JP2023071604A - 超伝導磁石システムの磁場プロファイルを、特に測定された磁場プロファイルによるフィードバックによって均一化するための方法 - Google Patents

超伝導磁石システムの磁場プロファイルを、特に測定された磁場プロファイルによるフィードバックによって均一化するための方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超伝導磁石システムの磁場プロファイルを簡単かつ安価な方法で均一化する方法を提供する。【解決手段】超伝導磁石システムの磁場プロファイルを均一化するための方法は、初期電流を最終電流に変更するために、バルクサブ磁石の温度を測定することなく、バルクサブ磁石における加熱力および/または冷却力を制御することによって複数のバルクサブ磁石(上部バルクサブ磁石、中間バルクサブ磁石、下部バルクサブ磁石)の温度を選択し、バルクサブ磁石の少なくとも一部について、加熱力が少なくとも一時的に互いに異なるように設定し、かつ/または冷却力を少なくとも一時的に互いに異なるように設定する。【選択図】図6

Description

本発明は、超伝導磁石システムの磁場プロファイルを均一化するための方法に関するものであり、
超伝導磁石システムは、
-室温ボアを有するクライオスタットと、
-クライオスタット内に収容され、室温ボアと同軸に配置された超伝導バルク磁石と、
-超伝導バルク磁石を冷却するように適合された極低温冷却システムと
を備え、
超伝導バルク磁石は、N≧3である少なくともN個の軸方向に積み重ねられたバルクサブ磁石を備え、
初期状態において、バルクサブ磁石は、初期分配方式に従った相対的な割合を有するそれぞれの初期電流を搬送し、
この方法は、初期電流を、初期分配方式とは異なる最終分配方式に従った相対的な割合を有する最終電流に変更する事後補正ステップを含み、
最終電流に基づく超伝導バルク磁石の磁場プロファイルは、初期電流に基づく磁場プロファイルよりも均一であり、
極低温冷却システムは、各バルクサブ磁石の温度を別々に制御するように適合され、
初期電流を最終電流に変更するために、バルクサブ磁石の少なくとも一部の温度は、互いに少なくとも一時的に異なるように選択され、その結果
-バルクサブ磁石の第1の部分について、この第1の部分におけるバルクサブ磁石は、少なくともほぼ磁気的に飽和、特に、少なくとも99%の相対磁気飽和となっており、
-バルクサブ磁石の第2の部分について、この第2の部分におけるバルクサブ磁石は、磁気飽和から大きく離れており、特に、最大で95%の相対磁気飽和となっている。
そのような方法は、公開後の欧州特許出願第20174683.1号明細書から知られている。
超伝導体は、実質的にオーム損失なしで電流を搬送することができる材料である。超伝導体は、例えば、高強度の磁場の生成のため、特に核磁気共鳴(=NMR)ために使用される。しかし、超伝導状態は超伝導材料に特有の臨界温度Tcrit未満でしか想定されないので、超伝導体は極低温にさらされる必要がある。したがって、超伝導体は、通常、断熱のためにクライオスタット内に配置される。
一般的な超伝導体用途は、テープ状またはワイヤ状の超伝導線などの超伝導線である。超伝導線は、(例えば、電流輸送のために)、そのまま、または、所望の形態、例えばコイル状に巻いた後に使用されてもよい。具体的には、高磁場用途の超伝導コイルは、通常、ソレノイド型に巻かれた超伝導線から作製される。
しかしながら、超伝導バルク磁石も知られている。この場合、超伝導電流は、超伝導バルク磁石が概して閉じたリング形状である状態で、超伝導体の部片または積層片の内部を循環する。そのような構造は、製造が簡単で安価であり、しばしば高温超伝導体(=HTS)材料から作製される。
超伝導バルク磁石は、例えば米国特許出願第7,859,374B2号明細書に記載されている「磁場冷却」と呼ばれる手順によって装填されてもよい。この手順では、超伝導バルク磁石が充電器磁石の充電器ボアの内側に配置され、次いで、超伝導バルク磁石の温度TbulkがまだTcritを上回っている間に、充電器磁石がオンにされ磁場を生成する。次いで、超伝導バルク磁石はTcrit未満まで冷却され、超伝導になる。続いて、TbulkをTcrit未満に維持した状態で、充電器磁石がオフにされ、この手段によって超伝導バルク磁石内に電流が誘導され、その結果、超伝導バルク磁石内の磁束が維持される。言い換えれば、超伝導バルク磁石は、その内部に磁場を捕捉する。次いで、超伝導バルク磁石は、充電器磁石から取り外されてもよく、捕捉磁場が使用され得る場所に運ばれてもよい。
上述されたNMR用途などの多くの用途では、磁場に高い均一性があることが望ましい。しかしながら、磁場冷却プロセスを介して磁化され、その超伝導ボア内にもたらされる超伝導バルク磁石の磁場は、典型的には比較的低い均一性を有する。
欧州特許出願第3492941A1号明細書は、同一の外径および異なる半径方向の厚さの、軸方向に積み重ねられた複数のリング状バルク体からなるバルク磁石構造体を提案している。中央バルク体は、最小の半径方向の厚さを有する。バルク体の間には、熱伝導率が高い金属製の平面リングが配置される。バルク磁石構造体は、基本的な磁化ステップにおいて磁場冷却によって帯電する。次いで、第1の温度調整ステップでは、バルク磁気構造体の温度は、磁場分布の均一性を改善するために上げられ、中央バルク体は完全磁化状態になる。第2の温度調整ステップでは、バルク磁気構造体の温度が下げられる。
この手順は、磁場の均一化のためにバルク磁気構造体内の電流の何らかの再分配を可能にするが、達成可能な電流分布は、リング状バルク体の半径方向の厚さの分布によって、すなわちハードウェア設計によって制限される。したがって、製造公差による磁場不均一性の補償はかなり制限される。
欧州特許出願第20174683.1号明細書では、超伝導磁石システムおよび超伝導磁石システムの磁場プロファイルを均一化するためのいくつかの方法が提案されている。超伝導磁石システムは、クライオスタットと、複数のバルクサブ磁石を有する超伝導バルク磁石と、極低温冷却システムとを備える。極低温冷却システムは、各バルクサブ磁石の温度を別々に制御するように適合され、各バルクサブ磁石における温度センサと、各バルクサブ磁石における加熱力および/または冷却力を調整するための調整ユニットとを備える。1つの方法では、超伝導バルク磁石によって搬送される初期のあまり均一でない磁場を補正することが提案されている。この目的のために、少なくとも一時的に、バルクサブ磁石の第1の部分は、温度を上げることによって少なくとも磁気飽和に近づけられ、バルクサブ磁石の第2の部分は、磁気飽和から大きく離れた状態とする。このようにして、第1の部分では何らかのドリフトが開始され得るが、第2の部分は安定したままであり、これにより、磁場の均一性を高めるため、異なるバルクサブ磁石の磁場寄与を調整することができる。この方法の実行中、磁場プロファイルは繰り返し測定される。同欧州特許出願の図22に提示された例では、パラメータの中で特に、異なるバルクサブ磁石の温度を時間の関数として示している。同欧州特許出願の図27のワークフローについての説明では、バルクサブ磁石ごとに温度センサを備える上述された超伝導磁石システム上で上記方法を実行することが記載される。
バルクサブ磁石にあるそのような温度センサは、超伝導磁石システムまたはその極低温冷却システムをより複雑にし、且つその結果、より高価にする。さらに、温度センサは、超伝導体のクライオスタットの内部および充電器磁石の充電器ボアの内部の限られた空間にいくらかの追加の空間を必要とし、それは、所与のシステムサイズでのシステム性能を低下させ、且つその結果、コスト効率を低下させる可能性がある。
公開後の欧州特許出願第21169465.8号明細書は、複数のバルクサブ磁石を備える超伝導磁石システムの磁場冷却のための方法をさらに開示する。この方法では、バルクサブ磁石は、事前に計算された充電器電流ステップパターンに従って順次冷却され充電される。
欧州特許出願第20174683.1号明細書 米国特許出願第7,859,374B2号明細書 欧州特許出願第3492941A1号明細書 欧州特許出願第21169465.8号明細書
本発明の目的は、超伝導磁石システムの磁場プロファイルが簡単かつ安価な方法で均一化され得る方法を提供することである。
本発明によれば、冒頭で紹介した方法により、初期電流を最終電流に変更するために、バルクサブ磁石の温度を測定することなく、バルクサブ磁石における加熱力および/または冷却力を制御することによってバルクサブ磁石の温度が選択され、バルクサブ磁石の少なくとも一部について、加熱力が少なくとも一時的に互いに異なるように設定され、かつ/または冷却力が少なくとも一時的に互いに異なるように設定されることを特徴とすることで、上記目的が達成される。
本発明は、各バルクサブ磁石の正確な温度を知らずとも、バルクサブ磁石の加熱力および/または冷却力を変更することによって初期電流を最終電流に変更することを提案する。個々のバルクサブ磁石の温度チェックは完全に省かれ、事後補正ステップにおける磁場の均一化を単純化する。これは、本発明の方法が、個々のバルクサブ磁石用の温度センサなしに超伝導磁石システム上で実行され得ることを意味する。超伝導磁石システムの設計を簡単なものに保つことができ、そのコストは、そのような温度センサを含む超伝導磁石システムと比較して廉価に保つことができる。
