JP2023073043A - 竹製品の製造方法及び該方法により製造した竹製品 - Google Patents

竹製品の製造方法及び該方法により製造した竹製品 Download PDF

Info

Publication number
JP2023073043A
JP2023073043A JP2021185847A JP2021185847A JP2023073043A JP 2023073043 A JP2023073043 A JP 2023073043A JP 2021185847 A JP2021185847 A JP 2021185847A JP 2021185847 A JP2021185847 A JP 2021185847A JP 2023073043 A JP2023073043 A JP 2023073043A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
bamboo
shape
bamboo product
grip
product
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021185847A
Other languages
English (en)
Inventor
武士 大村
Takeshi Omura
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Greenexus
Greenexus Co Ltd
Original Assignee
Greenexus
Greenexus Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Greenexus, Greenexus Co Ltd filed Critical Greenexus
Priority to JP2021185847A priority Critical patent/JP2023073043A/ja
Publication of JP2023073043A publication Critical patent/JP2023073043A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Table Equipment (AREA)
  • Surgical Instruments (AREA)

Abstract

【課題】加熱処理等の煩雑な加工処理を施す必要がなく、湾曲構造を備えてなる竹製品の製造方法を提供する。【解決手段】本発明に係る竹製品の製造方法は、竹材の円筒部を直線状から傾斜状に折曲した略くの字形状の一定幅員の外形に切削して直線状の一定の幅員部分をグリップ部とし、少なくともグリップ部先端から左右いずれかに分岐傾斜した傾斜状の一定の幅員部分を作用部とすることにより略くの字状外形のグリップ部先端から作用部全体における竹表面が捩じり面を形成するように構成すると共に、作用部内側の竹肉質部分を削って作用部全体に捩じりを形成してなることとした。【選択図】図5

Description

この発明は、竹材を利用した竹製品の製造方法及び該方法により製造した竹製品に関する。
従来、バターナイフ状の竹へらや皮膚表面を擦ってクリームなどの美容液を塗り広げたり皮膚表面の血行を促進したりするカッサ等の竹製品は日本人に馴染まれ親しまれた竹素材の日用品とし周知のものである。
これらは、通常日本竹や孟宗竹を縦割り加工して所定の外形に加工して製造するのであるが、かかる竹製品に対して全体的に湾曲等の曲面加工をするためには竹の原料を加熱加工して自在な竹製品形状とする。例えば、特許文献1では、竹を恒温の油層の中で加熱しながら、一端を固定し他端をローラで加圧展開して円筒形状を平板状とする技術が開示されている。
このように円筒状の竹製品は原料の竹が円筒形状であることから外形加工をするにしても一定の制約があり、一定の幅員に切削して加熱することにより竹組織を柔軟にして折曲加工する方法や刃物で内表面や外表面を切削して希望する形状に加工する等の方法によって竹材料の形状加工をするしかなかった。
特公昭36―000794号公報
