JP2023074005A - 電気車両用の駆動機器、および車両 - Google Patents

Abstract

【課題】トルクリップルの小さい車両を駆動するための駆動機器を提供する。【解決手段】電気車両用の駆動機器であって、ステータと、ロータと、を有し、前記ステータは、長手方向軸に沿って延びるとともに内部に多数のスロット２２が前記周方向に配置されるステータコア２０と、前記スロット２２において複数の巻線ゾーン２７を占めるステータ巻線２６であって、各巻線ゾーン２７が前記長手方向軸に対して垂直な断面平面において中央径方向分割部２８によって第１側２９と第２側３０とにさらに分割される、ステータ巻線２６と、を有し、前記ロータは、好適な前記回転方向として、前記回転ロータ運動の２つの前記回転方向のうちの一方を有し、前記第２側３０は、前記好適な回転方向に沿って、前記第１側２９に続き、前記第１側２９における各巻線ゾーン２７は、前記第２側３０によりも前記スロット２２の小さい断面積を占める、駆動機器。【選択図】図３

Description

本発明は、回転磁界を生成するように構成されたステータとコンバータ機器とを有する、電気車両の駆動機器に関する。ステータは、ステータコアとステータ巻線とを有する。ステータコアは、長手方向軸に沿って延び、その内部に周方向に配置された多数のスロット（溝）が構成される。ステータ巻線は、スロットにおいて複数の巻線ゾーンを占める。各巻線ゾーンは、長手方向軸に対して垂直な断面平面において中央径方向分割部によって第１側と第２側とにさらに分割される。コンバータ機器は、回転界の磁気エネルギーを駆動機器の回転出力運動に変換するためのものである。コンバータ機器は、ステータと協働して回転電気機械を形成し、回転界に応じて２つの対向する回転方向のうちの一方を選択的に有する回転ロータ運動に設定可能なロータと、回転ロータ運動を回転出力運動に変速するように構成される変速部と、を有する。

また、本発明は、車両に関する。

ＪＰ５９３５５８７Ｂ２は、パラレル・ハイブリッド車両に配置される電気機械およびギアボックスを開示している。電気機械は、ステータコアおよびステータ巻線を有するステータ、ならびにロータを有している。

電気で駆動される車両において、好適なＮＶＨ（ノイズ、振動、ハーシュネス）の挙動を達成するためには、理想的に滑らかなトルクの伝達、すなわちできる限りリップルの小さいトルクの伝達が望まれる。これは、特に、駆動機器の電気機械における小さいトルクリップルおよび小さい寄生力により達成される。電気機械のステータのステータ巻線の場合、必要な個数の巻線が、ステータのステータコアにおいて、巻線の張り出しが少なく対称的に配置されるべきであるとともに、簡単かつ高いプロセス信頼性を有する自動生産を視野に入れた生産しやすい方法で接続されるべきである。

本発明は、トルクリップルの小さい車両を駆動するためのオプションを構成するという目的に基づいている。

冒頭に述べたタイプの駆動機器において、この目的は、本発明によれば、コンバータ機器が好適な回転方向として回転ロータ運動の２つの回転方向のうちの一方を有し、第２側が好適な回転方向に沿って第１側に続き、第１側における各巻線ゾーンが第２側よりもスロットの小さい断面積を占める、という点において達成される。

本発明による駆動機器は、ステータを有する。ステータは、回転磁界を生成するように構成される。ステータは、ステータコアを有する。ステータコアは、長手方向軸に沿って延びる。ステータコアには、多数のスロットが構成される。スロットは、周方向に配置される。ステータは、ステータ巻線をさらに有する。ステータ巻線は、スロットにおける複数の巻線ゾーンを占める。各巻線ゾーンは、断面平面において中央径方向分割部によって第１側と第２側とにさらに分割される。断面平面は、長手方向軸に対して垂直である。駆動機器は、回転界の磁気エネルギーを駆動機器の回転出力運動に変換するためのコンバータ機器をさらに有する。コンバータ機器は、ロータを有する。ロータは、ステータと協働して回転電気機械を形成する。ロータは、回転ロータ運動に設定可能である。回転ロータ運動は、回転界に応じて２つの対向する回転方向のうちの一方を選択的に有する。コンバータ機器は、変速部をさらに有する。変速部は、回転ロータ運動を回転出力運動に変速するように構成される。コンバータ機器は、好適な回転方向として、回転ロータ運動の２つの回転方向のうちの一方を有する。第２側は、好適な回転方向に沿って、第１側に続く。第１側における各巻線ゾーンは、第２側よりもスロットの小さい断面積を占める。

本発明は、巻線ゾーンが不均一に占められる場合、ＮＶＨの挙動が、回転ロータ運動の一方の回転方向において、他方の回転方向に沿うよりも良好に達成されるという構想に基づいている。本発明は、巻線ゾーンを占めることが駆動機器の好適な回転方向に応じて選択されるという点においてこの構想を利用する。この結果としてわずかなトルクリップルが達成され、これによって電気機械の非常に滑らかな運転が達成されると同時に、ステータ巻線はスロットに対称的に配置される。

典型的には、ステータコアは、積層された、および／または相互に分離した多数の個々のシートから構成される。この範囲で、ステータコアは、積層ステータコアとも称され得る。断面平面は、特に、径方向および周方向によって定義される。径方向分割部は、特に、長手方向軸および径方向によって定義される面上に延びる。ステータコアは、典型的には、端部側と、この端部側の反対側に存在するさらなる端部側と、を有する。

ロータは、恒久的に励磁されてもよいし、恒久的に励磁されなくてもよい。ロータは、独立して励磁され得る。ロータは、磁気的に励磁されてもよいし、電圧的に励磁されても良い。変速部は、特に、回転ロータ運動を回転出力運動に変換するようにも構成される。回転ロータ運動の回転方向は、回転ロータ運動の向きであるとも理解され得る。これにより、好適な回転方向が好適な向きに対応する。

好適には、各巻線ゾーンは、少なくとも２つのスロットに亘って、特に好適には少なくとも３つのスロットまたは少なくとも４つのスロットに亘って延びる。電気機械の同一相に関連付けられたステータ巻線の部分は、典型的には、各巻線ゾーンに配置される。

分割部は、ｘが奇数である場合にそれぞれの巻線ゾーンの［（ｘ＋１）／２］番目のスロットを通って延び得るとともに、また、ｘが偶数である場合にそれぞれの巻線ゾーンの（ｘ／２）番目のスロットと［（ｘ＋１）／２］番目のスロットとの間で中心となるように延び得る。ｘは、それぞれの巻線ゾーンが占めるスロットの個数を表す。

好適な回転方向は、種々の方法で予め定義され得る。一般に、回転ロータ運動の好適な回転方向の存在により、車両の前進走行が開始され得る。また、回転ロータ運動の他方の回転方向の存在により、車両の後進走行が開始され得る。

前記好適な回転方向における前記変速部の効率が、前記回転方向のうちの他の一方よりも高いということが可能である。換言すれば、変速部は、好適な回転方向の存在時での回転ロータ運動の回転出力運動への変速が、回転ロータ運動の他方の回転方向の存在時よりも効率的であるように規定され得る。例えば、変速部の機械的損失は、好適な回転方向の存在時において、他方の回転方向の存在時よりも少ない。