本発明の方法を実行するために、通常、初期捕捉磁場プロファイルは、バルクサブ磁石によって搬送される初期電流に基づいて特定(測定)される。次いで、磁場均一性を改善するために補正される必要がある初期捕捉磁場プロファイルの領域、すなわち、他の領域と比較して所望の捕捉磁場よりも局所的に高いことを示す領域が識別され、さらに、所望の捕捉磁場よりも局所的に高いことに関与し、したがって初期捕捉磁場プロファイルの電流減少を必要とする対応するバルクサブ磁石(「バルクサブ磁石の第1の部分」)が識別される。これに続いて、電流減少を必要としないバルクサブ磁石(「バルクサブ磁石の第2の部分」)の温度は、それぞれのバルクサブ磁石が磁気飽和から大きく離れるように設定/変更される。バルクサブ磁石の第1の部分の温度は、それぞれのバルクサブ磁石が少なくともほぼ磁気的に飽和するように設定/変更される。これは、個々のバルクサブ磁石において(例えば、バルクサブ磁石の第1の部分のためのヒータ要素の加熱力の増加、またはバルクサブ磁石の第2の部分のための調整可能な熱インピーダンスの冷却力の増加に伴って)加熱力および/または冷却力を設定/変更することによって行われる。
バルクサブ磁石の第1の部分が少なくともほぼ磁気飽和すると、第1の部分のバルクサブ磁石は、それらの電流の著しい漸進的喪失(「ドリフト」)を示し、この第1の部分のバルクサブ磁石のエネルギーはゆっくりと消散し、磁場プロファイルに対する第1の部分のバルクサブ磁石の寄与を弱める。結合により、磁束(およびそれぞれの電流)の一部は、第2の部分の他の(非飽和)バルクサブ磁石によって引き継がれてもよい。第1の部分のバルクサブ磁石内のドリフトは、磁場プロファイルをゆっくりと調整するために、特にそれを均一化するために使用される。このドリフトは、第1の部分の異なるバルクサブ磁石において異なる強さであってもよく、かつ/または第1の部分の異なるバルクサブ磁石において異なる長さで持続するように設定されてもよいことに留意されたい。詳細には、バルクサブ磁石はそれぞれ、事後補正ステップ中に第1の部分と第2の部分との間で(通常、第1の部分から第2の部分に)個別にシフトすることができる。
ドリフトの強度を特定し、かつ/または磁場プロファイルの変化を監視するために、捕捉磁場プロファイルの測定は、通常、事後補正ステップ中に定期的に、特に、周期的または連続的に実行される。次いで、例えば、ドリフトがないか、またはドリフトが低すぎるときに、第1の部分のバルクサブ磁石のための加熱力および/または冷却力が調整されてもよい。この調整は、バルクサブ磁石の正確な温度を知ることなく実行される。
所望の磁場プロファイルに達すると、第1の部分の(最後に残った)バルクサブ磁石における加熱力および/または冷却力は、それぞれのバルクサブ磁石が磁気飽和から大きく離れるように変更される。所望の磁場プロファイルに達する直前に、ここでの加熱力および/または冷却力を徐々に変化させること、特に、第1の部分のバルクサブ磁石ごとに別々に変化させることも可能である。このようにして、事後補正ステップの終わりに近い磁場プロファイルの補正がより正確に実行され、より高い最終磁場の均一性をもたらすことができるように、ドリフトを調整する(すなわち、弱める/減速する)ことができる。詳細には、第1の部分の1つまたは複数のバルクサブ磁石の寄与を非常に弱くすることによって磁場プロファイルに不均一性をもたらすリスクを低減することができる。
したがって、本発明によれば、個々のバルクサブ磁石における加熱力および/または冷却力は、サンプルボリューム内の超伝導磁石システムの磁場プロファイルの反復測定からのフィードバックを使用して適合されてもよく、特に高い磁場均一性が達成されうる。
加熱力および/または冷却力の個別の制御により、バルクサブ磁石は、それらのそれぞれの磁場寄与を弱めるために自由に選択されてもよい。通常、1つのバルクサブ磁石または2つのバルクサブ磁石のみが、一度に少なくともほぼ磁気飽和になる。事後補正ステップにおける第1の部分または第2の部分へのバルクサブ磁石の割当ては経時的に変更してもよく、必要な場合、そのような割当ては個々のバルクサブ磁石に対して複数回行われてもよい。
この方法は、超伝導磁石システムのサンプルボリューム内に非常に高い均一性を有する磁場を確立することを可能にし、実行が容易であり、その温度を知らずとも正常に機能する。
本発明の好ましい変形形態
本発明の方法の好ましい変形形態では、超伝導磁石システムは、バルクサブ磁石の温度を測定するための熱センサなしで設計される。本発明の方法はバルクサブ磁石の温度を測定せずとも正常に機能するので、超伝導磁石システムにおけるそれぞれのバルクサブ磁石に熱センサを装備する必要はない。しかしながら、通常、(共通の)冷却ステージ(「冷却プレート」)に1つの熱センサが存在することに留意されたい。超伝導磁石システムの複雑度は低く保たれ、超伝導磁石システムはコンパクトな設計を有することができ、且つ全体的なコストを減らすことができる。
別の好ましい変形形態では、第1の部分において、バルクサブ磁石における加熱力は、第2の部分と比較して少なくとも一時的に高く選択され、かつ/または第1の部分において、バルクサブ磁石における冷却力は、第2の部分と比較して少なくとも一時的に低く選択される。これは、特に、バルクサブ磁石が等しいタイプ(特に同じサイズおよび材料)である場合に、第1の部分のバルクサブ磁石を磁気飽和に近づける容易な方法である。次いで、バルクサブ磁石の第1の部分においてドリフトが開始され、それによって第1の部分のバルクサブ磁石の磁場寄与を調整することができる。
事後補正ステップ中に、超伝導磁石システムの中間磁場プロファイルが最終電流に基づく所望の磁場プロファイルが取得されるまで繰り返し測定され、測定の間に、バルクサブ磁石の少なくともいくつかの加熱力および/もしくは冷却力が変更され、かつ/またはある時間待機される変形形態も好ましい。磁場プロファイルの繰り返し測定により、その温度を知らずとも、バルクサブ磁石の現在の状態、特にドリフト状態について知ることが可能である。さらに、本発明の方法の進行を監視することができる。本発明の方法の過程における予想外の変化に迅速に反応することも可能である。この変形形態の反復により、最終磁場の特に高い均一性が達成され得る。
この変形形態の好ましいさらなる発展形態では、少なくとも1つの測定された中間磁場プロファイルから、磁場均一性を高めるべく、前記磁場プロファイルへの寄与を低減させる、以下では過充電バルクサブ磁石(6a~6c)と呼ばれる1つまたは複数のバルクサブ磁石が識別されると、過充電バルクサブ磁石の寄与を低減するために、中間磁場プロファイルの測定後のしばらくの間、1つまたは複数のそれぞれの過充電バルクサブ磁石について、過充電バルクサブ磁石ではないバルクサブ磁石と比較して冷却力がより小さく選択され、かつ/または加熱力がより大きく選択される。これは、磁場プロファイルを均一化する簡単な方法である。磁場プロファイルに対して軸方向に積み重ねられたバルクサブ磁石のそれぞれの寄与は、それ自体の軸方向位置で最も強く、それ自体の軸方向位置から離れるにつれて弱くなっている。一般に、中央領域(z=0)のサンプルボリューム内の磁場プロファイルを調整するために、1つまたは複数の中央バルクサブ磁石が加熱力/冷却力に関して調整され、側部領域(z>0またはz=0)のサンプルボリューム内の磁場プロファイルを調整するために、それぞれの側部の1つまたは複数の側部バルクサブ磁石が加熱力/冷却力に関して調整される。
別の好ましいさらなる発展形態では、過充電バルクサブ磁石の少なくとも一部に対して、それぞれの過充電バルクサブ磁石について、過充電バルクサブ磁石ではないバルクサブ磁石と比較して冷却力がより小さく選択され、かつ/または加熱力がより大きく選択される量は、磁場プロファイルに対するそれぞれのバルクサブ磁石の寄与を低減する最終局面で経時的に低減され、特に、前記量の減少は、中間磁場プロファイルの1つまたは複数のさらなる測定において識別される、磁場プロファイルに対するそれぞれのバルクサブ磁石の寄与が、残りどれくらい低減されるかに依存する。このようにして、磁場プロファイルの最終調整を慎重かつ正確に実行することが可能である。元々の不均一性は精度よく排除でき、且つ、新しい不均一性の導入を最小化することができる。事後補正ステップによる磁場の全体的な損失を最小化することができる。
バルクサブ磁石の少なくともいくつかにおいて加熱力および/または冷却力を変更した後の少なくとも1回の機会において、第1の時間期間が待機され、次いで少なくとも
-中間磁場プロファイルの第1の測定が行われ、
-第2の時間期間が待機され、
-中間磁場プロファイルの第2の測定が行われ、
少なくとも第1および第2の測定から、中間磁場プロファイルの電流ドリフト特性が特定され、
特定された電流ドリフト特性に基づいて、バルクサブ磁石の少なくともいくつかにおける加熱力および/もしくは冷却力の次の変化、ならびに/または待機されるべき次の時間が決定される
ことを特徴とする、さらなる開発形態も好ましい。待機のための上記第1の時間期間は、(加熱力および/または冷却力の変化によって引き起こされる)バルクサブ磁石内の電流の再分配に起因する可能な緩和プロセスが完了したことを保証することができる。第2の時間期間では、そのような緩和プロセスを伴わない線形ドリフトが生じる。待機のための上記第2の時間期間は、ドリフト特性を特定することを容易とする検出可能な電流変化を起こすことを保証することができる。ドリフト特性の特定は、特に正確に行うことができ、中間磁場プロファイルの補正用の信頼できるデータを提供する。第1および第2の時間期間中に、新しい緩和プロセスの発生を防止し、これにより磁場の補正のための有用で一貫したデータを受信するために、すべての加熱力および冷却力は一定に保たれるべきである。
-室温ボアを有するクライオスタットと、
-クライオスタット内に収容され、室温ボアと同軸に配置された超伝導バルク磁石と、
-超伝導バルク磁石を冷却するように適合された極低温冷却システムと
を備える、超伝導磁石システムであって、
超伝導バルク磁石が、N≧3である少なくともN個の軸方向に積み重ねられたバルクサブ磁石を備え、
