JP2023074355A - 車輪支持用転がり軸受ユニット - Google Patents

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Abstract

【課題】内輪の小鍔部が、ハブ輪に設けられた内輪軌道の小鍔面を兼ねる場合であっても、ハブ輪に形成される内輪軌道と小径段部との交点付近において、高周波焼き入れによる過熱状態を防止することができる車輪支持用転がり軸受ユニットを提供する。【解決手段】内輪10は、複列の円錐ころ4,4の尾部4a,4aとそれぞれ当接可能な軸方向両側面を持った小鍔部15を有する。ハブ輪9は、小径段部13の段差面13aと軸方向外側列の内輪軌道12aとの間に、段差面側に設けられる凸円弧30と、内輪軌道側に設けられる、内輪軌道12aと鋭角で交差する斜面31、または凸円弧30よりも半径が大きい他の凸円弧と、が繋がった断面形状を有する小鍔側つなぎ部32を備える。【選択図】図3

Description

本発明は、自動車の車輪を懸架装置に対して回転自在に支持する為に使用される車輪支持用転がり軸受ユニットに関する。
小型トラック、大型乗用車等、比較的重量が嵩む自動車の車輪支持用転がり軸受ユニットでは、従来、転動体として円錐ころを複列で備えた複列円錐ころ軸受を用いることが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図6に示すように、特許文献1に記載された複列円すいころ軸受ユニット100は、ハブ輪102と、内輪103と、外輪104と、それぞれ複数個ずつの第1円すいころ105及び第2円すいころ106と、第1シールリング107と、第2シールリング108と、を備える。
そして、内輪103の外端部外周面に形成した小鍔部123の軸方向両端面は、それぞれ第1、第2各円すいころ105,106の小径側端面が当接できるように形成される。これにより、第1、第2各円すいころ105,106の軸方向両端面を、それぞれ大鍔部及び小鍔部の各側面に当接可能とし、第1及び第2各円すいころ105,106を整列させるのに要する馴染み運転時間を短くでき、ハブ輪102の形状を簡素化できる。また、ハブ輪102の中間部から内端部に掛かる部分の外周面、並びに、外輪104の中間部内周面に、硬化層を形成するため、高周波焼き入れ処理が施されている。
また、特許文献2~4には、高周波焼き入れに際しての局部過熱を抑制する技術が種々記載されている。
例えば、特許文献2に記載のハブユニットでは、大鍔部の案内面と外周面とのなす角度を鈍角に設定して、高周波焼き入れに際しての局部過熱を抑制している。
また、特許文献3に記載のハブユニットでは、大鍔部の案内面と、該案内面に続く大鍔部の外周面とのなす角度を鈍角とし、大鍔部に続く大径部を、外径が略一定の円筒状部分として、高周波焼き入れに際しての局部過熱の抑制と、シール性能を確保している。
さらに、特許文献4に記載のハブユニットでは、ハブ輪に形成される、内輪軌道の硬化層と小径段部の硬化層とを分離して設けることで、熱処理による過熱状態を防止している。
特開2003-113841号公報 特開2005-3111号公報 特開2008-223973号公報 特開2006-138354号公報
ところで、図6に示すように、内輪103の小鍔部123の軸方向両端面に、第1、第2各円すいころ105,106の小径側端面が当接自在な車輪支持用転がり軸受ユニットでは、ハブ輪102に形成される内輪軌道111と小径段部112との交点付近において、高周波焼き入れに際して過熱状態が発生しやすくなり、過熱によって組織が粗大化する結果、軸受寿命が低下する虞がある。特に、特許文献1に記載の軸受ユニット100では、内輪軌道111は、小径段部112の近傍まで形成されているため、特許文献4のように、内輪軌道と小径段部の高周波焼き入れを分離して施すことができない。