また、前記変速部は、前記好適な回転方向を決定する非対称設計の実施形態を有するギアボックスを有することが提供され得る。したがって例えば、ギアボックスの相互に噛み合うギアホイールのそれぞれの歯は、非対称な構成を有し得る。

前記駆動機器は、前記変速部用の制御機器をさらに有し得る。前記制御機器は、前記好適な回転方向に対して、前記回転方向のうちの他の一方よりも多くの選択可能な動作モードを有する。したがって、より多くの動作モードが、後進走行よりも前進走行に対して提供され得る。

また、前記駆動機器は、前記好適な回転方向において、前記回転方向のうちの他の一方よりも高い冷却効率を有する換気機器を有することも可能である。例えば、より高い冷却効率は、向かい風を受ける好適な回転方向が存在するときの空気取り入れ口の位置に由来し得る。

本発明による駆動機器のステータ巻線は、丸線巻線として構成され得る。

代替的に、ステータ巻線は、成形導体巻線として、特にヘアピン巻線として構成され得る。成形導体巻線のステータ巻線は、多数の成形導体（成形された導体）により構成される。成形導体は、回転場を生成するためにステータ巻線を通過する電流のための単数の電流経路または複数の電流経路を構成する。成形導体は、金属ロッドから構成され得る、および／または矩形または角丸矩形の断面を有し得る。成形導体の各部または一部は、好適には、それぞれのスロットの内部において軸方向に延びる２つの直線部分を有する。直線部分は、コイル端部分により、ステータコアの第１端部側において互いに接続され得る。ステータコアのさらなる端部側の各直線部分は、端部分に隣接し得る。直線部分は、好適には、コイル端部分および／または端部分と一体となるように構成される。２つのそれぞれの成形導体の端部分は、好適には、ステータ巻線を構成するように、互いに対して機械的に、導電的かつ材料一体的に、特に溶接により接続される。さらに、成形導体の一部、特にステータ巻線を成形導体に設けられた、相コネクタおよび／または単数または複数の中性点に接続するための一部は、直線部分と、第１端部側の接続部分と、さらなる端部側の端部分と、を有し得る。

本発明による駆動機器において、前記ステータ巻線は、Ｎ個のストランドと２・Ｐ個の極とを有し、スロットの個数は２・Ｐ・Ｎ・ｑであり、ｑ≧２であり、各巻線ゾーンは、少なくともｑ＋１個の前記スロットに亘って延び、Ｐ、Ｎおよびｑは自然数である。ｑは、孔数、または各極および相に対するスロットの個数ともそれぞれ称され得る。各巻線ゾーンは、好適には、第１～第Ｌ階層に径方向にさらに分割され、前記第１～第Ｌ階層は、前記径方向においてそれらのシーケンス（順序）にしたがって指定され、前記階層は、第１～第（Ｌ／２）ダブル階層を構成し、第ｉ番目の前記ダブル階層は、すべての１≦ｉ≦（Ｌ／２）に対して（２ｉ－１）番目および（２ｉ）番目の階層を含み、Ｌ≧６かつ偶数であり、Ｌおよびｉは自然数である。階層の個数は、６、８、１０、１２、１４または１６であり得る。ヘアピン巻線としてのステータ巻線の設計実施形態において、成形導体のうちの１つの直線部分が、各階層に配置され得る。

他の前記ダブル階層の個数よりも少ない個数の前記ダブル階層は、好適には、少なくとも１つのスロットによって、他の前記ダブル階層に対して前記好適な回転方向と逆にずらされる。このようなダブル階層の配置は、ステータ巻線の不均一ピッチとも称され得る。この結果、第１側の各巻線ゾーンは、第２側よりも小さい断面積を占めるということが達成され得る。特に、径方向外側のダブル階層、径方向内側のダブル階層、または径方向中央のダブル階層がずらされ得る。

さらに、前記周方向における各巻線ゾーンは、第１～第ｑサブ巻線ゾーンにさらに分割され、前記サブ巻線ゾーンは、いずれの場合もすべての階層を含むとともに、前記周方向においてそれらのシーケンスにしたがって指定され、それぞれのストランドに対する前記ステータ巻線は、相巻線を有し、前記相巻線は、電流経路を形成する少なくとも１つのサブ巻線を含み、少なくとも１つの前記サブ巻線は、前記スロット内に配置された内側部分と、前記ステータコアの端部側に配置された接続部分と、を含み、前記接続部分は、いずれの場合も導電的な態様で、前記電流経路に関して直接的に連続する２つの内側部分を接続するということが提供され得る。内側部分は、成形導体の直線部分により構成され得る。第１端部側の接続部分は、成形導体の端コイル部分により構成され得る。さらなる端部側の接続部分は、２つの異なる成形導体の接続された端部分により構成され得る。

ステータ巻線は、中性点を有し得る。それぞれのストランドの少なくとも１つのサブ巻線は、中性点を形成するよう配線され得る。また、ステータ巻線は、各ストランドに対して、２つの中性点と複数のサブ巻線とを有し得る。本例において、それぞれのストランドのサブ巻線のうちの１つが、中性点のうちの一方を形成するように配線され得るとともに、それぞれのストランドのサブ巻線のうちの他の１つが、中性点のうちの他方を形成するように配線され得る。

設計実施形態の第１変形例によれば、前記サブ巻線は、前記電流経路に関して連続する内側部分からなる複数の導体シーケンスを含み得る。各導体シーケンスは、前記ダブル階層のうちの１つに配置されるとともに、前記ステータコアの完全な周回を形成する。このようにして、波状巻線がステータ巻線として構成され得る。

また、前記導体シーケンスのうちの第１～第Ｌ／２導体シーケンスは、いずれの場合も周方向に沿って、特に前記好適な回転方向に沿って延び、前記導体シーケンスのうちの第［（Ｌ／２）＋１］～第Ｌ導体シーケンスは、いずれの場合も前記周方向と逆のさらなる周方向に沿って延びることが好適である。この結果、波状巻線は、逆方向に巻かれ得る。

改良点において、前記電流経路に関して他の導体シーケンスに直接的に続く各導体シーケンスは、前記他の導体シーケンスとは異なるサブ巻線ゾーンに配置されることが提供され得る。

設計実施形態の第１変形例において、前記サブ巻線に対応するさらなるサブ巻線が設けられ、前記サブ巻線の内側部分と同一の前記巻線ゾーンの同一の前記階層に存在する前記さらなるサブ巻線のそれぞれの内側部分が、前記サブ巻線の前記内側部分が存在する前記サブ巻線ゾーンとは異なるサブ巻線ゾーンに配置されることがさらに好適である。この範囲で、サブ巻線は、第１サブ巻線とも称され得る。また、さらなるサブ巻線は、第２サブ巻線とも称され得る。

