JP2023066984A - 画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム - Google Patents

画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】被検体の同一部位に係る2枚の色付きの医用画像を画像合成して生成する表示用合成画像において、2枚の医用画像それぞれが表現する特徴の視認性を向上させることを可能とする画像処理装置を提供すること。【解決手段】カラー画像で表現された被検体の同一部位に係る第1及び第2医用画像を画像合成する画像処理装置であって、第1医用画像の輝度成分画像を、第2医用画像に重畳させて、ベース合成画像を生成するベース合成画像生成部と、第2医用画像に基づいて、第1医用画像の各画素領域がベース合成画像の各画素領域に与えるべき色に関する寄与度を画素領域毎に決定する寄与度決定部と、ベース合成画像の各画素領域の画素値に対して、第1医用画像の色成分を寄与度に応じた重みで加算して、表示用合成画像を生成する色補正部と、を備える。【選択図】図5

Description

本発明は、画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムに関する。
被検体に対して超音波ビームを送信し、送信した超音波ビームが体内の組織や血流などで反射して戻るまでの時間や強度を検出することにより、被検体内部の様子をカラードプラ画像として生成する超音波診断装置が知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3を参照)。
一般に、カラードプラ画像は、生体内の断層像をグレースケールで表現したB画像(Brightness mode Imaging)に重ねて、血流情報(血流速度、血流方向、パワー、速度の分散)や心筋壁等の体組織の動きを色で表現したフロー画像(Color Flow Imaging や Tissue Doppler Imaging)を表示することで生成される。
尚、以下では、説明の便宜として、B画像を生成する信号を「B信号」、フロー画像を生成する信号を「フロー信号」と称する。
特開平11-169368号公報 特開2008-284287号公報 特開2017-042606号公報
近年、利用者が感じる画像の見易さや表示装置(LCD等)が持つ色特性に合う形で、体内の構造や組織の質感をより鮮明に表現する要請から、B画像を、グレースケール画像ではなく、カラー画像(以下、「色付きB画像」とも称する)で表現する構成が採られることが少なくない。かかるB画像としては、例えば、被検体内からの超音波の反射波の信号(例えば、信号強度)を、カラーマップで色情報に変換したものが用いられる。尚、カラー画像とは、画像の各画素の画素値が、RGB色空間のような2色以上の色成分の値(即ち、濃度)の組み合わせで表現された画像を意味する。
但し、このような色付きB画像に対してフロー画像を画像合成して、カラードプラ画像を生成する場合、合成後のカラードプラ画像においては、いずれの画像についても色合いの印象が変わってしまい、色により表現された組織の構造的特徴や血流の広がりや速度の特徴の視認性が劣化しがちである。
特に、カラードプラ画像は、血流と生体内の断層像という2つの異なる状態を示す画像を合成するものであるため、それらの信号が有する成分の信号強度等を互いに視認しやすくする必要がある。例えば、フロー信号の速度やパワーが小さい領域においても、逐次変化する血流が途切れずに表示され、細い血管の正確な位置が安定して表示されるのが好ましい。
図1~図3に、3種類の従来技術に係る画像合成方法で生成されたカラードプラ画像の一例を示す。
図1は、グレースケールで表現されたB画像に対して、フロー画像を画像合成して生成されたカラードプラ画像の一例を示す図である。図1を参照すると分かるように、B画像がグレースケール画像である場合、色の混合が生じないため、B画像とフロー画像の両方の特徴を比較的視認しやすいカラードプラ画像となる。但し、この場合、B画像に色を付けたい場合や、B画像の表示色の調整(例えば、色相や彩度の調整)を行いたい場合に対応することができない。
図2は、色付きB画像に対してオーバーレイするように、フロー画像を画像合成して生成されたカラードプラ画像の一例を示す図である。図2を参照すると分かるように、かかる手法で生成されたカラードプラ画像においては、フロー画像が表示されている領域においてはB画像が隠れてしまう状態となる。そのため、B画像が表現する組織構造の視認性が悪く、フロー画像上に表れる血流の挙動とB画像上に表れる組織の挙動との連関が視認できないという問題点がある。
尚、色付きB画像に対してフロー画像を上書きする際、画像を形成する画素ごとに、B画像を表示するか、フロー画像を表示するかを、エコー強度やカラー強度に応じて判定し、当該判定結果に基づいて、画素ごとにB画像とフロー画像のどちらか一方の画素値を選択して、カラードプラ画像を生成する手法も存在する。しかしながら、かかる手法であっても、画素領域ごとにB画像かフロー画像かどちらか一方のみを表示する構成となるため、上記した問題点を解消することはできない。
図3は、透過合成(アルファブレンディングとも称される)により、色付きB画像とフロー画像とを重ね合わせて生成されたカラードプラ画像の一例を示す図である。この例では、色付きB画像とフロー画像とを所定の透過割合(即ち、α値)で重み付け加算して、カラードプラ画像を生成している。図3を参照すると分かるように、かかるカラードプラ画像では、α値に応じて、色付きB画像及び/又はフロー画像の色合いの印象が変わってしまい、色度(色相と彩度で表現される色合いを表す。以下同じ)により表現された組織の構造的特徴や血流の広がりや速度の特徴の視認性が低下してしまう。
本開示は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、被検体の同一部位に係る2枚の色付きの医用画像を画像合成して生成する表示用合成画像において、2枚の医用画像それぞれが表現する特徴の視認性を向上させることを可能とする画像処理装置、画像処理方法、及び画像処理プログラムを提供することを目的とする。
前述した課題を解決する主たる本開示は、
カラー画像で表現された被検体の同一部位に係る第1及び第2医用画像を画像合成する画像処理装置であって、
