JP2023069904A - モータ駆動制御装置、ファンユニット、およびモータ駆動制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】モータの駆動が停止した状態あるいは駆動開始直後に、モータの異常な状態を検出できるようにする。【解決手段】モータ駆動制御装置1は、モータ駆動回路10と駆動制御回路20を備える。モータ駆動回路10は、ホール信号Vhp,Vhnに基づいてコイル6の通電方向を決定し、駆動制御回路20から入力された駆動指令信号Scaに応じたデューティ比を有する第1駆動制御信号Sdaとホール信号Vhp,Vhnに同期した第2駆動制御信号Sdbを出力する制御回路11と、インバータ回路12と、信号遮断回路13とを有する。駆動制御回路20は、信号遮断回路13を制御してインバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を遮断し、且つ駆動指令信号Scaを出力した第1判定期間におけるコイル6の中点の電圧に応じた巻線中点検出電圧Vsに基づいてモータ3が第1の異常な状態であるか否かを判定する。【選択図】図1
Description
本発明は、モータ駆動制御装置、ファンユニット、およびモータ駆動制御方法に関する。
近年、モータ駆動制御装置の機能として、モータの駆動状態を監視する機能が求められている。例えば、特許文献1には、モータのコイル(巻線)の中間地点(以下、「中点」とも表記する)の電圧(以下、「巻線中点電圧」とも表記する)を監視することにより、モータの駆動中にコイルがオープン状態(断線状態)であるか否かを判定するモータ駆動制御装置が開示されている。
ところで、モータ駆動制御装置には、市販されているモータ駆動制御用の汎用ICが用いられることが多い。本願発明者は、モータの駆動状態を判定する機能を有するモータ駆動制御装置を実現するために、特許文献1に示すモータ駆動制御装置と同様に、コイルを駆動するためのモータ駆動回路として汎用ICを採用することを検討した。その検討の結果、以下に示す課題があることが明らかとなった。
一般に、ブラシレスモータ等の駆動を制御するための汎用ICは、モータの目標回転速度を指定する速度指令信号が外部から入力されると、その速度指令信号で指定された目標回転速度でモータを回転させるように、ホール素子等の位置検出器からの位置検出信号に基づいてモータを駆動する。
モータの駆動を開始する前、すなわちモータの駆動が停止した状態で、インバータ回路のハイサイドのスイッチ素子がオフ状態となり、且つインバータ回路のローサイドの少なくとも一つのスイッチ素子がオン状態となるモータ駆動回路では、コイルの一方の端子がグラウンド電位(0V)に固定される。その結果、モータの状態に関わらず、巻線中点電圧が0Vに固定されてしまうため、巻線中点電圧を利用して、モータの異常な状態を検出することができないという問題が生じる。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、モータの駆動が停止した状態あるいは駆動開始直後に、モータの異常な状態を検出できるようにすることにある。
本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置は、電源電圧に基づいてモータのコイルに通電する制御を行うモータ駆動回路と、前記コイルの中点の電圧に応じた検出電圧を生成して出力する検出電圧出力回路と、前記モータ駆動回路の動作を制御するとともに、前記検出電圧に基づいて前記モータの状態を監視する駆動制御回路と、を備え、前記モータ駆動回路は、位置検出信号に基づいて前記コイルの通電方向を決定し、前記駆動制御回路から入力された駆動指令信号に応じたデューティ比を有する第1駆動制御信号と前記位置検出信号に同期した第2駆動制御信号を出力する制御回路と、前記第1駆動制御信号に基づいて前記コイルを駆動するハイサイドのスイッチ素子と、前記第2駆動制御信号に基づいて前記コイルを駆動するローサイドのスイッチ素子とを含むインバータ回路と、前記駆動制御回路からの制御に応じて、前記制御回路から前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力と遮断を切り替える信号遮断回路とを有し、前記駆動制御回路は、前記信号遮断回路を制御して前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力を遮断し、且つ前記駆動指令信号を出力した第1判定期間における前記検出電圧に基づいて、前記モータが第1の異常な状態であるか否かを判定することを特徴とする。
本発明に係るモータ駆動制御装置によれば、モータの駆動が停止した状態あるいは駆動開始直後に、モータの異常な状態を検出することが可能となる。
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。なお、以下の説明では、一例として、発明の構成要素に対応する図面上の参照符号を、括弧を付して記載している。
〔1〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御装置(1,1A,1B)は、電源電圧(Vdc)に基づいてモータ(3)のコイル(6,6_1,6_2)に通電する制御を行うモータ駆動回路(10,10_1,10_2)と、前記コイルの中点の電圧(Vm)に応じた検出電圧(Vs)を生成して出力する検出電圧出力回路(24)と、前記モータ駆動回路の動作を制御するとともに、前記検出電圧に基づいて前記モータの状態を監視する駆動制御回路(20,20A,20B)と、を備え、前記モータ駆動回路は、位置検出信号に基づいて前記コイルの通電方向を決定し、前記駆動制御回路から入力された駆動指令信号(Sca)に応じたデューティ比を有する第1駆動制御信号(Sda,Sda_1,Sda_2)と前記位置検出信号に同期した第2駆動制御信号(Sdb,Sdb_1,Sdb_2)を出力する制御回路(11,11_1,11_2)と、前記第1駆動制御信号に基づいて前記コイルを駆動するハイサイドのスイッチ素子(Q1,Q2)と、前記第2駆動制御信号に基づいて前記コイルを駆動するローサイドのスイッチ素子(Q3,Q4)とを含むインバータ回路(12,12_1,12_2)と、前記駆動制御回路からの制御に応じて、前記制御回路から前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力と遮断を切り替える信号遮断回路(13,13_1,13_2)とを有し、前記駆動制御回路は、前記信号遮断回路を制御して前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力を遮断し、且つ前記駆動指令信号を出力した第1判定期間における前記検出電圧に基づいて、前記モータが第1の異常な状態であるか否かを判定することを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記駆動制御回路は、前記第1判定期間における前記検出電圧が第1閾値(Vth_max)より高い場合に、前記第1の異常な状態として、前記モータに定格電圧範囲より高い電圧が印加されている高電圧異常状態であると判定してもよい。
〔3〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記駆動制御回路は、前記第1判定期間における前記検出電圧が第2閾値(Vth_min)より低い場合に、前記第1の異常な状態として、前記モータに定格電圧範囲より低い電圧が印加されている低電圧異常状態であると判定してもよい。
〔4〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記駆動制御回路は、前記第1判定期間における前記検出電圧がグラウンド電位に相当する電圧(0V)である場合に、前記第1の異常な状態として、前記モータを正常に駆動できない第1の故障状態であると判定してもよい。
〔5〕上記〔1〕乃至〔4〕の何れかに記載のモータ駆動制御装置において、前記駆動制御回路は、前記信号遮断回路を制御して前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力を可能にし、且つ前記駆動指令信号を出力した第2判定期間における前記検出電圧と、前記第1判定期間における前記検出電圧とに基づいて、前記モータが第2の異常な状態であるか否かを判定してもよい。
〔6〕上記〔5〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記駆動制御回路は、前記第1判定期間における前記検出電圧と前記第2判定期間における前記検出電圧とが略一致する場合に、前記第2の異常な状態であると判定してもよい。
〔7〕上記〔5〕または〔6〕の何れかに記載のモータ駆動制御装置において、前記駆動制御回路は、前記駆動指令信号により前記コイルを駆動してから所定時間が経過したあとの測定期間における前記検出電圧の最大値(Vmax1,Vmax2)に基づいて、前記モータが前記第1の異常な状態または前記第2の異常な状態であるか否かを判定してもよい。
〔8〕上記〔5〕乃至〔7〕の何れかに記載のモータ駆動制御装置(1A)において、前記駆動制御回路(20A)は、前記モータの実回転速度に応じて前記検出電圧の値を補正し、補正後の前記検出電圧の値に基づいて、前記モータが前記第1の異常な状態または前記第2の異常な状態であるか否かを判定してもよい。
〔9〕上記〔1〕に記載のモータ駆動制御装置(1B)において、前記モータは、前記コイルとして第1系統のコイル(6_1)および第2系統のコイル(6_2)を有し、前記検出電圧出力回路は、前記第1系統のコイルの中点の電圧(Vm_1)に応じた第1検出電圧(Vs_1)を生成して出力する第1検出電圧出力回路(24_1)と、前記第2系統のコイルの中点の電圧(Vm_2)に応じた第2検出電圧(Vs_2)を生成して出力する第2検出電圧出力回路(24_2)とを含み、前記モータ駆動回路は、前記電源電圧に基づいて前記第1系統のコイルに通電する制御を行う第1モータ駆動回路(10_1)と、前記電源電圧に基づいて前記第2系統のコイルに通電する制御を行う第2モータ駆動回路(10_2)とを含み、前記第1モータ駆動回路および前記第2モータ駆動回路は、前記制御回路(11_1,11_2)と、前記インバータ回路(12_1,12_2)と、前記信号遮断回路(13_1,13_2)とを夫々有し、前記駆動制御回路(20B)は、前記第1モータ駆動回路および前記第2モータ駆動回路のそれぞれに対して、前記信号遮断回路を制御して前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力を遮断し、且つ前記駆動指令信号を出力した前記第1判定期間における前記第1検出電圧および前記第2検出電圧に基づいて、前記モータが前記第1の異常な状態であるか否かを判定してもよい。
〔10〕上記〔9〕に記載のモータ駆動制御装置において、前記駆動制御回路は、前記第1モータ駆動回路および前記第2モータ駆動回路のそれぞれに対して、前記信号遮断回路を制御して前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力を可能にし、且つ前記駆動指令信号を出力した第2判定期間における前記第1検出電圧および前記第2検出電圧と、前記第1判定期間における前記第1検出電圧および前記第2検出電圧とに基づいて、前記モータが第2の異常な状態であるか否かを判定してもよい。
〔11〕本発明の代表的な実施の形態に係るファンユニット(101,101A,101B)は、上記〔1〕乃至〔10〕の何れかに記載のモータ駆動制御装置(1,1A,1B)と、前記モータと、前記モータの回転力によって回転するインペラ(4)と、を備えることを特徴とする。
〔12〕本発明の代表的な実施の形態に係るモータ駆動制御方法は、電源電圧に基づいてモータのコイルに通電する制御を行うモータ駆動回路と、前記モータ駆動回路の動作を制御するとともに前記モータの状態を監視する駆動制御回路とを備えるモータ駆動制御装置によるモータ駆動制御方法であって、前記モータ駆動回路は、位置検出信号に基づいて前記コイルの通電方向を決定し、前記駆動制御回路から入力された駆動指令信号に応じたデューティ比を有する第1駆動制御信号を出力し、前記位置検出信号に同期した第2駆動制御信号を出力する制御回路と、前記第1駆動制御信号に基づいて前記コイルを駆動するハイサイドのスイッチ素子と前記第2駆動制御信号に基づいて前記コイルを駆動するローサイドのスイッチ素子とを含むインバータ回路とを含み、前記駆動制御回路が前記モータの状態を監視するステップとして、前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力を遮断し、且つ前記駆動指令信号を出力した第1判定期間において、前記コイルの中点の電圧に応じた検出電圧を検出する第1ステップ(S6,S6B)と、前記第1ステップにおいて検出した前記検出電圧に基づいて、前記モータが第1の異常な状態であるか否かを判定する第2ステップ(S7~S13,S7B~S13B,S23B,S24B)と、を含むことを特徴とする。
2.実施の形態の具体例
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
以下、本発明の実施の形態の具体例について図を参照して説明する。なお、以下の説明において、各実施の形態において共通する構成要素には同一の参照符号を付し、繰り返しの説明を省略する。
≪実施の形態1≫
図1は、実施の形態1に係るモータ駆動制御システムの構成を示す図である。
図1は、実施の形態1に係るモータ駆動制御システムの構成を示す図である。
図1に示されるモータ駆動制御システム100は、駆動対象の負荷としてのモータ3と、モータ3を駆動するモータ駆動制御装置1と、モータ駆動制御装置1を制御する上位装置2とを備えている。
モータ駆動制御システム100は、例えば、電気機器システムに用いられ、複数のファンの動作を1つの制御装置によって制御して、複数の冷却対象のそれぞれに対して送風するファンシステムを構成している。本実施の形態に係るモータ駆動制御システム100は、例えば、サーバ内の閉ざされた空間に配置されて、当該サーバを構成する各種の電子部品等を冷却する冷却システムを構成している。
例えば、モータ3の出力軸(図示せず)には、インペラ(羽根車)4が接続されており、モータ3とインペラ4とは、モータ3の回転力によってインペラ4を回転させて風を発生させる一つのファン(ファンモータ)5を構成している。
ファン5とモータ駆動制御装置1とは、一つのファンユニット101を構成している。なお、図1には、一例として、一つのファンユニット101のみが図示されているが、モータ駆動制御システム100が備えるファンユニット101の個数は特に制限されない。
上位装置2(ホストデバイス)は、例えば、ファン5を搭載したサーバ内のCPU等のプログラム処理装置である。上位装置2は、モータ駆動制御装置1に速度指令信号Scを出力することにより、モータ駆動制御装置1を介してモータ3の回転を制御するとともに、モータ駆動制御装置1からモータ3(ファン5)の駆動状態に関するモータ駆動情報信号Soを取得してモータ3(ファン5)の動作を監視する。
速度指令信号Scは、モータ3の駆動に関する指令を含む信号である。速度指令信号Scは、例えば、モータ3の目標回転速度(目標回転数)を指示する指令を含む。例えば、速度指令信号Scは、モータ3の目標回転速度に対応したデューティ比のPWM(パルス幅変調)信号である。なお、速度指令信号Scは、目標回転速度に対応する周波数を有するPFM信号やモータのトルクの目標値を示すトルク指令信号等、他の形式の信号であってもよい。
モータ3は、例えば、ブラシレスDCモータである。例えば、モータ3は、ティース(図示せず)に巻回された1系統のコイル(巻線)6を備えた単相のブラシレスモータである。コイル6の周辺には、位置検出器7が設けられている。
位置検出器7は、モータ3のロータの位置に応じて位置検出信号を出力する装置である。位置検出器7は、例えば、ロータの磁石の磁束に応じた信号を出力するホール素子を含んで構成されている。ホール素子は、位置検出信号として、位相が互いに異なる2つの信号を出力する。例えば、正の極性を有するホール信号Vhpと負の極性を有するホール信号Vhnをそれぞれ出力する。
位置検出器7は、コイル6に対応する位置に配置され、後述するモータ駆動回路10の制御回路11にホール信号(位置検出信号)Vhp,Vhnを出力する。
モータ駆動制御装置1は、モータ3の回転を制御するための装置である。モータ駆動制御装置1は、モータ3を構成する単相のコイル6にインバータ回路12を経由して周期的に駆動電流を流すことで、モータ3を回転させる。
モータ駆動制御装置1には、外部から直流の電源電圧Vdcが供給され、電源電圧Vdcによってモータ駆動制御装置1内の回路が動作可能に構成されている。