また、ハブ輪に形成される大鍔部においては、特許文献3において、高周波焼き入れによる過熱の抑制と、シール性能を確保する工夫がなされているが、大鍔部の大鍔面と外周面の交点部分の体積が減少しているため、熱容量を稼いで、局部的な過熱を防止することがさらに望まれる。
本発明は、上述の様な事情に鑑み、内輪の小鍔部が、ハブ輪に設けられた内輪軌道の小鍔面を兼ねる場合であっても、ハブ輪に形成される内輪軌道と小径段部との交点付近において、高周波焼き入れによる過熱状態を防止することができる車輪支持用転がり軸受ユニットを提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、以下の構成によって達成される。
(1) 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、
外周面に複列の内輪軌道を有すると共に、アウトボード側に車輪を支持固定する為の回転側フランジを有するハブと、
前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の円錐ころと、
を備え、
前記ハブは、アウトボード側からインボード側に向かって、前記回転側フランジ、一方の列の前記内輪軌道、及び小径段部を少なくとも有するハブ輪と、他方の列の前記内輪軌道を有し、アウトボード側端面を前記小径段部の段差面に突き当てた状態で前記小径段部の外周面に外嵌し、前記ハブ輪に固定される内輪と、を備え、
前記内輪は、前記複列の円すいころの尾部とそれぞれ当接可能な軸方向両側面を持った小鍔部を有し、
前記ハブ輪は、前記小径段部の段差面と前記一方の列の内輪軌道との間に、前記段差面側に設けられる凸円弧と、前記内輪軌道側に設けられる、前記内輪軌道と鋭角で交差する斜面、または前記凸円弧よりも半径が大きい他の凸円弧と、が繋がった断面形状を有する小鍔側つなぎ部を備える、
車輪支持用転がり軸受ユニット。
(2) 前記ハブ輪は、前記一方の列の円すいころの頭部と当接可能な大鍔面を有する大鍔部と、前記大鍔部よりアウトボード側に設けられる外径円筒面と、を備え、
前記ハブ輪は、前記大鍔部の大鍔面と前記外径円筒面との間に、前記大鍔面側に設けられる凸円弧と、前記外径円筒面側に設けられる、前記外径円筒面と鋭角で交差する斜面、または前記大鍔面側の凸円弧よりも半径が大きい他の凸円弧と、が繋がった断面形状を有する大鍔側つなぎ部を備える、
請求項1に記載の車輪支持用転がり軸受ユニット。
(3) 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、
外周面に複列の内輪軌道を有すると共に、アウトボード側に車輪を支持固定する為の回転側フランジを有するハブと、
前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の円錐ころと、
を備え、
前記ハブは、アウトボード側からインボード側に向かって、前記回転側フランジ、一方の列の前記内輪軌道、及び小径段部を少なくとも有するハブ輪と、他方の列の前記内輪軌道を有し、アウトボード側端面を前記小径段部の段差面に突き当てた状態で前記小径段部の外周面に外嵌し、前記ハブ輪に固定される内輪と、を備え、
前記ハブ輪は、前記一方の列の円すいころの頭部と当接可能な大鍔面を有する大鍔部と、前記大鍔部よりアウトボード側に設けられる外径円筒面と、を備え、
前記ハブ輪は、前記大鍔部の大鍔面と前記外径円筒面との間に、前記大鍔面側に設けられる凸円弧と、前記外径円筒面側に設けられる、前記外径円筒面と鋭角で交差する斜面、または前記大鍔面側の凸円弧よりも半径が大きい他の凸円弧と、が繋がった断面形状を有する大鍔側つなぎ部を備える、
車輪支持用転がり軸受ユニット。
