JP2023072253A - 放電装置および電気集塵機 - Google Patents

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Abstract

【課題】対向電極を被覆する絶縁体の劣化を防止することのできる放電装置および電気集塵機を提供する。【解決手段】放電装置は、放電電極(310)と、放電電極(310)に対向して配置される対向電極(320)と、放電電極(310)に電圧を印加する電圧印加部と、を備える。対向電極(310)は、導電体で形成される導電部(321)と、誘電体で形成され、導電部(321)の表面(321a)を被覆する被覆部(322)と、を有する。被覆部(322)は、有機物を含む誘電体で形成された第1部材(323)と、無機物で形成された第2部材(324)と、を有する。第1部材(323)は、導電部(321)の表面(321a)を露出させる孔部(325)を備え、第2部材(324)は、導電部(321)と第1部材(323)との接触面(321c)のうち、少なくとも第1部材(323)の孔部(325)の内縁に接する内縁部(328)を被覆する。【選択図】図7

Description

本発明は、放電装置および電気集塵機に関する。
従来、電気集塵機の一例として、放電電極と、この放電電極と対で配置される対向電極とを有する放電装置を備えており、かかる放電装置における対向電極の表面を絶縁体で被覆したものが知られている(たとえば、特許文献1を参照)。
国際公開第2001/064349号 特開2020-146605号公報
本願の発明者らは、絶縁体で被覆した対向電極を用いた場合、放電電極に印加する電圧を所定の範囲の電圧にすると、対向電極側からパルス性の放電が断続的に生じることを見出した(特許文献2を参照)。
しかしながら、パルス性の放電は絶縁体の表面に蓄積した電荷を一気に消費して発生するため、瞬間的なエネルギー密度が高いパルス性の放電に伴って、対向電極の表面を被覆する絶縁体が劣化する恐れがある。そのため、絶縁体で被覆された対向電極側からパルス性の放電が発生する現象を、放電装置やこれを用いた電気集塵機に利用するためには、対向電極を被覆する絶縁体の劣化を防止することが必要であった。
開示の技術は、上記に鑑みてなされたものであって、対向電極を被覆する絶縁体の劣化を防止することのできる放電装置および電気集塵機を提供することを目的とする。
本願の開示する放電装置の一態様は、放電電極と、前記放電電極に対向して配置される対向電極と、前記放電電極に電圧を印加する電圧印加部と、を備える。また、前記対向電極は、導電体で形成される導電部と、誘電体で形成され、前記導電部の表面を被覆する被覆部と、を有する。また、前記被覆部は、有機物を含む誘電体で形成された第1部材と、無機物で形成された第2部材と、を有する。前記第1部材は、前記導電部の表面を露出させる孔部を備え、前記第2部材は、前記導電部と前記第1部材との接触面のうち、少なくとも前記第1部材の孔部の内縁に接する内縁部を被覆する。
本開示によれば、対向電極を被覆する絶縁体の劣化を防止することができる。
図1は、実施形態に係る放電装置、および同放電装置を備える電気集塵機が設けられる空気清浄機の概略構成図である。 図2は、実施形態に係る電気集塵機の構成図である。 図3は、実施形態に係る荷電部の放電電極および対向電極を示す模式図である。 図4は、実施形態に係る荷電部における放電電流の波形を示す図である。 図5は、実施形態に係る荷電部における対向電極での絶縁破壊により印加電圧とは逆極性のパルス電流が発生する過程を示す説明図である。 図6は、参考例における対向電極の構成を示す拡大断面図である。 図7は、実施形態に係る対向電極の構成を示す拡大断面図である。 図8は、実施形態の変形例に係る対向電極の構成を示す拡大断面図である。
以下に、本願の開示する放電装置および電気集塵機の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態によって、本願の開示する放電装置および電気集塵機が限定されるものではない。
また、以下の説明による構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。なお、実施形態の説明の全体を通じて同じ要素には同じ符号を付して説明する。
