JP2023073784A - 廃棄物処理装置及び廃棄物処理プラント - Google Patents

廃棄物処理装置及び廃棄物処理プラント Download PDF

Info

Publication number
JP2023073784A
JP2023073784A JP2021186461A JP2021186461A JP2023073784A JP 2023073784 A JP2023073784 A JP 2023073784A JP 2021186461 A JP2021186461 A JP 2021186461A JP 2021186461 A JP2021186461 A JP 2021186461A JP 2023073784 A JP2023073784 A JP 2023073784A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
furnace body
gas
liquid
superheated steam
waste treatment
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2021186461A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7246839B1 (ja
Inventor
由和 小林
Yoshikazu Kobayashi
秀匡 小林
Hidemasa Kobayashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Miike Inc
Original Assignee
Miike Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Miike Inc filed Critical Miike Inc
Priority to JP2021186461A priority Critical patent/JP7246839B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7246839B1 publication Critical patent/JP7246839B1/ja
Publication of JP2023073784A publication Critical patent/JP2023073784A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E50/00Technologies for the production of fuel of non-fossil origin
    • Y02E50/30Fuel from waste, e.g. synthetic alcohol or diesel
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02WCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO WASTEWATER TREATMENT OR WASTE MANAGEMENT
    • Y02W30/00Technologies for solid waste management
    • Y02W30/50Reuse, recycling or recovery technologies
    • Y02W30/78Recycling of wood or furniture waste

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

【課題】廃棄物の投入量が比較的少量であっても、有用物を製造することができる廃棄物処理装置と、これを用いた廃棄物処理プラントを提供する。【解決手段】廃棄物処理装置1は、中心軸を水平に向けて回転駆動される概ね円筒形状の炉体2と、炉体2の一端側に形成され、開閉扉3によって開閉され、被処理物の投入と排出を行うための開口部2aと、炉体2の他端側に設置され、過熱水蒸気を炉体2の内側に供給する過熱水蒸気供給開口6aと、炉体2の他端側に設置され、炉体2内の気体と液体の少なくとも一方を排出する気液排出管7と、炉体2の回転に伴って被処理物を撹拌する撹拌羽根12と、炉体2の外壁面を加熱するバーナ22と、炉体2を回転駆動するモータ32を備える。被処理物が過熱水蒸気に接触されて加熱されることにより、被処理物中の合成樹脂系廃棄物が融解又は気化して液体や気体が生成され、植物系廃棄物が炭化して炭が生成される。【選択図】図1

