JP2023068938A - インテークマニホールド - Google Patents
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Abstract
【課題】サージタンクから逆流したガスに含まれる水分に起因してスロットル装置が凍結することを防止する。【解決手段】インテークマニホールド10は、スロットル装置からの吸気が導入される開口である吸気導入口18、及び吸気以外のガスが導入される開口であるガス導入口19を有するサージタンク11と、サージタンク11から分岐した複数の分岐通路と、ガス導入口19に接続しているガス通路と、サージタンク11のタンク本体12の内部に位置し、タンク本体12の外壁12aから突出する第1仕切壁31及び第2仕切壁32とを有する。第1仕切壁31及び第2仕切壁32は、吸気導入口18とガス導入口19との間に位置している。第1仕切壁31及び第2仕切壁32の材質は、タンク本体12の外壁12aよりも熱伝導率の高い材質である。【選択図】図5
Description
この発明は、インテークマニホールドに関する。
特許文献1に開示された内燃機関の吸気構造は、サージタンク、複数の分岐通路、スロットル装置、及びPCVパイプを有する。サージタンクは、略筒状である。スロットル装置は、スロットルボディと、当該スロットルボディの内部に位置するスロットルバルブとを有する。スロットルボディは、サージタンクに接続している。スロットルバルブは、サージタンクの内部に導入する吸気の量を調整する。複数の分岐通路は、サージタンクから分岐して内燃機関の各気筒に接続している。PCVパイプは、サージタンクの内部で開口している。PCVパイプは、内燃機関のブローバイガスをサージタンクに導入する。
特許文献1のように、サージタンクの内部にブローバイガスを導入する技術において、ブローバイガスがスロットル装置に逆流することがある。ここで、ブローバイガスは、水分を含んでいる。このことから、ブローバイガスがスロットル装置に逆流した際、ブローバイガスに含まれる水分が、スロットルボディの壁面、及びスロットルバルブで凝縮して水滴になり得る。この状態で内燃機関が停止した場合、外気温が低くなると水滴が凍結する。そして、内燃機関の始動時に、スロットル装置が適切に動作しない可能性がある。
なお、ブローバイガスに限らず、吸気以外のガスがサージタンクの内部に導入され、且つそのガスが水分を含んでいれば、同様の課題が生じる。
上記課題を解決するためのインテークマニホールドは、スロットル装置からの吸気が導入される開口である吸気導入口、及び吸気以外のガスが導入される開口であるガス導入口を有するサージタンクと、前記サージタンクから分岐した複数の分岐通路と、前記ガス導入口に接続しているガス通路と、前記サージタンクの内部に位置し、前記サージタンクの外壁から突出する仕切壁とを有し、前記仕切壁は、前記吸気導入口と前記ガス導入口との間に位置し、前記仕切壁の材質は、前記サージタンクの外壁よりも熱伝導率の高い材質である。
上記構成では、ガス導入口を介してサージタンクの内部に導入されたガスが吸気導入口に向けて逆流した際、ガスは仕切壁に衝突する。ここで、上記構成では、熱伝導率の違いに伴って、サージタンクの外壁に比べて仕切壁のほうが、サージタンクの内部の吸気によって冷却され易い。つまり、仕切壁は、サージタンクの外壁に比べて低温になっている可能性が高い。そのため、ガス導入口から導入されたガスが仕切壁に衝突すると、ガスに含まれる水分は凝縮して水滴になる。つまり、仕切壁は、ガスに含まれる水分を取り除く。この結果、仕切壁に衝突した後のガスは、さほど水分を含まないものになる。このガスが吸気導入口、ひいてはスロットル装置に至ったとしても、ガスに含まれる水分は少ないことから、スロットル装置では水分の凝縮が生じ難い。したがって、スロットル装置の周辺で水分が凍結することを防止できる。
以下、インテークマニホールドの一実施形態を、図面を参照して説明する。
<内燃機関の概略構成>
図1に示すように、車両500は、駆動源となる内燃機関100を有する。内燃機関100は、機関本体90、インテークマニホールド10、スロットル装置80、上流通路97、及び排気通路98を有する。
<内燃機関の概略構成>
図1に示すように、車両500は、駆動源となる内燃機関100を有する。内燃機関100は、機関本体90、インテークマニホールド10、スロットル装置80、上流通路97、及び排気通路98を有する。