バルクサブ磁石が、実質的にリング形状であり、室温ボアと同軸に配置され、
各2つの軸方向に隣接するバルクサブ磁石の間に、中間体が配置され、
中間体が、実質的にリング形状であり、室温ボアと同軸に配置され、
バルクサブ磁石が、中間体に支持され、
中間体が、バルクサブ磁石の材料の特有の熱伝導率よりも小さい特有の熱伝導率を有する非金属断熱材料から作製され、
極低温冷却システムが、各バルクサブ磁石の温度を別々に制御するように適合され、
バルクサブ磁石ごとに、それぞれのバルクサブ磁石における加熱力および/または冷却力を調整するための調整ユニットが存在し、
超伝導磁石システムが、バルクサブ磁石の温度を測定するための熱センサなしに構成されること
を特徴とする、超伝導磁石システムも本発明の範囲内である。本発明の超伝導磁石システムは、超伝導バルクシステムの各バルクサブ磁石の温度の意図的な設定を可能にする。これにより、次に、充電器磁石による誘導充電後の単一または複数のバルクサブ磁石の意図的な磁気飽和(またはほぼ完全な飽和)が可能となり、したがってバルクサブ磁石内の電流の目標とする再分配が可能になる。結果として、本発明の超伝導磁石システムでは、特に、高い磁場均一性を達成するために、超伝導バルク磁石によって生成された磁場の高精度の再成形が可能になる。
バルクサブ磁石内の電流は別々に設定されてもよく、電流の個別設定は、一般に任意の磁石ハードウェアを用いて実行することができる。本発明は、特別に成形されたバルク超伝導磁石またはバルクサブ磁石をそれぞれ必要とせず、特に簡単で安価でコンパクトな磁石設計を使用することができる。詳細には、本発明の超伝導磁石システムは、軸方向に短い超伝導バルク磁石などのバルクサブ磁石上のデフォルトの(基本的な)電流分布が適用された場合に磁場勾配を引き起こすハードウェア設計で良好に機能する。
本発明は、所望の磁場プロファイルが達成されるまで1つまたは複数の選択されたバルクサブ磁石にドリフトを誘導することにより、超伝導バルク磁石の誘導充電後に電流の精密な設定を適用することができ、磁場プロファイルは、精密設定中にこの目的のために監視されてもよい。
バルクサブ磁石間に非金属断熱材料から作製された中間体を配置することにより、隣接するバルクサブ磁石を熱的に大きく切り離し、バルクサブ磁石間に必要に応じて大きくても細かくても安定した温度差を確立することが可能である。このようにして、バルクサブ磁石の磁化の飽和度(またはバルクサブ磁石内の対応する電流)が非常に正確に設定されてもよい。断熱材料は、通常、プラスチック材料またはプラスチックを含む複合材料である。
均一化のためにバルクサブ磁石の個々の温度をチェックする必要がないので、バルクサブ磁石用の温度センサは存在しない。温度センサがないことにより、超伝導磁石システムは、その複雑度を低減することができ、その結果、より安価になっている。温度センサによって占有される空間を追加で設ける必要がないことにより、所与のシステムサイズでのシステム性能が高められ、その結果、コスト効率を改善することができる。
調整ユニットは、各バルクサブ磁石において所望の加熱力および/または冷却力を別々に確立するために使用される。調整ユニットは、通常、電子制御ユニットによって制御される。典型的な調整ユニットには、調整可能なヒータ要素および/または調整可能な熱インピーダンスが含まれ、特に共通の冷却ステージに連結される。
メインの超伝導バルク磁石またはそれぞれのバルクサブ磁石は、一般に、例えば、ReBCO型(Re:希土類元素、特にEu、Y、もしくはGd)、またはBSCCO型、またはMgB2型もしくはプニクチドからなる高温超伝導材料から作製される。
超伝導バルク磁石は、実質的に円筒(シリンダジャケット)形状であって且つ超伝導ボアとも呼ばれる中心(軸方向)ボアを有しており、複数の軸方向に積み重ねられたバルクサブ磁石を備える。バルクサブ磁石は、各々持続的な円形電流を可能にするために、一般に、閉じたリング形状である。バルクサブ磁石内の電流は、中心ボアの軸(「z軸」)に実質的に沿って磁場を引き起こす。バルクサブ磁石は、各々「古典型」、すなわち溶融物から成長した一体型リングであってもよい。あるいは、バルクサブ磁石は、各々多数の軸方向層および/もしくは半径方向層を含んでもよく、特に多数の積層リング要素から作製されてもよく、かつ/または1つもしくは複数の管状の搬送体の表面上の円周方向超伝導コーティングを含んでもよい。通常、超伝導バルク磁石は、3~7個のバルクサブ磁石を備え、その温度は別々に制御されてもよい。
超伝導磁石システムの好ましい実施形態は、
バルクサブ磁石ごとに、それぞれのバルクサブ磁石に熱的に接続されたヒータ要素が存在し、
特に、ヒータ要素が調整ユニットによって制御され、調整ユニットがヒータ要素の可変加熱力をそれぞれのバルクサブ磁石に設定するように構成され、
特に、ヒータ要素が電気ヒータ要素であること
を特徴とする。ヒータ要素は、個々の加熱電力をバルクサブ磁石に迅速かつ正確に導入するため、バルクサブ磁石の温度を正確かつ直接的に制御する際に有用である。電気ヒータ要素は、特にコンパクトに構築されてもよく、比較的安価である。
別の好ましい実施形態は、
極低温冷却システムがすべてのバルクサブ磁石のための共通の冷却ステージを備えること、
および、バルクサブ磁石ごとに、共通の冷却ステージからそれぞれのバルクサブ磁石への熱接続部が存在し、
特に、その熱接続部が調整ユニットによって制御される熱スイッチを含むこと
を特徴とする。これは、バルクサブ磁石に冷却力、特に各バルクサブ磁石に少なくともほぼ等しい冷却力を提供するための簡単でコンパクトな方法である。共通の冷却ステージは、クライオクーラーに熱的に結合されており、これにより設計が単純化する。熱スイッチは、特に事後補正ステップ中に、冷却力を一時的に遮断することができる。各バルクサブ磁石において、一定の冷却力が可変の加熱力と組み合わされることが多いことに留意されたい。
好ましいさらなる発展形態では、熱接続部は、調整ユニットによって制御される可変熱インピーダンスを含み、調整ユニットは、それぞれのバルクサブ磁石における可変冷却力を設定するように構成される。このようにして、バルクサブ磁石の温度を正確かつ直接的に制御することも可能である。
有利な実施形態では、超伝導磁石システムは、室温ボアのサンプルボリューム内の磁場プロファイルを測定するための磁場センサデバイスをさらに備える。磁場を知ることにより、磁場プロファイルに対する異なるバルクサブ磁石の電流の影響を特定することが可能である。この情報に基づいて、磁場プロファイルが調整されるように、特に均一化されるように、バルクサブ磁石を加熱または冷却することができる。
好ましいさらなる発展形態は、磁場センサデバイスが、移動ステージ上に配置された少なくとも1つのセンサを備え、それにより、その少なくとも1つのセンサは、サンプルボリューム内の異なる位置におけるその少なくとも1つのセンサの反復読み出しによってサンプルボリューム内の磁場プロファイルを特定するために、サンプルボリューム内で移動できることを実現する。そのようなセンサ(「単一センサ」)は、容易に実現することができる。移動ステージを用いることで、その少なくとも1つのセンサはサンプルボリュームを走査することができる。測定位置の密度は、柔軟に選択することができる。センサデバイスは、軸外センサおよび/または軸上センサを備えてもよい。軸外センサの場合、移動ステージはまた、軸外センサの方位角移動を実現することができる。
代替の好ましいさらなる発展形態は、磁場センサデバイスが、サンプルボリューム内に分布するセンサ配置を備え、所定の位置に固定された上記配置におけるセンサの並列読み出しによってサンプルボリューム内の磁場プロファイルを特定するため、上記配置には、少なくともN個、好ましくは少なくとも2*N個のセンサが含まれることを実現する。このセンサ配置は、磁場プロファイルの特に高速の(瞬間的な)取得を可能にし、それは、必要なら連続的に行うことができる。このセンサ配置内のセンサの数は、磁場プロファイルの測定の精度を高めるために増やすことができる。センサは、通常、軸外に、または軸上および軸外の両方に設けられる。
好ましい実施形態では、超伝導磁石システムは、室温ボア内の磁場プロファイルを自動的に均一化するための電子制御ユニットをさらに備え、電子制御ユニットは、上述された本発明の方法に従って超伝導バルク磁石の磁場プロファイルを自動的に均一化するように適合され、電子制御ユニットは、磁場センサデバイスで測定された測定中間磁場プロファイルを繰り返し受信し、中間測定値に基づいて、バルクサブ磁石の温度データを受信または評価することなく、電子制御ユニットは、バルクサブ磁石における加熱力および/または冷却力を自動的に制御する。本発明の方法は、自動実装によく適しており、かなり簡単である。詳細には、いかなる温度データも処理する必要がない。電子制御ユニットの実装は、ユーザにとって非常に快適である。超伝導磁石システムの可用性が改善されうる。
さらに、本発明の上述された方法における本発明の上述された超伝導磁石システムの使用は、本発明の範囲内である。このようにして、簡単で安価な方法で磁場を均一化することが可能である。
説明および同封の図面から、さらなる利点を引き出すことができる。上記および下記に述べられた特徴は、本発明に従って、個別または集合的に任意の組合せで使用することができる。述べられた実施形態は、網羅的な列挙として理解されるべきではなく、むしろ本発明の説明のための例示的な特徴を有する。
本発明が図面に示されている。
