JP2023066284A - グリッドコンピューティングの管理方法及びグリッドコンピューティングシステム - Google Patents

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剛志 松川
Tsuyoshi Matsukawa
慎介 吉武
Shinsuke Yoshitake
真人 石橋
Masato Ishibashi
大輔 濱野
Daisuke Hamano
晋吾 廣▲瀬▼
Shingo Hirose
景太 吉田
Keita Yoshida
敬生 丸子
Takao Maruko
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Abstract

【課題】演算資源の客観的な品質を確保しつつ、問い合わせ手続きの複雑さを解消する。【解決手段】グリッドコンピューティングの管理方法は、車両の登録ユーザをユーザテーブルに登録する登録工程と、車両が走行状態から駐車状態となり、車両の駐車が検知されかつ車両のドアロック状態が検知された場合において、センサで車両の車室内に乗員が検知されていないとき、自動的に前記演算資源によるグリッドコンピューティングの演算を開始する一方で、センサで前記車両の車室内に乗員が検知されているとき、報知部にグリッドコンピューティングの演算開始の問い合わせを発し、問い合わせに対する乗員の承認操作が受け付けられたことを条件としてグリッドコンピューティングの演算を開始する演算工程とを備える。【選択図】図6

Description

ここに開示された技術は、グリッドコンピューティングの管理方法及びグリッドコンピューティングシステムに関する技術分野に属する。
特許文献1には、車両に搭載された演算資源を用いたグリッドコンピューティングシステムに関する技術が開示されている。特許文献1では、複数の処理装置の少なくともいずれかの処理能力が不足している場合に、管理サーバから車両にグリッドコンピューティングへの参加指示を送信するように構成されている。
特許文献2には、車両のユーザに提供されるサービスの内容をユーザごとに管理する技術が開示されている。特許文献2では、車両のユーザがサービスを利用するとき、車両に付与された車両ID及び当該ユーザに付与されたユーザIDの両方に関連付けられたライセンス情報を記憶部から読み出し、当該車両のユーザに提供するサービスの内容をサービス管理部を通じて管理する。
特開2020-160661号公報 特開2019-109816号公報
ところで、車両の非稼働時に、車両の演算資源を用いてグリッドコンピューティングの演算(以下、「グリッド演算」ともいう)を実行させるにあたり、グリッド演算における各演算資源の客観的な品質が求められる。
車両の非稼働時には、乗員が搭乗していないのが一般的であるが、例えば、乗員が別々の行動をする場合や待ち合わせをしているような場合に、乗員が車中に残っている場合がある。このように、車中に乗員が残っている場合に、一律でグリッド演算をできないものとすると、グリッド演算の機会ロスが発生する。
ここに開示された技術は斯かる点に鑑みてなされたものであり、乗員が車内で過ごすような場合においても、セキュリティを保った状態でグリッド演算を開始できるようにすることを目的とする。
前記課題を解決するために、本開示の第1態様では、車両に搭載された演算資源を活用したグリッドコンピューティングの管理方法を対象として、前記車両には、乗員を認識するセンサと、当該車両の駐車状態を検知する駐車検知部と、当該車両のドアロックの状態を検知するロック検知部と、乗員向けのコンテンツを発する報知部が設けられ、前記車両の登録ユーザをユーザテーブルに登録する登録工程と、前記車両が走行状態から駐車状態となり、前記駐車検知部で当該車両の駐車が検知されかつ前記ロック検知部で当該車両のドアロック状態が検知された場合において、前記センサで前記車両の車室内に乗員が検知されていないとき、前記車両は、自動的に前記演算資源によるグリッドコンピューティングの演算を開始し、前記センサで前記車両の車室内の乗員として前記登録ユーザが検知されているとき、前記車両では、前記報知部からグリッドコンピューティングの演算開始の問い合わせを発し、その後に、当該問い合わせに対する前記登録ユーザの承認入力が受け付けられたことを条件としてグリッドコンピューティングの演算を開始する演算工程とを含む、という構成にした。
上記第1態様によると、車両の駐車後にドアロック状態が検知された場合に、車両の車室内に乗員が検知されていない場合、自動的に演算を開始するようにしている。これにより、ユーザの手を煩わせることなく、グリッド演算を開始することができる。また、登録ユーザがドアロック後に車室内で過ごすような場合においても、車載の報知部に問い合わせを表示し、登録ユーザの承認応答が受け付けられたことを条件としてグリッド演算を開始するようにしている。これにより、セキュリティを保った状態でグリッド演算を開始することができる。
本開示の第2態様では、車両に搭載された演算資源を活用したグリッドコンピューティングシステムを対象として、前記車両は、乗員を認識するセンサと、前記車両の駐車状態を検知する駐車検知部と、前記車両のドアロックの状態を検知するロック検知部と、乗員向けのコンテンツを発する報知部と、前記車両の登録ユーザが登録されるユーザテーブルが格納される記憶部と、演算装置とを備え、前記演算装置は、前記車両の登録ユーザを前記ユーザテーブルに登録する登録工程と、前記車両が走行状態から駐車状態となり、前記駐車検知部で当該車両の駐車が検知されかつ前記ロック検知部で当該車両のドアロック状態が検知された場合において、前記センサで前記車両の車室内に乗員が検知されていないとき、自動的に前記演算資源によるグリッドコンピューティングの演算を開始し、前記センサで前記車両の車室内の乗員として前記登録ユーザが検知されているとき、前記車両では、前記報知部からグリッドコンピューティングの演算開始の問い合わせを発し、その後に、当該問い合わせに対する前記登録ユーザの承認入力が受け付けられたことを条件としてグリッドコンピューティングの演算を開始する演算工程とを実行する、という構成にした。