モータ駆動制御装置1は、上位装置2から出力された速度指令信号Scにしたがってモータ3を駆動する。また、モータ駆動制御装置1は、上位装置2に対して、モータ3の状態に関する情報を出力する。例えば、モータ駆動制御装置1は、モータ3の実回転速度(実回転数)に応じた信号やモータ3の異常な状態を示す信号をモータ駆動情報信号Soとして上位装置2に出力する。これにより、上位装置2は、モータ3の回転状態やモータ3の異常の有無等を知ることができる。
モータ駆動制御装置1は、例えば、モータ3のコイル6を駆動するモータ駆動回路10と、モータ駆動回路10の動作を制御する駆動制御回路20と、電源回路23と、検出電圧出力回路24と、報知回路25とを備えている。なお、モータ駆動制御装置1は、上述した回路に加えて、例えば、突入電流の抑制や電源の逆接続による回路の故障を防止するための保護回路等を備えていてもよい。
モータ駆動制御装置1の電源端子Pvには、モータ3およびモータ駆動制御装置1を駆動するための主電源としての電源電圧Vdc(直流電圧)が供給される。電源電圧Vdcは、電源端子Pvから電源ラインLpに供給される。電源ラインLpは、モータ駆動回路10を介してモータ3を駆動するための電力を供給する電力供給経路である。
電源回路23は、モータ駆動制御装置1内の一部の回路に供給する電源電圧を生成する回路である。電源回路23は、例えば、シリーズレギュレータやスイッチングレギュレータ等によって実現されている。電源回路23は、例えば、電源端子Pvに供給された電源電圧Vdcを降圧して直流電圧を生成し、駆動制御回路20に供給する。
検出電圧出力回路24は、モータ3の異常な状態を検出するために用いる検出電圧Vsを出力する回路である。具体的には、検出電圧出力回路24は、コイル(巻線)6の中点の電圧Vmに応じた電圧を生成し、検出電圧Vsとして出力する。以下、検出電圧Vsを「巻線中点検出電圧Vs」とも表記する。なお、コイル6の中点の電圧Vmの詳細については後述する。
図2は、検出電圧出力回路24の構成例を示す図である。
図2に示すように、検出電圧出力回路24は、例えば、分圧回路240と、抵抗R21およびキャパシタC21と、整流素子D21とを含む。分圧回路240は、入力端子Pm1から入力するコイル6の中点の電圧Vmを分圧して出力する回路である。分圧回路240は、例えば、コイル6としての巻き線の中点と基準電位としてのグラウンド電位(GND)との間に直列に接続された2つの抵抗Ra1,Rb1を含んで構成されている。検出電圧出力回路24は、抵抗Ra1,Rb1に基づく分圧比に基づいてコイル6の中点の電圧Vmを分圧し、整流素子D21を介して巻線中点検出電圧Vsとして出力端子Pm2から出力する。検出電圧出力回路24から出力された巻線中点検出電圧Vsは、駆動制御回路20に入力される。
図2に示すように、検出電圧出力回路24は、例えば、分圧回路240と、抵抗R21およびキャパシタC21と、整流素子D21とを含む。分圧回路240は、入力端子Pm1から入力するコイル6の中点の電圧Vmを分圧して出力する回路である。分圧回路240は、例えば、コイル6としての巻き線の中点と基準電位としてのグラウンド電位(GND)との間に直列に接続された2つの抵抗Ra1,Rb1を含んで構成されている。検出電圧出力回路24は、抵抗Ra1,Rb1に基づく分圧比に基づいてコイル6の中点の電圧Vmを分圧し、整流素子D21を介して巻線中点検出電圧Vsとして出力端子Pm2から出力する。検出電圧出力回路24から出力された巻線中点検出電圧Vsは、駆動制御回路20に入力される。
巻線中点検出電圧VsはキャパシタC21により保持される。キャパシタC21は、インバータ回路12のスイッチング(オンデューティ)により、分圧回路240から整流素子D21を経由して充電され、抵抗R21により放電される。このとき、整流素子D21により、インバータ回路12のスイッチング(オフデューティ)による放電が、キャパシタC21に影響しないことを利用して、キャパシタC21の充電速度が放電速度より速くなるよう調整する。
報知回路25は、駆動制御回路20によってモータ3の異常が検出された場合に、その旨を外部に報知するための回路である。報知回路25は、例えば、図1に示すように、制御端子が駆動制御回路20の信号出力端子P3に接続されるとともに、駆動制御回路20の出力端子P2から出力されるモータ駆動情報信号Soを上位装置2に伝達するための信号線とグラウンド電位(GND)との間に接続されたスイッチ素子(例えば、バイポーラトランジスタ)Qcを含んで構成されている。なお、報知回路25の動作については後述する。
駆動制御回路20は、モータ駆動制御装置1の動作を統括的に制御する回路である。駆動制御回路20は、電源回路23から電源電圧が供給されることによって動作する。本実施の形態において、駆動制御回路20は、例えば、CPU等のプロセッサと、RAM,ROM、フラッシュメモリ等の各種記憶装置と、カウンタ(タイマ)、A/D変換回路、クロック発生回路、および入出力インターフェース回路等の周辺回路とがバスや専用線を介して互いに接続された構成を有するプログラム処理装置であり、例えば、マイクロコントローラ(MCU:Micro Controller Unit)である。
本実施の形態において、駆動制御回路20は、一つの半導体装置(IC:Integrated Circuit)としてパッケージ化されているが、これに限られるものではない。
駆動制御回路20は、外部(上位装置2やモータ駆動回路10等)との間で信号の送受信を行うための複数の外部端子を有している。図1には、複数の外部端子の一例として、電源電圧が供給される電源端子VDD、入力端子P1,出力端子P2、信号出力端子P3,P4,P6,信号入力端子P8,P10が参照符号とともに図示されている。
駆動制御回路20は、主たる機能として、モータ駆動回路10の動作を制御する駆動制御機能と、モータ3の異常の有無を判定する異常判定機能とを有している。具体的には、駆動制御回路20は、上記機能の実現するための機能部として、駆動制御部21および監視部22を有している。駆動制御部21および監視部22は、例えば、駆動制御回路20を構成するプログラム処理装置において、プロセッサが、メモリに記憶されたプログラムに従って各種演算処理を実行するとともに、カウンタやA/D変換回路等の周辺回路を制御することによって実現される。
監視部22は、モータ3(ファン5)の動作状態を監視する機能部である。なお、監視部22の詳細については後述する。
駆動制御部21は、上位装置2から入力端子P1に入力する速度指令信号Scに基づいて、モータ3の駆動を指示する駆動指令信号Scaを生成し、信号出力端子P6から出力する。駆動指令信号Scaは、モータ駆動回路10に入力される。
ここで、駆動指令信号Scaは、上述した速度指令信号Scと同様に、モータ3の目標回転速度(目標回転数)を指示する指令を含み、例えば、モータ3の目標回転速度に対応したデューティ比を有するPWM信号である。
駆動制御部21は、モータ3の回転の停止を指示する場合には、例えば、デューティ比が0%の駆動指令信号Scaを出力し、設定可能な最大回転速度でモータ3を回転させるように指示する場合には、デューティ比が100%の駆動指令信号Scaを出力する。このように、駆動制御回路20は、駆動指令信号Scaのデューティ比を変えることによって、モータ3の制御内容をモータ駆動回路10に指示する。
なお、駆動指令信号Scaは、例えば、目標回転速度に対応する周波数のPFM信号など、他の形式の信号であってもよい。
モータ駆動回路10は、駆動指令信号Scaに基づいてモータ3に通電する制御を行う回路である。モータ駆動回路10は、電源ラインLpから電力(電源電圧Vdc)が供給されることにより、動作可能に構成されている。
モータ駆動回路10は、例えば、制御回路11と、制御回路11による制御に基づいてコイル6に通電するインバータ回路12と、信号遮断回路13とを有している。
モータ駆動回路10は、一端が電源ラインLpに接続されたヒューズF1を有している。モータ駆動回路10を構成するインバータ回路12、および制御回路11には、電源ラインLpからヒューズF1を介して電源電圧Vdcが供給される。
制御回路11は、例えば、市販のモータ駆動制御用の汎用IC(integrated circuit)を用いて実現されている。なお、制御回路11は、汎用ICによる構成に限定されず、例えば、マイクロコントローラ(MCU)によって構成してもよい。
インバータ回路12は、制御回路11から出力された第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbに基づいて、負荷駆動端子16,17に接続されたモータ3のコイル6を駆動する。第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbの詳細については後述する。
インバータ回路12は、例えば、複数のスイッチ素子としてのトランジスタを含むHブリッジ回路である。具体的には、インバータ回路12は、電源電圧Vdcが供給される電源ラインLpとグラウンド電位(GND)との間に直列に接続されている。インバータ回路12は、電源ラインLpとグラウンド電位との間に直列に接続され、第1駆動制御信号Sdaに基づいてスイッチング動作を行うハイサイドのスイッチ素子Q1と第2駆動制御信号Sdbに基づいてスイッチング動作を行うローサイドのスイッチ素子Q3とを含むスイッチングレグを有する。また、インバータ回路12は、電源ラインLpとグラウンド電位との間に直列に接続され、第1駆動制御信号Sdaに基づいてスイッチング動作を行うハイサイドのスイッチ素子Q2と第2駆動制御信号Sdbに基づいてスイッチング動作を行うローサイドのスイッチ素子Q4とを含むスイッチングレグを有する。
スイッチ素子Q1~Q4は、例えばトランジスタである。より具体的には、ハイサイドのスイッチ素子Q1,Q2は、例えば、Pチャネル型のMOSFETであり、ローサイドのスイッチ素子Q3,Q4は、例えば、Nチャネル型のMOSFETである。なお、各スイッチングレグは、図1に示すように、電流検出用抵抗Rsを介してグラウンド電位に接続されていてもよい。
更に、インバータ回路12は、負荷としてのコイル6を駆動するための負荷駆動端子16,17を有している。負荷駆動端子16は、インバータ回路12のスイッチ素子Q1とスイッチ素子Q3とが共通に接続されるノードであって、コイル6の一端に接続されている。負荷駆動端子17は、インバータ回路12のスイッチ素子Q2とスイッチ素子Q4とが共通に接続されるノードであって、コイル6の他端に接続されている。
インバータ回路12を構成する各スイッチ素子Q1~Q4は、制御回路11から出力される第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbによって、オン・オフが制御される。
制御回路11は、駆動制御回路20から供給される駆動指令信号Scaと位置検出器7から出力されたホール信号Vhp,Vhnに基づいて、第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを生成し、インバータ回路12を駆動する。制御回路11は、生成した第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力する出力端子Pd1~Pd4を有している。
具体的には、制御回路11は、ホール信号(位置検出信号)Vhp,Vhnに基づいてコイル6の通電方向を決定し、駆動制御回路20から入力された駆動指令信号Scaに応じたデューティ比を有する第1駆動制御信号Sdaと、ホール信号Vhp,Vhnに同期した第2駆動制御信号Sdbとをそれぞれ出力する。例えば、第1駆動制御信号Sdaは、インバータ回路12のハイサイドのスイッチ素子Q1,Q2の制御電極(ゲート電極)に直接供給され、第2駆動制御信号Sdbは、後述する信号遮断回路13を介してインバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4の制御電極(ゲート電極)に供給される。
制御回路11は、ホール信号Vhp,Vhnに応じたタイミングでモータ3のコイル6に流れる電流の向きが交互に切り替わるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを生成し、コイル6の通電を制御する。
例えば、制御回路11は、ホール信号Vhp,Vhnの切り替わりタイミングに応じて、ローサイドのスイッチ素子Q4をオンし、且つローサイドのスイッチ素子Q3をオフするように第2駆動制御信号Sdbを生成するとともに、ハイサイドのスイッチ素子Q2をオフし、且つハイサイドのスイッチ素子Q1をPWM駆動するように第1駆動制御信号Sdaを生成する。また、制御回路11は、次のホール信号Vhp,Vhnの切り替わりタイミングに応じて、ローサイドのスイッチ素子Q3をオンし、且つローサイドのスイッチ素子Q4をオフするように第2駆動制御信号Sdbを生成するとともに、ハイサイドのスイッチ素子Q1をオフし、且つハイサイドのスイッチ素子Q2をPWM駆動するように第1駆動制御信号Sdaを生成する。
このように、制御回路11は、ホール信号Vhp,Vhnの切り替わりタイミングに応じて、コイル6に流れる電流の向きが切り替わるように、オンさせるローサイドのスイッチ素子とPWM駆動するハイサイドのスイッチ素子を切り替える。
制御回路11は、更に、位置検出器7からのホール信号Vhp,Vhnに基づいて、モータ3の実際の回転速度(実回転速度)に対応する周波数を有する回転速度信号であるFG(Frequency Generator)信号Fgを生成して出力する。
FG信号Fgは、例えば、所定のデューティ比を有する矩形波状の信号である。例えば、FG信号Fgは、モータ3の実回転速度に対応する周波数を有し、回転速度が一定の場合にデューティ比が50%になるように生成される2値信号(デジタル信号)である。このFG信号Fgを利用して、駆動制御回路20は、モータ3の実回転速度(実回転数)に応じた信号を生成し、出力端子P2から出力する。
信号遮断回路13は、駆動制御回路20から出力された制御信号Stに応じて、制御回路11からインバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力と遮断を切り替える回路である。図1に示すように、信号遮断回路13は、制御回路11における第2駆動制御信号Sdbが出力される出力端子Pd3,Pd4とインバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4の制御電極(ゲート電極)との間に設けられている。
図3は、信号遮断回路13の構成例を示す図である。
信号遮断回路13は、端子Ps1~Ps5を有している。端子Ps1,Ps2は、制御回路11の第2駆動制御信号Sdbが出力される出力端子Pd3,Pd4にそれぞれ接続されている。端子Ps3は、インバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3の制御電極(ゲート電極)に接続され、端子Ps4は、インバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q4の制御電極(ゲート電極)に接続されている。端子Ps5は、駆動制御回路20の制御信号Stが出力される信号出力端子P4に接続されている。
信号遮断回路13は、端子Ps1~Ps5を有している。端子Ps1,Ps2は、制御回路11の第2駆動制御信号Sdbが出力される出力端子Pd3,Pd4にそれぞれ接続されている。端子Ps3は、インバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3の制御電極(ゲート電極)に接続され、端子Ps4は、インバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q4の制御電極(ゲート電極)に接続されている。端子Ps5は、駆動制御回路20の制御信号Stが出力される信号出力端子P4に接続されている。
図3に示すように、信号遮断回路13は、遮断用スイッチ素子Q11,Q12と切替用スイッチ素子Q13,Q14とを有する。遮断用スイッチ素子Q11は、制御回路11の出力端子Pd3とインバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3の制御電極(ゲート電極)との間に接続されている。遮断用スイッチ素子Q12は、制御回路11の出力端子Pd4とインバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q4の制御電極(ゲート電極)との間に接続されている。
遮断用スイッチ素子Q11,Q12は、例えば、PNP型のバイポーラトランジスタであり、切替用スイッチ素子Q13,Q14は、例えば、NPN型のバイポーラトランジスタである。
切替用スイッチ素子Q13の第1主電極(例えばエミッタ電極)はグラウンド電位に接続され、切替用スイッチ素子Q13の第2主電極(例えばコレクタ電極)は遮断用スイッチ素子Q11の制御電極(ベース電極)に接続されている。切替用スイッチ素子Q14の第1主電極(例えばエミッタ電極)はグラウンド電位に接続され、切替用スイッチ素子Q14の第2主電極(例えばコレクタ電極)は遮断用スイッチ素子Q12の制御電極(ベース電極)に接続されている。
