JP2023068791A - 熱収縮フィルム用ニス、印刷物、及び積層体 - Google Patents

熱収縮フィルム用ニス、印刷物、及び積層体 Download PDF

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Abstract

【課題】密着性や耐摩擦性等のトップコート層用のニスとしての基本物性を有しつつ、収縮による白化の発生が抑制されたニスを提供することにある。また、該ニスを用いた積層体及び熱収縮ラベルを提供する。【解決手段】 本発明は、バインダー樹脂、ワックス、及び有機溶剤を含有し、バインダー樹脂は、アクリル系樹脂及び繊維素系樹脂を少なくとも含有し、ワックスは、ポリエチレンワックスであり、融点が120℃以下であることを特徴とするニス、及び該ニスを用いた積層体、容器又は包材である。【選択図】なし

Description

グラビア印刷による飲料容器用熱収縮ラベルには収縮スチレンフィルム、収縮ポリエステルフィルム、収縮塩ビフィルム、収縮ポリオレフィンフィルム等が主に使用されている。最近では、焼却処理時のダイオキシン問題など、環境対策の高まりから、収縮塩ビフィルムの使用は減少しており、収縮ポリエステルフィルム、収縮ポリスチレンフィルム、収縮ポリオレフィンフィルムの使用が増加している。収縮ラベルに使用される印刷インキやニスは、これら各種収縮フィルムへの密着性の高いものが求められる。
また、熱収縮フィルムの表面を保護するトップコートニスの場合には、トップコートニスがラベルの最表面設けられることから、高い耐摩耗性を有することが求められる。そのため、一般的に、トップコート層を形成するニスにワックスなどの滑剤を添加することにより、トップコート層の耐摩耗性を向上させている(例えば、特許文献1)。
特開2015-69056号公報
熱収縮フィルムに使用されるニスに求められる課題として、熱収縮時に基材であるフィルムの収縮変形に伴いニスが追従できず、白化が発生するという問題がある。これまで、ワックスを含有するトップコート層用のニスに対しては、白化防止の検討が十分なされていない。
そのため、フィルムに対する密着性や耐摩擦性等のトップコート層用のニスとしての基本物性を有しつつ、収縮による白化の発生が抑制されたニスの開発が求められる。
そこで、本発明の課題は、密着性や耐摩擦性等のトップコート層用のニスとしての基本物性を有しつつ、収縮による白化の発生が抑制されたニスを提供することにある。また、該ニスを用いた積層体及び熱収縮ラベルを提供することにある。
本発明者らは、前記した課題を解決するために鋭意研究を重ね、特にワックスの性能・性質に着目して種々検討した結果、本発明を解決するに至った。
即ち、本発明は、バインダー樹脂、ワックス、及び有機溶剤を含有し、バインダー樹脂は、アクリル系樹脂及び繊維素系樹脂を少なくとも含有し、ワックスは、ポリエチレンワックスであり、融点が120℃以下であるニスである。
また、本発明は、フィルム基材上に、前記ニスを印刷して形成されたトップコート層を有する積層体に関する。
また、本発明は、前記積層体を用いた熱収縮ラベルに関する。
本発明により、フィルムに対する密着性や耐摩擦性等を有しつつ、収縮による白化の発生が抑制されたニスを得られ、熱収縮フィルムのトップコート層を形成するために好適に用いることができる。
<ニス>
本発明のニスは、バインダー樹脂、ワックス、及び有機溶剤を少なくとも含有する。
(バインダー樹脂)
バインダー樹脂は、アクリル系樹脂及び繊維素系樹脂を少なくとも含有する。
アクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルを主成分とする重合性モノマーが共重合したものであれば特段限定されない。重合性モノマーとしては例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n-ブチル(メタ)アクリレート、iso-ブチル(メタ)アクリレート、2-エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n-オクチル(メタ)アクリレート、iso-オクチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、iso-ノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。重合法も特に限定なく公知の塊状重合、溶液重合、乳化重合、懸濁重合法等で得たものを使用することができる。
アクリル樹脂の重量平均分子量は5,000~200,000の範囲内とすることが好ましく、より好ましくは10,000~100,000の範囲内であり、更に好ましくは15,000~100,000の範囲内である。アクリル樹脂の数平均分子量が小さすぎると、得られるニス組成物の耐ブロッキング性、耐薬品性などが低くなる傾向があり、大きすぎる場合には、得られるインキ組成物の粘度が高くなる傾向がある。