上記第2態様によると、第1態様と同様に、車両の車室内に乗員が検知されていない場合には、ユーザの手を煩わせることなくグリッド演算を開始することができる。また、乗員が車内で過ごすような場合においても、セキュリティを保った状態でグリッド演算を開始することができる。
以上説明したように、ここに開示された技術によると、乗員が車内で過ごすような場合においても、セキュリティを保った状態でグリッド演算を開始することができる。
実施形態のシステムの構成を例示する概略図 グリッドコンピューティングについて説明するための概念図 車両の構成を例示するブロック図 クライアントサーバの構成を例示するブロック図 管理サーバの構成を例示するブロック図 グリッドコンピューティングシステムの動作例を示すフローチャート グリッドコンピューティングシステムの動作例を示すフローチャート グリッドコンピューティングシステムの動作例を示すフローチャート グリッドコンピューティングシステムの動作例を示すフローチャート ドアロック状態の検知フローの一例を示すフローチャート
実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。図中同一または相当部分には同一の符号を付すものとし、繰り返しの説明を省略する場合がある。また、以下の実施形態では、本開示の内容に関連性の高い構成を中心に説明する。なお、以下の実施形態は、例示的なものであり、記載の有無や例示した数値等によって本開示の内容を限定する意図はまったくない。
(グリッドコンピューティングシステム)
図1は、実施形態のグリッドコンピューティングシステム1(以下、単に「システム1」ともいう)の構成を例示する。
このシステム1は、複数の車両10と、複数のクライアント端末30と、管理サーバ50とを備える。これらの構成要素は、通信網6を経由して互いに通信可能である。複数の車両10の各々には、演算装置102が搭載される。管理サーバ50は、管理装置の一例である。
〔グリッドコンピューティング〕
図2に示すように、実施形態のシステム1では、複数の演算装置102によりグリッドコンピューティング(以下、単に「グリッドG」ともいう)が構成され、複数の演算装置102のうち利用可能な演算装置102にアプリケーションジョブ(以下、単に「ジョブ」ともいう)のジョブデータD1の演算を実行させるグリッド演算が行われる。
なお、車両10が走行している場合、車両10の走行制御のために演算装置102の計算能力が必要となり、演算装置102が稼働状態となる。一方、例えば、車両10が駐車されて車両10の電源がオフ状態になると、車両の走行制御に対する演算装置102の計算能力が実質的に不要となる。そこで、車両10の非稼働中(例えば、駐車中)に上記のグリッド演算が実行される。
〔車両〕
車両10には、電池(図示省略)が搭載される。電池の電力は、演算装置102などの車載機器に供給される。このような車両10の例としては、電気自動車、プラグインハイブリッド自動車などが挙げられる。
図3に示すように、車両10は、通信部101と、演算装置(プロセッサ)102と、記憶部103と、タッチパネル105と、乗員センサ111と、運転操作センサ112と、車両状態センサ113と、位置センサ114とを備える。以下の説明では、乗員センサ111、運転操作センサ112、車両状態センサ113、及び位置センサ114を総称してセンサ群110という場合がある。
-通信部-
通信部101は、通信網6を介して管理サーバ50と情報やデータを送受信する。通信部101により受信された情報やデータは、演算装置102に送られる。
-タッチパネル-
タッチパネル105は、後述する「グリッドコンピューティングシステムの動作」において、車両の駐車後にドアロック状態が検知された場合に、車中に残っている乗員に対して問い合わせ画面を表示して、その乗員の入力操作を受け付ける機能を有する。
タッチパネル105の構成及び画面の表示形態は、特に限定されないが、例えば、車載のカーナビゲーションシステムの画面をタッチパネル105として利用することができる。また、メータパネルやヘッドアップディスプレイなどにタッチパネル105としての機能を持たせるようにしてもよい。
また、タッチパネル105に代えて、車中に残っている乗員に対して問い合わせ画面を表示する表示部と、応答操作を受け付ける入力部とを別々に構成してもよい。入力部への入力形態は、特に限定されない。例えば、押しボタン式のスイッチや前述のタッチパネルのように手で操作する形式であってもよい。タッチパネル105は、報知部の一例である。
なお、報知部の報知態様は、表示部への表示に限定されない、例えば、音声による通知であってもよい。入力部もタッチ操作に限定されず、例えば、マイクなどの音声入力装置(図示省略)であってもよいし、モーションキャプチャー装置(図示省略)を用いてもよい。
-演算装置-
演算装置102は、車両10の各部を制御する。この例では、演算装置102は、センサ群110から得られた各種の情報に応じて各アクチュエータ(図示省略)を制御する。なお、演算装置102として、車両10の制御に用いられる演算装置に加えて、グリッドコンピューティング専用、すなわち、車両10の制御に関わらない演算装置を搭載してもよい。
