JP2023066963A - ヘッドライト、投射レンズ、およびヘッドライト制御方法 - Google Patents

ヘッドライト、投射レンズ、およびヘッドライト制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】コストを抑え、信頼性を向上でき、照明領域の中央部の光量も確保できる、好適なヘッドライト等を実現できる技術を提供する。本発明によれば、持続可能な開発目標の「3すべての人に健康と福祉を」に貢献する。【解決手段】ヘッドライトは、複数のLEDチップが配置されたパターニングLED基板2と、複数のLEDチップを駆動するLED駆動回路と、LED基板2からの発光を前方へビームとして投射する投射レンズとを備える。LED基板2は、プレート61上に配置され、紫色から青色の波長の光を発光する複数のLEDチップと、紫色から青色の波長の光を励起光源として黄色もしくは赤色と緑色の光を発光する蛍光体21とを有する。各LEDチップは、ロービームとハイビームを含む、複数の配光制御のパターンから選択されたパターンの配光制御を実現するように、前方の照明領域の構成に対応させた、予め定められた位置に配置されている。【選択図】図2

Description

本発明は、車両のヘッドライト等の照明技術に関する。
自動車等の車両用のヘッドライト(言い換えるとヘッドランプ、前照灯)としては、複数の光源により所要の配光パターンでの照明を行うものがある。従来のヘッドライトとしては、光源にLED(Light Emitting Diode)等の半導体光源素子を適用したものが提供されている。
車両用のヘッドライトは、特に、自車両の前方領域の照明効果を高める一方で、先行車や対向車等の、自車両の前方領域に存在する車両に対する眩惑を防止することも求められている。この眩惑を防止する配光を得るための手法の1つとして、ADB(Adaptive Driving Beam:アダプティブ・ドライビング・ビーム)配光制御という手法(以下、単にADBと記載する場合もある)も提案されている。ADB配光制御は、前方領域に存在する車両に対し眩惑を与えないように、ハイビームの配光の一部を消灯または減光するように自動的に制御する技術である。
ADB配光制御を実現するためのヘッドライトとして、複数のLEDを光源としたヘッドライトが提案されている。このヘッドライトは、複数のLEDがそれぞれ異なる領域を照明し、これらの照明した領域(以下、照明領域と記載する場合がある)を合わせることで、ADB配光パターンを形成する。その上で、このヘッドライトは、前方車両が存在する照明領域を選択的に消灯または減光することにより、その前方車両に対する眩惑を防止し、点灯している照明領域によって前方の視認性を確保する。
また、自動車用のヘッドライトとしては、ロービーム(すれ違い用前消灯)とハイビーム(走行用前消灯)とを同一の光学レンズによって投射する、いわゆるバイファンクション方式のヘッドライトもある。
先行技術例としては、特許第5779028号(特許文献1)が挙げられる。特許文献1には、眩惑を与えないように照射制限された配光パターンを照射させるヘッドランプの配光制御手段が記載されている。そのヘッドランプは、マトリクス状に配設され、光源から出射された光の反射光量を制御することにより、自車両前方の領域毎に光量制御が可能な光学素子を備える。
特許第5779028号
現状のバイファンクション方式のヘッドライトの構成では、機械制御部分や、ライトガイド(導光体)などの光学部品が多い。そのため、この構成では、コストを抑えることや、信頼性を向上することが難しい。
また、従来、ADBを実現するためのヘッドライト技術として、特許文献1の例にもあるように、アレイ状ないしマトリックス状に配列された光学素子を用いて、ADB配光パターンを形成しようとする技術がある。光学素子として例えばマイクロLEDアレイを用いる技術もある。この技術によれば、車両前方の照明領域に対し所望の配光パターンを形成できる。しかしながら、このような技術の場合、車両前方の照明領域のうち中央部に対応付けられて位置する光源(例えばLED)からの発光量が不足することで、車両前方の照明領域のうち中央部での光量が不足し、例えばハイビーム等に必要な所定の光量を得ることが難しい場合がある。
本発明の目的は、照明技術に関して、コストを抑え、信頼性を向上でき、照明領域の中央部の光量も確保できる、好適なヘッドライト等を実現できる技術を提供することである。
本開示のうち代表的な実施の形態は以下に示す構成を有する。実施の形態のヘッドライトは、複数のLEDチップが配置されたLED基板と、前記LED基板の前記複数のLEDチップを駆動するLED駆動回路と、前記LED基板に対し垂直な方向である前方に配置され、前記LED基板からの発光を前記前方へビームとして投射する投射レンズと、を備え、前記LED基板は、プレートと、前記プレート上に配置され、紫色から青色の波長の光を発光する前記複数のLEDチップと、前記プレート上に前記複数のLEDチップを覆って配置され、前記紫色から青色の波長の光を励起光源として黄色もしくは赤色と緑色の光を発光する蛍光体と、を有し、前記プレート上の前記複数のLEDチップにおける各々のLEDチップは、前方へのビームの配光制御として、ロービームとハイビームを含む、複数の配光制御のパターンから選択されたパターンの配光制御を実現するように、前方の照明領域の構成に対応させた、予め定められた位置に配置されており、前記LED駆動回路から前記LED基板の各々のLEDチップの点灯および消灯と光量とが制御されることで、前記選択されたパターンの配光制御が実現される。
本開示のうち代表的な実施の形態によれば、照明技術に関して、コストを抑え、信頼性を向上でき、照明領域の中央部の光量も確保できる、好適なヘッドライト等を実現できる。上記した以外の課題、構成および効果等については、[発明を実施するための形態]において示される。
実施の形態1のヘッドライトの概要構成を示す。 実施の形態1に係るパターニングLED基板の主面の構成を示す。 実施の形態1に係るパターニングLED基板の断面の構成を示す。 実施の形態1の変形例に係るパターニングLED基板の断面の構成を示す。 実施の形態1に係る投射レンズの構成を示す。 実施の形態1に係るLED駆動回路の構成を示す。 実施の形態1に係るLEDチップのLEDデバイスの構成例を示す。 法規における右側通行用すれ違いビーム(ロービーム)の規定の構成を示す。 実施の形態1に係る第1パターン(通常のロービーム配光制御)の構成を示す。 実施の形態1に係る第2パターン(通常のハイビーム配光制御)の構成を示す。 実施の形態1に係る第3パターン(ハイビーム+ADB配光制御)の構成を示す。 実施の形態1に係る第4パターン(ハイビーム+配光幅可変制御)の構成を示す。 実施の形態1に係る第5パターン(ハイビーム+配光中心可変制御)の構成を示す。 実施の形態1に係る第6パターン(コーナーリング時の照明)の構成を示す。 実施の形態1に係る第7パターン(雨天時の白線強調)の構成を示す。 実施の形態1に対する比較例におけるLEDアレイを用いた配光制御の構成例を示す。
以下、図面を参照しながら本開示の実施の形態を詳細に説明する。図面において、同一部には原則として同一符号を付し、繰り返しの説明を省略する。図面において、構成要素の表現は、発明の理解を容易にするために、実際の位置、大きさ、形状、および範囲等を表していない場合がある。
[比較例]
図16は、実施の形態1に対する比較例のヘッドライト技術についての説明図である。図16の(A)は、比較例のヘッドライトを構成するLEDアレイによるADBユニットの概要を示す。このADBユニットは、基板の主面にLEDアレイ1601が配列されている。LEDアレイ1601は、複数のLEDデバイス1602が縦横に行列として配列されている。(A)で、拡大部分は、4×12個のLEDデバイス1602の部分を示している。なお、(A)では、各LEDデバイス1602を同じサイズの正方形で示しているが、実際には、各LEDデバイス1602が異なるサイズや形状で配列されている場合もある。LED駆動回路から各LEDデバイス1602の点灯/消灯が制御可能となっている。
図16の(B)は、(A)のLEDアレイ1601の構成に基づいた、車両前方への照明領域の構成例を模式図で示す。h-hの線は水平線と対応している。わかりやすいように、自車線1604やビーム領域(図8のゾーンと対応)の例も図示している。照明領域1603は、LEDアレイ1601に対応した格子として構成されている。格子の各四角形が、各LEDデバイス1602による照明領域と対応している。
このようなLEDアレイ1601を用いた比較例のヘッドライトは、ADBユニットの各LEDデバイス1602の発光を制御することで、照明領域1603におけるADB配光制御として配光パターンを実現する。ADB配光パターンの例としては、自車線1604の左側の対向車線1605の前方に対向車がある場合に、対向車に対応した領域1607を、消灯ないし減光するものである。その領域1607に対応付けられた複数のLED(例えば3×3の9個)が消灯される。
しかしながら、このような比較例のヘッドライトでは、LEDデバイス1602が均一に配列されたLEDアレイ1601を用いる構成であるため、照明領域1603の中央部(例えば領域1608)における照明の光量が不足する場合がある。この不足により、ハイビーム等として求められる要件を満たせない場合や、あるいは、好適なハイビーム等が実現できない場合がある。