また、以下の実施形態では、開示の技術に係る放電装置を、空気清浄機が備える電気集塵機に適用した場合を示した。しかし、これに限られず、開示の技術に係る放電装置は、たとえば、荷電によりイオンを発生させることのできる各種装置にも適用することができる。
<空気清浄機の構成>
最初に、実施形態に係る空気清浄機1の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る放電装置、および同放電装置を備える電気集塵機2が設けられる空気清浄機1の概略構成図である。
図1に示すように、空気清浄機1は、空気を清浄化するための装置類を収納する筐体10を備える。かかる筐体10は、たとえば、合成樹脂材で直方体状に形成される。筐体10には、室内の空気を吸引する吸込口11と、清浄化された空気を室内に吹き出す吹出口12とが形成される。
また、筐体10内には、プレフィルタ14と、複数の電気集塵機2と、脱臭フィルタ5とが設けられる。電気集塵機2は、集塵装置の一例である。プレフィルタ14は、吸引された空気から大きな塵埃を除去する。複数の電気集塵機2は、プレフィルタ14を通過した空気中の塵埃を静電気力によって集塵する。脱臭フィルタ5は、電気集塵機2を通過した空気を脱臭処理する。
プレフィルタ14は、たとえば、糸状のPET(polyethylene terephthalate)材を編みこんだ網目構造を有し、図示しない樹脂枠で保持される。プレフィルタ14は、筐体10の内部に吸い込まれた空気に含まれている比較的大きな塵埃を捕集する。
複数の電気集塵機2は、それぞれ荷電部3と集塵部4とを備える。荷電部3は、放電装置の一例であり、通過する空気中に含まれる塵埃などの微粒子を帯電させる。集塵部4は、荷電部3で帯電された微粒子を静電気力により捕集する。
なお、本実施形態においては、3つの電気集塵機2が筐体10内に配置されているが、配置される数は何ら限定されない。
脱臭フィルタ5は、プレフィルタ14および電気集塵機2で塵埃が除かれた空気から、触媒フィルタによって、たとえばアンモニアやメチルメルカプタンなどの臭気成分やホルムアルデヒドなどの有害成分を取り除く脱臭処理を行う。
また、筐体10内には、ファン6と、ファンモータ61と、制御基板7と、埃センサ13と、操作表示基板15とが設けられる。ファン6は、脱臭フィルタ5の下流側に配置される。ファンモータ61は、ファン6を回転させる。
制御基板7は、空気清浄機1を制御する。埃センサ13は、吸込口11から吸引された空気の塵埃濃度を検出する。操作表示基板15は、たとえば、運転開始操作、運転停止操作などを行う。
また、筐体10には、各電気集塵機2の各集塵部4に電力を供給する単一の集塵部用の定電圧高圧電源部(以下、「集塵部用高圧電源40」と呼称する。)が配置される。
一方で、荷電部3に電力を供給する荷電部用の定電流高圧電源部(以下、「荷電部用高圧電源30」と呼称する。)は、3つの荷電部3にそれぞれ配置される。かかる荷電部用高圧電源30は、電圧印加部の一例である。
このような構成を有する空気清浄機1は、ファンモータ61により駆動されるファン6の回転により、矢印fで示すように、吸込口11から室内空気を吸引し、プレフィルタ14、電気集塵機2および脱臭フィルタ5を通過させながら空気を清浄し、清浄された空気を吹出口12から室内に吹き出す。
なお、空気清浄機1の風量設定は、操作表示基板15の操作に基づいて手動で風量を切り換えることができるが、たとえば、埃センサ13の検出信号に基づいて、適切な風量に自動で切り換わる自動風量モード設定を設けることもできる。
<電気集塵機の構成>
つづいて、実施形態に係る放電装置を備える電気集塵機2の構成について、図2を参照しながら説明する。図2は、実施形態に係る電気集塵機2の構成図である。
図2に示すように、電気集塵機2は、荷電部3と、集塵部4とを備える。荷電部3は、放電電極310と、対向電極320とを有する。
放電電極310は、ワイヤ状の電極である。対向電極320は、放電電極310と異なる極性を有する平板状の電極である。そして、荷電部3では、複数の放電電極310および複数の対向電極320が、所定の間隔をあけて交互に配置されている。
集塵部4は、平板電極を多数枚平行に配列し、隣り合う電極間に高電圧が印加されるよう電気的に接続した構造を有する。本実施形態では、集塵部4を構成する2種類の電極のうち、放電電極310と同極性の電極を「高圧電極410」と呼称し、対向電極320と同極性の電極を「捕集電極420」と呼称する。