本発明の車輪支持用転がり軸受ユニットによれば、内輪の小鍔部が、ハブ輪に設けられた内輪軌道の小鍔面を兼ねる場合であっても、ハブ輪に形成される内輪軌道と小径段部との交点付近において、高周波焼き入れによる過熱状態を防止することができる。
本発明の第1実施形態に係る車輪支持用転がり軸受ユニットの断面図である。 図1のハブ輪を示す断面図である。 図2のIII部拡大図である。 図2のIV部拡大図である。 本発明の第2実施形態に係る車輪支持用転がり軸受ユニットの断面図である。 従来の車輪支持用転がり軸受ユニットの要部拡大図である。
本発明の一実施形態に係る車輪支持用転がり軸受ユニットに就いて、図1~4を用いて詳細に説明する。尚、本明細書及び特許請求の範囲の全体で、軸方向に関して「外」とは、自動車への組み付け状態で車体の幅方向外側となる、図1の左側を言い、「アウトボード側」とも称す。また、反対に車体の幅方向中央側となる、図1の右側を、軸方向に関して「内」と言い、「インボード側」とも称す。
本実施形態の車輪支持用転がり軸受ユニット1は、駆動輪用であり、外輪2と、ハブ3と、複数の円錐ころ4、4と、シールリング5と、エンコーダ6と、を主に備える。
外輪2は、外周面に静止側フランジ7を、内周面に複列(2列)の外輪軌道8a、8bを、それぞれ有している。外輪2は、使用時に、静止側フランジ7を、懸架装置のナックルに結合固定する事により、この懸架装置に支持された状態で回転しない。
ハブ3は、ハブ輪9と内輪10とにより構成されており、外輪2の内径側に外輪2と同軸(同芯)に配置されている。
ハブ輪9には、外輪2の軸方向外側(アウトボード側)開口から軸方向外方に突出した部分に、外径側に延出して、車輪(駆動輪)及びディスクロータ等の制動用回転部材を支持固定する為の円輪状の回転側フランジ11が設けられている。具体的に、回転側フランジ11には複数の挿通孔11aが設けられ、各挿通孔11aが雌ねじの場合には、それぞれ図示しないハブボルトが螺合されており、各挿通孔11aが円筒孔の場合には、スタッドボルトがセレーション嵌合されている。
また、ハブ輪9の外周面には、外輪2の内周面に設けられた軸方向外側列の外輪軌道8aと対向する部分に、軸方向外側列(一方の列)の内輪軌道12aが設けられている。さらに、ハブ輪9の外周面のうち、外輪2の内周面に設けられた軸方向内側(インボード側)列の外輪軌道8bと対向する軸方向内端部には、小径段部13が設けられている。
内輪10の外周面には、軸方向内側列(他方の列)の内輪軌道12bが設けられている。内輪10は、そのアウトボード側端面10aを小径段部13の段差面13aに突き当てた状態で、ハブ輪9の小径段部13の外周面に締め代を持って圧入により外嵌され、ハブ輪9に固定されている。
また、内輪10は、複列の円錐ころ4、4の尾部4a,4aとそれぞれ当接可能な軸方向両側面を持った小鍔部15を有する。
ハブ輪9の中心部には、軸方向に貫通したスプライン孔17が形成されている。スプライン孔17には、図示しないが、車輪支持用転がり軸受ユニットを車体に組み付ける際に、等速ジョイントに結合したスプライン軸が係合され、ナットを螺合することでハブ3に固定される。その際、内輪10の大鍔部14の軸方向内端面には、図示しない等速ジョイントの端面、或いは図示しない駆動軸の端部に形成した段部等が突き当たり、内輪10のアウトボード側端面10aが小径段部13の段差面13aと当接することで、上述したように、内輪10が、ハブ輪9に軸方向に位置決め固定される。
円錐ころ4、4は、軸方向外側列の外輪軌道8aと内輪軌道12aとの間部分、及び、軸方向内側列の外輪軌道8bと内輪軌道12bとの間部分に、それぞれ複数ずつ、各列の円錐ころ4、4の尾部4a,4aが向かい合うようにして、保持器24、24により保持された状態で転動自在に設けられている。
シールリング5は、外輪2の軸方向外端部に支持固定された状態で、外輪2の内周面と、ハブ輪9の大鍔部19よりアウトボード側の外径円筒面20との間に存在する、複数の円錐ころ4、4が設けられた内部空間の軸方向外端開口を塞いでいる。
