JP2023071591A - 水剤分注装置および患者用容器に貼付するラベルおよびラベルを印刷するプリンタ - Google Patents

水剤分注装置および患者用容器に貼付するラベルおよびラベルを印刷するプリンタ Download PDF

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泰寛 重山
Yasuhiro Shigeyama
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正博 門坂
Masahiro Kadosaka
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Abstract

【課題】患者用容器に対する水剤分注作業の信頼性を高めた水剤分注装置および患者用容器に貼付するラベルおよびラベルを印刷するプリンタの提供。【解決手段】水剤を注入する患者用容器Bを配置する容器セット部と、水剤が充填された少なくとも一つの薬液容器を保持し、容器セット部に配置された患者用容器Bに対して薬液容器から水剤を払い出す払出部2と、を備え、患者用容器Bが、水剤の払い出しに関連する情報を記したラベルLが予め貼付されたものであり、容器セット部に配置された患者用容器BのラベルLに記載の情報のうち水剤の払い出しに必要な特定情報を読み取るラベルリーダ3と、ラベルリーダ3で読み取った特定情報に基づいて、払出部2を駆動する制御部Cを備えた水剤分注装置Sおよび患者用容器Bに貼付するラベルLおよびラベルLを印刷するプリンタP。【選択図】図1

Description

本発明は、容器セット部に配置した患者用容器に対して少なくとも一つの薬液容器から水剤を注入する水剤分注装置および患者用容器に貼付するラベルおよびラベルを印刷するプリンタに関する。
従来、このような水剤分注装置に関連する技術としては、例えば以下の特許文献1(明細書〔0034〕段落~〔0037〕段落、図2、図3等参照)に示すものがある。
特許文献1に係る水剤分注装置は、複数種類の薬液容器を装着しておくことができ、処方箋に基づく分注処理情報に従って患者用容器に所定量の水剤を自動充填するものである。
患者用容器は、水剤分注装置の正面のパネルを開閉して手動で行う方式である。パネルには、各種の分注処理コマンドを入力する入力ボタンや、分注作業の進行状況を表示する表示部が設けられている。また、パネルの下方には、分注処理が終了した患者用容器に貼付するラベルや各種記録紙を打ち出す用紙排出部が設けられている。
従来、このような患者用容器のセットや取り出しあるいは分注処理コマンドの入力作業は薬剤師によって行われる。分注が終了すると薬剤師は患者用容器を取り出し、患者用容器のサイズや注入された水剤の色や分量と、印刷されたラベルの内容を確認する。双方の内容に誤りがなければ薬剤師によって患者用容器にラベルが貼付され患者に手渡される。
このように、薬剤師が分注処理を担当していたのは、薬剤師法第19条の規定により、医師、歯科医師が自己の処方箋により自ら調剤するときを除き、薬剤師以外の者が販売又は授与の目的で調剤してはならないと規定されていたことが背景にある。
特開2018-161360号公報
ただし、薬剤師も人である以上、水剤の種類や分量の指示を見誤り、処方箋の記載とは異なる種類の水剤の分注や、異なる量の分注が行われる可能性があった。このような薬剤が患者に渡ると、分注された薬剤の品質等に影響がなくとも、結果として当該薬剤を服用する患者に不都合が生じる可能性があった。
また、薬剤師法第19条の規定により常に薬剤師が調剤行為を行う場合、薬剤師が行うべき重要な業務である対人業務が不十分になるという懸念が生じていた。
そのような状況下で平成31年4月2日に厚生労働省から薬生総発0402第1号が通知された。この通知は、厚生科学審議会医薬品医療機器制度部会などにおいて、薬剤師の行う対人業務を充実させるべきとの方針がまとめられたこと等に鑑み、薬剤師が調剤に最終的な責任を有することを前提として、薬剤師以外の者に調剤業務を補助させることを可能にするというものである。
この通知では、例えば、補助業務を行う者が判断を加える余地に乏しい機械的な作業であり、調剤機器を積極的に活用して水剤等を直接計量・混合する行為は可能とされている。ただし、調剤業務に関連する行為は多種におよび、当該通知に規定された作業に該当するか否かを判断することは困難である。
そこで現状にあっては、補助者であっても確実に業務が行えるよう、患者用容器に対する水剤分注作業の信頼性を高めた水剤分注装置が求められ、同時に、分注作業の確実性を高めるべく、当該分注装置に使用可能なラベルおよびプリンタが求められている。
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置の特徴構成は、
水剤を注入する患者用容器を配置する容器セット部と、
前記水剤が充填された少なくとも一つの薬液容器を保持し、前記容器セット部に配置された前記患者用容器に対して前記薬液容器から前記水剤を払い出す払出部と、を備え
前記患者用容器が、前記水剤の払い出しに関連するラベル情報を記したラベルが予め貼付されたものであり、
前記容器セット部に配置された前記患者用容器の前記ラベル情報のうち前記水剤の払い出しに必要な特定情報を読み取るラベルリーダと、
前記ラベルリーダで読み取った前記特定情報に基づいて、前記払出部を駆動する制御部を備えた点にある。
(効果)
本発明の水剤分注装置においては、水剤を注入する患者用容器として、水剤の払い出しに関連する情報を記したラベルが予め貼付されたものを用いる。ここで、ラベルに記された情報をラベル情報というが、ラベル情報には種々の情報が含まれる。例えば、注入する水剤の種類や分量に関する水剤情報や、患者用容器の容量など容器諸元に関する容器情報、患者への投薬内容に関する処方箋情報などがラベル情報となり得る。その中でも特に、分注する水剤の情報はラベル情報として重要であり、このような情報は特定情報と称する。特定情報はラベルリーダで読み取り可能であり、読み取られた特定情報に基づいて払出処理が行われる。
