JP2023072832A - 石膏回収装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱水性能を向上させることができる。【解決手段】石膏スラリを脱水して石膏を回収するための石膏回収装置は、石膏スラリを濾布に載せた状態で搬送するように構成された搬送装置と、濾布の上方に配置され、搬送装置によって搬送されている石膏スラリに蒸気を噴霧するための蒸気ノズルと、蒸気ノズル及びその周辺の空間を覆うように構成された少なくとも1つの蒸気ボックスと、少なくとも1つの蒸気ボックスを覆うように構成されたフードと、を備える。【選択図】図1
Description
本開示は、石膏スラリを脱水して石膏を回収する石膏回収装置に関する。
従来から、石膏スラリを搬送しながら脱水して石膏を回収する石膏回収装置が知られている。例えば、特許文献1には、脱水性能の向上のために、搬送中の石膏スラリを蒸気で昇温する石膏回収装置が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、石膏スラリに噴霧した蒸気が漏れてしまい、石膏スラリの昇温による脱水性能の向上が抑制される虞がある。
本開示は、上述の課題に鑑みてなされたものであって、脱水性能を向上可能な石膏回収装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本開示に係る石膏回収装置は、石膏スラリを脱水して石膏を回収するための石膏回収装置であって、前記石膏スラリを濾布に載せた状態で搬送するように構成された搬送装置と、前記濾布の上方に配置され、前記搬送装置によって搬送されている前記石膏スラリに蒸気を噴霧するための蒸気ノズルと、前記蒸気ノズル及びその周辺の空間を覆うように構成された少なくとも1つの蒸気ボックスと、前記少なくとも1つの蒸気ボックスを覆うように構成されたフードと、を備える。
本開示の石膏回収装置によれば、脱水性能を向上させることができる。
以下、本開示の実施の形態による石膏回収装置について、図面に基づいて説明する。かかる実施の形態は、本開示の一態様を示すものであり、この開示を限定するものではなく、本開示の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。
<第1実施形態>
(構成)
図1は、第1実施形態に係る石膏回収装置1の構成を概略的に示す図である。本開示に係る石膏回収装置1は、石膏スラリX1を脱水して石膏X2を回収するための装置である。石膏回収装置1は、例えば、ボイラのような燃焼設備から排出される排ガスを脱硫するための湿式排煙脱硫装置で副生される石膏スラリX1を脱水して石膏X2を回収する。
(構成)
図1は、第1実施形態に係る石膏回収装置1の構成を概略的に示す図である。本開示に係る石膏回収装置1は、石膏スラリX1を脱水して石膏X2を回収するための装置である。石膏回収装置1は、例えば、ボイラのような燃焼設備から排出される排ガスを脱硫するための湿式排煙脱硫装置で副生される石膏スラリX1を脱水して石膏X2を回収する。
図1に例示するように、第1実施形態に係る石膏回収装置1は、搬送装置2と、蒸気ノズル4と、蒸気ボックス6と、フード8と、を備える。
搬送装置2は、石膏スラリX1を濾布10に載せた状態で搬送する。図1に例示する形態では、搬送装置2は、搬送ベルト50と、回転自在に支持される二つのドラム52と、二つのドラム52のうちの何れか一方の一方側ドラム52A(52)に接続され、一方側ドラム52Aを回転駆動させるように構成されたモータ54と、複数のガイドローラ56と、を含む。搬送ベルト50は、無端帯状のゴム製の部材(弾性体)からなり、水平方向に沿って互いに離れて配置される二つのドラム52に走行自在に掛け回されている。搬送ベルト50は、二つのドラム52に張設されているため、モータ54により一方側ドラム52Aが回転駆動されることにより、他方側ドラム52B(52)が回転するとともに、搬送ベルト50が周回移動する。