演算装置102は、1または複数のプロセッサ及び1または複数のメモリを有する。演算装置102は、車両内の1箇所にまとめて配置されていてもよいし、車両内に分散して配置されてもよい。プロセッサの例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)などが挙げられる。メモリは、プロセッサを動作させるためのプログラム、プロセッサの処理結果を示す情報やデータなどを記憶する。
本開示では、演算装置102の中でグリッドコンピューティングの演算・処理に利用可能なリソースを、説明の便宜上「演算資源」と称して説明する。
なお、演算資源は、車両10の制御に用いられるリソースを兼用してもよいし、車両の制御に使用しないグリッドコンピューティング専用のCPUやGPUを用いてもよい。
また、例えば、演算資源としての利用を許可される時間帯と、演算資源としての利用を制限する時間帯とが分けられていてもよい。すなわち、単一のCPUが、ある時間帯では演算資源としてカウントされ、他の時間帯では演算資源としてカウントされないとしてもよい。GPUについても同様である。
また、CPUが単一または複数のコアで実現されている場合において、その複数のコアの一部が演算資源としてカウントされ、それ以外のコアは演算資源としてカウントされないとしてもよい。GPUについても同様である。
-乗員センサ-
乗員センサ111は、車室内の乗員(ドライバを含む)を認証するのに必要な情報を取得する。乗員センサ111は、特に限定されないが、例えば、ドライバや他の乗員の顔が撮影可能な位置に設置された車内カメラ(図示省略)、及びオーバーヘッドコンソールに設置された超音波式の人感センサを含む。車内カメラによって撮像された画像は、演算装置102に送信される。演算装置102では、乗員の顔画像を抽出し、ドライバや、他座席の乗員をそれぞれ特定する。
乗員の特定方法は特に限定されないが、例えば、深層学習の技術を用いることができる。深層学習を用いる場合、抽出した顔画像と特定した運転者の情報は、人間モデルに入力として与えられる。人間モデルは、例えば深層学習によって生成された学習済みモデルである。
乗員センサ111として、虹彩認識、指紋センサ、声紋センサ、身体計測センサ等の生体情報センサを用いてもよい。また、車内カメラの画像と上記各センサ等で取得された情報を複合的に利用して運転者を特定するようにしてもよい。
ドライバを認証する認証部は、例えば、乗員センサと演算装置102で実現できる。なお、乗員センサ111で取得された情報を管理サーバ50に送信し、演算装置102の機能の一部または全部を管理サーバ50の制御部502で実現してもよい。ただし、車両内において認証部の機能を完結させることで、よりセキュアな処理を実現できる。
-運転操作センサ-
運転操作センサ112は、ドライバの運転操作を検出する。運転操作センサ112として、例えば、アクセル開度センサ、シフトセンサ、ブレーキセンサ及び操舵角センサ等が例示される。運転操作センサ112での検出信号は、演算装置102に送信される。駐車状態を検知する駐車検知部は、運転操作センサ112及び演算装置102で実現できる。例えば、ブレーキセンサでサイドブレーキがかけられた状態であることが検知され、かつ、シフトセンサでシフトレバーがパーキングに設定されたことが検知されたとき、演算装置102は車両10が駐車状態であると判断する。なお、演算装置102は、運転操作センサ112に加えて、後述する位置センサ114や車両状態センサ113の検知情報を用いる等、複合的な情報に基づいて駐車状態を検知するようにしてもよい。
-車両状態センサ-
車両状態センサ113は、車両10の状態を取得する。車両状態センサ113は、例えば、車速センサ、加速度センサ、ヨーレートセンサ等で構成される。運転操作センサ112での検出信号は、演算装置102に送信される。前述のとおり、車両状態センサ113が駐車検知部の一部を構成してもよい。
車両状態センサ113は、車両10のドアロック状態を検知するセンサを含む。具体的に、車両状態センサ113は、ドアの開閉状態の検知、車両に設けられたドアのロック状態の検知、ボンネットの開閉状態の検知、及び、リフトゲートの位置やトランクの開閉状態の検知をするリッドセンサを含む。リッドセンサは、ドアロック状態を検知するロック検知部の一例である。
なお、ロック検知部の具体的態様は、リッドセンサに限定されない。例えば、キーレスエントリー装置やイモビライザー認証装置からの施錠信号に基づいてドアロック用のアクチュエータが作動された場合に、そのアクチュエータを作動させたことに基づいて車両がドアロック状態にあると判断としてもよい。
-位置センサ-
位置センサ114は、全地球測位システム(Global Positioning System:GPS)を利用して、車両10の位置(車両位置情報)を検出する。運転操作センサ112で取得された情報は、演算装置102に送信される。
前述のとおり、車両状態センサ113が駐車検知部の一部を構成してもよい。具体的に、例えば、演算装置102は、運転操作センサ等で車両の停車が確認された位置が駐車場等の駐車可能領域であれば駐車と判断し、停車位置が交差点等の駐車不可領域であれば駐車とは判断しない、としてもよい。
-記憶部-
記憶部103は、各種の情報やデータを記憶する。記憶部103の具体的な構成は、特に限定されない。例えば、チップに内蔵されたメモリで実現されてもよいし、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)で実現されてもよいし、DVDやBDのような光ディスクで実現されてもよい。
この例では、記憶部103は、車両情報D10及びユーザテーブルD20を記憶する。車両情報D10には、車両基本情報D11と、車両状態情報D13と、稼働情報D15が含まれる。