Description

本発明は、比較的少量の廃棄物を処理して有用物を製造する廃棄物処理装置と、これを用いた廃棄物処理プラントに関する。
従来より、家庭や各種産業から排出された廃棄物に対して、選別や加工等の処理を施すことで有用物を製造する様々な試みが行われている。このような試みの一つとして、出願人は、家庭や事業所から排出された廃棄物を処理して堆肥と固形化燃料を製造するリサイクルプラントを提案している(特許文献1参照)。
このリサイクルプラントは、収集された廃棄物の前処理を行う前処理ラインと、木質系廃棄物を処理する木質材製造ラインと、前処理ラインからの被処理物と木質製造ラインからの被処理物を混合する混合ラインと、混合ラインからの被処理物を醗酵させた後に乾燥させる醗酵乾燥ラインと、醗酵乾燥ラインからの被処理物を選別する選別ラインと、選別ラインからの被処理物を成形してRPF(Refuse Paper and Plastic Fuel;廃紙及びプラスチック製燃料)を製造するRPF製造ラインを備える。
上記前処理ラインは、粗破砕機、揺動選別機、風力選別機及び磁選機等で構成され、上記木質材製造ラインは、粗破砕機と木片ヤードで構成され、醗酵乾燥ラインは、複数の醗酵建屋及び脱臭建屋で構成され、選別ラインは、ベルトフィーダ、揺動選別機、磁選機及び比重差選別機等で構成され、RPF製造ラインは、スクリュー式成形機や脱臭装置等で構成されている。このリサイクルプラントは、廃棄物を前処理ラインで可燃物と不燃物に分別すると共に、木質系廃棄物を木質材製造ライン処理して木片を形成する。上記前処理ラインからの可燃物と木質製造ラインからの木片等の可燃物を混合ラインで混合した後、醗酵乾燥ラインで醗酵させ、乾燥させる。この醗酵及び乾燥処理がなされた被処理物を、選別ラインでRPFの材料と堆肥に選別する。上記RPFの材料をRPF製造ラインで成形してRPFを製造する。こうして、廃棄物から、RPFと堆肥を製造している。このリサイクルプラントは、RPFと堆肥を安定して製造するためには、所定量を超える廃棄物が安定して投入される必要があり、例えば、数万人規模の地方公共団体から排出される廃棄物の処理に適したものである。
特許第5649697号公報
ところで、最近、環境問題に対する意識の高まりに伴い、数千人以下の小規模の地方公共団体や、工場等の事業所においても、廃棄物の再資源化が求められ始めている。しかしながら、上記従来のリサイクルプラントは、RPFと堆肥を安定して製造するためには所定量の廃棄物を投入する必要があり、また、大規模であるため導入と運用に手間とコストがかかる。したがって、小規模の地方公共団体や事業所に導入することは現実的ではない。
そこで、本発明の課題は、廃棄物の投入量が比較的少量であっても、有用物を製造することができる廃棄物処理装置と、これを用いた廃棄物処理プラントを提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の廃棄物処理装置は、
中心軸を水平に向けて回転駆動される概ね円筒形状の炉体と、
上記炉体の一端側に形成され、開閉扉によって開閉され、被処理物の投入と排出を行うための開口部と、
上記炉体の他端側に設置され、過熱水蒸気を上記炉体の内側に供給する過熱水蒸気供給部と、
上記炉体の他端側に設置され、上記炉体内の気体と液体の少なくとも一方を排出する気液排出部と、
上記炉体の内壁面に設置され、この炉体の回転に伴って上記被処理物を撹拌する撹拌羽根と、
上記炉体の外壁面を加熱する加熱装置と、
上記炉体を回転駆動する駆動装置と
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、回転駆動される概ね円筒形状の炉体に、一端側に形成された開口部から、被処理物である廃棄物が投入される。被処理物が炉体内に投入されると、開口部が開閉扉によって閉じられ、炉体が駆動装置によって回転駆動される。炉体は、過熱水蒸気供給部から過熱水蒸気が内側に供給されると共に、加熱装置によって外壁面が加熱される。炉体内の被処理物は、炉体の回転に伴って撹拌羽根で撹拌される。このように、被処理物は、密閉された炉体内で酸素の供給が遮断された状態で、過熱水蒸気が供給され、かつ、加熱装置で加熱されて撹拌される。これにより、被処理物中のプラスチック等の合成樹脂系廃棄物が融解又は気化して液体や気体が生成され、さらに、廃木材や木屑等の植物系廃棄物が炭化して炭が生成される。こうして炉体内で生成された液体や気体が、気液排出部によって排出される。気液排出部によって排出された液体や気体から、合成樹脂の材料や燃料を抽出でき、再利用することができる。また、処理が終了して炉体から排出された被処理物の残渣のうち、炭を取り出すことにより、この炭を燃料等に再利用することができる。このように、本発明の廃棄物処理装置は、炉体内に、合成樹脂系廃棄物や植物系廃棄物が混在した廃棄物を被処理物として投入して動作することのみにより、複数の選別工程と処理工程を行うことなく、主に石油系物質である液体又は気体と、炭のような有用物を取り出すことができる。したがって、この廃棄物処理装置は、従来よりも小規模の装置構成により、廃棄物から有用物を製造することができる。また、この廃棄物処理装置は、炉内に投入する廃棄物が少量であっても、有用物を製造することができる。
一実施形態の廃棄物処理装置は、上記炉体の内側に、上記撹拌羽根が配置された撹拌室と、上記過熱水蒸気供給部及び気液排出部が設けられた気液流通室とが形成され、
上記撹拌室と気液流通室とを区画する区画壁に、上記過熱水蒸気と気体を上記気液流通室と撹拌室との間に流通させる気体流通孔と、上記液体を撹拌室から気液流通室へ流通させる液体流通孔を有する。
上記実施形態によれば、この廃棄物処理装置が作動すると、炉体の撹拌室で被処理物が撹拌羽根によって撹拌され、炉体の気液流通室に過熱水蒸気供給部から過熱水蒸気が導かれる。気液流通室の過熱水蒸気は、区画壁の気体流通孔を通して撹拌室に導かれる。撹拌室で撹拌され、過熱水蒸気に接触し、また、加熱装置による熱を受けた被処理物は、合成樹脂系廃棄物が融解又は気化して液体や気体が生じる。これらのうちの液体が、液体流通孔を通して気液流通室に導かれる。また、上記気体が、気体流通孔を通して気液流通室に導かれる。気液流通室に導かれた液体と気体が、気液排出部を通して排出される。このようにして、炉体内への過熱水蒸気の供給と、炉体内からの液体や気体の排出を、効果的に行うことができる。
一実施形態の廃棄物処理装置は、上記過熱水蒸気供給部で供給される過熱水蒸気と、上記気液排出部で排出される気体と液体が、上記炉体の端面の中心軸上に配置されたロータリージョイントを介して流通するように形成されている。
上記実施形態によれば、炉体の端面の中心軸上に配置されたロータリージョイントを介して、回転する炉体に安定して過熱水蒸気を供給することができると共に、回転する炉体から安定して気体と液体の排出を行うことができる。
一実施形態の廃棄物処理装置は、上記気液排出部が、上記ロータリージョイントから上記炉体の内側の下方に向かって延び、下端が上記炉体の内壁面に向かって開口した排出管を有する。
上記実施形態によれば、気液排出部の排出管により、炉体の下方の内壁面に対向する開口から、この炉体の下部に溜まった液体や、この炉体内の気体を吸入して外部へ排出する。この排出管は、ロータリージョイントに接続されているので、回転する炉体に対して安定して配置位置が保持され、下端の開口が炉体の下部に保持される。したがって、炉体の下部に溜まった液体を、安定して排出することができる。
