JP2023062995A - ロータの製造方法及びロータ - Google Patents

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Abstract

【課題】ロータの製造の際に、接着剤が磁石孔からあふれ出ることを抑制する。【解決手段】ロータは、ロータコア、磁石、及び接着剤を備えている。ロータコアは、回転軸線に沿う方向に貫通する磁石孔を備えている。磁石は、磁石孔内に位置している。接着剤は、磁石孔の内壁面及び磁石の外面の間に介在している。接着剤は、発泡温度Z2以上の温度で発泡する発泡剤と、発泡温度Z2よりも低い硬化温度Z1以上の温度で硬化する熱硬化性樹脂とを含んでいる。ロータの製造方法における加熱工程では、接着剤のうち、回転軸線に沿う第1方向側の第1端及び第1方向とは反対の第2方向側の第2端を、硬化温度Z1以上且つ発泡温度Z2未満の温度に加熱し、接着剤のうち、回転軸線に沿う方向での中央を発泡温度Z2以上の温度に加熱する。【選択図】図6

Description

本発明は、ロータの製造方法及びロータに関する。
特許文献1には、モータジェネレータのロータが記載されている。特許文献1のロータは、ロータコア、複数の磁石、及び複数の発泡樹脂を備えている。ロータコアは、複数の磁石孔を備えている。磁石孔は、回転軸線に沿う方向にロータコアを貫通している。磁石は、磁石孔内に位置している。発泡樹脂は、内部に複数の気泡を有する熱硬化性樹脂である。発泡樹脂は、磁石孔の内壁面及び磁石の外面の間に介在している。
また、特許文献1には、ロータの製造方法が記載されている。特許文献1のロータの製造にあたって、作業者等は、磁石の外面に、発泡剤及び未硬化の熱硬化性樹脂を含む接着剤を塗布した後に、当該磁石をロータコアの磁石孔内に挿入する。そして、作業者等は、発泡剤の発泡温度以上の温度、且つ、熱硬化性樹脂の硬化温度以上の温度で接着剤を加熱する。すると、発泡剤が発泡して接着剤の体積が増加することにより、磁石の外面と磁石孔の内壁面との間の隙間が接着剤で満たされる。そして、その状態で熱硬化性樹脂が硬化することにより、磁石が磁石孔内において保持される。
国際公開第2019/039442号
特許文献1のロータの製造方法では、接着剤を加熱する際に、発泡に伴って接着剤の体積が増加する。そのため、接着剤が磁石孔からあふれ出てしまうおそれがある。
上記課題を解決するためのロータの製造方法は、回転軸線に沿う方向に貫通する磁石孔を有するロータコアと、前記磁石孔内に位置する磁石と、前記磁石孔の内壁面及び前記磁石の外面の間に介在している接着剤と、を備えるロータの製造方法であって、前記接着剤は、発泡温度以上の温度で発泡する発泡剤と、前記発泡温度よりも低い硬化温度以上の温度で硬化する熱硬化性樹脂とを含んでおり、前記接着剤のうちの前記回転軸線に沿う第1方向側の第1端及び前記第1方向とは反対の第2方向側の第2端を、前記硬化温度以上且つ前記発泡温度未満の温度に加熱して前記熱硬化性樹脂を硬化させ、前記接着剤のうち、前記回転軸線に沿う方向での中央を前記発泡温度以上の温度に加熱する加熱工程を備える。
上記構成によれば、接着剤の第1端及び第2端は発泡温度未満の温度で加熱されるため、当該接着剤の第1端及び第2端では発泡剤が発泡することなく熱硬化性樹脂が硬化する。こうして硬化した熱硬化性樹脂が栓のように機能するので、接着剤が磁石孔からあふれ出ることを抑制できる。
上記構成において、前記加熱工程では、前記接着剤の前記中央に対する単位時間当たりの加熱量が、前記接着剤の前記第1端及び前記第2端に対する単位時間当たりの加熱量よりも大きくなるように、前記接着剤全体を同時に加熱してもよい。上記構成によれば、例えば接着剤の第1端及び第2端を加熱した後に接着剤の中央を加熱する場合に比べて、接着剤を加熱するための期間を短縮できる。