<実施の形態1>
図1~図15を用いて、本開示の実施の形態1のヘッドライトについて説明する。
図1等に示される、実施の形態1のヘッドライトは、プレート61上に配置された、青色の発光を行う複数のLEDチップと、プレート61上に塗布された、LEDチップからの紫色から青色の波長の光を励起光源として黄色もしくは赤色と緑色の光を発光する蛍光体21と、を有するパターニングLED基板2を備える(図2)。車両前方の照明領域における所望の配光パターンの設計に応じて、パターニングLED基板2のプレート61上(言い換えると主面。光軸に対し垂直な平面。)における複数のLEDチップ(LEDチップ22~42)の配置位置が予め設計されている。
さらに、パターニングLED基板2は、プレート61上に、複数のLEDチップ間(所定の位置の各LEDチップ間)に配置された、蛍光体21の励起範囲を制限してLEDチップの発光を遮蔽する境界としての遮蔽板を有する(遮蔽板43~58)。実施の形態1のヘッドライトは、このような構成により、各々のLEDチップの発光量を制御することで、車両前方の照明領域への配光制御(言い換えると配光パターン)として、ロービーム、ハイビーム、およびADB配光制御されたハイビームなどが、プレート61上に設定される。実施の形態1のヘッドライトは、このようなプレート61上の配光が設定された、パターニングLED基板2からの出射光を、投射レンズ1(図1)で車両前方へビームとして投射することにより、制御および選択された所望の配光パターンの配光を実現する。
また、上記パターニングLED基板2におけるLEDチップおよび境界としての遮蔽板の配置は、車両前方の照明領域への配光パターンの設計に応じて、自由設定とする。配光パターンの設定・設計の一例としては、照明領域に対応付けられたパターニングLED基板2の主面において、自車両が走行する自車線の左右の白線に相当する位置に、遮蔽板が配置される。この配光パターンの場合、その左右の白線を領域とした配光制御が可能となる(図15)。
実施の形態1のヘッドライトの構成によれば、車両前方への配光を制御して対向車等へのビームをマスク(言い換えると選択的に消灯や減光)することにより、対向車等の運転者に眩惑を与えないようにするとともに、ロービーム、ハイビーム、およびADB付きのハイビーム等のパターンを切り替えることができる。そのため、実施の形態1のヘッドライトは、ロービーム、ハイビーム、ADBによる眩惑防止、白線強調などの各種の機能を、複数の機械部品や多数の光学素子(例えばLEDアレイ)を用いなくても、1個のヘッドライトユニットとして、両立させて実現することができる。
また、実施の形態1のヘッドライトの構成によれば、ADB制御と、自車両と対向車との間の距離に応じて、対向車よりも路肩側への配光も制御したい場合や、雨天時に道路の白線部分を明るく照射したい場合などにも、その場合(対応するモード)に対応した配光パターンが実現できる。そのため、実施の形態1によれば、重要な領域に対する運転者の視認性を向上せることができ、より安全な走行が可能となる。
[ヘッドライト]
図1は、実施の形態1のヘッドライトの概要構成を示す斜視図である。実施の形態1のヘッドライトは、放熱板3と、放熱板3上に設けられたパターニングLED基板2と、パターニングLED基板2に電気的接続されたLED駆動回路4と、パターニングLED基板2の主面2Aに対し前方(図1でのZ方向)に配置された投射レンズ1とを備えている。これらの構成要素は、所定の配置関係で、ヘッドライトの図示しない筐体に固定されている。このヘッドライトは、パターニングLED基板2からの発光を、投射レンズ1によって車両前方(矢印で示す)にビームとして投射する。
なお、説明上、方向および座標系として、X,Y,Zを用いる場合がある。図1では、Z軸は、ヘッドライトの照明(ビーム)の方向であり、パターニングLED基板2からの発光(出射光)の光軸の方向である。X軸およびY軸は、Z軸に対し垂直な方向であり、パターニングLED基板2の主面2A(複数のLEDチップが配置された平面)を構成する、直交する2つの方向である。特に、X軸は、水平方向、主面2A内の横方向と対応しており、Y軸は、鉛直方向、主面2A内の縦方向と対応している。
放熱板3は、パターニングLED基板2を放熱するために、パターニングLED基板2の主面2Aに対し背面側に接して配置されている。
パターニングLED基板2は、後述の図2のように、主面2A(対応するプレート61上)において複数のLEDチップが所定のパターン形状を構成する所定の位置に配置されているLED基板である。パターニングLED基板2の各LEDチップからの発光を含む発光(出射光)は、図1の一点鎖線で示すZ方向の光軸を有し、投射レンズ1に向かって進む。
LED駆動回路4は、パターニングLED基板2とは別の基板に実装されており、配線(例えばフレキシブルプリント基板で実装されてもよい)を通じて、パターニングLED基板2と電気的接続されている。なお、変形例としては、LED駆動回路4は、パターニングLED基板2とともに一体で実装されてもよい。
なお、車両の前面左右に設置される2つのヘッドライトは、同じものを適用できる。
[パターニングLED基板]
図2は、パターニングLED基板2の主面2Aの構成を示し、X-Y平面図を示す。なお、図2では、車両内から車両前方の照明領域を人が見る場合と対応させて、パターニングLED基板2の主面2Aの構成を、図1のZ方向(言い換えると前後方向)での後ろから前へ見る方向で平面視する場合の構成として図示している。
図2のように、パターニングLED基板2は、主面2Aで見て、プレート61と、プレート61上に所定のパターン形状で所定の位置に配置された複数のLEDチップとしてLEDチップ22,23,……,41,42と、それらの複数のLEDチップを覆うように所定の領域に形成された蛍光体21と、複数のLEDチップの所定の各LEDチップ間に配置された複数の遮蔽板として遮蔽板43,44,……,57,58とを有する。
プレート(基板)61は、本例ではX方向に横長の四角形の基板である。この横長は、車両前方の照明領域(ビームを照射する対象となる領域)が概略的に横長であることと対応している。
複数のLEDチップは、大別すると、一点鎖線で示すX方向に延在する第1ライン2B上に配置された9個のLEDチップ(第1LEDチップ群)としてLEDチップ22,23,24,25,26,27,28,29,30と、破線で示すX方向に延在する第2ライン2C上に配置された12個のLEDチップ(第2LEDチップ群)としてLEDチップ31,32,33,34,35,36,37,38,39,40,41,42とを有する。
第1LEDチップ群において、一点鎖線で示す中央の位置には、LEDチップ26が配置されている。中央の位置は、ヘッドライトのX方向での中央と対応している。中央のLEDチップ26に対し、左右にそれぞれ4個のLEDチップ(22~25,27~30)が、左右対称で、所定の間隔で所定の位置に配置されている。
第2LEDチップ群において、一点鎖線で示す中央の位置には、LEDチップ35が配置されている。中央のLEDチップ35に対し、右側には、7個のLEDチップ(36~42)が所定の間隔で所定の位置に配置されている。中央のLEDチップ35に対し、左側には、3個のLEDチップ(32~34)が所定の間隔で所定の位置に配置されている。また、中央のLEDチップ35に対し、左下の近くには、1個のLEDチップ31が配置されている。このように、第2LEDチップ群においては、左右非対称で複数のLEDチップが配置されている。この配置は、後述するが(図8)、車両前方の照明領域において左右で照明すべき領域の形状が異なることと対応している。第2LEDチップ群における右側のLEDチップ群と左側のLEDチップ群とでは、密度・個数も異なっており、右側の方が密度・個数が大きい。
蛍光体21は、すべてのLEDチップを覆うように、所定の領域として本例ではY方向に凸型形状の領域に形成されている。この凸型形状は、車両前方の照明領域が概略的に凸型形状であることと対応している。第2ライン2Cより上に凸型に出た領域部分は、後述(図8)の水平線よりも上側の照明領域と概略的に対応している。
複数の遮蔽板は、第1LEDチップ群に対し、左右端のLEDチップ22,30の付近に配置された斜め形状(X軸およびY軸に対し斜め)の遮蔽板43,44,45,46と、中央のLEDチップ26に対し左右のLEDチップ25,27の付近に配置された斜め形状に延在する遮蔽板47,48,49,50とを有する。
左右端の付近の遮蔽板43,44,45,46は、後述のコーナーリング時のパターンと対応させて形成されている。詳しくは、左端の遮蔽板としては、左端のLEDチップ22に対しY方向で上側に、蛍光体21の領域の左上角から中央に向かって斜めに延在するように配置された遮蔽板43と、左端のLEDチップ22に対しY方向で下側に、蛍光体21の領域の左下角から中央に向かって斜めに延在するように配置された遮蔽板44とを有する。遮蔽板43,44の延在は、LEDチップ22とその隣のLEDチップ23との中間程度までである。同様に、右端の遮蔽板としては、右端のLEDチップ30に対しY方向で上側に、蛍光体21の領域の右上角から中央に向かって斜めに延在するように配置された遮蔽板46と、右端のLEDチップ22に対しY方向で下側に、蛍光体21の領域の右下角から中央に向かって斜めに延在するように配置された遮蔽板45とを有する。遮蔽板45,46の延在は、LEDチップ30とその隣のLEDチップ29との中間程度までである。
