JP2023064278A - CrSi系スパッタリングターゲット - Google Patents

CrSi系スパッタリングターゲット Download PDF

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【課題】スパッタ成膜時におけるターゲット割れの発生を抑制し、安定してCrSi薄膜を成膜することが可能なCrSi系スパッタリングターゲットを提供する。【解決手段】CrSi相を主相とするCrSi系スパッタリングターゲットであって、SiとCrとCとの合計を100原子%とした場合に、Crの含有量が10原子%以上65原子%以下の範囲内、Siの含有量が20原子%以上60原子%以下の範囲内、Cの含有量が5原子%以上50原子%以下の範囲内とされており、密度比が85%以上とされ、断面組織において、SiC相の面積率が5%以上である。【選択図】なし

Description

本発明は、CrSi相を主相とするCrSi系スパッタリングターゲットに関するものである。
従来、CrSi膜は、例えば特許文献1に示すように、半導体集積回路の配線に使用する薄膜抵抗体として利用されている。
ここで、上述のCrSi膜は、CrとSiを含有するCrSi系スパッタリングターゲットを用いたスパッタ法によって成膜されている。
例えば、特許文献1では、CrSiターゲットもしくはCrSiターゲット(Rは、O,B,C,N又はH,Ge,Ni,Co,Fe,Al,W,Mo,Ti,Ru又はCuの元素の1つ又はそれ以上)を用いて、CrSi膜を成膜することが記載されている。
特開平08-264304号公報
ところで、特許文献1に記載されたCrSiターゲットもしくはCrSiターゲット等のCrSi系スパッタリングターゲットは、通常、粉末焼結法によって製造される。
ここで、CrSi系スパッタリングターゲットにおいては、ターゲット強度が不足し、スパッタ成膜時にターゲット割れが発生し、安定して成膜することができないといった問題があった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、スパッタ成膜時におけるターゲット割れの発生を抑制し、安定してCrSi薄膜を成膜することが可能なCrSi系スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のCrSi系スパッタリングターゲットは、CrSi相を主相とするCrSi系スパッタリングターゲットであって、SiとCrとCとの合計を100原子%とした場合に、Crの含有量が10原子%以上65原子%以下の範囲内、Siの含有量が20原子%以上60原子%以下の範囲内、Cの含有量が5原子%以上50原子%以下の範囲内とされており、密度比が85%以上とされ、断面組織において、SiC相の面積率が5%以上であることを特徴としている。
本発明のCrSi系スパッタリングターゲットによれば、SiとCrとCとの合計を100原子%とした場合に、Crの含有量が10原子%以上65原子%以下の範囲内、Siの含有量が20原子%以上60原子%以下の範囲内、Cの含有量が5原子%以上50原子%以下の範囲内とされており、密度比が85%以上とされ、断面組織においてSiC相の面積率が5%以上とされているので、密度が十分に高く、且つ、硬いSiC相が十分に存在しており、ターゲット強度が確実に向上することになり、スパッタ成膜時におけるターゲット割れの発生を抑制することができる。
ここで、本発明のCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、ビッカース硬度が550Hv以上であることが好ましい。
この場合、ビッカース硬度が550Hv以上とされ、硬いSiC相が十分に確保されており、さらに確実にターゲット強度を向上させることができ、スパッタ成膜時におけるターゲット割れの発生をさらに抑制することができる。
本発明によれば、スパッタ成膜時におけるターゲット割れの発生を抑制し、安定してCrSi薄膜を成膜することが可能なCrSi系スパッタリングターゲットを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るCrSi系スパッタリングターゲットの断面観察写真である。 本発明の一実施形態に係るCrSi系スパッタリングターゲットの断面の元素マッピング図である。 本発明の一実施形態に係るCrSi系スパッタリングターゲットのXRD結果を示す図である。 本発明の一実施形態に係るCrSi系スパッタリングターゲットの製造方法を示すフロー図である。
以下に、本発明の実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットについて添付した図面を参照して説明する。
本実施形態に係るCrSi系スパッタリングターゲットは、例えば、半導体集積回路の配線に使用する薄膜抵抗体として利用されるCrSi膜を成膜する際に用いられるものである。
