JP2023064913A - 植物プランクトン分別システム - Google Patents

植物プランクトン分別システム Download PDF

Info

Publication number
JP2023064913A
JP2023064913A JP2021175367A JP2021175367A JP2023064913A JP 2023064913 A JP2023064913 A JP 2023064913A JP 2021175367 A JP2021175367 A JP 2021175367A JP 2021175367 A JP2021175367 A JP 2021175367A JP 2023064913 A JP2023064913 A JP 2023064913A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phytoplankton
light
intensity
autofluorescence
scattered light
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021175367A
Other languages
English (en)
Inventor
一真 関本
Kazuma Sekimoto
勝義 田中
Katsuyoshi Tanaka
尚志 三宮
Hisashi Sannomiya
勇貴 大橋
Yuki Ohashi
万純 山岸
Masumi Yamagishi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Rion Co Ltd
Original Assignee
Rion Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Rion Co Ltd filed Critical Rion Co Ltd
Priority to JP2021175367A priority Critical patent/JP2023064913A/ja
Publication of JP2023064913A publication Critical patent/JP2023064913A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】障害を引き起こす植物プランクトンを、人手をかけずに簡便かつ迅速にリアルタイムで分別することができる技術を提供する。【解決手段】植物プランクトン分別システムでは、発光装置により照射されるレーザーを対象微粒子にあててその粒子による散乱光の強度と自家蛍光の強度を測定し、散乱光の強度と自家蛍光の強度をパラメータとしてプロットすると、プロットされた領域により生物(植物プランクトン)の種類の分類ができる。そして、個々の粒子の散乱光の強度と自家蛍光の強度を測定することで、生物と非生物の区別だけでなく、各生物の種別と発生量を求めることができる。植物プランクトン分別システムでは、染色等の操作は行わず、またサンプルを採取する工程も必要もなく、浄水の処理工程にそのまま組み込むことができるため、人手を介することなく迅速に水質管理を行うことができる。【選択図】図3

Description

本発明は、植物プランクトン分別システムに関する。
近年の急激な気候変動によって、浄水場の原水である湖沼やダム湖、河川等に植物プランクトンが大量発生し、浄水場において生物障害(異臭味障害、凝集沈殿処理障害、ろ過閉塞障害、ろ過漏出障害等)が発生し、浄水処理に各種の不具合を引き起こしている。
現状、浄水場において、それらの障害を引き起こす植物プランクトン発生の検知は、定期的な顕微鏡観察によって行われているが、多大な手間と熟練した観察技術を要する。また、電化製品の進歩及び節水意識の向上に基づく近年の水道収入減少等を背景として、浄水場を運営するスタッフの削減に伴い、植物プランクトンの発生を観測する生物職スタッフも減少し、自治体によっては、生物障害が発生しても知見・観察技術を持った職員がおらず、対応に苦慮する例も存在する。
さらには、発生した生物障害の原因を特定できないまま、障害を抑え込むために、盲目的に過剰な薬剤使用を行い、障害を抑え込むといった事態も発生している。このように、生物障害を防ぐための浄水処理工程の運転制御は、長年培った経験や技術に頼る部分が大きい。
このような状況の中、今後は更なる水道収入の減少が予測されるため、浄水事業のコスト削減・高効率化(人員削減やスタッフの業務負担軽減、浄水処理に用いる薬剤等の効率的な使用等)が求められる一方、気候変動を背景とした生物障害の発生は全国で増加の一途をたどると考えられている。
そして、このような問題に関連する技術として、特許文献1や特許文献2等の技術が知られている。
特開2017-106831号公報 特開2007-232382号公報
浄水場で適切な量の薬剤投与等の処理が行われないと生物障害等の原因となるが、使用する薬剤や処理の方法は対象となる生物の種類や生物と生物以外の粒子の量によって異なっている。一般的に、浄水場では、定期的に担当者が顕微鏡を用いて種別を行っており、リアルタイムに処理が行われているわけではない。
先行技術である特許文献1の技術は、藻類全体の量を求める方法であり、生物の種類分けを行うことはできないため、薬剤の種類を適切に決めるためには生物種の判定が別途必要となる。
また、特許文献2の技術は、染色を行って生物の種類分けを行うものであり、染色を行うためサンプルを抜き出し染色を行う工程が必要であり、浄水処理される水をリアルタイムに監視することはできない。そして、これまでリアルタイムに水(浄水)の監視を行うシステムは存在しなかった。
そこで本発明は、障害を引き起こす植物プランクトンを、人手をかけずに簡便かつ迅速にリアルタイムで分別することができる技術の提供を課題とする。
本発明は、上記の課題を解決するため以下の解決手段を採用する。なお、以下の解決手段はあくまで例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。