本発明による方法を実行するための、単一の軸上磁場センサ、熱スイッチ、およびヒータを有する本発明の超伝導磁石システムの第1の実施形態の概略図である。 本発明による方法を実行するための、磁場センサ、非可変熱インピーダンス、およびヒータが配置される本発明の超伝導磁石システムの第2の実施形態の概略図である。 本発明による方法を実行するための、単一の軸外磁場センサおよび可変熱インピーダンスを有する本発明の超伝導磁石システムの第3の実施形態の概略図である。 本発明による方法を実行するための、単一の軸外磁場センサおよび熱スイッチを有する本発明の超伝導磁石システムの第4の実施形態の概略図である。 本発明の方法の変形形態の、充電器電流、バルクサブ磁石の電流、バルクサブ磁石における全体的な冷却力および加熱力の概略スケジュールを示す図である。 図5の概略的なタイムスケジュールのバルクサブ磁石の電流およびバルクサブ磁石における加熱力、さらに、磁気軸に沿った3つの位置における局所的な磁束密度の拡大図である。 図5および図6に示された本発明の方法の変形形態の過程で3つの時点において取得された磁場プロファイルの概略図である。 例示的な変形形態における、本発明の方法による全体的な充電手順についての概略図である。
本発明の超伝導磁石システム
図1は、例として、充電器磁石3の充電器ボア3a内に部分的に配置された本発明の超伝導磁石システム2の第1の実施形態を含む、超伝導充電装置1を概略図で示す。
充電器磁石3は、超伝導型または常伝導型であってもよく、充電器磁石3内を流れる充電器電流は、充電器磁石制御ユニット(詳細には図示せず)とともに設定されてもよい。充電器磁石3により、超伝導磁石システム2を誘導充電する目的で、充電器ボア3a内に磁束(または磁場)が生成されてもよい。生成された磁束は、一般に、中心軸Aに平行に向けられる。
超伝導磁石システム2はクライオスタット4を備え、その内部は断熱のために真空に維持されている。クライオスタット4の内部には、ここでは3つのバルクサブ磁石6a,6b,6cを備える超伝導バルク磁石5が収容されている。バルクサブ磁石6a~6cは、一般に閉じたリング形状であり、超伝導磁石システム2の中心軸Aに対して軸方向に積み重ねられ同軸に配置され、これにより、超伝導ボア7と呼ばれる、超伝導バルク磁石5の内部に半径方向中央に軸方向に延在する自由空間が生じる。バルクサブ磁石6a~6cは、YBCOなどの高温超伝導材料から作製される。個々のバルクサブ磁石6a~6cは、ここでは、各々バルク材料の単一のリングによって形成される。バルク材料の複数のリング状シートを組み合わせて、個々のバルクサブ磁石6a~6cを形成することも可能である(図示せず)。軸Aはz軸とも呼ばれる。
隣接するバルクサブ磁石6a~6cの間に軸方向に、バルクサブ磁石6a~6cを互いに対して断熱するために、ここではポリイミド材料から作製された実質的にリング形状のワッシャのような中間体8a,8bが配置される。ポリイミド材料のさらなる中間体8cが、底部のバルクサブ磁石6cとバルクサブ磁石6a~6c用の共通の冷却ステージ9(「コールドステージ」)との間に配置される。バルクサブ磁石6a~6cは、中間体8a,8bおよびさらなる中間体8cの上に載っている。
図示された例では、バルクサブ磁石6a~6cは、すべて同一の外径および内径を有する。さらに、図示された例では、中間体8a,8bおよびさらなる中間体8cは、バルクサブ磁石6a~6cより大きい外径およびそれらと同じ内径を有する。中間体8a,8bおよびさらなる中間体8cは、バルクサブ磁石6a~6cと同じ外径および内径を有することも可能である(図示せず)。
クライオスタット4の室温ボア7aは、超伝導ボア7に達している。充電器磁石3またはその充電器ボア3a、超伝導バルク磁石5またはその超伝導ボア7、および室温ボア7aは、同軸に配置される。超伝導ボア7の磁気中心であって室温ボア7a内には、超伝導磁石システム2によって生成された磁束に曝されるサンプルが配置され得るサンプルボリューム10が配置される。
室温ボア7aのサンプルボリューム10内の磁場プロファイルを測定し特定するために、ここでは直線コネクタ12aを介して移動ステージ12に取り付けられた1つのセンサ11a(「単一のセンサ」)で構成された磁場センサデバイス11が使用される。センサ11aは、中心軸Aに対して軸上に配置され、サンプルボリューム10内で移動ステージ12によって垂直に移動することができる。このようにして、磁場プロファイルの軸上勾配、およびそれによる磁場プロファイルの軸上不均一性は、比較的簡単な方法で測定することができる。
超伝導磁石システム2は、超伝導バルク磁石5を冷却するための極低温冷却システム13をさらに備える。本発明によれば、各バルクサブ磁石6a~6cの温度は、それぞれのバルクサブ磁石6a~6cにおいて加熱力および/または冷却力を制御することによって別々に調整されてもよい。この目的のために、ここでは、各バルクサブ磁石6a~6cは、電気ヒータ要素15a,15b,15cおよび熱スイッチ16a,16b,16cに接続される。さらに、電気ヒータ要素15a~15cおよび熱スイッチ16a~16cは、調整ユニット14に接続され(点線で示された接続)、それらはここでは電子制御ユニット18内で一体化されている。調整ユニット14を介して、ヒータ要素15a~15cに可変加熱力を設定することが可能であり、熱スイッチ16a~16cを開閉できるため、冷却力を設定することが可能である。電気ヒータ要素15a~15cの加熱力は、電流強度を設定することによって可変的に調整されてもよい。熱スイッチ16a~16cを介してバルクサブ磁石6a~6cに到達する冷却力は、それぞれの熱スイッチ16a~16cを各々開閉することによって調整される、すなわちオフまたはオンに切り替えられてもよい。
各ヒータ要素15a~15cは、バルクサブ磁石6a~6cのうちの1つに熱的に結合される。各バルクサブ磁石6a~6cは、ここでは熱スイッチ16a~16cを含む熱接続部17a,17b,17cを介して共通の冷却ステージ9に熱的に結合される。図示された設定では、熱スイッチ16a~16cはすべて開かれているので、バルクサブ磁石6a~6cに冷却力は供給されていない。共通の冷却ステージ9は、充電手順中および通常動作中において、バルクサブ磁石6a~6cの材料の臨界温度よりも概してはるかに低い極低温にある。
通常動作中に共通の冷却ステージ9を冷却するために、図示された例では、クライオスタット4は、クライオスタット4の内部にその第1のクライオクーラーコールドステージ19aを有する第1のクライオクーラー19を恒久的に備えている。ここで、第1のクライオクーラー19のクライオクーラーコールドステージ19aは、熱クライオクーラーインピーダンス20を介して共通の冷却ステージ9に接続されている。
充電手順中、第1のクライオクーラー19の動作は、充電器磁石3から生じる強い浮遊磁場によって損なわれる可能性があり、その場合は使用されるべきではない。したがって、図示された例では、クライオスタット4は、ポート21と、外部冷却流体をポート21から共通の冷却ステージ9に導き、戻すための供給ライン22とをさらに備える。充電手順中、ポート21は外部の第2のクライオクーラー23に一時的に接続され、その第2のクライオクーラーコールドステージ23aは、別個の補助クライオスタット24内に配置される。この補助クライオスタット24の内部には、第2のクライオクーラー23のクライオクーラーコールドステージ23aからポート21に冷却流体を運び戻すための補助供給ライン25が設けられている。さらに、通常動作中、充電手順と比較して必要な冷却力が少なくて済む場合があり、したがって、充電手順中に第2のクライオクーラー23を使用することにより、通常動作用のより小さい第1のクライオクーラー19が使用できることに留意されたい。
特定のバルクサブ磁石6a~6cにおいて、ヒータ要素15a~15cの加熱力(もしあれば)、熱スイッチ16a~16cを介した共通の冷却ステージ9の冷却力(もしあれば)、ならびに(黒体放射、または中間体8a,8bおよびさらなる中間体8cを通る残りの熱伝導などの)他の熱伝導経路を介したさらなる加熱力または冷却力が平衡状態にあるとき、バルクサブ磁石6a~6cは安定した温度(平衡温度)を維持する。ヒータ要素15a~15cの加熱力および/または熱スイッチ16a~16cを介した冷却力を変更することにより、異なる平衡状態が設定されてもよい。これにより、異なる平衡温度が、その温度値がわからないととしても、取得されうる。バルクサブ磁石6a~6cには、それぞれのバルクサブ磁石6a~6cの温度を監視するための熱センサが装備されていないことに留意されたい。
磁場センサデバイス11、ヒータ要素15a~15c、および熱スイッチ16a~16cは、電子制御ユニット18に接続されている。磁場センサデバイス11により、磁場プロファイルを測定することで、磁場プロファイルの不均一性の判断や、磁場プロファイルの補正の進行の監視に役立てる。電子制御ユニット18は、超伝導バルク磁石5の充電中および超伝導バルク磁石5の磁場プロファイルの補正中、特に事後補正ステップにおいて、ヒータ要素15a~15cおよび熱スイッチ16a~16cの加熱力、それによるバルクサブ磁石6a~6cの温度(特に平衡温度)を制御する。磁場プロファイルを補正するために、個々のバルクサブ磁石6a~6cは、しばらくの間ドリフト状態にされてもよい。特定のバルクサブ磁石6a~6cが磁場均一性を改善するための適切なドリフト状態にあるかどうかは、磁場プロファイルを時間の関数として監視することによって最もよく観察することができる。特定のバルクサブ磁石6a~6cの現在の温度を知ることは、この目的のためには必要とされないことに留意されたい。