したがって、本実施形態では、ハブ輪9は、アウトボード側からインボード側に向かって、回転側フランジ11、外径円筒面20、大鍔部19、軸方向外側列の内輪軌道12a、及び小径段部13を有する。
エンコーダ6は、断面L字形に形成されるスリンガ18を介して、内輪10aの大鍔部14の外周面に外嵌固定される。エンコーダ6は、スリンガ18の軸方向内側面に取り付けられ、図示しない回転検出センサと対向し、車輪の回転速度を検出する。
なお、外輪2の軸方向内端部にも、シール部材を設け、内部空間の軸方向内端開口を塞ぐようにしてもよい。
ここで、ハブ輪9は、主として軸方向外側列の内輪軌道12aの性能確保を図るため、図2に示すように、回転側フランジ11の付け根付近から、外径円筒面20、大鍔部19、軸方向外側列の内輪軌道12a、及び小径段部13にかけて局部的な高周波焼き入れを施して、当該部位に表面硬化層Xを形成している(図2の網掛領域参照)。その際、本実施形態では、高周波焼き入れによってハブ輪9の表面に過熱状態となる領域が発生するのを抑制するため、ハブ輪9が以下の形状を有している。
即ち、図3に示すように、ハブ輪9は、小径段部13の段差面13aと軸方向外側列の内輪軌道12aとの間に、段差面13a側に設けられる半径r1の凸円弧30と、内輪軌道側に設けられる、内輪軌道12aと鋭角で交差する斜面31が繋がった断面形状を有する小鍔側つなぎ部32を備える。即ち、小鍔部側つなぎ部32は、斜面31からなる断面形状によって構成される円錐台形状と、凸円弧30からなる断面形状によって構成される凸球面形状とが繋がって形成される。
これにより、ハブ輪9に形成される内輪軌道12aと小径段部13の段差面13aとの交点付近が、角部のない小鍔側つなぎ部32によって形成され、高周波加熱コイルとの距離を確保することができ、小鍔側つなぎ部32の高周波焼入れによる過熱状態を防止することができる。
また、斜面31は、軸方向外側列の内輪軌道12aに対して、10°~20°の角度θ(本実施形態では、17°)でさらに傾斜するように形成されている。
また、角度θの下限を10°としたのでは、小鍔側つなぎ部32を、円錐ころ4の頭部4bが大鍔部19の大鍔面19aに当接した際の小鍔部15と円錐ころ4の尾部4aとの間の隙間g(例えば、g=0.2mm)と、円錐ころ4の面取り4cの軸方向寸法s(例えば、s=0.6mm)の和の範囲tに収めるためである。また、角度θの上限を20°としたのは、内輪軌道12aと斜面31との境界部分に過熱状態の発生を防止するとともに、急激な硬化層深さの変化を抑制するためである。
なお、径方向に沿った小径段部13の段差面13aと、斜面31との角度aは、θの角度に応じて、57°~67°(本実施形態では、60°)に設定されており、また、軸方向寸法bは、凸円弧30と斜面31の接点の段差面13aからの軸方向距離であり、段差面13aの研削取り代が確保できるように凸円弧30の半径r1と角度aから設定されている。なお、図3中、cは、段差面13a及び内輪軌道12aの研削取り代を表している。
また、小鍔側つなぎ部32は、斜面31の代わりに、段差面側の凸円弧30よりも半径が大きい他の凸円弧の断面形状としてもよい。なお、この場合も、他の凸円弧の大きさは、内輪軌道12aと他の凸円弧との境界部分に過熱状態の発生を防止するとともに、小鍔部15と円錐ころ4の尾部4aとの間の上記隙間gと、円錐ころ4の面取り4cの軸方向寸法sの和の範囲tに収まるという条件を満たすように設計されればよい。
