8の厚みT8は一定であることが想定されているが、これが変化する場合は最大厚みを厚みT8とする。インナーライナー14の厚みT14及びカーカスプライ41のT41は、それぞれ厚みT8と同じ箇所で測定される。厚みT8は、例えば0.3~0.6mmである。厚みT14は、例えば1.1mm以上である。厚みT41は、例えば0.8~1.0mmである。この場合のカーカスプライ41は、例えば、線径0.50~0.70mmのカーカスコードに厚み0.15mmのトッピングゴムを被覆して形成される。カーカスプライ42は、カーカスプライ41と同等の厚みを有している。
上記に説明した如き隆起部7及びゴムシート8が設けられるバットレス領域2Bは、一対のサイドウォール2の少なくとも一方のバットレス領域2Bであればよい。但し、改善効果を高めるためには、一対のサイドウォール2の両方であることが好ましい。本実施形態において、図2で示された隆起部7及びゴムシート8の構成は、図1左側のサイドウォール2にも適用されている。
本明細書で延べた形状や寸法などは、特に断らない限り、タイヤを正規リムに装着して正規内圧を充填した無負荷の正規状態に基づくものである。正規リムとは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAにおける「標準リム」、TRAにおける「Design Rim」、またはETRTOにおける「Measuring Rim」である。正規内圧とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAにおける「最高空気圧」、TRAにおける表「TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES」に記載の最大値、またはETRTOにおける「INFLATION PRESSURE」である。
以上のように、本実施形態の空気入りタイヤTは、一対のビード部1と、一対のビード部1の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォール2と、一対のサイドウォール2の各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッド3と、一対のビード部1の間に跨ってトロイド状に延在するカーカス4と、カーカス4に沿ってタイヤ内面に配設されたインナーライナー14と、カーカス4のタイヤ径方向外側に積層されたベルト層5と、一対のサイドウォール2の少なくとも一方のバットレス領域2Bに設けられ、タイヤ周方向に沿って並べられた複数の隆起部7と、タイヤ最外径位置Pmからタイヤ径方向内側にタイヤ断面高さTHの34%となる位置P1から、ベルト層5のエッジ部を通ってタイヤ径方向に延びる直線SLがインナーライナー14と交わる位置P2までの範囲R1を含む領域に配置され、カーカス4とインナーライナー14との間に介在するゴムシート8とを備える。かかる構成によれば、カーカス4とインナーライナー14との間に介在するゴムシート8によって、バットレス領域2Bのタイヤ内面に生じる凹凸形状を軽減でき、延いてはインナーライナー14の損傷を防いで耐空気透過性の低下を抑制できる。
ベルト層5とカーカス4との間に、サイドウォール2の外表面を形成するサイドウォールゴム12のタイヤ径方向外側端12eが配置され、ゴムシート8のタイヤ径方向外側端81は、サイドウォールゴム12のタイヤ径方向外側端12eよりもタイヤ幅方向内側に配置されていることが好ましい。これにより、タイヤ内面に生じる凹凸形状を軽減するうえで好ましい領域にゴムシート8を適切に配置できる。
ゴムシート8のタイヤ径方向外側端81は、ベルト層5のエッジ部とカーカス4との間に配置されたクッションゴム9のタイヤ幅方向内側端9eよりもタイヤ幅方向外側に配置されていることが好ましい。ゴムシート8を必要以上に延在させないことにより、重量増などの弊害が抑えられる。
ゴムシート8のゴム硬度は、カーカス4のトッピングゴムのゴム硬度よりも大きいことが好ましい。かかる構成によれば、インナーライナー14に対するカーカスコードの減り込みを抑えてタイヤ内面に生じる凹凸形状を効果的に軽減できる。
ゴムシート8の厚みT8は、インナーライナー14及びカーカスプライ41の厚みよりも小さいことが好ましい。このような厚みの小さいゴムシート8を用いることにより、ゴムシート8に起因した凹凸をタイヤ内面に生じさせないようにできる。
本開示の空気入りタイヤは、乗用車、ライトトラック、トラック、バスなどの各種タイヤとして採用することができる。
本開示の空気入りタイヤは、上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良変更が可能である。
1 ビード部
2 サイドウォール
2B バットレス領域
3 トレッド
4 カーカス
5 ベルト層
7 隆起部
8 ゴムシート
9 クッションゴム
12 サイドウォールゴム
14 インナーライナー

Claims (5)

  1. 一対のビード部と、
    一対の前記ビード部の各々からタイヤ径方向外側に延びる一対のサイドウォールと、
    一対の前記サイドウォールの各々のタイヤ径方向外側端に連なるトレッドと、
    一対の前記ビード部の間に跨ってトロイド状に延在するカーカスと、
    前記カーカスに沿ってタイヤ内面に配設されたインナーライナーと、
    前記カーカスのタイヤ径方向外側に積層されたベルト層と、
    一対の前記サイドウォールの少なくとも一方のバットレス領域に設けられ、タイヤ周方向に沿って並べられた複数の隆起部と、
    タイヤ最外径位置からタイヤ径方向内側にタイヤ断面高さの34%となる位置から、前記ベルト層のエッジ部を通ってタイヤ径方向に延びる直線が前記インナーライナーと交わる位置までの範囲を含む領域に配置され、前記カーカスと前記インナーライナーとの間に介在するゴムシートとを備える空気入りタイヤ。
  2. 前記ベルト層と前記カーカスとの間に、前記サイドウォールの外表面を形成するサイドウォールゴムのタイヤ径方向外側端が配置され、
    前記ゴムシートのタイヤ径方向外側端は、前記サイドウォールゴムのタイヤ径方向外側端よりもタイヤ幅方向内側に配置されている、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ゴムシートのタイヤ径方向外側端は、前記ベルト層のエッジ部と前記カーカスとの間に配置されたクッションゴムのタイヤ幅方向内側端よりもタイヤ幅方向外側に配置されている、請求項2に記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記ゴムシートのゴム硬度は、前記カーカスのトッピングゴムのゴム硬度よりも大きい、請求項1~3いずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
  5. 前記ゴムシートの厚みは、前記インナーライナー及び前記カーカスプライの厚みよりも小さい、請求項1~4いずれか1項に記載の空気入りタイヤ。
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