また、中央に対し左右の遮蔽板47,48,49,50は、後述の左右の白線のパターンと対応させて形成されている。中央のLEDチップ26とその左隣のLEDチップ25との間には、左下から右上へ領域中央に向かって斜めに延在する遮蔽板48が配置されている。また、左隣のLEDチップ25とそのさらに左隣のLEDチップ24との間には、遮蔽板48よりも左上側に、左下から右上へ領域中央に向かって斜めに延在する遮蔽板47が配置されている。これらの2枚の遮蔽板47,48は、照明領域における自車線の左側の白線の領域と対応させた形状を有する。その2枚の遮蔽板47,48で挟まれた、左側の白線の領域内に、LEDチップ25が配置されている。
同様に、中央のLEDチップ26とその右隣のLEDチップ27との間には、右下から左上へ領域中央に向かって斜めに延在する遮蔽板49が配置されている。また、右隣のLEDチップ27とそのさらに右隣のLEDチップ28との間には、遮蔽板49よりも右上側に、右下から左上へ領域中央に向かって斜めに延在する遮蔽板50が配置されている。これらの2枚の遮蔽板49,50は、照明領域における自車線の右側の白線の領域と対応させた形状を有する。その2枚の遮蔽板49,50で挟まれた、右側の白線の領域内に、LEDチップ27が配置されている。
また、複数の遮蔽板は、第2LEDチップ群に対し、中央のLEDチップ35から右側の端のLEDチップ42までにおいて、各LEDチップ間を区分するように配置されたY方向に延在する遮蔽板52,53,54,55,56,57,58と、中央のLEDチップ35から右側のLEDチップ36,37と左側のLEDチップ31,34との間を区分するように配置された遮蔽板51とを有する。
遮蔽板51は、詳しくは3つの部分から構成されており、LEDチップ35,36,37のY方向で下側にX方向に延在するように配置された遮蔽板部と、左側のLEDチップ34のY方向で上側にX方向に延在するように配置された遮蔽板部と、それらの遮蔽板部を結ぶように、中央のLEDチップ35と左下のLEDチップ31との間に斜めに配置された遮蔽板部とを有する。
中央のLEDチップ35から右側のLEDチップに関して、Y方向に延在する3個の遮蔽板52,53,54は、遮蔽板51まで延在してそこで止まっている。また、Y方向に延在する4個の遮蔽板55,56,57,58は、斜めの遮蔽板50まで延在してそこで止まっている。
[パターニングLED基板]
図3は、図2のパターニングLED基板2のA-A線の断面図としてX-Z平面図を示す。Z方向において、放熱板3の表面上には伝熱性を高めるシリコングリース62が塗布されており、シリコングリース62を介してプレート61が配置されている。プレート61の表面上には、LEDチップを接続するための金属箔配線(例えば金属箔配線63~68)と、レジスト60とが形成されている。金属箔配線の上には、LEDチップ(例えばLEDチップ25,26,27)が接続されている。
例えばLEDチップ25,26,27間には、遮蔽板48,49が、Z方向に立つように形成されている。遮蔽板48,49は、レジスト60の表面から蛍光体21の表面21aまで、Z方向に壁のように立つように形成されている。図3の構成例では、遮蔽板48,49の高さは、蛍光体21の厚さ301と同じである。すべての遮蔽板は、これと同様に、蛍光体21の表面21aまでの高さで形成されている。
LEDチップからの発光の特性について、図示のLEDチップ27を例に説明する。LEDチップ27からの発光70は、LED励起光として青色光である。LEDチップ27からの発光76も、同じくLED励起光として青色光である。なお、説明上、発光70と発光76との2つに分けて図示している。一方の青色光である発光70は、蛍光体21を励起し、発光73として黄色光を発生させる。その黄色光である発光73は、蛍光体21の表面21aから前方(Z方向)へ出射される。他方の青色光である発光76は、そのまま蛍光体21を透過して蛍光体21の表面21aから前方へ出射される成分である。このように、LEDチップからの発光の一部は励起によって黄色光に変わって出射し、他の一部はそのまま青色光として出射する。
蛍光体21の表面21aから前方へ出射する発光は、それらの2種類の発光73,76が合成されたものであり、青色光と黄色光との合成によって白色光302となる。この白色光302がパターニングLED基板2からの出射光となる。なお、この白色光302は、後述の法規で定められたロービーム等の光度等の要件を満たすように設計されている。
同様に、LEDチップ27から前方斜め方向への発光も有する。例えば、ある発散角を有する発光72および発光78を有する。発光72は、遮蔽板によって遮蔽されない場合には、励起によって黄色光である発光75となって、蛍光体21の表面21aから出射する。発光78は、遮蔽板によって遮蔽されない場合には、そのまま青色光として蛍光体21の表面21aから出射する。
また、ある発散角を有する発光71および発光77を有する。発光71は励起によって黄色光である発光74となる。これらの発光74および発光77は、遮蔽板49によって遮蔽される。遮蔽板49は、中央のLEDチップ26とその右側のLEDチップ27との間において、所定の位置に配置されている。遮蔽板49は、LEDチップ26に対しては第1距離の位置、LEDチップ27に対しては第2距離の位置に配置されている。なお、LEDチップ27に対し右側にも図2のように遮蔽板50があるが、図3では省略している。
遮蔽板は、LEDチップからの発光を遮蔽する。例えば遮蔽板49は、LEDチップ27からの発光74(黄色光)および発光77(青色光)の両方を遮蔽する。これにより、例えば図2のLEDチップ27からの発光は、前方の照明領域において、左側の遮蔽板49と右側の遮蔽板50とによって区分された領域に対応した右側白線を主に照明するものとなる。LEDチップ27からの発光は、遮蔽板49による遮蔽に応じて発散が制限されることで、図2でのLEDチップ26を含む自車線に対応した領域に対しては届く光量が小さくなる。
また、例えば左側のLEDチップ25からの発光は、同様に、図2の右側の遮蔽板48と、左側の遮蔽板47とによって遮蔽される。これにより、図2のLEDチップ25からの発光は、左側の遮蔽板47と右側の遮蔽板48とによって区分された領域に対応した左側白線を主に照明するものとなる。
また、例えば中央のLEDチップ26からの発光は、同様に、右側の遮蔽板49と、左側の遮蔽板48とによって遮蔽される。図示の斜めの破線は、LEDチップ26からの発光が遮蔽板49,48によって遮蔽されない発散角、言い換えると遮蔽板によって制限された有効な励起範囲、発散範囲を示す。これにより、図2のLEDチップ26からの発光は、左側の遮蔽板48と右側の遮蔽板49とによって区分された領域に対応した自車線を主に照明するものとなる。
図2の他のLEDチップについても、同様に、遮蔽板によって区分された領域を主に照明するものとなる。なお、図2のように、遮蔽板によって区分された領域内に、1つのLEDチップのみがある場合、2つ以上のLEDチップがある場合、LEDチップが無い場合といったように、各種の領域があってもよい。また、図2の構成例では、空間(対応する蛍光体21の領域)は、遮蔽板によって完全には区分されておらず、概略的に複数の空間(対応する領域)に区分されている。あるLEDチップからの発光は、遮蔽板が無い箇所を通じて外側に発散してもよい。その発散した発光によっても、照明の領域が形成される。例えば、遮蔽板49は、図2の蛍光体21の領域の下辺から少し離れた位置から、左斜め上に、第2ライン2Cの中央のLEDチップ35に向かって、遮蔽板51には接触しないように少し離れた位置まで、延在している。LEDチップ26からの発光は、Z方向を光軸として図2でのX-Y面内の全周囲に発散して発光するが、その発光の一部は遮蔽板49等によって遮蔽され、他の一部は遮蔽板49等が無い箇所から外側へ発散するように前方に出射する。
これに限定されず、変形例として、プレート61上の空間は、X-Y面内で遮蔽板によって完全に区分された領域(言い換えると閉じた領域)を有してもよい。
図2の車両前方の照明領域における複数の領域への区分は、上記のような各LEDチップの位置、各遮蔽板の位置、形状、高さ等によって設計されている。なお、図2でのプレート61面上での遮蔽板等による物理的な複数の領域の区分の構成と、車両前方の照明領域での複数の領域(実際にビームが照射される領域、光度の分布)の構成とは、前方への発散があるため、厳密には同じではないが、それらが対応関係を有しており、照明領域の構成は、遮蔽板等による構成と類似となる。
遮蔽板の遮蔽という光学的な特性は、詳しくは、吸収または反射または他の特性のいずれであってもよい。この遮蔽の特性は、LEDチップ(そのうちの後述のLEDデバイス)からの発光の発散、すなわち車両前方への方向(Z軸)に対し横方向(X-Y面)への拡がり、を制限する機能を実現する特性であればよい。遮蔽板は、材質や製法を限定しないが、例としては、基材に黒膜(言い換えると遮光膜)が塗布された物などで形成されてもよい。あるいは、蛍光体21の一部を加工(例えば光硬化)することで遮蔽板として形成されてもよい。