切替用スイッチ素子Q13,Q14の制御電極(ベース電極)は、端子Ps5を介して駆動制御回路20の制御信号Stが出力される信号出力端子P4に接続されている。
なお、図3に示すように、遮断用スイッチ素子Q11,Q12および切替用スイッチ素子Q13,Q14としての各トランジスタの電極には抵抗が接続されていてもよい。例えば、各トランジスタにおいて、ベース電極に抵抗が接続され、エミッタ電極とベース電極との間に抵抗が接続されていてもよい。
信号遮断回路13において、遮断用スイッチ素子Q11,Q12のオン・オフの切り替えは、駆動制御回路20からの制御信号Stによって制御される。
例えば、制御信号Stがハイレベルであるとき、切替用スイッチ素子Q13,Q14がオンする。これにより、遮断用スイッチ素子Q11,Q12がオンし、制御回路11の出力端子Pd3,Pd4から出力された第2駆動制御信号Sdbのスイッチ素子Q3,Q4の制御電極への入力が可能となる。
一方、制御信号Stがローレベルであるとき、切替用スイッチ素子Q13,Q14がオフする。これにより、遮断用スイッチ素子Q11,Q12がオフし、制御回路11の出力端子Pd3,Pd4から出力された第2駆動制御信号Sdbのスイッチ素子Q3,Q4の制御電極への入力が遮断される。
ここで、モータ3の状態とモータ3のコイル(巻線)6の中点の電圧Vmとの関係について説明する。
先ず、モータ3が正常な状態である場合について説明する。
図4A~図4Dは、モータ3が正常であるときの状態を模式的に示す図である。
図4A~図4Dは、モータ3が正常であるときの状態を模式的に示す図である。
図4Aおよび図4Bには、信号遮断回路13によってローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号入力が可能な状態(信号遮断なし)において、制御回路11が駆動指令信号Scaおよびホール信号Vhp,Vhnに応じて第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合が示されている。
一方、図4Cおよび図4Dには、信号遮断回路13によってローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号入力を遮断した状態(信号遮断あり)において、制御回路11が駆動指令信号Scaおよびホール信号Vhp,Vhnに応じて第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合が示されている。
なお、図4A~図4Dにおいて、矢印はホール信号Vhp,Vhnに基づいたコイル6の通電方向、電流Imはインバータ回路12に流れる電流を表している。図4Aおよび図4Cには、電流Imがハイサイドのスイッチ素子Q1からコイル6を通ってローサイドのスイッチ素子Q4に流れる場合(通電方向:Q1→Q4)が示され、図4Bおよび図4Dには、電流Imがハイサイドのスイッチ素子Q2からコイル6を通ってローサイドのスイッチ素子Q3に流れる場合(通電方向:Q2→Q3)が示されている。
例えば、モータ3が正常である場合において、図4Aに示すように、制御回路11がローサイドのスイッチ素子Q3をオフ、スイッチ素子Q4をオンし、且つハイサイドのスイッチ素子Q2をオフし、スイッチ素子Q1をPWM駆動している場合(通電方向:Q1→Q4)には、電流Imは、電源電圧VdcからヒューズF1、スイッチ素子Q1、コイル6、スイッチ素子Q4を通って流れる。このとき、電流検出用抵抗Rsを十分小さい抵抗値のため無視すると、コイル6の中点の電圧Vmは、電源電圧(直流電圧)Vdcをコイル6の2つの抵抗成分Rc/2によって分圧した電圧、すなわち“Vm=Vdc/2”となる。この場合、検出電圧出力回路24は、コイル6の中点の電圧Vm(=Vdc/2)に抵抗Ra1,Rb1に基づく分圧比を乗じた大きさの巻線中点検出電圧Vs(=Vdc/2×分圧比)を出力する。
また、図4Bに示すように、制御回路11がローサイドのスイッチ素子Q4をオフ、スイッチ素子Q3をオンし、且つハイサイドのスイッチ素子Q1をオフし、スイッチ素子Q2をPWM駆動している場合(通電方向:Q2→Q3)には、電源電圧VdcからヒューズF1、スイッチ素子Q2、コイル6、スイッチ素子Q3を通って電流Imが流れる。このときも図4Aの場合と同様に、コイル6の中点の電圧Vmは“Vdc/2”となり、検出電圧出力回路24は、コイル6の中点の電圧Vm(=Vdc/2)に抵抗Ra1,Rb1に基づく分圧比を乗じた大きさの巻線中点検出電圧Vs(=Vdc/2×分圧比)を出力する。
したがって、信号遮断回路13によってローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号入力が可能な状態(信号遮断なし)において、モータ3が正常である場合には、巻線中点検出電圧Vsは“Vdc/2×分圧比”となる。
一方、図4Cおよび図4Dに示すように、信号遮断回路13によってローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号入力が遮断された状態(信号遮断あり)において、モータ3が正常である場合には、第1駆動制御信号Sdaによってハイサイドのスイッチ素子Q1,Q2の何れか一方がオフし、他方がPWM駆動されるが、ローサイドのスイッチ素子Q3,Q4はともにオフした状態となる。このとき、インバータ回路12には電流が流れないが、検出電圧出力回路24には電圧が印加される。そのため、通電方向に関わらず、コイル6の中点の電圧Vmは電源電圧Vdcとなり(Vm=Vdc)、巻線中点検出電圧Vsは、コイル6の中点の電圧Vm(=Vdc)に抵抗Ra1,Rb1に基づく分圧比を乗じた大きさとなる(Vs=Vdc×分圧比)。
したがって、信号遮断回路13によってローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号入力が遮断された状態(信号遮断あり)において、モータ3が正常である場合には、巻線中点検出電圧Vsは“Vdc×分圧比”となる。
次に、モータ3が異常な状態である場合について説明する。
モータ3が異常な状態の類型としては、モータ3に定格電圧範囲より高い電圧が印加されている高電圧異常状態と、モータ3に定格電圧範囲より低い電圧が印加されている低電圧異常状態と、モータ3またはモータ3の周辺回路に故障が発生している故障状態(第1の故障状態)と、を例示することができる。また、故障状態の類型としては、例えば、ヒューズF1が破損(開放状態)となったヒューズ破損故障、コイル6の中点と検出電圧出力回路24との間の接続が開放状態となった巻線中点開放故障、およびコイル6の断線等により、コイル6の一方の端子が開放状態となる巻線開放故障を代表的に例示することができる。
先ず、高電圧異常状態および低電圧異常状態について説明する。
モータ3に適切な電源電圧Vdc(定格電圧)が供給されているか否かは、巻線中点検出電圧Vsを参照することにより、判定することができる。例えば、信号遮断ありの場合に、巻線中点検出電圧Vsが高電圧閾値Vth_max(第1閾値の一例)より高いとき、高電圧異常状態であると判定することができる。また、例えば、信号遮断ありの場合に、巻線中点検出電圧Vsが低電圧閾値Vth_min(第2閾値の一例)より低いとき、低電圧異常状態であると判定することができる。
ここで、高電圧閾値Vth_maxおよび低電圧閾値Vth_minは、モータ3の定格電圧に応じた値であり、以下のように決定することができる。例えば、モータ3の仕様において定格電圧が12V、電圧の許容範囲が±15%である場合、高電圧閾値Vth_max=12V×1.15=13.8Vに、抵抗Ra1,Rb1に基づく分圧比を乗じた電圧値、低電圧閾値Vth_min=12*0.85=10.2Vに、抵抗Ra1,Rb1に基づく分圧比を乗じた電圧値とすればよい。
次に、ヒューズ破損故障について説明する。
図5Aおよび図5Bは、ヒューズF1の破損故障が発生している状態を模式的に示す図である。
図5Aには、信号遮断回路13によってローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号入力を遮断していない(=信号入力が可能な)状態(信号遮断なし)において、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ1→Q4となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合が示されている。図5Bには、信号遮断回路13によってローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号入力を遮断した状態(信号遮断あり)において、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ1→Q4となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合が示されている。なお、図5A~図5Bにおいて、矢印はホール信号Vhp,Vhnに基づいたコイル6の通電方向を表している。
ヒューズF1が破損した場合、インバータ回路12に電源電圧Vdcが供給されない。また、インバータ回路12には電流が流れない。したがって、図5Aに示すように、信号遮断回路13によってローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号入力が可能な状態(信号遮断なし)では、スイッチ素子Q4がオンしているので、コイル6の中点の電圧Vmは、0Vになる(Vm=0)。これにより、検出電圧出力回路24から出力される巻線中点検出電圧Vsは、0Vになる(Vs=0V)。
また、図5Bに示すように、信号遮断回路13によってローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号入力を遮断した状態(信号遮断あり)では、電源電圧Vdcが供給されない上に、スイッチ素子Q3,Q4がともにオフする。このとき、コイル6の中点は、検出電圧出力回路24の入力端子Pm1および抵抗Rb1,Ra1を介してグラウンド電位に接続されている(図2参照)。したがって、コイル6の中点の電圧Vmは0Vとなり、巻線中点検出電圧Vsも0Vになる(Vs=0V)。
したがって、ヒューズ破損故障が発生している場合には、信号遮断の有無に関わらず、巻線中点検出電圧Vsは“0V”となる。
次に、巻線中点開放故障について説明する。
図6Aおよび図6Bは、巻線中点開放故障が発生している状態を模式的に示す図である。
図6Aおよび図6Bは、巻線中点開放故障が発生している状態を模式的に示す図である。
図6Aには、信号遮断回路13によってローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号入力を遮断していない状態(信号遮断なし)において、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ1→Q4となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合が示されている。図6Bには、信号遮断回路13によってローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号入力を遮断した状態(信号遮断あり)において、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ1→Q4となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合が示されている。なお、図6A~図6Bにおいて、矢印はホール信号Vhp,Vhnに基づいたコイル6の通電方向、電流Imはインバータ回路12に流れる電流を表している。
図6Aおよび図6Bに示すように、コイル6の中点と検出電圧出力回路24の入力端子Pm1とが接続されていないため、検出電圧出力回路24の入力端子Pm1にはコイル6の中点の電圧Vmが印加されない。一方、検出電圧出力回路24の入力端子Pm1は、抵抗Rb1,Ra1を介してグラウンド電位に接続されているため、巻線中点検出電圧Vsは0Vになる(Vs=0V)。なお、図6Aの場合、インバータ回路12には電流Imが流れるが、図6Bの場合、インバータ回路12には電流が流れない。
したがって、巻線中点開放故障が発生している場合には、信号遮断の有無に関わらず、巻線中点検出電圧Vsは“0V”となる。
次に、巻線開放故障について説明する。
図7A~図7Dは、巻線開放故障が発生している状態を模式的に示す図である。
図7Aおよび図7Bには、コイル6の通電方向のハイサイド(HS)が開放状態(通電方向HS巻線開放故障)となった故障の一例として、通電方向がQ1→Q4の場合に、コイル6のスイッチ素子Q1,Q3に接続される端子が開放状態となった故障が示されている。なお、図7A~図7Bにおいて、矢印はホール信号Vhp,Vhnに基づいたコイル6の通電方向を表している。
図7A~図7Dは、巻線開放故障が発生している状態を模式的に示す図である。
図7Aおよび図7Bには、コイル6の通電方向のハイサイド(HS)が開放状態(通電方向HS巻線開放故障)となった故障の一例として、通電方向がQ1→Q4の場合に、コイル6のスイッチ素子Q1,Q3に接続される端子が開放状態となった故障が示されている。なお、図7A~図7Bにおいて、矢印はホール信号Vhp,Vhnに基づいたコイル6の通電方向を表している。
図7Aには、信号遮断なしの状態において、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ1→Q4となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合が示されている。図7Bには、信号遮断ありの状態において、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ1→Q4となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合が示されている。
図7Aに示すように、信号遮断なしの状態において、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ1→Q4となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合、コイル6の通電方向(Q1→Q4)のハイサイドの端子が開放状態となっているため、コイル6に電流は流れない。このとき、コイル6の反対側の端子、すなわちコイル6の通電方向(Q1→Q4)のローサイドの端子(スイッチ素子Q2,Q4に接続される端子)は、オンしているスイッチ素子Q4および電流検出用抵抗Rsを介してグラウンド電位に接続されているので、コイル6の中点の電圧Vmは0Vとなる。これにより、巻線中点検出電圧Vsは0Vとなる。
図7Bに示すように、信号遮断ありの状態において、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ1→Q4となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合、コイル6の通電方向(Q1→Q4)のハイサイドの端子が開放状態となっているため、コイル6に電流は流れない。このとき、ローサイドのスイッチ素子Q3,Q4はともにオフしている。また、コイル6の中点は、検出電圧出力回路24の抵抗Rb1,Ra1を介してグラウンド電位に接続されている。したがって、コイル6の中点の電圧Vmは0Vとなり、巻線中点検出電圧Vsも0Vとなる。
したがって、巻線開放故障として、コイル6の通電方向のハイサイド(HS)が開放状態となった故障(通電方向HS巻線開放故障)が発生している場合には、信号遮断の有無に関わらず、巻線中点検出電圧Vsは“0V”となる。
一方、図7Cおよび図7Dには、コイル6の通電方向のローサイド(LS)が開放状態(通電方向LS巻線開放故障)となった故障の一例として、通電方向がQ2→Q3の場合に、コイル6のスイッチ素子Q1,Q3に接続される端子が開放状態となった故障が示されている。なお、図7C~図7Dにおいて、矢印はホール信号Vhp,Vhnに基づいたコイル6の通電方向を表している。
図7Cには、信号遮断なしの状態において、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ2→Q3となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合が示されている。図7Dには、信号遮断ありの場合において、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ2→Q3となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合が示されている。