荷電部3の放電電極310には、荷電部用高圧電源30によって高電圧が印加される。荷電部用高圧電源30は、電源50から電源部55を介して電力が供給され、制御基板7(図1参照)に搭載される制御部70により荷電部スイッチ301、302、303を介して駆動および制御される。荷電部3の対向電極320は、接地(アース)されている。
集塵部4の高圧電極410には、集塵部用高圧電源40によって高電圧が印加される。集塵部用高圧電源40は、電源50から電源部55を介して電力が供給され、制御基板7に搭載される制御部70により集塵部スイッチ401を介して駆動および制御される。集塵部4の捕集電極420は、接地(アース)されている。
荷電部用高圧電源30は、電気集塵機2が内蔵する荷電部3の個数と同じ数(ここでは3個)が設けられており、各電気集塵機2の荷電部3と1対1に対応して接続される。集塵部用高圧電源40は、電気集塵機2が内蔵する集塵部4の個数にかかわらず1つであり、すべての集塵部4が並列に接続される。なお、荷電部用高圧電源30の数や集塵部用高圧電源40の数は特に限定されない。
<荷電部の構成>
つづいて、実施形態に係る荷電部3の構成について、図3~図7を参照しながら説明する。図3は、実施形態に係る荷電部3の放電電極310および対向電極320を示す模式図である。
放電電極310は、ワイヤ状に形成されており、図3においてはワイヤ状に形成される放電電極310の断面が見えている。なお、放電電極310は、少なくとも一部が細い、または鋭利な形状であればよく、ワイヤ状に換えて、たとえばニードル状であっても構わない。
一方で、対向電極320は、平板状に形成されており、導電部321と被覆部322とを有する。導電部321は、導電体で形成され、たとえば、SUS304などのステンレスで形成される。
被覆部322は、誘電体で形成され、導電部321の表面321a全体を被覆する。また、被覆部322は、第1部材323と、第2部材324とを有する。
第1部材323は、有機物を含む誘電体で形成される。第1部材323は、たとえば、有機物を含んだ絶縁材料(たとえば、塩化ビニル樹脂またはフッ素樹脂などの樹脂)で形成される。第1部材323の厚みは、たとえば、1(mm)程度である。
第2部材324は、無機物で形成される。第2部材324は、たとえば、アルミナなどのセラミックで形成される。
このような構成を有する被覆部322によって導電部321の表面321aが被覆された対向電極320は、放電電極310との間での放電電流を抑制することができ、それにともないオゾンの発生も抑制することができる。
図4は、実施形態に係る荷電部3における放電電流の波形を示す図である。図4に示すように、放電電流の値が小さい多数の連続的なパルスに混ざって、放電電流の値が大きい断続的なパルスが現れていることが分かる。
放電電流の値が小さな連続的なパルスは、放電電極310付近から発生している、放電電極310への印加電圧と同極性(実施形態では正極性)の電荷による放電を示し、いわゆるバーストパルスコロナ放電によるものである。
一方で、放電電流の値が大きなパルスは、対向電極320付近から発生している、放電電極310への印加電圧とは逆極性(実施形態では負極性)の電荷による放電を示す。
この実験結果から、対向電極320の導電部321を被覆部322で被覆して、限られた範囲の直流の電圧を放電電極310に印加した場合、対向電極320付近から放電電極310に印加した電圧とは逆極性の電荷によるパルス性の放電電流が断続的に発生することが分かった。
ここで、対向電極320からパルス性の断続的な放電電流が発生するメカニズムについて説明する。図5は、実施形態に係る荷電部3における対向電極320での絶縁破壊により印加電圧とは逆極性のパルス電流が発生する過程を示す説明図である。
図5の(a)に示すように、たとえば放電電極310に、所定の大きさの正の直流電圧を印加すると、コロナ放電により、放電電極310付近からプラスイオン(正極性のイオン)が発生し、対向電極320の側へ引き寄せられる。
すると、図5の(b)に示すように、対向電極320の被覆部322の表面にプラスイオンが蓄積されていく。この際、対向電極320の導電部321における被覆部322近傍には電子が偏在することになり、被覆部322の表面と導電部321における被覆部322近傍との間に電位差(電圧)が生じる。