前記第1医用画像のうちの輝度成分のみが抽出された輝度成分画像を、前記第2医用画像に重畳させるように画像合成して、ベース合成画像を生成するベース合成画像生成部と、
少なくとも前記第2医用画像の各画素領域の画素値の輝度成分又は色成分に基づいて、前記第1医用画像の各画素領域が前記ベース合成画像の各画素領域に与えるべき色に関する寄与度を画素領域毎に決定する寄与度決定部と、
前記ベース合成画像の各画素領域の画素値に対して、前記第1医用画像の各画素領域の画素値の色成分を前記寄与度に応じた重みで加算して、表示用合成画像を生成する色補正部と、
を備える画像処理装置である。
又、他の局面では、
カラー画像で表現された被検体の同一部位に係る第1及び第2医用画像を画像合成する画像処理方法であって、
前記第1医用画像のうちの輝度成分のみが抽出された輝度成分画像を、前記第2医用画像に重畳させるように画像合成して、ベース合成画像を生成する処理と、
少なくとも前記第2医用画像の各画素領域の画素値の輝度成分又は色成分に基づいて、前記第1医用画像の各画素領域が前記ベース合成画像の各画素領域に与えるべき色に関する寄与度を画素領域毎に決定する処理と、
前記ベース合成画像の各画素領域の画素値に対して、前記第1医用画像の各画素領域の画素値の色成分を前記寄与度に応じた重みで加算して、表示用合成画像を生成する処理と、
を有する画像処理方法である。
又、他の局面では、
コンピュータに、カラー画像で表現された被検体の同一部位に係る第1及び第2医用画像を画像合成するための画像処理を実行させるプログラムであって、
前記第1医用画像のうちの輝度成分のみが抽出された輝度成分画像を、前記第2医用画像に重畳させるように画像合成して、ベース合成画像を生成する処理と、
少なくとも前記第2医用画像の各画素領域の画素値の輝度成分又は色成分に基づいて、前記第1医用画像の各画素領域が前記ベース合成画像の各画素領域に与えるべき色に関する寄与度を画素領域毎に決定する処理と、
前記ベース合成画像の各画素領域の画素値に対して、前記第1医用画像の各画素領域の画素値の色成分を前記寄与度に応じた重みで加算して、表示用合成画像を生成する処理と、
を有する画像処理プログラムである。
本開示に係る画像処理装置によれば、被検体の同一部位に係る2枚の色付きの医用画像を画像合成して生成する表示用合成画像において、2枚の医用画像それぞれが表現する特徴の視認性を向上させることができる。
グレースケールで表現されたB画像に対して、フロー画像を画像合成して生成されたカラードプラ画像の一例を示す図 色付きB画像に対してオーバーレイするように、フロー画像を画像合成して生成されたカラードプラ画像の一例を示す図 透過合成(アルファブレンディングとも称される)により、色付きB画像とフロー画像とを重ね合わせて生成されたカラードプラ画像の一例を示す図 本発明の一実施形態に係る超音波診断装置の構成を示す図 本発明の一実施形態に係る画像処理部の構成を示す図 画像処理部の各部の処理において生成される画像の一例を示す図 B画像生成部により生成されるB画像の一例を示す図 フロー画像生成部により生成されるフロー画像の一例を示す図 分割部により生成されるB画像の輝度成分画像の一例を示す図 分割部により生成されるB画像の色成分画像の一例を示す図 寄与度決定部により生成される寄与度画像の一例を示す図 ベース合成画像生成部により生成されるベース合成画像の一例を示す図 色補正部により生成される色寄与成分画像の一例を示す図 色補正部により生成される表示用合成画像の一例を示す図 B画像用カラーマップの一例を示す図 フロー画像用カラーマップの一例を示す図 寄与度決定テーブルの一例を示す図 本発明の一実施形態に係る色補正部の構成を示す図 変形例1に係る超音波診断装置(画像処理部)の構成を示す図 変形例1に係るB画像生成部が参照するB画像用カラーマップを示す図 変形例2に係る超音波診断装置(画像処理部)の構成を示す図
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施形態について詳細に説明する。尚、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
尚、本開示で「画素領域」と称する場合、一画素の領域、又は複数の画素で一区画を形成する領域を意味している。
[超音波診断装置の全体構成]
以下、図4を参照して、本発明の一実施形態に係る超音波診断装置(以下、「超音波診断装置U」と称する)の構成について説明する。尚、本実施形態では、本開示の画像処理装置の一例として、超音波診断装置Uで生成されたB画像とフロー画像とを画像合成してカラードプラ画像を生成する用途に適用された態様を示す。但し、本開示の画像処理装置にて画像合成する対象は、超音波診断装置Uで生成された弾性画像等、他の医用画像であってもよい。
図4は、本実施形態に係る超音波診断装置Uの構成を示す図である。
超音波診断装置Uは、超音波探触子1、送信部2、受信部3、走査部4、B信号生成部5、フロー信号生成部6、画像処理部7、及び、表示部8を備えている。尚、本開示の「画像処理装置」は、超音波診断装置Uの画像処理部7に適用されている。
超音波診断装置Uは、被検体内の形状、性状又は動態を超音波画像として可視化し、画像診断するために用いられる。
超音波探触子1は、送信部2で発生された電圧パルスを超音波ビームに変換して被検体内へ送信し、被検体内で反射した超音波エコーを受信して電気信号に変換し受信部3へ出力する。超音波探触子1は、例えば、マトリクス状に配設された複数の振動子(圧電素子)と、当該複数の振動子の駆動状態のオンオフを個別に又はブロック単位(以下、「チャンネル」と言う)で切替制御するためのチャンネル切替部(セレクタ)を含んで構成される。
送信部2は、超音波探触子1に対して駆動信号たる電圧パルスを送出する送信回路である。送信部2は、例えば、高周波パルス発振器と、パルス設定部とを含んで構成される。高周波パルス発振器で生成した電圧パルスを、パルス設定部で設定した電圧振幅、パルス幅、タイミングに調整して超音波探触子1のチャンネルごとに送出する。
送信部2は、超音波探触子1の複数のチャンネルそれぞれにパルス設定部を有しており、複数のチャンネルごとに電圧パルスの電圧振幅、パルス幅、タイミングを設定可能になっている。例えば、送信部2は、複数のチャンネルに対して適切な遅延時間を設定することによって目標とする深度を変更したり、B画像生成時とフロー画像生成時とで異なるパルス波形を発生させることも可能となっている(例えば、B画像生成時には1波の電圧パルス、フロー画像生成時には4波の電圧パルスを送出する)。