以下の図2~図4は、図1の超伝導磁石システム2を変更して示していることに留意されたい。このため、図1の実施形態に対する特徴の差異のみが以下に記載される。図2~図4に示された実施形態では、第2のクライオクーラー23は依然として超伝導磁石システム2の一部であるが、簡略化のために示されていないことに留意されたい。しかしながら、第1のクライオクーラー19のみを有し、第2のクライオクーラー23をもたない超伝導磁石システム2を使用することも可能であり、この場合、第1のクライオクーラー19は、充電器磁石3から生じる強い磁場(浮遊磁場)に対して遮蔽され得るので、第1のクライオクーラー19の動作は損なわれない。以下に示された超伝導磁石システム2のさらなるすべては、バルクサブ磁石6a~6cの温度を測定するために熱センサが使用されないという共通点を有する。
図2は、例として、本発明の超伝導磁石システム2の第2の実施形態を含む超伝導充電装置1を概略図で示す。図1と比較して、別のタイプの磁場センサデバイス11が使用され、熱スイッチは、非可変(「固定」)熱インピーダンス26a,26b,26cに置き換えられている。
室温ボア7aのサンプルボリューム10内の磁場プロファイルを測定し特定するために、ここでは静止ステージ27に取り付けられたセンサ11a(「複数のセンサ」)の配置11bで構成された磁場センサデバイス11が使用される。センサ11aの配置11bは、ここでは6つのセンサ11aを備える。3つのセンサ11a’は、中心軸Aに対して軸上に配置され、3つのセンサ11a’’は、中心軸Aに対して軸外に配置される。このようにして、磁場プロファイルの軸上勾配および軸外勾配、ならびにそれらによる磁場プロファイルの軸上不均一性および軸外不均一性は、同時にかつ直接的に測定することができる。センサ11aの配置11bは、ここでは固定されている。センサ11aの配置11bでは、ホールセンサが使用されてもよい。
図示された例では、それぞれの電気ヒータ要素15a~15cが調整ユニット14に接続されている。調整ユニット14は、各バルクサブ磁石6a~6cにおける加熱力のみを可変調整することができる。各バルクサブ磁石6a~6cは、ここでは非可変熱インピーダンス26a~26cを含む熱接続部17a~17cを介して共通の冷却ステージ9に熱的に結合される。これにより、共通の冷却ステージ9が低温であるときにバルクサブ磁石6a~6cに冷却力が常時供給される。
図3は、例として、本発明の超伝導磁石システム2の第3の実施形態を含む超伝導充電装置1を概略図で示す。図1と比較すると、磁場センサデバイス11はわずかに修正され、熱スイッチは可変熱インピーダンス28a,28b,28cに置き換えられ、ヒータ要素は除去されている。
室温ボア7aのサンプルボリューム10内の磁場プロファイルを測定し特定するために、ここでは傾斜コネクタ12bを介して移動ステージ12に取り付けられたセンサ11aで構成された磁場センサデバイス11が使用される。センサ11aは、中心軸Aに対して軸外に配置され、サンプルボリューム10内でそれに沿って移動ステージ12によって中心軸Aに平行に移動することができる。さらに、センサ11aは、中心軸Aの周りを回転することができる。通常、センサ11aは高再生度センサである。サンプルボリューム10内でそれに沿って異なる位置が走査される。次いで、球面調和関数解析により、軸上勾配および軸外勾配が計算される。このようにして、軸上および軸外の磁場プロファイル、ならびにそれらによる磁場プロファイルの軸上不均一性および軸外不均一性は、ただ1つのセンサ11aで特定することができる。
図示された例では、それぞれの可変熱インピーダンス28a~28cが調整ユニット14に接続されている。調整ユニット14は、各バルクサブ磁石6a~6cにおける冷却力のみを可変調整することができる。各バルクサブ磁石6a~6cは、ここでは可変熱インピーダンス28a~28cを含む熱接続部17a~17cを介して共通の冷却ステージ9に熱的に結合される。
図4は、例として、本発明の超伝導磁石システム2の第4の実施形態を含む超伝導充電装置1を概略図で示す。図3と比較すると、可変熱インピーダンスが熱スイッチ16a~16cに置き換えられている。
図示された例では、それぞれの熱スイッチ16a~16cが調整ユニット14に接続されている。調整ユニット14は、各バルクサブ磁石6a~6cにおいて、共通の冷却ステージ9からの冷却力なしと最大冷却力との間を切り替えるだけで、冷却力を調整することができる。各バルクサブ磁石6a~6cは、ここでは熱スイッチ16a~16cを含む熱接続部17a~17cを介して共通の冷却ステージ9に熱的に結合される。この実施形態の典型的な動作方法では、最初に熱スイッチ16a~16cが閉じられ、バルクサブ磁石6a~6cが最大冷却電力で冷却され、充電器電流が減少する。次いで、磁場プロファイルが測定され、過充電バルクサブ磁石6a~6cが識別される。それぞれの熱スイッチ16a~16cが開けられる。それぞれのバルクサブ磁石6a~6cの温度は、(直接)冷却力が印加されないときに幾分上昇し、そして、それぞれのバルクサブ磁石6a~6cはドリフトする。磁場プロファイルの均一性、またはそれぞれのバルクサブ磁石の磁場プロファイルへの寄与がそれぞれ所望の通りであるとき、それぞれの熱スイッチ16a~16cが閉じられ、最大冷却力がそれぞれのバルクサブ磁石6a~6cに印加され、そこでドリフトが停止する。一般に、異なるバルクサブ磁石6a~6cの熱スイッチ16a~16cは、異なる時点で閉じられなければならないことに留意されたい。あるいは、事後補正ステップ中に、それぞれのバルクサブ磁石6a~6cの熱スイッチ16a~16cにおいて開状態と閉状態との間で迅速に変化させ、開いている場面および閉まっている場面の持続時間の比を調整することにより、冷却力が効果的に可変調整されてもよい。
磁場プロファイルを均一化するための本発明の方法
本発明は、初期磁場冷却ステップが適用された後に、超伝導磁石システムの磁場プロファイルを均一化するために使用される(初期磁場冷却ステップについては、その全内容が参照により本明細書に組み込まれる欧州特許出願第20174683.1号を参照されたい)。本発明の方法の使用は、図2に示された超伝導磁石システム(すなわち、3つのバルクサブ磁石と、ヒータと、非可変熱インピーダンスと、磁場センサデバイスとを備える超伝導磁石システム)用の例として、図5および図6に示されている。本発明の方法は、他の超伝導磁石システムとともに使用されてもよいことに留意されたい。一般に、事後補正ステップを適用する本発明の方法の過程で、個々のバルクサブ磁石の電流強度はわずかに変化するだけであり、その結果、最終電流は、通常各々初期電流から10%以下、多くの場合5%以下だけ逸脱する。
図5は、右にプロットされた時間tの関数として、充電器電流I charger(最上部の図)、バルクサブ磁石内の個々の電流(「I bulks」、上から2番目の図)の概要、全体の冷却力(「P cool」、最後から2番目の図)、および個々のバルクサブ磁石に印加される加熱力(「P heat」、最後の図)を示す。図5の焦点は、主に初期磁場冷却ステップ、言い換えれば、事後補正ステップが行われる前のステップにある。
時間間隔A~Bにおいて、充電器磁石は、約125A(アンペア)の充電器電流I chargerまで上昇し、バルクサブ磁石は、それらの臨界温度Tcritを超える温度にあるので、バルクサブ磁石は充電されないままである。待機間隔B~Cの後に、共通の冷却ステージをその動作温度まで下げる(第2のクライオクーラーを適用する)ことにより、バルクサブ磁石における冷却力P coolを間隔C~Dにおいて0%から100%まで増加させる。同じ間隔C~Dでは、すべてのバルクサブ磁石における加熱力が0W(ワット)から2Wまで増やされる。結果として、バルクサブ磁石の温度は、Tcrit未満に低下する。
時間間隔D~Eにおける初期磁場冷却ステップにおいて、充電器電流I chargerは、初期分配方式に従ってバルクサブ磁石に約240~260kAの初期電流を誘起するゼロまで低下する。バルクサブ磁石は、ここでは初期状態にある。初期状態の初期電流は、超伝導磁石システムのサンプルボリューム内に磁場プロファイルを生成する。室温ボア内部のサンプルボリューム内の磁場プロファイルの均一性を高めるために、その後、事後補正ステップが実行される。事後補正ステップは、初期電流を調整し、それにより、初期電流に基づいて磁場プロファイルを調整する。
図6は、その焦点として、事後補正ステップ50を示す。右側にプロットされた時間tの関数として示されているのは、図5のバルクサブ磁石における電流の倍率(「I bulks」、最上部の図)、z軸(軸A)上の3つの位置、すなわち、(中間のバルクサブ磁石の寄与を示す)サンプルボリュームの中心にある中間位置、(上部バルクサブ磁石の寄与を示す)上部位置、および(下部バルクサブ磁石の寄与を示す)下部位置(「Bpos」、中段図、図7も比較)におけるバルクサブ磁石全体によって生成される磁束密度の倍率(B)、ならびに図5のバルクサブ磁石に印加される加熱力の倍率(「P heat」、最後の図)である。実線は、上部バルクサブ磁石(図2のバルクサブ磁石6aと比較)すなわち上部位置を指し、破線は、中間バルクサブ磁石(図2のバルクサブ磁石6bと比較)すなわち中間位置を指し、小破線は、下部バルクサブ磁石(図2のバルクサブ磁石6cと比較)すなわち下部位置を指す。
時点Eにおいて充電器磁石をオフに切り替えた後に、上部バルクサブ磁石の電流は約260kAにあり、中間バルクサブ磁石の電流は約242.5kAにあり、下部バルクサブ磁石の電流は約245kAにある。また、時点Eにおいて、サンプルボリューム内(およびサンプルボリューム付近)の磁場プロファイルが測定される。ここで、時間間隔E~Fで緩和時間を待機した後、磁場プロファイルが再度測定されて、初期磁場冷却ステップの緩和が完了したことを確認する。上部位置の磁束密度は約6.1350T(テスラ)であり、中間位置の磁束密度は約6.1345Tである。下部位置の磁束密度は約6.1340Tである。事後補正ステップによる磁場プロファイルの補正は、とりわけ、個々のバルクサブ磁石の磁束密度寄与を減少させるので、バルクサブ磁石またはそれぞれの磁束密度が最も小さい位置が予備基準値として選択される。この場合、約6.1340Tである下部位置における磁束密度が予備基準値として選択される。この値と比較して、上部位置および中間位置における磁束密度は大きすぎる。上部および中間のバルクサブ磁石は過充電バルクサブ磁石であり、磁場プロファイルの均一性を高めるために、磁場プロファイルへのそれらの寄与は低減されるべきである。