機関本体90は、4つの気筒92、クランク室93、及びブローバイガス通路94を有する。なお、図1では、4つの気筒92のうちの1つのみを示している。気筒92は、燃料を燃焼させるための空間であり、筒状である。4つの気筒92は一列に並んでいる。クランク室93は、気筒92と連通した空間である。クランク室93は、筒状の気筒92における一方の端面に繋がっている。図示は省略するが、クランク室93は、クランクシャフトを収容している。ブローバイガス通路94は、気筒92からクランク室93へと漏れ出した燃焼ガスであるブローバイガスが流通する通路である。ブローバイガス通路94は、インテークマニホールド10に接続している。なお、ブローバイガスは、水分を含んでいる。
機関本体90は、気筒92毎の吸気ポート95、及び気筒92毎の排気ポート96を有する。吸気ポート95は、気筒92から延びてインテークマニホールド10に接続している。排気ポート96は、気筒92から延びて、外部に排気を排出する排気通路98に接続している。
インテークマニホールド10は、サージタンク11、4つの分岐通路60、導入通路70、及びガス通路50を有する。なお、図1では、4つの分岐通路60のうちの1つのみを示している。サージタンク11は、一定容量の吸入空気(以下、吸気と記す。)を貯留可能である。分岐通路60は、気筒92毎に設けられている。4つの分岐通路60は、サージタンク11から分岐するとともに、対応する気筒92の吸気ポート95に接続している。導入通路70は、サージタンク11に吸気を導入するための通路である。ガス通路50は、上記のブローバイガス通路94とサージタンク11とを繋いでいる。なお、インテークマニホールド10の詳細は後述する。
スロットル装置80は、スロットルボディ82及びスロットルバルブ84を有する。スロットルボディ82は、筒状である。スロットルボディ82は、インテークマニホールド10と、外部から吸気を取り込む上流通路97との間に位置している。スロットルボディ82は、インテークマニホールド10の導入通路70と、上流通路97との双方に接続している。スロットルバルブ84は、スロットルボディ82の内部に位置している。スロットルバルブ84は、導入通路70を介してサージタンク11に導入する吸気の量を調節する。
<インテークマニホールドの詳細>
図2に示すように、サージタンク11は、タンク本体12を有する。図3及び図4に示すように、タンク本体12は、全体としては両端の塞がれた筒状である。すなわち、図6に示すように、タンク本体12は中空である。タンク本体12の材質は、合成樹脂である。
図2に示すように、サージタンク11は、タンク本体12を有する。図3及び図4に示すように、タンク本体12は、全体としては両端の塞がれた筒状である。すなわち、図6に示すように、タンク本体12は中空である。タンク本体12の材質は、合成樹脂である。
以下では、図2に示すように、タンク本体12の中心軸線に沿う2つの方向のうちの一方を第1X方向、他方を第2X方向と呼称する。また、この中心軸線に直交する特定の仮想軸線を第1軸線としたとき、第1軸線に沿う2つの方向のうちの一方を上方向、他方を下方向と呼称する。また、図3に示すように、タンク本体12の中心軸線、及び第1軸線の双方に直交する仮想軸線を第2軸線としたとき、第2軸線に沿う2つの方向のうちの一方を第1Y方向、他方を第2Y方向と呼称する。インテークマニホールド10が機関本体90に取り付けられた状態において、第1X方向及び第2X方向は、機関本体90における4つの気筒92が並ぶ軸と平行である。また、上方向は、機関本体90の上方向、及び車両500の上方向と概ね一致している。機関本体90の上方向は、気筒92の中心軸線に沿う2つの方向のうち、クランク室93から視て気筒92が位置する方向である。また、第1Y方向は、インテークマニホールド10から視て機関本体90が位置している方向である。上記の各方向の定義に加えて、以下では、例えば上方向側のように、方向に側を併記することがある。ここで、ある位置から視た上方向側とは、その位置を通る第1軸線上のみならず、その位置よりも上に存在する全ての領域のことを指す。ここでは上方向を例にして説明したが、他の方向についても同様である。
図4及び図6に示すように、サージタンク11は、タンク本体12の内部に吸気を導入する吸気導入口18を有する。吸気導入口18は、タンク本体12における、第1X方向の端の外壁12aに設けられた開口である。吸気導入口18は、タンク本体12の内部と、後で詳述する導入通路70とを連通している。図3及び図5に示すように、吸気導入口18は、タンク本体12の中心軸線に対して第1Y方向側に寄っている。