実施の形態1での図3の構成例では、遮蔽板は、プレート61上のレジスト60からZ方向に蛍光体21の表面21aまで立つような高さ・厚さ301を有する。すなわち、この遮蔽板の厚さは蛍光体21の厚さと同じである。
図3の遮蔽板の構成例の利点としては、高さ・厚さ301を確保することで、車両前方への照明領域として、複数の領域への明確な区分・制限が可能である。ただし、この構成例の場合、前方からヘッドライトの方を見た場合に、すなわちビームによる照明を視認した場合に、遮蔽板がある箇所が、暗線、すなわち照明のうちで相対的に暗く見える部分として見える可能性がある。
[変形例:遮蔽板]
図4は、図3の遮蔽体の構成例に対しての変形例の構成を同様に示す。図4は、図3に対する違いとして、遮蔽板81,82を有する。遮蔽板81,82は、プレート61上のレジスト60から、前方のZ方向に、所定の高さ401で、蛍光体21の表面21aから手前の所定の距離(言い換えると隙間)80の位置まで、立つように形成されている。すなわち、遮蔽板81,82は、図3の遮蔽板48,49の高さ301よりも低い高さ401で形成されている低背遮蔽板である。図4の遮蔽板81,82の高さ401、および前方端(最も高い位置)から蛍光体21の表面21aまでの距離80は、LEDチップの位置や間隔、遮蔽板の位置や幅、投射レンズ1の解像度などのパラメータに合わせて、適切な値に設計されている。すなわち、この高さ401および距離80等の値は、LEDチップからの発光の発散の範囲の制限を十分に確保できる値として設計されている。
図4での例えばLEDチップ27からの斜めへの発光83および発光85(図3での発光74および発光77と同様の発光)は、遮蔽板82によっては遮蔽されずに、遮蔽板82上の隙間80を通じて、蛍光体21の表面21aから出射する。同様に、LEDチップ27からの斜めへの発光85および発光86は、遮蔽板82によっては遮蔽されずに、遮蔽板82上の隙間80を通じて、蛍光体21の表面21aから出射する。
図4の構成例は、図3の構成例に比べ、遮蔽板によるLEDチップの発光の発散の制限が弱くなり、LEDチップからの発光の発散の度合いが大きくなり、個々の照明領域がより広くなる。図4の遮蔽板の構成例の利点としては、遮蔽板が蛍光体21から露出していないので、前方からヘッドライトの方を見た場合に、照明のうちで遮蔽板の箇所が暗線としては見えにくくなる。
なお、遮蔽板に係わる他の変形例としては、蛍光体21の表面21aから前方に所定の距離の位置まで、遮蔽板の一部(最も高さがある部分)が露出する構成例も可能である。
[投射レンズ]
図5は、実施の形態1における投射レンズ1の構成としてX-Z面での断面図を示す。投射レンズ1は、実施の形態1のヘッドライトの所定のビーム投射性能を実現するための光学的特性を有する。具体的に、実施の形態1での投射レンズ1は、少なくとも解像度の仕様を有する。この解像度(MTF)は、具体例として、3lp/mm(単位はラインペア・パー・ミリメートル)である。この投射レンズ1の解像度は、パターニングLED基板2からの前方(Z方向)への発光(言い換えると出射光)についての、16%以上の解像度が実現されればよい。
図5の投射レンズ1は、詳細には、Z方向において、パターニングLED基板2の主面の前述の複数のLEDチップからの発光を入射光として入射する側に配置された第1レンズである凸レンズ91と、その凸レンズ91の出射側に配置された第2レンズである凹レンズ90とを有する。これらの2枚のレンズは、例えばポリカーボネートで構成されている。凸レンズ91および凹レンズ90のいずれも、入射面および出射面が、非球面形状を有する。この非球面形状は、投射レンズ1による収差補正などの補正、すなわち車両前方に好適なビームを形成するための補正、を実現するための形状である。
この投射レンズ1の形状や解像度の仕様は、前述の特徴的なパターニングLED基板2からの発光を車両前方へ投射するために最適設計されたものである。このような投射レンズ1が、前述のパターニングLED基板2の前方に所定の距離の位置に配置されて、組合せで使用されることで、実施の形態1のヘッドライトによる好適な照明領域を形成することができる。
[パターニングLED基板およびLED駆動回路]
上記のように、実施の形態1のヘッドライトでは、パターニングLED基板2の複数のLEDチップは、単なるLEDアレイ(図16の比較例)とは異なり、車両前方の照明領域(特に様々な配光パターンを構成するために設計された複数の領域)と対応させた、所定の位置に配置されている。また、実施の形態1のヘッドライトは、車両前方の照明領域と対応させた、所定の位置や形状で、複数の遮蔽板が配置されている。
さらに、実施の形態1のヘッドライトでは、パターニングLED基板2の複数のLEDチップは、各LEDチップの発光光量を同じとするのではなく、車両前方の照明領域と対応させて、各LEDチップが各発光光量となるように設計されている。そして、配光パターンに応じて、LED駆動回路4から各LEDチップの発光光量を変更できるように設計されている。この観点については以下で説明する。
[LED駆動回路]
図6は、LED駆動回路4などの構成を示す。図6では、実施の形態1のヘッドライトを搭載する車両の車両コントローラ102(例えば電子制御ユニット:ECU)に対し、配線および端子108を通じて電気的接続されたLED駆動回路4の内部の機能ブロック構成例を主に示している。また、LED駆動回路4は、車両の車載電源100と、端子107を通じて接続されている。車載電源100は設地101に接続されている。また、LED駆動回路4は、LED駆動回路4側の端子109,110,111等、配線、およびパターニングLED基板2側の端子104,105,106等を通じて、パターニングLED基板2の複数のLED(LEDチップ22~42)と電気的接続されている。それらの複数のLEDは、端子103を通じて設地101に接続されている。
LED駆動回路4は、マイクロコントローラ126、レギュレータ125、スイッチ124、昇圧コンバータ128、基準電圧回路127、および複数のLEDPWM駆動部112,113,114等を備えている。各LEDPWM駆動部は、所定のLEDチップと対応付けられて設けられている駆動回路である。
LEDPWM駆動部は、端子115、端子116、端子117、端子109、比較器(差動増幅器)133、降圧制御回路129、スイッチ(ON/OFFスイッチ)130、電流検出回路131、電流電圧変換回路132等を含んでいる。
マイクロコントローラ126は、プロセッサやメモリなどの回路を備えている。もしくは、マイクロコントローラ126の外部に備えるメモリや外部記憶装置などが使用されてもよい。メモリには、パターニングLED基板2の複数のLEDチップの駆動制御のための設定情報が例えばテーブルのデータ形式で格納されている。
この設定情報は、車両コントローラ102(他の部位でもよい)からの命令または各種の車両情報などの入力に基づいて、その入力情報で示されるモードに対し、例えば一対一で対応させたビームの配光制御のパターン(配光パターンとも記載)を選択するための情報である。すなわち、この設定情報のテーブルには、例えば、モードとパターンとの対応関係が規定されている。この設定情報の詳細については限定するものではない。
上記モードは、説明上の用語であるが、その時の車両や車両周囲の状況を表すもの、あるいは、車両コントローラ102が車両前方への照明としてどのような照明状態にしたいかを表すものである。モードは、例えば、ADB配光制御等によってどの方向の領域を明るく、どの方向の領域を暗くしたいかを表すものであり、例えば対向車線の前方を防舷のために消灯するモード、右折時に注意のために右折先を明るくするモード、雨天時に白線を明るくするモード、といったものである。
上記モードは、具体的な配光パターンと例えば一対一で関係付けられる。配光パターンは、車両前方の照明領域において、具体的にどの方向の領域を明るく、どの方向の領域を暗く照明するかを規定するパターンであり、具体的にどのLEDチップを点灯や消灯し、各LEDチップをどのような光量とするかを規定するものである。マイクロコントローラ126は、車両コントロ―ラ102からの入力情報(例えばモードの指定)に従って、メモリの設定情報に基づいて、その時の配光パターンを選択・決定する。
なお、モードと配光パターンとを分けているが、これらを同じものとして規定してもよく、同様の効果が得られる。同じものとして規定する場合、車両コントローラ102からマイクロコントローラ126へ配光パターンを指定する。
車両周囲状況等に関して、車両コントローラ102において把握できる情報(車両情報と記載)の例を以下に示す。車両コントローラ102は、このような車両情報に基づいて、ヘッドライトに関してどのようなモードとすべきかを判断できる。
車両情報の例として、速度情報、ギア情報、ハンドル操舵角情報、ランプ点灯情報、外光情報、距離情報、赤外線情報、エンジンON/OFF情報、カメラ映像情報(車内や車外)、加速度ジャイロ情報、GPS情報(現在時刻含む)、ナビゲーション情報、車車間通信情報、路車間通信情報、等が挙げられる。
なお、変形例としては、ヘッドライトのマイクロコントローラ126が、車両情報の取得に基づいて、モードまたは配光パターンを決定してもよい。
マイクロコントローラ126の設定情報において、各モードや各配光パターンは例えばIDを用いて識別される。各配光パターンは、各位置のLEDチップ毎に、点灯または消灯と、光量とを指定できる。各位置のLEDチップもID(LEDチップID)を用いて識別される。