本構成であれば、容器セット部に載置された患者用容器の特定情報を読み取ったのちに患者用容器に水剤が注入されるため、特定情報と内部に注入された水剤とが必ず一致する。この結果、人為的な水剤の誤選択がなくなり、処方箋の記載とは異なる種類の水剤が分注されたのち患者にわたる不都合が解消される。つまり、薬生総発0402第1号における「調剤した薬剤の品質等には影響がないものの結果として調剤した薬剤を服用する患者に危害が及ぶ」等の事態が生じず、薬剤師に代わる補助者の分注作業が可能となる。
本構成の水剤分注装置であれば、薬剤師による患者用容器への水剤の注入や、その後のラベルの患者用容器への貼付作業が緩和され、薬剤師の作業負担が軽減される。さらに、水剤の注入作業の精度が高まり、効率的且つ確実な分注作業を行うことができる
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置において、前記ラベル情報には、前記患者用容器に注入する前記水剤に関する水剤情報のうち、前記水剤の種類および分量の少なくとも一つを含めることができる。
(効果)
分注する水剤の種類或いは分量は、水剤の払い出しに必要な情報であり、上記特定情報ともなる。これら水剤の種類或いは分量をラベルリーダが読み取ることで、水剤の払い出し処理が確実に行われることとなる。
また、水剤の種類或いは分量は、薬剤師が患者用容器を患者に手渡す際に確認すべき重要な事項である。薬剤師は、例えば、分注された水剤の色から大よその水剤の種類や、処方すべき分量を判断することができる。よって、これらの情報を記載することで、分注作業の正確度を判断し易くなる。
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置において、前記ラベル情報には、前記患者用容器に関する容器情報のうち、容量および表面に表示された目盛りであって服用時に用いる目盛りを示す指示表記の少なくとも一つを含めることができる。
(効果)
ラベルに表示されるラベル情報に患者用容器の容量を印字することで、補助者によるラベルを貼るべき容器の把握が容易となる。また、服用時に用いる目盛りを表記することで、補助者は、ラベルを重ねて貼付してはならない目盛りを瞬時に把握することができる。さらに、分注後には、分注作業が適切であったか否かを薬剤師が判断し易くなり、薬剤師の確認作業の負担を軽減することができる。
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置においては、前記容量および前記指示表記のうち少なくとも一つが、前記ラベルの最上位置に示されていると好都合である。
(効果)
これら容量や指示表記がラベルの最上位置に示されていると、ラベルを貼るべき患者用容器の把握が容易となる。また、分注後の水剤の確認作業がより迅速なものとなる。
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置においては、前記指示表記を、前記ラベルのうち左右の何れかの端部に記載しておくことができる。
(効果)
患者用容器に対するラベルの貼り付けは、使用する目盛りに重ならない位置に行う。つまり、使用する目盛りはラベルの位置に対して常に側方に位置する。よって目盛りに関する指示表記をラベルの左右の何れかの端部とすることで、用いる目盛りを確認し易くなる。
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置においては、前記容器セット部に配置された前記患者用容器を観察するセンサが設けられ、当該センサの観察結果と、前記ラベル情報から特定される前記患者用容器の諸元と、を前記制御部が比較することで、前記容器セット部に配置された前記患者用容器の適否が判定されるように構成することができる。
(効果)
本水剤分注装置を用いる場合、患者用容器に対するラベルの貼り付けは補助者が行う。このようにラベルの貼付作業と、その患者用容器を容器セット部に置く作業とを人が行う場合、不適切な患者用容器が容器セット部に配置される可能性がある。
そこで本構成では、容器セット部にある患者用容器をセンサで観察し、容器セット部にある患者用容器の寸法等を測定できるように構成してある。また、ラベル情報には使用予定の患者用容器の種類が記載されている。よって、センサによる観察結果とラベル情報で指定されている患者用容器の諸元と比較することで、センサが特定した患者用容器の適否を判定でき、分注作業の精度を高めることができる。
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置においては、前記センサが前記容器セット部に設けられ、前記容器情報のうち前記患者用容器の高さ寸法および幅寸法、重量のうち少なくとも一つを検出可能に構成しておくことができる。
(効果)
本構成では、センサを容器セット部に設け、容器セット部に置かれた患者用容器の高さ寸法および幅寸法、重量等を読み取り可能にしてある。これら項目は、例えば測定端子を患者用容器の外表面に当接させることや、容器セット部に設置した重量計を用いることで容易に測定可能である。また、患者用容器の種類が所定数に限定されている場合、これらの何れか一つの数値のみで、あるいは複数の数値を組み合わせることで患者用容器の特定が可能である。このように、本構成のセンサであれば安価に構成可能であり、使用する患者用容器の適否を簡単かつ確実に検出することができる。
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置においては、前記容器セット部に配置された前記患者用容器が、前記センサにより適切なものであると判定された場合に、前記制御部が前記払出部を駆動するように構成することができる。
(効果)
本構成であれば、容器セット部に配置された患者用容器が、センサにより適切なものであるとの判定が出た場合には、引き続き、患者用容器への水剤の分注が行われる。つまり、患者用容器が適切なものである場合、患者用容器を容器セット部に配置したのち患者用容器が適切なものであるかの表示等が省略されるから、患者用容器を配置する作業者は、患者用容器の配置作業を円滑に行うことができる。