上記構成において、前記加熱工程では、前記接着剤全体を同時に加熱しつつ、前記第1端及び前記第2端の温度が前記硬化温度以上且つ前記発泡温度未満となるように、前記第1端及び前記第2端を冷却してもよい。
上記構成によれば、例えば接着剤全体を加熱する加熱装置のみを用いる場合に接着剤全体が発泡温度以上の温度に加熱される状況であっても、接着剤の中央に比べて接着剤の第1端及び第2端の温度を低くすることができる。
上記構成において、前記加熱工程は、前記接着剤の前記第1端及び前記第2端を前記硬化温度以上且つ前記発泡温度未満の温度に加熱して、前記第1端及び前記第2端の熱硬化性樹脂を硬化させる第1加熱工程と、前記第1加熱工程よりも後に、前記接着剤全体を前記発泡温度以上の温度に加熱する第2加熱工程と、を備えていてもよい。
上記構成によれば、第1加熱工程において接着剤の第1端及び第2端の熱硬化性樹脂が硬化するため、その後に接着剤の第1端及び第2端が発泡温度以上の温度に加熱されても、接着剤の第1端及び第2端の発泡剤が発泡しにくい。したがって、第2加熱工程では、例えば接着剤全体を一様に加熱する加熱装置を用いることができる。
上記課題を解決するためのロータは、回転軸線に沿う方向に貫通する磁石孔を有するロータコアと、前記磁石孔内に位置する磁石と、前記磁石孔の内壁面及び前記磁石の外面の間に介在しており、熱硬化性樹脂からなる発泡樹脂と、を備えるロータであって、前記発泡樹脂のうちの前記回転軸線に沿う第1方向側の第1端及び前記第1方向とは反対の第2方向側の第2端での発泡率は、前記発泡樹脂のうちの前記回転軸線に沿う方向での中央の発泡率よりも低くなっている。
上記構成によれば、発泡樹脂の第1端及び第2端の発泡率が発泡樹脂の中央の発泡率と同じである構成に比べて、ロータの製造の際に、熱硬化性樹脂が磁石孔からあふれ出ることを抑制できる。
モータジェネレータの断面図である。 ロータの平面図である。 ロータの製造方法を示すフローチャートである。 ロータの製造方法を示す説明図である。 ロータの製造方法を示す説明図である。 (a)は、加熱工程における接着剤の第1端及び第2端の温度変化を示すタイムチャートである。(b)は、加熱工程における接着剤の中央の温度変化を示すタイムチャートである。 変更例におけるロータの製造方法を示す説明図である。
<モータジェネレータの構成>
以下、本発明の一実施形態を図1~図6にしたがって説明する。先ず、モータジェネレータ100の構成について説明する。
図1に示すように、モータジェネレータ100は、シャフト10、ロータ20、及びステータ60を備えている。以下では、ロータ20が回転する際に中心となる軸線を回転軸線Jとして説明する。また、回転軸線Jに沿う方向の一方を第1方向Aとし、第1方向Aとは反対の方向を第2方向Bとして説明する。
ステータ60の形状は、全体として円筒形状である。ステータ60の中心軸線は、回転軸線Jと一致している。ステータ60は、ステータコア70、及び複数のコイル80を備えている。ステータコア70は、ステータコア本体71、及び複数のティース72を備えている。ステータコア本体71の形状は、略円筒形状である。ティース72は、ステータコア本体71の内周面から突出している。ティース72は、回転軸線Jに沿う方向においてステータコア本体71の第1方向A側の第1端から第2方向B側の第2端まで延びている。複数のティース72は、ステータコア本体71の内周面に沿うように互いに等間隔で位置している。
