JP2023074095A - 油分散性ミセル組成物及びそれを含有する頭髪用化粧料 - Google Patents

油分散性ミセル組成物及びそれを含有する頭髪用化粧料 Download PDF

Info

Publication number
JP2023074095A
JP2023074095A JP2021186864A JP2021186864A JP2023074095A JP 2023074095 A JP2023074095 A JP 2023074095A JP 2021186864 A JP2021186864 A JP 2021186864A JP 2021186864 A JP2021186864 A JP 2021186864A JP 2023074095 A JP2023074095 A JP 2023074095A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
hair
peg
dispersible
keratin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021186864A
Other languages
English (en)
Inventor
恭稔 野村
Takatoshi Nomura
孝幸 坪井
Takayuki Tsuboi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Little Scientist Co Ltd
Original Assignee
Little Scientist Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Little Scientist Co Ltd filed Critical Little Scientist Co Ltd
Priority to JP2021186864A priority Critical patent/JP2023074095A/ja
Publication of JP2023074095A publication Critical patent/JP2023074095A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Cosmetics (AREA)

Abstract

【課題】ケラチンタンパク質を含有する油性媒体への分散性に優れたミセル組成物及び安定的にケラチンタンパク質を含有し、毛髪適用部位への優れた浸透性及び保持性を有する頭髪用化粧料を提供する。【解決手段】本発明の油分散性ミセル組成物は、(A)ポリエーテル変性シリコーン又はエチレングリコール系若しくはグリセリン系非イオン性界面活性剤、及び(B)アルキル化ケラチンタンパク質を含む。本発明の頭髪用化粧料は、本発明の油分散性ミセル組成物を含む。【選択図】なし

Description

本発明は、ケラチンタンパク質を含有し、油性媒体への分散性に優れたミセル組成物に関する。また、本発明は、安定的にケラチンタンパク質を含有し、毛髪適用部位への優れた浸透性及び保持性を有する頭髪化粧料に関する。
頭髪用化粧料は、単に毛髪の外見を美しく、毛髪の感触を整えるだけでなく、適用部位を保護するため、あるいは適用部位における機能・特性を補修又は改善するために用いることがある。頭髪用化粧料に配合する有効な成分として、例えば、羽毛又は羊毛等に含まれるタンパク質であるケラチンは、毛髪に対して馴染みやすく、毛髪の補修及び改質に有効であることが知られている。
ケラチンタンパク質は、アミノ酸からなる高分子である。化粧品に配合できるように加工された当該タンパク質は、親水性であり水又は水系溶媒に可溶化されている。一般的な化粧品の多くは水性媒体をベースとした処方であり、このような処方では、当該タンパク質を容易に配合することが可能である。一方、ヘアオイルのように、油性媒体をベースとした処方も一部存在する。
特許文献1では、アシル化したケラチンタンパク質を化粧料に配合する技術が開示されている。ケラチンタンパク質が油に馴染みやすいように、ケラチンタンパク質を、ラウリン酸又はミリスチン酸側鎖を含む誘導体としている。特許文献1で開示されたケラチンタンパク質は、誘導体化にあたり水に馴染みやすいカルボン酸塩などの構造も同時に含み、界面活性剤として働くため、洗浄系化粧料に適している。
特許文献2では、ケラチンタンパク質由来のペプチドをイソステアロイル化することが開示されている。このイソステアロイル化により、加水分解ケラチンを油性化粧料に配合でき、また、毛髪に優れた引張強度及びハリ・コシを与えることができる。
特開2014-159388号公報 特開2018-095622号公報