設計実施形態の第２および第３変形例について以下に説明する。

設計実施形態の第２および第３変形例において、ラップ／波を組み合わせた巻線を形成するために、前記少なくとも１つのサブ巻線のうちの１つは、第１タイプの第１～第Ｐ導体シーケンスのセットを含み、前記第１タイプの第１～第Ｐ導体シーケンスは、前記電流経路に関してそれらの指定シーケンスにおいて連続しているとともに、同一の前記ストランドのための直接的に隣り合う第１～第４巻線ゾーンにいずれの場合も配置されることが提供され得る。好適には、前記第１タイプの各導体シーケンスは、１つの第１内側部分および１つの第２内側部分からなる第１～第（Ｌ／２）対を含み、前記対は、前記電流経路に沿ってそれらのシーケンスにしたがって指定される。前記第１および前記第２内側部分は、同一の前記ダブル階層の異なる階層に配置され得る。ここで、好適には、前記第１対は、前記第１ダブル階層に配置され、前記第２対は、前記第（Ｌ／２）ダブル階層に配置され、前記第３対は、前記第２ダブル階層に配置され、または前記第３～第（Ｌ／２）対は、前記第２～第［（Ｌ／２）－１］ダブル階層に配置される。前記第１～第（Ｐ－１）導体シーケンスの前記内側部分が配置される前記第３巻線ゾーンは、前記電流経路に関して前記導体シーケンスに続く前記導体シーケンスが配置される前記第１巻線ゾーンであり得る。前記第１～第（Ｐ－１）導体シーケンスの前記内側部分が配置される前記第４巻線ゾーンは、前記電流経路に関して前記導体シーケンスに続く前記導体シーケンスが配置される前記第２巻線ゾーンであり得る。

設計実施形態の第２および第３変形例において、代替的または追加的に、少なくとも１つの前記サブ巻線のうちの１つは、前記第２タイプの第１～第Ｐ導体シーケンスのセットを含み、記第２タイプの第１～第Ｐ導体シーケンスは、前記電流経路に関してそれらの指定シーケンスにおいて連続しているとともに、同一の前記ストランドのための２つの直接的に隣り合う巻線ゾーンにいずれの場合も配置されることが提供され得る。好適には、前記第２タイプの各導体シーケンスは、１つの第１内側部分および１つの第２内側部分からなる第１～第（Ｌ／２）対を含み、前記対は、前記電流経路に沿ってそれらのシーケンスにしたがって指定されることが提供される。ここで、前記第１および前記第２内側部分は、前記対の前記指定に対応する前記ダブル階層の異なる階層に配置され得る。好適には、前記接続部分のうちの１つによる前記第２タイプの前記第１～第（Ｐ－１）導体シーケンスは、前記電流経路に沿って連続する前記第２タイプの前記導体シーケンスに接続し、後続の前記第２タイプの前記導体シーケンスは、同一の前記ストランドのための２つの直接的に隣り合う巻線ゾーンに配置されることが提供される。このサブ巻線は、第２サブ巻線とも称され得る。

好適には、前記サブ巻線は、前記ステータコアの周りを周方向における反対方向に延びる。

設計実施形態の第２変形例において、前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線の前記導体シーケンスの前記対の前記第１内側部分は、前記ダブル階層の前記階層の一方に配置され、前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線の前記導体シーケンスの前記対の前記第２内側部分は、前記ダブル階層の前記階層の他方に配置されることが提供され得る。

設計実施形態の第３変形例において、前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線の前記導体シーケンスの奇数番号が指定された前記対の前記第１内側部分は、前記ダブル階層の前記階層の一方に配置され得る、前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線の前記導体シーケンスの奇数番号が指定された前記対の前記第２内側部分は、前記ダブル階層の前記階層の他方に配置され得る、前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線の前記導体シーケンスの偶数番号が指定された前記対の前記第１内側部分は、前記ダブル階層の前記他方に配置され得る、および、前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線の前記導体シーケンスの偶数番号が指定された前記対の前記第２内側部分は、前記ダブル階層の前記階層の前記一方に配置され得る。

好適な設計実施形態において、前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線は、前記導体シーケンスの合計ｑセットを含み、前記導体シーケンスは、同一の前記サブ巻線ゾーンにいずれの場合も配置され、前記電流経路に関して同一の前記サブ巻線の他のセットに直接的に続く各セットは、前記他のセットとは異なるサブ巻線ゾーンに配置されることがさらに提供され得る。

本発明が基礎とする目的は、さらに、本発明による駆動機器を備える車両により達成される。前記駆動機器は、前記車両を駆動するように構成される。

好適な回転方向は、車両本体における駆動機器の設置位置であり得る。回転出力運動は、好適には、車両の車軸および／または車輪に作用する。

巻線ゾーンは、同一のストランド、すなわちＵ、ＶまたはＷのステータ巻線の一部しか含まない。

巻線ゾーンは、周方向において、特定の個数のスロットに亘って延び得る。これらのスロットに関する前記巻線ゾーンは、径方向中央において周方向に分割され得る。これらの部分は、第１サブ巻線ゾーンおよび第２サブ巻線ゾーンとして特定され得る。

本発明のさらなる利点および詳細は、以下に説明する例示的な実施形態ならびに図面から得られうる。図面は、概略的なものである。

図１は、本発明による駆動機器の第１の例示的な実施形態を有する、本発明による車両の例示的な実施形態の概略図を示す。 図２は、第１の例示的な実施形態による駆動機器のステータの斜視図を示す。 図３は、第１の例示的な実施形態による、ステータコアに配置されたステータ巻線の概略図を示す。 図４は、第１の例示的な実施形態による、スロットにおける巻線ゾーンの概略図を示す。 図５は、第１の例示的な実施形態によるステータ巻線のブロック回路図を示す。 図６は、第１の例示的な実施形態による、ステータ巻線の相の巻線図を示す。 図７は、本発明による駆動機器の第２の例示的な実施形態によるステータ巻線のブロック回路図を示す。 図８は、第２の例示的な実施形態による、ステータ巻線の相の巻線図を示す。 図９は、本発明による駆動機器の第３の例示的な実施形態によるステータ巻線のブロック回路図を示す。 図１０は、第３の例示的な実施形態によるステータ巻線の相の巻線図を示す。

図１は、駆動機器２の第１の例示的な実施形態を有する車両１の例示的な実施形態の概略図を示す。

駆動機器２は、回転磁界を生成するように構成されたステータ３を有している。さらに、駆動機器２は、回転界の磁気エネルギーを駆動機器２の回転出力運動に変換するコンバータ機器４を有している。

コンバータ機器４は、ステータ３と協働して回転電気機械７を形成するロータ６を有している。ロータ６は、回転ロータ運動８に設定され得る。さらに、コンバータ機器４は、回転ロータ運動８を回転出力運動９に変速および変換するように構成されている変速部９を有している。

変速部９は、回転ロータ運動８の２つ方向のうちの一方を、好適な回転方向１０として有している。これは、特に、変速部９の効率が、回転方向のうちの他の一方よりも、好適な回転方向１０において高いという結果から生じる。したがって、変速部９は、例えば、回転方向１０の存在時における回転ロータ運動８の回転出力運動５への変速が、回転ロータ運動８の他方の回転方向の存在時よりも効率的であるように構成されている。