ステータ60は、ティース72の数と同じ数のコイル80を備えている。コイル80は、ティース72に巻き回されている。回転軸線Jに沿う方向において、コイル80の一部は、ステータコア70の第1方向A側の第1端から突出している。また、回転軸線Jに沿う方向において、コイル80の一部は、ステータコア70の第2方向B側の第2端から突出している。
ロータ20は、ロータコア30を備えている。ロータコア30の形状は、略円柱形状である。ロータコア30の中心軸線は、回転軸線Jと一致している。ロータコア30の外径は、ステータ60の内径よりも僅かに小さくなっている。ロータコア30は、ステータ60の内部に位置している。なお、図1では、ロータコア30とステータ60との間の隙間を省略して図示している。図示は省略するが、ロータコア30は、略円板形状の複数の電磁鋼板を積層することにより構成されている。
ロータコア30は、固定孔31を備えている。固定孔31は、回転軸線Jに沿う方向において当該ロータコア30を貫通している。固定孔31の中心軸線は、回転軸線Jと一致している。シャフト10は、固定孔31内に位置している。回転軸線Jに沿う方向において、シャフト10の一部は、ロータコア30の第1方向A側の第1端から突出している。また、回転軸線Jに沿う方向において、シャフト10の一部は、ロータコア30の第2方向B側の第2端から突出している。シャフト10の形状は、略円棒形状である。シャフト10の外径は、固定孔31の径と略同じである。シャフト10の外周面は、固定孔31の内周面に固定されている。したがって、シャフト10の中心軸線は、回転軸線Jと一致している。
図1に示すように、ロータコア30は、複数の磁石孔32を備えている。磁石孔32は、回転軸線Jに沿う方向において当該ロータコア30を貫通している。図2に示すように、磁石孔32は、ロータコア30の外周寄りの箇所に位置している。複数の磁石孔32は、ロータコア30の外周面に沿うように互いに等間隔で位置している。図2に示すように、回転軸線Jに沿う方向でロータ20を視たときに、磁石孔32の形状は、略長方形状である。本実施形態において、ロータコア30は、8個の磁石孔32を備えている。
図2に示すように、ロータ20は、複数の磁石40、及び複数の発泡樹脂50を備えている。ロータ20は、磁石孔32の数と同じ数の磁石40、すなわち8個の磁石40を備えている。磁石40は、磁石孔32内に位置している。磁石40の形状は、略長方形板状である。図2に示すように、回転軸線Jに沿う方向でロータ20を視たときに、磁石40の長辺の寸法は、磁石孔32の長辺の寸法と略同じである。また、回転軸線Jに沿う方向でロータ20を視たときに、磁石40の短辺の寸法は、磁石孔32の短辺の寸法よりも小さくなっている。図1に示すように、回転軸線Jに沿う方向において、磁石40は、磁石孔32の第1方向A側の第1端から第2方向B側の第2端まで延びている。磁石40は、永久磁石である。本実施形態において、磁石40の一例は、鉄、ネオジム、及びホウ素等を原料とするネオジム磁石である。
図2に示すように、ロータ20は、1つの磁石40について、一対の発泡樹脂50を備えている。すなわち、本実施形態において、ロータ20は、16個の発泡樹脂50を備えている。一対の発泡樹脂50の一方は、磁石40における2つの主面の一方と磁石孔32の内壁面との間に介在している。一対の発泡樹脂50の他方は、磁石40における2つの主面の他方と磁石孔32の内壁面との間に介在している。ここで、主面とは、磁石40における6つの外面のうち、最も大きい外面である。図1に示すように、回転軸線Jに沿う方向において、発泡樹脂50は、磁石孔32の第1方向A側の第1端から第2方向B側の第2端まで延びている。