毛髪には、ケラチンタンパク質が80%以上含まれている。毛髪がダメージを受けると、タンパク質が分解し流出することで、毛髪のハリ・ツヤが失われ、引張強度の低下を生じる。頭髪用化粧料に羊毛又は羽毛などから得たケラチンタンパク質を配合することにより、ダメージを受けた毛髪を補修することができる。これは、ケラチンタンパク質が毛髪の内部に浸透することにより、流出したタンパク質を代替し、ハリ・コシや引張強度を改善させ、また、毛髪の表面を被覆することでキューティクルの乱れを整えツヤを与えるためであることが分かっている。
ケラチンタンパク質はアミノ酸からなる高分子であり多くの電荷をもつため、油性媒体に溶解しないなど一部の使用方法上の課題があった。特許文献1及び2では油に馴染む又は溶解するケラチンタンパク質によりこれらの課題を改善している。一方、ケラチンタンパク質が効果的にダメージを受けた髪を補修するためには、当該タンパク質の分子量も重要である。しかしながら、タンパク質は高分子であるほど溶解性が低くなり、電荷を持つ極性化合物であることから、親油性の誘導体化を行っても油性溶媒には特に溶解が難しく、高分子のケラチンタンパク質を油性化粧料に配合することは課題となる。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、(A)ポリエーテル変性シリコーン又はエチレングリコール系若しくはグリセリン系非イオン性界面活性剤及び(B)アルキル化ケラチンタンパク質を含む油分散性ミセル組成物により、化粧料、特に油性化粧料に安定的にケラチンタンパク質を配合することができることを見出した。
更に、前記油分散性ミセル組成物を含有する頭髪用化粧料は、ケラチンタンパク質を安定的に含有することから、毛髪の適用部位に対する保護力、補修力及び改善力を効果的に発揮することができる。
特に、油分散性ミセルの形成には、1分子内に重合度1~60のエチレングリコール又はグリセリン構造を親水基として有するポリエーテル変性シリコーン又は非イオン性界面活性剤は、安定なミセル形成が可能となるので好ましい。
ケラチンタンパク質に親油基であるドデシルPG(プロピレングリコール)基を導入することにより、ケラチンタンパク質がミセル内水相中で安定して存在することができ、ミセルの分子膜も安定化することができる。そして、分子量5000以上の高分子アルキル化ケラチンタンパク質では、安定的なミセル形成を維持しながら、高い毛髪の補修力をもつことができる。
本発明の油分散性ミセル組成物は、油性媒体への分散性に優れる。また、本発明の頭髪用化粧料は、化粧料、特にケラチンタンパク質を通常可溶化できない油性化粧料においても、毛髪の補修力が高いケラチンタンパク質を安定的に含有し、保持することができる。そのため、本発明の頭髪用化粧料は、毛髪の適用部位に対する保護力、補修力及び改善力を効果的に発揮することができる。
油分散性ミセル組成物
本発明のミセル組成物(以下、「本組成物」という。)は、(A)ポリエーテル変性シリコーン又はエチレングリコール系若しくはグリセリン系非イオン性界面活性剤(以下、「(A)成分」という。)及び(B)アルキル化ケラチンタンパク質を含む。
前記ポリエーテル変性シリコーン及びエチレングリコール系若しくはグリセリン系非イオン性界面活性剤は、油分散ミセルを形成にあたり、その種類に特に限定はない。またミセルを形成することができる限り、(A)成分の含有量に規定はなく任意に設定することができる。本組成物中の(A)成分の含有量は、通常0.1~70質量%である。
前記ポリエーテル変性シリコーンとして具体的には、例えば、PEG-3ジメチコン、PEG-10ジメチコン、PEG-12ジメチコン、PEG-11メチルエーテルジメチコン、PEG-32メチルエーテルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-7アモジメチコン、PEG-10ジメチコンクロスポリマー、ビスPEG-12ジメチコン、ビスPEG-15メチルエーテルジメチコン、アボカド油脂肪酸PEG-8ジメチコン、アジピン酸PEG-8ジメチコンが挙げられる。前記ポリエーテル変性シリコーンは1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