また、図4に示すように、ハブ輪9は、円錐ころ4の頭部4bが組付け状態で当接する円錐面である、大鍔部19の大鍔面19aと、外径円筒面20との間に、大鍔面側に設けられる半径r2の凸円弧40と、外径円筒面側に設けられる、大鍔面側の凸円弧40よりも半径が大きい(本実施形態では、凸円弧40の半径r2の4倍の半径r3)他の凸円弧41と、が繋がった断面形状を有する大鍔側つなぎ部42を備える。即ち、大鍔部側つなぎ部42は、凸円弧40と他の凸円弧41からなる断面形状によって構成される2つの凸球面形状が繋がって形成される。
これにより、ハブ輪9に形成される大鍔部19の大鍔面19aと外径円筒面20との交点付近が、角部のない大鍔側つなぎ部42によって形成され、高周波加熱コイルとの距離を確保することができ、大鍔側つなぎ部32の高周波焼入れによる過熱状態を防止することができる。
他の凸円弧41は、凸円弧40の半径r2の3倍~5倍の半径r3を有するものであればよい。他の円弧部41の半径r3を凸円弧40の半径の3倍以上としたのは、シール摺接面となる外径円筒面20と他の凸円弧41との境界部分に、過熱状態の発生を防止するとともに、急激な硬化層深さの変化を抑制するためである。また、他の凸円弧41の半径r3を凸円弧40の半径r2の5倍以下としたのは、外径円筒面20の軸方向幅を確保するためである。
なお、大鍔側つなぎ部42は、他の凸円弧41の代わりに、外径円筒面20と鋭角で交差する斜面であってもよい。この場合も、斜面の角度は、外径円筒面20の軸方向幅の確保、及び外径円筒面20と斜面との境界部分における過熱防止のため、10°~20°に設定されるのが好ましい。
以上説明したように、本実施形態の車輪支持用転がり軸受ユニット1では、ハブ輪9は、小径段部13の段差面13aと軸方向外側列の内輪軌道12aとの間に、段差面側に設けられる凸円弧30と、内輪軌道側に設けられる、内輪軌道12aと鋭角で交差する斜面31、または凸円弧30よりも半径が大きい他の凸円弧と、が繋がった断面形状を有する小鍔側つなぎ部32を備える。これにより、内輪10の小鍔部15が、ハブ輪9に設けられた内輪軌道12aの小鍔面を兼ねる場合であっても、ハブ輪9に形成される内輪軌道12aと小径段部13の段差面13aとの交点付近において、高周波焼き入れによる過熱状態を防止することができる。
また、本実施形態の車輪支持用転がり軸受ユニット1では、ハブ輪9は、大鍔部19の大鍔面19aと外径円筒面20との間に、大鍔面側に設けられる凸円弧40と、外径円筒面側に設けられる、外径円筒面20と鋭角で交差する斜面、または大鍔面側の凸円弧40よりも半径が大きい他の凸円弧41と、が繋がった断面形状を有する大鍔側つなぎ部42を備える。これにより、高周波焼き入れによる過熱の抑制と、シール性能を確保しているが、特に、大鍔部19の大鍔面19aと外径円筒面20との交点部分の体積が確保されているため、熱容量を稼いで、局部的な過熱を防止することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限定されるものでなく、適宜、変形及び改良が可能である。
例えば、上記実施形態では、駆動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニットについて説明したが、本発明は、これに限らず、図5に示す、従動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニットにも適用可能である。
なお、従動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニット1aの場合には、外輪2aの軸方向内端部を塞ぐ部材として、シール部材に加え、エンドキャップを適用してもよい。
即ち、従動輪用の車輪支持用転がり軸受ユニット1aでは、内輪10は、ハブ輪9の小径段部13に締め代を持って圧入により外嵌固定され、また、ハブ輪9の軸方向内側端部に形成された加締め部23により、大鍔部14側の軸方向内端面14を抑え付け、ハブ輪9に位置決め固定されている。