また、アクリル樹脂の添加量としては、ニス全量に対し1~40質量%であることが好ましく、さらに好ましくは3.0~35質量%である。
繊維素系樹脂としては、例えばセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートその他のセルロースエステル樹脂、ニトロセルロース(硝化綿ともいう)、ヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキルセルロース等が挙げられる。セルロースエステル樹脂はアルキル基を有することが好ましく、当該アルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基等が挙げられ、更にアルキル基が置換基を有していてもよい。
セルロース系樹脂としては、上記のうちセルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレート、およびニトロセルロースが好ましい。特に好ましくはセルロースアセテートプロピオネート及びニトロセルロースであり、これらを両方含有することが好ましい。分子量としては重量平均分子量で5,000~200,000のものが好ましく、10,000~50,000が更に好ましい。また、ガラス転移温度が120℃~180℃であるものが好ましい。
ニトロセルロース(硝化綿)は、天然セルロースと硝酸とを反応させて、天然セルロース中の無水グルコピラノース基の6員環中の水酸基を、硝酸基に置換した硝酸エステルとして得られるものが好ましい。
繊維素系樹脂の添加量としては、ニス全量に対し0.15~40質量%であることが好ましく、さらに好ましくは1.0~35質量%である。
繊維素系樹脂の固形分割合の全量に対して、セルロースアセテートプロピオネート、セルロースアセテートブチレートその他のセルロースエステル樹脂を50質量%以上含有することが好ましく、60質量%以上含有することが好ましく、70質量%以上含有することが好ましく、80質量%以上含有することが好ましく、90質量%以上含有することが好ましい。
また、繊維素系樹脂としてニトロセルロースを含有することが好ましい。ニトロセルロース(硝化綿)を使用することで、収縮後においても安定した密着性を得られ、また、ニスの沈降性を防止できるるため好適である。前記ニトロセルロース(硝化綿)としては、窒素含有量が8~15質量%、より好ましくは窒素含有量が10~13質量%である。
ニトロセルロース(硝化綿)の添加量としては、インキ全量に対し0.05~20質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1~10質量%である。また、繊維素系樹脂の固形分割合の全量に対して、ニトロセルロースを0.1質量%以上含有することが好ましく、0.5質量%以上含有することが好ましく、1質量%以上含有することが好ましい。一方、繊維素系樹脂の固形分割合の全量に対して、ニトロセルロースを15質量%以下含有することが好ましく、10質量%以下含有することが好ましく、5質量%以下含有することが好ましい。
バインダー樹脂は、アクリル系樹脂及び繊維素系樹脂の両方を含有することが、密着性、耐摩擦性、インキの沈降性抑制の観点から望ましい。アクリル系樹脂と繊維素系樹脂の割合は、アクリル系樹脂及び繊維素系樹脂の総質量に対するアクリル系樹脂の質量割合の下限値をを30質量%以上とすることが好ましく、40質量%以上とすることが好ましく、45質量%以上とすることが好ましく、50質量%以上とすることが好ましい。アクリル系樹脂の下限値を上記範囲とすることにより、収縮後の白化を抑制でき、フィルムへの密着性及び耐摩擦性を向上させることができる。一方、アクリル系樹脂及び繊維素系樹脂の総質量に対するアクリル系樹脂の質量割合の上限値を65質量%以下とすることが好ましく、64質量%以下とすることが好ましく、63質量%以下とすることが好ましい。アクリル系樹脂の下限値を上記範囲とすることにより、収縮前後のフィルムに対する密着性を安定的に向上させると共に、耐摩擦性の向上及び収縮後の白化を抑制できる。
バインダー樹脂は、上記アクリル系樹脂及び繊維素系樹脂以外の樹脂を含有してもよい。他の樹脂を含有する場合、密着性、耐摩擦性、インキ組成物の沈降性防止、収縮後の白化防止の効果を得るために、バインダー樹脂全量に対してアクリル系樹脂及び繊維素系樹脂の割合を80質量%以上とすることが好ましく、85質量%以上とすることが好ましく、90質量%以上とすることが好ましく、95質量%以上とすることが好ましい。