前記エチレングリコール系非イオン性界面活性剤として具体的には、例えば、PCAイソステアリン酸PEG-30水添ヒマシ油、(PCA/イソステアリン酸)PEG-40水添ヒマシ油、PCAイソステアリン酸PEG-60水添ヒマシ油、PEG-6PPG-7エチルヘキシルエーテル、PEG-11アボカド油脂肪酸グリセリズ、PEG-10アブラナ種子ステロール、PEG-8オリーブ油エステルズ、PEG-8(カプリル酸/カプリン酸)グリセリズ、PEG-30グリセリルココエート、PEG-6コカミド、PEG-10コカミン、PEG-5水添ヒマシ油、PEG-20水添ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油、PEG-60水添ヒマシ油、PEG-10水添ラノリン、PEG-40水添ラノリン、PEG-10ダイズステロール、PEG-30ダイズステロール、PEG-20ソルビタンココエート、PEG-5ヒマシ油、PEG-10ヒマシ油、PEG-30ヒマシ油、PEG-10ヒマワリグリセリズPEG-8ホホバ油エステルズ、PEG-8ホホバ油エステルズ、PEG-20ラノリン、PPG-7/PEG-30フィトステロール、アーモンド油PEG-8エステルズ、アルガン油PEG-8エステルズ、イソステアリン酸PEG-3、イソステアリン酸PEG-20、イソステアリン酸PEG-40、イソステアリン酸PEG-5グリセリル、イソステアリン酸PEG-15グリセリル、イソステアリン酸PEG-5水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG-30水添ヒマシ油、イソステアリン酸PEG-60水添ヒマシ油、オレイン酸PEG-5、オレイン酸PEG-5グリセリル、オレイン酸PEG-6ソルビタン、(カプリル酸/カプリン酸)PEG-8、ジイソステアリン酸PEG-3、ジイソステアリン酸PEG-20グリセリル、ジオレイン酸PEG-10、ジステアリン酸PEG-12、ジステアリン酸PEG-4グリセリル、水添ダイマージリノール酸PEG-20、ステアリン酸PEG-5、ステアリン酸PEG-40、ステアリン酸PEG-15グリセリル、ステアリン酸PEG-40ソルビタン、ツバキ油脂肪酸PEG-10グリセリズ、トリイソステアリン酸PEG-20グリセリル、トリオレイン酸PEG-10グリセリル、パルミチン酸PEG-6、ラウリン酸PEG-4、ラウリン酸PEG-10ソルビタン、オレス-3、オレス-20、(C9-11)パレス-8、(C12-15)パレス-10、(C20-40)パレス-10、(C12-14)s-パレス-20、イソステアリン酸ラウレス-3、ラウレス-5、ラウレス-20が挙げられる。前記エチレングリコール系非イオン性界面活性剤は、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
前記グリセリン系非イオン性界面活性剤として具体的には、例えば、炭素数6~22の脂肪酸から選択される1個以上の脂肪酸とポリグリセリンをエステル化したポリグリセリン脂肪酸エステルが挙げられる。前記炭素数6~22の脂肪酸として、具体的には、例えば、カプロン酸、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキジン酸、及びベヘン酸が挙げられる。前記グリセリン系非イオン性界面活性剤としてより具体的には、例えば、ラウリン酸ポリグリセリル-6、ステアリン酸ポリグリセリル-6、ラウリン酸ポリグリセリル-10、ステアリン酸ポリグリセリル-10、オレイン酸ポリグリセリル-10、イソステアリン酸ポリグリセリル-10、ジイソステアリン酸ポリグリセリル-10、及びトリオレイン酸ポリグリセリル-10が挙げられる。前記グリセリン系非イオン性界面活性剤は、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
前記非イオン性界面活性剤のエチレングリコール又はグリセリンの重合度は、油分散性ミセルを形成できる限り特に規定はないが、油系媒体に分散させた場合の安定性を比較した結果、油系媒体にも馴染みやすい重合度である1~60であることが好ましい。
(B)アルキル化ケラチンタンパク質は、油分散性ミセルを形成できる限り、分子量、アルキル基の長さ及び含有量、ケラチンタンパク質への結合方法、並びに含有量に規定はない。通常、アルキル基の長さは炭素数6~24であり、直鎖型、分岐型のいずれでもよい。また、含有量は、通常、ケラチンタンパク質としてミセル中に0.001~5%であり、溶媒を含むか溶解している状態でもよい。
前記溶媒としては、水、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリグリセリンなどが挙げられ、2種以上を含有していてもよい。
(B)アルキル化ケラチンタンパク質は、前記の通り、アルキル基の長さ及び結合方法に規定はないが、ミセル中で安定性を比較した結果、特に、ドデシル基がプロパンジオールを介してエーテル型でアルキル化ケラチンタンパク質と結合したドデシルPG付加ケラチンタンパク質が好ましい。