一実施形態の廃棄物処理装置は、上記撹拌羽根が、上記炉体の中心軸方向において略中央に位置する第1撹拌羽根と、この第1撹拌羽根の両側に位置する第2撹拌羽根を有し、
上記第1撹拌羽根は、上記炉体の回転に伴って上記被処理物を上方に持ち上げ、所定の高さから落下させるように形成され、
上記第2撹拌羽根は、上記炉体の回転に伴って被処理物を上方に持ち上げ、所定の高さから落下させると共に、上記第1撹拌羽根に向かって移動させるように形成されている。
上記実施形態によれば、炉体が回転することにより、撹拌羽根の第1撹拌羽根によって被処理物が上方に持ち上げられ、所定の高さから炉体の内側の下部に落下させられる。また、撹拌羽根の第2撹拌羽根によって被処理物が上方に持ち上げられ、所定の高さから炉体の内側の下部に落下させられると共に、上記第1撹拌羽根に向かって移動させられる。これにより、被処理物が効果的に撹拌されて過熱水蒸気に接触し、融解、気化、炭化及び分解の少なくとも一つを促進することができる。
一実施形態の廃棄物処理装置は、上記第1撹拌羽根の上記炉体の内壁面への固定部分に、液体を流通させる液体流通孔が形成されている。
上記実施形態によれば、炉体が回転して撹拌羽根で被処理物を撹拌する際に、被処理物から生成された液体が、第1撹拌羽根の炉体の壁面への固定部分に形成された液体通過孔を流通し、上記炉体の内壁面に沿って炉体の下部に導かれる。したがって、炉体内から効率的に液体を排出することができる。
一実施形態の廃棄物処理装置は、上記加熱装置が、上記炉体の側面を取り囲む加熱室と、この加熱室内に火炎を放射するバーナとを有する。
上記実施形態によれば、炉体の側面を取り囲む加熱室内にバーナで火炎を放射することにより、回転する炉体の側面を効率的かつ安定して加熱できるので、炉体内の被処理物を効率的かつ安定して加熱することができる。
一実施形態の廃棄物処理装置は、上記炉体の一端側部分に、上記開口部に向かうにつれて内径が縮小するテーパ形状部が形成され、このテーパ形状部の内壁面に、この炉体が正回転するときに上記被処理物を上記炉体の開口部から軸方向の内側に向かって送る一方、この炉体が逆回転するときに上記被処理物を上記炉体の軸方向の内側から上記開口部に向かって送るように形成された螺旋羽根が設けられている。
上記実施形態によれば、炉体に被処理物を投入する場合、炉体の一端側の開口部を通してテーパ形状部に被処理物を投入すると共に、この炉体を正回転する。これにより、上記テーパ形状部に設けられた螺旋羽根によって被処理物が開口部から軸方向の内側に向かって送られる。一方、炉体の中の被処理物を排出する場合、炉体を逆回転することにより、上記テーパ形状部に設けられた螺旋羽根によって被処理物が軸方向の内側から開口部へ向かって送られ、開口部から排出される。このようにして、炉体の回転方向を切り替えることにより、被処理物の投入と排出を容易に行うことができる。
本発明の廃棄物処理プラントは、上記廃棄物処理装置と、
上記廃棄物処理装置の過熱水蒸気供給部に供給する過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気ボイラと、
上記廃棄物処理装置の気液排出部から導かれた気体と液体を冷却する冷却装置と、
上記冷却装置から導かれた液体を油と水に分離する油水分離装置と、
上記油水分離装置で分離された油を貯留する油タンクと
を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、廃棄物処理装置の過熱水蒸気供給部に供給する過熱水蒸気を過熱水蒸気ボイラで生成し、廃棄物処理装置の気液排出部から導かれた気体と液体を冷却装置で冷却し、この冷却装置から導かれた液体を油水分離装置で油と水に分離し、この油水分離装置で分離された油を油タンクに貯留する。このような比較的少ない数の装置により、被処理物である廃棄物を処理して、有用物である油を抽出することができる。
一実施形態の廃棄物処理プラントは、上記冷却装置の上流に、上記廃棄物処理装置の気液排出部から導かれた気体と液体に含まれる塩素を除去する脱塩素装置を備える。
上記実施形態によれば、廃棄物処理装置の気液排出部から導かれた気体と液体に含まれる塩素を脱塩素装置で除去することにより、この下流側の冷却装置と油水分離装置を経て抽出された油に関して、この油を燃料に使用した場合にダイオキシンが生じる問題を防止できる。
一実施形態の廃棄物処理プラントは、上記油タンクの油を、上記過熱水蒸気ボイラの燃料に用いる。
上記実施形態によれば、廃棄物を処理して得た油を、過熱水蒸気を発生するためのボイラの燃料に用いることにより、廃棄物を資源として再生するために外部から投入する燃料を少なくできる。したがって、環境への負荷を効果的に軽減することができる。
本発明の実施形態の廃棄物処理装置を示す縦断面図である。 実施形態の廃棄物処理装置の正面図である。 実施形態の廃棄物処理装置のA-A線横断面図である。 実施形態の廃棄物処理装置のB-B線横断面図である。 本発明の実施形態の廃棄プラントを示すブロック図である。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、実施形態の廃棄物処理装置を示す縦断面図であり、図2は、実施形態の廃棄物処理装置の正面図である。図3は、図1のA-A線に沿った横断面図であり、図4は、図1のB-B線に沿った横断面図である。
本実施形態の廃棄物処理装置は、合成樹脂系廃棄物と植物系廃棄物が混在した廃棄物が被処理物として投入され、投入された被処理物を処理して融解、気化、分解、炭化又は乾留し、有用物である液体燃料と炭を製造するものである。
この廃棄物処理装置1は、中心軸Cを水平に向けて配置され、上記中心軸Cの回りに回転駆動される概ね円筒形状の炉体2を備える。この炉体2は、一端側に、被処理物の出し入れを行う開口部2aが形成され、この開口部2aを開閉する開閉扉3が設けられている。この開閉扉3と開口部2aの間には耐熱パッキンが設置されており、開口部2aの正面視において一方の縁部に取り付けられた蝶番により、開閉扉3が揺動して開口部2aを開閉するように形成されている。開閉扉3は、開口部2aを閉じると、この開閉扉3の縁に取り付けられる複数のボルトによって炉体2に固定され、開口部2aを密閉するようになっている。この開口部2aは、被処理物を投入するときと、被処理物が処理されてなる残渣を排出するときに開放される一方、被処理物を処理するときに密閉される。
上記炉体2は、一端側部分に、開口部2aに向かうにつれて内径が縮小するテーパ形状部2bが形成されている。炉体2の上記テーパ形状部2bの他端側には、円筒形状の円筒部2cが形成されている。炉体2の内側の炉室10は、炉体2のテーパ形状部2bの内側に位置する投入排出室10aと、円筒部2cの内側かつ一端側に位置する撹拌室10bと、円筒部2cの内側かつ他端側に位置する気液流通室10cを有する。上記投入排出室10aは、被処理物が投入され、又は、排出される際に被処理物が通過する。上記撹拌室10bは、上記投入排出室10aの他端側に連通し、投入された被処理物を撹拌する。上記気液流通室10cは、撹拌室10bの他端側に位置し、外部から過熱水蒸気が供給されると共に、炉室10内の液体と気体を外部に排出する。上記撹拌室10bと気液流通室10cは、後に詳述する区画壁11によって区画されている。