時点Fにおける初期電流に基づいて磁場プロファイルを補正し、バルクサブ磁石内の電流の所望の再分配を開始するために、それぞれのバルクサブ磁石の加熱力は異なるように設定される。下部バルクサブ磁石の加熱力は、下部位置における磁束密度がすでに所望の通りである(または少なくとも減少するべきではない)ので、2Wから0Wまで減少する。このようにして、下部バルクサブ磁石の温度がさらに低下し、下部バルクサブ磁石が磁気飽和から安全に大きく離される。これにより、その電流(ドリフト)の緩やかな損失が防止され、その磁場プロファイルの寄与が浪費されない。下部バルクサブ磁石は、磁気飽和から大きく離れたバルクサブ磁石の第2の部分に割り当てられる。対照的に、中間バルクサブ磁石および上部バルクサブ磁石は、磁場プロファイルへのそれらの寄与を低減するために一部の電流を失うはずである。この目的のために、それらは、しばらくの間、少なくともほぼ磁気飽和に至らなければならず、それらは、少なくともほぼ磁気的に飽和しているバルクサブ磁石の第1の部分として選択される。過充電された中間バルクサブ磁石の加熱力は、中間位置の磁束密度が所望よりも大きいので、2Wから4Wまで増加する。過充電された上部バルクサブ磁石の加熱力は、上部位置の磁束密度が中間位置の磁束密度よりもさらに大きいので、2Wから5Wまで増加する。
上部バルクサブ磁石および中間バルクサブ磁石における加熱力が増加すると、両方のバルクサブ磁石における温度が上昇し、ある値(または新しい平衡温度)に達する。この温度上昇により、それらの超伝導通電容量は減少するため、ここでの場合のように、それらは磁気飽和近く、または磁気飽和にさえなる。時点Fの後、上部バルクサブ磁石の電流は、時点Gに達するとここでは約260kAから258.5kAまで低下し、中間バルクサブ磁石の電流は、時点Gに達すると約242.5kAから241.5kAまで低下した。次に、下部バルクサブ磁石が磁束および対応する電流の一部を引き継ぎ、その電流は約245kAから247.5kAまで増加し、下部位置の磁束密度は(磁束密度の新しい基準値を表す)約6.1342Tまで増加する。ここで、時間間隔F~Gの温度変化による電流の再分配は、実際には瞬間的ではなく、その結果、前記再分配が緩和効果と考えることができる時点Fを幾分超えて到達することに留意されたい。
(時点Fにおける)加熱力の第1の変化の後、緩和が完了することができるように時点FとGとの間の第1の時間期間が待機される。時点Gで開始して、中間磁場プロファイルの第1の測定が実行される。次いで、時点Gと時点Hとの間の第2の時間期間が待機され、その後、時点Hにおいて、中間磁場プロファイルの第2の測定が実行される。これらの測定から、バルクサブ磁石についての電流ドリフト特性を特定することができる。第1の時間期間(待機時間)により確実に、第2の時間期間にわたって、その後の準線形ドリフトがバルクサブ磁石において直接観察できるようになることに留意されたい。
ここで、中間バルクサブ磁石は、その磁気飽和(磁気飽和の99%を超える)にあるか、またはそれに非常に近いので、比較的高いドリフトを示す。加熱力は、この場合の電流ドリフト特性が所望される通りなので維持される。
中間バルクサブ磁石のドリフトのさらなる過程にわたって、磁場プロファイルが(ここでは時点H~Nの間で)繰り返し測定される。時点Kにおいて、中間バルクサブ磁石の電流は約236kAであり、中間位置の磁束密度は所望の磁束密度に近づく。加熱力は、(時点Kにおいて)4Wから3.5Wまで低減され、ドリフトが減速し、均一化プロセス中の磁場プロファイルに対する中間バルクサブ磁石の寄与の正確な調整が可能となる。図6から分かるように、時点K以後は時点K以前に比べてドリフトが緩やかになっている。ここでも、電流ドリフト特性は、上述されたように特定されてもよく(詳細には記載されない)、次いで、加熱力は、この場合の(KとMとの間の)電流ドリフト特性が所望されるように維持される。
磁場プロファイルに対する中間バルクサブ磁石の寄与はさらに続くが、最終局面(ここでは時間間隔K~M)ではよりゆっくりと減少する。時点Mにおいて、中間位置における磁束密度は、所望の磁束密度(すなわち、基準値)に達している。中間バルクサブ磁石の電流は、現在約235kAである。加熱力は3.5Wから0Wまで低減される。中間バルクサブ磁石の温度は、中間バルクサブ磁石が磁気飽和から大きく離れ、ドリフトが無視できる程度にまで低下する。時点M以後の中間バルクサブ磁石は、磁気飽和から大きく離れているので、バルクサブ磁石の第2の部分に属する。
時点GおよびHにおける中間磁場プロファイルの測定から、上部バルクサブ磁石に関わる電流ドリフト特性を特定することができる。ここで、上方位置での磁束密度、したがって上部バルクサブ磁石は、時間間隔G~Hにおいて中程度のドリフトを示す。このドリフトを維持すると、全体の処理時間は約5000分になり、(意図されている)約3000分にはならない。したがって、ドリフトを加速するためにこの場合の電流ドリフト特性が必要とされないので、上部バルクサブ磁石における加熱力は、時点Hにおいて5Wから5.5Wまで増加する。上部バルクサブ磁石の電流は、時点HとIとの間で約258.2kAから258.0kAへの非常に小さい降下を示すことに留意されたい。この電流の降下は非常に小さいので、この場合、中間バルクサブ磁石および下部バルクサブ磁石の電流には顕著に影響しない。
加熱力の第2の変化(時点H)の後、緩和が完了することができるように時点HとIとの間のさらなる第1の時間間隔が待機される。時点Iにおいて、中間磁場プロファイルのさらなる第1の測定が実行される。次いで、時点Iと時点Jとの間のさらなる第2の時間期間が待機され、その後、時点Jにおいて、中間磁場プロファイルのさらなる第2の測定が実行される。これらの測定から、電流ドリフト特性が再び特定される。ここで、上部位置における磁束密度、したがって上部バルクサブ磁石は、その磁気飽和(磁気飽和の99%を超える)にあるか、またはそれに非常に近いので、比較的高いドリフトを示す。加熱力は、この場合の電流ドリフト特性が現在所望されるものであるので、維持される。
ドリフトの過程にわたって、磁場プロファイルが(ここでは時点J~Nの間で)繰り返し測定される。時点Lにおいて、上部バルクサブ磁石の電流は約250kAであり、その位置の磁束密度は所望の磁束密度に近づく。加熱力は、(時点Lにおける)上部バルクサブ磁石において、5.5Wから5Wまで低減され、ドリフトが減速し、均一化プロセス中の磁場プロファイルに対する上部バルクサブ磁石の寄与の正確な調整が可能となる。ここでも、電流ドリフト特性は、上述されたように特定されてもよい(詳細には記載されない)。次いで、(時点Mにおいて)上部バルクサブ磁石の加熱力が5Wから4.5Wまでさらに減少して、ドリフトをさらに減速させる。
磁場プロファイルに対する上部バルクサブ磁石の寄与はさらに続くが、最終局面(ここでは時間間隔M~N)ではよりゆっくりと減少する。時点Nにおいて、上部位置の磁束密度は所望の磁束密度(すなわち基準値)に近づき、上部バルクサブ磁石の電流は約247.5kAである。加熱力は4.5Wから0Wまで低減される。上部バルクサブ磁石の温度は、上部バルクサブ磁石が磁気飽和から大きく離れ、ドリフトが無視できる程度にまで低下する。
バルクサブ磁石内の電流I bulksが変更される時間間隔であって、特にドリフトによって微調整される時間間隔E~Oは、事後補正ステップ50と呼ばれる。この事後補正ステップ50の間に、低い磁場均一性を伴う初期状態のバルクサブ磁石の電流I bulks(時点Eにおける「初期電流」)は、高い磁場均一性を伴う最終状態のバルクサブ磁石の電流I bulks(時点Nにおける「最終電流」)に変化する。通常、事後補正ステップ中のサンプルボリューム内の均一性は、3倍以上、しばしば5倍以上、好ましくは10倍以上、最も好ましくは20倍以上増加させることができる。時点Oにおいて、磁場プロファイルの最後の測定が実行されて、事後補正ステップ50が成功したかどうかをチェックする。
図7は、z=0における磁気中心付近の磁場プロファイルの時間展開を示す。磁束密度Bが上にプロットされ、z軸上の位置が右にプロットされる。時点として、図6のE(点線)、K(破線)、およびN(実線)が示される。また、図5で磁束密度が測定された上部位置、中間位置、および下部位置が示されている。
時点Eにおいて、磁場プロファイルは、-15mmと+15mmとの間の著しい不均一性を示し(ここではサンプルボリュームの伸長を表す)、Bは約6.1340テスラと6.1350テスラとの間で変動し、約163ppmに対応する。磁場プロファイルは、上方位置近傍で+15mmの顕著な最大値を示し、下方位置と比較すると中間位置でも著しく高いBを示す、すなわち、上部バルクサブ磁石の磁場寄与はかなり大きく、中間バルクサブ磁石の磁場寄与はやや大きいことが示されている。
時点EとNとの間のドリフトの過程にわたって、上部バルクサブ磁石と中間バルクサブ磁石の相対寄与が減少するので、均一性は徐々に増加する。-15mmと+15mmとの間の時点Nにおける最終状態の磁場分布は、ここでは25ppm未満の不均一性を有する。
図8は、本発明の例示的な変形形態における磁場プロファイルの均一化の方法を含む、超伝導磁石システム、特に(例えば図1に示された)本発明の超伝導磁石システム向けの充電手順の概略フロー図を示す。