前記アルキル化ケラチンタンパク質の調製方法は、ケラチンタンパク質に親油基としてのアルキル基を付加させることができる限り限定はない。該方法として、例えば、脂肪酸クロリド又はアルキルグリシジルエーテルを用いる方法が挙げられる。脂肪酸クロリドを用いた場合はケラチンタンパク質とエステル又はアミド結合し、グリシジルエーテルを用いた場合には、プロパンジールを介したエーテル結合となる。
前記ケラチンタンパク質を得るためのケラチンの由来にも限定はなく、例えば、ケラチンを含むヒト及び鳥獣の毛(人毛、羊毛、羽毛など)、角、爪が挙げられ、抽出方法は限定されない。また、前記ケラチンタンパク質は、加水分解されたものであってもよいが、毛髪の補修効果として分子量5000以上が好ましく、更に好ましくは10000以上、より好ましくは15000以上である。
本組成物は、ミセル形成を阻害せず、頭髪化粧料に前記アルキル化ケラチンタンパク質を安定的に含有させることができる限り、必要に応じて、前記(A)及び(B)以外の他の成分を含んでいてもよい。
本組成物を得る方法には特に限定はない。本組成物は、例えば、(A)及び(B)成分を個々に溶媒などその他成分に添加することにより、あるいは(A)成分及び(B)成分を予め混合させることにより、(A)及び(B)成分を含む液状又はペースト状物を調製し、次いで、常法に従い攪拌しながら、具体的には、例えば、高温下で前記(A)と(B)の混合物をホモミキサー攪拌しながら、外相液に添加することにより調製することができる。
前記ミセル外相液には様々な油性成分が使用できる。前記油性成分として具体的には、例えば、ジメチコン、ジメチコノール、環状シリコーンオイル、スクワラン、ポリイソブテン、飽和炭化水素、高級アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、並びにホホバ油及びオリーブオイル等の植物油が挙げられる。前記ミセル外相液は1種単独でもよく、2種以上を用いてもよい。
頭髪化粧料
本発明の頭髪用化粧料(以下、「本化粧料」という。)は、本組成物を含む。本化粧料は、アルキル化ケラチンをミセル化して安定的に含有することにより、毛髪の適用部位への補修効果を高めることができる。
本化粧料中の本組成物の含有量は、毛髪の適用部位における機能・特性に対する有効量である限り特に限定はない。本組成物は、油系の頭髪化粧料(油性成分を50質量%以上、好ましくは60質量%以上、更に好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上含有する頭髪化粧料)に限らず、一般的な頭髪化粧料にも配合することが可能であるが、本組成物は、アルキル化ケラチンを油系媒体に安定的に分散させることができることから、油系の頭髪化粧料が好ましい。また、本化粧料では、アルキル化ケラチンのミセルを油性成分に分散させた後、更に水系の外相に分散、乳化させることもできる。この実施態様として、例えば、水相(W)/油相(O)/水相(W)系の処方設計された頭髪化粧料などが挙げられる。
本化粧料に本組成物を含有させる方法にも特に限定はない。例えば、本組成物を別に調製し、これを頭髪用化粧料に添加してもよい。また、本組成物を構成する前記(A)及び(B)成分の全量又はその一部を、頭髪用化粧料を構成するその他成分と共に配合し、頭髪用化粧料を作成する中で同時にミセル組成物を調製してもよい。
本化粧料は、本組成物以外の他の成分を含んでいてもよい。前記その他の成分として、従来から頭髪用化粧料に含有することが公知となっている成分、あるいは他の機能性成分が挙げられる。前記他の成分として具体的には、油脂、炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル油、シリコーン油、界面活性剤(非イオン性、陰イオン性、陽イオン性、両性)、保湿剤、水溶性高分子、皮膜剤、紫外線吸収剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖類、アミノ酸、pH調整剤、ビタミン、酸化防止剤、色素、防腐剤、及び香料等が挙げられる。
本化粧料の具体的用途には特に限定はない。本化粧料は、アルキル化ケラチンタンパク質を含有していることから、例えば、毛髪の物性(強度及び伸長率等)を改善するため、又は毛髪のハネ若しくはうねりによる毛先の乱れを改善し、あるいは、さらに質感(しっとり感、さらさら感、柔らかさ等)を向上するために用いることができる。また、本化粧料の具体的な実施形態としては、例えば、ヘアオイルの他、シャンプー、リンス、トリートメント、コンディショナー、整髪料、パーマネントウェーブ剤、カーリング剤、ヘアカラー剤、育毛・養毛剤、及びこれらの剤を使用する前又は後処理剤等が好ましい。