上記炉体2のテーパ形状部2bの内壁面には、螺旋羽根17が設けられている。この螺旋羽根17は、被処理物を、炉体2の回転方向に応じて炉体2の一端から他端、又は、他端から一端に向かって移動させるように形成されている。詳しくは、炉体2が、矢印R1で示す方向に正回転するとき、被処理物を開口部2aから軸方向の内側に向かって送る一方。一方、炉体2が、矢印R2で示す方向に逆回転するとき、被処理物を炉体2の軸方向の内側から開口部2aに向かって送るように形成されている。これにより、炉体2の開口部2aから被処理物が投入され、正回転されると、被処理物を投入排出室10aから撹拌室10bに向かって送るようになっている。一方、被処理物の処理が終了し、炉体2が逆回転されると、被処理物を撹拌室10bから投入排出室10aに向かって送り、開口部2aから排出するようになっている。
上記炉体2の円筒部2cの内側の他端側に形成された気液流通室10cには、過熱水蒸気を炉体2の内側に供給する過熱水蒸気供給部としての過熱水蒸気供給開口6aが、炉体2の他端側に設けられている。また、この気液流通室10cには、炉体2内の気体と液体の少なくとも一方を排出する気液排出部としての気液排出管7が、炉体2の他端側に設けられている。上記過熱水蒸気供給開口6aは、炉体2の他端面に取り付けられたロータリージョイント5に形成されている。また、上記気液排出管7は、上記ロータリージョイント5に連結されている。上記気液排出管7は、ロータリージョイント5の連結部から中心軸Cに沿って延びる水平部と、この水平部に連なって下方に延びる鉛直部を有する。この気液排出管7の鉛直部の下端は、炉体2の下部の内壁面に対向して開口している。
上記ロータリージョイント5の炉体2の外側部分には、後に詳述する過熱水蒸気ボイラ51から過熱水蒸気を導く過熱水蒸気管6が接続されている。この過熱水蒸気管6で導かれた過熱水蒸気が、ロータリージョイント5内を流れて、過熱水蒸気供給開口6aから気液流通室10c内に吐出されるように形成されている。炉体2内に導入される過熱水蒸気は、廃棄物の種類に応じて、100℃を超えて600℃以下の範囲の温度に設定する。例えば、木屑や草等の植物系廃棄物については、過熱水蒸気の温度を250℃以上に設定することにより、植物系廃棄物の炭化を行うことができる。また、医療機関から排出される感染性廃棄物については、過熱水蒸気の温度を160℃以上に設定することにより、消毒殺菌効果を発揮し、無害化を行うことができる。また、廃プラスチック等の合成樹脂系廃棄物は、合成樹脂の種類に応じて、融点以上の温度に設定することにより、合成樹脂を融解して液化し、又は気化して、回収することができる。
また、上記ロータリージョイント5の炉体2の外側部分には、炉体2内から排出された気体と液体を、後述する触媒装置57に導く気液導管8が接続されている。上記気液排出管7によって気液流通室10cから吸入された気体や液体が、ロータリージョイント5内を流れて気液導管8に導かれるようになっている。
上記ロータリージョイント5は、炉体2の内側と外側に臨むように配置され、炉体2に固定されて炉体2と共に回転する回転部品と、上記過熱水蒸気管6、気液排出管7及び気液導管8が固定されて静止する静止部品とを有する。静止部品の気液流通室10cに臨む面には、過熱水蒸気供給開口6aが形成されている。ロータリージョイント5の回転部品と静止部品との間にはベアリングとシールが設けられており、炉体2をシールした状態で、この炉体2が回転可能になっている。
上記炉体2の円筒部2cの内側の一端側に形成された撹拌室10bには、炉体2の内壁面に、被処理物を撹拌するための複数の撹拌羽根12,12,12,・・・が固定されている。撹拌羽根12は、縦断面視において炉体2の中心軸Cと略平行に延在すると共に、横断面視において炉体2の略径方向に延在するように形成されている。この撹拌羽根12は、炉体2の中心軸方向において攪拌室10bの略中央に位置する第1撹拌羽根13と、この第1撹拌羽根13の両側に位置する2つの第2撹拌羽根14,14を有する。
上記第1撹拌羽根13は、図1に示すように、中心軸Cと平行方向に長い矩形状を有する。この第1撹拌羽根13は、炉体2の内壁面への固定部分に、中心軸Cと平行に延びる複数のスリット状の流体流通孔13a,13a,13aが形成されている。この流体流通孔13aは、炉体2が回転して撹拌羽根12で被処理物を撹拌する際に、被処理物から生成された液体を流通させて、炉体2の内壁面に沿って炉体2の下部に導くようになっている。第1撹拌羽根13の中心軸C側の縁は、図3の横断面図に示すように、径方向に対して屈曲している。この第1撹拌羽根13の縁の屈曲部が屈曲する方向は、図3に示すように、周方向に順次反対側を向くように形成されている。この第1撹拌羽根13により、炉体2が回転するに伴い、被処理物を上方に持ち上げ、所定の高さから落下させるようになっている。また、第1攪拌羽根13の縁の屈曲部が、周方向に順次反対側を向いているので、炉体2が正方向と逆方向のいずれの方向に回転しても、被処理物を効果的に持ち上げて落下させるようになっている。
上記第2撹拌羽根14は、図1に示すように、中心軸C側の縁が傾斜した台形状に形成されている。第1攪拌羽根13の両側に配置された2つの第2撹拌羽根14は、図1に示すように、中心軸C側の縁が、第1攪拌羽根13から遠ざかるにつれて中心軸Cに近づくように配置されている。すなわち、2つの第2撹拌羽根14の径方向の寸法が、第1攪拌羽根13から遠ざかるにつれて大きくなるように配置されている。これらの2つの第2撹拌羽根14により、炉体2が回転するに伴い、被処理物を上方に持ち上げて、所定の高さから第1攪拌羽根13の側に落下させるようになっている。これにより、攪拌室10b内の被処理物は、矢印Fで示すように、第2攪拌羽根14から第1撹拌羽根13に向かって移動する。こうして、上記第1撹拌羽根13と第2撹拌羽根14により、被処理物を効果的に撹拌すると共に、被処理物を攪拌室10bの中央に向かって集めるようになっている。その結果、被処理物を、攪拌室10b内に導かれる過熱水蒸気を効率的に接触させ、また、攪拌室10bの中央部を加熱するバーナ22の熱を効率的に被処理物に与えるようになっている。
撹拌室10bと気液流通室10cを区画する区画壁11は、図4の横断面図に示すように、炉体2の内壁面に沿って固定された環状の外径側隔壁板15と、この外径側隔壁板15の内径側に固定された円形の有孔板16を有する。外径側隔壁板15の攪拌室10b側の面には、第2撹拌羽根14の径方向の寸法が大きく形成された側の端縁が固定されている。外径側隔壁板15の炉体2の内壁面への固定部分には、複数の液体流通孔15a,15a,15a,・・・が形成されている。この液体流通孔15aは、外径側隔壁板15に、上記第2攪拌羽根14の固定位置からR1の正回転方向に向かって円弧状に延びており、隣り合う第2攪拌羽根14の間の円弧の60~70%に相当する長さに形成されている。これにより、撹拌羽根12が被処理物を持ち上げる際に、この撹拌羽根12と炉体2の内壁面の上に位置する被処理物から流れ出た液体を、液体流通孔15aを通して効果的に気液流通室10cへ導くことができる。有孔板16には、気体を流通させる複数の気体流通孔16a,16a,16a,・・・が形成されている。この気体流通孔16aを通して、過熱水蒸気供給開口6aから気液流通室10cへ供給された過熱水蒸気を、気液流通室10cから攪拌室10bへ導くようになっている。また、上記気体流通孔16aを通して、被処理物の気化や乾留によって生じた気体を、攪拌室10bから気液流通室10cへ導くようになっている。