後述のように、パターニングLED基板2における各位置のLEDチップ(22~42)毎に、当該LEDチップを構成するLEDデバイスの直列数が異なる場合がある。そのような構成に対応させて、マイクロコントローラ126の配光パターンの設定情報は、各位置のLEDチップの光量を所定範囲内で可変に指定できるように、各LEDPWM駆動部でどのように後述の降圧制御をすべきかといった制御情報も含んでいる。
図6で、車載電源100から端子107を通じて電源電圧がLED駆動回路4に供給される。この電源電圧は、レギュレータ125を通じてマイクロコントローラ126に供給され、供給状態ではマイクロコントローラ126が自動的に起動する。電源電圧は、スイッチ124のオン状態を通じて、昇圧コンバータ128に供給され、昇圧コンバータ128が昇圧することで、複数のLEDチップおよびLEDPWM駆動部に対する共通の電源電圧を生成する。共通の電源電圧は、端子117等を通じて、各LEDPWM駆動部(特に降圧制御回路129)に供給される。
また、基準電圧回路127からは、基準電圧が、端子116等を通じて、各LEDPWM駆動部(特に比較器133)に供給される。
マイクロコントローラ126は、ヘッドライトをある配光パターンとして制御する時には、各LEDPWM駆動部へ、端子115等を通じて、その配光パターンに対応した駆動制御信号を送信する。
LEDPWM駆動部は、対応付けられたLEDチップを、パルス幅変調(PWM)の電流(言い換えるとLED駆動電流)によって駆動する回路部分である。例えば、LEDPWM駆動部112は、端子115を通じて入力された駆動制御信号に従って、内部回路が駆動制御されることで、端子109からLED駆動電流を出力する。そのLED駆動電流が、端子104を通じてLEDチップ22に供給され、そのLEDチップ22を構成している1つ以上のLEDデバイス(LEDチップ22の場合には図7の(A)のように1つのLEDデバイス701)が駆動されることで、そのLEDチップ22から発光する。
各LEDPWM駆動部は、駆動制御信号によって、スイッチ130(例えばMOSスイッチで構成される)がON/OFFされる。また、比較器133は、駆動制御信号を制御入力とし、基準電圧を正入力とし、LED駆動電流からIV変換後の検出電圧を負入力とし、差分電圧を出力する。
降圧制御回路129は、共通の電源電圧と、差分電圧とを入力する。降圧制御回路129は、差分電圧に従って共通の電源電圧を降圧した電圧(降圧電圧とも記載)を出力する。スイッチ130がON状態の時には、その降圧電圧が、電流検出回路131を通じて、出力端子(端子109等)から出力される。
LEDPWM駆動部(端子109等)から出力されるLED駆動電流は、スイッチ130でのON状態とOFF状態との切り替え制御に応じた、PWMによるオン期間とオフ期間とを含んだ電流信号(言い換えるとPWM信号)である。各LEDチップは、そのLED駆動電流に従って、点灯と消灯とが切り替えられる。これにより、PWMのオン期間の長さに応じて、LEDチップからの発光の光量が基本的に決まる。また、LEDチップからの発光の光量は、後述(図7)のLEDデバイスの直列数の構成に応じても決まる。
なお、マイクロコントローラ126のプロセッサは、適宜にメモリ等の資源を用いながら、メモリ上に読み出されたプログラムに従った処理を実行する。これにより、所定の機能や処理部等が実現される。プロセッサは、例えばCPU等の半導体デバイス等で構成される。なお、処理は、ソフトウェアプログラム処理に限らず、専用回路でも実装可能である。専用回路は、FPGA、ASIC、CPLD等が適用可能である。プログラムは、予めデータとしてインストールされていてもよいし、プログラムソースからデータとして配布されてもよい。プログラムソースは、通信網上のサーバでもよいし、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体(例えばメモリカード)でもよい。各種のデータや情報は、例えばテーブル等の構造で構成されるが、これに限定されない。識別情報、識別子、ID、名、番号等の表現は互いに置換可能である。
[LEDチップ]
図7は、LEDチップにおける1つ以上のLEDデバイスの構成例を示す。図7の(A)は、あるLEDチップ、例えば図2の左端付近のLEDチップ22が、1つのLEDデバイス701によって構成される場合を示す。このLEDチップの直列数は1である。図7の(B)は、あるLEDチップ、例えば図2の左側白線領域のLEDチップ25が、3つのLEDデバイス701の直列接続によって構成される場合を示す。このLEDチップの直列数は3である。図7の(C)は、あるLEDチップ、例えば図2のLEDチップ31が、4つのLEDデバイス701の直列接続によって構成される場合を示す。このLEDチップの直列数は4である。各LEDチップは、直列数に応じた基本発光光量となり、直列数が大きいほど基本発光光量が大きい。
なお、(B)や(C)のように、1つのLEDチップが複数のLEDデバイス701で構成される場合、実装例としては、図2のようなパターニングLED基板2における主面(X-Y面)を構成する方向に対し垂直な方向(Z方向)に、複数のLEDデバイス701が直列接続される構成となる。主面で平面視してLEDチップ毎に所定の発光光量を確保できるのであれば、このような垂直方向での直列接続の構成には限定されない。
パターニングLED基板2の主面における複数(例えば図2では合計21個)のLEDチップ(22~42)は、配置の位置に応じて、上記のようなLEDデバイス701の数(対応する直列数)が設計されている。前述のように、図2のパターニングLED基板2の主面には、車両前方の照明領域の構成(後述の複数の配光パターンの構成)と対応させて、複数のLEDチップおよび複数の遮蔽板が配置されている。その照明領域の構成と対応させて、各位置のLEDチップの基本発光光量が設計されており、位置ごとに直列数が異なり得る。
具体的には、実施の形態1では、車両前方の照明領域の構成において中央部の照明の量を確保するために、パターニングLED基板2の複数のLEDチップにおいて、中央部ほど、周囲部よりも、LEDチップの基本発光光量が大きくなるように、異なる直列数として設計されている。中央部は、図16の比較例での領域1608のような部分を指しており、図2では特に、第2ライン2C上の、LEDチップ35やLEDチップ31の位置の付近が相当する。LEDチップ35やLEDチップ31、およびその付近の所定のLEDチップ、例えばLEDチップ36,37や、LEDチップ34等は、最も直列数が大きいLEDチップ、例えば図7の(C)の構成として設計されている。そして、LEDチップ35から距離が離れる位置のLEDチップほど、直列数が小さいLEDチップとして設計されている。例えば、白線領域のLEDチップ25,27は、図7の(B)のような直列数が3の構成とされている。例えば、左右端の付近のLEDチップ22,30は、図7の(A)のように最低の1つのLEDデバイス701の構成とされている。パターニングLED基板2の複数のLEDチップにおけるLEDデバイスの構成は上記例に限定されない。
さらに、図6のLED駆動回路4は、上記のような直列数と対応した基本発光光量が異なり得る各LEDチップを、PWM制御によって、配光パターンに応じた可変の光量として制御することができる。図6のLED駆動回路4は、そのための降圧制御回路129等を備えている。各LED駆動回路4の降圧制御回路129は、共通の電源電圧を、対応するLEDチップ毎の基本発光光量(対応する直列数)に合わせて降圧した降圧電圧を生成する。なお、共通の電源電圧は、直列数が最大のLEDチップに合わせて設計されている。直列数が最大のLEDチップに対しては、降圧が不要となる。
そして、LED駆動回路4は、その降圧電圧、および配光パターンに応じた駆動制御信号に基づいて、スイッチ130のON/OFFが制御されることで、PWMのLED駆動電流が生成される。このLED駆動電流では、PWMのオン期間とオフ期間との長さの比に応じて、基本発光光量に対する実際の発光光量を可変に決定することができる。
このような構成により、例えば図2の中央部、LEDチップ35やLEDチップ26の付近では、基本発光光量が高く確保されるとともに、その時の配光パターンに応じて、遮蔽板で区分された領域ごとに、例えば眩惑防止のため発光光量を基本よりも下げること等が実現できる。
[照明領域]
図8は、法規に対応した照明領域の構成概要を示す。図8は、右側通行用のすれ違い用ビーム(ロービーム)の場合の照明領域を示す。h-hの線は水平線および水平面を示す。v-vの線は、ヘッドライトの光軸と対応した垂直線および垂直面を示す。なお、左側通行の場合には、この図でv-v線に対し左右反転した照明領域の構成となる。このロービームの照明領域では、ゾーンII802やゾーンIV804を点灯(高い光度)、ゾーンIII803を消灯(低い光度)とすることで、対向車への眩惑が防止される。ゾーンII802とゾーンIII803との境界のうちの斜めの線805はカットオフラインと呼ばれる。例えば、ゾーンII802中の点BRで要求される光度[cd]は、最大1750cdとされる。ゾーンIII803中の点B50Lで要求される光度は、最大350cdとされる。なお、ハイビームの要件についても、光度の範囲等が規定されている。