以下、実施例により本発明を具体的に例示する。尚、本発明は、実施例に示す形態に限定されない。本発明の実施形態は、目的及び用途に応じて、本発明の範囲内で種々変更することができる。また、実施例における結果に対する考察は、全て発明者の見解に過ぎず、何ら本発明を定義付ける趣旨の説明ではないことを付言する。
油分散性ミセル組成物の調製例1
5%のドデシルPGケラチン(分子量25000~35000)を溶解させた水溶液1gをPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン30gと混合しペースト状物を調製した。その後、80℃に加熱し、ホモミキサーで3000rpmの条件下で80℃に加熱したジメチコン69gに添加、攪拌することにより、ミセル組成物を調製した。
油分散性ミセル組成物の調製例2
10%のカプリロイル化ケラチンタンパク質(分子量5000~10000)を溶解させた水溶液10gに、予めジプロピレングリコール10gを添加した溶液と、20gのジイソステアリン酸ポリグリセリル-10を、50℃においてパドルミキサー300rpmで均一に混合した。ここで得られた乳白色のペースト状物を、スクワラン60gにパドルミキサー300rpmで攪拌しながら添加することにより、ミセル組成物を調製した。
油分散性ミセル組成物の調製例3
0.1%のイソステアロイル化ケラチンタンパク質(分子量10000~15000)を溶解させた50%エタノール水溶液10gと60℃に加熱したPEG-60水添ヒマシ油20gとを均一に混和させ、予めPEG-12ジメチコンを5g、ビタミンEを0.1g含有するホホバオイル、環状シリコーンオイル、及びイソノナン酸イソノニルの混合オイル(重量比等分)64.9gに少しずつ添加し分散させることにより、ミセル組成物を調製した。
以下に本発明の油分散性ミセル組成物を含有する頭髪用化粧料の処方例を示す。配合量は質量%である。なお、本処方例において、油分散性ミセルの調製、頭髪用化粧料への配合方法に限定はないが、ここでは予めミセル組成物を調製した後、その他の成分を混合し頭髪用化粧料を作製している。
(処方例1:シャンプー)
成分 含有量(質量%)
ココイルグルタミン酸TEA 12.00
ラウロイルメチルアラニンNa 4.00
コカミドプロピルベタイン 3.00
コカミドDEA 1.50
ポリクオタニウム-10 0.40
尿素 1.00
エチドロン酸 0.05
安息香酸Na 0.40
調製例1の油分散性ミセル組成物 10.00
ルイボスエキス 0.10
アロエベラ液汁 0.10
香料 適量
精製水 残量
全量 100.00
(処方例2:ヘアトリートメント)
成分 含有量(質量%)
ベヘントリモニウムクロリド 1.50
ステアルトリモニウムクロリド 1.50
ステアリン酸グリセリル 1.00
セチルアルコール 6.00
ベヘニルアルコール 1.00
水添ポリイソブテン 6.00
ジメチコン 3.00
アモジメチコン 1.00
ジメチコノール 1.00
ポリシリコーン-29 0.30
シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸ビスエトキシジグリコール 0.20
グリセリン 1.00
BG 2.00
カエサルピニアスピノサガム 0.40
乳酸 0.05
コレステロール 0.10
セラミドNP 0.10
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
調製例2の油分散性ミセル組成物 10.00
香料 適量
精製水 残量
全量 100.00
(処方例3:ヘアミスト)
成分 含有量(質量%)
PEG-60水添ヒマシ油 1.00
BG 5.00
グリセリン 2.00
エトキシジグリコール 1.00
尿素 1.00
クエン酸 0.05
ジメチコン 0.50
アモジメチコン 0.50
ビスセテアリルアモジメチコン 0.50
ジメチコノール 0.50
セラミドAG 0.10
加水分解シルク 0.50
アルギニンエチルHCl 0.50
クロフサスグリ果実エキス 0.01
メチルパラベン 0.20
調製例3の油分散性ミセル組成物 10.00
香料 適量
精製水 残量
全量 100.00
(処方例4:処理剤)
成分 含有量(質量%)
PG 5.00
グリセリン 2.00
ベタイン 2.00
尿素 1.00
トレハロース 0.50
ポリクオタニウム-7 0.50
デシルグルコシド 0.10
ラウラミドプロピルベタイン 0.10
加水分解ケラチン 1.00
加水分解コラーゲン 1.00
加水分解シルク 1.00
セラミドAP 0.50
アルギニン 0.01
クエン酸 0.05
メチルパラベン 0.20
調製例1の油分散性ミセル組成物 5.00
香料 適量
精製水 残量
全量 100.00