なお、本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、その形状に特に限定はない。例えば、スパッタ面が矩形状をなす矩形平板型スパッタリングターゲットであってもよいし、スパッタ面が円形をなす円板型スパッタリングターゲットとしてもよい。あるいは、スパッタ面が円筒面とされた円筒型スパッタリングターゲットであってもよい。
本実施形態に係るCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、CrとSiとを主成分として含有し、さらにCを含んでいる。
そして、本実施形態に係るCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、SiとCrとCとの合計を100原子%とした場合に、Crの含有量が10原子%以上65原子%以下の範囲内、Siの含有量が20原子%以上60原子%以下の範囲内、Cの含有量が5原子%以上50原子%以下の範囲内とされている。SiとCrとCとの合計は100原子%を超えない。
なお、本実施形態においては、SiとCrとC以外の元素を含有していてもよいが、SiとCrとCの合計含有量が95質量%以上であることが好ましい。
ここで、図1および図2に、本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットの断面組織観察写真を示す。本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、図1に示すように、CrSi相11を主相とするとともに、SiC相12を備えている。そして、SiC相12の面積率が5%以上とされている。
なお、図1および図2に示すように、SiC相12は、CrSi相11の周囲を取り囲むように配置されている。
また、図3に、本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットのXRD測定結果を示す。
このXRD測定においては、CrSi相、SiC相、Cr23相、Cr相が確認される。すなわち、本実施形態では、CrSi相11およびSiC相12の他に、Cr23相、Cr相を有していることになる。
そして、本実施形態に係るCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、密度比が85%以上とされている。
さらに、本実施形態に係るCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、ビッカース硬度が550Hv以上であることが好ましい。
なお、本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、断面組織においてSiC相12の面積率が8%以上で、ビッカース硬度が800Hv以上であることが更に好ましい。
以下に、本実施形態に係るCrSi系スパッタリングターゲットにおいて、組成、SiC相の面積率、密度比、ビッカース硬度について、上述のように規定した理由を示す。
(組成)
本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、図1および図2に示すように、CrSi膜を成膜するものであり、CrSi相11を主相としている。そして、このCrSi相11を囲むようにSiC相12が形成されており、硬いSiC相12が存在することによって強度が向上し、スパッタ時の割れが抑制される。
ここで、SiとCrとCとの合計を100原子%とした場合に、Cの含有量が5原子%未満の場合には、SiCの生成量が少なくなり、強度が不足するおそれがある。一方、Cの含有量が50原子%未満の場合には、C単体が組織に残存することになる。C単体は、難焼結体であるため、焼結体の密度が低下するおそれがある。
このため、本実施形態においては、SiとCrとCとの合計を100原子%とした場合に、Cの含有量を5原子%以上50原子%以下の範囲内としている。
なお、上述のCの含有量の下限は、10原子%以上とすることが好ましく、15原子%以上とすることがより好ましい。また、上述のCの含有量の上限は、40原子%以下とすることが好ましく、25原子%以下とすることがより好ましい。
また、SiとCrとCとの合計を100原子%とした場合に、Crの含有量が10原子%未満の場合には、スパッタリングターゲットの導電率が低下してしまい、DCスパッタを安定して行うことができないおそれがある。一方、Crの含有量が65原子%未満を超える場合には、成膜したCrSi膜が抵抗膜としての機能を確保できないおそれがある。
このため、本実施形態においては、SiとCrとCとの合計を100原子%とした場合に、Crの含有量を10原子%以上65原子%以下の範囲内としている。