解決手段1:本解決手段の植物プランクトン分別システムは、液体に向けて光を照射する発光手段と、前記発光手段により照射された光により植物プランクトンが発する散乱光及び自家蛍光を検出する検出手段と、前記検出手段により検出された前記散乱光及び前記自家蛍光に基づいて前記散乱光の強度及び前記自家蛍光の強度を検出し、前記散乱光の強度及び前記自家蛍光の強度に基づいて、前記植物プランクトンの種類を分別するための分別情報を生成する制御手段と、を備える植物プランクトン分別システムである。
本件発明者等は、鋭意研究を進めた結果、植物プランクトンが発する散乱光の強度及び自家蛍光の強度により植物プランクトンの種類を分別することができることを見出し、本システムを完成させている。
本解決手段によれば、散乱光の強度及び自家蛍光の強度に基づいて、植物プランクトンの種類を分別するための分別情報を生成するため、染色を行う必要はなく、分別情報を確認するだけの簡単な作業によって植物プランクトンの種類を把握することができ、結果として、障害を引き起こす植物プランクトンを、人手をかけずに簡便かつ迅速にリアルタイムで分別することができる。
解決手段2:本解決手段の植物プランクトン分別システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記制御手段は、前記分別情報として、前記散乱光の強度及び前記自家蛍光の強度をパラメータとしてプロットした散布図を生成することを特徴とする植物プランクトン分別システムである。
本解決手段によれば、分別情報として、散乱光の強度及び自家蛍光の強度をパラメータとしてプロットした散布図を生成するため、一目みて分かりやすい分別情報とすることができ、分別作業の負担を軽減させることができる。散乱光の強度及び自家蛍光の強度といった2つのパラメータを利用して散布図にプロットを行い、散布図の領域によって植物プランクトンの分別を可能とする技術的思想は、従来には存在しない発想である。
解決手段3:本解決手段の植物プランクトン分別システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記制御手段は、前記分別情報として、前記散布図の特定の範囲に含まれるプロットの数を示す計数値を生成することを特徴とする植物プランクトン分別システムである。
本解決手段によれば、制御手段は、分別情報として、散布図の特定の範囲に含まれるプロットの数を示す計数値を生成するため、特定の範囲に対応する植物プランクトンがどの程度存在するのかを具体的な数値により把握することができる。
解決手段4:本解決手段の植物プランクトン分別システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記制御手段は、予め定められた規定値及び前記計数値に基づいて、前記特定の範囲に対応する特定の植物プランクトンが前記規定値以上存在しているか否かを判定することを特徴とする植物プランクトン分別システムである。
本解決手段によれば、制御手段は、規定値及び計数値に基づいて、特定の植物プランクトンの存在を判定するため、植物プランクトンの分別作業を自動化することができ、分別作業の負担を軽減させることができる。
解決手段5:本解決手段の植物プランクトン分別システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記発光手段は、分別対象(例えば、植物プランクトン)が含まれる水(例えば、浄水場の沈殿処理水の水、原水、ろ過水等)に向けて光を照射することを特徴とする植物プランクトン分別システムである。
本解決手段によれば、発光手段は、分別対象が含まれる水に向けて光を照射するため、植物プランクトンの検出が行いやすくなる。また、浄水場に対して本システムを導入することにより、浄水場のラインに組み込んだインライン測定を行うことができ、リアルタイムで植物プランクトンを検出することができる。
解決手段6:本解決手段の植物プランクトン分別システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記発光手段は、紫外線又は可視光(例えば、紫外線領域から青色の可視光領域(例えば、330~460nm)の光)を照射することを特徴とする植物プランクトン分別システムである。
本解決手段によれば、発光手段は、紫外線又は可視光を照射するため、自家蛍光の強度を検出しやすくすることができる。
解決手段7:本解決手段の植物プランクトン分別システムは、上述したいずれかの解決手段において、前記制御手段により生成された前記分別情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする植物プランクトン分別システムである。
本解決手段によれば、分別情報を表示する表示手段を備えるため、分別情報をその場で迅速に確認することができる。
本発明によれば、障害を引き起こす植物プランクトンを、人手をかけずに簡便かつ迅速にリアルタイムで分別することができる。
実施形態の植物プランクトン分別システム500を示す概略構成図である。 各植物プランクトンの分布例を示す図である。 ウログレナを検出した際の散布図である。 ミクロキスティスを検出した際の散布図を示す図である。 クロロフィルaの吸収・自家蛍光波長を示す図である。 自家蛍光受光装置90及び散乱光受光装置110からの出力信号を示す模式図である。 データ解析処理の手順例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態の植物プランクトン分別システム500を示す概略構成図である。
植物プランクトン分別システム500は、浄水場に設置するシステムであり、光検出システム1及び制御システム2を備えている。
光検出システム1は、液体(例えば浄水場の水)に向けて光を照射し、植物プランクトンが発する散乱光及び自家蛍光を検出する。制御システム2は、光検出システム1から出力された出力信号に基づいて散乱光の強度及び自家蛍光の強度を検出し、散乱光の強度及び自家蛍光の強度に基づいて植物プランクトンの種類を分別するための分別情報を生成する。そして、これらのシステムにより、水中に含まれる植物プランクトンの分別が可能となる。
〔光検出システム〕
光検出システム1は、発光装置10、照射光学レンズ系20、流動装置30、第1集光光学レンズ系40、遮光装置50、散乱光選択光学装置60、遮光壁65、自家蛍光選択光学装置70、第2集光光学レンズ系80、自家蛍光受光装置90、第3集光光学レンズ系100、及び、散乱光受光装置110を備えている。以下、各構成要素について具体的に説明する。