炉体2の外側かつ下方には、この炉体を加熱するバーナ22が配置されている。バーナ22は、燃料としての灯油を燃焼して火炎を放射するものであり、炉体2を取り囲むように形成された加熱室21内に火炎を放射するように形成されている。加熱室21は、炉体2の円筒部2cの略中央の部分を取り囲むように配置された断熱壁20の内側に形成されている。この断熱壁20は、少なくとも内壁面がキャスタブル耐火物で形成されている。上記断熱壁20と加熱室21とバーナ22により、加熱装置を構成している。この加熱装置は、バーナ22によって加熱室21内の空気を約200~500℃に加熱し、これにより、炉体2の円筒部2cの略中央を加熱して、炉体2内の攪拌室10bを効果的に昇温するようになっている。この加熱装置による炉体2の加熱により、攪拌室10bで撹拌される被処理物の融解、気化、分解、炭化又は乾留を効果的に行うようにしている。
この廃棄物処理装置1は、上記炉体2を回転駆動する駆動装置を備える。この駆動装置は、炉体2の外側面に固定された2つのガイドレール25,25と、炉体2の下方に配置され、上記ガイドレール25の周面に接して炉体2を回転可能に支持する複数の支持ローラ34,34,34,34と、ガイドレール25を案内する複数の案内ローラ26,26,26,26を有する。支持ローラ34は、図4に示すように、中心軸方向視においてガイドレール25の最下端の両側に配置され、1つのガイドレール25につき2個ずつ配置されている。ガイドレール25の最下端には、ガイドレール25の進行方向両側の側面に接するように配置された2つの案内ローラ26,26が配置されている。この案内ローラ26,26は、図1に示すように、ガイドレール25の両側面を挟んで回転することにより、ガイドレール25が固定された炉体2の中心軸C方向の移動を規制するようになっている。また、廃棄物処理装置1の駆動装置は、炉体2の他端側に中心軸Cと同心に固定されたスプロケット30と、このスプロケット30に巻回されたチェーン31と、このチェーン31が巻回されて出力軸に連結されたスプロケットを駆動するモータ32を有する。モータ32の回転力がチェーン31を介してスプロケット30に伝達され、炉体2を中心軸Cの周りに回転駆動するように構成されている。
図5は、この廃棄物処理装置1を用いて構成された廃棄物処理プラント50を示すブロック図である。この廃棄物処理プラント50は、上記廃棄物処理1と、この廃棄物処理1に供給する過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気発生装置51と、この過熱水蒸気発生装置51に供給する水蒸気を生成する水蒸気ボイラ52を有する。水蒸気ボイラ52は、水道水を軟化して軟水を供給する給水装置53と、燃料としての灯油を貯留する灯油タンク54と、燃料としての再生油を貯留する再生油タンク55に接続されている。この水蒸気ボイラ52は、給水装置53から供給された軟水を、灯油タンク54からの灯油と再生油タンク55からの再生油を燃焼した熱で加熱して、水蒸気を生成する。水蒸気ボイラ52で生成された水蒸気を、過熱水蒸気発生装置51で更に加熱して、過熱水蒸気を生成するようになっている。このように、過熱水蒸気発生装置51と水蒸気ボイラ52で、本発明の過熱水蒸気ボイラを構成している。この廃棄物処理プラント50は、過熱水蒸気ボイラを構成する水蒸気ボイラ52が、この廃棄物処理プラント50によって廃棄物から製造した再生油を一部の燃料として使用する。したがって、廃棄物を資源として再生するために外部から投入する燃料を少なくできる。これにより、環境への負荷を効果的に軽減することが可能になっている。上記灯油タンク54の灯油は、水蒸気ボイラ52に供給されると共に、矢印Kで示すように廃棄物処理装置1のバーナ22に供給されるようになっている。
この廃棄物処理プラント50は、上記廃棄物処理装置1から気液導管8を通して排出された液体と気体が導かれる触媒処理装置57を備える。この触媒処理装置57は、廃棄物処理装置1からの液体と気体に触媒を混合して脱塩素反応を行い、塩素を除去するものである。触媒としては、炭素やシリカ等に担持された白金、パラジウム、ルテニウム又はロジウム等を用いることができる。このように、触媒処理装置57は、脱塩素装置として機能する。なお、触媒処理装置57に替えて、例えば温度制御や電子線照射等の他の方法により塩素を除去する脱塩素装置を設けてもよい。
触媒処理装置57の下流側には、脱塩素が行われた液体と気体を冷却する冷却器58に接続されている。この冷却器58は、触媒処理装置57からの液体と気体を冷却し、気体に含まれる油脂成分と水分を液化する。冷却器58は、図示しないクーリングタワーによって冷却水が供給される。冷却器58で冷却されて残った気体は、下流側に接続された活性炭吸着装置59に導かれる。活性炭吸着装置59は、気体を活性炭の間に流通させて、気体に含まれる粉塵や有害物質を活性炭に吸着させる。活性炭吸着装置59で粉塵や有害物質が除去された気体は、大気中に放出されて排気される。
冷却器58から導かれた液体は、廃棄物処理装置1で抽出された液体と、冷却器58で液化された液体とが混合しており、油と水を含んでいる。この液体を、冷却器58の下流側に接続された油水分離装置60に導き、この油水分離装置60で水と油に分離する。油水分離装置60で分離された水は、下流側に接続された吸着装置61に導かれる。油水分離装置60で分離された油は、下流側に接続された油タンク62に導かれる。吸着装置61に導かれた水は、この水に残留する微量の油を吸着して除去する。油の吸着に用いた使用済みのフィルタや吸着材は、廃棄物処理装置1に投入して再生処理を行う。
油水分離装置60の下流側には、油水分離装置60で分離された油を貯留する油タンク62が接続されている。この油タンク62に貯留される油は、再生油として種々の用途に使用される。また、この油タンク62に貯留される再生油は、ポンプPによって一部が上記再生油タンク55に供給され、水蒸気ボイラ52の燃料の一部として使用される。
上記構成の廃棄物処理装置1及び廃棄物処理プラント50は、次のように動作する。
まず、廃棄物処理装置1の開閉扉3が開かれて開口部2aが開放され、この開口部2aから、合成樹脂系廃棄物と植物系廃棄物が混在した廃棄物である被処理物が投入される。被処理物は、開口部2aから投入排出室10a内に先端部が挿入されたスクリューコンベヤ39によって投入される。被処理物の投入が完了すると、開閉扉3が閉じられて開口部2aが閉鎖される。開口部2aが閉鎖されると、モータ32が起動され、モータ32の回転力がチェーン31を介してスプロケット30に伝達されて、炉体2の回転駆動が開始される。炉体2は、廃棄物の処理を行う処理時には、中心軸Cの回りを矢印R1で示すように正方向に回転駆動される。炉体2が正方向に回転駆動されると、投入された被処理物が、螺旋羽根17の作用によって投入排出室10aから撹拌室10bへ送られる。撹拌室10bへ送られた被処理物は、炉体2の回転により、攪拌羽根12によって撹拌される。被処理物は、撹拌羽根12の第1撹拌羽根13によって持ち上げられ、所定の高さから落下させられる。また、被処理物は、撹拌羽根12の第2撹拌羽根14によって持ち上げられ、所定の高さから、第1撹拌羽根13の側に落下させられる。これにより、被処理物は、撹拌室10b内で撹拌が促進される。