濾布10は、無端帯状に設けられ、複数のガイドローラ56に走行自在に掛け回されるとともに、その長さ方向の一部が搬送ベルト50の上面に重ねられている。このため、搬送ベルト50が周回移動すると、濾布10も周回移動する。濾布10は、通気性を有していれば特に限定されないが、例えば、繊維状に形成された樹脂材料(例えばポリエステルやポリプロピレンなど)を編み込むことにより形成される織布を含む。幾つかの実施形態では、濾布10は、繊維状に形成された樹脂材料(例えばポリエステルやポリプロピレンなど)を絡み合わせることにより形成される不織布を含む。
図1に例示する形態では、石膏回収装置1は、搬送ベルト50の上面に重ねられている濾布10の一部の上に石膏スラリX1が供給されるように構成されている。そして、石膏回収装置1は、搬送ベルト50により濾布10とともに搬送される際に石膏スラリX1を脱水処理するように構成されている。ここで、石膏スラリX1を脱水処理するための石膏回収装置1の構成の一例について説明する。
図1に例示するように、石膏回収装置1は、搬送ベルト50を挟んで濾布10とは反対側となるように搬送ベルト50の下方に設けられ、内部の圧力が負圧(大気圧よりも低い圧力)に保持される脱水室58と、真空ポンプ60と、脱水室58に一端部が接続され、他端部が真空ポンプ60に接続される減圧ライン62と、減圧ライン62に設けられる真空タンク64と、を備える。
真空ポンプ60を駆動することで、脱水室58が減圧されて負圧となり、濾布10上に載せられた石膏スラリX1中の水分は、下方から強制的に吸引され、石膏スラリX1の脱水が行われる。石膏スラリX1から脱水した水分は、真空ポンプ60の駆動によって濾液X3として脱水室58から真空タンク64に送られる。真空タンク64は、真空タンク64内の濾液X3が排出されるように、真空タンク64の底部に排液口65が形成されている。石膏スラリX1を脱水して得られる石膏X2は、脱水室58よりも石膏スラリX1の搬送方向D1の下流側において、濾布10上から取り除かれる。尚、不図示であるが、搬送ベルト50には、石膏スラリX1中の水分を通過させるための複数の孔が形成されている。
以下、石膏スラリX1の搬送方向D1を「搬送方向D1」とし、搬送方向D1と垂直に交差する方向を「交差方向D2」とし、搬送方向D1及び交差方向D2の両方と垂直に交差する方向を「上下方向D3」とする。搬送方向D1は、搬送ベルト50の長手方向と呼ばれてもよい。交差方向D2は、搬送ベルト50の幅方向と呼ばれてもよい。上下方向D3の下方は、重力方向と呼ばれてもよい。
次に、蒸気ノズル4、蒸気ボックス6、及びフード8のそれぞれについて説明する。
蒸気ノズル4は、濾布10の上方に配置され、搬送装置2によって搬送されている石膏スラリX1に蒸気Sを噴霧する。蒸気ノズル4は、例えば、不図示のボイラから蒸気Sが供給される。そして、蒸気ノズル4は、この蒸気Sを搬送中の石膏スラリX1に噴霧することで、石膏スラリX1の昇温を実現する。
尚、石膏回収装置1は、複数の蒸気ノズル4を備えてもよい。幾つかの実施形態では、石膏回収装置1が備える蒸気ノズル4の個数は、蒸気Sの供給量と、蒸気ノズル4の開口面積に基づいて決定される。例えば、ボイラなどから供給される蒸気Sの供給量を開口面積の合計値で除算した除算値が予め設定されている設定値より小さくなるまで、蒸気ノズル4の個数を1つずつ追加する。幾つかの実施形態では、蒸気ノズル4は、除算値が設定値より小さくなるまで、開口面積が拡げられる。
蒸気ボックス6は、蒸気ノズル4及びその周辺の空間である蒸気噴霧空間7を覆うように構成されている。蒸気ボックス6は濾布10に向かって開口する箱形状を有しており、蒸気ボックス6内の蒸気ノズル4から噴霧された蒸気Sが、蒸気ボックス6の開口を通って濾布10上の石膏スラリX1に衝突する。第1実施形態では、石膏回収装置1は1つの蒸気ボックス6を備えている。