図4及び図6に示すように、サージタンク11は、タンク本体12の内部にブローバイガスを導入するガス導入口19を有する。ガス導入口19は、タンク本体12における、その中心軸線から視て上方向側に位置する外壁12aに設けられた開口である。ガス導入口19は、タンク本体12の内部と、後で詳述するガス通路50とを連通している。
図4及び図6に示すように、導入通路70は、筒状である。導入通路70は、第2X方向に向かうほど下方向側に位置している。図5に示すように、導入通路70は、第2X方向に向かうほど第1Y方向側に位置している。導入通路70における第2X方向の端は、上記の吸気導入口18に接続している。導入通路70は、第1X方向の端に、径方向外側に張り出したフランジ71を有する。図2に示すように、導入通路70は、フランジ71を介してスロットルボディ82に接続している。なお、図4~図6では、スロットルボディ82の図示を省略している。
図2に示すように、4つの分岐通路60は、第2X方向に向けて順に並んでいる。以下では、これら4つの分岐通路60を個別に説明するときは、導入通路70に近いものから第2X方向に向けて順に、第1分岐通路60A、第2分岐通路60B、第3分岐通路60C、及び第4分岐通路60Dと呼称する。また、これら4つを総称して説明するとは、単に分岐通路60と呼称する。
図3に示すように、第1X方向を向いてインテークマニホールド10を平面視したとき、分岐通路60は、タンク本体12を囲むように円弧状に湾曲している。本実施形態では、分岐通路60の円孤の内周側の壁部のうちの大部分をタンク本体12の外壁12aが兼ねている。そして、タンク本体12の外壁12aを含む環状の壁部が連続して続くことで分岐通路60が形成されている。
分岐通路60の上流端61は、タンク本体12の外壁12aのうち、タンク本体12の中心軸線から視て下方向側、且つ中心軸線から視て第1Y方向側の部分に接続している。図3及び図5に示すように、分岐通路60の上流端61は、タンク本体12の内部に開口している。図3に示すように、分岐通路60は、その上流端61からつぎのように延びている。すなわち、分岐通路60は、タンク本体12から視て下方向側、及び第2Y方向側を順に経て、タンク本体12から視て上方向側へと至っている。図2及び図4に示すように、分岐通路60の下流端62近傍では、隣り合う分岐通路60の壁部が繋がって一体になっている。そして、各分岐通路60の下流側の端面65が、同一平面上に位置している。図3に示すように、分岐通路60の端面65は、機関本体90に固定されている。それにより、分岐通路60の下流端62は、吸気ポート95に接続している。
図3及び図4に示すように、ガス通路50は、タンク本体12の外壁12aに区画された貫通孔である。ガス通路50は、分岐通路60の下流側の端面65に開口している。すなわち、図2に示すように、ガス通路50の上流端は、上記端面65上に位置している。ガス通路50の上流端は、機関本体90のブローバイガス通路94に接続している。図3及び図4に示すように、ガス通路50は、上記端面65から、分岐通路60の壁部を経て、タンク本体12における、その中心軸線から視て上方向側の外壁12aへと延びている。そして、ガス通路50は、サージタンク11の上記ガス導入口19に接続している。なお、図4に示すように、ガス導入口19は、第2X方向において第3分岐通路60Cと第4分岐通路60Dとの間に位置している。
<仕切壁>
図6に示すように、インテークマニホールド10は、第1仕切壁31及び第2仕切壁32を有する。なお、以下では、これら2つを総称して説明するときは、これらを単に仕切壁と呼称する。
図6に示すように、インテークマニホールド10は、第1仕切壁31及び第2仕切壁32を有する。なお、以下では、これら2つを総称して説明するときは、これらを単に仕切壁と呼称する。
図3に示すように、仕切壁の材質は、アルミニウム合金である。すなわち、仕切壁の材質は、タンク本体12よりも熱伝導率の高い材質である。仕切壁は、矩形の平板状である。
図3及び図5に示すように、第1仕切壁31は、タンク本体12の中心軸線に対して第2Y方向側に寄った位置に存在している。第1仕切壁31の主面は、第1X方向及び第2X方向を向いている。なお、主面とは、板状の物体の外面のうち、最も面積の大きい面のことである。第1仕切壁31は、タンク本体12における、その中心軸線から視て第2Y方向側に位置する外壁12aを貫通している。すなわち、第1仕切壁31は、タンク本体12の内部に位置する第1部分31aと、タンク本体12の外部に位置する第2部分31bとを有する。第1仕切壁31が上記外壁12aを貫通していることから、第1部分31aは上記外壁12aからタンク本体12の内部に向けて第1Y方向側へ突出している。また、第2部分32bは上記外壁12aからタンク本体12の外部に向けて第2Y方向側へ突出している。