〈車両基本情報〉
車両基本情報D11は、車両識別情報及びリソース情報を含む。
車両識別情報は、VINのように車両を識別するための情報が含まれる。
リソース情報は、演算資源(CPUやGPUなど)に関する情報である。リソース情報は、例えば、演算資源ごとに付与された演算資源ID、各演算資源の性能を示す性能情報を含む。演算資源の性能には、演算資源の計算能力(具体的には最大計算能力)、演算資源におけるCPUとGPUの比率などが含まれる。演算資源の計算能力とは、例えば、それぞれの演算資源が単位時間当たりに計算することができるデータ量である。
〈車両状態情報〉
車両状態情報D13は、車両10の状態を示す情報であり、例えば、車両位置情報、車両通信情報、車両電源情報等を含む。
車両位置情報は、車両10の位置(緯度および経度)を示す。例えば、車両位置情報は、位置センサ114で取得される。
車両通信情報は、車両10と通信網6との通信状態を示す情報、車両10と管理サーバ50との通信帯域の情報を含む。車両通信情報は、例えば、所定時間毎に更新される。
車両電源情報は、車両10の電源の状態を示す情報、車両電池残量情報、車両充電情報などを含む。例えば、車両電源情報は、イグニッション電源のオン/オフ、アクセサリ電源のオン/オフなどを示す。車両電池残量情報は、車両10に搭載された電池(図示省略)の残量を示す。車両充電情報は、充電設備(図示省略)において車両10が充電中であるか否かを示す。
〈稼働情報〉
稼働情報D15は、例えば、車両10の走行履歴を示す車両走行情報と、演算装置102の稼働履歴を示す稼働履歴情報と、演算装置102の稼働予定を示す稼働予定情報を含む。
車両走行情報は、例えば、車両10の位置と時刻とを関連付けて示す。なお、走行履歴情報に加えて、車両10の未来の走行予定を示す走行予定情報が含まれてもよい。
稼働履歴情報は、例えば、演算装置102の演算資源の利用率及び/またはジョブの処理量と、時刻とを関連付けて示す。稼働履歴情報は、通常稼働履歴と、グリッド稼働履歴とを含む。通常稼働履歴は、例えば、車両の走行やカーナビ、音楽再生等のサービスの提供等のように、ユーザーの利用のために演算装置102を稼働させた履歴を示す情報である。グリッド稼働履歴は、グリッドコンピューティング処理を実行するために演算装置102を稼働させた履歴を示す情報である。
稼働予定情報は、例えば、演算装置102の未来の利用状況を示す利用予定情報などを示す。
〈ユーザテーブル〉
ユーザテーブルD20には、登録されたユーザ(以下、登録ユーザと称する)に関する情報(以下、「ユーザ情報」という)が登録されている。ユーザ情報には、主ユーザ情報D21と副ユーザ情報D22を含む。
主ユーザ情報D21は、車両10の主たるユーザ(「主ユーザ」と称する)に関する情報である。主ユーザ情報D21は、主ユーザを特定するための情報を含む。主ユーザを特定するための情報とは、例えば、あらかじめ撮影された主ユーザの写真や、あらかじめ登録された主ユーザの虹彩情報、指紋情報、及び/または、声紋情報を含む。主ユーザ情報D21は、主ユーザが変更された場合、更新される。例えば、主ユーザ情報D21は、車両の所有者であり、車両10の所有者が変更されると変更される。また、商用車であれば、主ユーザ情報D21は、各車両の担当ドライバであり、担当ドライバが変更されたりした際に、更新される。なお、主ユーザ情報D21として、主ユーザの連絡先(例えば、主ユーザが所有する端末装置40のメールアドレス等)が登録されていてもよい。
副ユーザ情報D22は、車両10に登録された主ユーザ以外のユーザ(「副ユーザ」と称する)に関する情報である。副ユーザ情報D22は、副ユーザを特定するための情報を含む。副ユーザを特定するための情報とは、例えば、あらかじめ撮影された副ユーザの写真や、あらかじめ登録された副ユーザの虹彩情報、指紋情報、及び/または、声紋情報を含む。副ユーザ情報D22は、追加や削除等の更新ができる。例えば、車両10の所有者が副ユーザとして家族や友人等を追加・削除したり、商用車であれば、運転する可能性のある従業員が副ユーザとして登録され得る。なお、副ユーザ情報D22として、副ユーザの連絡先(例えば、副ユーザが所有する端末装置40のメールアドレス等)が登録されていてもよい。ユーザテーブルD20に登録される主ユーザ及び副ユーザは、登録ユーザの一例である。
なお、運転する可能性があるすべてのドライバ候補者について、主ユーザと副ユーザとを区別せずに、両者を単なる「登録ユーザ」として管理してもよい。
〔クライアント端末〕
クライアント端末30は、クライアントにより所有される。クライアントは、ジョブデータの計算を依頼する。このようなクライアントの例としては、企業、研究機関、教育機関などが挙げられる。
図4に示すように、クライアント端末30は、通信部301と、記憶部303と、制御部302とを備える。
-通信部-
通信部301は、管理サーバ50と双方向通信が可能に接続され、相互間での情報やデータを送受信する。通信部301により受信された情報やデータは、制御部302に送られる。
-演算部-
制御部302は、クライアント端末30の各部を制御する。制御部302は、1または複数のプロセッサ、1または複数のメモリなどを有する。メモリは、プロセッサを動作させるためのプログラム、プロセッサの処理結果を示す情報やデータなどを記憶する。
-記憶部-
記憶部303は、情報やデータを記憶する。この例では、記憶部303は、クライアント情報D31と、ジョブデータD1とを記憶する。
〈クライアント情報〉
クライアント情報D31は、クライアントに関する情報である。クライアント情報D31は、クライアントに設定されたクライアントID、クライアントにより所有されるクライアント端末30に設定されたクライアント端末ID、担当者名、住所、電話番号などを含む。