図7Cに示すように、信号遮断なしの状態において、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ2→Q3となるように、第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合、電源電圧Vdcから、ヒューズF1、スイッチ素子Q2、コイル6のスイッチ素子Q2,Q4に接続される端子、コイル6の中点、および検出電圧出力回路24の抵抗Rb1,Ra1を介してグラウンドに電流が流れ込む。そのため、コイル6の中点の電圧Vmは電源電圧Vdcとなり、巻線中点検出電圧Vsは“Vdc×分圧比”となる。なお、インバータ回路12には電流が流れない。
図7Dに示すように、信号遮断ありの状態において、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ2→Q3となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力した場合、図7Cの場合と同様に、電源電圧Vdcから、ヒューズF1、スイッチ素子Q2、コイル6のスイッチ素子Q2,Q4に接続される端子、コイル6の中点、および検出電圧出力回路24の抵抗Rb1,Ra1を介してグラウンドに電流が流れ込む。そのため、検出電圧出力回路24には電圧が印加され、コイル6の中点の電圧Vmは電源電圧Vdcとなり、巻線中点検出電圧Vsは“Vdc×分圧比”となる。なお、インバータ回路12には電流が流れない。
したがって、巻線開放故障として、コイル6の通電方向のローサイド(LS)が開放状態となった故障(通電方向LS巻線開放故障)が発生している場合には、信号遮断の有無に関わらず、巻線中点検出電圧Vsは“Vdc×分圧比”となる。
なお、図7A~図7Dでは、コイル6のスイッチ素子Q1,Q3に接続される端子が開放状態となった場合を例示したが、コイル6のスイッチ素子Q2,Q4に接続される端子が開放状態となった場合も同様である。
すなわち、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ1→Q4となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力するときに、コイル6のスイッチ素子Q2,Q4に接続される端子(通電方向LS端子)の開放故障(通電方向LS巻線開放故障)が発生している場合、信号遮断の有無に関わらず、コイル6の中点の電圧Vmは電源電圧Vdcとなり、巻線中点検出電圧Vsは“Vdc×分圧比”となる。
また、制御回路11が、コイル6の通電方向がQ2→Q3となるように第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力するときに、コイル6のスイッチ素子Q2,Q4に接続される端子(通電方向HS端子)の開放故障(通電方向HS巻線開放故障)が発生している場合、コイル6のスイッチ素子Q2,Q4に接続される端子が開放状態となっているため、コイル6に電流は流れない。このとき、信号遮断なしの状態ではローサイドのスイッチ素子Q3がオンしているため、コイル6の中点の電圧Vmは0Vとなり、巻線中点検出電圧Vsも0Vとなる。一方、信号遮断ありの状態では、ローサイドのスイッチ素子Q3,Q4がオフしているが、コイル6の中点が検出電圧出力回路24の抵抗Rb1,Ra1を介してグラウンド電位に接続されているため、コイル6の中点の電圧Vmは0Vとなり、巻線中点検出電圧Vsも0Vとなる。
以上説明した巻線中点検出電圧Vsとモータ3の状態との関係をまとめると、図8および図9のようになる。
図8および図9は、実施の形態1に係るモータ駆動制御システム100における巻線中点検出電圧Vsとモータ3の状態との関係を示す図である。
図8および図9から理解されるように、巻線中点検出電圧Vsはモータ3の異常の有無によって大きさが相違することになる。そこで、駆動制御回路20(監視部22)は、インバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号の入力を遮断したとき(信号遮断あり)の巻線中点検出電圧Vsと、スイッチ素子Q3,Q4への信号の入力を可能にしたとき(信号遮断なし)の巻線中点検出電圧Vsとを測定することにより、モータ3が異常な状態であるか否かを判定する異常判定処理を行う。
監視部22は、モータ3が正常な状態であると判定した場合、信号出力端子P3にローレベルの電圧を出力する。この場合、信号出力端子P3の電位はグラウンド電位(0V)となるため、報知回路25のスイッチ素子Qcはオフ状態となる。その結果、駆動制御回路20の出力端子P2から上位装置2に出力されるモータ駆動情報信号Soはモータ3の実回転速度(実回転数)に応じた信号となる。上位装置2は、入力されたモータ駆動情報信号Soに基づいて、モータ50の回転状態を知ることができる。
一方、監視部22は、モータ3が異常な状態であると判定した場合、信号出力端子P3にハイレベルの電圧を出力する。この場合、信号出力端子P3の電位は所定の電位(例えば、5V)となるため、報知回路25のスイッチ素子Qcはオン状態となる。その結果、出力端子P2と上位装置2とを結ぶ出力ラインはグラウンドに接続され、出力端子P2から上位装置2に出力されるモータ駆動情報信号Soはローレベルに固定された信号となる。上位装置2は、入力されたモータ駆動情報信号Soがモータ3の実回転速度(実回転数)に応じた信号ではなく、ローレベルに固定された信号であることから、モータ3が異常な状態になっていることを知ることができる。
次に、異常判定処理に用いる巻線中点検出電圧Vsの測定方法について説明する。
図10は、モータ3の駆動に関連する信号波形の一例を示すタイミングチャートである。
図10において、上から順に、駆動指令信号Sca、ホール信号(位置検出信号)Vhp,Vhn、FG信号Fg、インバータ回路12におけるスイッチ素子Q1~Q4を制御するための各制御信号(ゲート信号)、巻線中点検出電圧Vsの各波形が示されている。また、横軸は時間を表し、縦軸は各信号の電圧を表している。
上述したように、モータ3の通電方向(Q1→Q4、またはQ2→Q3)は、位置検出器7からのホール信号Vhp,Vhnの極性に応じて切り替わる。
例えば、図10に示すように、時刻T1から時刻T4までの期間では、インバータ回路12においてローサイドのスイッチ素子Q3がオン、ローサイドのスイッチ素子Q4がオフ、ハイサイドのスイッチ素子Q1がオフし、ハイサイドのスイッチ素子Q2が駆動指令信号Scaのデューティ比に基づくPWM信号によってスイッチングする。これにより、コイル6の通電方向がQ2→Q3となる。
時刻T4においてホール信号Vhp,Vhnの極性が切り替わると、コイル6の通電方向が切り替わる。例えば、時刻T4から時刻T7までの期間では、インバータ回路12において、ローサイドのスイッチ素子Q4がオン、ローサイドのスイッチ素子Q3がオフ、ハイサイドのスイッチ素子Q2がオフし、ハイサイドのスイッチ素子Q1が駆動指令信号Scaのデューティ比に基づくPWM信号によってスイッチングする。これにより、コイル6の通電方向がQ1→Q4となる。
制御回路11は、通電方向の切り替え前後において、PWM駆動するための第1駆動制御信号Sda(スイッチ素子Q1,Q2のゲート信号)のデューティ比を段階的に変化させる。例えば、図10に示すように、通電切替後の時刻T1から時刻T2までの期間と時刻T4から時刻T5までの期間において、制御回路11は、第1駆動制御信号SdaとしてのPWM信号のデューティ比を徐々に増加させる。また、通電切替前の時刻T3から時刻T4までの期間と時刻T6から時刻T7までの期間において、制御回路11は、第1駆動制御信号SdaとしてのPWM信号のデューティ比を徐々に減少させる。このため、通電切替前後の第1駆動制御信号Sdaのデューティ比の変化が、コイル6の中点の電圧Vm、すなわち巻線中点検出電圧Vsに影響を与える。
例えば、通電切替前の時刻T3から時刻T4の期間において第1駆動制御信号Sda(スイッチ素子Q2のゲート信号)のデューティ比が徐々に減少すると、図10の参照符号105に示すように、巻線中点検出電圧Vsは“Vdc/2×分圧比”より低下する。その後、時刻T4において通電方向が切り替わり、第1駆動制御信号Sda(スイッチ素子Q1のゲート信号)のデューティ比が徐々に増加すると、巻線中点検出電圧Vsが再び上昇し、“Vdc/2×分圧比”になる。このような通電切替前後の巻線中点検出電圧Vsの変化は、特に、モータ3が駆動により回転を開始した直後の低速で回転する場合に大きくなる。このとき、検出電圧出力回路24の整流素子D21と抵抗R21により、巻線中点検出電圧Vsを保持するキャパシタC21の充電速度が放電速度より速くなるため、モータ3が回転を続けると、図10の参照符号105Aに示すように、巻線中点検出電圧Vsは“Vdc/2×分圧比”で安定する。
したがって、モータの異常な状態の有無を精度よく判定するためには、スイッチ素子Q1~Q4の駆動状態が切り替わった後の巻線中点検出電圧Vsの最大値を取得することが好ましい。
図11は、巻線中点検出電圧Vsの測定方法の一例を示すタイミングチャートである。
図11において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表している。参照符号110は、スイッチ素子Q1~Q4の駆動状態が切り替わった後にコイル6の中点の電圧Vmが上昇したときの巻線中点検出電圧Vsの波形例を示し、参照符号111は、スイッチ素子Q1~Q4の駆動状態が切り替わった後にコイル6の中点の電圧Vmが低下したときの巻線中点検出電圧Vsの波形例を示している。
図11において、横軸は時間を表し、縦軸は電圧を表している。参照符号110は、スイッチ素子Q1~Q4の駆動状態が切り替わった後にコイル6の中点の電圧Vmが上昇したときの巻線中点検出電圧Vsの波形例を示し、参照符号111は、スイッチ素子Q1~Q4の駆動状態が切り替わった後にコイル6の中点の電圧Vmが低下したときの巻線中点検出電圧Vsの波形例を示している。
駆動制御回路20の監視部22は、スイッチ素子Q1~Q4の駆動状態が切り替わってから巻線中点検出電圧Vsの大きな変化が収束し安定するまでの期間を待機期間とし、待機期間が経過した後の所定の期間を測定期間として、巻線中点検出電圧Vsの測定を行う。
監視部22は、単位時間毎に巻線中点検出電圧Vsの検出を行い、測定期間において検出した巻線中点検出電圧Vsの最大値を、判定に用いる巻線中点検出電圧Vsの測定値とする。
具体的には、図11に示すように、監視部22は、時刻T11から時刻T12までを待機期間とし、時刻T12から時刻T15までを測定期間とする。例えば、参照符号110に示すように、スイッチ素子Q1~Q4の駆動状態の切り替わり後に巻線中点検出電圧Vsが上昇した場合、監視部22は、待機期間の経過後の測定期間において単位時間毎に巻線中点検出電圧Vsを検出する。そして、検出した巻線中点検出電圧Vsのうち、最大値を巻線中点検出電圧Vsの測定値とする。例えば、時刻T12から時刻T15までの測定期間において時刻T14に検出した巻線中点検出電圧Vsの値が最大である場合、その最大値Vmax1を、判定に用いる巻線中点検出電圧Vsの測定値とする。
また、参照符号111に示すように、スイッチ素子Q1~Q4の駆動状態の切り替わり後に巻線中点検出電圧Vsが下降した場合も同様に、監視部22は、測定期間において検出した巻線中点検出電圧Vsの最大値を巻線中点検出電圧Vsの測定値とする。例えば、時刻T12から時刻T15までの測定期間において時刻T13において検出した巻線中点検出電圧Vsの値が最大である場合、その最大値Vmax2を、判定に用いる巻線中点検出電圧Vsの測定値とする。
なお、巻線中点検出電圧Vsの検出は、測定期間のみ行われてもよいし、待機期間および測定期間に関わらず、単位時間毎に行われてもよい。
また、待機期間の長さは、予め設定されていてもよいし、巻線中点検出電圧Vsの検出値に応じて決定してもよい。例えば、監視部22は、待機期間において単位時間毎に巻線中点検出電圧Vsを検出し、巻線中点検出電圧Vsの検出値と直前の検出値との差分を算出し、その差分が所定の閾値より小さくなった場合に、待機期間を終了して測定期間に移行してもよい。また、例えば、予め設定された待機期間が経過する前に上記差分が所定の閾値より小さくなった場合に、監視部22が、待機期間を終了して測定期間に移行してもよい。
測定期間の長さについても同様に、予め設定されていてもよいし、巻線中点検出電圧Vsの検出値に応じて決定してもよい。例えば、監視部22は、測定期間において、巻線中点検出電圧Vsの検出値と直前の検出値との差分を算出し、その差分が所定の閾値より小さくなった場合に、測定期間を終了してもよい。
次に、モータ3の異常判定処理について、詳細に説明する。
図12および図13は、実施の形態1に係る、モータが正常状態と故障状態での異常判定処理時の信号波形の一例を示すタイミングチャートである。
図14Aおよび図14Bは、実施の形態1に係る、モータの異常判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図12および図13において、上から順に、速度指令信号Sc、駆動指令信号Sca、FG信号Fg、制御信号St、インバータ回路12のスイッチ素子Q1~Q4のゲート信号、巻線中点検出電圧Vsの各波形が示されている。また、横軸は時間を表し、縦軸は各信号の電圧を表している。
図12には、巻線中点検出電圧Vsの波形として、モータ3が正常である場合の波形131と、巻線中点開放故障が発生している場合の波形132が夫々示されている。また、図13には、巻線中点検出電圧Vsの波形として、ヒューズ破損故障、またはコイル6の通電方向のハイサイド(HS)が開放状態となる故障(通電方向HS巻線開放故障)が発生している場合の波形133と、コイル6の通電方向のローサイド(LS)が開放状態となる故障(通電方向LS巻線開放故障)が発生している場合の波形134がそれぞれ示されている。
駆動制御回路20は、動作モードとして、例えば、モータ3の異常の有無を判定する異常判定モードと、速度指令信号Scによって指定された回転速度でモータ3が回転するようにモータ3を駆動する通常駆動モードとを有している。
異常判定モードには、駆動制御回路20が、インバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を遮断して巻線中点検出電圧Vsを測定し、第1異常判定処理を行う第1判定期間と、駆動制御回路20が、インバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を可能にして巻線中点検出電圧Vsを測定し、第2異常判定処理を行う第2判定期間とある。
例えば、外部(上位装置2)から速度指令信号Scが入力された場合に、駆動制御回路20は、異常判定モードで動作を開始し、その後、通常駆動モードに移行する。
なお、図12および図13には、駆動制御回路20が速度指令信号Scの入力に応じて異常判定モードに移行する場合が一例として示されているが、これに限られない。すなわち、駆動制御回路20は、速度指令信号Scの入力の有無に関わらず、異常判定モードの第1判定期間を動作してもよい。
なお、図12および図13には、駆動制御回路20が速度指令信号Scの入力に応じて異常判定モードに移行する場合が一例として示されているが、これに限られない。すなわち、駆動制御回路20は、速度指令信号Scの入力の有無に関わらず、異常判定モードの第1判定期間を動作してもよい。
図14Aに示すように、例えば、駆動制御回路20が起動した場合、初期化処理を実行する(ステップS1)。例えば、駆動制御回路20がマイコン内部のレジスタ等を初期化する。また、駆動制御回路20は、駆動指令信号Scaの出力を停止する(ローレベルにする)とともに、制御信号Stをハイレベルにして、ローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を可能な状態にする(信号遮断なし)。
次に、駆動制御回路20は、速度指令信号Scが入力されているか否かを判定する(ステップS2)。例えば、図12および図13の時刻T100において、速度指令信号Scが入力されていると判定した場合(ステップS2:YES)、駆動制御回路20は、動作モードを異常判定モードとする(ステップS3)。動作モードが異常判定モードに移行すると、先ず、第1判定期間が開始される。
ここで、第1判定期間とは、駆動制御回路20が、信号遮断回路13を制御してローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を遮断し、且つ駆動指令信号Scaを出力する期間である。
第1判定期間において、先ず、駆動制御回路20は、例えば、時刻T100において、初期ステータスとなる。次に、例えば、時刻T101において、駆動制御回路20は、制御信号Stをハイレベルからローベルにすることにより信号遮断回路13を制御して、ローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を遮断する(ステップS4)。