図4に示すように、第1部分31aは、タンク本体12の内部において吸気導入口18とガス導入口19との間に位置している。詳細には、第1部分31aは、第2X方向において、第2分岐通路60Bと第3分岐通路60Cとの間に位置している。図3及び図4に示すように、第1部分31aの上縁は、タンク本体12における、その中心軸線から視て上方向側に位置する外壁12aに至っている。第1部分31aの下縁は、タンク本体12における、その中心軸線から視て下方向側に位置する外壁12aに至っている。図3及び図5に示すように、第1部分31aは、吸気導入口18から視て第2Y方向側に位置している。すなわち、図3に示すように、第1X方向を向いてインテークマニホールド10を平面視したとき、第1部分31aは、吸気導入口18と重複しない位置にある。また、第1部分31aの全体は、分岐通路60の上流端61から視て上方向側に位置している。
図5に示すように、第2部分31bは、タンク本体12の外部において第2分岐通路60Bの壁部と第3分岐通路60Cの壁部との間を通っている。第2部分31bとこれらの通路の壁部との間には隙間が存在している。第2部分31bの一部は、第1分岐通路60A及び第2分岐通路60Bから視て第2Y方向側に位置している。すなわち、図3に示すように、第1X方向を向いてインテークマニホールド10を平面視したとき、第2部分31bの一部は、第1分岐通路60A及び第2分岐通路60Bから視て第2Y方向側にはみ出している。
図5に示すように、第2仕切壁32は、第1仕切壁31と同様、タンク本体12の内部に位置している第1部分32aと、タンク本体12の外部に位置している第2部分32bとを有する。第2仕切壁32は、以下の点を除いて第1仕切壁31と同じ配置にある。すなわち、第2仕切壁32は、第2X方向において第1分岐通路60Aと第2分岐通路60Bとの間に位置している。この点を除いて第2仕切壁32の配置は第1仕切壁31と同じであることから、第2仕切壁32の詳細については説明を割愛する。
なお、インテークマニホールド10は、予め別体として製造された複数のピースを一つに結合したものである。例えば、サージタンク11を構成するピース(以下、第1ピースと呼称する。)と、分岐通路60のうち、タンク本体12の中心軸線から視て第2Y方向側の部分を構成するピース(以下、第2ピースと呼称する。)とは、別体で製造してある。第1仕切壁31及び第2仕切壁32は、第1ピースと第2ピースとを結合する前の段階で第1ピースに一体に設けたものである。その第1ピースに対して第2ピースを結合することでインテークマニホールド10が作製されている。なお、ここでは、2つのピースのみ説明したが、例えばサージタンク11そのものも複数のピースで構成されている。
<実施形態の作用>
スロットル装置80が送り出した吸気は、導入通路70を介してタンク本体12の内部に流入する。上記のとおり、導入通路70は、第2X方向に向かうにしたがって下方向側、且つ第1Y方向側に位置するように延びている。こうした導入通路70からタンク本体12の内部に流入した吸気は、図4の矢印P1で示すように、タンク本体12の内部における下方向寄りの部分に向かう。また、図5の矢印P1で示すように、吸気は、タンク本体12の内部における第1Y方向寄りの部分に向かう。そして、吸気は、図4及び図5の矢印P2で示すように、タンク本体12の内部における下方向寄り、且つ第1Y方向寄りの部分を第2X方向側へと流れる。吸気の一部は、タンク本体12の内部に開口している分岐通路60の上流端61から分岐通路60に流入する。分岐通路60に流入した吸気は、吸気ポート95を介して気筒92へと至る。
スロットル装置80が送り出した吸気は、導入通路70を介してタンク本体12の内部に流入する。上記のとおり、導入通路70は、第2X方向に向かうにしたがって下方向側、且つ第1Y方向側に位置するように延びている。こうした導入通路70からタンク本体12の内部に流入した吸気は、図4の矢印P1で示すように、タンク本体12の内部における下方向寄りの部分に向かう。また、図5の矢印P1で示すように、吸気は、タンク本体12の内部における第1Y方向寄りの部分に向かう。そして、吸気は、図4及び図5の矢印P2で示すように、タンク本体12の内部における下方向寄り、且つ第1Y方向寄りの部分を第2X方向側へと流れる。吸気の一部は、タンク本体12の内部に開口している分岐通路60の上流端61から分岐通路60に流入する。分岐通路60に流入した吸気は、吸気ポート95を介して気筒92へと至る。