〈ジョブデータ〉
ジョブデータD1は、ジョブに対応するデータであり、ジョブの実施のために処理されるデータである。
なお、ジョブデータD1は、計算タイプにより分類可能である。計算タイプの例としては、CPU系の計算タイプ、GPU系の計算タイプなどが挙げられる。CPU系の計算タイプのジョブデータD1では、シミュレーション計算など、条件分岐の多い複雑な計算が要求される傾向にある。GPU系の計算タイプのジョブデータD1では、画像処理や機械学習など、膨大な量の単純計算が要求される傾向にある。
〈ジョブ情報〉
ジョブデータD1に付随してジョブに関するジョブ情報D32が記憶される。ジョブ情報D32は、例えば、ジョブの名称、ジョブの内容、ジョブデータの計算タイプ、処理条件、必要計算能力、ジョブの納期などの情報を含む。
〔管理サーバ〕
管理サーバ50は、グリッドコンピューティングの運営を管理する。換言すると、システム1は、管理サーバ50を備える。管理サーバ50は、システム1を運営する事業者により所有される。
図5に示すように、管理サーバ50は、通信部501と、制御部502と、記憶部503とを備える。管理サーバ50は、1または複数のプロセッサ及び1または複数のメモリなどを有する。
-通信部-
通信部501は、車両10やクライアント端末30と双方向通信が可能に接続され、相互間での情報やデータを送受信する。通信部501により受信された情報やデータは、制御部502に送られる。
-記憶部-
記憶部503には、各種の情報やデータが記憶される。記憶部503の具体的な構成は、特に限定されない。例えば、チップに内蔵されたメモリで実現されてもよいし、HDD(Hard disk drive)、SSD(Solid State Drive)で実現されてもよいし、DVDやBDのような光ディスクで実現されてもよい。
この例では、記憶部503には、車両情報テーブルD51、ジョブテーブルD53、マッチングテーブルD55、ユーザテーブルD56、ジョブデータD1、及び演算結果データD2が格納される。
〈車両情報テーブル〉
車両情報テーブルD51は、車両情報を管理するためのテーブルである。車両情報テーブルD51には、例えば、各車両の車両情報D10がリスト化されて格納されている。
〈ジョブテーブル〉
ジョブテーブルD53は、クライアントから依頼されたジョブを管理するためのテーブルである。ジョブテーブルD53には、ジョブ毎に、そのジョブに設定された受付番号、そのジョブを依頼したクライアントに設定されたクライアントID、そのジョブの名称および内容などが登録される。また、ジョブテーブルD53には、ジョブ毎に、そのジョブに対応するジョブデータD1の計算タイプおよび処理条件、そのジョブデータD1の計算に必要となる計算能力である必要計算能力、そのジョブに設定された納期などが登録される。ジョブテーブルD53では、それぞれのジョブデータD1がどのクライアントから依頼されたジョブなのかがわかるように紐づけされている。
〈マッチングテーブル〉
マッチングテーブルD55は、マッチング工程でのマッチングの結果を管理するためのテーブルである。マッチングテーブルD55には、ジョブ毎に、そのジョブに設定された受付番号、そのジョブに対応するジョブデータD1に設定されたジョブデータID、マッチング処理によりそのジョブデータに対して割り当てられた車両の車両識別情報などが登録される。
〈ユーザテーブル〉
ユーザテーブルD56は、各車両10の登録ユーザを管理するためのテーブルである。ユーザテーブルD56には、例えば、各車両の車両識別情報と、それぞれの車両の登録ユーザの識別情報とが紐づけされて、リスト化されて格納されている。主ユーザの識別情報及び副ユーザの識別情報の形態は特に限定されないが、例えば、各ユーザに付された識別IDであってもよいし、各ユーザの氏名等であってもよい。また、ユーザテーブルには、登録ユーザの連絡先が登録されている。
なお、管理サーバ50で認証部の機能の一部を実現する場合、記憶部503にユーザテーブルD20に相当する情報(車両から受信した写真や生体情報等のデータに基づいて登録ユーザを特定するのに必要な情報)を格納しておく必要がある。
〈ジョブデータ〉
記憶部503に記憶されるジョブデータD1は、後述するジョブ受付処理でクライアント端末から受け付けられたジョブのデータである。
〈演算結果データ〉
記憶部503に記憶される演算結果データD2は、後述するグリッドコンピューティング処理により各車両10で実行されたジョブの計算結果のデータである。
-制御部-
この例では、制御部502は、グリッドコンピューティングの運営や管理に関する一連の制御及び処理を実行する機能を有する。例えば、後述する図7(図7A,7B)のフロー図内での制御や処理を実行する。なお、以下の説明では、説明の便宜上、管理サーバ50を主体をとして動作や処理についての記載をしているが、制御部502がその処理や制御に寄与することで実現される場合がある。
制御部502は、クライアント端末30から受信した情報やデータを記憶部503に記憶する。例えば、制御部502は、クライアント端末30からジョブデータD1を受信すると、ジョブデータD1を記憶部503に保存する。また、制御部502は、クライアント端末30からジョブ情報D32を受信すると、記憶部503のジョブテーブルD53に登録する。
制御部502は、それぞれの車両10及び/または主ユーザの端末装置40から受信された情報及び/またはデータを記憶部503に記憶する。制御部502は、例えば、車両10から車両情報D10(車両走行情報、リソース情報を含む)を受信すると、記憶部503の車両情報テーブルD51に登録する。また、制御部502は、例えば、主ユーザの端末装置40から副ユーザの追加/削除連絡を受信すると、ユーザテーブルD56のユーザ情報を更新する。