従って、竹製品において加熱処理を行いながら湾曲形状に加工するについては、竹材を何℃で加熱するか、加熱時間をいかにするか、加熱作業と加工作業とのタイミングや組合せ方をどのようにするかなどの各種加工条件を満たさねばならず、また加熱による竹繊維の脆弱化や損傷による製品強度の弱体化、形状の経時変化などによって製品の価値を低下させる虞があり、また加熱後においてなされる形状加工においても微妙な加工細工を必要とするため芸術品的な一品作にしか応用することができず高価となり汎用品としての普及が期待することができない等の欠点があった。
この発明では、加熱手法を採ることなく竹材の円筒部を直線状から傾斜状に折曲した略くの字形状の一定幅員の外形に切削してその内側の竹肉質部分を削って全体的に一定の捩じり形状を有する機能性のある竹加工製品とすると共に、外形の形状と竹肉質部分の削り方により所定の捩じり機能を有する竹製品とすることができる竹製品の製造方法及び該方法により製造した竹製品を提供するものである。
本発明に係る竹製品の製造方法では、竹材の円筒部を直線状から傾斜状に折曲した略くの字形状の一定幅員の外形に切削して直線状の一定の幅員部分をグリップ部とし、少なくともグリップ部先端から左右いずれかに分岐傾斜した傾斜状の一定の幅員部分を作用部とすることにより略くの字状外形のグリップ部先端から作用部全体における竹表面が捩じり面を形成するように構成すると共に、作用部内側の竹肉質部分を削って作用部全体に捩じりを形成した竹製品とすることを特徴とした。
また、本発明に係る竹製品の製造方法では、竹製品は直線状から傾斜状に折曲した略くの字形状の一定幅員の外形表示図を竹筒の外表面に表示する工程と、竹製品の表示図の周縁を切削して直線状から傾斜状に折曲した略くの字形状の竹製品原型を竹筒から切り出す工程と、切り出した竹製品原型の表皮を残して竹肉質部を薄く切削する工程とよりなり、しかも、竹肉質部の切削に際しては、グリップ部は竹筒の略厚みを可及的に残して手に馴染みやすい表面研磨を行うと共に、作用部は竹表皮の捻じりに略沿った肉厚部を形成したことにも特徴を有する。
また、上記の方法で製造した竹製品のグリップ部の下底面は竹筒の略厚みを可及的に残した肉厚部とすることによりテーブル水平面に安定的に載置可能に構成し、かかる状態で作用部は全体的にテーブルから傾斜状に持上がるように構成したことにも特徴を有する。
また、上記した方法により製造した竹製品であることにも特徴を有する。
また、本発明に係る竹製品はバターナイフ又は皮膚面を擦るための美容カッサであることにも特徴を有する。
この発明によれば、所定形状のグリップ部と少なくともグリップ部先端から左右いずれかに傾斜した作用部とを形成し、略長方形状の竹製品の表示図を所定長さの竹筒の外表面に表示する工程により希望する形状を円筒竹の表面に表して最終的な製品の湾曲の幅や竹原料毎の湾曲のアールの大きさの選択をすることができる。
次いで、竹製品の表示図の周縁に沿って竹製品を竹筒から切り出す工程により最終製品の予想する外形の概要をイメージすることができる。特に、切り出した竹製品原型は表面が円筒形状で筒状湾曲面であるために直線状から傾斜状に分岐した外形表面は筒状湾曲面の捻りの形状を形成することができる。
そもそも本件発明は、発明者が竹の筒表面を略くの字状に切削してみたら偶然にも直線部部と作用部とが表面捩じれた形状となっていることを発見したことに端を発する。
すなわち、単なる長方形状の竹表面の円周面形状には一見捩じれるような要素は見当たらないが、長方形状から斜め方向に分岐した略くの字形状の竹製品を切削すれば、バターナイフの場合、ナイフ部分は円筒周面を斜めに横断する方向に切削されており、かかる円筒周面を斜め方向に横断すればこの斜めの横断片表面(ナイフ部分に該当)は円周面が連続して捩じりを形成する、すなわち、ナイフ部分に捩じり形状が現出することを発見した。
本発明はかかる偶然の産物技術を各種竹製品に応用することにより従来の竹材による竹製品の形状を複雑化して工芸品の質を高めたり、多種の竹製品機能を新たに産出したりして竹製品の応用範囲を今後飛躍的な拡張することができるものである。