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置においては、前記水剤の払い出しに関連する情報を記憶情報として持つ記憶部が備えられ、前記制御部が、前記特定情報および前記記憶情報に基づいて前記払出部を駆動するように構成することができる。
(効果)
本構成にあっては、ラベルに表示するラベル情報に限らず、水剤の払い出しに関連する情報を記憶情報として記憶部に記憶させておく。よって、記憶情報として、先に示した水剤情報、および、容器情報、処方箋情報に含まれるすべての情報が該当し得る。
ラベルに記載する情報の量は、ラベルの大きさや印字の大きさなどに基づいて制限される。よって、ラベルには、先ず特定情報がラベル情報として記載される。ただし、その他の情報であって、例えば処方箋に記載される詳細情報なども水剤の分注に必要なものがあるため、記憶情報として記憶部に記憶させることとした。これにより、より多くの情報に基づいて、正確な分注作業が行えるものとなる。
尚、記憶情報は、例えば、別途所定の用紙に印刷し、あるいは、水剤分注装置の表示画面等に表示することで、薬剤師が患者用容器の確認を行うのに有用な情報となる。
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置においては、前記特定情報が分注作業に係るID情報を含み、前記ラベルリーダが読み込んだ前記ID情報に基づいて前記記憶情報のうち必要な情報が特定され、前記水剤の払い出しが行われるように構成することができる。
(効果)
本構成でいうID情報は、前記水剤情報や、容器情報、処方箋情報に含まれる個々の情報そのものを意味するものではなく、これら水剤情報などで構成される記憶情報のうち、何れの情報を用いて水剤の払い出しを行うかを指定するための情報である。即ち、分注に必要な情報にアクセスするための通し番号やタグ等の情報である。例えば、記憶情報において、複数の水剤情報、容器情報、処方箋情報に含まれる各情報が表形式で記憶されている場合に、読み出すべき情報の格納位置を指示する。これにより、ラベルに表示するラベル情報が簡素化され、ラベルリーダによるラベルの読み取り処理が簡略化されるうえ読取精度が向上する。よって、より正確な分注作業を行うことができる。
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置においては、前記患者用容器に対する前記水剤の分注に先立ち、前記ラベルに前記ラベル情報を印刷するプリンタを備えていると好都合である。
(効果)
水剤の分注に先立ち、ラベルを印刷するプリンタを備えることで、ラベルの印刷とその後の分注作業とが纏まりのある一つの作業となり、所期の患者用容器に対するラベルの誤貼付や、ラベルを添付した後の患者用容器の紛失等を防止することができる。このように分注作業の正確度が向上することで、その後の薬剤師による患者用容器の確認が円滑なものとなる。
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置においては、前記患者用容器が、容器本体と当該容器本体に螺合させる蓋部材とを備えており、前記容器セット部の上方位置に、前記蓋部材を前記容器本体に取り付ける蓋部材取付機構を備えていると好都合である。
(効果)
容器セット部の上方位置に蓋部材取付機構を設けておけば、患者用容器への水剤分注後に続けて蓋部材の取付作業を行うことができる。これにより、人手による蓋部材の取付工数が削減されて分注作業が効率化されるうえに、患者用容器や蓋部材に作業者の手が触れないため衛生管理も確実なものとなる。
(特徴構成)
本発明に係る水剤分注装置においては、前記払出部が、前記薬液容器に接続されたチューブを備えており、前記チューブの先端に、前記水剤に作用する払い出しの圧力に応じて開閉する弁が設けられていると好都合である。
(効果)
本構成であれば、チューブの先端からの水剤の漏れ出しが、水剤の払い出し前の状態および払出後の何れの状態においても確実に防止することができる。また、チューブの内部に残留する水剤は弁によって外気と遮断されるから、水剤での雑菌繁殖が阻止されるうえ、水剤の固化によるチューブの詰まりが生じず、固化した水剤がチューブから落下することもない。よって、良好な払い出し機能を長期に亘って保持することができる。
(特徴構成)
本発明に係るラベルは、
水剤を注入する患者用容器を配置する容器セット部と、
水剤が充填された少なくとも一つの薬液容器を保持し、前記容器セット部に配置された前記患者用容器に対して前記薬液容器から前記水剤を払い出す払出部と、
前記容器セット部の前記患者用容器に表示された前記水剤の払い出しに必要な特定情報を読み取るラベルリーダと、
前記ラベルリーダが読み取った前記特定情報に基づいて前記払出部を駆動する制御部と、を備えた水剤分注装置の稼働に際し、
前記水剤の分注が行われる前の前記患者用容器に貼付可能であって、前記特定情報として、注入する前記水剤に関する水剤情報、および、前記患者用容器の容量など容器諸元に関する容器情報、患者への投薬内容に関する処方箋情報のうち少なくとも一つが記載されている点に特徴を有する。
(効果)
本構成のラベルには、水剤情報、および、容器情報、処方箋情報のうち少なくとも何れか一つを含む特定情報が示される。この特定情報が記されたラベルを、水剤の分注作業に先立って患者用容器に貼付することで、ラベルリーダが特定情報を読み、特定情報に基づく分注作業の自動化が容易となる。
また、特定情報が示されることで、分注作業後の薬剤師による確認が容易かつ確実となり、薬剤師の作業負担を大幅に軽減することができる。
(特徴構成)
本発明に係るプリンタは、
水剤を注入する患者用容器を配置する容器セット部と、
前記水剤が充填された少なくとも一つの薬液容器を保持し、前記容器セット部に配置された前記患者用容器に前記水剤を払い出す払出部と、