尚、第1実施形態では、石膏回収装置1は、1つの蒸気ボックス6を備えていたが、本開示はこの形態に限定するものではない。幾つかの実施形態では、石膏回収装置1は複数の蒸気ボックス6を備えている。幾つかの実施形態では、石膏回収装置1は、其々が同じ寸法・形状に統一され、モジュールデザイン化された、複数の蒸気ボックス6を備えている。蒸気ボックス6の個数は、蒸気ボックス6内に蒸気Sが滞留する滞留時間と、搬送ベルト50の速度や石膏スラリX1を脱水する脱水区間の長さによって算出される脱水時間に基づいて決定される。例えば、滞留時間を脱水時間で除算した除算値が予め設定されている設定値より小さくなるまで、蒸気ボックス6の個数を1つずつ追加する。このような構成によれば、蒸気ボックス6をモジュールデザイン化することで、石膏スラリX1の要求処理量や石膏回収装置1の仕様が変わっても、蒸気ボックス6の寸法・形状を個別設計することなく、蒸気ボックス6を、1つ、2つと、単に追設することで対応が可能となり、設計の簡略化を実現できる。
フード8は、蒸気ボックス6及びその周辺の空間である流入空間9を覆うように構成されている。図1に例示する形態では、フード8は濾布10に向かって開口する箱形状を有しており、蒸気ボックス6の蒸気噴霧空間7から流出した蒸気Sの全部又は大部分がフード8の流入空間9に流入するようになっている。
図1に例示するように、第1実施形態では、石膏回収装置1は、搬送装置2によって搬送されている石膏スラリX1の表面に切り欠きを形成可能な切り欠き形成装置70をさらに備える。そして、この切り欠き形成装置70は、フード8より搬送方向D1の上流側に配置されている。
(作用・効果)
第1実施形態によれば、図1に例示して説明したように、蒸気ノズル4は蒸気ボックス6によって覆われ、蒸気ボックス6はフード8によって覆われている(つまり、蒸気ノズル4は2重に覆われている)ので、フード8の外部に蒸気Sが漏れ出すことを抑制する。このため、蒸気ノズル4から噴霧された蒸気Sを蒸気ボックス6内に滞留させ、石膏スラリX1の昇温を促進させることができる。よって、脱水性能を向上可能な石膏回収装置1を提供することができる。さらに、第1実施形態によれば、蒸気Sの漏れが抑制されるので、蒸気ノズル4に供給する蒸気Sの量を増やし、石膏スラリX1を脱水に適した温度(例えば、60℃~70℃)に容易に昇温することができる。
第1実施形態によれば、図1に例示して説明したように、蒸気ノズル4は蒸気ボックス6によって覆われ、蒸気ボックス6はフード8によって覆われている(つまり、蒸気ノズル4は2重に覆われている)ので、フード8の外部に蒸気Sが漏れ出すことを抑制する。このため、蒸気ノズル4から噴霧された蒸気Sを蒸気ボックス6内に滞留させ、石膏スラリX1の昇温を促進させることができる。よって、脱水性能を向上可能な石膏回収装置1を提供することができる。さらに、第1実施形態によれば、蒸気Sの漏れが抑制されるので、蒸気ノズル4に供給する蒸気Sの量を増やし、石膏スラリX1を脱水に適した温度(例えば、60℃~70℃)に容易に昇温することができる。
第1実施形態によれば、図1に例示して説明したように、切り欠き形成装置70は、フード8より搬送方向D1の上流側に配置されている。このため、石膏スラリX1は表面膜が破壊されてから蒸気Sによって昇温されることになるので、表面膜が非破壊である場合と比較して石膏スラリX1の昇温が容易となり、脱水性能の向上を図ることができる。
<第2実施形態>
本開示の第2実施形態に係る石膏回収装置1について説明する。第2実施形態に係る石膏回収装置1は、蒸気ボックス6を複数備えている。第2実施形態において、第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
本開示の第2実施形態に係る石膏回収装置1について説明する。第2実施形態に係る石膏回収装置1は、蒸気ボックス6を複数備えている。第2実施形態において、第1実施形態の構成要件と同じものは同じ参照符号を付し、その詳細な説明は省略する。
(構成)
図2は、第2実施形態に係る石膏回収装置1の要部の断面図であって、フード8の搬送方向D1に沿う断面を概略的に示す。図2に例示するように、第2実施形態では、石膏回収装置1は複数の蒸気ボックス6を備える。そして、1つのフード8は、複数の蒸気ボックス6の各々を覆う。言い換えると、1つのフード8の流入空間9内に、複数の蒸気ボックス6が配置されている。