〔グリッドコンピューティングシステムの動作〕
以下において、グリッドコンピューティングシステムの動作例について、図6~図8のフローチャートを参照しつつ説明する。図6は、車両の動作や車両での制御・処理を中心に記載したフローチャートである。図7(図7A、図7B)は、図6と同じ内容の動作について、車両と管理装置の間の連携、及び管理装置と表示端末の間における連携という観点で記載したフローチャートである。図6と図7において、同じ処理については、同じ符号を付している。また、図8は、グリッド開始条件の判定フローの一例を示している。
-ステップS11(S41,S51)-
ステップS11では、車両10に登録ユーザが登録される。登録ユーザの登録方法は、特に限定されない。例えば、車室内に設けられた乗員センサ111を用いて停車中または走行中に登録ユーザの情報が登録されてもよいし、登録ユーザが所有する端末装置40を用いて登録されてもよい。登録ユーザの情報は、記憶部103のユーザテーブルD20に登録される。また、ユーザテーブルD20に登録ユーザの連絡先が登録されてもよい。その登録方法は、特に限定されず、従来から広く知られている方法を用いることができる。
また、図7に示すように、端末装置40から管理サーバ50に対して、車両10の登録ユーザが連絡先とともに登録される。
この例では、図1に示すように、車両のオーナーP11が、所有する車両11について、端末装置41を用いて自分を主ユーザP11として管理サーバ50に登録する。また、車両のオーナーP22が、所有する車両12について、端末装置42を用いて自分を主ユーザP21、他人を副ユーザP22として管理サーバ50に登録する。
それぞれの端末装置41,42では、それぞれの主ユーザP11,P21の入力情報に基づいて、ユーザテーブルD56での管理に必要な情報を管理サーバ50に送信する。管理サーバ50では、受信したユーザ情報を記憶部503のユーザテーブルD56に登録する。
ここでの処理は、登録ユーザをユーザテーブルD20またはユーザテーブルD56に登録する登録工程に相当する。なお、ユーザテーブルD20の情報と、ユーザテーブルD56の情報とが車両10と管理サーバ50との間で同じ情報となるように、相互間の情報共有がされるように構成してもよい。この例では、車両10のユーザテーブルD20の情報と、管理サーバ50のユーザテーブルD56の情報は、同じであるものとする。
-ステップS12,S13-
ステップS12では、車両10のイグニッション電源がON(電気自動車の場合、駆動電源がON)されて、車両10の走行が開始される。次のステップS13において、演算装置102は、車両の走行開始から駐車までの間に、センサ群110からの入力情報に基づいて、走行中の車両を運転するドライバを認識する。この例では、車両11では、主ユーザP11が運転し、車両12では、副ユーザP22が運転している、そうすると、車両11では、主ユーザP11がドライバとして認識され、車両12では、副ユーザP22がドライバとして認識される。また、演算装置102は、他の乗員についてもドライバと同様に認識する。この例では、車両12には、登録ユーザではないユーザP23が乗員として乗っている。
このとき、演算装置102は、ユーザテーブルD20を用いて、それぞれの乗員が登録ユーザであるか否かを判定するようにしてもよい。この例では、車両11では、主ユーザP11が登録ユーザと判定される。車両12では、副ユーザP22が登録ユーザと判定され、ユーザP23は登録ユーザではないと判定される。なお、登録ユーザの判定に際し、管理サーバ50に乗員の情報を送信し、判定結果を問い合わせるようにしてもよい。
-ステップS14-
ステップS14において、例えば、車両10が駐車場に入って駐車領域に入り、イグニッション電源がOFF(電気自動車の場合、駆動電源がOFF)されて、走行状態から駐車状態となる。そうすると、駐車検知部(例えば、運転操作センサ112及び車両状態センサ113)により車両の駐車状態が検知され、フローは次のステップS20に進む。
-ステップS20-
ステップS20では、演算装置102は、グリッド開始条件が充足されているかどうかを判定する。以下、具体例を示しつつ説明する。
-ステップS21-
ステップS21では、グリッド演算の開始条件を満たすかどうかを判定している。グリッド演算の開始条件は、例えば、駐車検知部で車両の駐車が検知された後に、乗員センサ111で乗員の降車が確認され、かつ、車室内に誰も残っていない状態においてロック検知部で車両のドアロック状態が検知されることである。
図8には、車両のドアロック状態の検知フローの一例を示す。図8の例では、演算装置102は、ステップS211~ステップS214の判定を並行して実行する。ステップS211では、リッドセンサを用いてドアの開閉状態を判定する。ステップS212では、リッドセンサを用いてドアロック状態を判定する。ステップS213では、リッドセンサを用いてボンネットの開閉状態を判定する。ステップS214では、リッドセンサを用いて、リフトゲートの位置やトランクの開閉状態を判定する。
次のステップS215において、演算装置102は、ステップS211~ステップS214の判定結果に基づいて、車両10のドアロック状態を判定する。例えば、演算装置102は、車室が閉塞されかつそれらがロックされた状態となっていれば、ドアロック状態の判定結果としてOKである、すなわち、グリッド開始条件が充足されていると判定する。この例では、演算装置102は、ステップS211ですべてのドアが閉状態であること、ステップS212ですべてのドアがロック状態であること、ステップS213でボンネットが閉状態であること、かつ、ステップS214でリフトゲートが閉位置にありトランクが閉状態であることが検知された場合に、グリッド開始条件が充足されていると判定する。