また、好適な回転方向１０は、変速部７が、回転方向９を決定する非対称設計の実施形態を有するギアボックス１１を有する結果からも生じる。この目的のために、ギアボックス１１の相互に噛み合うギアホイール１２のそれぞれの歯は、例えば非対称の構成となり得る。同様に、好適な回転方向１０は、駆動機器２が変速部９用の制御機器１３を有する結果から生じる。制御機器１３は、好適な回転方向１０に対して、回転方向のうちの他の一方よりも多くの選択可能な動作モードを有している。車両１の前進走行に対して後退走行に対するよりも多くの動作モードが提供され得る。さらに、好適な回転方向１０は、駆動機器２が、好適な回転方向１０において、回転方向のうちの他の一方よりも高い冷却効率を有する換気機器１４を有している結果から生じる。さらに、好適な回転方向１０は、車両１における駆動機器２の設置位置の結果からも生じる。

さらに図１に示すように、駆動機器２のシャフト１５による回転ロータ運動８は、変速部９に作用する。車両１の車軸１６による回転出力運動５は、車両１の車輪１７に作用する。

図２は、第１の例示的な実施形態による駆動機器２のステータ３の斜視図を示す。

ステータ３は、長手方向軸２１に沿って延びるステータコア２０を有している。ステータコア２０内には、周方向に配置された多数のスロット２２が構成されている。ここで、例示的な態様におけるステータコア２０は、ロータ６（図１参照）用の受容スペース２３を取り囲むとともに、第１端部側２４と、前記第１端部側２４の反対側にある第２端部側２５と、を有している。さらに、ステータ３は、ステータ巻線２６を有している。

図３は、ステータコア２０に配置されたステータ巻線２６の概略図を示す。

ステータ巻線は、スロット２２における複数の巻線ゾーン２７を占める。ここで、長手方向軸２１（図２参照）に対して垂直な断面平面であって、図３の図面の平面に対応する断面平面において、各巻線ゾーンは、中央径方向分割部２８によって第１側２９と第２側３０とにさらに分割されている。例示的な本実施形態において、例示的な態様にある各巻線ゾーン２７は、３つのスロット２２に亘って延びる。これにより、分割部２８は、巻線ゾーン２７の３つのスロット２２のうちの二番目のスロットの中心を通って延びる。

好適な回転方向１０に沿った第２側３０は、第１側２９に連続している。図示のように、第１側２９の各巻線ゾーン２７は、第２側３０よりも、スロット２２の小さい断面積を占めている。

さらに図３に示すように、ステータ巻線２６は、電気機械７（図１）のそれぞれの相のためのＮ＝３のストランドＵ、Ｖ、Ｗを有している。各巻線ゾーン２７は、同一のストランドＵ、Ｖ、Ｗのステータ巻線２６のごく一部のみしか含まない。例示的な本実施形態におけるステータ巻線２６の孔数ｑは２である。現在、各巻線ゾーン２７は、複数のスロット２２に亘って延びており、その数はｑ＋１である。さらに、各巻線ゾーン２７は、第１巻線ゾーン～第ｑサブ巻線ゾーン３１ａ、３１ｂに、具体的には第１サブ巻線ゾーン３１ａと第２サブ巻線ゾーン３１ｂとにさらに分割されている。

図４は、スロット２２における巻線ゾーン２７の概略図を示す。

図３においてハッチング領域として特定される各巻線ゾーン２７は、第１～第６（第Ｌ）階層３２ａ～３２ｆに径方向にさらに分割されている。これは、径方向において径方向外側から径方向内側へのそれらのシーケンス（順序）にしたがって指定されている。階層３２ａ～３２ｆは、第１～第３［（Ｌ／２）］ダブル階層３３ａ～３３ｄを形成している。ｉ番目のダブル階層は、すべての１≦ｉ≦（Ｌ／２）に対して、（２ｉ－１）番目および（２ｉ）番目の階層を備えている。したがって、第１ダブル階層３３ａは、第１階層３２ａと第２階層３２ｂとを含み、第３ダブル階層３３ｂは、第３階層３２ｃと第４階層３２ｄとを含み、第３ダブル階層３３ｃは、第５階層３２ｅと第６階層３２ｆとを含んでいる。現在径方向において最も外側のダブル階層３３ａであるダブル階層３３ａは、スロット２２により、好適な回転方向と逆の他のダブル階層３３ｂ、３３ｃに対して、好適な回転方向１０とは逆にずらされている。

図５は、第１の例示的な実施形態によるステータ巻線２６のブロック回路図を示す。

各ストランドＵ、Ｖ、Ｗのためのステータ巻線２３は、相巻線３４ｕ、３４ｖ、３４ｗを有している。各相巻線３４ｕ、３４ｖ、３４ｗは、第１サブ巻線３５ａと第２サブ巻線３５ｂとを含んでおり、これらはいずれの場合も電流経路を構成している。各サブ巻線３５ａ、３５ｂは、直列に接続した導体シーケンス３６ａ～３６ｆを含んでいる。その個数は、層数Ｌと一致している。

各相巻線３４ｕ、３４ｖ、３４ｗは、相コネクタ３７に接続している。相巻線３４ｕ、３４ｖ、３４ｗは、さらに、２つの中性点３８を形成するように配線されている。第１サブ巻線３５ａは、第１中性点３８ａを形成するように配線され、第２サブ巻線３５ｂは、第２中性点３８ｂを形成するように配線されている。相コネクタ３７および中性点３８ａ、３８ｂは図２にも示されている。

図６は、第１の例示的な実施形によるステータ巻線２６の相Ｕの巻線図を示す。

ステータ巻線２６は、２・Ｐ＝１０極と、Ｎ＝３相と、孔数ｑ＝２と、を有している。スロット２２の個数は、２Ｐ・Ｎ・ｑ＝６０である。図６に１～６０までのスロット番号を示す。各サブ巻線３５ａ、３５ｂは、スロット２２内に配置された内側部分３９と、接続部分４０、４１と、を備えている。接続部分４０、４１は、ステータコア２０の端部側２４、２５に配置され（図２参照）、いずれの場合も電流経路に関して直接的に連続する２つの内側部分３９を導電的に接続する。ここで、接続部分４０は第２端部側２５に位置し、接続部分４１は第１端部側２４に位置している。図６において、接続部分４０は実線で示され、接続部分４１は破線で示されている。

ステータ巻線２６は、波状巻線として構成されている。導体シーケンス３６ａ～３６ｆは、いずれの場合も、接続部分４０、４１により直列に接続された複数の連続する内側部分３９により構成されている。第１の例示的な実施形態において、各導体シーケンス３６ａ～３６ｆは、周方向においてステータコア２０の周囲に完全な包囲を形成している。第１～第３（第Ｌ／２）導体シーケンス３６ａ～３６ｃは、ここでは、いずれの場合も好適な回転方向１０に沿って延び、第４～第６導体シーケンス３６ｃ～３６ｆは、いずれの場合も第１～第３導体シーケンス３６ａ～３６ｃとは逆に、したがって好適な回転方向１０とは逆に延びている。各導体シーケンス３６ａ～３６ｆは、ダブル階層３３ａ～３３ｃのうちに１つに配置されている。電流経路に関して他の導体シーケンス３６ａ～３６ｅに直接的に続く各導体シーケンス３６ｂ～３６ｆは、他の導体シーケンス３６ａ～３６ｅとは異なるサブ巻線ゾーン３１ａ、３１ｂに配置されている。結果として、導体シーケンス３６ａ～３６ｆは、異なるサブ巻線３１ａ、３１ｂに交互に配置されている。