充電手順のステップ100~105は、欧州特許出願第20174683.1号に詳細に記載されているので、概略流れ図の最初の部分は、ここでは簡単にのみ記載されている。欧州特許出願第2017468.1号の内容は、それに応じて参照して組み込まれる。手順は、開始100の後、最初に初期磁場冷却ステップ101を含む。その過程で、充電器磁石の充電器電流は、Tcritより上のバルク磁石で上昇し、次いで、バルク磁石はTcritより下に冷却され、充電器電流は下降する。基本的な分布方式による主電流は、充電器磁石および超伝導磁石システムの固有の特性に従って、バルク磁石のバルクサブ磁石内に誘導される。次いで、得られた磁場プロファイルがマッピングされ(102)、ステップ103において評価される。
磁場プロファイルがサンプルボリューム内のその均一性に関して許容可能でない場合、熱リセット(104)が行われ、すなわち、超伝導バルク磁石が放電され、再びその臨界温度より上に温められる。次いで、前の充電ステップ(ここではステップ101)で得られた不均一性の知識を用いて、予備充電ステップを含む最適化磁場冷却(105)が行われる。その後、磁場プロファイルが再びマッピングされ(102)、評価される(103)。捕捉磁場プロファイルがまだ許容可能でない場合、別の熱リセット(104)および別の最適化磁場冷却のステップ105が含まれてもよい。
磁場プロファイルが許容可能である場合、熱ドリフトシミング(106)、すなわち、本発明の方法に従う事後補正ステップを使用した均一化が開始される。この目的のために、磁場均一性を改善するために磁場プロファイルへのそれらの寄与が低減されるバルクサブ磁石の部分が特定される。次いで、それぞれのバルクサブ磁石が少なくとも磁気飽和に近づけられ、したがって加熱力が増加し、かつ/または冷却力が減少し、したがってそれぞれのバルクサブ磁石において温度が上昇する。このようにして、それぞれのバルクサブ磁石においてそれぞれのドリフトが開始されてもよく、したがって、磁場プロファイルに対するそれぞれのバルクサブ磁石の寄与が減少する。磁場プロファイルは繰り返しマッピングされ(107)、収束に関して(すなわち、本発明の方法が所望の均一な磁場プロファイルをもたらし、合理的な時間枠で、例えば3000分の時間枠で実行することができるようなドリフト特性であることが)評価される(108)。
磁場プロファイルが所望の(特に所望の均一性が考慮された)磁場プロファイルに向かって十分に速く収束しない場合、1つまたは複数のバルクサブ磁石において加熱力をわずかに増加させ、かつ/または冷却力をわずかに減少させることで(109)、特にこれらのバルクサブ磁石内のドリフトを増加させる。必要に応じて、ステップ109において加熱力を減少させるかまたは冷却力を増加させることにより、個々のバルクサブ磁石における最初の速すぎるドリフトを低減してもよい。磁場プロファイルのマッピングを継続し(107)、収束の評価を繰り返し(108)、且つ、必要に応じて、バルクサブ磁石内の温度分布を変更するさらなる変更ステップ(109)を含めることもできる。これらのステップのすべてにおいて、バルクサブ磁石の温度に関する知識は磁場プロファイル調整に必要ではないので、バルクサブ磁石の温度の測定は必要でないことに留意されたい。磁場プロファイルを定期的に測定し、磁場プロファイルの変化を観察し、特にバルクサブ磁石のドリフト特性を特定することで十分である。
磁場プロファイルが十分に速く収束する場合、それぞれのバルクサブ磁石における加熱力および/または冷却力のレベルが保たれる。磁場プロファイルは再び繰り返しマッピングされる(110)。次いで、磁場プロファイルの磁場品質が最終的な磁場品質(所望の磁場品質)に近いかどうかが評価される(111)。磁場プロファイルが最終的な磁場品質(「閉状態」)に近いかを識別するための典型的な基準には、好ましくは事後補正ステップの開始時の(特定の位置における)最終的な磁束密度からの(その位置における)磁束密度の元の偏差(OD)と比較して、限界値以下である(その位置における)最終的な磁束密度からの(その位置における)磁束密度の残りの偏差(RD)が用いうる。通常、限界値は、RD/ODの比の相対限界値RLMとして選択され、好ましくは、RLMには、RLM≦25%、より好ましくは5%≦RLM≦20%が選択される。その位置における最終的な磁束密度は、一般に、最後の加熱力の増加または冷却力の減少の後の(サンプルボリューム内のすべての位置の)磁場プロファイルにおける最小の磁場密度である基準値に対応することに留意されたい。
磁場プロファイルが最終的な磁場品質に近くない場合、現在のドリフトは、少しの待機時間の間、継続することが可能である(112)。磁場プロファイルのマッピングが継続し(110)、磁場プロファイルが最終的な磁場品質に近いかどうかの評価が繰り返される(111)。必要な場合、磁場プロファイルのマッピングが実行される(112)。
磁場プロファイルが最終的な磁場品質に近い場合、磁場プロファイルのドリフトを減速させるため、加熱力を減少し、かつ/または冷却力を増加する(113)。これは、異なるバルクサブ磁石に対して別々に行われてもよいことに留意されたい。このステップ113では、新しいドリフト特性が所望通りであるかどうかがチェックされてもよく、そうでない場合には、さらに、加熱力を減少し、かつ/または冷却力を増加する。磁場プロファイルのマッピングを継続し、所望の磁場プロファイルに達するまで待機する(114)。所望の磁場品質に達すると、加熱を停止し、かつ/または冷却力を最大まで増加する(115)と、その結果、もはや著しいドリフトは発生せず、手順は最終的に終了する(116)。バルクサブ磁石において正確な温度を測定することなく、方法全体が行われた。
1 超伝導充電装置
2 超伝導磁石システム
3 充電器磁石
3a 充電器ボア
4 クライオスタット
5 超伝導バルク磁石
6a,6b,6c バルクサブ磁石
7 超伝導ボア
7a 室温ボア
8a,8b 中間体
8c さらなる中間体
9 共通の冷却ステージ
10 サンプルボリューム
11 磁場センサデバイス
11a,11a’,11a’’ (磁場センサデバイスの)センサ
11b (センサの)配置
12 移動ステージ
12a 直線コネクタ
12b 傾斜コネクタ
13 極低温冷却システム
14 調整ユニット
15a,15b,15c 電気ヒータ要素
16a,16b,16c 熱スイッチ
17a,17b,17c 熱接続部
18 電子制御ユニット
19 第1のクライオクーラー
19a 第1のクライオクーラーコールドステージ
20 熱クライオクーラーインピーダンス
21 ポート
22 供給ライン
23 第2のクライオクーラー
23a 第2のクライオクーラーコールドステージ
24 別個の補助クライオスタット
25 補助供給ライン
26a,26b,26c 非可変熱インピーダンス
27 静止ステージ
28a,28b,28c 可変熱インピーダンス
50 事後補正ステップ
100 開始
101 初期磁場冷却
102 磁場プロファイルのマッピング
103 磁場プロファイルの評価
104 熱リセット
105 最適化磁場冷却
106 熱ドリフトシミングを開始
107 磁場プロファイルの継続マッピング
108 収束の評価
109 加熱力および/または冷却力の調整
110 磁場プロファイルの継続マッピング
111 磁場品質が最終磁場品質に近いかどうかの評価
112 待機時間
113 加熱力の減少および/または冷却力の増加
114 最終的な磁場品質が達成されるまで待機
115 加熱の停止および最大の冷却
116 終了
A (超伝導磁石システムの)中心軸

Claims (16)

  1. 超伝導磁石システム(2)の磁場プロファイルを均一化するための方法であって、
    前記超伝導磁石システム(2)は、
    室温ボア(7a)を有するクライオスタット(4)と、
    前記クライオスタット(4)内に収容され、前記室温ボア(7a)と同軸に配置された超伝導バルク磁石(5)と、
    前記超伝導バルク磁石(5)を冷却するように適合された極低温冷却システム(13)と
    を備え、
    前記超伝導バルク磁石(5)は、N≧3である少なくともN個の軸方向に積み重ねられたバルクサブ磁石(6a~6c)を備え、
    初期状態において、前記バルクサブ磁石(6a~6c)が、初期分配方式に従った相対的な割合を有するそれぞれの初期電流を搬送し、
    前記方法は、前記初期電流を、前記初期分配方式とは異なる最終分配方式に従って相対的な割合を有する最終電流に変更する事後補正ステップ(50)を含み、
    前記最終電流に基づく前記超伝導バルク磁石(5)の磁場プロファイルは、前記初期電流に基づく磁場プロファイルよりも均一であり、
    前記極低温冷却システム(13)は、各バルクサブ磁石(6a~6c)の温度を別々に制御するように適合され、
    前記初期電流を前記最終電流に変更するために、前記バルクサブ磁石(6a~6c)の少なくとも一部の温度は、互いに少なくとも一時的に異なるように選択され、その結果
    前記バルクサブ磁石(6a~6c)の第1の部分について、この第1の部分における前記バルクサブ磁石(6a~6c)は、少なくともほぼ磁気的に飽和、特に、少なくとも99%の相対磁気飽和となっており、
    前記バルクサブ磁石(6a~6c)の第2の部分について、この第2の部分における前記バルクサブ磁石(6a~6c)は、磁気飽和から大きく離れており、特に、多くとも95%の相対磁気飽和となっており、
    前記初期電流を前記最終電流に変更するために、前記バルクサブ磁石の前記温度を測定することなく、前記バルクサブ磁石における加熱力および/または冷却力を制御することによって前記バルクサブ磁石(6a~6c)の前記温度が選択され、前記バルクサブ磁石(6a~6c)の少なくとも前記一部について、前記加熱力が少なくとも一時的に互いに異なるように設定され、かつ/または前記冷却力が少なくとも一時的に互いに異なるように設定されること