(処方例5:ヘアワックス)
成分 含有量(質量%)
キャンデリラロウ 3.00
セテアリルアルコール 2.00
ステアリン酸グリセリル 1.00
ステアリン酸 2.00
セテス-40 1.00
水添ポリイソブテン 4.00
ジメチコン 2.00
ポリアクリルアミド 0.50
BG 2.00
水酸化Na 0.02
ホホバ種子油 0.10
フェノキシエタノール 0.80
調製例2の油分散性ミセル組成物 2.00
香料 適量
精製水 残量
全量 100.00
(処方例6:ヘアクリーム)
成分 含有量(質量%)
ミネラルオイル 10.00
ブドウ種子油 3.00
ワセリン 3.00
イソステアリン酸グリセリル 2.00
セテス-40 2.00
ツバキ種子エキス 0.50
ポリソルベート-20 1.00
カルボマー 0.50
アルギニン 0.10
グリセリン 3.00
メチルパラベン 0.20
プロピルパラベン 0.10
調製例3の油分散性ミセル組成物 4.00
香料 適量
精製水 残量
全量 100.00
(処方例7:ヘアマニキュア)
成分含有量(質量%)
ベンジルアルコール 4.00
エタノール 25.00
グリコール酸 2.00
ヒドロキシエチルセルロース 2.00
キサンタンガム 0.40
ジメチコン 1.00
黒401 0.50
調製例1の油分散性ミセル組成物 3.00
香料 適量
精製水 残量
全量 100.00
(処方例8:ヘアカラートリートメント)
成分 含有量(質量%)
ステアルトリモニウムクロリド 1.00
ベヘナミドプロピルジメチルアミン 2.00
セテアリルアルコール 8.00
カプリル酸グリセリル 2.00
デシルグルコシド 0.50
ヒドロキシエチルセルロース 0.30
ポリクオタニウム-37 0.50
ジメチコン 1.00
アモジメチコン 1.00
ジメチコノール 1.00
エトキシジグリコール 3.00
グリセリルグルコシド 1.00
尿素 4.00
炭酸水素アンモニウム 0.80
アルギニン 0.40
塩基性青9 90.20
HC青2 0.20
調製例2の油分散性ミセル組成物 5.00
フェノキシエタノール 0.80
香料 適量
精製水 残量
全量 100.00
(処方例9:カーリング剤)
(1剤)
成分 含有量(質量%)
システアミンHCl 2.00
コレステロール 0.50
グルコシルセラミド 0.50
モノエタノールアミン 0.50
アルギニン 0.30
クエン酸 0.50
ステアリン酸ポリグリセリル-10 1.00
コカミドDEA 1.00
EDTA-2Na 0.10
フェノキシエタノール 0.80
調製例3の油分散性ミセル組成物 2.00
香料 適量
精製水 残量
全量 100.00
(2剤)
成分含有量(質量%)
臭素酸Na 10.00
BG 4.00
クエン酸 0.10
クエン酸Na 0.60
フェノキシエタノール 0.80
ヒドロキシエチルセルロース 2.00
PEG-60水添ヒマシ油 1.00
香料 適量
精製水 残量
全量 100.00
(処方例10:ヘアスプレー(エアゾール))
成分 含有量(質量%)
(アクリル酸アルキル/ジアセトンアクリルアミド)コポリマーAMP 2.00
BG 1.00
ユズ果実エキス 1.00
ジメチコン 0.10
調製例1の油分散性ミセル組成物 1.00
精製水 5.00
香料 適量
エタノール 残量
LPG 6.00
全量 100.00
(処方例11:セットジェル)
成分 含有量(質量%)
PVP 4.00
BG 2.00
エタノール 25.00
グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド 1.20
クエン酸 0.05
クエン酸Na 0.10
アルゲエキス 1.00
マカデミアナッツ油 0.10
調製例2の油分散性ミセル組成物 1.00
香料 適量
精製水 残量
全量 100.00
(処方例12:ヘアオイル)
成分 含有量(質量%)
シクロペンタシロキサン 45.00
ジメチコノール 20.00
PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 10.00
ドデシルPGケラチンタンパク質(分子量25000~35000) 0.10
精製水 4.90
1,3-ブチレングリコール 2.00
防腐剤 適量
ビタミンE 0.10
アモジメチコン 3.00
ジメチコン 残量
全量 100.00
処方例12の調製方法