第２サブ巻線３５ｂは、この範囲で第１サブ巻線３５ａに対応している。第２サブ巻線３５ｂにおいて、第１サブ巻線３５ａの内側部分３９と同一の巻線ゾーン２７の同一の階層３２ａ～３２ｆに存在するそれぞれの内側部分３９が、第１サブ巻線３５ａの内側部分３９が存在するサブ巻線ゾーン３１ａ、３１ｂとは異なるサブ巻線ゾーン３１ａ、３１ｂに配置されている。

両サブ巻線３５ａ、３５ｂにおいて、接続部分４０、４１によって直接的に接続された内側部分３９であって同一の導体シーケンス３６ａ～３６ｆに関連付けられた内側部分３９は、ｑ・Ｎ＝６のスロット分の差で相互に間隔を置いている。

第１サブ巻線３５ａにおいて、第１導体シーケンス３６ａの内側部分３９と、接続部分４１により前者に直接的に接続された第２導体シーケンス３６ｂの内側部分３９とは、ｑ・Ｎ＝６のスロット分の差で相互に間隔を置いている。第２導体シーケンス３６ｂの内側部分３９と、接続部分４１により前者に直接的に接続された第３導体シーケンス３６ｃの内側部分とは、ｑ・Ｎ＋１＝７のスロット分の差で相互に間隔を置いている。第３導体シーケンス３６ｃの内側部分３９と、接続部分４１により前者に直接的に接続された第４導体シーケンス３６ｄの内側部分とは、ｑ・Ｎ－１＝５のスロット分の差で相互に間隔を置いている。第４導体シーケンス３６ｄの内側部分３９と、接続部分４１により前者に直接的に接続された第５導体シーケンス３６ｅの内側部分とは、ｑ・Ｎ－１＝５のスロット分の差で相互に間隔を置いている。第５導体シーケンス３６ｅの内側部分３９と、接続部分４１により前者に直接的に接続された第６導体シーケンス３６ｆの内側部分とは、ｑ・Ｎ＋２＝８のスロット分の差で相互に間隔を置いている。

第２サブ巻線３５ｂにおいて、第１導体シーケンス３６ａの内側部分３９と、接続部分４１により前者に直接的に接続された第２導体シーケンス３６ｂの内側部分３９とは、ｑ・Ｎ＋２＝８のスロット分の差で相互に間隔を置いている。第２導体シーケンス３６ｂの内側部分３９と、接続部分４１により前者に直接的に接続された第３導体シーケンス３６ｃの内側部分３９とは、ｑ・Ｎ－１＝５のスロット分の差で相互に間隔を置いている。第３導体シーケンス３６ｃの内側部分３９と、接続部分４１により前者に直接的に接続された第４導体シーケンス３６ｄの内側部分３９とは、ｑ・Ｎ＋１＝７のスロット分の差で相互に間隔を置いている。第４導体シーケンス３６ｄの内側部分３９と、接続部分４１により前者に直接的に接続された第５導体シーケンス３６ｅの内側部分３９とは、ｑ・Ｎ＋１＝７のスロット分の差で相互に間隔を置いている。第５導体シーケンス３６ｅの内側部分３９と、接続部分４１により前者に直接的に接続された第６導体シーケンス３６ｆの内側部分３９とは、ｑ・Ｎ＝６のスロット分の差で相互に間隔を置いている。

図６からさらに導き出されるように、サブ巻線３５ａ、３５ｂの第１導体シーケンス３６ａは、相コネクタ３７に接続している。サブ巻線３５ａ、３５ｂの第６導体シーケンス３６ｆは、中性点３８ａ、３８ｂに接続している。ここで、第１サブ巻線３５ａの第６導体シーケンス３６ｆは、第１中性点３８ａに接続し、第２サブ巻線３５ｂの第６導体シーケンス３６ｆは、第２中性点３８ｂに接続している。

ストランドＶ、Ｗの相巻線３４ｖ、３４ｗは、上述のストランドＵの相巻線３４ｕに対応するとともに、ストランドＵに対して周方向においてｑ・Ｎ＝６のスロット分の差でずれるように配置されている。

図２を参照すると、多数の成形導体４２によるステータ巻線２６は、ヘアピン巻線として構成されている。成形導体４２は、金属ロッドから構成されるとともに、矩形または角丸矩形の断面を有している。成形導体４２の一部は、それぞれのスロット２２の内部において軸方向に延びる２つの直線部分４３、４４であって内側部分３９を構成する直線部分４３、４４を有している。ステータコア２０の第１端部側２４側の直線部分４３、４４は、コイル端部分４５により互いに接続されている。後者は、接続部分４０ｂを構成している。コイル端部分４５は、直線部分４３、４４と一体となるように構成されている。ステータコア２０の第２端部側２５側において、各直線部分４３、４４は、端部分４６に隣接している。２つのそれぞれの成形導体４２の端部分４６は、互いに対して機械的に、導電的かつ材料一体的に、特に溶接により接続されている。互いに対して接続された２つの端部分４６は、第２端部側２５側における接続部分４０ａを構成している。詳細は図示しない成形導体であって相コネクタ３７のうちの１つに接続した成形導体、または中性点３８ａ、３８ｂの一方に接続した成形導体は、それぞれ、１つの直線部分および１つの端部分のみを有する。後者は、２つの直線部分４３、４４を有する成形導体の端部分４６と協働して、第２端部側２５側における接続部４０ａを構成している。

図７は、駆動機器２の第２の例示的な実施形態によるステータ巻線２６のブロック回路図を示す。以下に説明する変形を除き、さらなる例示的な実施形態に係るすべての実施形態は、第２の例示的な実施形態に適用可能である。同一または機能的に等価な構成要素には、同一の参照符号を付す。

第２の例示的な実施形態において、ステータ巻線２６は、波／ラップを組み合わせた巻線である。ステータ巻線２６は、それぞれの相巻線３４ｕ、３４ｖ、３４ｗの第１サブ巻線３５ａ、第１タイプの第１～第４（第Ｐ）導体シーケンス５１ａ～５１ｄの第１セット５０ａを備えている。第１タイプの第１～第４（第Ｐ）導体シーケンス５１ａ～５１ｄは、電流経路に関してそれらの指定シーケンスにおいて連続している。さらに、第１サブ巻線３５ａは、第１タイプの第１～第４（第Ｐ）導体シーケンスタイプ５１ａ～５１ｄの第２セット５０ｂを備えている。

それぞれの相巻線３４ｕ、３４ｖ、３４ｗの第２サブ巻線３５ｂは、第２タイプの第１～第４（第Ｐ）導体シーケンス５３ａ～５３ｄの第１セット５２ａを含んでいる。第２タイプの第１～第４（第Ｐ）導体シーケン５３ａ～５３ｄは、電流経路に関してそれらの指定シーケンスにおいて連続している。さらに、第２サブ巻線３５ｂは、第２の第１～第４（第Ｐ）導体シーケンスタイプ５３ａ～５３ｄの第２セット５２ｂを含んでいる。