    を特徴とする方法。
  2. 前記超伝導磁石システム(2)が、前記バルクサブ磁石(6a~6c)の前記温度を測定するための熱センサなしで設計されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記第1の部分において、前記バルクサブ磁石(6a~6c)における前記加熱力が、前記第2の部分と比較して少なくとも一時的に高く選択され、かつ/または前記第1の部分において、前記バルクサブ磁石(6a~6c)における前記冷却力が、前記第2の部分と比較して少なくとも一時的に低く選択されることを特徴とする請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記事後補正ステップ(50)中に、前記超伝導磁石システム(2)の中間磁場プロファイルが前記最終電流に基づく所望の磁場プロファイルが取得されるまで繰り返し測定され(107、110)、測定の間に、前記バルクサブ磁石(6a~6c)の少なくともいくつかの前記加熱力および/もしくは冷却力が変更され(109、113、115)、かつ/またはある時間待機される(114)ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 少なくとも1つの測定された中間磁場プロファイルから、磁場均一性を高めるべく、前記磁場プロファイルへの寄与を低減させる、以下では過充電バルクサブ磁石(6a~6c)と呼ばれる1つまたは複数のバルクサブ磁石(6a~6c)が識別されると(108)、前記過充電バルクサブ磁石(6a~6c)の前記寄与を低減するために、前記中間磁場プロファイルの前記測定後のしばらくの間(107)、1つまたは複数のそれぞれの過充電バルクサブ磁石(6a~6c)について、過充電バルクサブ磁石(6a~6c)ではないバルクサブ磁石(6a~6c)と比較して前記冷却力がより小さく選択され、かつ/または前記加熱力がより大きく選択される(109)ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
  6. 前記過充電バルクサブ磁石(6a~6c)の少なくとも一部に対して、それぞれの過充電バルクサブ磁石(6a~6c)について、過充電バルクサブ磁石(6a~6c)ではないバルクサブ磁石(6a~6c)と比較して前記冷却力がより小さく選択され、かつ/または前記加熱力がより大きく選択される量は、前記磁場プロファイルに対する前記それぞれのバルクサブ磁石(6a~6c)の前記寄与を低減する最終局面で経時的に低減され(113)、特に、前記量の減少は、中間磁場プロファイルの1つまたは複数のさらなる測定において識別される、前記磁場プロファイルに対する前記それぞれのバルクサブ磁石(6a~6c)の前記寄与が、残りどれくらい低減されるかに依存することを特徴とする請求項5に記載の方法。
  7. 前記バルクサブ磁石(6a~6c)の少なくともいくつかにおいて前記加熱力および/または前記冷却力を変更した(109)後の少なくとも1回の機会において、第1の時間期間が待機され、次いで少なくとも
    中間磁場プロファイルの第1の測定が行われ(107、110)、
    第2の時間期間が待機され、
    中間磁場プロファイルの第2の測定が行われ(107、110)、
    少なくとも前記第1および第2の測定から、前記中間磁場プロファイルの電流ドリフト特性が特定され、
    前記特定された電流ドリフト特性に基づいて、前記バルクサブ磁石(6a~6c)の少なくともいくつかにおける前記加熱力および/もしくは冷却力の次の変化、ならびに/または待機されるべき次の時間が決定される(108、111)
    ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 室温ボア(7a)を有するクライオスタット(4)と、
    前記クライオスタット(4)内に収容され、前記室温ボア(7a)と同軸に配置された超伝導バルク磁石(5)と、
    前記超伝導バルク磁石(5)を冷却するように適合された極低温冷却システム(13)と
    を備える、超伝導磁石システム(2)であって、
    前記超伝導バルク磁石(5)が、N≧3である少なくともN個の軸方向に積み重ねられたバルクサブ磁石(6a~6c)を備え、
    前記バルクサブ磁石(6a~6c)が、実質的にリング形状であり、前記室温ボア(7a)と同軸に配置され、
    各2つの軸方向に隣接するバルクサブ磁石(6a~6c)の間に、中間体(8a,8b)が配置され、
    前記中間体(8a,8b)が、実質的にリング形状であり、前記室温ボア(7a)と同軸に配置され、
    前記バルクサブ磁石(6a~6c)が、前記中間体(8a,8b)に支持され、
    前記中間体(8a,8b)が、前記バルクサブ磁石(6a~6c)の前記材料の特有の熱伝導率よりも小さい特有の熱伝導率を有する非金属断熱材料から作製され、
    前記極低温冷却システム(13)が、各バルクサブ磁石(6a~6c)の前記温度を別々に制御するように適合され、
    バルクサブ磁石(6a~6c)ごとに、前記それぞれのバルクサブ磁石(6a~6c)における加熱力および/または冷却力を調整するための調整ユニット(14)が存在し、
    前記超伝導磁石システム(2)が、前記バルクサブ磁石(6a~6c)の前記温度を測定するための熱センサなしに構成されること
    を特徴とする超伝導磁石システム(2)。
  9. バルクサブ磁石(6a~6c)ごとに、前記それぞれのバルクサブ磁石(6a~6c)に熱的に接続されたヒータ要素(15a~15c)が存在し、
    特に、前記ヒータ要素(15a~15c)が前記調整ユニット(14)によって制御され、前記調整ユニット(14)が前記ヒータ要素(15a~15c)の可変加熱力を前記それぞれのバルクサブ磁石(6a~6c)に設定するように構成され、
    特に、前記ヒータ要素(15a~15c)が電気ヒータ要素(15a~15c)であること
    を特徴とする請求項8に記載の超伝導磁石システム(2)。
  10. 前記極低温冷却システム(13)がすべてのバルクサブ磁石(6a~6c)のための共通の冷却ステージ(9)を備えること、
    および、バルクサブ磁石(6a~6c)ごとに、前記共通の冷却ステージ(9)から前記それぞれのバルクサブ磁石(6a~6c)への熱接続部(17a~17c)が存在し、
    特に、前記熱接続部(17a~17c)が前記調整ユニット(14)によって制御される熱スイッチ(16a~16c)を含むこと
    を特徴とする請求項8又は9に記載の超伝導磁石システム(2)。
  11. 前記熱接続部(17a~17c)は、前記調整ユニット(14)によって制御される可変熱インピーダンス(28a~28c)を含み、前記調整ユニット(14)は、前記それぞれのバルクサブ磁石(6a~6c)における可変冷却力を設定するように構成されることを特徴とする請求項10に記載の超伝導磁石システム(2)。
  12. 前記超伝導磁石システム(2)は、前記室温ボア(7a)のサンプルボリューム(10)内の磁場プロファイルを測定するための磁場センサデバイス(11)をさらに備えることを特徴とする請求項8乃至11のいずれか一項に記載の超伝導磁石システム(2)。
  13. 前記磁場センサデバイス(11)が、移動ステージ(12)上に配置された少なくとも1つのセンサ(11a,11a’,11a’’)を備え、それによって前記少なくとも1つのセンサ(11a,11a’,11a’’)は、前記サンプルボリューム(10)内の異なる位置における前記少なくとも1つのセンサ(11a,11a’,11a’’)の反復読み出しによって前記サンプルボリューム(10)内の前記磁場プロファイルを特定するために、前記サンプルボリューム(10)内で移動できることを特徴とする請求項12に記載の超伝導磁石システム(2)。
  14. 前記磁場センサデバイス(11)が、前記サンプルボリューム(10)内に分布するセンサ(11a,11a’,11a’’)配置(11b)を備え、所定の位置に固定された前記配置(11b)における前記センサ(11a,11a’,11a’’)の並列読み出しによって前記サンプルボリューム(10)内の前記磁場プロファイルを特定するため、上記配置(11b)に、少なくともN個、好ましくは少なくとも2*N個のセンサ(11a,11a’,11a’’)が含まれることを特徴とする請求項12に記載の超伝導磁石システム(2)。
  15. 前記超伝導磁石システムは(2)は、前記室温ボア(7a)内の磁場プロファイルを自動的に均一化するための電子制御ユニット(18)をさらに備え、前記電子制御ユニット(18)は、請求項4乃至7のいずれか一項に記載の方法に従って前記超伝導バルク磁石(6a~6c)の前記磁場プロファイルを自動的に均一化するように調整され、前記電子制御ユニット(18)が、前記磁場センサデバイス(11)で測定された測定中間磁場プロファイルを繰り返し受信し、前記中間測定値に基づいて、前記バルクサブ磁石(6a~6c)の温度データを受信または評価することなく、前記電子制御ユニット(18)が、前記バルクサブ磁石(6a~6c)における前記加熱力および/または冷却力を自動的に制御することを特徴とする請求項12乃至14のいずれか一項に記載の超伝導磁石システム(2)。
  16. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の方法における、請求項8乃至15のいずれか一項に記載の超伝導磁石システム(2)の使用方法。
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