前記容器セット部に配置された前記患者用容器に表示された前記水剤の払い出しに必要な特定情報を読み取るラベルリーダと、
前記ラベルリーダが読み取った前記特定情報に基づいて前記払出部を駆動する制御部と、を備えた水剤分注装置に接続され、
前記容器セット部に配置される前の前記患者用容器に貼付するラベルに、前記特定情報を含む情報を印刷するように構成されている点に特徴を有する。
(効果)
本構成のプリンタを備えることで、分注作業に供する前の患者用容器に貼付するラベルに特定情報の一部を印刷することができる。このラベルは、分注作業前の患者用容器に貼り付けられ、容器セット部に配置された後、ラベルリーダによって特定情報が読み取られ分注作業が行われる。
このようなラベルを印刷するプリンタを水剤分注装置と共に用いることで、分注作業の時期と対応して患者用容器の準備を行うことができる。よって、患者用容器に対する分注作業の確実性を高めることができ、分注作業における薬剤師の負担を軽減することができる。
本実施形態における分注作業の流れを示す説明図 本実施形態に係る水剤分注装置の外観を示す正面図 本実施形態に係る水剤分注装置の要部構成を示す斜視図 本実施形態に係る蓋部材取付機構の外観を示す斜視図 本実施形態に係る蓋部材取付機構の下部外観を示す斜視図 本実施形態に係る蓋部材取付機構の主要部を示す断面図
〔実施形態〕
(概要)
本発明に係る水剤分注装置Sは、医師の処方箋に基づく水剤を患者用容器Bに分注する際に、分注に係る各種情報を印刷したラベルLを予め患者用容器Bに貼付しておき、容器セット部1に置かれた患者用容器BのラベルLに記載された情報を読み取ることで、患者用容器Bに所期の水剤を分注するものである。以下、当該水剤分注装置Sの実施形態につき図1乃至図6に基づいて説明する。尚、以下においては、水剤分注装置Sを分注装置Sと略称し、患者用容器Bを容器Bと略称する。
〔水剤分注装置の構成〕
図1には、分注装置Sに関する装置構成と、分注に用いられる各種情報の利用態様を示す。分注装置Sは、図1および図2に示すように、容器Bが置かれる容器セット部1を正面に備えており、薬剤師の補助者によって容器セット部1への容器Bのセットおよび取り出しが行われる。分注装置SにはプリンタPが付随して設けられ、容器Bに貼り付けるラベルLが印刷される。本装置では、容器Bへの水剤の分注に先立って印刷されたラベルLが容器Bに貼り付けられる。さらに、分注装置Sとは別に、パソコンなどの管理用データベースDが設けられている。管理用データベースDは、分注装置Sの設置位置に拘わらず任意の位置に設置可能である。
本実施形態の分注装置Sでは、容器Bへの水剤の分注が、ラベルLに印刷された情報に基づいて行われる。これにより、容器Bに対する分注処理の信頼度が高まるため、容器セット部1への容器Bの設置と取り出しは補助者が行うことができる。尚、分注を終えた後の容器Bは薬剤師が確認する。
〔ラベル〕
本実施形態の分注装置Sにあっては、分注作業の開始はラベルLの印刷から行われる。ラベルLには、分注作業に必要な情報の他、容器Bに記された目盛りB1aの何れを使用するかなどの情報が印刷される。尚、ラベルLに印刷された情報を全て合わせたものをラベル情報と称する。
ラベル情報は、分注作業後に薬剤師が容器Bを確認する際にも利用する。薬剤師は、例えば、分注された水剤の色から大凡の水剤の種類や処方すべき分量を判断することができるが、ラベル情報を確認することで分注作業の確実性を高めることができる。
ラベル情報となり得る情報は、図1に示すように、分注装置Sとは別の管理用データベースDに保有されており、通常は、これ等の情報は分注装置Sの記憶部C1にも記載されている。記憶部C1に記憶された情報の中から必要な情報が分注に際して制御部Cを介してプリンタPに送信される。管理用データベースDは、例えば、分注装置Sの近傍に備えられたパソコンであっても良いし、病院内で患者の処方箋を管理するシステムなどであってもよい。また、ラベル情報は管理用データベースDからプリンタPに直接送信されるものであっても良い。
ラベルLを印刷する専用のプリンタPを分注装置Sに備えておけば、水剤の分注に先立ち、ラベルLの印刷とその後の分注作業とが纏まりのある一つの作業となる。よって、所期の容器Bに対するラベルLの貼付ミスや、ラベルLを添付した後の容器Bの紛失等を防止することができる。このように分注作業の正確度が向上することで、その後の薬剤師による容器Bの確認が円滑なものとなる。
分注作業に必要な情報としては、例えば、処方箋情報、水剤情報、容器情報、ID情報がある。尚、これ等の情報の説明に先立ち、本実施形態に係る水剤分注装置Sの操作概要を説明する。
(1)水剤の分注に先立ち、処方箋に記載の情報のうち水剤の種類や分量など、分注に必要な情報を分注装置Sの記憶部C1に登録する。この登録作業は、分注装置Sに設けられた入力装置あるいは分注装置Sにオンライン等で接続された入力装置を用いて薬剤師や補助者が行う。
(2)記憶部C1に登録された情報に対し、分注装置Sにおいて、処方箋識別のための通し番号等の識別子が割り振られる。この識別子をID情報と称する。
(3)薬剤師あるいは補助者は、ID情報が付された夫々の登録情報に対して、分注に使用する容器Bの種類(容量)と服用時に使用する目盛りを登録する。
(4)薬剤師が、分注作業を行うID情報を選択する。
(5)選択されたID情報に対応する情報がラベル情報としてラベルLに印字される。印字は、分注装置Sに備えられたプリンタPあるいは分注装置Sにオンライン等で接続されたプリンタPにより行われる。
(6)補助者が、ラベルLに印字された容器Bの種類を確認し、当該容器BにラベルLを貼付する。その際には、容器Bに表示された該当目盛りB1aとの重なりを避ける。
(7)補助者が、ラベルLを貼付した容器Bを容器セット部1にセットする。
(8)分注装置Sは、容器Bがセットされたことを検知し容器Bの種類を認識する。例えば、容器Bのサイズを測定し、その結果とID情報に係る登録情報に記載された容器Bの種類とを比較する。
(9)セットされている容器Bが正しい場合、分注装置Sが読み込んだID情報について登録された水剤の種類、分量を特定して分注する。