適量の防腐剤を1,3-ブチレングリコール2gに加温溶解させ、0.1gのドデシルPGケラチンタンパク質を含有する水溶液5gと混合した。ここにPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン10gを添加し攪拌することで、僅かに淡黄色のペースト状のケラチンタンパク質/エーテル変性シリコーン混合物を得た。次にこれをシクロペンタシロキサン45gにパドルで100rpm、室温条件下で添加し、均一になるまで攪拌し、油分散性ミセル組成物を得た。最後に、ジメチコノール20g及びアモジメチコン3g、ビタミンE0.1gを添加し、ジメチコンにて全量を100gとした。
毛髪補修効果
引張強度を指標として、ダメージを受けた毛髪に対する処方例12の補修効果を評価した。ヒトの毛髪(直毛)100gを1.0%SDS水溶液200mLに10分間含浸した。精製水で洗浄後、40℃に保温したブリーチ剤(28%アンモニア水7mL、30%過酸化水素水26mLを含む全量200mLの水溶液)に24時間含浸した。その後、再度精製水にて毛髪を洗浄し、室温で24時間風乾し、ダメージ毛を作製した。
作製したダメージ毛で1束20gになるように毛束を作製し、(1)処方例12、(2)処方例12に含まれるPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを、ジイソステアリン酸PEG-3(エチレングリコール系の非界面活性剤)に置き換えた処方、(3)処方例12に含まれるPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンを、ラウリン酸ポリグリセリル-6(グリセリン系非イオン性界面活性剤)に置き換えた処方、さらにはその比較として、処方例12に含有するアルキル化ケラチンを(4)ドデシルPGケラチン(分子量3000~5000を使用)と(5)高分子ケラチンタンパク質(アルキル化処理なし、分子量25000~35000)に置き換えたもの、対照として(6)ケラチンタンパクを配合していない処方例12をそれぞれ0.5gずつ塗布、コーミングし、6時間後の引張強度を測定した。
株式会社エーアンドデイ社製デジタルフォースゲージを用いて、上記処理後の毛髪の強度を測定した。各検体の毛髪1本に荷重を与え毛髪が切断した力(単位:N)を引張強度とした。なお、測定は各検体20本行い、その平均値で評価した。
それぞれの引張強度の測定結果は下記の通りであった。但し、サンプル(5)では、高分子ケラチンタンパク質の一部が析出していた。
(1)1.10N
(2)1.13N
(3)1.09N
(4)0.95N
(5)0.72N
(6)0.70N
引張強度試験の結果、アルキル化ケラチンを含むサンプル(1)、(2)、(3)及び(4)のいずれも、ケラチンを配合していないサンプル(6)及びアルキル化処理されていない高分子ケラチンを配合したサンプル(5)よりも優れた毛髪補修効果を示した。また、ポリエーテル変性シリコーン(サンプル(1))又はエチレングリコール系若しくはグリセリン系非イオン性界面活性剤(サンプル(2)及び(3))のいずれの処方においても優れた補修効果が認められた。アルキル化ケラチンとして高分子量(25000~35000)のドデシルPGケラチンを使用したサンプル(1)は、低分子(3000~5000)のドデシルPGケラチンを使用したサンプル(4)よりも優れた毛髪補修効果を示した。よって、本発明の組成物及び頭髪用化粧料として、ポリエーテル変性シリコーン又はエチレングリコール系若しくはグリセリン系非イオン性界面活性剤が使用でき、また分子量5000以上のアルキル化ケラチンが望ましいことが分かる。一方、アルキル化処理されていない高分子ケラチンを配合したサンプル(5)は、ケラチンを配合していない(6)と差が小さく、補修効果が弱かった。これは、ミセル組成物及び頭髪用化粧料中に安定的にケラチンを保持することができなかったためであると考えられる。
上記の通り、本組成物は、アルキル化ケラチンタンパク質を安定的に油分散性ミセルに含有させることができる。油分散性ミセル組成物は、頭髪用化粧料、特に油系の頭髪用化粧料にケラチンタンパク質を配合することができる。その結果、毛髪の適用部位における保護力、補修力及び改善力に優れた有用な効果を頭髪用化粧料に付与することができる。
特に、分子量5000以上のアルキル化ケラチンにおいて、優れた毛髪への補修効果が得られ、頭髪用化粧料、特にタンパク質の溶解・分散が難しい油系頭髪化粧料(ヘアオイルなど)においても安定的にケラチンタンパク質を保持することができる。
また、本組成物は、油系の頭髪化粧料に限らず、一般的な頭髪化粧料にも配合することが可能である。よって、本化粧料は、用途が広く実用的であり、化粧品業界の分野において利用価値が高い。

Claims (4)

  1. (A)ポリエーテル変性シリコーン又はエチレングリコール系若しくはグリセリン系非イオン性界面活性剤;及び
    (B)アルキル化ケラチンタンパク質;
    を含む、油分散性ミセル組成物。