廃棄物処理装置1の炉体2の回転を開始すると共に、水蒸気ボイラ52と過熱水蒸気発生装置51の動作が開始され、過熱水蒸気発生装置51から過熱水蒸気が廃棄物処理装置1に導かれる。過熱水蒸気発生装置51から導かれた過熱水蒸気は、過熱水蒸気管6を通ってロータリージョイント5内に導かれ、過熱水蒸気供給開口6aから炉体2内の気液流通室10cに吐出される。この気液流通室10cの過熱水蒸気は、有孔板16の気体流通孔16a,16a,16a,・・・を通して攪拌室10bに導かれ、この撹拌室10b内で撹拌される被処理物に接触する。
また、廃棄物処理装置1の炉体2の回転を開始すると共に、バーナ22が点火され、加熱室21内への火炎の放射が開始される。この加熱室21の熱により、回転する炉体2の外壁面を加熱し、この炉体2の内側の撹拌室10bを加熱する。
廃棄物処理装置1の炉体2内で撹拌羽根12によって撹拌される被処理物は、酸素の供給が遮断された状態で過熱水蒸気に接触すると共に、バーナ22で加熱されることにより、合成樹脂系廃棄物は融解と気化が促進され、また、植物系廃棄物は乾留と炭化が促進される。これに伴って被処理物から生じた液体が、第1攪拌羽根13の流体流通孔13aを通って炉体2の下部に導かれ、また、外径側隔壁板15の液体流通孔15aを通って気液流通室10cに導かれる。これと共に、被処理物から生じた気体が、有孔板16の気体流通孔16a,16a,16a,・・・を通って気液流通室10cに導かれる。気液流通室10cに導かれた液体と気体は、過熱水蒸気の供給に伴って大気圧よりも上昇している炉体2内の気圧により、気液排出管7の下端の開口から吸引され、気液導管8から矢印Lで示すように排出される。
この廃棄物処理装置1は、被処理物を処理する際、撹拌羽根12の回転方向を切り替えることができる。例えば、被処理物が投入され、炉体2を矢印R1の正回転方向に駆動して攪拌羽根12で被処理物を撹拌し、所定時間が経過すると、炉体2の回転方向を、矢印R2の逆回転方向に変更する。この逆回転の運転を所定時間行った後、炉体2の回転方向を正回転に戻す。こうして、炉体2の回転方向を変更することにより、炉体2内で被処理物が滞る不都合や、撹拌の程度に偏りが生じる不都合を防止できる。これにより、被処理物を万遍無く加熱でき、効果的に被処理物の溶融、気化又は炭化を行うことができる。ここで、炉体2の逆回転を継続する期間は、正回転を継続する期間よりも短いのが好ましい。また、炉体2の逆回転は、全ての処理期間のうち、いずれの時期に行ってもよい。
炉体2内での被処理物の処理に伴い、上記気液導管8を通して廃棄物処理装置1から排出された液体と気体は、触媒処理装置57に導かれて塩素が除去された後、冷却器58に導かれて冷却される。冷却器58で気体が冷却されて液化すると、他の液体と共に油水分離装置60に導かれる。油水分離装置60で水と分離された油は、油タンク62に導かれ、再生油として貯留される。
上記冷却器58で冷却された後に残留する気体は、活性炭吸着装置59で粉塵や有害物質が除去され、大気中に排出される。
また、上記吸着装置61で微量の油が除去された水は、外部に排出される。
上記廃棄物処理装置1による処理が終了すると、炉体2の回転を停止し、炉体2への過熱水蒸気の供給を停止すると共に、バーナ22による炉体2の加熱を停止する。この後、炉体2の開閉扉3を開いて開口部2aを開き、炉体2を、矢印R2で示す方向に逆回転する。これにより、被処理物を螺旋羽根17によって撹拌室10bから投入排出室10aに向かって送り、開口部2aから排出する。開口部2aの下方には、残渣回収容器37を配置しておき、開口部2aから排出された被処理物を、矢印Gで示すように残渣回収容器37内に落下させる。残渣回収容器37内に回収された被処理物は、廃棄物を廃棄物処理装置1で処理した後に残留した残渣であり、炭と不燃物で構成される。この残渣から不燃物を除去することにより、炭を抽出する。
このように、本実施形態の廃棄物処理プラント50は、廃棄物処理装置1で過熱水蒸気を用いて被処理物を処理することにより、従来よりも小規模の装置構成により、廃棄物から有用物を取り出すことができる。したがって、従来よりも低コストで廃棄物処理プラントの設置と運営が可能となり、その結果、小規模の地方公共団体や事業所に導入することが可能となる。
また、本実施形態の廃棄物処理プラント50は、比較的少ない装置で構成されるので、例えば、大型トレーラに搭載して移動式プラントを構成することができる。その結果、イベント会場に廃棄物処理プラント50を設置して、イベントで発生した廃棄物を現地で処理することができる。また、廃プラスチックが大量に漂着した離島に廃棄物処理プラント50を設置して、現地で廃プラスチックを処理することができる。
また、本実施形態の廃棄物処理装置1は、被処理物に適用する過熱水蒸気を160℃以上に設定することにより、医療系廃棄物の無害化を効果的かつ効率的に行うことができる。したがって、種々の医療機関に廃棄物処理装置1又は廃棄物処理プラント50を設置することにより、現地で医療系廃棄物の無害化と、再資源化を行うことができる。
上記実施形態において、廃棄物処理装置1は、炉体2のテーパ形状部2bの内側に投入排出室10aを設け、このテーパ形状部2bの内壁面に螺旋羽根17を設け、この螺旋羽根17の作用により被処理物の排出を行ったが、テーパ形状部2bと投入排出室10aと螺旋羽根17は、必ずしも設けなくてもよい。すなわち、炉体2内には撹拌室10bと気液流通室10cのみを設けてもよい。この場合、炉体2を円筒形状に形成し、この円筒形状の炉体2の一端側の端面に開口部2aを設け、この開口部2aから、スクリューコンベヤにより被処理物を投入と排出を行う。被処理物の排出を行う場合は、スクリューコンベヤの端部にホッパを設け、このホッパを炉体2内の撹拌室10bまで挿入した状態で、炉体2を回転駆動する。炉体2の回転によって攪拌羽根12で持ち上げられた被処理物を、ホッパで受け取ってスクリューコンベヤで排出すればよい。
本発明は、以上説明した実施の形態に限定されるものではなく、多くの変形が、本発明の技術的思想内で当分野において通常の知識を有する者により可能である。
1 廃棄物処理装置
2 炉体
2a 開口部
2b テーパ形状部
2c 円筒部
3 開閉扉
5 ロータリージョイント
6 過熱水蒸気管
6a 過熱水蒸気供給開口
7 気液排出管
8 気液導管
10 炉室
10a 投入排出室
10b 撹拌室
10c気液流通室
11 区画壁
12 撹拌羽根
13 第1撹拌羽根
13a 流体流通孔
14 第2撹拌羽根
15 外径側隔壁板
15a 液体流通孔
16 有孔板
16a 気体流通孔
17 螺旋羽根
20 断熱壁
21 加熱室
22 バーナ
25 ガイドレール
26 案内ローラ
30 スプロケット
31 チェーン
32 モータ
34 支持ローラ
50 廃棄物処理プラント
51 過熱水蒸気発生装置
52 水蒸気ボイラ
53 給水装置
54 灯油タンク
55 再生油タンク
57 触媒処理装置
58 冷却器
59 活性炭吸着装置
60 油水分離装置
61 吸着装置
62 油タンク
C 中心軸