切り出した竹製品は竹表皮を残して竹肉質部を薄く切削し、竹肉質部の切削に際しては、グリップ部においては竹筒の略厚みを可及的に残して手に馴染みやすくするための表面研磨を行うことにより、竹筒の略厚みが手で把持する時の厚みとなり手に馴染んでグリップしやすく、特にグリップした際に切り出した竹製品の竹表皮が手掌に当接して指でグリップ部を把持することになるために手掌と指とで確実にグリップ部分を包み込んで把持する効果があり、軽いグリップ力にもかかわらず確実な把持が行える。
また、本発明の核心となる作用部においては竹肉質部を円弧状の竹表面に沿って肉厚と肉薄とに切削すれば最終的に表面円弧の捻じりと共に竹肉質部にも内側捩じり形状が形成され竹表面の湾曲形状と相俟って竹製品全体に捩じり形を醸しだすことができる。
また、竹製品をバターナイフや美容カッサ等の竹へら製品とし使用することによりバターを切る、或いは皮膚表面を擦るのに最適の応力作動が行える効果があり、バターの切り厚さや切り方向の調整と共に皮膚面の擦りの方向や強さ調整などが微妙にかつ容易に行うことができる効果がある。
また、グリップ部において竹筒の略厚みを可及的に残すに際しては、竹筒の厚み端面が先端の作用部を持上げるようにテーブル水平面に安定的に水平に載置されるようにしたことにより、竹製品をテーブルや水平皿上に載置した際に作用部がテーブルや皿表面に接触しないためにテーブルや食器表面を汚損おそれがない効果がある。
また、このような方法により製造した竹製品であるために竹の自然の風合いを有しながら微妙な捩じりの製品とすることができるので湾曲状の竹表面の硬質部分と内側の捩じり切削面の肉質部分とが一体になって全体的に捩じりの微妙なフォルムを醸し従来にない新鮮な竹製品を提供することができる効果がある。
本実施形態に係る竹製品の製造方法を説明するための図である。 本実施形態に係る竹製品の製造方法を説明するための図である。 本実施形態に係る竹製品を竹筒から抜き出した状態を説明するための図である。 本実施形態に係る竹製品に対して切削加工および表面研磨をした施した状態を説明するための図である。 本実施形態に係る竹製品の正面図および平面視的に見た断面図である。 本実施形態に係る竹製品の形状を説明するための図である。 本実施形態に係る竹製品の使用例を説明するための図である。
この発明の要旨は、竹材の円筒部を直線状から傾斜状に折曲した略くの字形状の一定幅員の外形に切削して直線状の一定の幅員部分をグリップ部とし、少なくともグリップ部先端から左右いずれかに分岐傾斜した傾斜状の一定の幅員部分を作用部とすることにより略くの字状外形のグリップ部先端から作用部全体における竹表面が捩じり面を形成するように構成すると共に、作用部内側の竹肉質部分を削って作用部全体に捩じりを形成した竹製品とすることを特徴とする竹製品の製造方法である。
また、竹製品は直線状から傾斜状に折曲した略くの字形状の一定幅員の外形表示図を竹筒の外表面に表示する工程(以下、第1工程とも言う。)と、竹製品の表示図の周縁を切削して直線状から傾斜状に折曲した略くの字形状の竹製品原型を竹筒から切り出す工程(以下、第2工程とも言う。)と、切り出した竹製品原型の表皮を残して竹肉質部を薄く切削する工程(以下、第3工程とも言う。)とよりなり、しかも、竹肉質部の切削に際しては、グリップ部は竹筒の略厚みを可及的に残して手に馴染みやすい表面研磨を行うと共に、作用部は竹表皮の捻じりに略沿った肉厚部を形成したことを特徴とする。
また、上記の方法で製造した竹製品のグリップ部の下底面は竹筒の略厚みを可及的に残した肉厚部とすることによりテーブル水平面に安定的に載置可能に構成し、かかる状態で作用部は全体的にテーブルから傾斜状に持上がるように構成したことを特徴とする。
また、上記の方法により製造したことを特徴とする竹製品とする。
また、竹製品は、バターナイフ又は皮膚面を擦るための美容カッサであることを特徴とする。
以下、本発明の実施形態における竹製品の製造方法について図面に基づき説明する。本実施形態では、竹製品の一例としてバターナイフを採用している。なお、図中において竹筒表面(図中の符号20a)に描かれた不規則な複数の縦線は竹表面の模様を示している。また、本明細書における竹製品の外形とは、竹筒表面側を平面状に引き伸ばした状態の形状である。