図5に示すように、導入通路70からタンク本体12の内部に流入した吸気のうち、分岐通路60に流入しなかった吸気は、タンク本体12の内部における下方向寄りの部分を周回する。具体的には、分岐通路60に流入しなかった吸気は、第2X方向側に流れてタンク本体12の外壁12aまで至ると、図5の矢印P3で示すように、第2Y方向側へと流れる。さらに、第2Y方向側へと流れる吸気は、タンク本体12の外壁12aに至ると、図5の矢印P4で示すように、第1X方向側へ流れる。そして、吸気は、吸気導入口18へ向かう。この吸気の一部は、導入通路70に逆流し、さらにスロットルボディ82へと至る。なお、スロットルバルブ84の開閉時の負圧の発生等に応じて吸気に脈動が生じることがある。タンク本体12の内部における上記の吸気の周回に、吸気の脈動が重畳すると、導入通路70に逆流する吸気の量が多くなる。
さて、ブローバイガスは、機関本体90のブローバイガス通路94からインテークマニホールド10のガス通路50に至る。そして、ガス通路50を流れるブローバイガスは、図4の矢印Q1で示すように、ガス導入口19を通じてタンク本体12の内部に流入する。ガス導入口19は、第2X方向において第3分岐通路60Cと第4分岐通路60Dとの間に位置している。このことから、ブローバイガスは、タンク本体12の内部における第2X方向寄りの部分に流入する。図5の矢印Q2で示すように、タンク本体12の内部に流入したブローバイガスは、タンク本体12の内部を周回する吸気の流れと共に第1X方向側に流れて吸気導入口18へと向かう。なお、図5では、ガス導入口19の概略的な位置を二点鎖線で示している。
上記のとおり、ガス導入口19と吸気導入口18との間には、第1仕切壁31と第2仕切壁32とが存在している。そのため、ガス導入口19から流出して矢印Q2で示すように第1X方向側に流れるブローバイガスは、これらの仕切壁に衝突する。具体的には、ブローバイガスは、先ず第1仕切壁31の第1部分31aに衝突する。ここで、第1仕切壁31の材質は、タンク本体12の外壁12aよりも熱伝導率の高い材質である。そのため、第1仕切壁31の第1部分31aは、タンク本体12の内部に充満する吸気によって冷やされ易い。つまり、第1仕切壁31の第1部分31aは、タンク本体12の外壁12aに比べて低温になっている可能性が高い。そのため、ブローバイガスが第1仕切壁31の第1部分31aに衝突すると、当該ブローバイガスに含まれる水分は第1部分31aで凝縮して水滴となる。これにより、ブローバイガスに含まれる水分の一部が取り除かれる。そして、第1仕切壁31の第1部分31aに衝突した後のブローバイガスは、衝突する前よりも水分が少なくなる。
この後、図5の矢印Q3で示すように、ブローバイガスはさらに第1X方向側に流れる。そして、ブローバイガスの一部は、第2仕切壁32の第1部分32aに衝突する。ブローバイガスが第2仕切壁32の第1部分32aに衝突すると、第1仕切壁31の場合と同様、ブローバイガスに含まれる水分が凝縮して水滴となる。したがって、第2仕切壁32の第1部分32aでも、ブローバイガスから水分が取り除かれる。そして、第2仕切壁32の第1部分32aに衝突した後のブローバイガスは、相当に水分が少なくなる。このブローバイガスの一部は、図5の矢印Q4で示すように、吸気とともに導入通路70に逆流する。
なお、第1仕切壁31の第1部分31aで凝縮した水滴は、その壁面を下方向側へ流下する。この水滴は、分岐通路60に流入し、吸気とともに吸気ポート95さらには気筒92へと至る。第2仕切壁32の第1部分32aで凝縮した水滴についても同様である。
<実施形態の効果>
(1)本実施形態では、タンク本体12の内部においてガス導入口19と吸気導入口18との間に、タンク本体12の外壁12aよりも熱伝達率の高い仕切壁が存在している。上記作用に記載したとおり、仕切壁は、ブローバイガスがガス導入口19から吸気導入口18に至る途中で当該ブローバイガスに含まれる水分を凝縮させてブローバイガスから水分を取り除く。したがって、ブローバイガスが導入通路70に逆流してスロットル装置80に至ったとしても、ブローバイガスに含まれる水分が少ないことからスロットル装置80では凝縮が生じ難い。したがって、スロットル装置80の凍結を防止できる。