Claims (11)

  1. 中心軸を水平に向けて回転駆動される概ね円筒形状の炉体と、
    上記炉体の一端側に形成され、開閉扉によって開閉され、被処理物の投入と排出を行うための開口部と、
    上記炉体の他端側に設置され、過熱水蒸気を上記炉体の内側に供給する過熱水蒸気供給部と、
    上記炉体の他端側に設置され、上記炉体内の気体と液体の少なくとも一方を排出する気液排出部と、
    上記炉体の内壁面に設置され、この炉体の回転に伴って上記被処理物を撹拌する撹拌羽根と、
    上記炉体の外壁面を加熱する加熱装置と、
    上記炉体を回転駆動する駆動装置と
    を備えることを特徴とする廃棄物処理装置。
  2. 請求項1に記載の廃棄物処理装置において、
    上記炉体の内側に、上記撹拌羽根が配置された撹拌室と、上記過熱水蒸気供給部及び気液排出部が設けられた気液流通室とが形成され、
    上記撹拌室と気液流通室とを区画する区画壁に、上記過熱水蒸気と気体を上記気液流通室と撹拌室との間に流通させる気体流通孔と、上記液体を撹拌室から気液流通室へ流通させる液体流通孔を有することを特徴とする廃棄物処理装置。
  3. 請求項1に記載の廃棄物処理装置において、
    上記過熱水蒸気供給部で供給される過熱水蒸気と、上記気液排出部で排出される気体と液体が、上記炉体の端面の中心軸上に配置されたロータリージョイントを介して流通するように形成されていることを特徴とする廃棄物処理装置。
  4. 請求項3に記載の廃棄物処理装置において、
    上記気液排出部が、上記ロータリージョイントから上記炉体の内側の下方に向かって延び、下端が上記炉体の内壁面に向かって開口した排出管を有すること特徴とする廃棄物処理装置。
  5. 請求項1に記載の廃棄物処理装置において、
    上記撹拌羽根が、上記炉体の中心軸方向において略中央に位置する第1撹拌羽根と、この第1撹拌羽根の両側に位置する第2撹拌羽根を有し、
    上記第1撹拌羽根は、上記炉体の回転に伴って上記被処理物を上方に持ち上げ、所定の高さから落下させるように形成され、
    上記第2撹拌羽根は、上記炉体の回転に伴って被処理物を上方に持ち上げ、所定の高さから落下させると共に、上記第1撹拌羽根に向かって移動させるように形成されていること特徴とする廃棄物処理装置。
  6. 請求項5に記載の廃棄物処理装置において、
    上記第1撹拌羽根の上記炉体の内壁面への固定部分に、液体を流通させる液体流通孔が形成されていることを特徴とする廃棄物処理装置。
  7. 請求項1に記載の廃棄物処理装置において、
    上記加熱装置が、上記炉体の側面を取り囲む加熱室と、この加熱室内に火炎を放射するバーナとを有することを特徴とする廃棄物処理装置。
  8. 請求項1に記載の廃棄物処理装置において、
    上記炉体の一端側部分に、上記開口部に向かうにつれて内径が縮小するテーパ形状部が形成され、このテーパ形状部の内壁面に、この炉体が正回転するときに上記被処理物を上記炉体の開口部から軸方向の内側に向かって送る一方、この炉体が逆回転するときに上記被処理物を上記炉体の軸方向の内側から上記開口部に向かって送るように形成された螺旋羽根が設けられていることを特徴とする廃棄物処理装置。
  9. 請求項1に記載の廃棄物処理装置と、
    上記廃棄物処理装置の過熱水蒸気供給部に供給する過熱水蒸気を生成する過熱水蒸気ボイラと、
    上記廃棄物処理装置の気液排出部から導かれた気体と液体を冷却する冷却装置と、
    上記冷却装置から導かれた液体を油と水に分離する油水分離装置と、
    上記油水分離装置で分離された油を貯留する油タンクと
    を備えることを特徴とする廃棄物処理プラント。
  10. 請求項9に記載の廃棄物処理プラントにおいて、
    上記冷却装置の上流に、上記廃棄物処理装置の気液排出部から導かれた気体と液体に含まれる塩素を除去する脱塩素装置を備えることを特徴とする廃棄物処理プラント。
  11. 請求項9に記載の廃棄物処理プラントにおいて、
    上記油タンクの油を、上記過熱水蒸気ボイラの燃料に用いることを特徴とする廃棄物処理プラント。
JP2021186461A 2021-11-16 2021-11-16 廃棄物処理装置及び廃棄物処理プラント Active JP7246839B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021186461A JP7246839B1 (ja) 2021-11-16 2021-11-16 廃棄物処理装置及び廃棄物処理プラント