受信部3は、超音波探触子1で生成された超音波エコーに係る受信信号を受信処理する受信回路である。受信部3は、チャンネルごとのプリアンプと、チャンネルごとのADコンバータと、受信ビームフォーマとを含んで構成される。プリアンプは、微弱な受信信号を増幅する。ADコンバータは、増幅された受信信号(アナログ信号)を、デジタル信号に変換する。受信ビームフォーマは、各チャンネルの受信信号(デジタル信号)を整相加算することで複数チャンネルの信号を1つにまとめて、B信号生成部5又はフロー信号生成部6に出力する。この出力信号を、以下、「受信エコー信号」と称する。
走査部4は、超音波探触子1、送信部2、及び受信部3を制御する。走査部4は、超音波探触子1に設けられたチャンネル切替部を制御して、複数のチャンネルのうち、駆動対象のチャンネルを切替制御する。そして、走査部4は、複数のチャンネルを順に駆動(走査)することによって、超音波探触子1から、走査方向に沿った順序で、被検体内部に対して超音波ビームを送信させる。そうすることで、走査部4は、B信号生成部5及びフロー信号生成部6に走査方向と深度方向に沿った二次元データを生成させる。
尚、信号処理回路には、上記の他に、超音波探触子1との信号系統を切り替える送受信切替部(図示せず)と、受信部3から受信エコー信号を送信する先を切り替える処理系統切替部(図示せず)とが設けられている。そして、走査部4は、送受信切替部を切替制御することによって、送信部2から超音波探触子1に電圧パルスを送出するときと、超音波探触子1で生成される受信信号を受信部3に送出するときとで、信号系統を切替制御する。又、走査部4は、処理系統切替部を切替制御することによって、B画像を生成するときには、受信部3からの受信エコー信号をB信号生成部5に送出させ、フロー画像を生成するときには、受信部3からの受信エコー信号をフロー信号生成部6に送出させる。
但し、当該構成は、一例であって、信号処理回路の送受信切替部や処理系統切替部を必ずしも設ける必要がないのは勿論である。例えば、B信号生成部5及びフロー信号生成部6は、同じ受信エコー信号からB信号とフロー信号を生成してもよい。その場合、後述するB画像とフロー画像とを同期して生成することが可能となる。
B信号生成部5は、受信部3から受信エコー信号を取得して、B信号を生成する。B信号とは、深度方向(超音波ビームの送信方向)における超音波エコーの信号強度(Intensity)の時間的変化を示す信号である。B信号生成部5は、超音波探触子1が超音波ビームを走査した際に、各走査位置で得られるB信号をラインメモリに順次蓄積し、B画像のフレーム単位となる二次元データを生成する。
B信号生成部5は、例えば、包絡線検波回路と、ダイナミックフィルタと、対数圧縮回路とを含んで構成される。包絡線検波回路は、受信エコー信号を包絡線検波して、信号強度を検出する。対数圧縮回路は、包絡線検波回路で検出された受信エコー信号の信号強度に対して対数圧縮を行う。ダイナミックフィルタは、深度に応じて周波数特性を変化させたバンドパスフィルタであって、受信エコー信号に含まれるノイズ成分を除去する。
フロー信号生成部6は、受信部3から受信エコー信号を取得し、フロー信号を生成する。フロー信号とは、血流や動きのある体組織からの超音波エコーを周波数解析して生成される信号であって、それらの速度(Velocity)、パワー(Power)、及び速度の分散値(Turbulence)を表すものである。フロー信号は、例えば、超音波探触子1にて連続して送信された超音波パルスの、同じ深さ位置からの超音波エコーの位相差等に基づいて、算出される。フロー信号生成部6は、B信号生成部5と同様に、超音波探触子1が超音波ビームを走査した際に、各走査位置で得られるフロー信号をラインメモリに順次蓄積し、フロー画像のフレーム単位となる二次元データを生成する。
フロー信号生成部6は、例えば、MTIフィルタと、直交検波回路と、自己相関演算部とを含んで構成される。MTI(Moving Target Indication)フィルタは、受信エコー信号から、静止した組織からのクラッタ成分(組織からの超音波エコー)を除去する処理を行う低域除去フィルタである。直交検波回路は、受信エコー信号に対して、送信超音波と同相の参照信号及び送信超音波とπ/2だけ位相の異なる参照信号をミキシングして、直交検波信号を生成する(以下、「IQ信号」と言う)。自己相関演算部は、連続して送信された超音波パルスの、同じ深さ位置からの超音波エコーのIQ信号に基づいて、自己相関演算によってフロー信号(速度、パワー、分散)を抽出する。
画像処理部7には、画像データを構成するためのフレーム単位のB信号とフロー信号が、それぞれ、B信号生成部5とフロー信号生成部6とから入力される。画像処理部7は、入力されたB信号に基づいてB画像を生成するとともに、入力されたフロー信号に基づいて、フロー画像を生成し、これらを画像合成して、カラードプラ画像として表示部8に出力する(詳細は、後述する)。
ここで、フレーム単位のB信号とフロー信号とは、1枚の画像を構築する上で必要な1つのまとまった信号の単位を意味する。但し、当該B信号とフロー信号は、1枚の画像の中の一部領域についての信号であってもよい。例えば、フロー画像は、B画像中の指定した関心領域(Region of Interest)にのみ重畳させるものであってもよい。
又、B信号生成部5及びフロー信号生成部6から画像処理部7に入力されるB信号及びフロー信号は、DSC(Digital Scan Converter)を介して座標変換処理を施されたり、データ補間処理を施されたものであってもよい。
表示部8は、画像処理部7から出力された表示用合成画像(本実施形態では、カラードプラ画像)を表示するモニターである。
尚、B信号生成部5、フロー信号生成部6、画像処理部7は、例えば、DSP(Digital Signal Processor)で構成されたデジタル演算回路によって実現される。そして、これらの各構成は、バッファメモリを備え、各演算処理の過程における中間データや、各演算処理で生成されるフレーム単位の二次元データは、当該バッファメモリに格納されるものとする。
[画像処理部の詳細構成]
以下、図5~図18を参照して、本実施形態に係る画像処理部7の詳細構成について説明する。