図2は、第2実施形態に係る石膏回収装置1の要部の断面図であって、フード8の搬送方向D1に沿う断面を概略的に示す。図2に例示するように、第2実施形態では、石膏回収装置1は複数の蒸気ボックス6を備える。そして、1つのフード8は、複数の蒸気ボックス6の各々を覆う。言い換えると、1つのフード8の流入空間9内に、複数の蒸気ボックス6が配置されている。
フード8の構成の一例について説明する。図3は、第2実施形態に係るフード8の構成を概略的に示す図であって、フード8を上方から視た図(上面図)である。
図2に例示するように、第2実施形態では、フード8は、上下方向D3に沿って延びる前板部12と、前板部12よりも搬送方向D1の下流側に位置し、上下方向D3に沿って延びる後板部14と、前板部12の上端部13と後板部14の上端部17とを繋ぐ天板部15と、を含む。そして、図3に例示するように、このフード8は、前板部12及び後板部14の交差方向D2の一方側の端部同士を繋ぐ板状の一方側側板部16と、前板部12及び後板部14の交差方向D2の他方側の端部同士を繋ぐ板状の他方側側板部18と、を含む。尚、フード8を構成する前板部12、後板部14、天板部15、一方側側板部16、及び、他方側側板部18は、全体で一部品として金属で一体構成されてもよい。
図2に例示するように、第2実施形態では、複数の蒸気ボックス6は、搬送方向D1の上流側から順に配置される第1蒸気ボックス6A(6)、第2蒸気ボックス6B(6)、第3蒸気ボックス6C(6)を含む。つまり、第2蒸気ボックス6Bは、第1蒸気ボックス6Aよりも搬送方向D1の下流側に配置されている。第3蒸気ボックス6Cは、第1蒸気ボックス6A、第2蒸気ボックス6B、および第3蒸気ボックス6Cのうち搬送方向D1の最も下流側に配置される最下流蒸気ボックスである。
第1蒸気ボックス6Aと第2蒸気ボックス6Bとは互いに隣り合って配置されている。第1蒸気ボックス6Aと第2蒸気ボックス6Bとの間には、隙間26が形成されている。この隙間26は、例えば、搬送方向D1における長さが10cm以下となるように設計される。幾つかの実施形態では、第1蒸気ボックス6Aと第2蒸気ボックス6Bとは、搬送方向D1に沿って互いに隣り合って配置されるとともに、互いに接触している。このような構成によれば、蒸気Sが第1蒸気ボックス6Aと第2蒸気ボックス6Bとの間を通って、フード8の流入空間9内に流入することを抑制できる。
ここで、第1蒸気ボックス6Aに覆われる第1蒸気ノズル4A(4)、第2蒸気ボックス6Bに覆われる第2蒸気ノズル4B(4)、及び第3蒸気ボックス6Cに覆われる第3蒸気ノズル4C(4)のそれぞれに蒸気Sを供給する構成の一例について説明する。図4は、第2実施形態に係る蒸気ノズル4に蒸気Sを供給する構成を説明するための図である。
図4に例示するように、第2実施形態では、石膏回収装置1は、蒸気Sが流通する蒸気配管20と、蒸気配管20と蒸気ノズル4とを接続し、蒸気Sの流通が可能な蒸気ヘッダ24と、をさらに含む。蒸気配管20の一端21は、例えば、ボイラのような蒸気Sを発生させる蒸気発生装置100に接続されている。蒸気配管20の他端23は、フード8内(フード8の流入空間9内)に位置している。つまり、蒸気配管20の他端23を含む蒸気配管20の一部は、フード8の流入空間9内に挿入されている。
蒸気ヘッダ24は、第1蒸気ヘッダ24A(24)と、第2蒸気ヘッダ24B(24)と、第3蒸気ヘッダ24C(24)と、を含む。第1蒸気ヘッダ24Aは、蒸気配管20のうちフード8内に位置する第1部分25と第1蒸気ノズル4Aとを接続する。第2蒸気ヘッダ24Bは、蒸気配管20の他端23と第1部分25との間に位置する第2部分27と第2蒸気ノズル4Bとを接続する。第3蒸気ヘッダ24Cは、蒸気配管20の他端23と第3蒸気ノズル4Cとを接続する。つまり、一つの蒸気配管20から第1蒸気ノズル4A、第2蒸気ノズル4B、および第3蒸気ノズル4Cのそれぞれに供給する蒸気Sが抽出されるようになっている。