他の樹脂としては、ポリアミド系樹脂、ウレタン系樹脂、塩化ビニル-酢酸ビニル共重合樹脂、塩素化ポリプロピレン樹脂、エチレン-酢酸ビニル共重合体樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂などの塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アルキッド樹脂、ロジン系樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ケトン樹脂、環化ゴム、塩化ゴム、ブチラール、石油樹脂などを挙げることができる。
(ワックス)
ワックスは、ポリエチレンワックスであり、融点が120℃以下のものを用いる。ポリエチレンワックスは、高密度重合型ポリエチレン、低密度重合型ポリエチレン、酸化ポリエチレン、酸変性ポリエチレン、特殊モノマー変性ポリエチレンのいずれのタイプのものを使用してもよいし、これらを併用して使用してもよい。酸変性ポリエチレンは、エチレンの重合時にアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、などの酸性モノマーと共重合されたものが好ましく、特殊モノマー変性ポリエチレンは、エチレンの重合時にアクリル酸エステル、スチレンモノマー、酢酸ビニル等が共重合されたものが好ましい。
本発明で使用するワックスは、融点が120℃以下のものを用いることにより、収縮後の白化を抑制できる。より好ましくは、融点が118℃以下であり、更に好ましくは115℃以下である。一方、融点の下限値は特に限定はないが、80℃以上であることが好ましく、85℃以上であることが好ましい。なお、融点は、示差走査熱量計(DSC)で測定した値である。
また、本発明で使用するワックスは、密度が880~960kg/mの範囲であることが好ましく、890~940kg/mの範囲であることがより好ましく、900~930kg/mの範囲であることが更に好ましい。なお、密度は、JIS K7112法に従って測定した値である。ポリエチレン系ワックスの密度が上記範囲内にあると、耐摩擦性に優れ、また、沈降性に優れた(沈殿の無い)ニスを得られる。
また、本発明で使用するワックスは、JIS K2207に従って測定した針入硬度が30dmm以下であることが好ましく、25dmm以下であることが好ましく、15dmm以下であることがより好ましく、10dmm以下であることが更に好ましい。針入硬度が上記範囲内にあると、硬度を高められ、耐摩擦性を向上させることができる。
ポリエチレンワックスは、例えば、高圧ラジカル法、またはチーグラー系触媒、メタロセン系触媒、フェノキシイミン系触媒等の遷移金属触媒を用いる中低圧法、高分子量のオレフィン系重合体を加熱減成して製造する方法などの一般的なポリエチレンワックスの製造方法により製造されたものを用いることができる。中でも、メタロセン系触媒により製造されたものは、耐摩擦性、収縮後の白化、沈降性のバランスに優れたニスを得られやすいため好ましい。
ワックスの添加量としては、ニス全量に対し0.1~0.5質量%であることが好ましく、さらに好ましくは0.1~0.4質量%である。また、ワックスの添加量は、ニス中の固形分全量に対し1~5質量%であることが好ましく、さらに好ましくは1~2質量%である。
(有機溶剤)
本発明のリキッド印刷インキで使用する有機溶剤としては、特に制限はないが、たとえばトルエン、キシレン、ソルベッソ#100、ソルベッソ#150等の芳香族炭化水素系有機溶剤、ヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素系有機溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ノルマルプロピル、酢酸ブチル、酢酸アミル、ギ酸エチル、プロピオン酸ブチル等のエステル系の各種有機溶剤が挙げられる。また水混和性有機溶剤としてメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール系、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系、エチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、エチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、モノブチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、ジエチレングリコール(モノ,ジ)エチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコール(モノ,ジ)メチルエーテル等のグリコールエーテル系の各種有機溶剤が挙げられる。これらを単独または2種以上を混合しても用いることができる。