〔発光装置(発光手段)〕
発光装置10は、半導体レーザーダイオード(半導体LED素子等)を備えている。発光装置10は、液体(一又は複数種類の植物プランクトンが含まれる水)に向けて光(照射光)を照射する。発光装置10が発振するレーザー光の波長は、生物粒子の細胞内に存在する自家蛍光を発することができる物質(以下、自家蛍光物質とする)に対応して決定される。照射光は、紫外線又は可視光であることが好ましい。
自家蛍光物質は、照射される光のエネルギーを吸収して励起状態に励起しやすい励起波長を有している。その励起波長はその物質によって異なっており、さらに、励起状態から基底状態に戻る際に放出する自家蛍光の波長も自家蛍光物質によって異なっている。本実施形態の発光装置10は、半導体レーザーダイオードによって励起光を照射する。
〔照射光学レンズ系〕
照射光学レンズ系20は、複数種類の光学レンズを備えている。複数種類の光学レンズは、例えば、コリメーターレンズ、両凸レンズ、シリンドリカルレンズ等であり、発光装置10から発振されたレーザー光を平行光線に調整し、植物プランクトン35を含んだ水33に対してレーザー光を照射する。
〔流動装置〕
流動装置30(フローセル)は、合成石英やサファイア等で作成された中空の四角柱の筒部32を備えており、植物プランクトン35を含んだ水33が図中の上から下に流動する構造を有している。発光装置10から発振されたレーザー光31は、筒部32の水が流動する中空領域に照射されて検出領域が形成される。
この検出領域において、レーザー光31が流動装置30内を流動する植物プランクトン35と相互作用を起こす。そして、植物プランクトン35とレーザー光31とが相互作用することにより、植物プランクトン35からは、散乱光及び自家蛍光が放出される。
散乱光の強度、すなわち、散乱光の光量は植物プランクトン35の大きさに依存し、大きいほど光量も多くなる。また、自家蛍光の強度は、植物プランクトン35の細胞内のリボフラビン又はクロロフィルaの量に依存する。また、散乱光の光量及び自家蛍光の強度は、レーザー光31の光量(強度)にも依存し、レーザー出力を高めて、流動装置30に多くのレーザー光31を照射すれば、植物プランクトン35からの散乱光や自家蛍光も増加する。
流動装置30には、分別対象が含まれる水(例えば、浄水場の沈殿ろ過後の水(ろ過池や浄水池の水)、浄水場の沈殿処理水の水、原水、ろ過水等)を流動させてインライン測定を行うことが好ましい。この場合、発光装置10は、分別対象が含まれる水に向けて光を照射する。なお、浄水場は、上流から順番に、取水塔、沈砂池、着水井、薬品混和池、フロック形成池、沈殿池、ろ過池、浄水池、配水池等が配置されている。流動装置30には、ろ過池や浄水池の水を流動させるだけでなく、浄水場の任意の場所の水を流動させてインライン測定を行うこともできる。
〔遮光装置〕
遮光装置50は、レーザートラップを備えている。遮光装置50は、流動装置30内で相互作用を起こさずに通過したレーザー光31を遮光する。レーザー光31を遮光することで、流動装置30を通過したレーザー光31が様々な場所で反射等を起こして、植物プランクトン35による散乱光や自家蛍光の検出のノイズとなることを抑制する。
〔第1集光光学レンズ系〕
第1集光光学レンズ系40は、複数の光学レンズを備えている。第1集光光学レンズ系40は、レーザー光31の進行方向(光軸)に対して約90度の角度の位置に設置される。第1集光光学レンズ系40により、流動装置30内における植物プランクトン35からの散乱光及び自家蛍光が集光される。なお、これら植物プランクトン35からの散乱光及び自家蛍光をなるべく多く集光するために、レンズ口径は大きい方が好ましい。第1集光光学レンズ系40が配置される位置は、植物プランクトン35からの散乱光や自家蛍光を検出する受光装置が備えられる位置(距離)に対応して決定される。
〔散乱光選択光学装置〕
散乱光選択光学装置60は、ダイクロイックミラーを備えている。散乱光選択光学装置60は、植物プランクトン35からの散乱光を反射させる。植物プランクトン35からの散乱光は、次に第3集光光学レンズ系100に集光され、散乱光受光装置110に結像される。
一方、流動装置30内を流動する植物プランクトン35から放出される自家蛍光については、散乱光選択光学装置60に反射されることなくほぼ全てが散乱光選択光学装置60を透過する。そして、植物プランクトン35からの自家蛍光は、次に自家蛍光選択光学装置70へ進む。
〔自家蛍光選択光学装置〕
自家蛍光選択光学装置70は、光学フィルターを備えている。光学フィルターは、所定の波長よりも長い波長の光を透過させるロングパスフィルタを備えている。
〔第2集光光学レンズ系〕
第2集光光学レンズ系80は、複数の光学レンズを備えている。第2集光光学レンズ系80は、自家蛍光選択光学装置70のロングパスフィルタを透過してきた光の進行方向(光軸)上に設置される。第2集光光学レンズ系80により、自家蛍光選択光学装置70のロングパスフィルタを透過してきた自家蛍光が集光され、自家蛍光受光装置90の入射面に結像される。
〔自家蛍光受光装置(検出手段、自家蛍光検出部)〕
自家蛍光受光装置90は、発光装置10により照射された光により植物プランクトンが発する自家蛍光を検出する。自家蛍光受光装置90は、半導体受光素子(フォトダイオード:Photo Diode(PD))又はフォトダイオードよりも感度のよい光電子増倍管(フォトマルチプライヤーチューブ:Photo Multiplier Tube(PMT))を備えている。これらフォトダイオードやフォトマルチプライヤーチューブは受光した光を電気的要素(電流又は電圧)に変換し、受光した光量に応じた電気的要素を出力する。なお、受光した光の光量によって出力する電気的要素の大きさが変化し、受光した光の光量が多ければ多いほど、電気的要素の大きさが大きくなる。なお、自家蛍光受光装置90から出力される出力信号は、次に制御システム2に入力される。
〔遮光壁〕