ステップS21の条件が満たされる場合、すなわち、車両10の駐車後に乗員がいない状態でドアロックがされたことが検知された場合(S21でYES)、演算装置102は、自動的に演算資源によるグリッド演算を開始する(ステップS30)。図6のステップS30は、図7AのステップS31~S35に相当する。
図7Aには、図6のステップS21でYES判定となり、次のステップS30において自動的にグリッド演算が開始された場合のフローを示している。図7AのステップS11~S15,S20までの動きは、図6と同じであり、ここではステップS31以降の動作について説明する。
ステップS31において、演算装置102は、管理サーバ50に対して、グリッド演算に用いるジョブデータD1の送信を要求する。
ステップS54において、演算装置102からの送信要求を受けた管理サーバ50の制御部502は、依頼対象となるアプリケーションジョブ用のジョブデータD1を車両11に送信する。
ステップS32において、演算装置102は、管理サーバ50からジョブデータD1を受信する。その後、演算装置102は、ジョブデータD1を用いてグリッド演算を開始する(ステップS33)。演算装置102は、グリッド演算が終了すると(ステップS34)、その演算結果を管理サーバ50に送信する(ステップS35)。ステップS55において、管理サーバ50で演算装置102からの演算結果が受信されると、一連の処理は終了となる。なお、駐車時間に余裕がある場合に、ステップS20の処理を繰り返し実行してもよい。
一方で、車両10のドアロックが検知された後に、車室内に乗員が残っている場合には、ステップS21でNO判定となり、フローはステップS22に進む。
-ステップS22~S26-
ステップS22では、車両10のドアロックが検知された後に、車室内に残っている乗員が、登録ユーザか否かが判定される。
〈車室内に残っているユーザが登録ユーザの場合〉
図7Bには、ドアロック時に車室内に残っている登録ユーザにより演算開始が承認された場合のフローを示している。この例では、車両11においてドアロック時に主ユーザP11が車室内に残っている場合、及び、車両12においてドアロック時に副ユーザP22が車室内に残っている場合の動作に相当する。なお、図7BのステップS11~S15及びS20までの動きは、図6と同じであり、ここではステップS22以降の動作について図6及び図7Bを用いて説明する。
図6のステップS22において、車室内に残っている乗員が登録ユーザの場合(S22でYES)、次のステップS23において、演算装置102は、グリッド演算を開始してよいかの問い合わせ画面がタッチパネル105に表示されるように制御する。次のステップS24では、乗員(登録ユーザ)からの使用許可が得られた否かが判定される。
より具体的には、図7BのステップS42において、タッチパネル105に問い合わせ画面が表示され、登録ユーザによるタッチ操作が行われると、その操作情報が演算装置102に送信される。
図6に戻り、ステップS24において、乗員からグリッド演算の承認操作がされた場合、フローは次のステップS30、すなわちグリッド演算の実行に進む。図7BのステップS31~S35,S54及びS55の動きは、図7Aと同じであり、ここではその説明を省略する。
一方で、ステップS53において、乗員からグリッド演算の不許可操作がされた場合、図6のステップS24において、許可なしの判定となる。その結果、車両12では、グリッド演算が実行されることなく、一連の処理が終了する。
〈車室内に残っているユーザが登録ユーザ以外の場合〉
図7Cには、ドアロック時に車室内に残っている乗員が登録ユーザ以外のユーザであり、車外にいる登録ユーザに通知がされて、その登録ユーザにより演算開始が承認された場合のフローを示している。この例では、車両12においてドアロック時にユーザP23が車室内に残っている場合の動作に相当する。なお、図7CのステップS11~S15,S20までの動きは、図6と同じであり、ここではステップS22以降の動作について図6及び図7Cを用いて説明する。
図6のステップS22において、車室内に残っている乗員が登録ユーザ以外の場合(S22でNO)、次のステップS23において、演算装置102は、グリッド演算を開始することについて主ユーザP21への問い合わせ依頼を管理サーバ50に送信する。次のステップS26では、主ユーザP21からの使用許可が出たか否かが判定される。
より具体的には、図7CのステップS52において、管理サーバ50は、車両12から上記の問い合わせ依頼を受信すると、記憶部503のユーザテーブルD56を参照して、登録ユーザの連絡先(この例では、主ユーザP21の端末装置42)に、これから車両12でグリッド演算を実行してよいかの確認連絡を送信する。この確認連絡をする際に、車室内に残っている乗員がユーザP23であることをあわせて通知してもよい。このように、車室内に残っている乗員情報を主ユーザP21に連絡することで、主ユーザP21にグリッド演算の認否についての判断材料を提供することができる。
ステップS42において、端末装置42は、管理サーバ50から上記の確認連絡を受信すると、その内容を表示画面に表示し、主ユーザP21の応答操作を受け付ける。端末装置42は、主ユーザP21からの応答操作情報を取得すると、主ユーザP21の応答結果を端末装置42に送信する。