本実施形態における竹製品の製造方法が対象とする竹は、例えば、マタケ・モウソウチク・ハチク等の一般流通している竹である。この竹製品は、使用者が把持して使用する道具であり、例えば、調理器具・日用雑貨・文房具・玩具等が該当する。好適には、把持する為のグリップ部10と、竹製品としての所定の機能を果たす作用部11と、を備えたバターナイフ2C及び美容カッサ2Dの竹製品である。この竹製品は、グリップ部10及び作用部11を備えてなることにより、全体として、正面視で略くの字外形に構成されている。
竹製品は、図中の符号20で示される竹材の円筒部を材料として製造される。製造工程は、表示図1を竹筒20の外表面20aに表示する第1工程と、竹筒20に表示した表示図1の周縁を切削して竹製品原型を竹筒から切り出す第2工程と、切り出した竹製品原型の表皮を残して竹肉質部を薄く切削する第3工程と、より構成されている。
以下、竹筒から竹製品を製造するための第1工程、第2工程、及び第3工程について詳説する。
本実施形態における第1工程は、同一の外形を備えた竹製品を容易に大量生産する為の工程である。具体的には、第1工程では、図1に示すように、竹製品外形2Aの外形を表示した表示図1を所定の長さを備えた竹筒20の外表面20aに貼付する。なお、図1(a)および図1(b)は共に表示図1を竹筒20に貼付する工程を示しており、図1(a)は表示図1と竹筒20とが分離した状態を示し、図1(b)は表示図1と竹筒20とが一体化した状態を示している。
竹製品外形2Aは、例えば本実施例では、バターナイフの形状を決定すると共にこの形状において所定形状のグリップ部10と、グリップ先端部10aから左右いずれかに傾斜した作用部11と、を紙面に表示して表示図1を作成する。なお、本実施形態における作用部11は、グリップ先端部10aから左側に傾斜した態様となっている。
表示図1は、製品外形2Aを描写できる素材より形成されていることが望ましい。特に、表示図1は、竹筒20から除去する必要があるため、水洗によって除去可能な水溶性紙を採用することが好ましい。なお、本実施形態では、表示図1として水溶性紙を使用している。
竹製品外形2Aを表示図1に表示する方法は自由に選択することができるが、例えば表示図1に鉛筆で竹製品外形2Aを描いたり、プリンターで竹製品外形2Aを出力したりすることができる。
このような構成の表示図1は、予め竹の節間の円筒体を一定の幅員で縦割した半円弧状の竹筒20の外表面20a面に貼付される。
表示図1を竹筒20に貼付する際に使用される粘着剤は、容易に除去可能なものであれば自由に選択することができる。例えば、水溶性接着剤(例えば、デンプンのり)を採用することにより、後述する竹筒から切り抜かれたバターナイフ原形2Bから表示図1および粘着剤を容易に除去することが可能となる。なお、本実施形態では、粘着剤としてデンプンのりを使用している。
ところで、竹筒20の外表面20aに竹製品外形2Aを直接鉛筆などで記載した場合には、所定の外形を備えた製品を大量生産できない問題が生じる。すなわち、外表面20aは竹筒20の軸心Cに対して円弧状であるため、所定の外形を備えた竹製品外形2Aを表皮面20aに対して精確に描写するには、熟練の技術と集中力を要することとなる。しかも、竹製品外形2Aを後述する第2工程で切出した後に、竹製品外形2Aが所望の外形とは異なっていることに気づく場合もある。
したがって、所望する竹製品の外形を描写した表示図1を竹筒20に貼付することによって、所定の外形を備えた竹製品を大量生産できない点、並びに材料とする竹筒20及びその加工に要した時間を無駄にしてしまう点といった問題を解消することができる。反言すれば、第1工程は、職人の熟練した技術を要することなく、所望する製品外形を正確に竹表面に再現可能とし、材料および作業時間の損失を可及的に小としながらも竹製品を大量生産することを可能とする。
本実施形態における第2工程は、第1工程で形成した表示図1が貼付された竹筒20から竹製品外形2Aを切り出す工程である。具体的には、第2工程では、図2に示すように、竹筒20に貼付した表示図1に表示した竹製品外形2Aに沿って切り出し、竹製品外形2Aを竹筒20から抜き出す。以下、抜き出された竹製品外形2Aは、バターナイフ原形2Bとする。