さらに電荷が蓄積すると、電位差が大きくなり、一定の電位差に達すると空気層の絶縁破壊が生じ、図5の(c)に示すように、対向電極320における導電部321の内部から電子が高速で飛び出す現象が生じる。
この際、被覆部322内に放電路327(図6参照)が存在すると、かかる放電路327内の空気層と放電路327に面する被覆部322との界面を通って、被覆部322の内部を貫通する放電を生じる。
すなわち、被覆部322の表面への電荷の蓄積により対向電極320からパルス性の放電電流が断続的に発生する現象が生じる。この場合の放電の状態は、電荷が溜まる被覆部322および放電路327により形成される電気的抵抗が適切な場合に断続的なパルス性の放電になると考えられる。
絶縁破壊によって対向電極320付近から高速で飛び出した電子は、大きなエネルギーをもっているため、空気中に多く存在する窒素分子(N)に次々と衝突していく。そして、各窒素分子(N)への衝突時に、高速の電子が窒素分子(N)から電子を弾き飛ばす。
電子を失った窒素分子(N)は正イオン(N )となって対向電極320の方に引き付けられる。なお、正イオン(N )は不安定であるため、近くの水分子から電子を奪い、安定した窒素分子(N)に戻る。
一方、窒素分子(N)から弾き飛ばされた電子は、図5の(d)に示すように、近くの酸素分子(O)と結びつく。電子と結びついて生じたマイナスイオン(O )は、電界に沿って放電電極310に引き付けられる。かかるマイナスイオンが、塵埃などの微粒子を負の極性に帯電させることになる。
このように、本実施形態では、放電電極310に第1の極性(たとえば「正」)の電圧を印加して、放電電極310近傍でコロナ放電を生じさせる。すると、放電電極310付近から第1の極性のイオンが発生するとともに、対向電極320の被覆部322での絶縁破壊を生じることによって、対向電極320から大きな放電電流をともなうパルス性の放電が断続的に発生する。
これにより、対向電極320の側では第2の極性(たとえば「負」)のイオンが大量に発生することになる。
上述した実験などから考察されるに、荷電部3の対向電極320付近から発生させたイオンを用いることによって、従来の装置に比べて塵埃への荷電量や荷電効率(放電装置が消費する電力に対する得られた荷電量)を向上させることができる電気集塵機2の提供が可能となる。しかも、オゾンの発生も抑制することが期待できる。
図6は、参考例における対向電極320の構成を示す拡大断面図である。この参考例では、対向電極320に第2部材324が設けられておらず、被覆部322が有機物を含む誘電体で形成される第1部材323のみで構成される。
図6に示すように、第1部材323における所定の箇所には、導電部321の表面321aの一部である露出面321bを被覆しないことで、当該露出面321bを空気中に露出させる、孔部325が形成される。かかる孔部325は、たとえば、第1部材323の厚み方向に貫通するように形成され、この参考例では、被覆部322での空気層の絶縁破壊に伴う放電の放電路327として機能する。なお、第1部材323に形成される孔部325は、1つであっても、複数であってもよい。
そして、第1部材323に孔部325が形成されることにより、対向電極320には、導電部321と、誘電体である被覆部322(第1部材323)と、孔部325(放電路327)上に存在する空気層と、の境界である三重境界326が形成される。ここでの三重境界326とは、3つの異なる性質の物質が相互に隣接し合う境界を指す。例えば、第1部材323の孔部325が円柱状に形成されている場合には、三重境界326は、孔部325の内周縁に沿う円形に形成される。そして、この三重境界326の近傍では、被覆部322(第1部材323)が劣化しやすくなる。その理由について以下に説明する。
図5の(a)でも示したように、たとえば放電電極310に、所定の大きさの正の直流電圧を印加すると、コロナ放電により、放電電極310付近からプラスイオン(正極性のイオン、正電荷)が発生し、対向電極320の側へ引き寄せられる。