図5は、本実施形態に係る画像処理部7の構成を示す図である。尚、図5に示す矢印は、信号処理のフローを表している。
図6は、画像処理部7の各部の処理において生成される画像の一例を示す図である。図7~図14は、図6に示す各画像を個別に示す図である。図7は、B画像生成部71により生成されるB画像の一例を示す図である。図8は、フロー画像生成部72により生成されるフロー画像の一例を示す図である。図9は、分割部73により生成されるB画像の輝度成分画像の一例を示す図である。図10は、分割部73により生成されるB画像の色成分画像の一例を示す図である。図11は、寄与度決定部75により生成される寄与度画像の一例を示す図である。図12は、ベース合成画像生成部74により生成されるベース合成画像の一例を示す図である。図13は、色補正部76により生成される色寄与成分画像の一例を示す図である。図14は、色補正部76により生成される表示用合成画像の一例を示す図である。
画像処理部7は、B画像生成部71と、フロー画像生成部72と、分割部73と、ベース合成画像生成部74と、寄与度決定部75と、色補正部76と、を備えている。
B画像生成部71は、B信号生成部5にて生成されたフレーム単位のB信号を取得し、各画素領域に対応するB信号を画素値に変換することにより、B画像を生成する。この際、B画像生成部71は、例えば、予め記憶部(例えば、画像処理部7が有するROM)に記憶されたB信号の信号強度を画素値に変換する関数(以下、「B画像用カラーマップ」と称する)を用いて、B画像を生成する。B画像生成部71は、B信号の信号強度が大きいほど、輝度が大きくなるように、B信号を画素値に変換する。即ち、B画像の輝度が大きい画像領域は、被検体内の組織構造等が鮮明に表出した領域であり、被検体内の組織構造を特徴付ける領域となっている。
図15は、B画像用カラーマップの一例を示す図である。本実施形態では、B画像は、図15に示すようなB画像用カラーマップにて、色付きの画像として生成される。つまり、B画像の各画素領域の画素値は、一ビットの輝度のみで表現されたものではなく、例えば、RGB成分それぞれについて256階調で表された値(即ち、RGB成分に関する色空間ベクトル)である。B画像用カラーマップでは、例えば、B信号の信号強度を、RGB成分それぞれについて256階調で表された値に変換する3つの関数f-R、f-G、f-Bに適用することで、B信号の信号強度を、RGB成分それぞれの値に変換する。尚、B信号の信号強度が大きい画素領域の画素値は、通常、RGB成分すべてが大きい状態で表される。
フロー画像生成部72は、フロー信号生成部6にて生成されたフレーム単位のフロー信号を取得し、各画素領域に対応するフロー信号を画素値に変換することにより、フロー画像を生成する。この際、フロー画像生成部72は、例えば、予め記憶部(例えば、画像処理部7が有するROM)に記憶されたフロー信号を画素値に変換する関数(以下、「フロー画像用カラーマップ」と称する)を用いて、フロー画像を生成する。ここでは、フロー画像生成部72は、速度(Velocity)とパワー(Power)の2成分のフロー信号によって、画素値を決定するものとする。フロー画像生成部72は、典型的には、フロー信号のパワー(例えば、血液の流量)が大きいほど、輝度が大きくなるように、フロー信号を画素値に変換する。
図16は、フロー画像用カラーマップの一例を示す図である。尚、図16に示す横軸の速度成分は、グラフ中央の位置が速度0を表し、グラフ中央から左側が遠ざかる方向の速度、グラフ中央から右側が向かってくる方向の速度を表している。
フロー画像の画素値は、例えば、RGB成分に関する色空間ベクトルであり、RGB成分それぞれについて256階調で表された値である。フロー画像用カラーマップでは、例えば、超音波探触子1に向かってくる速度の方向はR成分が大きくなって赤色で表され(図16中のD領域)、反対に、超音波探触子1から遠ざかる方向はB成分が大きくなって青色で表されるように設定されている(図16中のB領域)。又、フロー画像用カラーマップでは、パワーが大きいほど、RGBすべての色成分が大きくなるように設定されている(図16中のB領域)(図16中のD領域)。他方、パワーが小さい場合には、バックグラウンドのノイズ成分である可能性が高いため、RGBの色成分の比率が略12:10:5の茶色となるように設定されている(図16中のA領域)(図16中のE領域)。又、速度が小さい場合には、血流以外の対象物からくる不要なドプラ信号によるモーションアーチファクトである可能性が高いため、同様に、RGBの色成分の比率が略12:10:5の茶色となるように設定されている(図16中のC領域)。
分割部73は、B画像の各画素領域の画素値を輝度成分と色成分とに分割し、色付きのB画像から輝度成分のみを抽出した画像(以下、「輝度成分画像」と称する)と、色付きのB画像から色成分のみを抽出した画像(以下、「色成分画像」と称する)とを生成する。尚、分割部73は、輝度成分画像と色成分画像とを加算した画像が元の色付きのB画像となるように、輝度成分画像と色成分画像とを生成する。
分割部73は、例えば、以下の式(1)のように、B画像の各画素領域の画素値のRGB成分それぞれの平均値として、B画像の各画素領域の画素値の輝度成分(即ち、輝度成分画像の画素値)を算出する。
B1=avg(IB0R,IB0G,IB0B)…(1)
(但し、IB1:輝度成分画像の画素値、avg(IB0R,IB0G,IB0B):B画像の画素値のR成分IB0Rと、B画像の画素値のG成分IB0Gと、B画像の画素値のB成分IB0Bと、の平均値)
そして、分割部73は、例えば、以下の式(2)、式(3)、式(4)のように、B画像の各画素領域の画素値のRGB成分それぞれから、式(1)で算出されたB画像の各画素領域の画素値の輝度成分を減算することで、B画像の各画素領域の画素値の色成分(即ち、色成分画像の画素値)を算出する。
B2R=IB0R-IB1…(2)
B2G=IB0G-IB1…(3)
B2B=IB0B-IB1…(4)
(但し、IB2R:色成分画像のR成分、IB2G:色成分画像のG成分、IB2B:色成分画像のB成分、IB0R:B画像の画素値のR成分、IB0G:B画像の画素値のG成分、IB0B:B画像の画素値のB成分、IB1:輝度成分画像の画素値)