なお、上述のCrの含有量の下限は、35原子%以上とすることが好ましく、40原子%以上とすることがより好ましい。また、上述のCrの含有量の上限は、60原子%以下とすることが好ましく、55原子%以下とすることがより好ましい。
さらに、SiとCrとCとの合計を100原子%とした場合に、Siの含有量が20原子%未満の場合には、SiCの生成量が少なくなり、強度が不足するおそれがある。一方、Siの含有量が60原子%を超える場合には、密度が低下するおそれがある。
このため、本実施形態においては、SiとCrとCとの合計を100原子%とした場合に、Siの含有量を20原子%以上60原子%以下の範囲内としている。
なお、上述のSiの含有量の下限は、10原子%以上とすることが好ましく、15原子%以上とすることがより好ましい。また、上述のSiの含有量の上限は、40原子%以下とすることが好ましく、25原子%以下とすることがより好ましい。
また、本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、SiとCrとC以外の元素を含有していてもよいが、SiとCrとCの合計含有量が95質量%以上であることが好ましい。なお、SiとCrとC以外の元素は、意図的に添加したのであってもよいし、製造時に不可避に含まれる不純物であってもよい。
(SiC相の面積率)
本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、スパッタ面と直交する断面組織においてSiC相12の面積率が5%以上とされている。なお、本実施形態では、図1および図2に示すように、CrSi相11を囲むようにSiC相12が存在している。なお、SiC相12は、CrSi相11に均一に分散していることが好ましい。
本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、硬いSiC相12を有することにより、強度が向上し、スパッタ時における割れの発生を抑制することが可能となる。
なお、SiC相12の面積率の下限は、7%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。SiC相12の面積率の上限は、15%以下であることが好ましく、13%以下であることがより好ましい。
また、本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、SiC相12の面積率が7%以上の場合、Cの含有量を14原子%以上50原子%以下の範囲内とすることが好ましい。さらに、SiC相12の面積率が10%以上の場合、Cの含有量を20原子%以上50原子%以下の範囲内とすることが好ましい。
(密度比)
本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、後述するように、金属粉末の焼結体で構成されている。
ここで、密度比が低い場合には、内部に空孔が多く存在することになり、スパッタ成膜時に、これらの空孔を起因として異常放電が発生するおそれがある。
このため、本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットにおいては、密度比を85%以上としている。
なお、スパッタ成膜時における異常放電の発生をさらに抑制するためには、密度比を90%以上とすることが好ましく、95%以上とすることがより好ましい。
(ビッカース硬度)
本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットにおいて、ビッカース硬度が550Hv以上である場合には、十分に硬く強度に優れており、スパッタ時における割れの発生を抑制することが可能となる。ここで、CrSi系スパッタリングターゲットにおいては、硬いSiC相12の面積率が高くなることによって、ビッカース硬度が向上することになる。
なお、強度をさらに確実に向上させてスパッタ時における割れの発生をさらに抑制するためには、ビッカース硬度を600Hv以上とすることが好ましく、800Hv以上とすることがより好ましい。また、ビッカース硬度の上限に特に制限はないが、一般的に1500Hv以下となる。
次に、上述した本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットの製造方法の一例について、図4を参照して説明する。
(焼結原料粉形成工程S01)
まず、焼結原料粉を準備する。本実施形態では、原料粉として、CrSi粉,C粉,Cr粉,Si粉およびSiC粉を準備する。なお、これらの原料粉の平均粒径が50μm以下であることが好ましい。
これらの原料粉を所定の組成比となるように秤量する。ここで、CrSi粉の添加量は5mol%以上とすることが好ましい。CrSi粉の添加量が5mol%未満であると、Cr粉およびSi粉の添加量が相対的に多くなり、後述する焼結工程S02において、Cr粉とSi粉との急激な化合物反応により、焼結体に割れが生じてしまうおそれがある。