発泡樹脂50は、磁石孔32の内壁面及び磁石40の外面に接着している。したがって、発泡樹脂50は、磁石孔32の内壁面及び磁石40の外面への接着により磁石40を保持している。また、発泡樹脂50は、磁石孔32の内壁面及び磁石40の外面によって圧縮されている。したがって、発泡樹脂50は、当該発泡樹脂50の圧縮に対する反発力によっても磁石40を保持している。発泡樹脂50は、熱硬化性樹脂51を備えている。熱硬化性樹脂51は、予め定められた硬化温度Z1以上の温度で硬化する性質を有している。発泡樹脂50は、硬化済みの熱硬化性樹脂51の内部に気泡が形成されたものである。したがって、発泡樹脂50の体積は、気泡が存在しない熱硬化性樹脂51のみの体積よりも大きくなっている。熱硬化性樹脂51の例は、エポキシ樹脂、フェノール樹脂などである。ここで、発泡樹脂50の単位体積に占める気泡の体積の比率を発泡率とする。発泡樹脂50の第1方向A側の第1端50Aの発泡率は、発泡樹脂50の第2方向B側の第2端50Bの発泡率と略同じである。また、発泡樹脂50における第1端50Aの発泡率及び第2端50Bの発泡率は、発泡樹脂50における回転軸線Jに沿う方向での中央50Cの発泡率よりも低くなっている。
また、発泡樹脂50は、未発泡の発泡剤52を備えている。発泡剤52は、予め定められた発泡温度Z2以上の温度で発泡する性質を有している。ここで、発泡温度Z2は、硬化温度Z1よりも高い温度である。なお、発泡樹脂50に含まれる発泡剤52は、後述する接着剤55に含まれる発泡剤52が発泡することなく残留したものである。発泡剤52の例は、発泡温度Z2以上で揮発する物質、発泡温度Z2以上で化学反応して気体を生じる組成物、及び内部に気体が封入されたマイクロカプセルなどである。
<ロータの製造方法>
次に、ロータ20の製造方法について説明する。図3に示すように、先ず、作業者等は、準備工程S10を行う。準備工程S10において、作業者等は、接着剤55を準備する。接着剤55は、未硬化の熱硬化性樹脂51、及び未発泡の発泡剤52を備えている。また、準備工程S10において、作業者等は、ロータコア30、及び磁石40を準備する。
図3に示すように、作業者等は、準備工程S10の後に、塗布工程S20を行う。塗布工程S20において、作業者等は、磁石40における2つの主面の全域に接着剤55を塗布する。
図3に示すように、作業者等は、塗布工程S20の後に、乾燥工程S30を行う。乾燥工程S30において、作業者等は、接着剤55を乾燥させることにより、接着剤55の粘度を高める。その結果、接着剤55が磁石40から剥がれにくい状態となる。
図3に示すように、作業者等は、乾燥工程S30の後に、挿入工程S40を行う。図4に示すように、挿入工程S40において、作業者等は、磁石40及び接着剤55を、ロータコア30の磁石孔32に挿入する。このとき、図5に示すように、作業者等は、磁石40の第1方向A側の第1端を、磁石孔32の第1方向A側の第1端と同じ位置に配置する。また、作業者等は、磁石40の第2方向B側の第2端を、磁石孔32の第2方向B側の第2端と同じ位置に配置する。同様に、作業者等は、ロータコア30における全ての磁石孔32に、磁石40及び接着剤55を挿入する。
図3に示すように、作業者等は、挿入工程S40の後に、加熱工程S50を行う。図4に示すように、加熱工程S50において、作業者等は、加熱装置200を用いて、接着剤55を加熱する。加熱装置200は、電磁誘導コイル210を備えている。電磁誘導コイル210の形状は、略螺旋形状である。電磁誘導コイル210の螺旋の内径は、ロータコア30の外径よりも大きくなっている。したがって、加熱装置200では、電磁誘導コイル210の内部にロータコア30を配置可能である。図5に示すように、電磁誘導コイル210は、第1端コイル210A、第2端コイル210B、及び中央コイル210Cを備えている。