次に、例えば、時刻T102において、駆動制御回路20は、待機ステータス(待機期間)となり、所定のデューティ比の駆動指令信号Scaを出力する(ステップS5)。
なお、このときの駆動指令信号Scaのデューティ比は、速度指令信号Scに対応したデューティ比であってもよいし、速度指令信号Scによらない予め設定されたデューティ比であってもよい。また、駆動指令信号Scaは、デューティ比が100%の信号(ハイレベルに固定された信号)であってもよい。
時刻T102において、駆動指令信号Scaの入力を検出した制御回路11は、駆動指令信号Scaのデューティ比と位置検出器7からのホール信号Vhp,Vhnとに基づいて、モータ3をPWM駆動するための第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力する。このとき、信号遮断回路13による信号遮断により、インバータ回路12に電流が流れないため、モータは駆動されず、回転しない。
所定時間の経過後、駆動制御回路20は、時刻T103において、待機ステータス(待機期間)から測定ステータス(測定期間)に移行する。測定ステータスにおいて、駆動制御回路20の監視部22は、上述した手法により、時刻T104まで、巻線中点検出電圧Vsの測定を行う(ステップS6)。次に、例えば、時刻T104において、駆動制御回路20は、速度指令信号Scに関わらず、駆動指令信号Scaの出力を停止し、判定ステータスに移行する。
次に、監視部22は、ステップS6において測定した巻線中点検出電圧Vsの測定値に基づいてモータ3の異常の有無を判定する。具体的には、先ず、時刻T104において、監視部22は、巻線中点検出電圧Vsの測定値がグラウンド電位に相当する電圧、すなわち、0Vであるか否かを判定する(ステップS7)。
信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vsの測定値が0Vであると判定した場合(ステップS7:YES)、監視部22は、モータ3が第1の異常な状態であると判定する(ステップS8)。
ここで、第1の異常な状態とは、高電圧異常状態、低電圧異常状態、およびモータを正常に駆動できない第1の故障状態の何れかが発生している状態をいう。また、第1の故障状態とは、ヒューズ破損故障、巻線中点開放故障、コイル6の通電方向のハイサイド(HS)が開放状態となる故障(通電方向HS巻線開放故障)の何れかが発生している状態をいう。なお、第1の故障状態には、コイル6の通電方向のハイサイドのスイッチ素子(Q1またはQ2)が開放状態となる故障(通電方向HSFET開放故障)が発生している場合が含まれていてもよい。
例えば、モータ3が正常である場合には、コイル6の中点の電圧Vmが“Vdc”となるため(図4Cおよび図4D参照)、図12の参照符号131に示すように、時刻T104までの第1判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vsが“Vdc×分圧比”となり、時刻T114までの第2判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vsが“Vdc/2×分圧比”となる。
一方、巻線中点開放故障が発生している場合には、モータは駆動により回転するが、検出電圧出力回路24の入力端子Pm1の電圧が0Vになるため(図6B参照)、図12の参照符号132に示すように、時刻T104までの第1判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vsが“0V”となり、時刻T114までの第2判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vsが“0V”となる。また、ヒューズ破損故障、通電方向HS巻線開放故障または通電方向HSFET開放故障が発生している場合にも、検出電圧出力回路24の入力端子Pm1の電圧が0Vになるため(図5Bおよび図7B参照)、図13の参照符号133に示すように、時刻T104までの第1判定期間の測定期間において巻線中点検出電圧Vsが“0V”となり、時刻T114までの第2判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vsが“0V”となる。
駆動制御回路20は、ステップS8においてモータ3が第1の異常な状態(第1の故障状態)であると判定した場合、故障処理を行う(ステップS9)。例えば、駆動制御回路20は、速度指令信号Scに関わらず、駆動指令信号Scaをローレベルにして、モータ3の駆動を停止させる。なお、この場合の故障処理は、後述する第2判定期間を開始することなく実行されてもよいし、第2判定期間後に実行されてもよい。
巻線中点検出電圧Vsの測定値が0Vでないと判定した場合(ステップS7:NO)、監視部22は、巻線中点検出電圧Vsの測定値が低電圧閾値Vth_minより低いか否かを判定する(ステップS10)。
巻線中点検出電圧Vsの測定値が低電圧閾値Vth_minより低いと判定した場合(ステップS10:YES)、監視部22は、モータ3が低電圧異常状態であると判定する(ステップS11)。この場合、駆動制御回路20は、再びステップS2に戻り、低電圧異常状態によりモータ3の駆動による回転を開始しない。
一方、巻線中点検出電圧Vsの測定値が低電圧閾値Vth_min以上であると判定した場合(ステップS10:NO)、監視部22は、巻線中点検出電圧Vsの測定値が高電圧閾値Vth_maxより高いか否かを判定する(ステップS12)。
巻線中点検出電圧Vsの測定値が高電圧閾値Vth_maxより高いと判定した場合(ステップS12:YES)、監視部22は、モータ3が高電圧異常状態であると判定する(ステップS13)。この場合、駆動制御回路20は、再びステップS2に戻り、高電圧異常状態によりモータ3の駆動による回転を開始しない。
なお、低電圧異常状態または高電圧異常状態の場合に、ステップ2に戻る処理は、後述する第2判定期間後に実行されてもよい。このとき、図12の参照符号131A(点線)や参照符号131B(点線)に示すように、駆動指令信号Scaのオフ(点線)により、時刻T104や時刻T114から、巻線中点検出電圧Vsが下降する。また、このとき、ローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号遮断の有無は特に限定されない。すなわち、駆動制御回路20は、制御信号Stをローレベルにしてスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を遮断してもよい(一点鎖線部)し、制御信号Stをハイレベルにしてスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を可能にしてもよい。
一方、巻線中点検出電圧Vsの測定値が高電圧閾値Vth_max以下であると判定した場合(ステップS12:NO)、監視部22は、第2判定期間を開始する。例えば、図12および図13の時刻T110において、第1判定期間が終了し、第2判定期間が開始される。
ここで、第2判定期間とは、駆動制御回路20が、信号遮断回路13を制御してローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を可能にし、且つ駆動指令信号Scaを出力する期間である。
第2判定期間において、駆動制御回路20は、先ず、例えば、時刻T110において、初期ステータスとなる。例えば、初期ステータスにおいて、駆動制御回路20は、制御信号Stをローベルからハイレベルに切り替えて、ローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を可能な状態にする(ステップS14)。
次に、例えば、時刻T112において、駆動制御回路20は、待機ステータス(待機期間)に移行し、所定のデューティ比の駆動指令信号Scaを出力する(ステップS15)。
なお、このときの駆動指令信号Scaのデューティ比は、ステップS5の場合と同様に、速度指令信号Scに対応したデューティ比であってもよいし、速度指令信号Scによらない予め設定されたデューティ比であってもよい。
時刻T112において、駆動指令信号Scaの入力を検出した制御回路11は、駆動指令信号Scaのデューティ比と位置検出器7からのホール信号Vhp,Vhnとに基づいて、モータ3をPWM駆動するための第1駆動制御信号Sdaおよび第2駆動制御信号Sdbを出力する。このとき、インバータ回路12に電流Imが流れる場合は、モータは駆動され、回転を開始する。
その後、所定時間の経過後、駆動制御回路20は、時刻T113において、待機ステータス(待機期間)から測定ステータス(測定期間)に移行する。測定ステータスにおいて、駆動制御回路20の監視部22は、上述した手法により、時刻T114まで、巻線中点検出電圧Vsの測定を行う(ステップS16)。次に、例えば、時刻T114において、駆動制御回路20は、判定ステータスに移行する。
次に、監視部22は、ステップS16において測定した巻線中点検出電圧Vsの測定値に基づいてモータ3の異常の有無を判定する。具体的には、監視部22は、例えば、時刻T114において、ステップS6で取得した信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vsの測定値とステップS16で取得した信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vsの測定値とが略一致するか否かを判定する(ステップS17)。ここで、駆動制御回路20のA/D変換回路で測定される巻線中点電圧Vsの測定値の測定誤差や、測定経路における抵抗値のばらつき等を考慮して、略一致としている。
ステップS6で取得した信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vsの測定値とステップS16で取得した信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vsの測定値とが略一致すると判定した場合(ステップS17:YES)、監視部22は、モータ3がロータロックではなく、第2の異常な状態であると判定する(ステップS18)。
ここで、第2の異常な状態とは、第2の故障状態の何れかが発生している状態をいう。第2の故障状態とは、コイル6の通電方向のローサイド(LS)が開放状態となる故障(通電方向LS巻線開放故障)が発生している状態をいう。なお、第2の故障状態には、コイル6の通電方向のローサイドのスイッチ素子(Q3またはQ4)が開放状態となる故障(通電方向LSFET開放故障)、通電方向と反対側のハイサイドのスイッチ素子(Q1またはQ2)が短絡状態となる故障(非通電方向HSFET短絡故障)、および通電方向のローサイドのスイッチ素子(Q3またはQ4)が短絡状態となる故障(通電方向LSFET短絡故障)が発生している場合が含まれていてもよい。
例えば、コイル6の通電方向のローサイドの開放故障(通電方向LS巻線開放故障)が発生している場合には、図13の参照符号134に示すように、信号遮断時には、例えば時刻T104までの第1判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vsが“Vdc×分圧比”となり(図7D参照)、信号入力可能時には、例えば時刻T114までの第2判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vsが“Vdc×分圧比”となる(図7C参照)。すなわち、コイル6の通電方向のローサイドの開放故障(通電方向LS巻線開放故障)が発生している場合には、信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vsの測定値と信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vsの測定値とが略一致する。
なお、通電方向のローサイドのスイッチ素子が開放故障(通電方向LSFET開放故障)、または通電方向と反対側のハイサイドのスイッチ素子が短絡故障(非通電方向HSFET短絡故障)の何れかが発生している場合も、同様に、巻線中点検出電圧Vsが“Vdc×分圧比”で略一致する。通電方向のローサイドのスイッチ素子の短絡故障(通電方向LSFET短絡故障)が発生している場合は、巻線中点検出電圧Vsが“Vdc/2×分圧比”で略一致する。
駆動制御回路20は、ステップS18においてモータ3が第2の異常な状態(第2の故障状態)であると判定した場合には、故障処理を行う(ステップS19)。例えば、図12および図13の時刻T120において、駆動制御回路20は、速度指令信号Scに関わらず、駆動指令信号Scaをローレベル(点線部)にする。これにより、制御回路11は、モータ3のPWM駆動を停止する。
なお、このとき、図13の参照符号134B(点線)に示すように、駆動指令信号Scaのオフ(点線)により、時刻T114から、巻線中点検出電圧Vsが下降する。また、ローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号遮断の有無は特に限定されない。すなわち、駆動制御回路20は、制御信号Stをローレベルにしてスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を遮断してもよい(一点鎖線部)し、制御信号Stをハイレベルにしてスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を可能にしてもよい。
ステップS6で取得した信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vsの測定値とステップS16で取得した信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vsの測定値とが略一致しないと判定した場合(ステップS17:NO)、駆動制御回路20は、動作モードを異常判定モードから通常駆動モードに移行する(ステップS20)。
例えば、時刻T120以降において、駆動制御回路20は、速度指令信号Scに応じた駆動指令信号Scaを出力する。これにより、制御回路11は、ホール信号Vhp,Vhnに応じて通電方向を切り替えながら、モータ3をPWM駆動する。これにより、モータ3は、速度指令信号Scで指定された回転速度になるように駆動される。
以上、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1によれば、モータ3の駆動が停止した状態において、モータ3が第1の異常な状態であるか否かを適切に検出することが可能となる。
すなわち、インバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号の入力を遮断したときの巻線中点検出電圧Vsはモータ3の状態によって異なる大きさとなる。したがって、駆動制御回路20が、信号遮断回路13を制御してローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を遮断し、且つ駆動指令信号Scaを出力した第1判定期間における巻線中点検出電圧Vsを測定することにより、モータ3の駆動が停止した状態において、モータ3が第1の異常な状態であるか否かを適切に検出することが可能となる。
すなわち、インバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号の入力を遮断したときの巻線中点検出電圧Vsはモータ3の状態によって異なる大きさとなる。したがって、駆動制御回路20が、信号遮断回路13を制御してローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を遮断し、且つ駆動指令信号Scaを出力した第1判定期間における巻線中点検出電圧Vsを測定することにより、モータ3の駆動が停止した状態において、モータ3が第1の異常な状態であるか否かを適切に検出することが可能となる。
具体的には、駆動制御回路20は、第1判定期間における巻線中点検出電圧Vsがグラウンド電位に相当する電圧である場合に、モータを正常に駆動できない第1の故障状態(ヒューズ破損故障、巻線中点開放故障、通電方向HS巻線開放故障、または通電方向HSFET開放故障)であると判定する。また、駆動制御回路20は、第1判定期間における巻線中点検出電圧Vsが高電圧閾値(第1閾値)Vth_maxより高い場合に、モータ3が高電圧異常状態であると判定する。更に、駆動制御回路20は、第1判定期間における巻線中点検出電圧Vsが低電圧閾値(第2閾値)Vth_minより低い場合に、モータ3が低電圧異常状態であると判定する。
このように、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1によれば、モータ3の駆動が停止した状態において、モータの異常な状態を適切に検出することが可能となる。