すると、図6に示すように、対向電極320における被覆部322(第1部材323)の表面323aにプラスイオンが蓄積されていく。この際、対向電極320の導電部321における被覆部322近傍にはプラスイオンに引き寄せられた電子が偏在することになり、第1部材323の表面323aと導電部321の表面321aとの間に電位差(電圧)が生じる。
この電位差が一定の電位差に達すると絶縁破壊が生じ、図5の(c)でも示したように、対向電極320における導電部321の内部から電子が高速で飛び出す放電現象が生じる。
この放電現象では、導電部321の表面321aの近傍に偏在した電子が、放電路327を介して被覆部322(第1部材323)の表面323a側へと高速で移動する。図6では、放電に伴う電子の流れが矢印で表現されている。この放電の放電経路Pは、放電路327内の空気と放電路327に面する被覆部322との界面(第1部材323の孔部325の内周面)に沿うように生じている。この放電は、導電体である導電部321の露出面321bと、誘電体である第1部材323と、孔部325(放電路327)上に存在する空気層と、の境界である三重境界326を起点として生じていると推定される。
導電部321の表面321aに偏在した電子(負電荷)が、放電路327近傍の電界で加速されることにより、孔部325(放電路327)の空気層の絶縁破壊を伴う放電を生じさせる。電荷を加速させる電界の強さは、空気層と誘電体と導電体との境界である三重境界326で最も大きくなる。したがって、図6の参考例では、電界が極大となった三重境界326を起点として放電が生じていると考えられる。そのため、有機物を含む誘電体で形成される第1部材323が、エネルギー密度が高い状態となり高温となった三重境界326の近傍で劣化してしまう恐れがある。
そこで、実施形態では、図7に示すように、放電の起点となる三重境界326を第2部材324で覆うこととした。図7は、実施形態に係る対向電極320の構成を示す拡大断面図である。
第2部材324は、柱状(たとえば、円柱状)の孔部325の内周面に沿って筒状(たとえば、円筒状)に配置される。すなわち、第2部材324は、一端が導電部321の表面321aに達して三重境界326を覆うとともに、他端が第1部材323の表面323aに達する。
さらに、第2部材324が筒状であることにより、かかる第2部材324の上端と下端との間を貫通する柱状(たとえば、円柱状)の放電路327が形成される。
ここで、第2部材324が炭素原子を含まない無機物の誘電体(絶縁体)で構成されることにより、放電路327に沿って配置される第2部材324が放電に伴い高温となったとしても、第2部材324自体は酸素原子と結合して炭化してしまうことがない。このように、電界が極大となるために放電の起点となる三重境界326を、無機物の誘電体で形成される第2部材324によって覆うことにより、三重境界326の近傍でイオンが高いエネルギーで放出され高温となった場合でも、被覆部322において放電の起点の起点となる箇所が酸素と結合して組成が変化してしまうことを防止でき、被覆部322の劣化を防止することができる。
したがって、実施形態によれば、第2部材324が、導電部321と第1部材323との接触面321cのうち、少なくとも第1部材323の孔部325の内縁に接する内縁部328を被覆するので、電界が極大となる三重境界326が放電路327上に露出することがなく、対向電極320を被覆する被覆部322の劣化を防止することができる。また、被覆部322の劣化が防止されることで、荷電部3において安定した荷電を行うことができ、荷電部3における荷電効率(放電装置が消費する電力に対する得られた荷電量)の経時的な低下を抑制することができる。
さらに、実施形態では、被覆部322が、無機物の誘電体(絶縁体)で形成された第2部材324と、有機物を含んだ誘電体で形成された第1部材323とで構成されることにより、被覆部322の全体を無機物で形成する場合と比較して重量の増加やコストの増大を抑制することができる。
すなわち、実施形態によれば、被覆部322を第1部材323と第2部材324という異なる種類の誘電体(絶縁体)で構成することにより、被覆部322の劣化を防止しつつ、かかる被覆部322を設けることによる重量の増加やコストの増大を抑制することができる。
また、実施形態では、第2部材324が、孔部325の内周面に沿って配置される環状(筒状)の部材に形成されるとよい。これにより、孔部325の内周面全体での第1部材323の露出を防止することができることから、対向電極320を被覆する被覆部322の劣化をさらに効果的に防止することができる。