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021186461A JP7246839B1 (ja) 2021-11-16 2021-11-16 廃棄物処理装置及び廃棄物処理プラント

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7246839B1 JP7246839B1 (ja) 2023-03-28
JP2023073784A true JP2023073784A (ja) 2023-05-26

Family

ID=85724023

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021186461A Active JP7246839B1 (ja) 2021-11-16 2021-11-16 廃棄物処理装置及び廃棄物処理プラント

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7246839B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN116495812B (zh) * 2023-06-26 2023-09-05 四川新环科技有限公司 一种液体升压执行系统

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08500259A (ja) * 1990-10-29 1996-01-16 プラクゼク、テランス・エム 医学的廃残物の処理方法およびその装置
JP2000143374A (ja) * 1998-11-04 2000-05-23 Okawara Mfg Co Ltd コンポスト製造装置におけるドラム構造
JP2000290666A (ja) * 1999-04-12 2000-10-17 Kunio Yoshikawa 水蒸気改質方法及び水蒸気改質装置
JP2003071428A (ja) * 2001-08-30 2003-03-11 Makoto Ogose 汚染土等の処理方法及び装置
JP2007075807A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Nobuaki Debari 有機物の連続再資源化装置及び排水処理装置
KR100747602B1 (ko) * 2006-07-24 2007-08-10 주식회사 와이케이 바이오플랜트 유기폐기물의 처리방법과 그 장치
JP2008540086A (ja) * 2005-05-05 2008-11-20 エステック、リミテッド、ライアビリティー、カンパニー 廃棄物処理装置および方法
JP2009297633A (ja) * 2008-06-12 2009-12-24 Watanuki Seisakusho:Kk 合わせガラスの剥離分離方法
JP2012011299A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Altis:Kk 熱分解装置、脱塩素処理装置、熱分解方法および脱塩素方法
CN103521131A (zh) * 2013-03-31 2014-01-22 香港优华环保设备有限公司 智能化农林废弃物制备农林废弃物衍生燃料的设备系统

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08500259A (ja) * 1990-10-29 1996-01-16 プラクゼク、テランス・エム 医学的廃残物の処理方法およびその装置
JP2000143374A (ja) * 1998-11-04 2000-05-23 Okawara Mfg Co Ltd コンポスト製造装置におけるドラム構造
JP2000290666A (ja) * 1999-04-12 2000-10-17 Kunio Yoshikawa 水蒸気改質方法及び水蒸気改質装置
JP2003071428A (ja) * 2001-08-30 2003-03-11 Makoto Ogose 汚染土等の処理方法及び装置
JP2008540086A (ja) * 2005-05-05 2008-11-20 エステック、リミテッド、ライアビリティー、カンパニー 廃棄物処理装置および方法
JP2007075807A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Nobuaki Debari 有機物の連続再資源化装置及び排水処理装置
KR100747602B1 (ko) * 2006-07-24 2007-08-10 주식회사 와이케이 바이오플랜트 유기폐기물의 처리방법과 그 장치
JP2009297633A (ja) * 2008-06-12 2009-12-24 Watanuki Seisakusho:Kk 合わせガラスの剥離分離方法
JP2012011299A (ja) * 2010-06-30 2012-01-19 Altis:Kk 熱分解装置、脱塩素処理装置、熱分解方法および脱塩素方法
CN103521131A (zh) * 2013-03-31 2014-01-22 香港优华环保设备有限公司 智能化农林废弃物制备农林废弃物衍生燃料的设备系统

Also Published As

Publication number Publication date
JP7246839B1 (ja) 2023-03-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5480814B2 (ja) 炭化処理装置及び炭化処理方法
US20100160709A1 (en) Process and appratus for waste treatment
KR100557676B1 (ko) 유기성 폐기물 탄화방법 및 그 장치
US6932002B2 (en) System and method of processing solid waste
KR100843585B1 (ko) 가연성 폐기물 무공해 탄화처리 에너지생산 시스템
US20070101912A1 (en) Carbonization apparatus for producing activated carbon
KR100711659B1 (ko) 셀룰로오스성 폐기물로부터 균질의 셀룰로오스성 제품을생성하기 위한 방법
US7802528B2 (en) Pyrolysis apparatus
JP7246839B1 (ja) 廃棄物処理装置及び廃棄物処理プラント
JP4756556B2 (ja) 汚泥の炭化処理設備
JP2006205027A (ja) 含水有機汚泥等の減容・減量装置及びその方法
KR200284019Y1 (ko) 쓰레기소각로에 연계된 폐기물 건조설비와 폐플라스틱의유화설비
KR100319180B1 (ko) 오염된토양내부의유독성폐기물또는오염물들을처리하기위한방법및장치
CN108687120A (zh) 一种一体化固体废弃物处理设备
TWI648318B (zh) 遠紅外線輻射熱碳化設備
US7147681B1 (en) Method and device for removing recoverable waste products and non-recoverable waste products
US7950339B2 (en) Pyrolysis apparatus with transverse oxygenation
JP2009112998A (ja) 有機系廃棄物の発酵処理装置
KR101292672B1 (ko) 배치 회전식 고분자 유화장치
JP2013043149A (ja) 廃棄物処理装置
KR101824609B1 (ko) 유기성폐기물 반응장치 및 이를 구비한 유기성폐기물 소멸화 처리시스템
JP2005306969A (ja) 廃棄物の炭化方法及び同方法によって製造された炭化物の利用方法
KR20110138105A (ko) 연속식 열분해 유화 장치 및 그 방법
JP2004263193A (ja) 過熱蒸気を用いた熱処理設備
AU658297B2 (en) Method for treating soil contaminated with hydrocarbons

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20211116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20221220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20230220

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230314

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7246839

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150