(処方箋情報)
処方箋情報は、患者に投与する薬剤に関する情報である。例えば、患者の氏名、薬名、分量、用法、用量、使用期間等が含まれる。処方箋情報は、患者が治療や投薬を受ける度に更新される。
(水剤情報)
水剤情報は、処方箋に記載されている水剤に関する情報であり、例えば、水剤の種類、分注量等が含まれる。
(容器情報)
容器情報は、水剤を分注する容器Bを特定する情報である。具体的には、容器Bの容量、容器Bの表面に記された目盛りB1aの種類と目盛りB1aの表示位置、容器Bの高さ・幅・厚み等の容器寸法、容器Bの重量、取り付ける蓋のサイズなどが含まれる。
(ID情報)
ID情報は、例えば、ラベルLに印刷したQRコード(登録商標)等の2次元コードやバーコード、或いは数字などの情報である。記憶部C1において、例えば、処方箋情報、水剤情報、容器情報に含まれる各情報が表形式で記憶されている場合に、ID情報は、分注作業に際してこれらの情報のうち、何れの情報を用いて水剤の払い出しを行うかを指定する情報である。このようにID情報に基づいて必要な情報を参照する構成とすることで、ラベルLに表示するラベル情報が簡素化され、ラベルリーダ3による読み取り処理が簡略化されるうえ読取精度が向上する。よって、より正確な分注作業を行うことができる。
(記憶情報)
本実施形態の分注装置Sの場合、処方箋情報、水剤情報、容器情報、ID情報の四つの情報は、分注に先立って管理用データベースDから分注装置Sの記憶部C1に送信される。記憶部C1に記憶された情報を特に記憶情報と称する。
ラベルLに記載する情報の量は、ラベルLの大きさや印字の大きさなどに基づいて制限される。よって、ラベルLには、分注作業そのものに必要な情報が記憶されている領域にアクセスするID情報の他に、分注作業の確認に特に必要な情報がラベル情報として記載される。ただし、その他の情報であって、例えば処方箋に記載される詳細情報なども水剤の分注に必要なものがあるため、記憶情報として記憶部C1に記憶されている。これにより、より多くの情報に基づいて、正確な分注作業が行えるものとなる。
尚、記憶情報は、例えば、別途所定の用紙に印刷し、あるいは、分注装置Sの表示画面等に表示することで、薬剤師が容器Bの確認を行うのに有用な情報となる。
(ラベル情報)
ラベル情報は、上述の如くラベルLに印刷された情報をいう。本実施形態の分注装置SにはプリンタPが付属しており、分注に先立ってラベルLが印刷される。プリンタPへの印刷指示は分注装置Sの制御部Cが行う。尚、薬剤師や補助者等が、分注装置Sにオンライン等で接続された入力装置を用いて印刷指示を行うものであっても良い。ラベル情報としては、上記四つの情報のうち主に水剤情報とID情報が印刷される。このうちID情報が印刷されている場合には、分注装置SはID情報に基づいて記憶情報の中から所定の水剤情報を特定することができ分注作業を遂行できる。ただし、分注後に薬剤師が容器Bを確認するためには、水剤情報が印刷されている必要がある。その他に印刷する情報は任意に選択すればよい。当該選択は、後述の分注装置Sに設けたラベルリーダ3での読み取りの確実性や、分注後の薬剤師による検査の容易性などに鑑みて行えば良い。
尚、本実施形態におけるラベル情報としては、例えば、図1に示すように、患者名の他に、処方箋識別子を指定する例えば2次元コード等のID情報と、水剤情報のうちの水剤の分量と、容器情報であって予め容器Bに明記されている数種類の目盛りB1aのうち使用すべき目盛りB1aの指示、さらに、処方箋情報から服用方法が選択されている。尚、この他に、水剤情報のうち水剤の種類や、容器情報のうち容量等を表示することもできる。尚、ID情報以外の情報は、薬剤師や補助者が認識し易いように文字や数字で印字される。
薬剤師の確認作業をさらに容易かつ確実にするには、例えば、容器Bの容量をラベルLの最上位置に表記する容量が見易い位置に記載されることで、誤った容量の容器BへのラベルLの貼り付けを確実に防止することができる。患者に水剤を処方する際には水剤の分注量は重要な情報であるから、容器Bの容量を最も見易い最上位置に記載する。
また、目盛りB1aの指示表記は、ラベルLの最上位置であって、例えば、ラベルLの左右の端に記載しておく。最上位置は、容量の下の位置であっても良い。ラベルLのうちの上方に近い位置であればよい。
一方、左右の記載位置は、その容器Bで使用する目盛りB1aを指し示すことができる側である。容器Bの形状は例えば図1に示すとおりであり、複数種類の目盛りB1aが予め刻印してある。容器Bの側面の一部が平面であり、他が円筒状である場合、ラベルLは視認し易いように平面部に貼り付ける。その場合に、ラベルLを使用する目盛りB1aに沿わせるように位置決めする。よって、容器情報に基づいて、ラベルLの左右のうち使用する目盛りB1aに近い側の縁部に目盛の指示表記を行うのがよい。
〔容器セット部〕
図2および図3には分注装置Sの全体形状および容器セット部1の詳細を示す。容器セット部1には各種形状の容器Bをセット可能である。容器セット部1の上方には、水剤を容器Bに注入する払出部2が設けられている。払出部2は、容器Bに水剤を注入するための分注ノズル21を備えている。注入時の分注ノズル21の位置は一定であるため、容器セット部1には容器Bのサイズに応じて容器Bを持ち上げる昇降台11を備えている。
昇降台11の両側には、容器Bを付勢保持する一対のアーム12が設けてある。アーム12の下部がスライドレール13に係合しており、常時は、コイルスプリング等によって双方のアーム12を互いに引き付けている。容器Bをセットしていない状態では、双方のアーム12は最も接近した閉じ位置にある。
夫々のアーム12の手前側には傾斜側面12aが設けてあり、補助者は容器Bを夫々の傾斜側面12aに押し付ける。夫々のアーム12がコイルスプリングの付勢力に抗って開き動作し、補助者はさらに容器Bを押し込んで、傾斜側面12aの奥に設けた凹部12bに位置させる。これにより、容器Bの水平位置が固定される。位置固定された容器Bは、その後の分注作業に際し、上方に位置する払出部2に対して容器Bの口部の高さを合わせるべく持ち上げられる。