  2. 前記(B)アルキル化ケラチンタンパク質の分子量が5000以上である、請求項1記載の油分散性ミセル組成物。
  3. 前記(B)アルキル化ケラチンタンパク質が、ドデシルPG付加ケラチンタンパク質である、請求項1又は2に記載の油分散性ミセル組成物。
  4. 請求項1~3のいずれか1項に記載の油分散性ミセル組成物を含む、頭髪用化粧料。
JP2021186864A 2021-11-17 2021-11-17 油分散性ミセル組成物及びそれを含有する頭髪用化粧料 Pending JP2023074095A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021186864A JP2023074095A (ja) 2021-11-17 2021-11-17 油分散性ミセル組成物及びそれを含有する頭髪用化粧料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021186864A JP2023074095A (ja) 2021-11-17 2021-11-17 油分散性ミセル組成物及びそれを含有する頭髪用化粧料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023074095A true JP2023074095A (ja) 2023-05-29

Family

ID=86537793

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021186864A Pending JP2023074095A (ja) 2021-11-17 2021-11-17 油分散性ミセル組成物及びそれを含有する頭髪用化粧料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023074095A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6416754B2 (ja) 脂肪アルコール、カチオン性界面活性剤及びn−アシル−n−メチルグルカミンを含む組成物
US8288329B2 (en) Hair-treatment composition and hair-treatment method using same
US20090071493A1 (en) Compositions and methods for conditioning hair
JP6657403B2 (ja) 縮毛を減少させるための組成物
US8298297B2 (en) Hair-treatment composition and hair-treatment method using same
JP2018536672A (ja) 少なくとも一種のオリゴエステルアンモニウム塩を含むシャンプー組成物
JP5726469B2 (ja) γ−ラクトン誘導体を含有する毛髪化粧料
JP2007145858A (ja) 頭髪及び/または頭皮のトリートメント組成物
JP2004513958A (ja) クリーム状のパーマネント泡または安定した発泡クリームの形態である化粧用または皮膚科学用薬剤
TWI821493B (zh) 毛髮處理組成物
PH12018000302A1 (en) Conditioning agent and conditioning composition
AU2009259418A1 (en) Composition
CN110996889A (zh) 用于毛发处理的含水组合物
KR102415236B1 (ko) 모발, 피부 또는 섬유 성분 소실 방지용 조성물
US6110450A (en) Hair care compositions comprising ceramide
KR102485259B1 (ko) 모발 상태 개선용 액상 지질 복합 조성물
CN108495615A (zh) 链烷醇胺烷基酰胺作为保湿剂的用途
JP2014080384A (ja) 毛髪処理剤組成物
JP6039336B2 (ja) ラクトン誘導体及びこれを含有する化粧料
JP2023074095A (ja) 油分散性ミセル組成物及びそれを含有する頭髪用化粧料
KR20090071646A (ko) 헤어 트리트먼트 조성물
JP5530587B2 (ja) 毛髪処理用組成物
JP7541712B2 (ja) ベシクル組成物及びそれを含有する頭髪用化粧料並びに還元ケラチンの安定化剤
KR102065629B1 (ko) 알콕실화 지방 알콜 알킬 에테르 및 그를 함유하는 제품
JP6087162B2 (ja) ビスラクトン誘導体及びこれを含有する化粧料