このような車輪支持用転がり軸受ユニット1においても、上記実施形態と同様に、ハブ輪9には、小鍔側つなぎ部32と、大鍔側つなぎ部42を形成することができ、上記実施形態と同様の効果を奏することができる。
1,1a 車輪支持用転がり軸受ユニット
2 外輪
3 ハブ
4 円錐ころ
5 シールリング
6 エンコーダ
7 静止側フランジ
8a、8b 外輪軌道
9 ハブ輪
10 内輪
11 回転側フランジ
12a、12b 内輪軌道
13 小径段部
14 大鍔部
15 小鍔部
23 加締め部
24 保持器
30 凸円弧
31 斜面
32 小鍔側つなぎ部
40 凸円弧
41 他の凸円弧
42 大鍔側つなぎ部

Claims (3)

  1. 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、
    外周面に複列の内輪軌道を有すると共に、アウトボード側に車輪を支持固定する為の回転側フランジを有するハブと、
    前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の円錐ころと、
    を備え、
    前記ハブは、アウトボード側からインボード側に向かって、前記回転側フランジ、一方の列の前記内輪軌道、及び小径段部を少なくとも有するハブ輪と、他方の列の前記内輪軌道を有し、アウトボード側端面を前記小径段部の段差面に突き当てた状態で前記小径段部の外周面に外嵌し、前記ハブ輪に固定される内輪と、を備え、
    前記内輪は、前記複列の円すいころの尾部とそれぞれ当接可能な軸方向両側面を持った小鍔部を有し、
    前記ハブ輪は、前記小径段部の段差面と前記一方の列の内輪軌道との間に、前記段差面側に設けられる凸円弧と、前記内輪軌道側に設けられる、前記内輪軌道と鋭角で交差する斜面、または前記凸円弧よりも半径が大きい他の凸円弧と、が繋がった断面形状を有する小鍔側つなぎ部を備える、
    車輪支持用転がり軸受ユニット。
  2. 前記ハブ輪は、前記一方の列の円すいころの頭部と当接可能な大鍔面を有する大鍔部と、前記大鍔部よりアウトボード側に設けられる外径円筒面と、を備え、
    前記ハブ輪は、前記大鍔部の大鍔面と前記外径円筒面との間に、前記大鍔面側に設けられる凸円弧と、前記外径円筒面側に設けられる、前記外径円筒面と鋭角で交差する斜面、または前記大鍔面側の凸円弧よりも半径が大きい他の凸円弧と、が繋がった断面形状を有する大鍔側つなぎ部を備える、
    請求項1に記載の車輪支持用転がり軸受ユニット。
  3. 内周面に複列の外輪軌道を有する外輪と、
    外周面に複列の内輪軌道を有すると共に、アウトボード側に車輪を支持固定する為の回転側フランジを有するハブと、
    前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に転動自在に設けられた複数の円錐ころと、
    を備え、
    前記ハブは、アウトボード側からインボード側に向かって、前記回転側フランジ、一方の列の前記内輪軌道、及び小径段部を少なくとも有するハブ輪と、他方の列の前記内輪軌道を有し、アウトボード側端面を前記小径段部の段差面に突き当てた状態で前記小径段部の外周面に外嵌し、前記ハブ輪に固定される内輪と、を備え、
    前記ハブ輪は、前記一方の列の円すいころの頭部と当接可能な大鍔面を有する大鍔部と、前記大鍔部よりアウトボード側に設けられる外径円筒面と、を備え、
    前記ハブ輪は、前記大鍔部の大鍔面と前記外径円筒面との間に、前記大鍔面側に設けられる凸円弧と、前記外径円筒面側に設けられる、前記外径円筒面と鋭角で交差する斜面、または前記大鍔面側の凸円弧よりも半径が大きい他の凸円弧と、が繋がった断面形状を有する大鍔側つなぎ部を備える、
    車輪支持用転がり軸受ユニット。
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