第2実施形態では、図2に例示するように、フード8は、複数の蒸気ボックス6の各々から流出する蒸気Sを吸引するための吸引口30を有する。図2に例示する形態では、吸引口30は、フード8の天板部15を貫通することで形成されている。この吸引口30は、第3蒸気ボックス6C(最下流蒸気ボックス)よりも搬送方向D1の下流側に位置している。
尚、第2実施形態では、吸引口30はフード8の天板部15に形成されていたが、本開示はこの形態に限定するものではない。幾つかの実施形態では、吸引口30は、フード8の前板部12、後板部14、一方側側板部16、及び他方側側板部18の何れかに形成される。幾つかの実施形態では、吸引口30は、最下流蒸気ボックスよりも搬送方向D1の上流側に位置する。
図2に例示する形態では、石膏回収装置1は、フード8の吸引口30と連通する蒸気排出管32をさらに備えている。蒸気排出管32の排出口は、例えば、石膏回収装置1が配置される建屋の外に連通している。不図示であるが、幾つかの実施形態では、石膏回収装置1は、蒸気排出管32に設けられ、フード8の流入空間9を吸引する吸引力を発生させる吸引装置を備える。吸引装置は、例えば、気体をフード8の外部に送風する送風ファンである。
図2に例示するように、第2実施形態では、石膏回収装置1は、第3蒸気ボックス6C(最下流蒸気ボックス)よりも搬送方向D1の下流側に設けられ、第1蒸気ボックス6A、第2蒸気ボックス6B、第3蒸気ボックス6Cの各々から流出する蒸気Sを天板部15に導くように垂れ下がるカーテン34をさらに備える。
カーテン34は、フード8の流入空間9内において、吸引口30よりも搬送方向D1の上流側に配置されている。カーテン34は、第3蒸気ボックス6Cよりも上方から垂れ下がっている。カーテン34の下端35は、第3蒸気ボックス6Cの後壁部38の下端39よりも下方に位置している。カーテン34は、一方側側板部16及び他方側側板部18のうちの少なくとも一方に接続されている支持棒36によって支持されている。支持棒36と天板部15との間には、蒸気Sを通過させるための隙間が形成されている。
尚、第2実施形態では、カーテン34は、吸引口30よりも搬送方向D1の上流側に配置されていたが、本開示はこの形態に限定するものではない。幾つかの実施形態では、カーテン34は、搬送方向D1におけるカーテン34の位置と吸引口30の位置とが互いに重複するように配置される。幾つかの実施形態では、カーテン34は、フード8内に配置されるように後板部14に取り付けられる。
(作用・効果)
第2実施形態によれば、図2に例示して説明したように、複数の蒸気ボックス6は1つのフード8によって覆われている。このため、蒸気ボックス6の個数と同数、又は2つ以上のフード8を準備しなくて済むので、石膏回収装置1の製造コストを削減することができる。
第2実施形態によれば、図2に例示して説明したように、複数の蒸気ボックス6は1つのフード8によって覆われている。このため、蒸気ボックス6の個数と同数、又は2つ以上のフード8を準備しなくて済むので、石膏回収装置1の製造コストを削減することができる。
第2実施形態によれば、石膏回収装置1は、複数の蒸気ボックス6を含むので、1つの蒸気ボックス6を含む場合と比較して多くの蒸気Sを蒸気ノズル4に供給し、石膏スラリX1を脱水に適した温度に容易に昇温することができる。このため、石膏回収装置1の脱水性能を向上させることができる。
石膏回収装置1は、搬送ベルト50の幅方向の寸法が予め決められている大きさ(例えば、2m)となるように設計されることが多い。このため、蒸気ボックス6を搬送ベルト50の幅方向に沿って並べて配置しようとすると、配置可能な蒸気ボックス6の個数が制限される。第2実施形態によれば、図2に例示して説明したように、搬送方向D1に沿って複数の蒸気ボックス6が配置されるので、石膏回収装置1が備える蒸気ボックス6の個数を大きくすることができる。