ベース合成画像生成部74は、B画像の各画素領域の画素値の輝度成分を、フロー画像の各画素領域の画素値に対して加算して、ベース合成画像を生成する。ベース合成画像生成部74は、例えば、B画像(輝度成分画像)の各画素領域とフロー画像の各画素領域とを対応付けて、以下の式(5)~(8)を用いて、ベース合成画像の各画素領域の画素値を算出する。尚、式(5)の重み係数wB1、wは、B画像とフロー画像それぞれが表現する組織構造や血流の広がりの視認性が維持されるように適宜な値(例えば、wB1:0.5、w:0.5)に設定される。
尚、ここでは、ベース合成画像生成部74は、B画像の画素値の輝度成分とフロー画像の画素値の輝度成分とを加算してベース合成画像の画素値の輝度成分を算出した後、このベース合成画像の画素値の輝度成分に対してフロー画像の画素値の色成分(上式(2)、(3)、(4)と同様の処理により、予め輝度成分を減算した色成分)を加算することで、このベース合成画像の画素値のRGB成分それぞれを算出している。
Out1a=IB1・wB1+IFa・w…(5)
(但し、IOut1a:ベース合成画像の画素値の輝度成分、IB1:輝度成分画像の画素値、IFa:フロー画像の画素値の輝度成分、wB1:B画像に対する重み係数、w:フロー画像に対する重み係数)
Out1R=IFR+IOut1a …(6)
Out1G=IFG+IOut1a …(7)
Out1B=IFB+IOut1a …(8)
(但し、IOut1R:ベース合成画像の画素値のR成分、IOut1G:ベース合成画像の画素値のG成分、IOut1B:ベース合成画像の画素値のB成分、IFR:フロー画像の画素値のR成分から輝度成分を減算した値、IFG:フロー画像の画素値のG成分から輝度成分を減算した値、IFB:フロー画像の画素値のB成分から輝度成分を減算した値、wB1:B画像に対する重み係数、w:フロー画像に対する重み係数)
ベース合成画像生成部74による画像合成処理は、図1を参照して説明した従来技術に係るカラードプラ画像の生成手法と同様の発想に依拠する。即ち、ベース合成画像を生成する際、合成対象のB画像は、輝度のみで表現されているため、ベース合成画像上では、色の混合が生じす、B画像とフロー画像の両方の特徴(例えば、被検体内の組織構造の特徴と血流の広がりの特徴)を視認できる状態となる。
寄与度決定部75は、B画像の各画素領域の画素値の輝度成分(即ち、輝度成分画像の各画素領域の画素値)とフロー画像の各画素領域の画素値の輝度成分とに基づいて、B画像の各画素領域がベース合成画像の各画素領域に与えるべき色に関する寄与度(以下、単に「寄与度」と称する)を画素領域毎に決定する。寄与度決定部75は、例えば、B画像の輝度とフロー画像の輝度とを、互いに対応する画素領域毎に比較し、その関係で、寄与度を画素領域毎に決定する。
尚、寄与度は、例えば、一画素単位で、B画像の画像サイズの各画素領域について決定される。寄与度は、B画像の色成分画像に掛けるマスク画像のような働きをする(以下、「寄与度画像」とも称する)。
寄与度決定部75は、例えば、予め記憶部(例えば、画像処理部7が有するROM)に記憶された寄与度決定テーブルを用いて、B画像の各画素領域の画素値の輝度成分とフロー画像の各画素領域の画素値の輝度成分とから、各画素領域の寄与度を決定する。
図17は、寄与度決定テーブルの一例を示す図である。各画素領域の寄与度は、例えば、図17の寄与度決定テーブルに示すように、B画像のRGB成分それぞれに対して乗算する0≦wBc≦1のスカラー値として算出される。寄与度は、例えば、B画像のみを表示する画素領域では1.0の値をとり、フロー画像の血流のみを表示する画素領域では0.0の値をとる。そして、寄与度は、B画像の印象の方がフロー画像の印象よりも大きい画素領域では1.0に近い値に決定され、カラーフロー画像の印象の方がB画像の印象よりも大きい画素領域では0.0に近い値に決定される。具体的には、図17の寄与度決定テーブルに示すように、寄与度は、B画像の画素値の輝度成分とフロー画像の画素値の輝度成分との関係で決定され、フロー画像の画素値の輝度成分に対するB画像の画素値の輝度成分が大きいほど、寄与度は、大きな値に決定される。
但し、寄与度画像は、一般的なマスク画像と異なり、値が0と1の二値ではなく、0.0から1.0の間で階調を持つ。これにより、B画像とフロー画像の、各々の特徴を表現する画素領域には、各々の色を反映させることができる。例えば、このとき、B画像の色を強く表現するべき画素領域には大きな寄与度(即ち、重み)をもたせ、そうでない画素領域には小さな寄与度(即ち、重み)をもたせて、色成分画像(B画像)の各画素領域の色が、最終的な表示用合成画像に表出する度合いを決定する。
B画像は、一般に、体内の構造や組織の質感を表現するため、画像の広範囲に組織構造に係る特徴的な画像情報を持つ。一方、フロー画像は、一般に、画像内の血流が存在する局所領域にのみ血流の速度や流量に係る特徴的な画像情報を持ち、それ以外の領域には特徴的な画像情報を持たない。そこで、B画像の色を表示用合成画像にどれだけ影響を与えるかを表す「寄与度」を、血流が存在する領域においては低く、血流が存在しない領域においては高くなるように生成することで、最終的な表示用合成画像において、B画像の色を広範囲で反映しながら、血流が存在する領域にはフロー画像の色を残すことが可能になる。
又、このとき、フロー信号の速度やパワーが小さい領域においては、B画像の色が強くなるように寄与度を大きくすることで、かかる領域では、B画像が表現する組織構造の特徴を鮮明に表出させつつ、フロー画像が表現する逐次変化する血流についても、途切れずに表示され、細い血管の正確な位置が安定して表示されることになる。
色補正部76は、ベース合成画像の各画素領域の画素値に対して、B画像の各画素領域の画素値の色成分を寄与度に応じた重みで加算して、表示用合成画像を生成する。これにより、表示用合成画像においては、B画像の印象がカラーフロー画像の印象よりも大きい画像領域に、B画像の色が復元される。
図18は、本実施形態に係る色補正部76の構成を示す図である。色補正部76は、例えば、まず、B画像の色成分画像に対して、寄与度画像の重み付け処理(即ち、マスク処理)を施して、B画像の色寄与成分画像を生成する。そして、色補正部76は、B画像の色寄与成分画像の各画素領域の画素値の色成分を、ベース合成画像の各画素領域の画素値に加算することによって、最終的に表示部8で表示する対象となる表示用合成画像を生成する。