尚、印刷時の作業衛生性と包装材料の有害性の両面から、酢酸エチル、酢酸プロピル、イソプロパノール、ノルマルプロパノールなどを使用し、トルエン等の芳香族溶剤やメチルエチルケトン等のケトン系溶剤を使用しない事がより好ましい。
中でも、イソプロピルアルコール/酢酸エチル、またはイソプロピルアルコール/酢酸エチル/メトキシプロパノールの混合液が、基材として延伸ポリスチレンフィルム(OPS)を使用した場合にOPSの溶解を防ぐことができるためより好ましい。また、乾燥調整のためにインキ全量の10質量%未満であればグリコールエーテル類を添加することもできる。
本発明のニスは更に必要に応じて、着色剤、体質顔料、レベリング剤、消泡剤、可塑剤、赤外線吸収剤、紫外線吸収剤、芳香剤、難燃剤なども含むこともできる。着色剤は、公知の顔料や染料を用いることができるが、本発明のニスはトップコート層として用いられることから顔料を含有しないことが好ましい。
本発明のニスは、バインダー樹脂、ワックス、その他必要に応じた添加剤などを有機溶剤中に溶解及び/又は分散することにより製造することができる。ワックスの添加方法としては、公知の方法で添加が可能である。例えば、ワックスを樹脂溶液に練肉分散を行ったものをニス化しても良く、または、ワックスまたはワックスを事前に微粉化した分散体やパウダーを混合して溶剤と混合してニス化してもよい。ワックスを微粉化する方法としては、ワックスを微粉化できる方法であれば特に限定されないが、例えばジェットミル、ボールミルなどを用いて粉砕する方法が挙げられる。なお、ワックスの微粉体を製造するには、粉砕する以外に溶剤を用いた溶融冷却法やスプレー式の造粒など、粉砕以外の造粒方法も使用可能である。いずれの添加方法に於いてもニス中のワックス微粒子の一次平均粒径は0.5μm~15μmの範囲に、さらに好ましくは1~10μmの範囲にあることが望ましい。
前記方法で製造されたニスの粘度は、バインダー樹脂やワックスの沈降を防ぎ、適度に分散させる観点から10mPa・s以上、インキ製造時や印刷時の作業性効率の観点から1000mPa・s以下の範囲であることが好ましい。尚、上記粘度はトキメック社製B型粘度計で25℃において測定された粘度である。ニスの粘度は、使用されるバインダー樹脂、ワックス、有機溶剤などを適宜選択することにより調整することができる。
<基材>
本発明のニスが塗布される基材はプラスチック基材である。プラスチック基材は、プラスチック材料、成形品、フィルム基材、包装材等の基材に使用される基材であればよいが、熱収縮性のプラスチックフィルムに用いることにより、収縮前後の密着性は、収縮後の白化の抑制の効果を得られる。
フィルム基材は、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン46等のポリアミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(以下PETと称する場合がある)、ポリエチレンナフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリトリメチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリブチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂、ポリ乳酸等のポリヒドロキシカルボン酸、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンサクシネート)等の脂肪族ポリエステル系樹脂などの生分解性樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアリレート樹脂又はそれらの混合物等の熱可塑性樹脂よりなるフィルムやこれらの積層体が挙げられるが、中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステル、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレンからなるフィルムが好適に使用できる。
基材フィルムの厚さは特に限定されるものではないが、通常は1~500μmの範囲であればよい。また、基材は単層構造であってもよいし、複数のフィルムが積層された積層構造であってもよい。
また、基材フィルムは、未延伸フィルムでも延伸フィルムでもよく、その製法も限定されるものではないが、熱収縮性のフィルムとして用いる場合は、熱収縮性を発揮する観点から、1軸、2軸または多軸に配向した延伸フィルムであることが好ましい。熱収縮フィルムが積層フィルムの場合には、積層フィルム中の少なくとも1層のフィルム層が配向していることが好ましい。