第2工程における竹製品外形2Aの切り出し方法は、竹筒20からバターナイフ原形2Bを正確に切り出す手段であれば自由に採用できる。例えば、切り出し方法は、電動鋸・鋸・ナイフ等を採用することができる。なお、図2は、バターナイフ原形2Bを得るために、電動鋸ESを使用して表示図1を貼付した竹筒20から竹製品外形2Aを切り出している状態を示す図である。
得られたバターナイフ原形2Bには、表示図1が貼付されている。そのため、竹筒20から切抜かれたバターナイフ原形2Bを水洗いすることによって、表示図1および粘着剤を除去する。
バターナイフ原形2Bは、表示図1に記載した竹製品外形2Aの外形と同じ形状から構成されている。すなわち、バターナイフ原形2Bは、所定形状のグリップ部10と、グリップ先端部10aから左右いずれかに傾斜した作用部11と、を備えている。
バターナイフ原形2Bにおけるグリップ部10は、図3(a)に示すように、正面視で略中央部を膨大とし、略中央部からグリップ先端部10a及び反対側に位置するグリップ末端部10bに向けて漸次幅細となるように形成されている。なお、図3はバターナイフ原形2Bを示す6面図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は左側面図、図3(c)は右側面図、図3(d)は背面図、図3(e)は平面図、図3(f)は底面図をそれぞれ示している。
バターナイフ原形2Bにおけるグリップ部10は、図3(f)に示すように、底面視において、竹表皮部20aがグリップ上側部10Tと対応し、竹肉質部20bがグリップ下側部10Uと対応する。また、グリップ末端部10bを手前として、向かって右側をグリップ右側部10Rとし、向かって左側をグリップ左側部10Lとする。
グリップ左側部10Lの形状例として、把持した際に指の第2関節と第3関節との間が嵌り込む構造とすることもできる。具体的には、把持する指(小指から人指し指まで)が一対一に嵌り込む弧状部を複数個所に形成した波形状に構成することもできる。
本実施形態のグリップ部10は、図3(a)に示すように、基本的には竹の伸長方向に沿って切り出されるため、後述する作用部11の長手方向の如く、竹筒20の軸心C(図1参照)に対して湾曲した構造とはならない。つまり、グリップ部10の長手方向は、軸心Cと平面視で重なるように形成されることになる。
また、グリップ部10の長手方向は、作製する竹製品のデザインや機能を考慮し、竹筒20の軸心Cに対して湾曲となるように形成してもよい。具体的には、グリップ部10の長手方向は、軸心Cに対して平面視で斜めになるように形成することができる。これにより、全体的に強い湾曲構造(捩じれ構造)を備えた竹製品を作成することができる。
作用部11は、図3(a)に示すように、グリップ先端部10aから、グリップ末端部10bの略逆側に向けて伸長形成され、平面視で漸次幅広に形成されている。作用部11は、竹筒20の伸長方向の繊維を斜めに横断するように形成される。このため、作用部11は、竹筒20の軸心Cを中心とした湾曲構造(捩じれ構造)を形成する。
バターナイフ原形2Bにおける作用部11は、図3(e)に示すように、平面視において、竹表皮部20aが作用部上側部11Tと対応し、竹肉質部20bが作用部下側部11Uと対応する。また、作用部基端部11bを手前として、向かって右側を作用部右側部11Rとし、向かって左側を作用部左側部11Lとする。
このように、第2工程は、表示図1に表示した竹製品外形2Aを竹筒20から抜き出したバターナイフ原形2Bを得るための工程である。
本実施形態における第3工程は、バターナイフ2Bに対して把持した際の使用感を向上させる機能および水平面に載置した際に載置箇所近傍を汚損させない機能を付加して、バターナイフ2Cへと加工する工程である。
具体的には、第3工程では、第2工程で切り出したバターナイフ原形2Bに対して、外表面20aを残して竹肉質部20bを薄く切削する。切削に併せて、グリップ部10は把持した際の手と馴染みやすくするための表面研磨を施される。これにより、バターナイフ原形2Bは、グリップ部10の切削加工および表面研磨、並びに作用部11の切削加工からなる第3工程を経て、図4に示すバターナイフ2Cへと成形される。なお、図4はバターナイフ原形2Cを示す6面図であり、図4(a)は正面図、図4(b)は左側面図、図4(c)は右側面図、図4(d)は背面図、図4(e)は平面図、図4(f)は底面図をそれぞれ示している。