秤量した原料粉を混合し、焼結原料粉を得る。なお、混合方法に特に制限はないが、本実施形態では、ボールミルを用いている。混合時間は20時間以上30時間以下の範囲内とすることが好ましい。混合時間を20時間以上とすることにより、偏析の発生を十分に抑制することができる。一方、混合時間を30時間以下とすることにより、混合装置からの不純物の混入を抑制することができる。
(焼結工程S02)
次に、得られた焼結原料粉を、成形型に充填し、加圧および加熱し、焼結を進行させて焼結体を得る。
ここで、焼結工程S02においては、加圧圧力を150kgf/cm以上であることが好ましい。加圧圧力を150kgf/cm以上とすることにより、焼結を進行させ、密度を十分に向上させることができる。
なお、加圧圧力の下限は、200kgf/cm以上とすることがさらに好ましい。
また、焼結温度は、1100℃以上1500℃以下の範囲内とすることが好ましい。焼結温度を1100℃以上とすることにより、焼結を進行させ、密度を十分に向上させることができる。一方、焼結温度を1500℃以下とすることにより、粒成長を抑制でき、スパッタ時におけるパーティクルの発生を抑制することができる。
なお、焼結温度の下限は、1000℃以上とすることがさらに好ましく、1050℃以上とすることがより好ましい。一方、焼結温度の上限は、1400℃以下とすることがさらに好ましく、1350℃以下とすることがより好ましい。
また、焼結温度での保持時間は、2時間以上6時間以下の範囲内とすることが好ましい。焼結温度での保持時間を2時間以上とすることにより、焼結を進行させ、密度を十分に向上させることができる。一方、焼結温度での保持時間を6時間以下とすることにより、粒成長を抑制でき、スパッタ時におけるパーティクルの発生を抑制することができる。
なお、焼結温度での保持時間の下限は、2.5時間以上とすることがさらに好ましく、3時間以上とすることがより好ましい。一方、焼結温度での保持時間の上限は、4.5時間以下とすることがさらに好ましく、5時間以下とすることがより好ましい。
(機械加工工程S04)
次に、得られた焼結体に対して、機械加工を行い、所定サイズのCrSi系スパッタリングターゲットを得る。
上述の工程により、本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットが製造されることになる。
以上のような構成とされた本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットによれば、SiとCrとCとの合計を100原子%とした場合に、Crの含有量が10原子%以上65原子%以下の範囲内、Siの含有量が20原子%以上60原子%以下の範囲内、Cの含有量が5原子%以上50原子%以下の範囲内とされており、密度比が85%以上とされ、断面組織においてSiC相12の面積率が5%以上とされているので、密度が十分に高く、且つ、硬いSiC相12が十分に存在しており、ターゲット強度が確実に向上することになり、スパッタ成膜時におけるターゲット割れの発生を抑制することが可能となる。
ここで、本実施形態であるCrSi系スパッタリングターゲットにおいて、ビッカース硬度が550Hv以上である場合には、硬いSiC相12が十分に存在し、ターゲット強度がさらに向上しており、スパッタ成膜時におけるターゲット割れの発生をさらに抑制することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、原料粉を混合する混合装置としてボールミルを例に挙げて説明したが、原料粉を混合する混合装置はボールミルに限定されることはなく、アトライター、V型混合機、ヘンシェルミキサーを用いてもよい。
また、図3のXRD測定において、CrSi相およびSiC相の他に、Cr23C6相,Cr相を有するものとして説明したが、これに限定されることはなく、CrSi相およびSiC相を有していれば、その他の相に特に限定はない。
以下に、本発明の有効性を確認するために行った確認実験の結果について説明する。
CrSi粉(純度:98mass%以上、平均粒径20μ以上300μm以下)、Cr粉(純度:99.9mass%以上、平均粒径20μ以上300μm以下)、Si粉(純度:99mass%以上、平均粒径1μ以上100μm以下)、C粉(純度:98mass%以上、平均粒径0.1μ以上50μm以下)、SiC粉(純度:99mass%以上、平均粒径1μ以上50μm以下)を準備した。
これらの原料粉を、表1に示す配合比となるように秤量した。そして、直径200mmの混合容器を使用し、この混合容器に原料粉とボール材を投入した。なお、酸化防止のため、混合容器内にArガスを封入した。回転数85rpmで20時間から30時間混合した。
混合後、ボール材を篩で除いて、焼結原料粉を得た。