[配光パターン]
以下には、実施の形態1のヘッドライトにおけるモードに対応付けられたビーム配光制御のパターンの具体例を挙げて説明する。前述のように、パターニングLED基板2の主面での複数のLEDチップおよび複数の遮蔽板の配置(言い換えるとパターニング)は、車両前方の照明領域の構成と対応させて、予め定めた位置や形状や寸法で設計されている。
[第1パターン]
図9は、配光パターンとして、通常のロービーム走行時のモードに対応した第1パターンの構成を示す。なお、図9等では、図2と同様に、車両前方への照明領域の構成をそのまま重ね合わせて理解しやすいように、パターニングLED基板2の主面(X-Y面)をZ方向で後ろから前へ見る構成を示している。パターニングLED基板2の主面をZ方向で前から後ろへ見る場合には、図9等の構成を左右反転した構成を考えればよい。
図9の第1パターンにおいて、破線枠で示す領域901,902は、いずれも、LEDチップを点灯する点灯領域とされる。領域901は、第1ライン2B上、左右端を除くLEDチップ23~29と、第2ライン2C上のLEDチップ32,33とを含んでいる。領域902は、第2ライン2C上、LEDチップ34とLEDチップ31とを含んでいる。第2ライン2C上の中央のLEDチップ35から右側のLEDチップ42までの部分は、消灯とされる。領域901と領域902とを合わせた領域は、図8のようなロービームに対応した照明領域を構成する。特に、領域902は、遮蔽板51によって、カットオフラインも形成されている。
[第2パターン]
図10は、通常のハイビーム走行時のモードに対応した第2パターンの構成を示す。第2パターンは、領域1001,1002を点灯領域とする。領域1001は、第1ライン2B上、左右端を除くLEDチップ23~29を含む。領域1002は、第2ライン2C上、LEDチップ32~42およびLEDチップ31を含む。領域1001および領域1002により、ハイビームに対応した照明領域が構成される。Y方向で上側の領域1002は、走行時の自車線の前方と対応しており、光度を高くする必要がある。
[第3パターン]
図11は、ハイビームでかつADB走行時のモードに対応した第3パターンの構成を示す。第3パターンは、ハイビームにADB配光制御を適用した配光パターンである。実施の形態1のヘッドライトは、ADBを適用しない通常のハイビーム(図10)だけでなく、このようなADBを適用するハイビームも選択して利用可能となっている。パターニングLED基板2のLEDチップおよび遮蔽板の構成は、そのような複数の配光パターンの選択制御に対応できるように設計されている。
図11の第3パターンでは、領域1100、領域1101,1102,1103を有する。第3パターンの時、領域1100、領域1101および領域1102は点灯領域とされ、領域1103は消灯領域(ドットパターンで図示)とされる。領域1100は前述と同様の第1ライン2B上の領域である。領域1101、領域1102、および領域1103は、第2ライン2C上のLEDチップ32~42を含む領域を3つの領域に区分した例である。領域1101は、左側からLEDチップ32~34、LEDチップ31、およびLEDチップ35~37を含む領域である。領域1102は、LEDチップ38,39を含む領域である。領域1103は、LEDチップ40,41,42を含む領域である。領域1101と領域1102は、特に遮蔽板54によって区分されている。領域1102と領域1103は、特に遮蔽板56によって区分されている。
照明領域で考えた場合に、領域1103は、自車線の右隣の前方にある領域に相当する。この領域に例えば対向車(他車両)があるという状況の場合には、眩惑防止のためにその領域に向けては照明しない、または減光する、というADB配光制御を行うことが、モードの1つとしてある。第3パターンはこのようなモードに対応したものである。
Y方向で上側の第2ライン2C上の領域は、図示のように、複数のLEDチップが複数の遮蔽板によって区分された構成を有するため、制御によって、第3パターンでの例えば3つの領域1101,1102、1103への分離が可能である。そして、指定の領域、例えば領域1102に対応付けられたLEDチップを消灯または減光とすることで、ADBを適用したハイビームとすることができる。
上記第3パターンでは、ある領域1102を消灯領域としたが、図面からも容易に理解できるように、遮蔽板によって区分される領域を構成単位として、構成された他の領域を消灯や減光とすれば、対象の領域・方向を変えた他の内容のADBとすることが同様に実現可能である。
なお、各配光パターンの適用時に、そのパターン内での可変制御可能なパラメータ(例えばADBで眩惑防止対象とする領域)がある場合には、車両コントローラ102からモード等の指定と共にそのパラメータ値を指定してもよい。あるいは、マイクロコントローラ126が、そのパラメータ値を自動的に制御してもよい。
[第4パターン]
図12は、ハイビームでかつ配光幅可変制御の走行時のモードに対応した第4パターンの構成を示す。第4パターンは、ハイビームに配光幅可変制御を適用した配光パターンである。ここでの配光幅可変制御とは、例えば上側の第2ライン2C上の領域を対象として、LEDチップおよび遮蔽板で区分された複数の領域を用いることで、ハイビームとして照明する領域の横幅(水平方向、X方向での幅)を可変に制御することを指す。下側の領域1200は前述と同様の点灯領域である。
本例では、上側の第2ライン2C上の領域は、左側から、領域1201,1202,1203,1204,1205といった5つの領域を有する。領域1201は、LEDチップ32,33を含む領域である。領域1202は、LEDチップ34を含む領域である。領域1203は、LEDチップ31,35,36を含む領域である。領域1204は、LEDチップ37,38を含む領域である。領域1205は、LEDチップ39~42を含む領域である。
第4パターンでの配光幅可変制御は、例えば、車速に応じて、ハイビームの上記領域の横幅が決定される。例えば、低速時には、ハイビームの領域の横幅が広い方が好適であり、高速時には、ハイビームの領域の横幅よりも中央部(正面)が明るい方が好適である。配光幅可変制御では、時間軸上で、車速の変化に応じて、上記ハイビームの領域の横幅が変化してもよい。
例として、低速時に対応したある配光幅可変制御の時には、領域1201から領域1205までの5つの領域のすべてが、点灯領域とされる。すなわち、この時のハイビームの横幅は、領域1201から領域1205までを含む第2ライン2C上の領域に対応した横幅となる。また、この時、例えば中央部に対応する領域1203では、他の制御時に比べて光度を相対的に小さくしてもよい。また、別の配光幅可変制御の時には、例えば、領域1202から領域1204までの3つの領域が点灯領域とされ、領域1201および領域1205は消灯領域とされる。すなわち、この時のハイビームの横幅は、領域1202から領域1204までの領域に対応した横幅となる。また、この時、例えば中央部に対応する領域1203では、他の制御時に比べて光度を相対的に大きく、例えば最大としてもよい。
[第5パターン]
図13は、ハイビームでかつ配光中心可変制御の走行時のモードに対応した第5パターンの構成を示す。第5パターンは、ハイビームに配光中心可変制御を適用した配光パターンである。ここでの配光中心可変制御とは、配光制御によって照明される領域のうちで、光量(対応する光度)を最も大きくする領域(配光中心領域とも記載)を、可変に制御することを指す。言い換えると、この配光中心可変制御は、照明領域内において相対的に光量の大小の領域を設けることである。本例では、この配光中心可変制御は、詳しくは以下の2種類の制御を含んでいる。
第1の配光中心可変制御は、ある時点で、ハイビームの領域(第2ライン2C上の領域)のうち指定の一部の領域を、最も光量が高くなるように制御するものである。例えば、車両が右カーブを走行している場合に、ヘッドライトからのハイビームとしては、中央よりも右寄りの方向・領域に照明することが好適である。これに対応して、この制御では、ハイビーム時に第2ライン2C上の領域を基本的に点灯とするとともに、その領域のうちで指定の一部の領域を、最も光量が大きくなるようにする。言い換えると、指定の領域を第1光量とした場合に、それ以外の領域を第1光量よりも小さい第2光量とする。これにより、右カーブ走行時に好適なハイビームが実現できる。
図13の例では、上側の第2ライン2C上の領域は、左側から、領域1301,1302,1303,1304,1305,1306といった例えば6つの領域を有する。領域1301はLEDチップ32,33を含む領域である。領域1302はLEDチップ34を含む領域である。領域1303はLEDチップ31,35,36を含む領域である。領域1304はLEDチップ37,38を含む領域である。領域1305はLEDチップ39,40を含む領域である。領域1306はLEDチップ41,42を含む領域である。
ある時点で、例えば、右カーブ走行に対応して、領域1301は消灯領域とされ、他の領域1302~1306は点灯領域とされる。すなわち、右カーブ走行に対応して、ハイビームの領域が、中央に対し右寄りの領域として形成される。さらに、その右寄りの領域(5つの領域)内において、指定の一部の領域、例えば5つのうち中央の領域1304(一点鎖線枠で示す)が、最も光量が大きい点灯領域とされる。LEDチップの光量の大小の制御は、前述のPWM制御などによって可能である。これにより、右カーブ走行時に好適なハイビームが実現できる。