電磁誘導コイル210の内部にロータコア30を配置した場合、第1端コイル210Aは、ロータコア30の第1方向A側の第1端の近傍に位置する。電磁誘導コイル210の内部にロータコア30を配置した場合、第2端コイル210Bは、ロータコア30の第2方向B側の第2端の近傍に位置する。電磁誘導コイル210の内部にロータコア30を配置した場合、中央コイル210Cは、ロータコア30における回転軸線Jに沿う方向での中央の近傍に位置する。なお、図示は簡略化するが、第1端コイル210A、第2端コイル210B、及び中央コイル210Cのそれぞれは、導線が複数回巻き回されている。第1端コイル210Aの巻き数は、第2端コイル210Bの巻き数と略同じである。中央コイル210Cの巻き数は、第1端コイル210Aの巻き数及び第2端コイル210Bの巻き数に比べて多くなっている。
図5に示すように、加熱工程S50において、作業者等は、加熱装置200の電磁誘導コイル210の内部にロータコア30を配置する。そして、作業者等は、加熱装置200の電磁誘導コイル210に交流電流を通電することにより、当該電磁誘導コイル210の周りに磁界を発生させる。このとき、第1端コイル210A、第2端コイル210B、及び中央コイル210Cに対して、同一の交流電圧を印加する。すると、電磁誘導コイル210の周り発生する磁界の時間的な変化により、ロータコア30の内部に渦電流が発生して当該ロータコア30が加熱される。その結果、ロータコア30の磁石孔32内の接着剤55全体が同時に加熱される。このとき、第1端コイル210A及び第2端コイル210Bの近傍で発生する磁界は、中央コイル210Cの近傍で発生する磁界に比べて弱い。したがって、接着剤55における回転軸線Jに沿う方向での中央55Cに対する単位時間当たりの加熱量は、接着剤55の第1方向A側の第1端55A及び接着剤55の第2方向B側の第2端55Bに対する単位時間当たりの加熱量よりも大きくなる。その結果、図6(b)に示すように、接着剤55における回転軸線Jに沿う方向での中央55Cの温度は、時刻t1において、発泡温度Z2に達する。すなわち、時刻t1以降において、中央55Cは、発泡温度Z2以上の温度で加熱される。一方、図6(a)に示すように、接着剤55の第1方向A側の第1端55A及び接着剤55の第2方向B側の第2端55Bの温度は、中央55Cの温度に比べて上昇が緩やかである。そのため、第1端55A及び第2端55Bの温度は、時刻t1以降も、発泡温度Z2には達しない。ただし、第1端55A及び第2端55Bの温度は、時刻t2において硬化温度Z1に達する。すなわち、時刻t2以降において、第1端55A及び第2端55Bは、硬化温度Z1以上、且つ、発泡温度Z2未満の温度で加熱される。そして、作業者等は、図6(a)及び図6(b)に示すように、接着剤55の加熱を開始した時刻t0から予め定められた規定期間TX経過するまで、接着剤55全体を同時に加熱し続ける。その結果、接着剤55から発泡樹脂50が形成される。
なお、規定期間TXは、以下のように定めている。先ず、実験等により、接着剤55の中央55Cを発泡温度Z2以上の温度で加熱した場合に、接着剤55の中央55Cの付近に含まれる発泡剤52が十分に発泡しつつ、接着剤55の中央55Cの付近に含まれる熱硬化性樹脂51が十分に硬化する期間を求める。また、実験等により、接着剤55の第1端55A及び第2端55Bを硬化温度Z1以上、且つ、発泡温度Z2未満の温度で加熱した場合に、接着剤55の第1端55A及び第2端55Bの付近に含まれる熱硬化性樹脂51が十分に硬化する期間を求める。そして、規定期間TXとしては、上記の2つの期間のうち長い期間を定めている。