ここで、それぞれのサブ巻線３５ａ、３５ｂのセット５０ａ、５０ｂ、５２ａ、５２ｂの個数は、孔数ｑに対応する。

図８は、第２の例示的な実施形態によるステータ巻線２６の相Ｕの巻線図を示す。

第２の例示的な実施形態によるステータ巻線２６は、２・Ｐ＝８極を有するとともに、これに応じて４８個のスロット２２を有している。

第１タイプの各導体シーケンス５１ａ～５１ｄは、同一ストランドＵのための直接的に隣り合う第１～第４巻線ゾーン２７ａ～２７ｄに配置されるとともに、１つの内側部分３９ａおよび１つの第２内側部分３９ｂからなる第１～第３[（Ｌ／２）]対５４ａ～５４ｃを含んでいる。対５４ａ～５４ｃは、電流経路に沿ったそれらのシーケンスにしたがって指定されている。

第１内側部分３９ａおよび第２内側部分３９ｂは、同一のダブル層３３ａ～３３ｃの異なる階層３２ａ～３２ｆに配置されている。第１対５４ａは第１ダブル階層３３ａに配置され、第２対５４ｂは第３[（Ｌ／２）]ダブル階層３３ｃに配置され、第３対５４ｃは第２ダブル階層３３ｂに配置される。一般的に、第３～第（Ｌ／２）対は、第２～第[（Ｌ／２）－１]階層に配置される。

第１タイプの第１～第３導体シーケンス５１ａ～５１ｃ[（Ｐ－１）]の内側部分３９ａ、３９ｂが配置される第３巻線ゾーン２７ｃは、電流経路に関して第１タイプの導体シーケンス５１ａ～５１ｃに続く導体シーケンス５１ｂ～５１ｄが配置される第１巻線ゾーン２７ａである。したがって、第１タイプの第１～第３[（Ｐ－１）]導体シーケンス５１ａ～５１ｃの内側部分３９ａ、３９ｂが配置される第４巻線ゾーン２７ｄは、電流経路に関して第１タイプの導体シーケンス５１ａ～５１ｃに続く第１タイプの導体シーケンス５１ｂ～５１ｄが配置される第２巻線ゾーン２７ｂである。

第２タイプの各導体シーケンス５３ａ～５３ｄは、同一のストランドＵのための２つの直接的に隣り合う巻線ゾーン２７ｅ、２７ｆに配置されるとともに、１つの第１内側部分３９ｃおよび１つの第２内側部分３９ｄからなる第１～第３[（Ｌ／２）]対５４ｄ～５４ｆを含んでいる。対５４ｄ～５４ｃは、電流経路に沿ったそれらのシーケンスにしたがって指定されている。

第１および第２内側部分３９ｃ、３９ｄは、ダブル階層３３ａ～３３ｃの異なる階層３２ａ～３２ｆに配置されている。後者は、対５４ｄ～５４ｆの指定に対応している。接続部分４０ｂのうちの１つによる第２タイプの第１～第３[（Ｐ－１）]導体シーケンス５３ａ～５３ｃは、電流経路に沿って続く第２タイプの導体シーケンス５３ｂ～５３ｄに接続している。後続の第２タイプの導体シーケンス５３ｂ～５３ｄは、同一のストランドＵのための２つの直接的に隣り合う巻線ゾーン２７に配置されている。

第１および第２サブ巻線３５ａ、３５ｂは、ステータコア２０の周りを周方向における反対方向に延びる。第２サブ巻線３５ｂは、好適な回転方向１０に沿って延びている。

第２の例示的な実施形態において、対５４ａ～５４ｆの第１内側部分３９ａ、３９ｃは、ダブル階層３３ａ～３３ｃの階層３２ａ～３２ｆの一方に配置され、対５４ａ～５４ｆの第２内側部分３９ｂ、３９ｄは、ダブル階層の階層３２ａ～３２ｆの他方に配置されている。

図９は、駆動機器２の第３の例示的な実施形態によるステータ巻線２６のブロック回路図を示す。以下に説明する変形を除き、第２の例示的な実施形態に係るすべての実施形態は、第３の例示的な実施形態に適用可能である。同一または機能的に等価な構成要素には、同一の参照符号を付す。

第３の例示的な実施形態において、第１サブ巻線３５ａは、第１タイプの導体シーケンス５１ａ～５１ｄの第３セット５０ｃをさらに有し、第２サブ巻線３５ｂは、第２タイプの導体シーケンス５３ａ～５３ｄの第３セット５２ｃをさらに有している。図９において、導体シーケンス５１ａ～５１ｄ、５３ａ～５３ｄは、わかりやすくするために図示していない。

図１０は、第３の例示的な実施形態によるステータ巻線２６の相Ｕの巻線図を示す。

第２の例示的な実施形態と同様に、第３の例示的な実施形態によるステータ巻線２６は、２・Ｐ＝８極を有するが、孔数ｑ＝３である。したがって、スロット２２の個数は７２である。第３セット５０ｃ、５２ｃの各々が設けられていることは、孔数ｑの増加から導き出され得る。

第３の例示的な実施形態において、それぞれのサブ巻線３５ａ、３５ｂの導体シーケンス５１ａ～５１ｄ、５３ａ～５３ｄの奇数番号が指定された対５４ａ、５４ｃ、５４ｄ、５４ｆの第１内側部分３９ａ、３９ｃは、ダブル階層３３ａ～３３ｃの階層３２ａ～３２ｆの一方に配置され、それぞれのサブ巻線３５ａ、３５ｂの導体シーケンス５１ａ～５１ｄ、５３ａ～５３ｄの奇数番号が指定された対５４ａ、５４ｃ、５４ｄ、５４ｆの第２内側部分３９ｂ、３９ｄは、ダブル階層３３ａ～３３ｃの他方の階層に配置されている。それぞれのサブ巻線３５ａ、３５ｂの導体シーケンス５１ａ～５１ｄ、５４ａ～５４ｄの偶数番号が指定された対５４ｂ、５４ｅの第１内側部分３９ａ、３９ｃは、ダブル階層３３ａ～３３ｃの他方の階層３９ｂ、３９ｄに配置され、それぞれのサブ巻線３５ａ、３５ｂの導体シーケンス５１ａ～５１ｄ、５３ａ～５３ｄの偶数番号が指定された対５４、５４ｅの第２内側部分３９ｂ、３９ｄは、ダブル階層３３ａ～３３ｃの一方の階層３２ａ～３２ｆに配置されている。

第３の例示的な実施形態において、第１ダブル階層３３ａおよび第３ダブル階層３３ｃに対する第２ダブル階層３３ｂは、好適な回転方向１０とは逆にさらにずらされている。

いずれの場合も前述の例示的な実施形態のうちの１つに対応するさらなる例示的な実施形態によれば、ステータ巻線２６は、ヘアピン巻線としてではなく丸線巻線として構成されている。

いずれの場合も前述の例示的な実施形態のうちの１つに対応するさらなる例示的な実施形態によれば、極の個数は、より大きい、またはより少小さい。これに応じて、導体シーケンスの個数が増加または減少する。

いずれの場合も前述の例示的な実施形態のうちの１つに対応するさらなる例示的な実施形態によれば、ステータ巻線２６は、すべてのサブ巻線３５ａ、３５ｂに対して１つの中性点しか有さない。

Claims (15)