第2実施形態によれば、図2に例示して説明したように、フード8の天板部15に吸引口30が形成されている。このため、第1蒸気ボックス6A、第2蒸気ボックス6B、および第3蒸気ボックス6Cの各々から流出する蒸気Sが、吸引口30に吸引されるので、この蒸気Sがフード8の外部に漏れ出すことを抑制できる。
複数の蒸気ボックス6の各々から流出する蒸気Sは、搬送方向D1に沿って流れる場合が多い。第2実施形態によれば、吸引口30が第3蒸気ボックス6C(最下流蒸気ボックス)よりも搬送方向D1の下流側に位置することで、第1蒸気ボックス6A、第2蒸気ボックス6B、第3蒸気ボックス6Cの各々から流出する蒸気Sを吸引口30にスムーズに吸引させることができる。
第2実施形態によれば、図2に例示して説明したように、吸引口30は天板部15に形成され、カーテン34は複数の蒸気ボックス6の各々から流出する蒸気Sを天板部15に導く。このため、複数の蒸気ボックス6の各々から流出する蒸気Sが吸引口30に吸引され、該蒸気Sがフード8の外部に漏れ出すことを抑制できる。特に、カーテン34によって蒸気Sは上方に向かって流れるようになるので、蒸気Sがフード8の下方に形成される隙間から漏れ出すことを抑制できる。
上記各実施形態に記載の内容は、例えば以下のように把握される。
[1]本開示に係る石膏回収装置(1)は、石膏スラリ(X1)を脱水して石膏(X2)を回収するための石膏回収装置であって、
前記石膏スラリを濾布(10)に載せた状態で搬送するように構成された搬送装置(2)と、
前記濾布の上方に配置され、前記搬送装置によって搬送されている前記石膏スラリに蒸気(S)を噴霧するための蒸気ノズル(4)と、
前記蒸気ノズル及びその周辺の空間(7)を覆うように構成された少なくとも1つの蒸気ボックス(6)と、
前記少なくとも1つの蒸気ボックスを覆うように構成されたフード(8)と、を備える。
前記石膏スラリを濾布(10)に載せた状態で搬送するように構成された搬送装置(2)と、
前記濾布の上方に配置され、前記搬送装置によって搬送されている前記石膏スラリに蒸気(S)を噴霧するための蒸気ノズル(4)と、
前記蒸気ノズル及びその周辺の空間(7)を覆うように構成された少なくとも1つの蒸気ボックス(6)と、
前記少なくとも1つの蒸気ボックスを覆うように構成されたフード(8)と、を備える。
上記[1]に記載の構成によれば、蒸気ノズルは蒸気ボックスによって覆われ、且つ蒸気ボックスはフードによって覆われているので、フードの外部に蒸気が漏れ出すことを抑制する。このため、蒸気ノズルから噴霧された蒸気を蒸気ボックス内に滞留させ、石膏スラリの昇温を促進させることができる。よって、脱水性能を向上可能な石膏回収装置を提供することができる。
[2]幾つかの実施形態では、上記[1]に記載の構成において、
前記少なくとも1つの蒸気ボックスは、複数の蒸気ボックス(6A、6B、6C)を含み、
前記フードは、前記複数の蒸気ボックスの各々を覆うように構成された。
前記少なくとも1つの蒸気ボックスは、複数の蒸気ボックス(6A、6B、6C)を含み、
前記フードは、前記複数の蒸気ボックスの各々を覆うように構成された。
上記[2]に記載の構成によれば、蒸気ボックスの個数に対応する複数のフードを準備する必要がないので、石膏回収装置の製造コストを削減することができる。
[3]幾つかの実施形態では、上記[2]に記載の構成において、
前記複数の蒸気ボックスは、第1蒸気ボックス(6A)と、前記第1蒸気ボックスよりも前記石膏スラリの搬送方向の下流側に配置されている第2蒸気ボックス(6B)と、を含む。
前記複数の蒸気ボックスは、第1蒸気ボックス(6A)と、前記第1蒸気ボックスよりも前記石膏スラリの搬送方向の下流側に配置されている第2蒸気ボックス(6B)と、を含む。
石膏回収装置は、搬送ベルトの幅方向の寸法が予め決められている大きさとなるように設計されることが多い。このため、蒸気ボックスを搬送ベルトの幅方向に沿って並べて配置しようとすると、配置可能な蒸気ボックスの個数が制限される。上記[3]に記載の構成によれば、搬送方向に沿って複数の蒸気ボックス6が配置されるので、石膏回収装置が備える蒸気ボックスの個数を大きくすることができる。