遮光壁65は、散乱光選択光学装置60の透過側から自家蛍光受光装置90までの光路を囲う筒状の構造物である。遮光壁65により、散乱光選択光学装置60を透過してきた自家蛍光以外の光が自家蛍光受光装置90に入射することを防ぐことができる。特に図示していないが、散乱光選択光学装置60の反射側から散乱光受光装置110までの光路等にも同様に遮光壁を設けてもよい。
〔第3集光光学レンズ系〕
第3集光光学レンズ系100は、複数の光学レンズを備えている。第3集光光学レンズ系100は、散乱光選択光学装置60によって反射された光の進行方向(光軸)上に設置される。
〔散乱光受光装置(検出手段、散乱光検出部)〕
散乱光受光装置110は、発光装置10により照射された光により植物プランクトンが発する散乱光を検出する。散乱光受光装置110は、フォトダイオード又はフォトマルチプライヤーチューブを備えている。ここで、散乱光受光装置110に入射する光は、散乱光選択光学装置60により反射された光であって、具体的には、流動装置30内を流動する植物プランクトン35により散乱された散乱光である。これら植物プランクトン35による散乱光は、植物プランクトン35から放出される自家蛍光よりも光量が多いため、フォトマルチプライヤーチューブではなく安価なフォトダイオードでも十分に検出することができる。本実施形態においては、フォトダイオードが備えられ、散乱光選択光学装置60により反射された植物プランクトン35による散乱光を受光する。フォトダイオードが受光した光は、その光量に応じた電気信号に変換され、その電気信号がフォトダイオードから出力される。散乱光受光装置110のフォトダイオードからの出力信号は、次に制御システム2に入力される。
〔制御システム(制御装置、制御回路、制御手段)〕
制御システム2は、検出信号処理部200、データ処理部300及び報知部400を備えている。
検出信号処理部200は、光検出システム1からの出力信号、すなわち、自家蛍光受光装置90からの出力信号と散乱光受光装置110からの出力信号とをそれぞれ受信し、受信した信号を増幅し、アナログ信号からデジタル信号にAD変換する処理等を実行する。
データ処理部300は、検出信号処理部200でAD変換処理された自家蛍光信号及び散乱光信号を受信して保存し、保存した自家蛍光信号及び散乱光信号に基づいて分類情報(散布図、計数値等)を生成し、生成した分類情報を出力する処理を実行する。
報知部400は、データ処理部300により生成された分類情報等を表示する処理を実行する。以下、各構成要素及びその処理について具体的に説明する。
〔検出信号処理部〕
検出信号処理部200は、自家蛍光用出力信号処理装置210及び散乱光用出力信号処理装置220を備えている。また、自家蛍光用出力信号処理装置210は、第1増幅器212及び第1アナログ/デジタル変換器214を備えている。さらに、散乱光用出力信号処理装置220は、第2増幅器222及び第2アナログ/デジタル変換器224を備えている。
自家蛍光用出力信号処理装置210は、自家蛍光受光装置90からの出力信号を受信すると、第1増幅器212が自家蛍光受光装置90から出力された出力信号を増幅する。そして、第1アナログ/デジタル変換器214が第1増幅器212により増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
同様に、散乱光用出力信号処理装置220は、散乱光受光装置110からの出力信号を受信すると、第2増幅器222が散乱光受光装置110から出力された出力信号を増幅する。そして、第2アナログ/デジタル変換器224が第2増幅器222により増幅されたアナログ信号をデジタル信号に変換する。
その後、デジタル信号に変換された信号は自家蛍光用出力信号処理装置210及び散乱光用出力信号処理装置220から出力され、出力された信号は、データ処理部300に入力される。
〔データ処理部〕
データ処理部300は、データ収集装置310、データ解析装置320及び結果出力装置330を備えている。また、データ収集装置310は、データを記憶するメモリ(RAM、HD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等)を備えている。
データ処理部300は、自家蛍光用出力信号処理装置210及び散乱光用出力信号処理装置220から出力される信号を受信する。受信された信号は、そのままデータ処理部300のメモリに記憶される。メモリへの信号の記憶が終了すると、つぎに、信号を用いて分類情報の生成処理が実行される。
〔データ解析装置〕
データ解析装置320は、データ処理部300のメモリに記憶されたデータ(デジタル信号)に基づいて分類情報を生成する計算回路(例えば、CPU)及び計算回路の計算処理内容(プログラム)等を予め記憶(保存)したメモリ(ROM)を備えている。
〔結果出力装置〕
結果出力装置330は、データ解析装置320により生成された分類情報を報知部400に送信する装置である。
〔報知部(表示手段)〕
報知部400は、表示装置410(液晶表示器)を備えている。表示装置410は、データ解析装置320により生成された分類情報等を表示画面に表示する。
図2は、各植物プランクトンの分布例を示す図である。本図において縦軸は自家蛍光強度(mV)を示しており、横軸は散乱光強度(mV)を示している。
藻類の一種であるウログレナ、フォルミディウム、ミクロキスティスの三種が存在する領域は、分画範囲A~Cに分かれる。
ウログレナは、異臭味障害の原因となる植物プランクトンである。
ウログレナは、図中の左上の分画範囲Aに分布される。分画範囲Aは、散乱光強度が50~125mVであり、自家蛍光強度が400~2000mVの範囲である。
フォルミディウムは、異臭味障害の原因となる植物プランクトンである。
フォルミディウムは、図中の左下の分画範囲Bに分布される。分画範囲Bは、散乱光強度が50~125mVであり、自家蛍光強度が100~399mVの範囲である。
ミクロキスティスは、ろ過漏出障害の原因となる植物プランクトンである。
ミクロキスティスは、図中の右下の分画範囲Cに分布される。分画範囲Cは、散乱光強度が600~1780mVであり、自家蛍光強度が50~520mVの範囲である。
なお、これらの分画範囲の数値は、検査条件や検査の積み重ねによって適宜変更することができる。また、分画範囲の個数は、検査環境によって任意に増減させることができる。