1. 電気車両（１）用の駆動機器（２）であって、
   前記駆動機器（２）は、回転磁界を生成するように構成されたステータ（３）と、前記回転界の磁気エネルギーを前記駆動機器（２）の回転出力運動（５）に変換するためのコンバータ機器（４）と、を有し、
   前記ステータ（３）は、
   －長手方向軸（２１）に沿って延びるとともに多数のスロット（２２）が前記周方向に配置されるステータコア（２０）と、
   －前記スロット（２２）において複数の巻線ゾーン（２７）を占めるステータ巻線（２６）であって、各巻線ゾーン（２７）が前記長手方向軸（２１）に対して垂直な断面平面において中央径方向分割部（２８）によって第１側（２９）と第２側（３０）とにさらに分割される、ステータ巻線（２６）と、を有し、
   前記コンバータ機器（４）は、
   －前記ステータ（３）と協働して回転電気機械（７）を形成するロータ（６）であって、前記回転界に応じて２つの対向する回転方向のうちの一方を選択的に有する回転ロータ運動（８）に設定可能なロータ（６）と、
   －回転ロータ運動（８）を前記回転出力運動（５）に変速するように構成された変速部（９）と、を有し、
   前記コンバータ機器（４）は、前記好適な回転方向として、前記回転ロータ運動（８）の２つの前記回転方向のうちの一方を有し、前記第２側（３０）は、前記好適な回転方向に沿って、前記第１側（２９）に続き、前記第１側（２９）における各巻線ゾーン（２７）は、前記第２側（３０）よりも前記スロット（２２）の小さい断面積を占める、
   ことを特徴とする駆動機器（２）。
2. －前記好適な回転方向（１０）における前記駆動部（９）の効率は、前記回転方向のうちの他方よりも高い、および／または、
   －前記変速部（９）は、前記好適な回転方向（１０）を規定する非対称設計の形態を有するギアボックス（１１）を有する、および／または、
   －前記駆動機器（２）は、前記変速部（９）用の制御機器（１３）を有し、前記制御機器（１３）は、前記好適な回転方向（１０）に対して、前記回転方向のうちの他の一方に対するよりも多くの選択可能な動作モードを有する、および／または、
   －前記駆動機器（２）は、前記好適な回転方向（１０）において、前記回転方向のうちの他の一方よりも高い冷却効率を有する換気機器（１４）を有する、
   請求項１に記載の駆動機器。
3. 前記ステータ巻線（２６）は、丸線巻線として、または成形導体巻線として構成される、
   請求項１または２に記載の駆動機器。
4. －前記ステータ巻線（２６）は、Ｎ個のストランド（Ｕ、Ｖ、Ｗ）と２・Ｐ個の極とを有し、スロット（２２）の個数は２・Ｐ・Ｎ・ｑであり、ｑ≧２であり、各巻線ゾーン（２７）は、少なくともｑ＋１個の前記スロット（２２）に亘って延び、Ｐ、Ｎおよびｑは自然数であり、
   －各巻線ゾーン（２７）は、第１～第Ｌ階層（３２ａ～３２ｆ）に径方向にさらに分割され、前記第１～第Ｌ階層（３２ａ～３２ｆ）は、前記径方向においてそれらのシーケンスにしたがって指定され、前記階層（３２ａ～３２ｆ）は、第１～第（Ｌ／２）ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）を構成し、第ｉ番目の前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）は、すべての１≦ｉ≦（Ｌ／２）に対して（２ｉ－１）番目および（２ｉ）番目の階層（３２ａ～３２ｆ）を含み、Ｌ≧６かつ偶数であり、Ｌおよびｉは自然数である、
   請求項１～３の一項に記載の駆動機器。
5. 他の前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）の個数よりも少ない個数の前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）は、少なくとも１つのスロット（２２）によって、他の前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）に対して前記好適な回転方向（１０）と逆にずらされる、
   請求項４に記載の駆動機器。
6. －前記周方向における各巻線ゾーン（２７）は、第１～第ｑサブ巻線ゾーン（３１ａ、３１ｂ）にさらに分割され、前記サブ巻線ゾーン（３１ａ、３１ｂ）は、いずれの場合もすべての階層（３２ａ～３２ｆ）を含むとともに、前記周方向においてそれらのシーケンスにしたがって指定され、
   －それぞれのストランド（Ｕ、Ｖ、Ｗ）のための前記ステータ巻線（２６）は、相巻線（３４ｕ、３４ｖ、３４ｗ）を有し、
   －前記相巻線（３４ｕ、３４ｖ、３４ｗ）は、電流経路を形成する少なくとも１つのサブ巻線（３５ａ、３５ｂ）を含み、前記少なくとも１つのサブ巻線（３５ａ、３５ｂ）は、前記スロット（２２）内に配置された内側部分（３９、３９ａ～３９ｄ）と、前記ステータコア（２０）の端部側（２４、２５）に配置された接続部分（４０、４１）と、を含み、前記接続部分（４０、４１）は、いずれの場合も導電的な態様で、前記電流経路に関して直接的に連続する２つの内側部分（３９、３９ａ～３９ｄ）を接続する、
   請求項４または５に記載の駆動機器。
7. －前記サブ巻線（３５ａ）は、前記電流経路に関して連続する内側部分（３９）からなる複数の導体シーケンス（３６ａ～３６ｆ）を含み、
   －各導体シーケンス（３６ａ～３６ｆ）は、前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）のうちの１つに配置されるとともに、前記ステータコア（２０）の完全な周回を形成し、
   －前記導体シーケンスのうちの第１～第Ｌ／２導体シーケンス（３６ａ～３６ｃ）は、いずれの場合も周方向に沿って、特に前記好適な回転方向（１０）に沿って延び、
   －前記導体シーケンスのうちの第［（Ｌ／２）＋１］～第Ｌ導体シーケンス（３６ｄ～３６ｆ）は、いずれの場合も前記周方向と逆のさらなる周方向に沿って延びる、
   請求項６に記載の駆動機器。
8. 前記電流経路に関して他の導体シーケンス（３６ａ～３６ｅ）に直接的に続く各導体シーケンス（３６ｂ～３６ｆ）は、前記他の導体シーケンス（３６ａ～３６ｅ）とは異なるサブ巻線ゾーン（３１ａ、３１ｂ）に配置される、
   請求項７に記載の駆動機器。
9. －前記サブ巻線（３５ａ）に対応するさらなるサブ巻線（３５ｂ）が設けられ、
   －前記サブ巻線（３５ａ）の内側部分（３９）と同一の前記巻線ゾーン（２７）の同一の前記階層（３２ａ～３２ｆ）に存在する前記さらなるサブ巻線（３５ｂ）のそれぞれの内側部分（３９）は、前記サブ巻線（３５ａ）の前記内側部分（３９）が存在する前記サブ巻線ゾーン（３１ａ、３１ｂ）とは異なるサブ巻線ゾーン（３１ａ、３１ｂ）に配置される、
   請求項７または８に記載の駆動機器。
10. －前記少なくとも１つのサブ巻線（３５ａ）のうちの１つは、第１タイプの第１～第Ｐ導体シーケンス（５１ａ～５１ｄ）のセット（５０ａ、５０ｂ）を含み、前記第１タイプの第１～第Ｐ導体シーケンス（５１ａ～５１ｄ）は、前記電流経路に関してそれらの指定シーケンスにおいて連続しているとともに、同一の前記ストランド（Ｕ、Ｖ、Ｗ）のための直接的に隣り合う第１～第４巻線ゾーン（２７ａ～２７ｄ）にいずれの場合も配置され、