焼結原料粉を、内径φ165mmのカーボン製の成形型に焼結原料粉を入れ、真空雰囲気のホットプレス装置(HP)を用いて、加圧圧力150kgf/cm、表1に示す焼結温度で5時間保持の条件で、加圧焼結した。
得られた焼結体を、旋盤を用いてφ152.4mm×6mmtのサイズに加工し、CrSi系スパッタリングターゲットを得た。
得られたCrSi系スパッタリングターゲットについて、以下の項目について評価した。評価結果を表2に示す。
(組成)
CrSi系スパッタリングターゲットから測定試料を採取し、ICP発光分光分析法により各元素について定量分析を行った。得られた組成分析値から、Cr,Si,Cの含有量を、Cr,Si,Cの合計含有量が100原子%となるように換算した。その結果を表2に示す。
(密度比)
重量と体積からCrSi系スパッタリングターゲットの密度求め、それを理論密度で除したものを密度比とした。なお、理論密度は以下の方式で算出した。評価結果を表2に示す。
化合物A、化合物B、化合物C、・・・により構成される混合物において、化合物Aの含有量をWa(mass%)、密度をDa(g/cm)、化合物Bの含有量をWb(mass%)、密度をDb(g/cm)、化合物Cの含有量をWc(mass%)、密度をDc(g/cm)、・・・とするとき、化合物A、化合物B、化合物C、・・・により構成される混合物の理論密度Ds(g/cm)は、以下の計算式により算出される。
Ds=100/{(Wa/Da)+(Wb/Db)+(Wc/Dc)+・・・}
=100/Σ(Wn/Dn)
(ビッカース硬度)
得られたCrSi系スパッタリングターゲットのスパッタ面の中心部の硬さを、ビッカース硬度計を用いて測定した。なお、測定条件は、JIS Z 2244に準拠した。評価結果を表2に示す。
(SiC相の面積率)
得られたCrSi系スパッタリングターゲットのスパッタ面の中心部、および、中心部から任意の方向へ60mm距離の位置から10mm×10mm×6mmtのサンプルをそれぞれ採取し、任意で選択した断面(スパッタ面と直交する面)を観察面としてエポキシ樹脂に埋め込み、鏡面研磨加工を実施した。その後、電子線マイクロアナライザー(EPMA)装置を用いて観察し、倍率300倍、400μm×300μmの観察面積でSiとCが共存している領域をSiC相と判断した。
そして、画像全体に占めるSiC相の面積率を算出した後、2点の平均値を評価基準の値とした。面積率は、EPMAでの元素マッピング画像を、画像ソフトWinroofでの二値化処理を利用して算出した。評価結果を表2に示す。
(スパッタ中のターゲットの割れ)
作製したCrSi系スパッタリングターゲットを無酸素銅製のバッキングプレートにはんだ付けし、これをマグネトロン式のDCスパッタ装置に装着した。
次いで、以下のスパッタ条件にて、60分間連続して、スパッタ法による成膜を実施した。その後、ターゲット外観の調査を行い、割れの有無を目視で確認した。なお、ターゲット外観の調査において、10mm以上のクラックを割れと判断した。評価結果を表2に示す。
到達真空度:5×10-5Pa
Arガス圧:0.3Pa
スパッタ出力:直流1000W
Figure 2023064278000001
Figure 2023064278000002
比較例1においては、Cの含有量が62.9原子%と高く、密度比が81.1%と低く、ビッカース硬度が520Hvとなった。そして、スパッタ中のターゲットの割れが確認された。
比較例2においては、Cの含有量が1.6原子%と低く、SiC相の面積率が0.5%と低く、ビッカース硬度が540Hvとなった。そして、スパッタ中のターゲットの割れが確認された。
比較例3においては、焼結温度が1050℃と低温条件とされ、密度比が77.9%と低くなった。そして、スパッタ中のターゲットの割れが確認された。
これに対して、本発明例1-9においては、密度比が85%以上、かつ、SiC相の面積率が5%以上であり、スパッタ中のターゲットの割れは確認されなかった。
以上のことから、本発明例によれば、スパッタ成膜時におけるターゲット割れの発生を抑制し、安定してCrSi薄膜を成膜することが可能なCrSi系スパッタリングターゲットを提供できることが確認された。
11 CrSi相
12 SiC相

Claims (2)

  1. CrSi相を主相とするCrSi系スパッタリングターゲットであって、
    SiとCrとCとの合計を100原子%とした場合に、Crの含有量が10原子%以上65原子%以下の範囲内、Siの含有量が20原子%以上60原子%以下の範囲内、Cの含有量が5原子%以上50原子%以下の範囲内とされており、
    密度比が85%以上とされ、
    断面組織において、SiC相の面積率が5%以上であることを特徴とするCrSi系スパッタリングターゲット。
  2. ビッカース硬度が550Hv以上であることを特徴とする請求項1に記載のCrSi系スパッタリングターゲット。
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