<本実施形態の作用>
加熱工程S50では、接着剤55の中央55Cが、発泡温度Z2以上の温度で加熱される。すると、接着剤55の中央55Cの付近に含まれる発泡剤52が発泡することにより、接着剤55の中央55Cの付近の体積が増加する。そして、磁石40の外面と磁石孔32の内壁面との間の隙間が接着剤55で満たされる。さらに、発泡温度Z2以上の温度、すなわち硬化温度Z1以上の温度で加熱されることにより、接着剤55の中央55Cの付近に含まれる熱硬化性樹脂51が硬化する。その結果、接着剤55から形成された発泡樹脂50により磁石40が磁石孔32内において保持される。
<本実施形態の効果>
(1)加熱工程S50では、接着剤55の第1端55A及び第2端55Bが、硬化温度Z1以上、且つ、発泡温度Z2未満の温度で加熱される。そのため、接着剤55の第1端55A及び第2端55Bの付近に含まれる発泡剤52が発泡することなく熱硬化性樹脂51が硬化する。そして、接着剤55の第1端55A及び第2端55Bの付近で硬化した熱硬化性樹脂51が磁石孔32の栓のように機能する。これにより、接着剤55の中央55Cの付近の体積が増加しても、その接着剤55が、接着剤55の第1端55A及び第2端55Bの付近で硬化した熱硬化性樹脂51により堰き止められる。その結果、接着剤55の中央55Cの付近の体積が増加しても、接着剤55が磁石孔32からあふれ出ることを抑制できる。
(2)加熱工程S50では、接着剤55全体が同時に加熱される。これにより、例えば接着剤55の第1端55A及び第2端55Bを加熱した後に接着剤55の中央55Cを加熱する場合に比べて、接着剤55を加熱するための期間を短縮できる。
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態において、ロータ20の製造方法における加熱工程S50は変更してもよい。例えば、図7に示すように、加熱装置200に代えて、加熱装置300を用いてもよい。加熱装置300は、電磁誘導コイル310、第1遮蔽材320A、及び第2遮蔽材320Bを備えている。電磁誘導コイル310の形状は、略螺旋形状である。第1遮蔽材320A及び第2遮蔽材320Bの形状は、略円環形状である。電磁誘導コイル310の内部にロータコア30を配置した場合、第1遮蔽材320A及び第2遮蔽材320Bは、ロータコア30の外周面と電磁誘導コイル310の内周面との間に位置する。電磁誘導コイル310の内部にロータコア30を配置した場合、第1遮蔽材320Aは、ロータコア30の第1方向A側の第1端の近傍に位置する。電磁誘導コイル310の内部にロータコア30を配置した場合、第2遮蔽材320Bは、ロータコア30の第2方向B側の第2端の近傍に位置する。第1遮蔽材320A及び第2遮蔽材320Bの材質の一例は、磁性材料としてのフェライトである。
上記の加熱装置300を用いた加熱工程S50では、加熱装置300の電磁誘導コイル310に交流電流が通電されることにより、当該電磁誘導コイル310の周りに磁界が発生する。このとき、第1遮蔽材320Aがロータコア30の第1方向A側の第1端の近傍に位置するため、第1遮蔽材320Aによって磁束が遮蔽、吸収される。その結果、ロータコア30の第1方向A側の第1端の近傍を通過する磁界が弱まる。同様に、第2遮蔽材320Bがロータコア30の第2方向B側の第2端の近傍に位置するため、第2遮蔽材320Bによって磁束が遮蔽、吸収される。その結果、ロータコア30の第2方向B側の第2端の近傍を通過する磁界が弱まる。したがって、接着剤55における回転軸線Jに沿う方向での中央55Cに対する単位時間当たりの加熱量は、接着剤55の第1方向A側の第1端55A及び接着剤55の第2方向B側の第2端55Bに対する単位時間当たりの加熱量よりも大きくできる。