また、上述したように、第2の異常な状態としての、通電方向LS巻線開放故障が発生している場合、インバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号の入力を遮断したときの巻線中点検出電圧Vsとインバータ回路12のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号の入力を遮断していないときの巻線中点検出電圧Vsとが略一致する。
そこで、上述したように、駆動制御回路20が、信号遮断回路13を制御してローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdbの入力を可能にし、且つ駆動指令信号Scaを出力した第2判定期間における巻線中点検出電圧Vsと、第1判定期間における巻線中点検出電圧Vsとに基づいて、モータ3が第2の異常な状態であるか否かを判定する。例えば、第1判定期間における巻線中点検出電圧Vsと第2判定期間における巻線中点検出電圧Vsとが略一致する場合に、駆動制御回路20は、モータ3が第2の異常な状態であると判定する。これによれば、モータ3の駆動開始直後に、モータ3が異常な状態(第2の異常な状態)であるか否かを適切に判定することができる。
また、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1において、駆動制御回路20は、スイッチ素子の駆動状態が切り替わってから所定期間の経過後の測定期間において検出した巻線中点検出電圧Vsの最大値に基づいて、モータ3が第1の異常な状態または第2の異常な状態であるか否かを判定する。これによれば、スイッチ素子Q1~Q4の駆動状態が切り替わった後に巻線中点検出電圧Vsが安定したときの測定値を用いるので、モータの異常な状態の有無をより精度よく判定することが可能となる。
≪実施の形態2≫
図15は、実施の形態2に係るモータ駆動制御システム100Aの構成を示す図である。
図15は、実施の形態2に係るモータ駆動制御システム100Aの構成を示す図である。
実施の形態2に係るモータ駆動制御システム100Aにおいて、ファン5とモータ駆動制御装置1Aとは、実施の形態1に係るモータ駆動制御システム100と同様に、一つのファンユニット101Aを構成している。
実施の形態2に係るモータ駆動制御装置1Aは、検出した巻線中点検出電圧Vsの値を補正する点において、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1と相違する。具体的には、駆動制御回路20Aは、モータ3の実回転速度に応じて巻線中点検出電圧Vsの値を補正し、補正後の巻線中点検出電圧Vsの値に基づいて、モータ3が第1の異常な状態または第2の異常な状態であるか否かを判定する。
図16は、実施の形態2に係る、モータが正常状態での異常判定処理時の信号波形の一例を示すタイミングチャートである。
図16には、モータ3が惰性回転している状態において駆動制御回路20Aの動作モードが異常判定モードに移行した場合の各信号の波形が示されている。図16において、上から順に、速度指令信号Sc、駆動指令信号Sca、FG信号Fg、制御信号St、インバータ回路12のスイッチ素子Q1~Q4のゲート信号、巻線中点検出電圧Vsの各波形が示されている。また、横軸は時間を表し、縦軸は各信号の電圧を表している。
図16には、巻線中点検出電圧Vsの波形として、正常状態のモータが回転していない状態において駆動制御回路20Aの動作モードが異常判定モードに移行したときの巻線中点検出電圧Vsの波形500と、正常状態のモータが回転している状態(惰性回転)において駆動制御回路20Aの動作モードが異常判定モードに移行したときの巻線中点検出電圧Vsの波形501がそれぞれ示されている。
例えば、図16の時刻T300において、速度指令信号Scが入力されていると判定した場合、駆動制御回路20Aは動作モードを異常判定モードとする。このとき、正常状態のモータ3が回転していなかった場合には、参照符号500(点線)に示すように、第1判定期間(信号遮断あり)において巻線中点検出電圧Vsの大きさは“Vdc×分圧比”となり、第2判定期間(信号遮断なし)において巻線中点検出電圧Vsの大きさは“Vdc/2×分圧比”となる。
一方、図16の時刻T300において、正常状態のモータ3が回転していた場合には、参照符号501に示すように、第1判定期間(信号遮断あり)において巻線中点検出電圧Vsの大きさは“Vdc×分圧比”よりも低くなり、第2判定期間(信号なし)において巻線中点検出電圧Vsの大きさは“Vdc/2×分圧比”より低くなる。
参照符号500の波形と参照符号501の波形との違いは、モータ3の惰性回転によるコイル6の誘起電圧の発生の有無に起因する。コイル6に発生する誘起電圧の大きさは、モータ3の実回転速度に依存するため、回転速度が速くなる程、巻線中点検出電圧Vsが低くなる。
そこで、実施の形態2に係るモータ駆動制御装置1Aでは、モータ3の実回転速度に応じて巻線中点検出電圧Vsの検出値を補正する。
例えば、予め、定格電圧(例えば12.0V)においてモータ3が惰性回転しているときの回転速度(回転数)毎に、信号遮断ありの状態で所定のデューティ比(測定デューティ比)の駆動指令信号Scaを出力したときの巻線中点検出電圧Vsをそれぞれ測定しておく。例えば、モータ3の最大回転数が30000rpmの場合、0rpmから1000rpm毎に31点の測定を行う。そして、測定した回転速度と巻線中点検出電圧Vsとの対応関係から、予期される回転速度あたりの巻線中点検出電圧Vsの電圧降下量を表す近似式(例えば、一次関数)を作成しておく。例えば、モータ3の回転速度と電圧降下量(補正量)との対応関係を示す近似式を補正情報220Aとして駆動制御回路20A内の記憶部(不図示)に記憶しておく。
監視部22Aは、異常判定モードにおいて巻線中点検出電圧Vsを測定するとき、先ず、モータ3の実回転速度を測定する。例えば、第1判定期間の測定期間(測定ステータス)にFG信号Fgに基づいてモータ3の実回転速度を取得する。次に、監視部22Aは、取得した回転速度に対応する電圧降下量を補正情報220Aに基づいて算出する。そして、監視部22Aは、検出した巻線中点検出電圧Vsの値に、補正情報220Aに基づいて算出した電圧降下量を加算することにより、巻線中点検出電圧Vsの値を補正し、補正後の値を巻線中点検出電圧Vsの測定値とする。
第2判定期間においても、監視部22Aは、第1判定期間と同様の手法により、巻線中点検出電圧Vsの値を補正する。ここで、第2判定期間において検出した巻線中点検出電圧Vsの値に加算する電圧降下量は、第1判定期間において加算する電圧降下量の半分(50%)の値である。
なお、モータ3の誘起電圧は回転数に依存するため、電源電圧Vdcからの影響は無視してもよい。また、モータ3の惰性回転時の回転速度が予め設定した閾値未満の場合は、巻線中点検出電圧Vsの補正を行わなくてもよい。第1判定期間(信号遮断あり)と第2判定期間(信号遮断なし)とは、駆動直前と駆動直後の時間間隔が狭いため、モータの惰性回転による影響を同じとしてもよい。
以上、実施の形態2に係るモータ駆動制御装置1Aによれば、モータ3の実回転速度に応じて巻線中点検出電圧Vsの検出値を補正するので、モータの異常な状態の有無をより高精度に判定することが可能となる。
≪実施の形態3≫
図17は、実施の形態3に係るモータ駆動制御システム100Bの構成を示す図である。
図17は、実施の形態3に係るモータ駆動制御システム100Bの構成を示す図である。
実施の形態3に係るモータ駆動制御システム100Bにおいて、ファン5Bとモータ駆動制御装置1Bとは、実施の形態1に係るモータ駆動制御システム100と同様に、一つのファンユニット101Bを構成している。
実施の形態3に係るモータ駆動制御システム100Bは、モータ3Bが2系統のコイル(巻線)6_1,6_2を有し、各コイル6_1,6_2を駆動するためのモータ駆動回路10_1,10_2を有する点において、実施の形態1に係るモータ駆動制御システム100と相違する。
具体的には、モータ駆動制御装置1Bは、コイル6_1,6_2毎に対応して設けられたモータ駆動回路10_1,10_2および検出電圧出力回路24_1,24_2と、駆動制御回路20Bと、電源回路23と、報知回路25とを有している。
モータ駆動回路10_1は、第1系統のコイル6_1を駆動するための回路であり、モータ駆動回路10_2は、第2系統のコイル6_2を駆動するための回路である。
検出電圧出力回路24_1は、コイル6_1の巻線中点検出電圧Vs_1を検出する回路であり、検出電圧出力回路24_2は、コイル6_2の巻線中点検出電圧Vs_2を検出する回路である。
なお、本実施の形態において、各系統に対応するサフィックスが付された各ブロックは、実施の形態1においてサフィックスが付されていない各ブロックと同様の回路構成を有するものとする。例えば、モータ駆動回路10_1,10_2は、実施の形態1に係るモータ駆動回路10と同様の回路構成を有している。
位置検出器7_1は、第1系統のコイル6_1に対応する位置に配置され、位置検出器7_2は、第2系統のコイル6_2に対応する位置に配置されている。位置検出器7_1と位置検出器7_2とは、例えば、相対位置が電気角でπ/2(90度)になる位置にそれぞれ配置されている。
駆動制御回路20Bは、各系統のモータ駆動回路10_1,10_2を個別に制御するとともに、モータ3Bの異常の有無を各系統のコイル6_1,6_2毎に判定する。駆動制御回路20Bの駆動制御部21は、上位装置2からの速度指令信号Scに基づいて、モータ3Bの駆動を指示する駆動指令信号Sca_1,Sca_2を生成し、各モータ駆動回路10_1,10_2にそれぞれ供給する。
駆動制御回路20Bの監視部22Bは、モータ駆動回路10_1およびモータ駆動回路10_2のそれぞれに対して、信号遮断回路13_1,13_2を制御してローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdb_1,Sdb_2の入力を遮断し、且つ駆動指令信号Sca_1,Sca_2を出力した第1判定期間における巻線中点検出電圧Vs_1,Vs_2に基づいて、モータ3Bが第1の異常な状態であるか否かを判定する。
また、駆動制御回路20Bの監視部22Bは、モータ駆動回路10_1,10_2のそれぞれに対して、信号遮断回路13_1,13_2を制御してローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdb_1,Sdb_2の入力を可能にし、且つ駆動指令信号Sca_1,Sca_2を出力した第2判定期間における巻線中点検出電圧Vs_1,Vs_2と、第1判定期間における巻線中点検出電圧Vs_1,Vs_2とに基づいて、モータ3Bが第2の異常な状態であるか否かを判定する。
図18および図19は、実施の形態3に係るモータ駆動制御システム100Bにおける巻線中点検出電圧Vs_1,Vs_2とモータ3Bの状態との関係を示す図である。
監視部22Bは、図18および図19に示す、巻線中点検出電圧Vs_1,Vs_2とモータ3Bの状態との対応関係に基づいて、モータ3Bの異常判定処理を行う。このとき、実施の形態3では、一方の系統が正常状態で、他方の系統が故障状態の場合、実施の形態1とは異なり、正常状態の系統により、故障状態の系統が回転させられることから、信号遮断なしでの巻線中点電圧Vs_1,Vs_2の測定値に影響する。
図20および図21は、実施の形態3に係る、モータ3Bが正常状態と故障状態での異常判定処理時の信号波形の一例を示すタイミングチャートである。図20および図21は、第1系統と第2系統の異常判定処理を同時に行っているが、個別に行っても良い。
図22Aおよび図22Bは、実施の形態3に係る、モータの異常判定処理の流れの一例を示すフローチャートである。
図20において、上から順に、速度指令信号Sc、第1系統の駆動指令信号Sca_1、FG信号Fg_1、制御信号St_1、インバータ回路12_1のスイッチ素子Q1~Q4のゲート信号、第1系統の巻線中点検出電圧Vs_1、第2系統の駆動指令信号Sca_2、FG信号Fg_2、制御信号St_2、インバータ回路12_2のスイッチ素子Q1~Q4のゲート信号、第2系統の巻線中点検出電圧Vs_2の各波形が示されている。第1系統と第2系統の位置検出器が相対位置でずれているため、FG信号Fg_1とFg_2の切り替わりタイミングも同様にずれる。
図21において、上から順に、速度指令信号Sc、第2系統の駆動指令信号Sca_2、FG信号Fg_2、制御信号St_2、インバータ回路12_2のスイッチ素子Q1~Q4のゲート信号、第2系統の巻線中点検出電圧Vs_2の各波形が示されている。また、図20および図21において、横軸は時間を表し、縦軸は各信号の電圧を表している。
なお、図21には、速度指令信号Sc、第1系統の駆動指令信号Sca_1、FG信号Fg_1、制御信号St_1、およびインバータ回路12_1のスイッチ素子Q1~Q4のゲート信号の図示が省略されているが、図20と同一のタイミングでこれらの信号が出力されているものとする。
図20には、巻線中点検出電圧の波形として、モータ3Bの第1系統および第2系統が共に正常であるときの巻線中点検出電圧Vs_1の波形221および巻線中点検出電圧Vs_2の波形222と、モータ3Bの第1系統が正常であり、且つ第2系統のコイル6_2の巻線中点開放故障が発生している場合の巻線中点検出電圧Vs_2の波形223とがそれぞれ示されている。
また、図21には、巻線中点検出電圧の波形として、モータ3Bの第1系統が正常であり、且つ第2系統のヒューズ破損故障時の巻線中点検出電圧Vs_2の波形224と、モータ3Bの第1系統が正常であり、且つ第2系統におけるコイル6_2の通電方向のハイサイドの巻線開放故障(通電方向HS巻線開放故障)が発生している場合の波形225と、モータ3Bの第1系統が正常であり、且つ第2系統におけるコイル6_2の通電方向のローサイドの巻線開放故障(通電方向LS巻線開放故障)が発生している場合の波形226がそれぞれ示されている。
図22Aに示すように、例えば、駆動制御回路20Bが起動すると、実施の形態1に係る駆動制御回路20と同様に、駆動制御回路20Bが初期化処理を実行する(ステップS1B)。
次に、駆動制御回路20Bは、速度指令信号Scが入力されているか否かを判定する(ステップS2B)。例えば、図20および図21の時刻T400において、速度指令信号Scが入力されていると判定した場合(ステップS2B:YES)、駆動制御回路20Bは、動作モードを異常判定モードに移行し(ステップS3B)、第1判定期間が開始される。
第1判定期間において、先ず、駆動制御回路20Bは、例えば、時刻T400において、初期ステータスとなる。次に、例えば、時刻T401において、駆動制御回路20Bは、各系統のモータ駆動回路10_1,10_2への制御信号St_1,St_2を夫々ハイレベルからローベルにして、信号遮断回路13_1,13_2によって各系統のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdb_1,Sdb_2の入力を遮断する(ステップS4B)。
次に、例えば、時刻T402において、駆動制御回路20Bは、待機ステータス(待機期間)となり、所定のデューティ比の駆動指令信号Sca_1,Sca_2を夫々出力する(ステップS5B)。なお、このときの駆動指令信号Sca_1,Sca_2のデューティ比は、実施の形態1の場合と同様に、特に制限はない。
時刻T402において、駆動指令信号Sca_1の入力を検出した制御回路11_1は、駆動指令信号Sca_1のデューティ比と位置検出器7_1からのホール信号Vhp,Vhnとに基づいて、モータ3Bの第1系統のコイル6_1をPWM駆動するための第1駆動制御信号Sda_1および第2駆動制御信号Sdb_1を出力する。制御回路11_2も同様に、モータ3Bの第2系統のコイル6_2をPWM駆動するための第1駆動制御信号Sda_2および第2駆動制御信号Sdb_2を出力する。このとき、信号遮断回路13_1,13_2による信号遮断により、インバータ回路12_1,12_2に電流が流れないため、モータは駆動されず、回転しない。
所定時間の経過後、駆動制御回路20Bは、時刻T403において、待機ステータス(待機期間)から測定ステータス(測定期間)に移行する。測定ステータスにおいて、駆動制御回路20Bの監視部22Bは、実施の形態1に係る監視部22と同様の手法により、時刻T404まで、第1系統の巻線中点検出電圧Vs_1および第2系統の巻線中点検出電圧Vs_2をそれぞれ測定する(ステップS6B)。次に、例えば、時刻T404において、駆動制御回路20Bは、速度指令信号Scに関わらず、駆動指令信号Sca_1,Sca_2の出力を停止し、判定ステータスに移行する。
次に、監視部22Bは、ステップS6Bにおいて測定した巻線中点検出電圧Vs_1,Vs_2の測定値に基づいてモータ3Bの異常の有無を判定する。具体的には、先ず、時刻T404において、ステップS6Bにおいて測定した第1系統の巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と第2系統の巻線中点検出電圧Vs_2の測定値の少なくとも一方が0Vであるか否かを判定する(ステップS7B)。