ステップS53において、管理サーバ50は、端末装置42から上記の主ユーザP21の応答結果を受信すると、その内容を車両12に送信する。その後、ステップS54において、管理サーバ50の制御部502は、依頼対象となるアプリケーションジョブ用のジョブデータD1を車両12に送信する。なお、管理サーバ50は、図7Bの場合と同様に、車両12から送信要求を受けた後に、車両12にジョブデータD1を送信するようにしてもよい。その後のステップS32~S35及びステップS55の処理については、図7Bの場合と同じである。
一方で、ステップS53において管理サーバ50が受信した応答結果が、車両12でのグリッド演算を許可しない場合、図6のステップS26において、許可なしの判定となる。その結果、車両12では、グリッド演算が実行されることなく、一連の処理が終了する。
以上のように、本実施形態によると、車両10の駐車後にドアロック状態が検知された場合に、車両10の車室内に乗員が検知いない場合、自動的にグリッド演算を開始するようにしている。これにより、登録ユーザの手を煩わせることなく、グリッド演算を開始することができる。
また、登録ユーザが車両10のドアロック後に車室内で過ごすような場合においても、タッチパネル105に問い合わせを表示し、タッチパネル105を介して乗員(登録ユーザ)の承認操作が受け付けられたことを条件としてグリッド演算を開始するようにしている。これにより、セキュリティを保った状態でグリッド演算を開始することができる。
さらに、本実施形態では、ドアロック後に登録ユーザ以外の乗員が車室内で過ごすような場合においても、登録ユーザの承認を条件にグリッド演算を開始するようにしているので、演算資源の客観的な品質を確保しつつ、グリッド演算の実施についての機会ロスをなるべく少なくすることができる。
なお、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、ここに開示する技術、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。すなわち、前述の実施形態は単なる例示に過ぎず、本開示の範囲を限定的に解釈してはならない。本開示の範囲は請求の範囲によって定義され、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本開示の範囲内のものである。
以上説明したように、ここに開示する技術は、グリッドコンピューティングを管理する技術として有用である。
10 車両
105 タッチパネル(報知部)
111 乗員センサ(センサ)
112 運転操作センサ(駐車検知部)
113 車両状態センサ(駐車検知部、ロック検知部)

Claims (3)

  1. 車両に搭載された演算資源を活用したグリッドコンピューティングの管理方法であって、
    前記車両には、乗員を認識するセンサと、当該車両の駐車状態を検知する駐車検知部と、当該車両のドアロックの状態を検知するロック検知部と、乗員向けのコンテンツを発する報知部が設けられ、
    前記車両の登録ユーザをユーザテーブルに登録する登録工程と、
    前記車両が走行状態から駐車状態となり、前記駐車検知部で当該車両の駐車が検知されかつ前記ロック検知部で当該車両のドアロック状態が検知された場合において、
    前記センサで前記車両の車室内に乗員が検知されていないとき、前記車両は、自動的に前記演算資源によるグリッドコンピューティングの演算を開始し、
    前記センサで前記車両の車室内の乗員として前記登録ユーザが検知されているとき、前記車両では、前記報知部からグリッドコンピューティングの演算開始の問い合わせを発し、その後に、当該問い合わせに対する前記登録ユーザの承認入力が受け付けられたことを条件としてグリッドコンピューティングの演算を開始する演算工程とを含む、
    グリッドコンピューティングの管理方法。
  2. 前記演算工程において、前記車両が走行状態から駐車状態となり、前記駐車検知部で当該車両の駐車が検知されかつ前記ロック検知部で当該車両のドアロック状態が検知された場合において、前記センサで前記車両の車室内に乗員が検知され、かつ、当該乗員が前記登録ユーザでない場合、前記車両は、前記登録ユーザが前記グリッドコンピューティングの処理開始を承認したことを示す承認情報が外部から受信されたことを条件としてグリッドコンピューティングの演算を開始する、
    請求項1に記載のグリッドコンピューティングの管理方法。
  3. 車両に搭載された演算資源を活用したグリッドコンピューティングシステムであって、
    前記車両は、
    乗員を認識するセンサと、
    前記車両の駐車状態を検知する駐車検知部と、
    前記車両のドアロックの状態を検知するロック検知部と、
    乗員向けのコンテンツを発する報知部と、
    前記車両の登録ユーザが登録されるユーザテーブルが格納される記憶部と、
    演算装置とを備え、
    前記演算装置は、
    前記車両の登録ユーザを前記ユーザテーブルに登録する登録工程と、
    前記車両が走行状態から駐車状態となり、前記駐車検知部で当該車両の駐車が検知されかつ前記ロック検知部で当該車両のドアロック状態が検知された場合において、
    前記センサで前記車両の車室内に乗員が検知されていないとき、自動的に前記演算資源によるグリッドコンピューティングの演算を開始し、
    前記センサで前記車両の車室内の乗員として前記登録ユーザが検知されているとき、前記車両では、前記報知部からグリッドコンピューティングの演算開始の問い合わせを発し、その後に、当該問い合わせに対する前記登録ユーザの承認入力が受け付けられたことを条件としてグリッドコンピューティングの演算を開始する演算工程とを実行する、
    グリッドコンピューティングシステム。
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