昇降台11には、容器Bの重量を測定する重量センサ14が設けてある。この重量センサ14は容器Bの種類を特定するセンサ4として機能する。この重量センサ14による測定値と容器情報に基づいて容器Bの重量を確認する。仮に、計測された重量と分注予定の容器重量とに所定値以上の差がある場合には、制御部Cはその後の分注作業を中断する。分注装置Sには、補助者に音や光で報知するアラームを備えておくのが好ましい。
(ラベルリーダ)
図2および図3において、昇降台11の右側の壁部にはラベルリーダ3が設けてある。ラベルLをラベルリーダ3に向けつつ容器Bをセットすることで、ラベルLに記載された情報のうち分注に必要な情報が読み取られる。ラベルリーダ3が読み取る情報は、ラベルLに記載されたラベル情報のうち水剤の分注に必要な水剤情報やID情報である。これらラベルリーダ3が読み取る情報を特に特定情報と称する。ラベルリーダ3としては、2次元コードやバーコードを読み取り可能なものや、印刷された文字を読み取る画像処理装置を備えたものなど各種のものを採用可能である。
ラベルリーダ3が読み取った特定情報に基づき、制御部Cは、記憶部C1の記憶情報を引き出し、後述の払出部2より所定の水剤を容器Bに分注する。このように、直前に読み取った特定情報に基づいて分注作業を行うことで、分注作業の信頼性が大幅に向上する。また、特定情報を読み取ったのち直ちに分注作業を行うことができ、分注作業の自動化が容易となる。
(容器の形状測定)
ラベルリーダ3の近傍には、容器Bの種別を認識するセンサ4の一つとして、例えば容器Bのサイズを測定する光照射型の計測器が設けられている。具体的には、ラベルリーダ3の下方に設けた一対の発光部41および受光部42と、容器Bを挟んで反対の壁部に設けた反射板43とが設けられている。発光部41から照射された光が容器Bによって遮られる状態を受光部42が観測することで容器Bのサイズを測定することができる。
これら発光部41および受光部42によっては、例えば、光の遮蔽状態から容器Bの高さ寸法や幅寸法を求めることができる。制御部Cはこの測定結果に基づき、容器Bの種類を特定する。特定に際しては、各種の実施態様が可能であり、例えば、センサ4によって測定した容器Bの具体的寸法を比較データとし、ラベル情報に記載されている容器Bの寸法として予め記憶情報等に登録されている寸法との差異が許容範囲内であれば適切な容器Bと判定することができる。
また、センサ4によって測定された容器Bの具体的寸法を比較データとし、予め記憶情報等に登録されている各種容器Bの寸法と比較して最も近い容器Bの種類を先ず選択し、この選択した容器Bとラベル情報に記載されている容器とを比較することもできる。
さらに、比較に用いるデータとして高さ寸法および幅寸法を用いるなど、複数の測定データを利用することで容器Bの特定精度を更に高めることができる。
その他に、この計測器は、受光部42による遮光状態の観測により、容器Bが容器セット部1に置かれたことを検知する機能も有する。この検知によりラベルリーダ3が起動される。
重量センサ14や発光部41および受光部42等のセンサ4が容器セット部1に置かれた容器Bの重量やサイズを測定することで、続けて行われる水剤の分注量との整合性を確認することができる。例えば、センサ4で測定された容器Bの形状と、ラベル情報に含まれる容器情報、または、記憶部C1に記憶されている容器情報が示す形状とが一致していれば、分注量と整合性が有ると判断する。一方、計測により容器Bのサイズが不適と判定された場合には、音や光等による警報が報知部6により発せられ、分注作業の誤りを事前に防止することができる。容器セット部1に配置された容器Bが適切なものであると判定された場合には、制御部Cが払出部2を駆動する。
容器情報がラベルLに印刷されることで容器Bに対するラベルLの貼り間違えが防止されるが、各種のセンサ4を設けることで、仮に、容器Bが不適切である場合には補助者に報知され、人為的ミスにより誤った調剤がされることがない。一方、容器Bが適切なものである場合には、その後の分注作業が速やかに行われ、容器Bの配置作業が円滑かつ確実なものとなる。
〔払出部〕
図2(a)に示すように、容器セット部1の直上位置に払出部2が設けられている。分注装置Sには、図2(b)に示すように、少なくとも一本の薬液容器BYがセットされており、この薬液容器BYから上昇位置にある容器Bの口の位置まで分注ノズル21が配設されている。この薬液容器BYの保持構造および分注ノズル21の構造は任意のもので良い。例えば、本実施形態では、分注装置Sの内部に複数保持した薬液容器BYのうち分注に係る一つを払出部2まで都度搬送し、薬液容器BYを傾ける形式のものを用いている。
図2(b)に示すように、分注ノズル21は、薬液容器BYに接続されたチューブ22を備えている。チューブ22の途中には、水剤を払い出すべくチューブ22を絞り操作するチューブポンプCPが組み込まれている。チューブポンプCPの駆動は制御部Cが行い、ラベル情報に記載された水剤の種類、あるいは、ラベル情報が示す記憶部C1に記憶されている水剤の種類に対応する薬液容器BYから、ラベル情報あるいは記憶部C1に記憶されている分量の水剤が分注される。
チューブ22の先端には弁23(株式会社ナオミ シリコンゴムシャット弁 製品番号:S0002)が取り付けられている。弁23は、例えば弾性体であるゴム材料等で構成されており、水剤に払い出しの圧力が作用した際に開き、圧力が無くなると弾性力で閉じることができる。具体的には、弁23は略円筒状の部材であり、先端部が二つの平面23aが交差する形状を備えている。この二つの平面23aの境界にはスリット23bが設けてあり、常時は、ゴムの弾性力で二つの平面23aどうしが当接して水剤の排出が阻止される。一方、払い出しの圧力が作用する状態では、液圧が弾性力に勝ることとなり、スリット23bが開いて水剤が払い出される。