[4]幾つかの実施形態では、上記[2]又は[3]に記載の構成において、
前記フードは、前記複数の蒸気ボックスの各々から流出する前記蒸気を吸引するための吸引口(30)を有する。
前記フードは、前記複数の蒸気ボックスの各々から流出する前記蒸気を吸引するための吸引口(30)を有する。
上記[4]に記載の構成によれば、複数の蒸気ボックスの各々から流出する蒸気が吸引口に吸引されるので、この蒸気がフードの外部に漏れ出すことを抑制できる。
[5]幾つかの実施形態では、上記[4]に記載の構成において、
前記複数の蒸気ボックスは、前記複数の蒸気ボックスのうち前記石膏スラリの搬送方向(D1)の最も下流側に配置されている最下流蒸気ボックス(6C)を含み、
前記吸引口は、前記最下流蒸気ボックスよりも前記搬送方向の下流側に位置している。
前記複数の蒸気ボックスは、前記複数の蒸気ボックスのうち前記石膏スラリの搬送方向(D1)の最も下流側に配置されている最下流蒸気ボックス(6C)を含み、
前記吸引口は、前記最下流蒸気ボックスよりも前記搬送方向の下流側に位置している。
複数の蒸気ボックスの各々から流出する蒸気は、搬送方向に沿って流れる場合が多い。上記[5]に記載の構成によれば、吸引口が最下流蒸気ボックスよりも搬送方向の下流側に位置することで、複数の蒸気ボックスの各々から流出する蒸気を吸引口にスムーズに吸引させることができる。
[6]幾つかの実施形態では、上記[5]に記載の構成において、
前記フードは、上下方向(D3)に沿って延びる前板部(12)と、前記前板部よりも前記搬送方向の下流側に位置し、前記上下方向に沿って延びる後板部(14)と、前記前板部の上端部(13)と前記後板部の上端部(17)とを繋ぐ天板部(15)と、を含み、
前記吸引口は、前記天板部に形成され、
前記最下流蒸気ボックスよりも前記搬送方向の下流側に設けられ、前記複数の蒸気ボックスの各々から流出する前記蒸気を前記天板部に導くように垂れ下がるカーテン(34)をさらに備える。
前記フードは、上下方向(D3)に沿って延びる前板部(12)と、前記前板部よりも前記搬送方向の下流側に位置し、前記上下方向に沿って延びる後板部(14)と、前記前板部の上端部(13)と前記後板部の上端部(17)とを繋ぐ天板部(15)と、を含み、
前記吸引口は、前記天板部に形成され、
前記最下流蒸気ボックスよりも前記搬送方向の下流側に設けられ、前記複数の蒸気ボックスの各々から流出する前記蒸気を前記天板部に導くように垂れ下がるカーテン(34)をさらに備える。
上記[6]に記載の構成によれば、吸引口は天板部に形成され、カーテンは複数の蒸気ボックスの各々から流出する蒸気を天板部に導く。このため、複数の蒸気ボックスの各々から流出する蒸気が吸引口に吸引され、該蒸気がフードの外部に漏れ出すことを抑制できる。
[7]幾つかの実施形態では、上記[1]から[6]の何れか1つに記載の構成において、
前記搬送装置によって搬送されている前記石膏スラリの表面に切り欠きを形成可能な切り欠き形成装置(70)をさらに備え、
前記切り欠き形成装置は、前記フードより前記石膏スラリの搬送方向の上流に配置されている。
前記搬送装置によって搬送されている前記石膏スラリの表面に切り欠きを形成可能な切り欠き形成装置(70)をさらに備え、
前記切り欠き形成装置は、前記フードより前記石膏スラリの搬送方向の上流に配置されている。
上記[7]に記載の構成によれば、石膏スラリは表面膜が破壊されてから蒸気によって昇温されることになるので、脱水性能の向上を図ることができる。
1 石膏回収装置
2 搬送装置
4 蒸気ノズル
6 蒸気ボックス
6A 第1蒸気ボックス
6B 第2蒸気ボックス
6C 第3蒸気ボックス(最下流蒸気ボックス)
7 蒸気噴霧空間
8 フード
10 濾布
12 前板部
13 前板部の上端部
14 後板部
15 天板部
17 後板部の上端部
30 吸引口
34 カーテン
70 切り欠き形成装置
D1 搬送方向
D2 交差方向
D3 上下方向
S 蒸気
X1 石膏スラリ
X2 石膏
2 搬送装置
4 蒸気ノズル
6 蒸気ボックス
6A 第1蒸気ボックス
6B 第2蒸気ボックス