(1)本実施形態では、タンク本体12の内部においてガス導入口19と吸気導入口18との間に、タンク本体12の外壁12aよりも熱伝達率の高い仕切壁が存在している。上記作用に記載したとおり、仕切壁は、ブローバイガスがガス導入口19から吸気導入口18に至る途中で当該ブローバイガスに含まれる水分を凝縮させてブローバイガスから水分を取り除く。したがって、ブローバイガスが導入通路70に逆流してスロットル装置80に至ったとしても、ブローバイガスに含まれる水分が少ないことからスロットル装置80では凝縮が生じ難い。したがって、スロットル装置80の凍結を防止できる。
(2)本実施形態において、仕切壁の第2部分は、タンク本体12の外部に位置している。この第2部分は、外気に晒される。その上、第2部分の一部は、第1X方向を向いてインテークマニホールド10を平面視したとき、分岐通路60からはみ出している。したがって、第2部分の一部は、通気のよい場所に位置している。そのため、第2部分は、外気によって効率よく冷やされて低温になる。つまり、仕切壁の第1部分の熱を、第2部分を介して外部に効率よく放熱できる。これに伴い、仕切壁の第1部分が低温になる。したがって、仕切壁がタンク本体12の内部にのみ存在してる場合に比べ、仕切壁は、ブローバイガスに含まれる水分を凝縮させ易い。つまり、第1部分と第2部分との双方を有する本実施形態の構成では、ブローバイガスからより効果的に水分を取り除くことができる。
(3)本実施形態では、第1仕切壁31と第2仕切壁32という2つの仕切壁が存在している。そのため、第1仕切壁31の第1部分31aでブローバイガスから取り除きれなかった水分を、第2仕切壁32の第1部分32aで取り除くことができる。このように、複数の仕切壁が存在していることで、ブローバイガスからより効果的に水分を除去できる。
(4)本実施形態では、第1仕切壁31及び第2仕切壁32から視て下方向側に、分岐通路60の上流端61が位置している。したがって、第1仕切壁31及び第2仕切壁32で凝縮した水分が、自重により分岐通路60に流れ込みやすい。
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・仕切壁の数は、上記実施形態の例に限定されない。ガス導入口19と吸気導入口18との間に少なくとも1つ仕切壁が存在していれば、その仕切壁によって、ガス導入口19から吸気導入口18に向かうブローバイガスから水分を取り除くことができる。すなわち、仕切壁は、1つ以上存在していればよい。
・タンク本体12の内部において、仕切壁の第1部分の存在範囲は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、第1Y方向における、仕切壁の第1部分と吸気導入口18との位置関係を上記実施形態の例から変更してもよい。すなわち、第1X方向を向いてインテークマニホールド10を平面視したとき、第1部分と吸気導入口18とが一部重なっていてもよい。この場合でも、上記平面視で第1部分と吸気導入口18とが重複する面積がさほど大きくなければ、吸気導入口18から第2X方向側に流れる吸気の流れを第1部分が遮ることもない。
・仕切壁の第1部分の上縁の位置を上記実施形態の例から変更してもよい。すなわち、第1部分の上縁は、タンク本体12の外壁12aに至っていなくてもよい。ここで、上記実施形態では、導入通路70の構成との関連で、導入通路70からタンク本体12の内部に流入した吸気は、タンク本体12の内部における下方向寄りの部分を周回していた。そして、それに伴い、ブローバイガスも、タンク本体12の内部における下方向寄りの部分を吸気導入口18に向けて流れていた。この場合、タンク本体12の内部において、その下方向寄りの部分に仕切壁の第1部分が存在していれば、ブローバイガスを第1部分に衝突させることができる。つまり、第1部分の上縁とタンク本体12の外壁12aとの間に隙間が存在していても、ブローバイガスを第1部分に衝突させる上で何ら問題はない。ブローバイガスを第1部分に衝突させることができる範囲であれば、第1部分の上縁の位置を適宜変更してよい。