本構成であれば、水剤を払い出した後の分注ノズル21からの液垂れが確実に防止できる。また、薬液容器BYの姿勢に拘わらず分注ノズル21の内部に残留する水剤は弁23によって外気と遮断されるから、水剤での雑菌繁殖が阻止されるうえ、水剤の固化による分注ノズル21の詰まりが生じない。薬液容器BYが倒立姿勢にあるとき固化した水剤が分注ノズル21から落下することもない。よって、良好な払い出し機能を長期に亘って保持することができる。
尚、分注する水剤によっては夫々の分注ノズル21の可動状況が変化する。よって、弁23が設けられている場合でも、数時間乃至は数日間に亘る所定期間のあいだ稼働しなかった分注ノズル21は、自動的に洗浄されるように構成しておくと好都合である。例えば、洗浄する分注ノズル21を六面の壁で囲まれた洗浄用の空間に移動させ、この空間に配置した洗浄水の吐出口から洗浄水や洗浄湯あるいは適宜の洗浄液を分注ノズル21の特に弁23に噴射する。その後は、当該空間に併設したエアーの噴射口から乾燥用のエアーを噴射し分注ノズル21を乾燥させる。これにより、夫々の分注ノズル21が清浄に維持され、良好な払い出し機能をより長期に亘って保持することができる。
その他、分注装置Sの内部に固定された薬液容器BYから払出部2まで分注ホースを延出させておくものや、薬液容器BYに接続されている分注ノズル21を容器Bの口に移動させたりするものなど種々の構成を採り得る。
尚、分注装置Sに一種類の水剤の薬液容器BYしか搭載されていない場合は、水剤の種類の選択を誤ることがないためラベル情報等には水剤の種類等が記載されていなくても良い。その場合には、分注量だけが記載されていればよい。
〔蓋部材取付機構〕
図2及び図4乃至図6に示すように、容器セット部1の上方位置であって、払出部2と干渉しない位置に蓋部材取付機構5が設けられている。当該機構は、分注が終了した容器Bに、例えば、螺旋溝を備えた蓋部材B2を螺合させるものである。尚、蓋部材B2の形状は、螺旋溝を備えたものの他に、単に容器Bに押し込み嵌合させるものなど各種の構造を採り得る。
蓋部材取付機構5は、第1モータM1によって回動軸X1の周りに揺動駆動される腕部51を備えている。腕部51の先端にはベース部52が設けられ、ベース部52には、蓋部材B2を一個ずつ保持できる一対のクランプ53が設けられている。払出部2が水剤を容器Bに分注している最中は、腕部51は側方の待機位置にある。このときに、補助者が手作業で蓋部材B2をクランプ53に装着する。その後、手動で腕部51を容器Bの上方位置まで旋回させる。尚、図示は省略しているが、腕部51の旋回を第1モータM1で行っても良い。
クランプ53は、第1部材53aと第2部材53bとで構成され、これらがヒンジ部54により開閉可能である。ヒンジ部54には巻きばねなどで構成される付勢部材55が設けられており、第1部材53aと第2部材53bとが閉じる方向に常時付勢されている。蓋部材B2は、第1部材53aと第2部材53bの下面から上方に向けて差し込むように装着する。
第1部材53aと第2部材53bが閉じた状態では下方に開口した凹状の保持空間53eが形成される。補助者は、下方から当該保持空間53eに向けて蓋部材B2を持ち上げるように嵌め込む。第1部材53aと第2部材53bの下方側の開口縁部には面取りした傾斜面53cが設けてある。蓋部材B2の上縁部がこの傾斜面53cに当接することで、第1部材53aと第2部材53bとが付勢力に抗って開口する。
保持空間53eのサイズは、装着する蓋部材B2に合わせて以下の様に構成しておくと好都合である。つまり、第1部材53aおよび第2部材53bの開口部には、僅かに内側に張り出したフランジ部53dを設けておく。当該フランジ部53dの上方にあっては、第1部材53aと第2部材53bを閉じた状態で、保持空間53eの内径は蓋部材B2の外径と略同じか僅かに広く形成しておく。本構成によれば、蓋部材B2が保持空間53eに確実に保持され、フランジ部53dによって落下が防止される。また、蓋部材B2は、保持空間53eの内部で抵抗なく回転することができる。
保持空間53eの天井には、蓋部材B2の上面に当接可能な回転板57が設けてある。回転板57は、腕部51の先端に設けられた第2プーリG2と同軸心状に設けられる。一方、回動軸X1と同軸心状に第1プーリG1が設けられ、第1プーリG1と第2プーリG2に環状のベルト58が巻き回されると共に、第1プーリG1が第2モータM2によって駆動される。
回転板57は例えばゴム等で構成しておき、蓋部材B2の上面を押し付けつつ回転することで蓋部材B2を回すことができる。当該回転の際には、容器セット部1を徐々に上昇させ、容器Bの口を介して蓋部材B2を回転板57に押し付ける。制御部Cは、容器セット部1の上昇に伴って第2モータM2を駆動し回転板57を回転させる。容器Bの上昇に伴って蓋部材B2が容器Bの口部に螺合し、螺合が終了すると回転板57は蓋部材B2に対して相対回転を始める。このとき回転板57の回転抵抗が高まるため、これを第2モータM2の駆動回路が検出し、第2モータM2の回転が停止される。因みに、容器Bは、容器セット部1のアーム12に把持されているために回転しない。
蓋部材B2の螺合が完了すると、腕部51が第1モータM1の駆動により待機位置に旋回する。このとき、図5に示すように、一対のクランプ53は旋回軸X2を中心に回動し、同時にクランプ53の一方が付勢部の付勢力に抗ってヒンジ部54を中心に開き動作する。これにより、容器Bを容器セット部1に残した状態で腕部51が待機位置に復帰する。その後、容器セット部1が下降し、アーム12が開き動作するから補助者は容器Bを取り出すことができる。
このような蓋部材取付機構5を設けることで、容器Bへの水剤分注作業に続けて蓋部材B2の取付作業を行うことができ、人手による蓋部材B2の取付工数が削減されて分注作業が効率化される。また、容器Bや蓋部材B2に補助者の手が触れないため衛生管理が確実なものとなる。さらに、蓋部材B2の締め付け力が一定となるため、蓋部材B2の締め込み不足による水剤の漏れや、逆に締め込み過ぎにより患者が蓋部材B2を開け難くなるといった不都合が防止される。