図3は、ウログレナを検出した際の散布図(2次元マップ、グラフ)を示す図である。図4は、ミクロキスティスを検出した際の散布図を示す図である。図3及び図4において、縦軸は自家蛍光強度(mV)を示しており、横軸は散乱光強度(mV)を示している。図3及び図4は、浄水場の処理水中に検出されたウログレナ及びミクロキスティスの散布図の測定例を示している。
散乱光強度は、粒子の大きさを示している。散乱光強度の値が大きくなれば粒子が大きいことを示しており、散乱光強度の値が小さくなれば粒子が小さいことを示している。一方、自家蛍光強度は、蛍光の強さを示している。自家蛍光強度の値が大きくなれば蛍光が強いことを示しており、自家蛍光強度の値が小さくなれば蛍光が弱いことを示している。
散布図内のプロット(ドット)は、一つ一つが計数された粒子一つ一つを示している。図3及び図4の散布図は、本システムで1分間測定を行った結果である。流速10mL/minで試料を流しながら測定を行っているので、10mL中の計数された粒子を表している。散布図においては、粒子の大きさが1.0μm未満の粒子については、植物プランクトンである可能性が低いため、プロットしないようにしている。なお、植物プランクトンの大きさは、一般的に2.0~20.0μm程度である。
図3に示すように、ウログレナを検出した場合、分画範囲Aに多くのプロットが表示される。なお、フォルミディウムに対応する分画範囲B(図2参照)や、ミクロキスティスに対応する分画範囲C(図2参照)にも、プロットが表示されているため、ある程度はフォルミディウムやミクロキスティスも存在していると判断することができる。そして、図3の散布図からは、三種の植物プランクトンの中で、ウログレナが最も多く発生しているという判断を行うことができる。
図4に示すように、ミクロキスティスを検出した場合、分画範囲Cに多くのプロットが表示される。なお、ウログレナに対応する分画範囲A(図2参照)や、フォルミディウムに対応する分画範囲B(図2参照)にも、プロットの表示があるため、ある程度はウログレナやフォルミディウムも存在していると判断することができる。そして、図4の散布図からは、三種の植物プランクトンの中で、ミクロキスティスが最も多く発生しているという判断を行うことができる。
特に図示していないが、フォルミディウムを検出した場合、分画範囲B(図2参照)に多くのプロットが表示される。
なお、散布図において、分画範囲A~Cのいずれにも該当しない左下の領域でプロットが多く表示されているが、これらは分別対象以外の植物プランクトン又はその他の粒子である。
図5は、クロロフィルaの吸収・自家蛍光波長を示す図である。
クロロフィルaは、植物プランクトンの光合成において吸収した光によってエネルギーを励起する。図5(A)に示すように、クロロフィルaは、430nmの波長をピークとした波長で光を吸収する。また、図5(B)に示すように、クロロフィルaは、680nmの波長をピークとした波長分布で自家蛍光を放出する。このため、波長405nmの光源を利用することにより、効率良く自家蛍光を放出させることができる。
図6は、自家蛍光受光装置90及び散乱光受光装置110からの出力信号を示す模式図である。本図において縦軸はパルスの高さ(電圧)を示しており、横軸は時間の経過を示している。
データ解析装置320は、例えば、自家蛍光信号の値が自家蛍光判定のしきい値を超えており、散乱光信号の値(粒子の大きさ)が1.0μm以上であることを示している場合、植物プランクトンであると判定することができる。
また、データ解析装置320は、自家蛍光信号の値が自家蛍光判定のしきい値を超えておらず、散乱光信号の値(粒子の大きさ)が1.0μm以上であることを示している場合、その他の粒子であると判定することができる。
自家蛍光判定のしきい値は、任意に設定可能であるが、例えば、0~50mVの値に設定することができる。また、その他の粒子については、散布図にプロットしないようにしているが、散布図にプロットするようにしてもよい。
図7は、データ解析処理の手順例を示すフローチャートである。本処理は、データ解析装置320が実行する。また、本処理は、データ解析装置320が実行するプログラム上の所定のメインループから呼び出される処理である。本処理は、本システムを用いて植物プランクトンの測定を行っている間は、繰り返し実行される処理である。
ステップS100:データ解析装置320は、信号受信処理を実行する。具体的には、データ解析装置320は、検出信号処理部200でAD変換処理された自家蛍光信号及び散乱光信号を受信する。
ステップS102:データ解析装置320は、散布図生成処理を実行する。データ解析装置320は、散乱光受光装置110により検出された散乱光、及び、自家蛍光受光装置90により検出された自家蛍光に基づいて散乱光の強度及び自家蛍光の強度を検出し、散乱光の強度及び自家蛍光の強度に基づいて、植物プランクトンの種類を分別するための分別情報を生成する処理を実行する(制御手段)。具体的には、データ解析装置320は、分別情報として、散乱光の強度及び自家蛍光の強度をパラメータとしてプロットした散布図を生成する処理を実行する(制御手段)。この場合、図6に示す判定手法に基づいて散布図にプロットを形成することが好ましい。
散布図を生成する場合、粒子を一つ検出する度にプロットを一つ追加してもよく、一定個数の粒子を検出する度に一定個数のプロットを追加してもよく、一定時間が経過する度に一定時間内に検出した粒子のプロットを追加するようにしてもよい。
ステップS104:データ解析装置320は、計数値生成処理を実行する。データ解析装置320は、分別情報として、散布図の特定の範囲に含まれるプロットの数を示す計数値を生成する処理を実行する(制御手段)。具体的には、データ解析装置320は、分画範囲Aのプロット数をカウントして第1計数値に記憶し、分画範囲Bのプロット数をカウントして第2計数値に記憶し、分画範囲Cのプロット数をカウントして第3計数値に記憶する。
ステップS106:データ解析装置320は、判定処理を実行する。データ解析装置320は、予め定められた規定値(第1規定値、第2規定値、第3規定値)及び計数値(第1計数値、第2計数値、第3計数値)に基づいて、特定の範囲に対応する特定の植物プランクトン(ウログレナ、フォルミディウム、ミクロキスティス)が規定値以上存在している否かを判定する処理を実行する(制御手段)。