色補正部76は、例えば、以下の式(9)、式(10)、式(11)を用いて、表示用合成画像の各画素領域の画素値を算出する。
Out2R=IB2R・wB2+IOut1R …(9)
Out2G=IB2G・wB2+IOut1G …(10)
Out2B=IB2B・wB2+IOut1B …(11)
(但し、IOut2R:表示用合成画像の画素値のR成分、IOut2G:表示用合成画像の画素値のG成分、IOut2B:表示用合成画像の画素値のB成分、IOut1R:ベース合成画像の画素値のR成分、IOut1G:ベース合成画像の画素値のG成分、IOut1B:ベース合成画像の画素値のB成分、IB2R:色成分画像の画素値のR成分、IB2G:色成分画像の画素値のG成分、IB2B:色成分画像の画素値のB成分、wB2:色成分画像のRGB成分の各色に対する寄与度)
このように、本実施形態に係る画像処理部7は、B画像とフロー画像それぞれが表す対象全体の空間情報(例えば、組織の構造や血流の広がり等)が共に反映されたベース合成画像(ベース合成画像では、両者が輝度の大きさで反映される)を生成した後、そのベース合成画像上に、画像領域毎に、B画像とフロー画像のうちの対象の局所的な特徴量が大きい方の画像の色合いを強く反映させて、表示用合成画像とする。
これによって、B画像とフロー画像それぞれが表す対象全体の空間情報(例えば、組織の構造や血流の広がり等)の視認性を保持しつつ、B画像とフロー画像それぞれの局部的な特徴(例えば、組織の動きが大きい部位や血流の速度が早い部位等)の視認性を向上させた表示用合成画像を生成することができる(図14を参照)。
又、本実施形態に係る画像処理部7による画像合成手法によれば、フロー画像がB画像の上にオーバーレイしてしまい、B画像が隠れてしまうこともない。そのため、本実施形態に係る画像処理部7により生成されるカラードプラ画像では、フロー画像上に表れる血流の挙動とB画像上に表れる組織の挙動との連関を視認することが可能である。そして、かかるカラードプラ画像では、フロー信号の速度やパワーが小さい領域においても、逐次変化する血流が途切れずに表示され、細い血管の正確な位置が安定して表示されることになる。
(変形例1)
図19は、変形例1に係る超音波診断装置U(画像処理部7)の構成を示す図である。図20は、変形例1に係るB画像生成部71が参照するB画像用カラーマップを示す図(図20B、図20Cを参照)である。
通常、超音波診断装置Uでは、色付きのB画像は、カラードプラ画像を生成する用途のみならず、単独表示でも利用される。そのため、上記実施形態に係る超音波診断装置Uでは、B画像生成部71が、B画像用カラーマップを用いて(図20Aを参照)、B信号(即ち、被検体内からの反射波の信号強度)を、直接、各色成分の画素値に変換して、B信号から、色付きのB画像を生成する構成を採った。
但し、その場合、B画像とフロー画像の画像合成処理を行う際、上記実施形態に係る超音波診断装置Uのように、B画像生成部71にてカラー画像として生成されたB画像を、分割部73にて色成分画像と輝度成分画像とに分割する処理が必要となる。
本変形例に係る超音波診断装置Uでは、カラードプラ画像を生成する際の演算負荷の軽減を図る観点から、B画像生成部71にて、B信号の信号強度を輝度に変換する第1関数f(以下、「輝度成分画像生成マップ」とも称する)(図20Bを参照)を用いてB画像の輝度成分画像を生成すると共に、同B信号の信号強度を色度に変換する第2関数f-B、f-G、f-R(以下、「色成分画像生成マップ」とも称する)(図20Cを参照)を用いてB画像の色成分画像を生成する構成を採る。これによって、分割部73の構成を省略することが可能となる。
尚、本変形例に係るB画像生成部71にて参照する輝度成分画像生成マップ及び色成分画像生成マップは、上記実施形態に係るB画像用カラーマップと対応するように、例えば、以下の式(12)、式(13)、式(14)、式(15)のように設定されている。
y=avg(R、G、B) …(12)
(但し、y:輝度成分画像生成マップの輝度、avg(R、G、B):B画像用カラーマップのRGB成分の平均値)
CR=R-y …(13)
CG=G-y …(14)
CB=B-y …(15)
(但し、CR:色成分画像生成マップのR成分、CG:色成分画像生成マップのG成分、CB:色成分画像生成マップのB成分、R:B画像用カラーマップのR成分、G:B画像用カラーマップのG成分、B:B画像用カラーマップのB成分)
尚、本変形例に係るB画像の画像データフォーマットとしては、輝度と色度とが分離して記憶可能なデータフォーマットが使用されることになる。
本変形例に係る超音波診断装置Uによれば、B画像を生成する段階で、B画像の輝度成分画像とB画像の色成分画像とを別個に生成することが可能である。これによって、B画像のカラー画像から、B画像の輝度成分画像とB画像の色成分画像とを分割する処理を省略し、カラードプラ画像を生成する際の演算負荷を軽減することが可能である。
(変形例2)
図21は、変形例2に係る超音波診断装置U(画像処理部7)の構成を示す図である。
本変形例に係る画像処理部7は、被検体の同一部位に係る2枚の色付きの医用画像を画像合成するための画像合成部を複数有し、複数の画像合成部がカスケード接続されることで、被検体の同一部位に係る3枚以上の医用画像を画像合成することが可能となっている。
図21では、第1画像合成部70aと第2画像合成部70bとが2段カスケード接続された構造を示している。第1画像合成部70aと第2画像合成部70bは、それぞれ、分割部73、ベース合成画像生成部74、寄与度決定部75、及び色補正部76によって構成されている。そして、第1画像合成部70a及び第2画像合成部70bは、それぞれ、入力された2枚の医用画像を、上記実施形態で説明した手法と同様の手法により、画像合成する。
ここで、第1画像合成部70aには、第1医用画像と第2医用画像とが入力される。そして、第1画像合成部70aは、第1医用画像と第2医用画像とを画像合成して第1表示用合成画像を出力する。又、第2画像合成部70bには、第1画像合成部70aから出力された第1表示用合成画像と、第3医用画像とが入力される。そして、第2画像合成部70bは、第3医用画像と第1表示用合成画像とを画像合成して第2表示用合成画像を出力する。そして、超音波診断装置Uでは、例えば、第2表示用合成画像を表示部8に表示する。