・例えば、図7に示すように、加熱工程S50において、さらに冷却装置400を用いてもよい。具体例としては、加熱工程S50において、作業者等は、図7において一点鎖線矢印で示すように、冷却装置400により、接着剤55の第1端55A及び第2端55Bに空気などの冷媒を供給してもよい。これにより、接着剤55における回転軸線Jに沿う方向での中央55Cに対する単位時間当たりの加熱量は、接着剤55の第1方向A側の第1端55A及び接着剤55の第2方向B側の第2端55Bに対する単位時間当たりの加熱量よりも大きくできる。その結果、例えば接着剤55全体を加熱する加熱装置のみを用いる場合に接着剤55全体が発泡温度Z2以上の温度に加熱される状況であっても、接着剤55の中央55Cに比べて接着剤55の第1端55A及び第2端55Bの温度を低くすることができる。なお、冷却装置400等により接着剤55の第1端55A及び第2端55Bを冷却する場合には、加熱装置300が第1遮蔽材320A及び第2遮蔽材320Bを備えていなくてもよい。
・さらに、例えば、加熱工程S50において冷却装置400を用いる場合には、加熱装置200及び加熱装置300に代えて、温度調整可能な加熱炉を用いてもよい。具体例として、作業者等は、磁石40及び接着剤55が挿入されたロータコア30を加熱炉内に入れ、それら全体を加熱炉により一様に加熱する。このとき、作業者等は、冷却装置400により、接着剤55の第1端55A及び第2端55Bを冷却すればよい。
・上記実施形態において、ロータ20の製造方法における加熱工程S50に代えて、第1加熱工程S35及び第2加熱工程S55を採用してもよい。具体例として、作業者等は、乾燥工程S30の後であって挿入工程S40の前に、第1加熱工程S35を行う。第1加熱工程S35において、作業者等は、接着剤55の第1端55A及び第2端55Bを、硬化温度Z1以上、且つ、発泡温度Z2未満の温度で加熱することにより、接着剤55の第1端55A及び第2端55Bの付近に含まれる熱硬化性樹脂51を硬化させる。また、作業者等は、挿入工程S40の後に、第2加熱工程S55を行う。第2加熱工程S55において、作業者等は、接着剤55全体を、発泡温度Z2以上の温度で加熱することにより、接着剤55の中央55Cの付近に含まれる発泡剤52を発泡させつつ熱硬化性樹脂51を硬化させる。この場合、第1加熱工程S35において接着剤55の第1端55A及び第2端55Bの付近に含まれる熱硬化性樹脂51が硬化しているため、第2加熱工程S55では、接着剤55の第1端55A及び第2端55Bの付近に含まれる発泡剤52はほとんど発泡しない。したがって、第2加熱工程S55では、例えば接着剤55全体を一様に加熱する加熱装置を用いることができる。
・上記実施形態において、ロータ20の製造方法における加熱工程S50以外の工程を変更してもよい。
例えば、塗布工程S20において、作業者等は、磁石40における2つの主面に対向する磁石孔32の内壁面に、接着剤55を塗布してもよい。この場合、作業者等は、磁石40における2つの主面に接着剤55を塗布しなくてもよい。
・例えば、準備工程S10において、作業者等は、接着剤55に代えて、複数の接着シートを準備してもよい。具体的には、接着シートは、帯状のシート本体と、未硬化の熱硬化性樹脂51及び未発泡の発泡剤52を含む接着剤とを備えている。この接着剤は、シート本体の2つの主面に塗布された後に乾燥されている。この場合、作業者等は、準備工程S10の後に、挿入工程S40を行えばよい。具体的には、挿入工程S40において、作業者等は、磁石40を一対の接着シートで挟んだ状態で、磁石40及び一対の接着シートを、ロータコア30の磁石孔32に挿入すればよい。