第3工程では、作用部11がグリップ部10に対して肉薄となるように切削される。すなわち、作用部11は、グリップ部10よりも軽い重量となるように構成される。これにより、バターナイフ2Cは、グリップ部10側へと重心を偏心させられる。このような構造では、グリップ部10の上側部10T(外表面20a)或いはグリップ右側部10Rが接するようにテーブルや皿表水平面に載置すれば、グリップ部10が作用部11を上方に持上げる。上方へ持上げられた作用部11は、水平面に接触しないため、付着したバター等で載置箇所近傍を汚損する虞がない。
グリップ部10における切削加工および表面研磨は、グリップ部10が備える左側部10Lおよび下側部10Uを切削し、角部12(図3参照)を滑らかな形状となるように研磨する工程である。第2工程が終了した時点でのバターナイフ原形2Bが備えるグリップ部10は、図3(f)に示すように、底面視における四隅の部分には、略直角の角部12が形成されている。角部12は、使用者が把持した際に、掌(特に母指球および小指球)を刺激することとなり、使用感を悪くする原因となり得る。
表面研磨によって角部12が取り除かれたグリップ部10は、図4(f)に示すように、底面視で四角をアール形状とする略四角形となる。係る形状のグリップ部10は、使用者が把持した際に掌となじみ、使用感の向上を生起させる。
表面研磨されたグリップ部10の形状は、グリップ上側部10T(竹表皮20a側)又はグリップ左側部10Rが下方に向けて載置可能な形状を構成することが好ましい。かかる構成とすることにより、バターナイフ2Cは、作用部11を上方に向けた状態で水平面に安置可能となる。
また、グリップ先端部10a近傍には、左側部10Lから下側部10Uにかけて、把持した際に親指の第一関節が係合する親指密着部14を構成する。親指密着部14は、図5および図6に示すように、横断面形状が略三角形となるように構成されている。附言すれば、グリップ部10は、親指密着部14(図5におけるE-E断面図近傍)からグリップ先端部10a側(D-D断面図)およびグリップ末端部10b(H-H断面図)にむけて略三角形から略四角形になるように構成されている。なお、図5は、バターナイフ2Cの正面図および複数の横断面を平面視的に示した図である。図中の斜線は断面部を示している。
ところで、一般的に親指は、第一関節周辺が一番太く形成されている。仮に、親指密着部14を横断面視で略四角形に形成すれば、グリップ部10を把持した際に親指の第一関節と親指密着部14とが特に強く接することになり、親指の第一関節を痛める原因ともなり得る。また、グリップ部10を先端部10aから末端部10bまでを略三角形に形成すれば、グリップ部10を把持した掌の母指球に角部が強く密着することになり、使用感を低下させる要因ともなり得る。
そこで、グリップ部10は、略三角形状の親指密着部14を除き略四角形となるように横断面を構成することにより、使用者が把持した際には把持した手全体とグリップ部10とが一体化するかの如く係合状態を形成することによって、長時間に渡って力を込めて把持しても手を痛めないグリップ部10をなすことが可能となる。
しかも、この親指密着部14と親指との係合状態は、図7(a)に示すように、グリップ部10を把持した際に作用部11を矢印Dの方向へ向けて回動させる。この作用部11の回動によって、後述する作用部11の右側部11R(刃形状部13)が対象(例えばバター)表面に対して浅い進入角度となり、対称の微妙な切削を可能とする効果もある。
このように、グリップ部10に親指密着部14を設けることは、把持した際のグリップ感を高めるとともに、使用感をも向上させることができる。
作用部11における切削工程では、図4(e)に示すように、作用部11の平面視において、作用部左側部11Lから作用部右側部11Rにかけて傾斜状になるように作用部下側部11Uが切削される。具体的には、作用部左側部11Lから作用部11の短手部中央近傍までは、作用部上側部11T(竹表皮20a)の捩じりに略沿って作用部下側部11Uが切削される。作用部11の短手部中央近傍から作用部右側部11Rまでは、右側部11Rが先端先鋭の刃形状部13を形成するように、作用部下側部11Uが漸次肉薄となる傾斜状に切削される。