さらに、第2の配光中心可変制御は、時間軸上の制御が加えられる。第1の制御のみでもよいが、第2の制御を加えることで、より好適なハイビームが実現できる。この第2の制御では、ハイビームの領域における最も光量が高くなる領域を、時間軸上で移動させる。例えば、車速に応じて、最も光量を高くする領域が決定される。例えば、右カーブ走行で低速時には、上側のハイビームの領域のうち、最も光量が大きい領域を、高速時に比べて相対的に、より右寄りとした方が好適である。右カーブ走行で高速時には、ハイビームの領域のうち最も光量が大きい領域を、より中央寄りにした方が好適である。このように、第2の制御では、例えば右カーブ走行時に、車速の変化に応じて、時間軸上で、最も光量が大きい領域が、ハイビームの領域内で左右に移動することとなる。
第2の制御の例としては、右カーブ走行で低速時には、点灯領域とする領域1302~1306のうち、例えば領域1306、あるいは領域1305が、最も光量が大きい領域とされる。高速時には、点灯領域とする領域1302~1306のうち、例えば領域1304が、最も光量が大きい領域とされる。
[第6パターン]
図14は、コーナーリング走行時のモードに対応した第6パターンを示す。コーナーリングは、右折や左折である。第6パターンは、ハイビームやロービームとは別の、コーナーリング時用の配光パターンである。第6パターンは、例えば右折時には照明領域で中央に対し右端付近の領域を照明し、左折時には照明領域で中央に対し左端付近の領域を照明する配光パターンである。例えば右折時にそのような照明とすれば、右折先に対する注意が可能である。
第6パターンでは、第1ライン2B上に、領域1401,1402を有し、これらが点灯領域とされる。領域1401は、第1ライン2B上の領域のうち左端付近の領域であり、領域1402は、第1ライン2B上の領域のうち右端付近の領域である。領域1401は、左端のLEDチップ22を含み、遮蔽板43,44によって遮蔽されている。領域1402は、右端のLEDチップ30を含み、遮蔽板45,46によって遮蔽されている。
これらの遮蔽板は、前述のように斜め方向に延在するように形成されている。例えば、遮蔽板43は、左上の角からLEDチップ23に向かって右斜め下に延在しており、LEDチップ23との間には隙間を有している。遮蔽板43の端と遮蔽板44の端との間は開いている。LEDチップ22が点灯された場合、遮蔽板43,44によって遮蔽されるとともに、開いている部分から右方にも発光が広がるので、領域1401は、LEDチップ23付近まで広がった形状となっている。
従来の車両は、コーナーリング時には、ヘッドライトとは別のコーナーリングランプが使用されている。それに対し、実施の形態1のヘッドライトによれば、コーナーリング時に第6パターンによる照明を行うことができ、このヘッドライトのみでも、コーナーリングランプと同様のコーナーリング時のビームを実現できる。
また、第6パターンは、図示のように、斜めの遮蔽板を用いて、左右の外に広がるような斜め形状の領域1401,1402を形成している。人間の目は、一般的な特性として、誘目効果を有する。それを考慮して、図示のような斜め形状の領域1401,1402が設計されている。これにより、コーナーリング時のビームを、より人に認識させやすくなる。
[第7パターン]
図15は、雨天時などの白線認識向上(言い換えると白線強調)のモードに対応した第7パターンを示す。ここでの白線は、道路上の自車線を構成する左右の白線である。雨天時などには、この白線が見えにくくなる場合がある。第7パターンは、ハイビームやロービームとは別に、その白線を人の目に認識しやすくなるように強調する配光パターンである。第7パターンは、第1ライン2B上に、領域1501,1502を有し、これらが点灯領域とされる。領域1501は、中央から1つ左側のLEDチップ25を含み、遮蔽板47,48によって遮蔽される領域である。領域1502は、中央から1つ右側のLEDチップ27を含み、遮蔽板49,50によって遮蔽される領域である。領域1501は、自車線の左側の白線に対応させた位置、形状、大きさ等で設計されている。領域1502は、自車線の右側の白線に対応させた位置、形状、大きさ等で設計されている。
遮蔽板47,48は、左下から第2ライン2C上の中央に向かって右斜め上に延在するように形成されており、それらの両端は開いている。遮蔽板49,50は、右下から第2ライン2C上の中央に向かって左斜め上に延在するように形成されており、それらの両端は空いている。LEDチップ25が点灯された場合、遮蔽板47,48によって遮蔽されるとともに、開いている部分からも発光が広がる。これにより、領域1501は、左側の白線に対応した斜めの帯状の領域となっている。
雨天時などに第7パターンによる照明とすれば、白線が目立つようにでき、安全運転が可能となる。
[複数のパターン]
上記例の複数のパターンは、組み合わせで適用することも可能である。例えば、車両走行状況、モードに応じて、ハイビーム、ADB、および白線認識を適用したい場合には、第3パターンと第7パターンとを組み合わせたパターンとすればよい。
実施の形態1のヘッドライトは、上記例のような複数のパターンを選択して実行可能なように、共通化された構成を有する。その構成として、パターニングLED基板2の複数のLEDチップおよび複数の遮蔽板、ならびにLED駆動回路4等の構成が設計されている。
複数のパターンは、ある車両メーカが要求する複数のモードに対応したものとしてもよい。また、それに限らず、複数の車両メーカでそれぞれに要求する異なるモードがある場合には、それらの複数の車両メーカに要求されるすべての複数のモードに対応させた複数のパターンとすることも可能である。この場合には、1つのヘッドライトで複数の車両メーカに対応可能となる。
[投射レンズ]
実施の形態1の投射レンズは、上記のような実施の形態1のヘッドライトを構成する投射レンズであり、図1の投射レンズ1のように、パターニングLED基板2の前方に配置され、パターニングLED基板2からの前方への発光(出射光)に基づいて、所定の解像度で好適なビームを前方へ投射して車両前方の照明領域を形成する光学素子である。また、この投射レンズは、車両用のヘッドライトおよびパターニングLED基板2に限定されずに、他の照明装置、光源装置に対しても同様に適用できる。
[ヘッドライト制御方法]
実施の形態1のヘッドライト制御方法は、上記のような実施の形態1のヘッドライトを制御する方法であり、特にヘッドライトを車両のモードに応じた配光パターンで制御して、車両前方への好適な照明領域を形成する方法である。このヘッドライト制御方法は、図6等の構成に基づいて、LED駆動回路4(特にマイクロコントローラ126)が、車両情報またはモード指定などに応じて、配光パターンを選択・決定するステップと、その配光パターンに対応させて、複数のLEDPWM駆動部を駆動制御するステップと、複数のLEDPWM駆動部からのPWM制御による電気信号(LED駆動電流)をパターニングLED基板2の複数のLEDチップに供給することで、複数のLEDチップの点灯/消灯および発光量を制御しながら発光させるステップと、を有する。
[効果等]
以上のように、実施の形態1のヘッドライト等によれば、従来のバイファンクション方式や、アレイ状/マトリックス状の光学素子を用いる方式とも異なり、機械部品や光学素子の数も少ない構成にできるので、コストを抑え、信頼性を向上でき、照明領域の中央部の光量も確保できる、好適なヘッドライト等を実現できる。
以上、本開示の実施の形態を具体的に説明したが、前述の実施の形態に限定されず、要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。各実施の形態は、必須構成要素を除き、構成要素の追加・削除・置換などが可能である。特に限定しない場合、各構成要素は、単数でも複数でもよい。
本実施例に係る技術では、車両が走行する時に照明領域の中央部の光量を確保でき、点灯している照明領域によって前方の視認性を確保でき、安全運転の支援に寄与するヘッドライト装置を提供することにより、交通事故を防止することが可能となる。これにより、国連の提唱する持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)の「3すべての人に健康と福祉を」に貢献する。
1…投射レンズ、2…パターニングLED基板、3…放熱板、4…LED駆動回路、21…蛍光体、22~42…LEDチップ、43~58…遮蔽板、61…プレート。

Claims (16)

  1. 複数のLEDチップが配置されたLED基板と、
    前記LED基板の前記複数のLEDチップを駆動するLED駆動回路と、
    前記LED基板に対し垂直な方向である前方に配置され、前記LED基板からの発光を前記前方へビームとして投射する投射レンズと、
    を備え、
    前記LED基板は、
    プレートと、
    前記プレート上に配置され、紫色から青色の波長の光を発光する前記複数のLEDチップと、
    前記プレート上に前記複数のLEDチップを覆って配置され、前記紫色から青色の波長の光を励起光源として黄色もしくは赤色と緑色の光を発光する蛍光体と、を有し、