・上記実施形態において、ロータ20の構成を変更してもよい。例えば、ロータコア30が備えている磁石孔32の数は変更してもよい。この場合、磁石40及び発泡樹脂50の数は、磁石孔32の数に合わせて変更すればよい。
・例えば、磁石孔32及び磁石40の形状は変更してもよい。具体例として、回転軸線Jに沿う方向でロータ20を視たときに、磁石40の長辺の寸法は、磁石孔32の長辺の寸法よりも小さくなっていてもよい。この場合、磁石40における2つの主面以外の外面と磁石孔32の内壁面との間に隙間が生じるため、上記の隙間に発泡樹脂50が位置していてもよい。すなわち、接着剤55は、磁石40における2つの主面以外の外面と磁石孔32の内壁面との間に介在していてもよい。
A…第1方向
B…第2方向
J…回転軸線
Z1…硬化温度
Z2…発泡温度
10…シャフト
20…ロータ
30…ロータコア
31…固定孔
32…磁石孔
40…磁石
50…発泡樹脂
50A…第1端
50B…第2端
50C…中央
51…熱硬化性樹脂
52…発泡剤
55…接着剤
55A…第1端
55B…第2端
55C…中央
60…ステータ
70…ステータコア
71…ステータコア本体
72…ティース
80…コイル
100…モータジェネレータ
200…加熱装置
210…電磁誘導コイル

Claims (5)

  1. 回転軸線に沿う方向に貫通する磁石孔を有するロータコアと、
    前記磁石孔内に位置する磁石と、
    前記磁石孔の内壁面及び前記磁石の外面の間に介在している接着剤と、を備えるロータの製造方法であって、
    前記接着剤は、発泡温度以上の温度で発泡する発泡剤と、前記発泡温度よりも低い硬化温度以上の温度で硬化する熱硬化性樹脂とを含んでおり、
    前記接着剤のうちの前記回転軸線に沿う第1方向側の第1端及び前記第1方向とは反対の第2方向側の第2端を、前記硬化温度以上且つ前記発泡温度未満の温度に加熱して前記熱硬化性樹脂を硬化させ、前記接着剤のうち、前記回転軸線に沿う方向での中央を前記発泡温度以上の温度に加熱する加熱工程を備える
    ロータの製造方法。
  2. 前記加熱工程では、前記接着剤の前記中央に対する単位時間当たりの加熱量が、前記接着剤の前記第1端及び前記第2端に対する単位時間当たりの加熱量よりも大きくなるように、前記接着剤全体を同時に加熱する
    請求項1に記載のロータの製造方法。
  3. 前記加熱工程では、前記接着剤全体を同時に加熱しつつ、前記第1端及び前記第2端の温度が前記硬化温度以上且つ前記発泡温度未満となるように、前記第1端及び前記第2端を冷却する
    請求項2に記載のロータの製造方法。
  4. 前記加熱工程は、
    前記接着剤の前記第1端及び前記第2端を前記硬化温度以上且つ前記発泡温度未満の温度に加熱して、前記第1端及び前記第2端の熱硬化性樹脂を硬化させる第1加熱工程と、
    前記第1加熱工程よりも後に、前記接着剤全体を前記発泡温度以上の温度に加熱する第2加熱工程と、を備える
    請求項1に記載のロータの製造方法。
  5. 回転軸線に沿う方向に貫通する磁石孔を有するロータコアと、
    前記磁石孔内に位置する磁石と、
    前記磁石孔の内壁面及び前記磁石の外面の間に介在しており、熱硬化性樹脂からなる発泡樹脂と、を備えるロータであって、
    前記発泡樹脂のうちの前記回転軸線に沿う第1方向側の第1端及び前記第1方向とは反対の第2方向側の第2端での発泡率は、前記発泡樹脂のうちの前記回転軸線に沿う方向での中央の発泡率よりも低くなっている
    ロータ。
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