例えば、モータ3Bの第1系統および第2系統がともに正常である場合には、コイル6_1,6_2の中点の電圧Vm_1,Vm_2が“Vdc”となるため、図20の参照符号221,222に示すように、時刻T404までの第1判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vs_1,Vs_2が夫々“Vdc×分圧比”となり、時刻T414までの第2判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vs_1,Vs_2が夫々“Vdc/2×分圧比”となる。
一方、例えば、第2系統のコイル6_2に巻線中点開放故障が発生している場合には、モータは駆動により回転するが、図20の参照符号223に示すように、時刻T404までの第1判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vs_2が“0V”となり、時刻T414までの第2判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vs_2が“0V”となる。
また、例えば、第2系統のヒューズ破損故障が発生している場合には、図21の参照符号224に示すように、時刻T404までの第1判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vs_2が“0V”となり、時刻T414までの第2判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vs_2が“0V”となる。
更に、第2系統のコイル6_2に通電方向HS巻線開放故障が発生している場合にも、図21の参照符号225に示すように、時刻T404までの第1判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vs_2が“0V”となり、信号遮断なしの場合の時刻T414までの第2判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vs_2が、正常な系統でモータ3Bが回転させられるため、回転に同期して上下に振動して、“Vdc×分圧比”となる。
したがって、信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と巻線中点検出電圧Vs_2の測定値の少なくとも一方が0Vであると判定した場合(ステップS7B:YES)、監視部22Bは、モータ3Bが第1の異常な状態であると判定する(ステップS8B)。すなわち、監視部22Bは、巻線中点検出電圧の測定値が0Vである系統において、ヒューズ破損故障、巻線中点開放故障、通電方向HS巻線開放故障、および通電方向HSFET開放故障の何れかが発生していると判定する。
駆動制御回路20Bは、ステップS8Bにおいてモータ3Bが第1の異常な状態(第1の故障状態)であると判定した場合、故障処理を行う(ステップS9B)。例えば、駆動制御回路20Bは、速度指令信号Scに関わらず、故障を検出した第2系統の駆動指令信号Sca_2をローレベルにして、第2系統のモータ駆動回路10_2による駆動を停止させる。この場合の故障処理は、後述する第2判定期間を開始することなく実行されてもよいし、第2判定期間後に実行されてもよい。
なお、一方の系統で故障が発生している場合、他方の正常な系統でモータ3Bが回転させられるため、故障した系統において通電方向の切り替えが発生する。このため、例えば、通電方向HS巻線開放故障が発生して、第2判定期間前に故障処理を実行する場合は、信号遮断なしの場合の時刻T414までの第2判定期間の測定期間において、図21の参照符号225Aに示されるように、巻線中点検出電圧Vs_2が“0V”となる。
また、第2判定期間後に故障処理を実行する場合は、信号遮断なしの場合の時刻T414までの第2判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vs_2が、正常な系統でモータ3Bが回転させられるため、回転に同期して上下に振動して、“Vdc×分圧比”となり、参照符号225B(点線)に示すように、駆動指令信号Sca_2のオフ(点線)により、時刻T414から、巻線中点検出電圧Vs_2が下降する。なお、通電方向HSFET開放故障が発生している場合は、信号遮断なしの巻線中点検出電圧Vs_2が“0V”となり、信号遮断ありの巻線中点検出電圧Vs_2が、正常な系統でモータ3Bが回転させられるため、回転に同期して上下に振動して、“Vdc/2×分圧比”となる。
巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と巻線中点検出電圧Vs_2の測定値のどちらも0Vでないと判定した場合(ステップS7B:NO)、監視部22Bは、信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と巻線中点検出電圧Vs_2の測定値とが略一致するか否かを判定する(ステップS23B)。
巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と巻線中点検出電圧Vs_2の測定値とが略一致しないと判定した場合(ステップS23B:YES)、監視部22Bは、第1系統と第2系統の何れか一方における通電方向のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4が短絡状態となる故障(通電方向LSFET短絡故障)が発生していると判定する(ステップS24B)。この場合、駆動制御回路20Bは、ステップS9Bに移行し、故障処理を行う。例えば、第1系統が正常で、第2系統において通電方向のローサイドのスイッチ素子が短絡状態となる故障(通電方向LSFET短絡故障)が発生している場合、巻線中点検出電圧Vs_1の測定値が“Vdc×分圧比”、巻線中点検出電圧Vs_2の測定値が“Vdc/2×分圧比”となり、略一致しない。
一方、巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と巻線中点検出電圧Vs_2の測定値とが略一致すると判定した場合(ステップS23B:NO)、監視部22Bは、巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と巻線中点検出電圧Vs_2の測定値の少なくとも一方が低電圧閾値Vth_minより低いか否かを判定する(ステップS10B)。
巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と巻線中点検出電圧Vs_2の測定値の少なくとも一方が低電圧閾値Vth_minより低いと判定した場合(ステップS10B:YES)、監視部22Bは、モータ3Bが低電圧異常状態であると判定する(ステップS11B)。この場合、駆動制御回路20Bは、再びステップS2Bに戻り、低電圧異常状態によりモータの駆動による回転を開始しない。
巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と巻線中点検出電圧Vs_2の測定値のどちらも低電圧閾値Vth_min以上であると判定した場合(ステップS10B:NO)、監視部22Bは、巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と巻線中点検出電圧Vs_2の測定値の少なくとも一方が高電圧閾値Vth_maxより高いか否かを判定する(ステップS12B)。
巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と巻線中点検出電圧Vs_2の測定値の少なくとも一方が高電圧閾値Vth_maxより高いと判定した場合(ステップS12B:YES)、監視部22Bは、モータ3Bが高電圧異常状態であると判定する(ステップS13B)。この場合、駆動制御回路20Bは、再びステップS2Bに戻り、高電圧異常状態によりモータの駆動による回転を開始しない。
なお、低電圧異常状態または高電圧異常状態の場合に、ステップ2Bに戻る処理は、後述する第2判定期間後に実行されてもよい。このとき、図20の参照符号221A,222A(点線)や参照符号221B,222B(点線)に示すように、駆動指令信号Sca_1,Sca_2のオフ(点線)により、時刻T404や時刻T414から、巻線中点検出電圧Vs_1,Vs_2が下降する。
また、このとき、ローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号遮断の有無は特に限定されない。すなわち、駆動制御回路20Bは、制御信号St_1,St_2をローレベルにしてスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdb_1,Sdb_2の入力を遮断してもよい(一点鎖線部)し、制御信号Stをハイレベルにしてスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdb_1,Sdb_2の入力を可能にしてもよい。
一方、巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と巻線中点検出電圧Vs_2の測定値のどちらも高電圧閾値Vth_max以下であると判定した場合(ステップS12B:NO)、監視部22Bは、第2判定期間を開始する。例えば、図20の時刻T410において、第1判定期間が終了し、第2判定期間が開始される。
第2判定期間において、先ず、駆動制御回路20Bは、例えば、時刻T410において、初期ステータスとなる。例えば、初期ステータスにおいて、駆動制御回路20Bは、制御信号St_1,St_2をローベルからハイレベルに切り替えて、第1系統および第2系統のローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdb_1,Sdb_2の入力を可能な状態にする(ステップS14B)。
次に、例えば、時刻T412において、駆動制御回路20Bは、待機ステータス(待機期間)に移行し、所定のデューティ比の駆動指令信号Sca_1,Sca_2を出力する(ステップS15B)。
なお、このときの駆動指令信号Sca_1,Sca_2のデューティ比は、実施の形態1に係るステップS15の場合と同様に、速度指令信号Scに対応したデューティ比であってもよいし、速度指令信号Scによらない予め設定されたデューティ比であってもよい。
時刻T412において、駆動指令信号Sca_1,Sca_2の入力を検出した制御回路11_1,11_2は、モータ3Bのコイル6_1,6_2をPWM駆動するための第1駆動制御信号Sda_1,Sda_2および第2駆動制御信号Sdb_1,Sdb_2をそれぞれ出力する。このとき、インバータ回路12_1,12_2に電流Imが流れる場合は、モータ3Bは駆動され、回転を開始する。
その後、所定時間の経過後、駆動制御回路20Bは、時刻T413において、待機ステータス(待機期間)から測定ステータス(測定期間)に移行する。測定ステータスにおいて、駆動制御回路20Bの監視部22Bは、実施の形態1に係る監視部22と同様の手法により、時刻T414まで、巻線中点検出電圧Vs_1,Vs_2の測定を行う(ステップS16B)。次に、例えば、時刻T414において、駆動制御回路20Bは、判定ステータスに移行する。
次に、監視部22Bは、ステップS16Bにおいて測定した巻線中点検出電圧Vs_1,Vs_2の測定値に基づいてモータ3Bの異常の有無を判定する。具体的には、監視部22Bは、例えば、時刻T414において、ステップS6Bで取得した信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vs_1の測定値とステップS16Bで取得した信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vs_1の測定値とが略一致することと、ステップS6Bで取得した信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vs_2の測定値とステップS16Bで取得した信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vs_2の測定値とが略一致することの少なくとも一方が成立しているか否かを判定する(ステップS17B)。
例えば、第2の異常な状態として、第2系統のコイル6_2の通電方向のローサイドの巻線開放故障(通電方向LS巻線開放故障)が発生している場合には、図21の参照符号226に示すように、信号遮断ありの場合の時刻T404までの第1判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vs_2が“Vdc×分圧比”となり、信号遮断なしの場合の時刻T414までの第2判定期間の測定期間において、巻線中点検出電圧Vs_2が、正常な系統でモータ3Bが回転させられるため、回転に同期して上下に振動して、“Vdc×分圧比”となる。すなわち、信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vs_2の測定値と信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vs_2の測定値とが略一致する。
なお、通電方向のローサイドのスイッチ素子が開放故障(通電方向LSFET開放故障)、または通電方向と反対側のハイサイドのスイッチ素子が短絡故障(非通電方向HSFET短絡故障)の何れかが発生している場合も、同様に、巻線中点検出電圧Vs_2が“Vdc×分圧比”で略一致する。通電方向のローサイドのスイッチ素子が短絡故障(通電方向LSFET短絡故障)を発生している場合は、巻線中点検出電圧Vs_2が“Vdc/2×分圧比”で略一致する。
信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vs_1の測定値とが略一致することと、信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vs_2の測定値と信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vs_2の測定値とが略一致することの少なくとも一方が成立していると判定した場合(ステップS17B:YES)、監視部22Bは、モータ3Bがロータロックではなく、第2の異常な状態、すなわち少なくとも一方の系統のコイルの通電方向のローサイド(LS)が巻線開放故障(通電方向LS巻線開放故障)、通電方向のローサイドのスイッチ素子が開放故障(通電方向LSFET開放故障)、通電方向と反対側のハイサイドのスイッチ素子が短絡故障(非通電方向HSFET短絡故障)、または通電方向のローサイドのスイッチ素子が短絡故障(通電方向LSFET短絡故障)の何れかが発生していると判定する(ステップS18B)。
駆動制御回路20Bは、ステップS18Bにおいてモータ3Bが第2の異常な状態であると判定した場合、故障処理を行う(ステップS19B)。例えば、図20および図21の時刻T420において、駆動制御回路20Bは、速度指令信号Scに対応するデューティ比を有する第1系統の駆動指令信号Sca_1を出力するとともに、速度指令信号Scに関わらず、第2系統の駆動指令信号Sca_2をローレベル(点線部)にする。これにより、制御回路11_1のみによってモータ3BのPWM駆動が行われる。
なお、このとき、図21の参照符号226B(点線)に示すように、駆動指令信号Sca_2のオフ(点線)により、時刻T414から、巻線中点検出電圧Vs_2が下降する。また、故障が検出された第2系統におけるローサイドのスイッチ素子Q3,Q4への信号遮断の有無は特に限定されない。例えば、駆動制御回路20Bは、制御信号St_2をローレベルにしてスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdb_2の入力を遮断してもよい(一点鎖線部)し、制御信号St_2をハイレベルにしてスイッチ素子Q3,Q4への第2駆動制御信号Sdb_2の入力を可能にしてもよい。
ステップS17Bにおいて、信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vs_1の測定値と信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vs_1の測定値とが略一致せず、且つ、信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vs_2の測定値と信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vs_2の測定値とが略一致しないと判定した場合(ステップS17B:NO)、駆動制御回路20Bは、動作モードを異常判定モードから通常駆動モードに移行する(ステップS20B)。