    前記プレート上の前記複数のLEDチップにおける各々のLEDチップは、前方へのビームの配光制御として、ロービームとハイビームを含む、複数の配光制御のパターンから選択されたパターンの配光制御を実現するように、前方の照明領域の構成に対応させた、予め定められた位置に配置されており、
    前記LED駆動回路から前記LED基板の各々のLEDチップの点灯および消灯と光量とが制御されることで、前記選択されたパターンの配光制御が実現される、
    ヘッドライト。
  2. 請求項1記載のヘッドライトにおいて、
    前記LED基板は、前記複数のLEDチップの所定のLEDチップの間に、前記前方に立つように配置され、前記LEDチップからの発光を遮蔽し、前記LEDチップからの前方への発散を制限する遮蔽板を有し、
    前記遮蔽板は、前記複数のパターンの配光制御を実現するように、前記プレート上、予め定められた位置に、定められた形状で配置されている、
    ヘッドライト。
  3. 請求項1記載のヘッドライトにおいて、
    前記複数のLEDチップの各々のLEDチップは、前記定められた位置に応じて、定められた直列数で直列接続された、1つ以上のLEDデバイスを有し、
    前記各々のLEDチップは、前記前方の照射領域の構成に対応させて、周辺部に対し中央部に対応するLEDチップほど、前記直列数が大きい、
    ヘッドライト。
  4. 請求項3記載のヘッドライトにおいて、
    前記LED駆動回路は、
    共通の電源電圧から前記各々のLEDチップに応じた降圧電圧を生成する降圧制御回路と、
    前記選択されたパターンに応じて、前記各々のLEDチップをPWM制御するためのスイッチと、を有する、
    ヘッドライト。
  5. 請求項2記載のヘッドライトにおいて、
    前記遮蔽板は、前記プレート上から前記蛍光体の表面まで立っている、
    ヘッドライト。
  6. 請求項2記載のヘッドライトにおいて、
    前記遮蔽板は、前記プレート上から前記蛍光体の表面よりも下側に所定の距離の位置まで立っている、
    ヘッドライト。
  7. 請求項1記載のヘッドライトにおいて、
    前記LED駆動回路は、メモリに、前記複数のパターンの配光制御に対応した前記複数のLEDチップの駆動制御のための設定情報を記憶している、
    ヘッドライト。
  8. 請求項2記載のヘッドライトにおいて、
    前記前方の照明領域の構成は、自車線の左右の白線の領域を含み、
    前記複数のLEDチップは、前記白線の領域に対応させた位置に配置されたLEDチップを含み、
    前記パターンの1つとして、前記白線の領域を明るくするパターンを有し、
    前記遮蔽板は、前記白線の領域を区分するために定められた位置に配置された遮蔽板として、前記LED基板の主面内で斜め方向に配置された遮蔽板を含む、
    ヘッドライト。
  9. 請求項2記載のヘッドライトにおいて、
    前記複数のLEDチップは、前記前方の照明領域での前記ロービームの領域に対応させた位置に配置されたLEDチップを含み、
    前記遮蔽板は、前記ロービームの領域を区分するために定められた位置に配置された遮蔽板として、カットオフラインに対応させて前記LED基板の主面内で斜め方向に配置された遮蔽板を含む、
    ヘッドライト。
  10. 請求項2記載のヘッドライトにおいて、
    前記複数のLEDチップは、前記前方の照明領域での前記ハイビームの領域に対応させた位置に配置されたLEDチップを含み、
    前記遮蔽板は、前記ハイビームの領域をさらに複数の領域に区分するために定められた位置に配置された遮蔽板を含み、
    前記パターンの1つとして、前記ハイビームでかつADBの配光制御をするパターンを有し、
    前記LED駆動回路は、前記ハイビームでかつ前記ADBの配光制御をするパターンの時には、前記ハイビームの領域のうち一部の領域を消灯または減光するように駆動制御する、
    ヘッドライト。
  11. 請求項2記載のヘッドライトにおいて、
    前記前方の照明領域の構成は、コーナーリング時の照明の領域を含み、
    前記複数のLEDチップは、前記コーナーリング時の照明の領域に対応させた位置に配置されたLEDチップを含み、
    前記遮蔽板は、前記コーナーリング時の照明の領域を区分するために定められた位置に配置された遮蔽板として、前記LED基板の主面内で斜め方向に配置された遮蔽板を含み、
    前記パターンの1つとして、前記コーナーリング時の配光制御をするパターンを有し、
    前記LED駆動回路は、前記コーナーリング時の配光制御をするパターンの時には、前記コーナーリング時の照明の領域を明るくするように駆動制御する、
    ヘッドライト。
  12. 請求項2記載のヘッドライトにおいて、
    前記複数のLEDチップは、前記前方の照明領域での前記ハイビームの領域に対応させた位置に配置された複数のLEDチップを含み、
    前記遮蔽板は、前記ハイビームの領域をさらに複数の領域に区分するために定められた位置に配置された遮蔽板を含み、
    前記パターンの1つとして、前記ハイビームでかつ配光幅可変制御をするパターンを有し、
    前記LED駆動回路は、前記ハイビームでかつ配光幅可変制御をするパターンの時には、前記ハイビームの領域のうち、選択した一部の領域を点灯し、選択した他の一部の領域を消灯または減光することで、前記ハイビームの領域の配光幅を変更するように駆動制御する、
    ヘッドライト。
  13. 請求項2記載のヘッドライトにおいて、
    前記複数のLEDチップは、前記前方の照明領域での前記ハイビームの領域に対応させた位置に配置された複数のLEDチップを含み、
    前記遮蔽板は、前記ハイビームの領域をさらに複数の領域に区分するために定められた位置に配置された遮蔽板を含み、
    前記パターンの1つとして、前記ハイビームでかつ配光中心可変制御をするパターンを有し、
    前記LED駆動回路は、前記ハイビームでかつ配光中心可変制御をするパターンの時には、前記ハイビームの領域のうち、選択した一部の領域を点灯し、選択した他の一部の領域を消灯または減光することで、前記ハイビームの領域の配光中心を変更するように駆動制御する、
    ヘッドライト。
  14. 照明装置を構成する投射レンズであって、
    前記照明装置は、複数のLEDチップが配置されたLED基板と、前記LED基板の前記複数のLEDチップを駆動するLED駆動回路と、前記LED基板に対し垂直な方向である前方に配置され、前記LED基板からの発光を前記前方へビームとして投射する前記投射レンズと、を備え、
    前記LED基板は、プレートと、前記プレート上に配置され、青色光を発光する前記複数のLEDチップと、前記プレート上に前記複数のLEDチップを覆って配置され、前記青色光を励起光源として黄色光を発光する蛍光体と、を有し、
    前記プレート上の前記複数のLEDチップにおける各々のLEDチップは、前方へのビームの配光制御として、複数の配光制御のパターンから選択されたパターンの配光制御を実現するように、前方の照明領域の構成に対応させた、予め定められた位置に配置されており、
    前記LED駆動回路から前記LED基板の各々のLEDチップの点灯および消灯と光量とが制御されることで、前記選択されたパターンの配光制御が実現され、
    前記投射レンズは、前記LED基板からの発光を収差補正して前方へビームとして投射する、
    投射レンズ。
  15. 請求項14記載の投射レンズにおいて、
    前記投射レンズは、入射面および出射面に非球面形状を有する凸レンズと、前記凸レンズの出射側に配置された、入射面および出射面に非球面形状を有する凹レンズと、を有する、
    投射レンズ。
  16. ヘッドライトを制御するヘッドライト制御方法であって、
    前記ヘッドライトは、複数のLEDチップが配置されたLED基板と、前記LED基板の前記複数のLEDチップを駆動するLED駆動回路と、前記LED基板に対し垂直な方向である前方に配置され、前記LED基板からの発光を前記前方へビームとして投射する投射レンズと、を備え、
    前記LED基板は、プレートと、前記プレート上に配置され、青色光を発光する前記複数のLEDチップと、前記プレート上に前記複数のLEDチップを覆って配置され、前記青色光を励起光源として黄色光を発光する蛍光体と、を有し、
    前記プレート上の前記複数のLEDチップにおける各々のLEDチップは、前方へのビームの配光制御として、ロービーム、ハイビーム、およびADB(Adaptive driving beam)を少なくとも含む、複数の配光制御のパターンから選択されたパターンの配光制御を実現するように、前方の照明領域の構成に対応させた、予め定められた位置に配置されており、
    前記ヘッドライト制御方法は、
    前記LED駆動回路が、車両走行状況に応じた命令または車両情報の入力に基づいて、照明のモードに対応させて、前記パターンを選択するステップと、
    前記LED駆動回路が、選択された前記パターンの配光制御のために、前記LED基板の前記複数のLEDチップの各々のLEDチップの点灯および消灯と光量とを制御するステップと、を有する、
    ヘッドライト制御方法。
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