また、実施形態では、放電路327が第2部材324の内側に形成されるとよい。これにより、図5などで示した対向電極320の被覆部322での放電現象を、無機物で形成された第2部材324の内側で生じさせることができる。したがって、実施形態によれば、導電部321と被覆部322の表面323aとの間の放電経路P上に三重境界326が位置するのを防止でき、被覆部322の劣化を更に抑制することができる。
なお、上記の実施形態では、第2部材324が円筒状であり、第1部材323の孔部325(放電路327)が円柱状である例について示したが、本開示はかかる例に限られない。例えば、第1部材323の孔部325が四角柱状で、第2部材324が四角の筒状であってもよい。
また、好適には、第1部材323が樹脂で形成され、第2部材324がセラミックで形成されるとよい。一般的に、樹脂の比重はセラミックの比重よりも小さく、また樹脂の価格もセラミックの価格よりも安価であるため、これにより、被覆部322の劣化を効果的に防止しつつ、かかる被覆部322を設けることによる重量の増加やコストの増大を抑制することができる。
<変形例>
つづいて、実施形態の変形例について、図8を参照しながら説明する。図8は、実施形態の変形例に係る対向電極320の構成を示す拡大断面図であり、実施形態の図7に対応する図である。
図8に示すように、変形例では、孔部325および第2部材324の形状が上述の実施形態と異なる。具体的には、変形例に係る孔部325は、導電部321の表面321a側において第1部材323の表面323a側よりも内径が広がった形状を有する。
そして、変形例では、この孔部325の広がった部位に環状(たとえば、円環状)の第2部材324が埋め込まれるように配置される。すなわち、変形例では、第2部材324が、孔部325の内周面の底部側にのみ配置される。
このような構成であっても、図8に示すように、電界が極大となる内縁部328(三重境界326)を無機物で形成される第2部材324によって覆うことができる。これにより、三重境界326の近傍でイオンが高いエネルギーで放出され高温となった場合でも、被覆部322において放電の起点の起点となる箇所が酸素と結合して組成が変化してしまうことを防止でき、被覆部322の劣化を防止することができる。
したがって、変形例によれば、対向電極320を被覆する被覆部322の劣化を防止することができる。
また、変形例では、第2部材324が孔部325の内周面の底部側にのみ配置されることから、この第2部材324を設けることによる重量の増加やコストの増大を抑制することができる。
以上、本願の実施例を図面に基づいて説明したが、あくまでも例示であって、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施すことができる。
上述してきた実施形態より、以下に示す放電装置および電気集塵機2が実現できる。なお、以下の放電装置は、電気集塵機2における荷電部3に相当する。
(1)放電電極310と、放電電極310に対向して配置される対向電極320と、放電電極310に電圧を印加する電圧印加部(荷電部用高圧電源30)と、を備え、対向電極320は、導電体で形成される導電部321と、誘電体で形成され、導電部321の表面321aを被覆する被覆部322と、を有し、被覆部322は、有機物を含む誘電体で形成された第1部材323と、無機物で形成された第2部材324と、を有し、第1部材323は、導電部321の表面321aを露出させる孔部325を備え、第2部材324は、導電部321と第1部材323との接触面321cのうち、少なくとも第1部材323の孔部325の内縁に接する内縁部328を被覆する放電装置。
かかる構成により、対向電極320を被覆する被覆部322の劣化を防止することができる。
(2)上記(1)において、第2部材324は、第1部材323の孔部325の内周面に沿って配置される環状の部材である放電装置。
かかる構成により、上記(1)の効果に加え、対向電極320を被覆する被覆部322の劣化をさらに防止することができる。
(3)上記(1)または(2)において、第2部材324は、導電部321と第1部材323と孔部325に存在する空気層との境界である三重境界326を被覆するように配置される放電装置。