このように、多段接続すれば、3枚以上の医用画像を合成することが可能となる。例えば、B画像に、神経組織の強調表示画像を合成し、さらにフロー画像を合成する場合、一つの医用画像を見るだけで、体内の構造、神経組織の場所、さらに血流情報という3種類の体内の情報を視認できる医用画像を提供することができる。
(変形例3)
上記実施形態に係る超音波診断装置Uでは、B画像の画素値の輝度成分とフロー画像の画素値の輝度成分との大小関係で、B画像の各画素領域がベース合成画像の各画素領域に与えるべき色に関する寄与度を決定する構成とした。かかる構成は、画素領域毎に、B画像の印象が強い画素領域とフロー画像の印象が強い画素領域とを判別可能とし、且つ、寄与度を階調的に決定可能とする点で、有用である。
演算負荷を軽減する観点から、寄与度を決定するための上記の比較処理は省略されてもよい。即ち、寄与度決定部75は、フロー画像の画像情報(輝度成分又は色成分)のみに基づいて、寄与度を決定してもよい。この場合、寄与度決定部75は、例えば、フロー信号の信号強度が大きい領域については、寄与度が小さくなり、フロー信号の信号強度が小さい領域については、寄与度が大きくなるように、寄与度を決定すればよい。
但し、この場合、最終的に生成される表示用合成画像上では、B画像の組織構造の視認性が部分的に劣化してしまうおそれがある。そのため、本変形例に係る画像合成手法は、あくまで画質の劣化を犠牲にしても、演算負荷の軽減を狙う場合に採用される手法である。
(変形例4)
通常、カラードプラ画像上の所定領域で、B画像とフロー画像のいずれの特徴が表出しているかを判定する上では、ある一つの色成分(例えば、R成分)のみを比較するよりも、輝度成分を比較する方が有用である。これは、輝度成分が、B信号及びフロー信号それぞれの信号強度を表すためである。
但し、視認性確保の観点から、特定の色の合成を回避したい場合や、特定の色の存在を強調して表示したい場合等、B画像及びフロー画像それぞれの輝度成分同士を比較するよりも、B画像及びフロー画像それぞれの色成分同士を比較する方が有用な場合がある。
かかる観点から、寄与度決定部75は、B画像の第1色空間ベクトルにおける色度とフロー画像の第2色空間ベクトルにおける色度とに基づいて、寄与度を決定する構成としてもよい。この場合、寄与度決定部75は、B画像とフロー画像との間で、同一の色空間ベクトルにおける色度を比較して寄与度を決定する構成としてもよいし、異なる色空間ベクトルにおける色度を比較して寄与度を決定する構成としてもよい。
(変形例5)
上記実施形態では、B信号の信号強度をRGB成分に変換することで、B画像の全画像領域が、カラー画像として構成される態様を示した。但し、本開示に係る画像合成処理に適用されるB画像としては、全画像領域中の一部のみがカラー画像として構成されたものであってもよい。
例えば、画像処理部7に入力されるB画像は、B信号の信号強度が輝度に変換されて生成されるグレースケールのB画像に対して、当該B画像中で検出された穿刺針の領域を着色することで得られたものであってもよい。
又、画像処理部7に入力されるB画像は、B信号の信号強度が輝度に変換されて生成されるグレースケールのB画像に対して、当該B画像中で検出された神経組織の領域を着色することで得られたものであってもよい。
B画像として、このような画像が用いられる場合であっても、従来技術に係る画像合成方法では、フロー画像と画像合成する際に、一部の画像領域で色の混合が生じ、B画像及び/又はフロー画像の視認性が劣化するおそれがあるが、本開示に係る画像合成方法によれば、かかる視認性の劣化を抑制し、B画像とフロー画像それぞれの特徴の視認性を向上させた表示用合成画像を生成することができる。
(変形例6)
上記実施形態では、寄与度決定部75は、一画素単位で、B画像の輝度とフロー画像の輝度とを、互いに対応する画素領域毎に比較し、寄与度を画素領域毎に決定する態様を示した。
しかしながら、寄与度決定部75は、互いに隣接する複数の画素で一区画を形成する画素領域単位で、B画像の輝度とフロー画像の輝度とを、互いに対応する画素領域毎に比較し、寄与度を画素領域毎に決定して、寄与度画像を生成するものであってよい。この場合、寄与度決定部75は、例えば、比較対象の画素領域における輝度の平均値を用いて、寄与度を画素領域毎に決定してもよい。
又、その他、寄与度決定部75は、例えば、B画像に映る特徴パターン毎及び/又はフロー画像に映る特徴パターン毎に、寄与度を決定してもよい。
(変形例7)
上記実施形態では、ベース合成画像生成部74が、B画像の各画素領域の画素値の輝度成分を、フロー画像の各画素領域の画素値に対して加算して、ベース合成画像を生成する態様を示した。
しかしながら、ベース合成画像生成部74は、B画像の輝度成分画像を、フロー画像に重畳させるように画像合成して、ベース合成画像を生成するものであれば、他の関数を用いて画像合成してもよい。例えば、両者の輝度成分を比較して大きいほうの値を採用する演算(max(a, b) のような関数)や、逆に小さいほうの値を採用する演算(min(a, b) のような関数)を使用してもよい。但し、B画像とフロー画像それぞれが表す対象全体の空間情報を、明確に表現する上では、ベース合成画像上において、B画像の輝度成分とフロー画像の輝度成分の両方が反映されるのが好ましい。
(変形例8)
上記実施形態では、B画像及びフロー画像の色度が、RGB色空間で表現された態様を示した。しかしながら、B画像及びフロー画像の色度の表現形式は、これに限定されるものではなく、B画像及びフロー画像の色度は、HSV色空間やHSL色空間、又はYUV色空間等で表現されてもよい。
(変形例9)
上記実施形態では、寄与度決定部75は、寄与度をスカラー値として表現し、色成分画像のRGB成分の各色に対する寄与度を同一の値とした。しかしながら、寄与度は、色空間ベクトルの各成分それぞれについて異なる重みを設定可能なベクトルとして表現されもよい。そうすることで、血流の色を特に視認しやすくしたりすることができる。
(変形例10)
上記実施形態では、本開示に係る画像処理装置の適用対象の一例として、超音波診断装置Uにて生成されるB画像とフロー画像との画像合成を示した。しかしながら、本開示に係る画像処理装置は、他の種々の色付きの医用画像を対象として、画像合成を行うことが可能である。例えば、かかる医用画像としては、X線撮像装置で撮像された医用画像、MRI検査装置で撮像された医用画像、及び、サーモグラフィー撮像装置で撮像された医用画像等であってもよい。