作用部右側部11R(刃形状部13)を先端先鋭状に構成することにより、以下の効果を奏する。すなわち、使用者は、力を軽く込めるだけで刃形状部13をバターやマーガリン等に食込ませることができ、所望する量のバターやマーガリンを容易に切削することができる。
刃形状部13は、作用部右側部11Rのみならず作用部左側部11Lにも形成することができる。すなわち、刃形状部13は、作用部11の短手部中央近傍から作用部左側部11Lと作用部右側部11Rに向けて作用部下側部11U(竹肉質部20b)を傾斜状に切削して形成される。これにより、刃形状部13は、作用部11の左側部11Lと右側部11Rとに形成されることとなる。
横断面視における作用部左側部11Lの形状は、竹製品の用途に応じて変えることができる。具体的には、竹製品がバターナイフ2Cを用途とする場合は、作用部左側部11Lは先端先鋭の刃形状部13となるように先鋭に形成することができる。また、竹製品が美容カッサ2Dを用途とする場合は、作用部左側部11Lは、先端アール形状となるように形成することができる。
ここで、作用部左側部11Lが先端アール形状とし、竹製品が美容カッサ2Dとした場合は、以下の効果を奏する。すなわち、美容カッサ2Dは、把持するためのグリップ部10と、マッサージするための作用部11とを備えている。このように、美容カッサ2Dは、把持する為の用途とマッサージする為の用途とをそれぞれの構成要素に分担させている。その結果、略ハート型や略矩型の美容カッサと比較して、楽に、しかも確実に把持することができ、使用者の腕関節の可動域以上の広い範囲(例えば、背中や腰)をもマッサージ可能とする。
しかも、美容カッサ2Dは、グリップ部10が肉厚形状に構成されているため、長時間に渡って把持を続けても手が疲れにくい構成となっている。また、図7(b)に示すように、作用部11は、竹表皮20aの捩じりに略沿って形成されている為、例えば、腕や脚などの表面が円弧状の体の部位に嵌り込む形となる。これにより、美容カッサ2Dは、作用部11によって可及的に広い範囲で体の部位を捉えてマッサージすることが可能となる。
本発明にかかる竹製品の製造方法は以上の通りとなる。また、特に本発明の製造方法に基づき製造された竹製品は、以下のような性質を有する。すなわち、切り出し作業において、基本的には竹の伸長方向に沿って切り出されることから、略平行に延びる複数の竹繊維が破壊されることなく整然と配置された竹製品となるため、同竹繊維が部材強度を可及的に高める構造を有している。
1 表示図
2A 竹製品外形
2B バターナイフ原形
2C バターナイフ
2D 美容カッサ
10 グリップ部
10a グリップ先端部
10b グリップ末端部
10T グリップ上側部
10U グリップ下側部
10R グリップ右側部
10L グリップ左側部
11 作用部
11a 作用部先端部
11b 作用部基端部
11T 作用部上側部
11U 作用部下側部
11R 作用部右側部
11L 作用部左側部
12 角部
13 刃形状部
14 親指密着部
20 竹筒
20a 竹表皮
20b 竹肉質部
C 軸心
D 回転方向
ES 電動鋸

Claims (5)

  1. 竹材の円筒部を直線状から傾斜状に折曲した略くの字形状の一定幅員の外形に切削して直線状の一定の幅員部分をグリップ部とし、少なくともグリップ部先端から左右いずれかに分岐傾斜した傾斜状の一定の幅員部分を作用部とすることにより略くの字状外形のグリップ部先端から作用部全体における竹表面が捩じり面を形成するように構成すると共に、
    作用部内側の竹肉質部分を削って作用部全体に捩じりを形成した竹製品とすることを特徴とする竹製品の製造方法。
  2. 竹製品は直線状から傾斜状に折曲した略くの字形状の一定幅員の外形表示図を竹筒の外表面に表示する工程と、竹製品の表示図の周縁を切削して直線状から傾斜状に折曲した略くの字形状の竹製品原型を竹筒から切り出す工程と、切り出した竹製品原型の表皮を残して竹肉質部を薄く切削する工程とよりなり、しかも、竹肉質部の切削に際しては、グリップ部は竹筒の略厚みを可及的に残して手に馴染みやすい表面研磨を行うと共に、作用部は竹表皮の捻じりに略沿った肉厚部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の竹製品の製造方法。