<積層体>
本発明の積層体は、基材の少なくとも片面側に上述した基材フィルムに上述したニスを塗工することにより設けられる。この際、本発明のニスは、当該ニスを塗工した積層体を使用した容器や包装材とした際に、最表層となる面にコーティングされることが好ましい。
積層体として、フィルム基材には印刷層が施された印刷層を有する積層体も多いが、本発明のニスは、該印刷インキ層を有する基材上にコーティングすることももちろんできる。印刷層の上に本発明のニスを設けることにより、印刷層を衝撃から保護し、衝撃による印刷剥がれ等を抑えることできる。
印刷インキ層に使用される印刷インキには特に限定はなく、オフセット平版インキ、グラビア印刷インキ、フレキソ印刷インキ、インクジェット印刷インキ等の印刷層上にコーティングは可能である。特に、コーティング方法つぃてグラビアロールコーティング(グラビアコーター)、フレキソロールコーティング(フレキソコーター)を使用する場合には、インライン印刷が可能であることからグラビア印刷インキやフレキソ印刷インキと組み合わせることが、工業的に好ましい。
グラビア印刷インキやフレキソ印刷インキは、バインダー樹脂、顔料、溶剤、必要に応じて添加剤からなる印刷インキから形成され、印刷インキ用として公知の材料を用いることができる。
本発明の積層体は、物品に装着し、加熱することで、包装材付き物品を製造することができる。すなわち、円上または角上の物品(容器)の外周に包装材を装着する工程、次いで、加熱することで熱収縮性フィルムを収縮させる工程を有することが好ましい。
包装材を装着する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば、予め包装材を円筒状にし、容器に装着する方法や、容器に積層体の一方の端部を予め貼り付けておき、次いで容器の外周に当該包装材を巻きつけて、包装材の両方の端部を重ねる方法などが挙げられる。
容器としては、例えば、清涼飲料水、酒類、調味料、洗剤、シャンプー、食用油、ソース類、化粧品、医薬品などに使用される容器、ヨーグルト、プリンなどのカップが挙げられる。その他、CDやDVD等のメディアや乾電池単体等の物品、また、これをまとめて束ねる包材包材等が挙げられる。
本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。以下、「部」及び「%」は、いずれも
質量基準によるものとする。
(アクリル系樹脂溶液Acの調整)
固形アクリル樹脂(三菱ケミカル(株)製ダイヤナールBR-90)を酢酸エチルにて攪拌溶解して40%溶液とし、これをアクリル系樹脂溶液Acとした。
(セルロースアセテートプロピオネートCAP樹脂溶液Cの調整)
セルロースアセテートプロピオネートCAP482-0.5(Eastman Che
mical社製)20部に、イソプロピルアルコール/酢酸エチル/酢酸ノルマルプロピ
ル/メチルシクロヘキサン(質量比で25/25/13/10の比率)の混合液を80部
加え、充分混合しセルロースエステル樹脂溶液C1を作製した。
(ニトロセルロース樹脂溶液NCの調整)
工業用硝化綿L1/8(ニトロセルロース、固形分30%、JIS K-6703により溶液濃度25.0%における粘度1.6~2.9%品 太平化学製品株式会社製)43.0部に、イソプロピルアルコール27.0部、酢酸エチル30.0部を加え、充分混合しニトロセルロース樹脂溶液NCを作製した。
ワックスは、以下のワックス1~ワックス10を用いた。
Figure 2023068791000001

〔実施例1〕
得られたアクリル系樹脂溶液Acを26.4部、CAP樹脂溶液Cを32.5部、ニトロセルロース樹脂溶液NCを1部、PEワックス1を0.35部、イソプロピルアルコール(IPA)27部、酢酸エチル12.35部、シリコン系添加剤(ダウ・東レ株式会社製 DOWSIL ACP-1700)0.4部の計100部を混合し、実施例1のニスを作製した。
〔実施例2~12、及び比較例1~2〕
実施例2~12、比較例1~2のニスについて、表2~3の組成に従い、実施例1と同様にニスを作製した。
得られたニスの粘度をイソプロピルアルコール/酢酸エチル=60/40(質量比)の混合溶剤でザーンカップ#3(離合社製)で18秒(25℃)に調整し、以下の評価を行った。
〔評価項目1:沈降性〕
上記のように希釈調整したニスを12時間室温で静置し、沈降具合を目視評価した。
(評価基準)
〇:静置前後で、沈降物がほとんど無い。
△:静置後、わずかに沈降物が見られる。
×:静置後、明らかな沈降物が見られる。
〔積層体の製造方法〕