(変形例11)
上記実施形態では、画像処理部7の構成をハードウェア構成によって実現する態様を示した。但し、これらの構成の一部又は全部を、マイコン等のプログラム制御によるソフトウェア構成によって実現する態様であってもよい。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
本開示に係る画像処理装置によれば、被検体の同一部位に係る2枚の色付きの医用画像を画像合成して生成する表示用合成画像において、2枚の医用画像それぞれが表現する特徴の視認性を向上させることができる。
U 超音波診断装置
1 超音波探触子
2 送信部
3 受信部
4 走査部
5 B信号生成部
6 フロー信号生成部
7 画像処理部
70a 第1画像合成部
70b 第2画像合成部
71 B画像生成部
72 フロー画像生成部
73 分割部
74 ベース合成画像生成部
75 寄与度決定部
76 色補正部
8 表示部

Claims (11)

  1. カラー画像で表現された被検体の同一部位に係る第1及び第2医用画像を画像合成する画像処理装置であって、
    前記第1医用画像のうちの輝度成分のみが抽出された輝度成分画像を、前記第2医用画像に重畳させるように画像合成して、ベース合成画像を生成するベース合成画像生成部と、
    少なくとも前記第2医用画像の各画素領域の画素値の輝度成分又は色成分に基づいて、前記第1医用画像の各画素領域が前記ベース合成画像の各画素領域に与えるべき色に関する寄与度を画素領域毎に決定する寄与度決定部と、
    前記ベース合成画像の各画素領域の画素値に対して、前記第1医用画像の各画素領域の画素値の色成分を前記寄与度に応じた重みで加算して、表示用合成画像を生成する色補正部と、
    を備える画像処理装置。
  2. 前記寄与度決定部は、前記第2医用画像の各画素領域の画素値の輝度成分又は色成分を、前記第1医用画像の各画素領域の画素値の輝度成分又は色成分と、互いに対応する画素領域毎に比較し、前記寄与度を画素領域毎に決定する、
    請求項1に記載の画像処理装置。
  3. 前記寄与度決定部は、前記第2医用画像の各画素領域の画素値の輝度成分に対する、前記第1医用画像の各画素領域の画素値の輝度成分が大きいほど、前記寄与度が大きくなるように、前記寄与度を階調的に決定する、
    請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記ベース合成画像生成部は、前記第1医用画像の各画素領域の画素値の輝度成分を、前記第2医用画像の各画素領域の画素値に対して加算して、前記ベース合成画像を生成する、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  5. 前記第1医用画像の各画素領域の画素値を輝度成分と色成分とに分割し、前記第1医用画像の輝度成分画像と色成分画像とを生成する分割部を備える、
    請求項1乃至4のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  6. 第1撮像処理により得られた前記被検体内の各位置の体内情報に係る第1サンプル値に基づいて、前記第1医用画像を生成する第1医用画像生成部と、
    第2撮像処理により得られた前記被検体内の各位置の体内情報に係る第2サンプル値に基づいて、前記第2医用画像を生成する第2医用画像生成部と、
    を備える請求項1乃至5のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  7. 前記第1医用画像生成部は、前記第1サンプル値を輝度に変換する第1関数を用いて前記第1医用画像の輝度成分画像を生成すると共に、前記第1サンプル値を色度に変換する第2関数を用いて前記第1医用画像の色成分画像を生成する、
    請求項6に記載の画像処理装置。
  8. 前記画像処理装置が、超音波診断装置に適用され、
    前記第1医用画像が、前記超音波診断装置の前記被検体内の第1超音波走査により得られたB画像であり、
    前記第2医用画像が、前記超音波診断装置の前記被検体内の第2超音波走査により得られたフロー画像である、
    請求項1乃至7のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  9. 前記ベース合成画像生成部、前記寄与度決定部及び前記色補正部によって構成された画像合成部を複数有し、
    複数の前記画像合成部がカスケード接続されることで、前記被検体の同一部位に係る3枚以上の医用画像を画像合成することが可能となっている、
    請求項1乃至8のいずれか一項に記載の画像処理装置。
  10. カラー画像で表現された被検体の同一部位に係る第1及び第2医用画像を画像合成する画像処理方法であって、
    前記第1医用画像のうちの輝度成分のみが抽出された輝度成分画像を、前記第2医用画像に重畳させるように画像合成して、ベース合成画像を生成する処理と、
    少なくとも前記第2医用画像の各画素領域の画素値の輝度成分又は色成分に基づいて、前記第1医用画像の各画素領域が前記ベース合成画像の各画素領域に与えるべき色に関する寄与度を画素領域毎に決定する処理と、
    前記ベース合成画像の各画素領域の画素値に対して、前記第1医用画像の各画素領域の画素値の色成分を前記寄与度に応じた重みで加算して、表示用合成画像を生成する処理と、
    を有する画像処理方法。
  11. コンピュータに、カラー画像で表現された被検体の同一部位に係る第1及び第2医用画像を画像合成するための画像処理を実行させるプログラムであって、
    前記第1医用画像のうちの輝度成分のみが抽出された輝度成分画像を、前記第2医用画像に重畳させるように画像合成して、ベース合成画像を生成する処理と、
    少なくとも前記第2医用画像の各画素領域の画素値の輝度成分又は色成分に基づいて、前記第1医用画像の各画素領域が前記ベース合成画像の各画素領域に与えるべき色に関する寄与度を画素領域毎に決定する処理と、
    前記ベース合成画像の各画素領域の画素値に対して、前記第1医用画像の各画素領域の画素値の色成分を前記寄与度に応じた重みで加算して、表示用合成画像を生成する処理と、
    を有する画像処理プログラム。
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