具体的には、データ解析装置320は、分画範囲Aのプロット数(第1計数値)が予め定められた第1規定値以上であるか否かを判定する処理を実行する。分画範囲Aのプロット数が予め定められた第1規定値以上であると判定した場合、データ解析装置320は、第1警告フラグをオンに設定する処理を実行し、分画範囲Aのプロット数が予め定められた第1規定値未満であると判定した場合、データ解析装置320は、第1警告フラグをオフに設定する処理を実行する。
また、データ解析装置320は、分画範囲Bのプロット数(第2計数値)が予め定められた第2規定値以上であるか否かを判定する処理を実行する。分画範囲Bのプロット数が予め定められた第2規定値以上であると判定した場合、データ解析装置320は、第2警告フラグをオンに設定する処理を実行し、分画範囲Bのプロット数が予め定められた第2規定値未満であると判定した場合、データ解析装置320は、第2警告フラグをオフに設定する処理を実行する。
さらに、データ解析装置320は、分画範囲Cのプロット数(第3計数値)が予め定められた第3規定値以上であるか否かを判定する処理を実行する。分画範囲Cのプロット数が予め定められた第3規定値以上であると判定した場合、データ解析装置320は、第3警告フラグをオンに設定する処理を実行し、分画範囲Cのプロット数が予め定められた第3規定値未満であると判定した場合、データ解析装置320は、第3警告フラグをオフに設定する処理を実行する。
そして、結果出力装置330(図1参照)は、データ解析装置320により生成された各種情報(分類情報としての散布図や、分類情報としての計数値の情報、各警告フラグの情報)を報知部400に送信し、表示装置410は、受信した各種情報を表示画面に表示する。
これにより、表示装置410は、分類情報としての散布図や計数値(第1計数値、第2計数値、第3計数値)を表示することができる。この際、表示装置410は、散布図に重ねて分画範囲A、分画範囲B、分画範囲Cの四角形の枠を表示してもよい。
また、表示装置410は、第1警告フラグ、第2警告フラグ、第3警告フラグのいずれかのフラグがオンに設定されていることに応じて、所定の警告を表示することができる。例えば、第1警告フラグがオンである場合には「ウログレナに注意」という文字情報を表示し、第2警告フラグがオンである場合には「フォルミディウムに注意」という文字情報を表示し、第3警告フラグがオンである場合には「ミクロキスティスに注意」という文字情報を表示することができる。
〔本システムのまとめ〕
植物プランクトン分別システム500は、微粒子測定用の散乱光受光装置110と、植物プランクトンが発する自家蛍光を検出する自家蛍光受光装置90とを備えている。植物プランクトン分別システム500では、発光装置10により照射されるレーザーを対象微粒子にあててその粒子による散乱光の強度と自家蛍光の強度を測定し、散乱光の強度と自家蛍光の強度をパラメータとしてプロットすると、プロットされた領域により生物(植物プランクトン)の種類の分類ができる。
そして、図3及び図4に示すように、個々の粒子の散乱光の強度と自家蛍光の強度を測定することで、生物と非生物の区別だけでなく、各生物の種別と発生量を求めることができる。植物プランクトン分別システム500では、染色等の操作は行わず、またサンプルを採取する工程も必要もなく、浄水の処理工程にそのまま組み込むことができるため、人手を介することなく迅速に水質管理を行うことができる。
〔本システムの概要〕
植物プランクトン分別システム500は、図1に示す構成を備えている。発光装置10の光源には、植物プランクトンが持つ自家蛍光色素であるクロロフィルa(葉緑素)を励起するための波長405nm(紫色)の半導体レーザーを使用している。レーザー光は、試料を流す流動装置30(フローセル)に照射される。流動装置30内を流れる試料中の粒子がレーザー光を通過すると、粒子は照射光波長と同波長の散乱光を発する。発光装置10のレーザー光の波長は、330~460nm程度であることが好ましい。
レーザー光を通過した粒子が植物プランクトンである場合、クロロフィルaによるレーザー光の吸収が発生し、散乱光と同時に赤色の自家蛍光を発する(図5)。そして、これらの光を散乱光受光装置110及び自家蛍光受光装置90でそれぞれを受光して電気信号に変換し、散乱光の強度及び自家蛍光の強度に応じたパルス信号が出力される(図6)。そして、レーザー光を通過した粒子一つ一つについて、散乱光及び自家蛍光のパルス信号の大きさ(強度)に基づき、散布図(2次元マップ)上にプロットする(図3及び図4)。この散布図上のプロットは、植物プランクトンの種類によって異なる分布を示す(図2)。そして、各種植物プランクトンに対応する散布図上の分画範囲A~C内のプロットの数を計数することにより、植物プランクトンの種類を大まかに分別(弁別)し計数することができる。
以上説明したように、本実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(1)本実施形態によれば、染色等の人手を介した前処理を行うこともなく、障害を引き起こす生物の発生を自動かつインラインで迅速に検知(スクリーニング)できるため、生物観察の専門的な知識や技術がなくても、障害生物の発生等を検知することができる。その結果、生物を処理するための適切な薬剤の投与等の検討が容易になる。また、本システムによれば、インラインによる24時間監視も可能となる。さらに、本システムによれば、測定と薬剤投与の連携を図ることで薬剤投与の自動化にも寄与することができる。
(2)本実施形態によれば、代表的な各障害原因植物プランクトンを分別検知することができるため、生物障害を迅速に把握するための、人手のかからない簡便な検知ツールを提供することができる。
(3)本実施形態によれば、分別情報として、散乱光の強度及び自家蛍光の強度をパラメータとしてプロットした散布図を生成するため、一目みて分かりやすい分別情報とすることができ、分別作業の負担を軽減させることができる。
(4)本実施形態によれば、データ解析装置320は、分別情報として、散布図の特定の範囲に含まれるプロットの数を示す計数値を生成するため、特定の範囲に対応する植物プランクトンがどの程度存在するのかを具体的な数値により把握することができる。