  3. 上記の方法で製造した竹製品のグリップ部の下底面は竹筒の略厚みを可及的に残した肉厚部とすることによりテーブル水平面に安定的に載置可能に構成し、かかる状態で作用部は全体的にテーブルから傾斜状に持上がるように構成したことを特徴とする請求項1~2のいずれかに記載の竹製品の製造方法。
  4. 請求項1~3のいずれかの方法により製造したことを特徴とする竹製品。
  5. 請求項4に記載の竹製品は、バターナイフ又は皮膚面を擦るための美容カッサであることを特徴とする。

JP2021185847A 2021-11-15 2021-11-15 竹製品の製造方法及び該方法により製造した竹製品 Pending JP2023073043A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021185847A JP2023073043A (ja) 2021-11-15 2021-11-15 竹製品の製造方法及び該方法により製造した竹製品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021185847A JP2023073043A (ja) 2021-11-15 2021-11-15 竹製品の製造方法及び該方法により製造した竹製品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023073043A true JP2023073043A (ja) 2023-05-25

Family

ID=86425447

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021185847A Pending JP2023073043A (ja) 2021-11-15 2021-11-15 竹製品の製造方法及び該方法により製造した竹製品

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023073043A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN209036593U (zh) 毛发切割系统和附件
EP2194808B1 (en) Multi-function nipper device
US20090183750A1 (en) Eyebrow shaping kit
CN100479700C (zh) 齿缝树脂牙刷
US4791944A (en) Eyelash curler
JP2020081856A (ja) 毛髪調整器
JP2023073043A (ja) 竹製品の製造方法及び該方法により製造した竹製品
WO2015020696A1 (en) Electric hair clipper
JP4231557B2 (ja) 理髪の方法及び器具
JP2019187553A (ja) 爪ヤスリ
KR101272025B1 (ko) 손톱깎이
KR200338830Y1 (ko) 속눈썹 성형기구
US7628161B1 (en) Hair-cutting and styling device and method of use
JP4739500B2 (ja) 衝撃を利用した切断器具
JP2890251B2 (ja) 安全かみそり
US20230309675A1 (en) Apparatus for curling eyelashes
JP7228215B1 (ja) カミソリの柄及び当該カミソリの柄を備えるカミソリ
JP3085833U (ja) 毛染め用ブラシ
KR200496911Y1 (ko) 마사지 기구
JP6711970B1 (ja) 毛髪調整器
JP7265285B1 (ja) 釣り針、及び釣り針の製造方法
CN206443937U (zh) 一种脱毛纸
KR200320535Y1 (ko) 헤어 롤 브러쉬
CN213820198U (zh) 方便握持的穿戴式按摩梳
US20220183439A1 (en) Beard and Hair Comb in Shape of Axe