    －前記第１タイプの各導体シーケンス（５１ａ～５１ｄ）は、１つの第１内側部分（３９ａ）および１つの第２内側部分（３９ｂ）からなる第１～第（Ｌ／２）対（５４ａ～５４ｃ）を含み、前記対（５４ａ～５４ｃ）は、前記電流経路に沿ってそれらのシーケンスにしたがって指定され、
    －前記第１および前記第２内側部分（３９ａ、３９ｂ）は、同一の前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）の異なる階層（３２ａ～３２ｆ）に配置され、
    －前記第１対（５４ａ）は、前記第１ダブル階層（３３ａ）に配置され、
    －前記第２対（５４ｂ）は、前記第（Ｌ／２）ダブル階層（３３ｃ）に配置され、
    －前記第３対（５４ｃ）は、前記第２ダブル階層（３３ｂ）に配置され、または前記第３～第（Ｌ／２）対（５４ｃ）は、前記第２～第［（Ｌ／２）－１］ダブル階層（３３ｂ）に配置され、
    －前記第１～第（Ｐ－１）導体シーケンス（５１ａ～５１ｃ）の前記内側部分が配置される前記第３巻線ゾーン（２７ｃ）は、前記電流経路に関して前記導体シーケンス（５１ａ～５１ｃ）に続く前記導体シーケンス（５１ｂ～５１ｄ）が配置される前記第１巻線ゾーン（２７ａ）であり、
    －前記第１～第（Ｐ－１）導体シーケンス（５１ａ～５１ｃ）の前記内側部分（３９）が配置される前記第４巻線ゾーン（２７ｄ）は、前記電流経路に関して前記導体シーケンス（５１ａ～５１ｃ）に続く前記導体シーケンス（５１ｂ～５１ｄ）が配置される前記第２巻線ゾーン（２７ｂ）である、
    請求項６に記載の駆動機器。
11. －前記少なくとも１つのサブ巻線（３５ｂ）のうちの１つは、第２タイプの第１～第Ｐ導体シーケンス（５３ａ～５３ｄ）のセット（５２ａ、５２ｂ）を含み、前記第２タイプの第１～第Ｐ導体シーケンス（５３ａ～５３ｄ）は、前記電流経路に関してそれらの指定シーケンスにおいて連続しているとともに、同一の前記ストランド（Ｕ、Ｖ、Ｗ）のための２つの直接的に隣り合う巻線ゾーン（２７ｅ、２７ｆ）にいずれの場合も配置され、
    －前記第２タイプの各導体シーケンス（５３ａ～５３ｄ）は、１つの第１内側部分（３９ｃ）および１つの第２内側部分（３９ｄ）からなる第１～第（Ｌ／２）対（５４ｄ～５４ｆ）を含み、前記対（５４ｄ～５４ｆ）は、前記電流経路に沿ってそれらのシーケンスにしたがって指定され、
    －前記第１および前記第２内側部分（３９ｃ、３９ｄ）は、前記対の前記指定に対応する前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）の異なる階層（３２ａ～３２ｆ）に配置され、
    －前記接続部分（４１）のうちの１つによる前記第２タイプの前記第１～第（Ｐ－１）導体シーケンス（５３ａ～５３ｃ）は、前記電流経路に沿って連続する前記第２タイプの前記導体シーケンス（５３ｂ～５３ｄ）に接続し、後続の前記第２タイプの前記導体シーケンス（５３ｂ～５３ｄ）は、同一の前記ストランド（Ｕ、Ｖ、Ｗ）のための２つの直接的に隣り合う巻線ゾーン（２７）に配置される、
    請求項６または請求項１０に記載の駆動機器。
12. 前記サブ巻線（３５ａ、３５ｂ）は、前記ステータコア（２０）の周りを周方向における反対方向に延びる、
    請求項１０および１１に記載の駆動機器。
13. －前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線（３５ａ、３５ｂ）の前記導体シーケンス（５１ａ～５１ｄ、５３ａ～５３ｄ）の前記対（５４ａ～５４ｆ）の前記第１内側部分（３９ａ、３９ｃ）は、前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）の前記階層（３２ａ～３２ｆ）の一方に配置され、前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線（３５ａ、３５ｂ）の前記導体シーケンス（５１ａ～５１ｄ、５３ａ～５３ｄ）の前記対（５４ａ～５４ｆ）の前記第２内側部分（３９ｂ、３９ｄ）は、前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）の前記階層（３３ａ～３３ｃ）の他方に配置される、または、
    －前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線（３５ａ、３５ｂ）の前記導体シーケンス（５１ａ～５１ｄ、５３ａ～５３ｄ）の奇数番号が指定された前記対（５４ａ、５４ｃ、５４ｄ、５４ｆ）の前記第１内側部分（３９ａ、３９ｃ）は、前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）の前記階層の一方（３２ａ～３２ｆ）に配置され、前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線（３５ａ、３５ｂ）の前記導体シーケンス（５１ａ～５１ｄ、５３ａ～５３ｄ）の奇数番号が指定された前記対（５４ａ、５４ｃ、５４ｄ、５４ｆ）の前記第２内側部分（３９ｂ、３９ｄ）は、前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）の前記階層の他方（３２ａ～３２ｆ）に配置され、
    前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線（３５ａ、３５ｂ）の前記導体シーケンス（５１ａ～５１ｄ、５３ａ～５３ｄ）の偶数番号が指定された前記対（５４ｂ、５４ｅ）の前記第１内側部分（３９ａ、３９ｃ）は、前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）の前記階層の前記他方（３２ａ～３２ｆ）に配置され、前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線（３５ａ、３５ｂ）の前記導体シーケンス（５１ａ～５１ｄ、５３ａ～５３ｄ）の偶数番号が指定された前記対（５４ｂ、５４ｅ）の前記第２内側部分（３９ｂ、３９ｄ）は、前記ダブル階層（３３ａ～３３ｃ）の前記階層の前記一方（３２ａ～３２ｆ）に配置される、
    請求項１０～１２の一項に記載の駆動機器。
14. －前記サブ巻線又はそれぞれのサブ巻線は、前記導体シーケンス（５１ａ～５１ｄ、５３ａ～５３ｄ）の合計ｑセット（５０ａ～５０ｃ、５２ａ～５２ｃ）を含み、前記導体シーケンス（５１ａ～５１ｄ、５３ａ～５３ｄ）は、同一の前記サブ巻線ゾーン（３１ａ、３１ｂ）にいずれの場合も配置され、
    －前記電流経路に関して同一の前記サブ巻線（３５ａ、３５ｂ）の他のセット（５０ａ、５０ｂ、５２ａ、５２ｂ）に直接的に続く各セット（５０ｂ、５０ｃ、５２ｂ、５２ｃ）は、前記他のセット（５０ａ、５０ｂ、５２ａ、５２ｂ）とは異なるサブ巻線ゾーン（３１ａ、３１ｂ）に配置される、
    請求項１０～１３の一項に記載の駆動機器。
15. 請求項１～１４の一項に記載の駆動機器（２）を備える車両（１）において、前記駆動機器（２）は、前記車両（１）を駆動するように規定される、車両（１）。

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