(5)本実施形態によれば、データ解析装置320は、規定値及び計数値に基づいて、特定の植物プランクトンの存在を判定するため、植物プランクトンの分別作業を自動化することができ、分別作業の負担を軽減させることができる。
(6)本実施形態によれば、発光装置10は、紫色の光(照射光)を照射するため、自家蛍光の強度を検出しやすくすることができる。
(7)本実施形態によれば、分別情報を表示する表示装置410を備えるため、分別情報をその場で迅速に確認することができる。
〔変形形態〕
本発明は、上述した実施形態に制約されることなく、種々に変形して実施することができる。
(1)植物プランクトンを励起するレーザー光の波長は、植物プランクトンが持つその他の自家蛍光色素(フィコシアニン、フィコエリスリン等)を励起できる波長でもよい。レーザー光は、例えば青色(波長430~500μm)や緑色(波長500~570μm)、黄色(波長570~620μm)等であってもよい。
(2)自家蛍光受光装置90で検出する自家蛍光波長は、クロロフィルa以外の植物プランクトンが持つ自家蛍光色素(例えばフィコシアニンやフィコエリスリン等)のものでもよい。レーザー光は、例えば緑色(波長500~570μm)、黄色(波長570~620μm)等であってもよい。
(3)レーザー光を通過した粒子一つ一つを、散乱光及び自家蛍光パルス信号の大きさに基づいて、散布図(2次元マップ)上にプロットする例で説明したが、散布図を表示せずに直接、散乱光及び自家蛍光パルス信号の大きさに基づいて、特定の範囲内(分画範囲内)の計数値を出力してもよい。すなわち、分別情報としては、散布図のみを生成してもよく、計数値のみを生成してもよく、散布図及び計数値を生成してもよい。
(4)検出する自家蛍光波長については、複数の自家蛍光波長を検出してもよく、その場合は3次元の散布図(散乱光強度、第一の自家蛍光強度、第二の自家蛍光強度)を用いて植物プランクトンの属や種等を分別するようにしてもよい。例えば、第一の自家蛍光強度は、クロロフィルaに基づく自家蛍光により検出し、第二の自家蛍光強度は、フィコシアニンに基づく自家蛍光により検出することができる。この場合、発光装置10は1つ設置し、散乱光受光装置110及び自家蛍光受光装置90は自家蛍光の種類に合わせて複数設置することができる。
(5)散布図内の粒子一つ一つに対応するプロットの分布について、AI(人工知能:Artificial Intelligence)等の機械学習を用いて、植物プランクトンの属や種の違いによる特異的な特徴を導き出すようにしてもよい。例えば、各プロットに縦軸及び横軸の座標情報を持たせて記憶し、その座標情報がいずれの分画領域に属しているかの情報を記憶させることができる。
(6)その他水質指標(栄養塩濃度(窒素、リン等)、水温、日照時間、pH、アルカリ度、残留塩素濃度等)を、植物プランクトンの属や種の判定の参考情報として用いてもよい。例えば、ウログレナを例にして説明すると、ウログレナが発生しにくい水温の場合には、ウログレナを検出してもウログレナであると分別しない(散布図にプロットしない)ようにするすることができる。これにより植物プランクトンの分別の精度を向上させることができる。
(7)データ解析装置320により生成された分別情報は、本システムに備えられた表示装置410に表示する例で説明したが、本システムに接続可能な情報処理端末にデータとして送信して表示させるようにしてもよく、表示することなく紙等に出力してもよい。
(8)図7のステップS102、ステップS104、ステップS106の処理は、全ての処理を本システムに組み込む必要はなく、少なくとも1つのステップに関する処理を組み込むようにしてもよい。
(9)植物プランクトン分別システム500は、浄水場に設置する例で説明したが、その他の場所(下水処理場、飲料水製造施設等)に設置してもよい。植物プランクトン分別システム500が検査対象とする液体は、培養液であってもよい。
1 光検出システム
2 制御システム
10 発光装置
20 照射光学レンズ系
30 流動装置
31 レーザー光
32 筒部
33 水
35 植物プランクトン
40 第1集光光学レンズ系
50 遮光装置
60 散乱光選択光学装置
65 遮光壁
70 自家蛍光選択光学装置
80 第2集光光学レンズ系
90 自家蛍光受光装置
100 第3集光光学レンズ系
110 散乱光受光装置
200 検出信号処理部
210 自家蛍光用出力信号処理装置
220 散乱光用出力信号処理装置
300 データ処理部
310 データ収集装置
320 データ解析装置
330 結果出力装置
400 報知部
410 表示装置
500 植物プランクトン分別システム
A ウログレナの分画範囲
B フォルミディウムの分画範囲
C ミクロキスティスの分画範囲

Claims (7)

  1. 液体に向けて光を照射する発光手段と、
    前記発光手段により照射された光により植物プランクトンが発する散乱光及び自家蛍光を検出する検出手段と、
    前記検出手段により検出された前記散乱光及び前記自家蛍光に基づいて前記散乱光の強度及び前記自家蛍光の強度を検出し、前記散乱光の強度及び前記自家蛍光の強度に基づいて、前記植物プランクトンの種類を分別するための分別情報を生成する制御手段と、
    を備える植物プランクトン分別システム。
  2. 請求項1に記載の植物プランクトン分別システムにおいて、
    前記制御手段は、前記分別情報として、前記散乱光の強度及び前記自家蛍光の強度をパラメータとしてプロットした散布図を生成することを特徴とする植物プランクトン分別システム。
  3. 請求項2に記載の植物プランクトン分別システムにおいて、
    前記制御手段は、前記分別情報として、前記散布図の特定の範囲に含まれるプロットの数を示す計数値を生成することを特徴とする植物プランクトン分別システム。
  4. 請求項3に記載の植物プランクトン分別システムにおいて、
    前記制御手段は、予め定められた規定値及び前記計数値に基づいて、前記特定の範囲に対応する特定の植物プランクトンが前記規定値以上存在しているか否かを判定することを特徴とする植物プランクトン分別システム。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の植物プランクトン分別システムにおいて、