尚、蓋部材B2は、補助者が一つずつクランプ53にセットする構成の他に、例えば、腕部51の待機位置に蓋部材B2の自動装てん機構を設けておいても良い。また、第1モータM1と第2モータM2を一つのモータに集約するべく、回動軸X1と第1プーリG1との間にクラッチ機構などを設けておき、腕部51の揺動と回転板57の回転とを連携させる構成としても良い。
〔その他の実施形態〕
本発明の水剤分注装置Sに用いる患者用容器Bは各種のものが利用可能である。例えば、患者用容器Bの材質によってはラベル情報を患者用容器Bに直接印刷できる場合もある。そのような場合には、ラベルリーダ3が患者用容器Bの印刷内容を読み取る。よって、本発明の水剤分注装置Sにおいては、通常、ラベル情報を記したラベルLが予め患者用容器Bに貼付されているのであるが、仮にラベル情報が患者用容器Bに直接印刷されている実施形態も本発明の技術的範囲に属すると考える。
本発明に係る水剤分注装置は、薬液容器の水剤を患者用容器に分注する装置に広く適用することができる。
1 容器セット部
2 払出部
22 チューブ
23 弁
3 ラベルリーダ
4 センサ
5 蓋部材取付機構
B 患者用容器
B1 容器本体
B1a 目盛り
B2 蓋部材
BY 薬液容器
C 制御部
C1 記憶部
L ラベル
P プリンタ
S 水剤分注装置

Claims (15)

  1. 水剤を注入する患者用容器を配置する容器セット部と、
    前記水剤が充填された少なくとも一つの薬液容器を保持し、前記容器セット部に配置された前記患者用容器に対して前記薬液容器から前記水剤を払い出す払出部と、を備え
    前記患者用容器が、前記水剤の払い出しに関連するラベル情報を記したラベルが予め貼付されたものであり、
    前記容器セット部に配置された前記患者用容器の前記ラベル情報のうち前記水剤の払い出しに必要な特定情報を読み取るラベルリーダと、
    前記ラベルリーダで読み取った前記特定情報に基づいて、前記払出部を駆動する制御部を備えた水剤分注装置。
  2. 前記ラベル情報には、前記患者用容器に注入する前記水剤に関する水剤情報のうち、前記水剤の種類および分量の少なくとも一つが含まれる請求項1に記載の水剤分注装置。
  3. 前記ラベル情報には、前記患者用容器に関する容器情報のうち、容量および表面に表示された目盛りであって服用時に用いる目盛りを示す指示表記の少なくとも一つを含む請求項1または2に記載の水剤分注装置。
  4. 前記容量および前記指示表記のうち少なくとも一つが、前記ラベルの最上位置に示されている請求項3に記載の水剤分注装置。
  5. 前記指示表記が、前記ラベルのうち左右の何れかの端部に記載されている請求項3または4に記載の水剤分注装置。
  6. 前記容器セット部に配置された前記患者用容器を観察するセンサが設けられ、当該センサの観察結果と、前記ラベル情報から特定される前記患者用容器の諸元と、を前記制御部が比較することで、前記容器セット部に配置された前記患者用容器の適否が判定される請求項3から5の何れか一項に記載の水剤分注装置。
  7. 前記センサが前記容器セット部に設けられ、前記容器情報のうち前記患者用容器の高さ寸法および幅寸法、重量のうち少なくとも一つを検出可能に構成してある請求項6に記載の水剤分注装置。
  8. 前記容器セット部に配置された前記患者用容器が、前記センサにより適切なものであると判定された場合に、前記制御部は前記払出部を駆動する請求項6または7に記載の水剤分注装置。
  9. 前記水剤の払い出しに関連する情報を記憶情報として持つ記憶部が備えられ、前記制御部が、前記特定情報および前記記憶情報に基づいて前記払出部を駆動する請求項1から8の何れか一項に記載の水剤分注装置。
  10. 前記特定情報が分注作業に係るID情報を含み、前記ラベルリーダが読み込んだ前記ID情報に基づいて前記記憶情報のうち必要な情報が特定され、前記水剤の払い出しが行われる請求項9に記載の水剤分注装置。
  11. 前記患者用容器に対する前記水剤の分注に先立ち、前記ラベルに前記ラベル情報を印刷するプリンタを備えている請求項1から10の何れか一項に記載の水剤分注装置。
  12. 前記患者用容器が、容器本体と当該容器本体に螺合させる蓋部材とを備えており、前記容器セット部の上方位置に、前記蓋部材を前記容器本体に取り付ける蓋部材取付機構を備えている請求項1から11の何れか一項に記載の水剤分注装置。
  13. 前記払出部が、前記薬液容器に接続されたチューブを備えており、前記チューブの先端に、前記水剤に作用する払い出しの圧力に応じて開閉する弁が設けられている請求項1から12の何れか一項に記載の水剤分注装置。
  14. 水剤を注入する患者用容器を配置する容器セット部と、
    前記水剤が充填された少なくとも一つの薬液容器を保持し、前記容器セット部に配置された前記患者用容器に対して前記薬液容器から前記水剤を払い出す払出部と、
    前記容器セット部の前記患者用容器に表示された前記水剤の払い出しに必要な特定情報を読み取るラベルリーダと、
    前記ラベルリーダが読み取った前記特定情報に基づいて前記払出部を駆動する制御部と、を備えた水剤分注装置の稼働に際し、
    前記水剤の分注が行われる前の前記患者用容器に貼付可能であって、前記特定情報として、注入する前記水剤に関する水剤情報、および、前記患者用容器の容量など容器諸元に関する容器情報、患者への投薬内容に関する処方箋情報のうち少なくとも一つが記載されたラベル。
  15. 水剤を注入する患者用容器を配置する容器セット部と、
    前記水剤が充填された少なくとも一つの薬液容器を保持し、前記容器セット部に配置された前記患者用容器に前記水剤を払い出す払出部と、
    前記容器セット部に配置された前記患者用容器に表示された前記水剤の払い出しに必要な特定情報を読み取るラベルリーダと、
    前記ラベルリーダが読み取った前記特定情報に基づいて前記払出部を駆動する制御部と、を備えた水剤分注装置に接続され、
    前記容器セット部に配置される前の前記患者用容器に貼付するラベルに、前記特定情報を含む情報を印刷するように構成されているプリンタ。
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