6C 第3蒸気ボックス(最下流蒸気ボックス)
7 蒸気噴霧空間
8 フード
10 濾布
12 前板部
13 前板部の上端部
14 後板部
15 天板部
17 後板部の上端部
30 吸引口
34 カーテン
70 切り欠き形成装置
D1 搬送方向
D2 交差方向
D3 上下方向
S 蒸気
X1 石膏スラリ
X2 石膏
Claims (7)
- 石膏スラリを脱水して石膏を回収するための石膏回収装置であって、
前記石膏スラリを濾布に載せた状態で搬送するように構成された搬送装置と、
前記濾布の上方に配置され、前記搬送装置によって搬送されている前記石膏スラリに蒸気を噴霧するための蒸気ノズルと、
前記蒸気ノズル及びその周辺の空間を覆うように構成された少なくとも1つの蒸気ボックスと、
前記少なくとも1つの蒸気ボックスを覆うように構成されたフードと、を備える
石膏回収装置。 - 前記少なくとも1つの蒸気ボックスは、複数の蒸気ボックスを含み、
前記フードは、前記複数の蒸気ボックスの各々を覆うように構成された、
請求項1に記載の石膏回収装置。 - 前記複数の蒸気ボックスは、第1蒸気ボックスと、前記第1蒸気ボックスよりも前記石膏スラリの搬送方向の下流側に配置されている第2蒸気ボックスと、を含む、
請求項2に記載の石膏回収装置。 - 前記フードは、前記複数の蒸気ボックスの各々から流出する前記蒸気を吸引するための吸引口を有する、
請求項2又は3に記載の石膏回収装置。 - 前記複数の蒸気ボックスは、前記複数の蒸気ボックスのうち前記石膏スラリの搬送方向の最も下流側に配置されている最下流蒸気ボックスを含み、
前記吸引口は、前記最下流蒸気ボックスよりも前記搬送方向の下流側に位置している、
請求項4に記載の石膏回収装置。 - 前記フードは、上下方向に沿って延びる前板部と、前記前板部よりも前記搬送方向の下流側に位置し、前記上下方向に沿って延びる後板部と、前記前板部の上端部と前記後板部の上端部とを繋ぐ天板部と、を含み、
前記吸引口は、前記天板部に形成され、
前記最下流蒸気ボックスよりも前記搬送方向の下流側に設けられ、前記複数の蒸気ボックスの各々から流出する前記蒸気を前記天板部に導くように垂れ下がるカーテンをさらに備える、
請求項5に記載の石膏回収装置。 - 前記搬送装置によって搬送されている前記石膏スラリの表面に切り欠きを形成可能な切り欠き形成装置をさらに備え、
前記切り欠き形成装置は、前記フードより前記石膏スラリの搬送方向の上流に配置されている、
請求項1から6の何れか一項に記載の石膏回収装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021185513A JP2023072832A (ja) | 2021-11-15 | 2021-11-15 | 石膏回収装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021185513A JP2023072832A (ja) | 2021-11-15 | 2021-11-15 | 石膏回収装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023072832A true JP2023072832A (ja) | 2023-05-25 |
Family
ID=86425344
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021185513A Pending JP2023072832A (ja) | 2021-11-15 | 2021-11-15 | 石膏回収装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2023072832A (ja) |
-
2021
- 2021-11-15 JP JP2021185513A patent/JP2023072832A/ja active Pending
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