    前記発光手段は、分別対象が含まれる水に向けて光を照射することを特徴とする植物プランクトン分別システム。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の植物プランクトン分別システムにおいて、
    前記発光手段は、紫外線又は可視光を照射することを特徴とする植物プランクトン分別システム。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載の植物プランクトン分別システムにおいて、
    前記制御手段により生成された前記分別情報を表示する表示手段を備えることを特徴とする植物プランクトン分別システム。
JP2021175367A 2021-10-27 2021-10-27 植物プランクトン分別システム Pending JP2023064913A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021175367A JP2023064913A (ja) 2021-10-27 2021-10-27 植物プランクトン分別システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021175367A JP2023064913A (ja) 2021-10-27 2021-10-27 植物プランクトン分別システム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023064913A true JP2023064913A (ja) 2023-05-12

Family

ID=86281622

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021175367A Pending JP2023064913A (ja) 2021-10-27 2021-10-27 植物プランクトン分別システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2023064913A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US10908064B2 (en) Realtime optical method and system for detecting and classifying biological and non-biological particles
US6950184B2 (en) Water quality monitoring by Raman spectral analysis
EP3004838B1 (en) Image forming cytometer
US8243272B2 (en) Systems and methods for detecting normal levels of bacteria in water using a multiple angle light scattering (MALS) instrument
CA2288801C (en) A method and a system for determination of particles in a liquid sample
JP5533055B2 (ja) 光学的測定装置及び光学的測定方法
JP5430788B1 (ja) 生物粒子計数方法、生物粒子計数器及び浄水監視システム
US9267845B2 (en) Apparatus for counting viable particles in liquid in real time, dialysis fluid monitoring system and purified water monitoring system using the apparatus, and method of counting viable particles in liquid in real time
US20070046938A1 (en) Systems and methods for a multiple angle light scattering (MALS) instrument having two-dimensional detector array
CN105910968B (zh) 生物气溶胶激光监测预警与鉴别装置及方法
US7564551B2 (en) Systems and methods for a high capture angle, multiple angle light scattering (MALS) instrument
WO2014122889A1 (ja) 生物粒子計数システム及び生物粒子計数方法
DE112011103252T5 (de) Fluoreszenzmessverfahren und Fluoreszenzmessvorrichtung
JP2009192450A (ja) 植物プランクトンの計測法
US20140291550A1 (en) Flow cytometer systems and associated methods
JP7339070B2 (ja) 生物粒子測定装置及び生物粒子測定方法
JP2000241335A (ja) 藻類および微粒子の計数方法と計数装置
JP2023064913A (ja) 植物プランクトン分別システム
JP2003254891A (ja) 植物プランクトンの計数装置及びその計数方法
CN205786218U (zh) 生物气溶胶激光监测预警与鉴别装置
WO2022270009A1 (ja) 生体試料分析装置
JP7350621B2 (ja) 濁度計測装置及び濁度計測方法、浄水監視システム
KR20140093389A (ko) 광화학센서를 이용한 생태독성측정장치
Vardon et al. The potential of laser scanning cytometry for early warning of algal blooms in desalination plant feedwater
JP2009222566A (ja) 微生物計測方法およびシステム