かかる構成により、上記(1)または(2)の効果に加え、対向電極320を被覆する被覆部322の劣化をより確実に防止することができる。
(4)上記(1)~(3)のいずれか一つにおいて、第2部材324には、被覆部322での空気層の絶縁破壊時に電荷が通過する放電路327が形成される放電装置。
かかる構成により、上記(1)~(3)のいずれか一つの効果に加え、荷電部3における荷電効率をさらに向上させることができる。
(5)上記(1)~(4)のいずれか一つにおいて、第1部材323は樹脂で形成され、第2部材324はセラミックで形成される放電装置。
かかる構成により、上記(1)~(4)のいずれか一つの効果に加え、被覆部322を設けることによる重量の増加やコストの増大を抑制することができる。
(6)上記(1)~(5)のいずれか一つの放電装置(荷電部3)と、放電装置(荷電部3)により帯電された空気中の塵埃を捕集する集塵装置(集塵部4)と、を備える電気集塵機2。
かかる構成により、上記(1)~(5)のいずれか一つの効果を奏する電気集塵機2を提供することができる。
上述の実施形態および図示の具体的名称、処理、制御、各種のデータなどについては、一例を示すに過ぎず、適宜変更される場合がある。たとえば、上述の実施形態では、第1部材323の材料として樹脂を用い、第2部材324の材料としてセラミックを用いた。しかし、第1部材323および第2部材324の材料はかかる例に限られない。第1部材323は、少なくとも一部の材料に有機物が含まれていればよい。すなわち、第1部材323は、有機物のみを材料として形成される場合に限られず、有機物と無機物とを混合した誘電体(絶縁体)で形成されてもよい。また、第2部材324は、有機物を含まない無機物で形成されていればよく、複数の無機物を混合させた誘電体(絶縁体)で形成されていてもよい。
また、上述の実施形態のより広範な態様は、上述のように表しかつ記述した特定の詳細および代表的な実施形態に限定されるものではない。従って、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される総括的な発明の概念または範囲から逸脱することなく、様々な変更が可能である。
2 電気集塵機(集塵装置の一例)
3 荷電部(放電装置の一例)
4 集塵部
30 荷電部用高圧電源(電圧印加部の一例)
310 放電電極
320 対向電極
321 導電部
321a 表面
321c 接触面
322 被覆部
323 第1部材
324 第2部材
325 孔部
326 三重境界
327 放電路
328 内縁部

Claims (6)

  1. 放電電極と、
    前記放電電極に対向して配置される対向電極と、
    前記放電電極に電圧を印加する電圧印加部と、
    を備え、
    前記対向電極は、
    導電体で形成される導電部と、
    誘電体で形成され、前記導電部の表面を被覆する被覆部と、
    を有し、
    前記被覆部は、
    有機物を含む誘電体で形成された第1部材と、
    無機物で形成された第2部材と、
    を有し、
    前記第1部材は、前記導電部の表面を露出させる孔部を備え、
    前記第2部材は、前記導電部と前記第1部材との接触面のうち、少なくとも前記第1部材の孔部の内縁に接する内縁部を被覆する
    放電装置。
  2. 前記第2部材は、前記第1部材の前記孔部の内周面に沿って配置される環状の部材である
    請求項1に記載の放電装置。
  3. 前記第2部材は、前記導電部と前記第1部材と前記孔部に存在する空気層との境界である三重境界を被覆するように配置される
    請求項1または2に記載の放電装置。
  4. 前記第2部材には、前記被覆部での空気層の絶縁破壊時に電荷が通過する放電路が形成される
    請求項1~3のいずれか一つに記載の放電装置。
  5. 前記第1部材は樹脂で形成され、前記第2部材はセラミックで形成される
    請求項1~4のいずれか一つに記載の放電装置。
  6. 請求項1~5のいずれか一つに記載の放電装置と、
    前記放電装置により帯電された空気中の塵埃を捕集する集塵装置と、
    を備える電気集塵機。
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