上記のように希釈調整したニスを版深175L/インチのグラビア版を備えたグラビア校正機により、収縮ポリエステル(PET)フィルム(スペースクリーンS-7053 (東洋紡績社製))及び収縮ポリスチレンフィルム(OPS)(三菱ケミカル社製 DXL270 41S)の静電防止面に印刷して45℃で乾燥し、積層体を得た。
得られた積層体について、以下の評価を行った。
〔評価項目2:耐摩擦性〕
得られた積層体について、株式会社大栄科学精器製作所製 学振型耐摩擦試験機を使用し、ニス塗工部分に荷重2.5N/cmをかけた上質紙で擦り、印刷部分が全体の20%以上擦り取られるまでの擦り回数を基準に、強度を下記の5段階で評価した。
(評価基準)
5:100回以上である。
4:80回以上100回未満である。
3:60回以上80回未満である。
2:40回以上60回未満である。
1:40回未満である。
〔評価項目3:収縮前密着性〕
上記のようにして得られた積層体に対して、ニチバンのセロファンテープ18mm幅を展色面に密着させたのち、セロファンテープを垂直方向に勢いよく引き剥がし、セロファンテープに付着するインキ皮膜の面積比率を目視評価した。
セロファンテープに付着するインキの面積比率30%未満であれば実用可能なレベルと判断できるが、よりセロファンテープに付着しない方が望ましい。
(評価基準)
5:セロファンテープに付着するインキの面積比率0%
4:セロファンテープに付着するインキの面積比率10%未満
3:セロファンテープに付着するインキの面積比率30%未満
2:セロファンテープに付着するインキの面積比率30%以上
1:セロファンテープに付着するインキの面積比率80%以上
〔評価項目4:収縮後密着性〕
上記のようにして得られた積層体27cm(長手方向;主配向方向に対して直交方向)×12cm(幅方向;主配向方向)の大きさのラベル片を切り出した。上記ラベル片の主配向方向(幅方向)の両端10mmを幅10cmの治具に固定した(熱収縮処理前はたるんだ状態である)。上記治具に両端を固定したラベル片を、90℃の温水に20秒間浸漬して熱処理し、ラベル片を熱収縮処理前と比較して40%の長さになるように熱収縮させた(主配向方向(幅方向)に60%熱収縮させた)。このようにして、主配向方向(幅方向)に60%熱収縮させた測定用サンプルを得た。得られた熱収縮測定用サンプルについて、評価項目2の密着性試験と同様の方法により、インキ皮膜の面積比率を目視評価した。
〔評価項目5:収縮後ヘイズ値〕
評価項目4により得られた熱収縮測定用サンプルの収縮ポリスチレンフィルムについて、ヘイズメーターNDH500(日本電色工業株式会社製)にてニス塗工部分のヘイズ値を測定した。フィルムのヘイズ値が低いほど白化が生じていないと判断する。
結果を表2~表3に示す。
Figure 2023068791000002
Figure 2023068791000003
表より、融点が120℃以下のポリエチレンワックスを用いた実施例1~15は、沈降性、耐摩擦性、収縮前後の密着性及び収縮後ヘイズ値のいずれにおいても良好な結果が得られた。また、実施例1と実施例2より、ニトロセルロース樹脂を含有する場合、フィルムの種類にかかわらず収縮後密着性に優れ、収縮後ヘイズ値もより低減できる、すなわち白化が抑えられることがわかった。一方、比較例は、実施例に比べて沈降性が劣り、収縮後ヘイズ値が上昇すると共に、耐摩擦性も不十分な結果となった。

Claims (9)

  1. バインダー樹脂、ワックス、及び有機溶剤を含有し、
    前記バインダー樹脂は、アクリル系樹脂及び繊維素系樹脂を少なくとも含有し、
    前記ワックスは、ポリエチレンワックスであり、融点が120℃以下である
    ことを特徴とするニス。
  2. アクリル系樹脂及び繊維素系樹脂の総質量に対するアクリル系樹脂の質量割合が30質量%以上65質量%以下の範囲である請求項1に記載のニス。
  3. 前記繊維素系樹脂は、セルロースエステル樹脂、ニトロセルロース、ヒドロキシアルキルセルロース、およびカルボキシアルキルセルロースから選択される請求項1又は2に記載のニス。
  4. 前記繊維素系樹脂は、セルロースエステル樹脂及びニトロセルロースを含有する請求項1~3のいずれかに記載のニス。
  5. 前記ワックスは、密度が880~960kg/mである請求項1~4のいずれかに記載のニス。
  6. 前記ワックスは、JIS K2207に従って測定した針入硬度が30dmm以下である請求項1~5のいずれかに記載のニス。
  7. 熱収縮フィルムのトップコート用に用いられる請求項1~6のいずれか一項に記載のニス。
  8. フィルム基材上に、請求項1~7のいずれかに記載のニスを印刷して形成されたトップコート層を有する積層体。
  9. 請求項8の積層体を用いた容器又は包材。
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