・仕切壁の第1部分の下縁の位置を上記実施形態の例から変更してもよい。例えば、この後の変更例に記載するとおり、導入通路70の構成を変更することに伴い、導入通路70からタンク本体12の内部に流入した吸気が、タンク本体12の内部における上方向寄りの部分を周回することもある。そして、それに伴い、ブローバイガスが、タンク本体12の内部における上方向寄りの部分を吸気導入口18に向けて流れることがある。この場合、タンク本体12の内部において、その上方向寄りの部分に仕切壁の第1部分が存在していれば、ブローバイガスを第1部分に衝突させることができる。したがって、この場合、ブローバイガスを第1部分に衝突させることができる範囲で、第1部分の下縁の位置を適宜変更してよい。
・この後の変更例に記載するとおり、タンク本体12、分岐通路60等、インテークマニホールド10の全体構成は、上記実施形態のものから変更可能である。インテークマニホールド10の構造によっては、第1X方向を向いて当該インテークマニホールド10を平面視したとき、仕切壁の第1部分の一部が、分岐通路60の上流端61から視て下方向側に位置していてもよい。この場合、第1部分で凝縮した水分がタンク本体12の底面に溜まることがあるが、その量が過度に多くなければ、水分は徐々に揮発していって吸気の流れに従い分岐通路60へと流入する。
・上記の変更例に記載したとおり、仕切壁の第1部分は、ブローバイガスを衝突させることができる範囲に存在していればよい。ブローバイガスを第1部分に衝突させることができるのであれば、第1部分の存在範囲、配置、形状は問わない。形状に関していえば、例えば、板状の第1部分の外縁に凹凸が存在していてもよい。また、第1部分は、平板でなくてもよく、例えば湾曲した板であってもよい。また、第1部分の厚みが途中で変化していてもよい。さらに、第1部分は、板状でなくてもよく、例えば立方体のような塊であってもよい。複数の仕切壁を設ける場合、仕切壁毎に第1部分の形状を変えてもよい。こうした形状の変化に伴って、第1部分の配置、及び存在範囲も変わってくる。
・仕切壁の第2部分の存在範囲、配置、形状は、上記実施形態の例に限定されない。第2部分は、第1部分とは形状、厚み等の各種構成が異なっていてもよい。第2部分の存在範囲、配置、形状に拘わらず、第2部分が存在してさえいれば、より効果的に仕切壁全体を冷却できる。
・仕切壁の第2部分を廃止してもよい。第2部分が存在しなくても、第1部分が存在してさえいれば、第1部分でブローバイガスの水分を凝縮させることができる。
・仕切壁の材質は、上記実施形態の例に限定されない。仕切壁の材質は、タンク本体12の外壁12aの材質に比べて熱伝導率の高いのものであればよい。
・仕切壁の材質は、上記実施形態の例に限定されない。仕切壁の材質は、タンク本体12の外壁12aの材質に比べて熱伝導率の高いのものであればよい。
・導入通路70の構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、導入通路70は、第2X方向に向かうほど上方向側に位置するように延びていてもよい。この場合、上記の変更例に記載したとおり、導入通路70からタンク本体12の内部に流入した吸気は、タンク本体12の内部における上方向寄りの部分を周回することになる。導入通路70は、スロットル装置80からの吸気をタンク本体12の内部に導入できる通路として構成されていればよい。
・導入通路70を廃止してもよい。そして、スロットルボディ82を吸気導入口18に直接接続してもよい。
・ガス通路50の構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、上記実施形態のようにガス通路50を貫通孔で構成する場合において、ガス通路50の経路を上記実施形態の例から変更してもよい。また、ガス通路は、貫通孔ではなく、例えばパイプで構成されていてもよい。ガス通路は、吸気以外のガスを流通させることができ、且つガス導入口19に接続していればよい。
・ガス通路50の構成は、上記実施形態の例に限定されない。例えば、上記実施形態のようにガス通路50を貫通孔で構成する場合において、ガス通路50の経路を上記実施形態の例から変更してもよい。また、ガス通路は、貫通孔ではなく、例えばパイプで構成されていてもよい。ガス通路は、吸気以外のガスを流通させることができ、且つガス導入口19に接続していればよい。
・ガス通路に流通させるガスは、ブローバイガスに限定されない。ガス通路に流通させるガスが吸気以外のガスであって且つ水分を含んでいるものであれば、上記実施形態と同様、仕切壁によってそのガスから水分を取り除くことができる。そして、それによってスロットル装置80の凍結を防止できる。ガス通路に流通させるガスは、例えば、排気でもよい。すなわち、排気を再循環させて吸気とともに気筒92に取り込む場合において、その再循環させる排気を、ガス通路を介してタンク本体12の内部に導入してもよい。この場合、機関本体90に設けられる排気再循環用の通路の配置に合わせてガス通路の経路、配置等を適宜設計すればよい。