例えば、時刻T420以降において、駆動制御回路20Bは、速度指令信号Scに応じた駆動指令信号Sca_1,Sca_2を出力する。これにより、モータ3Bが速度指令信号Scで指定された回転速度で回転するように、制御回路11_1および制御回路11_2の双方によってモータ3BがPWM駆動される。
以上、実施の形態3に係るモータ駆動制御装置1Bによれば、モータ3Bが2系統のコイル6_1,6_2を有し、制御回路11_1,11_2によって各コイル6_1,6_2が個別に駆動されるシステムにおいても、系統毎にモータの異常な状態を適切に検出することが可能となる。
≪実施の形態の拡張≫
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
以上、本発明者らによってなされた発明を実施の形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、上記実施の形態では、駆動制御回路20(20A,20B)が、巻線中点検出電圧Vs(Vs_1,Vs_2)に基づいて、モータ3,3Bが異常な状態であるか否かを判定する場合を例示したが、巻線中点検出電圧Vsに加えてFG信号Fg(Fg_1,Fg_2)も監視することにより、上述した異常な状態以外の故障を検出することが可能となる。
例えば、実施の形態1に係るモータ駆動制御装置1において、インバータ回路12の通電方向と反対側のハイサイドのスイッチ素子(例えば、図4Aの場合、通電方向(Q1→Q4)と反対側のハイサイドのスイッチ素子Q2)の開放故障(非通電方向HSFET開放故障)が発生しているとき、信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vsが“Vdc×分圧比”、信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vsが“Vdc/2×分圧比”となる。そのため、巻線中点検出電圧Vsを監視するだけでは当該故障を検出することはできない。しかしながら、本故障が発生している場合には、モータ3が回転しないため、FG信号Fgの切り替わりが発生しない。そこで、駆動制御回路20の監視部22は、巻線中点検出電圧Vsの大きさとFG信号Fgの切り替わりの有無を判定することにより、通電方向と反対側のハイサイドのスイッチ素子の開放故障(非通電方向HSFET開放故障)を検出することができる。
同様に、通電方向と反対側のローサイドのスイッチ素子の開放故障(非通電方向LSFET開放故障)、通電方向と反対側のローサイドのスイッチ素子の短絡故障(非通電方向LSFET短絡故障)、および通電方向のハイサイドのスイッチ素子の短絡故障(通電方向HSFET短絡故障)が発生している場合も同様に、信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vsが“Vdc×分圧比”、信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vsが“Vdc/2×分圧比”となるが、FG信号Fgの切り替わりは発生しない。したがって、監視部22は、巻線中点検出電圧Vsの大きさとFG信号Fgの切り替わりの有無を判定することにより、これらの故障も検出することができる。
なお、通電方向のハイサイドのスイッチ素子(図4Aの場合、通電方向(Q1→Q4)のハイサイドのスイッチ素子Q1)の短絡故障(通電方向HSFET短絡故障)、および通電方向と反対側のハイサイドのスイッチ素子(図4Aの場合、通電方向(Q1→Q4)と反対側のハイサイドのスイッチ素子Q2)の短絡故障(非通電方向HSFET短絡故障)が発生している場合、ハイサイドのスイッチ素子がオン/オフの有無に関わらず、巻線中点検出電圧Vsが“Vdc×分圧比”になるため、駆動制御回路20は、巻線中点検出電圧Vsに基づいて当該故障を検出することができる。
また、実施の形態3に係るモータ駆動制御装置1Bにおいても同様に、各系統における巻線中点検出電圧Vsの大きさとFG信号Fg_1,Fg_2の切り替わりの有無を判定することにより、故障を検出することが可能となる。
例えば、通電方向と反対側のハイサイドのスイッチ素子の開放故障(非通電方向HSFET開放故障)、通電方向と反対側のローサイドのスイッチ素子の開放故障(非通電方向LSFET開放故障)、通電方向のハイサイドのスイッチ素子の短絡故障(通電方向HSFET短絡故障)、および通電方向と反対側のローサイドのスイッチ素子の短絡故障(非通電方向LSFET短絡故障)の組み合わせが、第1系統と第2系統の両方で発生している場合、信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vsと信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vsが、モータ3Bが正常である場合と略一致するが、モータ3Bが回転しないため、FG信号Fg_1,Fg_2の切り替わりが発生しない。したがって、駆動制御回路20Bの監視部22Bは、巻線中点検出電圧Vs_1,Vs_2の大きさとFG信号Fg_1,Fg_2の切り替わりの有無を判定することにより、第1系統と第2系統の両方で発生している通電方向と反対側のハイサイドのスイッチ素子の開放故障(非通電方向HSFET開放故障)、通電方向と反対側のローサイドのスイッチ素子の開放故障(非通電方向LSFET開放故障)、通電方向のハイサイドのスイッチ素子の短絡故障(通電方向HSFET短絡故障)、および通電方向と反対側のローサイドのスイッチ素子の短絡故障(非通電方向LSFET短絡故障)を検出することができる。
また、通電方向と反対側のハイサイドのスイッチ素子の開放故障(非通電方向HSFET開放故障)、通電方向と反対側のローサイドのスイッチ素子の開放故障(非通電方向LSFET開放故障)、通電方向のハイサイドのスイッチ素子の短絡故障(通電方向HSFET短絡故障)、および通電方向と反対側のローサイドのスイッチ素子の短絡故障(非通電方向LSFET短絡故障)の何れかが、第1系統または第2系統の一方で発生している場合、正常な状態の他方の系統のモータ駆動回路によってモータ3Bが回転させられる。そのため、信号遮断ありの場合の巻線中点検出電圧Vsと信号遮断なしの場合の巻線中点検出電圧Vsは、モータ3Bが正常な場合と略一致する上に、FG信号Fg_1,Fg_2の切り替わりも発生するため、FG信号Fg_1,Fg_2の切り替わりの有無に基づく故障判定ができない。
しかしながら、モータをオープン制御している場合、一方の系統の回路によってモータを回転させたときのモータ3Bの実回転速度は、モータが正常である場合の回転速度よりも例えば10%以上低くなる。また、モータをフィードバック制御している場合(回転速度のフィードバック)、一方の系統の回路によってモータ3Bを回転させたときの駆動指令信号Sca_1,Sca_2のデューティは、モータが正常である場合のデューティよりも例えば5%以上高くなる。したがって、モータ3Bの実回転速度、すなわちFG信号Fg_1,Fg_2の周波数や駆動指令信号Sca_1,Sca_2のデューティを測定することにより、第1系統と第2系統の何れか一方で発生している通電方向と反対側のハイサイドのスイッチ素子の開放故障(非通電方向HSFET開放故障)、通電方向と反対側のローサイドのスイッチ素子の開放故障(非通電方向LSFET開放故障)、通電方向のハイサイドのスイッチ素子の短絡故障(通電方向HSFET短絡故障)、および通電方向と反対側のローサイドのスイッチ素子の短絡故障(非通電方向LSFET短絡故障)の何れかを検出することが可能となる。
1,1A,1B…モータ駆動制御装置、2…上位装置、3,3B…モータ、4…インペラ(羽根車)、5,5B…ファン(ファンモータ)、6,6_1,6_2…巻線(コイル)、7,7_1,7_2…位置検出器、10,10_1,10_2…モータ駆動回路、11,11_1,11_2…制御回路、12,12_1,12_2…インバータ回路、13,13_1,13_2…信号遮断回路、16,16_1,16_2,17,17_1,17_2…負荷駆動端子、20,20A,20B…駆動制御回路、21…駆動制御部、22,22A,22B…監視部、23…電源回路、24,24_1,24_2…検出電圧出力回路、25…報知回路、100,100A,100B…モータ駆動制御システム、101,101A,101B…ファンユニット、220A…補正情報、240…分圧回路、C1、C2,C21…キャパシタ、F1,F2…ヒューズ、Fg,Fg_1,Fg_2…FG信号、Lp…電源ライン、Pv…電源端子、Pm1…入力端子、Pm2…出力端子、P1…入力端子,P2…出力端子、P3,P4,P6,P5,P7…信号出力端子,P8,P10,P9.P11…信号入力端子、Pd1~Pd4…出力端子、Ps1~Ps5…端子、Q1~Q4,Qc…スイッチ素子、Q11,Q12…遮断用スイッチ素子、Q13,Q14…切替用スイッチ素子、Ra1,Rb1,R21…抵抗,D21…整流素子、Rs…電流検出用抵抗、Sc…速度指令信号、Sca,Sca_1,Sca_2…駆動指令信号、Sda,Sda_1,Sda_2…第1駆動制御信号、Sdb,Sdb_1,Sdb_2…第2駆動制御信号、So…モータ駆動情報信号、St,St_1,St_2…制御信号、VDD、VCC…電源端子、Vdc…電源電圧、Vhn,Vhp…ホール信号(位置検出信号の一例)、Vm,Vm_1,Vm_2…巻線中点電圧、Vmax1…最大値、Vmax2…最大値、Vs,Vs_1,Vs_2…巻線中点検出電圧(検出電圧)、Vth_max…高電圧閾値(第1閾値の一例)、Vth_min…低電圧閾値(第2閾値の一例)。
Claims (12)
- 電源電圧に基づいてモータのコイルに通電する制御を行うモータ駆動回路と、
前記コイルの中点の電圧に応じた検出電圧を生成して出力する検出電圧出力回路と、
前記モータ駆動回路の動作を制御するとともに、前記検出電圧に基づいて前記モータの状態を監視する駆動制御回路と、を備え、
前記モータ駆動回路は、
位置検出信号に基づいて前記コイルの通電方向を決定し、前記駆動制御回路から入力された駆動指令信号に応じたデューティ比を有する第1駆動制御信号と前記位置検出信号に同期した第2駆動制御信号を出力する制御回路と、
前記第1駆動制御信号に基づいて前記コイルを駆動するハイサイドのスイッチ素子と、前記第2駆動制御信号に基づいて前記コイルを駆動するローサイドのスイッチ素子とを含むインバータ回路と、
前記駆動制御回路からの制御に応じて、前記制御回路から前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力と遮断を切り替える信号遮断回路とを有し、
前記駆動制御回路は、前記信号遮断回路を制御して前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力を遮断し、且つ前記駆動指令信号を出力した第1判定期間における前記検出電圧に基づいて、前記モータが第1の異常な状態であるか否かを判定する
モータ駆動制御装置。 - 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
前記駆動制御回路は、前記第1判定期間における前記検出電圧が第1閾値より高い場合に、前記第1の異常な状態として、前記モータに定格電圧範囲より高い電圧が印加されている高電圧異常状態であると判定する
モータ駆動制御装置。 - 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
前記駆動制御回路は、前記第1判定期間における前記検出電圧が第2閾値より低い場合に、前記第1の異常な状態として、前記モータに定格電圧範囲より低い電圧が印加されている低電圧異常状態であると判定する
モータ駆動制御装置。 - 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
前記駆動制御回路は、前記第1判定期間における前記検出電圧がグラウンド電位に相当する電圧である場合に、前記第1の異常な状態として、前記モータを正常に駆動できない第1の故障状態であると判定する
モータ駆動制御装置。 - 請求項1乃至4の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
前記駆動制御回路は、前記信号遮断回路を制御して前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力を可能にし、且つ前記駆動指令信号を出力した第2判定期間における前記検出電圧と、前記第1判定期間における前記検出電圧とに基づいて、前記モータが第2の異常な状態であるか否かを判定する
モータ駆動制御装置。 - 請求項5に記載のモータ駆動制御装置において、
前記駆動制御回路は、前記第1判定期間における前記検出電圧と前記第2判定期間における前記検出電圧とが略一致する場合に、前記第2の異常な状態であると判定する
モータ駆動制御装置。 - 請求項5または6の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
前記駆動制御回路は、前記駆動指令信号により前記コイルを駆動してから所定時間が経過したあとの測定期間における前記検出電圧の最大値に基づいて、前記モータが前記第1の異常な状態または前記第2の異常な状態であるか否かを判定する
モータ駆動制御装置。 - 請求項5乃至7の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置において、
前記駆動制御回路は、前記モータの実回転速度に応じて前記検出電圧の値を補正し、補正後の前記検出電圧の値に基づいて、前記モータが前記第1の異常な状態または前記第2の異常な状態であるか否かを判定する
モータ駆動制御装置。 - 請求項1に記載のモータ駆動制御装置において、
前記モータは、前記コイルとして第1系統のコイルおよび第2系統のコイルを有し、
前記検出電圧出力回路は、前記第1系統のコイルの中点の電圧に応じた第1検出電圧を生成して出力する第1検出電圧出力回路と、前記第2系統のコイルの中点の電圧に応じた第2検出電圧を生成して出力する第2検出電圧出力回路とを含み、
前記モータ駆動回路は、前記電源電圧に基づいて前記第1系統のコイルに通電する制御を行う第1モータ駆動回路と、前記電源電圧に基づいて前記第2系統のコイルに通電する制御を行う第2モータ駆動回路とを含み、
前記第1モータ駆動回路および前記第2モータ駆動回路は、前記制御回路と、前記インバータ回路と、前記信号遮断回路とを夫々有し、
前記駆動制御回路は、前記第1モータ駆動回路および前記第2モータ駆動回路のそれぞれに対して、前記信号遮断回路を制御して前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力を遮断し、且つ前記駆動指令信号を出力した前記第1判定期間における前記第1検出電圧および前記第2検出電圧に基づいて、前記モータが前記第1の異常な状態であるか否かを判定する
モータ駆動制御装置。 - 請求項9に記載のモータ駆動制御装置において、
前記駆動制御回路は、前記第1モータ駆動回路および前記第2モータ駆動回路のそれぞれに対して、前記信号遮断回路を制御して前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力を可能にし、且つ前記駆動指令信号を出力した第2判定期間における前記第1検出電圧および前記第2検出電圧と、前記第1判定期間における前記第1検出電圧および前記第2検出電圧とに基づいて、前記モータが第2の異常な状態であるか否かを判定する
モータ駆動制御装置。 - 請求項1乃至10の何れか一項に記載のモータ駆動制御装置と、
前記モータと、
前記モータの回転力によって回転するインペラと、を備える
ファンユニット。 - 電源電圧に基づいてモータのコイルに通電する制御を行うモータ駆動回路と、前記モータ駆動回路の動作を制御するとともに前記モータの状態を監視する駆動制御回路とを備えるモータ駆動制御装置によるモータ駆動制御方法であって、
前記モータ駆動回路は、位置検出信号に基づいて前記コイルの通電方向を決定し、前記駆動制御回路から入力された駆動指令信号に応じたデューティ比を有する第1駆動制御信号を出力し、前記位置検出信号に同期した第2駆動制御信号を出力する制御回路と、前記第1駆動制御信号に基づいて前記コイルを駆動するハイサイドのスイッチ素子と前記第2駆動制御信号に基づいて前記コイルを駆動するローサイドのスイッチ素子とを含むインバータ回路とを含み、
前記駆動制御回路が前記モータの状態を監視するステップとして、
前記ローサイドのスイッチ素子への前記第2駆動制御信号の入力を遮断し、且つ前記駆動指令信号を出力した第1判定期間において、前記コイルの中点の電圧に応じた検出電圧を検出する第1ステップと、
前記第1ステップにおいて検出した前記検出電圧に基づいて、前記モータが第1の異常な状態であるか否かを判定する第2ステップと、を含む
モータ駆動制御方法。
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