・ガス導入口19の位置は、上記実施形態の例に限定されない。ガス導入口19は、例えば、第2X方向において第2分岐通路60Bと第3分岐通路60Cとの間に位置していてもよい。ガス導入口19は、例えば、タンク本体12における第2X方向の端の外壁12aに位置していてもよい。タンク本体12の内部にブローバイガスを導入できるのであれば、ガス導入口19の位置は問わない。
・吸気導入口18の位置は、上記実施形態の例に限定されない。吸気導入口18の位置に拘わらず、吸気導入口18が存在していれば、タンク本体12の内部に吸気を導入できる。
・タンク本体12の構成は、上記実施形態の例に限定されない。すなわち、タンク本体の形状、材質等は、上記実施形態の例から変更可能である。タンク本体は、内部に吸気を貯留できればよい。
・分岐通路60の構成は、上記実施形態の例に限定されない。分岐通路は、タンク本体の外壁とは独立した筒状の通路であってもよい。分岐通路は、タンク本体を囲むように湾曲していなくてもよく、直線状に延びていてもよい。分岐通路は、機関本体のレイアウト等との兼ね合いで適切な形状に設計すればよい。分岐通路は、サージタンクから複数に分岐していて、サージタンクの吸気を複数の気筒に分配できればよい。ただし、仕切壁で凝縮した水分を吸気とともに分岐通路に流入させる上では、サージタンクに対して下方向側から分岐通路が接続していることが好ましい。
・分岐通路60の数は、上記実施形態の例に限定されない。分岐通路60の数は、気筒92の数に合わせて変更すればよい。
・気筒92の数は、上記実施形態の例に限定されない。
・気筒92の数は、上記実施形態の例に限定されない。
10…インテークマニホールド
11…サージタンク
12…タンク本体
12a…外壁
18…吸気導入口
19…ガス導入口
31…第1仕切壁
32…第2仕切壁
50…ガス通路
60…分岐通路
80…スロットル装置
11…サージタンク
12…タンク本体
12a…外壁
18…吸気導入口
19…ガス導入口
31…第1仕切壁
32…第2仕切壁
50…ガス通路
60…分岐通路
80…スロットル装置
Claims (1)
- スロットル装置からの吸気が導入される開口である吸気導入口、及び吸気以外のガスが導入される開口であるガス導入口を有するサージタンクと、
前記サージタンクから分岐した複数の分岐通路と、
前記ガス導入口に接続しているガス通路と、
前記サージタンクの内部に位置し、前記サージタンクの外壁から突出する仕切壁とを有し、
前記仕切壁は、前記吸気導入口と前記ガス導入口との間に位置し、前記仕切壁の材質は、前記サージタンクの外壁よりも熱伝導率の高い材質である
インテークマニホールド。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021180402A JP2023068938A (ja) | 2021-11-04 | 2021-11-04 | インテークマニホールド |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2021180402A JP2023068938A (ja) | 2021-11-04 | 2021-11-04 | インテークマニホールド |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2023068938A true JP2023068938A (ja) | 2023-05-18 |
Family
ID=86327908
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2021180402A Pending JP2023068938A (ja) | 2021-11-04 | 2021-11-04 | インテークマニホールド |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2023068938A (ja) |
-
2021
- 2021-11-04 JP JP2021180402A patent/JP2023068938A/ja active Pending
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